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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20231017BHJP
   B41J 21/00 20060101ALI20231017BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20231017BHJP
【FI】
G06F3/12 344
B41J21/00 Z
H04N1/00 127B
G06F3/12 308
G06F3/12 320
G06F3/12 332
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019195346
(22)【出願日】2019-10-28
(65)【公開番号】P2021068377
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2022-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】長沼 譲
(72)【発明者】
【氏名】山代谷 真之
(72)【発明者】
【氏名】坡山 聡志
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-127475(JP,A)
【文献】特開2013-196119(JP,A)
【文献】特開2014-179044(JP,A)
【文献】特開2005-115712(JP,A)
【文献】特開2001-197300(JP,A)
【文献】特開2003-296055(JP,A)
【文献】特開平05-250109(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09- 3/12
B41J 5/00- 5/52
B41J 21/00-21/18
B41J 29/00-29/70
G03G 13/34
G03G 15/00
G03G 15/36
G03G 21/00-21/02
G03G 21/14
G03G 21/20
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器から受信した印刷データに基づいて、記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、前記印刷データは、画像を示す画像データから一部のデータ量が削減された削減画像データを含み、
前記印刷データを受信する受信部と、
前記削減画像データに基づいて、前記削減画像データが示す画像より高画質の高画質データを生成する復元制御部と、
前記高画質データに基づいて、前記記録媒体に画像を形成する画像形成部と
を備え
前記印刷データは、前記削減画像データに基づいて画像を復元する際の前記復元に関する情報を示す指示情報を含み、
前記復元制御部は、前記削減画像データと前記指示情報とに基づいて、前記高画質データを生成し、
前記復元制御部は、
前記削減画像データと前記指示情報とに基づいて、前記削減画像データに対する高画質化処理の要否を決定する決定部と、
前記高画質化処理が必要と決定された場合に、前記削減画像データに基づいて、前記高画質データを生成する高画質化部と
を備える、画像形成装置。
【請求項2】
前記高画質化部は、前記削減画像データを学習済みニューラルネットワークに入力することによって、前記高画質データを生成する、請求項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、画像形成装置および画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スマートフォン等のモバイル機器のアプリで閲覧したWebページの画像等を画像形成装置で印刷する場合に、印刷する画像の品質を向上させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-177373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
印刷する画像の品質を向上させようとすると、高解像度の画像となるため、一般には、画像形成装置に送信するデータ量は増大する。一方、印刷に要する通信料金は送信するデータ量に依存する場合が多い。そのため、モバイル機器から画像形成装置に画像データを送信する場合は、データ量を抑制することが望まれている。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、印刷する画像の品質を確保しつつ、印刷時に送信する画像のデータ量を削減することが可能な情報処理装置、画像形成装置および画像形成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理装置は、画像形成装置に印刷データを送信可能な情報処理装置であって、削減制御部と、特定部とを備える。前記印刷データは、第1画像を示す第1画像データから一部のデータ量が削減された第2画像データを含む。前記削減制御部は、前記第1画像データに対する一部のデータ量の削減を制御する。前記特定部は、前記画像形成装置が、前記第2画像データに基づいて画像を高画質化する機能を有しているか否かを特定する。前記削減制御部は、前記画像形成装置が前記機能を有していると特定された場合に、前記第1画像データのデータ量を前記第2画像データまで削減する。
【0007】
本発明に係る画像形成装置は、電子機器から受信した印刷データに基づいて、記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、受信部と、復元制御部と、画像形成部とを備える。前記印刷データは、画像を示す画像データから一部のデータ量が削減された削減画像データを含む。前記受信部は、前記印刷データを受信する。前記復元制御部は、前記削減画像データに基づいて、前記削減画像データが示す画像より高画質の高画質データを生成する。前記画像形成部は、前記高画質データに基づいて、前記記録媒体に画像を形成する。
【0008】
本発明に係る画像形成システムは、情報処理装置と画像形成装置とを含む。前記情報処理装置は、前記画像形成装置に印刷データを送信可能な情報処理装置であって、削減制御部と、特定部と、送信部とを備える。前記印刷データは、第1画像を示す第1画像データから一部のデータ量が削減された第2画像データを含む。前記削減制御部は、前記第1画像データに対する一部のデータ量の削減を制御する。前記特定部は、前記画像形成装置が、前記第2画像データに基づいて画像を高画質化する機能を有しているか否かを特定する。前記削減制御部は、前記画像形成装置が前記機能を有していると特定された場合に、前記第1画像データのデータ量を前記第2画像データまで削減する。前記送信部は、前記削減された第2画像データを含む印刷データを前記画像形成装置に送信する。前記画像形成装置は、電子機器から受信した印刷データに基づいて、記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、受信部と、復元制御部と、画像形成部とを備える。前記受信部は、前記印刷データを受信する。前記復元制御部は、前記第2画像データに基づいて、前記第2画像データが示す画像より高画質の高画質データを生成する。前記画像形成部は、前記高画質データに基づいて、前記記録媒体に画像を形成する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る情報処理装置、画像形成装置および画像形成システムによれば、印刷する画像の品質を確保しつつ、印刷時に送信する画像のデータ量を削減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る画像形成システムを示す概略図である。
図2】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図3】画像形成装置の構成を示すブロック図である。
図4】機能情報を格納する機能情報テーブルの一例である。
図5】(a)は、指示情報を格納する指示情報テーブルの一例である。(b)は、指示情報を格納する指示情報テーブルの他の例である。
図6】削減制御部の処理を示すフローチャートである。
図7】復元制御部の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面(図1図7)を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成システム1を示す概略図である。図1に示すように、画像形成システム1は、情報処理装置100と、画像形成装置200A~画像形成装置200Cとを有する。ここで、画像形成装置200は、画像形成装置200A~画像形成装置200Cの総称である。なお、画像形成システム1は、情報処理装置100と、少なくとも1台の画像形成装置200とを含む。
【0013】
情報処理装置100は、例えば、スマートフォン又はタブレット端末のモバイル機器である。情報処理装置100は、カメラを内蔵してもよい。
【0014】
情報処理装置100は、画像形成装置200に印刷データを送信可能である。印刷データは、画像を示す画像データを含む。情報処理装置100は、画像形成装置200の機能に基づいて、画像形成装置200に送信する画像データを削減する。本実施形態では、「画像形成装置200の機能」とは、受信した画像データに基づいて、より高画質の画像データを生成し得る高画質化機能である。
【0015】
具体的には、情報処理装置100は、ユーザーから、画像を含む印刷ジョブの指示を受けると、画像形成装置200に印刷データを送信する。その際、情報処理装置100は、画像形成装置200が高画質化機能を有しているか否かを特定する。そして、画像形成装置200が高画質化機能を有していると特定した場合、情報処理装置100は、印刷対象の画像である元画像を示す元画像データから一部のデータ量を削減した削減画像データを生成する。情報処理装置100は、削減画像データを含む印刷データを画像形成装置200に送信する。なお、画像形成装置200が高画質化機能を有していると特定しない場合、情報処理装置100は、元画像データを削減せずに、元画像データを含む印刷データを画像形成装置200に送信する。
【0016】
したがって、情報処理装置100は、画像形成装置200の高画質化機能の有無に対応させて、画像形成装置200に送信する画像データの削減を決定するので、印刷する画像の品質を確保しつつ、印刷時に送信する画像のデータ量を削減することが可能になる。
【0017】
なお、印刷データは、指示情報を含んでいてもよい。「指示情報」は、元画像データから削減された一部のデータ量に関する情報、および/又は削減画像データに基づいて画像を復元する際の復元に関する情報を示す。更に、印刷データは、テキストデータを含んでもよい。本実施形態では、「元画像を示す元画像データ」は「第1画像を示す第1画像データ」であり、「削減画像データ」は「第2画像データ」である。指示情報については、図2を参照して後述する。
【0018】
すなわち、画像形成装置200Aは、情報処理装置100から受信した印刷データに基づいて、記録媒体に画像を形成する。印刷データは、第1画像を示す第1画像データから一部のデータ量が削減された第2画像データを含む。
【0019】
ここで、画像形成装置200Bおよび画像形成装置200Cは、画像形成装置200Aと同等の機能を有する。なお、画像形成装置200は、画像形成装置200A~画像形成装置200Cの総称である。
【0020】
画像形成システム1は、情報処理装置100と、画像形成装置200とが、ネットワーク50を介して互いに接続されている。例えば、情報処理装置100と、画像形成装置200とは、インターネット、LAN(Local Area Network)、又はWAN(Wide Area Network)を介して通信可能に接続されている。
【0021】
次に、図2を参照して、情報処理装置100の構成について説明する。図2は、情報処理装置100の構成を示すブロック図である。図2に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、入出力部120と、削減制御部130と、特定部140と、記憶部150とを備える。
【0022】
通信部110は、削減制御部130又は特定部140の指示に応じて、他の電子機器との間で、各種のデータを送受信する。通信部110は、例えば、通信インターフェイスである。なお、通信部110は、「送信部」の一例である。
【0023】
通信部110は、特定部140の指示に応じて、画像形成装置200とのデータのやり取りによって、画像形成装置200の機能情報を取得することができる。なお、通信部110によって取得された機能情報は、削減制御部130によって記憶部150に記憶される。
【0024】
本実施形態では、通信部110は、削減制御部130の指示に応じて、画像形成装置200に印刷データを送信する。更に、通信部110は、削減制御部130の指示に応じて、指示情報が付加された印刷データを画像形成装置200に送信してもよい。
【0025】
例えば、指示情報は、第1画像データの一部のデータ量を削減する際の削減の割合を示す「削減率」を含んでもよい。
【0026】
更に、指示情報は、画像を復元する際に復元に関する情報として、最小デスティネーションサイズ、および最小拡大率を示す情報を含んでもよい。最小デスティネーションサイズ、および最小拡大率については、図5を参照して後述する。
【0027】
更に、通信部110は、特定部140の指示に応じて、画像形成装置200とのデータのやり取りによって、画像形成装置200の機能情報を取得してもよい。なお、通信部110によって取得された機能情報は、削減制御部130によって記憶部150に記憶される。
【0028】
機能情報は、第2画像データに基づいて画像を高画質化する機能を有していることを示す。例えば、「第2画像データに基づいて画像を高画質化する機能」とは、「第2画像データを学習済みニューラルネットワークに入力することによって、第2画像より高画質の画像を示す画像データを生成する機能(いわゆる「超解像機能」)」である。超解像機能は、元画像の画像データを用いた補間ではなく、学習済みニューラルネットワークを利用して元画像に含まれない高周波成分を推定することによって、画像の高画質化を行う。なお、超解像機能は、従来の技術を適用することが可能である。
【0029】
なお、通信部110は、入出力部120が受け付けた指示に応じて、ネットワーク50に接続されているサーバー装置のWebページを閲覧し、そのWebページから画像データを取得してもよい。
【0030】
入出力部120は、ユーザーから指示を受け付ける。更に、入出力部120は、各種の情報をユーザーに報知する。入出力部120は、例えば、タッチパネルを有する有機ELディスプレー、又はタッチパネルを有する液晶ディスプレーである。
【0031】
削減制御部130は、制御プログラムに基づいて、情報処理装置100の各構成部分の動作を制御する。本実施形態では、制御プログラムは、プリンタードライバー、および各種アプリケーションソフトを含む。プリンタードライバーは、画像形成装置200で印刷する際に用いる制御プログラムである。削減制御部130は、例えば、マイクロコンピューターである。本実施形態では、マイクロコンピューターは、プロセッサーを含む。プロセッサーは、例えば、CPU(Central Processing Unit)を含む。
【0032】
削減制御部130は、第1画像データに対する一部のデータ量の削減を制御する。具体的には、削減制御部130は、特定部140によって、画像形成装置200が高画質化機能を有していると特定された場合に、第1画像データに対する一部のデータ量を削減して第2画像データを生成する。印刷データに包含させる第1画像の第1画像データの選択方法については、削減制御部130が実行するプリンタードライバー、およびアプリケーションソフトを用いた従来技術で実施が可能である。
【0033】
図2に示すように、削減制御部130は、判定部131と、削減部132と、作成部133と、付加部134とを備える。
【0034】
判定部131は、少なくとも機能情報に基づいて、第1画像データを削減すべきか否かを判定する。具体的には、判定部131は、特定部140によって、「画像形成装置200が超解像機能を有している」と特定された場合に、第1画像データを削減すべきと判定する。
【0035】
更に、判定部131は、第1画像データのデータ量が所定の閾値を超えている場合に、第1画像データを削減すべきであると判定してもよい。
【0036】
具体的には、印刷する対象の第1画像が矩形の画像であって、例えば200ピクセル×200ピクセル以上の画像に該当する場合、判定部131は、第1画像データを削減すると判定する。このように判定する理由は、200ピクセル×200ピクセル未満の画像が小さい(すなわち、画像データ量が小さい)場合は、画像データの削減処理に要するオーバーヘッドに対して高画質化の効果が分かり難いため、本発明の効果が十分発揮されないからである。なお、画像の各ピクセル値の判定基準については、適宜変更可能である。
【0037】
削減部132は、第1画像データを削減すべきであると判定された場合に、第1画像データのデータ量を第2画像データまで削減する。
【0038】
更に、削減部132は、所定の削減率に基づいて、第1画像データのデータ量を第2画像データまで削減してもよい。また、削減率は、指示情報に定義してもよい。なお、ユーザーから受け付けた指示に基づいて、削減率の値については、適宜変更可能である。
【0039】
例えば、指示情報に、第1画像データのデータ量を削減する「削減率:1/4」が定義されている場合について説明する。この場合、削減部132は、指示情報が示す削減率に基づいて、第1画像データを間引いて削減し、第1画像データの1/4のデータ量の第2画像データを生成することができる。
【0040】
作成部133は、指示情報を作成する。更に、作成部133は、特定のコマンドを利用して、指示情報の内容を定義してもよい。例えば、PJLコマンドに指示情報の内容を定義してもよい。
【0041】
付加部134は、作成部133で作成された指示情報を印刷データに付加する。
【0042】
特定部140は、制御プログラムに基づいて、画像形成装置200が画像を高画質化する機能を有しているか否かを特定する。特定部140は、例えば、マイクロコンピューターである。本実施形態では、マイクロコンピューターは、プロセッサーを含む。プロセッサーは、例えば、CPUを含む。
【0043】
特定部140は、通信部110を介した画像形成装置200とのデータのやり取りによって、画像形成装置200が高画質化機能を有しているか否かを特定してもよい。更に、特定部140は、予め記憶部150に記憶されている機能情報を参照して、各画像形成装置200の機能を特定してもよい。
【0044】
記憶部150は、各種のデータおよび制御プログラムを記憶する。本実施形態では、記憶部150は、機能情報を記憶する。
【0045】
記憶部150は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、およびソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)のうち、少なくとも1つを含む。
【0046】
次に、図3を参照して、画像形成装置200の構成について説明する。図3は、画像形成装置200の構成を示すブロック図である。
【0047】
図3に示すように、画像形成装置200は、通信部210と、画像形成部220と、復元制御部230とを備える。
【0048】
通信部210は、情報処理装置100から印刷データを受信する。本実施形態では、通信部210は、第2画像データを含む印刷データを受信する。更に、通信部210は、第2画像データと指示情報とを含む印刷データを受信してもよい。通信部210は、情報管理部233の指示に応じて、機能情報を情報処理装置100に送信する。通信部210は、情報処理装置100の通信部110と同等の機能を有する。なお、通信部210は、「受信部」の一例である。
【0049】
画像形成部220は、復元制御部230で高画質化された画像を、記録媒体に形成する。
【0050】
復元制御部230は、制御プログラムに基づいて、画像形成装置200の各構成部分の動作を制御する。復元制御部230は、例えば、マイクロコンピューターである。本実施形態では、マイクロコンピューターは、プロセッサーを含む。プロセッサーは、例えば、CPUを含む。
【0051】
復元制御部230は、第2画像データに基づいて、第2画像データが示す画像より高画質の高画質データを生成する。更に、復元制御部230は、第2画像データと指示情報とに基づいて、高画質データを生成してもよい。復元制御部230は、決定部231と、高画質化部232と、情報管理部233と、記憶部234とを備える。
【0052】
決定部231は、第2画像データと指示情報とに基づいて、第2画像データに対する高画質化処理の要否を決定する。ここで、「高画質化処理」とは、受信した第2画像データが示す画像より高画質の画像を示す高画質データを生成する処理をいう。
【0053】
具体的には、決定部231は、指示情報に「最小デスティネーションサイズ」が含まれている場合は、最小デスティネーションサイズ未満の小さな画像を印刷する場合は、高画質化処理を要しないと決定する。例えば、ユーザーから「A4サイズ」の用紙に印刷ジョブが指示され、指示情報に「最小デスティネーションサイズ」として、「(縦)600ドット×(横)600ドット」が規定されている場合に、「(縦)600ドット×(横)600ドット」未満の小さな画像を印刷する場合は、高画質化処理を要しないと決定する。
【0054】
更に、決定部231は、指示情報に「削減率:1/4」が定義されている場合は、第2画像データを4倍に拡大して高画質化処理を施して画像を復元する決定をしてもよい。
【0055】
高画質化部232は、決定部231で高画質化処理が必要と決定された場合に、第2画像データに基づいて、第2画像データが示す画像より高画質の画像を示す画像データを生成する。例えば、高画質化部232は、第2画像データを補間することによって、より高画質の画像データを生成することができる。
【0056】
更に、高画質化部232は、超解像機能を適用して高画質の画像を示す画像データを生成してもよい。
【0057】
情報管理部233は、記憶部234に記憶されている機能情報を読み出す。更に、情報管理部233は、機能情報を情報処理装置100に送信するように通信部210に指示する。
【0058】
記憶部234は、各種のデータおよび制御プログラムを記憶する。具体的には、記憶部234は、機能情報を記憶する。更に、記憶部234は、通信部210を介して受信した印刷データを記憶する。記憶部234は、例えば、ROM、RAM、およびSSDのうち、少なくとも1つを含む。
【0059】
次に、図4を参照して、機能情報について説明する。図4は、機能情報を格納する機能情報テーブル400の一例である。図4に示すように、機能情報テーブル400は、画像形成装置欄401と、超解像機能欄402とを有する。
【0060】
画像形成装置欄401には、画像形成装置200を識別する情報が格納されている。超解像機能欄402には、画像形成装置200を識別する情報に対応づけて、高画質化機能の一例の超解像機能の有無が定義されている。
【0061】
次に、図5を参照して、指示情報について説明する。図5(a)は、指示情報を格納する指示情報テーブル500の一例である。図5(a)に示すように、指示情報テーブル500は、指示情報の名称501と、名称501に対応する値502とが定義されている。図5(a)には、「削減率:1/4」が定義されている。
【0062】
図5(b)は、指示情報を格納する指示情報テーブル600の他の例である。図5(b)に示すように、指示情報テーブル600は、用紙サイズ欄601と、最小デスティネーションサイズ欄602と、最小拡大率欄603とを有する。
【0063】
用紙サイズ欄601には、用紙サイズが定義される。本実施形態では、用紙サイズとして、A4、A3およびA2が定義されている。本実施形態では、用紙サイズ毎に、最小デスティネーションサイズが定義される。なお、用紙サイズは、A4、A3およびA2に限定されない。他の用紙サイズを定義してもよい。
【0064】
最小デスティネーションサイズ欄602には、画像形成装置200で高画質化機能を適用する画像の縦サイズの最小値と、横サイズの最小値とが定義されている。すなわち、最小デスティネーションサイズ欄602に定義された各ドット数以上の画像に対しては、高画質化機能が適用される。最小デスティネーションサイズ欄602に定義された各ドット数を下回る画像に対しては、高画質化機能が適用されない。
【0065】
最小拡大率欄603には、画像形成装置200で高画質化機能を適用する際の「最小の拡大率」が定義されている。すなわち、最小拡大率以上の拡大率で拡大した画像に対しては高画質化機能が適用され、最小拡大率を下回る拡大率で拡大した画像に対しては高画質化機能が適用されない。
【0066】
次に、図1から図6を参照して、削減制御部130の処理について説明する。図6は、削減制御部130の画像データ削減処理を示すフローチャートである。画像データ削減処理は、ステップS2~ステップS20によって実行される。
【0067】
ステップS2:削減制御部130は、画像形成装置200が情報処理装置100と共通のネットワーク50で接続されているか否かを判定する。画像形成装置200が情報処理装置100と共通のネットワーク50に接続されていると削減制御部130が判定した場合(ステップS2でYes)、処理はステップS4に進む。画像形成装置200が情報処理装置100と共通のネットワーク50に接続されていないと削減制御部130が判定した場合(ステップS2でNo)、処理は終了する。
【0068】
ステップS4:削減制御部130は、入出力部120を介して、ユーザーから画像形成装置200を指定した印刷ジョブを受け付ける。処理は、ステップS6に進む。
【0069】
ステップS6:削減制御部130は、通信部110を介して画像形成装置200から機能情報を取得する。削減制御部130は、機能情報を記憶部150に記憶する。処理は、ステップS8に進む。
【0070】
ステップS8:特定部140は、画像形成装置200が、第2画像データに基づいて画像を高画質化する機能を有しているか否かを特定する。第2画像データに基づいて画像を高画質化する機能を有していると特定部140が特定した場合(ステップS8でYes)、処理はステップS10に進む。第2画像データに基づいて画像を高画質化する機能を有していると特定140部が特定しない場合(ステップS8でNo)、処理はステップS20に進む。
【0071】
ステップS10:削減制御部130は、印刷ジョブに画像が含まれているか否かを判定する。印刷ジョブに画像が含まれていると削減制御部130が判定した場合(ステップS10でYes)、処理はステップS12に進む。印刷ジョブに画像が含まれていると削減制御部130が判定しない場合(ステップS10でNo)、処理はステップS20に進む。
【0072】
ステップS12:削減制御部130は、印刷する画像のソースサイズが一定以上か否かを判定する。印刷する画像のソースサイズが一定以上であると削減制御部130が判定した場合(ステップS12でYes)、処理はステップS14に進む。印刷する画像のソースサイズが一定以上であると削減制御部130が判定しない場合(ステップS12でNo)、処理はステップS16に進む。
【0073】
ステップS14:削減制御部130は、画像データを削減する。具体的には、第1画像データのデータ量を第2画像データまで削減する。処理はステップS16に進む。
【0074】
ステップS16:削減制御部130は、全ての画像に対して、個別にデータ量を削減すべきか否かを判定する。全ての画像に対して、個別に画像のデータ量を削減すべきか否かを判定したと削減制御部130が判定した場合(ステップS16でYes)、処理はステップS18に進む。全ての画像に対して、個別にデータ量を削減すべきか否かを判定していないと削減制御部130が判定した場合(ステップS16でNo)、処理はステップS12に進む。
【0075】
ステップS18:削減制御部130は指示情報を生成し、印刷データに指示情報を付加することができる。処理は、ステップS20に進む。
【0076】
ステップS20:通信部110は、画像形成装置200に印刷データを送信する。処理は終了する。
【0077】
以上、図1図6を参照して説明したように、本実施形態の情報処理装置100によれば、予め画像形成装置200が高画質化機能を有しているか否かを確認して、印刷する画像の画像データを削減している。更に、削減した画像データを画像形成装置200に送信している。これにより、印刷する画像の品質を確保しつつ、印刷時に送信する画像のデータ量を削減することが可能な情報処理装置100が実現できる。
【0078】
次に、図1から図5、および図7を参照して、復元制御部230の高画質化処理について説明する。図7は、復元制御部230の高画質化処理を示すフローチャートである。高画質化処理は、ステップS100~ステップS108によって実行される。
【0079】
ステップS100:復元制御部230は、通信部210を介して印刷データを受信する。印刷データには、削減画像データが含まれている。処理は、ステップS104に進む。
【0080】
ステップS102:復元制御部230は、削減画像データに対して高画質化処理が必要か否かを判定する。具体的には、復元制御部230は、削減画像データと指示情報とに基づいて、削減画像データに対する高画質化処理の要否を決定する。例えば、復元制御部230は、指示情報に「削減率:1/4」が定義されている場合は、削減画像データを4倍に拡大して高画質化処理を施して画像を復元するように決定する。削減画像データに対して高画質化処理が必要であると復元制御部230が判定した場合(ステップS102でYes)、処理はステップS104に進む。削減画像データに対して高画質化処理が必要であると復元制御部230が判定しない場合(ステップS102でNo)、処理はステップS108に進む。
【0081】
ステップS104:復元制御部230は、印刷する画像のデスティネーションサイズが一定以上か否かを判定する。印刷する画像のデスティネーションサイズが一定以上であると復元制御部230が判定した場合(ステップS104でYes)、処理はステップS106に進む。印刷する画像のデスティネーションサイズが一定以上であると復元制御部230が判定しない場合(ステップS104でNo)、処理はステップS108に進む。
【0082】
ステップS106:復元制御部230は、削減画像データに対する高画質化処理を実行する。処理は、ステップS108に進む。
【0083】
ステップS108:復元制御部230は、全ての画像に対して、個別に高画質化処理の要否を判定する。全ての画像に対して、個別に高画質化処理の要否を判定したと復元制御部230が判定した場合(ステップS108でYes)、処理は終了する。全ての画像に対して、個別に高画質化処理の要否を判定していないと削減制御部130が判定した場合(ステップS108でNo)、処理はステップS102に進む。
【0084】
以上、図1図5、および図7を参照して説明したように、本実施形態の画像形成装置200によれば、画像形成装置200が有する高画質化機能に応じて、画像データが削減された画像を受信している。画像形成装置200は、受信した画像データに基づいて高画質化処理を施す。これにより、印刷する画像の品質を確保しつつ、印刷時に受信する画像のデータ量を削減することが可能な画像形成装置200が実現できる。
【0085】
以上、図面(図1図7)を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記(1)、(2))。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0086】
(1)本発明の実施形態では、情報処理装置100として、モバイル機器の実施例について説明したが、情報処理装置100はモバイル機器に限定されない。情報処理装置100は、据え置き型のパーソナルコンピューター又はサーバー装置であってもよい。
【0087】
(2)なお、本発明は、本発明に係る情報処理装置の特徴的な構成手段をステップとする情報処理方法として実現したり、それらのステップを包含する制御プログラムとして実現したりすることができる。更に、本発明に係る画像形成装置の特徴的な構成手段をステップとする画像形成方法として実現したり、それらのステップを包含する制御プログラムとして実現したりすることができる。また、それらのプログラムは、CD-ROM等の記録媒体や通信ネットワーク等の伝送媒体を介して流通させることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、画像形成装置の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0089】
1 画像形成システム
100 情報処理装置
110 通信部
130 削減制御部
131 判定部
132 削減部
133 作成部
134 付加部
140 特定部
150 記憶部
200,200A,200B,200C 画像形成装置
210 通信部
220 画像形成部
230 削減制御部
231 決定部
232 高解像化部
233 情報管理部
234 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7