(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】液面検出装置
(51)【国際特許分類】
G01F 23/36 20060101AFI20231017BHJP
【FI】
G01F23/36
(21)【出願番号】P 2020007545
(22)【出願日】2020-01-21
【審査請求日】2022-11-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【氏名又は名称】下田 容一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100160004
【氏名又は名称】下田 憲雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120558
【氏名又は名称】住吉 勝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100148909
【氏名又は名称】瀧澤 匡則
(74)【代理人】
【識別番号】100192533
【氏名又は名称】奈良 如紘
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 哲也
(72)【発明者】
【氏名】坂牧 明
(72)【発明者】
【氏名】田中 達也
(72)【発明者】
【氏名】阿部 朝子
【審査官】大森 努
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/221399(WO,A1)
【文献】実開昭58-159787(JP,U)
【文献】特開2004-60621(JP,A)
【文献】特開2015-137947(JP,A)
【文献】特開平10-26552(JP,A)
【文献】特開2019-27793(JP,A)
【文献】特開2019-3914(JP,A)
【文献】特開2014-10008(JP,A)
【文献】特開平3-100427(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101581594(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 23/32-23/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製の取付板と、この取付板に設けられたセンダ本体と、このセンダ本体に回転可能に設けられたアームと、このアームを保持すると共に前記センダ本体に回転可能に設けられたホルダと、このホルダに設けられた回路基板と、この回路基板に接するように前記センダ本体に設けられた端子と、この端子に接続されたコードと、を有する液面検出装置において、
前記取付板には、前記コードを取り囲むように前記取付板の縁から切り欠かれ前記コードを案内するガイド溝と、このガイド溝の外方に形成され前記コードを保護する保護部と、が備えられていることを特徴とする液面検出装置。
【請求項2】
前記ガイド溝は、T溝であることを特徴とする請求項1記載の液面検出装置。
【請求項3】
前記ガイド溝は、このガイド溝内の縁の一部が折り返された折り返し部を有し、この折り返し部に前記コードが接触することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の液面検出装置。
【請求項4】
前記コードは、複数配置され、
一端側の前記コードから他端側の前記コードまでのコード出口幅は、
前記ガイド溝の幅よりも小さいことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか1項記載の液面検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロート式の液面検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料タンクに充填された液体燃料の残量は、車内に配置された燃料計で視認することができる。燃料計は、液体燃料の液面の高さを検知して、これを基に液体燃料の残量を表示する。液面の高さを検出する装置には、液面に浮かぶフロートを利用するタイプのものが存する。フロート式の液面検出装置の従来技術として特許文献1に開示される技術がある。
【0003】
特許文献1に開示された液面検出装置は、センダ本体と、このセンダ本体にスイング可能に設けられたアームと、このアームに取付けられアームがセンダ本体から抜け落ちないようにアームを固定するホルダと、このアームの先端に取付けられ液面に浮かぶフロートと、を有する。
【0004】
液面が低下すると、フロートは下方に変位し、フロートが取り付けられたアームは、スイングする。アームがスイングすると、アームと共にホルダもスイングする。このとき、ホルダに備えられた回路基板は、センダ本体に備えられた端子の接点に対して摺動する。即ち、液面の高さに応じて、回路基板に対して接点が接触する位置は変わる。この接触する位置に応じた信号が出力されることにより、液面高さが検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的には、センダ本体は取付板の表面側に取り付けられ、取付板が燃料タンク内の内壁等に取り付けられる。端子にはコードが接続されており、このコードはセンダ本体から外方に延ばされ、取付板の表面側から取付板の裏面側にコードを引き回すように配置されることがある。
【0007】
この場合にセンダ本体を、取付板を介して燃料タンク内部に取り付けるために、燃料タンクに開口した取付穴にセンダ本体を挿入する際、燃料タンクの壁と取付板との間にコードが挟まれることがある。
【0008】
本発明は、センダ本体を、取付板を介して燃料タンク内部に取り付けるために、燃料タンクの取付穴にセンダ本体を挿入する際、燃料タンクの壁にコードが接触せず、燃料タンクの壁と取付板との間にコードが挟まれることを防止できる液面検出装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明では、金属製の取付板と、この取付板に設けられたセンダ本体と、このセンダ本体に回転可能に設けられたアームと、このアームを保持すると共に前記センダ本体に回転可能に設けられたホルダと、このホルダに設けられた回路基板と、この回路基板に接するように前記センダ本体に設けられた端子と、この端子に接続されたコードと、を有する液面検出装置において、
前記取付板には、前記コードを取り囲むように前記取付板の縁から切り欠かれ前記コードを案内するガイド溝と、このガイド溝の外方に形成され前記コードを保護する保護部と、が備えられていることを特徴とする液面検出装置が提供される。
【0010】
請求項2に記載のごとく、好ましくは、前記ガイド溝は、T溝である。
【0011】
請求項3に記載のごとく、好ましくは、前記ガイド溝は、このガイド溝内の縁の一部が折り返された折り返し部を有し、この折り返し部に前記コードが接触する。
【0012】
請求項4に記載のごとく、好ましくは、前記コードは、複数配置され、一端側の前記コードから他端側の前記コードまでのコード出口幅は、前記ガイド溝の幅よりも小さい。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明では、液面検出装置は、取付板と、センダ本体と、アームと、ホルダと、回路基板と、センダ本体に設けられた端子と、この端子に接続されたコードと、を有する。取付板には、コードを取り囲むように取付板の縁から切り欠かれコードを案内するガイド溝が形成されているので、コードを取付板の縁の外側に引き回すことなくガイド溝に配置することができる。さらに、ガイド溝の外方には保護部が形成されているので、コードを外部との接触から保護することができる。このため、センダ本体を、取付板を介して燃料タンク内部に取り付けるために、燃料タンクの取付穴にセンダ本体を挿入する際、燃料タンクの壁にコードが接触せず、燃料タンクの壁と取付板との間にコードが挟まれることを防止できる。
【0014】
請求項2に係る発明では、ガイド溝はT溝であるので、取付板の縁の開口から容易にコードをガイド溝内に案内し、保護部によりコードを保護することができる。
【0015】
請求項3に係る発明では、このガイド溝内の縁の一部が折り返された折り返し部を有している。金属製の取付板を折り返すことで折り返し部が滑らかに曲がった形状になるので、ガイド溝を切り欠きや打ち抜きで形成した際に発生するバリや鋭いエッジがない。このため、滑らかに曲がった折り返し部にコードが接触するので、コードが傷つくことを防止できる。
【0016】
請求項4に係る発明では、コードは複数配置され、一端側のコードから他端側のコードまでのコード出口幅は、ガイド溝の幅よりも小さいので、コードがガイド溝の幅方向の端部(縁)と接触することがない。このため、コードのガイド溝との接触部分を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施例による液面検出装置の斜視図である。
【
図2】
図1に示された液面検出装置の分解斜視図である。
【
図3】
図1に示された液面検出装置の背面側斜視図である。
【
図4】(a)は比較例の液面検出装置の作用図である。(b)は実施例の液面検出装置の作用図である。
【
図5】(a)は第1の別態様の実施例による液面検出装置の要部斜視図である。(b)は(a)に示された液面検出装置の作用図である。(c)は実施例による液面検出装置のガイド溝の幅に関する作用図である。
【
図6】第2の別態様の実施例による液面検出装置の要部斜視図である。
【
図7】実施例による液面検出装置のコードの固定に関する作用図である。
【
図8】第3の別態様の実施例による液面検出装置について説明する図である。
【
図9】第4及び第5の別態様の実施例による液面検出装置について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図中Leは左、Riは右、Upは上、Dnは下を示している。
【実施例】
【0019】
図1を参照する。
図1には、本発明の実施例による液面検出装置10が示されている。この液面検出装置10は、液面に浮かぶフロート13を利用したフロート式のタイプであり、例えば、ガソリンなどの液体燃料を貯留する燃料タンク内に設けられる。検出された液面の高さに基づき燃料の残量が燃料計に表示される。
【0020】
図1~
図3を参照する。液面検出装置10は、燃料タンク等に取り付けられる止め鍔11と、この止め鍔11から燃料タンクの下方側に延びる取付板20と、この取付板20に支持されているセンダ本体50と、液面に浮かぶフロート13と、を有している。フロート13は、合成樹脂などからなる。なお、液面検出装置10は、燃料タンクに開口した取付穴から内部に挿入して燃料タンクの側壁等に取付けられる。
【0021】
アーム30は、金属製であり、センダユニット12を貫通している回転軸部31と、この回転軸部31の一端部32から延びているスイング部33と、からなる。
【0022】
取付板20は、L字状を呈し、止め鍔11の中央に溶接されている上部(不図示)と、この上部の端部から延びる第1面部21と、からなる。
【0023】
センダユニット12は、スイング可能に設けられたアーム30と、このアーム30に取付けられるホルダ40と、アーム30を保持している樹脂製のセンダ本体50と、このセンダ本体50が設けられた取付板20と、からなる。なお、センダユニット12は、少なくとも、センダ本体50及び取付板20を有しているものであればよい。さらに、センダユニット12は、フロート13を含むものとしてもよい。
【0024】
センダ本体50は、取付板20に接する平面部51と、この平面部51からアーム30側に突出する突出部52と、この突出部52の下部に設けられる収容部53と、からなる。
【0025】
平面部51の左端部には取付板20に係止する第1のフック部54と、第2のフック部55とが形成されている。突出部52には軸支部52aが設けられ、軸支部52aには回転軸部31が貫通する第1の貫通穴56が形成されている。収容部53には、インサート成形により端子90が設けられている。端子90の下端のかしめ部91,91は、かしめられてそれぞれ、コード59,59に接続されている。コード59,59は、取付板20の端部の折り返し部分に保護チューブ61,61を備えている。
【0026】
金属製の取付板20は、センダ本体50に対向している第1面部21と、この第1面部21に対向する第2面部22と、この第1面部21と第2面部22を繋ぐ接続部23と、からなる。第2面部22、接続部23、及び、第1面部21は、断面が略J字状を呈し、ホルダ40と突出部52の軸支部52aとを挟みこんでいる。
【0027】
第1面部21の左端部には、第1面部21から切り起こされた、第1のL字挿入部24及び第2のL字挿入部25が形成されている。第1のL字挿入部24には挿入穴24aが形成され、第2のL字挿入部25には挿入穴25aが形成されている。センダ本体50をスライドさせて取付板20に取り付けられると、第1のL字挿入部24の挿入穴24aに第1のフック部54が係止され、第2のL字挿入部25の挿入穴25aに第2のフック部55が係止される。
【0028】
取付板20には、ねじ穴28,28が形成されている。センダ本体50には、取付用貫通穴57,57が形成されている。締結部材93,93を取付用貫通穴57,57に挿通し、ねじ穴28,28に締結することで、センダ本体50が取付板20に固定される。
【0029】
取付板20には、コード59,59を取り囲むように取付板20の縁から切り欠かれコード59,59を案内するガイド溝26と、このガイド溝26の外方に形成されコード59,59を保護する保護部27,27と、が備えられている。ガイド溝26は、いわゆるT溝であり、取付板20の縁の開口から容易にコード59,59をガイド溝26内に案内し、保護部27,27によりコード59,59を保護することができる。
【0030】
第1面部21の略中央には、回転軸部31が貫通する第2の貫通穴21aが形成されている。第2面部22には、回転軸部31が貫通する第3の貫通穴22aが形成されている。
【0031】
ホルダ40は、合成樹脂からなり、センダユニット12から抜け落ちないようにアーム30を固定する。ホルダ40は、センダ本体50に対向する面にセラミック製の回路基板45を有している。回路基板45は、端子90の下端の接点部(不図示)と接触可能な配線パターンを備える。回路基板45及び配線パターンの詳細な説明は省略する。なお、回路基板45はセラミックなどの絶縁基材からなり、複数の固定電極と、抵抗体とを備えている。
【0032】
液面検出装置10の動作について説明する。液面検出装置10は、止め鍔11を介して、燃料タンクに固定される。燃料が消費され、燃料タンク内の液面が低下すると、フロート13は下方に変位し、フロート13が取り付けられたアーム30は、スイングする。アーム30がスイングすると、アーム30と共にホルダ40もスイングする。このとき、ホルダ40に備えられた回路基板45は、センダ本体50に備えられた接点部に対して摺動する。即ち、液面の高さに応じて、回路基板45に対して接点部が接触する位置は変わる。この接触する位置に応じた信号が出力されることにより、液面高さが検出される。
【0033】
ホルダ40は、断面が略J字状を呈し、軸支部52aを挟む挟み込み部41を有している。挟み込み部41には、回転軸部31が貫通する第1の保持穴42と、第2の保持穴43とが形成されている。第1の保持穴42と、第2の保持穴43との間には、第1の貫通穴56が位置する。挟み込み部41は、第2の貫通穴21aと、第3の貫通穴22aとに挟まれている。さらに、ホルダ40は、アーム30が回転軸部31の軸方向に移動することを抑える抑え部44を有している。
【0034】
第1の貫通穴56~第3の貫通穴22aは、同一の軸線C上に位置している。第2の貫通穴21aの径~第3の貫通穴22aの径は、第1の貫通穴56の径と、等しい。
【0035】
図3を参照する。一方のコード59の先端には、取付板20にかしめ固定される丸形板端子62が設けられている。取付板20の上下方向中間部には、切起こされた保持部21bが形成され、この保持部21bに他方のコード59が保持されている。他方のコード59は、保持部21bに保持される部分が保護チューブ61で覆われている。さらに、止め鍔11には半田付部14が設けられており、この半田付部14に他方のコード59の端部が半田付けされている。
【0036】
図4(a),(b)を参照する。(a)は比較例の液面検出装置100であり、取付板101の縁が直線状である。センダ本体102から延びたコード103,103は取付板101の縁に接触しつつ取付板101の裏側に引き回されている。コード103,103は、取付板101の縁に接触する部分が保護チューブ104,104で覆われている。しかし、センダ本体102を、取付板101を介して燃料タンク内部に取り付けるために、燃料タンクに開口した取付穴に液面検出装置100を挿入する際、燃料タンクの壁と取付板101との間にコード103,103及び保護チューブ104,104が挟まれることがある。
【0037】
(b)は実施例の液面検出装置10であり、コード59,59は、ガイド溝26内を通して取付板20の裏側に引き回されている。コード59,59の外方には、保護部27,27があるので、コード59,59が保護されている。このため、液面検出装置10を燃料タンク内に挿入して組付ける際、コード59,59が、燃料タンクの壁と取付板20との間に挟まれることがないので、コード59,59の保護性を高めることができる。
【0038】
図5を参照する。(a)及び(b)に示されるように、第1の別態様の実施例による液面検出装置10Aは、ガイド溝26には、コード59,59が接触する下部側の縁が折り返された折り返し部29を有している。
【0039】
折り返し部29は、金属製の取付板20を折り返すこと形成され、その表面が滑らかに曲がった形状を呈する。この場合、ガイド溝26を切り欠きや打ち抜きで形成した際に発生するバリや鋭いエッジがない。このため、滑らかに曲がった折り返し部29にコード59,59が接触するので、コード59,59をより保護することができる。さらに、保護チューブ61(
図3参照)を廃止してもコード59,59の保護性を高めることができるので、部品点数を削減し、組立作業効率を向上させることができる。
【0040】
(c)に示されるように、コード59は複数配置され、一端側(左側)のコード59から他端側(右側)のコード59までのコード出口幅W1は、ガイド溝26の幅W2よりも小さい。
【0041】
コード出口幅W1よりもガイド溝26の幅W2が大きいので、コード59,59がガイド溝26の幅方向の端部(縁)と接触することがない。このため、コード59,59のガイド溝26との接触部分を少なくしてコード59,59の保護性能をより高めることができる。
【0042】
図6を参照する。第2の別態様の実施例による液面検出装置10Bは、ガイド溝26は、取付板20の横方向に開口する形状を呈する。取付板20の上端部から柱部27aが立ち上げられ、この柱部27aの上端に横方向に伸びるように保護部27が形成されている。
【0043】
このような構造とすることで、組立の際、2本のコード59,59を同時にガイド溝26,26に案内することができ、組立性をより向上させることができる。
【0044】
図7を参照する。(a)は樹脂フック71を説明する図である。取付板20の裏面側には樹脂フック71が設けられている。取付板20の裏面側の保持部21bを廃止して、樹脂フック71によりコード59を保持している。
【0045】
(b)は通常の状態を説明する図である。取付板20の裏面側には、切起こされた保持部21bが形成されている。この保持部21bにコード59が保持されている。
【0046】
(a),(c)は樹脂フック71の取付方法を説明する図である。樹脂フック71は、弾性を有し、コード59を保持する溝状のコード保持部72と、先端側に形成された爪部73とを備えている。樹脂フック71の先端側が複数に割られており、それぞれの割られた先端に爪部73が形成されている。また、樹脂フック71の先端から割られた状態が延長されてコード保持部72の溝形状が形成されている。このため、樹脂フック71は容易に成形することができる。
【0047】
樹脂フック71は、コード59をコード保持部72に挟んだ状態で、取付板20の下側のねじ穴28に差し込み、そのままセンダ本体50の取付用貫通穴28まで挿通させて、センダ本体50の表面に爪部73を係止させる。これにより、1つの締結部材93を廃止でき、より組立性を向上させることができる。
【0048】
図8を参照する。(a)は第3の別態様の実施例による液面検出装置10Cの正面図であり、センダ本体50の平面部51の端部には、補強リブ58が設けられている。補強リブ58は、センダ本体50の第2のフック部55が設けられた端部の反対側の端部に設けられている。
【0049】
(b)は補強リブ58の斜視図であり、補強リブ58があることで、センダ本体50を取付板20にスライドさせてセットする際、指で補強リブ58をスライド方向に容易に押すことができ、組立性をより向上させることができる。さらに、補強リブ58はセンダ本体50の平面部51を部分的に補強することができる。
【0050】
図9を参照する。(a)はセンダ本体50を取付板20に組み付ける際の要部作用図である。センダ本体50は、本体部分から突出するように仮止め部54a,55aが形成されており、この仮止め部54a,55aの先端にフック部54,55が形成されている。センダ本体50を取付板20に組み付ける際は、センダ本体50を取付板20の第1面部21上をスライドさせて、仮止め部54a,55aを挿入穴24a,25aに差し込む。
【0051】
(b)は第4の別態様の実施例による液面検出装置の係止状態を説明する図である。側面視で、フック部54,55がL字挿入部24,25に係止されている。
【0052】
(c)は第5の別態様の実施例による液面検出装置の係止状態を説明する図である。仮止め部54a,55aには、突起状に形成された入れ過ぎ防止部64,65が設けられている。センダ本体50を取付板20に組み付ける際、作業者がセンダ本体50を必要以上に取付板20に押し込もうとしても、入れ過ぎ防止部64,65がL字挿入部24,25の手前側に引っ掛かり、センダ本体50の取付板20への入れ過ぎを防止することができる。
【0053】
次に以上に述べた液面検出装置10の作用効果を説明する。取付板20には、コード59,59を取り囲むように取付板20の縁から切り欠かれコード59,59を案内するガイド溝26が形成されているので、コード59,59を取付板20の縁の外側に引き回すことなくガイド溝26に配置することができる。さらに、ガイド溝26の外方には保護部27が形成されているので、コード59,59を外部との接触から保護することができる。このため、センダ本体50を、取付板20を介して燃料タンク内部に取り付けるために、燃料タンクの取付穴にセンダ本体50を挿入する際、燃料タンクの壁にコード59,59が接触せず、燃料タンクの壁と取付板20との間にコード59,59が挟まれることを防止できる。
【0054】
さらに、ガイド溝26はT溝であるので、取付板20の縁の開口から容易にコード59,59をガイド溝26内に案内し、保護部27によりコード59,59を保護することができる。
【0055】
さらに、金属製の取付板20を折り返すことで折り返し部29が滑らかに曲がった形状になるので、ガイド溝26を切り欠きや打ち抜きで形成した際に発生するバリや鋭いエッジがない。このため、滑らかに曲がった折り返し部29にコード59,59が接触するので、コード59,59の保護性能を高めることができる。
【0056】
さらに、コード59,59は複数配置され、一端側のコード59,59から他端側のコード59,59までのコード出口幅W1は、ガイド溝26の幅W2よりも小さいので、コード59,59がガイド溝26の幅方向の端部(縁)と接触することがない。このため、コード59,59のガイド溝26との接触部分を少なくしてコード59,59の保護性能を高めることができる。
【0057】
尚、本発明は、フロートの変位により磁気が変化して液面高さを検出する液面検出装置に適用しても良い。即ち、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の液面検出装置は、建設機械等の燃料タンクに搭載するのに好適である。
【符号の説明】
【0059】
10…液面検出装置
20…取付板
26…ガイド溝
27…保護部
29…折り返し部
30…アーム
40…ホルダ
50…センダ本体
59…コード
90…端子
W1…コード手口幅
W2…ガイド溝の幅