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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】作業工具
(51)【国際特許分類】
   B25F 5/02 20060101AFI20231017BHJP
   B25C 7/00 20060101ALI20231017BHJP
【FI】
B25F5/02
B25C7/00 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020011113
(22)【出願日】2020-01-27
(65)【公開番号】P2021115673
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2022-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】工機ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】青木 良紀
(72)【発明者】
【氏名】武田 修治
【審査官】須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-226025(JP,A)
【文献】特開平09-300239(JP,A)
【文献】特開2016-165767(JP,A)
【文献】特開2019-022922(JP,A)
【文献】特開平11-262876(JP,A)
【文献】特開2019-005837(JP,A)
【文献】特開2012-081576(JP,A)
【文献】国際公開第2019/026501(WO,A1)
【文献】実開昭60-100159(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2015/0196363(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25F1/00-5/02
B25C7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力源の作用によって駆動する駆動機構を収容すると共に、第1方向に延在されたハウジング本体と、
前記ハウジング本体の外周部の一部を覆う第1カバーと、
前記ハウジング本体の外周部の一部を覆う第2カバーと、
前記ハウジング本体に設けられ、前記第1カバー及び前記第2カバーを保持する保持部材と、
を備え、
前記第1カバーは、前記第1方向から見て、前記第1方向に対して直交する第2方向の一方側へ開放された開口部を有するU字形板状に形成され
前記第2カバーが、前記第2方向を板厚方向とした板状に形成されると共に、前記開口部を閉塞しており、
前記第1カバー及び前記第2カバーによって前記ハウジング本体の外周部の一部が前記ハウジング本体の周方向の全周に亘って覆われている作業工具。
【請求項2】
前記第1カバーは、前記保持部材が挿通されて前記保持部材によって保持された第1保持部を有しており、前記第2カバーは、前記保持部材が挿通されて前記保持部材によって保持された第2保持部を有している請求項1に記載の作業工具。
【請求項3】
前記第1保持部及び前記第2保持部が、前記第1方向に並んで配置されている請求項2に記載の作業工具。
【請求項4】
前記第1方向から見て、前記第1カバーにおける前記開口部の端部が前記第2カバーの端部に板厚方向外側に重なって配置され、前記開口部の端部と前記第2カバーの端部とが前記第2方向に対して直交する第3方向に係合している請求項1に記載の作業工具。
【請求項5】
前記第2カバーには、一対の前記第2保持部が形成され、一対の前記第2保持部が、前記第1方向から見て、前記第2方向に対して直交する第3方向に離間して配置されており、
前記第2カバーには、一対の前記第2保持部の間において、前記第1方向に延在されたスリットが貫通形成されている請求項2に記載の作業工具。
【請求項6】
前記第1カバーは、前記第1方向から見て、前記第2方向に対して直交する第3方向に弾性変形可能に構成されている請求項1に記載の作業工具。
【請求項7】
前記ハウジング本体には、作業者が把持するハンドル部が設けられており、前記ハンドル部は、前記ハウジング本体から前記第2方向の他方側へ延出されている請求項1~請求項6の何れか1項に記載の作業工具。
【請求項8】
前記ハウジング本体の外周部には、外側へ突出した凸部が形成されており、
前記第1カバーには、前記凸部と嵌合する凹部が形成されている請求項1~請求項7の何れか1項に記載の作業工具。
【請求項9】
前記ハウジング本体は、複数の金型によって成形された成形品であり、
前記第2カバーが、前記ハウジング本体における複数の前記金型の割線に対応する成形線を覆っている請求項1~請求項8の何れか1項に記載の作業工具。
【請求項10】
動力源の作用によって駆動する駆動機構を収容すると共に、第1方向に延在されたハウジング本体と、
前記ハウジング本体の外周部の一部を覆う第1カバーと、
前記ハウジング本体の外周部の一部を覆う第2カバーと、
前記ハウジング本体に設けられ、前記第1カバー及び前記第2カバーを保持する保持部材と、
を備え、
前記第1カバー及び前記第2カバーによって前記ハウジング本体の外周部の一部が前記ハウジング本体の周方向の全周に亘って覆われており、
前記ハウジング本体は、第1ハウジング部と、前記第1ハウジング部の第1方向一方側に配置された第2ハウジング部と、前記第2ハウジング部の前記第1方向一方側に配置された第3ハウジング部と、を含んで構成され、
前記保持部材は、ねじ部材として構成されており、
前記第2ハウジング部及び前記第3ハウジング部が、前記第1ハウジング部に、前記保持部材によって締結されている作業工具。
【請求項11】
前記第1ハウジング部と前記第2ハウジング部との間、及び前記第2ハウジング部と前記第3ハウジング部との間には、それぞれシール部材が設けられており、
前記シール部材が、前記第1カバー及び前記第2カバーによって覆われている請求項10に記載の作業工具。
【請求項12】
前記駆動機構は、
前記第1方向に延在されたシリンダと、
前記シリンダ内に収容されて、前記動力源によって前記第1方向に往復移動するピストンと、
を含んで構成されている請求項1~請求項11の何れか1項に記載の作業工具。
【請求項13】
動力源の作用によって駆動する駆動機構を収容すると共に、第1方向に延在され、第1ハウジング部と、前記第1ハウジング部の第1方向一方側に配置された第2ハウジング部と、を含んで構成されたハウジング本体と、
前記ハウジング本体の外周部の一部を覆う第1カバーと、
前記ハウジング本体の外周部の一部を覆う第2カバーと、
前記第1ハウジング部と前記第2ハウジング部とを締結するとともに、前記第1カバーと前記第2カバーとに挿通し、前記第1カバーと前記第2カバーとを前記ハウジング本体に保持する保持部材と、
を備え、
前記第1カバー及び前記第2カバーによって前記ハウジング本体の外周部の一部が前記ハウジング本体の周方向の全周に亘って覆われている作業工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業工具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載の釘打機(作業工具)では、釘打機の外郭を構成するハウジングの左右の側面に、ゴム等で構成されたプロテクタ(カバー)が設けられており、プロテクタが、ハウジングの側面の長手方向の略全面を覆っている。これにより、例えば、釘打機の不使用時に、被打込材に対する傷付き等を抑制して、釘打機を被打込材に載置することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-127039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記釘打機では、以下に示す点において改善の余地がある。すなわち、上記釘打機では、プロテクタによってハウジングの左右の側面を覆っているものの、ハウジングの周方向全周が覆われていない。このため、仮に、ハウジングにおいてプロテクタによって覆われていない部分が、被打込材等の周囲の部材に接触したときに、被打込材等が傷つく可能性がある。このため、上記釘打機では、接触による周囲の部材に対する影響を効果的に抑制するという点において、改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して、接触による周囲の部材に対する影響を効果的に抑制することができる作業工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、動力源の作用によって駆動する駆動機構を収容すると共に、第1方向に延在されたハウジング本体と、前記ハウジング本体の外周部の一部を覆う第1カバーと、前記ハウジング本体の外周部の一部を覆う第2カバーと、前記ハウジング本体に設けられ、前記第1カバー及び前記第2カバーを保持する保持部材と、を備え、前記第1カバーは、前記第1方向から見て、前記第1方向に対して直交する第2方向の一方側へ開放された開口部を有するU字形板状に形成され、前記第2カバーが、前記第2方向を板厚方向とした板状に形成されると共に、前記開口部を閉塞しており、前記第1カバー及び前記第2カバーによって前記ハウジング本体の外周部の一部が前記ハウジング本体の周方向の全周に亘って覆われている作業工具である。
【0007】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記第1カバーは、前記保持部材が挿通されて前記保持部材によって保持された第1保持部を有しており、前記第2カバーは、前記保持部材が挿通されて前記保持部材によって保持された第2保持部を有している作業工具である。
【0008】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記第1保持部及び前記第2保持部が、前記第1方向に並んで配置されている作業工具である。
【0010】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記第1方向から見て、前記第1カバーにおける前記開口部の端部が前記第2カバーの端部に板厚方向外側に重なって配置され、前記開口部の端部と前記第2カバーの端部とが前記第2方向に対して直交する第3方向に係合している作業工具である。
【0011】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記第2カバーには、一対の前記第2保持部が形成され、一対の前記第2保持部が、前記第1方向から見て、前記第2方向に対して直交する第3方向に離間して配置されており、前記第2カバーには、一対の前記第2保持部の間において、前記第1方向に延在されたスリットが貫通形成されている作業工具である。
【0012】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記第1カバーは、前記第1方向から見て、前記第2方向に対して直交する第3方向に弾性変形可能に構成されている作業工具である。
【0013】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記ハウジング本体には、作業者が把持するハンドル部が設けられており、前記ハンドル部は、前記ハウジング本体から前記第2方向の他方側へ延出されている作業工具である。
【0014】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記ハウジング本体の外周部には、外側へ突出した凸部が形成されており、前記第1カバーには、前記凸部と嵌合する凹部が形成されている作業工具である。
【0015】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記ハウジング本体は、複数の金型によって成形された成形品であり、前記第2カバーが、前記ハウジング本体における複数の前記金型の割線に対応する成形線を覆っている作業工具である。
【0016】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、動力源の作用によって駆動する駆動機構を収容すると共に、第1方向に延在されたハウジング本体と、前記ハウジング本体の外周部の一部を覆う第1カバーと、前記ハウジング本体の外周部の一部を覆う第2カバーと、前記ハウジング本体に設けられ、前記第1カバー及び前記第2カバーを保持する保持部材と、を備え、前記第1カバー及び前記第2カバーによって前記ハウジング本体の外周部の一部が前記ハウジング本体の周方向の全周に亘って覆われており、前記ハウジング本体は、第1ハウジング部と、前記第1ハウジング部の第1方向一方側に配置された第2ハウジング部と、前記第2ハウジング部の前記第1方向一方側に配置された第3ハウジング部と、を含んで構成され、前記保持部材は、ねじ部材として構成されており、前記第2ハウジング部及び前記第3ハウジング部が、前記第1ハウジング部に、前記保持部材によって締結されている作業工具である。
【0017】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、第1ハウジング部と第2ハウジング部との間、及び第2ハウジング部と第3ハウジング部との間には、それぞれシール部材が設けられており、前記シール部材が、第1カバー及び第2カバーによって覆われている作業工具である。
【0018】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記駆動機構は、前記第1方向に延在されたシリンダと、前記シリンダ内に収容されて、前記動力源によって前記第1方向に往復移動するピストンと、を含んで構成されている作業工具である。
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、動力源の作用によって駆動する駆動機構を収容すると共に、第1方向に延在され、第1ハウジング部と、前記第1ハウジング部の第1方向一方側に配置された第2ハウジング部と、を含んで構成されたハウジング本体と、前記ハウジング本体の外周部の一部を覆う第1カバーと、前記ハウジング本体の外周部の一部を覆う第2カバーと、前記第1ハウジング部と前記第2ハウジング部とを締結するとともに、前記第1カバーと前記第2カバーとに挿通し、前記第1カバーと前記第2カバーとを前記ハウジング本体に保持する保持部材と、を備え、前記第1カバー及び前記第2カバーによって前記ハウジング本体の外周部の一部が前記ハウジング本体の周方向の全周に亘って覆われている作業工具である。
【発明の効果】
【0019】
上記構成の作業工具によれば、接触による周囲の部材に対する影響を効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施の形態に係る打込機を示す左側から見た側面図である。
図2図1に示される打込機におけるハウジング本体の内部に収容された駆動機構を示す側面図である。
図3図1に示される打込機におけるハウジング本体の上部を示す左斜め下方側から見た斜視図である。
図4図3に示されるハウジング本体にメインプロテクタ及びサブプロテクタを装着した状態を一部破断した状態で示す左斜め下方側から見た斜視図である。
図5図4に示される打込機におけるメインプロテクタ及びサブプロテクタのハウジング本体への装着状態を示す下側から見た断面図(図4の5-5線断面図)である。
図6図4に示される打込機におけるメインプロテクタ及びサブプロテクタのハウジング本体への装着状態を示す下側から見た断面図(図4の6-6線断面図)である。
図7】(A)は、図4に示されるサブプロテクタを下側から見た下面図であり、(B)は、(A)のサブプロテクタを前側から見た正面図であり、(C)は、(A)のサブプロテクタを左側から見た側面図である。
図8図5に示されるメインプロテクタ及びサブプロテクタの変形例を示す下側から見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を用いて、本実施形態に係る「作業工具」としての打込機10について説明する。打込機10は、板材等の被打込材に対して、ネジ等の止具部材を打ち込む工具として構成されている。なお、図面に適宜示される矢印UP、矢印FR、矢印LHは、打込機10の上側、前側、左側を示している。そして、以下の説明において、上下、前後、左右の方向を用いて説明するときには、特に断りのない限り、打込機10の上下方向、前後方向、左右方向を示すものとする。そして、上下方向が本発明の「第1方向」に対応し、前後方向が本発明の「第2方向」に対応し、左右方向が本発明の「第3方向」に対応している。
【0022】
(打込機10の全体について)
図1に示されるように、打込機10は、打込機10の外郭を構成するハウジング20を有している。ハウジング20は、左側から見た側面視で中空の略T字形状に形成されている。具体的には、ハウジング20は、上下方向に延在されたハウジング本体20Aと、ハウジング本体20Aの上下方向中間部から後側へ延出されたハンドル部20Bと、を含んで構成されている。
【0023】
ハンドル部20Bの内部は、蓄圧室として構成されており、ハンドル部20Bの後端部(先端部)には、給気プラグ30が設けられている。給気プラグ30には、エアホース(図示省略)が接続されており、当該エアホースによってエアコンプレッサ(不図示)から「動力源」としての圧縮空気が供給され蓄圧室に充填されるように構成されている。また、ハンドル部20Bの前端部(基端部)には、作業者によって操作されるトリガレバー32が設けられている。なお、ハンドル部20Bの外周部は、エラストマ等の樹脂材によって覆われている。
【0024】
ハウジング本体20Aの下側には、射出部を有するノーズ部34が設けられており、ノーズ部34には、ネジ等の止具部材をノーズ部34内へ供給するためのマガジン36が装着されている。さらに、ノーズ部34の下端部には、上下方向に往復移動可能に構成されたプッシュレバー38が設けられている。
【0025】
図2に示されるように、ハウジング本体20A内には、駆動機構40が収容されている。駆動機構40は、シリンダ42と、ピストン44と、を含んで構成されている。シリンダ42は、上下方向を軸方向とする略円筒状に形成されており、ピストン44が、シリンダ42の内部に上下方向に移動可能に収容されている。ピストン44には、ドライバビット46が設けられており、ドライバビット46は、ピストン44から下側へ延出されている。また、シリンダ42内には、ピストン44の上側において、回転機構48が設けられている。
【0026】
そして、プッシュレバー38を被打込材に上側から押込んだ状態でトリガレバー32が操作されると、蓄圧室内の圧縮空気が所定の流路を介して回転機構48内に流入し、ピストン44及びドライバビット46が下側へ押し下げられるようになっている。その結果、ドライバビット46がハウジング本体20Aの軸方向に沿って下側へ押し出されて、押し出されたドライバビット46によって、ノーズ部34に供給されたネジが被打込材に向けて打ち出されるように構成されている。
【0027】
また、ハウジング本体20Aの基端部(上端部)には、エアモータ50が収容されている。エアモータ50には、回転機構48への圧縮空気の流入と連動して、圧縮空気が供給されるようになっている。そして、エアモータ50の回転が回転機構48に伝達されて、回転機構48によってドライバビット46が回転駆動する構成になっている。これにより、ネジに回転力が付与されて、ネジが被打込材にねじ込まれるように構成されている。
【0028】
ここで、図4図6に示されるように、ハウジング本体20Aの外側には、ハウジング本体20Aの外周部の一部を覆う、「第1カバー」としてのメインプロテクタ60と、「第2カバー」としてのサブプロテクタ70と、が設けられている。そして、打込機10では、例えば、打込機10の不使用時に打込機10を被打込材上に載置したときに、被打込材に対する傷付け等を、メインプロテクタ60及びサブプロテクタ70によって防止する構成になっている。以下、ハウジング本体20A、メインプロテクタ60、及びサブプロテクタ70の構成について説明する。
【0029】
(ハウジング本体20Aについて)
図3に示されるように、ハウジング本体20Aは、ハウジング本体20Aの下部を構成する「第1ハウジング部」としてのメインハウジング22と、メインハウジング22の上側(第1方向一方側)に設けられた「第2ハウジング部」としてのエキゾーストカバー24と、エキゾーストカバー24の上側に設けられた「第3ハウジング部」としてのトップカバー26と、を含んで構成されている。メインハウジング22及びエキゾーストカバー24は、上下方向を軸方向とした略円筒状に形成されており、トップカバー26は、下側へ開放された略有底円筒状に形成されている。そして、前述したハンドル部20Bが、メインハウジング22に形成されている。
【0030】
メインハウジング22の上端部は、下端側の部分に比べて拡径に形成されている。メインハウジング22の上端部の外周部には、左右一対の「凸部」としてのハウジング固定部22Aが形成されており、左右一対のハウジング固定部22Aが、メインハウジング22の前端部及び後端部にそれぞれ形成されている。すなわち、メインハウジング22の上端部には、4箇所のハウジング固定部22Aが形成されている。ハウジング固定部22Aは、メインハウジング22の外周部から左右方向外側へ突出している。ハウジング固定部22Aには、ネジ孔部22A1が上下方向に貫通形成されており、ネジ孔部22A1の内周面には、雌ネジが形成されている。
【0031】
エキゾーストカバー24の下端部における外周部には、4箇所の「凸部」としての被固定部24Aが形成されている。被固定部24Aは、メインハウジング22のハウジング固定部22Aに対応する位置に配置されると共に、ハウジング固定部22Aの上側に隣接して配置されている。また、被固定部24Aは、エキゾーストカバー24の外周部から左右方向外側へ突出している。被固定部24Aには、被固定孔24A1が上下方向に貫通形成されており、被固定孔24A1は、メインハウジング22のネジ孔部22A1と同軸上に配置されている。
【0032】
エキゾーストカバー24の上端部における外周部には、4箇所の「凸部」としての受固定部24Bが形成されている。受固定部24Bは、被固定部24Aに対応する位置に配置されると共に、エキゾーストカバー24の外周部から左右方向外側へ突出している。また、受固定部24Bには、挿通孔24B1が上下方向に貫通形成されており、挿通孔24B1は、メインハウジング22のネジ孔部22A1と同軸上に配置されている。
【0033】
トップカバー26の下端部における外周部には、4箇所の「凸部」としての被固定部26Aが形成されている。被固定部26Aは、エキゾーストカバー24の受固定部24Bに対応する位置に配置されると共に、受固定部24Bの上側に隣接して配置されている。また、被固定部26Aは、トップカバー26の外周部から左右方向外側へ突出している。被固定部26Aには、被固定孔26A1が上下方向に貫通形成されており、被固定孔26A1は、メインハウジング22のネジ孔部22A1と同軸上に配置されている。
【0034】
そして、4本の「保持部材」としての固定ボルト28によって、エキゾーストカバー24及びトップカバー26が、メインハウジング22に締結固定されている。固定ボルト28は、上下方向を軸方向とした円柱状に形成されており、固定ボルト28の下端部の外周部には、雄ネジが形成されている。そして、固定ボルト28が、トップカバー26の被固定孔26A1、エキゾーストカバー24の挿通孔24B1及び被固定孔24A1の内部に上側から挿入され、固定ボルト28の下端部がメインハウジング22のネジ孔部22A1に螺合されて、エキゾーストカバー24及びトップカバー26が、メインハウジング22に締結固定されている。すなわち、エキゾーストカバー24及びトップカバー26が、固定ボルト28によってメインハウジング22に共締めされている。
【0035】
また、メインハウジング22とエキゾーストカバー24との間には、「シール部材」としての第1シール部材52が設けられており、第1シール部材52によって、メインハウジング22の開口部とエキゾーストカバー24の開口部との間をシールしている。さらに、エキゾーストカバー24とトップカバー26との間には、「シール部材」としての第2シール部材54が設けられており、第2シール部材54によって、エキゾーストカバー24の開口部とトップカバー26の開口部との間をシールしている。
【0036】
また、エキゾーストカバー24は、複数の金型によって成形されており、エキゾーストカバー24の外周部の前端部には、複数の金型の割線に対応する成形線24Cが上下方向に延在されている。
【0037】
(メインプロテクタ60について)
図4図6に示されるように、メインプロテクタ60は、樹脂材によって構成されている。メインプロテクタ60は、上側から見た平面視で、前側(第2方向一方側)へ開放された略U字形板状に形成されている。具体的には、メインプロテクタ60は、メインプロテクタ60の後端部を構成する底壁60Aと、底壁60Aの左右方向両端部から前側へ延出された側壁60Bと、を含んで構成されている。また、メインプロテクタ60の側壁60Bの先端部(前端部)には、屈曲部60Cが形成されており、屈曲部60Cは、左右方向内側へ屈曲している。これにより、メインプロテクタ60の前端部には、屈曲部60Cの間において、前側へ開放された開口部61が形成されている。すなわち、開口部61の左右方向の開口端部が、屈曲部60Cによって構成されている。
【0038】
そして、メインプロテクタ60が、エキゾーストカバー24、トップカバー26、及びメインハウジング22を覆うように、後側からハウジング本体20Aに組付けられている。具体的には、メインプロテクタ60が、エキゾーストカバー24とメインハウジング22との間の第1シール部材52と、エキゾーストカバー24とトップカバー26との間の第2シール部材54と、を覆うように、ハウジング本体20Aに組付けられている。
【0039】
メインプロテクタ60の側壁60Bには、前後一対の「凹部」としての嵌合凹部62が形成されており、嵌合凹部62は、上下方向から見て、左右方向内側へ開放された円弧状に湾曲されている。この嵌合凹部62は、メインハウジング22のハウジング固定部22A、エキゾーストカバー24の被固定部24A及び受固定部24B、トップカバー26の被固定部26Aに対応する位置に配置されており、これらハウジング固定部22A、被固定部24A、受固定部24B、及び被固定部26Aが、嵌合凹部62内に嵌合されている。
【0040】
メインプロテクタ60の側壁60Bには、前側の嵌合凹部62において、上下一対の「第1保持部」としての保持筒部63(図4及び図5参照)が形成されている。保持筒部63は、上下方向を軸方向とした略円筒状に形成されており、嵌合凹部62から左右方向内側へ突出している。また、下側の保持筒部63がエキゾーストカバー24の被固定部24Aの上側に隣接して配置され、上側の保持筒部63がエキゾーストカバー24の受固定部24Bの下側に隣接して配置されている。これにより、メインプロテクタ60のハウジング本体20Aへの組付状態では、上下方向におけるメインプロテクタ60の移動が、保持筒部63と、被固定部24A及び受固定部24Bと、によって規制されている。
【0041】
また、保持筒部63の内部は、保持孔63Aとして構成されている。保持孔63Aは、エキゾーストカバー24の被固定孔24A1及び挿通孔24B1と同軸上に配置されており、固定ボルト28が、保持孔63A内を挿通している。これにより、固定ボルト28によって、メインプロテクタ60の前後方向及び左右方向の移動が制限されて、メインプロテクタ60がハウジング本体20Aに保持されている。
【0042】
メインプロテクタ60の屈曲部60Cには、上下方向中間部において、切欠部64(図4参照)が形成されており、切欠部64は、前側から見て、左右方向内側へ開放された凹状に形成されている。また、メインプロテクタ60の側壁60Bには、上下方向に延在された複数(本実施の形態では、3箇所)の長孔65が形成されており、3箇所の長孔65は、前後方向に並んで配置されている。具体的には、最も前側に配置された長孔65が、前側の嵌合凹部62の後側に配置されており、前から2番目及び3番目に配置された長孔65が、後側の嵌合凹部62を前後に挟むように配置されている。
【0043】
さらに、メインプロテクタ60は、開口部61が左右方向外側へ広がるように、左右方向に弾性変形可能に構成されている。これにより、開口部61を左右方向外側へ広げるように、メインプロテクタ60を弾性変形させながら、メインプロテクタ60をハウジング本体20Aに後側から組付けるように構成されている。
【0044】
(サブプロテクタ70について)
図4図7に示されるように、サブプロテクタ70は、メインプロテクタ60と同様に、樹脂材によって構成されている。サブプロテクタ70は、前後方向を板厚方向とし、上下方向を長手方向とした略矩形板状に形成されている。そして、サブプロテクタ70が、メインプロテクタ60の開口部61を塞ぐように、ハウジング本体20Aの前側に隣接して配置されている。これにより、ハウジング本体20Aの上下方向中間部の外周部が、メインプロテクタ60及びサブプロテクタ70によって、周方向全周に亘って覆われている。また、サブプロテクタ70が、エキゾーストカバー24の成形線24Cを前側から覆っている。
【0045】
サブプロテクタ70の左右方向両端部には、メインプロテクタ60の切欠部64に対応した位置において、左右方向外側へ突出した突出部71(図4参照)が形成されている。また、サブプロテクタ70の左右方向両端部には、外周面(前面)において、後側へ一段下がった段差部72が形成されており、段差部72は、サブプロテクタ70の左右方向両端部に沿って前後方向に延在されている。そして、段差部72が、メインプロテクタ60の屈曲部60Cの内側(後側)に隣接して配置されている。すなわち、メインプロテクタ60の屈曲部60Cが、サブプロテクタ70の段差部72に対して前側に隣接配置されて、メインプロテクタ60の屈曲部60Cとサブプロテクタ70の段差部72とが、サブプロテクタ70の板厚方向(前後方向)に重なって配置されている。
【0046】
また、サブプロテクタ70の突出部71の先端部には、「第2保持部」としての保持片73が形成されている。保持片73は、サブプロテクタ70から後側へ突出すると共に、下側から見て、略J字形板状に形成されている。具体的には、保持片73は、サブプロテクタ70から後側へ延出されており、保持片73の先端部が、左右方向外側且つ前側へ略半円状に屈曲している。保持片73は、メインプロテクタ60における上下一対の保持筒部63の間に隣接して配置されている(図4参照)。これにより、サブプロテクタ70の組付状態では、上下方向におけるサブプロテクタ70の移動が、保持片73及び保持筒部63によって制限されている。
【0047】
さらに、固定ボルト28の上下方向中間部が、保持片73の先端部の内部を挿通している。これにより、固定ボルト28によって、保持片73の前側及び左右方向の移動が制限されて、サブプロテクタ70がハウジング本体20Aに保持されている。
【0048】
また、サブプロテクタ70の上下方向中間部には、左右一対のスリット74が貫通形成されている。スリット74は、上下方向に延在されると共に、保持片73に対して左右方向内側に配置されている。
【0049】
(作用効果)
次に、メインプロテクタ60及びサブプロテクタ70のハウジング本体20Aへの組付手順を説明しつつ、本実施の形態の打込機10の作用効果について説明する。
【0050】
メインプロテクタ60及びサブプロテクタ70のハウジング本体20Aへの組付では、始めに、メインハウジング22の上側にエキゾーストカバー24を隣接配置し、エキゾーストカバー24の上側にトップカバー26を隣接配置する。また、このときには、メインハウジング22とエキゾーストカバー24との間に第1シール部材52を挟み込むと共に、エキゾーストカバー24とトップカバー26との間に第2シール部材54を挟み込む。この状態で、エキゾーストカバー24の前側にサブプロテクタ70を配置すると共に、メインプロテクタ60をハウジング本体20Aに仮組する。
【0051】
具体的には、サブプロテクタ70をハウジング本体20Aの前側に配置した状態で、メインプロテクタ60の開口部61を左右方向外側へ広げるように、メインプロテクタ60を弾性変形させて、メインプロテクタ60の内部にハウジング本体20Aを挿入させる。そして、メインプロテクタ60を元の状態に復帰させるように、メインプロテクタ60に対する弾性変形を解除する。これにより、メインプロテクタ60の嵌合凹部62と、ハウジング本体20Aのハウジング固定部22A、被固定部24A、受固定部24B、及び被固定部26Aと、が嵌合して、メインプロテクタ60がハウジング本体20Aに仮組される。また、このときには、メインプロテクタ60の屈曲部60Cが、サブプロテクタ70の段差部72の前側に隣接して配置される。
【0052】
この状態で、固定ボルト28をハウジング本体20Aの被固定孔26A1から下側へ挿入させる。これにより、固定ボルト28が、ハウジング本体20Aの挿通孔24B1、被固定孔24A1を挿通すると共に、ハウジング本体20Aのネジ孔部22A1に螺合される。また、このときには、固定ボルト28が、メインプロテクタ60の保持筒部63の保持孔63A内を挿通すると共に、サブプロテクタ70の保持片73の先端部内を挿通する。これにより、固定ボルト28によって、トップカバー26及びエキゾーストカバー24が、メインハウジング22に締結固定される。また、固定ボルト28によって、メインプロテクタ60及びサブプロテクタ70が、ハウジング本体20Aの上下方向中間部の外周部を周方向全周に亘って覆う状態に保持される。
【0053】
以上説明したように、打込機10では、駆動機構40を収容するハウジング本体20Aが上下方向に延在されている。そして、メインプロテクタ60及びサブプロテクタ70によって、ハウジング本体20Aにおける上下方向中間部の外周部が周方向全周に亘って覆われている。このため、例えば、打込機10の不使用時等に、板材等の被打込材に打込機10を載置した場合でも、ハウジング本体20Aが被打込材に直接接触することをメインプロテクタ60及びサブプロテクタ70によって抑制することができる。すなわち、被打込材に対する傷つき等をメインプロテクタ60及びサブプロテクタ70によって抑制することができる。したがって、ハウジング本体20Aの接触による周囲の部材に対する影響を効果的に抑制することができる。
【0054】
また、メインプロテクタ60及びサブプロテクタ70が、固定ボルト28によって保持されている。このため、メインプロテクタ60及びサブプロテクタ70を保持する部材の共有化を図ることができる。すなわち、メインプロテクタ60及びサブプロテクタ70をそれぞれ保持するための部材を用いることなく、固定ボルト28によってメインプロテクタ60及びサブプロテクタ70を保持することができる。したがって、部品点数の増加や組付工数の増加を抑制することができる。
【0055】
また、メインプロテクタ60は、保持筒部63を有しており、保持筒部63は、上下方向を軸方向とした円筒状に形成されている。そして、固定ボルト28が、保持筒部63の保持孔63A内を挿通している。これにより、簡易な構成で、固定ボルト28によってメインプロテクタ60を保持することができる。また、サブプロテクタ70は、保持片73を有しており、保持片73は、上側から見て、後側へ突出したJ字形板状に形成されている。そして、固定ボルト28が、保持片73の先端部内を挿通している。これにより、簡易な構成で、固定ボルト28によってサブプロテクタ70を保持することができる。
【0056】
また、保持筒部63と保持片73とが上下方向に並んで配置されている。具体的には、保持片73が、上下一対の保持筒部63の間に配置されている。これにより、保持片73(すなわち、サブプロテクタ70)の上下方向の移動を、上下一対の保持筒部63(すなわち、メインプロテクタ60)によって制限することができる。
【0057】
また、前述のように、メインプロテクタ60は、上下一対の保持筒部63を有しており、保持筒部63が、メインプロテクタ60の側壁60Bに形成されている。このため、固定ボルト28によって、メインプロテクタ60の側壁60Bを、上下方向に離間した2箇所の部位(保持筒部63)で保持することができる。これにより、メインプロテクタ60の組付状態を良好に維持することができる。
【0058】
また、メインプロテクタ60は、上側から見て、前側へ開放された開口部61を有するU字形板状に形成されており、サブプロテクタ70が、前後方向を板厚方向とした板状に形成されている。そして、サブプロテクタ70が、メインプロテクタ60の開口部61を閉塞している。これにより、メインプロテクタ60及びサブプロテクタ70によって、ハウジング本体20Aの上下方向中間部の外周部全周を覆うことができる。
【0059】
また、サブプロテクタ70の保持片73は、サブプロテクタ70の左右方向両端部に形成されており、サブプロテクタ70には、保持片73の左右方向内側において、上下方向に延在されたスリット74が貫通形成されている。このため、サブプロテクタ70の組付状態を良好に維持することができる。すなわち、サブプロテクタ70は樹脂材によって構成されており、例えば、使用温度や環境温度等の変化により、サブプロテクタ70が左右方向に熱変形(膨張又は収縮)する。このため、左右方向における保持片73の位置が変化する。ここで、サブプロテクタ70には、保持片73の左右方向内側において、上下方向に延在されたスリット74が貫通形成されている。このため、熱変形時における保持片73の左右方向の変化量(変位量)を、スリット74によって小さくすることができる。すなわち、サブプロテクタ70が熱変形したときの、固定ボルト28と保持片73との間の左右方向のずれを抑制できる。したがって、サブプロテクタ70の組付状態を良好に維持することができる。
【0060】
また、上側から見て、メインプロテクタ60の開口部61の端部が、サブプロテクタ70の段差部72(左右方向の端部)の板厚方向外側に重なって配置されている。このため、使用温度や環境温度等の変化によるサブプロテクタ70の変形をメインプロテクタ60によって抑制することができる。すなわち、サブプロテクタ70は、前後方向を板厚方向とし、上下方向を長手方向とする略矩形板状に形成されている。このため、サブプロテクタ70では、使用温度や環境温度等の変化により、サブプロテクタ70の上端部及び下端部が前側へ変位するように、サブプロテクタ70が反り変形する傾向になる。これに対して、本実施の形態では、上述のように、メインプロテクタ60の開口部61の端部が、サブプロテクタ70の段差部72(左右方向の端部)の板厚方向外側に重なって配置されている。このため、サブプロテクタ70の上端部及び下端部の前側への変位を、メインプロテクタ60の開口部61の端部によって抑制することができる。したがって、使用温度や環境温度等の変化によるサブプロテクタ70の変形をメインプロテクタ60によって抑制することができる。
【0061】
また、メインプロテクタ60は、上側から見て、前側へ開放されたU字形状に形成されており、メインプロテクタ60の開口部61が左右方向に広がるように、メインプロテクタ60が弾性変形可能に構成されている。このため、メインプロテクタ60を、ハウジング本体20Aを組付けるときには、メインプロテクタ60の開口部61を左右方向に広げるように、メインプロテクタ60を弾性変形させて、メインプロテクタ60の内部にハウジング本体20Aを挿入させることができる。したがって、メインプロテクタ60の組付性を向上することができる。
【0062】
また、ハウジング本体20Aには、左右方向外側へ突出したハウジング固定部22A、被固定部24A、受固定部24B、及び被固定部26Aが形成されている。さらに、メインプロテクタ60には、ハウジング固定部22A、被固定部24A、受固定部24B、及び被固定部26Aが嵌合される嵌合凹部62が形成されている。このため、メインプロテクタ60をハウジング本体20Aに組付けたときには、ハウジング固定部22A、被固定部24A、受固定部24B、及び被固定部26Aと、嵌合凹部62との嵌合によって、メインプロテクタ60をハウジング本体20Aに仮保持することができる。したがって、メインプロテクタ60の組付性を一層向上することができる。
【0063】
また、ハウジング本体20Aにおけるエキゾーストカバー24は、複数の金型によって成形された成形品であり、サブプロテクタ70が、エキゾーストカバー24における複数の金型の割線に対応する成形線24Cを覆っている。これにより、エキゾーストカバー24の成形線24Cが視認されることを、サブプロテクタ70によって防止することができる。したがって、打込機10の意匠性を向上することができる。
【0064】
また、ハウジング本体20Aは、メインハウジング22と、エキゾーストカバー24と、トップカバー26と、を含んで構成されている。そして、固定ボルト28によって、エキゾーストカバー24及びトップカバー26が、メインハウジング22に締結固定されている。これにより、エキゾーストカバー24及びトップカバー26をメインハウジング22に固定するための固定ボルト28を活用して、メインプロテクタ60及びサブプロテクタ70を保持することができる。
【0065】
また、メインハウジング22とエキゾーストカバー24との間には、第1シール部材52が設けられており、エキゾーストカバー24とトップカバー26との間には、第2シール部材54が設けられている。そして、メインプロテクタ60及びサブプロテクタ70によって、第1シール部材52及び第2シール部材54が、ハウジング本体20Aの径方向外側から覆われている。これにより、第1シール部材52及び第2シール部材54が視認されることを、メインプロテクタ60及びサブプロテクタ70によって防止することができる。したがって、打込機10の意匠性を一層向上することができる。
【0066】
なお、本実施の形態では、サブプロテクタ70の段差部72の前側に、メインプロテクタ60の開口部61の端部が隣接して配置されている。これに加えて、サブプロテクタ70の段差部72と、メインプロテクタ60の開口部61の端部と、を左右方向に係合可能に構成してもよい。例えば、図8に示されるように、サブプロテクタ70の段差部72に、前側へ突出し且つ前後方向に延在された係合リブ75(広義には、「係合部」として把握される要素である)を形成し、メインプロテクタ60の開口部61の端部(屈曲部60C)に、当該係合リブ75が挿入される係合溝66(広義には、「被係合部」として把握される要素である)を形成してもよい。これにより、メインプロテクタ60の組付状態を、サブプロテクタ70によって良好に維持することができる。
【0067】
すなわち、メインプロテクタ60は、上側から見た平面視で、前側へ開放された略U字形板状に形成されている。このため、メインプロテクタ60では、環境温度等の変化によって、開口部61が左右方向外側へ広がるように、側壁60Bが経年変化する傾向になる。すなわち、経年変化によって、開口部61の端部が、左右方向外側へ変位する傾向になる。これに対して、上述のように、サブプロテクタ70の段差部72と、メインプロテクタ60の開口部61の端部と、を左右方向に係合可能に構成することで、開口部61の端部が、左右方向外側へ変位することを抑制できる。したがって、メインプロテクタ60の組付状態を、サブプロテクタ70によって良好に維持することができる。
【0068】
また、本実施の形態では、左右一対のスリット74がサブプロテクタ70に形成されているが、サブプロテクタ70において、スリット74を省略してもよい。
【0069】
また、本実施の形態では、メインプロテクタ60及びサブプロテクタ70が、圧縮空気を動力源とした打込機10に適用されているが、メインプロテクタ60及びサブプロテクタ70を他の作業工具に適用してもよい。例えば、メインプロテクタ60及びサブプロテクタ70を、モータの駆動力を動力源する作業工具に適用してもよい。この場合には、メインプロテクタ60及びサブプロテクタ70が、モータの駆動力によって駆動する駆動機構を収容する、ハウジング本体の外周部の一部を周方向全周に亘って覆うように構成される。
【符号の説明】
【0070】
10 打込機(作業工具)
20A ハウジング本体
20B ハンドル部
22 メインハウジング(第1ハウジング部)
22A ハウジング固定部(凸部)
24 エキゾーストカバー(第2ハウジング部)
24A 被固定部(凸部)
24B 受固定部(凸部)
24C 成形線
26 トップカバー(第3ハウジング部)
26A 被固定部(凸部)
28 固定ボルト(保持部材)
40 駆動機構
42 シリンダ
44 ピストン
52 第1シール部材(シール部材)
54 第2シール部材(シール部材)
60 メインプロテクタ(第1カバー)
61 開口部
62 嵌合凹部(凹部)
63 保持筒部(第1保持部)
70 サブプロテクタ(第2カバー)
73 保持片(第2保持部)
74 スリット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8