(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】リアクトル、コンバータ、及び電力変換装置
(51)【国際特許分類】
H01F 37/00 20060101AFI20231017BHJP
H01F 27/24 20060101ALI20231017BHJP
H02M 3/155 20060101ALI20231017BHJP
【FI】
H01F37/00 A
H01F37/00 M
H01F27/24 K
H01F27/24 J
H02M3/155 A
(21)【出願番号】P 2020035394
(22)【出願日】2020-03-02
【審査請求日】2022-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100147
【氏名又は名称】山野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100111567
【氏名又は名称】坂本 寛
(72)【発明者】
【氏名】山本 伸一郎
【審査官】森岡 俊行
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-294429(JP,A)
【文献】特開平06-013243(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 37/00
H01F 27/24
H02M 3/155
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルと、
磁性コアとを備えるリアクトルであって、
前記コイルは、巻回部を有し、
前記巻回部の数が一つであり、
前記巻回部の形状が矩形筒状であり、
前記巻回部の外周面が前記リアクトルの設置対象に接触する部分を含み、
前記磁性コアは、第一コア部と第二コア部とを組み合わせた組物であり、
前記第一コア部及び前記第二コア部は、互いに異なる材料の成形体で構成されて
おり、
前記第一コア部は、樹脂中に軟磁性金属粉末が分散した複合材料の成形体で構成され、
前記第二コア部は、軟磁性金属粉末を含む原料粉末の圧粉成形体で構成され、
前記軟磁性金属は、純鉄及び鉄基合金の少なくとも一方を含み、
前記複合材料の成形体における前記軟磁性金属粉末の含有量は20体積%以上であり、
前記第二コア部の鉄損が、前記第一コア部の鉄損よりも大きく、
前記第二コア部の熱伝導率が、前記第一コア部の熱伝導率よりも大きい、
リアクトル。
【請求項2】
コイルと、
磁性コアとを備えるリアクトルであって、
前記コイルは、巻回部を有し、
前記巻回部の数が一つであり、
前記巻回部の形状が矩形筒状であり、
前記磁性コアは、
第一コア部と第二コア部とを組み合わせた組物であり
、
前記巻回部の各端面に臨む第一エンドコア片及び第二エンドコア片と、
前記巻回部の内部に配置される部分を有するミドルコア部と、
前記ミドルコア部を挟むように前記巻回部の外周に配置されている第一サイドコア部及び第二サイドコア部とを有し、
前記第一コア部と前記第二コア部とは前記巻回部の軸方向に組み合わされ、
前記第一コア部は、
樹脂中に軟磁性金属粉末が分散した複合材料の成形体で構成され、
前記第一エンドコア片と、前記ミドルコア部
の一部
と、前記第一サイドコア部
と、前記第二サイドコア部
と、を有
するE字状の形状であり、
前記第二コア部は、
軟磁性金属粉末を含む原料粉末の圧粉成形体で構成され、
前記第二エンドコア片
と、前記ミドルコア部の残部
と、を有
するT字状の形状であり、
前記第一サイドコア部の長さL21fと前記第二サイドコア部の長さL22fとは、同一の長さであり、かつ前記ミドルコア部の一部の長さL1fよりも長く、
前記ミドルコア部の残部の長さL1sは、前記ミドルコア部の一部の長さL1fよりも短く、かつ前記第二エンドコア片の長さL3sの2倍以下であり、
前記軟磁性金属は、純鉄及び鉄基合金の少なくとも一方を含み、
前記複合材料の成形体における前記軟磁性金属粉末の含有量は20体積%以上である、
リアクトル。
【請求項3】
コイルと、
磁性コアとを備えるリアクトルであって、
前記コイルは、巻回部を有し、
前記巻回部の数が一つであり、
前記巻回部の形状が矩形筒状であり、
前記巻回部の外周面が前記リアクトルの設置対象に接触する部分を含み、
前記磁性コアは、
第一コア部と第二コア部とを組み合わせた組物であり
、
前記巻回部の各端面に臨む第一エンドコア片及び第二エンドコア片と、
前記巻回部の内部に配置される部分を有するミドルコア部と、
前記ミドルコア部を挟むように前記巻回部の外周に配置されている第一サイドコア部及び第二サイドコア部とを有し、
前記第一コア部と前記第二コア部とは前記巻回部の軸方向に組み合わされ、
前記第一コア部は、
樹脂中に軟磁性金属粉末が分散した複合材料の成形体で構成され、
前記第一エンドコア片と、前記ミドルコア部
の一部
と、前記第一サイドコア部
と、前記第二サイドコア部
と、を有
するE字状の形状であり、
前記第二コア部は、
軟磁性金属粉末を含む原料粉末の圧粉成形体で構成され、
前記第二エンドコア片
と、前記ミドルコア部の残部
と、を有
するT字状の形状であり、
前記第一サイドコア部の長さL21fと前記第二サイドコア部の長さL22fとは、同一の長さであり、かつ前記ミドルコア部の一部の長さL1fよりも長く、
前記ミドルコア部の残部の長さL1sは、前記ミドルコア部の一部の長さL1fよりも短く、かつ前記第二エンドコア片の長さL3sの2倍以下であり、
前記軟磁性金属は、純鉄及び鉄基合金の少なくとも一方を含み、
前記複合材料の成形体における前記軟磁性金属粉末の含有量は20体積%以上である、
リアクトル。
【請求項4】
前記第二コア部の鉄損が、前記第一コア部の鉄損よりも大きく、
前記第二コア部の熱伝導率が、前記第一コア部の熱伝導率よりも大きい請求項
2または請求項
3に記載のリアクトル。
【請求項5】
前記磁性コアは、
前記巻回部の各端面に臨む第一エンドコア片及び第二エンドコア片と、
前記巻回部の内部に配置される部分を有するミドルコア部と、
前記ミドルコア部を挟むように前記巻回部の外周に配置される第一サイドコア部及び第二サイドコア部とを有し、
前記第一コア部と前記第二コア部とは前記巻回部の軸方向に組み合わされ、
前記第一コア部は、
前記第一エンドコア片と、
前記ミドルコア部の少なくとも一部、前記第一サイドコア部の少なくとも一部、及び前記第二サイドコア部の少なくとも一部からなる群より選択される少なくとも一つと、を有し、
前記第二コア部は、前記第二エンドコア片、前記ミドルコア部の残部、前記第一サイドコア部の残部、及び前記第二サイドコア部の残部のうち、少なくとも前記第二エンドコア片を有する請求項
1に記載のリアクトル。
【請求項6】
前記第二コア部は、前記ミドルコア部の残部、前記第一サイドコア部の残部、及び前記第二サイドコア部の残部からなる群より選択される少なくとも一つを有し
、
前記ミドルコア部の残部の長さL1、前記第一サイドコア部の残部の長さL21、及び前記第二サイドコア部の残部の長さL22は、前記第二エンドコア片の長さL3の2倍以下である請求項
5に記載のリアクトル。
【請求項7】
前記第二コア部は、前記ミドルコア部の残部、前記第一サイドコア部の残部、及び前記第二サイドコア部の残部からなる群より選択される少なくとも一つを有し
、
前記ミドルコア部の残部の長さL1、前記第一サイドコア部の残部の長さL21、及び前記第二サイドコア部の残部の長さL22は、前記第二エンドコア片の長さL3の2倍超である請求項
5に記載のリアクトル。
【請求項8】
前記第一コア部の形状と前記第二コア部の形状は、互いに非対称である請求項
5から請求項
7のいずれか1項に記載のリアクトル。
【請求項9】
前記磁性コアは、前記第一コア部と前記第二コア部との間に介在されるギャップ部を有し、
前記ギャップ部は、前記巻回部の内部に配置される請求項
1から請求項
8のいずれか1項に記載のリアクトル。
【請求項10】
前記ギャップ部における前記巻回部の軸方向に沿った長さは、2mm以下である請求項
9に記載のリアクトル。
【請求項11】
前記第一コア部の比透磁率が、前記第二コア部の比透磁率よりも小さい請求項1
から請求項10のいずれか1項に記載のリアクトル。
【請求項12】
前記第一コア部の比透磁率は、50以下であり、
前記第二コア部の比透磁率は、50以上である請求項
11に記載のリアクトル。
【請求項13】
請求項1から請求項
12のいずれか1項に記載のリアクトルを備える、
コンバータ。
【請求項14】
請求項
13に記載のコンバータを備える、
電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リアクトル、コンバータ、及び電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1のリアクトルは、コイルと、磁性コアと、ケースと、冷却管を備える。コイルは、巻線を螺旋状に巻回してなる。コイルの数は一つであり、コイルの形状は円筒状である。磁性コアは、内側コア部と外側コア部とを有する。内側コア部は、コイルの内部に配置される。外側コア部は、内側コア部の両端面と、コイルの両端面及び外周面とを覆う。内側コア部と外側コア部とは、異なる材質で構成されている。具体的には、内側コア部は圧粉成形体で構成され、外側コア部は、複合材料の成形体で構成されている。ケースは、コイルと磁性コアとの組合体を内部に収納する。ケース内への組合体の収納は、コイルと内側コア部とをケース内に配置し、複合材料の原料をケース内に充填して硬化することで行える。冷却管は、内部に冷媒が流通する。冷却管は、ケースの外周面に接するようにケースの周方向に螺旋状に巻回している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記組合体は、内側コア部と外側コア部とが異なる材質で構成されていることで、インダクタンスを調整し易い。一方、上記組合体は、コイルと内側コア部とが外側コア部に埋設されているため、放熱性を調整し難い。上記組合体の表面は、実質的に外側コア部の構成材料のみで構成されているからである。その上、上記組合体は、放熱性が低い。外側コア部は、複合材料で構成されており、熱伝導率が比較的低いからである。そこで、上記リアクトルは、冷却管が巻きつけられたケースに上記組合体を収納することで、上記組合体の放熱性能を高めている。しかし、上記リアクトルは、ケースに冷却管が巻きつけられていることで、大型化する。
【0005】
そこで、本開示は、大型化することなく、インダクタンスと放熱性の調整を行い易いリアクトルを提供することを目的の一つとする。また、本開示は、上記リアクトルを備えるコンバータを提供することを別の目的の一つとする。更に、本開示は、上記コンバータを備える電力変換装置を提供することを他の目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るリアクトルは、
コイルと、
磁性コアとを備えるリアクトルであって、
前記コイルは、巻回部を有し、
前記巻回部の数が一つであり、
前記巻回部の形状が矩形筒状であり、
前記磁性コアは、第一コア部と第二コア部とを組み合わせた組物であり、
前記第一コア部及び前記第二コア部は、互いに異なる材料の成形体で構成されている。
【0007】
本開示に係るコンバータは、本開示のリアクトルを備える。
【0008】
本開示に係る電力変換装置は、本開示のコンバータを備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係るリアクトルは、大型化することなく、インダクタンスと放熱性の調整を行い易い。
【0010】
本開示に係るコンバータ及び本開示に係る電力変換装置は、大型化することなく、放熱性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態1に係るリアクトルの全体の概略を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係るリアクトルを分解した状態の概略を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態1に係るリアクトルの全体の概略を示す上面図である。
【
図4】
図4は、実施形態2に係るリアクトルの全体の概略を示す上面図である。
【
図5】
図5は、実施形態3に係るリアクトルの全体の概略を示す上面図である。
【
図6】
図6は、実施形態4に係るリアクトルの全体の概略を示す上面図である。
【
図7】
図7は、ハイブリッド自動車の電源系統を模式的に示す構成図である。
【
図8】
図8は、コンバータを備える電力変換装置の一例の概略を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
《本開示の実施形態の説明》
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0013】
(1)本開示の一形態に係るリアクトルは、
コイルと、
磁性コアとを備えるリアクトルであって、
前記コイルは、巻回部を有し、
前記巻回部の数が一つであり、
前記巻回部の形状が矩形筒状であり、
前記磁性コアは、第一コア部と第二コア部とを組み合わせた組物であり、
前記第一コア部及び前記第二コア部は、互いに異なる材料の成形体で構成されている。
【0014】
上記リアクトルは、インダクタンスを調整し易い。特に、上記リアクトルは、第一コア部と第二コア部との間に大きなギャップ部を介することなくインダクタンスの調整を行い易い。磁性コアが、単一材料で構成されておらず、互いに異なる材料の成形体の第一コア部と第二コア部とで構成されているからである。
【0015】
上記リアクトルは、上述した従来のリアクトルに比較して、放熱性を調整し易い。従来のリアクトルの磁性コアは、熱伝導率が比較的高いコア部を熱伝導率が比較的低いコア部に埋設してなる。即ち、この磁性コアの表面は単一材料で構成されているに等しい。これに対し、上記リアクトルは、磁性コアを構成する第一コア部と第二コア部とが互いに異なる材料の成形体で構成されることで、磁性コアの表面を異なる材料で構成できるからである。
【0016】
上記リアクトルは、上述した従来のリアクトルに比較して、放熱性を高め易い。上述した従来のリアクトルは、磁性コアの表面が上述のように熱伝導率が比較的低いコア部のみで構成される。これに対し、上記リアクトルは、上述のように磁性コアの表面を異なる材料で構成できることで、磁性コアの表面が放熱性に優れる材料で構成される面を含むことができるからである。
【0017】
上記リアクトルは、冷却性能に偏りのある冷却部材により冷却されるリアクトルに好適に利用できる。第一コア部と第二コア部のうち放熱性能の高いコア部を冷却部材の冷却性能の低い側に配置し、放熱性能の低いコア部を冷却部材の冷却性能の高い側に配置する。それにより、第一コア部と第二コア部とが均等に冷却されて、磁性コアの最高温度が低減される。このように磁性コアの最高温度が低減されるため、上記リアクトルは低損失である。
【0018】
上記リアクトルは、大型化し難い。上記リアクトルは、上述のように放熱性を調整し易く放熱性を高め易いため、上述した従来のリアクトルのような冷却管を設けなくてもよいからである。
【0019】
上記リアクトルは、巻回部の数が一つであることで、複数の巻回部を巻回部の軸方向と直交する方向に並列する場合に比較して、その並列方向の設置面積を小さくできる。
【0020】
上記リアクトルは、巻回部の形状が矩形筒状であるため、巻回部が同じ断面積の円筒状である場合に比較して、設置対象との接触面積を大きくし易い。そのため、上記リアクトルは、巻回部を介して設置対象に放熱し易い。その上、上記リアクトルは、巻回部を設置対象に安定して設置し易い。
【0021】
上記リアクトルは、上述した従来のリアクトルに比較して、製造し易い。上述した従来のリアクトルの製造は、コイルとミドルコア部とを組み合わせた組物に対して複合材料の原料を充填し硬化することで行っていた。その際、複合材料を上記組物の外周に十分に行きわたらせる必要があり、サイドコア部を作製し難かった。これに対し、上記リアクトルは、予め作製した第一コア部と第二コア部とをコイルに組み付けるだけでよい。第一コア部と第二コア部とは、コイルや他のコア部に対して充填したりしないため、作製し易い。
【0022】
(2)上記リアクトルの一形態として、
前記第一コア部の比透磁率が、前記第二コア部の比透磁率よりも小さいことが挙げられる。
【0023】
上記リアクトルは、第一コア部と第二コア部とが上記比透磁率の大小関係を満たすことで、第一コア部と第二コア部との間に大きなギャップ部を介することなくインダクタンスを調整し易い。また、上記リアクトルは、第一コア部と第二コア部との間に大きなギャップ部を介さなくてもよいため、漏れ磁束が巻回部に侵入して巻回部で発生する渦電流損を低減し易い。
【0024】
(3)上記(2)のリアクトルの一形態として、
前記第一コア部の比透磁率は、50以下であり、
前記第二コア部の比透磁率は、50以上であることが挙げられる。
【0025】
上記リアクトルは、インダクタンスの調整を行い易い。
【0026】
(4)上記リアクトルの一形態として、
前記第二コア部の鉄損が、前記第一コア部の鉄損よりも大きく、
前記第二コア部の熱伝導率が、前記第一コア部の熱伝導率よりも大きいことが挙げられる。
【0027】
上記リアクトルは、鉄損と熱伝導率とが上記大小関係を満たすことで、温度が上昇し難い。第二コア部は、鉄損が大きく発熱し易いものの、熱伝導率が大きく放熱性が高く、第一コア部は、熱伝導率が小さく放熱性が低いものの、鉄損が小さく発熱し難いからである。
【0028】
(5)上記リアクトルの一形態として、
前記第一コア部は、樹脂中に軟磁性粉末が分散した複合材料の成形体で構成され、
前記第二コア部は、軟磁性粉末を含む原料粉末の圧粉成形体で構成されることが挙げられる。
【0029】
上記リアクトルは、第一コア部が複合材料の成形体で構成され、第二コア部が圧粉成形体で構成されていることで、第一コア部と第二コア部との間に大きなギャップを介することなくインダクタンスを調整し易い上に、放熱性を調整し易い。そして、上記リアクトルは、第二コア部が熱伝導率の比較的高い圧粉成形体で構成されることで、放熱性を高め易い。
【0030】
(6)上記(5)のリアクトルの一形態として、
前記磁性コアは、
前記巻回部の各端面に臨む第一エンドコア片及び第二エンドコア片と、
前記巻回部の内部に配置される部分を有するミドルコア部と、
前記ミドルコア部を挟むように前記巻回部の外周に配置される第一サイドコア部及び第二サイドコア部とを有し、
前記第一コア部と前記第二コア部とは前記巻回部の軸方向に組み合わされ、
前記第一コア部は、
前記第一エンドコア片と、
前記ミドルコア部の少なくとも一部、前記第一サイドコア部の少なくとも一部、及び前記第二サイドコア部の少なくとも一部からなる群より選択される少なくとも一つと、を有し、
前記第二コア部は、前記第二エンドコア片、前記ミドルコア部の残部、前記第一サイドコア部の残部、及び前記第二サイドコア部の残部のうち、少なくとも前記第二エンドコア片を有することが挙げられる。
【0031】
上記リアクトルは、インダクタンスと放熱性とをより一層調整し易い。また、上記リアクトルは、第一コア部と第二コア部とを巻回部に対して巻回部の軸方向に沿って組み合わせることで構築できるため、製造作業性に優れる。
【0032】
(7)上記(6)のリアクトルの一形態として、
前記第二コア部は、前記ミドルコア部の残部、前記第一サイドコア部の残部、及び前記第二サイドコア部の残部からなる群より選択される少なくとも一つを有し、
前記第二コア部における前記巻回部の軸方向に沿った長さのうち、前記ミドルコア部の残部の長さをL1、前記第一サイドコア部の残部の長さをL21、前記第二サイドコア部の残部の長さをL22、及び前記第二エンドコア片の長さをL3、とするとき、
前記ミドルコア部の残部の長さL1、前記第一サイドコア部の残部の長さL21、及び前記第二サイドコア部の残部の長さL22は、前記第二エンドコア片の長さL3の2倍以下であることが挙げられる。
【0033】
上記リアクトルは、第二ミドルコア片の密度と第一サイドコア片の密度と第二サイドコア片の密度と第二エンドコア片の密度のばらつきが小さくなり易い。その理由は、次の通りである。圧粉成形体は、原料粉末を圧縮成形してなる。成形時の加圧方向は、圧粉成形体の形状やサイズによるものの、第二ミドルコア片の軸方向に沿った方向となることが多い。上記長さL1、上記長さL21、及び上記長さL22が上記長さL3の2倍以下であると、第二コア部の成形時、各コア片に作用する圧力のばらつきを小さくし易い。そのため、密度のばらつきの小さい第二コア部を作製し易い。
【0034】
(8)上記(6)のリアクトルの一形態として、
前記第二コア部は、前記ミドルコア部の残部、前記第一サイドコア部の残部、及び前記第二サイドコア部の残部からなる群より選択される少なくとも一つを有し、
前記第二コア部における前記巻回部の軸方向に沿った長さのうち、前記ミドルコア部の残部の長さをL1、前記第一サイドコア部の残部の長さをL21、前記第二サイドコア部の残部の長さをL22、及び前記第二エンドコア片の長さをL3、とするとき、
前記ミドルコア部の残部の長さL1、前記第一サイドコア部の残部の長さL21、及び前記第二サイドコア部の残部の長さL22は、前記第二エンドコア片の長さL3の2倍超であることが挙げられる。
【0035】
上記リアクトルは、放熱性を高め易い。その理由は、上記長さL1、上記長さL21、及び上記長さL22が上記長さL3の2倍超であることで、磁性コアにおいて、熱伝導率の比較的高い圧粉成形体で構成される第二コア部の割合を多くし易いからである。成形時の加圧方向は、上述した各ミドルコア片の軸方向に沿った方向ではなく、各ミドルコア片の軸方向と両サイドコア片の並列方向の両方向に直交する方向の場合もある。この場合、上記長さL1、上記長さL21、及び上記長さL22が上記長さL3の2倍超の第二コア部とすることもできる。また、成形時の加圧方向が上記直交する方向の場合、成形時に切欠部や面取部を第二コア部に設け易い。
【0036】
(9)上記(6)から上記(8)のいずれか1つのリアクトルの一形態として、
前記第一コア部の形状と前記第二コア部の形状は、互いに非対称であることが挙げられる。
【0037】
上記リアクトルは、第一コア部と第二コア部とが非対称形状であることで、第一コア部の形状と第二コア部の形状の選択肢を広げられる。
【0038】
(10)上記(6)から上記(9)のいずれか1つのリアクトルの一形態として、
前記磁性コアは、前記第一コア部と前記第二コア部との間に介在されるギャップ部を有し、
前記ギャップ部は、前記巻回部の内部に配置されることが挙げられる。
【0039】
上記リアクトルは、ギャップ部が巻回部の内部に配置されることで、巻回部の外部に配置される場合に比較して、漏れ磁束が巻回部に侵入して巻回部で発生する渦電流損を低減し易い。
【0040】
(11)上記(10)のリアクトルの一形態として、
前記ギャップ部における前記巻回部の軸方向に沿った長さは、2mm以下であることが挙げられる。
【0041】
上記リアクトルは、漏れ磁束が少なく、渦電流損の低減効果が高くなり易い。
【0042】
(12)本開示の一形態に係るコンバータは、
上記(1)から上記(11)のいずれか1つに記載のリアクトルを備える。
【0043】
上記コンバータは、上記リアクトルを備えるため、大型化することなく、放熱性に優れる。
【0044】
(13)本開示の一形態に係る電力変換装置は、
上記(12)のコンバータを備える。
【0045】
上記電力変換装置は、上記コンバータを備えるため、大型化することなく、放熱性に優れる。
【0046】
《本開示の実施形態の詳細》
本開示の実施形態の詳細を、以下に図面を参照しつつ説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。
【0047】
《実施形態1》
〔リアクトル〕
図1から
図3を参照して、実施形態1に係るリアクトル1を説明する。リアクトル1は、コイル2と磁性コア3とを備える。コイル2は巻回部21を有する。本形態のリアクトル1の特徴の一つは、以下の要件(a)から要件(c)を満たす点にある。
(a)巻回部21の数が特定の数であり、巻回部21の形状が特定の形状である。
(b)磁性コア3が第一コア部3fと第二コア部3sとを組み合わせた組物である。
(c)第一コア部3fと第二コア部3sとが互いに異なる材料の成形体で構成されている。
以下、各構成を詳細に説明する。
図3は、説明の便宜上、コイル2を二点鎖線で示している。この点は、後述する実施形態2から実施形態4でそれぞれ参照する
図4から
図6でも同様である。
【0048】
[コイル]
コイル2は、中空の巻回部21を有する(
図1,
図2)。巻回部21の数は、一つである。本形態のリアクトル1は、巻回部21の数が一つであることで、複数の巻回部を巻回部の軸方向と直交する方向に並列する場合に比較して、後述する第二方向D2に沿った長さを短くできる。
【0049】
巻回部21の形状は、矩形筒状である(
図2)。矩形には、正方形が含まれる。即ち、巻回部21の端面形状は、矩形枠状としている。巻回部21の形状が矩形筒状であることで、巻回部が同じ断面積の円筒状である場合に比較して、巻回部21と設置対象との接触面積を大きくし易い。そのため、リアクトル1は、巻回部21を介して設置対象に放熱し易い。その上、巻回部21を設置対象に安定して設置し易い。巻回部21の角部は丸めている。
【0050】
巻回部21は、接合部の無い1本の巻線を螺旋状に巻回して構成される。巻線は、公知の巻線を利用できる。本形態の巻線は、被覆平角線を用いている。被覆平角線の導体線は、銅製の平角線で構成されている。被覆平角線の絶縁被覆は、エナメルからなる。巻回部21は、被覆平角線をエッジワイズ巻きしたエッジワイズコイルで構成されている。
【0051】
巻回部21の一端部21a及び他端部21bはそれぞれ、巻回部21の軸方向の一端側及び他端側において、本形態では巻回部21の外周側へ引き伸ばされている。巻回部21の一端部21a及び他端部21bは、図示は省略しているものの絶縁被覆が剥がされて導体線が露出している。露出した導体線には、端子部材が接続される。端子部材の図示は省略する。コイル2にはこの端子部材を介して外部装置が接続される。外部装置の図示は省略する。外部装置は、コイル2に電力供給を行なう電源などが挙げられる。
【0052】
[磁性コア]
磁性コア3は、第一エンドコア片33f及び第二エンドコア片33sと、ミドルコア部31と、第一サイドコア部321及び第二サイドコア部322とを有する(
図1)。磁性コア3において、巻回部21の軸方向に沿った方向を第一方向D1、ミドルコア部31と第一サイドコア部321と第二サイドコア部322の並列方向を第二方向D2、第一方向D1と第二方向D2の両方に直交する方向を第三方向D3とする。
【0053】
(第一エンドコア片・第二エンドコア片)
第一エンドコア片33fは、巻回部21の一方の端面に臨む。第二エンドコア片33sは、巻回部21の他方の端面に臨む。臨むとは、コア片と巻回部21の端面とが互いに向き合うことをいう。第一エンドコア片33fの形状と第二エンドコア片33sの形状は、同一形状であり、薄い角柱状である(
図1、
図2)。
【0054】
(ミドルコア部)
ミドルコア部31は、巻回部21の内部に配置される部分を有する。ミドルコア部31の形状は、巻回部21の内周形状に対応した形状であることが挙げられ、本形態では四角柱状である(
図2)。ミドルコア部31の角部は、巻回部21の角部の内周面に沿うように丸めていてもよい。
【0055】
ミドルコア部31の第一方向D1に沿った長さは、巻回部21の軸方向に沿った長さと同等である(
図3)。ミドルコア部31の第一方向D1に沿った長さとは、後述する第一ミドルコア片31fの長さL1fと第二ミドルコア片31sの長さL1sの合計長さ(L1f+L1s)である。ミドルコア部31の第一方向D1に沿った長さには、後述するギャップ部3gの第一方向D1に沿った長さLgは含まない。他のコア部やコア片の長さについても同様の意義である。
【0056】
ミドルコア部31の第一方向D1に沿った長さは、本形態では第一サイドコア部321の第一方向D1に沿った長さと第二サイドコア部322の第一方向D1に沿った長さよりも短い。第一サイドコア部321の第一方向D1に沿った長さとは、後述する第一サイドコア片321fの長さL21fと第一サイドコア片321sの長さL21sの合計長さ(L21f+L21s)である。第二サイドコア部322の第一方向D1に沿った長さとは、後述する第二サイドコア片322fの長さL22fと第二サイドコア片322sの長さL22sの合計長さ(L22f+L22s)である。なお、ミドルコア部31の第一方向D1に沿った長さは、本形態とは異なり第一サイドコア部321の第一方向D1に沿った長さと第二サイドコア部322の第一方向D1に沿った長さと同等でもよい。
【0057】
ミドルコア部31は、例えば、本形態や
図5を参照する後述の実施形態3のように第一ミドルコア片31fと第二ミドルコア片31sの二つのコア片で構成される場合と、
図4を参照する後述の実施形態2や
図6を参照する後述の実施形態4のように一つの第一ミドルコア片31fで構成される場合と、が挙げられる。
【0058】
(第一サイドコア部・第二サイドコア部)
第一サイドコア部321と第二サイドコア部322とは、ミドルコア部31を挟むように互いに向き合って配置される(
図1、
図2)。第一サイドコア部321と第二サイドコア部322とは、巻回部21の外周に配置される。第一サイドコア部321の形状と第二サイドコア部322の形状は、同一形状であり、薄い角柱状である。
【0059】
第一サイドコア部321の第一方向D1に沿った長さ(L21f+L21s)と、第二サイドコア部322の第一方向D1に沿った長さ(L22f+L22s)は、巻回部21の軸方向に沿った長さよりも長い(
図3)。なお、第一サイドコア部321の第一方向D1に沿った長さと、第二サイドコア部322の第一方向D1に沿った長さは、巻回部21の軸方向に沿った長さと同等でもよい。
【0060】
第一サイドコア部321は、例えば、本形態や実施形態4のように第一サイドコア片321fと第一サイドコア片321sの二つのコア片で構成される場合と、実施形態2や実施形態3のように一つの第一サイドコア片321fで構成される場合と、が挙げられる。
【0061】
第二サイドコア部322は、例えば、本形態や実施形態4のように第二サイドコア片322fと第二サイドコア片322sの二つのコア片で構成される場合と、実施形態2や実施形態3のように一つの第二サイドコア片322fで構成される場合と、が挙げられる。
【0062】
本形態において、第一サイドコア部321の断面積と第二サイドコア部322の断面積との合計は、ミドルコア部31の断面積と同じである。即ち、第一サイドコア部321の第二方向D2に沿った長さと第二サイドコア部322の第二方向D2に沿った長さとの合計は、ミドルコア部31の第二方向D2に沿った長さに相当する。
【0063】
磁性コア3は、第一コア部3fと第二コア部3sとを組み合わせた組物である。第一コア部3fと第二コア部3sの組み合わせは、第一コア部3fの形状と第二コア部3sの形状とを適宜選択することで、種々の組み合わせとすることができる。第一コア部3fの形状と第二コア部3sの形状は、対称であってもよいものの、互いに非対称であることが好ましい。対称とは、形状及びサイズが同一であることをいう。非対称とは、形状が異なることをいう。非対称であることで、第一コア部3fの形状と第二コア部3sの形状の選択肢を広げられる。本形態では、第一コア部3fの形状と第二コア部3sの形状とは非対称である。
【0064】
第一コア部3fと第二コア部3sとは、本形態では
図2に示すように第一方向D1に分割される。第一コア部3fと第二コア部3sの組み合わせは、本形態ではE-E型としている。また、上記組み合わせは、実施形態2のようにE-I型としてもよい。更に、上記組み合わせは、実施形態3のようにE-T型としてもよい。そして、上記組み合わせは、実施形態4のようにE-U型としてもよい。その他、図示は省略しているものの、上記組み合わせは、F-F型、F-L型、U-T型などとしてもよい。これらの組み合わせとすれば、インダクタンスと放熱性とをより一層調整し易い。また、リアクトル1は、第一コア部3fと第二コア部3sとを巻回部21に対して巻回部21の軸方向に沿って組み合わせることで構築できるため、製造作業性に優れる。
【0065】
第一コア部3fと第二コア部3sとの間には、後述するギャップ部3gが介在されていてもよいし、ギャップ部3gが介在されていなくてもよい。
【0066】
(第一コア部)
第一コア部3fは、少なくとも第一エンドコア片33fを有することが挙げられる。第一コア部3fは、第一エンドコア片33fに加えて、ミドルコア部31の少なくとも一部、第一サイドコア部321の少なくとも一部、及び第二サイドコア部322の少なくとも一部、からなる群より選択される少なくとも一つを有することが挙げられる。
【0067】
例えば、第一コア部3fが、第一エンドコア片33fと、ミドルコア部31の少なくとも一部とを有する場合、第一コア部3fの形状は、T字状である。第一コア部3fが、第一エンドコア片33fと、第一サイドコア部321の少なくとも一部又は第二サイドコア部322の少なくとも一部とを有する場合、第一コア部3fの形状は、L字状である。第一コア部3fが、第一エンドコア片33fと、ミドルコア部31の少なくとも一部と、第一サイドコア部321の少なくとも一部又は第二サイドコア部322の少なくとも一部とを有する場合、第一コア部3fの形状は、F字状である。第一コア部3fが、第一エンドコア片33fと、第一サイドコア部321の少なくとも一部と、第二サイドコア部322の少なくとも一部とを有する場合、第一コア部3fの形状は、U字状である。第一コア部3fが、第一エンドコア片33fと、ミドルコア部31の少なくとも一部と、第一サイドコア部321の少なくとも一部と、第二サイドコア部322の少なくとも一部とを有する場合、第一コア部3fの形状は、E字状である。
【0068】
本形態の第一コア部3fの形状は、E字状である。即ち、本形態の第一コア部3fは、第一エンドコア片33fと、ミドルコア部31の少なくとも一部と、第一サイドコア部321の少なくとも一部と、第二サイドコア部322の少なくとも一部とを有する。具体的には、本形態の第一コア部3fは、第一エンドコア片33fと、ミドルコア部31の一部と、第一サイドコア部321の一部と、第二サイドコア部322の一部とを有する。より具体的には、本形態の第一コア部3fは、第一エンドコア片33fと、第一ミドルコア片31fと、第一サイドコア片321fと、第二サイドコア片322fとを有する。
【0069】
第一コア部3fは、第一エンドコア片33fと第一ミドルコア片31fと第一サイドコア片321fと第二サイドコア片322fとが一体の成形体である。第一エンドコア片33fは、第一ミドルコア片31fと第一サイドコア片321fと第二サイドコア片322fとをつなぐ。第一サイドコア片321fと第二サイドコア片322fとは、第一エンドコア片33fの両端に設けられている。第一ミドルコア片31fは、第一エンドコア片33fの中央に設けられている。第一エンドコア片33fの形状は、上述したように薄い角柱状である。第一ミドルコア片31fの形状は、四角柱状である。第一サイドコア片321f及び第二サイドコア片322fの形状は、薄い角柱状である。
【0070】
(第二コア部)
第二コア部3sは、第一コア部3fと同様、少なくとも第二エンドコア片33sを有する。第一コア部3fと第二コア部3sとの組み合わせに応じて、第二コア部3sは、第二エンドコア片33sに加えて、ミドルコア部31の残部、第一サイドコア部321の残部、及び第二サイドコア部322の残部、からなる群より選択される少なくとも一つを有していてもよい。
【0071】
例えば、第二コア部3sが、一つの第二エンドコア片33sで構成される場合、第二コア部3sの形状はI字状である。第二コア部3sが、第二エンドコア片33sと、ミドルコア部31の残部とを有する場合、第二コア部3sの形状はT字状である。第二コア部3sが、第二エンドコア片33sと、第一サイドコア部321の残部又は第二サイドコア部322の残部とを有する場合、第二コア部3sの形状はL字状である。第二コア部3sが、第二エンドコア片33sと、ミドルコア部31の残部と、第一サイドコア部321の残部又は第二サイドコア部322の残部とを有する場合、第二コア部3sの形状はF字状である。第二コア部3sが、第二エンドコア片33sと、第一サイドコア部321の残部と、第二サイドコア部322の残部とを有する場合、第二コア部3sの形状はU字状である。第二コア部3sが、第二エンドコア片33sと、ミドルコア部31の残部と、第一サイドコア部321の残部と、第二サイドコア部322の残部とを有する場合、第二コア部3sの形状はE字状である。
【0072】
本形態の第二コア部3sの形状は、E字状である。即ち、本形態の第二コア部3sは、第二エンドコア片33sと、ミドルコア部31の残部と、第一サイドコア部321の残部と、第二サイドコア部322の残部とを有する。具体的には、本形態の第二コア部3sは、第二エンドコア片33sと、第二ミドルコア片31sと、第一サイドコア片321sと、第二サイドコア片322sとを有する。
【0073】
第二コア部3sは、第二エンドコア片33sと第二ミドルコア片31sと第一サイドコア片321sと第二サイドコア片322sとが一体の成形体である。第二エンドコア片33sは、第二ミドルコア片31sと第一サイドコア片321sと第二サイドコア片322sとをつなぐ。第一サイドコア片321sと第二サイドコア片322sとは、第二エンドコア片33sの両端に設けられている。第二ミドルコア片31sは、第二エンドコア片33sの中央に設けられている。第二エンドコア片33sの形状は、上述したように薄い角柱状である。第二ミドルコア片31sの形状は、四角柱状である。第一サイドコア片321s及び第二サイドコア片322sの形状は、薄い角柱状である。
【0074】
(サイズ)
第一コア部3fと第二コア部3sとは、サイズが異なる。具体的には、第一コア部3fの各コア片の第一方向D1に沿った長さと、第二コア部3sの各コア片の第一方向D1に沿った長さとが異なる部分がある。第一コア部3fの各コア片の第二方向D2に沿った長さと、第二コア部3sの各コア片の第二方向D2に沿った長さとは、互いに同一である。第一コア部3fの各コア片の第三方向D3に沿った長さと、第二コア部3sの各コア片の第三方向D3に沿った長さとは、互いに同一である。
【0075】
第一コア部3fにおいて、第一ミドルコア片31fの第一方向D1に沿った長さL1fと、第一サイドコア片321fの第一方向D1に沿った長さL21fと、第二サイドコア片322fの第一方向D1に沿った長さL22fのうち、少なくとも一つの長さが異なっていてもよいし、全ての長さが同一であってもよい。本形態では、上記長さL21fと上記長さL22fとが、同一であり、上記長さL1fよりも長い。なお、第一コア部3fにおいて、上記長さL21fと上記長さL22fとが、同一であり、上記長さL1fが、上記長さL21fと上記長さL22fよりも長くてもよい。
【0076】
第二コア部3sにおいて、第二ミドルコア片31sの第一方向D1に沿った長さL1sと、第一サイドコア片321sの第一方向D1に沿った長さL21sと、第二サイドコア片322sの第一方向D1に沿った長さL22sのうち、少なくとも一つの長さが異なっていてもよいし、全ての長さが同一であってもよい。本形態では、上記長さL21sと上記長さL22sとは、同一であり、上記長さL1sよりも長い。なお、第二コア部3sにおいて、上記長さL21sと上記長さL22sとが、同一であり、上記長さL1sが、上記長さL21sと上記L22sよりも長くてもよい。
【0077】
上記長さL1fと上記長さL1sとは、本形態のように異なっていてもよいし、本形態とは異なり同一でもよい。本形態では、上記長さL1fは、上記長さL1sよりも長い。
【0078】
第一ミドルコア片31fの第二方向D2に沿った長さと、第二ミドルコア片31sの第二方向D2に沿った長さとは、上述したように互いに同一である。第一ミドルコア片31fの第三方向D3に沿った長さと、第二ミドルコア片31sの第三方向D3に沿った長さとは、上述したように互いに同一である。
【0079】
上記長さL21fと上記長さL21sとは、本形態のように異なっていてもよいし、本形態とは異なり同一であってもよい。本形態では、上記長さL21fは、上記長さL21sよりも長い。
【0080】
第一コア部3fの第一サイドコア片321fの第二方向D2に沿った長さと、第二コア部3sの第一サイドコア片321sの第二方向D2に沿った長さとは、上述したように互いに同一である。第一コア部3fの第一サイドコア片321fの第三方向D3に沿った長さと、第二コア部3sの第一サイドコア片321sの第三方向D3に沿った長さは、上述したように互いに同一である。
【0081】
上記長さL22fと上記長さL22sとは、本形態のように異なっていてもよいし、本形態とは異なり同一であってもよい。本形態では、上記長さL22fは、上記長さL22sよりも長い。第一コア部3fの第二サイドコア片322fの第二方向D2に沿った長さと、第二コア部3sの第二サイドコア片322sの第二方向D2に沿った長さとは、上述したように互いに同一である。第一コア部3fの第二サイドコア片322fの第三方向D3に沿った長さと、第二コア部3sの第二サイドコア片322sの第三方向D3に沿った長さとは、上述したように互いに同一である。
【0082】
第一エンドコア片33fの第一方向D1に沿った長さL3fと第二エンドコア片33sの第
一方向D
1に沿った長さL3sとは、
図3に示すように、互いに同一である。
【0083】
第一エンドコア片33fの第二方向D2に沿った長さと、第二エンドコア片33sの第二方向D2に沿った長さとは、上述したように互いに同一であり、巻回部21の第二方向D2に沿った長さよりも長い(
図3)。
【0084】
第一エンドコア片33fの第三方向D3に沿った長さ、と第二エンドコア片33sの第三方向D3に沿った長さは、上述したように同一であり、巻回部21の第三方向D3に沿った長さよりも小さい(
図1)。第一エンドコア片33fの第三方向D3に沿った長さと第二エンドコア片33sの第三方向D3に沿った長さは、巻回部21の第三方向D3に沿った長さよりも長くてもよいし、同じでもよい。
【0085】
本形態では、後述するように第二コア部3sが圧粉成形体で構成される。圧粉成形体で構成される場合、上記長さL1s、上記長さL21s、及び上記長さL22sは、上記長さL3sの2倍以下であってもよいし、2倍超であってもよい。圧粉成形体は、原料粉末を圧縮成形してなる。成形時の加圧方向は、圧粉成形体の形状やサイズによるものの、第一方向D1に沿った方向、又は第三方向D3に沿った方向が挙げられる。
【0086】
成形時の加圧方向が第一方向D1に沿った方向の場合、上記長さL1s、上記長さL21s、及び上記長さL22sが上記長さL3sの2倍以下であると、第二コア部3sの成形時、各コア片に作用する圧力のばらつきを小さくし易い。そのため、第二ミドルコア片31sの密度と第一サイドコア片321sの密度と第二サイドコア片322sの密度と第二エンドコア片33sの密度のばらつきが小さくなり易い。成形時の加圧方向が第一方向D1に沿った方向の場合、上記長さL1s、上記長さL21s、及び上記長さL22sは、更に、上記長さL3sの1.8倍以下が好ましく、特に1.6倍以下が好ましい。上記長さL1s、上記長さL21s、及び上記長さL22sは、例えば、上記長さL3sの1倍以上が挙げられる。
【0087】
成形時の加圧方向が第三方向D3に沿った方向の場合、上記長さL1s、上記長さL21s、及び上記長さL22sが上記長さL3sの2倍以下の第二コア部3sを製造することは勿論、上記長さL3sの2倍超の第二コア部3sを製造することもできる。上記長さL1s、上記長さL21s、及び上記長さL22sは、上記長さL3sの2倍超であると、磁性コア3において、熱伝導率の比較的高い圧粉成形体で構成される第二コア部3sの割合を多くし易いため、リアクトル1は、放熱性を高め易い。また、成形時の加圧方向が第三方向D3に沿った方向の場合、成形時の加圧方向が第一方向D1に沿った方向の場合に比較して、成形時に切欠部や面取部を第二コア部3sに設け易い。成形時の加圧方向が第三方向D3に沿った方向の場合、上記長さL1s、上記長さL21s、及び上記長さL22sは、更に上記長さL3sの2.5倍超、特に3倍超とすることができる。上記長さL1s、上記長さL21s、及び上記長さL22sは、例えば、上記長さL3sの5倍以下が挙げられる。
【0088】
本形態では、上記長さL1s、上記長さL21s、及び上記長さL22sは、上記長さL3sの2倍以下である。
【0089】
第一コア部3fと第二コア部3sとは、第一コア部3fの第一サイドコア片321fの端面と第二サイドコア片322fの端面のそれぞれと第二コア部3sの第一サイドコア片321sの端面と第二サイドコア片322sの端面のそれぞれとが接するように組み合わされる。このように組み合わされると、上記長さの関係を満たすことから、第一コア部3fの第一ミドルコア片31fの端面と第二コア部3sの第二エンドコア片33sの端面との間に間隔が設けられる。この間隔の第一方向D1に沿った長さが、ギャップ部3gの長さLgに対応する。
【0090】
勿論、第一コア部3fと第二コア部3sとは、第一コア部3fの第一サイドコア片321fの端面と第二サイドコア片322fの端面のそれぞれと第二コア部3sの第一サイドコア片321sの端面と第二サイドコア片322sの端面のそれぞれとの間に間隔が設けられるように組み合わせてもよい。このように組み合わされると、上記長さの関係を満たすことから、第一ミドルコア片31fの端面と第二ミドルコア片31sの端面との間にも間隔が設けられる。第一ミドルコア片31fの端面と第二ミドルコア片31sの端面との間の間隔は、第一サイドコア片321fの端面と第一サイドコア片321sの端面との間の間隔、及び第二サイドコア片322fの端面と第二サイドコア片322sの端面との間の間隔よりも大きくなる。この場合、後述するモールド樹脂部などによって第一コア部3fと第二コア部3sとを組み合わせるとよい。上記間隔に充填されるモールド樹脂部によってギャップ部が構成される。
【0091】
(比透磁率の大小関係)
第一コア部3fと第二コア部3sとは、第一コア部3fの比透磁率<第二コア部3sの比透磁率、を満たすことが好ましい。リアクトル1は、第一コア部3fと第二コア部3sとが、上記比透磁率の大小関係を満たすことで、第一コア部3fと第二コア部3sとの間に大きなギャップ部3gを介することなくインダクタンスを調整し易い。また、リアクトル1は、第一コア部3fと第二コア部3sとの間に上記長さLgの長いギャップ部3gを介さなくてもよいため、漏れ磁束が巻回部21に侵入して巻回部21で発生する渦電流損を低減し易い。上記長さLgの長いギャップ部3gとは、例えば、2mm超をいう。
【0092】
上記比透磁率の大小関係を満たした上で、第一コア部3fの比透磁率は50以下が好ましく、第二コア部3sの比透磁率は50以上が好ましい。その理由は、インダクタンスの調整を行い易いからである。第一コア部3fの比透磁率は、更に、45以下が好ましく、40以下、特に、30以下が好ましい。第一コア部3fの比透磁率は、例えば、5以上、更には15以上が挙げられる。第二コア部3sの比透磁率は、更に、100以上が好ましく、特に、150以上が好ましい。第二コア部3sの比透磁率は、例えば、500以下、更には300以下が挙げられる。
【0093】
(鉄損と熱伝導率の大小関係)
第一コア部3fと第二コア部3sとは、「第一コア部3fの鉄損<第二コア部3sの鉄損」、かつ「第一コア部3fの熱伝導率<第二コア部3sの熱伝導率」、を満たすことが好ましい。この大小関係を満たすことで、リアクトル1の温度が上昇しにくい。第二コア部3sは、鉄損が大きく発熱し易いものの、熱伝導率が大きくて放熱性が高く、第一コア部3fは、熱伝導率が小さく放熱性が低いものの、鉄損が小さく発熱し難いからである。
【0094】
第一コア部3fの熱伝導率と第二コア部3sの熱伝導率の差は、例えば、1w/m・K以上が好ましく、更に、3w/m・K以上が好ましく、特に、5w/m・K以上が好ましい。熱伝導率の差は、例えば、20w/m・K以下が挙げられる。第一コア部3fの熱伝導率は、例えば、1w/m・K以上が好ましく、更に、2w/m・K以上が好ましく、特に、3w/m・K以上が好ましい。第一コア部3fの熱伝導率は、実用上、例えば、5w/m・K以下が挙げられる。第二コア部3sの熱伝導率は、例えば、5w/m・K以上が好ましく、更に、10w/m・K以上が好ましく、特に、15w/m・K以上が好ましい。第二コア部3sの熱伝導率は、実用上、例えば、20w/m・K以下が挙げられる。
【0095】
比透磁率は、次のようにして求める。第一コア部と第二コア部のそれぞれからリング状の測定試料を切り出す。各々の測定試料に一次側:300巻き、二次側:20巻きの巻線を施す。B-H初磁化曲線をH=0(Oe)以上100(Oe)以下の範囲で測定し、このB-H初磁化曲線の傾きの最大値を求め、この最大値を比透磁率とする。なお、ここでの磁化曲線とは、いわゆる直流磁化曲線である。
【0096】
鉄損は、上記各々の測定試料を用いて、次のようにして求める。BHカーブトレーサを用いて、励起磁束密度Bm:1kG(=0.1T)、測定周波数:10kHzにおける鉄損(W/m3)を測定する。
【0097】
熱伝導率は、第一コア部と第二コア部のそれぞれに対して温度傾斜法やレーザフラッシュ法により測定することで求められる。
【0098】
(材質)
第一コア部3fと第二コア部3sとは、互いに異なる材質の成形体で構成されている。互いに異なる材質とは、比透磁率が異なることをいう。成形体としては、圧粉成形体、複合材料の成形体のいずれかが挙げられる。例えば、第一コア部3fと第二コア部3sとが圧粉成形体で構成されていても、圧粉成形体を構成する軟磁性粉末の材質や含有量が異なれば、互いに異なる材質で構成されているとする。また、第一コア部3fと第二コア部3sとが複合材料の成形体で構成されていても、複合材料を構成する軟磁性粉末と樹脂の少なくとも一方の材質が異なれば、或いは、軟磁性粉末と樹脂の材質が同じであっても軟磁性粉末及び樹脂の含有量が異なれば、互いに異なる材質で構成されているとする。なお、これらのコア片は、積層体で構成してもよい。
【0099】
圧粉成形体は、軟磁性粉末を圧縮成形してなる。圧粉成形体は、複合材料に比較して、コア片に占める軟磁性粉末の割合を高くできる。そのため、圧粉成形体は、磁気特性を高め易い。磁気特性としては、比透磁率や飽和磁束密度が挙げられる。また、圧粉成形体は、複合材料の成形体に比較して、樹脂の量が少なく軟磁性粉末の量が多いため、放熱性に優れる。圧粉成形体中の磁性粉末の含有量は、圧粉成形体を100体積%とするとき、例えば、85体積%以上99.99体積%以下であることが挙げられる。
【0100】
複合材料は、樹脂中に軟磁性粉末が分散されてなる。複合材料は、未固化の樹脂中に軟磁性粉末を分散した流動性の素材を金型に充填し、樹脂を硬化させることで得られる。複合材料は、樹脂中の軟磁性粉末の含有量を容易に調整できる。そのため、複合材料は、磁気特性を調整し易い。その上、複合材料は、圧粉成形体に比較して、複雑な形状でも形成し易い。複合材料の成形体中の軟磁性粉末の含有量は、複合材料を100体積%とするとき、例えば、20体積%以上80体積%以下が挙げられる。複合材料の成形体中の樹脂の含有量は、複合材料を100体積%とするとき、例えば、20体積%以上80体積%以下が挙げられる。
【0101】
積層体は、複数の磁性薄板を積層してなる。磁性薄板は、絶縁被膜を有する。磁性薄板としては、例えば、電磁鋼板が挙げられる。
【0102】
軟磁性粉末を構成する粒子は、軟磁性金属の粒子や、軟磁性金属の粒子の外周に絶縁被覆を備える被覆粒子、軟磁性非金属の粒子などが挙げられる。軟磁性金属は、純鉄や鉄基合金などが挙げられる。鉄基合金としては、例えば、Fe-Si合金やFe-Ni合金などが挙げられる。絶縁被覆は、リン酸塩などが挙げられる。軟磁性非金属は、フェライトなどが挙げられる。
【0103】
複合材料の樹脂は、例えば、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂が利用できる。熱硬化性樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂は、例えば、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリアミド樹脂、液晶ポリマー、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。ポリアミド樹脂としては、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン9Tなどが挙げられる。
【0104】
これらの樹脂は、セラミックスフィラーを含有していてもよい。セラミックスフィラーは、例えば、アルミナ、シリカなどが挙げられる。これらのセラミックスフィラーを含有する樹脂は、放熱性及び電気絶縁性に優れる。
【0105】
圧粉成形体中や複合材料の成形体中における軟磁性粉末の含有量は、成形体の断面における軟磁性粉末の面積割合と等価とみなす。成形体中における軟磁性粉末の含有量は、次のようにして求める。成形体の断面をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察して観察画像を取得する。SEMの倍率は、200倍以上500倍以下とする。観察画像の取得数は、10個以上とする。総断面積は、0.1cm2以上とする。一断面につき一つの観察画像を取得してもよいし、一断面につき複数の観察画像を取得してもよい。取得した各観察画像を画像処理して粒子の輪郭を抽出する。画像処理としては、例えば、二値化処理が挙げられる。各観察画像において軟磁性粒子の面積割合を算出し、その面積割合の平均値を求める。その平均値を軟磁性粉末の含有量とみなす。
【0106】
本形態では、第一コア部3fが複合材料の成形体で構成され、第二コア部3sが圧粉成形体で構成されている。第一コア部3fが複合材料の成形体で構成され、第二コア部3sが圧粉成形体で構成されていることで、第一コア部3fと第二コア部3sとの間に上記長さLgの長いギャップ部3gを介することなくインダクタンスを調整し易い上に、放熱性を調整し易い。そして、リアクトル1は、第二コア部3sが熱伝導率の比較的高い圧粉成形体で構成されることで、放熱性を高め易い。
【0107】
(ギャップ部)
ギャップ部3gは、本形態のようにエアギャップでもよいし、本形態とは異なり第一コア部3f及び第二コア部3sよりも比透磁率が小さい材料からなる部材で構成されていてもよい。
【0108】
ギャップ部3gの配置箇所は、巻回部21の外部、及び巻回部21の内部の少なくとも一方である。即ち、ギャップ部3gの配置箇所は、本形態の磁性コア3において、第一サイドコア片321fと第一サイドコア片321sの間、第二サイドコア片322fと第二サイドコア片322sとの間、及び第一ミドルコア片31fと第二ミドルコア片31sとの間、の少なくとも一箇所が挙げられる。ギャップ部3gの配置箇所は、本形態のように巻回部21の内部であることが好ましい。即ち、ギャップ部3gは、第一ミドルコア片31fと第二ミドルコア片31sとの間に設けられることが好ましい。ギャップ部3gが巻回部21の内部に設けられることで、巻回部21の外部に設けられる場合に比較して、漏れ磁束が巻回部21に侵入して巻回部21で発生する渦電流損を低減し易い。
【0109】
ギャップ部3gの第一方向D1に沿った長さLgは、例えば、2mm以下が好ましい。複数のギャップ部3gを有する場合、上記長さLgは一つのギャップ部3gの長さをいう。即ち、各々のギャップ部3gの長さLgが2mm以下であれば、複数のギャップ部3gの上記長さLgの合計が2mm超であってもよい。特に、巻回部21の内部に配置されるギャップ部3gの第一方向D1に沿った長さLgは、2mm以下が好ましい。上記長さLgが2mm以下であれば、漏れ磁束が少なく、渦電流損の低減効果が高くなり易い。上記長さLgは、更に1.5mm以下が好ましく、特に1.0mm以下が好ましい。上記長さLgは、例えば、0.1mm以上が挙げられる。上記長さLgは、更に0.3mm以上が好ましい。上記長さLgが0.1mm以上、更に0.3mm、特に0.5mm以上であれば、所定のインダクタンスを確保し易い。
【0110】
[その他]
リアクトル1は、図示は省略しているものの、ケース、接着層、保持部材、及びモールド樹脂部の少なくとも一つを備えていてもよい。ケースは、コイル2と磁性コア3との組合体を内部に収納する。ケース内の上記組合体は、封止樹脂部により埋設されていてもよい。接着層は、上記組合体を載置面、上記組合体をケースの内底面、上記ケースを載置面などに固定する。保持部材は、コイル2と磁性コア3との間に介在され、コイル2と磁性コア3との間の絶縁を確保する。モールド樹脂部は、上記組合体の外周を覆うと共にコイル2と磁性コア3との間に介在されて、コイル2と磁性コア3とを一体化する。
【0111】
〔作用効果〕
本形態のリアクトル1は、第一コア部3fと第二コア部3sとの間のギャップ部3gの上記長さLgが大きくなることなく、インダクタンスを調整できる。その上、本形態のリアクトル1は、放熱性を調整し易く高め易い。本形態のリアクトル1の磁性コア3が、複合材料の成形体で構成される第一コア部3fと圧粉成形体で構成される第二コア部3sとを組み合わせた組物であるからである。また、本形態のリアクトル1は、冷却性能に偏りのある冷却部材により冷却されるリアクトルに好適に利用できる。熱伝導率の高い第二コア部3sを冷却部材の冷却性能の低い側に配置し、熱伝導率の低い第一コア部3fを冷却部材の冷却性能の高い側に配置する。それにより、第一コア部3fと第二コア部3sとが均等に冷却されて、磁性コア3の最高温度が低減される。このように磁性コア3の最高温度が低減されるため、リアクトル1は低損失である。更に、リアクトル1は、大型化し難い。リアクトル1は、上述のように放熱性を調整し易く高め易いため、上述した従来のリアクトルのような冷却管を設けなくてもよいからである。
【0112】
《実施形態2》
〔リアクトル〕
図4を参照して、実施形態2に係るリアクトル1を説明する。本形態のリアクトル1は、第一コア部3fと第二コア部3sの組み合わせがE-I型である点が、実施形態1に係るリアクトル1と相違する。以下の説明は、実施形態1との相違点を中心に行う。実施形態1と同様の構成の説明は省略する。これらの点は、後述する実施形態3と実施形態4でも同様である。
【0113】
[磁性コア]
磁性コア3は、実施形態1と同様の第一エンドコア片33f及び第二エンドコア片33sと、実施形態1と異なるミドルコア部31、第一サイドコア部321、及び第二サイドコア部322とを有する。ミドルコア部31の第一方向D1に沿った長さL1fは、実施形態1と同様、第一サイドコア部321の第一方向D1に沿った長さL21fと第二サイドコア部322の第一方向D1に沿った長さL22fよりも短い。ミドルコア部31は、一つの第一ミドルコア片31fで構成されている。第一サイドコア部321は、一つの第一サイドコア片321fで構成されている。第二サイドコア部322は、一つの第二サイドコア片322fで構成されている。第一コア部3fと第二コア部3sとは、実施形態1と同様、非対称である。
【0114】
(第一コア部)
第一コア部3fの形状は、E字状である。第一コア部3fは、第一エンドコア片33fと第一ミドルコア片31fと第一サイドコア片321fと第二サイドコア片322fとが一体の成形体である。第一サイドコア片321fの第一方向D1に沿った長さL21fと第二サイドコア片322fの第一方向D1に沿った長さL22fとは、同一であり、第一ミドルコア片31fの第一方向D1に沿った長さL1fよりも長い。本形態の上記長さL21fと上記長さL22fはそれぞれ、実施形態1の上記長さL21fと上記長さL22fよりも長く、巻回部21の軸方向の長さよりも長い。第一コア部3fは、実施形態1と同様、複合材料の成形体で構成されている。
【0115】
(第二コア部)
第二コア部3sの形状は、I字状である。第二コア部3sは、第二エンドコア片33sで構成されている。第二コア部3sは、実施形態1と同様、圧粉成形体で構成されている。
【0116】
第一コア部3fと第二コア部3sとは、第一コア部3fの第一サイドコア片321fの端面及び第二サイドコア片322fの端面と第二コア部3sの第二エンドコア片33sの端面とが接するように組み合わされる。このように組み合わされると、上記長さの関係を満たすことから、第一コア部3fの第一ミドルコア片31fの端面と第二エンドコア片33sの端面との間に間隔が設けられる。
【0117】
第一コア部3fと第二コア部3sの比透磁率の大小関係、鉄損の大小関係、及び熱伝導率の大小関係は、実施形態1と同様である。
【0118】
(ギャップ部)
ギャップ部3gは、実施形態1と同様、エアギャップで構成されている。ギャップ部3gの配置箇所は、実施形態1と異なり、第一ミドルコア片31fの端面と第二エンドコア片33sの端面との間であり、巻回部21の外部である。ギャップ部3gの第一方向D1に沿った長さLgは、実施形態1と同様、2mm以下である。
【0119】
〔作用効果〕
本形態のリアクトル1は、実施形態1に係るリアクトル1と同様、大型化することなく、インダクタンスと放熱性の調整を行い易い。本形態のリアクトル1は、ギャップ部3gが巻回部21の外部に配置されているため、実施形態1に係るリアクトル1に比較して、漏れ磁束の低減による渦電流損の低減効果が低いものの、第一コア部3fと第二コア部3sとを組み合わせ易い。第二コア部3sは、巻回部21内で第一ミドルコア片31fの端面に臨むコア片を有していないからである。また、本形態のリアクトル1は、実施形態1に係るリアクトル1に比較して、第二コア部3sの密度分布がより一層生じ難い。第二コア部3sが第二エンドコア片33sのみで構成されているため、第二コア部3sの成形時の圧力がばらつき難いからである。
【0120】
《実施形態3》
〔リアクトル〕
図5を参照して、実施形態3に係るリアクトル1を説明する。本形態のリアクトル1は、第一コア部3fと第二コア部3sの組み合わせがE-T型である点が、実施形態1に係るリアクトル1と相違する。
【0121】
[磁性コア]
磁性コア3は、実施形態1と同様の第一エンドコア片33f、第二エンドコア片33s、及びミドルコア部31と、実施形態1と異なる第一サイドコア部321、及び第二サイドコア部322とを有する。ミドルコア部31の第一方向D1に沿った長さ(L1f+L1s)は、実施形態1と同様、第一サイドコア部321の第一方向D1に沿った長さL21fと第二サイドコア部322の第一方向D1に沿った長さL22fよりも短い。第一サイドコア部321は、一つの第一サイドコア片321fで構成されている。第二サイドコア部322は、一つの第二サイドコア片322fで構成されている。第一コア部3fと第二コア部3sとは、実施形態1と同様、非対称である。
【0122】
(第一コア部)
第一コア部3fの形状は、E字状である。第一コア部3fは、第一エンドコア片33fと第一ミドルコア片31fと第一サイドコア片321fと第二サイドコア片322fとが一体の成形体である。第一サイドコア片321fの第一方向D1に沿った長さL21fと第二サイドコア片322fの第一方向D1に沿った長さL22fとは、同一であり、第一ミドルコア片31fの第一方向D1に沿った長さL1fよりも長い。本形態の上記長さL21fと上記長さL22fは、実施形態1の上記長さL21fと上記長さL22fよりも長く、巻回部21の軸方向の長さよりも長い。また、上記長さL1fは、本形態のように後述する第二ミドルコア片31sの第一方向D1に沿った長さL1sと異なっていてもよいし、本形態とは異なり上記長さL1sと同一であってもよい。本形態の上記長さL1fは、実施形態1の上記L1fと同様であり、本形態の上記長さL1sよりも長い。第一コア部3fは、実施形態1と同様、複合材料の成形体で構成されている。
【0123】
(第二コア部)
第二コア部3sの形状は、T字状である。第二コア部3sは、第二エンドコア片33sと第二ミドルコア片31sとが一体化された成形体である。本形態の上記長さL1sは、上述したように、実施形態1の上記長さL1sと同様であり、本形態の上記長さL1fよりも短い。上記長さL1sは、実施形態1と同様、上記長さL3sの2倍以下である。第二コア部3sは、実施形態1と同様、圧粉成形体で構成されている。
【0124】
第一コア部3fと第二コア部3sとは、第一コア部3fの第一サイドコア片321fの端面及び第二サイドコア片322fの端面と第二コア部3sの第二エンドコア片33sの端面とが接するように組み合わされる。このように組み合わされると、上記長さの関係を満たすことから、第一コア部3fの第一ミドルコア片31fの端面と第二コア部3sの第二ミドルコア片31sの端面との間に間隔が設けられる。
【0125】
第一コア部3fと第二コア部3sの比透磁率の大小関係、鉄損の大小関係、及び熱伝導率の大小関係は、実施形態1と同様である。
【0126】
(ギャップ部)
ギャップ部3gは、実施形態1と同様、エアギャップで構成されている。ギャップ部3gの配置箇所は、実施形態1と同様、巻回部21の内部で、第一ミドルコア片31fの端面と第二ミドルコア片31sの端面との間である。ギャップ部3gの第一方向D1に沿った長さLgは、実施形態1と同様、2mm以下である。
【0127】
〔作用効果〕
本形態のリアクトル1は、実施形態1に係るリアクトル1と同様、大型化することなく、インダクタンスと放熱性の調整を行い易い。
【0128】
《実施形態4》
〔リアクトル〕
図6を参照して、実施形態4に係るリアクトル1を説明する。本形態のリアクトル1は、第一コア部3fと第二コア部3sの組み合わせがE-U型である点が、実施形態1に係るリアクトル1と相違する。
【0129】
[磁性コア]
磁性コア3は、実施形態1と同様の第一エンドコア片33f、第二エンドコア片33s、第一サイドコア部321、及び第二サイドコア部322と、実施形態1と異なるミドルコア部31とを有する。ミドルコア部31の第一方向D1に沿った長さL1fは、実施形態1と同様、第一サイドコア部321の第一方向D1に沿った長さ(L21f+L21s)と第二サイドコア部322の第一方向D1に沿った長さ(L22f+L22s)よりも短い。ミドルコア部31は、一つの第一ミドルコア片31fで構成されている。第一コア部3fと第二コア部3sとは、実施形態1と同様、非対称である。
【0130】
(第一コア部)
第一コア部3fの形状は、E字状である。第一コア部3fは、第一エンドコア片33fと第一ミドルコア片31fと第一サイドコア片321fと第二サイドコア片322fとが一体の成形体である。
【0131】
第一サイドコア片321fの第一方向D1に沿った長さL21fと第二サイドコア片322fの第一方向D1に沿った長さL22fとは、同一である。第一ミドルコア片31fの第一方向D1に沿った長さL1fは、上記長さL21fと上記L22fよりも長い。
【0132】
上記長さL21fと上記長さL22fはそれぞれ、本形態のように後述する第二コア部3sの第一サイドコア片321sの第一方向D1に沿った長さL21sと第二サイドコア片322sの第一方向D1に沿った長さL22sと異なっていてもよいし、本形態とは異なり上記長さL21sと上記長さL22sと同一であってもよい。本形態の上記長さL21fと上記長さL22fはそれぞれ、実施形態1の上記長さL21fと上記長さL22fと同様であり、本形態の上記長さL21sと上記長さL22sよりも長い。上記L1fは、実施形態1の上記L1fよりも長く、巻回部21の軸方向の長さと同等である。第一コア部3fは、実施形態1と同様、複合材料の成形体で構成されている。
【0133】
(第二コア部)
第二コア部3sの形状は、U字状である。第二コア部3sは、第二エンドコア片33sと第一サイドコア片321sと第二サイドコア片322sとが一体の成形体である。本形態の上記長さL21sと上記長さL22sはそれぞれ、上述したように、実施形態1の上記長さL21sと上記長さL22sと同様であり、本形態の上記長さL21fと上記長さL22fよりも短い。上記長さL21sと上記長さL22sは、実施形態1と同様、上記長さL3sの2倍以下である。第二コア部3sは、実施形態1と同様、圧粉成形体で構成されている。
【0134】
第一コア部3fと第二コア部3sとは、第一コア部3fの第一サイドコア片321fの端面と第二サイドコア片322fの端面のそれぞれと第二コア部3sの第一サイドコア片321sの端面と第二サイドコア片322sの端面のそれぞれとが接するように組み合わされる。このように組み合わされると、上記長さの関係を満たすことから、第一コア部3fの第一ミドルコア片31fの端面と第二コア部3sの第二エンドコア片33sの端面との間に間隔が設けられる。
【0135】
第一コア部3fと第二コア部3sの比透磁率の大小関係、鉄損の大小関係、及び熱伝導率の大小関係は、実施形態1と同様である。
【0136】
ギャップ部3gは、実施形態1と同様、エアギャップで構成されている。ギャップ部3gの配置箇所は、実施形態1と異なり、第一ミドルコア片31fの端面と第二エンドコア片33sの端面との間であり、巻回部21の外部である。ギャップ部3gの第一方向D1に沿った長さLgは、実施形態1と同様、2mm以下である。
【0137】
〔作用効果〕
本形態のリアクトル1は、実施形態1に係るリアクトル1と同様、大型化することなく、インダクタンスと放熱性の調整を行い易い。本形態のリアクトル1は、ギャップ部3gが巻回部21の外部に配置されているため、実施形態1に係るリアクトル1に比較して、漏れ磁束の低減による渦電流損の低減効果が低いものの、第一コア部3fと第二コア部3sとを組み合わせ易い。第二コア部3sは、巻回部21内で第一ミドルコア片31fの端面に臨むコア片を有していないからである。
【0138】
《実施形態5》
〔コンバータ・電力変換装置〕
実施形態1から実施形態4に係るリアクトル1は、以下の通電条件を満たす用途に利用できる。通電条件としては、例えば、最大直流電流が100A以上1000A以下程度であり、平均電圧が100V以上1000V以下程度であり、使用周波数が5kHz以上100kHz以下程度であることが挙げられる。実施形態1から実施形態4に係るリアクトル1は、代表的には電気自動車やハイブリッド自動車などの車両などに載置されるコンバータの構成部品や、このコンバータを備える電力変換装置の構成部品に利用できる。
【0139】
ハイブリッド自動車や電気自動車などの車両1200は、
図7に示すようにメインバッテリ1210と、メインバッテリ1210に接続される電力変換装置1100と、メインバッテリ1210からの供給電力により駆動して走行に利用されるモータ1220とを備える。モータ1220は、代表的には、3相交流モータであり、走行時、車輪1250を駆動し、回生時、発電機として機能する。ハイブリッド自動車の場合、車両1200は、モータ1220に加えてエンジン1300を備える。
図7では、車両1200の充電箇所としてインレットを示すが、プラグを備える形態とすることができる。
【0140】
電力変換装置1100は、メインバッテリ1210に接続されるコンバータ1110と、コンバータ1110に接続されて、直流と交流との相互変換を行うインバータ1120とを有する。この例に示すコンバータ1110は、車両1200の走行時、200V以上300V以下程度のメインバッテリ1210の入力電圧を400V以上700V以下程度にまで昇圧して、インバータ1120に給電する。コンバータ1110は、回生時、モータ1220からインバータ1120を介して出力される入力電圧をメインバッテリ1210に適合した直流電圧に降圧して、メインバッテリ1210に充電させている。入力電圧は、直流電圧である。インバータ1120は、車両1200の走行時、コンバータ1110で昇圧された直流を所定の交流に変換してモータ1220に給電し、回生時、モータ1220からの交流出力を直流に変換してコンバータ1110に出力している。
【0141】
コンバータ1110は、
図8に示すように複数のスイッチング素子1111と、スイッチング素子1111の動作を制御する駆動回路1112と、リアクトル1115とを備え、ON/OFFの繰り返しにより入力電圧の変換を行う。入力電圧の変換とは、ここでは昇降圧を行う。スイッチング素子1111には、電界効果トランジスタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタなどのパワーデバイスが利用される。リアクトル1115は、回路に流れようとする電流の変化を妨げようとするコイルの性質を利用し、スイッチング動作によって電流が増減しようとしたとき、その変化を滑らかにする機能を有する。リアクトル1115として、実施形態1から実施形態4のいずれかのリアクトル1を備える。大型化することなく放熱性に優れるリアクトル1などを備えることで、電力変換装置1100やコンバータ1110も、小型化と放熱性の向上とが期待できる。
【0142】
車両1200は、コンバータ1110の他、メインバッテリ1210に接続された給電装置用コンバータ1150や、補機類1240の電力源となるサブバッテリ1230とメインバッテリ1210とに接続され、メインバッテリ1210の高圧を低圧に変換する補機電源用コンバータ1160を備える。コンバータ1110は、代表的には、DC-DC変換を行うが、給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160は、AC-DC変換を行う。給電装置用コンバータ1150のなかには、DC-DC変換を行うものもある。給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160のリアクトルに、実施形態1から実施形態4のいずれかのリアクトル1などと同様の構成を備え、適宜、大きさや形状などを変更したリアクトルを利用できる。また、入力電力の変換を行うコンバータであって、昇圧のみを行うコンバータや降圧のみを行うコンバータに、実施形態1から実施形態4のいずれかのリアクトル1などを利用することもできる。
【0143】
本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0144】
1 リアクトル
2 コイル
21 巻回部
21a 一端部
21b 他端部
3 磁性コア
3f 第一コア部
3s 第二コア部
31 ミドルコア部
31f 第一ミドルコア片
31s 第二ミドルコア片
321 第一サイドコア部
321f 第一サイドコア片
321s 第一サイドコア片
322 第二サイドコア部
322f 第二サイドコア片
322s 第二サイドコア片
33f 第一エンドコア片
33s 第二エンドコア片
3g ギャップ部
D1 第一方向
D2 第二方向
D3 第三方向
L1f、L1s、L21f、L21s、L22f、L22s、L3f、L3s、Lg 長さ
1100 電力変換装置
1110 コンバータ
1111 スイッチング素子
1112 駆動回路
1115 リアクトル
1120 インバータ
1150 給電装置用コンバータ
1160 補機電源用コンバータ
1200 車両
1210 メインバッテリ
1220 モータ
1230 サブバッテリ
1240 補機類
1250 車輪
1300 エンジン