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特許7367600情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0645 20230101AFI20231017BHJP
   G06Q 10/06 20230101ALI20231017BHJP
【FI】
G06Q30/0645
G06Q10/06
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020075857
(22)【出願日】2020-04-22
(65)【公開番号】P2021174128
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2022-04-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】桜田 伸
(72)【発明者】
【氏名】西村 和也
(72)【発明者】
【氏名】安藤 幹
(72)【発明者】
【氏名】本多 利成
【審査官】松野 広一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-061575(JP,A)
【文献】特開2020-035345(JP,A)
【文献】国際公開第2019/181720(WO,A1)
【文献】国際公開第2006/067835(WO,A1)
【文献】特開2001-331734(JP,A)
【文献】特開2011-154535(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
企業の従業員であるユーザからの、前記企業が業務に利用する社用車を個人的に利用するための利用申請を取得することと、
前記利用申請と、前記ユーザを含む前記社用車の乗員の情報と、に基づいて、前記ユーザへ貸し出す社用車とともに貸し出しが可能な、前記社用車に装備されていない装備品を推奨装備として特定することと、
前記推奨装備の貸し出しを案内する案内情報をユーザ端末に供給することと、
を実行する制御部を備え
前記制御部は、前記乗員に所定年齢未満の乗員が含まれている場合、幼児用補助装置を前記推奨装備として特定する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記ユーザへ貸し出す前記社用車の装備情報を取得し、所定の装備品のリストと比較して、前記装備情報に含まれていない装備品を前記推奨装備として特定する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部が、前記ユーザの属性情報を取得し、前記属性情報を前記推奨装備の特定に用いる請求項又はに記載の情報処理装置。
【請求項4】
企業の従業員であるユーザからの、前記企業が業務に利用する社用車を個人的に利用するための利用申請を取得することと、
前記ユーザの属性情報を前記ユーザを含む前記社用車の乗員の情報として取得することと、
前記利用申請と、前記ユーザの属性情報と、に基づいて、前記ユーザへ貸し出す社用車とともに貸し出しが可能な、前記社用車に装備されていない装備品を推奨装備として特定することと、
前記推奨装備の貸し出しを案内する案内情報をユーザ端末に供給することと、
を実行する制御部を備えた情報処理装置。
【請求項5】
前記案内情報に含まれた前記推奨装備に対するユーザの貸し出し希望を示す情報を取得した場合に、前記制御部は、前記推奨装備の貸し出しを予約する処理を行う請求項1から
の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記推奨装備の使用方法を示す情報を前記ユーザに供給する請求項1からの何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
企業の従業員であるユーザからの、前記企業が業務に利用する社用車を個人的に利用するための利用申請を取得することと、
前記利用申請と、前記ユーザを含む前記社用車の乗員の情報と、に基づいて、前記ユーザへ貸し出す社用車とともに貸し出しが可能な、前記社用車に装備されていない装備品を推奨装備として特定することと、
前記推奨装備の貸し出しを案内する案内情報をユーザ端末に供給することと、
を制御部が実行し、
前記制御部は、前記乗員に所定年齢未満の乗員が含まれている場合、幼児用補助装置を前記推奨装備として特定する、
情報処理方法。
【請求項8】
前記制御部は、前記ユーザへ貸し出す前記社用車の装備情報を取得し、所定の装備品のリストと比較して、前記装備情報に含まれていない装備品を前記推奨装備として特定する請求項に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記制御部が、前記ユーザの属性情報を取得し、前記属性情報を前記推奨装備の特定に用いる請求項又はに記載の情報処理方法。
【請求項10】
企業の従業員であるユーザからの、前記企業が業務に利用する社用車を個人的に利用するための利用申請を取得することと、
前記ユーザの属性情報を前記ユーザを含む前記社用車の乗員の情報として取得することと、
前記利用申請と、前記ユーザの属性情報と、に基づいて、前記ユーザへ貸し出す社用車とともに貸し出しが可能な、前記社用車に装備されていない装備品を推奨装備として特定することと、
前記推奨装備の貸し出しを案内する案内情報をユーザ端末に供給することと、
を制御部が実行する情報処理方法。
【請求項11】
前記案内情報に含まれた前記推奨装備に対するユーザの貸し出し希望を示す情報を取得した場合に、前記制御部は、前記推奨装備の貸し出しを予約する処理を行う請求項から10の何れか1項に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記制御部は、前記推奨装備の使用方法を示す情報を前記ユーザに供給する請求項から11の何れか1項に記載の情報処理方法。
【請求項13】
企業の従業員であるユーザからの、前記企業が業務に利用する社用車を個人的に利用するための利用申請を取得することと、
前記利用申請と、前記ユーザを含む前記社用車の乗員の情報と、に基づいて、前記ユーザへ貸し出す社用車とともに貸し出しが可能な、前記社用車に装備されていない装備品を推奨装備として特定することと、
前記推奨装備の貸し出しを案内する案内情報をユーザ端末に供給することと、
を制御部に実行させ
前記制御部は、前記乗員に所定年齢未満の乗員が含まれている場合、幼児用補助装置を前記推奨装備として特定する、
プログラム。
【請求項14】
前記制御部は、前記ユーザへ貸し出す前記社用車の装備情報を取得し、所定の装備品のリストと比較して、前記装備情報に含まれていない装備品を前記推奨装備として特定する請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
前記制御部が、前記ユーザの属性情報を取得し、前記属性情報を前記推奨装備の特定に用いる請求項13又は14に記載のプログラム。
【請求項16】
企業の従業員であるユーザからの、前記企業が業務に利用する社用車を個人的に利用するための利用申請を取得することと、
前記ユーザの属性情報を前記ユーザを含む前記社用車の乗員の情報として取得することと、
前記利用申請と、前記ユーザの属性情報と、に基づいて、前記ユーザへ貸し出す社用車とともに貸し出しが可能な、前記社用車に装備されていない装備品を推奨装備として特定することと、
前記推奨装備の貸し出しを案内する案内情報をユーザ端末に供給することと、
を制御部に実行させるためのプログラム。
【請求項17】
前記案内情報に含まれた前記推奨装備に対するユーザの貸し出し希望を示す情報を取得した場合に、前記制御部は、前記推奨装備の貸し出しを予約する処理を行う請求項13から16の何れか1項に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、企業がリース会社からリースされたリース車両又は所有車両を従業員に貸与して個人利用を許容し、企業と従業員間でカーシェアするための企業-従業員間カーシェアシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-061575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、社用車にない装備を社用車と共にユーザへ貸し出すことを可能にする技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、企業の従業員であるユーザからの、企業が業務に利用する社用車を個人的に利用するための利用申請を取得することと、利用申請に基づいて、ユーザへ貸し出す社用車とともに貸し出しが可能な、社用車に装備されていない装備品を推奨装備として特定することと、推奨装備の貸し出しを案内する案内情報をユーザ端末に供給することと、を実行する制御部を備える。
【0006】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、企業の従業員であるユーザからの、企業が業務に利用する社用車を個人的に利用するための利用申請を取得することと、利用申請に基づいて、ユーザへ貸し出す社用車とともに貸し出しが可能な、社用車に装備されていない装備品を推奨装備として特定することと、推奨装備の貸し出しを案内する案内情報をユーザ端末に供給することとを制御部が実行する。
【0007】
本開示の一態様は、上記の情報処理方法を制御部に実行させるためのプログラムであってもよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、社用車にない装備を社用車と共にユーザへ貸し出すことを可能にする技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】情報処理システムの概略構成を示す図である。
図2】車両管理サーバ、ユーザ端末、装備管理サーバ、及び人事管理サーバが実行する処理のシーケンスを示す図である。
図3】情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
図4】スケジュールデータベース(DB)の一例を示す図である。
図5】車両情報DBの一例を示す図である。
図6】車両管理サーバが実行する情報処理方法のフローを示す図である。
図7】利用目的に応じた装備品のリストの例を示す図である。
図8】変形例に係る情報処理方法のフローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の情報処理装置は、企業の従業員であるユーザからの、企業が業務に利用する社用車を個人的に利用するための利用申請を取得することと、前記利用申請に基づいて、前記ユーザへ貸し出す社用車とともに貸し出しが可能な、前記社用車に装備されていない装備品を推奨装備として特定することと、推奨装備の貸し出しを案内する案内情報を前記ユーザ端末に供給することとを実行する。ここで情報処理装置は、例えば、社用車の貸出日時に、貸し出しの予約が無い装備品を推奨装備としてもよい。
【0011】
本開示の情報処理装置によれば、社用車にない装備であって社用車と共に貸し出しが可能な装備品をユーザへ貸し出すことができる。これにより、ユーザが社用車の利用申請と別に装備品のレンタルを手配する手間がかからず、容易に社用車を利用できるようになるため、社用車の利用を促進することができる。
【0012】
本開示の情報処理装置は、制御部が、前記ユーザへ貸し出す前記社用車の装備情報を取得し、所定の装備品のリストと比較して、前記装備情報に含まれていない装備品を前記推奨装備として特定してもよい。ここで装備品のリストとは、例えばカーナビゲーション装置、シガーソケットに接続してスマートフォン等を充電する充電器、スマートフォンをインパネに固定するホルダ、予備タイヤ、又は空気入れなど、普段車両を利用しないユーザが所有していないと想定される装備品、又は車両を利用する際にあれば便利な装備品をリスト化したものが挙げられる。本開示の情報処理装置によれば、ユーザにとって必要性が高い装備品の貸し出しを適切に案内できる。
【0013】
本開示の情報処理装置は、制御部が、ユーザによって入力された、社用車の利用目的又は乗車する乗員の情報に基づいて、ユーザへ貸し出す装備品候補を求め、社用車に装備されていない装備品であって、貸出日時に貸し出しが可能な装備品候補を推奨装備として特定する構成を採用してもよい。このように本開示の情報処理装置によれば、社用車の利用目的や乗員の情報に応じた適切な装備品の貸し出しを案内できる。
【0014】
本開示の情報処理装置は、制御部が、乗員に所定年齢未満の乗員が含まれている場合、幼児用補助装置を装備品候補とする構成を採用してもよい。このように本開示の情報処理装置によれば、幼児を乗車させる場合に用いられるベビーシート又はチャイルドシート等の幼児用補助装置の貸し出しを案内できる。
【0015】
本開示の情報処理装置は、制御部が、企業の人事管理サーバからユーザの属性情報を取得し、属性情報を乗員の情報として用いる構成を採用してもよい。このように本開示の情報処理装置によれば、既存のサーバから乗員の情報を得て容易に乗員に適した装備品の貸し出しを案内できる。
【0016】
本開示の情報処理装置は、案内情報に対してユーザが貸し出しを希望する推奨装備を選択する情報を返信した場合に、ユーザが選択した推奨装備について、装備品の貸し出しを管理する装備管理サーバに対して、選択された推奨装備の貸し出しを予約する構成を採用してもよい。このように本開示の情報処理装置によれば、社用車と共に、装備品の貸し出しを可能にするように、装備品の貸し出しを予約することができる。
【0017】
本開示の情報処理装置は、制御部が、ユーザへ貸し出す装備品の使用方法を示す情報をユーザ端末へ送信する構成を採用してもよい。このように本開示の情報処理装置によれば、貸し出す装備品の使用方法をユーザに知らせることができる。
【0018】
本開示は、情報処理装置だけでなく、情報処理装置と同様の特徴を有する情報処理方法
、プログラム、及びプログラムを記憶した記憶媒体を含み得る。
【0019】
〈装置構成〉
以下、本実施形態に係る情報処理装置を備えた情報処理システムについて、図面を用いて説明する。実施形態の構成は例示であり、実施形態の構成に限定されない。
【0020】
図1は、情報処理システム(社用車レンタルシステム)の概略構成を示す図である。情報処理システム1は、社用車(車両)2を管理する車両管理サーバ3と、社用車2の貸し出しを申請するユーザが用いるユーザ端末4と、ユーザへ貸し出す装備品を管理する装備管理サーバ5と、ユーザの人事情報を管理する人事管理サーバ6とを含む。情報処理システム1は、会社(企業)の業務に使用するために会社が所有する社用車2をユーザの個人的な利用のために貸し出しを行う。この場合、社用車は普段業務に使用している車両のため、個人利用に適した装備品を備えていないことがある。そこで、本実施形態の車両管理サーバ3は、社用車と共に、貸し出す装備品の情報をユーザに案内する。例えば、ユーザとともに搭乗する乗員に幼児が含まれている場合、チャイルドシート又はベビーシートの貸し出しを案内する。車両管理サーバ3は、例えば企業によって管理される。装備管理サーバ5は、例えば、様々な品を貸し出すレンタル業者によって管理されている。
【0021】
図2は、車両管理サーバ3、ユーザ端末4、装備管理サーバ5、及び人事管理サーバ6が行う処理のシーケンスを示す図である。企業の従業員であるユーザが、社用車2の利用を希望する場合に、ユーザ端末4を操作して、ユーザ端末4から車両管理サーバ3へ社用車2の利用申請を送信する(S1)。
【0022】
車両管理サーバ3は、ユーザ端末4からの利用申請を受信し(S2)、この利用申請に基づいて、ユーザへ貸し出す社用車と貸出日時を特定する(S3)。
【0023】
車両管理サーバ3は、利用申請を行ったユーザが人事情報の利用を承認する場合には、ユーザの人事情報を人事管理サーバ6に要求する(S4)。この要求を受けた人事管理サーバ6が、例えばユーザの家族構成及び家族の年齢等の情報(ユーザの属性情報の一例である)を車両管理サーバ3へ送信する(S5)。車両管理サーバ3は、人事管理サーバ6から送られた情報を乗員の情報として取得する(S6)。なお、乗員の情報は、人事管理サーバ6から取得することに限らず、ユーザが入力した情報をユーザ端末4から受信してもよい。乗員の情報を含むユーザの属性情報は、利用申請に含まれていてもよい。このように、人事管理サーバ6を省略し、ユーザ端末4から乗員の情報を取得する構成としてもよい。
【0024】
また、車両管理サーバ3は、利用申請及び乗員の情報に基づき、社用車に装備されていない装備品であって、社用車と同じ日時に貸し出しが可能な装備品を推奨装備として特定する(S7)。
【0025】
車両管理サーバ3は、ステップS4で特定した推奨装備の貸し出しを案内する案内情報をユーザ端末4へ送信する(S8)。
【0026】
案内情報を見たユーザが、貸し出しを希望する場合、ユーザ端末4から車両管理サーバ3へ、貸し出しを希望する推奨装備を選択した情報を返信する(S9)。
【0027】
車両管理サーバ3は、ユーザが貸し出しを希望する装備品の情報を受信し(S10)、この装備品の貸し出しを予約する情報を装備管理サーバ5へ送信する(S11)。装備管理サーバ5は、この予約を受け付け(S12)、装備管理サーバ5の担当者が予約された装備品を社用車2に装備して、ユーザへの貸し出しを行う。
【0028】
本実施形態において、車両管理サーバ3、ユーザ端末4、装備管理サーバ5、及び人事管理サーバ6は、情報処理装置(コンピュータ)である。これらの装置3,4,5,6は、情報処理装置200として共通のハードウェア構成を有しているため、図3を用いてこのハードウェア構成について説明する。情報処理装置200は、接続バス221によって相互に接続された制御部222、メモリ223、入出力IF(インタフェース)224、通信IF225を有するコンピュータである。制御部222は、入力された情報を処理し、処理結果を出力することにより、装置全体の制御等を行う。制御部222は、プロセッサ、CPU(Central Processing Unit)、又はMPU(Micro-processing unit)とも呼ばれる。制御部222は、単一のプロセッサで構成されても、複数のプロセッサ(マルチプロセッサ)で構成されてもよい。また、単一のソケットで接続される単一のチップ内に複数のコアを有したマルチコア構成であってもよい。
【0029】
メモリ223は、主記憶装置と補助記憶装置とを含む。主記憶装置は、制御部222の作業領域、制御部222で処理される情報を一時的に記憶する記憶領域、通信データのバッファ領域として使用される。主記憶装置は、制御部222がプログラムやデータをキャッシュしたり、作業領域を展開したりするための記憶媒体である。主記憶装置は、例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリを含む。補助記憶装置は、制御部222により実行されるプログラムや、情報処理に用いられるデータ、動作の設定情報などを記憶する記憶媒体である。補助記憶装置は、例えば、HDD(Hard-disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ、USBメモリ、メモリカード等である。
【0030】
入出力IF224は、情報処理装置200に接続する機器との間でデータの入出力を行うインタフェースである。入出力IF224は、例えば、操作部、CDやDVD等の記憶媒体からデータを読み取るディスクドライブ、カードリーダライタ、表示装置、スピーカ等の機器との間でデータの入出力を行う。操作部は、入力ボタンやダイヤル、タッチパネル等、乗客の操作によって情報処理装置200に対する情報が入力される入力部である。表示装置は、座席の案内などを乗客に対して表示出力する出力部である。
【0031】
通信IF225は、通信回線Nを介して他の装置との通信を行うインタフェース(通信モジュール)であり、CCU(Communication Control Unit)とも称す。通信IF225は、例えば、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)やLT
E(Long Term Evolution)、WiFi、ブルートゥース(登録商標)等の無線通信方式
で通信を行う。なお、図3に示した情報処理装置200の構成要素はそれぞれ複数設けられてもよいし、一部の構成要素を設けないようにしてもよい。
【0032】
情報処理装置200としての各装置3,4,5,6は、制御部222が、アプリケーションプログラムを実行することにより、図2に示した処理を行う。なお、各処理は、単一の制御部222で実行されてもよいし、複数のプロセッサによって実行されてもよい。単一のプロセッサによって、複数の処理部の機能を実行する場合、例えば、マルチタスクやマルチスレッド等の技術で実行され得る。但し、上記各処理部の一部又は全部が、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit
)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の専用LSI(large scale integration)、論理回路、その他のデジタル回路といったハードウェアで形成されたものであってもよい。また、上記各処理部の少なくとも一部にアナログ回路を含む構成としてもよい。
【0033】
図4は、車両管理サーバ3のメモリ223に格納されたスケジュールデータベース(DB)の一例を示す図である。スケジュールDBは、社用車を識別する車両ID毎に、社用
車2が貸し出される利用日時が記録されている。図4において、網掛け部分が利用される期間を示し、網掛けされたセルに記録されたユーザIDが、社用車2を利用するユーザを示している。例えば、図4の例では、車両IDがTX123の社用車2について、○月○日の10:00までユーザYN031が利用し、次に○月○日の12:00から18:00までユーザYP119が利用していることを示している。
【0034】
また、図5は、車両管理サーバ3のメモリ223に格納された車両情報DBの一例を示す図である。図5の車両情報DBでは、各社用車2の車両ID毎に、乗車定員、種別、及び社用車2が備える装備品の情報を記憶している。
【0035】
〈情報処理方法〉
図6は、車両管理サーバ3が実行する情報処理方法のフローを示す図である。車両管理サーバ3は、ユーザ端末4から、利用申請を受信した場合に図4の処理を開始する。
【0036】
ステップS110にて、車両管理サーバ3の制御部222は、ユーザが社用車を個人的に利用するための利用申請をユーザ端末4から受信する。ここで、利用申請は、例えば車両の貸し出しを希望するユーザの識別情報(ユーザID)、乗車人数、車両種別、利用日時等、貸し出しを希望する社用車の要件等を示す情報である。利用申請は、ユーザ端末4以外から取得してもよい。
【0037】
ステップS120にて、制御部222は、メモリ223に格納しているスケジュールDBを参照し、利用申請に示される利用日時に他の利用予約が入っていない社用車2、即ち空いている社用車2を抽出する。更に制御部222は、車両情報DBを参照し、空いている社用車2のうち、利用申請に示された乗車人数及び種別を満たす社用車2を特定する。例えば、乗員4名が乗車可能なミニバン、乗員2名が乗車可能な2tトラック等のように、利用申請で指定された乗車人数及び種別を満たす社用車2を特定する。
【0038】
ステップS130にて、制御部222は、ステップS120で特定した社用車2が備える装備品を示す装備情報を車両情報DBから読み出し、所定の装備品のリストと比較する。そして、制御部222は、所定の装備品のリストのうち、装備情報に含まれていない装備品であって、社用車と同じ利用日時に貸し出しが可能なものを推奨装備として特定する。ここで、所定の装備品のリストとは、例えば、カーナビゲーション装置、スマートフォン等を充電する充電器、スマートフォンをインパネに固定するホルダなど、普段車両を利用しないユーザが所有していないと想定される装備品をリスト化したものである。
【0039】
ステップS140にて、制御部222は、人事管理サーバ6と通信し、利用申請を行ったユーザの人事情報のうち、家族構成及び家族の年齢を乗員の情報として取得する。
【0040】
ステップS150にて、制御部222は、ステップS140で求めた乗員の情報に基づき、乗員に所定年齢未満(例えば4歳未満)の乗員が含まれているか否かを判定する。
【0041】
ステップS150で肯定判定であれば、制御部222は、ステップS160へ移行し、幼児用補助装置を装備品候補とし、この装備品候補が装備情報に含まれているか否か、即ちユーザに貸し出す社用車に備えられているか否かを判定する。
【0042】
ステップS160で否定判定であれば、制御部222は、ステップS170へ移行し、幼児用補助装置を推奨装備とする。なお、図6では、乗員情報の年齢に基づいて幼児用補助装置を推奨装備とする例を示したが、これに限らず、乗員情報に基づいて、他の装備品を推奨装備とする構成としてもよい。例えば、乗員情報が示す家族の人数が3人以上であれば、後席用のモニタを推奨装備とすることや、乗員に4歳以上15歳未満の乗員が含ま
れている場合に携帯ゲーム機を推奨装備とする等の構成としてもよい。
【0043】
ステップS180にて、制御部222は、ステップS130,S170で特定した推奨装備の貸し出しを案内する情報をユーザ端末4へ送信する。
【0044】
ステップS190にて、制御部222は、ステップS180の案内を行ってから所定時間以内に、推奨装備及び社用車について、ユーザの貸し出し希望を示す情報をユーザ端末4から受信したか否かを判定する。ステップS190で肯定判定であれば、制御部222は、ステップS200へ移行し、貸し出しが選択された推奨装備を予約する旨の情報を装備管理サーバ5へ送信する。
【0045】
ステップS210にて、制御部222は、ステップS190で貸し出しが選択された社用車2について、貸し出すスケジュールをスケジュールDBに登録すると共に、ユーザ端末4へ、利用申請の受け付けを完了した旨の通知を行う。
【0046】
〈実施形態の効果〉
このように、本実施形態の車両管理サーバ3によれば、ユーザにとって必要性の高い装備品の貸し出しを適切に案内できる。また、本実施形態の車両管理サーバ3は、普段車両を利用しないユーザが所有していないと想定される装備品のリストに基づいて推奨装備の貸し出しを案内する。このため、ユーザにとって必要な装備を社用車と同時に貸し出すことができ、ユーザの利便性を高めることができる。
【0047】
社用車が幼児用補助装置を備えていない場合でも、本実施形態の車両管理サーバ3は、乗員に所定年齢未満の乗員がいる場合には、幼児用補助装置を推奨装備として貸し出しを案内するので、幼児連れのユーザが容易に社用車の貸し出しを利用できるようにしている。
【0048】
このように、社用車としては不備の装備品を貸し出すことで、社用車の利用を促進することができる。また、装備品はレンタル業者からレンタルすることで、企業が装備品を購入・保管する場合のコストを抑えることができる。レンタル業者は、車両を有していないユーザに対し、チャイルドシートなどをレンタルする機会を得ることができ、顧客を増やす契機を得ることができる。装備品のレンタル代は、ユーザが全部を負担しても、企業が全部又は一部を負担してもよい。
【0049】
〈変形例〉
上述の実施形態において、車両管理サーバ3は、所定の装備品のリスト及び乗員の情報に基づいて推奨装備を求めたが、更に、利用者の目的に応じて推奨装備を求めてもよい。
【0050】
本変形例の車両管理サーバ3は、社用車の利用目的に応じた装備品のリストをメモリ223に予め記憶している。図7は、利用目的に応じた装備品のリストの例を示す図である。図7の例では、利用目的と、装備品のリストと、説明情報とが対応付けて記憶されている。ここで、利用目的は、例えば、キャンプ、スキー、DIY等が挙げられる。このキャンプに対応する装備品のリストとしては、テント、寝袋、テント、コンロ、ハンモック等が挙げられる。また、DIYに対応する装備品のリストとしては、電動ドリル、電動ノコギリ、ディスクグラインダ、ドライバ、フライス盤、発電機等が挙げられる。また、説明情報は、装備品の説明書の他、使用例を示す画像、使い方を説明した動画情報等が挙げられる。また、「DIYを行うなら、〇〇ホームセンター駐車場、△△公園、×〇川河川敷がお薦めです」などのように利用目的に関連した情報を説明情報としてもよい。
【0051】
図8は、本変形例に係る情報処理方法のフローを示す図である。本変形例では、ユーザ
が利用目的をユーザ端末4に入力し、利用目的を含む利用申請を車両管理サーバ3へ送信している。図8のステップS110A~S170は、前述の図6と比べてステップS110Aで受信する利用申請に利用目的が含まれていることが異なっており、その他のステップは同じである。このため、ステップS110A~S170の説明は省略する。
【0052】
ステップS175にて、制御部222は、ステップS110Aで取得した利用申請に含まれる利用目的に対応した装備品のリストをメモリ223から読み出し、このリストと社用車2の装備情報とを比較して、装備情報に含まれない装備品を推奨装備として特定する。
【0053】
ステップS180Aにて、制御部222は、ステップS130,S170,S175で特定した推奨装備の貸し出しを案内する情報をユーザ端末4へ送信する。
【0054】
ステップS190にて、制御部222は、ステップS180の案内を行ってから所定時間以内に、推奨装備及び社用車について、貸し出しを選択する旨の情報をユーザ端末4から受信したか否かを判定する。ステップS190で肯定判定であれば、制御部222は、ステップS200へ移行し、貸し出しが選択された推奨装備を予約する旨の情報を装備管理サーバ5へ送信する。
【0055】
ステップS210Aにて、制御部222は、ステップS190で貸し出しが選択された社用車2について、貸し出すスケジュールをスケジュールDBに登録すると共に、ユーザ端末4へ、利用申請の受け付けを完了した旨の通知と説明情報を送信する。
【0056】
このように本変形例によれば、社用車の利用目的に応じて、適切な装備品の貸し出しを案内できる。また、貸し出す装備品等の説明情報をユーザ端末へ送信することで、使い慣れていない装備品であっても間違いなく利用でき、ユーザの利便性を高めることができる。
【0057】
上記の実施形態で説明した制御方法は、コンピュータのプロセッサがコンピュータプログラムを読み出して実行した。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク・ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスクである。また、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0058】
1 :情報処理システム
2 :社用車
3 :車両管理サーバ
4 :ユーザ端末
5 :装備管理サーバ
6 :人事管理サーバ
200:情報処理装置
221:接続バス
222:制御部
223:メモリ
224:入出力IF
225:通信IF
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8