(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】データ管理システム、データ管理方法、および、データ管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G01D 9/00 20060101AFI20231017BHJP
G06F 16/20 20190101ALI20231017BHJP
【FI】
G01D9/00 A
G06F16/20
(21)【出願番号】P 2020104880
(22)【出願日】2020-06-17
【審査請求日】2022-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】江間 伸明
(72)【発明者】
【氏名】吉田 善貴
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-16938(JP,A)
【文献】特開2015-207970(JP,A)
【文献】特開2019-176311(JP,A)
【文献】特開2012-90962(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 9/00- 9/42
G06F 16/20-16/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象を測定した測定データを複数のセンサのそれぞれから取得するデータ取得部と、
取得した前記測定データを記録するデータ記録部と、
前記複数のセンサのうちの他のセンサから取得した前記測定データ
を用いて対象とするセンサの前記測定データを予測した予測データに基づいて、
前記対象とするセンサから取得した前記測定データの一部を削除して、記録するデータ量を低減させるデータ量低減部と
を備える、データ管理システム。
【請求項2】
測定対象を測定した測定データを複数のセンサのそれぞれから取得するデータ取得部と、
取得した前記測定データを記録するデータ記録部と、
前記複数のセンサのうち他のセンサから取得した前記測定データを用いて、前記複数のセンサのそれぞれについて測定データを予測した予測データを生成するデータ予測部と、
前記複数のセンサのそれぞれについて取得した前記測定データと生成した前記予測データとの差分に基づいて、対象とするセンサを選択するセンサ選択部と
、
前記対象とするセンサから取得した前記測定データの一部を削除して、記録するデータ量を低減させるデータ量低減部と
を備える、データ管理システム。
【請求項3】
前記センサ選択部は、前記差分が予め定められたしきい値を下回るセンサを、前記対象とするセンサとして選択する、請求項
2に記載のデータ管理システム。
【請求項4】
前記センサ選択部は、前記複数のセンサのそれぞれについて前記差分を算出し、前記差分が相対的に小さいセンサを、前記対象とするセンサとして選択する、請求項
2または3に記載のデータ管理システム。
【請求項5】
前記他のセンサは、前記対象とするセンサとは種別が異なる、請求項1
から4のいずれか一項に記載のデータ管理システム。
【請求項6】
前記データ量低減部は、前記他のセンサから取得した前記測定データが予め定められた範囲内にある期間について、前記対象とするセンサから取得した前記測定データの一部を削除する、請求項1
から5のいずれか一項に記載のデータ管理システム。
【請求項7】
前記データ量低減部は、前記対象とするセンサから取得した前記測定データの単位時間あたりのサンプルの数を低減させる、請求項1から
6のいずれか一項に記載のデータ管理システム。
【請求項8】
前記データ量低減部は、前記対象とするセンサから取得した前記測定データの1データあたりのデータサイズを低減させる、請求項1から
7のいずれか一項に記載のデータ管理システム。
【請求項9】
前記データ量低減部は、前記測定データを記録可能な残り容量が予め定められたしきい値を下回ったことに応じて、前記対象とするセンサから取得した前記測定データの一部を削除する、請求項1から8のいずれか一項に記載のデータ管理システム。
【請求項10】
前記データ量低減部は、予め定められた時間が経過したことに応じて、前記対象とするセンサから取得した前記測定データの一部を削除する、請求項1から9のいずれか一項に記載のデータ管理システム。
【請求項11】
データ量が低減された後における前記測定データを他のシステムまたは装置へ送信するデータ送信部を更に備える、請求項1から10のいずれか一項に記載のデータ管理システム。
【請求項12】
測定対象を測定した測定データを複数のセンサのそれぞれから取得することと、
取得した前記測定データを記録することと、
前記複数のセンサのうちの他のセンサから取得した前記測定データ
を用いて対象とするセンサの前記測定データを予測した予測データに基づいて、
前記対象とするセンサから取得した前記測定データの一部を削除して、記録するデータ量を低減させることと
を備える、データ管理方法。
【請求項13】
測定対象を測定した測定データを複数のセンサのそれぞれから取得することと、
取得した前記測定データを記録することと、
前記複数のセンサのうち他のセンサから取得した前記測定データを用いて、前記複数のセンサのそれぞれについて測定データを予測した予測データを生成することと、
前記複数のセンサのそれぞれについて取得した前記測定データと生成した前記予測データとの差分に基づいて、対象とするセンサを選択することと、
前記対象とするセンサから取得した前記測定データの一部を削除して、記録するデータ量を低減させることと
を備えるデータ管理方法。
【請求項14】
コンピュータにより実行されて、前記コンピュータを、
測定対象を測定した測定データを複数のセンサのそれぞれから取得するデータ取得部と、
取得した前記測定データを記録するデータ記録部と、
前記複数のセンサのうちの他のセンサから取得した前記測定データ
を用いて対象とするセンサの前記測定データを予測した予測データに基づいて、
前記対象とするセンサから取得した前記測定データの一部を削除して、記録するデータ量を低減させるデータ量低減部と
して機能させる、データ管理プログラム。
【請求項15】
コンピュータにより実行されて、前記コンピュータを、
測定対象を測定した測定データを複数のセンサのそれぞれから取得するデータ取得部と、
取得した前記測定データを記録するデータ記録部と、
前記複数のセンサのうち他のセンサから取得した前記測定データを用いて、前記複数のセンサのそれぞれについて測定データを予測した予測データを生成するデータ予測部と、
前記複数のセンサのそれぞれについて取得した前記測定データと生成した前記予測データとの差分に基づいて、対象とするセンサを選択するセンサ選択部と、
前記対象とするセンサから取得した前記測定データの一部を削除して、記録するデータ量を低減させるデータ量低減部と
して機能させる、データ管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ管理システム、データ管理方法、および、データ管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「本発明は、システムの高い可用性を実現する技術に関し、特に、複数のセンサデータの一部が欠けても、残りのセンサデータを用いて欠けたデータを補間する技術である。」と記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2012-242159
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、データ管理システムを提供する。データ管理システムは、測定対象を測定した測定データを複数のセンサのそれぞれから取得するデータ取得部を備えてよい。データ管理システムは、取得した測定データを記録するデータ記録部を備えてよい。データ管理システムは、複数のセンサのうちの他のセンサから取得した測定データに基づいて、対象とするセンサから取得した測定データの一部を削除して、記録するデータ量を低減させるデータ量低減部を備えてよい。
【0004】
他のセンサは、対象とするセンサとは種別が異なってよい。
【0005】
データ量低減部は、他のセンサから取得した測定データが予め定められた範囲内にある期間について、対象とするセンサから取得した測定データの一部を削除してよい。
【0006】
データ量低減部は、対象とするセンサから取得した測定データの単位時間あたりのサンプルの数を低減させてよい。
【0007】
データ量低減部は、対象とするセンサから取得した測定データの1データあたりのデータサイズを低減させてよい。
【0008】
データ管理システムは、他のセンサから取得した測定データを用いて、複数のセンサのそれぞれについて測定データを予測した予測データを生成するデータ予測部と、取得した測定データと生成した予測データとの差分に基づいて、対象とするセンサを選択するセンサ選択部とを更に備えてよい。
【0009】
センサ選択部は、差分が予め定められたしきい値を下回るセンサを、対象とするセンサとして選択してよい。
【0010】
センサ選択部は、複数のセンサのそれぞれについて差分を算出し、差分が相対的に小さいセンサを、対象とするセンサとして選択してよい。
【0011】
データ量低減部は、予め定められた時間が経過したことに応じて、対象とするセンサから取得した測定データの一部を削除してよい。
【0012】
データ量低減部は、測定データを記録可能な残り容量が予め定められたしきい値を下回ったことに応じて、対象とするセンサから取得した測定データの一部を削除してよい。
【0013】
データ管理システムは、データ量が低減された後における測定データを他のシステムまたは装置へ送信するデータ送信部を更に備えてよい。
【0014】
本発明の第2の態様においては、データ管理方法を提供する。データ管理方法は、測定対象を測定した測定データを複数のセンサのそれぞれから取得することを備えてよい。データ管理方法は、取得した測定データを記録することを備えてよい。データ管理方法は、複数のセンサのうちの他のセンサから取得した測定データに基づいて、対象とするセンサから取得した測定データの一部を削除して、記録するデータ量を低減させることを備えてよい。
【0015】
本発明の第3の態様においては、データ管理プログラムを提供する。データ管理プログラムは、コンピュータにより実行されてよい。データ管理プログラムは、コンピュータを、測定対象を測定した測定データを複数のセンサのそれぞれから取得するデータ取得部として機能させてよい。データ管理プログラムは、コンピュータを、取得した測定データを記録するデータ記録部として機能させてよい。データ管理プログラムは、コンピュータを、複数のセンサのうちの他のセンサから取得した測定データに基づいて、対象とするセンサから取得した測定データの一部を削除して、記録するデータ量を低減させるデータ量低減部として機能させてよい。
【0016】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本実施形態に係るデータ管理システム100のブロック図の一例を示す。
【
図2】本実施形態に係るデータ管理システム100が記録するデータ量を低減させるフローの一例を示す。
【
図3】本実施形態に係るデータ管理システム100が管理する測定データの一例を示す。
【
図4】本実施形態の変形例に係るデータ管理システム100のブロック図の一例を示す。
【
図5】本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0019】
図1は、本実施形態に係るデータ管理システム100のブロック図の一例を示す。本実施形態に係るデータ管理システム100は、測定対象を測定した測定データを取得して記録する。そして、データ管理システム100は、他のセンサからの測定データに基づいて、対象とするセンサからの測定データの一部を削除して、記録するデータ量を低減させる。
【0020】
本実施形態においては、データ管理システム100が、プラントに設けられた複数のセンサから取得した測定データを管理対象とする場合について一例として示す。しかしながら、これに限定されるものではない。データ管理システム100は、プラントとは異なる如何なる場所に設けられた1または複数のセンサからのデータを管理対象としてもよい。
【0021】
データ管理システム100は、PC(パーソナルコンピュータ)、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、ワークステーション、サーバコンピュータ、または汎用コンピュータ等のコンピュータであってよく、複数のコンピュータが接続されたコンピュータシステムであってもよい。このようなコンピュータシステムもまた広義のコンピュータである。また、データ管理システム100は、コンピュータ内で1または複数実行可能な仮想コンピュータ環境によって実装されてもよい。これに代えて、データ管理システム100は、データの管理用に設計された専用コンピュータであってもよく、専用回路によって実現された専用ハードウェアであってもよい。また、データ管理システム100がインターネットに接続可能な場合、データ管理システム100は、クラウドコンピューティングにより実現されてもよい。
【0022】
データ管理システム100は、データ取得部110、データ記録部120、データ予測部130、センサ選択部140、および、データ量低減部150を備える。なお、これらブロックは、それぞれ機能的に分離された機能ブロックであって、実際のデバイス構成とは必ずしも一致していなくてもよい。すなわち、本図において、1つのブロックとして示されているからといって、それが必ずしも1つのデバイスにより構成されていなくてもよい。また、本図において、別々のブロックとして示されているからといって、それらが必ずしも別々のデバイスにより構成されていなくてもよい。
【0023】
データ取得部110は、測定対象を測定した測定データを複数のセンサのそれぞれから取得する。一例として、データ取得部110は、通信部であってよく、例えば、通信ネットワークを介して、測定対象を測定した測定データを複数のセンサのそれぞれから時系列に取得する。
【0024】
このような通信ネットワークは、複数のコンピュータを接続するネットワークであってよい。例えば、通信ネットワークは、複数のコンピュータネットワークを相互接続したグローバルなネットワークであってよく、一例として、通信ネットワークは、インターネット・プロトコルを使用したインターネット等であってよい。これに代えて、通信ネットワークは、専用回線により実現されていてもよい。すなわち、データ取得部110は、携帯電話、スマートフォン、第4世代(4G)端末、および、第5世代(5G)端末等との間で直接的に、または、間接的にやり取りし、測定データを取得することもできる。
【0025】
なお、上述の説明では、データ取得部110が通信ネットワークを介して複数のセンサのそれぞれから測定データを取得する場合を一例として示したが、これに限定されるものではない。データ取得部110は、例えば、ユーザ入力や各種メモリデバイス等、通信ネットワークとは異なる他の手段を介して複数のセンサのそれぞれから測定データを取得してもよい。
【0026】
ここで、このような複数のセンサは、測定対象を測定した測定データを取得可能である。複数のセンサは、例えば、OT(Operational Technology)領域に設置されているセンサ(例えば、プロセス制御(測定)用センサ)やIoT(Internet of Things)センサであってよく、一例として、プラントに設けられた1または複数のフィールド機器と接続、または、一体に構成された産業用(Industrial)センサであってよい。
【0027】
ここで、このようなプラントは、例えば、化学等の工業プラントの他、ガス田や油田等の井戸元やその周辺を管理制御するプラント、水力・火力・原子力等の発電を管理制御するプラント、太陽光や風力等の環境発電を管理制御するプラント、および、上下水やダム等を管理制御するプラント等であってよい。
【0028】
また、このようなプラントに設けられたフィールド機器は、例えば、圧力計、流量計、温度センサ等のセンサ機器、流量制御弁や開閉弁等のバルブ機器、ファンやモータ等のアクチュエータ機器、プラント内の状況や対象物を撮影するカメラやビデオ等の撮像機器、プラント内の異音等を収集したり警報音等を発したりするマイクやスピーカ等の音響機器、および、各機器の位置情報を出力する位置検出機器等であってよい。
【0029】
したがって、データ取得部110は、測定データとして、例えば、温度、圧力、流量、加速度、磁界、位置、カメラ映像、スイッチのオン/オフデータ、音、および、これらの組み合わせ等、センサ自身によって測定された測定データやフィールド機器の内部で測定された測定データを、複数のフィールド機器等のそれぞれから取得してよい。また、データ取得部110は、これらのデータを基に数式を用いて生成された値を測定データとして取得してもよい。データ取得部110は、複数のセンサのそれぞれから取得した測定データを、データ記録部120へ供給する。
【0030】
データ記録部120は、取得した測定データを記録する。一例として、データ記録部120は、データ取得部110から供給された複数のセンサからの測定データを、センサ毎に時系列に記録してよい。
【0031】
データ予測部130は、データ記録部120にアクセス可能であってよく、データ記録部120に記録された複数のセンサからの測定データを閲覧する。そして、データ予測部130は、複数のセンサのうちの他のセンサから取得した測定データを用いて、複数のセンサのそれぞれについて測定データを予測した予測データを生成する。この際、データ予測部130は、測定データを予測するセンサとは測定対象とする物理量の種別が異なる他のセンサから取得した測定データを用いて、それぞれのセンサについて測定データを予測してよい。これについては、後述する。データ予測部130は、複数のセンサのそれぞれについて生成した予測データを、センサ選択部140へ供給する。
【0032】
センサ選択部140は、データ予測部130から供給された予測データを参照する。そして、センサ選択部140は、データ記録部120に記録されている生の測定データ、すなわち、データ取得部110が取得した測定データと、データ予測部130が生成した予測データとの差分に基づいて、測定データの一部を削除する対象とするセンサを選択する。この際、例えば、センサ選択部140は、差分が小さいセンサを優先的に測定データの一部を削除する対象とするセンサとして選択してよい。センサ選択部140は、選択したセンサに関する情報をデータ量低減部150へ供給する。
【0033】
データ量低減部150は、複数のセンサのうちの他のセンサから取得した測定データに基づいて、対象とするセンサから取得した測定データの一部を削除して、記録するデータ量を低減させる。より詳細には、例えば、データ量低減部150は、センサ選択部140が選択したセンサに関する情報を参照して、対象とするセンサを特定する。そして、データ量低減部150は、データ記録部120が記録した測定データのうち、対象とするセンサから取得した測定データの一部を削除して、記録するデータ量を低減させる。
【0034】
図2は、本実施形態に係るデータ管理システム100が記録するデータ量を低減させるフローの一例を示す。
【0035】
ステップ210において、データ管理システム100は、測定データを取得する。一例として、データ取得部110は、通信ネットワークを介して、測定対象を測定した測定データを複数のセンサのそれぞれから時系列に取得する。データ取得部110は、複数のセンサのそれぞれから時系列に取得した測定データを、データ記録部120へ供給する。
【0036】
ステップ220において、データ管理システム100は、測定データを記録する。一例として、データ記録部120は、ステップ210においてデータ取得部110が取得した測定データを、センサ毎に時系列に記録する。
【0037】
ステップ230において、データ管理システム100は、測定データを記録可能な残り容量が予め定められたしきい値を下回るか否か判定する。一例として、データ管理システム100は、測定データを記録可能な全容量から、ステップ220においてデータ記録部120が記録済のデータ容量を減算して、測定データを記録可能な残り容量を算出する。そして、データ管理システム100は、測定データを記録可能な残り容量とあらかじめ定められたしきい値とを比較する。測定データを記録可能な残り容量が予め定められたしきい値を下回らない(No)と判定された場合、データ管理システム100は、処理をステップ240に進める。
【0038】
ステップ240において、データ管理システム100は、予め定められた時間が経過したか否か判定する。このような予め定められた時間は、例えば、ステップ220において測定データが記録されてからの経過時間であってよい。これに代えて、または、加えて、予め定められた時間は、記録されている測定データが最後にアクセスされてからの経過時間であってもよい。予め定められた時間が経過していない(No)と判定された場合、データ管理システム100は、処理をステップ210に戻して、フローを継続する。
【0039】
一方、ステップ230において、測定データを記録可能な残り容量が予め定められたしきい値を下回る(Yes)と判定された場合、または、ステップ240において、予め定められた時間が経過した(Yes)と判定された場合、データ管理システム100は、処理をステップ250に進める。
【0040】
ステップ250において、データ管理システム100は、予測データを生成する。一例として、データ予測部130は、ステップ220においてデータ記録部120が記録した測定データを閲覧し、ステップ210においてデータ取得部110が複数のセンサのうちの他のセンサから取得した測定データを用いて、複数のセンサのそれぞれについて測定データを予測した予測データを生成する。
【0041】
一例として、データ予測部130は、予測対象の物理量の値を、予測対象ではない他の物理量に係る計測値を所定の数式に代入することで予測してよい。また、データ予測部130は、予測対象の物理量の値を、対象装置の操作量の値を所定の数式に代入することで予測してもよい。すなわち、データ予測部130は、測定データを予測するセンサとは測定対象とする物理量の種別が異なる他のセンサから取得した測定データを用いて、それぞれのセンサについて測定データを予測してよい。
【0042】
例えば、データ管理システム100が、プラント内の比較的近い(物理的に近い、または、フロー的に近い)位置に設置されたセンサA、センサB、および、センサCから、測定対象として流量Fを測定した測定データ、測定対象として圧力Pを測定した測定データ、および、測定対象として温度Tを測定した測定データを、それぞれ取得したとする。
【0043】
このように測定対象とする物理量の種別が異なる複数のセンサが、比較的近い箇所において測定を行っている場合、データ管理システム100は、例えば、流量Fおよび温度Tの値を、既知の相関性に基づいて所定の数式に代入することで、圧力Pの値を予測することができる場合がある。
【0044】
なお、上述の説明では、複数のセンサからの測定データ間の相関が既知であった場合を一例として示したが、これに限定されるものではない。複数のセンサからの測定データ間の相関は、例えば、センサの設置環境により変化し得る。このような場合には、データ予測部130は、例えば、複数のセンサからの測定データを回帰分析してもよい。
【0045】
(数1)式は、回帰分析に用いられる各測定データの重回帰モデルの一例を示す。(数1)式において、ymはセンサmについての測定データの予測値、βm,iは回帰係数、xiはセンサiから取得した測定データの実測値、nはセンサの数、εは実測値と予測値との差分を示す。
【数1】
【0046】
データ予測部130は、例えば、(数1)式に基づき、差分εが最小となる回帰係数βm ,iを算出する。すなわち、データ予測部130は、センサmについての測定データの予測値ymと、他のセンサから取得した測定データの実測値xiに回帰係数βm,iをそれぞれ乗算した値の総和との差分εが最小となるように、回帰係数βm,iを算出する。そして、データ予測部130は、差分εが最小となる回帰係数βm ,iを用いて、複数のセンサのそれぞれについて、予測データを生成する。データ予測部130は、このようにして複数のセンサのそれぞれについて生成した予測データを、センサ選択部140へ供給してもよい。
【0047】
ステップ260において、データ管理システム100は、対象とするセンサを選択する。一例として、センサ選択部140は、ステップ250においてデータ予測部130が予測した予測データを参照する。そして、センサ選択部140は、ステップ220においてデータ記録部120が記録した生の測定データ、すなわち、ステップ210においてデータ取得部110が取得した測定データと、ステップ250においてデータ予測部130が生成した予測データとの差分に基づいて、測定データの一部を削除する対象とするセンサを選択する。この際、例えば、センサ選択部140は、差分が予め定められたしきい値を下回るセンサを、対象とするセンサとして選択してよい。これに代えて、または、加えて、センサ選択部140は、複数のセンサのそれぞれについて差分を算出し、差分が相対的に小さいセンサを、対象とするセンサとして選択してもよい。センサ選択部140は、選択したセンサに関する情報をデータ量低減部150へ供給する。
【0048】
ステップ270において、データ管理システム100は、測定データの一部を削除する。一例として、データ量低減部150は、複数のセンサのうちの他のセンサから取得した測定データに基づいて、対象とするセンサから取得した測定データの一部を削除して、記録するデータ量を低減させる。より詳細には、例えば、データ量低減部150は、ステップ260においてセンサ選択部140が選択したセンサに関する情報を参照して、対象とするセンサを特定する。そして、データ量低減部150は、ステップ220においてデータ記録部120が記録した測定データのうち、対象とするセンサから取得した測定データの一部を削除して、記録するデータ量を低減させる。
【0049】
一例として、データ量低減部150は、流量Fを測定するセンサAおよび温度Tを測定するセンサCから取得した測定データに基づいて、圧力Pを測定するセンサBから取得した測定データの一部を削除して、記録するデータ量を低減させる。このように、データ量低減部150が、複数のセンサのうちの他のセンサから取得した測定データに基づいて、対象とするセンサから取得した測定データの一部を削除するにあたって、他のセンサは、対象とするセンサとは測定対象とする物理量の種別が異なっていてよい。
【0050】
また、この際、データ量低減部150は、対象とするセンサから取得した測定データの単位時間あたりのサンプルの数を低減させてよい。例えば、データ量低減部150は、対象とするセンサから取得した時系列データにおける偶数番目の時刻のデータを削除してよい。
【0051】
これに代えて、または、加えて、データ量低減部150は、対象とするセンサから取得した測定データの1データあたりのデータサイズを低減させてもよい。例えば、データ量低減部150は、対象とするセンサから取得した時系列データが小数第3位のデータ群からなる場合、小数第3位を四捨五入してそれぞれが小数第2の小数値からなる時系列データとしてよい。なお、上述の説明では、データ量低減部150が有効桁数を低減するにあたって、四捨五入を用いる場合を一例として説明したが、これに限定されるものではない。データ量低減部150は、切り捨て、および、切り上げ等、四捨五入とは異なる手法を用いてもよい。また、データ量低減部150は、時系列的にあるダイナミックレンジを有する測定データのそれぞれを量子化するためのビット数を減らす(例えば、16ビットから8ビットに減らす)ことにより、測定データの1データあたりのデータサイズを低減させてもよい。
【0052】
このように、データ量低減部150は、測定データを時間軸方向においてサンプルを間引く等、単位時間あたりのサンプルの数を減らすことによって、測定データの一部を削除してもよいし、大きさ軸方向においてビット幅を減らす(量子化ビット数を減らす)等、1データあたりのデータサイズを減らすことによって、測定データの一部を削除してもよい。
【0053】
データ管理システム100は、ステップ270において測定データの一部を削除して、データ量を低減させるフローを終了する。このように、データ量低減部150は、測定データを記録可能な残り容量が予め定められたしきい値を下回ったことに応じて(ステップ230においてYesと判定されたことに応じて)、対象とするセンサから取得した測定データの一部を削除してよい。また、データ量低減部150は、予め定められた時間が経過したことに応じて(ステップ240においてYesと判定されたことに応じて)、対象とするセンサから取得した測定データの一部を削除してよい。
【0054】
図3は、本実施形態に係るデータ管理システム100が管理する測定データの一例を示す。本図に示すように、データ管理システム100は、時刻T1~T10におけるセンサA、センサB、および、センサCからの測定データの実測値を取得していたとする。この場合、データ管理システム100は、
図2のフローに従って、他のセンサから取得した測定データを用いて、複数のセンサのそれぞれについて測定データを予測した予測データを生成する。
【0055】
例えば、データ予測部130は、時刻T1においてセンサBおよびセンサCから取得した測定データの実測値を用いて、時刻T1におけるセンサAの測定データを予測した予測データを生成する。同様に、データ予測部130は、時刻T1においてセンサAおよびセンサCから取得した測定データの実測値を用いて、時刻T1におけるセンサBの測定データを予測した予測データを生成する。同様に、データ予測部130は、時刻T1においてセンサAおよびセンサBから取得した測定データの実測値を用いて、時刻T1におけるセンサCの測定データを予測した予測データを生成する。
【0056】
次に、センサ選択部140は、複数のセンサのそれぞれについて、実測データと予測データとの差分を算出する。この際、センサ選択部140は、実測データと予測データの差の絶対値を差分として算出してよい。これに代えて、または、加えて、センサ選択部140は、実測データと予測データの差の絶対値を実測データで除算した値、すなわち、実測データに対する差の割合を差分として算出してもよい。
【0057】
そして、センサ選択部140は、算出した差分に基づいて、測定データの一部を削除する対象とするセンサを選択する。この際、センサ選択部140は、差分が予め定められたしきい値(例えば、1%)を下回るセンサ(本図においては、センサBおよびセンサC)を、対象とするセンサとして選択してよい。これに代えて、または、加えて、センサ選択部140は、複数のセンサのそれぞれについて差分を算出し、差分が相対的に小さいセンサ(本図においては、差分が相対的に最も小さいセンサB)を、対象とするセンサとして選択してもよい。
【0058】
最後に、データ量低減部150は、記録した測定データのうち、対象とするセンサから取得した測定データの一部を削除して、記録するデータ量を低減させる。例えば、対象とするセンサとしてセンサBが選択された場合、データ量低減部150は、時刻T1からT5においてセンサBから取得した測定データのうち、偶数番目の時刻のデータ、すなわち、時刻T2における測定データ「0.196」および時刻T4における測定データ「0.201」を削除して、センサBから取得した測定データの単位時間あたりのサンプルの数を低減させてよい。
【0059】
これに代えて、または、加えて、データ量低減部150は、例えば、時刻T1からT5においてセンサBから取得した測定データについて、小数第3位を四捨五入してそれぞれが小数第2位からなる時系列データ(本図においては、時系列データ[0.20,0.20,0.19,0.20,0.20])として、センサBから取得した測定データのビット幅を低減させてもよい。
【0060】
データ管理システム100は、時刻T6から時刻T10の測定データについても、時刻T1から時刻T5の測定データと同様に、予測データを生成して対象とするセンサを選択する。例えば、時刻T6から時刻T10の測定データについて、対象とするセンサとして差分が1%を下回るセンサBが選択されたとする。ここで、センサAの測定データは、200プラスマイナス5が正常な範囲として設定されていたとする。同様に、センサCの測定データは、20プラスマイナス0.5が正常な範囲として設定されていたとする。このような場合、たとえ対象とするセンサBの差分が選択の基準である1%を下回っていたとしても、データ量低減部150は、時刻T6から時刻T10におけるセンサBからの測定データの一部を削除しない。換言すれば、データ量低減部150は、他のセンサから取得した測定データが予め定められた範囲内にある期間について、対象とするセンサから取得した測定データの一部を削除する。これにより、データ管理システム100は、後に参照する可能性が高い重要な測定データまで削除してしまうことを防止することができる。なお、本図においては、データ管理システム100が、1次元の測定データを管理対象とする場合について一例として説明した。しかしながら、これに限定されるものではない。データ管理システム100は、2次元の測定データを管理対象としてもよい。すなわち、上述の説明では、データ管理システム100は、一つの時刻に対して一つのセンサから1次元のデータを取得して管理していた。しかしながら、これに代えて、または、加えて、データ管理システム100は、一つの時刻に対して一つのセンサから、例えば、サーモグラフィの画像データのような、2次元のデータを取得して管理してもよい。このような場合、データ量低減部150は、対象とするセンサから取得した測定データの単位時間あたりのサンプルの数を低減させるにあたって、測定データの単位時間あたりのフレーム数を低減させてもよい。また、データ量低減部150は、対象とするセンサから取得した測定データの1データあたりのデータサイズを低減させるにあたって、測定データの1フレームあたりの画素数や、1画素あたりのビット数を低減させてもよい。
【0061】
例えば、OT(Operational Technology)領域にあるプロセス制御システムが、IT(Information Technology)領域のシステムと結合される等、データ量が爆発的に増加することが予想される。このような状況において、全てのデータをそのままの形で記録しておくことは現実的ではなく、データ量の低減もしくは取捨選択が必要である。従来、他のセンサデータを用いて対象とするセンサデータを補間する技術が知られている。しかしながら、従来の技術では、一部のセンサデータが欠けた場合に、他のセンサデータを用いて当該欠けたセンサデータを補間することで、システムの可用性を実現するものであって、記録するデータ量を低減させるものではない。
【0062】
これに対して、本実施形態に係るデータ管理システム100は、他のセンサから取得した測定データに基づいて、対象とするセンサから取得した測定データの一部を削除して、記録するデータ量を低減させる。これにより、本実施形態に係るデータ管理システム100によれば、あるセンサからの測定データが、他のセンサからの測定データを用いて精度良く予測可能な場合に、当該センサからの測定データの一部を優先的に削除することができ、効率的に測定データを管理することができる。また、本実施形態に係るデータ管理システム100は、対象とするセンサとして選択された場合であっても、当該センサからの測定データの一部を事後的に削除するのみで、当該センサからの測定データの取得および記録は継続する。これにより、本実施形態に係るデータ管理システム100によれば、例えば、プロセス側に急変があった場合等においても、当該センサからの測定データをリアルタイム制御に用いることができる。
【0063】
また、本実施形態に係るデータ管理システム100は、測定対象とする物理量の種別が異なる他のセンサから取得した測定データに基づいて、対象とするセンサから取得した測定データの一部を削除する。これにより、本実施形態に係るデータ管理システム100によれば、複数種別のセンサからの測定データを管理する場合に、より効率的に測定データの一部を削除することができる。
【0064】
また、本実施形態に係るデータ管理システム100は、他のセンサから取得した測定データが予め定められた範囲内にある期間について、対象とするセンサから取得した測定データの一部を削除する。これにより、本実施形態に係るデータ管理システム100によれば、他のセンサから取得した測定データが正常の範囲内ではなかった期間については、対象とするセンサから取得した測定データの一部を削除せずに記録したままとすることができる。
【0065】
また、本実施形態に係るデータ管理システム100は、測定データのデータ量を低減させるにあたって、記録した測定データの単位時間あたりのサンプルの数を低減させる、または、記録した測定データの1データあたりのデータサイズを低減させる。これにより、本実施形態に係るデータ管理システム100によれば、測定データの特性に応じて、時間軸方向または大きさ軸方向のいずれかにおいて測定データの少なくとも一部を選択的に削除することができる。
【0066】
また、本実施形態に係るデータ管理システム100は、測定データと予測データとの差分に基づいて、対象とするセンサを選択する。これにより、本実施形態に係るデータ管理システム100によれば、客観的なデータに基づいて、測定データの一部を削除する対象を選択することができる。
【0067】
また、本実施形態に係るデータ管理システム100は、差分が予め定められたしきい値を下回るセンサ、または、差分が相対的に小さいセンサを、対象とするセンサとして選択する。これにより、本実施形態に係るデータ管理システム100によれば、記録する測定データのデータ量を削除したい量やタイミングに応じて、測定データの一部を削除する対象を選択することができる。
【0068】
また、本実施形態に係るデータ管理システム100は、記憶可能な残り容量が予め定められたしきい値を下回る場合、または、予め定められた時間が経過したことに応じて、測定データのデータ量を低減させる。これにより、本実施形態に係るデータ管理システムによれば、記録する測定データのデータ量を低減したいタイミングで、測定データの一部を削除することができる。
【0069】
上述の説明では、データ管理システム100が、取得した生の測定データをそのまま残すことなく、対象とするセンサからの測定データの一部を削除してデータ量を低減する場合について一例として示した。しかしながら、これに限定されるものではない。
【0070】
図4は、本実施形態の変形例に係るデータ管理システム100のブロック図の一例を示す。
図4においては、
図1と同じ機能および構成を有する部材に対して同じ符号を付すとともに、以下相違点を除き説明を省略する。本変形例に係るデータ管理システム100は、例えば、OT領域に設けられてよく、OT領域に設けられたセンサから取得した測定データを、IT領域に設けられた他のシステムや装置へ送信可能であってよい。本変形例に係るデータ管理システム100は、データ蓄積部410およびデータ送信部420を更に備える。
【0071】
本変形例に係るデータ管理システム100において、データ取得部110は、複数のセンサのそれぞれから取得した測定データを、データ記録部120に代えてデータ蓄積部410へ供給する。
【0072】
データ蓄積部410は、測定データを蓄積する。一例として、データ蓄積部410は、データ取得部110から供給された全ての測定データを、センサ毎に時系列に記録してよい。そして、データ蓄積部410は、蓄積した測定データのうち、他のシステムや装置へ送信すべき送信対象の測定データを、データ記録部120へ供給する。なお、このような送信対象は、例えばユーザ入力に基づいて選択されたものであってもよいし、データ管理システム100によって自動的に選択されたものであってもよい。
【0073】
したがって、本変形例に係るデータ管理システム100において、データ記録部120は、複数のセンサのそれぞれから取得された測定データのうち、他のシステムや装置へ送信すべき送信対象の測定データを記録する。
【0074】
また、本変形例に係るデータ管理システム100において、データ量低減部150は、データ記録部120に記録された送信対象の測定データのうちの、対象とするセンサから取得した測定データの一部を削除する。
【0075】
そして、データ送信部420は、対象とするセンサからの測定データの一部が削除されて、データ量が低減された後におけるデータ記録部120に記録された測定データ、すなわち、データ量が低減された送信対象の測定データを、ネットワーク等を介して、他のシステムまたは装置へ送信する。
【0076】
このように、本変形例に係るデータ管理システム100は、送信対象の測定データのうちの、対象とするセンサから取得した測定データの一部を削除する。これにより、本変形例に係るデータ管理システム100によれば、例えばOT領域からIT領域へ測定データを送信するにあたって、データ管理システム100から送信するデータ量を低減することができる。すなわち、本実施形態に係るデータ管理システム100においては、対象とするセンサから取得した測定データの一部を削除することは、広義には、記憶領域から当該測定データを完全に削除することの他にも、他のシステムまたは装置へ送信する対象から当該測定データを除外することをも含むものであってよい。
【0077】
本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0078】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0079】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0080】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0081】
図5は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0082】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インターフェイス2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
【0083】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0084】
通信インターフェイス2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0085】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
【0086】
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0087】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インターフェイス2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インターフェイス2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0088】
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0089】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0090】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0091】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0092】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0093】
100 データ管理システム
110 データ取得部
120 データ記録部
130 データ予測部
140 センサ選択部
150 データ量低減部
410 データ蓄積部
420 データ送信部
2200 コンピュータ
2201 DVD-ROM
2210 ホストコントローラ
2212 CPU
2214 RAM
2216 グラフィックコントローラ
2218 ディスプレイデバイス
2220 入/出力コントローラ
2222 通信インターフェイス
2224 ハードディスクドライブ
2226 DVD-ROMドライブ
2230 ROM
2240 入/出力チップ
2242 キーボード