(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】方法、サーバ、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/083 20230101AFI20231017BHJP
G06Q 50/30 20120101ALI20231017BHJP
G06Q 10/02 20120101ALI20231017BHJP
【FI】
G06Q10/083
G06Q50/30
G06Q10/02
(21)【出願番号】P 2020166381
(22)【出願日】2020-09-30
【審査請求日】2022-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】宮田 亜衣
(72)【発明者】
【氏名】田中 由里香
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 英男
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 寛之
(72)【発明者】
【氏名】大原 克博
(72)【発明者】
【氏名】牧野 友哉
【審査官】小池 堂夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-132794(JP,A)
【文献】特開2019-169113(JP,A)
【文献】特開2020-112956(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバが実行する方法であって、
無人航空機の充電設備又は待機場所を提供する第1ユーザからの要求に応じて無人航空機の予約を受け付けること、及び
前記充電設備又は前記待機場所を無人航空機が利用した実績に基づいて、前記第1ユーザに対して請求する無人航空機の第1利用料金を決定すること
を含
み、
前記第1利用料金は、前記充電設備から供給される電力が再生可能エネルギである場合には、枯渇性エネルギである場合よりも低額になるように決定される、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記充電設備を無人航空機が利用した前記実績は、前記充電設備から無人航空機に供給された電力量を含み、
前記第1利用料金は、前記充電設備から無人航空機に供給された電力量が多いほど低額になるように決定される、方法。
【請求項3】
請求項1
又は2の何れか一項に記載の方法であって、
前記待機場所を無人航空機が利用した前記実績は、前記待機場所における無人航空機の待機時間を含み、
前記第1利用料金は、前記待機場所における無人航空機の待機時間が長いほど低額になるように決定される、方法。
【請求項4】
請求項1から
3の何れか一項に記載の方法であって、
前記第1利用料金は、前記待機場所を無人航空機が利用した前記実績と、前記待機場所の位置情報と、に基づいて決定される、方法。
【請求項5】
請求項
4に記載の方法であって、
前記第1利用料金は、前記待機場所が第1エリア内に設けられている場合には、前記第1エリアと比較して地価が低い第2エリア内に設けられている場合よりも低額になるように決定される、方法。
【請求項6】
請求項1から
5の何れか一項に記載の方法であって、
無人航空機の充電設備及び待機場所のいずれも提供しない第2ユーザからの要求に応じて無人航空機の予約を受け付けること、及び
前記第2ユーザに対して請求する無人航空機の第2利用料金を決定すること
を更に含み、
前記第1利用料金は、前記第2利用料金よりも低額になるように決定される、方法。
【請求項7】
制御部を備えるサーバであって、
前記制御部は、
無人航空機の充電設備又は待機場所を提供する第1ユーザからの要求に応じて無人航空機の予約を受け付け、
前記充電設備又は前記待機場所を無人航空機が利用した実績に基づいて、前記第1ユーザに対して請求する無人航空機の第1利用料金を決定
し、
ここで、前記第1利用料金は、前記充電設備から供給される電力が再生可能エネルギである場合には、枯渇性エネルギである場合よりも低額になるように決定される、サーバ。
【請求項8】
請求項
7に記載のサーバであって、
前記充電設備を無人航空機が利用した前記実績は、前記充電設備から無人航空機に供給された電力量を含み、
前記第1利用料金は、前記充電設備から無人航空機に供給された電力量が多いほど低額になるように決定される、サーバ。
【請求項9】
請求項
7又は8の何れか一項に記載のサーバであって、
前記待機場所を無人航空機が利用した前記実績は、前記待機場所における無人航空機の待機時間を含み、
前記第1利用料金は、前記待機場所における無人航空機の待機時間が長いほど低額になるように決定される、サーバ。
【請求項10】
請求項
7から
9の何れか一項に記載のサーバであって、
前記第1利用料金は、前記待機場所を無人航空機が利用した前記実績と、前記待機場所の位置情報と、に基づいて決定される、サーバ。
【請求項11】
請求項
10に記載のサーバであって、
前記第1利用料金は、前記待機場所が第1エリア内に設けられている場合には、前記第1エリアと比較して地価が低い第2エリア内に設けられている場合よりも低額になるように決定される、サーバ。
【請求項12】
請求項
7から
11の何れか一項に記載のサーバであって、
前記制御部は、
無人航空機の充電設備及び待機場所のいずれも提供しない第2ユーザからの要求に応じて無人航空機の予約を受け付け、
前記第2ユーザに対して請求する無人航空機の第2利用料金を決定し、
前記第1利用料金は、前記第2利用料金よりも低額になるように決定される、サーバ。
【請求項13】
サーバに、
無人航空機の充電設備又は待機場所を提供するユーザからの要求に応じて無人航空機の予約を受け付けること、及び
前記充電設備又は前記待機場所を無人航空機が利用した実績に基づいて、前記ユーザに対して請求する無人航空機の利用料金を決定すること
を実行させる
プログラムであって、
前記利用料金は、前記充電設備から供給される電力が再生可能エネルギである場合には、枯渇性エネルギである場合よりも低額になるように決定される、プログラム。
【請求項14】
請求項
13に記載のプログラムであって、
前記充電設備を無人航空機が利用した前記実績は、前記充電設備から無人航空機に供給された電力量を含み、
前記利用料金は、前記充電設備から無人航空機に供給された電力量が多いほど低額になるように決定される、プログラム。
【請求項15】
請求項
13又は14の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記待機場所を無人航空機が利用した前記実績は、前記待機場所における無人航空機の待機時間を含み、
前記利用料金は、前記待機場所における無人航空機の待機時間が長いほど低額になるように決定される、プログラム。
【請求項16】
請求項
13から
15の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記利用料金は、前記待機場所を無人航空機が利用した前記実績と、前記待機場所の位置情報と、に基づいて決定される、プログラム。
【請求項17】
請求項
16に記載のプログラムであって、
前記利用料金は、前記待機場所が第1エリア内に設けられている場合には、前記第1エリアと比較して地価が低い第2エリア内に設けられている場合よりも低額になるように決定される、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、方法、サーバ、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドローン等の無人航空機を制御する技術が知られている。例えば特許文献1には、荷物の配送を行うドローンを管理するドローン管理システムについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、例えばユーザが発送又は受け取りを希望する荷物を無人航空機で輸送する物流サービス等、無人航空機を用いて提供されるサービスの利用促進が望まれている。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、無人航空機を用いて提供されるサービスの利用を促進することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る方法は、
サーバが実行する方法であって、
無人航空機の充電設備又は待機場所を提供する第1ユーザからの要求に応じて無人航空機の予約を受け付けること、及び
前記充電設備又は前記待機場所を無人航空機が利用した実績に基づいて、前記第1ユーザに対して請求する無人航空機の第1利用料金を決定することを含む。
【0007】
本開示の一実施形態に係るサーバは、
制御部を備えるサーバであって、
前記制御部は、
無人航空機の充電設備又は待機場所を提供する第1ユーザからの要求に応じて無人航空機の予約を受け付け、
前記充電設備又は前記待機場所を無人航空機が利用した実績に基づいて、前記第1ユーザに対して請求する無人航空機の第1利用料金を決定する。
【0008】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、
サーバに、
無人航空機の充電設備又は待機場所を提供するユーザからの要求に応じて無人航空機の予約を受け付けること、及び
前記充電設備又は前記待機場所を無人航空機が利用した実績に基づいて、前記ユーザに対して請求する無人航空機の利用料金を決定することを実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によれば、無人航空機を用いて提供されるサービスの利用が促進され得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態に係るシステムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】端末装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図3】無人航空機の概略構成を示すブロック図である。
【
図6】無人航空機データベースの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0012】
(実施形態の概要)
図1を参照して、本開示の実施形態に係るシステム1の概要について説明する。システム1は、端末装置10と、無人航空機20と、サーバ30と、を備える。システム1が備える端末装置10及び無人航空機20それぞれの数は、1以上であればよい。
【0013】
端末装置10は、ユーザが使用可能な任意の情報処理装置である。例えばスマートフォン又はPC(Personal Computer)等の汎用の装置が、端末装置10として採用可能である。
【0014】
無人航空機20は、人が搭乗しない任意の航空機である。例えばドローン又はマルチコプタ等の航空機が、無人航空機20として採用可能である。無人航空機20は、自律制御によって又はサーバ30と協働することによって飛行可能である。本実施形態において無人航空機20は、自機に取り付けられた荷物を目的地まで輸送する物流サービスに利用される。具体的には、荷物の発送又は受け取りを希望するユーザからの要求に応じて、当該荷物の受け渡しを行うために無人航空機20が予約される。ユーザは、予約された無人航空機20との間で荷物の受け渡しが可能である。無人航空機20は、荷物を差出人から受取人へ直接輸送してもよく、差出人から中継局まで輸送してもよく、或いは中継局から受取人へ輸送してもよい。しかしながら無人航空機20は、物流サービスに限られず、無人航空機20を用いて提供される任意のサービスに利用可能である。
【0015】
サーバ30は、1つ又は互いに通信可能な複数の情報処理装置を含む。サーバ30は、例えばインターネット及び移動体通信網等を含むネットワーク40を介して、端末装置10及び無人航空機20とそれぞれ通信可能である。本実施形態において、無人航空機20及びサーバ30は、物流サービスの提供者によって管理されてもよい。
【0016】
まず、本実施形態の概要について説明し、詳細については後述する。本実施形態においてユーザは、物流サービスの提供者に対して、例えば自身が所有している充電設備又は待機場所を提供し得る。充電設備は、有線又は無線を介して無人航空機20を充電可能な任意の装置である。待機場所は、例えば無人航空機20が荷物の輸送を行わない時間帯に無人航空機20が着陸して待機可能な任意の場所である。サーバ30は、無人航空機20の充電設備又は待機場所を提供するユーザからの要求に応じて無人航空機20の予約を受け付ける。そしてサーバ30は、充電設備又は待機場所を無人航空機20が利用した実績に基づいて、当該ユーザに対して請求する無人航空機20の利用料金を決定する。
【0017】
このように、本実施形態によれば、無人航空機20の充電設備又は待機場所をユーザが提供する場合、当該ユーザに対して請求する無人航空機20の利用料金が、充電設備又は待機場所の利用実績に基づいて決定される。このため、ユーザは、無人航空機20の充電設備又は待機場所を提供して無人航空機20に利用させることにより、例えば無人航空機20の利用料金を低減し得る。したがって、無人航空機20を用いて提供されるサービスの利用が促進され得る。
【0018】
次に、システム1の各構成について、詳細に説明する。
【0019】
(端末装置の構成)
図2に示すように、端末装置10は、通信部11と、記憶部12と、出力部13と、入力部14と、制御部15と、を備える。
【0020】
通信部11は、ネットワーク40に接続する1つ以上の通信インタフェースを含んでもよい。当該通信インタフェースは、例えば4G(4th Generation)及び5G(5th Generation)等の移動体通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、端末装置10は、通信部11を介してサーバ30と通信する。
【0021】
記憶部12は、1つ以上のメモリを含む。メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部12に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部12は、端末装置10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部12は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェア等を記憶してもよい。記憶部12に記憶された情報は、例えば通信部11を介してネットワーク40から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0022】
出力部13は、情報を出力してユーザに通知する1つ以上の出力装置を含む。当該出力装置は、例えば情報を映像で出力するディスプレイ、又は情報を音声で出力するスピーカ等であるが、これらに限られない。
【0023】
入力部14は、ユーザ入力を検出する1つ以上の入力装置を含む。当該入力装置は、例えば物理キー、静電容量キー、出力部13のディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、音声入力を受け付けるマイク、又はカメラ等であるが、これらに限られない。
【0024】
制御部15は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサであるがこれらに限られない。プログラマブル回路は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)であるがこれに限られない。専用回路は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)であるがこれに限られない。制御部15は、端末装置10全体の動作を制御する。
【0025】
(無人航空機の構成)
図3に示すように、無人航空機20は、通信部21と、記憶部22と、測位部23と、検出部24と、制御部25と、を備える。
【0026】
通信部21は、ネットワーク40に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば移動体通信規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、無人航空機20は、通信部21を介してサーバ30と通信する。
【0027】
記憶部22は、1つ以上のメモリを含む。記憶部22に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部22は、無人航空機20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部22は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェア等を記憶してもよい。記憶部22に記憶された情報は、例えば通信部21を介してネットワーク40から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0028】
測位部23は、衛星測位システムに対応する受信機を含む。当該受信機は、例えばGPS(Global Positioning System)に対応するが、これに限られず、任意の衛星測位システムに対応してもよい。また測位部23は、例えばジャイロセンサ、地磁気センサ、及び気圧センサを含む。本実施形態において無人航空機20は、測位部23を用いて自機の位置情報、自機が向いている方角、及び自機の傾きを取得可能である。位置情報は、緯度及び経度を含む二次元座標データを含んでもよく、緯度及び経度に加えて高度を含む三次元座標データを含んでもよい。
【0029】
検出部24は、無人航空機20の周囲に存在する障害物の検出に用いられる1つ以上のセンサを含む。当該センサは、例えばカメラ、ミリ波レーダ、又はLiDAR(Light Detection and Ranging)等であるが、これらに限られない。検出部24のセンサの出力情報は、例えば無人航空機20が周囲の障害物を避けて飛行するために用いられ得る。
【0030】
制御部25は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。制御部25は、無人航空機20全体の動作を制御する。
【0031】
(サーバの構成)
図4に示すように、サーバ30は、通信部31と、記憶部32と、制御部33と、を備える。
【0032】
通信部31は、ネットワーク40に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば有線LAN規格又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、サーバ30は、通信部31を介して端末装置10及び無人航空機20と通信する。
【0033】
記憶部32は、1つ以上のメモリを含む。記憶部32に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部32は、サーバ30の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部32は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、データベース、及び地図情報等を記憶してもよい。記憶部32に記憶された情報は、例えば通信部31を介してネットワーク40から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0034】
本実施形態において記憶部32は、ユーザデータベース及び無人航空機データベースを記憶する。
【0035】
図5に示すように、ユーザデータベースには、ユーザ毎に「アカウント情報」、「充電設備情報」、及び「待機場所情報」を有するユーザデータが含まれる。
【0036】
「アカウント情報」は、ユーザに関する任意の情報を含む。例えば、アカウント情報は、サービスにログインするためのログインID及びパスワード、生体情報、ユーザID、ユーザ名、並びに口座情報又はクレジットカード情報等の電子決済に用いられる決済情報等を含み得るが、これらに限られない。また、アカウント情報は、例えば無人航空機20による荷物の受け取り又は引き渡しが行われる際に、差出人又は受取人を認証するために利用されてもよい。
【0037】
「充電設備情報」は、ユーザから提供された充電設備に関する任意の情報を含む。例えば、充電設備情報は、充電設備の位置情報、利用可能時間帯、充電設備が供給する電力の電気料金、及び充電設備が供給する電力が再生可能エネルギであるか枯渇性エネルギであるかを示す情報等を含み得るが、これらに限られない。また、充電設備を提供しないユーザの充電設備情報はブランクであってもよい。
【0038】
「待機場所情報」は、ユーザから提供された待機場所に関する任意の情報を含む。例えば、待機場所情報は、待機場所の位置情報、利用可能時間帯、収容可能台数、屋根の有無、及び待機場所が設けられているエリアの地価を示す情報等を含み得るが、これらに限られない。また、待機場所を提供しないユーザの待機場所情報はブランクであってもよい。
【0039】
図6に示すように、無人航空機データベースには、無人航空機20毎に「無人航空機ID」及び「運行計画」を有する無人航空機データが含まれる。
【0040】
「無人航空機ID」は、無人航空機20を一意に識別可能な情報である。
【0041】
「運行計画」は、無人航空機20による荷物の輸送に関する任意の情報を含む。例えば、運行計画は、無人航空機20が荷物の輸送を行う時間帯、当該時間帯における飛行経路、差出人又は受取人と無人航空機20との間で荷物の受け渡しが行われる場所、荷物の差出人又は受取人のユーザID、ユーザから提供された充電設備又は待機場所を無人航空機20が利用する時間帯、及び充電設備から無人航空機20に供給される電力量等を含み得るが、これらに限られない。
【0042】
図4に示す制御部33は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。制御部33は、サーバ30全体の動作を制御する。制御部33によって制御されるサーバ30の動作の詳細については後述する。
【0043】
(サーバの動作フロー)
図7を参照して、本実施形態に係るサーバ30の動作について説明する。
【0044】
ステップS100:サーバ30の制御部33は、ユーザデータ及び無人航空機データを記憶部32に記憶する。
【0045】
ステップS101:制御部33は、荷物の差出人又は受取人であるユーザからの要求を受信する。
【0046】
具体的には、制御部33は、通信部31を介して端末装置10から、荷物の受け渡しに関するユーザの要求を示す情報を受信する。当該情報には、例えばユーザのユーザID、及びユーザが無人航空機20との間で荷物の受け渡しを行う日時及び場所等を示す情報等が含まれ得るが、これらに限られず、荷物の受け渡しに関するユーザの任意の要求を示す情報が含まれてもよい。
【0047】
ステップS102:制御部33は、ステップS101の要求に対応可能な無人航空機20の予約を受け付ける。
【0048】
具体的には、制御部33は、無人航空機データベースに含まれる運行計画を参照することによって、ステップS101の要求に対応可能な無人航空機20を特定すると、当該無人航空機20の予約を受け付ける。
【0049】
ステップS103:制御部33は、ステップS102で予約を受け付けた無人航空機20の運行計画を更新する。具体的には、制御部33は、ステップS101の要求に従い無人航空機20がユーザとの間で荷物の受け渡しを行うように、当該無人航空機20の運行計画を更新する。
【0050】
なお、上述したステップS101が実施される度に(すなわち、サーバ30がユーザからの要求を受信する度に)ステップS102~S103が実施される。一方、次に説明するステップS104~S106は、所定の時間間隔で周期的に実施される。
【0051】
ステップS104:制御部33は、無人航空機データベースの運行計画を参照して、無人航空機20をユーザが利用した実績を取得する。ここで、無人航空機20をユーザが利用した実績には、例えば直近の1周期における無人航空機20の合計利用回数又は合計利用時間が含まれ得る。
【0052】
ステップS105:制御部33は、無人航空機データベースの運行計画を参照して、ユーザから提供された充電設備又は待機場所を無人航空機20が利用した実績を取得する。ここで、充電設備又は待機場所を無人航空機20が利用した実績には、例えば直近の1周期における充電設備から無人航空機20に供給された合計電力量、又は待機場所における無人航空機20の合計待機時間が含まれ得る。
【0053】
ステップS106:制御部33は、ステップS104のユーザによる無人航空機20の利用実績、及びステップS105の無人航空機20による充電設備又は待機場所の利用実績の少なくとも一方に基づいて、ユーザに対して請求する無人航空機20の利用料金を決定する。
【0054】
利用料金の決定には、任意の手法が採用可能である。例えば、制御部33は、ユーザによる無人航空機20の利用実績に基づいて、無人航空機20の合計利用回数が少ないほど又は合計利用時間が短いほど利用料金が低額になるように決定してもよい。
【0055】
また例えば、制御部33は、無人航空機20による充電設備の利用実績に基づいて、充電設備から無人航空機20に供給された合計電力量が多いほど利用料金が低額になるように決定してもよい。制御部33は、無人航空機20による充電設備の利用実績に基づいて、無人航空機20が利用した充電設備から供給される電力が再生可能エネルギである場合には、枯渇性エネルギである場合よりも利用料金が低額になるように決定してもよい。
【0056】
また例えば、制御部33は、無人航空機20による待機場所の利用実績に基づいて、待機場所における無人航空機20の合計待機時間が長いほど利用料金が低額になるように決定してもよい。制御部33は、無人航空機20による待機場所の利用実績と、当該待機場所の位置情報と、に基づいて利用料金を決定してもよい。具体的には、制御部33は、無人航空機20が利用した待機場所が第1エリア内に設けられている場合には、当該第1エリアと比較して地価が低い第2エリア内に設けられている場合よりも利用料金が低額になるように決定してもよい。
【0057】
以上述べたように、本実施形態に係るサーバ30は、無人航空機20の充電設備又は待機場所を提供するユーザからの要求に応じて無人航空機20の予約を受け付ける。そしてサーバ30は、充電設備又は待機場所を無人航空機20が利用した実績に基づいて、ユーザに対して請求する無人航空機20の利用料金を決定する。
【0058】
かかる構成によれば、無人航空機20の充電設備又は待機場所をユーザが提供する場合、当該ユーザに対して請求する無人航空機20の利用料金が、充電設備又は待機場所の利用実績に基づいて決定される。このため、ユーザは、無人航空機20の充電設備又は待機場所を提供して無人航空機20に利用させることにより、例えば無人航空機20の利用料金を低減し得る。したがって、無人航空機20を用いて提供されるサービスの利用が促進され得る。
【0059】
本発明を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0060】
例えば、上述した実施形態において、サーバ30の構成及び動作を、互いに通信可能な複数の情報処理装置に分散させる実施形態も可能である。
【0061】
また、上述した実施形態において、サーバ30の制御部33は、充電設備又は待機場所を提供する第1ユーザに対して請求する第1利用料金を、充電設備及び待機場所のいずれも提供しない第2ユーザに対して請求する第2利用料金よりも低額になるように決定してもよい。
【0062】
また、例えば汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係るサーバ30として機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係るサーバ30の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、汎用のコンピュータのメモリに格納し、プロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本実施形態に係る発明は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体としても実現可能である。
【符号の説明】
【0063】
1 システム
10 端末装置
11 通信部
12 記憶部
13 出力部
14 入力部
15 制御部
20 無人航空機
21 通信部
22 記憶部
23 測位部
24 検出部
25 制御部
30 サーバ
31 通信部
32 記憶部
33 制御部
40 ネットワーク