(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3205 20060101AFI20231017BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20231017BHJP
H01L 23/522 20060101ALI20231017BHJP
【FI】
H01L21/88 S
(21)【出願番号】P 2020511656
(86)(22)【出願日】2019-03-05
(86)【国際出願番号】 JP2019008591
(87)【国際公開番号】W WO2019193896
(87)【国際公開日】2019-10-10
【審査請求日】2022-02-16
(32)【優先日】2018-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】原 章雄
(72)【発明者】
【氏名】澤田 豊治
(72)【発明者】
【氏名】奥野 昌樹
(72)【発明者】
【氏名】落水 洋聡
【審査官】早川 朋一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0096104(US,A1)
【文献】特開2008-098605(JP,A)
【文献】特開2006-114723(JP,A)
【文献】特開2008-270232(JP,A)
【文献】特開2005-167198(JP,A)
【文献】特開2009-049313(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3205-21/3215
H01L 21/768
H01L 23/52
H01L 23/522-23/532
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路領域と、平面視で前記回路領域を囲んで配置される周辺領域と、を有する基板と、
前記基板上に形成された
第1層間絶縁膜と、
第1層間絶縁膜上に形成された第1配線層と、
前記第1配線層上に形成された
第2層間絶縁膜と、
第2層間絶縁膜上に形成された第2配線層と、
前記第2配線層上に形成された
第3層間絶縁膜と、
前記第3層間絶縁膜上に形成された第3配線層と、
前記周辺領域に形成されたガードリングと、
を有し、
前記ガードリングは、前記第1配線層に形成され、平面視で前記回路領域を囲んで配置される第1配線と、
前記第2配線層に形成され、平面視で前記回路領域を囲んで配置される第2配線と、前記第3配線層に形成され、平面視で前記回路領域を囲んで配置される第
3配線と、前記第1配線および前記第
3配線に接続
するように前記第2層間絶縁膜、前記第2配線層、および前記第3層間絶縁膜を貫通し、平面視で前記基板の端に沿って溝状に配置される第1ビアと、
前記第1ビアよりも前記回路領域に近い側において前記第2配線および前記第3配線を接続するように前記第3層間絶縁膜を貫通しデュアルダマシン構造により前記第3配線と一体に形成される第2ビアと、
を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記基板は4つの角部を有する矩形であり、
前記4つの角部のそれぞれにおいて、前記ガードリングは、前記第1ビアが平面視で90度に屈曲する屈曲部を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記基板は4つの角部を有する矩形であり、
前記4つの角部のそれぞれにおいて、前記ガードリングは、前記第1ビアが平面視で90度よりも大きい角度で複数回屈曲し、平面視で全体が90度に屈曲する屈曲部を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記ガードリングは、前記第1配線層に形成され、平面視で前記回路領域を囲んで配置される第
4配線と、前記第3配線層に形成され、平面視で前記回路領域を囲んで配置される第
5配線と、
を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項5】
前記ガードリングは、前記第
4配線および前記第
5配線に接続し、平面視で前記基板の端に沿って溝状に配置される第
3ビアを有することを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記ガードリングは、前記第2配線層に形成された第
6配線と、前記第
4配線および前記第
6配線に接続し、平面視で前記基板の端に沿って溝状に配置される第
4ビアと、
前記第
6配線および前記第
5配線に接続し、平面視で前記基板の端に沿って溝状に配置される第
5ビアと、
を有することを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第
4配線および前記第
5配線は、平面視で、前記第1配線および前記第
3配線、前記第1ビアと前記回路領域との間に位置することを特徴とする、請求項4乃至6のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第
4配線および前記第
5配線は、平面視で、前記第1配線および前記第
3配線、前記第1ビアと前記基板の端との間に位置することを特徴とする、請求項4乃至6のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項9】
前記ガードリングは、前記第1配線および前記第
3配線に接続し、平面視で前記基板の端に沿って溝状に配置される第
6ビアを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第3配線層上に形成された第4配線層を有し、
前記ガードリングは、前記第2配線層に形成され、平面視で前記回路領域を囲む第
7配線と、前記第4配線層に形成され、平面視で前記回路領域を囲む第
8配線と、前記第
7配線および前記第
8配線に接続し、前記基板の端に沿って溝状に配置される第
7ビアと、を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第1ビアは、平面視で前記回路領域を囲んで配置されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項12】
前記第1ビアは、平面視で不連続に配置されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関する。
【0002】
本出願は、2018年4月2日出願の米国仮出願第62/651,289号に基づく優先権を主張し、前記出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
【背景技術】
【0003】
半導体装置の製造過程では、例えばブレード等を用いてウェハを切断する等、様々な方法によってウェハから半導体装置の個辺化が行われる。個辺化を行う際の衝撃により、半導体素子の絶縁膜等にクラックが生じることがある。そのため、クラックの伝播を抑制したりするために、半導体装置の周辺部分には、リング状の配線やビア等を用いたガードリングといった周辺構造(die seal, seal ringと呼ばれることもある)を設けることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許9589912号明細書
【文献】米国特許公開2017/0179378号
【文献】米国特許公開2017/0358586号
【文献】米国特許公開2004/0238950号
【文献】特開2008-270720号公報
【文献】特開2013-016540号公報
【非特許文献】
【0005】
【文献】"Integration scheme and 3D RC extractions of three-level supervia at 16 nm half-pitch", Microelectronic Engineering, Volume 191, 5 May 2018, Pages 20-24 (Available online 31 January 2018)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ガードリング等の周辺構造の一部を構成する配線の上面と、当該配線上の絶縁膜やビア等との間には界面が存在する。そして、当該界面を通して、個辺化等によって生じたクラックが伝播することがある。このクラックが、周辺構造の内側である回路領域等に達すると、配線等が断線したり、半導体素子の特性や信頼性が悪化したりすることがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施例による半導体装置は、回路領域と、平面視で前記回路領域を囲んで配置される周辺領域と、を有する基板と、前記基板上に形成された第1層間絶縁膜と、第1層間絶縁膜上に形成された第1配線層と、前記第1配線層上に形成された第2層間絶縁膜と、第2層間絶縁膜上に形成された第2配線層と、前記第2配線層上に形成された第3層間絶縁膜と、前記第3層間絶縁膜上に形成された第3配線層と、前記周辺領域に形成されたガードリングと、を有し、前記ガードリングは、前記第1配線層に形成され、平面視で前記回路領域を囲んで配置される第1配線と、前記第2配線層に形成され、平面視で前記回路領域を囲んで配置される第2配線と、前記第3配線層に形成され、平面視で前記回路領域を囲んで配置される第3配線と、前記第1配線および前記第3配線に接続するように前記第2層間絶縁膜、前記第2配線層、および前記第3層間絶縁膜を貫通し、平面視で前記基板の端に沿って溝状に配置される第1ビアと、前記第1ビアよりも前記回路領域に近い側において前記第2配線および前記第3配線を接続するように前記第3層間絶縁膜を貫通しデュアルダマシン構造により前記第3配線と一体に形成される第2ビアと、を有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2A】多層間接続ビアの断面構造の詳細を示す図である。
【
図2B】多層間接続ビアの断面構造の詳細を示す図である。
【
図2C】多層間接続ビアの断面構造の詳細を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本願開示の技術では、例えば一の層の配線とその2つ以上上の層の配線とを直接接続し、その間の層の配線を接続しない多層間接続ビアを用いて、ガードリング等の周辺構造を形成する。多層間接続ビアは、例えば、1層目の配線層(M1層)と、その2つ上の層である3層目の配線層(M3層)とを接続し、M1層の上であってM3層の下である2層目の配線層(M2層)の配線には接続しない。当該多層間接続ビアは、例えば、平面視で溝状に延在して配置される。この場合、周辺構造のうち多層間接続ビアを用いた部分では、M2層の配線とその上の層間絶縁膜やビア等との間の界面が形成されないため、界面におけるクラックの伝播が抑制される。
【0010】
(第1実施形態)
図1A~
図1Cに、本発明の第1実施形態を示す。
図1Aは、半導体装置1の概要を示した図である。半導体装置1は、例えば、平面視で矩形であり4つの角を有する。
図1Aのように、半導体装置1は、各種回路が配置された回路領域1aと、回路領域1aの周辺に位置する周辺領域1bと、を有する。周辺領域1bは、平面視で回路領域1aを囲んで配置される。第1実施形態において、周辺領域1bには、平面視で回路領域1aを囲んで配置されたガードリング2を有する。ガードリング2は、例えば、
図1Aのように、平面視で半導体装置1の端1cに沿って配置される。言い換えれば、ガードリング2は、回路領域1aと端1cとの間に位置する。なお、
図1Bでは、回路領域1aに配置された配線等の構成の図示は省略している。
【0011】
図1Bは、
図1Aの左上の角部(点線枠部分)を拡大した平面図である。
図1Bでは、例として、M3層に形成された配線233と、その下の多層間接続ビア241、ビア253の平面配置を図示している。なお、回路領域1aに配置された配線等の構成の図示は省略している。
【0012】
本実施形態のガードリング2は、平面視で溝状に配置された多層間接続ビアを有する。
図1Bに示すように、ガードリング2は、M3層の配線233が2本配置されている。それぞれの配線233は、平面視で回路領域1aを囲んで配置される。
図1Bに示すように、ガードリング2は、2本の配線233のうち端1cに近い方(外側)の下に配置された多層間接続ビア241を有する。多層間接続ビア241は、平面視で溝状に配置され、例えば回路領域1aを囲んで配置される。ガードリング2は、
図1Bに示すように、2本の配線233のうち回路領域1aに近い方(内側)の下に配置されたビア253を有する。ビア253は平面視で溝状であり、例えば回路領域1aを囲んで配置される。
【0013】
図1Cは、
図1BにおけるA-A'の部分の断面図である。周辺領域1bにはガードリング2として、例えば、M1層の配線231、M2層の配線232、M3層の配線233、M4層の配線234、M5層の配線235、基板20に接続するコンタクトビア250、コンタクトビア250と配線231を接続するビア251、配線231と配線232を接続するビア252、配線232と配線233を接続するビア253、配線233と配線234を接続するビア254、配線234と配線235を接続するビア255、配線231と配線233を接続する多層間接続ビア241、配線233と配線235を接続する多層間接続ビア243が形成される。基板20の上面には、STI(シャロートレンチアイソレーション)21が形成される。周辺領域1bの基板20には、回路領域1aと同様にフィン構造が形成され、当該フィン構造にコンタクトビア250が接続されていても良い(他の実施形態においても同様としても良い)。また、多層間接続ビア243は、多層間接続ビア241と同様に、平面視で回路領域1aを囲んで配置されても良い。また、ガードリング2は、例えば、上層の絶縁膜17及び18に形成された開口部260を有する。開口部260は、平面視で回路領域を囲むように配置されても良く、周辺領域の一部のみに配置されても良い。また、開口部260の形成を省略しても良い。
【0014】
また、回路領域1aには、例えば、M1層の配線31、M2層の配線32、M3層の配線33、M4層の配線34、M5層の配線35、基板20上に形成されたフィン型トランジスタのフィン22に接続するコンタクトビア50、コンタクトビア50と配線31を接続するビア51、配線31と配線32を接続するビア52、配線32と配線33を接続するビア53、配線33と配線34を接続するビア54、配線34と配線35を接続するビア55、配線31と配線33を接続する多層間接続ビア41、配線33と配線35を接続する多層間接続ビア43が形成される。また、回路領域1aには、配線37と、配線37上のパッド71と、パッド71上の半田バンプ72が形成される。なお、半田バンプ72に代わって、金等の材料を有するスタッドバンプや、銅等の材料を有するCuピラー、半導体素子1の外部と接続するワイヤボンディングの一端等が、パッド71上に形成されても良い。
【0015】
第1実施形態のガードリング2は、多層間接続ビア(例えば241)を用いる。このとき、例えば多層間接続ビア241の部分においては、クラックCRが伝播し得るパスである、M2層の配線の上面とその上の層間絶縁膜との間の界面が存在しない。そのため、多層間接続ビア241によりM2層近傍におけるクラックCRの伝播を止めることが出来る。そのため、回路領域へのクラックの伝播を抑制することが出来る。
【0016】
なお、第1実施形態では、M3層の配線233と、その下の多層間接続ビア241を用いて本発明を説明しているが、他の層に形成された配線や多層間接続ビアを用いてガードリング2を形成しても良い。また、
図1B及び1Cに示したように、ガードリングは2本の配線を平面視で隣接して配置した構成であるが、例えば、多層間接続ビアが接続された配線を平面視で1本だけ配置する構成としても良い。
【0017】
また、ガードリング2では、多層間接続ビア241及び配線233と同様に、配線231、232、234、235や、コンタクトビア250、ビア251,252,253,254,255が、それぞれ平面視で回路領域1aを囲むように配置されても良い。なお、コンタクトビア50および250の材料は、例えばタングステン、コバルト、ルテニウムを含む。また、コンタクトビア50および250は、窒化チタンやチタンを材料とした下地のバリアメタル膜(図示せず)として膜を有しても良い。また、コンタクトビア50および250の材料がコバルトやルテニウムの場合、下地のバリアメタル膜の形成を省略しても良い。
【0018】
また、
図1Cでは、多層間接続ビア241と243が配置されているが、いずれか片方のみ配置されるものであっても良い。また、例として配線層が5層形成されているが(M1層~M5層)、配線層数は5層より多くても良く、少なくても良い。
【0019】
図2A~2Cは、本実施形態における多層間接続ビアの断面構造の詳細を示したものである。なお、
図2A~2Cでは、多層間接続ビア241を例示しているが、他の多層間接続ビアも同様の構造としても良い。
【0020】
図2Aに示したように、配線231が層間絶縁膜11中に形成されている。配線231は、下地のバリアメタル膜231bを有する。配線231上には、層間絶縁膜12が形成されている。層間絶縁膜12中には、配線232が形成されている。配線232は、下地のバリアメタル膜232bを有する。配線232上には、層間絶縁膜13aおよび13bが形成されている。層間絶縁膜13aにはビア253が形成されている。層間絶縁膜13bには、配線233が形成されている。ビア253と配線233とは、例えば、一体に形成されたデュアルダマシン構造となっている。ビア253および配線233は、下地としてバリアメタル膜233bを有する。例えば、層間絶縁膜11,12,13a,13bの材料は、それぞれ、SiO, TEOS, PSG, BPSG, FSG, SiOC, SOG, SiLK, Spin-on-polymer, silicon carbon materialまたはこれらの組み合わせ等である。例えば、配線231,232,233の材料は、それぞれ、銅、コバルト、ルテニウム等である。例えば、バリアメタル膜231b、232b、233bの材料は、それぞれ、タンタル、窒化タンタル、マンガンルテニウム、コバルト含有窒化タンタル、ルテニウム等である。
【0021】
層間絶縁膜12及び13a中には、多層間接続ビア241が形成されている。多層間接続ビア241は,例えば、銅、コバルト、ルテニウムを含む。また、図示していないが、配線231等と同様に、多層間接続ビアが下地のバリアメタル膜を有しても良い。多層間接続ビア241の側面には、バリア絶縁膜241bが形成されている。バリア絶縁膜241bは、例えば、シリコン酸化膜(SiO)やシリコン窒化膜(SiN)、シリコン炭窒化膜(SiCN)、シリコン炭化膜(SiC)等である。
【0022】
これらの配線、多層間接続ビア、ビア、層間絶縁膜の材料は、他の層の配線、多層間接続ビア、ビア、層間絶縁膜にも適用しても良い。
【0023】
図2Aの場合、多層間接続ビア241が形成された後に、層間絶縁膜13bが形成され、配線233及びビア253が形成される。そのため、多層間接続ビア241上には、配線233のバリアメタル膜233bが形成されることとなる。
【0024】
図2Bは、本実施形態における、別の断面構造の例である。
図2Bの例は、多層間接続ビア241上の少なくとも一部にバリアメタル膜233bが形成されていない点が相違する。バリアメタル膜233bは、例えば、絶縁膜上に選択的に形成される条件で形成される。
【0025】
図2Bの構成の場合、多層間接続ビア241は、バリアメタル膜233bを介さずに配線233と接続するため、電気抵抗を低減することが出来る。
【0026】
図2Cは、本実施形態における、別の断面構造の例である。
図2Cの例では、配線233等がバリアメタル膜を有さない点で他の例と相違する。例えば配線233の材料がコバルトやルテニウムである場合に、バリアメタル膜の形成を省略したためである。
【0027】
また、
図2Cの例では、1つの層間絶縁膜13中に、多層間接続ビア241の上側部分と配線233が形成されている。この例では、層間絶縁膜13の形成後に、多層間接続ビア241が形成される溝を層間絶縁膜12および13に形成する。次に、層間絶縁膜13中に配線233が形成される溝と、ビア253が形成される溝とを形成する。次に、これらの溝にコバルトまたはルテニウムを含む金属を埋め込むことにより、多層間接続ビア241、配線233、ビア252を一体に形成する。なお、1つの層間絶縁膜に、多層間接続ビアの上側部分と、当該多層間接続ビアの上の配線とが形成される構成は、
図2Cに限られず、例えば
図2AまたはBの構成にも適用しても良い。
【0028】
図2A~2Cの多層間接続ビア及び配線、層間絶縁膜の構成は、第1実施形態の各変形例や、他の実施形態に適用しても良い。
【0029】
以下に、第1実施形態の変形例1~6を説明する。変形例1~6は、いずれも例として多層間接続ビア241、配線233を用いて説明するが、他の層の多層間接続ビアや配線等に本変形例を適用しても良い。また、変形例1~6の構成は、互いに組み合わせても良く、他の実施形態とも組み合わせても良い。
【0030】
(第1実施形態の変形例1)
図3A及びBは、第1実施形態の変形例1を図示したものである。なお、
図3Aでは、回路領域1aに配置された配線等の構成の図示は省略している。
図1Bの例では、平面視で、溝状の多層間接続ビア241が外側に配置され、溝状のビア253が内側に配置されている。一方、本変形例1のように、平面視で、溝状の多層間接続ビア241が内側に配置され、溝状のビア253が外側に配置されている点で相違する。
図1Bのガードリング2に代わって、本変形例1の構成としても良い。
【0031】
(第1実施形態の変形例2)
図4A及びBは、第1実施形態の変形例2を図示したものである。なお、
図4Aでは、回路領域1aに配置された配線等の構成の図示は省略している。変形例2のガードリング2では、多層間接続ビア241が複数配置されている。
図1Bのガードリング2に代わって、本変形例2の構成としても良い。
【0032】
なお、多層間接続ビア241の配置数は3本に限られず、2本、または4本以上であってもよい。また、図示は省略しているが、ガードリング2は、平面視で回路領域1aを囲み、上下の配線層を接続する溝状のビア(例えばビア253)を、複数の多層間接続ビアの内側または外側に有しても良い。
【0033】
(第1実施形態の変形例3)
図5A及びBは、第1実施形態の変形例3を図示したものである。なお、
図5Aでは、回路領域1aに配置された配線等の構成の図示は省略している。変形例3のガードリング2では、溝状のビア253が、平面視で2本の多層間接続ビア241の間に配置されている。
図1Bのガードリング2に代わって、本変形例3の構成としても良い。なお、多層間接続ビア241の本数を3本以上としても良い。また、多層間接続ビア241と、溝状のビア253とを、平面視でそれぞれを交互に配置しても良い。
【0034】
(第1実施形態の変形例4)
図6及び
図7A~7Lを用いて、第1実施形態の変形例4を説明する。
図6に示すように、ガードリング2は、半導体装置1の4つの角近傍に位置し、屈曲する屈曲部2bと、2つの屈曲部2bの間に位置し、端1cに沿って位置する辺2aとを有する。なお、
図6では、半導体素子1の左辺のみに辺2aを示しているが、半導体素子1の上辺、下辺、右辺においても同様の構成としても良い。また、屈曲部2bは、ガードリング2の左上の角部分のみを示しているが、左下、右下、右上の角部分も同様の構成としても良い。
【0035】
図7A~7Lは、
図6のガードリング2のうち、辺2aの一部を拡大した平面図である。なお、
図7A~7Lでは、変形例4を配線233および多層間接続ビア241等を用いて説明するが、これは例示であり、他の層に形成された配線や多層間接続ビア、ビア、コンタクトビア等に本変形例を適用しても良い。
【0036】
図7Aに示したように、辺2aでは、配線233と多層間接続ビア241とが、平面視で直線状に配置されても良い。
【0037】
また、
図7Bに示したように、辺2aでは、多層間接続ビア241と配線233とが平面視で屈曲して配置されていてもよい。なお、
図7Bでは、多層間接続ビア241及び配線233は平面視で内角が90度となるように屈曲しているが、屈曲する角度はこれに限られず、例えば、それぞれ異なる角度で屈曲しても良い。また、多層間接続ビア241及び配線233は、平面視で同一方向に2回屈曲した後、反対の方向に2回屈曲する構成を繰り返した配置となっているが、同一方向に屈曲する回数は3回以上であっても良く、その際の屈曲する角度の内角が90度より小さくても良い。
【0038】
また、
図7Cに示したように、辺2aでは、平面視で多層間接続ビア241が屈曲して配置され、平面視で配線233が直線状にかつ、多層間接続ビア241と重畳して配置されていてもよい。なお、
図7Cでは、多層間接続ビア241は平面視で内角が90度となるように屈曲しているが、屈曲する角度はこれに限られず、例えば、それぞれ異なる角度で屈曲しても良い。また、多層間接続ビア241、平面視で同一方向に2回屈曲した後、反対の方向に2回屈曲する構成を繰り返した配置となっているが、同一方向に屈曲する回数は3回以上であっても良く、その際の屈曲する角度の内角が90度より小さくても良い。
【0039】
また、
図7Dに示したように、辺2aでは、平面視で多層間接続ビア241と配線233とがジグザグ状に配置されてもよい。なお、
図7Dでは、多層間接続ビア241と配線233とが、内角が120度となるように屈曲しているが、屈曲する角度は120度よりも大きくても小さくても良い。例えば、多層間接続ビア241と配線233とが、平面視で90度に屈曲していても良い。
【0040】
また、
図7Eに示したように、辺2aでは、平面視で多層間接続ビア241がジグザグ状に配置され、平面視で配線233が直線状にかつ、多層間接続ビア241と重畳して配置されていてもよい。なお、
図7Eでは、多層間接続ビア241が、内角が120度となるように屈曲しているが、屈曲する角度は120度よりも大きくても小さくても良い。例えば、多層間接続ビア241が、平面視で90度に屈曲していても良い。
【0041】
また、
図7Fに示したように、辺2aでは、1つの配線233に対して溝状に延在する多層間接続ビア241を複数配置するものとしても良い。この場合、多層間接続ビア241の配置数は3つに限られず、2つでも良く、4つ以上でも良い。なお、第1実施形態の変形例2を、
図7Fのように変形しても良い。
【0042】
また、
図7Gに示したように、辺2aでは、多層間接続ビア241と配線233とが、平面視で不連続に配置されたものでもよい。また、不連続に配置された多層間接続ビア241及び配線233が、平面視で直線状に配置されても良い。
【0043】
また、
図7Hに示したように、辺2aでは、不連続に複数配置された多層間接続ビア241と配線233とが、内側と外側とで、平面視で互い違いに配置されたものでもよい。また、不連続に配置された多層間接続ビア241及び配線233は、内側および外側のそれぞれで、平面視で直線状に配置されても良い。
【0044】
また、
図7Iに示したように、辺2aでは、平面視で複数の多層間接続ビア241が不連続に配置され、配線233が連続し、かつ、不連続な多層間接続ビア241と重畳して配置されても良い。また、配線233が平面視で直線状に配置され、複数の不連続な多層間接続ビア241が平面視で直線状に配置されても良い。
【0045】
また、
図7Jに示したように、辺2aでは、平面視で内側および外側で互い違いに複数配置された不連続な多層間接続ビア241があり、配線233が連続し、かつ、不連続な複数の多層間接続ビア241と重畳して配置されても良い。また、不連続に配置された多層間接続ビア241は、内側および外側のそれぞれで、平面視で直線状に配置されても良い。また、配線233は直線状に配置されても良い。
【0046】
また、
図7Kに示したように、辺2aでは、平面視で、不連続な多層間接続ビア241があり、その間にビア253が例えば2つ配置されて、連続する配線233が多層間接続ビア241及びビア253を重畳して配置しても良い。なお、ビア253の配置数は2つに限られず、1または3以上の数を配置しても良い。
【0047】
図7Lは、
図7KのE-E'で示す箇所の断面図である。多層間接続ビア241は、配線231上に配置される。また、配線231と配線233との間には、配線232が配置されている。また、配線231と配線232との間にビア252が配置されても良い。
【0048】
図7A~7Kでは図示していないが、多層間接続ビア241の下に配置される配線231は、各変形例において、平面視で配線233と同じ配置としても良いし、異なる配置としても良い。
【0049】
また、
図7A~7Kの変形例をそれぞれ組み合わせてもよい。例えば、
図7B~7Eの屈曲した多層間接続ビア241を、
図7G~7Kのように不連続に配置する構成としても良い。また、ガードリング2の1つの辺2aにおいて、
図7A~7Kの変形例のうち異なる複数種類が適用されたものであっても良い。また、
図7Kのビア253を、例えば
図7Jの変形例に適用してもよい。また、各変形例において、
図7Gのように、1つの配線233に対して複数の多層間接続ビア241を配置しても良い。また、第1実施形態の変形例2,3のように多層間接続ビア241が複数配置された場合、複数の多層間接続ビアのそれぞれは、
図7A~7Kの変形例のいずれかで同じ配置としても良いし、それぞれ異なる配置としても良い。
【0050】
また、他の実施形態(後述する第2~5実施形態)のガードリング2に、本変形例の一または複数の組み合わせを適用しても良い。また、実施形態5の耐湿リング3にも同様に変形例4の一または組み合わせを適用しても良い。
【0051】
また、
図7A~7Lの変形例を、ガードリング2の左辺以外の辺に適用する場合、それぞれ平面視で回転し、端1cに沿って延在するように配置する。
【0052】
(第1実施形態の変形例5)
図6及び
図8A~8Jを用いて、第1実施形態の変形例5を説明する。
図8A~8Jは、
図6のガードリング2のうち、屈曲部2bの一部を拡大した平面図である。なお、
図6では、屈曲部2bは、ガードリング2の左上の角部分のみを示しているが、左下、右下、右上の角部分も同様の構成としても良い。
【0053】
図8Aの例では、屈曲部2bでは、多層間配線ビア241と配線233とが、平面視で内角が90度となるように屈曲していても良い。
【0054】
また、
図8Bの例では、屈曲部2bでは、多層間配線ビア241と配線233とが、平面視で内角が90度より大きい角度で複数回屈曲していても良い。
図8Bの例では、多層間配線ビア241及び配線233は内角135度で2回屈曲し、屈曲部2b全体では90度に屈曲している。なお、屈曲回数は3回以上でも良い。また、屈曲する角度は135度に限られない。また、複数回屈曲する際にそれぞれ異なる角度で屈曲しても良い。また、
図8Bの例では屈曲部2bを1つのみ図示しているが、2以上の数を配置しても良い。
【0055】
また、
図8Cの例では、屈曲部2bでは、配線233が平面視で内角90度に屈曲し、配線233が屈曲する部分で多層間接続ビア241が不連続となっていても良い。
図8Cの例では屈曲部2bを1つのみ図示しているが、2以上の数を配置しても良い。
【0056】
また、
図8Dの例では、屈曲部2bでは、配線233と多層間接続ビア241とが不連続となっていても良い。
図8Dの例では屈曲部2bを1つのみ図示しているが、2以上の数を配置しても良い。
【0057】
また、
図8Eの例では、屈曲部2bでは、配線233が平面視で内角90度に屈曲し、配線233が屈曲する部分に溝状ではない多層間接続ビア241が配置されても良い。また、溝状の多層間接続ビア241が当該溝状ではない多層間接続ビア241と不連続に配置されても良い。
図8Eの例では屈曲部2bを1つのみ図示しているが、2以上の数を配置しても良い。
【0058】
また、
図8Fの例では、屈曲部2bでは、3つの多層間接続ビア241と、3つの多層間接続ビア244と重畳する1つの配線233とが、それぞれ平面視で内角90度に屈曲していても良い。なお、多層間接続ビア241の数は3に限られず、例えば、2または4以上であっても良い。
【0059】
また、
図8Gの例では、屈曲部2bでは、3つの多層間接続ビア241と、3つの多層間接続ビア244と重畳する1つの配線233とが、それぞれ平面視で内角が90度より大きい角度で複数回屈曲していても良い。
図8Gの例では、多層間配線ビア241及び配線233は内角135度で2回屈曲し、屈曲部2b全体では90度に屈曲している。なお、屈曲回数は3回以上でも良い。また、屈曲する角度は135度に限られない。また、複数回屈曲する際にそれぞれ異なる角度で屈曲しても良い。なお、多層間接続ビア241の数は3に限られず、例えば、2または4以上であっても良い。
【0060】
また、
図8Hの例では、屈曲部2bでは、3つの多層間接続ビア241が平面視で内角が90度より大きい角度で複数回屈曲し、3つの多層間接続ビア241と重畳する配線233が内角90度に1回屈曲して配置されていても良い。
図8Hの例では、多層間配線ビア241は内角135度で2回屈曲し、屈曲部2b全体では90度に屈曲している。なお、多層間配線ビア241の屈曲回数は3回以上でも良い。また、多層間配線ビア241の屈曲する角度は135度に限られない。また、多層間配線ビア241が複数回屈曲する際にそれぞれ異なる角度で屈曲しても良い。なお、多層間接続ビア241の数は3に限られず、例えば、2または4以上であっても良い。
【0061】
また、
図8Iの例では、屈曲部2bでは、外側において平面視で内角90度に屈曲する配線233及び多層間接続ビア241と、内側において平面視で内角が90度より大きい角度で複数回屈曲する配線233及び多層間接続ビア241とを有しても良い。内側の配線233及び多層間配線ビア241は内角135度で2回屈曲し、屈曲部2b全体では90度に屈曲しているが、その屈曲回数は3回以上でも良く、屈曲する角度はそれぞれ異なる角度であっても良い。また、内側の配線233及び多層間接続ビア241を外側に配置し、外側の配線233及び多層間接続ビア241を内側に配置しても良い。また、内側の配線233及び多層間接続ビア241と、外側の配線233及び多層間接続ビア241とのいずれか又は両方が、複数配置されても良い。
【0062】
また、
図8Jの例では、屈曲部2bでは、外側において平面視で内角90度に屈曲する多層間接続ビア241と、外側において平面視で90度より大きい角度で複数回屈曲する多層間接続ビア241を有する。また、屈曲部2bでは、内側及び外側の多層間接続ビア241と重畳し、平面視で内角90度に屈曲する配線233を有する。内側の多層間配線ビア241は内角135度で2回屈曲し、屈曲部2b全体では90度に屈曲しているが、その屈曲回数は3回以上でも良く、屈曲する角度はそれぞれ異なる角度であっても良い。また、内側の多層間接続ビア241を外側に配置し、外側の多層間接続ビア241を内側に配置しても良い。また、内側の多層間接続ビア241と、外側の多層間接続ビア241とのいずれか又は両方が、複数配置されても良い。
【0063】
図8A~8Jでは図示していないが、多層間接続ビア241の下に配置される配線231は、各変形例において、平面視で配線233と同じ配置としても良いし、異なる配置としても良い。
【0064】
また、
図8A~8Jの変形例をそれぞれ組み合わせてもよい。例えば、
図8F~8Jのように複数配置された多層間接続ビア241を、
図8Cや
図8Eのように不連続に配置する構成としても良い。また、半導体装置1の4つの角のそれぞれの近傍に位置する屈曲部2bにおいて、それぞれ
図8A~8Jのうち同一の変形例を適用しても良いし、異なる変形例を適用しても良い。
【0065】
また、他の実施形態(後述する第2~5実施形態)のガードリング2に、本変形例の一または複数の組み合わせを適用しても良い。また、実施形態5の耐湿リング3にも同様に変形例5の一または組み合わせを適用しても良い。
【0066】
また、
図8A~8Jの変形例を、ガードリング2の左上の屈曲部2b以外の屈曲部に適用する場合、それぞれ平面視で回転して配置する。
【0067】
(第1実施形態の変形例6)
図9A~9Dを用いて、第1実施形態の変形例6を説明する。
図9A~9Dは、ガードリング2の断面構造を図示したものである。
【0068】
図9Aに示すように、ガードリング2は、多層間接続ビアを1つのみ(例では多層間接続ビア241のみ)を有するものとしても良い。なお、1つの多層間接続ビアは、多層間接続ビア241とは異なる層に形成されても良い。
【0069】
図9Bに示すように、ガードリング2は、例えば基板20とM1層の配線231とを接続し、コンタクトビア250とは接続しない多層間接続ビア2401を有しても良い。また、基板20に接続する多層接続ビアは、M1層の配線231よりも上の層の配線に接続し、基板20と当該上の層の配線との間の層の配線及びコンタクトビア250と接続しないものであっても良い。
【0070】
図9Cに示すように、ガードリング2は、コンタクトビア250とM2層の配線232とを接続し、M1層の配線231接続しない多層間接続ビア2402を有するものであっても良い。また、コンタクトビア250に接続する多層間接続ビアは、M2層の配線231よりも上の層の配線と接続し、コンタクトビア250と当該上の層の配線との間の層の配線には接続しないものであっても良い。
【0071】
図9Dに示すように、ガードリング2は、M1層の配線231と、M1層の3つ上のM4層の配線234とを接続し、M2層の配線232及びM3層の配線233に接続しない多層間接続ビア2414を有するものとしても良い。このような構成とすることで、配線とその上の層間絶縁膜との間の界面がより少なくなり、クラックの伝播を抑制することが出来る。なお、多層間接続ビアは、下の層の配線層と、当該下の層の配線層の4つ以上上の層の配線と接続するものであっても良い。また、本変形例の多層間接続ビアを異なる配線層に形成しても良い。
【0072】
(第2実施形態)
図10A及びBを用いて、第2実施形態を説明する。本実施形態では、第1実施形態と同様に、ガードリング2は平面視で回路領域1aを囲んで配置される。
【0073】
図10Aは、
図1Aの半導体素子1の左上の角近傍の部分(点線枠の部分)に対応する、第2実施形態における平面図である。なお、
図10Aでは、回路領域1aに配置された配線等の構成の図示は省略している。
図10Bは、
図10AのF-F'の箇所の断面図である。
図10Bに示すように、ガードリング2は、外側(端1cに違い側)に基板20と配線231とを接続する多層間接続ビア2401、配線231と配線233とを接続する多層間接続ビア241、配線233と配線235とを接続する多層間接続ビア243を有する。また、ガードリング2は、内側(端1cから遠い側)に、コンタクトビア250と配線232を接続する多層間接続ビア2402、配線232と配線234とを接続する多層間接続ビア242を有する。このとき、内側の多層間接続ビアと、外側の多層間接続ビアは、
図10Bのように断面方向に互い違いに配置されている。このとき、例えば外側の配線231とその上面の層間絶縁膜12aとの界面において、クラックCRが伝播したとしても、その内側には配線231と層間絶縁膜12aとの界面は存在せず、多層間接続ビア2402が配置されている。そのため、クラックCRの伝播を多層間接続ビア2402で止めることが可能となる。そのため、回路領域1aへのクラックの伝播をより抑制することが可能となる。
【0074】
なお、ガードリング2は、内側に配置された多層間接続ビア及び配線等を外側に配置し、外側に配置された多層間接続ビア及び配線等を内側に配置するものとしても良い。また、
図10Bでは、ガードリング2は外側に多層間接続ビア2401,241,243を有するが、多層間接続ビアを一部のみ配置するものとしても良く、配線235上に更に多層間接続ビアを配置するものとしても良い。同様に、内側の多層間接続ビア2402,242のうち、一部のみを配置するものとしても良く、配線234上に更に多層間接続ビアを配置するものとしても良い。また、第2実施形態のガードリング2の構成を、他の実施形態のガードリング2と組み合わせる構成としても良い。
【0075】
(第3実施形態)
図11A及びBを用いて、第3実施形態を説明する。本実施形態では、第1実施形態と同様に、ガードリング2は平面視で回路領域1aを囲んで配置される。
【0076】
図11Aは、
図1Aの半導体素子1の左上の角近傍の部分(点線枠の部分)に対応する、第3実施形態における平面図である。なお、
図11Aでは、回路領域1aに配置された配線等の構成の図示は省略している。
図11Bは、
図11AのG-G'の箇所の断面図である。
図11Bに示すように、本実施形態のガードリング2は、多層間接続ビア(例として多層間接続ビア2401,241,243)と、配線(例として配線231,233,235)とが階段状の配置されている。このような配置とすることで、クラックCRを多層間接続ビア及び配線の側面に沿うように伝播させ、開口部260に誘導させて終端させることが出来る。このような構成とすることで、回路領域1aへのクラックの伝播を抑制することが出来る。
【0077】
なお、本実施形態のガードリング2の構成を、他の実施形態や変形例のガードリング2の構成と組み合わせたものとしても良い。
【0078】
(第4実施形態)
図12A及びBを用いて、第4実施形態を説明する。本実施形態では、第1実施形態と同様に、ガードリング2は平面視で回路領域1aを囲んで配置される。
【0079】
図12Aは、
図1Aの半導体素子1の左上の角近傍の部分(点線枠の部分)に対応する、第4実施形態における平面図である。なお、
図12Aでは、回路領域1aに配置された配線等の構成の図示は省略している。
図12Bは、
図12AのH-H'の箇所の断面図である。
【0080】
図12A及びBに示すように、本実施形態のガードリング2は、溝状に配置された多層間接続ビア241及び溝状に配置されたビア253が、その上の1つの配線233と接続する。配線233とビア253は、一体に形成されたデュアルダマシン構造となっている。
【0081】
このとき、仮に配線233とその下の多層間接続ビア241との間の界面をクラックCRが伝播したとしても、その内側の配線233はビア253とデュアルダマシン構造となっているため、クラックが伝播する界面が存在しない。
【0082】
よって、仮に多層間接続ビアがクラックの伝播を止めることが出来なかった場合も、ガードリング2の内側の構成により、クラックの伝播を抑制することが出来る。
【0083】
なお、本実施形態のガードリング2の構成を、他の実施形態や変形例のガードリング2の構成と組み合わせたものとしても良い。
【0084】
(第5実施形態)
図13A~13Cを用いて、第5実施形態を説明する。
【0085】
図13Aに示すように、本実施形態では、第1実施形態と同様に、ガードリング2は平面視で回路領域1aを囲んで配置される。また、本実施形態では、例えばガードリング2と回路領域1aとの間に、平面視で回路領域1aを囲む耐湿リング3が配置されている。
図13Bは、
図13Aの半導体素子1の左上の角近傍の部分(点線枠の部分)における平面図である。なお、
図13Bでは、回路領域1aに配置された配線等の構成の図示は省略している。
図13Bでは、例としてM3層の配線233及び333と、その下の多層間接続ビア241、341等を図示するが、他の配線層においても同様の構成としても良い。なお、回路領域1aに配置された配線等の構成の図示は省略している。
図13Cは、
図13BのI-I'の箇所の断面図である。
【0086】
図13B及び13Cに示したように、ガードリング2及び耐湿リング3が周辺領域1bに配置されている。耐湿リング3は、溝状に延在して配置された多層間接続ビア341と、配線333とを有する。配線333は2つ配置され、平面視でそれぞれ2つの多層間接続ビア341と重畳している。また、平面視で2つの多層間接続ビアの間に孔状のビア353が配置されている。配線333と2つの多層間接続ビア241は、それぞれ内角が90度より大きい角度(例えば135度)で2回屈曲している。2回の屈曲部分の間においても、2つの多層間接続ビア241の間にビア353が配置されている。
【0087】
このように、本実施形態では、ガードリング2の内側に多層間接続ビアを持つ耐湿リング3が配置されている。この場合、多層間接続ビアの存在により、複数の層間絶縁膜どうしの界面や、層間絶縁膜と配線等との間の界面を通して回路領域1aに水分等が侵入することを抑制することが出来る。そのため、回路領域1aへの水分の侵入に起因する電気特性の変動や、腐食等による信頼性の低下を抑制することが出来る。
【0088】
なお、耐湿リング3の孔状のビア253を平面視で溝状に延在して配置するものとしても良く、ビア253の形成を省略しても良い。また、
図13Bでは、耐湿リング3の配線333と当該配線に接続する多層間接続ビア241との群が2つ配置されているが、配置数を1つとしてもよく、3以上としても良い。また、各配線333に接続する多層間接続ビア341を2つではなく、1または3以上としても良い。また、
図13Cに示したように、耐湿リング3上にパッドパターン371が形成されていても良い。パッドパターン371は平面視で耐湿リング3の一部と重畳して配置されても良く、回路領域1aを平面視で囲むように配置されても良い。また、内側に配置されている耐湿リング3を外側に配置し、外側に配置されているガードリング2を内側に配置しても良い。また、耐湿リング3を配置し、ガードリング2の配置を省略しても良い。
【0089】
なお、耐湿リング3の配線や多層間接続ビア等の構成について、ガードリング2の各実施形態や変形例の構成と同様の構成又はそれらを組み合わせた構成としても良い。
【0090】
本発明は、以上で説明した各実施形態や変形例の具体的な構成に限定されない。例えば、各平面図で図示されていない配線やビア、コンタクトビア、多層間接続ビアも、平面視で回路領域1aを囲むように溝状に延在して配置されたり、各実施形態や変形例のような構成を持つものとしたりしても良い。また、各実施形態や変形例の構成を互いに組み合わせたものとしても良い。
【符号の説明】
【0091】
1 基板
1a 回路領域
1b 周辺領域
1c 端
2 ガードリング
3 耐湿リング
20 基板
31、32、33、34、35、37、231、232、233、234、235、331、332、333、334、335、337 配線
41、43、241、242、243、2401、2402、2412 多層間接続ビア
50、250、350 コンタクトビア
51、52、53、54、55、251、252、253、254、255、351、252、353、354、355 ビア
71 パッド
260 開口部