(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】制御装置、及び太陽光発電システム
(51)【国際特許分類】
H02J 3/38 20060101AFI20231017BHJP
H02H 7/00 20060101ALI20231017BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20231017BHJP
【FI】
H02J3/38 130
H02H7/00 L
H02M7/48 E
(21)【出願番号】P 2021505451
(86)(22)【出願日】2019-03-14
(86)【国際出願番号】 JP2019010540
(87)【国際公開番号】W WO2020183700
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2021-08-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【氏名又は名称】山下 託嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100206760
【氏名又は名称】黒川 惇
(72)【発明者】
【氏名】小倉 遼
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 智子
(72)【発明者】
【氏名】マーティン エリカ
(72)【発明者】
【氏名】内田 強士
【審査官】坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-124166(JP,A)
【文献】国際公開第2017/204038(WO,A1)
【文献】特開2015-115173(JP,A)
【文献】特開平01-313817(JP,A)
【文献】特開2014-079076(JP,A)
【文献】国際公開第2013/014879(WO,A1)
【文献】特開2002-091586(JP,A)
【文献】特表2010-521720(JP,A)
【文献】特開平08-046231(JP,A)
【文献】特開2011-238087(JP,A)
【文献】特開2011-238088(JP,A)
【文献】特開2005-175370(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/38
H02H 7/00
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の太陽電池モジュールをそれぞれ含み、互いに直列に接続された複数の太陽電池モジュールグループと、
前記太陽電池モジュールグループに接続され、前記太陽電池モジュールで発電された直流電力を交流電力に変換するインバータと、
前記太陽電池モジュールグループと前記インバータとの接続を開閉する開閉部と、前記インバータからの制御信号に応じて前記開閉部を開閉制御する制御部と、を含み、前記太陽電池モジュールグループのそれぞれに設置され、前記太陽電池モジュールグループ毎に前記太陽電池モジュールをMPPT制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置の前記開閉部は、半導体リレーと、前記半導体リレーに並列に接続されるメカニカルリレーと、を含み、
前記制御装置の制御部は、前記太陽電池モジュールと前記インバータとを接続するときは、前記半導体リレーをON状態にした後で前記メカニカルリレーをON状態にし、前記メカニカルリレーをON状態にした後で前記半導体リレーをOFF状態にし、前記太陽電池モジュールと前記インバータとの接続を遮断するときは、前記半導体リレーをON状態にした後で前記メカニカルリレーをOFF状態にし、前記メカニカルリレーをOFF状態にした後で前記半導体リレーをOFF状態にする、
太陽光発電システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記太陽電池モジュールからの電力によって駆動される、
請求項1に記載の太陽光発電システム。
【請求項3】
前記制御装置は、電力線通信によって前記インバータからの制御信号を受信する、
請求項1又は2に記載の太陽光発電システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記インバータからの信号を受信する信号受信部と、前記太陽電池モジュールグループと前記インバータとの接続が遮断された状態において前記信号受信部が前記インバータからの制御信号を受信するためのバイパス回路と、を含む、
請求項1から3のいずれか1項に記載の太陽光発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、及び太陽光発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の太陽光発電システムでは、太陽電池モジュールの最適動作点を追従するいわゆるMPPT(最大電力点追従)制御を行うことで太陽光発電システムの発電効率の向上が図られている。例えば、特許文献1には、太陽電池モジュール単位でMPPT制御を実施するために、MPPT制御を行う制御装置を太陽電池モジュール毎に設置した構成が開示されている。このような制御装置は、太陽電池モジュールの出力が低下した場合や、火災等の緊急時などに太陽電池モジュールとインバータとの接続を遮断する開閉部を備えており、開閉部には半導体リレーが用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開2018/0351401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体リレーは、メカニカルリレーに比べてオン抵抗が高いため、半導体リレーを介して太陽電池モジュールとインバータとが導通されている状態では、太陽光発電システムの発電効率が低下してしまう。特に、特許文献1では、太陽電池モジュール毎に制御装置が設置されているので、制御装置を設置した数に比例して太陽光発電システムの発電損失が大きくなる。
【0005】
本発明の課題は、太陽電池モジュールの発電効率の低下を抑制できる制御装置を提供することにある。また、本発明の別の課題は、太陽光発電システムにおいて、制御装置の設置コストの低減化を図りつつ、発電効率の低下を抑制することができる太陽光発電システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る制御装置は、1以上の太陽電池モジュールとインバータとに接続され、太陽電池モジュールをMPPT制御する太陽光発電システムの制御装置である。制御装置は、開閉部と、制御部と、を含む。開閉部は、半導体リレーと、半導体リレーに並列に接続されるメカニカルリレーと、を含み、太陽電池モジュールとインバータとの接続を開閉する。制御部は、インバータからの制御信号に応じて開閉部を開閉制御する。制御部は、太陽電池モジュールとインバータとを接続するときは、半導体リレーをON状態にした後でメカニカルリレーをON状態にし、メカニカルリレーをON状態にした後で半導体リレーをOFF状態にし、太陽電池モジュールとインバータとの接続を遮断するときは、半導体リレーをON状態にした後でメカニカルリレーをOFF状態にし、メカニカルリレーをOFF状態にした後で半導体リレーをOFF状態にする。
【0007】
この制御装置では、太陽電池モジュールとインバータとが接続された状態のとき、すなわち、発電時において、太陽電池モジュールとインバータとがメカニカルリレーを介して接続される。すなわち、通電時の接続は、メカニカルリレーが用いられるので、発電時において、半導体リレーのオン抵抗の影響による発電効率の低下を抑制することができる。また、半導体リレーを連続通電で用いないため、ヒートシンク等の放熱部品を省略して制御装置の小型化を図ることができる。また、メカニカルリレーと半導体リレーとを組み合わせて使用することで、メカニカルリレーのみを用いた場合に比べて、制御部によって開閉部を高頻度で開閉制御することができる。
【0008】
好ましくは、制御装置は、直列に接続された複数の太陽電池モジュールをMPPT制御する。この場合は、制御装置の設置コストの低減化を図りつつ、半導体リレーのオン抵抗の影響による発電効率の低下を抑制することができる。
【0009】
好ましくは、制御装置は、太陽電池モジュールからの電力によって駆動される。この場合は、例えば、既存の太陽光発電システムに制御装置を設置するときにおいて、インバータと制御装置とを接続して制御装置の電源を確保する必要がない。これにより、インバータと制御装置とを接続する追加配線を省略することができるので、制御装置の設置コストの低減を図ることができる。
【0010】
好ましくは、制御装置は、電力線通信によってインバータからの制御信号を受信する。この場合は、例えば、既存の太陽光発電システムに制御装置を設置するときに、インバータと制御装置との通信を確保するための追加配線を省略することができるので、制御装置の設置コストの低減を図ることができる。
【0011】
本発明の一態様に係る太陽光発電システムは、太陽電池モジュールグループと、インバータと、制御装置と、を備える。太陽電池モジュールグループは、複数の太陽電池モジュールをそれぞれ含み、互いに直列に接続される。インバータは、太陽電池モジュールグループに接続され、太陽電池モジュールで発電された直流電力を交流電力に変換する。制御装置は、太陽電池モジュールグループのそれぞれに設置され、太陽電池モジュールグループ毎に太陽電池モジュールをMPPT制御する。制御装置は、開閉部と、制御部と、を含む。開閉部は、半導体リレーと、半導体リレーに並列に接続されるメカニカルリレーと、を含み、太陽電池モジュールグループとインバータとの接続を開閉する。制御部は、インバータからの制御信号に応じて開閉部を開閉制御する。制御部は、太陽電池モジュールとインバータとを接続するときに、半導体リレーをON状態にした後でメカニカルリレーをON状態にし、メカニカルリレーをON状態にした後で半導体リレーをOFF状態にし、太陽電池モジュールとインバータとの接続を遮断するときは、半導体リレーをON状態にした後でメカニカルリレーをOFF状態にし、メカニカルリレーをOFF状態にした後で半導体リレーをOFF状態にする。
【0012】
この太陽光発電システムでは、太陽電池モジュールグループとインバータとが接続された状態のとき、すなわち、発電時において、太陽電池モジュールグループとインバータとがメカニカルリレーを介して接続される。すなわち、通電時の接続は、メカニカルリレーが用いられるので、発電時において、半導体リレーのオン抵抗の影響による発電効率の低下を抑制することができる。また、半導体リレーを連続通電で用いないため、ヒートシンク等の放熱部品を省略して制御装置の小型化を図ることができる。さらに、制御装置が太陽電池モジュールグループ毎に設置されているので、制御装置の設置コストの低減化を図りつつ、半導体リレーのオン抵抗の影響による発電効率の低下を抑制することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、太陽電池モジュールの発電効率の低下を抑制できる制御装置を提供することができる。また、本発明によれば、太陽光発電システムにおいて、制御装置の設置コストの低減化を図りつつ、発電効率の低下を抑制することができる太陽光発電システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の一態様に係る太陽光発電システムの構成を模式的に示すブロック図である。
【
図2】
図2は、制御装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【
図3】
図3は、レギュレータの構成を模式的に示す回路図である。
【
図4】
図4は、開閉部の構成を説明するための図である。
【
図5】
図5は、半導体リレーとメカニカルリレーが動作するタイミングを示すタイミングチャートである。
【
図6】
図6は、太陽電池モジュール毎に制御装置を設置したときの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明の一態様に係る太陽光発電システム1の構成を模式的に示すブロック図である。太陽光発電システム1は、ストリング2と、インバータ3と、複数の制御装置4a~4dと、を備える。
【0016】
ストリング2は、互いに直列に接続された複数の太陽電池モジュールグループ5A~5Dを含む。太陽電池モジュールグループ5A~5Dのそれぞれは、複数の太陽電池モジュール5aを含む。本実施形態における太陽電池モジュールグループ5A~5Dのそれぞれは、直列に接続された4個の太陽電池モジュール5aを含む。すなわち、ストリング2は、直列に接続された16個の太陽電池モジュール5aによって構成されている。なお、太陽光発電システム1は、ストリング2が並列に複数連結された太陽電池アレイを含んでもよい。
【0017】
太陽電池モジュール5aは、太陽光を受けて電力を発電し、発電した電力をインバータ3に出力する。太陽電池モジュール5aの開放電圧は、例えば、50Vである。
【0018】
インバータ3は、電力線6を介してストリング2に接続される。インバータ3は、太陽電池モジュール5aから出力される直流電力を交流電力に変換する。インバータ3は、電力系統7に接続されており、交流電力を商用電力系統や負荷装置に供給する。
【0019】
詳細には、インバータ3は、DC/DCコンバータ3aと、DC/ACインバータ3bと、制御部3cと、を含む。DC/DCコンバータ3aは、太陽電池モジュール5aから出力される電力の電圧を所定の電圧に変換して、DC/ACインバータ3bに入力する。DC/ACインバータ3bは、DC/DCコンバータ3aを介して、太陽電池モジュール5aから出力される直流電力を交流電力に変換する。制御部3cは、CPUやメモリ等を含み、DC/DCコンバータ3a及びDC/ACインバータ3bを制御する。また、制御部3cは、電力線通信によって制御装置4a~4dを個別に制御する。
【0020】
制御装置4a~4dは、太陽電池モジュール5aをMPPT(Maximum Power Point Tracking)制御する。本実施形態では、制御装置4a~4dは、太陽電池モジュールグループ5A~5Dのそれぞれに設置されており、太陽電池モジュールグループ5A~5D毎に太陽電池モジュール5aをMPPT制御する。具体的には、制御装置4aは、太陽電池モジュールグループ5AをMPPT制御する。制御装置4bは、太陽電池モジュールグループ5BをMPPT制御する。制御装置4cは、太陽電池モジュールグループ5CをMPPT制御する。制御装置4dは、太陽電池モジュールグループ5DをMPPT制御する。制御装置4a~4dは、太陽電池モジュールグループ5A~5Dの太陽電池モジュール5aに外付けされている。
【0021】
図2は、制御装置4aの構成を模式的に示すブロック図である。制御装置4aは、レギュレータ11と、制御部12と、メモリ13と、MPPT回路14と、センサ15と、信号受信部16と、開閉部17と、バイパス回路18と、を含む。
【0022】
制御部12は、例えば、プロセッサであり、信号受信部16が受信したインバータ3の制御部3cからの制御信号やセンサ15からの出力信号などに応じてメモリ13に記憶されている種々のプログラムを実行する。メモリ13は、例えば、フラッシュメモリやハードディスクドライブ等の記憶媒体で構成される。
【0023】
制御部12は、インバータ3からの制御信号に応じて、或いはセンサ15からの出力信号に応じて、開閉部17を開閉制御する。また、制御部12は、太陽電池モジュール5aをMPPT制御する。本実施形態では、太陽電池モジュールグループ5Aの太陽電池モジュール5aをまとめてMPPT制御する。詳細には、制御部12は、センサ15からの出力信号に基づき太陽電池モジュールグループ5Aの最適動作点を追従して、太陽電池モジュールグループ5Aが常に最大電力点で動作するようにMPPT回路14により太陽電池モジュールグループ5Aの電圧、電流を制御する。MPPT回路14は、例えば、昇圧回路、降圧回路、或いは昇降圧回路を含む。
【0024】
センサ15は、太陽電池モジュールグループ5Aから出力される電圧値、電流値を測定して制御部12に出力する。
信号受信部16は、インバータ3の制御部3cからの制御信号を受信して、受信した制御信号を制御部12に出力する。信号受信部16は、無線通信によって外部機器から受信した信号を制御部12に出力してもよい。
【0025】
図3は、レギュレータ11の構成を模式的に示す回路図である。 レギュレータ11は、太陽電池モジュール5aで発電された電力を電源として制御装置4aを駆動させる駆動電源を生成し、制御装置4aに安定した駆動電源を供給する。レギュレータ11の構成は、周知の構成であり、入力端子21a,21b、出力端子22a,22b、ラインフィルタ23、コンデンサ24,25、昇圧回路26、スイッチング素子27、制御回路28、トランス29、ダイオード30、DC/DCコンバータ31、フィードバック回路32等を含む。なお、制御装置4aの駆動電源は、外部電源から供給されてもよい。
【0026】
図4は、開閉部17の構成を説明するためのブロック図である。開閉部17は、太陽電池モジュール5aとインバータ3との接続を開閉する。本実施形態では、開閉部17は、太陽電池モジュールグループ5Aとインバータ3との接続を開閉する。太陽電池モジュールグループ5Aは、制御装置4aを介してインバータ3に接続されている。開閉部17は、太陽電池モジュールグループ5Aから出力される電力が低下した場合や、火災等の緊急時などに太陽電池モジュールグループ5Aとインバータ3との接続を遮断するために設けられる。
【0027】
開閉部17は、制御部12によって開閉制御される。開閉部17は、半導体リレー17aと、メカニカルリレー17bと、を含む。半導体リレー17aは、例えば、MOSFETなどのスイッチングデバイスである。メカニカルリレー17bは、半導体リレー17aに並列に接続される。制御装置4aに電源が供給されていないとき、開閉部17は開状態にあり、太陽電池モジュールグループ5Aとインバータ3との接続が遮断された状態にある。したがって、制御装置4aに電源が供給されていないとき、メカニカルリレー17bの接点は、開いた状態(OFF状態)にある。
【0028】
バイパス回路18は、制御装置4aが太陽電池モジュールグループ5Aとインバータ3との接続が遮断された状態のときに制御部3cからの制御信号を信号受信部16が受信できるようにするための回路である。また、バイパス回路18は、太陽電池モジュールグループ5A~5Dのうち、例えば太陽電池モジュールグループ5Aのみを電路から遮断したときに、太陽電池モジュールグループ5B~Dとインバータ3との通電状態を維持するための回路である。制御部12の信号受信部16は、太陽電池モジュールグループ5Aとインバータ3との接続が遮断された状態のときに、バイパス回路18を介して制御部3cからの制御信号を受信することができる。制御装置4b~4dの構成は、制御装置4aと同様の構成であるため説明を省略する。
【0029】
次に、
図5を参照して、制御部12が開閉部17を開閉制御するときの開閉部17の動作について説明する。
図5は、半導体リレー17aとメカニカルリレー17bが動作するタイミングを示すタイミングチャートである。
【0030】
半導体リレー17aとメカニカルリレー17bがともにOFF状態にあるときは、太陽電池モジュールグループ5Aとインバータ3との接続が遮断された遮断状態にある。遮断状態の具体例は、例えば、夜間、或いは雨等の天候の影響で、太陽電池モジュール5aが太陽光を受けていないときや、火災等の緊急時である。このとき、太陽電池モジュールグループ5Aで発電された電力は、インバータ3に出力されない。
【0031】
図5に示すように、制御部12は、インバータ3からの制御信号、或いはセンサ15からの出力信号に応じて遮断状態にある太陽電池モジュールグループ5Aとインバータ3とを接続するとき、最初に半導体リレー17aを接続(ON)する。このとき、メカニカルリレー17bの接点はOFF状態にある。制御部12は、半導体リレー17aを接続状態(ON状態)にした後で、メカニカルリレー17bをON状態にする。そして、制御部12は、半導体リレー17aとメカニカルリレー17bの両方をON状態にした後で、半導体リレー17aのみをOFF状態にする。
【0032】
一方、制御部12は、インバータ3からの制御信号、或いはセンサ15からの出力信号に応じて太陽電池モジュールグループ5Aとインバータ3との接続を遮断するとき、最初にOFF状態の半導体リレー17aをON状態にする。制御部12は、半導体リレー17aをON状態にした後で、メカニカルリレー17bの接点を開いてメカニカルリレー17bをON状態からOFF状態にする。そして、制御部12は、メカニカルリレー17bをOFF状態にした後で、半導体リレー17aをOFF状態にする。
このように制御部12が開閉部17を開閉制御することで、太陽電池モジュールグループ5Aで発電された電力がインバータ3に出力されている状態のときは、太陽電池モジュールグループ5Aとインバータ3とがメカニカルリレー17bを介して接続される。すなわち、通電時の接続はメカニカルリレー17bが用いられる。このため、発電時において、半導体リレー17aのオン抵抗の影響による発電効率の低下を抑制することができる。
【0033】
さらに、本実施形態における太陽光発電システム1は、制御装置4a~4dが太陽電池モジュールグループ5A~5D毎に設置されているので、制御装置4a~4dの設置コストの低減化を図りつつ、半導体リレー17aのオン抵抗の影響による発電効率の低下を抑制することができる。
【0034】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0035】
前記実施形態では、太陽電池モジュールグループ5A~5D毎に制御装置4a~4dを設置していたが、
図6に示すように、制御装置4aを太陽電池モジュール5aのそれぞれに設置してもよい。この場合は、太陽電池モジュール5a単位でMPPT制御され、太陽電池モジュール5a単位で開閉部17が開閉制御される。この場合においても、発電時において、半導体リレー17aのオン抵抗の影響による発電効率の低下を抑制することができる。
前記実施形態では、太陽電池モジュールグループ5A~5Dのそれぞれが、4個の太陽電池モジュール5aを含んでいたが、太陽電池モジュール5aの個数は前記実施形態に限定されるものではない。また、太陽電池モジュールグループ5A~5Dのそれぞれが必ずしも同じ個数の太陽電池モジュール5aを含む必要はない。例えば、太陽電池モジュールグループ5Aが4個の太陽電池モジュール5aを含み、太陽電池モジュールグループ5Bが5個の太陽電池モジュール5aを含んでもよい。また、制御装置4a~4cの配置や設置個数は、前記実施形態に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明によれば、太陽電池モジュールの発電効率の低下を抑制できる制御装置を提供することができる。また、本発明によれば、太陽光発電システムにおいて、制御装置の設置コストの低減化を図りつつ、発電効率の低下を抑制することができる太陽光発電システムを提供することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 太陽光発電システム
3 インバータ
4a~4d 制御装置
5A~5D 太陽電池モジュールグループ
5a 太陽電池モジュール
12 制御部
17 開閉部
17a 半導体リレー
17b メカニカルリレー