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特許7367794情報処理装置、商品管理支援方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、商品管理支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/087 20230101AFI20231017BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20231017BHJP
【FI】
G06Q10/087
G06Q30/06
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022065702
(22)【出願日】2022-04-12
(62)【分割の表示】P 2018136309の分割
【原出願日】2018-07-20
(65)【公開番号】P2022087216
(43)【公開日】2022-06-09
【審査請求日】2022-04-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河野 真理
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-106420(JP,A)
【文献】特開2003-285929(JP,A)
【文献】特開2012-181678(JP,A)
【文献】特許第5623600(JP,B1)
【文献】特開2014-149635(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0004750(US,A1)
【文献】特開2016-053834(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理対象商品毎に当該管理対象商品に対する所定の期限として納品期限、販売期限または賞味期限が対応つけられた在庫情報を記憶させることが可能な情報処理装置であって、
前記管理対象商品に対する管理メニューを第1表示領域に表示させるとともに、前記在庫情報として記憶されている前記管理対象商品の何れかにおける製造日からの経過日数が前記管理対象商品に対する前記所定の期限に基づいて所定の通知対象期間であると判定された場合に前記経過日数が前記通知対象期間内であると判定された前記管理対象商品に対して実行すべき処理であって前記通知対象期間に対応させて予め設定されている実行すべき処理を示す通知パネルを第2表示領域に表示させる表示制御手段を備える、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御手段により表示された通知パネルに対するユーザ操作に応答して前記処理の実行を開始する処理制御手段を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記処理制御手段により前記処理が実行される場合に、前記管理メニューに代えて前記処理の実行内容を前記第1表示領域に表示させる、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記通知対象期間として、少なくとも、納品期限前における所定の期間及び納品期限後の所定の期間のうちのいずれかの期間が設定されている、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
管理対象商品毎に当該管理対象商品に対する所定の期限として納品期限、販売期限または賞味期限が対応つけられた在庫情報を記憶させることが可能な情報処理装置が実行する商品管理支援方法であって、
前記管理対象商品に対する管理メニューを第1表示領域に表示させるとともに、前記在庫情報として記憶されている前記管理対象商品の何れかにおける製造日からの経過日数が前記管理対象商品に対する前記所定の期限に基づいて所定の通知対象期間であると判定された場合に前記経過日数が前記通知対象期間内であると判定された前記管理対象商品に対して実行すべき処理であって前記通知対象期間に対応させて予め設定されている実行すべき処理を示す通知パネルを第2表示領域に表示させる表示制御処理を含む、
ことを特徴とする商品管理支援方法。
【請求項6】
管理対象商品毎に当該管理対象商品に対する所定の期限として納品期限、販売期限または賞味期限が対応つけられた在庫情報を記憶させることが可能な情報処理装置のコンピュータを、
前記管理対象商品に対する管理メニューを第1表示領域に表示させるとともに、前記在庫情報として記憶されている前記管理対象商品の何れかにおける製造日からの経過日数が前記管理対象商品に対する前記所定の期限に基づいて所定の通知対象期間であると判定された場合に前記経過日数が前記通知対象期間内であると判定された前記管理対象商品に対して実行すべき処理であって前記通知対象期間に対応させて予め設定されている実行すべき処理を示す通知パネルを第2表示領域に表示させる表示制御手段として機能させる、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、商品管理支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小売店への納品期限や消費者への販売期限といった各種期限が設定されている商品の販売業務において、期限前の所定のタイミングや期限が到来したタイミングでユーザに通知を行うことで、商品の期限管理を支援する管理装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-67315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、商品の販売業務では、通常、商品に係る期限に基づいて定められた複数の期間の各々において、互いに異なる対処をすることが求められる。例えば、商品の卸売業では、納品期限直前の所定期間では小売店への商品の割引販売を行う一方、納品期限が経過した後の所定期間ではメーカーへの商品の返品を行う、といったように、期間ごとに必要な対処が異なる。
【0005】
このため、上記の通知を受けたユーザは、通知がなされたタイミングが上記複数の期間のうちいずれの期間に属するかを確認した上で、毎回適切な対処を選択して実行する必要がある。このことは、ユーザにとって面倒であるとともに、誤った対処がなされる不具合の発生を招きやすく、不適切な商品管理に繋がる要因にもなっている。
このように、上記従来の技術では、適切に商品を管理するのが容易でないという課題がある。
【0006】
この発明の目的は、容易かつ適切に商品を管理することができる情情報処理装置、商品管理支援方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る情報処理装置は、管理対象商品毎に当該管理対象商品に対する所定の期限として納品期限、販売期限または賞味期限が対応つけられた在庫情報を記憶させることが可能な情報処理装置であって、前記管理対象商品に対する管理メニューを第1表示領域に表示させるとともに、前記在庫情報として記憶されている前記管理対象商品の何れかにおける製造日からの経過日数が前記管理対象商品に対する前記所定の期限に基づいて所定の通知対象期間であると判定された場合に前記経過日数が前記通知対象期間内であると判定された前記管理対象商品に対して実行すべき処理であって前記通知対象期間に対応させて予め設定されている実行すべき処理を示す通知パネルを第2表示領域に表示させる表示制御手段を備える、ことを特徴とする。
また、本発明に係る商品管理支援方法は、管理対象商品毎に当該管理対象商品に対する所定の期限として納品期限、販売期限または賞味期限が対応つけられた在庫情報を記憶させることが可能な情報処理装置が実行する商品管理支援方法であって、前記管理対象商品に対する管理メニューを第1表示領域に表示させるとともに、前記在庫情報として記憶されている前記管理対象商品の何れかにおける製造日からの経過日数が前記管理対象商品に対する前記所定の期限に基づいて所定の通知対象期間であると判定された場合に前記経過日数が前記通知対象期間内であると判定された前記管理対象商品に対して実行すべき処理であって前記通知対象期間に対応させて予め設定されている実行すべき処理を示す通知パネルを第2表示領域に表示させる表示制御処理を含む、ことを特徴とする。
また、本発明に係るプログラムは、管理対象商品毎に当該管理対象商品に対する所定の期限として納品期限、販売期限または賞味期限が対応つけられた在庫情報を記憶させることが可能な情報処理装置のコンピュータを、前記管理対象商品に対する管理メニューを第1表示領域に表示させるとともに、前記在庫情報として記憶されている前記管理対象商品の何れかにおける製造日からの経過日数が前記管理対象商品に対する前記所定の期限に基づいて所定の通知対象期間であると判定された場合に前記経過日数が前記通知対象期間内であると判定された前記管理対象商品に対して実行すべき処理であって前記通知対象期間に対応させて予め設定されている実行すべき処理を示す通知パネルを第2表示領域に表示させる表示制御手段として機能させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、容易かつ適切に商品を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】販売管理装置の機能的構成を示すブロック図である。
図2】食品の流通販売の商慣習を説明する図である。
図3】ロット管理データの内容例を示す図である。
図4】通知条件設定データの内容例を示す図である。
図5】販売管理プログラムが実行されたときに表示部に表示される初期画面を示す図である。
図6】期限通知パネルを拡大して示した図である。
図7】対応処理設定データの内容例を示す図である。
図8】期限通知パネル321Aを選択する入力操作がなされた場合の表示部の表示画面を示す図である。
図9】期限通知パネル321Bを選択する入力操作がなされた場合の表示部の表示画面を示す図である。
図10】期限通知パネル321Cを選択する入力操作がなされた場合の表示部の表示画面を示す図である。
図11】期限通知パネル321Dを選択する入力操作がなされた場合の表示部の表示画面を示す図である。
図12】販売管理処理のCPUによる制御手順を示すフローチャートである。
図13】変形例1における期限通知パネルの表示態様の例を示す図である。
図14】設定画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の情報処理装置及びプログラムに係る実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1は、本実施の形態の販売管理装置1の機能的構成を示すブロック図である。
販売管理装置1(情報処理装置)は、商品に関する各種データを記憶し、商品の売上、仕入及び在庫などに関する複数の業務について、ユーザからの入力操作に応じてデータの集計や帳票の印刷といった所定の処理を実行することで、商品の販売管理業務を支援する。本実施形態では、メーカーから商品としての食品を納入して小売業者に卸す卸売業における販売管理を例に挙げて説明する。
販売管理装置1は、商品の販売管理業務を行う者が使用する端末装置である。この販売管理装置1は、例えば、ノートPC(Personal Computer)、デスクトップPC、スマートフォン、タブレット型端末などである。
【0012】
販売管理装置1は、CPU11(Central Processing Unit)と、RAM12(Random Access Memory)と、記憶部13と、操作部14と、表示部15と、通信部16と、バス17などを備えている。販売管理装置1の各部は、バス17を介して接続されている。
【0013】
CPU11は、販売管理装置1の各部を制御する。CPU11は、記憶部13に記憶されているシステムプログラム及びアプリケーションプログラムのうち、指定されたプログラムを読み出してRAM12に展開し、当該プログラムに従って各種処理を実行する。当該処理を実行することで、CPU11は、判別手段111、通知手段112、処理手段113及び設定手段114として機能する。
【0014】
RAM12は、例えば、揮発性のメモリであり、CPU11により読み出された各種のプログラムやデータを一時的に格納するワークエリアを有する。
【0015】
記憶部13は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)といった、データの書き込み及び読み出しが可能な記憶装置を備え、各種のプログラムやデータを含むファイル等を記憶する。具体的には、記憶部13には、管理対象の商品のロットごとの情報を含むロット管理データ131、後述する販売管理動作における通知条件が定められた通知条件設定データ132、後述する対応処理の内容が定められた対応処理設定データ133、及び販売管理装置1により販売管理動作を実行させるための販売管理プログラム134などが記憶されている。
【0016】
操作部14は、キーボード等のキー入力部と、マウス等のポインティングデバイスとを有し、ユーザ(オペレータ)からのキー操作入力及び位置操作入力を受け付け、その操作情報をCPU11に出力する。
【0017】
表示部15は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等で構成され、CPU11から指示された表示情報に従い各種表示を行う。
【0018】
通信部16は、ネットワークカード等により構成され、通信ネットワーク(図示略)上のデータベース等の機器に接続される。通信ネットワークは、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等である。CPU11は、通信部16を介して、通信ネットワーク上の機器と通信が可能である。また、本実施形態の販売管理装置1は、通信部16を介して外部の印刷装置(不図示)に接続されており、販売管理装置1で作成された伝票や送り状などを当該印刷装置で印刷できるようになっている。
【0019】
なお、本実施形態では、販売管理動作に必要なロット管理データ131、通知条件設定データ132、対応処理設定データ133及び販売管理プログラム134が記憶部13に記憶されているが、これに限られず、上記のデータやプログラムの一部又は全部を外部のサーバ装置に記憶させ、販売管理装置1が当該サーバ装置から通信部16を介して必要な情報を取得して動作するようにしても良い。
【0020】
次に、販売管理装置1の販売管理動作について説明する。
ここではまず、本実施形態の販売管理装置1による管理対象である食品の流通販売の商慣習について説明する。
【0021】
図2は、食品の流通販売の商慣習を説明する図である。
食品の流通販売では、製造日から賞味期限までの期間(図2では6か月)を三等分して、製造日から当該期間の1/3(2か月)が経過した日を小売業への納品期限とし、製造日から当該期間の2/3(4か月)が経過した日を消費者への販売期限とする商慣習がある。このようなルールは、3分の1ルールとも呼ばれている。
【0022】
図2では、食品の流通販売に関わるメーカー、卸売業者、小売業者、消費者及びフードバンクによる行為が示されている。以下、本実施形態の販売管理装置1による管理が行われている卸売業者を主体として各行為を説明する。
【0023】
卸売業者は、まず、製造日から納品期限までの間にメーカーから商品を仕入れ、当該期間内に小売業者に納品する。また、納品期限前の所定期間(図2の期間A)では、卸売業者は、小売業者に対する割引販売を行うことがある。
納品期限の経過後から販売期限までの期間Bでは、卸売業者は、納品期限が過ぎた商品をメーカーに返品する。また、この期間Bが終了するまでに(すなわち販売期限までに)、小売業者から消費者へ商品が販売される。
販売期限の経過後から賞味期限までの期間Cにおいて、卸売業者の手元に残っている商品については、メーカーへの返品や小売業者への納品ができないため、通常、廃棄処分とされるが、近年ではフードバンクへの寄贈といった方策によって、廃棄される食品を低減する活動も行われている。ここで、フードバンクは、販売期限の過ぎた商品や規格外品などを引き取って、福祉施設等へ無料で提供する団体である。本実施形態では、期間Cにおいて卸売業者からフードバンクへ食品が寄贈される例を挙げて説明する。
賞味期限が経過した後の期間Dでは、フードバンクへの寄贈などもできないため、食品の廃棄処分がなされる。
【0024】
また、食品の流通販売では、同一種類の商品であって製造日が同じであるものの集まり(ロット)を単位として期限管理が行われる。販売管理装置1の記憶部13に記憶されたロット管理データ131では、商品のロットごとに各種情報が管理されている。
【0025】
図3は、ロット管理データ131の内容例を示す図である。
図3のロット管理データ131は、商品(ここでは「もも(缶詰)」)のロットごとに、商品コード、商品名、ロット番号(ここでは、11001~11004)、納品期限、販売期限、賞味期限及び残数(在庫数)が記憶されたテーブルデータである。
【0026】
販売管理装置1の販売管理動作では、このロット管理データ131における各種期限が参照されて、図2の期間A~Dに該当するロットがあるか否かが判別される。そして、期間A~Dのいずれかに該当しているロットがある場合には、ユーザに対し、当該ロットが期間A~D(複数の通知対象期間)のいずれかに該当している旨の通知がなされる。
ここで、期間A~Dのうちいずれか一の期間内であるか否かを判別する処理が、判別処理に対応する。また、期間A~Dのいずれかに該当している旨の通知を行うユーザに行う処理が、通知処理に対応する。また、以下では、「期間A~Dのいずれかに該当している」ことを、「通知条件を満たす」とも記す。
この通知動作は、記憶部13に記憶された通知条件設定データ132における設定に基づいて行われる。
【0027】
図4は、通知条件設定データ132の内容例を示す図である。
通知条件設定データでは、期間A~Dの各々に該当するか否かを判別するために用いられる条件式(販売管理装置1のシステム日付が満たすべき条件)と、各期間において、上記の通知によりユーザに対して実行が促される対処(アクション)とが対応付けられて記憶されている。
図4の通知条件設定データ132によれば、販売管理装置1のシステム日付が「納品期限-n日<システム日付」(nは所定の自然数。本実施形態ではn=7とする。)を満たす場合に、期間A(納品期限接近)と判別されて、商品の値引販売を促す通知が行われる。
また、システム日付が「納品期限<システム日付≦販売期限」を満たす場合に、期間B(納品期限切れ)と判別されて、仕入先への返品を促す通知が行われる。
また、システム日付が「販売期限<システム日付≦賞味期限」を満たす場合に、期間C(販売期限切れ)と判別されて、フードバンクへの寄贈を促す通知が行われる。
また、システム日付が「賞味期限<システム日付」を満たす場合に、期間D(賞味期限切れ)と判別されて、廃棄処分を促す通知が行われる。
これらの通知は、例えば販売管理プログラム134が実行されたときの初期画面などで行われる。
【0028】
図5は、販売管理プログラム134が実行されたときに表示部15に表示される初期画面を示す図である。
この初期画面では、画面の左側にメニュー画面21が表示され、画面の右側にサポートパネル画面31が表示されている。上述した通知は、このサポートパネル画面31において表示される期限通知パネル321A~321D(通知標識)(以下では、互いに区別しない場合には期限通知パネル321とも記す)により行われる。
以下では、表示部15の表示画面のうち、図5においてメニュー画面21が表示されている領域を「左側画面」とも記し、サポートパネル画面31が表示されている領域を「右側画面」とも記す。
【0029】
メニュー画面21では、販売管理装置1でサポートされている複数の業務に係る処理を開始させるためのメニューボタン211a~211hが表示されている。メニューボタン211a~211hは、操作部14に対する所定の入力操作(例えば、画面上でマウスポインタを重ねた状態でマウスのボタンをクリックする操作)により選択することが可能なソフトウェアボタンである。
【0030】
詳しくは、メニューボタン211aは、商品の見積に関する見積業務の処理を開始させるためのボタンである。見積業務では、商品の見積書の作成のためのデータ入力や、見積書の印刷などが行われる。
メニューボタン211bは、商品の受注に関する受注業務の処理を開始させるためのボタンである。受注業務では、顧客からの発注内容に係る受注伝票の作成のためのデータ入力や、受注伝票の印刷などが行われる。
メニューボタン211cは、商品の売上に関する売上業務の処理を開始させるためのボタンである。売上業務では、受注した商品のうち納品することが確定したものについて、売上伝票(納品書)の作成のためのデータ入力や、売上伝票の印刷などが行われる。
メニューボタン211dは、商品の発送に関する発送業務の処理を開始させるためのボタンである。発送業務では、売上伝票に記載した商品を発送するための送り状の作成のためのデータ入力や、送り状の印刷などが行われる。
メニューボタン211eは、商品の発注に関する発注業務の処理を開始させるためのボタンである。発注業務では、商品の仕入れ先に送付する見積書及び発注書の作成のためのデータ入力や、見積書及び発注書の印刷などが行われる。
メニューボタン211fは、商品の仕入れに関する仕入業務の処理を開始させるためのボタンである。仕入業務では、仕入を行った商品に関する仕入伝票の作成のためのデータ入力や、仕入伝票の印刷などが行われる。また、商品の返品に関する業務も、この仕入業務で行われる。
メニューボタン211gは、商品の在庫管理に関する在庫管理業務の処理を開始させるためのボタンである。在庫管理業務では、在庫商品に関するデータベースの管理や、入庫伝票、出庫伝票の作成のためのデータ入力、及び入庫伝票、出庫伝票の印刷などが行われる。在庫商品の廃棄に関する業務も、この在庫管理業務で行われる。
メニューボタン211hは、販売管理装置1の動作設定を行うためのボタンである。この動作設定では、期限通知パネル321の表示時期や表示態様の設定などを行うことができる。
これらのメニューボタン211a~211hのうちいずれかを選択する入力操作がなされると、左側画面には、メニュー画面21に代えて、選択されたメニューボタンに対応する業務の内容を表示する業務画面が表示される。
【0031】
また、サポートパネル画面31には、ユーザの作業をサポートするための各種サポートパネルが表示される。サポートパネルとしては、上述した期限の通知を行うための期限通知パネル321の他、データの整理やバックアップといった必要なメンテナンス動作が所定期間行われていないことなどの警告を行う警告パネル322、及びユーザに参考情報を提示するための情報提示パネル323(図8参照)などがある。以下では、期限通知パネル321、警告パネル322及び情報提示パネル323をまとめてサポートパネル32とも記す。
【0032】
これらのサポートパネル32は、メニューボタン211a~211hと同様に、操作部14に対する所定の入力操作により選択することが可能なソフトウェアボタンである。
メニュー画面21を左側画面に、またサポートパネル画面31を右側画面にそれぞれ同時に表示させることで、ユーザは、メニュー画面21の操作を行いながら、サポートパネル32により種々の気付きを得ることができる。
【0033】
図5におけるサポートパネル画面31では、図3のロット管理データ131における各ロットの商品について、図4の通知条件設定データ132に基づいてシステム日付の条件が判別された結果、4つの期限通知パネル321A~321Dが表示されている。
ここでは、図5のサポートパネル画面31の表示処理が開始された時点でのシステム日付が2018年6月7日であったものとする。このシステム日付に対しては、図3のロット番号11004のロットが期間A(納品期限接近)に該当し、ロット番号11003のロットが期間B(納品期限切れ)に該当し、ロット番号11002のロットが期間C(販売期限切れ)に該当し、ロット番号11001のロットが期間D(賞味期限切れ)に該当する。
【0034】
図6は、図5の4つの期限通知パネル321A~321Dを拡大して示した図である。
このうち「納期期限接近」と記された期限通知パネル321Aは、ロット番号11004のロットが期間Aに該当することを通知するパネルである。この期限通知パネル321Aでは、アクションの欄に「売上時、値引設定」と記されており、当該ロットについて値引設定をした上で売上処理を行うことがユーザに促されている。
また、「納期期限切れ」と記された期限通知パネル321Bは、ロット番号11003のロットが期間Bに該当することを通知するパネルである。この期限通知パネル321Bでは、アクションの欄に「仕入先へ返品」と記されており、当該ロットを仕入先に返品することがユーザに促されている。
また、「販売期限切れ」と記された期限通知パネル321Cは、ロット番号11002のロットが期間Cに該当することを通知するパネルである。この期限通知パネル321Cでは、アクションの欄に「フードバンクへ寄贈」と記されており、当該ロットをフードバンクに寄贈することがユーザに促されている。
また、「賞味期限切れ」と記された期限通知パネル321Dは、ロット番号11001のロットが期間Dに該当することを通知するパネルである。この期限通知パネル321Dでは、アクションの欄に「廃棄処分」と記されており、当該ロットを廃棄することがユーザに促されている。
【0035】
期限通知パネル321A~321Dのいずれかを選択する入力操作がなされると、選択された期限通知パネル321で促されているアクションに対応する対応処理(換言すれば、期間A~Dのうち該当している期間に対応する対応処理)が実行されて、左側画面において当該対応処理の処理内容が表示される。期限通知パネル321A~321Dのいずれかを選択する入力操作は、「通知に対応するユーザからの所定の入力操作」に対応する。
この対応処理は、記憶部13に記憶された対応処理設定データ133における各種設定に基づいて行われる。
【0036】
図7は、対応処理設定データ133の内容例を示す図である。
対応処理設定データ133では、期限通知パネル321A~321Dを選択する入力操作がなされた場合に実行される対応処理と、当該対応処理において行われる動作の設定とが記憶されている。
【0037】
具体的には、対応処理設定データ133では、期限通知パネル321Aに対応する対応処理として「売上伝票入力」が設定されており、当該対応処理で行われる動作として、値引率の自動設定などが定められている。よって、期限通知パネル321Aを選択する入力操作がなされると、対応処理として、値引設定がなされた売上伝票入力処理が実行され、左側画面に、売上伝票入力を行う売上業務画面22(図8)が表示される。
また、期限通知パネル321Bに対応する対応処理として「仕入伝票入力」が設定されており、当該対応処理で行われる動作として、取引区分を「返品」に自動設定することなどが定められている。よって、期限通知パネル321Bを選択する入力操作がなされると、対応処理として、仕入先への返品を行うための仕入伝票入力処理が実行され、左側画面に、仕入伝票入力を行う仕入業務画面23(図9)が表示される。
また、期限通知パネル321Cに対応する対応処理として「売上伝票入力」が設定されており、当該対応処理で行われる動作として、得意先にフードバンクを自動設定することなどが定められている。よって、期限通知パネル321Cを選択する入力操作がなされると、対応処理として、フードバンクへの寄贈を行うための売上伝票入力処理が実行され、左側画面に、売上業務画面22(図10)が表示される。
また、期限通知パネル321Dに対応する対応処理として「出庫伝票入力」が設定されており、当該対応処理で行われる動作として、取引区分を「廃棄」に自動設定することなどが定められている。よって、期限通知パネル321Dを選択する入力操作がなされると、対応処理として、廃棄処分を行うための出庫伝票入力処理が実行され、左側画面に、出庫伝票入力を行う在庫管理業務画面24(図11)が表示される。
【0038】
図8は、図5及び図6のサポートパネル画面31において期限通知パネル321Aを選択する入力操作がなされた場合の表示部15の表示画面を示す図である。
期限通知パネル321Aを選択する入力操作がなされた場合には、左側画面に、売上業務の内容に係る売上業務画面22が表示される。
売上業務画面22には、売上伝票としての納品書のデータ入力を行うデータ入力画面221と、登録ボタン222と、印刷ボタン223と、キャンセルボタン224などが表示されている。
【0039】
データ入力画面221では、印刷される納品書と同様の配置でデータの入力欄が設けられており、各入力欄を選択して直接データを入力することができるようになっている。また、これらの入力欄には、図7の対応処理設定データ133における「対応処理で行われる動作」の項で設定された内容が予め自動的に入力されている。具体的には、データ入力画面221のうちヘッダ部221aの得意先の入力欄に、納品期限が近い商品の取り扱いが可能な得意先が自動的に入力されている。また、データ入力画面221のうち明細部221bの商品の入力欄に、対象商品のロット(ここでは、期限通知パネル321Aの通知対象となっている、「もも(缶詰)」のうちロット番号11004のロット)の情報が自動的に入力されている。また、明細部221bの数量の入力欄に、対象ロットの商品の数量が自動的に入力されている。また、明細部221bの所定の入力欄には、対応処理設定データ133で設定されている値引率に応じた値引に係るデータが自動的に入力されている。
よって、ユーザは、必要最低限の入力作業で、値引販売のための納品書を完成させることができる。
なお、ヘッダ部221aに自動入力される、納品期限が近い商品の取り扱いが可能な得意先や、上述の値引率の値は、予め定められて記憶部13に記憶されている。
【0040】
売上業務画面22において、登録ボタン222を選択する入力操作がなされると、データ入力画面221に入力されているデータが記憶部13に記憶される。
また、印刷ボタン223を選択する入力操作がなされると、データ入力画面221における各入力欄への入力内容が反映された納品書が、外部の印刷装置により印刷される。
また、キャンセルボタン224を選択する入力操作がなされると、売上業務の処理が中断され、左側画面が、売上業務画面22からメニュー画面21に遷移する。
【0041】
また、売上業務画面22が表示されている場合においても、表示部15の右側画面にはサポートパネル画面31が引き続き表示されている。
売上業務画面22とともに表示されるサポートパネル画面31では、売上業務に関連する情報提示パネル323が表示されている。ここでは、情報提示パネル323として、納品書の入力欄に入力されている得意先の情報を提示するための「得意先情報」の情報提示パネル323や、納品書に対応する、作成済の見積書の情報を提示するための「見積書」の情報提示パネル323が表示されている。これらの情報提示パネル323を選択する入力操作がなされると、それぞれ対応する情報(得意先情報や、見積書の内容)がサポートパネル画面31に重ねて表示される。
また、サポートパネル画面31では、図5で表示されていた期限通知パネル321A~321Dのうち、既に選択されている期限通知パネル321Aを除いた期限通知パネル321B~321Dが表示されている。また、警告パネル322が引き続き表示されている。
このように、右側画面のサポートパネル画面31に期限通知パネル321が引き続き表示されることで、ユーザは、左側画面で納品書の入力を行っている場合であっても、期限通知パネル321によって、何らかのアクションが必要なロットがあることに容易に気付くことができる。また、いずれかの期限通知パネル321を選択する入力操作を行うことで、期限通知パネル321で通知対象となっているロットについて必要な対応処理を開始させることができる。
【0042】
図9は、図8のサポートパネル画面31において期限通知パネル321Bを選択する入力操作がなされた場合の表示部15の表示画面を示す図である。
期限通知パネル321Bを選択する入力操作がなされた場合には、左側画面に、仕入上業務の内容に係る仕入業務画面23が表示される。
仕入業務画面23には、仕入伝票のデータ入力を行うデータ入力画面231と、登録ボタン232と、印刷ボタン233と、キャンセルボタン234などが表示されている。仕入業務画面23における登録ボタン232、印刷ボタン233及びキャンセルボタン234の機能は、図8の売上業務画面22における登録ボタン222、印刷ボタン223及びキャンセルボタン224と同様であるので説明は省略する。
【0043】
データ入力画面231では、印刷される仕入伝票と同様の配置でデータの入力欄が設けられており、各入力欄を選択して直接データを入力することができるようになっている。また、これらの入力欄には、図7の対応処理設定データ133における「対応処理で行われる動作」の項で設定された内容が予め自動的に入力されている。具体的には、ヘッダ部231aの仕入先の入力欄に、対象商品の仕入先(返品先)が自動的に設定されている。また、明細部231bの取引区分が「返品」に自動設定されている。また、明細部231bの商品の入力欄に、対象商品のロット(ここでは、期限通知パネル321Bの通知対象となっている、「もも(缶詰)」のうちロット番号11003のロット)の情報が自動的に入力されている。また、明細部231bの数量の入力欄に、対象ロットの商品の数量が自動的に入力されている。
よって、ユーザは、必要最低限の入力作業で、商品の返品のための仕入伝票を完成させることができる。
【0044】
仕入業務画面23とともに表示されるサポートパネル画面31では、仕入業務に関連する情報提示パネル323が表示されている。
また、サポートパネル画面31では、図8で表示されていた期限通知パネル321B~321Dのうち、既に選択されている期限通知パネル321Bを除いた期限通知パネル321C、321Dが表示されている。
【0045】
図10は、図9のサポートパネル画面31において期限通知パネル321Cを選択する入力操作がなされた場合の表示部15の表示画面を示す図である。
期限通知パネル321Cを選択する入力操作がなされた場合には、左側画面に売上業務画面22が表示される。
【0046】
この場合の売上業務画面22におけるデータ入力画面221では、図7の対応処理設定データ133における「対応処理で行われる動作」の項で設定された内容に応じて、フードバンクへの寄贈を行うためのデータが自動的に入力されている。すなわち、ヘッダ部221aの得意先の入力欄に、予め定められて記憶部13に記憶されているフードバンクの情報が自動的に設定されている。また、明細部221bの商品の入力欄に、対象商品のロット(ここでは、期限通知パネル321Cの通知対象となっている、「もも(缶詰)」のうちロット番号11002のロット)の情報が自動的に入力されている。また、明細部221bの数量の入力欄に、対象ロットの商品の数量が自動的に入力されている。
よって、ユーザは、必要最低限の入力作業で、フードバンクへの寄贈を行うための売上伝票を完成させることができる。
【0047】
仕入業務画面23とともに表示されるサポートパネル画面31では、図9で表示されていた期限通知パネル321B、321Dのうち、既に選択されている期限通知パネル321Cを除いた期限通知パネル321Dが表示されている。
【0048】
図11は、図10のサポートパネル画面31において期限通知パネル321Dを選択する入力操作がなされた場合の表示部15の表示画面を示す図である。
期限通知パネル321Cを選択する入力操作がなされた場合には、左側画面に、在庫管理業務の内容を示す在庫管理業務画面24が表示される。
【0049】
在庫管理業務画面24には、入庫伝票や出庫伝票のデータ入力を行うデータ入力画面241と、登録ボタン242と、印刷ボタン243と、キャンセルボタン244などが表示されている。在庫管理業務画面24における登録ボタン242、印刷ボタン243及びキャンセルボタン244の機能は、図8の売上業務画面22における登録ボタン222、印刷ボタン223及びキャンセルボタン224と同様であるので説明は省略する。
【0050】
データ入力画面241では、印刷される伝票(ここでは、出庫伝票)と同様の配置でデータの入力欄が設けられており、各入力欄を選択して直接データを入力することができるようになっている。また、これらの入力欄には、図7の対応処理設定データ133における「対応処理で行われる動作」の項で設定された内容が予め自動的に入力されている。具体的には、明細部241bの取引区分が「廃棄」に自動設定されている。また、明細部241bの商品の入力欄に、対象商品のロット(ここでは、期限通知パネル321Dの通知対象となっている、「もも(缶詰)」のうちロット番号11001のロット)の情報が自動的に入力されている。また、明細部241bの数量の入力欄に、対象ロットの商品の数量が自動的に入力されている。
よって、ユーザは、必要最低限の入力作業で、商品の廃棄のための出庫伝票を完成させることができる。
【0051】
仕入業務画面23とともに表示されるサポートパネル画面31では、警告パネル322のみが引き続き表示されている。また、この段階では、図5で表示されていた期限通知パネル321A~321Dが全て選択済であるため、サポートパネル画面31には期限通知パネル321が表示されていない。
【0052】
次に、上述の販売管理動作に係る販売管理処理のCPU11による制御手順について説明する。
図12は、販売管理処理のCPU11による制御手順を示すフローチャートである。
販売管理処理は、販売管理プログラム134が実行された場合に開始される。
販売管理処理では、CPU11(判別手段111)は、商品の各ロットについて通知条件を満たすか否かを判別する(ステップS101:判別処理)。すなわち、CPU11は、ロット管理データ131を参照して商品の各ロットに設定されている期限(図3の例では、納品期限、販売期限及び賞味期限)と、販売管理装置1の現在のシステム日付とを取得する。そして、取得した期限及びシステム日付と、通知条件設定データ132の条件式とに基づいて、システム日付が期間A~Dのいずれかの期間内であるか否かを、ロットごとに判別する。
【0053】
CPU11は、いずれかのロットについて通知条件が満たされているか否かを判別する(ステップS102:判別処理)。そして、いずれかのロットについて通知条件が満たされていると判別された場合には(ステップS102で“YES”)、CPU11(通知手段112)は、通知条件を満たすロットについての期限通知パネル321を表示部15に表示させる(ステップS103:通知処理)。すなわち、CPU11は、通知対象のロットが該当する期間A~Dに対応して、当該ロットの情報を含む期限通知パネル321A~321Dを、サポートパネル画面31に表示させる。
【0054】
CPU11は、所定の入力受付期間内に期限通知パネル321を選択する入力操作がなされたか否かを判別し(ステップS104)、当該入力操作がなされていないと判別された場合には(ステップS104で“NO”)、再びステップS104の処理を実行する。当該入力操作がなされたと判別された場合には(ステップS104で“YES”)、CPU11(処理手段113)は、選択された期限通知パネル321に対応する対応処理を実行する(ステップS105)。
【0055】
CPU11は、ステップS103で表示させた全ての期限通知パネル321について、当該期限通知パネル321を選択する入力操作がなされて対応処理が完了したか否かを判別する(ステップS106)。いずれかの期限通知パネル321についての対応処理が完了していないと判別された場合には(ステップS106で“NO”)、CPU11は、処理をステップS104に戻す。全ての期限通知パネル321についての対応処理が完了したと判別された場合には(ステップS106で“YES”)、CPU11は、販売管理処理を終了させる。
【0056】
(変形例1)
次に、上記実施形態の変形例1について説明する。
上記実施形態では、全ての期限通知パネル321を同一の態様で表示させる例を用いて説明したが、これに限られず、期限までの期間や期限からの経過期間、又は商品の内容などによって期限通知パネル321を所定の態様で強調表示させても良い。
【0057】
図13は、期限通知パネル321の表示態様の例を示す図である。
このうち図13(a)は、期限通知パネル321の通常の表示態様を示す図であり、図13(b)及び図13(c)は、期限通知パネル321の強調表示の例を示す図である。
図13(b)の例では、通常の表示態様から、期限通知パネル321の外枠を太くすることで強調表示がなされている。
図13(c)の例では、通常の表示態様から、期限通知パネル321の一部(ここでは、上部)を、より目立つ色(例えば、黒などの濃色や、赤などの目を引きやすい色)に変更することで強調表示がなされている。
また、これらに代えて、期限通知パネル321自体を点滅表示させたり、期限通知パネル321を拡大表示させたりすることで強調表示がなされても良い。
期限が間近であるロットや、期限からの経過期間が長いロット、及び重要な商品などについて、このように期限通知パネル321を強調表示することで、必要な対処がなされないまま放置されてしまう不具合の発生を抑制することができる。
【0058】
(変形例2)
次に、上記実施形態の変形例2について説明する。
上記実施形態では、期限通知パネル321による通知を行う通知条件が、予め記憶部13の通知条件設定データ132において定められていたが、本変形例では、この通知条件をユーザの入力操作に基づいて変更可能である点で上記実施形態と異なる。
本変形例では、図5のメニュー画面21のメニューボタン211hを選択する入力操作がなされると、通知条件を設定するための設定画面41が表示部15に表示される。
【0059】
図14は、設定画面41を示す図である。
設定画面41では、「納品期限接近」、「納品期限切れ」、「販売期限接近」、「販売期限切れ」、「賞味期限接近」、「賞味期限切れ」の各現象が生じている場合の、期限通知パネル321による通知の要否や、通知を開始する時期、及び通知に対応付けるアクションを個別に設定することができる。
具体的には、各現象について、チェックボックス421のチェックの有無により、通知の要否を選択することができる。また、ドロップダウンリスト422により通知開始日を選択することで、通知を開始する時期を設定することができる。また、ドロップダウンリスト423によりアクションを選択することで、各通知に対応付けるアクション(すなわち、実行する対応処理)を設定することができる。
【0060】
そして、実行ボタン424を選択する入力操作がなされると、CPU11(設定手段114)は、その時点におけるチェックボックス421やドロップダウンリスト422、423の選択状態に応じた内容で、通知条件設定データ132を更新する。
このようにして、ユーザからの入力操作に応じて、通知を行う期間A~Dの設定を含む、通知条件の設定がなされる。
以降に行われる販売管理処理(図12)では、更新後の通知条件設定データ132に基づいて通知条件が判別される。
【0061】
以上のように、上記実施形態の情報処理装置としての販売管理装置1は、CPU11を備え、CPU11は、商品に係る期限に基づいて定められた異なる複数の期間A~Dのうちいずれか一の期間内であるか否かを判別する判別処理を行い(判別手段111)、期間A~Dのうちいずれか一の期間内であると判別された場合に、当該一の期間内であることをユーザに通知する通知処理を行い(通知手段112)、当該通知に対応するユーザからの所定の入力操作に応じて、期間A~Dに対応付けられて予め定められた複数の対応処理のうち、上記一の期間に対応する対応処理を実行する(処理手段113)。
これによれば、ユーザは、通知手段111によりなされる通知によって、商品に係る何らかの対応処理が必要な複数の期間のうちいずれかの期間内であることを容易に認識することができる。また、通知に応じて所定の入力操作(上記実施形態では、期限通知パネル321を選択する入力操作)を行うことで、適切な対応処理が実行されるため、ユーザは、適切な対応処理を確認して実行を指示する手間を省くことができる。よって、簡易な操作で適切な対応処理を実行させることができるとともに、誤った対応動作が実行されないようにすることができる。このように、上記実施形態の販売管理装置1によれば、容易かつ適切に商品を管理することができる。
【0062】
また、CPU11は、上記一の期間内であることを示す通知標識としての期限通知パネル321を表示部15に表示させる通知処理を行う(通知手段112)。これにより、上記一の期間内であることを視覚的に分かりやすくユーザに知らせることができる。
【0063】
また、CPU11は、期限通知パネル321を選択するユーザからの入力操作がなされた場合に対応処理を実行する(処理手段113)。これによれば、ユーザは、通知に用いられた期限通知パネル321をそのまま選択する直感的で簡易な入力操作によって、適切な対応処理を開始させることができる。これにより、ユーザ利便性を高めることができる。また、対応処理を開始させ易くすることで、商品の管理業務をより停滞しにくくすることができる。
【0064】
また、変形例2に係る販売管理装置1では、CPU11は、ユーザからの入力操作に応じて期間A~Dを設定する(設定手段114)。これにより、販売管理装置1において通知条件を変更することができるため、ユーザの業務内容に合った商品管理を行うことができる。
【0065】
また、商品に係る期限及び期間A~Dは、商品の複数のロットの各々について定められており、CPU11は、商品の複数のロットの各々について判別処理を行い(判別手段111)、商品の複数のロットの各々について通知処理を行う(通知手段112)。これにより、同一の商品であって期限が異なる複数のロットがある場合においても、容易かつ適切に商品の各ロットを管理することができる。
【0066】
また、上記実施形態の販売管理プログラム134は、販売管理装置1に設けられたコンピュータとしてのCPU11を、商品に係る期限に基づいて定められた異なる複数の期間A~Dのうちいずれか一の期間内であるか否かを判別する判別処理を行う判別手段111、期間A~Dのうちいずれか一の期間内であると判別された場合に、当該一の期間内であることをユーザに通知する通知処理を行う通知手段112、当該通知に対応するユーザからの所定の入力操作に応じて、期間A~Dに対応付けられて予め定められた複数の対応処理のうち、上記一の期間に対応する対応処理を実行する処理手段113、として機能させる。このような販売管理プログラム134に基づいて販売管理装置1を動作させることで、ユーザは、通知手段111によりなされる通知によって、商品に係る何らかの対応処理が必要な複数の期間のうちいずれかの期間内であることを容易に認識することができる。また、簡易な操作で適切な対応処理を実行させることができるとともに、誤った対応動作が実行されないようにすることができる。このように、上記実施形態の販売管理プログラム134によれば、容易かつ適切に商品を管理することができる。
【0067】
以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として記憶部13のHDD、SSDを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリや、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0068】
なお、上記実施形態における記述は、本発明に係る情報処理装置、プログラム及び情報処理システムの一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、販売管理装置1による管理対象の業務は、卸売業における商品の販売管理業務に限られず、メーカーや小売業における商品の販売管理業務を対象としても良い。また、通知を行う通知対象期間は、納品期限や販売期限に基づくもののみに限られず、業務内容に応じて適宜変更することができる。例えば、販売管理装置1を小売業の販売管理業務に適用する場合には、賞味期限前の所定期間に通知を行ったり、賞味期限を徒過した場合に通知を行ったりすることで、消費者に販売する商品の期限を管理することができる。
【0069】
また、上記実施形態では、商品としての食品の販売管理を例に挙げて説明したが、これに限られず、販売管理装置1は、種々の商品の販売管理に適用することができる。例えば、使用期限が定められている電池などの消耗品、及びモデルチェンジによる販売期限が定められている電化製品や自動車などの販売管理業務に販売管理装置1を適用しても良い。
【0070】
また、上記実施形態では、CPU11(通知手段112)による通知の態様として、表示部15に期限通知パネル321を表示させるものを例に挙げて説明したが、これに限られない。例えば、電子メールの送信や、メッセージアプリケーション上でのメッセージの送信、音声による報知など、ユーザに対して期限A~Dのうちいずれかの期間内であることを認識させることが可能な任意の方法を用いることができる。
【0071】
また、期限通知パネル321の形状や表示内容は、上記実施形態に示したものに限られず、所定の複数の通知対象期間のうちいずれかの期間内であることをユーザに認識させることができる任意の形状及び表示内容とすることができる。例えば、期限通知パネル321は、通知対象期間に対応付けられて予め定められた図形や記号などを表示するものとしても良い。
【0072】
また、上記実施形態では、期限通知パネル321を選択する入力操作に応じて対応処理が開始される例を用いて説明したが、これに限定する趣旨ではない。期限通知パネル321は通知のみ行い、対応処理は、通常の方法で(例えば、メニュー画面21のメニューボタン211を選択することで)開始されるようにしても良い。
【0073】
また、対応処理は、各種伝票の作成処理に限られず、商品の販売管理上必要となる任意の処理とすることができる。
【0074】
また、上記実施形態では、食品の流通販売の商慣習として、製造日から賞味期限までの期間の1/3のタイミングを納品期限とする、いわゆる「3分の1ルール」を例に挙げて説明したが、これに限られず、製造日から賞味期限までの期間の1/2のタイミングを納品期限とする「2分の1ルール」などの、他のルールに対応して各期限や通知対象期間を設定しても良い。
【0075】
また、上記実施形態では、情報処理装置としての販売管理装置1が、ユーザにより使用される端末装置である場合を例に挙げて説明したが、これに限られない。例えば、サーバ装置により本発明の情報処理装置を構成し、当該サーバ装置での処理結果を、通信ネットネットワークを介してサーバ装置に接続された端末装置により受信させて表示させるようにしても良い。
【0076】
また、上記実施形態における情報処理装置としての販売管理装置1の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【0077】
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
商品に係る期限に基づいて定められた異なる複数の通知対象期間のうちいずれか一の通知対象期間内であるか否かを判別する判別処理を行う判別手段と、
前記判別手段により、前記複数の通知対象期間のうちいずれか一の通知対象期間内であると判別された場合に、当該一の通知対象期間内であることをユーザに通知する通知処理を行う通知手段と、
前記通知手段による前記通知に対応するユーザからの所定の入力操作に応じて、前記複数の通知対象期間に対応付けられて予め定められた複数の対応処理のうち、前記一の通知対象期間に対応する対応処理を実行する処理手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
<請求項2>
前記通知手段は、前記一の通知対象期間内であることを示す通知標識を表示部に表示させる前記通知処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
<請求項3>
前記処理手段は、前記通知標識を選択するユーザからの入力操作がなされた場合に前記対応処理を実行することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
<請求項4>
ユーザからの入力操作に応じて前記複数の通知対象期間を設定する設定手段を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
<請求項5>
前記期限及び前記複数の通知対象期間は、前記商品の複数のロットの各々について定められており、
前記判別手段は、前記商品の前記複数のロットの各々について前記判別処理を行い、
前記通知手段は、前記商品の前記複数のロットの各々について前記通知処理を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
<請求項6>
情報処理装置に設けられたコンピュータを、
商品に係る期限に基づいて定められた異なる複数の通知対象期間のうちいずれか一の通知対象期間内であるか否かを判別する判別処理を行う判別手段、
前記判別手段により、前記複数の通知対象期間のうちいずれか一の通知対象期間内であると判別された場合に、当該一の通知対象期間内であることをユーザに通知する通知処理を行う通知手段、
前記通知手段による前記通知に対応するユーザからの所定の入力操作に応じて、前記複数の通知対象期間に対応付けられて予め定められた複数の対応処理のうち、前記一の通知対象期間に対応する対応処理を実行する処理手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0078】
1 販売管理装置(情報処理装置)
11 CPU
111 判別手段
112 通知手段
113 処理手段
114 設定手段
12 RAM
13 記憶部
131 ロット管理データ
132 通知条件設定データ
133 対応処理設定データ
134 販売管理プログラム
14 操作部
15 表示部
16 通信部
17 バス
21 メニュー画面
211a~211h メニューボタン
22 売上業務画面
23 仕入業務画面
24 在庫管理業務画面
31 サポートパネル画面
32 サポートパネル
321、321A~321D 期限通知パネル(通知標識)
322 警告パネル
323 情報提示パネル
41 設定画面
A~D 期間(通知対象期間)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14