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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 33/00 20060101AFI20231017BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20231017BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231017BHJP
   F21Y 103/10 20160101ALN20231017BHJP
【FI】
F21V33/00 430
F21S2/00 230
F21Y115:10
F21Y103:10
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022139611
(22)【出願日】2022-09-02
(62)【分割の表示】P 2018145148の分割
【原出願日】2018-08-01
(65)【公開番号】P2022169793
(43)【公開日】2022-11-09
【審査請求日】2022-09-02
(31)【優先権主張番号】P 2018019393
(32)【優先日】2018-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】芝原 信一
(72)【発明者】
【氏名】船山 信介
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特許第6237768(JP,B2)
【文献】特開2017-135024(JP,A)
【文献】特開2001-189978(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 33/00
F21S 2/00
F21Y 115/10
F21Y 103/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
スイッチング素子のオンオフにより前記光源を点灯させる電源部と、
音声データをオーディオ信号に変換する再生部と、
前記オーディオ信号に応じて音声を発する音声出力部と、
一対の長辺と一対の短辺を有し、前記光源を覆い、前記光源が発する光を透過させるカバーと、
を備え、
前記音声出力部は、第1音声出力部と、第2音声出力部と、を含み、
前記第1音声出力部は、前記カバーの一端に設けられ、
前記第2音声出力部は、前記カバーの他端に設けられ、
前記第1音声出力部は、前記一端から前記他端に延びる前記カバーの中心線に対して一方の側に設けられ、
前記第2音声出力部は、前記中心線に対して他方の側に設けられ
前記第1音声出力部と、前記第2音声出力部は、前記一対の長辺に設けられることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
光源と、
スイッチング素子のオンオフにより前記光源を点灯させる電源部と、
音声データをオーディオ信号に変換する再生部と、
前記オーディオ信号に応じて音声を発する音声出力部と、
一対の長辺と一対の短辺を有し、前記光源を覆い、前記光源が発する光を透過させるカバーと、
を備え、
前記音声出力部は、第1音声出力部と、第2音声出力部と、を含み、
前記第1音声出力部は、前記カバーの一端に設けられ、
前記第2音声出力部は、前記カバーの他端に設けられ、
前記第1音声出力部と前記第2音声出力部は、前記カバーの中心線からずれた位置で、前記カバーの中心に対して互いに点対称の位置に設けられ
前記第1音声出力部と、前記第2音声出力部は、前記一対の長辺に設けられることを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、音声出力機能を備えた照明装置が開示されている。この照明装置では、球状の筐体部の内部にランプが配設されている。筐体部には、アクチュエータが取り付けられる。アクチュエータには音声信号が供給される。この音声信号に応じてアクチュエータは振動する。アクチュエータの振動に応じて筐体部が振動し、音声が再生される。ランプに対して背面側にアクチュエータが取り付けられることで、アクチュエータを目立たなくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6237768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、天井から音声を出力することで、音声出力装置が設けられた空間の全域に音声を広げ易くなる。このため、天井に音声出力装置を設けることは、立地的に有利である。ここで、一般に、照明装置は使用者の上方から明かりを提供し、部屋の天井面に位置している。このため、照明装置がオーディオ機能を有することで、音声を天井から提供することが可能となる。よって、照明装置から音声を再生することで、別の音声再生装置の設置が不要となり、効率が良い。
【0005】
ここで、照明装置のうち器具筐体の半分が天井に埋め込まれる構造、または照明装置と天井との隙間が狭い構造が考えられる。このような構造において、照明装置にアクチュエータまたはスピーカー等の音声源を設けることを考える。天井面に対して光の出射方向と反対側に音声源が設けられると、音声が光の出射方向に出難くなる可能性がある。
【0006】
また、照明装置における音声源の位置または照明笠の構造によっては、音声の出力方向が下方向等の特定方向に制限される可能性がある。この場合、照明装置の直下にいる看者には音声が聞こえるものの、照明器具から離れた看者には音声が聞こえない可能性がある。また、音声を特定方向以外にも拡散させるために、スピーカーの配置などを調整すると、スピーカーが光を遮り、光の照射エリアが制限される可能性がある。
【0007】
また、特許文献1では、共通の基板部からランプへの電力供給およびアクチュエータへの音声信号の供給が行われる。この場合、照明装置を製造するために、専用の基板部を準備する必要があり、製造コストが高くなる可能性がある。
【0008】
また、ステレオ信号を出力する場合、一般に、L信号とR信号の出力部を一定の距離だけ離して配置することが望ましい。特許文献1では球体の照明装置が想定されており、アクチュエータ同士の距離を確保することが難しい可能性がある。また、球体の筐体部の内部において、スピーカー、アクチュエータ、ランプ等の配置を調整する必要があり、照明装置の構造が複雑になる可能性がある。
【0009】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、第1音声出力部、第2音声出力部の振動が互いに干渉することを抑制できる照明装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の開示に係る照明装置は、光源と、スイッチング素子のオンオフにより前記光源を点灯させる電源部と、音声データをオーディオ信号に変換する再生部と、前記オーディオ信号に応じて音声を発する音声出力部と、一対の長辺と一対の短辺を有し、前記光源を覆い、前記光源が発する光を透過させるカバーと、を備え、前記音声出力部は、第1音声出力部と、第2音声出力部と、を含み、前記第1音声出力部は、前記カバーの一端に設けられ、前記第2音声出力部は、前記カバーの他端に設けられ、前記第1音声出力部は、前記一端から前記他端に延びる前記カバーの中心線に対して一方の側に設けられ、前記第2音声出力部は、前記中心線に対して他方の側に設けられ、前記第1音声出力部と、前記第2音声出力部は、前記一対の長辺に設けられる。
【0011】
第2の開示に係る照明装置は、光源と、スイッチング素子のオンオフにより前記光源を点灯させる電源部と、音声データをオーディオ信号に変換する再生部と、前記オーディオ信号に応じて音声を発する音声出力部と、一対の長辺と一対の短辺を有し、前記光源を覆い、前記光源が発する光を透過させるカバーと、を備え、前記音声出力部は、第1音声出力部と、第2音声出力部と、を含み、前記第1音声出力部は、前記カバーの一端に設けられ、前記第2音声出力部は、前記カバーの他端に設けられ、前記第1音声出力部と前記第2音声出力部は、前記カバーの中心線からずれた位置で、前記カバーの中心に対して互いに点対称の位置に設けられ、前記第1音声出力部と、前記第2音声出力部は、前記一対の長辺に設けられる。
【発明の効果】
【0012】
第1の開示に係る照明装置では、第1音声出力部はカバーの一端に設けられ、第2音声出力部はカバーの他端に設けられ、第1音声出力部と第2音声出力部は、一端から他端に延びるカバーの中心線に対して反対側に設けられる。従って、第1音声出力部、第2音声出力部の振動が互いに干渉することを抑制できる。
【0013】
第2の開示に係る照明装置では、第1音声出力部はカバーの一端に設けられ、第2音声出力部はカバーの他端に設けられ、第1音声出力部と第2音声出力部は、カバーの中心線からずれた位置で互いに点対称の位置に設けられる。従って、第1音声出力部、第2音声出力部の振動が互いに干渉することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施の形態1に係る照明装置の回路ブロック図である。
図2】実施の形態1に係る照明装置の斜視図である。
図3】実施の形態1に係る照明装置の断面図である。
図4】実施の形態1に係るカバーの斜視図である。
図5】実施の形態1の第1の変形例に係るカバーの斜視図である。
図6】実施の形態1の第2の変形例に係る照明装置の断面図である。
図7】実施の形態1の第3の変形例に係る照明装置の斜視図である。
図8】実施の形態2に係る照明装置の断面図である。
図9】実施の形態2に係るカバーの斜視図である。
図10】実施の形態2に係るカバーの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の実施の形態に係る照明装置について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0016】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明装置100の回路ブロック図である。照明装置100は、第1ユニット40、第2ユニット60およびLED光源部80を備える。第1ユニット40は、光源81を点灯させる点灯装置である。
【0017】
第1ユニット40は、外部電源ACに接続された端子部CN1を備える。外部電源ACは例えば商用電源である。また、第1ユニット40は、LED光源部80に接続された端子部CN2を備える。LED光源部80は、直列接続された複数の光源81を備える。光源81は例えばLEDである。LED光源部80が有する光源81の数は1つ以上であれば良い。また、複数の光源81は、並列または直並列に接続されても良い。また、第1ユニット40は、第2ユニット60が接続された第1端子部CN3を備える。
【0018】
第1ユニット40は第1電源部41を備える。第1電源部41は、端子部CN1に接続された整流器DBを備える。整流器DBは外部電源ACを整流する。整流器DBの高電位側の出力には、コイルL1の一端が接続される。コイルL1の他端は、ダイオードD1のアノードとスイッチング素子Q1のドレインに接続される。スイッチング素子Q1は、例えばMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。スイッチング素子Q1のソースは整流器DBの低電位側の出力に接続される。スイッチング素子Q1のゲートは、MOSFETドライバー44に接続される。
【0019】
ダイオードD1のカソードはコンデンサC1の正極に接続される。コンデンサC1の負極は、整流器DBの低電位側の出力に接続される。以上から、第1電源部41は、整流器DBの出力に接続された昇圧チョッパ回路を備える。昇圧チョッパ回路は、コイルL1、スイッチング素子Q1、ダイオードD1で構成される。昇圧チョッパ回路において、整流器DBで整流された脈流電圧がコンデンサC1に予め定められた直流高電圧として充電される。
【0020】
コンデンサC1と並列に、抵抗R2、R3の直列回路が接続される。抵抗R2、R3の接続点は、制御部IC1のP1端子に接続される。抵抗R2、R3により、コンデンサC1の両端に印加される直流高電圧が抵抗分圧され、制御部IC1のP1端子に入力される。
【0021】
制御部IC1は、コンデンサC1に充電されている電圧を目標電圧に一致させるように、Vg1端子からスイッチング素子Q1を動作させるスイッチング信号を出力する。すなわち、制御部IC1は、P1端子の電圧が一定電圧になるように、スイッチング信号を出力する。
【0022】
制御部IC1は例えばマイコンである。一般に、マイコンの動作電圧はMOSFETの駆動電圧よりも小さい。このため、スイッチング信号はVg1端子から一旦MOSFETドライバー44に入力される。MOSFETドライバー44は、スイッチング信号に応じて、スイッチング素子Q1をスイッチングする。これにより、スイッチング素子Q1を安定してスイッチングできる。
【0023】
コンデンサC1の正極には、スイッチング素子Q2のドレインが接続される。スイッチング素子Q2のソースには、ダイオードD2のカソードとコイルL2の一端が接続される。スイッチング素子Q2のゲートはMOSFETドライバー44に接続される。ダイオードD2のアノードはコンデンサC1の負極と接続される。コイルL2の他端はコンデンサC3の正極と接続される。コンデンサC3の負極は、抵抗R4の一端に接続される。抵抗R4の他端は制御部IC1の接地用端子GND1とコンデンサC1の負極に接続される。
【0024】
第1電源部41は、コンデンサC1に接続されたバックコンバータ回路を備える。バックコンバータ回路は、スイッチング素子Q2、コイルL2、ダイオードD2から構成される点灯回路である。コンデンサC3には、バックコンバータ回路が出力する高周波電圧を平滑した電圧が印加される。
【0025】
コンデンサC3には、端子部CN2を介してLED光源部80が接続される。コンデンサC3の両端に印加される電圧は、光源81に供給され、光源81を点灯させる。光源81が点灯することで流れた電流は、抵抗R4で電圧に変換される。抵抗R4の一端は、制御部IC1のP3端子に接続される。抵抗R4に印加される電圧は制御部IC1のP3端子に入力される。
【0026】
制御部IC1は、Vg2端子からスイッチング素子Q2を動作させるスイッチング信号を出力する。制御部IC1は、P3端子の電圧が目標値と一致するようにスイッチング信号を出力する。よって、光源81は定電流制御で点灯する。制御部IC1のVg2端子からのスイッチング信号は、昇圧チョッパ回路と同様に、MOSFETドライバー44を介して、スイッチング素子Q2を安定にスイッチングする。
【0027】
以上から、第1電源部41はスイッチング素子Q1、Q2のオンオフにより光源81を点灯させる。制御部IC1は、外部電源ACから得られる電力を光源81が点灯するための電力に変換する制御を行う点灯制御部である。
【0028】
コンデンサC1の正極には、制御電源部42が接続される。制御電源部42は、コンデンサC1に蓄えられた電荷から制御電源V1を電圧生成する。制御電源部42の出力とコンデンサC1の負極との間には、コンデンサC2が接続される。制御電源部42の出力電圧は、コンデンサC2で平滑される。
【0029】
制御電源V1の電圧は、例えば15Vである。制御電源V1には降圧回路部43が接続される。降圧回路部43は、制御電源V1の電圧を降圧する。降圧回路部43の出力電圧は、制御部IC1のVDD1端子に入力される。つまり、制御電源V1は制御部IC1の制御電源となる。VDD1端子の電圧は例えば5Vである。また、制御電源V1は、MOSFETドライバー44に供給され、MOSFETドライバー44を動作させる。
【0030】
制御電源部42は、バックコンバータ回路などの降圧コンバータ回路でも構わないし、フライバック回路などの昇降圧コンバータでも構わない。
【0031】
第1端子部CN3は、制御電源V1に接続され制御電源V1の電圧に等しい電源端子を有する。また、第1端子部CN3は、制御部IC1のRX1端子に接続されたinput端子と、TX1端子に接続されたoutput端子を有する。さらに、第1端子部CN3は、回路基準電位となる接地用端子に接続されたGND端子を有する。input端子とoutput端子は、第1端子部CN3の通信端子である。
【0032】
次に、第2ユニット60について説明する。第2ユニット60は、制御部IC2と、第2電源部61と、第2端子部CN4と、端子部CN5を備える。第2ユニット60は、第1端子部CN3と第2端子部CN4を介して、第1ユニット40と接続される。第2端子部CN4は第1端子部CN3と対応した端子を有する。つまり、第2端子部CN4は、電源端子、input端子、output端子およびGND端子を有する。
【0033】
第2端子部CN4の電源端子は、第1端子部CN3の電源端子と第2電源部61とを接続する。第2電源部61は第1電源部41から電力を供給され動作する。第2電源部61は、第1電源部41から供給される電力を一定の直流電圧に変換する。第2電源部61の出力は制御部IC2のVDD2端子に入力される。つまり、制御部IC2は、VDD2端子から制御電源V1が供給されることで動作する。第2電源部61は、後述する受信部62、再生部63、増幅器64および音声出力部70を動作させる電源を生成している。
【0034】
第2端子部CN4のoutput端子は、第1端子部CN3のinput端子と制御部IC2のTX2端子を接続する。これにより、制御部IC1のRX1端子は、制御部IC2のTX2端子と接続される。第2端子部CN4のinput端子は、第1端子部CN3のoutput端子と制御部IC2のRX2端子を接続する。これにより、制御部IC1のTX1端子は、制御部IC2のRX2端子と接続される。第2端子部CN4のGND端子は、第1端子部CN3のGND端子と制御部IC2の回路基準電位となるGND2端子を接続する。input端子とoutput端子は、第2端子部CN4の通信端子である。
【0035】
制御部IC2は、受信部62と再生部63と増幅器64を備える。受信部62は、外部から送信された音声データ等の情報を受信する。受信部62は、情報を例えばBluetooth(登録商標)信号等の無線信号として受信する。また、受信部62は、制御部IC2または図示しない他の制御ICの記憶部に記憶された情報を、有線または無線で受信しても良い。
【0036】
受信部62の出力には再生部63が接続される。再生部63は、受信部62が受信した音声データをオーディオ信号に変換する。オーディオ信号は、音声信号または音響信号とも呼ばれ、音または音を表す信号である。本実施の形態では、オーディオ信号は2つのステレオ信号を含む。これに限らず、オーディオ信号は、後述する音声出力部70で再生可能な信号であれば良い。
【0037】
再生部63の出力には増幅器64が接続される。増幅器64は、再生部63が処理したオーディオ信号を増幅する。増幅器64の出力は、制御部IC2のL+端子とL-端子およびR+端子とR-端子に接続される。2つのステレオ信号の一方はL+端子とL-端子から出力され、2つのステレオ信号の他方はR+端子とR-端子から出力される。
【0038】
L+端子とL-端子およびR+端子とR-端子は、端子部CN5を介して音声出力部70に接続される。音声出力部70はオーディオ信号に応じて音声を発する。音声出力部70は、第1音声出力部3と、第2音声出力部4とを含む。第1音声出力部3と、第2音声出力部4の各々は、圧電素子である。圧電素子は、オーディオ信号に応じて振動する。圧電素子は入力されたオーディオ信号に従って動作し、オーディオ信号に同期して振動する。
【0039】
圧電素子は、アクチュエータとも呼ばれる。圧電素子は、例えばピエゾフィルムであり、セラミックから形成されても良い。本実施の形態において圧電素子とは、交流電圧を印加すると入力した交流電圧の周波数に従って振動する部品をいう。これに限らず、音声出力部70として、オーディオ信号を再生可能なあらゆる構成を採用できる。
【0040】
第1音声出力部3にはL+端子とL-端子が接続され、第2音声出力部4にはR+端子とR-端子が接続される。つまり、第1音声出力部3には、2つのステレオ信号の一方が入力され、第2音声出力部4には、2つのステレオ信号の他方が入力される。これにより、音声出力部70からステレオ音声が出力される。
【0041】
なお、受信部62が受信した情報に限らず、再生部63は制御部IC2が有する記憶部に記憶された情報をオーディオ信号に変換しても良い。この場合、受信部62は設けられなくても良い。
【0042】
また、前述したように、制御部IC1のTX1端子と制御部IC2のRX2端子は接続される。さらに、制御部IC1のRX1端子と制御部IC2のTX2端子は接続される。これにより、制御部IC1と制御部IC2は互いに通信できる。つまり、第1ユニット40は通信端子によって第2ユニット60と通信する。
【0043】
第1ユニット40と第2ユニット60との通信内容について説明する。例えば、第1ユニット40からの信号により第2ユニット60は音声再生を開始または停止しても良い。何かしらの事象によりLED光源部80が消灯したとする。制御部IC1は、光源81の消灯を検出すると、TX1端子からRX2端子に音声再生を停止する指令を送信する。これにより、制御部IC2は音声再生を停止する。
【0044】
また、制御部IC1がLED光源部80の異常を検出したとする。この検出結果を制御部IC1は制御部IC2に送信する。制御部IC2は、制御部IC1からの信号に応じて、LED光源部80の異常を音声再生により使用者に報知する。これによれば、使用者は光源81の異常を知ることができる。光源81の異常は、例えば、LED光源部80の未接続、短絡等である。
【0045】
また、制御部IC2から制御部IC1に通信を行っても良い。例えば、第2ユニット60からの信号により第1ユニット40は光源81の明るさを変更しても良い。この場合、受信部62が受信した音声データに対して、光源81の明るさを変更する調光信号が重畳されていても良い。制御部IC2は音声データおよび調光信号を解析し、TX2端子からRX1端子に調光信号を送信する。この結果、制御部IC1は、受信した調光信号に従って、光源81の明るさを変更する。
【0046】
調光信号が音声データに重畳されていない場合において、制御部IC2がLED光源部80の明るさを変更しても良い。この場合、制御部IC2は受信した音声データを解析して、解析結果に基づいてLED光源部80の明るさを変更するように、制御部IC1に指令を行う。制御部IC2は、例えば光源81が受信した音声データに適した明るさとなるように、制御部IC1に指令を行う。
【0047】
図2は、実施の形態1に係る照明装置100の斜視図である。図3は、実施の形態1に係る照明装置100の断面図である。照明装置100は、光源81を覆い、光源81が発する光を透過させるカバー2をさらに備える。カバー2は例えば、光源81から発せられた光を拡散させる拡散カバーであっても良く、透明であっても良い。
【0048】
また、照明装置100は、搭載板1を備える。搭載板1の上面には、第1ユニット40と第2ユニット60が設けられる。また、搭載板1の上面と反対側の面である裏面には複数の光源81が設けられる。搭載板1の裏面にはLED搭載基板82が設けられる。LED搭載基板82には複数の光源81が搭載されている。また、カバー2は、搭載板1に装着されている。なお、図2、3において、第1ユニット40および第2ユニット60等に接続される配線は省略されている。
【0049】
図4は、実施の形態1に係るカバー2の斜視図である。カバー2は平面視で略長方形である。また、カバー2の断面形状は例えばU字型である。カバー2は、長手方向の一端に端面2aを有し、他端に端面2bを有する。また、カバー2は端面2aと端面2bとを繋ぎ長手方向に延びる主部2cを有する。第1音声出力部3は端面2aの内側の面に設けられる。第2音声出力部4は端面2bの内側の面に設けられる。なお、カバー2の内側の面は、光源81と対向する面であり、光源81の発する光が入射する面である。
【0050】
本実施の形態では、第1音声出力部3はカバー2の長手方向の一端に設けられ、第2音声出力部4はカバー2の長手方向の他端に設けられる。このように、圧電素子をカバー2に装着することで、圧電素子からカバー2に振動が伝わる。この結果、カバー2からオーディオ信号に応じた音声が出力される。
【0051】
例えば、本実施の形態の照明装置100を天井に取り付けた場合、照明装置100が取り付けられた空間に、効率よく音声を広げることができる。また、使用者の上方から音声が出力されることで、使用者に音声が届き易くすることが可能になる。また、照明装置100と別個に音声再生装置を設置する必要が無く、音声再生装置の設置費用および設置のためのスペースを削減できる。
【0052】
また、オーディオ信号に応じてカバー2が振動するため、天井面に対して照明装置100の光の出射方向に音声を出力できる。従って、照明装置100が取り付けられた空間に、さらに効率よく音声を広げることができる。また、一般に照明装置に使用される部材であるカバー2で音声再生を行えるため、照明装置100の省部品化が可能になる。
【0053】
また、ステレオ信号を出力する場合、一般に、L信号とR信号の出力部を一定の距離だけ離して配置することで、適した音声を提供できる。本実施の形態では、第1音声出力部3と第2音声出力部4がカバー2の両端に配置されるため、第1音声出力部3と第2音声出力部4との間の距離を確保できる。第1音声出力部3と第2音声出力部4を一定の距離だけ離して振動させることで、L信号とR信号とが互いに干渉することを抑制できる。これにより、照明装置100において、L信号とR信号とから構成されるステレオ出力を実現できる。従って、照明装置100からオーディオ信号に適した音声を出力できる。
【0054】
また、第1音声出力部3と第2音声出力部4は、カバー2の内側の面に設けられる。このため、音声出力部70を使用者から見え難くできる。このため、意匠性を損なわずに音声再生機能を付加できる。また、第2ユニット60は搭載板1に対して光源81と反対側に設けられる。このため、音声再生機能を付加したことによる照明装置100の外観の変化を抑制できる。
【0055】
また、本実施の形態では音声出力部70はカバー2の両端に設けられる。このため、音声出力部70を設けるために光源81等の配置が妨げられることを防止できる。よって、カバー2の内側において光源81等の配置を調整する必要が生じることを防止でき、容易に音声再生機能を追加できる。また、照明装置100の構造が複雑になることを防止できる。さらに、音声再生機能を追加したことによる光の照射エリアへの影響を抑制できる。
【0056】
さらに、本実施の形態に係る照明装置100では、光源81を点灯させる第1電源部41と、音声再生のための第2電源部61とが別個に設けられる。この構成によれば、第1電源部41に第2電源部61を追加することで、容易に光源81の点灯と音声再生のための電源回路を構成できる。従って、容易に音声再生機能を追加できる。さらに、照明装置100のために専用の電源回路を準備する必要が無く、第1電源部41を標準化できる。従って、製造コストを抑制できる。
【0057】
また、本実施の形態では、光源81を点灯させる第1ユニット40と、音声再生のための第2ユニット60とが別個に設けられる。第1ユニット40と第2ユニット60とは、第1端子部CN3と第2端子部CN4によって容易に接続または分離できる。このため、第1ユニット40に第2ユニット60を追加することで、容易に照明装置100に音声再生機能を追加できる。
【0058】
さらに、音声再生機能が不要な場合には、第2ユニット60および音声出力部70を取り外すことで、音声再生機能を有さない照明装置100を容易に構成できる。従って、第1ユニット40、LED光源部80、カバー2、搭載板1等の標準化が可能となり、製造コストを抑制できる。
【0059】
本実施の形態の変形例として、第1電源部41と第2電源部61とは分離されていなくても良い。このとき、制御部IC1と制御部IC2は、1つの一体化された制御部であっても良い。また、第1ユニット40と第2ユニット60とは一体化されていても良い。また、第2ユニット60は制御電源V1以外から電力を供給されても良い。例えば、第2ユニット60は外部電源ACから直接電力を供給されても良い。
【0060】
また、第1電源部41として、スイッチング素子のオンオフにより光源81を点灯させるあらゆる回路を採用できる。第1電源部41はバックコンバータ回路と昇圧チョッパ回路のどちらか一方を備えても良い。例えば、外部電源ACが直流電源の場合、第1電源部41は昇圧チョッパ回路を備えなくても良い。また、第2電源部61として制御部IC2に電力を供給するあらゆる回路を採用できる。例えば、第2電源部61は、第1電源部41以外から電力を供給されても良い。また、第2電源部61は第2ユニット60の外部に設けられても良く、制御電源部42であっても良い。つまり、制御電源V1の電圧が第2ユニット60の動作に適した電圧である場合、第2ユニット60内の第2電源部61は設けられなくても良い。この場合、制御電源V1の電圧がVDD2端子に供給される。
【0061】
また、第2ユニット60の構成は図1に示したものに限らない。第2ユニット60は、少なくとも再生部63を備え、オーディオ信号を外部に出力すれば良い。また、音声出力部70は、カバー2の両端以外の部分に設けられても良い。また、カバー2の構造は、図2から図4に示される構造に限らず、カバー2は光源81を覆えば良い。
【0062】
図5は、実施の形態1の第1の変形例に係るカバー2の斜視図である。第1の変形例では、第1音声出力部3と第2音声出力部4は、カバー2の内側において、主部2cの長手方向の両端にそれぞれ設けられる。第1音声出力部3と第2音声出力部4は下方向を向くように、主部2cの底部に設けられる。第1の変形例においても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0063】
図6は、実施の形態1の第2の変形例に係る照明装置200の断面図である。照明装置200では、音声出力部270は2つのスピーカー8を備える。2つのスピーカー8の一方はカバー2の長手方向の一端に設けられ、2つのスピーカー8の他方はカバー2の長手方向の他端に設けられる。各々のスピーカー8はスピーカーケース7に収納されている。スピーカーケース7は例えば樹脂材料で形成される。スピーカー8は、密閉されたスピーカーケース7に収納された状態で、搭載板1に装着されている。
【0064】
圧電素子の代わりにカバー2の両端にスピーカーを設けても、実施の形態1と同様の音響効果を得られることが分かった。つまり、照明装置200の前面側、すなわち使用者側に音声が出力されるため、効率よく音声を広げることができる。
【0065】
図7は、実施の形態1の第3の変形例に係る照明装置300の斜視図である。照明装置300は略正方形である。照明装置300において略正方形の搭載板301の上面には、第1ユニット40と第2ユニット60が搭載されている。搭載板301の裏面には図示しない光源81が搭載されている。
【0066】
さらに、搭載板301には、光源81を覆うようにカバー302が装着される。カバー302は略正方形である。カバー302の内側の面には圧電素子である音声出力部370が設けられる。図7において、音声出力部370の位置が便宜上、破線で示されている。このように、カバー302の形状は正方形等でも良い。また、カバー302に圧電素子を1つのみ装着してもよい。
【0067】
また、本実施の形態の別の変形例として、圧電素子を可聴領域以外で振動させても良い。これにより、カバー2への埃の付着を抑制したり、虫などが寄って来るのを抑制したりできる。
【0068】
これらの変形は以下の実施の形態に係る照明装置について適宜応用することができる。なお、以下の実施の形態に係る照明装置については実施の形態1との共通点が多いので、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0069】
実施の形態2.
図8は、実施の形態2に係る照明装置400の断面図である。図9は、実施の形態2に係るカバー2の斜視図である。図10は、実施の形態2に係るカバー2の平面図である。第1音声出力部3はカバー2の長手方向の一端に設けられ、第2音声出力部4はカバー2の長手方向の他端に設けられる。第1音声出力部3、第2音声出力部4は、カバー2の内側に設けられるため、実際は照明装置400の外側からは目視できない。図8、9において便宜上、第1音声出力部3、第2音声出力部4の位置が示されている。
【0070】
第1音声出力部3、第2音声出力部4は、平面視においてカバー2の対角の位置に設けられる。つまり、カバー2の短手方向の両側の側面2dのうち、第1音声出力部3は一方に設けられ、第2音声出力部4は他方に設けられる。側面2dは主部2cの一部であり、例えば水平方向を向く。第1音声出力部3、第2音声出力部4は、カバー2の短手方向において互いに反対側を向く。
【0071】
このような第1音声出力部3、第2音声出力部4の配置により、第1音声出力部3、第2音声出力部4の振動が互いに干渉することを抑制できる。さらに、照明装置400の側方に音声を拡散させることができる。
【0072】
なお、各実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いてもよい。
【符号の説明】
【0073】
AC 外部電源、CN1、CN2、CN5 端子部、CN3 第1端子部、CN4 第2端子部、DB 整流器、D1、D2 ダイオード、IC1、IC2 制御部、L1、L2 コイル、C1、C2、C3 コンデンサ、Q1、Q2 スイッチング素子、R2、R3、R4 抵抗、1、301 搭載板、2、302 カバー、2a、2b 端面、2c 主部、2d 側面、3 第1音声出力部、4 第2音声出力部、7 スピーカーケース、8 スピーカー、40 第1ユニット、41 第1電源部、42 制御電源部、43 降圧回路部、44 MOSFETドライバー、60 第2ユニット、61 第2電源部、62受信部、63 再生部、64 増幅器、70、370 音声出力部、80 LED光源部、81 光源、82 LED搭載基板、100、200、300、400 照明装置
図1
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図8
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図10