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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】測定装置、曲げ加工機、及び測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/26 20060101AFI20231017BHJP
【FI】
G01B11/26 H
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022532390
(86)(22)【出願日】2021-05-13
(86)【国際出願番号】 JP2021018155
(87)【国際公開番号】W WO2021261105
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2022-12-13
(31)【優先権主張番号】P 2020108963
(32)【優先日】2020-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107836
【弁理士】
【氏名又は名称】西 和哉
(72)【発明者】
【氏名】窪内 佳光
(72)【発明者】
【氏名】河合 秀貢
【審査官】山▲崎▼ 和子
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-145315(JP,A)
【文献】特開平04-115108(JP,A)
【文献】特開2003-014430(JP,A)
【文献】特開2018-059850(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
G01N 21/84-21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
曲げ加工されたワークに複数色のレーザ光を照射可能であり、複数色のレーザ光のうちいずれか一色又は複数色のレーザ光を照射する照射部と、
前記ワークに照射されたレーザ光に基づいて、前記ワークの曲げ角度を測定する測定部と、を備え
前記照射部は、前記ワークに対して第1色のレーザ光を照射して矩形状の像を形成し、かつ、前記第1色に対して識別可能な第2色のレーザ光を前記矩形状の像の内側に照射して直線状の像を形成し、
前記測定部は、前記直線状の像に基づいて、前記ワークの曲げ角度を測定する、測定装置。
【請求項2】
前記ワークの色に基づいて、前記照射部から照射されるレーザ光の色を前記ワークの色と異なる色に選択する選択部を備える、
請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記ワークの色を判別する判別部と、
前記判別部により判別された前記ワークの色に基づいて、前記照射部から照射するレーザ光の色を前記ワークの色と異なる色に選択する選択部と、を備える、
請求項1に記載の測定装置。
【請求項4】
前記照射部は、それぞれ異なる複数色のレーザ光を照射し、
前記測定部は、複数色のレーザ光のうち前記ワークの表面で識別可能なレーザ光に基づいて前記ワークの曲げ角度を測定する、
請求項1に記載の測定装置。
【請求項5】
上型と下型との間にワークを挟み込むことにより前記ワークを曲げ加工する曲げ加工部と、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の測定装置と、を備える、曲げ加工機。
【請求項6】
曲げ加工されたワークに複数色のレーザ光のうちいずれか一色又は複数色のレーザ光を照射することと、
前記ワークに照射されたレーザ光に基づいて、前記ワークの曲げ角度を測定することと、を含み、
レーザ光の照射において、前記ワークに対して第1色のレーザ光を照射して矩形状の像を形成し、かつ、前記第1色に対して識別可能な第2色のレーザ光を前記矩形状の像の内側に照射して直線状の像を形成し、
曲げ角度の測定において、前記直線状の像に基づいて、前記ワークの曲げ角度を測定する、測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定装置、曲げ加工機、及び測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
曲げ加工後のワークに対してレーザ光を照射し、ワークの表面におけるレーザ光の像に基づいて測定部によりワークの曲げ角度を測定する測定装置を備えた曲げ加工機が開示されている(特許文献1参照)。特許文献1の曲げ加工機は、下型と、下型の上方で昇降する上型と、光源と、CCDカメラとを備えている。特許文献1によれば、ワークが上型と下型の間に挿入され、上型が降下すると、ワークは上型と下型とに挟まれて折り曲げられる。光源からは、単色のレーザ光等のスリット光が、曲げ加工後のワークに対して照射される。ワーク上に照射されたスリット光の像はCCDカメラによって撮像され、画像処理によってスリット光の傾斜角度が計測されることで、ワークの曲げ角度が検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第2751614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている折曲げ装置では、ワークに対して単色のレーザ光を照射しているため、ワークの色によっては照射したレーザ光(反射光)の視認性が悪い場合がある。そのため、CCDカメラによってスリット光の像を撮像しても、そのスリット光の像が背景(ワークの色)に紛れてしまい、撮像した画像から画像処理しても、測定された曲げ角度の測定精度が低い、又は測定不能となる場合がある。
【0005】
本発明は、ワークの色に関わらず、ワークの曲げ角度の測定精度を向上させることが可能な測定装置、曲げ加工機、及び測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に係る測定装置は、曲げ加工されたワークに複数色のレーザ光を照射可能であり、複数色のレーザ光のうちいずれか一色又は複数色のレーザ光を照射可能な照射部と、ワークに照射されたレーザ光に基づいて、ワークの曲げ角度を測定する測定部と、を備え、照射部は、ワークに対して第1色のレーザ光を照射して矩形状の像を形成し、かつ、第1色に対して識別可能な第2色のレーザ光を矩形状の像の内側に照射して直線状の像を形成し、測定部は、直線状の像に基づいて、ワークの曲げ角度を測定する
【0007】
また、本発明の態様に係る曲げ加工機は、上型と下型との間にワークを挟み込むことにより前記ワークを曲げ加工する曲げ加工部と、上記した態様の測定装置と、を備える。
【0008】
本発明の態様に係る測定方法は、曲げ加工部により曲げ加工されたワークに複数色のレーザ光のうちいずれか一色又は複数色のレーザ光を照射することと、ワークに照射されたレーザ光に基づいて、ワークの曲げ角度を測定することと、を含み、レーザ光の照射において、ワークに対して第1色のレーザ光を照射して矩形状の像を形成し、かつ、第1色に対して識別可能な第2色のレーザ光を矩形状の像の内側に照射して直線状の像を形成し、曲げ角度の測定において、直線状の像に基づいて、ワークの曲げ角度を測定する
【発明の効果】
【0009】
本発明の態様に係る測定装置及び測定方法によれば、照射部が曲げ加工されたワークに複数色のレーザ光のうちいずれか一色又は複数色のレーザ光を照射可能であるので、曲げ加工するワークの色に対して識別可能な色のレーザ光を照射部から照射させることにより、ワーク表面のレーザ光を確実に測定部で測定することができる。すなわち、ワークの色に関わらず、ワークの曲げ角度の測定精度を向上できる。
【0010】
また、上記態様の測定装置において、ワークの色に基づいて、照射部から照射されるレーザ光の色をワークの色と異なる色に選択する選択部を備えてもよい。この態様によれば、選択部によりレーザ光の色をワークの色と異なる色に選択するので、ワークの色に応じて識別可能なレーザ光を容易に選択できる。また、上記態様の測定装置において、ワークの色を判別する判別部と、判別部により判別されたワークの色に基づいて、照射部から照射するレーザ光の色をワークの色と異なる色に選択する選択部と、を備えてもよい。この態様によれば、ワークの色を判別部によって判別するので、ワークの色を予め取得していない場合であっても識別可能なレーザ光を容易に選択できる。また、上記態様の測定装置において、照射部は、それぞれ異なる複数色のレーザ光を照射し、測定部は、複数色のレーザ光のうちワークの表面で識別可能なレーザ光に基づいてワークの曲げ角度を測定してもよい。この態様によれば、照射部がそれぞれ異なる複数色のレーザ光を照射するので、ワークの色に関わらず、測定部によりいずれかの色のレーザ光に基づいてワークの曲げ角度を測定できる。また、上記態様の測定装置において、照射部は、ワークに対して直線状の像を形成するようにレーザ光を照射してもよい。この態様によれば、レーザ光による直線状の像を用いることで、測定部により曲げ角度を容易に測定できる。また、上記態様の測定装置において、2色のレーザ光を照射して、ワークにおいて隣り合う矩形状の像を形成し、測定部は、隣り合う矩形状の像の境界に基づいて、ワークの曲げ角度を測定してもよい。この態様によれば、2色のレーザ光を照射して隣り合う矩形状の像を形成するのでその境界が直線状となり、その境界を用いることでワークの色に関わらず、測定部によりワークの曲げ角度を確実に測定できる。また、上記態様の測定装置において、ワークに対して第1色のレーザ光を照射して矩形状の像を形成し、かつ、第1色に対して識別可能な第2色のレーザ光を矩形状の像の内側に照射して直線状の像を形成し、測定部は、直線状の像に基づいて、ワークの曲げ角度を測定してもよい。この態様によれば、第1色の矩形状の像において第2色の直線状の像が明確となるので、この直線状の像を用いることで、第2色のレーザ光がワークの色と識別し難い場合であっても、測定部によりワークの曲げ角度を確実に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態の測定装置及び曲げ加工機の一例を示す概略図である。
図2】ワークの傾きを算出する方法の一例を示し、(A)はワークが傾く前の状態を示す図、(B)はワークが傾いた状態を示す図である。
図3】第2実施形態の測定装置及び曲げ加工機の一例を示す概略図である。
図4】第2実施形態の記憶部に保存されているワークの色とレーザ光の色との選択テーブルの一例である。
図5】第2実施形態に係る測定方法の一例を示すフロー図である。
図6】第3実施形態の測定装置及び曲げ加工機の一例を示す概略図である。
図7】第3実施形態に係る測定方法の一例を示すフロー図である。
図8】第4実施形態の測定装置及び曲げ加工機の一例を示す概略図である。
図9】第5実施形態の測定装置及び曲げ加工機の一例を示す概略図である。
図10】第6実施形態の測定装置及び曲げ加工機の一例を示す概略図である。
図11】変形例に係る測定方法の一例を示すフロー図である。
図12】レーザ光の色と光強度との関係の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、複数の実施形態及び変形例について説明する。以下の説明で参照する図面では、その説明の容易化等の観点から、各構成要素等を実際の大きさと異なる大きさで記載する、他の構成要素に対して大きく記載する、他の構成要素に対して強調して記載する等、適宜縮尺を変更して表現する場合がある。
【0013】
<第1実施形態>
第1実施形態について図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態の測定装置30及び曲げ加工機10の一例を示す概略図である。曲げ加工機10は、図1に示すように、曲げ加工部20と、測定装置30とを備える。曲げ加工機10は、曲げ加工部20によってワークWに対して曲げ加工を行い、測定装置30によって曲げ加工されたワークWの曲げ角度を測定する。本実施形態において、ワークWは、折り曲げ可能な板状のワークWを例に挙げて説明する。また、ここで、曲げ角度とは、V字状に曲げ加工された板状のワークWの曲げ線を挟んだ一方の片W1と他方の片W2との間の角度θとするが、例えば、基準面(例えば水平面又は鉛直面)に対するワークWの片W1の傾きであってもよい。
【0014】
曲げ加工部20は、上型22と、下型24と、駆動源(図示省略)とを有する。上型22は、ラム21の下端にホルダ(図示省略)を介して下向きに配置され、横断面がV字状の下端部分を有する金型である。ラム21は、ガイド(図示省略)等によって昇降可能に保持されている。下型24は、テーブル23の上端において上型22に対して上下方向(Z方向)の下方に配置され、上型22の下端部分が入り込むV字状の溝24Aが形成された金型である。テーブル23は、例えば、建屋の床面等に載置される。上型22は、駆動源により駆動されて昇降する(上下方向に移動する)。なお、図示した上型22及び下型24は一例であり、他の形態の上型22及び下型24が適用されてもよい。
【0015】
曲げ加工部20は、上型22と下型24との間にワークWを挟み込むことによりワークWを曲げ加工する。前述の説明では上型22が駆動源により昇降する構成としたが、上型22が固定されかつ下型24が駆動源により昇降する構成であってもよいし、上型22及び下型24の双方が駆動源により昇降する構成であってもよい。
【0016】
測定装置30は、照射部32と、測定部100と、制御部36とを有する。照射部32は、曲げ加工されたワークWに複数色のレーザ光Lのうちいずれか一色又は複数色のレーザ光Lを照射する。測定部100は、ワークWに照射されたレーザ光Lに基づいて、ワークWの曲げ角度θを測定する。制御部36は、照射部32、及び後述する測定部100の撮像部34を制御する。照射部32及び撮像部34は、テーブル又はステー(図示省略)等により固定されている。このテーブル又はステーは、テーブル23又は曲げ加工機10のフレーム(図示省略)と連結され、照射部32及び撮像部34と、曲げ加工部20との相対位置がずれないようにしてもよい。
【0017】
照射部32は、一例として、V字状に曲げ加工されたワークWの一方の外側表面W12に対応する位置に配置されている。照射部32は、斜め下方からレーザ光Lを外側表面W12に照射するように配置されてもよいし、水平方向からレーザ光Lを外側表面W12に照射するように配置されてもよい。そして、照射部32は、V字状に曲げ加工されたワークWの一方の外側表面W12に直線を成す像Iを形成するように、レーザ光Lを照射する。また、照射部32は、複数色のレーザ光Lを照射可能であり、複数色のレーザ光Lのうちいずれか一色又は複数色のレーザ光を照射する。ここで、照射部32は、一例として,レーザプロジェクタ等の複数色(2色以上の色、異なる2以上の波長の色)のレーザ光Lを照射可能な装置が適用される。
【0018】
測定部100は、撮像部34と、制御部36に含まれる演算部50とにより形成される。なお、演算部50の詳細については後述する。撮像部34は、一例として、V字状に曲げ加工されたワークWの一方の外側表面W12に対応する位置であって照射部32の隣に(照射部32から離れて)配置されている。撮像部34は、斜め下方から外側表面W12の像Iを撮像するように配置されてもよいし、水平方向から外側表面W12の像Iを撮像するように配置されてもよい。また、照射部32と撮像部34とは、同じ高さに設定されてもよいし、異なる高さに設定されてもよい。
【0019】
撮像部34は、照射部32によってワークWの外側表面W12に形成される像Iを撮像する。ここで、撮像部34は、一例として、CCD、CMOS等のイメージセンサを備えるデジタルカメラ、ビデオカメラ等、像Iを撮像可能な装置が適用される。撮像部34は、カラー画像を取得可能な装置であってもよいし、特定の2色の画像を取得可能な装置であってもよい。撮像部34の撮像軸AX(すなわち撮像部34における撮像光学系の光軸)は、照射部32が照射するレーザ光Lの照射軸LX(すなわち照射部32における照射光学系の光軸)からずれており、ワークWの外側表面W12において双方が交差している。ただし、撮像部34の撮像軸AXと、照射部32の照射軸LXとは交差していなくてもよい。
【0020】
制御部36は、選択部40と、演算部50とを有する。選択部40は、照射部32に接続されており、照射部32が照射するレーザ光Lの色を選択する。演算部50は、撮像部34が撮像した像Iに基づいて、すなわち、ワークWに照射されたレーザ光Lに基づいて、ワークWの曲げ角度θを測定する。上述したように、撮像部34と演算部50との組合せが測定部100である。測定部100によるワークWの曲げ角度θの測定方法については後述する。
【0021】
次に、曲げ加工機10を用いたワークWの曲げ加工方法、及び実施形態に係る測定方法について、図1を参照しながら説明する。まず、下型24の定められた位置に加工前のワークWを配置する。次いで、駆動部により上型22を駆動させて上型22を下降させると、ワークWが上型22と下型24との間に挟み込まれて曲げ加工される。その結果、加工後のワークWは、V字状に曲げ加工される。なお、本実施形態では、曲げ加工前及び曲げ加工後の双方についてワークWと称し、適宜、加工前のワークW、曲げ加工後のワークWと称する。
【0022】
次いで、制御部36に制御された照射部32は、複数色のレーザ光Lのうちいずれか一色又は複数色のレーザ光LをワークWの外側表面W12に照射し、外側表面W12に像Iを形成させる。この場合、照射部32が照射するレーザ光Lの色は、一例として測定者が選択部40から選択した色となる。具体的には、測定者は、撮像部34がワークWの色に基づいて、ワークWの外側表面W12の色と異なる色のレーザ光Lを選択すればよい。すなわち、測定者は、ワークWの外側表面W12における像Iと像I以外の部分とを識別可能なレーザ光Lの色を選択すればよい。ここで、色が異なるとは、比較対象となる2色において、明度、彩度、色度の少なくとも一つが異なることの意味で用いている。次いで、測定部100では、撮像部34によって像Iを撮像し、演算部50によって撮像部34によって撮像された像Iに基づいてワークWの曲げ角度θを測定する。
【0023】
具体的には、演算部50は、撮像部34が撮像した画像から直線状の像Iの光強度の分布を解析し、画像内での像Iの向きと、予め定めた位置とを比較して像Iの傾きを算出する。図2は、ワークWの傾きを算出する方法の一例を示し、(A)はワークWが傾く前の状態を示す図、(B)はワークWが傾いた状態を示す図である。図2(A)に示すように、ワークWを折り曲げる前の状態(ワークWの片W1が傾く前の状態)では、レーザ光Lの像Iは、撮像部34のイメージセンサにより画像35内の像IAとして取得されている。この像IAの長手方向が指す向きは水平方向である。続いて、図2(B)に示すように、ワークWを折り曲げた後の状態(ワークWの片W1が傾いた状態)では、レーザ光Lの像Iは、画像35内の像IBとして取得される。演算部50(図1参照)は、像IAと像IBとの角度を演算して片W1の傾き角度θ1を算出する。この角度θ1は、水平方向に対する片W1の傾き角度である。従って、鉛直方向に対する片W1の傾き角度θ2は90°-θ1で表せられる。なお、像IAを取得せずに、画像35内における所定位置を予め基準位置として設定しておき、その基準位置と像IBとの間の角度から片W1の傾き角度θ1(又は角度θ2)を算出してもよい。ここで、ワークWが曲げ加工された状態では、片W1と片W2とは、曲げ線を含む鉛直面に対して対称となっている。従って、演算部50は、上記で算出した傾き角度θ2を2倍したθ2×2を求めることで、片W1と片W2との間の曲げ角度θを求めることができる。すなわち、測定部100は、ワークWに照射されたレーザ光Lに基づいて、ワークWの曲げ角度θを測定する。なお、上記した測定部100による曲げ角度の測定は一例であって、この方法に限定されない。例えば、ワークWの片W1側と片W2側の双方にそれぞれ照射部32及び撮像部34を配置し、鉛直方向に対する片W1の傾き角度と、鉛直方向に対する片W2の傾き角度とを個別に算出し、2つの角度を足し合わせることで片W1と片W2との間の曲げ角度を求めてもよい。
【0024】
次に、本実施形態の効果について図1を参照しながら説明する。例えば、前述の特許文献1に開示されているような、ワークWに対して単色のレーザ光しか照射できない構成では、ワークWの色によっては照射したレーザ光(反射光)の撮像部による視認性が悪い場合がある。そのため、この構成でワークWの曲げ角度θを測定すると、ワークWの色(又はワークWの外側表面W12の色)によっては曲げ角度θの測定精度が低い又は測定不能となる場合がある。これに対して、本実施形態では、照射部32がワークWに複数色のレーザ光Lのうちいずれか一色又は複数色のレーザ光Lを照射可能である。そのため、本実施形態では、照射部32が照射するレーザ光Lの色をワークWの色と異なるように(撮像部34が識別可能となるように)設定することができる。従って、本実施形態の測定装置30は、ワークW表面のレーザ光Lを確実に測定部100で測定することができる。すなわち、測定装置30は、ワークWの色に関わらず、ワークWの曲げ角度θの測定精度を向上させることができる。また、本実施形態の測定方法は、ワークWの色に関わらず、ワークWの曲げ角度θの測定精度を向上させることができる。
【0025】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について図3図5を参照しながら説明する。以下、本実施形態における、第1実施形態(図1参照)と異なる部分について説明する。また、本実施形態において、第1実施形態の曲げ加工機10の構成要素と同じ構成要素を用いる場合は、これらと同じ名称及び符号を用いて説明する。同じ名称及び符号を用いる場合、その構成要素の説明を省略又は簡略化する場合がある。図3は、本実施形態の測定装置30A及び曲げ加工機10Aの一例を示す概略図である。図4は、本実施形態の記憶部60に保存されているデータである選択テーブル62の一例である。選択テーブル62は、ワークWの色とレーザ光Lの色とを関連付けたデータテーブルである。図5は、本実施形態に係る測定方法の一例を示すフロー図である。
【0026】
本実施形態の曲げ加工機10Aは、図3に示されるように、曲げ加工部20と、測定装置30Aとを備える。測定装置30Aは、照射部32と、測定部100と、制御部36Aとを有する。制御部36Aは、第1実施形態の制御部36の構成要素(選択部40及び演算部50)に加えて記憶部60を有する。また、制御部36Aは、無線又は有線により上位装置70と接続されており、上位装置70からの各種情報を取得することができる。上位装置70は、情報の一部として、ワークWに関する情報(材質、寸法、色など)を制御部36Aに送る。記憶部60には、図4に示されるように、ワークWの色に対して照射部32に照射させるレーザ光Lの色の選択テーブル62が保存されている。
【0027】
ここで、図4の選択テーブル62における、ワークWの色とレーザ光Lの色との対応関係は、一例に過ぎない。この対応関係は、撮像部34が撮像する像Iの色(レーザ光Lの色)がワークWの色と異なるように、又は像Iが撮像部34により識別可能となるように、定められた色差、又は定められた光強度などから設定されている。上位装置70は、上述したように、制御部36Aに接続されており、ワークWに関する情報としてワークWの色情報を制御部36Aに伝達する。例えば、それぞれ色の異なる複数のワークWが連続的に曲げ加工機10Aによって曲げ加工される場合、上位装置70は、これらの加工順の各ワークの色情報を記憶していて、そのワークの色情報を順次制御部36Aに送ってもよい。
【0028】
次に、本実施形態に係る測定方法について図5を参照しながら説明する。まず、制御部36Aは、上位装置70からワークWの色情報を取得する(S10)。次いで、制御部36Aは、上位装置70から取得したワークWの色情報と、記憶部60に記憶されている選択テーブル62とに基づいて、照射部32が照射するレーザ光Lの色を、選択部40に選択させる(S20)。次いで、制御部36Aは、選択部40が選択したレーザ光Lの色を照射部32により照射させる(S30)。次いで、制御部36Aは、ワークWの外側表面W12に形成された像Iを撮像部34により撮像させる(S40)。次いで、制御部36Aは、撮像部34により撮像された画像から演算部50により直線状の像Iの光強度の分布を解析させ、画像内での像Iの向きに基づいて像Iの傾きを算出する。演算部50は、上記したように、像Iの傾きからワークWの片W1の傾き角度を算出し、片W1の傾き角度から、片W1と片W2との間の曲げ角度θを算出する。すなわち、測定部100は、ワークWに照射されたレーザ光Lに基づいて、片W1と片W2との間のワークWの曲げ角度θを測定する(S50)。
【0029】
本実施形態の測定装置30Aは、ワークWの色に基づいて、ワークWの外側表面W12でワークWの色と異なるように(レーザ光Lを識別可能となるように)照射部32から照射されるレーザ光Lの色を選択する。従って、測定装置30Aは、ワークWの色に応じて異なる(識別可能な)レーザ光Lを自動で選択することにより、ワークWの曲げ角度θを精度よく測定することができる。また、測定装置30Aは、選択テーブル62を保存する記憶部60を備えているため、第1実施形態と異なり、照射部32が照射するレーザ光Lの色は測定者が設定する必要がない。すなわち、レーザ光Lの色は、自動で設定される。
【0030】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について図6及び図7を参照しながら説明する。以下、本実施形態における、第2実施形態(図3図5参照)と異なる部分について説明する。また、本実施形態において、第1実施形態の曲げ加工機10(図1参照)及び第2実施形態の曲げ加工機10Aの構成要素と同じ構成要素を用いる場合は、これらと同じ名称及び符号を用いて説明する。同じ名称及び符号を用いる場合、その構成要素の説明を省略又は簡略化する場合がある。図6は、本実施形態の測定装置30B及び曲げ加工機10Bの一例を示す概略図である。図7は、本実施形態に係る測定方法の一例を示すフロー図である。
【0031】
本実施形態の曲げ加工機10Bは、図6に示されるように、曲げ加工部20と、測定装置30Bとを備える。測定装置30Bは、照射部32と、測定部100と、制御部36Bとを有する。制御部36Bは、第2実施形態の制御部36Aの構成要素(選択部40、演算部50及び記憶部60)に加えて判別部80を有する。判別部80は、撮像部34に接続されており、撮像部34が撮像したワークWの色を判別する。なお、制御部36Bは、上位装置70(図3参照)と接続されていてもよい。
【0032】
次に、本実施形態に係る測定方法について図7を参照しながら説明する。まず、制御部36Bは、撮像部34にワークWの外側表面W12を撮像させる(S110)。次いで、制御部36Bは、撮像部34が撮像したワークWの情報に基づき、判別部80にワークWの色を判別させる(S120)。次いで、制御部36Bは、判別部80が判別したワークWの色情報と、記憶部60に記憶されている選択テーブル62とに基づいて、照射部32が照射するレーザ光Lの色を、選択部40に選択させる(S130)。次いで、制御部36Bは、選択部40が選択したレーザ光Lの色を照射部32により照射させる(S140)。次いで、制御部36Bは、ワークWの外側表面W12に形成された像Iを撮像部34により撮像させる(S150)。次いで、制御部36Aは、撮像部34により撮像された直線状の像Iの光強度の分布を解析させ、画像内での像Iの向きに基づいて、像Iの傾き角度を算出する。演算部50は、像Iの傾きからワークWの片W1の傾き角度θ1を算出し、片W1の傾き角度から、片W1と片W2との間の曲げ角度θを算出する。すなわち、測定部100は、ワークWに照射されたレーザ光Lに基づいて、ワークWの曲げ角度θを測定する(S160)。
【0033】
本実施形態の測定装置30Bは、ワークWの色を判別する判別部80を備える。従って、測定装置30Bは、判別部80が判別したワークWの色に応じて色が異なるレーザ光L(識別可能なレーザ光L)を選択部40により自動で選択することができる。すなわち、レーザ光Lの色を測定者が設定する必要がない。さらに、測定装置30Bは、撮像部34にワークWの色を撮像させて判別部80によりワークWの色を判別させるため、予めワークWの色情報がわからなくても(第2実施形態の場合のようにワークWの色情報を上位装置70から取得しなくても)、ワークWの色に対して色が異なる(識別可能な)レーザ光Lの色を容易に設定することができる。
【0034】
なお、本実施形態において、制御部36Bは、上位装置70に接続されて、上位装置70からワークWの色情報を取得してもよい。この場合、制御部36Bは、上位装置70から取得したワークWの色情報と、判別部80が判別したワークWの色とを比較して、双方が同一であることを確認してから選択部40によりレーザ光Lの色を選択して、照射部32からレーザ光Lを照射させてもよい。
【0035】
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について図8を参照しながら説明する。以下、本実施形態における、第1実施形態(図1参照)と異なる部分について説明する。また、本実施形態において、第1実施形態の曲げ加工機10の構成要素と同じ構成要素を用いる場合は、これらと同じ名称及び符号を用いて説明する。同じ名称及び符号を用いる場合、その構成要素の説明を省略又は簡略化する場合がある。図8は、本実施形態の曲げ加工機10C及び測定装置30Cの一例を示す概略図である。
【0036】
本実施形態の曲げ加工機10Cは、図8に示されるように、曲げ加工部20と、測定装置30Cとを備える。測定装置30Cは、照射部32と、測定部100と、制御部36とを有する。測定装置30Cは、第1実施形態の測定装置30の構成と同じである。ただし、測定装置30Cでは、照射部32が、それぞれ異なる複数色のレーザ光LR、LG、LB(LR、LG、LBの色は、一例としてそれぞれ赤色、緑色、青色である。)を照射し、測定部100が、複数色のレーザ光LR、LG、LBのうちワークWの外側表面W12で識別可能なレーザ光L(レーザ光LR、LG、LBのうちのいずれか)に基づいてワークWの曲げ角度θを測定する。
【0037】
具体的には、図8に示されるように、照射部32は、それぞれ異なる複数色のレーザ光LR、LG、LBをワークWの外側表面W12の異なる部分に同時に照射して、外側表面W12にそれぞれ色の異なる直線状の像IR、IG、IBを互いに重ならないように形成する。照射部32は、一例として、外側表面W12において直線状の像IR、IG、IBを並べて互いに平行となるように、レーザ光LR、LG、LBを照射する。測定部100は、複数色のレーザ光LR、LG.LBのうちワークWの外側表面W12で識別可能なレーザ光(レーザ光LR、LG、LBのうちのいずれか)に基づいてワークWの曲げ角度θを測定する。例えば、ワークWの色が赤の場合、識別可能なレーザ光とは、例えばレーザ光LG、LBである。また、撮像部34は、互いに並ぶ直線状の像IR、IG、IBを同時に撮像できるような画角に設定されていてもよいし、直線状の像IR、IG、IBの並び方向に沿って順次撮像するように移動可能(回動可能)であってもよい。
【0038】
本実施形態に係る測定方法では、撮像部34は、直線状の像IR、IG、IBを同時に撮像して、その画像から識別可能な1つ又は複数の像IR、IG、IBに基づいて、演算部50によりワークWの曲げ角度θを測定する。また、撮像部34は、直線状の像IR、IG、IBの並び方向に沿って移動しながら撮像し、識別可能な像IR、IG、IBを撮像した際に、演算部50によりワークWの曲げ角度θを測定する。
【0039】
本実施形態の測定装置30Cは、照射部32がそれぞれ異なる複数色のレーザ光LR、LG、LBを照射する。従って、測定装置30Cは、いずれかの色(本実施形態の場合は、赤、緑及び青)のレーザ光LR、LG、LBに基づいてワークWの曲げ角度θを測定することができる。そのため、測定装置30Cは、予めワークWの色情報がわからなくても(上位装置70(図3参照)からワークWの色情報を取得しなくても)、ワークWの曲げ角度θを確実に測定することができる。また、測定装置30Cは、判別部80及び選択テーブル62を保存する記憶部60(図6参照)を備える必要がないため、制御部36を簡略化できる。
【0040】
なお、本実施形態では、複数色のレーザ光LR、LG、LBの色数を3色としたが、2色又は4色以上でもよい。この形態であっても、前述と同様に、ワークWの曲げ角度θを確実に測定することができる。また、本実施形態では、照射部32が複数色のレーザ光LR、LG、LBをワークWの外側表面W12に照射するタイミングを同時としたが、このタイミングは同時でなくてもよい。この場合、撮像部34は、例えば、異なるタイミングの時間を含むようなシャッタースピードで撮像することにより、又は異なるタイミングの時間を含むような動画を撮像することにより、前述と同様に、取得した画像からワークWの曲げ角度θを確実に測定することができる。
【0041】
また、照射部32は、直線状の像IR、IG、IBが互いに重ならないように、レーザ光LR、LG、LBを外側表面W12に照射するとしたが、レーザ光LR、LG、LBを外側表面W12の同じ位置に異なるタイミングで照射する形態であってもよい。この場合、撮像部34は、各レーザ光LR、LG、LBを照射するタイミングでそれぞれ撮像し、各画像の中から識別可能な像Iに基づいてワークWの曲げ角度θを測定してもよい。
【0042】
<第5実施形態>
次に、第5実施形態について図9を参照しながら説明する。以下、本実施形態における、第1実施形態(図1参照)と異なる部分について説明する。また、本実施形態において、第1実施形態の曲げ加工機10の構成要素と同じ構成要素を用いる場合は、これらと同じ名称及び符号を用いて説明する。同じ名称及び符号を用いる場合、その構成要素の説明を省略又は簡略化する場合がある。図9は、本実施形態の曲げ加工機10D及び測定装置30Dの一例を示す概略図である。
【0043】
本実施形態の曲げ加工機10Dは、図9に示されるように、曲げ加工部20と、測定装置30Dとを備える。測定装置30Dは、照射部32と、測定部100と、制御部36とを有する。測定装置30Dは、第1実施形態の測定装置30の構成と同じである。ただし、測定装置30Dでは、照射部32が、2色のレーザ光LW、LK(LW、LKの色は、一例としてそれぞれ白色、黒色である。)を照射して、ワークWの外側表面W12において隣り合う複数の矩形状の像IW、IKを形成する。測定部100は、撮像部34により撮像された隣り合う複数の矩形状の像IW、IKの境界BLに基づいて、ワークWの曲げ角度θを測定する。
【0044】
本実施形態に係る測定方法では、照射部32は、2色のレーザ光LW、LKをワークWの外側表面W12に同時に照射して、外側表面W12に千鳥状に並ぶ複数の矩形状の像IW、IKを互い隣り合うように形成する。撮像部34は、複数の像IW、IKを撮像する。演算部50は、撮像部34が撮像した画像から、互い隣り合う複数の矩形状の像IW、IKによって形成された直線を成す境界BLに基づいて境界BLの向きを算出し、境界BLの向きから片W1の傾き角度を求めてワークWの曲げ角度θを算出する。すなわち、測定装置30Dは、ワークWの曲げ角度θを測定する。
【0045】
本実施形態では、前述の第1実施形態と同様に、ワークWの曲げ角度θを確実に測定することができる。なお、本実施形態の測定装置30Dの構成に、前述の第2~第4実施形態の構成を組み合わせてもよい。また、本実施形態では、複数の矩形状の像IW、IKを互い隣り合うように千鳥状に並ぶとしたが、この形態に限定されない。例えば、一方向に延びる1つの矩形状の像IWと、同じく一方向に延びる1つの矩形状の像IKが互いに隣り合うように形成される構成であってもよい。
【0046】
<第6実施形態>
次に、第6実施形態について図10を参照しながら説明する。以下、本実施形態における、第1実施形態(図1参照)と異なる部分について説明する。また、本実施形態において、第1実施形態の曲げ加工機10の構成要素と同じ構成要素を用いる場合は、これらと同じ名称及び符号を用いて説明する。同じ名称及び符号を用いる場合、その構成要素の説明を省略又は簡略化する場合がある。図10は、本実施形態の曲げ加工機10E及び測定装置30Eの一例を示す概略図である。
【0047】
本実施形態の曲げ加工機10Eは、図10に示されるように、曲げ加工部20と、測定装置30Eとを備える。測定装置30Eは、照射部32と、測定部100と、制御部36とを有する。測定装置30Eは、第1実施形態の測定装置30の構成と同じである。ただし、測定装置30Eでは、照射部32が、ワークWに対して第1色のレーザ光L1を照射して矩形状の像I1を形成し、かつ、この第1色に対して識別可能な第2色のレーザ光L2を矩形状の像I1の内側に照射して直線状の像I2を形成する。照射部32は、矩形状の像I1内に直線状の像I2を重ねて形成するように、第1色のレーザ光L1及び第2色のレーザ光L2を照射する。測定部100は、撮像部34により撮像された矩形状の像I1内の直線状の像I2に基づいて、ワークWの曲げ角度θを測定する。
【0048】
本実施形態に係る測定方法では、照射部32は、ワークWに対して第1色のレーザ光L1を照射して矩形状の像I1を形成する。第1色は、一例として黒である。さらに、照射部32は、第1色に対して異なる第2色(識別可能な第2色)のレーザ光L2を矩形状の像I1の内側に照射して直線状の像I2を形成する。第2色は、一例として白である。撮像部34は、少なくとも直線状の像I2を含む画角で撮像する。撮像部34は、直線状の像I2を含む画像を撮像できれば、矩形状の像I1の全体を撮像できなくてもよい。第1色の矩形状の像I1は、第2色の直線状の像I2の下地として機能する。従って、第2色のレーザ光L2が外側表面W12に対して識別し難い場合であっても、矩形状の像I1の色が下地となって直線状の像I2が識別可能となる。撮像部34は、矩形状の像I1内における直線状の像I2を撮像する。演算部50は、撮像部34が撮像した画像から、直線状の像I2に基づいて片W1の傾き角度を求めてワークWの曲げ角度θを算出する。すなわち、測定装置30Eは、ワークWの曲げ角度θを測定する。
【0049】
また、本実施形態では、前述の第1実施形態と同様に、ワークWの曲げ角度θを確実に測定することができる。なお、測定装置30Eの構成に、前述の第2~第5実施形態の構成を組み合わせてもよい。また、本実施形態では、第1色を黒とし、第2色を白としているが、この形態に限定されない。例えば、第1色を白とし、第2色を黒としてもよい。また、下地である第1色に対して識別可能となる第2色であれば、第1色及び第2色の組み合わせは任意に設定できる。例えば、第1色を赤とし、第2色を緑としてもよい。
【0050】
以上のとおり、本発明について複数の実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲はこれらの実施形態で説明された形態に限定されない。例えば、本発明は、これらの実施形態で説明した構成要素の一部が省略されてもよい。また、例えば、本発明は、これらの実施形態で説明した構成要素の一部が省略されつつ、別の構成要素が追加されてもよい。また、例えば、本発明は、これらの実施形態で説明した複数の構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0051】
図11は、変形例に係る測定方法の一例を示すフロー図である。例えば、図11に示されるフロー図のように、第2実施形態に係る測定方法のフロー(図5参照)を変更してもよい。図5に示すステップS10を、レーザ光Lの色を選択するかについて判断させるS210に変更し、このステップS210において肯定判断をした場合(ステップS210のYES)には、図5のステップS20以降と同じステップを実行させる。また、ステップS210において否定判断した場合(ステップS210のNO)には、第4実施形態(図8参照)のように、複数色のレーザ光Lを照射することを選択させ(S230)、図5のステップS40以降と同じステップを実行させるようにしてもよい。
【0052】
また、例えば、第3実施形態(図6参照)では、その測定方法のフロー(図7参照)において、ステップS120でワークWの色を判別した後にステップS130でレーザ光Lの色を選択する際に選択テーブル62(図4参照)を用いる形態を例に挙げて説明したが、この形態に限定されない。例えば、ステップS130では選択テーブル62を用いずに、照射部32から異なる色(CA、CB、CC、CD)のレーザ光LをワークWに向けて照射させ、測定部100により各色のレーザ光Lによる像Iの光強度を測定させて、定められた光強度PLI以上となる色のレーザ光Lを測定時に用いるようにしてもよい。
【0053】
制御部36B(図6参照)は、定められた光強度PLIを記憶部60に記憶しておいてもよい。図12は、レーザ光Lの色と光強度との関係の一例を示すグラフである。図11に示すように、照射部32から照射された異なる色のレーザ光Lのうち、光強度PLI以上となる色のレーザ光Lが色CC、CDのレーザ光Lである場合、選択部40は、色CC、CDのレーザ光Lを測定時に選択するようにしてもよい。
【0054】
また、上記した実施形態では、1つの照射部32から複数色のレーザ光Lを照射可能な構成を例に挙げて説明しているが、この形態に限定されない。例えば、色が異なるレーザ光Lを照射する複数の照射部をまとめて、本実施形態の照射部32とする構成であってもよい。この場合、使用者がいずれか一つ以上の照射部からレーザ光Lを照射させ、又は選択部40によりいずれか一つ以上の照射部からレーザ光Lを照射させることで、複数色のレーザ光Lのうちいずれか一色又は複数色のレーザ光Lを照射する照射部32を実現することができる。
【0055】
なお、上述の実施形態などで説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上述の実施形態などで説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、法令で許容される限りにおいて、日本特許出願である特願2020-108963、及び、上述の実施形態などで引用した全ての文献の開示を援用して本文の記載の一部とする。
【符号の説明】
【0056】
10、10A、10B、10C、10D、10E・・・曲げ加工機
20・・・曲げ加工部
22・・・上型
24・・・下型
30、30A、30B、30C、30D、30E・・・測定装置
32・・・照射部
34・・・撮像部
40・・・選択部
80・・・判別部
100・・・測定部
BL・・・境界
I、I、I、IB、IG、IK、IR、IW・・・像
L、L、L、LB、LG、LK、LR、LW・・・レーザ光
W・・・ワーク
W12・・・外側表面(表面)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12