(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】ポンプ装置及びガード
(51)【国際特許分類】
F16D 3/84 20060101AFI20231017BHJP
F04D 29/043 20060101ALI20231017BHJP
F16P 1/02 20060101ALI20231017BHJP
【FI】
F16D3/84 A
F04D29/043 A
F16P1/02
(21)【出願番号】P 2019149787
(22)【出願日】2019-08-19
【審査請求日】2022-08-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000148209
【氏名又は名称】株式会社川本製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】山下 英吾
(72)【発明者】
【氏名】米川 正章
(72)【発明者】
【氏名】高橋 利造
(72)【発明者】
【氏名】梅本 奨平
【審査官】角田 貴章
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-074456(JP,A)
【文献】特開平07-247986(JP,A)
【文献】実開昭63-018020(JP,U)
【文献】特開平04-371733(JP,A)
【文献】特開2018-013229(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 3/84
F04D 1/00-13/16
17/00-19/02
21/00-25/16
29/00-35/00
F16P 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
前記ベースに固定されるモータと、
前記モータに接続される回転軸と、
前記モータから離間して前記ベースに固定され、前記回転軸が接続されるポンプと、
前記回転軸の前記モータ側を覆い、前記ベースに固定される第1ガードと、
前記回転軸の前記ポンプ側を覆うとともに前記第1ガードの一部と重なり、前記ベースに固定される第2ガードと、
頭部及び胴部を有する複数の締結部材と、を備え
、
前記第1ガードは、前記回転軸を覆う第1本体と、前記第1本体に設けられ、前記締結部材の前記胴部が挿通可能な孔部及び前記締結部材の前記頭部を受ける第1座部が形成された第1フランジ部と、を有し、
前記第2ガードは、前記回転軸及び前記第1本体を覆う第2本体と、前記第2本体に設けられ、前記締結部材の前記胴部が挿通可能且つ前記回転軸の軸方向に延びる長孔部、及び、前記軸方向に延び、前記締結部材の前記頭部を受ける第2座部が形成された第2フランジ部と、を有し、
前記第2本体は、前記第2フランジ部を前記ベースに固定した状態で、前記ベースから前記第1フランジ部の厚さよりも大きい距離離間するポンプ装置。
【請求項2】
ベースと、
前記ベースに固定されるモータと、
前記モータに接続される回転軸と、
前記モータから離間して前記ベースに固定され、前記回転軸が接続されるポンプと、
前記回転軸の前記モータ側を覆い、前記ベースに固定される第1ガードと、
前記回転軸の前記ポンプ側を覆うとともに前記第1ガードの一部と重なり、前記ベースに固定される第2ガードと、
頭部及び胴部を有する複数の締結部材と、を備え、
前記第1ガードは、前記回転軸を覆う第1本体と、前記第1本体に設けられ、前記締結部材の前記胴部が挿通可能な孔部及び前記締結部材の前記頭部を受ける第1座部が形成された第1フランジ部と、を有し、
前記第2ガードは、前記回転軸及び前記第1本体を覆う第2本体と、前記第2本体に設けられ、前記締結部材の前記胴部が挿通可能且つ前記回転軸の軸方向に延びる長孔部、及び、前記軸方向に延び、前記締結部材の前記頭部を受ける第2座部が形成された第2フランジ部と、を有し、
前記長孔部は、一部に前記締結部材の前記頭部が通過可能に形成される逃がし部を有し、
前記逃がし部から前記第2本体の前記モータ側の一端までの前記軸方向の距離は、前記第2フランジ部の前記ベースへの固定位置から前記ポンプまでの前記軸方向の距離よりも大きい、ポンプ装置。
【請求項3】
前記第2ガードは、前記第1ガードの一部を覆う請求項1
又は請求項2に記載のポンプ装置。
【請求項4】
前記第1ガードは、前記モータの一部をさらに覆い、
前記第2ガードは、前記ポンプの一部をさらに覆う請求項1
又は請求項2に記載のポンプ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータとポンプが離間して配置された横型のポンプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ポンプ装置として、モータとポンプが離間して配置された横型ポンプが知られている。このようなポンプ装置には、ポンプの駆動のため、モータに接続されたモータ軸とポンプに接続された主軸とを、軸継手により接続した回転軸が用いられる。ここで、ポンプとモータとの間でモータ軸及び主軸が露出する軸継手周辺に人が接触すること等を防止するため、軸継手周辺を覆うアーチ形の軸継手ガードを設ける技術が知られている。
【0003】
しかしながら、従来の軸継手ガードは、軸継手周辺を覆う形状であり、回転軸の露出範囲が依然として大きいものであった。また、このような軸継手ガードは、回転軸の露出範囲を低減する場合には、回転軸を覆う鉄板等を軸方向に追加で組み付ける必要があり、部品製作や加工等の手間を要するものであった。
【0004】
そこで、回転軸の露出範囲の低減及び汎用性の向上のため、軸継手周辺を覆うガード本体及びガード本体を支持する脚部を分割構造とし、軸継手周辺を覆う高さ方向や水平方向の形状の調整を可能とした軸継手ガードが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、軸継手を周方向の全体にわたって覆うガード本体、及び、ガード本体の軸方向に直交する開口を覆うガード側部を有する軸継手ガードも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-74456号公報
【文献】特開2014-173680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような軸継手ガードは、部品点数が増加し、組立が複雑となる虞があった。そこで、一部材で構成されるガードにより、軸継手周辺を含む回転軸全体を覆うことも考えられる。
【0007】
しかし、ガードによって回転軸全体を覆うと、安全性は向上するが、視認性が損なわれる。また、ガードを用いたポンプ装置は、漏れ点検や軸封部のメンテナンス時にガードを着脱する作業を要することから、メンテナンス性の確保も課題となる。
【0008】
これに対し、視認性を向上するためには、ガードの一部に開口を設けることが考えられる。しかし、ポンプ装置において特に視認性を要する箇所は、主軸が外部に露出する軸封部付近等の危険箇所である。したがって、視認性を向上するため、ガードの一部に開口を設けると、安全性が損なわれる虞がある。
【0009】
このように、ガードを用いたポンプ装置は、視認性または安全性の一方を向上すると、他方が損なわれる関係にある。即ち、ガードを用いたポンプ装置は、視認性と安全性が相反する関係にあった。
【0010】
そこで、本発明は、簡素な構成で回転軸を覆うとともに、視認性と安全性を両立させ、さらにメンテナンス性を確保することができるポンプ装置及びガードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様によれば、ポンプ装置は、ベースと、前記ベースに固定されるモータと、前記モータに接続される回転軸と、前記モータから離間して前記ベースに固定され、前記回転軸が接続されるポンプと、前記回転軸の前記モータ側を覆い、前記ベースに固定される第1ガードと、前記回転軸の前記ポンプ側を覆うとともに前記第1ガードの一部と重なり、前記ベースに固定される第2ガードと、頭部及び胴部を有する複数の締結部材と、を備え、前記第1ガードは、前記回転軸を覆う第1本体と、前記第1本体に設けられ、前記締結部材の前記胴部が挿通可能な孔部及び前記締結部材の前記頭部を受ける第1座部が形成された第1フランジ部と、を有し、前記第2ガードは、前記回転軸及び前記第1本体を覆う第2本体と、前記第2本体に設けられ、前記締結部材の前記胴部が挿通可能且つ前記回転軸の軸方向に延びる長孔部、及び、前記軸方向に延び、前記締結部材の前記頭部を受ける第2座部が形成された第2フランジ部と、を有し、前記第2本体は、前記第2フランジ部を前記ベースに固定した状態で、前記ベースから前記第1フランジ部の厚さよりも大きい距離離間する。
【0012】
本発明の一態様によれば、ポンプ装置は、ベースと、前記ベースに固定されるモータと、前記モータに接続される回転軸と、前記モータから離間して前記ベースに固定され、前記回転軸が接続されるポンプと、前記回転軸の前記モータ側を覆い、前記ベースに固定される第1ガードと、前記回転軸の前記ポンプ側を覆うとともに前記第1ガードの一部と重なり、前記ベースに固定される第2ガードと、頭部及び胴部を有する複数の締結部材と、を備え、前記第1ガードは、前記回転軸を覆う第1本体と、前記第1本体に設けられ、前記締結部材の前記胴部が挿通可能な孔部及び前記締結部材の前記頭部を受ける第1座部が形成された第1フランジ部と、を有し、前記第2ガードは、前記回転軸及び前記第1本体を覆う第2本体と、前記第2本体に設けられ、前記締結部材の前記胴部が挿通可能且つ前記回転軸の軸方向に延びる長孔部、及び、前記軸方向に延び、前記締結部材の前記頭部を受ける第2座部が形成された第2フランジ部と、を有し、前記長孔部は、一部に前記締結部材の前記頭部が通過可能に形成される逃がし部を有し、前記逃がし部から前記第2本体の前記モータ側の一端までの前記軸方向の距離は、前記第2フランジ部の前記ベースへの固定位置から前記ポンプまでの前記軸方向の距離よりも大きい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、簡素な構成で回転軸を覆うとともに、視認性と安全性を両立させ、さらにメンテナンス性を確保することができるポンプ装置及びガードを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るポンプ装置の構成を示す上面図。
【
図3】同ポンプ装置の構成を一部断面で示す側面図。
【
図5】本発明の第2の実施形態に係るポンプ装置の構成を示す上面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係るポンプ装置1を、
図1乃至
図4を用いて説明する。
図1は、ポンプ装置1の構成を示す上面図であり、
図2は、ポンプ装置1の構成を示す正面図であり、
図3は、ポンプ装置1の構成を一部断面で示す側面図である。また、
図4には、ポンプ装置1の一使用例を示す。
図1乃至
図4に示すように、ポンプ装置1は、ベース11と、複数の締結部材12と、モータ13と、回転軸14と、ポンプ15と、ガード16と、を備える。ポンプ装置1は、例えば、横型渦巻ポンプである。
【0016】
図1乃至
図3に示すように、ベース11は、設置面に設置され、上面にモータ13及びポンプ15が固定される。ここで、ベース11は、モータ13とポンプ15を回転軸14の軸方向に離間して固定する。また、ベース11は、締結部材12の装着により、上面にガード16を固定可能に構成される。例えば、ベース11は、締結部材12が締結される複数の被締結部21を有する。
【0017】
被締結部21は、雌ねじ部である。複数の被締結部21は、ベース11上に配置したガード16を、締結部材12の装着によりベース11上に固定する部位である。複数の被締結部21は、ガード16を固定する位置に応じて、ベース11の所定の位置に適宜設けられる。
図1に示すように、被締結部21は、例えば、離間して配置されるモータ13とポンプ15の間であって、モータ13側及びポンプ15側それぞれに、回転軸14の軸心を介して対称に一対に設けられる。
【0018】
複数の締結部材12は、ベース11の被締結部21に着脱可能に構成される。また、複数の締結部材12は、ガード16をベース11に固定可能に構成される。締結部材12は、頭部12aと、頭部12aよりも小径の雄ねじが形成された胴部12bと、を有する。締結部材12は、例えばボルトである。締結部材12は、胴部12bが被締結部21に螺合し、頭部12aがベース11の上面またはベース11上に配置されたガード16に当接する。なお、締結部材12は、頭部12a及び胴部12bを有する構成であればよく、例えば、ヘッド付きピンであってもよい。
【0019】
図1及び
図2に示すように、モータ13は、モータケーシング13aと、モータケーシング13aに収容される固定子と、固定子により回転する回転子と、を有する。また、モータ13は、回転子に接続されたモータ軸31を有する。モータ13は、回転子が回転することで、回転子に接続されたモータ軸31を回転する。モータケーシング13aは、ベース11上に固定され、モータ軸31の一部を露出する。
【0020】
図1及び
図2に示すように、回転軸14は、モータ13及びポンプ15に接続される。回転軸14は、モータ13とポンプ15との間で一部が露出する。回転軸14は、モータ13により回転することでポンプ15を駆動する。回転軸14は、例えば、モータ軸31と、主軸32と、軸継手33と、軸受34と、軸受箱35と、を有する。
【0021】
モータ軸31は、モータ13の回転子に接続される。モータ軸31は、一部が軸方向にモータケーシング13aから露出する。
【0022】
主軸32は、軸継手33を介してモータ軸31に接続されるとともに、ポンプ15に接続される。主軸32は、モータ軸31の回転に伴い回転し、ポンプ15を駆動する。主軸32は、一部が軸方向にポンプ15から露出する。
【0023】
軸継手33は、モータ軸31の回転に伴い主軸32を回転可能に、モータ軸31と主軸32とを接続する。軸継手33は、例えば、モータ13及びポンプ15の間に露出する回転軸14の軸方向でモータ13側に位置する。
【0024】
軸受34は、主軸32が回転可能に主軸32を支持する。軸受34は、例えば玉軸受である。軸受34は、軸継手33に対して軸方向でポンプ15側に若干離間した位置に設けられる。即ち、軸継手33と軸受34との間には、主軸32の一部が露出する。
【0025】
図2に示すように、軸受箱35は、ポンプ15に固定され、軸受34を収容するとともに、主軸32のポンプ15近傍の一部を露出する。軸受箱35は、例えば、ポンプ15に固定される基部35aと、軸受34を保持する保持部35bと、基部35a及び保持部35bを連結する連結部35cと、保持部35bを支持する支持部材35dと、を有する。
【0026】
基部35aは、ポンプ15に固定され、連結部35cを介して連結された保持部35bを支持する。基部35aは、例えば、ポンプ15に固定可能且つ連結部35cが一体に設けられる円環状に構成される。
【0027】
保持部35bは、軸受34を保持し、軸受34の軸方向の荷重及び軸方向に直交する方向の荷重を受ける。保持部35bは、例えば、内周面が軸受34に当接する円筒状に構成される。なお、保持部35bは、軸受34の軸方向の荷重を受ける軸受カバーを含む。
【0028】
連結部35cは、基部35a及び保持部35bを連結する。また、連結部35cは、基部35aと保持部35bとの間で主軸32の一部を露出する形状に形成される。連結部35cは、例えば、側面視で基部35aから保持部35bにわたるコの字形に屈曲した矩形板状に形成される。また、
図2に示すように、連結部35cの一部には、例えば、ポンプ15の型番等を示すポンプ銘板100が配置される。
【0029】
支持部材35dは、主面が軸方向に直交する薄板状に形成される。支持部材35dは、保持部35bの外面に取り付けられるとともに、ベース11に固定されることで、保持部35bを支持する。
【0030】
ポンプ15は、ポンプケーシング41と、シール部42と、エルボ43と、を有する。また、ポンプ15は、主軸32、軸受34及び軸受箱35を有する。ポンプ15は、モータ13から離間してベース11に設置される。即ち、ポンプ15とモータ13との間で、回転軸14の一部が露出する。ポンプ15は、主軸32の回転に伴い、ポンプケーシング41内で水を増圧し、一次側から吸い込んだ水を二次側へ吐き出す。
【0031】
ポンプケーシング41は、吸込口及び吐出口を有する。ポンプケーシング41は、モータ13から離間してベース11上に固定される。ポンプケーシング41は、主軸32の一部及び主軸32に固定されたインペラを収容する。ポンプケーシング41は、収容したインペラの回転により水を増圧可能に構成される。ポンプケーシング41は、増圧した水を吸込口から吐出口に誘導する流路を構成する。また、ポンプケーシング41は、主軸32が通過する開口を有し、主軸32の一端側を収容するとともに、主軸32の他端側を外部に配置する。ポンプケーシング41は、主軸32が通過する開口の周囲に軸受箱35の基部35aが配置される。
【0032】
シール部42は、ポンプケーシング41と主軸32との間の漏れを抑制可能に構成される。シール部42は、例えば、グランドパッキンやメカニカルシールが用いられる。本実施形態では、シール部42は、グランドパッキンである。シール部42は、主軸32への組付け部が、主軸32とともに外部に露出して設けられる。
【0033】
エルボ43は、シール部42からの排水を行う流路を構成する。エルボ43は、例えば、一端が軸受箱35の連結部35cに一体に設けられ、シール部42に流体的に接続される。エルボ43は、例えば、一端側が連結部35cから下方に延びるとともに、中途部が曲折し、他端側がベース11の上面に平行に構成される。また、エルボ43は、例えば、設置現場において、他端に排水先への流路を構成する直管99が接続される。
【0034】
ガード16は、モータ13とポンプ15との間に露出する回転軸14を覆うとともに、ベース11上に固定される。具体例として、ガード16は、回転軸14を、モータケーシング13aから軸方向に若干離間した位置から、ポンプケーシング41から軸方向に若干離間した位置まで覆う。また、ガード16は、軸方向で回転軸14を覆う範囲が可変に構成される。例えば、ガード16は、露出した回転軸14のモータ13側を覆う第1ガード51と、露出した回転軸14のポンプ15側を覆うとともに第1ガード51の一部と重なる第2ガード52と、を備える。ここで、第2ガード52が第1ガード51と重なるとは、第1ガード51または第2ガード52の一方が、所定の隙間を介して他方を覆うことを示す。即ち、第2ガード52が第1ガード51と重なるとは、第2ガード52が第1ガード51を覆うか、または、第2ガード52が第1ガード51に覆われることを示す。本実施形態では、第2ガード52が第1ガード51の一部と重なる例として、第2ガード52が第1ガード51を覆う例を説明する。なお、以下、
図1、
図2及び
図4に示すように、回転軸14の軸方向を第1方向Xとして説明する。
【0035】
ガード16は、第1ガード51及び第2ガード52を第1方向Xに組み合わせることにより、モータ13とポンプ15との間に露出する回転軸14を覆う。即ち、
図2に示すように、モータ13とポンプ15との間に露出する回転軸14の第1方向Xの長さをL
Sとし、第1ガード51の第1方向Xの長さをL
1とし、第2ガード52の第1方向Xの長さをL
2として、L
S、L
1及びL
2は、(L
1+L
2)≧L
Sの関係にある。なお、L
S、L
1及びL
2は、好ましくは、(L
1+L
2)>L
Sの関係にある。
【0036】
第1ガード51は、回転軸14を覆う第1本体61と、締結部材12の装着によりベース11上に固定される第1フランジ部62と、を有する。
【0037】
第1本体61は、例えば、第1方向Xで両端が開口するアーチ形に形成され、第1方向Xに延設される。具体的には、第1本体61は、上方が所定の曲率を有する半円筒状に形成され、下方が半円筒の周方向に連続して下方に向かって延びる一対の壁状に形成される。即ち、第1本体61は、第1方向Xに直交する断面形状がU字形の半筒状に形成される。また、第1本体61は、例えば、一対の壁状の部位が互いに近接または離間する方向に変形可能な板厚に形成される。例えば、第1本体61の板厚は、1mm程度である。第1本体61は、例えば、モータ13及びポンプ15の間に露出する回転軸14のうち、モータケーシング13aより若干離間した位置から、少なくとも軸継手33と軸受34との間に露出した主軸32の一部までを覆う。
【0038】
第1フランジ部62は、第1本体61の一対の下端部それぞれに一体に設けられ、締結部材12の装着によりベース11上に固定可能に構成される。第1フランジ部62は、例えば、締結部材12の胴部12bが挿通可能な孔部62aと、締結部材12の頭部12aを受ける第1座部62bと、周縁に設けられる切り欠き62cと、を有する。第1フランジ部62は、例えば、第1方向Xに沿って延びる薄板状に形成される。第1フランジ部62は、例えば、第1方向Xに長辺を有する矩形状に形成される。
【0039】
切り欠き62cは、第1フランジ部62の第1本体61から離間する周縁から第1座部62bに設けられる切り欠きであり、孔部62aに連続する。切り欠き62cは、第1フランジ部62の周縁と孔部62aとの間で第1フランジ部62を第1方向Xに分断する。切り欠き62cは、例えば、第1フランジ部62の長辺に設けられ、孔部62aに向かって第1方向Xに直交する方向に延びる。切り欠き62cは、第1方向Xの幅が、締結部材12の胴部12bの径と同等または締結部材12の胴部12bの径よりも大きく形成される。また、切り欠き62cは、切り欠き62cに隣接する第1座部62bが締結部材12の頭部12aを受けられる幅に形成される。具体例として、切り欠き62cは、第1方向Xの幅が締結部材12の頭部12aの径よりも小さく形成される。
【0040】
第2ガード52は、回転軸14及び第1本体61を覆う第2本体71と、締結部材12の装着によりベース11上に固定される第2フランジ部72と、を有する。
【0041】
第2本体71は、例えば、第1方向Xで両端が開口するアーチ形に形成され、第1方向Xに延設される。具体的には、第2本体71は、上方が所定の曲率を有する半円筒状に形成され、下方が半円筒の周方向に連続して下方に向かって延びる一対の壁状に形成される。即ち、第2本体71は、第1方向Xに直交する断面形状がU字形の半筒状に形成される。また、第2本体71は、例えば、一対の壁状の部位が互いに近接又は離間する方向に変形可能な板厚に形成される。例えば、第2本体71の板厚は、1mm程度である。
【0042】
また、
図3に示すように、第2本体71は、第1本体61を覆う形状に形成される。即ち、第2本体71は、第1本体61よりも大きい半筒状に形成される。具体的には、第2本体71は、第2フランジ部72がベース11上に固定されたときに、ベース11の上面から第2本体71の内面の最上部までの距離が、ベース11の上面から第1本体61の外面の最上部までの距離よりも大きく構成される。加えて、第2本体71は、第1方向Xに直交して対向する内面間の距離が、第1本体61における第1方向Xに直交して対向する外面間の距離よりも大きく形成される。
【0043】
第2本体71は、例えば、モータ13及びポンプ15の間に露出する回転軸14のうち、ポンプケーシング41より若干離間した位置から第1本体61と重なる位置までを覆う。
【0044】
また、第2本体71は、例えば、複数のスリット71aと、切欠部71bと、を有する。
【0045】
複数のスリット71aは、第1方向Xで第2本体71のポンプ15側に形成される。即ち、複数のスリット71aは、第1方向Xでポンプ15の近傍に位置する。また、複数のスリット71aは、第2フランジ部72をベース11上に固定した状態において、主軸32が存する高さ位置に形成される。また、複数のスリット71aは、それぞれ第1方向Xで所定の幅に形成される。ここで、所定の幅は、例えば、スリット71aを通して外部から第2本体71の内側を視認可能な幅であって、且つ、安全性を確保できる幅、具体的には、作業者の手指が通過しない程度の幅である。
【0046】
切欠部71bは、第2本体71とポンプ装置1の各構成との干渉を回避できる形状に適宜形成される。換言すると、切欠部71bは、第2ガード52をベース11上に固定するときに、ポンプ装置1の他の構成によって第2ガード52の配置が妨げられることを回避する逃げ部である。切欠部71bは、例えば、第2本体71の一対の下端が、ポンプ15側で第1方向X及び高さ方向に所定の形状に切欠した部位である。本実施形態では、
図2に示すように、切欠部71bは、ポンプ15のエルボ43及びエルボ43に接続される直管99との干渉を回避できる矩形状に形成されている。
【0047】
また、切欠部71bは、例えば、第1方向Xで、ポンプ15側の一端からシール部42近傍の主軸32の一部を含む位置まで形成される。また、切欠部71bは、例えば、第2フランジ部72をベース11上に固定した状態において、高さ方向で、第2本体71の下端から主軸32よりも低い位置まで形成される。
【0048】
第2フランジ部72は、第2本体71の一対の下端部それぞれに一体に設けられ、締結部材12の装着によりベース11上に固定可能に構成される。また、第2フランジ部72は、締結部材12の固定位置が第1方向Xに可変に構成される。例えば、第2フランジ部72は、締結部材12の胴部12bが挿通可能且つ第1方向Xに延びる長孔部72aと、締結部材12の頭部12aを受ける第2座部72bと、周縁に設けられる切り欠き72cと、を有する。第2フランジ部72は、例えば、第1方向Xに沿って延びる薄板状に形成される。第2フランジ部72は、例えば、第1方向Xに長辺を有する矩形状に形成される。
【0049】
切り欠き72cは、第2フランジ部72の第2本体71から離間する周縁から第2座部72bに設けられる切り欠きであり、長孔部72aに連続する。切り欠き72cは、第2フランジ部72の周縁と長孔部72aとの間で第2フランジ部72を第1方向Xに分断する。切り欠き72cは、例えば、第2フランジ部72の長辺に設けられ、長孔部72aに向かって第1方向Xに直交する方向に延びる。切り欠き72cは、例えば、第1方向Xで長孔部72aの一端側に設けられる。切り欠き72cは、第1方向Xの幅が、締結部材12の胴部12bの径と同等または締結部材12の胴部12bの径よりも大きく形成される。また、切り欠き72cは、隣接する第2座部72bが締結部材12の頭部12aを受けられる幅に形成される。具体例として、切り欠き72cは、第1方向Xの幅が締結部材12の頭部12aの径よりも小さく形成される。
【0050】
また、第2フランジ部72は、例えば、第2フランジ部72をベース上に固定したときに、第2本体71の下端がベース11の上面から所定の距離離間する位置及び形状に形成される。換言すると、第2フランジ部72は、ベース11の上面に当接する下端面が第2本体71の下端から所定の距離下方に位置する。ここで、所定の距離は、少なくとも第1フランジ部62の厚さよりも大きい距離である。即ち、
図2に示すように、第2本体71の下端とベース11の上面とが離間する距離をC
2とし、第1フランジ部62の厚さをT
1とすると、C
2とT
1は、例えば、C
2>T
1の関係にある。
【0051】
また、第2フランジ部72は、ベース11上に固定したときに、第1方向Xで長孔部72aのいずれの位置で固定した場合であっても、第1ガード51の第1フランジ部62から第1方向Xに離間するように構成される。具体的には、第2フランジ部72は、長孔部72aの第1ガード51側の一端に締結部材12を装着されたときに、第1方向Xで第1フランジ部62側の一端から第1フランジ部62までの距離が長孔部72aの第1方向Xの長さよりも大きく構成される。
【0052】
このようなポンプ装置1は、以下に説明する手順により、ベース11上に第1ガード51及び第2ガード52が固定される。
まず、第1ガード51を、ベース11のモータ13側の一対の被締結部21に対し、一対の第1フランジ部62の孔部62aの位置を合わせて、ベース11上に配置する。
【0053】
そして、締結部材12の胴部12bを第1フランジ部62の孔部62a及び被締結部21に挿入するとともに、締結部材12の頭部12aが第1座部62bに当接するまで締結部材12を締めることで、第1ガード51をベース11上に固定する。
【0054】
次に、第2ガード52を、ベース11のポンプ15側の一対の被締結部21に対し、一対の第2フランジ部72の長孔部72aの位置を合わせて、ベース11上に配置する。ここで、第2ガード52は、長孔部72aの第1方向Xの位置について、回転軸14の所望の被覆範囲に合わせ、第1方向Xで任意の位置で被締結部21に合わせて配置される。
【0055】
そして、締結部材12の胴部12bを第2フランジ部72の長孔部72a及び被締結部21に挿入するとともに、締結部材12の頭部12aが第2座部72bに当接するまで締結部材12を締めることで、第2ガード52をベース11上に固定する。
【0056】
以上の手順により、例えば
図2に示すように、露出する回転軸14を所望の範囲で覆った状態で、第1ガード51及び第2ガード52がベース11上に固定される。
【0057】
なお、ベース11上に第1ガード51及び第2ガード52を固定する際には、締結部材12が予め被締結部21に螺合している状態であってもよい。以下、締結部材12が予め被締結部21に螺合している状態でベース11上に第1ガード51及び第2ガード52を固定する手順の一例を、第2ガード52を固定する例を用いて説明する。
【0058】
まず、締結部材12を、頭部12aがベース11の上面から第2ガード52の第2フランジ部72の厚さ以上離間した状態で、予め各被締結部21に螺合させる。
【0059】
次に、第2本体71の一対の壁状の部位を互いに近接する方向に変形させ、第1方向Xに直交する方向の第2ガード52の幅を一時的に小さくし、第2フランジ部72の切り欠き72cを締結部材12の胴部12bに対向させた姿勢で、第2ガード52の全体を一対の締結部材12の間に配置する。続いて、第2本体71の形状を復元し、被締結部21に螺合した締結部材12の胴部12bに対して、第2フランジ部72の切り欠き72cを通過させ、締結部材12の胴部12bを長孔部72aに位置させる。
【0060】
そして、締結部材12の頭部12aが第2座部72bに当接するまで締結部材12を締め、他方の第2フランジ部72についても同等の操作を行うことで、第2ガード52をベース11上に固定する。
【0061】
以上の手順により、締結部材12が被締結部21に螺合した状態で、第2ガード52をベース11上に固定することができる。なお、第2ガード52のベース11からの取り外しも同様に、第2本体71を一時的に変形させることで、締結部材12が被締結部21に螺合している状態で行うことができる。また、締結部材12が予め被締結部21に螺合している場合の第1ガード51の着脱も、上述した第2ガード52の着脱と同様に、第1本体61の変形を用いた同等の手順により行うことができる。
【0062】
また、ベース11に対する第2ガード52の固定位置は、ベース11上に第2ガード52を固定した状態から、以下の手順により変更される。
まず、ベース11の被締結部21及び第2フランジ部72に固定された締結部材12を緩め、胴部12bの一部が被締結部21に螺合され、且つ、頭部12aが第2フランジ部72の第2座部72bから離間した状態とする。なお、このとき、締結部材12を被締結部21及び第2フランジ部72から完全に取り外してもよい。
【0063】
続いて、締結部材12の胴部12bに長孔部72aを沿わせて第2ガード52を第1方向Xに移動するか、または、締結部材12を取り外した状態で第2ガード52を第1方向Xに移動し、長孔部72aの他の位置を被締結部21に合わせることで、第2ガード52を所望の固定位置に移動する。ここで、第2ガード52の第2本体71の下端が、ベース11の上面から少なくとも第1フランジ部62の厚さよりも大きい距離離間していることから、第2本体71が第1フランジ部62に干渉することなく第2ガード52を移動できる。
【0064】
そして、締結部材12の頭部12aが第2座部72bに当接するまで締結部材12を締めることで、第2ガード52をベース11上に固定する。以上の手順により、第2ガード52は、例えば
図2に示す状態から
図4に示す状態のように、ベース11に対し、第1方向Xに固定位置が変更される。
【0065】
このように構成されたポンプ装置1のガード16によれば、モータ13及びポンプ15の間に露出した回転軸14に対して、第1ガード51がモータ13側を覆い、第2ガード52がポンプ15側を覆うとともに第1ガード51の一部と重なることから、簡素な構成で回転軸14を覆うことができる。
【0066】
具体的には、ポンプ装置1のガード16は、第1ガード51により、露出する回転軸14のモータ13側から軸継手33周辺で露出するモータ軸31及び主軸32並びに軸受34の一部までを覆うとともに、第2ガード52により、露出する回転軸14のポンプ15側から軸受34の他部及び第1ガード51の一部までを覆うことができる。即ち、ポンプ装置1のガード16は、モータ13及びポンプ15の間で露出する回転軸14の全体を覆うことができる。したがって、ポンプ装置1のガード16は、回転軸14に人が接触することを防止でき、安全性を確保することができる。
【0067】
また、ポンプ装置1のガード16は、露出する回転軸14を広範囲に覆う構成としていることから、露出する回転軸14に含まれる軸受34、ポンプ銘板100や水切りつばを外部から保護し、寿命の低下を抑えることができる。これにより、ポンプ装置1は、例えば、貼り替え用のポンプ銘板100を要さない。また、ポンプ装置1のガード16は、回転軸14の全体を覆うことから、軸受箱35等、回転軸14の各構成の塗装を保護することもできる。
【0068】
また、ポンプ装置1のガード16は、第2ガード52が第1ガード51を覆うことができるように形成されている。加えて、第2ガード52は、第2フランジ部72において、第1方向Xに延びる長孔部72aの所望の位置でベース11に固定されることから、ベース11に対する固定位置が第1方向Xに可変に構成される。これにより、ポンプ装置1のガード16は、露出する回転軸14を覆う全長が可変に構成されている。
【0069】
このように、ガード16の全長が可変に構成されていることで、ポンプ装置1において、モータ13とポンプ15の間に露出する回転軸14の軸方向の長さが異なる場合であっても、同じガード16により回転軸14を覆うことができる。具体的には、本実施形態に述べたポンプ装置1とは異なる型のポンプ装置であって、露出する回転軸14の軸方向の長さLSが異なるポンプ装置にガード16を適用する場合であっても、LS≦(L1+L2)の範囲であって、第2フランジ部72がベース11に対して固定可能な範囲内であれば、ベース11に対する第2ガード52の固定位置を変えることで、同じガード16を用いて露出する回転軸14を覆うことができる。ここで、第2ガード52の第2フランジ部72は、所望の第2ガード52の固定範囲に対応できるよう、長孔部72a及び第2座部72bの第1方向Xの寸法が予め設定されていればよい。
【0070】
また、
図4に示すように、ポンプ装置1は、第2ガード52の固定位置を変え、ポンプ15近傍における主軸32の露出範囲を一時的に拡大することで、シール部42における漏れ点検やグランドパッキンの締め直し等のメンテナンスを行うことができる。このように、ポンプ装置1は、主軸32を露出する位置に第2ガード52の固定位置を変更する簡易な作業により、シール部42近傍の視認及びシール部42のメンテナンスに要するスペースの確保ができる。
【0071】
また、ポンプ装置1は、主軸32を覆う位置から第2ガード52の固定位置を変更しなくとも、第2ガード52のスリット71aを通して主軸32やシール部42付近を視認できる。加えて、第2ガード52の切欠部71bは、第1方向Xでポンプ15のシール部42近傍に位置するとともに、高さ方向で主軸32よりも低い位置まで形成されている。これにより、第2ガード52は、主軸32を覆う機能を有しつつ、切欠部71bを通してシール部42近傍の漏れを視認できる構成となっている。このように、ポンプ装置1は、ガード16が露出する回転軸14の全体を覆う状態であっても、第2ガード52のスリット71aや切欠部71bにより、簡易な漏れ点検を行うには十分な視認性を確保することができる。
【0072】
即ち、ポンプ装置1は、ガード16によりモータ13とポンプ15の間に露出する回転軸14を覆う安全性と、簡易な操作により回転軸14を視認できる視認性とを両立することができる。さらに、ポンプ装置1は、ガード16により回転軸14の全体を覆う状態における視認性も確保することができる。また、ポンプ装置1は、メンテナンス時に要する第2ガード52を移動する作業も簡易なものであることから、メンテナンス性も確保できる。
【0073】
また、ポンプ装置1のガード16は、第2ガード52の第2本体71が、ベース11の上面から、第1ガード51の第1フランジ部62の厚さT1よりも大きいC2の距離離間している。これにより、ポンプ装置1は、第2ガード52の固定位置を変更する操作として、第2フランジ部72に装着された締結部材12を緩め、第2ガード52を第1方向Xに移動させることで、第1ガード51の第1フランジ部62に干渉せず第2ガード52を第1方向Xに移動できる。したがって、ポンプ装置1は、第2ガード52の固定位置を変更する作業が容易である。
【0074】
また、ポンプ装置1においてガード16を用いるための準備としては、量産品のベースに対し、第1ガード51及び第2ガード52を固定する所定位置に被締結部21を形成する加工を行えばよく、加工時間や部品点数の増加を抑えることができる。
【0075】
また、ポンプ装置1のガード16は、第1ガード51及び第2ガード52の二つのガードを有することから、例えば、第1ガード51と第2ガード52とで塗装色を分けることにより視覚的情報を構成することができる。一例として、第1ガード51及び第2ガード52をそれぞれ黄色及び黒色に塗装することで警告色とし、作業者に危険箇所であることを視認させることができる。
【0076】
上述したように、第1の実施形態に係るポンプ装置1及びガード16によれば、簡素な構成で回転軸14を覆うとともに、視認性と安全性を両立させ、さらにメンテナンス性を確保することができる。
【0077】
なお、第1の実施形態では、第2ガード52は、第2フランジ部72により第2本体71の下端がベース11の上面から所定の距離離間する形状に形成される例を説明したが、これに限定されない。第2ガード52は、第2本体71の下端と第2フランジ部72の下面が面一に形成されていてもよい。即ち、第2ガード52は、ベース11上に固定された際に、第2本体71の下端がベース11の上面に当接する形状であってもよい。
【0078】
これにより、第2ガード52は、ベース11の上面に対する接地面積が増大し、安定性を向上することができる。ただし、このように第2本体71の下端がベース11の上面に当接する場合には、第2ガード52を第1フランジ部62上の位置に移動する際に、第2本体71の下端をベース11の上面から第1フランジ部62の厚さT1よりも大きい距離離間して移動させる作業を要する。
【0079】
また、第1ガード51の孔部62aは、第2ガード52の長孔部72aと同様に、締結部材12の胴部12bが挿通可能且つ第1方向Xに延びる形状であってもよい。このような孔部62aを有する第1ガード51は、第2ガード52と同様に、ベース11に対して第1方向Xに固定位置を変更することができる。
【0080】
また、第1ガード51の第1フランジ部62には切り欠き62cを、第2ガード52の第2フランジ部72には切り欠き72cを設ける例を説明したが、これに限定されず、第1フランジ部62、第2フランジ部72は、それぞれ切り欠き62c、切り欠き72cを有さない構成としてもよい。
【0081】
例えば、第2ガード52は、シール部42における漏れ点検及びメンテナンス等のため、着脱の頻度が高くなることが考えられる。一方で、第1ガード51は、第1ガード51により覆う各構成に短期的なメンテナンスを要さず、第2ガード52と比較して着脱の頻度が低くなることが考えられる。このような場合には、例えば、第2ガード52の第2フランジ部72には切り欠き72cを設け、第1ガード51の第1フランジ部62には切り欠き62cを設けない構成としてもよい。
【0082】
このように、第1フランジ部62及び第2フランジ部72における切り欠き62c及び切り欠き72cの有無は、第1ガード51及び第2ガード52それぞれの想定される着脱の頻度や着脱の利便性の要求に合わせ、適宜設定される。
【0083】
また、上述した例では、第2フランジ部72に設けられる切り欠き72cは、第2フランジ部72の長辺に設けられる例を説明したが、これに限定されない。切り欠き72cは、例えば、第2フランジ部72のポンプ15側の短辺に設けられ、長孔部72aに向かって第1方向Xに延びる構成であってもよい。このとき、切り欠き72cは、第1方向Xに直交する方向の幅が、締結部材12の頭部12aの径よりも小さく、且つ、胴部12bの径と同等または胴部12bの径よりも大きく形成される。このような切り欠き72cが設けられた第2ガード52は、締結部材12が被締結部21に螺合した状態において、第1方向Xでポンプ15側に向かってベース11上を移動する操作により、切り欠き72cを通して、締結部材12の胴部12bを長孔部72aに位置させることができる。
【0084】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係るポンプ装置1Aについて、
図5及び
図6を用いて説明する。ポンプ装置1Aは、ベース11と、複数の締結部材12と、モータ13と、回転軸14と、ポンプ15と、ガード16Aと、を備える。即ち、ポンプ装置1Aは、ガード16と異なる形状のガード16Aを備え、その他の構成は第1の実施形態に係るポンプ装置1と同等である。このため、以下、第1の実施形態に係るポンプ装置1と同等の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。なお、以下、
図5及び
図6に示すように、回転軸14の軸方向を第1方向Xとして説明する。
【0085】
図5及び
図6に示すように、ガード16Aは、第1本体61及び第1フランジ部62Aを有する第1ガード51Aと、第2本体71及び第2フランジ部72Aを有する第2ガード52Aと、を備える。即ち、第1ガード51Aは、第1フランジ部62と異なる形状の第1フランジ部62Aを有し、その他の構成は第1ガード51と同等である。また、第2ガード52Aは、第2フランジ部72と異なる形状の第2フランジ部72Aを有し、その他の構成は第2ガード52と同等である。
【0086】
図5及び
図6に示すように、第1フランジ部62Aは、第1本体61の下端に一体に設けられ、締結部材12の装着によりベース11上に固定可能に構成される。第1フランジ部62Aは、締結部材12の胴部12bが挿通可能且つ第1方向Xに延びる長孔部62Aaと、締結部材12の頭部12aを受ける第1座部62Abと、を有する。第1フランジ部62Aは、例えば、第1方向Xに沿って延びる薄板状に形成される。
【0087】
長孔部62Aaは、一部に締結部材12の頭部12aが通過可能に形成される逃がし部62Acを有する。逃がし部62Acは、例えば、頭部12aの最大径よりも大きい径に形成される円形の孔である。
【0088】
また、
図5に示すように、逃がし部62Acは、逃がし部62Acから第1本体61のポンプ15側の一端までの第1方向Xの距離L
A1が、被締結部21からモータ13までの第1方向Xの距離C
A1よりも大きくなる位置に設けられる。
【0089】
第1座部62Abは、逃がし部62Acを除く長孔部62Aaの周縁に設けられる。
【0090】
図5及び
図6に示すように、第2フランジ部72Aは、第2本体71の下端に一体に設けられ、締結部材12の装着によりベース11上に固定可能に構成される。第2フランジ部72Aは、締結部材12の胴部12bが挿通可能且つ第1方向Xに延びる長孔部72Aaと、締結部材12の頭部12aを受ける第2座部72Abと、を有する。第2フランジ部72Aは、例えば、第1方向Xに沿って延びる薄板状に形成される。
【0091】
長孔部72Aaは、一部に締結部材12の頭部12aが通過可能に形成される逃がし部72Acを有する。逃がし部72Acは、例えば、頭部12aの最大径よりも大きい径に形成される円形の孔である。
【0092】
また、
図5に示すように、逃がし部72Acは、逃がし部72Acから第2本体71のモータ13側の一端までの第1方向Xの距離L
A2が、第2ガード52Aを固定する被締結部21からポンプ15までの第1方向Xの距離C
A2よりも大きくなる位置に設けられる。
【0093】
第2座部72Abは、逃がし部72Acを除く長孔部72Aaの周縁に設けられる。
【0094】
また、第2フランジ部72Aは、第1フランジ部62Aのポンプ15側の一端から、第1方向Xに所定の距離離間する位置に設けられる。ここで、所定の距離は、第2フランジ部72Aのモータ13側の一端から逃がし部72Acまでの距離よりも大きい距離である。
【0095】
このように構成されたポンプ装置1Aによれば、第1の実施形態に係るポンプ装置1と同等の効果が得られる。
【0096】
また、ポンプ装置1Aのガード16Aは、第1ガード51A及び第2ガード52Aのベース11への固定及び取り外しの作業が容易である。
【0097】
具体的には、第1ガード51A及び第2ガード52Aは、ベース11の被締結部21に締結部材12が取り付けられた状態において、逃がし部72Acを締結部材12の頭部12aの位置に合わせた後、逃がし部72Acを締結部材12の頭部12aに通して下方に移動することでベース11上に載置される。そして、ベース11上に載置された第1ガード51A及び第2ガード52Aは、締結部材12を緩めた状態であれば、長孔部72aの延びる方向に沿って第1方向Xに移動できる。第1ガード51A及び第2ガード52Aは、締結部材12により固定できる位置に移動された後、締結部材12が締められることによりベース11に固定される。
【0098】
また、第1ガード51A及び第2ガード52Aは、同様に、締結部材12を緩めた状態であれば、逃がし部72Acを締結部材12の頭部12aの位置に合わせた後、逃がし部72Acを締結部材12の頭部12aに通して上方に持ち上げられることで、ベース11に対して上方に離脱することができる。
【0099】
このように、ポンプ装置1Aのガード16Aは、締結部材12を緩めた状態であれば、締結部材12をベース11に取り付けたまま、第1ガード51A及び第2ガード52Aのベース11への固定及び取り外しのいずれの作業も行うことができる。このため、ポンプ装置1Aは、ガード16Aの着脱の作業性を向上することができる。
【0100】
また、ポンプ装置1Aは、第1ガード51Aの逃がし部62Acが第1本体61のポンプ15側の一端から所定の距離離間した位置に設けられ、第2ガード52Aの逃がし部72Acが第2本体71のモータ13側の一端から所定の距離離間した位置に設けられていることから、第1ガード51A及び第2ガード52Aをベース11に配置する際の取り付け向きの間違いが防止される。
【0101】
具体的には、例えば、第1ガード51Aは、逃がし部62Acから第1本体61の第2ガード52A側の一端までの距離が、被締結部21からモータ13までの距離よりも大きい。このため、第1ガード51Aは、本来配置される向きに対して反対向き、即ち、第1本体61のポンプ15側の一端をモータ13側に向けてベース11に取り付けられると、第1本体61がモータ13の設置位置に干渉する。よって、第1ガード51Aの取り付け向きは、第1本体61がモータ13の設置位置に干渉しないことを基準として判断できる。これにより、第1ガード51Aは、ベース11への取り付け向きの間違いを防ぐことができる。
【0102】
第2ガード52Aについても、第1ガード51Aと同様に、第2本体71がポンプ15の設置位置に干渉しないことを基準としてベース11への取り付け向きを判断できることから、ベース11への取り付け向きの間違いを防ぐことができる。
【0103】
上述したように、本発明の第2の実施形態に係るポンプ装置1A及びガード16Aによれば、簡素な構成で回転軸14を覆うとともに、視認性と安全性を両立させ、さらにメンテナンス性を確保することができる。
【0104】
なお、上記第1の実施形態及び第2の実施形態では、ガード16、16Aは、第2ガード52、52Aの第2本体71が、第1ガード51、51Aの第1本体61を覆う例を説明したが、これに限定されない。ガード16は、第2ガード52、52Aが回転軸14のポンプ15側を覆うとともに第1ガード51、51Aの一部と重なる構成であればよく、例えば、第1本体61が第2本体71を覆う構成であってもよい。このとき、第1本体61は、第2本体71よりも大きい半筒状に形成される。
【0105】
ただし、ポンプ装置1、1Aは、視認及びメンテナンスの頻度が高い部位として、ポンプ15のシール部42が想定される。このため、ポンプ装置1、1Aは、第1ガード51、51Aを着脱する頻度よりも、第2ガード52、52Aを着脱する頻度が高くなることが考えられる。ここで、ポンプ装置1、1Aは、第2ガード52、52Aが第1ガード51、51Aを覆う構成とすることで、例えば、第2ガード52、52Aをベース11から完全に取り外す際に、第1ガード51、51Aに干渉することなく取り外すことができるため、作業が容易となる。したがって、よりメンテナンス性を向上する観点から、ポンプ装置1、1Aのガード16、16Aは、上記第1の実施形態及び第2の実施形態のように、第2ガード52、52Aが第1ガード51、51Aを覆う構成が好適である。
【0106】
また、第1ガード51、51Aの第1本体61は、回転軸14のモータ13側に加え、モータ13の一部をさらに覆う構成であってもよい。また、第2ガード52、52Aの第2本体71は、回転軸14のポンプ15側に加え、ポンプ15の一部をさらに覆う構成であってもよい。
【0107】
このとき、第2本体71に設けられる複数のスリット71aの第1方向Xの位置は、シール部42付近が視認し易い位置に適宜設定される。また、第2フランジ部72、72Aは、第2ガード52、52Aを所望の位置でベース11に固定及び取り外し可能に、第2本体71に対する配置及び形状が適宜設定される。また、ベース11の被締結部21は、モータ13の一部を覆う形状の第1ガード51、51A及びポンプ15の一部を覆う形状の第2ガード52、52Aを固定可能な位置に適宜形成される。
【0108】
ガード16、16Aは、第1本体61がモータ13の一部をさらに覆い、第2本体71がポンプ15の一部をさらに覆う構成とすることで、モータ13及びポンプ15の間に露出する回転軸14をさらに広範囲に保護することができる。このようなガード16、16Aは、モータ13及びポンプ15の間に露出する回転軸14のモータ13近傍の部位及びポンプ15近傍の部位も保護することができる。
【0109】
また、上記第1の実施形態及び第2の実施形態では、第2ガード52、52Aが切欠部71bを有する構成を説明したが、これに限定されない。第2ガード52、52Aは、切欠部71bを有さない構成としてもよい。
【0110】
例えば、シール部42としてメカニカルシールが用いられる場合には、ポンプ15は、排水を行う流路としてのエルボ43及びエルボ43に接続される直管99を要さないことから、上述のように、第2ガード52、52Aは、切欠部71bを有さない構成としてもよい。同様に、シール部42としてグランドパッキンが用いられる場合であっても、シール部42からの排水を行う流路が切欠部71bを設けていなくとも第2本体71に干渉しない位置に設けられる場合や、シール部42からの排水を行う流路を特段設けない構成とする場合には、第2ガード52、52Aは、切欠部71bを有さない構成としてもよい。
【0111】
また、第2ガード52、52Aは、切欠部71bを有さないことで、第2ガード52、52Aの内外に連続する開口を減らすことができることから、より安全性を向上することができる。
【0112】
なお、ポンプ装置1、1Aは、エルボ43及びエルボ43に接続される直管99を有さない構成に、切欠部71bを有する第2ガード52、52Aを用いてもよい。即ち、ポンプ装置1、1Aは、シール部42としてグランドパッキン及びメカニカルシールのいずれが用いられる場合であっても、同じ第2ガード52、52Aを兼用することができる。切欠部71bを有する第2ガード52、52Aを兼用する場合には、切欠部71bを有さない第2ガード52、52Aを製造する為の設備等を要さず、一種の第2ガード52、52Aを用いることができ、第2ガード52、52Aの量産性の確保と製造コストの低減が可能である。
【0113】
また、ガード16、16Aは、第1ガード51、51Aと第2ガード52、52Aとが一部で重なる構成であることから、第1ガード51、51A及び第2ガード52、52Aの形状及び組み合わせの自由度が高い。このため、ガード16、16Aは、露出する回転軸14の形状や高さ位置の変更に対する適応が容易且つ低コストにできる。
【0114】
一例として、ポンプ装置1において、ポンプ15の機種を吸込み高さの異なるものに変更し、且つ、モータ13の出力は変更しない構成とする場合には、ポンプ15側を覆う第2ガード52のみ形状を変更することで、露出する回転軸14の形状や高さ位置の変更に対応することができる。ここで、第2ガード52の形状は、露出する回転軸14の形状や高さ位置の変更に合わせて適宜設定される。例えば、第2ガード52の形状は、第2本体71をさらに大きい半筒状とするものであってもよく、また、第1ガード51を覆う形状から第1ガード51に覆われる形状に変更するものであってもよい。このとき、第1ガード51はポンプ15の機種変更前と同じものを兼用することができることから、第1ガード51の変更に係るコストを抑えることができる。
【0115】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0116】
1…ポンプ装置、1A…ポンプ装置、11…ベース、12…締結部材、12a…頭部、12b…胴部、13…モータ、13a…モータケーシング、14…回転軸、15…ポンプ、16…ガード、16A…ガード、21…被締結部、31…モータ軸、32…主軸、33…軸継手、34…軸受、35…軸受箱、35a…基部、35b…保持部、35c…連結部、35d…支持部材、41…ポンプケーシング、42…シール部、43…エルボ、51…第1ガード、51A…第1ガード、52…第2ガード、52A…第2ガード、61…第1本体、62…第1フランジ部、62a…孔部、62b…第1座部、62c…切り欠き、62A…第1フランジ部、62Aa…長孔部、62Ab…第1座部、62Ac…逃がし部、71…第2本体、71a…スリット、71b…切欠部、72…第2フランジ部、72a…長孔部、72b…第2座部、72c…切り欠き、72A…第2フランジ部、72Aa…長孔部、72Ab…第2座部、72Ac…逃がし部、99…直管、100…ポンプ銘板。