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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】心臓切除の間の食道の温度の制御
(51)【国際特許分類】
   A61F 7/00 20060101AFI20231017BHJP
   A61M 25/10 20130101ALI20231017BHJP
【FI】
A61F7/00 310F
A61M25/10 520
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021521267
(86)(22)【出願日】2019-08-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(86)【国際出願番号】 US2019048512
(87)【国際公開番号】W WO2020081153
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2022-08-26
(31)【優先権主張番号】62/746,739
(32)【優先日】2018-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507371168
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ フロリダ リサーチ ファンデーション インコーポレーティッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・エヌ・カタンサロ
(72)【発明者】
【氏名】ミッシェル・ディル
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・バティッチ
【審査官】関本 達基
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-529315(JP,A)
【文献】特表2018-529428(JP,A)
【文献】米国特許第06537271(US,B1)
【文献】特表2009-504284(JP,A)
【文献】特表2004-500184(JP,A)
【文献】特開2010-088914(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 7/00
A61M 25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療手術の間、食道の内部領域を冷却するまたは温める装置であって、
近位端と遠位端を有する細長い、柔軟なカテーテルと、
前記カテーテルの前記近位端に対して前記カテーテルの外面に取り付けられる近位バルーンであって、前記近位バルーンは、膨張したとき、食道の近位部分を遮断するように構成される及びそのような大きさにされる、近位バルーンと、
前記カテーテルの前記遠位端の外面に取り付けられる遠位バルーンであって、前記遠位バルーンは、膨張したとき、食道の第2の部分を遮断するように構成される及びそのような大きさにされる、遠位バルーンと、
前記近位バルーンと前記遠位バルーンの内部と連通する少なくとも1つの膨張注入口を有する前記カテーテルを通って延在する少なくとも1つのバルーン膨張内腔と、
前記カテーテルの前記遠位端及び前記近位バルーンと前記遠位バルーンの間に配置されたゲル排出口と流体連通するゲル注入口を有する前記カテーテルを通って延在するゲル注入内腔と、
冷却液排出口と連通する冷却液注入口を有する冷却液チューブを備え、
前記冷却液チューブは、前記カテーテルの外面に取り付けられ、前記カテーテルの前記近位端から前記遠位バルーンに近位の前記カテーテルの前記遠位端に延在し、その後前記カテーテルの前記近位端に戻る、装置。
【請求項2】
前記冷却液チューブは、前記カテーテルの外面の周りにらせん状に巻かれる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記冷却液チューブは、カーボンまたは金属の少なくとも1つからなる、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記冷却液チューブは、外径が1.7mmである、請求項2乃至3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記冷却液注入口は、前記冷却液チューブを通って、加熱されたまたは冷却された流体をポンプでくみ上げるように構成されたポンプに取り付けられる、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
さらに前記冷却液チューブに接続され、食道の内部領域に関連する温度情報を出力するように構成された1またはそれ以上の温度センサを備える、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
さらに前記カテーテルの内部に挿入された可変ブレード要素を備え、
前記可変ブレード要素は、体内に及び前記カテーテルの内部に配置されたとき曲げられるように構成され、それにより体内の前記カテーテルの配向の変化を引き起こす、請求項1乃至6いずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の装置及びゲルを作り出すポリマ材料を備えるキット。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の装置及びゲルを備えるキット。
【請求項10】
前記ゲルは、水及びポリアルキレングリコールを含む、請求項8または9に記載のキット。
【請求項11】
前記ポリアルキレングリコールは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、モノメトキシポリエチレングリコール、ポロキサマ、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項10に記載のキット。
【請求項12】
前記ポリアルキレングリコールは、分子量が600Daから6000Daである、請求項10又は11のいずれか1項に記載のキット。
【請求項13】
前記ポリアルキレングリコールは、前記ゲルの0.1重量%から5重量%である、請求項10乃至12のいずれか1項に記載のキット。
【請求項14】
前記ゲルは、誘電率が20未満である、請求項8乃至13のいずれかに記載のキット。
【請求項15】
前記ゲルは、熱伝導ゲルを含む、請求項9に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は「心臓切除の間の食道の温度の制御」と名付けられ、2018年10月17日に出願された米国仮特許出願第62/746,739号の優先権と利益を主張し、その全てを援用する。
【0002】
本開示は、心臓切除の間、食道温度を制御するシステム及び方法、特に食道内部の温度を変化させることに関する。
【背景技術】
【0003】
肺静脈の周りの組織の切除は、静脈から左心房に送られる電気信号を中断するために実行され、心房細動を引き起こす。この切除を作り出す1つの技術は、無線周波数エネルギを用いて、切除を作り出し、信号を遮断するために心臓組織に与えられる熱を発生する収束手術である。
【0004】
症候性発作または持続性心房細動の患者の無線周波数切除、具体的に左心房心内膜切除または肺静脈隔離は、肺静脈の心門、時に後壁において左心房に与えられる無線周波数エネルギが使用される。心房食道瘻は、左心房に空気が入る心房と食道の間の瘻孔の形成をもたらす既知の衰弱性(致命的でないにしろ)合併症である。これは、脳血管発作または心筋梗塞をもたらすかもしれない。標準の肺静脈隔離に加えて、収束手術は、一般に症候性の持続性心房細動の患者に実行される。手術の最初の部分は、心外膜後壁を切除するために、心外膜の後壁の心臓の外面に経横隔膜的に設置される無線周波数(RF)プローブまたはコイルを利用する。装置は、患者に接地された発電機から放出されたRFエネルギを利用する。コイル装置は、心外膜に伸縮自在に導入され、その後真空吸引を用いながらRFエネルギを適用する。エネルギの適用が完全であり、十分なエネルギが切除を引き起こすために心外膜に伝達されたことを確認するために、RFが適用されている間、インピーダンスが測定される。
【0005】
血管近くの所望の切除パターンを完了するために、切除は、さらに電気生理学を用いて心臓の内側に実行される。装置は、大腿動脈を通って心臓に通され、RFエネルギは、心臓の外側から完了できない切除パターンの部分を完了するために再び用いられる。
【0006】
低温熱エネルギは、例えばMedtronic社のARTIC FRONT装置での使用を含む、肺静脈の心門を切除するために心内膜の心臓の内側で用いられてきた。装置は、心門に挿入されて体組織と接触させ、その後冷却液で満たされ心門における組織を凍らせる丸いバルーン状構造で心門を閉塞する。
【0007】
レーザ切除は、また左心房に経隔膜的に導入された内視鏡バルーンによって症候性の持続性心房細動の肺静脈を隔離するために用いられてきた。プローブは、肺静脈に設置され、バルーンが展開され、レーザ照射を適用する前に操作者が肺静脈を視覚化できるようにする。レーザ適用により、左心房の温度を増加し、食道に熱傷による付加的な損傷が生じやすくなる。
【0008】
上記手順の全ては、エネルギの潜在的な効果を有し、すなわち、無線周波数またはレーザを停止したとき、食道で測定された温度は、最悪の状態の前の高原状態に上がり続ける。低温熱は、同じ効果を有するが反対方向に「凍る」。
【発明の概要】
【0009】
本開示の態様は、治療手術の間、食道の内部領域を冷却するまたは温める装置及び方法に関する。
【0010】
1つの態様において、とりわけ、治療手術の間、食道の内部領域を冷却するまたは温める装置は、近位端と遠位端を有する細長い、柔軟なカテーテルと、カテーテルの近位端に対してカテーテルの外面に取り付けられる近位バルーンであって、近位バルーンは、膨張したとき、食道の近位部分を遮断するように構成される及びそのような大きさにされる、近位バルーンと、カテーテルの遠位端の外面に取り付けられる遠位バルーンであって、遠位バルーンは、膨張したとき、食道の第2の部分を遮断するように構成される及びそのような大きさにされる、遠位バルーンと、近位バルーンと遠位バルーンの内部と連通する少なくとも1つの膨張注入口を有するカテーテルを通って延在する少なくとも1つのバルーン膨張内腔と、カテーテルの遠位端及び近位バルーンと遠位バルーンの間に配置されたゲル排出口と流体連通するゲル注入口を有するカテーテルを通って延在するゲル注入内腔と、を備える。
【0011】
様々な態様において、本発明の装置は、冷却液排出口と連通する冷却液注入口を有する冷却液チューブを備える。冷却液チューブは、カテーテルの表面に取り付けられ、カテーテルの近位端から遠位バルーンに近位のカテーテルの遠位端に延在し、その後カテーテルの近位端に戻る。様々な態様において、冷却液チューブは、カテーテルの外面の周りにらせん状に巻かれる。
【0012】
様々な態様において、冷却液チューブは、カーボンまたは金属の少なくとも1つからなる。様々な態様において、冷却液チューブは、外径が約1.7mmである。様々な態様において、冷却液注入口は、冷却液チューブを通って、加熱されたまたは冷却された流体をポンプでくみ上げるように構成されたポンプに取り付けられる。様々な態様において、さらなる温度センサは、チューブに接続され、食道の内部領域に関連する温度情報を出力するように構成される。様々な態様において、可変ブレード要素は、カテーテルの内部に挿入され、本体の内側に及びカテーテルの内部に配置されたとき曲げられるように構成され、それにより本体内のカテーテルの配向の変化を引き起こす。
【0013】
別の態様において、とりわけ、キットは、装置及びゲルを作り出すポリマ材料を備える。別の態様において、とりわけ、キットは、装置及びゲルを備える。様々な態様において、ゲルは、水及びポリアルキレングリコールを備える。様々な態様において、ポリアルキレングリコールは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、モノメトキシポリエチレングリコール、ポロキサマ、またはそれらの任意の組み合わせを含む。様々な態様において、ポリアルキレングリコールは、分子量が約600Daから約6000Daである。様々な態様において、ポリアルキレングリコールは、ゲルの約0.1重量%から5重量%である。様々な態様において、ゲルは、誘電率が20未満である。様々な態様において、ゲルは、熱伝導ゲルを含む。
【0014】
別の態様において、とりわけ、治療手術の間、食道の内部領域を冷却するまたは温める方法は、食道に請求項1乃至8のいずれか1項に記載の装置を挿入するステップと、装置の近位バルーンと遠位バルーンを膨張し、食道の近位部と遠位部を遮断するステップと、食道にゲルを置くために、装置のゲル注入内腔にゲルを注入するステップであって、ゲルは、近位バルーンの下で遠位バルーンの上の領域の食道に置かれる、注入するステップと、を備える。様々な態様において、ゲルは、水及びアルキレングリコールを含む。様々な態様において、ポリアルキレングリコールは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、モノメトキシポリエチレングリコール、ポロキサマ、またはそれらの任意の組み合わせを含む。様々な態様において、ポリアルキレングリコールは、分子量が約600Daから約6000Daである。様々な態様において、ポリアルキレングリコールは、ゲルの約0.1重量%から5重量%である。様々な態様において、ゲルは、誘電率が20未満である。様々な態様において、ゲルは、熱伝導ゲルを含む。
【0015】
別の態様において、とりわけ、心房切除装置をインビトロ試験する装置は、食道に似せるように構成される及びそのような大きさにされる内腔を有する柔軟なチューブと、柔軟なチューブの表面に配置されたヒドロゲルであって、ヒドロゲルは、左心房壁に似せるような大きさにされ及びそのように構成される、ヒドロゲルと、ヒドロゲルを切除温度に加熱するように構成された熱源と、柔軟なチューブの内腔に配置された第1の温度プローブ及び柔軟なチューブとヒドロゲルの間に配置された第2の温度プローブの少なくとも1つと、を備える。様々な態様において、熱源は、少なくとも150℃の温度を作り出すように構成される。様々な態様において、柔軟なチューブは、内径が約2cmで、厚さが約5mmである。様々な態様において、ヒドロゲルは、厚さが少なくとも5mmである。様々な態様において、第3の温度プローブは、柔軟なチューブから少なくとも3mmのヒドロゲルに配置される。様々な態様において、装置は、37℃の生理食塩水槽に浮かせられる。
【0016】
本開示の他のシステム、方法、特徴及び利点は、次の図及び詳細な説明の審査の際に当業者に明白になるであろう。全てのそのような追加のシステム、方法、特徴、及び利点は、本記載に含まれ、本開示の範囲内であり、添付された特許請求の範囲によって保護される意図がある。さらに、記載された実施形態の全ての任意の及び好ましい特徴及び変更は、本明細書で教示された開示の全ての態様で使用できる。さらに、従属請求項の個々の特徴及び記載された実施形態の全ての任意の及び好ましい特徴及び変更は、互いに組み合わせ可能であり、置換可能である。
【0017】
本開示の多くの態様が次の図を参照してよりよく理解される。図の構成要素は、必ずしも縮尺通りではなく、代わりに本開示の原理を明確に描くことに重点が置かれている。さらに、図において、類似の符号は、いくつかの図を通して対応する部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本開示の様々な実施形態による、心房切除の間、食道を冷却する装置の例を示す。
図2】本開示の様々な実施形態による、心房切除の間、食道を冷却する装置の別の例を示す。
図3】本開示の様々な実施形態による、心房切除の間、食道を冷却する装置の別の例を示す。
図4】本開示の様々な実施形態による、心房切除の間、食道を冷却する装置の別の例を示す。
図5】本開示の様々な実施形態による、左心房と食道の空間関係と熱伝導度に似せる本開示の装置を示す。
図6】無線通信装置を示し、そのいくつかまたは全ては、本開示の様々な実施形態による本開示を実行する際に用いられる。
図7】本開示の様々な実施形態による心房切除の間、食道温度に似せるインビトロ試験プラットフォームの食道壁の温度の変化を示すグラフの例である。
図8】本開示の様々な実施形態による心房切除の間、食道を冷却する本開示の装置を用いて図7のように食道壁の温度変化を示すグラフの例である。
図9】本開示の様々な実施形態による心房切除の間、食道を冷却する装置の画像例である。
図10】本開示の様々な実施形態による心房切除の間、食道を冷却する装置の画像例である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
要求に応じて、詳細な実施形態は、本明細書に開示される。しかしながら、開示された実施形態は、単に例であり、以下に記載されるシステム及び方法は、様々な形態で具体化されることが理解されるべきである。したがって、本明細書に開示される特定の構造及び機能の詳細は、限定として解釈されず、単に特許請求の範囲の基礎として及び事実上、全ての適切に詳細な構造と機能で本主題を様々に採用することを当業者に教示する代表的な基礎として解釈されるべきである。さらに、本明細書で用いられる用語と語句は、限定される意図はなく、むしろ概念の理解できる記載を提供することを意図する。
【0020】
用語「1つの」(a)または「1つの」(an)は、本明細書で用いられるように、1または2以上として定義される。用語複数は、本明細書で用いられるように、2または3以上として定義される。用語別は、本明細書で用いられるように、少なくとも第2またはそれ以上として定義される。用語「含む」及び「有する」は、本明細書で用いられるように、備える(すなわちオーブンランゲージ)として定義される。用語「結合される」は、本明細書で用いられるように、必ずしも直接的ではないが、また必ずしも機械的にではないが、「接続される」として定義される。
【0021】
本開示によると、冷却及び温める液体の開いたまたは閉じたループ灌漑は、心臓に熱または冷却を加える手術の間、心臓に近位の食道の内面、及び特に食道に最も近い左心房302(図1)の領域に適用される。そのような手術は、例えば無線周波数またはレーザ切除など、熱を用いた心臓の切除、または例えば低温熱切除の間など、冷却を用いる心臓の切除を含むことができる。本開示の温度制御装置は、冷たい物質を加熱切除の間、食道の内面に適用し,冷却切除の間、温かい物質を適用するために用いられる。適用された物質は、さもなければ、心臓の治療処理の間、食道を損傷するかもしれない、結果として起こる望まれない食道の温度の変化を釣り合わせるための媒体の機能を果たす。そのような損傷は、例えば潰瘍または食道瘻孔の形態を含む。本開示は、目標温度制御を提供することによって、食道の損傷の発生及び重症度を減らすことによって、左心房切除の安全性を改善する医療装置を提供する。
【0022】
本開示の様々な実施形態によると、温度制御装置は、また電気生理学者または心臓外科医が(スライド、平行、垂直は、食道の完全性を維持しながら貫通性の損傷を提供する可能性がある)カテーテルからどのタイプの病変の向きかに関する情報を得ることを助ける。本開示は、様々な実施形態による閉じた、準閉じた及び開いたループの灌漑装置及び方法を提供する。
【0023】
様々な実施形態によると、温度制御装置100は、カテーテル120の周りに配置された注入口112及び排出口114を有する冷却液チューブ110を備える。冷却液チューブ110は、水不浸透性であるが、システムから熱を移すために適切な熱伝導性を備える任意の生体適合性のある材料で作られる。例えばクーラント110は、シリコーン、PVC、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリイソブテン、ポリエチレンビニルアセテート、エチレンプロピレンジモノマ(EPDM)、ナイロン、PET、例えばパーフルオロエチレンプロピレンなどのフルオロ含有コポリマ、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール及び/または理解できるような他のタイプの材料で作られる。様々な実施形態によると、冷却液チューブ110は、熱伝導性を増すためにカーボン、グラフェン及び/または金属粒子からなる。いくつかの実施形態において、冷却液チューブ110は、非常に柔軟である必要はなく、よじれることなく曲がるならば、薄壁の金属を同様に用いることができる。
【0024】
様々な実施形態によると、温度制御装置100は、カテーテル120の周りに配置された注入口112及び排出口114を有する冷却液チューブ110を備える。冷却液チューブ110は、水不浸透性であるが、システムから熱を移すために適切な熱伝導性を備える任意の生体適合性のある材料で作られる。例えばクーラント110は、シリコーン、PVC、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリイソブテン、ポリエチレンビニルアセテート、エチレンプロピレンジモノマ(EPDM)、ナイロン、PET、例えばパーフルオロエチレンプロピレンなどのフルオロ含有コポリマ、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール及び/または理解できるような他のタイプの材料で作られる。様々な実施形態によると、冷却液チューブ110は、熱伝導性を増すためにカーボン、グラフェン及び/または金属粒子で満たされる。いくつかの実施形態において、冷却液チューブ110は、非常に柔軟である必要はなく、よじれることなく曲がるならば、薄壁の金属を同様に用いることができる。
【0025】
冷却液チューブ110の内径及び外径は、十分な流れと熱伝導性を提供するために用いられる材料に基づいて選択される。例えば、いくつかの実施形態において、冷却液チューブ110は、外径が約0.5から8.0mmである。例として、冷却液チューブ110は、外径が1.7mmで、内径が0.76mmである。いくつかの実施形態において、冷却液注入口は、加熱されたまたは冷却された流体を、冷却液チューブ110を通ってポンプでくみ上げるように構成されたポンプ(図示せず)に取り付けられる。流体は比熱が高いことが好ましい。流体は、水、生理食塩水、例えば装置を損傷しない水中の脂肪のエマルションなど神聖に摂取できる、及び/または理解できるようなその他のタイプの流体を含む。
【0026】
図1及び3は、カテーテル120の長さに沿って長手方向に延在し、遠位端において単一の曲がりを備えた後、カテーテルに沿って長手方向に戻って延在し、体から出る冷却液チューブ110の例を描く。他の例において、図2及び4に示されるように、冷却液チューブ110は、カテーテル120の外面の周りに1またはそれ以上のループを備えて、らせん状に巻かれる。図2及び4の冷却液チューブ110は、カテーテル120を囲う複数のループを備えるコイルを描くが、冷却液チューブ110は、1またはそれ以上のループを有するカテーテル120の周りのコイルを備える。例えば、冷却液チューブ110は、カテーテル120の遠位端に向かって延在し、カテーテル120の周りを少なくとも一度輪状にした後、カテーテル120の近位端に向かって戻る。冷却液チューブ110は、カテーテル120の周りの1またはそれ以上のループを備えるコイルまたはカテーテル120に沿って縦に伸びるチューブとして記載されるが、冷却液チューブ110は、理解できるような最適な表面領域において、その他の形状またはパターンで形成されることに注意する必要がある。
【0027】
カテーテル120は、その近位端においてゲル注入口118とカテーテル120を通って延在するゲル内腔123によって、ゲル注入口118と流体的に接続されたゲルポート122を含む。ゲルポート122は、カテーテル120の周りに配置され、ゲル注入口118に注入されたゲル130を、ゲル内腔123を通って食道300に解放し、対流熱交換のための媒体として役立つように構成される。
【0028】
様々な実施形態によると、図1-4に示されるように、カテーテル120は、またカテーテル120の遠位端において遠位膨張可能バルーン124を含む。遠位膨張可能バルーン124は、カテーテル120を通って延在するバルーン膨張内腔126(例えば126a,126b)を通るカテーテル120の近位端における膨張注入口116(例えば116a,116b)に流体的に接続される。膨張注入口116の膨張流体の注入が、ゲル130が胃に入ることを防ぐために、食道300を遮断し、遠位バルーン124上にゲル130を閉じ込めるのに十分な大きさに遠位バルーン124を膨張するように、膨張注入口116は、遠位バルーン124と結合され、構成される。遠位バルーン124は、食道または他の適切な領域に温度制御装置100を挿入し、そこから取り外す間、収縮した状態にある。
【0029】
図3及び4に示されるように、温度制御装置100は、カテーテル120のゲルポート122の上のカテーテル120の近位部に配置された近位バルーン128を備える。近位バルーン128は、膨張注入口116に流体接続され、膨張注入口116の膨張流体の注入により、ゲル130が肺に動くことを防ぐために、食道300を遮断し、近位バルーン128より下にゲル130を閉じ込めるのに十分な大きさに近位バルーン128を膨張する。近位バルーン128は、食道300または他の適切な領域に温度制御装置100を挿入し、そこから取り外す間、収縮した状態にある。
【0030】
様々な実施形態によると、近位バルーン128は、カテーテル120の外面の周りに配置される。いくつかの実施形態において、近位バルーン128は、カテーテル120及びカテーテル120に沿って配置された冷却液チューブ110の少なくとも一部を囲う。図3及び4に分離して示されるが、いくつかの実施形態において、近位バルーン128に流体結合された膨張注入口116は、遠位バルーン124と流体結合された同じ膨張注入口116であり、膨張流体は、カテーテル120の同じバルーン膨張内腔126を通って進む。他の実施形態において、近位バルーン128と流体結合された膨張注入口116は、遠位バルーン124に流体結合された膨張注入口116と分離する。例えば、カテーテル120は、カテーテルを通って近位バルーン128のエントリポイントに延在する第2のバルーン膨張内腔126bを備える。他の実施形態において、膨張注入口116は、近位バルーン128と結合されたバルーン膨張内腔125を有するチューブ(図示せず)と結合され、カテーテル120と分離する。
【0031】
様々な実施形態において、膨張流体は、空気、生理食塩水、及び/または例えば理解できるような装置の材料を損傷しない水中の脂肪のエマルションなど神聖に摂取できる他のタイプの膨張流体を含む。さらに、近位バルーン128は、膨張可能バルーンとして記載されるが、いくつかの実施形態において、近位バルーン128は、拡張可能なスポンジ及び/または近位バルーン128の下にゲル130を閉じ込めるために用いられる他の材料、スポンジ及び/または他の適切な構成要素を備える。
【0032】
例えば、図3及び4が近位バルーン128を描くが、近位バルーン128は、スポンジを備える。様々な実施形態によると、例えば拡張可能なスポンジは、少なくとも部分的に乾かされ、最大寸法より小さく、装置100をさらに容易に食道300に挿入し、例えば心臓の近くの治療の部位に配置することができる。例えば、その表面は、柔らかく弾力性があり、体の組織を保護することを保証するために、スポンジ内にいくらかの水分を保持することが望まれる。挿入されたとき、スポンジは、拡大し、食道300の内面に接触し、スポンジの下にゲル130を閉じ込める。いくつかの実施形態において、冷却されたまたは加熱された流体は、その後本明細書のどこかに記載されるようにチューブ110を通って循環し、スポンジまたは近位バルーン128にまたはそれから熱を移すまたは除去する。いくつかの実施形態において、スポンジ内の拡張可能な生体適合性の材料は、その後食道300の内面に熱または冷却を移し、意図された治療効果を提供する。
【0033】
様々な実施形態によると、装置100は、温度センサ133を備える。図1に示されるように、温度センサ133は、またカテーテル120に沿って1またはそれ以上の位置に配置される。このセンサ133は、食道300に沿った隣接領域に対応する温度データを送信する。複数のセンサ133は、食道300に沿った複数の領域の温度情報を提供し、それにより、センサ133に接続された信号処理装置は、望まれない温度変化を経験しているまたは経験すると予想される食道の特定の領域を識別する。センサ133は、有線または例えばWIFI、BLUETOOTH(登録商標)または他の近接場のプロトコルなどの無線通信、及びその他の無線通信プロトコルによってこのデータを送信する。RF切除と関連する無線周波数によってセンサの不注意な加熱を避けるために、センサに金属を用いることを避けることが利点である。これは、例えばファイバ光センサを用いて達成される。他の非金属または金属温度センサ技術は、センサに用いられる。
【0034】
1つの実施形態において、電子プロセッサ802は、センサ133から温度情報を受信し、高温を報告する。いくつかの場合において、電子プロセッサ802は、冷却液チューブ110を通る流量を制御する。
【0035】
いくつかの実施形態において、装置100は、さらにカテーテル120の内部に挿入された可変ブレード要素(図示せず)を含み、可変ブレード要素は、体の内側に及びカテーテル120の内部に配置されたとき、曲げられるように構成され、それにより体内のカテーテル120の配向の変化を引き起こす。
【0036】
上で議論されたように、ある態様において、1またはそれ以上のゲル130は、必要に応じてすぐに冷却されるまたは加熱される本明細書で記載される装置100で用いられる。ゲル130は、それらが本明細書で記載されるように装置100によって食道に注入されるように、考案される。ゲル130は、水及び被験者への投与に適切な毒性のないポリマ材料からなる。
【0037】
ポリマ材料の選択は変えられる。1つの態様において、ポリマ材料は、ポリアルキレングリコールである。本明細書で用いられるように「ポリアルキレングリコール」は、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドと水の縮合ポリマを指す。ポリアルキレングリコールは、通常高分子量の無色の液体であり、水及びいくらかの有機溶媒に溶解可能である。1つの態様において、ポリアルキレングリコールは、ポリエチレングリコール及び/またはポリプロピレングリコールである。別の態様において、ポリアルキレングリコールは、モノメトキシポリエチレングリコールである。1つの態様において、ポリアルキレングリコールは、Miralax(登録商標)(Bayerによって製造される平均分子量が3350のポリエチレングリコール)及びCarbowax(登録商標)(Dow Chemicalによって製造される平均分子量600から6000のポリエチレングリコール)である。
【0038】
1つの態様において、ポリアルキレングリコールは、ポリキサマである。ポリキサマは、ポリプロピレン(例えば(ポリ(プロピレンオキシド)))の中央疎水性鎖に隣接するポリオキシエチレン(例えばポリ(エチレンオキシド))の2つの親水性鎖から構成される非イオン性トリブロックコポリマである。1つの態様において、ポリキサマは化学式
HO(CO)(CO)(CO)OH
ここで、aは、10から100、20から80、25から70、または25から70または50から70であり、bは、5から250、10から225、20から200、50から200、100から200、150から200である。別の態様において、ポリキサマは、分子量が2,000Daから15,000Da、3,000Daから14,000Da、または4,000Daから12,000Daである。本明細書で有益なポリキサマは、BASFによって製造される商品名Pluronic(登録商標)で販売されている。
【0039】
ポリアルキレングリコールがゲル130を作り出すために用いられるとき、ゲル130は、低誘電率を有する。1つの態様において、ゲル130の誘電率は20未満、または約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19または約20未満であり、任意の値は、Ando電気社からTR-1A Ratio Arm Transformer Bridgeで測定されるような範囲の下または上のエンドポイントであってもよい(例えば、約11から約18、約13から約16など)。別の態様において、ポリアルキレングリコールは、分子量が600Daから約6,000Da、または約600Da、約750Da、約1,000Da、約1,500Da、約2,500Da、約3,000Da、約3,500Da、約4,000Da、約4,500Da、約5,000Da、約5,500Da、約6,000Daであり、任意の値が範囲の下または上のエンドポイントである(例えば約600Daから約2,000Da、約3,000Daから約5,000Daなど)。しかしながら、ポリアルキレングリコールにおいて、6,000Daより大きい分子量が理解されるように用いられることに注意する必要がある。様々な実施形態によると、純粋なポリエチレンポリマは、誘電率が約20であり、その溶液は、水の誘電率である程度平均的になる。
【0040】
他の態様において、ゲル130を作り出すために用いられるポリマ材料は、熱伝導ゲルである。熱伝導ゲルを作り出すために用いられるポリマ材料の例は、これに限定されるものではないが、アルギン酸、キサンタンガム、またはゼラチンを含む。別の態様において、熱伝導ゲルは、水または生理食塩水における任意の非毒性増粘剤である。1つの態様において、熱伝導ゲルを作り出すために用いられるポリマ材料は、キトサンまたはアカシアを含む。別の態様において、熱伝導ゲルを作り出すために用いられるポリマ材料は、アロールート、コーンスターチ、かたくりでんぷん、じゃがいもでんぷん、サゴ、タピオカまたはそれらのスターチ誘導体を含む。別の態様において、熱伝導ゲルは、これに限定されるものではないが、アルギン、グアーガム、ローカストビーンガム及びキサンタンガムを含む食物増粘剤として用いられる微生物及び植物ガムを含む。他の態様において、熱伝導ゲルは、例えばピロリン酸ナトリウムなどの無機増粘剤を含む。
【0041】
ゲル130は、必要に応じて1またはそれ以上の選択的成分を備える水にポリマ材料を混合することによって準備される。水にポリマ材料を混合することは、用いられるポリマ材料の選択及び量に依存して室温または高温で実行される。1つの態様において、ゲルは、粘度が、膨張バルーンが食道で静止させられるほど十分に高いが、それが注入され吸引されるほど低い。ゲルを作り出すために用いられるポリマ材料の量は、ゲルの粘度を微調整するために変更される。1つの態様において、ポリマ材料は、ゲルの約0.1重量%から5重量%または、約0.1重量%、約0.5重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、または約5.0重量%であり、ここで任意の値は、範囲の下のまたは上のエンドポイントであってもよい(例えば約0.1重量%から約4.0重量%、約0.5重量%から約2.0重量%など)。
【0042】
ある態様において、ゲル130は、本明細書に記載される装置を用いる時期であるときに作り出される。1つの態様において、本明細書に記載される装置100を備えるキットは、ゲル130を作り出すための構成要素を含む。例えば、ポリマ材料は、キットに乾燥した材料として提供され、特定の量の水とポリマ材料を混合する指示を備える。他の態様において、キットは、使用のために既に準備されたゲル130を備える装置100を含む。本明細書に記載されるキットは、また本明細書に記載される装置にゲルを注入する1またはそれ以上のシリンジを含む。
【0043】
本開示の装置100は、本明細書に記載される様々な方法で用いられ、さらに特に心内膜が薄い、心外膜における流出路頻脈または右心室切除で有利に用いられる。さらに、様々な実施形態によると、温度制御装置100は、切除カテーテルから導入される対流熱を緩衝し、特定の場合において、装置100が用いられない場合よりも隣接する心外膜動脈に穿孔または付加的損傷の可能性が低い全層病変の伝達を可能にする。
【0044】
本開示の装置100は、所定の患者の食道に効率的に挿入できる任意の大きさを有し、人の生体構造により広く変えられる。非限定の直径の例の範囲は、約4mmから20mmを含み、長さが約250から500センチメートル(cm)である。より小さい、より広い、より長い、またはより短い大きさが、患者の大きさ、食道壁に接触することが装置の冷やす/温める領域において望まれるか否か、及び使い勝手の良い体の外側に延在する長さに依存して用いられる。金属の回避が食道300内のRFエネルギの望まれない再伝送を避けるために有利であるが、適切な生体適合性の材料が技術分野内で理解されるように使用される。
【0045】
柔軟な構成要素は、技術分野内で理解されるように、十分な柔軟性、耐久性及び潤滑性を備える生体適合性のポリマで作られる。ポリマ、合成、及び天然を含む他の材料が用いられるが、例は、ポリ(エチレン)(PE)、(HDPE,UHMWPE);ポリ(プロピレン)(PP);ポリ(テトラフルオロエチレン)(PTFE)(テフロン(登録商標))、エキスパンドPTFE;エチレンコビニルアセテート(EVA);ポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS);ポリ(エーテルウレタン)(PU);ポリ(エチレンテレフタレート)(PET);及びポリ(スルホン)(PS)を含む。
【0046】
様々な実施形態によると、カテーテル120は、被験者の食道300に進められ、遠位バルーン124は、心房を通って進む。その後遠位バルーン124と近位バルーン128は、食道300の領域を遮断する点まで膨張される。その後ゲル130は、食道300に注入され、遠位バルーン124及び近位バルーン128によって静止される。冷却液は、冷却液チューブ110を通ってポンプでくみ上げられ、ゲル130から熱を移す。この時点で被験者は、心房切除の準備ができる。それが完了するとすぐに、バルーン124,128は、収縮され、カテーテル120は、後退させられる。いくつかの実施形態において、装置100はさらにバルーン124,128を収縮する前に食道300から出るゲル130を吸引する手段を備える。いくつかの場合において、これは、ゲルポート122によって達成される。他の実施形態において、装置100は、カテーテル120を通って、遠位バルーン124の近位の、カテーテル120の遠位端の吸引注入口(図示せず)に延在する吸引内腔(図示せず)を備える。
【0047】
これから図5に目を向けると、治療手術の間、食道300の内部領域を冷却するまたは温める本開示の装置100の能力を試験するために用いられる試験装置500が示される。試験装置500は、食道300に似せるように構成され、そのような大きさにされた内腔を有する柔軟なチューブ510を含む。試験装置500は、さらに柔軟なチューブの表面に配置されたヒドロゲル520を含み、ヒドロゲル520は、左心房壁に似せるような大きさにされ、そのように構成される。試験装置500は、さらにヒドロゲルを切除温度に加熱するまたは冷却するように構成された加熱または冷却源540を含む。試験装置500は、さらに柔軟なチューブの内腔に配置された第1の温度プローブ530及び柔軟なチューブとヒドロゲルの間に配置された第2の温度プローブ532の1つを含む。他の温度プローブ及びセンサは含まれる。例えば、装置500は、さらに柔軟なチューブから少なくとも3mmのヒドロゲル520に、例えば加熱を与えられるヒドロゲル520の表面にまたはその近くに配置された第3の温度プローブ534を含む。
【0048】
熱源は、切除効果を作り出すように構成された任意の装置である。いくつかの場合において熱源は、通常35Wの電力で用いられ、灌漑切除カテーテルを通って供給される無線周波数エネルギを含む。いくつかの場合において、熱源にはレーザが含まれる。いくつかの場合において、熱源は、低温であり、実際は熱を取り除く。これらの実施形態において、開示された装置は、食道からの代わりに、食道に熱を移す。
【0049】
柔軟なチューブ510は、人の食道に似せた大きさにされる。したがって、いくつかの実施形態において、柔軟なチューブは、内径が約2cmで、厚さが約5mmである。
【0050】
ヒドロゲル520は、左心房壁に似せた大きさ及びそのように構成される。したがって、いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは、厚さが約5mmである。ヒドロゲル520は、心房壁の熱伝導度に近い熱伝導度を備える任意の材料で作られる。例えば、いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは、5%の寒天である。他の適切な材料は、例えばポリビニルアルコールまたはポリヒドロキシエチルメタクリレート(pHEMA)などの合成ポリマを含む。
【0051】
装置500は、また37℃の生理食塩水槽に浮かせられるように構成される。いくつかの場合において、柔軟なチューブ510は、スタンドに取り付けられる及び/または構造的な支持を提供するために容器に設置される。
【0052】
いくつかの実施形態において、装置500は、さらにチューブ510に接続され、内部に関する温度情報を出力するように構成された1またはそれ以上の温度センサを含む。
【0053】
いくつかの実施形態において、可変ブレード要素は、カテーテル内腔に挿入され、可変ブレード要素は、体の内側及びカテーテルの内部に配置されたとき、曲げられるように構成され、それにより体内のカテーテルの配向の変化を引き起こす。
【0054】
図6は、本開示を実行する際に用いられる電子装置及び関連する構成要素800のブロック図である。この例において、電子装置852は、音声及びデータ通信機能を備える無線双方向通信装置である。そのような電子装置は、適切な無線通信プロトコルを用いる無線音声またはデータネットワーク850と通信する。無線音声通信は、アナログまたはデジタル無線通信チャンネルを用いて実行される。データ通信により、電子装置852は、インターネットにより他のコンピュータシステムと通信できる。上記システム及び方法に組み込むことができる電子装置の例は、例えば、データメッセージデバイス、双方向ポケットベル、データメッセージ機能を備えた携帯電話、無線インターネット電気器具またはテレフォニ機能を含むまたは含まないデータ通信装置を含む。電子装置800は、例えば有線または無線手段によってセンサ133から電子データを収集し、そのようなデータを表示するまたはさもなければそのようなデータを開業医に伝達し、及び装置100を通る低温または高温の流体の流れを制御するために用いられる。
【0055】
描かれた電子装置852は、双方向無線通信機能を含む例示の電子装置である。そのような電子装置は、例えば無線送信機810、無線受信機812、並びに例えば1またはそれ以上のアンテナ要素814及び816などの関連する構成要素などの通信サブシステムを含む。デジタル信号プロセッサ(DSP)808は、受信した無線信号からデータを抽出し、送信される信号を発生するために処理を実行する。通信サブシステムの特定の設計は、通信ネットワーク及び装置が動作することを意図される関連無線通信プロトコルに依存する。
【0056】
電子装置852は、電子装置852の全動作を制御するマイクロプロセッサ802を含む。マイクロプロセッサ802は、上記通信サブシステム要素と相互作用し、また例えばフラッシュメモリ806、ランダムアクセスメモリ(RAM)804、補助入出力(I/O)装置838、データポート828、表示装置834、キーボード836、スピーカ832、マイクロフォン830、短距離通信サブシステム820、電力サブシステム822、及びその他の装置サブシステムと相互作用する。
【0057】
バッテリ824は、電力サブシステム822と接続され、電子装置852の回路に電力を供給する。電力サブシステム822は、電子装置852に電力を供給する電力分配回路を含み、またバッテリ824の再充電管理をするためにバッテリ充電回路を含む。電力サブシステム822は、電子装置852の様々な構成要素に、例えば残容量、温度、電圧、電流消費など1またはそれ以上のバッテリ状態インジケータの状態を提供するように動作可能なバッテリ監視回路を含む。
【0058】
1つの例のデータポート828は、レセプタクルコネクタ104または上記されたように、電気及び光学データ通信回路コネクタ(図示せず)が係合し、対になるコネクタである。データポート828は、電子装置852と例えば光学通信回路を介したまたはいくつかの例のデータポート828に組み込まれるUSB接続など、電気データ通信回路を介した高速データ転送など、例えば、様々なモードのデータ通信を通る他の装置との間のデータ通信を支持することができる。データポート828は、例えば外部コンピュータまたは他の装置と通信することを支持できる。
【0059】
データポート828を通るデータ通信により、使用者は、外部装置を通るまたはソフトウェアアプリケーションを通る優先権を設定でき、無線データ通信ネットワークによってよりむしろ電子装置852及び外部データソースの間の直接接続を通して情報またはソフトウェア交換ができることによって装置の機能を拡張する。データ通信に加えて、データポート828は、電力サブシステム822に電力を提供し、バッテリ824を充電するまたは例えば電子装置852のマイクロプロセッサ802など電子回路に電力を供給する。
【0060】
マイクロプロセッサ802によって用いられるオペレーティングシステムソフトウェアは、フラッシュメモリ806に格納される。さらに例は、バッテリバックアップRAMまたは他の不揮発性ストレージデータ要素を用いて、オペレーティングシステム、他の実行可能なプログラムまたは両方を格納することができる。オペレーティングシステムソフトウェア、装置アプリケーションソフトウェア、またはその一部は、例えばRAM804など揮発性データストレージに一時的にロードされることができる。無線通信信号によってまたは有線通信を通して受信されたデータは、またRAM804に格納されることができる。
【0061】
マイクロプロセッサ802は、そのオペレーティングシステム機能に加えて、電子装置852でソフトウェアアプリケーションを実行できる。少なくともデータ及び音声通信アプリケーションを含む、基礎装置動作を制御するアプリケーションの所定のセットは、製造中に電子装置852にインストールされる。装置にロードされることができるアプリケーションの例は、例えばこれに限定されるものではないが、e-mail、カレンダイベント、ボイスメール、予約、タスク項目など、装置ユーザに関するデータ項目を整理し、管理する能力を有する個人情報管理(PIM)アプリケーションである。
【0062】
さらなるアプリケーションは、また例えば無線ネットワーク850、補助I/O装置838、データポート828、短距離通信サブシステム820、またはこれらのインターフェースの任意の組み合わせを通して電子装置852にロードされる。その後そのようなアプリケーションは、マイクロプロセッサ802による実行のためにRAM804または不揮発性格納に使用者によってインストールされる。
【0063】
データ通信モードにおいて、例えばテキストメッセージまたはウェブページダウンロードなど、受信信号は、無線受信機812及び無線送信機810を含む、通信サブシステムによって処理され、通信されたデータは、さらに受信データを出力のために表示装置834に、または代わりに補助I/O装置838またはデータポート828に処理することができるマイクロプロセッサ802に提供される。電子装置852のユーザは、また表示装置834及び場合によっては補助I/O装置838と組み合わせて、完全な英数字キーボードまたは電話タイプのキーパッドを含むことができるキーボード836を用いて例えばe-mailメッセージなどデータ項目を作る。その後そのような作られた項目は、通信サブシステムを通って通信ネットワーク上で送信されることができる。
【0064】
音声通信において、電子装置852の全動作は、受信信号が一般にスピーカ832に提供され、送信のための信号が一般にマイクロフォン830によって作り出されることを除いて実質的に同様である。例えば音声メッセージ記録サブシステムなど、代わりの音声(voice)または音声(audio)I/Oサブシステムは、また電子装置852で実行される。音声(voice)または音声(audio)信号出力は、一般にスピーカ832を通して主に達成されるが、表示装置834は、また例えば発呼者の身元、音声通話の長さ、または他の音声通話関連情報の表示を提供するために用いられる。
【0065】
電子装置852の条件または状態に依存して、サブシステム回路と関連する1またはそれ以上の特定の機能は、機能を停止されるまたは全サブシステム回路は機能を停止される。例えば、バッテリ温度が低いならば、音声機能は、機能を停止されるが、例えばe-mailなどのデータ通信は、さらに通信サブシステム上で有効である。
【0066】
短距離通信サブシステム820は、電子装置852と必ずしも同様の装置を必要としない異なるシステムまたは装置の間のデータ通信を提供する。例えば、短距離通信サブシステム820は、上記データファイル転送通信を含む同様に有効なシステム及び装置との通信を提供するために、赤外線装置及び関連する回路及び構成要素または例えばBluetooth(登録商標)通信をサポートするものなど、無線周波数に基づく通信モジュールを含む。
【0067】
メディアリーダ860は、補助I/O装置838に接続され、例えばフラッシュメモリ806へ格納するために、電子装置852にコンピュータプログラム製品のコンピュータ読み取り可能プログラムコードをロードすることを可能にすることができる。メディアリーダ860の1つの例は、例えばコンピュータ読み取り可能ストレージメディア862などコンピュータ読み取り可能媒体またはストレージ製品にデータを格納するまたはそこからデータを読み取るために用いられる、例えばCD/DVDドライブなどの光学ドライブである。適切なコンピュータ読み取り可能ストレージ媒体の例は、例えばCDまたはDVDなどの光学ストレージ媒体、磁気媒体、またはその他の適切なデータストレージ装置を含む。メディアリーダ860は、代わりにデータポート828を通って電子装置に接続されることができるまたはコンピュータ読み取り可能プログラムコードは、代わりに無線ネットワーク850を通って電子装置852に提供されることができる。
【0068】
本発明の多くの実施形態が記載された。それにもかかわらず、様々な変更が本発明の精神及び範囲から逸脱することなくなされることが理解されるであろう。したがって、他の実施形態は、次の特許請求の範囲の範囲内である。
【実施例1】
【0069】
実施例1:インビトロ試験プラットフォームの開発
プロトタイプテストのためのインビトロ試験スタンドが左心房302及び食道300の空間関係及び熱伝導度に似せることを目標として開発された。食道300は、内径が約2センチメートル(cm)で厚さが約5ミリメートル(mm)の柔軟なポリビニルアルコール(PVA)発泡チューブによって表された。PVAチューブの内側は、チューブの多孔性を制限するためにシリコーン封止材で被覆された。外の厚さ5mmの5%寒天ヒドロゲルは、疑似左心房組織として用いられた。熱は、半田ごてを用いて加えられ、全システムは、37℃、0.7%生理食塩水槽に沈められた。疑似寒天組織は、生理食塩水の表面の下1mmに沈められ、血液の表面流に似せる一方で、切除部位における熱損失を減らした。試験は、疑似寒天組織と半田ごて熱適用を試験のプラットフォームを有効にするために切除カテーテルを利用する前の開発されたインビトロモデルと比較するために実行された。試験プラットフォームの最終的な表現は、図5に示される。
【実施例2】
【0070】
実施例2:プロトタイプの開発及び試験
プロトタイプ設計(図1及び2)は、食道の下の粘性液体の流れを遮断するための機構としてフォーリカテーテルのバルーンを用いて作り出された。フォーリカテーテルは、最も低いポートを遮断し、遠位バルーン124より上の新しいポートを作り出すことによって改良された。シリコーンチューブは、カテーテルに取り付けられ、1つの注入口と1つの排出口を備えて装置を通って室温水を運んだ。使用中、カテーテルは、食道モデルに挿入され、遠位バルーン124は、切除部位の下に配置され、食道を左心房302に押し出すことを避ける。その後、遠位バルーン124は、5ミリリットル(mL)の空気で膨張され、食道を遮断し、装置の位置に固定する。プロトタイプが所定の位置にあるとすぐに、室温水のための注入チューブは、ポンプに取り付けられ、排出チューブは、廃棄ビーカに設置される。このポンプシステムは、ぜん動ポンプに置換されることができる。シリコーンチューブを通る流体流れの確立後、室温で8mLの粘性液体(アルギン酸、キサンタンガムなど)が、シリンジを用いてフォーリカテーテルの大きなポートを通って供給される。粘性液体の目的は、対流熱交換のための媒体として役立つことと、膨張バルーンの上に残ることである。
【0071】
実験は、室温水循環によって促された最適な対流のためにシリコーンチューブの適切な大きさと形態を決定するために実行された。図1は、ワンターンチューブ形態を示す。実験は、ワンターン(図1、3及び9)またはコイル状(図2、4及び10)形態の外径1.2mmまたは外径1.7mmのシリコーンチューブを用いて、(食道壁を代表する)疑似寒天組織の表面下5mmの温度変化を比較するために実行された。実験結果に基づいて、外径1.7mmのチューブが選択された。大きいチューブの大きさは、小さいチューブの大きさと比較したとき切除の下5mmの加熱を減らすことが示された。これは、1.7mmで流量が増加したことによるものと考えられる。予備試験後、ワンターンとコイル状形態の間に有意差は観察されないが、コイル状形態は、最終的に食道内のよりに均一な対流領域を作り出す能力によって選択された。
【0072】
1.7mmODコイル状シリコーンチューブプロトタイプは、最も広い幅の点において直径が0.85cm(25.5F)である。
【0073】
図7及び8は、1.7mmODコイル状バルーンプロトタイプ(図8)と対照(図7)を比較する結果を示す。これらの実験の間、熱は、150℃240秒の半田ごてで30秒間、加えられた。熱適用の部位、熱適用の部位の下5mm、及びPVA食道モデル内の温度は、経時的に取得された。示される結果は、経時的に5mm深さにおける温度変化を示し、表面の温度変化によって正規化された。この正規化は、熱適用の部位より上の水の高さの差または半田ごてを用いる熱適用の差による表面加熱の差を説明するために実行された。
【0074】
温度が減少してもたらされたバルーンのプロトタイプは、この実験プラットフォームにおいて、食道壁を示すために用いられる切除部位の下5mmで変化する。データは、切除部位の温度の増加によって正規化され、インビトロモデルは、切除部位温度が等しい場合、食道壁の温度の上昇がプロトタイプを使用しているとき低いことを主張する。特に、プロトタイプの5mm深さにおける平均最高温度は、対照のそれより平均1.2℃低く、平均最高温度は、それぞれ36.8℃と38℃であった。
【0075】
このプロトタイプの1つの変更は、室温水の閉じたループの対流流れを粘性流体の開いたループ流と置換することである。この場合において、大きな粘性流体が経時的に置換され、潜在的に対流熱移動を増加する。
【0076】
粘性液体の候補は、0.5%から2%の濃度で、キサンタンガム、アルギン酸、及びゼラチンを含んだ。ゼラチンは、最終的に約27℃でゲルから液体に相変化するので排除された。キサンタンガムは、(図6の実験を含む)準備の容易さによってこれらの研究で最も広く用いられた。キサンタンガムは、単独でかき混ぜることによって水に取り込まれる一方で、アルギン酸は、ポリマが分解できるように加熱を必要とする。実験は、さらに任意の差を決定するために1%から2%の濃度のキサンタンガム及びアルギン酸で実行された。
【0077】
例えば語句「X、Y、またはZの少なくとも1つ」などの選言的言語は、特に明記されていない限り、アイテム、用語などが、X、Y、またはZまたはそれらの任意の組み合わせ(例えばX、Y、及び/またはZ)のいずれかがであり得ることを提示するために一般的に使用される文脈で別の方法で理解される。そのため、そのような選言的言語は、一般に特定の実施形態がそれぞれ存在するXの少なくとも1つ、Yの少なくとも1つ、Zの少なくとも1つを必要することを意図せず、意味するべきでない。
【0078】
本開示の実施形態の例は、以下の節を考慮して記載される。
【0079】
節1.治療手術の間、食道の内部領域を冷却するまたは温める装置であって、近位端と遠位端を有する細長い、柔軟なカテーテルと、カテーテルの近位端に対してカテーテルの外面に取り付けられる近位バルーンであって、近位バルーンは、膨張したとき、食道の近位部分を遮断するように構成される及びそのような大きさにされる、近位バルーンと、カテーテルの遠位端の外面に取り付けられる遠位バルーンであって、遠位バルーンは、膨張したとき、食道の第2の部分を遮断するように構成される及びそのような大きさにされる、遠位バルーンと、近位バルーンと遠位バルーンの内部と連通する少なくとも1つの膨張注入口を有するカテーテルを通って延在する少なくとも1つのバルーン膨張内腔と、カテーテルの遠位端及び近位バルーンと遠位バルーンの間に配置されたゲル排出口と流体連通するゲル注入口を有するカテーテルを通って延在するゲル注入内腔と、を備える、装置。
【0080】
節2.さらに、冷却液排出口と連通する冷却液注入口を有する冷却液チューブを備え、冷却液チューブは、カテーテルの表面に取り付けられ、カテーテルの近位端から遠位バルーンに近位のカテーテルの遠位端に延在し、その後カテーテルの近位端に戻る、節1に記載の装置。
【0081】
節3.冷却液チューブは、カテーテルの外面の周りにらせん状に巻かれる、節1または2に記載の装置。
【0082】
節4.冷却液チューブは、カーボンからなる、節2または3に記載の装置。
【0083】
節5.冷却液チューブは、外径が約1.7mmである、節2乃至4のいずれか1に記載の装置。
【0084】
節6.さらにチューブに接続され、食道の内部領域に関連する温度情報を出力するように構成された1またはそれ以上の温度センサを備える、節1乃至6のいずれか1に記載の装置。
【0085】
節7.さらにカテーテルの内部に挿入された可変ブレード要素を備え、可変ブレード要素は、体の内側に及びカテーテルの内部に配置されたとき曲げられるように構成され、それにより体内のカテーテルの配向の変化を引き起こす、節1乃至7のいずれか1に記載の装置。
【0086】
節8.さらにカテーテルの内部に挿入された可変ブレード要素を備え、可変ブレード要素は、体の内側に及びカテーテルの内部に配置されたとき曲げられるように構成され、それにより体内のカテーテルの配向の変化を引き起こす、節1乃至7のいずれか1に記載の装置。
【0087】
節9.節1乃至8のいずれか1項に記載の装置及びゲルを作り出すポリマ材料を備えるキット。
【0088】
節10.節1乃至8のいずれか1項に記載の装置及びゲルを備えるキット。
【0089】
節11.ゲルは、水及びポリアルキレングリコールを含む、節9または10に記載のキット。
【0090】
節12.ポリアルキレングリコールは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、モノメトキシポリエチレングリコール、ポロキサマ、またはそれらの任意の組み合わせを含む、節11に記載のキット。
【0091】
節13.ポリアルキレングリコールは、分子量が約600Daから約6000Daである、節10乃至12のいずれか1に記載のキット。
【0092】
節14.ポリアルキレングリコールは、ゲルの約0.1重量%から5重量%である、節11乃至13のいずれか1に記載のキット。
【0093】
節15.ゲルは、誘電率が20未満である、節9乃至14のいずれか1に記載のキット。
【0094】
節16.ゲルは、熱伝導ゲルを含む、節10に記載のキット。
【0095】
節17.治療手術の間、食道の内部領域を冷却するまたは温める方法であって、食道に請求項1乃至8のいずれか1項に記載の装置を挿入するステップと、装置の近位バルーンと遠位バルーンを膨張し、食道の近位部と遠位部を遮断するステップと、食道にゲルを置くために、装置のゲル注入内腔にゲルを注入するステップであって、ゲルは、近位バルーンの下で遠位バルーンの上の領域の食道に置かれる、注入するステップと、を備える方法。
【0096】
節18.ゲルは、水及びアルキレングリコールを含む、節17に記載の方法。
【0097】
節19.ポリアルキレングリコールは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、モノメトキシポリエチレングリコール、ポロキサマ、またはそれらの任意の組み合わせを含む、節18に記載の方法。
【0098】
節20.ポリアルキレングリコールは、分子量が約600Daから約6000Daである、節18または19に記載の方法。
【0099】
節21.ポリアルキレングリコールは、ゲルの約0.1重量%から5重量%である、節18乃至20のいずれか1に記載の方法。
【0100】
節22.ゲルは、誘電率が20未満である、節17乃至21のいずれか1に記載の方法。
【0101】
節23.ゲルは、熱伝導ゲルを含む、節17に記載の方法。
【0102】
節24.心房切除装置をインビトロ試験する装置であって、食道に似せるように構成される及びそのような大きさにされる内腔を有する柔軟なチューブと、柔軟なチューブの表面に配置されたヒドロゲルであって、ヒドロゲルは、左心房壁に似せるような大きさにされ及びそのように構成される、ヒドロゲルと、ヒドロゲルを切除温度に加熱するように構成された熱源と、柔軟なチューブの内腔に配置された第1の温度プローブ及び柔軟なチューブとヒドロゲルの間に配置された第2の温度プローブの少なくとも1つと、を備える装置。
【0103】
節25.熱源は、少なくとも150℃の温度を作り出すように構成される、節24に記載の装置。
【0104】
節26.柔軟なチューブは、内径が約2cmで、厚さが約5mmである、節24または25に記載の装置。
【0105】
節27.ヒドロゲルは、厚さが少なくとも5mmである、節24乃至26のいずれか1に記載の装置。
【0106】
節28.さらに柔軟なチューブから少なくとも3mmのヒドロゲルに配置された第3の温度プローブを備える、節24乃至27のいずれか1に記載の装置。
【0107】
節29.37℃の生理食塩水槽に浮かせられる、節24乃至28のいずれか1に記載の装置。
【0108】
用語「実質的に」は、意図される目的に悪影響を及ぼさない説明的な用語からの逸脱を許可することを意味する。説明的な用語は、用語が明白に単語実質的によって修飾されないとしても、単語実質的によって修飾されると暗黙のうちに理解されるべきである。
【0109】
割合、濃度、量及び他の数データが範囲形式で本明細書に表現されていることに注意する必要がある。そのような範囲形式は、便宜上及び簡潔さのために用いられ、範囲の制限として明白に記載される数値だけでなく、それぞれの数値及びサブレンジが明白に記載されているようにその範囲内に含まれる全ての個々の数値またはサブレンジを含むことを柔軟な方法で解釈されるべきである。説明するために、「約0.1%から約5%」の濃度範囲は、約0.1重量%から約5%の明白に記載された濃度だけでなく、示された範囲内の個々の濃度(例えば1%、2%、3%、及び4%)及びサブレンジ(例えば0.5%、1.1%、2.2%、3.3%、及び4.4%)も含むと解釈されるべきである。用語「約」は、有効数字の数値による従来の丸めを含む。さらに、
【0110】
本開示の上記実施形態は、単に本開示の原理の明確な理解のために記載される実施の可能な例であることが強調されるべきである。多くのバリエーション及び変更は、本開示の精神及び原理から実質的に逸脱することなく上記実施形態になされる。全てのそのような変更とバリエーションは、本開示の範囲内で本明細書に含まれ、次の特許請求の範囲によって保護される。
【0111】
特に定義されていない限り、本明細書で用いられる全ての技術及び科学用語は、開示された発明が属する技術分野の当業者によって共通に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に引用された刊行物及びそれらが引用される資料は、特に援用される。
【0112】
当業者は、本明細書に記載の本発明の特定の実施形態に相当する多くの同等物を認識し、または日常的に実験のみを使用して確認できるであろう。そのような同等物は、次の特許請求の範囲に含まれることが意図されている。
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