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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】ハンガー装置
(51)【国際特許分類】
   A47G 25/06 20060101AFI20231017BHJP
   A47G 25/18 20060101ALI20231017BHJP
   D06F 57/08 20060101ALI20231017BHJP
   A47F 7/19 20060101ALI20231017BHJP
【FI】
A47G25/06 A
A47G25/18
D06F57/08 Z
A47F7/19 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023059668
(22)【出願日】2023-03-31
【審査請求日】2023-03-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523121989
【氏名又は名称】株式会社フルコート
(74)【代理人】
【識別番号】100136928
【弁理士】
【氏名又は名称】高宮 章
(72)【発明者】
【氏名】笹井 博光
【審査官】高橋 祐介
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第210506880(CN,U)
【文献】中国実用新案第205741667(CN,U)
【文献】中国実用新案第203399935(CN,U)
【文献】実開昭58-109476(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 25/06
A47G 25/18
D06F 57/08
A47F 7/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床上に立てて設置される脚部と、該脚部の上部に設けられる物品係止部と、を有する複数のハンガー体と、
前記複数のハンガー体どうしを互いに近接離間するように伸縮自在に連結する伸縮連結手段と、を備え
伸縮連結手段は、複数のハンガー体の脚部どうしを連結し、複数のリンク部材を互いに回動自在に軸着して構成されたリンク機構を有することを特徴とするハンガー装置。
【請求項2】
伸縮連結手段は、該リンク部材の回転軸を鉛直方向とし、ハンガー体の脚部の下部側に上下に離隔して配置される複数のリンク機構を含むことを特徴とする請求項記載のハンガー装置。
【請求項3】
伸縮連結手段は、パンタグラフ状のリンク機構を有することを特徴とする請求項1又は2記載のハンガー装置。
【請求項4】
リンク機構のリンク部材どうしがハンガー体の脚部を介して回転自在に連結されることを特徴とする請求項記載のハンガー装置。
【請求項5】
床上に立てて設置される脚部と、該脚部の上部に設けられる物品係止部と、を有する複数のハンガー体と、
前記複数のハンガー体どうしを互いに近接離間するように伸縮自在に連結する伸縮連結手段と、を備え、
それぞれのハンガー体は、所定の間隔で平行状に離隔配置された2本1対の前記脚部と、
前記平行状に離隔配置された2本1対の脚部の上端側に架設されるように該脚部に左右両側を接続させた前記物品係止部と、を含むことを特徴とするハンガー装置。
【請求項6】
床上に立てて設置される脚部と、該脚部の上部に設けられる物品係止部と、を有する3つ以上の複数のハンガー体と、
前記複数のハンガー体どうしを互いに近接離間するように伸縮自在に連結する伸縮連結手段と、を備え、
伸縮連結手段は、前記複数のハンガー体どうし間の間隔を常に等間隔に保持した状態で該ハンガー体どうしを近接離間自在とする等間隔保持機構を有することを特徴とするハンガー装置。
【請求項7】
床上に立てて設置される脚部と、該脚部の上部に設けられる物品係止部と、を有する複数のハンガー体と、
前記複数のハンガー体どうしを互いに近接離間するように伸縮自在に連結する伸縮連結手段と、を備えたハンガー装置であり、
ハンガー装置どうしを着脱可能に連結する着脱連結手段を有することを特徴とするハンガー装置。
【請求項8】
ハンガー体は、前記脚部と前記物品係止部とが着脱可能に設けられたことを特徴とする請求項1,2,5,6,7のいずれかに記載のハンガー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床等に自立して設置され、服飾やタオル、種々の物品等を支持するためのハンガー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯した衣類を乾燥したり、衣類を収納したりする際に、ハンガーや物干し具等が利用されている。一般的なハンガーは、上部に設けられたフックと、衣類の肩部分を引っ掛ける肩部と、が一体的に設けられており、該ハンガーの肩部に衣類等を掛けて支持した状態でフックを介して物干し竿やハンガーラックの横パイプ等に吊支される。
【0003】
また、室内でハンガーや布団等を支持するための物干し具に関する技術も従来より種々提案されている。例えば、特許文献1には、収納時に場所をとらず、簡単に組み立てや分解をすることができる簡易物干し器が提案されている。特許文献1の簡易物干し器は、設置面に対し接地する設置足部をそれぞれ備え、単独自立不能な第1支持脚部材及び第2支持脚部材と、前記第1支持脚部材及び前記第2支持脚部材の上端部近傍にそれぞれ孔設された第1貫通孔及び第2貫通孔と、前記第1支持脚部材の前記第1貫通孔と前記第2支持脚部材の前記第2貫通孔とに遊嵌される棒部材と、を有し、前記棒部材が、前記第1支持脚部材を前記第2支持脚部材側に傾かせるとともに前記第2支持脚部材を前記第1支持脚部材側に傾かせた状態で前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔に略水平な姿勢で挿抜自在に挿通されることにより、前記第1支持脚部材と略水平な姿勢の前記棒部材とが互いに係止されるとともに前記第2支持脚部材と略水平な姿勢の前記棒部材とが互いに係止されて、前記第1支持脚部材、前記第2支持脚部材、前記棒部材による自立連設体が構築され、前記自立連設体に備えられる前記棒部材を、衣装を吊り下げるための第1支持領域、若しくは、前記衣装又は寝具を掛置きするための第2支持領域としたものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2022-13707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の一般的なハンガーは、室内で利用する際には、ハンガーを引っ掛けるために壁等に物干し棒を取り付けたり、ハンガーラックが必要となる。しかしながら、物干し棒を壁に取り付けるには取付工事が必要で手間がかかるとともに、賃貸の部屋等の場合には取り付け工事自体ができない場合がある等の問題がある。また、ハンガーラックを利用する場合には、該ハンガーラックが常に室内に一定のスペースを占有するので、衣類を収納する場合などに邪魔になってしまうおそれがある等の問題があった。
【0006】
また、特許文献1のような簡易物干し具は、不要時には分解して収納できるが、衣類等を支持した状態で収納することができなかったり、組み立て作業や分解作業に手間暇がかかったりする等の問題があり、使い勝手に劣るものであった。
【0007】
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その一つの目的は、被服やタオル等の物干しや乾燥、収納、又は展示等に有効に利用できる実用性が高い自立型のハンガー装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明は、床上に立てて設置される脚部と、該脚部の上部に設けられる物品係止部と、を有する複数のハンガー体と、前記複数のハンガー体どうしを互いに近接離間するように伸縮自在に連結する伸縮連結手段と、を備えたハンガー装置から構成される。
【0009】
また、ハンガー体は、所定の間隔で離隔配置された2本1対の前記脚部と、前記2本の脚部の上方を連結するように架設される前記物品係止部と、を含むこととしてもよい。
【0010】
また、ハンガー体は、前記脚部と前記物品係止部とが着脱可能に設けられたこととしてもよい。
【0011】
また、伸縮連結手段は、複数のハンガー体の脚部どうしを連結し、複数のリンク部材を互いに回動自在に軸着して構成されたリンク機構を有することとしてもよい。
【0012】
また、伸縮連結手段は、該リンク部材の回転軸を垂直方向とし、ハンガー体の脚部の下部側に上下に離隔して配置される複数のリンク機構を含むこととしてもよい。
【0013】
また、伸縮連結手段は、前記ハンガー体どうしを等間隔に保持した状態で該ハンガー体どうしを近接離間自在とする等間隔保持機構を有することとしてもよい。
【0014】
また、伸縮連結手段は、パンタグラフ状のリンク機構を有することとしてもよい。
【0015】
また、リンク機構のリンク部材どうしがハンガー体の脚部を介して回転自在に連結されることとしてもよい。
【0016】
また、請求項1ないし8のいずれかに記載のハンガー装置どうしを着脱可能に連結する着脱連結手段を有することとしてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明のハンガー装置によれば、床上に立てて設置される脚部と、該脚部の上部に設けられる物品係止部と、を有する複数のハンガー体と、前記複数のハンガー体どうしを互いに近接離間するように伸縮自在に連結する伸縮連結手段と、を備えた構成であるから、例えば、服飾等を乾燥や展示する際には、展開して服飾どうしを互いに離隔した状態として設置できるととともに、収納や搬送の際には、装置を縮小しコンパクトにした状態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1の実施形態に係るハンガー装置の斜視図である。
図2図1のハンガー装置の平面図である。
図3図1のハンガー装置の作用を説明する平面図である。
図4図1のハンガー装置のハンガー体の他の実施例を示す説明図である。
図5】本発明の第2の実施形態に係るハンガー装置の斜視図である。
図6図5のハンガー装置の作用を説明する要部拡大平面図である。
図7】本発明の第3の実施形態に係るハンガー装置の側面図である。
図8図7のハンガー装置の作用を説明する側面図である。
図9図7のハンガー装置の他の実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下添付図面を参照しつつ本発明のハンガー装置の実施形態について説明する。本発明に係るハンガー装置は、例えば、床上(や地面)に自立して設置され、衣類、帽子、カバン、タオル、布団、その他種々の物品等を引っ掛けたり吊るしたりして支持でき、乾燥・収納・展示等することができるハンガー装置又は物干し装置である。
【0020】
図1ないし図4は、本発明のハンガー装置の第1の実施形態を示している。図1図2図3に示すように、本実施形態に係るハンガー装置10は、床上に設置される複数のハンガー体12と、該複数のハンガー体12どうしを近接離間自在に連結する伸縮連結手段14と、を備えている。
【0021】
ハンガー体12は、衣類等の物品を係止して支持する支持手段である。図1図2図3に示すように、本実施形態では、それぞれのハンガー体12は、例えば、2本1対の脚部16と、脚部16の上部に連結された物品係止部18と、を含む。なお、ハンガー体12は、1本の脚部16の上端に物品係止部18を形成した構造やその他任意の構造としてもよい。また、一つのハンガー体12に複数の物品係止部18を設けることとしてもよい。
【0022】
脚部16は、床上に立てて設置され該床面から所定の高さ位置で物品係止部18を支持させるとともに、ハンガー装置10を安定的に自立させる手段である。本実施形態では、脚部16は、例えば、アルミニウムやステンレス等の金属又は硬質プラスチック等の合成樹脂で形成され、直線状に長い円筒パイプ又は丸棒体で支柱状に形成されている。脚部16は、下端を床面に接地させて略鉛直状に立てて設置される。2本の脚部16は、所定の間隔で離隔して平行状に対向配置される。脚部16の下端に転動自在なキャスタを設けたり、安定に自立するように板状又はブロック状、フレーム枠状、放射状のベース部等を設けることとしてもよい。
【0023】
物品係止部18は、例えば、衣類やタオル、帽子、カバン、装飾品等を支持する支持手段である。本実施形態では、例えば、Tシャツやシャツ、コート等の上衣を掛けて支持できるように、従来の一般的なハンガーの肩部等を模した略三角形状に設けられている。図1に示すように、物品係止部18は、上衣等の肩部等に係止しうるように三角形状又はハ字状に傾斜して形成された肩部18aと、ズボンやスカート等の下衣やタオル等を係止しうるように横方向に直線状に架設された横杆部18bと、を有している。物品係止部18は、例えば、脚部16と同様の材質、アルミニウムやステンレス等の金属又は硬質プラスチック等の合成樹脂等で形成され、脚部16の上端に一体的に架設されている。本実施形態では、物品係止部18と脚部16とが一本の棒状体を図のような所定形状に曲げることにより形成されている。本実施形態では、例えば、物品係止部18にTシャツやセーターのように頭からかぶって着るプルオーバータイプの衣類を掛ける際には、衣類の下の裾側から該物品係止部18にかぶせるように挿入させて、衣類の肩部を物品係止部18の肩部に係止させて支持させることができる。よって、衣類の首回りを無理に広げなくても衣類を物品係止部18から着脱することができるので、首回りが伸びるのを防止できる。また、前開きの衣類を物品係止部18に支持させる際には、ボタンやファスナーを開いて従来のハンガー同様にかけて支持させることができる。これにより、衣類の品質を保持しながら簡単に物品係止部18に支持させることができ、実用性も高い。
【0024】
なお、物品係止部18の形状は任意でよい。例えば、物品係止部18の肩部18aが脚部16より外側に突出した形状で設けられていてもよい。また、物品係止部18の横杆部等の一部分が脚部16の位置より前又は後方に突出した構造としてもよい。また、物品係止部18は、例えば、衣類に限らず、ベルト、ネクタイ等の装飾品、帽子、カバン等を係止して支持できるような形状としてもよい。また、物品係止部18にクリップ等を取り付けた構造としてもよい。また、物品係止部18と脚部16とをそれぞれ別部材で形成して連結又は固定してハンガー体12を構成することとしてもよい。
【0025】
また、図4(a)に示すように、ハンガー体12は、脚部16と物品係止部18とが着脱可能に設けられることとしてもよい。例えば、脚部16を円筒パイプ状に形成し、上端開口19を設ける。そして、物品係止部18の両側から下方に突設させた挿入部18cを脚部16の上端の開口19に挿脱可能に挿入する構成としてもよい。また、例えば、物品係止部18の肩部18aと挿入部18cとの間の縦杆部18dの上下長さを異ならせたものを複数用意して、物品係止部18の床からの高さ位置を変更できるようにしてもよい。また、脚部16の中間位置を着脱分離可能にして脚部と物品係止部を着脱可能な構成としてもよい。このように物品係止部18を着脱可能又は交換可能に設けることで、ハンガー装置の使用の幅を広げることができる。
【0026】
また、図4(b)に示すように、脚部16は、例えば、上下方向に伸縮可能に設けられることとしてもよい。例えば、脚部16を径が異なる複数(図では2つ)のパイプ部材16a、16bを連結し、所定の長さで固定ネジやロック装置21で固定できる構成としてもよい。この場合、脚部16を伸縮可能に設けると物品係止部の高さを調整可能とすることができ、衣類等を支持する高さを異ならせて、展示することもできる。
【0027】
図1図2に示すように、本実施形態では、上記のような脚部16と物品係止部18とを含むハンガー体12が6個並設されている。なお、ハンガー体の数は、2個以上の複数個であれば任意の数を並設してもよい。
【0028】
伸縮連結手段14は、複数のハンガー体12どうしを互いに近接離間するように伸縮自在に連結する連結手段兼伸縮手段である。図1図2図3に示すように、本実施形態では、伸縮連結手段14は、例えば、菱形パンタグラフ状のリンク機構20を含む。伸縮連結手段14は、ハンガー体12の脚部16に連結されている。なお、伸縮連結手段14は、本実施形態のようなパンタグラフ状のリンク機構20に限らない。例えば、く字状のパンタグラフ状のリンク機構としてもよいし、その他任意のリンク機構の構成でもよいし、多重筒構造の伸縮パイプや伸縮レール等を利用したリンク機構以外の任意の構造としてもよい。
【0029】
リンク機構20は、複数のリンク部材221,222と、リンク部材221,222どうしを回動自在に軸着する軸24と、を含む。図1図2に示すように、本実施形態では、リンク機構20のリンク部材221,222どうしは、回転軸を鉛直方向とするように縦軸回りに回動自在とした水平ンタグラフ構造となっている。さらに、リンク機構20のリンク部材221,222の端部どうしを回動自在に連結する縦軸としては、前記ハンガー体12の脚部16が兼用した構成となっている。すなわち、リンク部材221,222が脚部16に回動自在に連結されることにより、伸縮連結手段14がハンガー体12に連結されている。
【0030】
伸縮連結手段14のリンク機構20は、脚部16の下部位置に、上下に所定の間隔で離隔して2個配置された構成となっている。すなわち、脚部16の下部側において、脚部16の下端に近い位置に設置される第1のリンク機構20と、該第1のリンク機構20から上方に離隔した位置に設置される第2のリンク機構20と、の複数のリンク機構で構成されている。複数のリンク機構を設けたことにより、ハンガー体12どうしを近接して縮小した状態でも、ハンガー体どうしを離間して拡大した状態でも、いずれの状態でも安定して床上等で自立させることができるとともに、安定して伸縮動作を行える。
【0031】
さらに、伸縮連結手段14の各リンク機構20は、例えば、各ハンガー体12の対向した2本の脚部16に連結されたリンク部材221の中間位置に軸24を介して交差状に他のリンク部材222の中間部が回動自在に軸着連結されている。そして、該他のリンク部材222の両端部に隣接するハンガー体12の脚部16を介して回動自在に連結され、菱形パンタグラフ状に構成されている。これにより、複数のハンガー体12どうしを近接離間するように伸縮させる際には、該複数のハンガー体12どうしは常に等間隔に離隔した状態が保持されながら伸縮する構造となっている。すなわち、伸縮連結手段14は、パンタグラフ状のリンク機構20で構成することにより、複数のハンガー体12どうしを等間隔に保持した状態で近接離間自在とする等間隔保持機構26を兼用して構成されている。同時に、リンク機構20により複数のハンガー体12どうしを近接離間させるとその間隔幅に応じてハンガー体12の角度が変化するようになっている。例えば、複数のハンガー体12を最も近接させた状態では伸縮方向に対して物品係止部18が垂直方向に配列されるが、ハンガー体12どうしの間隔を広げていくと次第に伸縮方向に対する物品係止部18の傾斜角度が小さくなるようになっている。
【0032】
なお、伸縮連結手段14は、例えば、ハンガー体12に対して着脱可能に連結される構成としてもよい。また、例えば、リンク機構20のリンク部材の数やハンガー体12の個数を増減できるように着脱可能に設けることとしてもよい。
【0033】
次に本実施形態に係るハンガー装置10の作用について説明する。ハンガー装置10は、自立するので室内の床上等に置くだけで簡単に設置して利用できる。例えば、洗濯した衣類を乾燥させる場合や衣類を展示する場合には、図1図2に示すようにハンガー体12どうしが互いに離隔して配置されるように、ハンガー体12どうしを離間させて拡大した状態とする。上記のようにハンガー体12の物品係止部18が伸縮方向に対して傾斜することにより、洋服店舗等で衣類を展示する際に見栄えよく展示することもできる。さらに、部屋の広さや風通し、衣類等の見栄え等の状況に応じてハンガー体12どうしの離間間隔や傾斜角度を調整することもできる。一方、乾燥させた衣類を収納する場合、又は衣類を掛けずにハンガー装置自体を収納する場合には、図3に示すように、ハンガー体12どうしを近接させて縮小させ、コンパクトにした状態とすることができる。このように床に簡単に設置でき、複数のハンガー体12どうしを近接離間させて伸縮して使用できるので、使い勝手がよく実用性が高いハンガー装置を提供できる。
【0034】
次に図5図6を参照しつつ本発明のハンガー装置の第2の実施形態について説明する。上記実施形態と同一部材には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。本実施形態に係るハンガー装置10-2は、上記実施形態同様に、複数のハンガー体12と、伸縮連結手段14と、を備える。本実施形態では、伸縮連結手段14は、第1実施形態とほぼ同様の構成であり、パンタグラフ状のリンク機構20を有する。
【0035】
さらに本実施形態では、ハンガー装置どうしを着脱可能に連結させるための着脱連結手段28を有する。図5に示すように、着脱連結機構28は、例えば、リンク機構20の最も外側に配置されるリンク部材222の一部を、複数のハンガー体12の両外端位置からさらに外側に延長して設けられた延長部30を含む。リンク部材222の延長部30の先端部には、他のハンガー装置10―2のハンガー体12の脚部16に着脱自在に連結させるための連結フック部32が設けられている。
【0036】
図6(a)に示すように、一方のハンガー装置10-2のリンク機構20のリンク部材222の連結フック部32を、他方のハンガー装置10-2のハンガー体12の脚部16に係止させるとともに、一方のハンガー装置10-2のハンガー体12の脚部16を、他方のハンガー装置10-2のリンク機構20のリンク部材222の連結フック部32に係止させることで、ハンガー装置10-2どうしを直列状に連結することができる。また、図6(b)に示すように、一方のハンガー装置10-2のリンク機構20のリンク部材222の連結フック部32を、他方のハンガー装置10-2のハンガー体12の脚部16に係止させておくだけで、連結するハンガー装置10―2どうしを脚部16回りに所定の角度で連結することもできる。
【0037】
なお、着脱連結手段28は、上記構成に限らず任意の構成としてもよい。例えば、着脱連結手段28はハンガー体12に一体的に設けることとしてもよい。また、着脱連結手段28は、例えば、ハンガー体や伸縮連結手段とは別部材からなり、ハンガー体や伸縮連結手段に着脱可能に装着される連結装置で構成することとしてもよい。
【0038】
次に図7図8を参照しつつ本発明のハンガー装置の第3の実施形態について説明する。上記実施形態と同一部材には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。本実施形態に係るハンガー装置10-3は、上記実施形態同様に、複数のハンガー体12と、伸縮連結手段14と、を備える。
【0039】
本実施形態では、伸縮連結手段14は、菱形パンタグラフ状のリンク機構20を有しており、複数のハンガー体12の2本1対の脚部16の側面側に対向配置され、同脚部16に連結されている。リンク機構20は、リンク部材221,222どうしは、互いの中間部を交差させて軸24まわりに水平軸回りに回動可能になっている。
【0040】
リンク部材221,222の端部どうしを連結する軸24を介してリンク機構20が脚部16に連結されている。具体的には、リンク機構20のリンク部材221,222の下端部どうしが軸24を介して、脚部16の下端側に軸着されている。一方、リンク部材221,222の上端部どうしを連結する軸24は、脚部16に沿って上下方向にスライド移動可能に装着されるスライダ34を介して脚部16に連結されている。なお、脚部16に上下方向のスリット又は長溝を設け、スリット又は長溝を介してリンク部材221,222の上端部どうしを連結する軸24を上下方向にガイドする構成としてもよい。
【0041】
本実施形態でも、上記実施形態同様に、床に簡単に設置するだけで使用でき、複数のハンガー体12どうしを近接離間させて、良好に衣類等を乾燥させたり、収納させたり等することができ、使い勝手が良い実用性が高いハンガー装置を提供することができる。また、本実施形態では、伸縮幅が変更されてもハンガー体12の伸縮方向に対して物品係止部18の角度が変更されることがない状態で近接離間させることができる。
【0042】
また、図9は、ハンガー装置10-3の他の実施形態を示している。図9の実施形態では、上記実施形態とは、パンタグラフ状のリンク機構20とハンガー体12の脚部16との連結構成が異なっている。図9の実施例では、リンク部材221,222の中間部分を連結する軸24を介してハンガー体12の脚部16に軸回り回動可能に連結されている。図9の態様でも上記実施形態のように、ハンガー体12どうしを等間隔に保持した状態で近接離間自在に伸縮させることができる。
【0043】
以上説明した本発明のハンガー装置は、上記した実施形態のみの構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の本質を逸脱しない範囲において、任意の改変を行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明のハンガー装置は、例えば、家庭内での服飾品等の乾燥や収納、アパレル店舗や展示場での服飾品等の展示又は保管庫での服飾品等の収納等、その他幅広い場面で利用できる。
【符号の説明】
【0045】
10 ハンガー装置
12 ハンガー体
14 伸縮連結手段
16 脚部
18 物品係止部
20 リンク機構
221、222 リンク部材
24 軸
26 等間隔保持機構
28 着脱連結手段
【要約】
【課題】被服やタオル等の乾燥、収納、又は展示等に有効に利用できる実用性が高い自立型のハンガー装置を提供する。
【解決手段】床上に立てて設置される脚部16と、該脚部の上部に設けられる物品係止部18と、を有する複数のハンガー体12と、前記複数のハンガー体12どうしを互いに近接離間するように伸縮自在に連結する伸縮連結手段14と、を備える。伸縮連結手段14は、複数のハンガー体12の脚部14どうしを連結し、複数のリンク部材221,222を互いに回動自在に軸着して構成されたリンク機構20を有することとしてもよい。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9