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特許7368049健康管理装置、健康管理方法、健康管理システム、プログラム、及び記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】健康管理装置、健康管理方法、健康管理システム、プログラム、及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/00 20180101AFI20231017BHJP
【FI】
G16H40/00
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021572969
(86)(22)【出願日】2020-10-30
(86)【国際出願番号】 JP2020040866
(87)【国際公開番号】W WO2021149319
(87)【国際公開日】2021-07-29
【審査請求日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】P 2020007034
(32)【優先日】2020-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】金山 義男
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 弘勝
(72)【発明者】
【氏名】中島 一樹
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-054373(JP,A)
【文献】特開平05-228116(JP,A)
【文献】特開2012-235869(JP,A)
【文献】国際公開第2014/049984(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0303466(US,A1)
【文献】特開2014-074976(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インプット生体情報取得部、アウトプット生体情報取得部、情報統合部、情報管理部、情報出力部、及び、通信部を含み、
前記インプット生体情報取得部は、健康管理対象者の身体へのインプット生体情報を取得し、
前記アウトプット生体情報取得部は、前記健康管理対象者の身体からのアウトプット生体情報を取得し、
前記情報統合部は、前記インプット生体情報及び前記アウトプット生体情報を統合して統合生体情報を生成し、
前記情報管理部は、前記統合生体情報を、前記健康管理対象者毎に管理し、
前記情報出力部は、前記健康管理対象者毎に管理された前記統合生体情報を出力し、
前記通信部は、通信回線網を介して外部の装置と通信可能であり、
前記アウトプット生体情報取得部は、自動排泄情報取得部を含み、
前記自動排泄情報取得部は、自動排泄情報測定装置が測定して得られる前記健康管理対象者の排泄情報を、前記通信部を介して取得し、
前記情報統合部は、前記インプット生体情報、及び、前記自動排泄情報取得部が取得した前記健康管理対象者の排泄情報を含む前記アウトプット生体情報を統合して前記統合生体情報を生成し、
前記排泄情報は、標準排泄データを含み、
前記標準排泄データは、排泄一回毎に測定されるデータであり、
前記標準排泄データは、排泄者識別情報、排泄時刻情報、排泄時間情報、排泄量情報、排泄パターン情報、排泄物中の成分情報、排泄物臭気情報、排泄物性状情報、及び、排泄物中の異物情報を含み、
さらに、推奨行動ガイド部を含み、
前記推奨行動ガイド部は、
前記情報統合部が統合した統合生体情報を基に、前記排泄情報に基づく推奨行動情報を生成し、
前記統合生体情報を基に、前記健康管理対象者の排泄時刻のパターンを失禁改善行動情報として生成し、
前記排泄情報に基づく推奨行動情報は、前記失禁改善行動情報を含み、
前記情報出力部は、前記推奨行動情報を出力する、
ことを特徴とする、健康管理装置。
【請求項2】
前記インプット生体情報取得部は、摂取食物情報取得部及び摂取飲料情報取得部を含み、
前記摂取食物情報取得部は、前記健康管理対象者が摂取した食物に関する情報を取得し、
前記摂取飲料情報取得部は、前記健康管理対象者が摂取した飲料に関する情報を取得し、
前記アウトプット生体情報取得部は、前記自動排泄情報取得部に加え、バイタルサイン情報取得部、及び、活動情報取得部を含み、
前記バイタルサイン情報取得部は、前記健康管理対象者のバイタルサイン情報を取得し、
前記活動情報取得部は、前記健康管理対象者の活動情報を取得する、
請求項1記載の健康管理装置。
【請求項3】
前記推奨行動ガイド部は、前記統合生体情報を基に、前記健康管理対象者の熱中症を予防するための適切水分摂取量を熱中症予防行動情報として生成し、
前記排泄情報に基づく推奨行動情報は、前記熱中症予防行動情報を含む、
請求項1又は2記載の健康管理装置。
【請求項4】
さらに、排泄日誌情報生成部を含み、
前記排泄日誌情報生成部は、前記情報統合部が統合した統合生体情報を基に、前記排泄情報に基づき、前記健康管理対象者毎に排泄日誌情報を生成し、
前記情報出力部は、前記排泄日誌情報を出力する、
請求項1からのいずれか一項に記載の健康管理装置。
【請求項5】
インプット生体情報取得工程、アウトプット生体情報取得工程、情報統合工程、情報管理工程、及び、情報出力工程を含み、
前記インプット生体情報取得工程は、健康管理対象者の身体へのインプット生体情報を取得し、
前記アウトプット生体情報取得工程は、前記健康管理対象者の身体からのアウトプット生体情報を取得し、
前記情報統合工程は、前記インプット生体情報及び前記アウトプット生体情報を統合して統合生体情報を生成し、
前記情報管理工程は、前記統合生体情報を、前記健康管理対象者毎に管理し、
前記情報出力工程は、前記健康管理対象者毎に管理された前記統合生体情報を出力し、
前記アウトプット生体情報取得工程は、自動排泄情報取得工程を含み、
前記自動排泄情報取得工程は、自動排泄情報測定装置が測定して得られる前記健康管理対象者の排泄情報を取得し、
前記情報統合工程は、前記インプット生体情報、及び、前記自動排泄情報取得工程で取得した前記健康管理対象者の排泄情報を含む前記アウトプット生体情報を統合して前記統合生体情報を生成し、
前記排泄情報は、標準排泄データを含み、
前記標準排泄データは、排泄一回毎に測定されるデータであり、
前記標準排泄データは、排泄者識別情報、排泄時刻情報、排泄時間情報、排泄量情報、排泄パターン情報、排泄物中の成分情報、排泄物臭気情報、排泄物性状情報、及び、排泄物中の異物情報を含み、
さらに、推奨行動ガイド工程を含み、
前記推奨行動ガイド工程は、
前記情報統合工程が統合した統合生体情報を基に、前記排泄情報に基づく推奨行動情報を生成し、
前記統合生体情報を基に、前記健康管理対象者の排泄時刻のパターンを失禁改善行動情報として生成し、
前記排泄情報に基づく推奨行動情報は、前記失禁改善行動情報を含み、
前記情報出力工程は、前記推奨行動情報を出力し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
ことを特徴とする、健康管理方法。
【請求項6】
コンピュータに、インプット生体情報取得手順、アウトプット生体情報取得手順、情報統合手順、情報管理手順、及び、情報出力手順を実行させることを特徴とするプログラム:
前記インプット生体情報取得手順は、健康管理対象者の身体へのインプット生体情報を取得し、
前記アウトプット生体情報取得手順は、前記健康管理対象者の身体からのアウトプット生体情報を取得し、
前記情報統合手順は、前記インプット生体情報及び前記アウトプット生体情報を統合して統合生体情報を生成し、
前記情報管理手順は、前記統合生体情報を、前記健康管理対象者毎に管理し、
前記情報出力手順は、前記健康管理対象者毎に管理された前記統合生体情報を出力し、
前記アウトプット生体情報取得手順は、自動排泄情報取得手順を含み、
前記自動排泄情報取得手順は、自動排泄情報測定装置が測定して得られる前記健康管理対象者の排泄情報を取得し、
前記情報統合手順は、前記インプット生体情報、及び、前記自動排泄情報取得手順で取得した前記健康管理対象者の排泄情報を含む前記アウトプット生体情報を統合して前記統合生体情報を生成し、
前記排泄情報は、標準排泄データを含み、
前記標準排泄データは、排泄一回毎に測定されるデータであり、
前記標準排泄データは、排泄者識別情報、排泄時刻情報、排泄時間情報、排泄量情報、排泄パターン情報、排泄物中の成分情報、排泄物臭気情報、排泄物性状情報、及び、排泄物中の異物情報を含み、
さらに、推奨行動ガイド手順を含み、
前記推奨行動ガイド手順は、
前記情報統合手順が統合した統合生体情報を基に、前記排泄情報に基づく推奨行動情報を生成し、
前記統合生体情報を基に、前記健康管理対象者の排泄時刻のパターンを失禁改善行動情報として生成し、
前記排泄情報に基づく推奨行動情報は、前記失禁改善行動情報を含み、
前記情報出力手順は、前記推奨行動情報を出力する。
【請求項7】
排泄管理装置と、請求項1からのいずれか一項に記載の健康管理装置とを備え、
前記排泄管理装置と前記健康管理装置とは、システム外の通信回線網を介して接続可能であり、
前記排泄管理装置は、温度空間分布取得部、補正用温度情報取得部、排尿量推定部、排泄物臭気情報取得部、及び出力部を含み、
前記温度空間分布取得部は、
便器内の空間における温度の空間分布情報を取得し、
前記補正用温度情報取得部は、
便器の配置環境における環境温度及び排尿温度の少なくとも一方を取得し、
前記排尿量推定部は、
前記温度の空間分布情報に基づいて、仮排尿量を算出し、
前記仮排尿量を、前記環境温度及び前記排尿温度の少なくとも一方に基づいて、環境温度の補正係数及び排尿温度の補正係数の少なくとも一方で補正することにより、補正排尿量を推定排尿量として推定し、
前記環境温度の補正係数は、環境温度ごとに設定された、仮排尿量と実排尿量との相関関係を示す係数であり、
前記排尿温度の補正係数は、排尿温度ごとに設定された、仮排尿量と実排尿量との相関関係を示す係数であり、
前記排泄物臭気情報取得部は、
便器内の空間における臭気情報を取得し、
前記出力部は、
排泄情報として、前記推定排尿量および前記臭気情報を前記健康管理装置に出力し、
前記健康管理装置の前記自動排泄情報取得部は、前記排泄管理装置が測定して得られる前記健康管理対象者の排泄情報を、前記通信部を介して取得する健康管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康管理装置、健康管理方法、健康管理システム、プログラム、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
医療費は国家予算の41%を占めており、2030年には50%を超えると予想されている。そうした中、健康寿命を延ばす取り組みや、病気を未然に防ぐためのヘルスケアに対する製品やサービスが提供されている。また、ICT技術の発達に伴い、ICT技術を用いた健康管理アプリケーション及びシステムが活用されている。
【0003】
ICT技術を活用したヘルスケアサービスとして、特許文献1には、ウェアラブル機器により計測された心拍、脈拍、血圧、活動量等を含む生体ログ情報と、ユーザの食事情報から解析された栄養情報とに基づき、ユーザの健康状態に関するアドバイス情報を出力する健康管理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-003706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前立腺肥大症等の排尿症状を有する疾患の患者の健康管理において、排尿日誌が活用されている。前記排尿日誌は、前記患者自身が排尿を行う度に、排尿記録として、排尿時刻、排尿量等を記録したものである。前記排尿日誌は、患者が高齢で認知機能が低下していると、測定及び記録自体が困難である。また、患者が自ら記録を行っているため、記録行為そのものが煩わしい、排尿量の測定を誤る等の理由により、記録漏れ、不正確な記録等が起こり、実際の情報と排尿日誌との間の誤差が大きくなるという問題がある。また、前記排尿日誌は、患者が自宅等で記録した排尿日誌を通院時に提出するため、医師や介護者等の前記患者の健康を管理する者がリアルタイムで情報を確認できない。
【0006】
そこで、本発明は、自動で収集した排泄情報に基づき健康管理を行う新たなシステムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の健康管理装置は、
インプット生体情報取得部、アウトプット生体情報取得部、情報統合部、情報管理部、情報出力部、及び、通信部を含み、
前記インプット生体情報取得部は、健康管理対象者の身体へのインプット生体情報を取得し、
前記アウトプット生体情報取得部は、前記健康管理対象者の身体からのアウトプット生体情報を取得し、
前記情報統合部は、前記インプット生体情報及び前記アウトプット生体情報を統合して統合生体情報を生成し、
前記情報管理部は、前記統合生体情報を、前記健康管理対象者毎に管理し、
前記情報出力部は、前記健康管理対象者毎に管理された前記統合生体情報を出力し、
前記通信部は、通信回線網を介して外部の装置と通信可能であり、
前記アウトプット生体情報取得部は、自動排泄情報取得部を含み、
前記自動排泄情報取得部は、自動排泄情報測定装置が測定して得られる前記健康管理対象者の排泄情報を、前記通信部を介して取得し、
前記情報統合部は、前記インプット生体情報、及び、前記自動排泄情報取得部が取得した前記健康管理対象者の排泄情報を含む前記アウトプット生体情報を統合して前記統合生体情報を生成する、ことを特徴とする。
【0008】
本発明の健康管理方法は、
インプット生体情報取得工程、アウトプット生体情報取得工程、情報統合工程、情報管理工程、及び、情報出力工程を含み、
前記インプット生体情報取得工程は、健康管理対象者の身体へのインプット生体情報を取得し、
前記アウトプット生体情報取得工程は、前記健康管理対象者の身体からのアウトプット生体情報を取得し、
前記情報統合工程は、前記インプット生体情報及び前記アウトプット生体情報を統合して統合生体情報を生成し、
前記情報管理工程は、前記統合生体情報を、前記健康管理対象者毎に管理し、
前記情報出力工程は、前記健康管理対象者毎に管理された前記統合生体情報を出力し、
前記アウトプット生体情報取得工程は、自動排泄情報取得工程を含み、
前記自動排泄情報取得工程は、自動排泄情報測定装置が測定して得られる前記健康管理対象者の排泄情報を取得し、
前記情報統合工程は、前記インプット生体情報、及び、前記自動排泄情報取得工程で取得した前記健康管理対象者の排泄情報を含む前記アウトプット生体情報を統合して前記統合生体情報を生成することを特徴とする。
【0009】
本発明のプログラムは、前記本発明の健康管理方法の各工程をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0010】
本発明の記録媒体は、前記本発明のプログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0011】
本発明の健康管理システムは、
排泄管理装置と、前記本発明の健康管理装置とを備え、
前記排泄管理装置と前記健康管理装置とは、システム外の通信回線網を介して接続可能であり、
前記排泄管理装置は、温度空間分布取得部、補正用温度情報取得部、排尿量推定部、排泄物臭気情報取得部、及び出力部を含み、
前記温度空間分布取得部は、
便器内の空間における温度の空間分布情報を取得し、
前記補正用温度情報取得部は、
便器の配置環境における環境温度及び排尿温度の少なくとも一方を取得し、
前記排尿量推定部は、
前記温度の空間分布情報に基づいて、仮排尿量を算出し、
前記仮排尿量を、前記環境温度及び前記排尿温度の少なくとも一方に基づいて、環境温度の補正係数及び排尿温度の補正係数の少なくとも一方で補正することにより、補正排尿量を推定排尿量として推定し、
前記環境温度の補正係数は、環境温度ごとに設定された、仮排尿量と実排尿量との相関関係を示す係数であり、
前記排尿温度の補正係数は、排尿温度ごとに設定された、仮排尿量と実排尿量との相関関係を示す係数であり、
前記排泄物臭気情報取得部は、
便器内の空間における臭気情報を取得し、
前記出力部は、
排泄情報として、前記推定排尿量および前記臭気情報を前記健康管理装置に出力し、
前記健康管理装置の前記自動排泄情報取得部は、前記排泄管理装置が測定して得られる前記健康管理対象者の排泄情報を、前記通信部を介して取得する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、自動で収集した排泄情報に基づき健康管理を行うことができる。これにより、例えば、より優れた精度で健康管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施形態1の健康管理装置の一例を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態1の健康管理装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態1の健康管理方法の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、実施形態1の健康管理装置を有する健康管理システムの一例を示す概略図である。
図5図5は、健常者又は排尿障害を患っている患者の排尿パターンの一例を示すグラフである。
図6図6は、実施形態2の健康管理装置の一例を示すブロック図である。
図7図7は、実施形態2の健康管理方法の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、実施形態2の健康管理装置を有する健康管理システムの一例を示す概略図である。
図9図9は、実施形態3の健康管理装置の一例を示すブロック図である。
図10図10は、実施形態3の健康管理装置を有する健康管理システムの一例を示す概略図である。
図11図11は、実施形態3の健康管理方法の一例を示すフローチャートである。
図12図12は、実施形態4の健康管理装置の一例を示すブロック図である。
図13図13は、実施形態4の健康管理装置が生成する排尿日誌の一例を示す概略図である。
図14図14は、実施形態4の健康管理方法の一例を示すフローチャートである。
図15図15は、実施形態5の健康管理装置及び排泄管理装置を備える健康管理システムの一例を示す概略図である。
図16図16は、実施形態5の健康管理システムにおける、排泄管理装置を備えた便器の一例を示す概略図である。
図17図17(A)は、排尿前と排尿中の尿との温度画像を例示する二次元平面の概要であり、図17(B)は、前記二次元平面から仮定される排尿の三次元立体の概要である。
図18図18は、実施形態5の排泄管理装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。本発明は、以下の実施形態には限定されない。以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用でき、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0015】
本発明において、「健康管理対象者」とは、本発明の健康管理装置により健康を管理される者であり、例えば、健常者、被介護者、患者等があげられ、具体例として、認知症高齢者等があげられる。本発明において、「ユーザ」とは、例えば、本発明の健康管理装置により、前記健康管理対象者の健康管理を行う者であり、健康管理対象者自身、介護者又は介護施設、医療関係者(医師、看護師等)又は病院等の医療機関、会社、健康保険組合、保健所、及び地域包括支援センター等があげられる。
【0016】
[実施形態1]
本実施形態は、本発明の健康管理装置及び健康管理方法の例である。
【0017】
図1は、本実施形態の健康管理装置1の一例の構成を示すブロック図である。図1に示すように、健康管理装置1は、インプット生体情報取得部11、アウトプット生体情報取得部12、情報統合部13、情報管理部14、情報出力部15、及び通信部16を含む。本実施形態の健康管理装置1は、システムとしてサーバに組み込まれていてもよい。また、本実施形態の健康管理装置1は、本発明のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC)であってもよい。また、本実施形態の健康管理装置1は、図4に示すように、通信回線網30を介して、自動排泄情報測定装置2と接続可能である。この場合、健康管理装置1は、例えば、健康管理システム100ともいう。図4に示すように、健康管理装置1は、例えば、通信回線網30を介して、ユーザの端末50又は健康管理対象者の端末50とも接続可能であってもよい。また、図示していないが、健康管理装置1は、通信回線網30を介して、システム管理者の外部端末と接続可能であってもよい。システム管理者は、前記外部端末から健康管理装置1の管理を実施してもよい。健康管理装置1は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。健康管理装置1は、例えば、各部の処理がクラウド上で行われてもよい。
【0018】
通信回線網30は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でもよいし、無線でもよい。通信回線網30は、例えば、インターネット回線、WWW(World Wide Web)、電話回線、LAN(Local Area Network)、WiFi(Wireless Fidelity)、LPWA(Low Power Wide Area)等があげられる。
【0019】
インプット生体情報取得部11は、健康管理対象者の身体へのインプット生体情報を取得する。インプット生体情報取得部11による前記インプット生体情報の取得は、例えば、健康管理対象者又は健康管理装置1のユーザにより、前記インプット生体情報が健康管理装置1に入力されることにより取得してもよいし、通信部16により通信回線網30を介して取得してもよい。通信回線網30を介した取得は、例えば、各種センサ等の測定機器から前記インプット生体情報を取得してもよいし、前記インプット生体情報が記憶された外部のデータベースから取得してもよいし、健康管理対象者又はユーザにより端末50に入力された前記インプット生体情報を取得してもよい。
【0020】
前記インプット生体情報は、例えば、健康管理対象者が身体へ取り込んだ(摂取した)成分の情報であり、例えば、摂取食物情報、及び摂取飲料情報等を含む。前記摂取食物情報は、例えば、前記健康管理対象者が摂取した食材の種類、摂取カロリー、塩分、摂取回数、摂取時間、摂取時刻等の情報があげられる。前記摂取飲料情報は、例えば、前記健康管理対象者が摂取した飲料の種類、水分量、摂取カロリー、摂取回数、摂取時間、摂取時刻等の情報があげられる。
【0021】
アウトプット生体情報取得部12は、前記健康管理対象者の身体からのアウトプット生体情報を取得する。アウトプット生体情報取得部12は、自動排泄情報取得部121を含み、自動排泄情報取得部121は、健康管理装置1外の自動排泄情報測定装置2が測定して得られる前記健康管理対象者の排泄情報を、通信部16を介して取得する。アウトプット生体情報取得部12による前記アウトプット生体情報の取得は、例えば、健康管理対象者又は健康管理装置1のユーザにより、前記アウトプット生体情報が健康管理装置1に入力されることにより取得してもよいし、通信部16により通信回線網30を介して取得してもよい。通信回線網30を介した取得は、例えば、各種センサ等の測定機器から前記アウトプット生体情報を取得してもよいし、前記アウトプット生体情報が記憶された外部のデータベースから取得してもよいし、健康管理対象者又はユーザにより端末50に入力された前記アウトプット生体情報を取得してもよい。
【0022】
前記アウトプット生体情報は、例えば、健康管理対象者の身体から出力される情報であり、排泄情報を含む。前記アウトプット生体情報は、例えば、さらに、バイタルサイン情報、及び活動情報等を含んでもよい。前記排泄情報については、後述する。前記バイタルサイン情報とは、例えば、健康管理対象者の体温、血圧、心拍数、呼吸数、及び呼吸量等の情報があげられる。前記活動情報とは、消費運動カロリー、歩数、歩行距離、運動量、メッツ(運動強度の指数、METs(METabolic equivalents))、身体活動レベル、並びに、入眠時刻、目覚め時刻、睡眠時間、入床時刻、起床時刻、及び睡眠ステージ等を含む睡眠情報等の情報があげられる。
【0023】
前記排泄情報は、前記健康管理対象者の排泄に関する情報であり、例えば、排尿情報及び排便情報があげられる。前記排尿情報は、前記健康管理対象者の排尿に関する情報であり、前記排便情報は、前記健康管理対象者の排便に関する情報である。前記排泄情報は、例えば、標準排泄データを含んでもよい。前記標準排泄データは、例えば、排泄一回毎に測定されるデータであり、例えば、排泄者の識別情報(排泄者識別情報)、排泄時刻情報(排尿時刻情報及び/又は排便時刻情報)、排泄時間情報(排尿時間情報及び/又は排便時間情報)、排泄量情報(排尿量及び/又は排便量)、排泄パターン情報(排尿パターン情報)、排泄物中の成分情報(排尿及び/又は排便中の成分情報)、排泄物臭気情報(排尿及び/又は排便臭気情報)、排泄物性状情報(便性状情報)、及び排泄物中の異物情報(排尿及び/又は排便中の異物情報)を含む。本実施形態において、前記排泄情報は、前記健康管理対象者の排尿又は排便に関する情報であればよく、前述の例示には制限されない。前記排泄情報は、例えば、前記標準排泄データが含む各情報をすべて含んでもよいし、いずれか一つを含んでもよいし、複数含んでもよい。
【0024】
前記排尿時刻情報は、例えば、健康管理対象者が排尿を開始した時刻及び排尿を終了した時刻のいずれでもよく、いずれか一方でもよいし、両方でもよい。前記排尿時間情報は、例えば、健康管理対象者が排尿を行っている時間、すなわち、排尿開始から排尿終了までの長さである。前記排尿量は、例えば、一回の排尿による尿の全量(voided volume)でもよいし、一日の合計排尿量でもよい。前記排尿中の成分情報は、例えば、排尿中の糖、タンパク質等の成分の量の情報である。前記排尿臭気情報は、例えば、排尿中の臭気の情報、すなわち、尿に含まれるガスの成分の情報である。前記排尿中の異物情報は、例えば、排尿中の結石の有無等の情報である。前記排尿パターン情報については、後述する。
【0025】
前記排尿パターン情報は、排尿に要する時間と時間経過に伴う排尿量、尿流量等の関係を示す情報である。前記尿流量とは、例えば、排尿の速度(urinary flow rate)を意味する。前記排尿パターンは、健常者と、排尿障害を有する患者とで異なるため、前記排尿情報として、排尿パターン情報を取得することにより、健康管理対象者が排尿障害を患っているか否かを、ユーザが容易に確認することができる。
【0026】
健常者と排尿障害を患っている患者との排尿パターンの違いについて、図5を用いて説明する。図5は、健康管理対象者の尿流量と、排尿開始からの経過時間の関係を示すグラフである。図5(A)は、健常者の排尿パターンの一例を示すグラフであり、図5(B)は、前立腺肥大症等の排尿障害を有する患者の排尿パターンの一例を示すグラフである。なお、図5に示す数値は、説明の便宜上、仮の数値を示すものであり、本発明により取得した実際の尿流量を示したものではない。図5(A)に示すように、健常者の場合、排尿開始から間もなく尿流量が上昇し、その後略一定の尿流量を保ったあと、速やかに尿流量が低下し、排尿が終了する。他方、図5(B)に示すように、排尿障害を患っている患者の場合、排尿開始直後の尿流量が健常者より少なく、勢いが弱い。また、排尿中の尿流量が安定せず、とぎれとぎれの排尿となるため、健常者と比較して排尿に要する時間が長くなる。
【0027】
前記排便時刻情報は、例えば、健康管理対象者が排便を開始した時刻及び排便を終了した時刻のいずれでもよく、いずれか一方でもよいし、両方でもよい。前記排便時間情報は、例えば、健康管理対象者が排便を行っている時間、すなわち、排便開始から排便終了までの長さである。前記排便量は、例えば、一回の排便による便の全量(feces volume)でもよいし、一日の合計排便量でもよい。前記便性状情報は、例えば、便の色、便の物理的性状等の情報である。前記便の物理的性状は、例えば、ブリストル便性状スケール(BSスケール:Bristol Stool Form Scale)等により分類できる。前記排便臭気情報は、例えば、排便中の臭気の情報、すなわち、便に含まれるガスの成分の情報である。
【0028】
情報統合部13は、取得した前記インプット生体情報及び前記アウトプット生体情報を統合して統合生体情報を生成する。前記統合生体情報とは、前記インプット生体情報と、前記排泄情報を含む前記アウトプット生体情報とが紐づけられた情報である。前記統合生体情報は、例えば、前記健康管理対象者毎に生成されることが好ましい。この場合、前記統合生体情報は、例えば、さらに、前記健康管理対象者の識別情報を含んでもよい。前記健康管理対象者の識別情報とは、例えば、前記健康管理対象者を識別可能な情報であり、氏名、ID等がある。前記識別情報には、属性情報(性別、年齢、所属組織、家族構成、かかりつけ病院等)を紐づけてもよい。また、識別情報には、例えば、顔認証、掌紋認証、指紋認証、静脈認証、歩行時の床振動パターンを利用した認証、電極から得られる心電図波形を利用した認証等の公知の生体認証手段による生体認証情報、Radio frequency identifier(RFID)タグ等の近距離無線通信を利用した認証手段による認証情報等の、本人を確認できる情報を紐づけてもよい。
【0029】
情報管理部14は、生成した前記統合管理情報を、前記健康管理対象者毎に管理する。情報管理部14による管理は、例えば、通信部16を介して外部記憶装置と接続し、前記外部記憶装置に前記インプット生体情報、前記アウトプット生体情報、及び前記統合生体情報を記憶させてもよいし、健康管理装置1が記憶部を有する場合、前記インプット生体情報、前記アウトプット生体情報、及び前記統合生体情報を前記記憶部に記憶させてもよい。この場合、例えば、前記各情報と、健康管理対象者の識別情報とを紐づけて管理することが好ましい。
【0030】
情報出力部15は、前記健康管理対象者毎に管理された前記統合生体情報を出力する。前記出力の形式は、特に制限されず、健康管理装置1が表示部を有する場合、前記表示部に表示されてもよいし、通信部16により接続された外部機器に出力してもよい。
【0031】
通信部16は、前述のように、通信回線網30を介して外部の装置(外部機器)と接続可能である。前記外部機器は、例えば、自動排泄情報測定装置2、各種センサ、健康管理対象者又はユーザの端末50、外部記憶装置(外部データベース等)、及びプリンター等があげられる。
【0032】
つぎに、図2に、健康管理装置1のハードウエア構成のブロック図を例示する。健康管理装置1は、例えば、CPU(中央処理装置)101、メモリ102、バス103、記憶装置104、入力装置106、表示装置(ディスプレイ)107、通信デバイス108(通信部16)等を有する。健康管理装置1の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス103を介して接続されている。
【0033】
CPU101は、例えば、コントローラ(システムコントローラ、I/Oコントローラ等)等により、他の構成と連携動作し、健康管理装置1の全体の制御を担う。健康管理装置1において、CPU101により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、CPU101が、インプット生体情報取得部11、アウトプット生体情報取得部12、情報統合部13、情報管理部14、情報出力部15として機能する。健康管理装置1は、演算装置として、CPUを備えるが、GPU(Graphics Processing Unit)、APU(Accelerated Processing Unit)等の他の演算装置を備えてもよいし、CPUとこれらとの組合せを備えてもよい。なお、CPU101は、例えば、後述する実施形態2~5における記憶部以外の各部として機能する。
【0034】
メモリ102は、例えば、メインメモリを含む。前記メインメモリは、主記憶装置ともいう。CPU101が処理を行う際には、例えば、後述する記憶装置107(補助記憶装置)に記憶されている本発明のプログラム105等の種々の動作プログラムを、メモリ102が読み込む。そして、CPU101は、メモリ102からデータを読み出し、解読し、前記プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。メモリ102は、例えば、さらに、ROM(読み出し専用メモリ)を含む。
【0035】
バス103は、例えば、外部機器とも接続できる。前記外部機器は、例えば、健康管理対象者又はユーザの端末、外部記憶装置(外部データベース等)、プリンター、各種センサ、前記自動排泄情報測定装置等があげられる。健康管理装置1は、例えば、バス103に接続された通信デバイス108により、通信回線網に接続でき、通信回線網を介して、前記外部機器と接続することもできる。
【0036】
記憶装置104は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶装置104には、本発明のプログラム105を含む動作プログラムが格納されている。記憶装置104は、例えば、記憶媒体と、前記記憶媒体に読み書きするドライブとを含む。前記記憶媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、FD(フロッピー(登録商標)ディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等があげられ、前記ドライブは、特に制限されない。記憶装置107は、例えば、前記記憶媒体と前記ドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)であってもよい。記憶装置104は、例えば、前記記憶部を含んでもよい。
【0037】
健康管理装置1は、例えば、さらに、入力装置106、ディスプレイ107を有する。入力装置106は、例えば、タッチパネル、トラックパッド、マウス等のポインティングデバイス;キーボード;カメラ、スキャナ等の撮像手段;ICカードリーダ、磁気カードリーダ等のカードリーダ;マイク等の音声入力手段;等があげられる。ディスプレイ107は、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等の表示装置があげられる。本実施形態1において、入力装置106とディスプレイ107とは、別個に構成されているが、入力装置106とディスプレイ107とは、タッチパネルディスプレイのように、一体として構成されてもよい。
【0038】
健康管理装置1において、メモリ102及び記憶装置104は、ユーザからのアクセス情報及びログ情報、ならびに、外部データベース(図示せず)から取得した情報を記憶することも可能である。
【0039】
自動排泄情報測定装置2は、例えば、健康管理対象者の前記排泄情報を自動で測定し、健康管理装置1に送信する装置である。自動排泄情報測定装置2は、特に制限されず、例えば、非接触温度センサ及びガスセンサを有する公知の排泄情報測定装置が利用できる。
【0040】
本実施形態の健康管理方法の一例について、図3のフローチャートに基づき、説明する。本実施形態の健康管理方法は、例えば、図4に示す、図1及び2に示す健康管理装置1を有する健康管理システム100を用いて実施できる。なお、本実施形態の健康管理方法は、健康管理システム100の使用には限定されない。下記図3に示すように、本実施形態の健康管理方法は、S101~S104を含む。また、以下の説明において、例えば、前記インプット生体情報として、健康管理対象者の水分の摂取量、前記アウトプット生体情報として、自動排泄情報測定装置2により測定された、前記健康管理対象者の排泄情報(排尿量及び排便の有無)を取得して健康管理を行う例をあげて説明するが、本発明はこの例には限定されない。
【0041】
健康管理装置1による処理に先立ち、自動排泄情報測定装置2により、健康管理対象者の排泄情報を測定する。具体的には、非接触温度センサ及びガスセンサを有する公知の排泄情報測定装置により健康管理対象者の排泄毎に、自動的に排尿量(一回の排尿による尿の全量(voided volume))及び排便の有無を測定する。前記排尿量及び排便の有無の測定は、特に制限されず、例えば、下記参考文献1に記載の方法により測定でき、例えば、自動排泄情報測定装置2が有する前記非接触温度センサにより排尿量を推定し、前記ガスセンサにより排便の有無を測定できる。
参考文献1:Daisuke INOUE, et al. “Distinction of Urination or Defecation Using a Gas Sensor Placed Under the Toilet Seat” Advanced Biomedical Engineering 8 : 60-62. 2019.
【0042】
つぎに、健康管理装置1による処理を開始する。まず、健康管理装置1のインプット生体情報取得部11により、健康管理対象者の身体へのインプット生体情報を取得する(S1012、インプット生体情報取得工程)。具体的には、健康管理対象者が、入力装置106により、自身の摂取した水分量を健康管理装置1に入力し、健康管理装置1が、前記入力により、前記インプット生体情報を取得する。また、アウトプット生体情報取得部12により、健康管理対象者の身体からのアウトプット生体情報を取得する(S101、アウトプット生体情報取得工程)。具体的には、アウトプット生体情報取得部12が有する自動排泄情報取得部121が、通信部16により、通信回線網30を介して、自動排泄情報測定装置2により測定された健康管理対象者の排尿量及び排便の有無を、アウトプット生体情報として取得する。なお、前記インプット生体情報取得工程及び前記アウトプット生体情報取得工程は、例えば、同時に実行してもよいし、順次実行してもよく、いずれを先に実行してもよい。
【0043】
つぎに、情報統合部13により、取得した前記インプット生体情報及び前記排泄情報を含むアウトプット生体情報を統合して、統合生体情報を生成する(S102、情報統合工程)。
【0044】
つぎに、情報管理部14により、生成した前記統合生体情報を前記健康管理対象者毎に管理する(S103、情報管理工程)。
【0045】
そして、情報出力部15により、前記健康管理対象者毎に管理された前記統合生体情報を出力する(S104、情報出力工程)。具体的には、健康管理装置1の表示部(ディスプレイ107)に、前記統合生体情報を出力し、表示させる。そして、健康管理装置1による処理を終了する。
【0046】
健康管理装置1のユーザは、例えば、前記表示部に表示された、前記健康管理対象者の前記統合生体情報を確認することで、健康管理対象者の統合生体情報を確認し、適切な助言を行う等の健康管理を行うことができる。具体的には、例えば、前記健康管理対象者の統合生体情報のうち、インプット生体情報に含まれる健康管理対象者の水分摂取量と、アウトプット生体情報に含まれる排尿量及び排便の有無とを確認し、次回の排泄までに健康管理対象者が摂取すべき適切な水分量を指示することができる。なお、本実施形態の健康管理装置1を用いた健康管理方法は、この例には限定されない。
【0047】
本実施形態の健康管理装置は、自動排泄情報測定装置が測定した排泄情報を自動的に取得し、管理する。また、本実施形態の健康管理装置は、健康管理対象者毎に、前記排泄情報を含むアウトプット生体情報とインプット生体情報とを含む統合生体情報を管理するため、ユーザが、前記健康管理対象者の排泄情報を含む統合生体情報をリアルタイムに確認できる。したがって、本実施形態の健康管理装置によれば、健康管理対象者の排泄情報に基づき、容易に優れた精度で健康管理を行うことができる。
【0048】
[実施形態2]
実施形態2は、健康管理装置の前記インプット生体情報取得部及び前記アウトプット生体情報取得部のさらなる具体例を説明する。本実施形態の健康管理装置は、例えば、さらに、記憶部を含み、前記インプット生体情報取得部が、摂取食物情報取得部及び摂取飲料情報取得部を含み、前記アウトプット生体情報取得部が、前記自動排泄情報取得部に加え、さらに、バイタルサイン情報取得部及び活動情報取得部を含むこと以外は、実施形態1と同様である。なお、特に示さない限り、本実施形態の健康管理装置は、実施形態1の健康管理装置と同様であり、その説明を援用できる。
【0049】
図6は、本実施形態の健康管理装置の一例を示すブロック図である。本実施形態の健康管理装置1Aは、図6に示すように、記憶部17を含み、インプット生体情報取得部11が、摂取食物情報取得部111及び摂取飲料情報取得部112を含み、アウトプット生体情報取得部12が、自動排泄情報取得部121に加え、さらに、バイタルサイン情報取得部122及び活動情報取得部123を含む。なお、本実施形態の健康管理装置1Aは、例えば、摂取食物情報取得部111、摂取飲料情報取得部112、バイタルサイン情報取得部122及び活動情報取得部123のうち、いずれか一つを有してもよいし、複数を有してもよいし、全て有していてもよい。本実施形態の健康管理装置のハードウエア構成は、実施形態1における図2の健康管理装置1の構成において、CPU101が、図1の健康管理装置1の構成に代えて、図6の健康管理装置1Aの構成を備える以外は同様である。また、本実施形態の健康管理装置1Aは、図8に示すように、通信回線網30を介して、自動排泄情報測定装置2を含む各種センサ群と接続可能である。この場合、本実施形態の健康管理装置1Aは、例えば、健康管理システム100Aともいう。各種センサ群については、後述する。また、本実施形態の健康管理装置1Aは、図8に示すセンサ群以外のセンサと接続可能であってもよい。
【0050】
本実施形態の健康管理方法について、図7のフローチャートを用いて説明する。本実施形態の健康管理方法は、例えば、記憶工程を含み、前記インプット生体情報取得工程が、摂取食物情報取得工程及び摂取飲料情報取得工程を含み、前記アウトプット生体情報取得工程が、前記自動排泄情報取得工程に加え、さらに、バイタルサイン情報取得工程及び活動情報取得工程を含むこと以外は、実施形態1と同様である。本実施形態の健康管理方法は、図8に示す、図6に示す健康管理装置1Aを含む健康管理システム100Aにより実施できる。なお、本実施形態の健康管理方法は、健康管理装置1A及び健康管理システム100Aの使用には限定されない。また、本実施形態の健康管理方法における以下の説明は、前述の健康管理装置1Aに援用できる。
【0051】
摂取食物情報取得部111により、摂取食物情報を取得し、摂取飲料情報取得部112は、摂取飲料情報を取得する(S101、摂取食物情報取得工程及び摂取飲料情報取得工程)。前記摂取食物情報及び前記摂取飲料情報の具体例は、例えば、実施形態1の例示と同様である。摂取食物情報取得部111及び摂取飲料情報取得部112による情報の取得は、例えば、健康管理対象者又は健康管理装置1Aのユーザにより、前記摂取食物情報及び前記摂取飲料情報が入力されることにより取得してもよいし、通信部16により、通信回線網30を介して取得してもよい。通信回線網30を介した取得は、例えば、健康管理対象者の前記摂取食物情報及び摂取飲料情報が記憶された外部のデータベース又は各種センサ等の測定機器から通信部16を介して取得してもよいし、健康管理対象者が健康管理対象者の端末50に入力した前記摂取食物情報及び摂取飲料情報を取得してもよい。前記センサは、例えば、塩味計等があげられる。
【0052】
バイタルサイン情報取得部122により、バイタルサイン情報を取得し、活動情報取得部123は、活動情報を取得する(S101、バイタルサイン情報取得工程及び活動情報取得工程)。前記バイタルサイン情報及び前記活動情報の具体例は、例えば、実施形態1の例示と同様である。バイタルサイン情報取得部122及び活動情報取得部123による情報の取得は、例えば、健康管理対象者又は健康管理装置1Aのユーザにより、前記バイタルサイン情報及び前記活動情報が入力されることにより取得してもよいし、健康管理対象者の前記摂取食物情報及び摂取飲料情報が記憶された外部のデータベース又は各種センサ等の測定機器から通信部16を介して取得してもよい。前記センサは、例えば、体温計、血圧計、心拍計等のバイタルセンサ、活動量計、歩数計、及び睡眠計、又はこれらの機能を有するウェアラブルデバイス等があげられる。
【0053】
排泄情報取得部121による排泄情報の取得は、前記実施形態1と同様に実施できる(S101、排泄情報取得工程)。
【0054】
情報統合部13により、取得した前記インプット生体情報及び自動排泄情報取得部121が取得した前記健康管理対象者の排泄情報を含む前記アウトプット生体情報を統合して、統合生体情報を生成する(S102、統合生体情報生成工程)。
【0055】
記憶部17により、前記インプット生体情報、前記アウトプット生体情報、及び前記統合生体情報を記憶する(S201、記憶工程)。記憶部17は、例えば、前記各情報と、健康管理対象者の識別情報とを紐づけて記憶することが好ましい。前記識別情報の具体例は、実施形態1の例示と同様である。
【0056】
情報管理部14により、生成した前記統合管理情報を、前記健康管理対象者毎に管理する(S103、情報管理工程)。
【0057】
情報出力部15により、前記健康管理対象者毎に管理された前記統合生体情報を出力する(S104、出力工程)。
【0058】
本実施形態の健康管理装置1Aは、図8に示すように、通信回線網30を介して、自動排泄情報測定装置2を含む各種センサ群と接続できる。本実施形態の健康管理装置1Aは、これらの例には制限されず、例えば、他のセンサと接続可能であってもよい。前記他のセンサは、例えば、温度計、湿度計、医療機関の各種検査機器等があげられる。本実施形態の健康管理装置1Aが前記他のセンサと接続可能である場合、例えば、さらに対応する取得部を有することが好ましく、具体例として、健康管理対象者の周辺の気温情報、湿度情報等を取得する周辺環境情報取得部、健康管理対象者の健康診断情報を取得する健康診断情報取得部等があげられる。この場合、前記他のセンサから取得した各情報は、記憶部に記憶されてもよい。
【0059】
これらの点を除き、本実施形態の健康管理装置1A及び健康管理方法は、実施形態1の健康管理装置及び健康管理方法と同様の構成を有し、その説明を援用できる。本実施形態の健康管理装置は、前記インプット生体情報取得部及び前記アウトプット生体情報取得部により、健康管理対象者の多面的な生体情報を取得できるため、より精度の高い健康管理が可能となる。
【0060】
[実施形態3]
本実施形態の健康管理装置は、例えば、さらに、推奨行動ガイド部を含むこと以外は、実施形態1と同様である。なお、特に示さない限り、本実施形態の健康管理装置は、実施形態1の健康管理装置と同様であり、その説明を援用できる。
【0061】
図9は、本実施形態の健康管理装置1Bの一例の構成を示すブロック図である。図9に示すように、健康管理装置1Bは、さらに、推奨行動ガイド部18を含む。本実施形態の健康管理装置1Bのハードウエア構成は、実施形態1において図2に示す健康管理装置1の構成において、CPU101が、図1の健康管理装置1の構成に代えて、図9の健康管理装置1Bの構成を備える以外は同様である。本実施形態の健康管理装置1Bは、例えば、記憶部を有してもよい(図示せず)。また、本実施形態の健康管理装置1Bは、図10に示すように、通信回線網30を介して、自動排泄情報測定装置2と接続可能である。この場合、本実施形態の健康管理装置1Bは、例えば、健康管理システム100Bともいう。
【0062】
推奨行動ガイド部18は、情報統合部13により生成された前記統合生体情報を基に、前記排泄情報に基づく推奨行動情報を生成する。前記推奨行動情報は、前記統合生体情報に基づき、健康管理対象者の健康状態の維持、又は、健康状態の改善等に繋がる、前記健康管理対象者に推奨される行動の情報であり、例えば、前記健康管理対象者の失禁を改善するための行動情報(失禁改善行動情報)、前記健康管理対象者の熱中症を予防するための行動情報(熱中症予防行動情報)、前記健康管理対象者の尿路感染症を予防するための尿路感染症予防行動情報等を含んでもよい。前記失禁は、例えば、尿失禁及び便失禁のいずれか一方でもよいし、両方でもよい。前記健康状態は、例えば、失禁等の排泄障害、熱中症、栄養不足、脂質異常症、高血圧、高血糖、フレイル、サルコペニア、尿路感染症等の疾患の罹患状態;肥満等の体型に関する状態、疾患に罹患していない状態(良好な健康状態);等があげられる。前記推奨行動情報は、例えば、予め健康管理装置1Bの記憶部に記憶されていた情報を取得することで生成してもよいし、外部のデータベースに記憶された情報を、通信回線網30を介して取得することにより生成してもよい。
【0063】
前記推奨行動情報が、前記失禁改善行動情報を含む場合、推奨行動ガイド部18は、前記統合生体情報(前記排泄情報)を基に、前記健康管理対象者の排泄時刻パターンを失禁改善行動情報として生成する。健康管理対象者が、例えば、失禁のある高齢者である場合、失禁を改善する行動療法として、排泄時刻パターンに沿って排泄を促す習慣化訓練が行われている。本実施形態の健康管理装置1Bは、例えば、自動排泄情報取得部121により、自動排泄情報測定装置2が測定して得られる前記健康管理対象者の排泄情報を取得できるため、健康管理対象者の一日の排泄時刻パターンを容易に管理することができる。このため、本実施形態の健康管理装置1Bによれば、例えば、健康管理対象者個人ごとの習慣化訓練パターンを立案でき、より効率的に健康管理を行うことができる。
【0064】
前記推奨行動情報が、前記熱中症予防行動情報を含む場合、推奨行動ガイド部18は、前記統合生体情報(前記排尿情報)を基に、前記健康管理対象者の適切水分摂取量を、前記熱中症予防行動情報として生成する。一般的に、日常生活において、飲料として摂取すべき水分の量は一日当たり1.2Lが目安とされているが、個人の運動量、周囲の気温や湿度などの周辺環境等の要因によって摂取すべき水分の量は異なる。本実施形態の健康管理装置1Bは、例えば、自動排泄情報取得部121により、自動排泄情報測定装置2が測定して得られる前記健康管理対象者の排尿情報を取得でき、健康管理対象者の一日の排尿回数及び排尿量を容易に管理することができるため、例えば、排泄情報に基づく推奨行動情報として、健康管理対象者の排泄後、次回の排泄までに摂取すべき適切な水分量を前記熱中症予防行動情報として生成できる。また、例えば、自動排泄情報取得部121が取得する排尿情報が、前記標準排尿データを含む場合、健康管理装置1Bのユーザは、例えば、前記標準排尿データに含まれる排尿量と、取得した排尿量とを比較し、取得した排尿量が標準排尿量よりも少ない場合に、前記健康管理対象者が熱中症、又は脱水症状の状態にあるのではないかと推測できる。したがって、本実施形態の健康管理装置1Bによれば、健康管理対象者の熱中症、脱水症状等の予兆を検知することができ、より効率的に健康管理を行うことができる。
【0065】
前記推奨行動情報が、前記尿路感染症予防行動情報を含む場合、推奨行動ガイド部18は、前記統合生体情報(前記排便情報)を基に、前記健康管理対象者の尿路感染症を予防するための尿路感染症予防行動情報を生成する。一般的に、尿路感染症の原因菌の多くは大腸菌であることが知られている。例えば、介護施設等において、被介護者(健康管理対象者)の排便ケアとして下剤が利用されている。この際、被介護者の体質によっては下剤が効きすぎ、下痢を起こすことがある。この際、便に含まれる大腸菌が尿道に感染し、尿路感染症を引き起こす場合があることが知られている。本実施形態の健康管理装置1Bは、例えば、自動排泄情報取得部121により、自動排泄情報測定装置2が測定して得られる前記健康管理対象者の排便情報を取得できるため、前記健康管理対象者の排便性状情報を容易に管理することができ、前記健康管理対象者が下痢をしている場合に、例えば、下剤の量又は種類を変更することを推奨する、下剤の使用を中止することを推奨する等の情報を尿路感染症予防行動情報として生成、出力することができる。このため、本実施形態の健康管理装置1Bによれば、健康管理対象者の尿路感染症の予兆を検知することができ、より効率的に健康管理を行うことができる。
【0066】
推奨行動ガイド部18は、これらの例には制限されず、例えば、排尿開始時刻、排便開始時刻、排尿終了時刻、排便終了時刻、トイレ内における排尿行動(着座、排尿、起立等)等の情報を含む推奨行動情報を生成してもよい。
【0067】
本実施形態の健康管理装置1Bは、情報統合部13により、取得した前記インプット生体情報、前記アウトプット生体情報、及びこれらを統合した前記統合生体情報をビックデータ化して管理してもよい。この場合、推奨行動ガイド部18は、前記ビックデータ化された各情報に基づき、健康管理対象者の疾患の罹患状態等の健康状態に応じた推奨行動情報を生成してもよい。
【0068】
健康管理装置1Bが前記記憶部を有する場合、例えば、前記記憶部に、生成した推奨行動情報を記憶してもよい。この場合、前記推奨行動情報と、健康管理対象者の識別情報とを紐づけて記憶することが好ましい。
【0069】
情報出力部15は、生成した前記推奨行動情報を出力する。前記出力の形態及び出力先は、例えば、実施形態1の例示と同様である。
【0070】
本実施形態の健康管理方法について、図11のフローチャートを用いて説明する。本実施形態の健康管理方法は、例えば、推奨行動ガイド工程を含むこと以外は、実施形態1と同様である。本実施形態の健康管理方法は、例えば、図9に示す健康管理装置1Bにより実施できる。なお、本実施形態の健康管理方法は、図9に示す健康管理装置1Bの使用には限定されない。また、本実施形態の健康管理方法における以下の説明は、図9に示す健康管理装置1Bに援用できる。なお、以下の説明において、健康管理対象者の排尿量に基づき、推奨行動情報として、推奨摂取水分量を生成する例をあげて説明するが、本実施形態の健康管理方法は、この例には制限されない。
【0071】
まず、自動排泄情報取得部121により、自動排泄情報測定装置2により測定された、健康管理対象者の排尿量を取得する(S101、自動排泄情報取得工程)。なお、この際、前記実施形態2のS101と同様に、その他のインプット生体情報及びアウトプット生体情報を取得してもよい。
【0072】
つぎに、実施形態1の健康管理方法におけるS102と同様にして、S102を実施する。
【0073】
つぎに、推奨行動ガイド部18により、前記統合生体情報を基に、前記健康管理対象者の熱中症を予防するための適切水分摂取量を、熱中症予防行動情報として生成する(S301、推奨行動ガイド工程)。
【0074】
つぎに、情報管理部14により、統合生体情報を管理する(S103、情報管理工程)。情報管理部14は、例えば、統合生体情報と、前記推奨行動情報とを紐づけて管理してもよい。
【0075】
そして、情報出力部15により、前記統合生体情報と、前記推奨行動情報とを出力する(S302、出力工程)。
【0076】
これらの点を除き、本実施形態の健康管理装置1及び健康管理方法は、実施形態1の健康管理装置及び健康管理方法と同様の構成を有し、その説明を援用できる。本実施形態の健康管理装置は、推奨行動ガイド部を有し、情報統合部により生成された前記統合生体情報を基に、前記排泄情報に基づく推奨行動情報を生成する。このため、本実施形態の健康管理装置は、前記排泄行動に基づき、健康状態の維持、又は、健康状態の改善等に繋がる、前記健康管理対象者に推奨される行動の情報を出力でき、ユーザは、前記出力された推奨行動情報に基づき、健康管理対象者の健康維持又は改善に繋がる適切な助言を行うことができる。したがって、本実施形態の健康管理装置によれば、例えば、より効率的に健康管理を行うことができる。
【0077】
[実施形態4]
本実施形態の健康管理装置は、例えば、さらに、排泄日誌情報生成部を含むこと以外は、実施形態1と同様である。なお、特に示さない限り、本実施形態の健康管理装置は、実施形態1の健康管理装置と同様であり、その説明を援用できる。
【0078】
排尿障害に罹患している患者の診断及びリハビリテーションにおいて、排尿日誌が利用されている。前記排尿日誌は、例えば、患者の排尿時刻、排尿量、排便の有無、失禁の有無、尿意切迫感の有無、食事の有無、飲水の有無、起床時刻、就寝時刻等を記録したものである。しかしながら、前記排尿日誌は、患者が自分で記録することになるため、記録忘れ、計測の間違い等が起きやすいという問題がある。また、排尿量の記録のためには、採尿カップで尿を採取し、目視で量を確認する必要があるため、汚染や感染症のリスクがある。さらに、認知機能が低下した患者、障害のある患者等にとっては、記録が困難である。
【0079】
本実施形態の健康管理装置は、排泄日誌情報生成部を有し、自動排泄情報取得部により取得した排泄情報に基づき排泄日誌情報を生成するため、例えば、容易かつ衛生的に排泄日誌を生成できる。
【0080】
図12は、本実施形態の健康管理装置の一例を示すブロック図である。健康管理装置1Cは、前述のように、排泄日誌情報生成部19を含む以外は、前記実施形態1の健康管理装置1と同様である。本実施形態の健康管理装置のハードウエア構成は、実施形態1における図2の健康管理装置1の構成において、CPU101が、図1の健康管理装置1の構成に代えて、図12の健康管理装置1Cの構成を備える以外は同様である。
【0081】
排泄日誌情報生成部19は、情報統合部15が統合した統合生体情報を基に、前記排尿情報に基づき、前記健康管理対象者毎に排泄日誌情報を生成する。図13に、本実施形態の健康管理装置1Cが生成する排泄日誌情報(排尿日誌情報)の例を示す。前記排泄日誌情報は、健康管理対象者毎に排泄情報が記録されている。前記排泄日誌情報は、図13に示すように、一日ごとの記録でもよいし、排泄一回ごとの記録でもよいし、任意に定めた所定の期間ごとの記録でもよい。前記排泄情報は、例えば、排尿時刻、排尿時間、排尿回数、排尿量(一回ごとの排尿量、及び一日の総排尿量)、失禁(尿失禁及び便失禁)の有無、一日ごとの失禁の回数、尿意切迫感の有無、一日ごとに尿意切迫感を感じた回数等の情報を含む。また、排泄一回ごとの排便の有無、一日の排便回数、排便量(一回ごとの排便量、及び一日の総排便量)、排便性状情報、排便時刻、排便時間、等の情報を含んでもよい。さらに、摂取食事情報(食事の有無及び一日ごとの食事回数等)、及び摂取水分情報(前回排尿時からの水分の摂取量、及び一日の総水分摂取量等)等を含んでもよい。図13に示すように、排泄日誌情報は、例えば、さらに、健康管理対象者の氏名、ID等の識別情報を含むことが好ましい。
【0082】
本実施形態の健康管理方法について、図14のフローチャートを用いて説明する。本実施形態の健康管理方法は、例えば、排泄日誌情報生成工程を含むこと以外は、実施形態1と同様である。本実施形態の健康管理方法は、例えば、図12に示す健康管理装置1Cにより実施できる。なお、本実施形態の健康管理方法は、図12に示す健康管理装置1Cの使用には限定されない。また、本実施形態の健康管理方法における以下の説明は、図12に示す健康管理装置1Cに援用できる。
【0083】
まず、実施形態1の健康管理方法におけるS101及びS102と同様にして、S101及びS102を実施する。
【0084】
つぎに、排泄日誌情報生成部19により、前記統合生体情報を基に、前記排泄情報に基づき、前記健康管理対象者毎に排泄日誌情報を作成する(S401、排泄日誌情報作成工程)。
【0085】
つぎに、情報管理部14により、統合生体情報を管理する(S103、情報管理工程)。情報管理部14は、例えば、統合生体情報と、前記排泄日誌情報とを紐づけて管理してもよい。
【0086】
そして、情報出力部15により、前記統合生体情報と、前記排泄日誌情報とを出力する(S402、出力工程)。
【0087】
これらの点を除き、本実施形態の健康管理装置1C及び健康管理方法は、実施形態1の健康管理装置及び健康管理方法と同様の構成を有し、その説明を援用できる。
【0088】
[実施形態5]
本実施形態は、本発明の健康管理装置を含む健康管理システムにおける、自動排泄情報測定装置の具体例を示す。本実施形態の健康管理システムは、自動排泄情報測定装置として、排泄管理装置を有し、排泄情報を前記排泄管理装置から取得すること以外は、実施形態1と同様である。
【0089】
前記自動排泄情報測定装置として、例えば、生理的なモニタリングを利用して排尿量を管理する装置が提案されている(参考文献2)。具体的には、力を検出するセンサ(ロードセル)を便座に配置し、便座に座った人の体重を時系列的に計測することから、自動的に、排尿量を算出するものである。しかしながら、数十kgオーダの人の体重に対して、算出しようする排出される尿の重量は数十から数百gオーダであり、測定精度が問題となる。また、高精度のロードセルが必要となり、コストもかかる。
参考文献2:K. Yamakoshi, Unconstrained physiological monitoring in daily living for health care, Frontiers Med. Biol. Eng., 2000, 10, 239-259.
【0090】
この問題に対して、新たに、便座に温度センサを配置し、温度情報に基づいて排尿量を測定するシステムが提案されている。このようなシステムによれば、安価な温度センサが利用でき、コストも低減できる。しかしながら、医療機関での治療や診断への利用の観点から、より優れた精度で排尿量を測定できるシステムの提供が求められている。
【0091】
そこで、本実施形態は、自動排泄情報測定装置として、より優れた精度で排尿量を測定できる排泄管理装置を含む健康管理システムについて説明する。
【0092】
図15は、本実施形態の健康管理装置1及び排泄管理装置2を含む健康管理システム100の一例の構成を示す概略図である。図15に示すように、健康管理システム100は、健康管理装置1と、排泄管理装置2とを含み、健康管理装置1は、通信回線網30を介して、排泄管理装置2と接続可能であり、排泄情報を、排泄管理装置2から取得する。この点を除き、本実施形態の健康管理装置1は、前記実施形態1と同様である。
【0093】
通信回線網30は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、前述の例示と同様である。
【0094】
つぎに、排泄管理装置2について説明する。なお、以下の説明において、「排尿量」とは、一回の排尿による尿の全量(voided volume)を意味し、「尿流量」とは、排尿の速度(urinary flow rate)を意味する。本発明において、「環境温度」とは、便器が配置されている環境の温度であり、例えば、便器が配置されているトイレの温度でもよいし、便器内部の大気空間の温度でもよく、室温ともいう。本実施形態において、「排尿温度」とは、排尿の直接的又は間接的な温度である。直接的な温度とは、排尿を直接的に測定した温度であり、例えば、温度計を排尿に直接接触させて測定した温度等である。間接的な温度とは、排尿を間接的に測定した温度であり、例えば、排尿の温度は、体温に対応することから、体温を測定した温度等である。
【0095】
まず、本実施形態の排泄管理装置を説明するにあたって、温度情報の取得に使用する便器について説明する。本実施形態の排泄管理装置は、例えば、使用時において、便器、又は便器が設置されたトイレとは離れた場所にある別個の装置でもよいし、便器に取り付け可能又は便器に組み込まれた装置でもよい。前者の場合、例えば、前記便器が、温度に関する様々な情報を取得して、有線又は無線により前記排泄管理装置に送信し、他方、前記排泄管理装置は、前記便器からの前記情報を取得して、排尿量の推定を行うことができる。また、後者の場合は、前記本実施形態の排泄管理装置を備える便器において、前記各種情報の取得と排尿量の推定とを行うことができる。後者の場合、前記排泄管理装置は、例えば、既存の便器に各部を固定具により後付けして設置してもよいし、前記便器の便座に設置されてもよいし、便座の座面の高さを調整するための補高便座に設置され、前記便器に前記補高便座が配置されることで、便器に設置されてもよいし、便器と便座の間に挟んで使用する採尿器に設置され、前記採尿器が便器と便座との間に設置されることで、便器に設置されてもよい。前記採尿器の具体例は、例えば、ユーリパン(商品名)、尿取りハット(商品名)等があげられる。本実施形態の排泄管理装置は、例えば、排泄管理用便器、排泄管理用便座、排泄管理用補高便座、又は排泄管理用採尿器ともいう。
【0096】
図16に、便器の一例を示す。図16において、(A)は、便器4を上からみた平面図であり、(B)は、(A)の便器4の側面の断面図であり、(C)は、便器4に取り付けられた補高便座44の下面(裏面)の平面図であり、(D)は、空間温度センサ43の概略図である。便器4は、便器本体40と、便座部42と、補高便座44とを備える。図16において、Xは、便器4の前後方向であり、Yは、左右方向であり、Zは、上下方向(高さ方向)である。
【0097】
図16において、便器本体40は、洋式の便器本体である。便器本体40は、排泄物を受ける上部が開口したボウル部41を有し、さらに、ボウル部41の底部と外部の排水管とを連結する排水路(図示せず)を有する。便器本体40は、ボウル部41の上側の縁部に便座部42を有し、便座部42は、上げ下げ可能に連結されている。また、便器本体40は、便座部42の下に、便座部42の座面の高さを調整するための補高便座44を有し、補高便座44が、後述するように、空間温度センサ43等を備える。本実施形態において、便器本体40は、洋式を例示したが、和式であってもよい。
【0098】
図16(C)に示すように、便座部42の下に配置された補高便座44は、その裏面に、4つの空間温度センサ43(ID=0、1、2、3)が配置されている。具体的に、4つの空間温度センサ43は、補高便座44の前方からボウル部41内をセンシングするように、補高便座44の前方に設置されている。空間温度センサ43の種類は、特に制限されず、ボウル部41内の空間における温度の空間分布情報を取得できればよく、例えば、非接触温度センサがあげられ、具体例としては、非接触マトリクス温度センサがあげられる。前記非接触温度センサによれば、例えば、ボウル部41内の温度の空間分布を非接触で計測できる。前記非接触温度センサは、例えば、サーモカメラがあげられる。本発明において、前記経時的な温度の空間分布情報は、仮排尿量の算出に使用される。本発明において、前記温度の空間分布情報は、例えば、温度変化の取得のため、経時的な温度の空間分布情報が好ましい。前記経時的な温度の空間分布情報とは、例えば、時間軸に沿って、連続的な情報でもよいし、非連続的(断続的)な情報でもよく、後者の場合、例えば、一定の周期で得られる情報でもよいし、不定の周期で得られる情報でもよいし、情報の取得開始からの時間指定で得られる情報でもよい。以下、経時的な温度の空間分布情報の使用を例にあげて説明するが、これには限定されない。
【0099】
空間温度センサ43の設置位置は、特に制限されず、図16に示すように、補高便座44でもよいし、それには制限されず、便座部42と、便座部42下の便器本体40との間でもよいし、便座部42下の便器本体40でもよいし、便座部42等でもよい。中でも、図16(C)に示すように、空間温度センサ43を、補高便座44により、便器本体40と便座部42との間であって、前方に設置すれば、例えば、空間温度センサ43と排尿との距離が近くなり、排尿が影響する前記温度の空間分布情報の計測精度をより向上でき、また、取付け及び手入れも容易である。
【0100】
空間温度センサ43の個数は、特に制限されず、1つでも、2つ以上の複数でもよく、好ましくは複数である。複数の空間温度センサ43を設置する場合、例えば、前部、後部、及び側部等に設置することができる。複数の空間温度センサ43を設置することで、例えば、排尿から放射される熱エネルギーを取得する範囲が広がり、後述する排尿量の推定精度をより向上できる。
【0101】
空間温度センサ43は、例えば、m行×n列のサーモパイル素子を有する前記非接触マトリクス温度センサである。この空間温度センサ43によれば、ボウル部41内の空間について、X方向にm行、Y方向にn列のマトリクス状に区分された各検査面48の温度を、非接触で計測できる。図16(D)に例示する空間温度センサ43は、4行×4列のサーモパイル素子を有し、計16の検査面48の温度を計測でき、検査面48には、図16(D)に示すように、0から15までの16個のチャンネル番号chが割り振られる。
【0102】
便器4は、例えば、さらに、空間温度センサ43の出力を増幅する増幅部と、前記出力をデジタルデータに変換するA/D変換部とを備え、空間温度センサ43で計測した情報を、デジタルデータとして出力してもよい。便器4は、例えば、空間温度センサ43で計測した情報を通信するための、有線又は無線の通信部を備えてもよい。空間温度センサ43により取得された情報は、例えば、前記通信部を介して、有線又は無線により外部機器に出力し、前記外部機器の表示部に表示したり、前記外部機器の記憶部に記憶してもよい。前記外部機器は、例えば、健康管理装置1、PC、スマートフォン、タブレット等があげられる。図16(C)において、補高便座44における符号46は、プロセッサであり、例えば、Raspberry Pi等のCPUがあげられ、また、符号47は、信号を入出力する多重装置(Multiplexer)である。空間温度センサ43により得られた情報は、例えば、信号として、多重装置47に入力され、前記信号は、多重装置47からプロセッサ46に出力され、プロセッサ46により、後述するような情報の処理が行われる。図16(C)におけるプロセッサ46は、例えば、後述する図18におけるCPU201に該当する。
【0103】
便器4は、前述のように、空間温度センサ43が設置されていることから、空間温度センサ43により、ボウル部41内における温度の空間分布を時系列的(経時的)に計測できる。すなわち、ボウル部41内に排尿されると、例えば、排尿によって、ボウル部41内の温度が変化するため、空間温度センサ43によって、排尿の通過を拾う検査面48において、温度が変化する。
【0104】
つぎに、本発明の排泄管理装置の一例について、図を用いて説明する。
【0105】
前記図15に示すように、排泄管理装置2は、温度空間分布取得部20、補正用温度情報取得部21、排尿量推定部22、及び出力部24を含む。排泄管理装置2は、例えば、さらに、記憶部23を備えてもよく、記憶部23は、環境温度の補正係数231及び排尿温度の補正係数232が記憶されている。図示していないが、排泄管理装置2は、例えば、排泄物臭気情報取得部を有してもよい。排泄管理装置2は、例えば、排尿管理システムともいう。排泄管理装置2は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。前記通信回線網は、例えば、前述の通りである。排泄管理装置2は、例えば、各部の処理がクラウド上で行われてもよい。
【0106】
温度空間分布取得部20は、便器4内の空間における経時的な温度の空間分布情報を取得する。温度空間分布取得部20は、例えば、空間温度センサでもよいし、前記空間温度センサからの情報を、無線又は有線により取得する通信部でもよい。前者の場合、例えば、前述した便器4に設置された空間温度センサ43でもよく、具体例は、便器4に排泄管理装置2が設置された形態である。後者の場合、例えば、便器4に設置された空間温度センサ43からの情報を、無線又は有線により取得する通信部でもよく、具体例は、空間温度センサ43と排泄管理装置2とが、通信回線網を介して、接続される形態である。
【0107】
前記温度の空間分布情報の形態は、特に制限されず、例えば、便器4内の空間の経時的な温度画像があげられる。前記温度画像から、例えば、排尿の尿流量の面積を示す尿流温度画像を抽出することで、経時的な温度の空間分布情報が得られる。前記温度画像は、例えば、前述のような、非接触マトリクス温度センサ等の空間温度センサ(例えば、図16における空間温度センサ43)により取得できる。
【0108】
補正用温度情報取得部21は、環境温度及び排尿温度を取得する。ここで、前記環境温度とは、前述のように、便器が配置されている環境の温度、いわゆる室温であり、例えば、便器が配置されているトイレの温度でもよいし、便器4内の大気空間の温度でもよい。また、前記排尿温度とは、前述のように、排尿の直接的又は間接的な温度である。直接的な温度は、例えば、温度計を排尿に直接接触させて測定した温度であり、間接的な温度は、例えば、体温である。
【0109】
補正用温度情報取得部21は、例えば、温度センサでもよいし、前記温度センサからの情報を、無線又は有線により取得する通信部でもよい。前者の場合、前記温度センサは、例えば、空間温度センサ43とは別に、補高便座44に配置されてもよい。後者の場合、例えば、便器4又はトイレに前記温度センサが配置され、前記温度センサと排泄管理装置2とが、通信回線網を介して接続される形態であり、前記温度センサからの情報を、前記通信部が取得してもよい。環境温度と排尿温度とは、例えば、一つの温度センサで測定してもよいし、それぞれを別個の温度センサで測定してもよい。前記温度センサは、例えば、温度計である。以下、補正用温度情報を取得するための前記温度センサは、以下、補正用温度センサという。
【0110】
前記補正用温度センサの設置部位は、特に制限されず、例えば、環境温度と排尿温度とを測定できればよい。排尿温度用の補正用温度センサは、例えば、便器4において、そのセンサ部が、排尿に直接接触する位置に配置してもよいし、非接触であるが、排尿と一定距離を置いた位置に配置されてもよい。また、排尿温度は、例えば、健康管理対象者の体温と対応することから、例えば、便座部42に接触している大腿部の温度を測定できる位置等でもよい。また、本実施形態において、例えば、健康管理対象者の体温を前記補正用温度センサ(例えば、体温計)で測定し、前記補正用温度センサから有線又は無線により取得してもよい。体温の測定部位は、特に制限されず、例えば、脇下温、舌下温、鼓膜温度、前頭温等でもよい。
【0111】
排尿量推定部22は、例えば、仮排尿量算出部221と、補正部222とを含む。仮排尿量算出部221は、前記温度の空間分布情報に基づいて、仮排尿量を算出し、補正部222は、前記仮排尿量を、前記環境温度及び前記排尿温度の少なくとも一方に基づいて、環境温度の補正係数及び排尿温度の補正係数の少なくとも一方で補正する。これによって、得られた補正排尿量を推定排尿量として推定できる。
【0112】
前記排泄物臭気情報取得部は、便器内の臭気情報を取得する。ここで、前記臭気情報とは、例えば、便器4内の空間におけるガスの種類、濃度、量等の情報があげられる。前記排泄物臭気情報取得部は、例えば、ガスセンサでもよいし、前記ガスセンサからの情報を、無線又は有線により取得する通信部でもよい。前者の場合、前述した便器4に設置されたガスセンサでもよく、後者の場合、例えば、便器4に設置されたガスセンサからの情報を、無線又は有線により取得する通信部でもよく、具体例は、前記ガスセンサと排泄管理装置2とが、通信回線網を介して接続される形態である。前記ガスセンサは、例えば、MSS嗅覚IoTセンサ等の膜型表面応力センサ(MSS : Membrane-type Surface stress Sensor)、人工嗅覚センサ等があげられる。前記ガスセンサは、例えば、メチルメルカプタン、硫化水素、エタノール、及びアンモニア等に反応するガスセンサが好ましい。排泄管理装置2が前記排泄物臭気情報取得部を有する場合、健康管理対象者の排尿臭気情報、排便臭気情報等を取得でき、これにより、例えば、健康管理対象者の排泄時に、排便があったか否か等の確認を行うことができる。
【0113】
本発明者らは、前記便器内の空間における経時的な温度の空間分布情報から排尿量(本発明における仮排尿量)を算出した際、算出した仮排尿量(算出排尿量ともいう)と実際の排尿量(実排尿量)との間に、ズレが生じる場合があることを見出した。そして、鋭意研究の結果、そのズレが、前記便器の配置環境における環境温度(すなわち室温)と、排出される尿の温度に影響されるとの知見を得た。このため、前記温度の空間分布情報に基づいて仮排尿量を算出し、さらに、その排尿時の温度条件(前記環境温度及び前記排尿温度の少なくとも一方)に基づいて、前記排尿時の環境温度に応じた補正係数及び前記排尿温度に応じた補正係数の少なくとも一方を用いて、前記仮排尿量の補正を行うことで、得られた補正排尿量を、より正確な推定排尿量として推定することが可能になった。前記環境温度の補正係数及び前記排尿温度の補正係数は、例えば、尿又は疑似尿(例えば、水)をサンプルとして用い、排尿量の実測値と、経時的な温度の空間分布情報に基づく算出値(仮排尿量)とから求めることができる。具体的には、前記サンプルの量、前記サンプルの温度、環境温度を変化させ、排尿量の実測値と算出値(仮排尿量)とを比較することにより、補正係数を求めることができる。
【0114】
前記温度の空間情報に基づく排尿量(本発明における仮排尿量)の算出方法は、特に制限されず、例えば、特開2015-178764号公報の方法が参照できる。
【0115】
前記経時的な温度の空間情報は、例えば、温度画像でもよい。前記温度画像は、例えば、温度差を示す画像であり、対象部位の温度は、例えば、背景温度に対する温度差から算出することができる。温度空間分布取得部20は、例えば、便器4内の空間における経時的な温度画像を取得し、前記温度画像から、排尿の尿流量の面積を示す尿流温度画像を、前記温度の分布情報として、抽出する。そして、仮排尿量算出部221は、例えば、前記尿流量の面積を示す前記尿流温度画像の合計画素値と、前記尿流温度画像が得られた時間の長さとに基づいて、前記仮排尿量を算出し、補正部222は、例えば、前記仮排尿量を、前記環境温度及び前記排尿温度の少なくとも一方に基づいて、環境温度の補正係数及び排尿温度の補正係数の少なくとも一方により補正することで、前記推定排尿量を推定できる。
【0116】
以下に、尿流量からの排尿量(本発明における仮排尿量)の算出の原理を説明するが、本発明は、これには制限されない。前記原理について、図17の例示を参照する。図17(A)は、図16(D)に例示する検査面48の16個のチャンネルにおける、排尿前と排尿中の尿との温度画像を例示する二次元平面の概要であり、図17(B)は、前記二次元平面から仮定される排尿の三次元立体の概要である。便器4のボウル部41へ排出される尿の尿流を、前記サーモカメラ等の空間温度センサ43で撮影することにより、例えば、排尿前と排尿中との温度差を示す温度画像が得られる。具体的には、図17(A)の液滴で例示されるような、背景温度に対して温度差を示す尿について、尿流量のみの二次元の温度画像が得られる。尿流量を円柱と仮定した場合、自然排尿であれば、尿流量が速いほど、円柱は太くなる。ここで、排尿温度が一定であり、且つ、排尿される尿から空間温度センサ43までの距離が一定であれば、前記温度画像における尿流のみの各画素値(すなわち、測定温度に対応)の合計は、尿流の太さ(面積A)を反映する値となる。つまり、図17(A)に示すように、横方向の矢印は、尿流の幅(直径2r[m])を示し、縦方向の矢印は、尿流の長さ(高さh[m])を示すため、直径2rと高さhとを掛け合わせた面積(2rh[m])は、尿流量の表面温度A[℃]と同等と考えられる。そして、図17(B)に示すように、その面積(m)を3/2乗することで、三次元の円柱の体積(m)を算出できる。
【0117】
さらに具体的に例示する。尿流表面からの温度だけを検出するには、例えば、背景温度の影響を除去するために、背景差分を行うことが好ましい。具体的には、例えば、まず、下記式(1)に示すように、排尿前と排尿中との温度差A(t)、すなわち尿流の表面温度を求める。下記式(1)において、chは、空間温度センサ43のチャンネル番号を表す。
【数1】
【0118】
そして、排尿前の測定温度Temp(t0)[℃]と、排尿中を含む時刻t[s]の測定温度Temp(t)[℃]との差A(t)を、下記式(2)に示すように3/2乗し、各時刻における排尿量に比例するS(t)、すなわち温度差Aの3/2乗[℃3/2]を得る。下記式(2)において、IDは、空間温度センサ43の識別子、chは、空間温度センサ13のチャンネル番号を表し、sは、秒(sec)を表す。
【数2】
【0119】
つぎに、尿流量Q(t)[ml/s]は、例えば、下記式(3)に示すように、単位時間あたりのS(t)に換算係数a[ml/℃3/2]を乗算して、算出できる。下記式(3)において、Δt[s]は、空間温度センサ43のサンプリング周期を表す。
【数3】
【0120】
さらに、下記式(4)に示すように、Q(t)を時間積分することで、尿量V[ml]が算出できる。この尿量Vは、本発明における仮排尿量に該当する。
【数4】
【0121】
そして、この算出された尿量(仮排尿量)V[ml]について、前述のような補正係数を用いることで補正を行い、補正排尿量[ml]を算出し、これを推定排尿量と推定できる。
【0122】
排泄管理装置2は、例えば、本実施形態の健康管理装置1及び外部装置と接続可能であり、具体例として、通信回線網を介して接続可能である。前記外部装置は、例えば、前記補正係数等の各種データが記憶されたデータベース、サーバ、端末、温度センサ(前記空間温度センサ、前記補正用温度センサ)、ガスセンサ等があげられ、前記端末は、例えば、PC、タブレット、スマートフォン等である。前記通信回線網は、例えば、前述と同様である。
【0123】
排泄管理装置2で得られた情報(例えば、前記推定排尿量及び前記臭気情報等)は、出力部24により、健康管理装置1に出力される。出力の形式は、特に制限されず、例えば、出力部24として通信デバイス(前記通信部)を有する場合、前記通信デバイスにより、前記通信回線網を介して、接続された健康管理装置1に出力すればよい。
【0124】
つぎに、図18に、排泄管理装置2のハードウエア構成のブロック図を例示する。排泄管理装置2は、例えば、プロセッサの一例としてCPU(中央処理装置)201、メモリ203、バス203、記憶装置208を有する。排泄管理装置2は、例えば、さらに、前記経時的な温度の空間分布情報を取得する空間温度センサ204を備えてもよく、補正用の前記環境温度及び排尿温度を取得する前記補正用温度センサを備えてもよい。排泄管理装置2は、また、各種情報を入力する入力装置205、前記外部機器に対する通信デバイス207、前記表示部であるディスプレイ206等を備えてもよい。排泄管理装置2の各部は、それぞれのインターフェース(I/F)により、バス203を介して、相互に接続されている。
【0125】
CPU201は、例えば、コントローラ(システムコントローラ、I/Oコントローラ等)等により、他の構成と連携動作し、排泄管理装置2の全体の制御を担う。排泄管理装置2において、CPU201により、例えば、各種のプログラム209が実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、CPU201が補整用温度情報取得部21、温度空間分布取得部20、排尿量推定部22、出力部24、及び前記排泄物臭気情報取得部として機能する。排泄管理装置2は、演算装置として、CPUを備えるが、GPU(Graphics Processing Unit)、APU(Accelerated Processing Unit)等の他の演算装置を備えてもよいし、CPUとこれらとの組合せを備えてもよい。
【0126】
メモリ202は、例えば、メインメモリを含む。前記メインメモリは、主記憶装置ともいう。CPU201が処理を行う際には、例えば、後述する記憶装置207(補助記憶装置)に記憶されている本発明のプログラム等の種々の動作プログラムを、メモリ202が読み込む。そして、CPU201は、メモリ202からデータを読み出し、解読し、前記プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。メモリ202は、例えば、さらに、ROM(読み出し専用メモリ)を含む。
【0127】
排泄管理装置2は、例えば、バス203に接続された通信デバイス207により、通信回線網30に接続でき、通信回線網30を介して、健康管理装置1、外部機器とも接続できる。前記外部機器は、特に制限されず、例えば、前述の通りである。排泄管理装置2と健康管理装置1及び前記外部機器との接続方式は、特に制限されず、例えば、有線による接続でもよいし、無線による接続でもよい。前記有線による接続は、例えば、コードによる接続でもよいし、通信回線網を利用するためのケーブル等による接続でもよい。前記無線による接続は、例えば、通信回線網を利用した接続でもよいし、無線通信を利用した接続でもよい。前記通信回線網は、特に制限されず、例えば、公知の通信回線網を使用でき、前述と同様である。排泄管理装置2と前記外部機器との接続形式は、例えば、USB等であってもよい。
【0128】
記憶装置208は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。記憶装置208は、例えば、記憶媒体と、前記記憶媒体に読み書きするドライブとを含む。前記記憶媒体は、特に制限されず、例えば、前述の例示と同様である。記憶装置208には、例えば、前述のように、各種プログラムが格納され、前述のように、CPU201を実行させる際、メモリ203が、記憶装置208からプログラムを読み込む。また、記憶装置208は、例えば、記憶部23であり、前述の環境温度の補正係数231及び排尿温度の補正係数232等を記憶する。
【0129】
排泄管理装置2は、例えば、さらに、入力装置205、ディスプレイ206を有する。入力装置205、例えば、タッチパネル、トラックパッド、マウス等のポインティングデバイス;キーボード;カメラ、スキャナ等の撮像手段;ICカードリーダ、磁気カードリーダ等のカードリーダ;マイク等の音声入力手段;等があげられる。ディスプレイ206は、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等の表示装置があげられる。本実施形態において、入力装置205とディスプレイ206とは、別個に構成されているが、入力装置205とディスプレイ206とは、タッチパネルディスプレイのように、一体として構成されてもよい。
【0130】
つぎに、本実施形態の排泄管理装置を用いて、排泄情報として、健康管理対象者の排尿量を推定する方法(以下、「排尿管理方法」ともいう)について説明する。本実施形態の排尿管理方法は、例えば、図16の便器4、図15及び図18に示す排泄管理装置2を用いて実施できる。なお、本実施形態の排尿管理方法は、これらの図面に示す便器4及び排泄管理装置2の使用には限定されない。
【0131】
本発明の排尿管理方法は、前記温度空間分布取得工程と、前記温度情報取得工程と、前記排尿量推定工程とを含む。
【0132】
前記温度空間分布取得工程は、便器4内の空間における経時的な温度の空間分布情報を取得する工程であり、排泄管理装置2の温度空間分布取得部20により実行できる。
【0133】
前記補正用温度情報取得工程は、便器4の配置環境における環境温度及び排尿温度の少なくとも一方を取得する工程であり、排泄管理装置2の補正用温度情報取得部21により実行できる。
【0134】
前記排尿量推定工程は、前記温度の空間分布情報に基づいて、仮排尿量を算出し、前記仮排尿量を、前記環境温度及び前記排尿温度の少なくとも一方に基づいて、環境温度の補正係数及び排尿温度の補正係数の少なくとも一方で補正することにより、補正排尿量を推定排尿量として推定する工程である。前記仮排尿量の算出は、排泄管理装置2の排尿量推定部22における仮排尿量算出部221により実行でき、前記仮排尿量の補正は、排泄管理装置2の排尿量推定部22における補正部222により実行できる。
【0135】
前記環境温度の補正係数により補正を行う場合は、前記補正用温度情報取得工程において取得された環境温度に対する補正係数を選択し、これにより補正を行えばよい。前記排尿温度の補正係数により補正を行う場合は、前記補正用温度情報取得工程において取得された排尿温度に対する補正係数を選択し、これにより補正を行えばよい。
【0136】
そして、補正を行った推定排尿量を、前記排泄情報として、健康管理装置1に出力する。
【0137】
本実施形態の健康管理システム100は、本実施形態の健康管理装置1及び排泄管理装置2を含む。本実施形態によれば、健康管理装置1が排泄管理装置2から排泄情報を取得できるため、例えば、より正確な排泄情報を容易に取得できる。
【0138】
[実施形態6]
本実施形態のプログラムは、前記本発明の健康管理方法の各工程を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。具体的に、例えば、本実施形態のプログラムは、コンピュータに、インプット生体情報取得手順、アウトプット生体情報取得手順、情報統合手順、情報管理手順、及び、情報出力手順を実行させることを特徴とするプログラムである。
前記インプット生体情報取得手順は、健康管理対象者の身体へのインプット生体情報を取得し、
前記アウトプット生体情報取得手順は、前記健康管理対象者の身体からのアウトプット生体情報を取得し、
前記情報統合手順は、前記インプット生体情報及び前記アウトプット生体情報を統合して統合生体情報を生成し、
前記情報管理手順は、前記統合生体情報を、前記健康管理対象者毎に管理し、
前記情報出力手順は、前記健康管理対象者毎に管理された前記統合生体情報を出力し、
前記アウトプット生体情報取得手順は、自動排泄情報取得手順を含み、
前記自動排泄情報取得手順は、自動排泄情報測定装置が測定して得られる前記健康管理対象者の排泄情報を取得し、
前記情報統合手順は、前記インプット生体情報、及び、前記自動排泄情報取得手順で取得した前記健康管理対象者の排泄情報を含む前記アウトプット生体情報を統合して前記統合生体情報を生成する。
【0139】
本実施形態のプログラムは、前記本発明の健康管理装置及び健康管理方法における記載を援用できる。また、前記各手順は、例えば、「手順」を「処理」と読み替え可能である。本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。前記記録媒体は、例えば、非一時的なコンピュータ可読記録媒体(non-transitory computer-readable storage medium)である。前記記録媒体としては、特に限定されず、例えば、前述のような記憶媒体等があげられる。
【0140】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0141】
この出願は、2020年1月20日に出願された日本出願特願2020-007034を基礎とする優先権を主張し、その開示のすべてをここに取り込む。
【産業上の利用可能性】
【0142】
本発明によれば、自動で収集した排泄情報に基づき健康管理を行うことができる。このため、本発明によれば、より優れた精度で健康管理を行うことができる。このため、本発明は、医療、看護等の分野において有用である。
【0143】
<付記>
上記の実施形態及び実施例の一部又は全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
インプット生体情報取得部、アウトプット生体情報取得部、情報統合部、情報管理部、情報出力部、及び、通信部を含み、
前記インプット生体情報取得部は、健康管理対象者の身体へのインプット生体情報を取得し、
前記アウトプット生体情報取得部は、前記健康管理対象者の身体からのアウトプット生体情報を取得し、
前記情報統合部は、前記インプット生体情報及び前記アウトプット生体情報を統合して統合生体情報を生成し、
前記情報管理部は、前記統合生体情報を、前記健康管理対象者毎に管理し、
前記情報出力部は、前記健康管理対象者毎に管理された前記統合生体情報を出力し、
前記通信部は、通信回線網を介して外部の装置と通信可能であり、
前記アウトプット生体情報取得部は、自動排泄情報取得部を含み、
前記自動排泄情報取得部は、自動排泄情報測定装置が測定して得られる前記健康管理対象者の排泄情報を、前記通信部を介して取得し、
前記情報統合部は、前記インプット生体情報、及び、前記自動排泄情報取得部が取得した前記健康管理対象者の排泄情報を含む前記アウトプット生体情報を統合して前記統合生体情報を生成する、
ことを特徴とする、健康管理装置。
(付記2)
前記インプット生体情報取得部は、摂取食物情報取得部及び摂取飲料情報取得部を含み、
前記摂取食物情報取得部は、前記健康管理対象者が摂取した食物に関する情報を取得し、
前記摂取飲料情報取得部は、前記健康管理対象者が摂取した飲料に関する情報を取得し、
前記アウトプット生体情報取得部は、前記自動排泄情報取得部に加え、バイタルサイン情報取得部、及び、活動情報取得部を含み、
前記バイタルサイン情報取得部は、前記健康管理対象者のバイタルサイン情報を取得し、
前記活動情報取得部は、前記健康管理対象者の活動情報を取得する、
付記1記載の健康管理装置。
(付記3)
さらに、記憶部を含み、
前記記憶部は、前記健康管理対象者毎に、前記インプット生体情報、前記アウトプット生体情報、及び、前記統合生体情報を記憶する付記1又は2記載の健康管理装置。
(付記4)
前記排泄情報は、標準排泄データを含み、
前記標準排泄データは、排泄一回毎に測定されるデータであり、
前記標準排泄データは、排泄者識別情報、排泄時刻情報、排泄時間情報、排泄量情報、排泄パターン情報、排泄物中の成分情報、排泄物臭気情報、排泄物性状情報、及び、排泄物中の異物情報を含む、付記1から3のいずれかに記載の健康管理装置。
(付記5)
さらに、推奨行動ガイド部を含み、
前記推奨行動ガイド部は、前記情報統合部が統合した統合生体情報を基に、前記排泄情報に基づく推奨行動情報を生成し、
前記情報出力部は、前記推奨行動情報を出力する、
付記4記載の健康管理装置。
(付記6)
前記推奨行動ガイド部は、前記統合生体情報を基に、前記健康管理対象者の排泄時刻のパターンを失禁改善行動情報として生成し、
前記排泄情報に基づく推奨行動情報は、前記失禁改善行動情報を含む、
付記5記載の健康管理装置。
(付記7)
前記推奨行動ガイド部は、前記統合生体情報を基に、前記健康管理対象者の熱中症を予防するための適切水分摂取量を熱中症予防行動情報として生成し、
前記排泄情報に基づく推奨行動情報は、前記熱中症予防行動情報を含む、
付記5又は6記載の健康管理装置。
(付記8)
さらに、排泄日誌情報生成部を含み、
前記排泄日誌情報生成部は、前記情報統合部が統合した統合生体情報を基に、前記排泄情報に基づき、前記健康管理対象者毎に排泄日誌情報を生成し、
前記情報出力部は、前記排泄日誌情報を出力する、
付記1から7のいずれかに記載の健康管理装置。
(付記9)
インプット生体情報取得工程、アウトプット生体情報取得工程、情報統合工程、情報管理工程、及び、情報出力工程を含み、
前記インプット生体情報取得工程は、健康管理対象者の身体へのインプット生体情報を取得し、
前記アウトプット生体情報取得工程は、前記健康管理対象者の身体からのアウトプット生体情報を取得し、
前記情報統合工程は、前記インプット生体情報及び前記アウトプット生体情報を統合して統合生体情報を生成し、
前記情報管理工程は、前記統合生体情報を、前記健康管理対象者毎に管理し、
前記情報出力工程は、前記健康管理対象者毎に管理された前記統合生体情報を出力し、
前記アウトプット生体情報取得工程は、自動排泄情報取得工程を含み、
前記自動排泄情報取得工程は、自動排泄情報測定装置が測定して得られる前記健康管理対象者の排泄情報を取得し、
前記情報統合工程は、前記インプット生体情報、及び、前記自動排泄情報取得工程で取得した前記健康管理対象者の排泄情報を含む前記アウトプット生体情報を統合して前記統合生体情報を生成する、
ことを特徴とする、健康管理方法。
(付記10)
前記インプット生体情報取得工程は、摂取食物情報取得工程及び摂取飲料情報取得工程を含み、
前記摂取食物情報取得工程は、前記健康管理対象者が摂取した食物に関する情報を取得し、
前記摂取飲料情報取得工程は、前記健康管理対象者が摂取した飲料に関する情報を取得し、
前記アウトプット生体情報取得工程は、前記自動排泄情報取得工程に加え、バイタルサイン情報取得工程、及び、活動情報取得工程を含み、
前記バイタルサイン情報取得工程は、前記健康管理対象者のバイタルサイン情報を取得し、
前記活動情報取得工程は、前記健康管理対象者の活動情報を取得する、
付記9記載の健康管理方法。
(付記11)
さらに、記憶工程を含み、
前記記憶工程は、前記健康管理対象者毎に、前記インプット生体情報、前記アウトプット生体情報、及び、前記統合生体情報を記憶する付記9又は10記載の健康管理方法。
(付記12)
前記排泄情報は、標準排泄データを含み、
前記標準排泄データは、排泄一回毎に測定されるデータであり、
前記標準排泄データは、排泄者識別情報、排泄時刻情報、排泄時間情報、排泄量情報、排泄パターン情報、排泄物中の成分情報、排泄物臭気情報、排泄物性状情報、及び、排泄物中の異物情報を含む、付記9から11のいずれかに記載の健康管理方法。
(付記13)
さらに、推奨行動ガイド工程を含み、
前記推奨行動ガイド工程は、前記情報統合工程が統合した統合生体情報を基に、前記排泄情報に基づく推奨行動情報を生成し、
前記情報出力工程は、前記推奨行動情報を出力する、
付記12記載の健康管理方法。
(付記14)
前記推奨行動ガイド工程は、前記統合生体情報を基に、前記健康管理対象者の排泄時刻のパターンを失禁改善行動情報として生成し、
前記排泄情報に基づく推奨行動情報は、前記失禁改善行動情報を含む、
付記12又は13記載の健康管理方法。
(付記15)
前記推奨行動ガイド工程は、前記統合生体情報を基に、前記健康管理対象者の熱中症を予防するための適切水分摂取量を熱中症予防行動情報として生成し、
前記排泄情報に基づく推奨行動情報は、前記熱中症予防行動情報を含む、
付記13又は14記載の健康管理方法。
(付記16)
さらに、排泄日誌情報生成工程を含み、
前記排泄日誌情報生成工程は、前記情報統合工程が統合した統合生体情報を基に、前記排泄情報に基づき、前記健康管理対象者毎に排泄日誌情報を生成し、
前記情報出力工程は、前記排泄日誌情報を出力する、
付記9から15のいずれかに記載の健康管理方法。
(付記17)
コンピュータに、インプット生体情報取得手順、アウトプット生体情報取得手順、情報統合手順、情報管理手順、及び、情報出力手順を実行させることを特徴とするプログラム:
前記インプット生体情報取得手順は、健康管理対象者の身体へのインプット生体情報を取得し、
前記アウトプット生体情報取得手順は、前記健康管理対象者の身体からのアウトプット生体情報を取得し、
前記情報統合手順は、前記インプット生体情報及び前記アウトプット生体情報を統合して統合生体情報を生成し、
前記情報管理手順は、前記統合生体情報を、前記健康管理対象者毎に管理し、
前記情報出力手順は、前記健康管理対象者毎に管理された前記統合生体情報を出力し、
前記アウトプット生体情報取得手順は、自動排泄情報取得手順を含み、
前記自動排泄情報取得手順は、自動排泄情報測定装置が測定して得られる前記健康管理対象者の排泄情報を取得し、
前記情報統合手順は、前記インプット生体情報、及び、前記自動排泄情報取得手順で取得した前記健康管理対象者の排泄情報を含む前記アウトプット生体情報を統合して前記統合生体情報を生成する。
(付記18)
前記インプット生体情報取得手順は、摂取食物情報取得手順及び摂取飲料情報取得手順を含み、
前記摂取食物情報取得手順は、前記健康管理対象者が摂取した食物に関する情報を取得し、
前記摂取飲料情報取得手順は、前記健康管理対象者が摂取した飲料に関する情報を取得し、
前記アウトプット生体情報取得手順は、前記自動排泄情報取得手順に加え、バイタルサイン情報取得手順、及び、活動情報取得手順を含み、
前記バイタルサイン情報取得手順は、前記健康管理対象者のバイタルサイン情報を取得し、
前記活動情報取得手順は、前記健康管理対象者の活動情報を取得する、
付記17記載のプログラム。
(付記19)
さらに、記憶手順を含み、
前記記憶手順は、前記健康管理対象者毎に、前記インプット生体情報、前記アウトプット生体情報、及び、前記統合生体情報を記憶する付記17又は18記載のプログラム。
(付記20)
前記排泄情報は、標準排泄データを含み、
前記標準排泄データは、排泄一回毎に測定されるデータであり、
前記標準排泄データは、排泄者識別情報、排泄時刻情報、排泄時間情報、排泄量情報、排泄パターン情報、排泄物中の成分情報、排泄物臭気情報、排泄物性状情報、及び、排泄物中の異物情報を含む、付記17から19のいずれかに記載のプログラム。
(付記21)
さらに、推奨行動ガイド手順を含み、
前記推奨行動ガイド手順は、前記情報統合手順が統合した統合生体情報を基に、前記排泄情報に基づく推奨行動情報を生成し、
前記情報出力手順は、前記推奨行動情報を出力する、
付記20記載のプログラム。
(付記22)
前記推奨行動ガイド手順は、前記統合生体情報を基に、前記健康管理対象者の排泄時刻のパターンを失禁改善行動情報として生成し、
前記排泄情報に基づく推奨行動情報は、前記失禁改善行動情報を含む、
付記20又は21記載のプログラム。
(付記23)
前記推奨行動ガイド手順は、前記統合生体情報を基に、前記健康管理対象者の熱中症を予防するための適切水分摂取量を熱中症予防行動情報として生成し、
前記排泄情報に基づく推奨行動情報は、前記熱中症予防行動情報を含む、
付記21又は22記載のプログラム。
(付記24)
さらに、排泄日誌情報生成手順を含み、
前記排泄日誌情報生成手順は、前記情報統合手順が統合した統合生体情報を基に、前記排泄情報に基づき、前記健康管理対象者毎に排泄日誌情報を生成し、
前記情報出力手順は、前記排泄日誌情報を出力する、
付記17から23のいずれかに記載のプログラム。
(付記25)
付記9から16のいずれかに記載の健康管理方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
(付記26)
付記17から25のいずれかに記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(付記27)
排泄管理装置と、付記1から8のいずれかに記載の健康管理装置とを備え、
前記排泄管理装置と前記健康管理装置とは、システム外の通信回線網を介して接続可能であり、
前記排泄管理装置は、温度空間分布取得部、補正用温度情報取得部、排尿量推定部、排泄物臭気情報取得部、及び出力部を含み、
前記温度空間分布取得部は、
便器内の空間における温度の空間分布情報を取得し、
前記補正用温度情報取得部は、
便器の配置環境における環境温度及び排尿温度の少なくとも一方を取得し、
前記排尿量推定部は、
前記温度の空間分布情報に基づいて、仮排尿量を算出し、
前記仮排尿量を、前記環境温度及び前記排尿温度の少なくとも一方に基づいて、環境温度の補正係数及び排尿温度の補正係数の少なくとも一方で補正することにより、補正排尿量を推定排尿量として推定し、
前記環境温度の補正係数は、環境温度ごとに設定された、仮排尿量と実排尿量との相関関係を示す係数であり、
前記排尿温度の補正係数は、排尿温度ごとに設定された、仮排尿量と実排尿量との相関関係を示す係数であり、
前記排泄物臭気情報取得部は、
便器内の空間における臭気情報を取得し、
前記出力部は、
排泄情報として、前記推定排尿量および前記臭気情報を前記健康管理装置に出力し、
前記健康管理装置の前記自動排泄情報取得部は、前記排泄管理装置が測定して得られる前記健康管理対象者の排泄情報を、前記通信部を介して取得する前記健康管理装置の前記自動排泄情報取得部は、前記排泄管理装置が測定して得られる前記健康管理対象者の排泄情報を、前記通信部を介して取得する、健康管理システム。
【符号の説明】
【0144】
1 健康管理装置
11 インプット生体情報取得部
111 摂取食物情報取得部
112 摂取飲料情報取得部
12 アウトプット生体情報取得部
121 自動排泄情報取得部
122 バイタルサイン情報取得部
123 活動情報取得部
13 情報統合部
14 情報管理部
15 情報出力部
16 通信部
17 記憶部
18 推奨行動ガイド部
19 排泄日誌情報生成部
2 自動排泄情報取得装置(排泄管理装置)
20 温度空間分布取得部
21 補正用排尿温度情報取得部
22 排尿量推定部
23 記憶部
24 出力部
30 通信回線網
4 便器
40 便器本体
41 ボウル部
42 便座部
43 空間温度センサ
48 検査面
50 端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18