(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】半導体装置、および、半導体装置の実装構造
(51)【国際特許分類】
H01L 23/50 20060101AFI20231017BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20231017BHJP
H05K 3/34 20060101ALI20231017BHJP
【FI】
H01L23/50 F
H01L23/50 R
H05K1/02 Q
H05K3/34 501E
(21)【出願番号】P 2019115522
(22)【出願日】2019-06-21
【審査請求日】2022-05-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【氏名又は名称】小淵 景太
(72)【発明者】
【氏名】安武 一平
【審査官】高橋 優斗
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-228260(JP,A)
【文献】特開2006-287073(JP,A)
【文献】特開2016-213308(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L23/50
H05K1/00-1/02
H05K3/32-3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体装置と、前記半導体装置が実装される配線基板と、を備える半導体装置の実装構造であって、
前記半導体装置は、
半導体素子と、
厚さ方向視矩形状であり、かつ、前記半導体素子が搭載される搭載部、前記搭載部の4個の角からそれぞれ延びる4個の連結部、および、前記各連結部の先端にそれぞれ接続する4個の第1端子部を有する第1リードと、
前記厚さ方向視において、隣り合う前記第1端子部の間で、前記搭載部の各端縁に平行に並んでそれぞれ複数ずつ配置されている複数の第2リードと、
前記第1リードおよび前記各第2リードの少なくとも一部ずつを覆う封止樹脂と、
を備え、
前記搭載部は、前記半導体素子が搭載される搭載部主面と、前記厚さ方向において前記搭載部主面とは反対側を向く搭載部裏面とを有し、
前記各第1端子部の一部は、前記封止樹脂から露出しており、
前記連結部は、前記厚さ方向において、前記搭載部裏面と同じ側を向く連結部裏面を有し、
前記連結部裏面は、前記封止樹脂から露出し、
前記各第2リードは、前記封止樹脂から一部が露出する第2端子部と、前記第2端子部から前記搭載部に向かって延びる接続部とを有し、
前記連結部の、当該連結部が延びる方向および前記厚さ方向に直交する方向の寸法である連結部幅寸法は、当該連結部に隣接する前記第2リードの前記接続部の、当該接続部が延びる方向および前記厚さ方向に直交する方向の寸法である接続部幅寸法より大きく、
前記配線基板は、
前記搭載部裏面が接合される搭載部ランドと、
前記各第1端子部がそれぞれ接合される4個の第1端子部ランドと、
前記各第2端子部がそれぞれ接合される複数の第2端子部ランドと、
前記各連結部裏面がそれぞれ接合され、かつ、前記搭載部ランドと前記各第1端子部ランドとにそれぞれ接続する4個の接続配線と、
を備えている、
実装構造。
【請求項2】
前記複数の第2端子部ランドはいずれも、同じ形状である、
請求項1に記載の実装構造。
【請求項3】
前記連結部幅寸法は、前記接続部幅寸法の2倍以上である、
請求項1
または2に記載の
実装構造。
【請求項4】
前記連結部幅寸法は、0.2mm以上である、
請求項1
ないし3のいずれかに記載の
実装構造。
【請求項5】
前記連結部にそれぞれ隣接し、かつ、当該連結部を挟んで配置される2個の前記第2リード間の最小距離L1に対する、当該第2リードの一方と当該連結部との間の最小距離L2の割合は、1/4以下である、
請求項1ないし
4のいずれかに記載の
実装構造。
【請求項6】
前記搭載部裏面は前記封止樹脂から露出している、
請求項1ないし
5のいずれかに記載の
実装構造。
【請求項7】
前記連結部は、前記厚さ方向において、前記搭載部主面と同じ側を向く連結部主面を有し、
前記搭載部主面と前記連結部主面とは面一である、
請求項
1ないし6のいずれかに記載の
実装構造。
【請求項8】
前記第1端子部は、前記厚さ方向において、前記搭載部裏面と同じ側を向く第1端子部裏面を有し、
前記第1端子部裏面は前記封止樹脂から露出している、
請求項
1ないし7のいずれかに記載の
実装構造。
【請求項9】
前記第1端子部は、前記第1端子部裏面に直交し、かつ、前記封止樹脂から露出する第1端子部端面をさらに有する、
請求項
8に記載の
実装構造。
【請求項10】
前記連結部は、前記封止樹脂に覆われている、
請求項
1ないし
9のいずれかに記載の
実装構造。
【請求項11】
前記各第2リードの前記接続部が延びる方向は、前記第2端子部が延びる方向に対して傾斜しており、前記連結部に近い前記第2リードほど、当該傾斜が大きい、
請求項
1ないし10のいずれかに記載の
実装構造。
【請求項12】
前記連結部に隣接する前記第2リードの前記接続部が延びる方向は、当該連結部が延びる方向と略平行である、
請求項
1ないし11のいずれかに記載の
実装構造。
【請求項13】
前記各第2端子部ランドは、前記搭載部ランドに向かって延びており、
前記接続配線の、当該接続配線が延びる方向および前記厚さ方向に直交する方向の寸法である接続配線幅寸法は、当該接続配線に隣接する前記第2端子部ランドの、当該第2端子部ランドが延びる方向および前記厚さ方向に直交する方向の寸法である第2端子部ランド幅寸法より大きい、
請求項
1ないし12のいずれかに記載の実装構造。
【請求項14】
前記接続配線幅寸法は、前記第2端子部ランド幅寸法の2倍以上である、
請求項
13に記載の実装構造。
【請求項15】
前記接続配線幅寸法は、0.2mm以上である、
請求項
13または
14に記載の実装構造。
【請求項16】
前記接続配線にそれぞれ隣接し、かつ、当該接続配線を挟んで配置される2個の前記第2端子部ランドの最小距離L3に対する、当該第2端子部ランドの一方と当該接続配線の間の最小距離L4の割合は、1/4以下である、
請求項
13ないし
15のいずれかに記載の実装構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置、および、半導体装置の実装構造に関する。
【背景技術】
【0002】
配線基板に表面実装される半導体装置として、QFN(Quad Flat Non-leaded package)タイプの半導体装置が開発されている。特許文献1には、QFNタイプの半導体装置の一例が開示されている。QFNタイプの半導体装置は、4個の側面に沿ってそれぞれ複数の電極パッドが配置されている。また、QFNタイプの半導体装置は、裏面に、半導体素子が発する熱を放出するための放熱パッドが配置されているものがある。
【0003】
図17は、このような従来の半導体装置A100の底面図を示している。半導体装置A100は、半導体素子が搭載される第1リード1を封止樹脂5の裏面から露出させている。半導体装置A100は、配線基板に実装される際に、第1リード1の裏面が配線基板の放熱パッド用のランドに接続される。これにより、半導体素子の発する熱は、第1リード1を介して放熱パッド用のランドに伝えられて、放出される。
【0004】
一方、半導体装置A100の底面には、複数の第2リード2をそれぞれ封止樹脂5の裏面から露出させた電極パッドが配置されている。各第2リード2は、ボンディングワイヤ4によって半導体素子3に接続されている。複数の電極パッドは、4個の側面に沿って、それぞれ複数並んで配置されている。半導体装置A100は、配線基板に実装される際に、各電極パッドが配線基板の電極パッド用のランドにそれぞれ接続される。よって、電極パッド用のランドは、放熱パッド用のランドの周囲を囲むように配置されている。したがって、配線基板の表面上で、放熱パッド用のランドを広げたり、放熱パッド用のランドを囲む電極パッド用のランドの間から放熱パッド用のランドに接続する配線を設けることは困難であった。つまり、配線基板の表面における放熱面積を拡大させることは困難であり、配線基板の表面上に十分な放熱面積を確保できない場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、実装された配線基板の表面における放熱面積を確保可能な半導体装置を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によって提供される半導体装置は、半導体素子と、厚さ方向視矩形状であり、かつ、前記半導体素子が搭載される搭載部、前記搭載部の4個の角からそれぞれ延びる4個の連結部、および、前記各連結部の先端にそれぞれ接続する4個の第1端子部を有する第1リードと、前記厚さ方向視において、隣り合う前記第1端子部の間で、前記搭載部の各端縁に平行に並んでそれぞれ複数ずつ配置されている複数の第2リードと、前記第1リードおよび前記各第2リードの少なくとも一部ずつを覆う封止樹脂とを備える半導体装置であって、前記各第1端子部の一部は、前記封止樹脂から露出しており、前記各第2リードは、前記封止樹脂から一部が露出する第2端子部と、前記第2端子部から前記搭載部に向かって延びる接続部とを有し、前記連結部の、当該連結部が延びる方向および前記厚さ方向に直交する方向の寸法である連結部幅寸法は、当該連結部に隣接する前記第2リードの前記接続部の、当該接続部が延びる方向および前記厚さ方向に直交する方向の寸法である接続部幅寸法より大きい。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、半導体素子が搭載された搭載部は、幅寸法が大きい連結部を介して第1端子部に接続している。第1端子部の一部は封止樹脂から露出しているので、半導体装置を配線基板に実装する際に、第1端子部の露出部分を配線基板上のランドに接続することができる。これにより、本開示にかかる半導体装置は、半導体素子が発する熱を、連結部を介して、配線基板上の第1端子部が接続されたランドに放出することができる。第1端子部が接続されるランドは、第2リードが接続されるランドによって囲まれる領域より外側に拡張することができる。したがって、本開示にかかる半導体装置は、実装された配線基板の表面における放熱面積を確保可能である。
【0009】
本開示のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の第1実施形態にかかる半導体装置を示す平面図である。
【
図6】
図1に示す半導体装置の要部拡大平面図である。
【
図7】
図1に示す半導体装置を配線基板に実装した状態を示す平面図である。
【
図8】
図7のVIII-VIII線に沿う要部拡大断面図である。
【
図9】比較のための半導体装置を示す平面図である。
【
図10】比較のための半導体装置を比較のための配線基板に実装した状態を示す平面図である。
【
図11】(a)は比較のための半導体装置が実装された比較のための配線基板における温度分布を示す図であり、(b)は
図1に示す半導体装置が実装された配線基板における温度分布を示す図である。
【
図12】
図1に示す半導体装置を他の配線基板に実装した状態を示す要部拡大断面図である。
【
図13】本開示の第2実施形態にかかる半導体装置を示す底面図である。
【
図14】本開示の第2実施形態にかかる半導体装置を配線基板に実装した状態を示す要部拡大断面図である。
【
図15】本開示の第3実施形態にかかる半導体装置を示す底面図である。
【
図16】本開示の第3実施形態にかかる半導体装置を配線基板に実装した状態を示す要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の好ましい実施の形態を、添付図面を参照して具体的に説明する。
【0012】
〔第1実施形態〕
図1~
図6に基づき、本開示の第1実施形態にかかる半導体装置A1について説明する。半導体装置A1は、第1リード1、第2リード2、半導体素子3、ボンディングワイヤ4、および封止樹脂5を備えている。半導体装置A1は、いわゆるQFN(Quad Flat Non-leaded package)タイプのパッケージである。
【0013】
図1は、半導体装置A1を示す平面図である。
図2は、半導体装置A1を示す要部平面図である。
図3は、半導体装置A1を示す底面図である。
図4は、
図1のIV-IV線に沿う断面図である。
図5は、
図1のV-V線に沿う断面図である。
図6は、要部拡大平面図である。
図2および
図6においては、理解の便宜上、封止樹脂5を透過して、封止樹脂5の外形を想像線(二点鎖線)で示している。
【0014】
これらの図に示す半導体装置A1は、様々な機器の配線基板に表面実装される装置である。半導体装置A1の厚さ方向視の形状は矩形状である。説明の便宜上、半導体装置A1の厚さ方向をz方向とし、z方向に直交する半導体装置A1の一方の辺に沿う方向(
図1における左右方向)をx方向、z方向およびx方向に直交する方向(
図1における上下方向)をy方向とする。半導体装置A1の大きさは特に限定されず、本実施形態においては、たとえばx方向寸法が2~10mm程度、y方向寸法が2~10mm程度、z方向寸法が0.5~2mm程度である。
【0015】
第1リード1および第2リード2は、金属からなり、好ましくはCuおよびNiのいずれか、またはこれらの合金や42アロイなどからなる。本実施形態においては、第1リード1および第2リード2が、Cuからなる場合を例に説明する。第1リード1および第2リード2の厚さは、たとえば0.08~0.5mmであり、本実施形態においては0.125mm程度である。第1リード1および第2リード2は、たとえば、金属板にエッチング加工を施すことで形成されている。なお、第1リード1および第2リード2は、金属板に打ち抜き加工や折り曲げ加工等を施すことにより形成されてもよい。
【0016】
図2に示すように、第1リード1は、z方向視において、半導体装置A1の中央に配置され、半導体装置A1のx方向およびy方向の両端部まで広がっている。第1リード1は、半導体素子3を支持し、半導体素子3が発する熱を放熱する機能を担っている。なお、第1リード1は、半導体素子3と導通してもよい。第1リード1は、搭載部110、4個の第1端子部120、および4個の連結部130を備えている。
【0017】
搭載部110は、z方向視において、第1リード1の中央に位置し、z方向視略矩形状である。z方向視において、搭載部110の各辺は、x方向またはy方向に平行である。搭載部110は、搭載部主面111および搭載部裏面112を有する。搭載部主面111および搭載部裏面112は、z方向において互いに反対側を向いている。搭載部主面111は、
図4および
図5の上方を向く面である。搭載部主面111は、半導体素子3が搭載される面である。搭載部裏面112は、
図4および
図5の下方を向く面である。搭載部裏面112は、封止樹脂5から露出して、裏面端子になる。本実施形態では、搭載部主面111は、搭載部裏面112より大きい。なお、搭載部主面111と搭載部裏面112とが同じ大きさであってもよい。
【0018】
各第1端子部120は、z方向視において、半導体装置A1の4個の角にそれぞれ配置されている。各第1端子部120は、z方向視矩形状である。各第1端子部120は、第1端子部主面121、第1端子部裏面122、および2個の第1端子部端面123を有している。第1端子部主面121および第1端子部裏面122は、z方向において互いに反対側を向いている。第1端子部主面121は、
図4および
図5の上方を向く面である。第1端子部裏面122は、
図4および
図5の下方を向く面である。第1端子部端面123は、第1端子部主面121および第1端子部裏面122を繋ぐ面であり、第1端子部主面121および第1端子部裏面122に直交している。1個の第1端子部端面123はx方向外側を向いており、1個の第1端子部端面123はy方向外側を向いている。第1端子部裏面122および2個の第1端子部端面123は、それぞれ封止樹脂5から露出して繋がっており、端子になる(
図5参照)。
【0019】
各連結部130は、搭載部110と各第1端子部120とにそれぞれ繋がっている。各連結部130は、z方向視において、半導体装置A1の中央に位置する搭載部110の4個の角からそれぞれ放射状に延びて、半導体装置A1の4個の角にそれぞれ配置されている第1端子部120のいずれかに繋がっている。連結部130の厚さ(z方向の寸法)は、搭載部110の厚さの半分程度である。連結部130は、たとえばハーフエッチング処理により形成される。連結部130は、連結部主面131および連結部裏面132を有している。連結部主面131および連結部裏面132は、z方向において互いに反対側を向いている。連結部主面131は、
図4および
図5の上方を向く面である。連結部主面131、搭載部主面111、および第1端子部主面121は、面一の一体となった面になっている(
図2および
図5参照)。連結部裏面132は、
図4および
図5の下方を向く面である。
【0020】
第1リード1のうち、封止樹脂5から露出したすべての部分には、図示しない表層めっき層が形成されている。本実施形態においては、搭載部裏面112、第1端子部裏面122、および第1端子部端面123に表層めっき層が形成されている。表層めっき層は、第1リード1の母材よりもはんだ濡れ性が高い材質からなり、本実施形態においては、たとえばAuからなる。表層めっき層は、たとえば置換型の無電解めっきによって形成される。なお、表層めっき層は、形成されていなくてもよい。
【0021】
図2に示すように、複数の第2リード2は、z方向視において、半導体装置A1のx方向の両端部またはy方向の両端部に、互いに離間しつつ、それぞれ第1リード1から離間して配置されている。より具体的には、半導体装置A1のy方向の一方端(
図2において上側端)に配置された2個の第1端子部120の間に、複数の第2リード2が、搭載部110のy方向一方側(
図2において上側)の端縁に平行に一列に並んで配置されている。また、半導体装置A1のy方向の他方端(
図2において下側端)に配置された2個の第1端子部120の間に、複数の第2リード2が、搭載部110のy方向他方側(
図2において下側)の端縁に平行に一列に並んで配置されている。また、半導体装置A1のx方向の一方端(
図2において右側端)に配置された2個の第1端子部120の間に、複数の第2リード2が、搭載部110のx方向一方側(
図2において右側)の端縁に平行に一列に並んで配置されている。また、半導体装置A1のx方向の他方端(
図2において左側端)に配置された2個の第1端子部120の間に、複数の第2リード2が、搭載部110のx方向他方側(
図2において左側)の端縁に平行に一列に並んで配置されている。
【0022】
各第2リード2は、それぞれ、ボンディングワイヤ4を介して、半導体素子3と導通している。各第2リード2は、接続部210および第2端子部220を有している。
【0023】
第2端子部220は、z方向視矩形状であり、第2リード2において、第1リード1の搭載部110に対して反対側に配置されている。第2端子部220は、第2端子部主面221、第2端子部裏面222、および第2端子部端面223を有する。第2端子部主面221および第2端子部裏面222は、z方向において互いに反対側を向いている。第2端子部主面221は、
図4および
図5の上方を向く面である。第2端子部裏面222は、
図4および
図5の下方を向く面である。第2端子部端面223は、第2端子部主面221および第2端子部裏面222を繋ぐ面であり、第2端子部220において、第1リード1の搭載部110とは反対側を向いている。第2端子部裏面222および第2端子部端面223は、それぞれ封止樹脂5から露出して繋がっており、端子になる(
図4参照)。
【0024】
接続部210は、第2端子部220から第1リード1の搭載部110に向かって延びている。本実施形態では、搭載部110のy方向の両側の端縁に平行に並ぶ第2リード2は、x方向両端側に配置されたものほど、接続部210がy方向に対してより傾斜している。また、搭載部110のx方向の両側の端縁に平行に並ぶ第2リード2は、y方向両端側に配置されたものほど、接続部210がx方向に対してより傾斜している。これは、搭載部主面111に搭載された半導体素子3と各第2リード2の第2端子部220とをボンディングワイヤ4で接続しやすいようにするためである。本実施形態では、それぞれ最も両端側に配置された(連結部130に隣接した)第2リード2の接続部210は、隣接する連結部130の延びる方向に略平行に延びている。なお、各接続部210は、x方向またはy方向に対して傾斜していなくてもよい。
【0025】
接続部210の厚さ(z方向の寸法)は、第2端子部220の厚さの半分程度である。接続部210は、たとえばハーフエッチング処理により形成される。接続部210は、接続部主面211および接続部裏面212を有している。接続部主面211および接続部裏面212は、z方向において互いに反対側を向いている。接続部主面211は、
図4および
図5の上方を向く面である。接続部主面211は、ボンディングワイヤ4がボンディングされる面である。接続部主面211および第2端子部主面221は、互いに面一になっている(
図2および
図4参照)。接続部裏面212は、
図4および
図5の下方を向く面である。なお、接続部210の厚さは、第2端子部220の厚さと同じであってもよい。この場合、接続部裏面212および第2端子部裏面222が互いに面一になる。
【0026】
第2リード2のうち、封止樹脂5から露出したすべての部分には、図示しない表層めっき層が形成されている。本実施形態においては、第2端子部裏面222および第2端子部端面223に表層めっき層が形成されている。当該表層めっき層は、第1リード1の表層めっき層と同様であって、たとえばAuからなり、置換型の無電解めっきによって形成される。なお、表層めっき層は、形成されていなくてもよい。
【0027】
本実施形態では、
図6に示すように、第1リード1の連結部130の、当該連結部130が延びる方向およびz方向に直交する方向の寸法である連結部幅寸法W1は、十分大きくなっている。具体的には、連結部幅寸法W1は、当該連結部130に隣接する第2リード2の接続部210の、当該接続部210が延びる方向およびz方向に直交する方向の寸法である接続部幅寸法W2より大きく、接続部幅寸法W2の3倍程度になっている。なお、連結部幅寸法W1は限定されないが、接続部幅寸法W2の2倍以上であることが望ましい。本実施形態では、連結部幅寸法W1は、0.3mm程度である。なお、連結部幅寸法W1は、0.2mm以上であることが望ましい。
【0028】
また、本実施形態では、
図6に示すように、第1リード1の連結部130にそれぞれ隣接し、かつ、当該連結部130を挟んで配置される2個の第2リード2(の接続部210)間の最小距離L1は、十分大きくなっている。具体的には、最小距離L1は、当該第2リード2の一方と当該連結部130との間の最小距離L2の5倍程度になっている。なお、最小距離L1は限定されないが、最小距離L2の4倍以上であることが望ましい。すなわち、最小距離L1に対する最小距離L2の割合は、1/4以下であることが望ましい。
【0029】
半導体素子3は、半導体装置A1の電気的機能を発揮する要素である。半導体素子3の種類は特に限定されないが、各種の集積回路素子や能動機能素子、受動機能素子等が適宜選択される。
図1および
図2に示すように、本実施形態においては、半導体素子3は、z方向視矩形状である。
【0030】
半導体素子3は、素子主面31、素子裏面32、および複数の電極パッド33を有している。素子主面31および素子裏面32は、z方向において互いに反対側を向いている。素子主面31は、
図4および
図5の上方を向く面である。素子裏面32は、
図4および
図5の下方を向く面である。複数の電極パッド33は、
図2に示すように、素子主面31に配置されている。本実施形態では、矩形状の素子主面31の各端縁に沿ってそれぞれ1列に複数ずつ配置されている。なお、電極パッド33の配置は限定されない。半導体素子3は、第1リード1の搭載部主面111に搭載されている。具体的には、半導体素子3の素子裏面32が、接合材6によって、搭載部主面111に接合されている。接合材6は、一般的な絶縁性接合材または導電性接合材からなる。本実施形態においては、素子裏面32に電極パッドが配置されていないので、接合材6として、絶縁性接合材が用いられている。なお、素子裏面32に電極パッドが配置されており、当該電極パッドを第1リード1と導通させる場合には、接合材6として、導電性接合材が用いられる。
【0031】
複数のボンディングワイヤ4は、半導体素子3と第2リード2とを導通させるためのものである。本実施形態においては、半導体素子3の素子主面31に形成された複数の電極パッド33と、複数の第2リード2の接続部主面211とが、複数のボンディングワイヤ4によって各別に接続されている。ボンディングワイヤ4の材料は特に限定されず、Au、Al、Cu等が挙げられる。本実施形態においては、ボンディングワイヤ4は、たとえばAuからなる。
【0032】
封止樹脂5は、第1リード1および第2リード2の一部ずつと、半導体素子3と、ボンディングワイヤ4とを覆っている。封止樹脂5は、たとえば黒色のエポキシ樹脂からなる。なお、封止樹脂5の材料は限定されない。
【0033】
封止樹脂5は、樹脂主面51、樹脂裏面52、および樹脂側面53を有している。樹脂主面51および樹脂裏面52は、z方向において互いに反対側を向いている。樹脂主面51は、
図4および
図5の上方を向く面であり、樹脂裏面52は、
図4および
図5の下方を向く面である。樹脂側面53は、樹脂主面51および樹脂裏面52を繋ぐ面である。本実施形態では、樹脂側面53は4個あり、それぞれx方向またはy方向を向いている。
【0034】
封止樹脂5は、第1リード1のうち搭載部裏面112、第1端子部裏面122、および第1端子部端面123を除く部分を覆っている。搭載部裏面112、第1端子部裏面122、および第1端子部端面123は、封止樹脂5から露出している。搭載部裏面112および第1端子部裏面122は、樹脂裏面52と互いに面一である。第1端子部端面123は、樹脂側面53と互いに面一である。また、封止樹脂5は、各第2リード2のうち第2端子部裏面222および第2端子部端面223を除く部分を覆っている。第2端子部裏面222および第2端子部端面223は、封止樹脂5から露出している。第2端子部裏面222は、樹脂裏面52と互いに面一である。第2端子部端面223は、樹脂側面53と互いに面一である。
【0035】
次に、半導体装置A1の配線基板への実装について説明する。
図7および
図8は、配線基板9への半導体装置A1の実装構造を説明するための図である。
図7は、半導体装置A1を配線基板9に実装した状態を示す平面図である。
図8は、
図7のVIII-VIII線に沿う要部拡大断面図である。なお、
図7においては、半導体装置A1を透過して、半導体装置A1の外形を想像線(二点鎖線)で示している。
【0036】
配線基板9は、たとえばガラスエポキシ樹脂からなる基材に、たとえばCuからなる配線パターンを形成した基板である。なお、基材および配線パターンの材料は限定されない。
図7に示すように、配線基板9は、配線パターンとして、搭載部ランド91、第1端子部ランド92、第2端子部ランド93、接続配線94、および第2端子部接続配線95を備えている。
【0037】
搭載部ランド91は、矩形状のランドであり、各辺がx方向またはy方向に平行になるように配置されている。第1端子部ランド92は、搭載部ランド91の対角線を延長した線上に位置する矩形状のランドである。1個の搭載部ランド91に対して、当該搭載部ランド91を囲むように4個の第1端子部ランド92が配置されている。各第1端子部ランド92の各辺は、搭載部ランド91の各辺に平行になっている。つまり、各第1端子部ランド92の各辺は、x方向またはy方向に平行である。接続配線94は、搭載部ランド91と第1端子部ランド92とを接続する配線であり、搭載部ランド91の対角線方向に延びている。1個の搭載部ランド91に対して、4個の接続配線94が配置されており、各接続配線94は、搭載部ランド91と、4個の第1端子部ランド92のいずれかとに繋がっている。半導体装置A1において連結部130を配置するために、連結部130にそれぞれ隣接して当該連結部130を挟んで配置される2個の第2リード2の間隔(最小距離L1)は、十分大きくなっている。したがって、これら2個の第2リード2がそれぞれ接続される2個の第2端子部ランド93の間隔も十分大きくなっている。したがって、接続配線94は、当該2個の第2端子部ランド93の間に配置することができる。
【0038】
第2端子部ランド93は、搭載部ランド91に向かって延びる長矩形状であり、搭載部ランド91の周囲に複数配置されている。各第2端子部ランド93は、隣り合う2個の第1端子部ランド92の間で、互いに離間しつつ、それぞれ搭載部ランド91、第1端子部ランド92、および接続配線94から離間して配置されている。より具体的には、搭載部ランド91のy方向の一方側(
図7において上側)に配置された2個の第1端子部ランド92の間に、複数の第2端子部ランド93が、x方向に平行に一列に並んで配置されている。また、搭載部ランド91のy方向の他方側(
図7において下側)に配置された2個の第1端子部ランド92の間に、複数の第2端子部ランド93が、x方向に平行に一列に並んで配置されている。また、搭載部ランド91のx方向の一方側(
図7において右側)に配置された2個の第1端子部ランド92の間に、複数の第2端子部ランド93が、y方向に平行に一列に並んで配置されている。また、搭載部ランド91のx方向の他方側(
図7において左側)に配置された2個の第1端子部ランド92の間に、複数の第2端子部ランド93が、y方向に平行に一列に並んで配置されている。第2端子部接続配線95は、第2端子部ランド93に繋がる配線である。1個の第2端子部ランド93に対して1個の第2端子部接続配線95が配置されているので、第2端子部接続配線95は、第2端子部ランド93と同じ数だけ配置されている。各第2端子部接続配線95は、第2端子部ランド93に対して、搭載部ランド91とは反対側に延びている。
【0039】
本実施形態では、
図7に示すように、接続配線94の、当該接続配線94が延びる方向およびz方向に直交する方向の寸法である接続配線幅寸法W3は、十分大きくなっている。具体的には、接続配線幅寸法W3は、当該接続配線94に隣接する第2端子部ランド93の、当該第2端子部ランド93が延びる方向およびz方向に直交する方向の寸法である第2端子部ランド幅寸法W4より大きく、第2端子部ランド幅寸法W4の3倍程度になっている。なお、接続配線幅寸法W3は限定されないが、第2端子部ランド幅寸法W4の2倍以上であることが望ましい。本実施形態では、接続配線幅寸法W3は、0.3mm程度である。なお、接続配線幅寸法W3は、0.2mm以上であることが望ましい。
【0040】
また、本実施形態では、
図7に示すように、接続配線94にそれぞれ隣接し、かつ、当該接続配線94を挟んで配置される2個の第2端子部ランド93の間の最小距離L3は、十分大きくなっている。具体的には、最小距離L3は、当該第2端子部ランド93の一方と当該接続配線94との間の最小距離L4の5倍程度になっている。なお、最小距離L3は限定されないが、最小距離L4の4倍以上であることが望ましい。すなわち、最小距離L3に対する最小距離L4の割合は、1/4以下であることが望ましい。
【0041】
なお、搭載部ランド91、第1端子部ランド92、および第2端子部ランド93の形状は矩形状に限定されない。
【0042】
半導体装置A1は配線基板9に実装され、
図8に示すように、各端子が配線基板9に形成された配線パターンに、はんだ99によって接合される。搭載部ランド91には、第1リード1の搭載部裏面112が接合される。各第1端子部ランド92には、それぞれ、第1リード1のいずれかの第1端子部裏面122が接合される。各第2端子部ランド93には、それぞれ、いずれかの第2リード2の第2端子部裏面222が接合される。
【0043】
なお、搭載部ランド91および第1端子部ランド92は、たとえばビアホールによって、配線基板9の内部に配置された配線パターンや、反対側の面に形成された配線パターンに接続していてもよい。
【0044】
次に、半導体装置A1の作用効果について説明する。
【0045】
本実施形態によると、半導体装置A1は、封止樹脂5から露出する搭載部裏面112を搭載部ランド91に接続させて、配線基板9に実装される。半導体素子3は、搭載部110に搭載されている。搭載部ランド91は、接続配線94を介して、第1端子部ランド92に接続している。接続配線幅寸法W3は十分大きいので、半導体素子3が発する熱は、搭載部110、搭載部ランド91、および接続配線94を介して、第1端子部ランド92に伝えられて放出される。つまり、配線基板9の表面における放熱面積は、搭載部ランド91、接続配線94、および第1端子部ランド92を合わせた面積に拡大されている。したがって、半導体装置A1は、配線基板9の表面における放熱面積を確保可能である。
【0046】
また、本実施形態によると、半導体素子3が搭載された搭載部110は、連結部130を介して第1端子部120に接続している。第1端子部裏面122は、封止樹脂5から露出している。半導体装置A1は、第1端子部裏面122を第1端子部ランド92に接続させて、配線基板9に実装される。連結部幅寸法W1は十分大きいので、半導体素子3が発する熱は、搭載部110、連結部130、および第1端子部120を介して、配線基板9上の第1端子部ランド92に伝えられて放出される。つまり、半導体装置A1は、連結部130および第1端子部120によって、第1端子部ランド92への放熱をより促進できる。
【0047】
図9~
図11は、半導体装置A1が実装された配線基板9における放熱状態のシミュレーションを説明するための図である。
図9および
図10は、比較のための半導体装置A1’および配線基板9’を説明するための図であり、
図11はシミュレーション結果を示す図である。
【0048】
図9は、比較のための半導体装置A1’を示す平面図であり、
図1に対応する図である。
図9に示すように、半導体装置A1’は、半導体装置A1に対して、第1端子部120が配置されておらず、連結部130に代えて、吊りリード130’が配置されており、第2リード2が吊りリード130’の近くまで配置されている。
図10は、半導体装置A1’を配線基板9’に実装した状態を示す平面図であり、
図7に対応する図である。なお、
図10においては、半導体装置A1’を透過して、半導体装置A1’の外形を想像線(二点鎖線)で示している。
図10に示すように、配線基板9’は、配線基板9において、接続配線94が配置されていないものである。
【0049】
図11(a)は、半導体装置A1’が実装された配線基板9’において、半導体素子3を発熱させた後の温度分布を示す図である。
図11(b)は、半導体装置A1が実装された配線基板9において、半導体素子3を発熱させた後の温度分布を示す図である。
図11(a)に示すように、半導体装置A1’が実装された配線基板9’においては、搭載部ランド91(
図11(a)の中央付近)の温度だけが上昇している。一方、
図11(b)に示すように、半導体装置A1が実装された配線基板9においては、搭載部ランド91(
図11(b)の中央付近)の熱が第1端子部ランド92(
図11(b)の四隅付近)に伝えられて放出されている。これにより、半導体装置A1’が実装された配線基板9’(
図11(a)参照)と比較して、搭載部ランド91の温度が低下している。また、半導体装置A1’が実装された配線基板9’における熱抵抗が34.0℃/Wであったのに対して、半導体装置A1が実装された配線基板9における熱抵抗が27.7℃/Wであった。このことからも、熱抵抗が低下して、放熱効果が改善されていることが解る。
【0050】
また、本実施形態によると、連結部130に隣接した第2リード2の接続部210は、当該連結部130の延びる方向に略平行に延びている。したがって、連結部幅寸法W1をより大きくすることができる。
【0051】
また、本実施形態によると、第1端子部120は、樹脂側面53から露出する第1端子部端面123と、樹脂裏面52から露出する第1端子部裏面122とが繋がった端子を有する(
図5参照)。半導体装置A1を配線基板9に実装した場合、当該端子は配線基板9に形成された第1端子部ランド92に、はんだ99によって接合される。第1端子部端面123には、はんだ99によるはんだフィレットが形成される(
図8参照)ので、実装後の外観からでも、第1端子部120の接合状態を確認できる。また、第1端子部端面123に形成されたはんだフィレットにより、実装強度を高めることができる。
【0052】
なお、本実施形態では、第1端子部端面123および第2端子部端面223が、封止樹脂5の樹脂側面53と互いに面一である場合について説明したが、これに限られない。第1端子部端面123および第2端子部端面223は、樹脂側面53から突出していてもよいし、樹脂側面53から凹んでいてもよい。また、第1端子部端面123および第2端子部端面223は、平坦であってもよいし、湾曲していてもよいし、凹凸が形成されていてもよい。また、第1端子部端面123および第2端子部端面223の形状も限定されない。
【0053】
また、本実施形態では、搭載部裏面112を搭載部ランド91に接続する場合について説明したが、これに限られない。たとえば、
図12に示すように、配線基板9は、搭載部ランド91および接続配線94が形成されていなくてもよい。この場合でも、連結部130を介して搭載部110に接続される第1端子部120が、第1端子部ランド92に接続されているので、半導体素子3が発する熱は、搭載部110、連結部130、および第1端子部120を介して第1端子部ランド92に伝えられて放出される。したがって、第1端子部ランド92の面積を大きくすることで、配線基板9の表面における放熱面積を確保することができる。
【0054】
〔第2実施形態〕
図13および
図14に基づき、本開示の第2実施形態にかかる半導体装置A2について説明する。これらの図において、先述した半導体装置A1と同一または類似の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0055】
図13は、半導体装置A2を示す底面図であり、第1実施形態における
図3に対応する図である。
図14は、半導体装置A2を配線基板9に実装した状態を示す要部拡大断面図であり、第1実施形態における
図8に対応する図である。
【0056】
本実施形態にかかる半導体装置A2は、搭載部裏面112が封止樹脂5から露出していない点で半導体装置A1と異なる。本実施形態にかかる搭載部110は、厚さ(z方向の寸法)が、連結部130の厚さと同じであり、第1端子部120の厚さの半分程度である。搭載部110は、たとえばハーフエッチング処理により形成される。したがって、本実施形態では、搭載部裏面112が封止樹脂5から露出していない。
【0057】
本実施形態においても、連結部130を介して搭載部110に接続される第1端子部120が、第1端子部ランド92に接続されているので、半導体素子3が発する熱は、搭載部110、連結部130、および第1端子部120を介して第1端子部ランド92に伝えられて放出される。したがって、第1端子部ランド92の面積を大きくすることで、配線基板9の表面における放熱面積を確保することができる。
【0058】
〔第3実施形態〕
図15および
図16に基づき、本開示の第3実施形態にかかる半導体装置A3について説明する。これらの図において、先述した半導体装置A1と同一または類似の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0059】
図15は、半導体装置A3を示す底面図であり、第1実施形態における
図3に対応する図である。
図16は、半導体装置A3を配線基板9に実装した状態を示す要部拡大断面図であり、第1実施形態における
図8に対応する図である。
【0060】
本実施形態にかかる半導体装置A3は、連結部裏面132が封止樹脂5から露出している点で半導体装置A1と異なる。本実施形態にかかる連結部130は、厚さ(z方向の寸法)が、搭載部110および第1端子部120の厚さと同じである。連結部裏面132、搭載部裏面112、および第1端子部裏面122は、面一の一体となった面になっており、樹脂裏面52とも面一になっている。したがって、本実施形態では、連結部裏面132も封止樹脂5から露出している。
図16に示すように、連結部裏面132は、はんだ99によって接続配線94に接合される。
【0061】
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、本実施形態によると、連結部130の厚さが、第1実施形態にかかる連結部130より厚くなっている。これにより、連結部130は、搭載部110から第1端子部120により熱を伝えやすい。また、連結部裏面132が接続配線94に接続されているので、半導体素子3が発する熱は、連結部130から接続配線94へも伝えられる。したがって、半導体装置A3は、放熱をより促進できる。
【0062】
本開示にかかる半導体装置、および、半導体装置の実装構造は、先述した実施形態に限定されるものではない。本開示にかかる半導体装置、および、半導体装置の実装構造の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0063】
〔付記1〕
半導体素子と、
厚さ方向視矩形状であり、かつ、前記半導体素子が搭載される搭載部、前記搭載部の4個の角からそれぞれ延びる4個の連結部、および、前記各連結部の先端にそれぞれ接続する4個の第1端子部を有する第1リードと、
前記厚さ方向視において、隣り合う前記第1端子部の間で、前記搭載部の各端縁に平行に並んでそれぞれ複数ずつ配置されている複数の第2リードと、
前記第1リードおよび前記各第2リードの少なくとも一部ずつを覆う封止樹脂と、
を備える半導体装置であって、
前記各第1端子部の一部は、前記封止樹脂から露出しており、
前記各第2リードは、前記封止樹脂から一部が露出する第2端子部と、前記第2端子部から前記搭載部に向かって延びる接続部とを有し、
前記連結部の、当該連結部が延びる方向および前記厚さ方向に直交する方向の寸法である連結部幅寸法は、当該連結部に隣接する前記第2リードの前記接続部の、当該接続部が延びる方向および前記厚さ方向に直交する方向の寸法である接続部幅寸法より大きい、
半導体装置。
〔付記2〕
前記連結部幅寸法は、前記接続部幅寸法の2倍以上である、
付記1に記載の半導体装置。
〔付記3〕
前記連結部幅寸法は、0.2mm以上である、
付記1または2に記載の半導体装置。
〔付記4〕
前記連結部にそれぞれ隣接し、かつ、当該連結部を挟んで配置される2個の前記第2リード間の最小距離L1に対する、当該第2リードの一方と当該連結部との間の最小距離L2の割合は、1/4以下である、
付記1ないし3のいずれかに記載の半導体装置。
〔付記5〕
前記搭載部は、前記半導体素子が搭載される搭載部主面と、前記厚さ方向において前記搭載部主面とは反対側を向く搭載部裏面とを有し、
前記搭載部裏面は前記封止樹脂から露出している、
付記1ないし4のいずれかに記載の半導体装置。
〔付記6〕
前記連結部は、前記厚さ方向において、前記搭載部主面と同じ側を向く連結部主面を有し、
前記搭載部主面と前記連結部主面とは面一である、
付記5に記載の半導体装置。
〔付記7〕
前記第1端子部は、前記厚さ方向において、前記搭載部裏面と同じ側を向く第1端子部裏面を有し、
前記第1端子部裏面は前記封止樹脂から露出している、
付記5または6に記載の半導体装置。
〔付記8〕
前記第1端子部は、前記第1端子部裏面に直交し、かつ、前記封止樹脂から露出する第1端子部端面をさらに有する、
付記7に記載の半導体装置。
〔付記9〕
前記連結部は、前記封止樹脂に覆われている、
付記5ないし8のいずれかに記載の半導体装置。
〔付記10〕
前記連結部は、前記厚さ方向において、前記搭載部裏面と同じ側を向く連結部裏面を有し、
前記連結部裏面は、前記封止樹脂から露出している、
付記5ないし9のいずれかに記載の半導体装置。
〔付記11〕
前記各第2リードの前記接続部が延びる方向は、前記第2端子部が延びる方向に対して傾斜しており、前記連結部に近い前記第2リードほど、当該傾斜が大きい、
付記5ないし10のいずれかに記載の半導体装置。
〔付記12〕
前記連結部に隣接する前記第2リードの前記接続部が延びる方向は、当該連結部が延びる方向と略平行である、
付記5ないし11のいずれかに記載の半導体装置。
〔付記13〕
付記5ないし12のいずれかに記載の半導体装置と、前記半導体装置が実装される配線基板と、を備える半導体装置の実装構造であって、
前記配線基板は、
前記搭載部裏面が接合される搭載部ランドと、
前記各第1端子部がそれぞれ接合される4個の第1端子部ランドと、
前記各第2端子部がそれぞれ接合される複数の第2端子部ランドと、
前記搭載部ランドと前記各第1端子部ランドとにそれぞれ接続する4個の接続配線と、
を備えている、
実装構造。
〔付記14〕
前記各第2端子部ランドは、前記搭載部ランドに向かって延びており、
前記接続配線の、当該接続配線が延びる方向および前記厚さ方向に直交する方向の寸法である接続配線幅寸法は、当該接続配線に隣接する前記第2端子部ランドの、当該第2端子部ランドが延びる方向および前記厚さ方向に直交する方向の寸法である第2端子部ランド幅寸法より大きい、
付記13に記載の実装構造。
〔付記15〕
前記接続配線幅寸法は、前記第2端子部ランド幅寸法の2倍以上である、
付記14に記載の実装構造。
〔付記16〕
前記接続配線幅寸法は、0.2mm以上である、
付記14または15に記載の実装構造。
〔付記17〕
前記接続配線にそれぞれ隣接し、かつ、当該接続配線を挟んで配置される2個の前記第2端子部ランドの最小距離L3に対する、当該第2端子部ランドの一方と当該接続配線の間の最小距離L4の割合は、1/4以下である、
付記14ないし16のいずれかに記載の実装構造。
【符号の説明】
【0064】
A1~A3:半導体装置
1 :第1リード
110 :搭載部
111 :搭載部主面
112 :搭載部裏面
120 :第1端子部
121 :第1端子部主面
122 :第1端子部裏面
123 :第1端子部端面
130 :連結部
131 :連結部主面
132 :連結部裏面
2 :第2リード
210 :接続部
211 :接続部主面
212 :接続部裏面
220 :第2端子部
221 :第2端子部主面
222 :第2端子部裏面
223 :第2端子部端面
3 :半導体素子
31 :素子主面
32 :素子裏面
33 :電極パッド
4 :ボンディングワイヤ
5 :封止樹脂
51 :樹脂主面
52 :樹脂裏面
53 :樹脂側面
6 :接合材
9 :配線基板
91 :搭載部ランド
92 :第1端子部ランド
93 :第2端子部ランド
94 :接続配線
95 :第2端子部接続配線
99 :はんだ