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特許7368076リップル補償器とそれを含むデータ駆動回路及び半導体装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】リップル補償器とそれを含むデータ駆動回路及び半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H03K 19/00 20060101AFI20231017BHJP
   H04L 25/02 20060101ALI20231017BHJP
【FI】
H03K19/00 210
H04L25/02 R
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2018094290
(22)【出願日】2018-05-16
(65)【公開番号】P2019029991
(43)【公開日】2019-02-21
【審査請求日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】10-2017-0094323
(32)【優先日】2017-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 成 俊
(72)【発明者】
【氏名】辛 鐘 信
【審査官】及川 尚人
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-099772(JP,A)
【文献】特開平03-205683(JP,A)
【文献】米国特許第06424570(US,B1)
【文献】特開2006-113516(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0294381(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0274394(US,A1)
【文献】米国特許第06430067(US,B1)
【文献】特開平10-079191(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 19/00ー19/096
H04L 25/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力データを受信すると共に第1ノードを介して第1電源電圧の供給を受け、前記入力データを駆動して出力データを生成するデータ駆動回路と、
前記第1ノードに連結され、前記データ駆動回路と並列に前記入力データを受信して前記入力データのパターンに対応するように補償電流を生成し、前記生成された補償電流を前記第1ノードに供給して前記第1電源電圧のリップルを低減させるリップル補償器と、を具備し、
前記リップル補償器は、
第2電源電圧と第2ノードとの間に連結されてダイオード連結構造を有する第1トランジスタと、
前記入力データを受信するバッファと、
前記第2ノードと前記バッファの出力端との間に連結された補償キャパシタと、を含み、
前記補償電流は、前記第1ノードに印加される電圧と前記入力データの立ち上がり遷移によってそのレベルが上昇する前記第2ノードの電圧との間のレベル差に基づいて生成され、
外部から並列データを受信するN個の回路ブロックを含み、駆動電源として第2電源電圧の供給を受けるロジック回路(ここで、Nは2以上の整数)と、
前記ロジック回路から出力される並列データを直列データに変換し、前記変換された直列データを入力データとして前記データ駆動回路に提供するシリアライザと、
前記N個の回路ブロックの各々における消耗電流による前記第2電源電圧のリップルを低減させるために、前記N個の回路ブロックに対応して配置され、前記ロジック回路と並列に前記外部からの並列データを受信するN個のリップル補償器と、を更に具備することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記リップル補償器は、前記入力データのパターンに遷移が生じるときにのみ前記補償電流を生成することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記データ駆動回路は、前記入力データの立ち上がりエッジのタイミングで交流電流を消費し、
前記リップル補償器は、前記入力データの立ち上がりエッジに同期して前記補償電流を生成することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記データ駆動回路によって消費される交流電流のレベルと前記リップル補償器で生成される前記補償電流のレベルとは、互いに同一であることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記バッファは、第3電源電圧によって駆動され、
前記第2ノードの電圧レベルは、
前記入力データがロジックローに対応するとき、前記第2電源電圧に相当するレベルを有し、
前記入力データがロジックハイに遷移するとき、前記第2電源電圧と前記第3電源電圧との和から前記第1トランジスタの閾値電圧を減算した値に相当するレベルに上昇することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第2電源電圧と前記第3電源電圧とは、互いに同一レベルの電源電圧であることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1ノードと前記第2ノードとの間に連結されてダイオード連結構造を有する第2トランジスタを更に含み、
前記補償電流は、前記第2トランジスタを介して前記第1ノードに供給されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記補償キャパシタは、制御信号に応答して前記第2ノードの電圧レベルの立ち上がりに関与するキャパシタンスを調節するための1以上のキャパシタを含む可変補償キャパシタを含み、
前記半導体装置は、
前記第1ノードに供給される前記第1電源電圧のレベルを検出するレベル検出器と、
前記検出された結果に応じて前記制御信号を生成するキャパシタンス制御器と、を更に具備することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記データ駆動回路は、並列データに該当する入力データを駆動するためのN個のドライバを含み(ここで、Nは2以上の整数)、
前記リップル補償器は、前記N個のドライバに対応して配置されたN個のリップル補償器を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記入力データは、互いに相補的なロジックレベルを有する差動データを含み、
前記データ駆動回路は、前記差動データに対応する第1データドライバ及び第2データドライバを含み、
前記リップル補償器は、前記第1データドライバに対応して配置された第1リップル補償器と、前記第2データドライバに対応して配置された第2リップル補償器と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記半導体装置は、1以上のIP(intellectual property)ブロックを含むアプリケーションプロセッサであり、
前記データ駆動回路及び前記リップル補償器は、前記IPブロック内に配置されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項12】
入力データを受信すると共に第1ノードを介して第1電源電圧の供給を受け、前記第1電源電圧と接地電圧との間のレベル変化を有する信号の処理動作を介して出力データを生成する1以上のデータドライバと、
補償電流を供給する経路を介して前記第1ノードに連結されたリップル補償器と、を具備し、
前記リップル補償器は、
前記入力データを受信する1以上のバッファと、
前記バッファの出力端に連結され、前記入力データの遷移に応答して第2ノードの電圧レベルを変動させる補償キャパシタと、を含み、
前記第1ノードと前記第2ノードとの間の電圧レベル差に基づいて前記補償電流を前記第1ノードに供給し、
前記リップル補償器は、前記第1電源電圧とは異なる第2電源電圧によって駆動され、
前記第1電源電圧及び電源電流は、外部の電力ソースから前記第1ノードに供給され、
前記入力データのパターンに対応して前記データドライバで発生する消費電流は、前記リップル補償器で生成される前記補償電流のうちの少なくとも一部から供給され、
前記リップル補償器は、
前記第2電源電圧と前記第2ノードとの間に連結された第1トランジスタと、
前記第2ノードと前記補償電流を供給する経路との間に連結された第2トランジスタと、を更に含み、
前記補償キャパシタは、前記バッファの出力端と前記第2ノードとの間に連結され、
外部から並列データを受信するN個の回路ブロックを含み、駆動電源の供給を受けるロジック回路(ここで、Nは2以上の整数)と、
前記ロジック回路から出力される並列データを直列データに変換し、前記変換された直列データを入力データとして前記データドライバに提供するシリアライザと、
前記N個の回路ブロックの各々における消耗電流による前記駆動電源のリップルを低減させるために、前記N個の回路ブロックに対応して配置され、前記ロジック回路と並列に前記外部からの並列データを受信するN個のリップル補償器と、を更に具備することを特徴とするデータ駆動回路。
【請求項13】
前記第1トランジスタ及び第2トランジスタの各々は、ダイオード連結構造を有することを特徴とする請求項12に記載のデータ駆動回路。
【請求項14】
前記第2電源電圧は、第1レベル(Lev1)を有し、
前記バッファは、第2レベル(Lev2)を有する第3電源電圧によって駆動され、
前記第1トランジスタは、第1閾値電圧レベル(Vth1)を有し、
前記第2ノードの電圧レベルは、
前記入力データがロジックロー状態であると、(Lev1-Vth1)に相当するレベルを有し、
前記入力データがロジックハイに遷移すると、(Lev1+Lev2-Vth1)に相当するレベルに上昇することを特徴とする請求項12に記載のデータ駆動回路。
【請求項15】
前記補償キャパシタは、キャパシタンスの調節のための1以上のキャパシタを含み、
前記キャパシタンスは、前記第1ノードの電圧レベルの検出結果に基づいて調節されることを特徴とする請求項12に記載のデータ駆動回路
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リップル補償器に関し、より詳細には、電源電圧のリップルを低減させるリップル補償器とそれを含むデータ駆動回路及び半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、半導体装置は、電源電圧と接地電圧との間のレベル変化を有して信号を処理する回路ブロックを含む。一例として、半導体装置は、信号処理単位として回路ブロックを多数個含む。半導体装置に具備されるデータ駆動回路の例を挙げると、データ駆動回路は、入力データに応答して電源電圧と接地電圧との間のレベル変化を有する出力データを生成する。
【0003】
回路ブロックは、所定レベルを有する電源電圧によって駆動され、回路ブロックの信号処理過程において、スイッチング電流(switching current)が発生する。このとき、スイッチング電流は、半導体装置のパッケージモデルのようなパワー分散ネットワーク(PDN:power distributed network)のインピーダンスの影響によって電源電圧のリップルを引き起こす原因になるが、電源電圧にリップルが発生すると、信号処理特性が低下するという問題が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、電源電圧のリップルを低減させることによって信号処理特性を向上させるリップル補償器とそれを含むデータ駆動回路及び半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による半導体装置は、入力データを受信すると共に第1ノードを介して第1電源電圧の供給を受け、前記入力データを駆動して出力データを生成するデータ駆動回路と、前記第1ノードに連結され、前記データ駆動回路と並列に前記入力データを受信して前記入力データのパターンに対応するように補償電流を生成し、前記生成された補償電流を前記第1ノードに供給して前記第1電源電圧のリップルを低減させるリップル補償器と、を具備することを特徴とする。
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるデータ駆動回路は、入力データを受信すると共に第1ノードを介して第1電源電圧の供給を受け、前記第1電源電圧と接地電圧との間のレベル変化を有する信号の処理動作を介して出力データを生成する1以上のデータドライバと、補償電流を供給する経路を介して前記第1ノードに連結されたリップル補償器と、を具備し、前記リップル補償器は、前記入力データを受信する1以上のバッファと、前記バッファの出力端に連結され、前記入力データの遷移に応答して第2ノードの電圧レベルを変動させる補償キャパシタと、を含み、前記第1ノードと前記第2ノードとの間の電圧レベル差に基づいて前記補償電流を前記第1ノードに供給することを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるリップル補償器は、入力データのパターンによって消費電流を発生する回路ブロックの第1ノードに連結されたリップル補償器であって、第1電源電圧が印加されるノードと補償ノードとの間に配置された第1ダイオードと、前記回路ブロックと並列に前記入力データを受信し、第2電源電圧によって駆動されるバッファと、前記バッファの出力端と前記補償ノードとの間に連結された補償キャパシタと、を具備し、前記補償ノードと前記回路ブロックの第1ノードとの間の電圧レベル差に基づいて生成される補償電流を前記回路ブロックに供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のリップル補償器とそれを含むデータ駆動回路及び半導体装置によれば、回路設計の複雑度が増大することを防止し、大きい電力消費なしに入力データのパターンに応じて適応的に電源電圧のリップルを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態による半導体装置を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態による半導体システムを示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態を適用したアプリケーションプロセッサの一具現例を示すブロック図である。
図4】リップル補償器の一具現例を示すブロック図である。
図5】リップル補償器の一具現例を示す回路図である。
図6図5に示したリップル補償器による各種信号の波形を示す波形図である。
図7】本発明の一実施形態によるリップル補償器を適用した場合の電源電圧のリップルを低減した例を示す波形図である。
図8】本発明の他の実施形態によるデータ駆動回路の動作方法を示すフローチャートである。
図9】本発明の一実施形態によるデータ駆動回路の動作方法を示すフローチャートである。
図10】本発明の他の実施形態によるリップル補償器を示す回路図である。
図11】本発明の更に他の実施形態によるリップル補償器の具現例を示す回路図である。
図12】リップル補償器に具備されるトランジスタをPMOSによって適用した例を示す回路図である。
図13】入力データが並列データに該当する場合のリップル補償例を示す半導体装置のブロック図である。
図14】異なる周波数で動作する回路ブロックに対してリップル補償器を適用した例を示すブロック図である。
図15】可変キャパシタを利用した適応的リップル補償動作を遂行する一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態による半導体装置100を示すブロック図である。
【0012】
半導体装置は、CMOS(complementary metal-oxide semiconductor)ロジックやシリアルリンク(serial link)など、電源電圧と接地電圧との間のレベル変化を有して信号を処理する1以上の回路ブロックを含む。一例として、半導体装置は、外部から受信されたデータを処理し、処理されたデータを半導体装置内部の他の回路ブロックに提供する受信器を回路ブロックとして含む。また、半導体装置は、内部で生成されたデータを処理し、処理されたデータを半導体装置の外部に提供する送信器を回路ブロックとして含む。それら以外にも、半導体装置は、多様な周波数によって入力される入力データを処理する他の多様な回路ブロックを含み、以下の実施形態において、回路ブロックは、スイッチング電流に起因する電流消費をする点で、電流消費回路(current consumption circuit)とも称される。
【0013】
図1を参照すると、半導体装置100は、回路ブロック110及びリップル補償器120を含む。回路ブロック110は所定機能による信号処理を行う信号処理回路であって、回路ブロック110が入力データDATA_INを受信してそれを処理する場合、回路ブロック110は、データ駆動回路又はデータ処理回路として定義される。
【0014】
回路ブロック110は、入力データDATA_INを受信し、信号処理動作を介して第1電源電圧(VDDint)と接地電圧との間のレベル変化を有する出力データDATA_OUTを生成する。一例として、回路ブロック110は、データドライバなどのCMOSロジックを含み、入力データDATA_INのパターンに応じてロジックロー又はロジックハイを有する出力データDATA_OUTを生成する。
【0015】
リップル補償器120は、回路ブロック110に提供される入力データDATA_INを共に受信する。一例として、入力データDATA_INは、回路ブロック110及びリップル補償器120に並列に提供され、回路ブロック110が受信する入力データDATA_INのエッジ(又は、遷移)タイミングとリップル補償器120が受信する入力データDATA_INのエッジ(又は、遷移)タイミングとは、実質的に同一である。本発明の実施形態の説明において、時間、タイミング、電圧、レベルなどが実質的に同一であるという意味は、例えば構成要素、工程、動作環境、及び各種多様な要因によって生じる許容可能な誤差を含むということを示す。
【0016】
リップル補償器120は第2電源電圧VDDの供給を受ける。第2電源電圧VDDは第1電源電圧VDDintとは別個の電源に該当する。一実施形態によると、半導体装置100の内部には、多様なレベルの電源電圧を発生させる電源発生器(図示せず)が具備され、第1電源電圧VDDintと第2電源電圧VDDとは、互いに異なる電源電圧である。また、第1電源電圧VDDintと第2電源電圧VDDとは、電気的に互いに絶縁される。
【0017】
また、それぞれ異なる2以上の外部電源ソースが半導体装置100に提供され、半導体装置100は、供給された外部電源ソースを利用して多数の電源電圧を生成する。一実施形態によると、第1電源電圧VDDintと第2電源電圧VDDとは、互いに異なる外部電源ソースによって生成された電源電圧である。或いは、第1電源電圧VDDintと第2電源電圧VDDとは、同一外部電源ソースを利用して生成された電源電圧である。第1電源電圧VDDintと第2電源電圧VDDとは、その電圧レベルが同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0018】
半導体装置100はその外部のPMIC(power management integrated circuit)(図示せず)から電源電流(例えば、AC(alternating current)+DC(direct current)電源電流Ipmic)が供給され、回路ブロック110の駆動電源に利用される第1電源電圧VDDintは電源電圧ノードaに印加される。第1電源電圧VDDintのレベルは、電源電流Ipmic及び半導体装置100内のインピーダンス成分によって影響を受ける。ここで、回路ブロック110で生じる消費電流Iintが電源電流Ipmicから供給される場合には、入力データDATA_INのパターンにより電源電流Ipmicのレベルが急激に低下し、それにより第1電源電圧VDDintにリップルが発生する。回路ブロック110の信号処理特性を向上させるためには、入力データDATA_INのデータパターンに関係なく第1電源電圧VDDintのリップルが最小化される必要がある。
【0019】
リップル補償器120は、第1電源電圧VDDintのリップルを最小化させるために、補償電流(例えば、AC補償電流Iaprc)を、電源電圧ノードaを介して回路ブロック110に供給する。本実施形態によると、リップル補償器120は、入力データDATA_INの遷移(transition)が生じると、選択的に補償電流Iaprcを回路ブロック110に提供する。即ち、回路ブロック110において、入力データDATA_INのパターンに対応する消費電流Iintが生じると、消費電流Iintは、リップル補償器120で生成される補償電流Iaprcから供給される。
【0020】
一動作例として、リップル補償器120は、入力データDATA_INを受信し、入力データDATA_INのエッジ(立ち上がりエッジ(rising edge)及び/又は立ち下りエッジ(falling edge))を検出し、検出結果に基づいて補償電流Iaprcを回路ブロック110に供給する。或いは他の動作例として、リップル補償器120は、入力データDATA_INのレベル遷移によってその電圧レベルが変わる少なくとも1つのノード(例えば、補償ノード)を含み、補償ノードの電圧と第1電源電圧VDDintとの間のレベル差に起因して生じる補償電流Iaprcを回路ブロック110に供給する。
【0021】
上述の実施形態によると、回路ブロック110で生じる消費電流Iintが別個の電源電圧VDDを利用するリップル補償器120の補償電流Iaprcから供給されるため、電源電流Ipmicのレベル変動が最小化され、それにより第1電源電圧VDDintのリップルが低減される。また、入力データDATA_INの遷移が生じたときにのみ、選択的に補償電流Iaprcが回路ブロック110に供給されるため、大きい電力を追加して要求することなく、少ない頻度の補償動作によって第1電源電圧VDDintのリップルが最小化される。
【0022】
半導体装置100は、図1に示した回路ブロック110以外にも、所定信号処理単位としての回路ブロックを多数個具備する。一実施形態によると、一部の回路ブロックと異なる他の一部の回路ブロックは、異なる動作周波数で動作する。本実施形態によるリップル補償器は、回路ブロックのそれぞれに対応して配置される。この場合、リップル補償器は、対応して配置された回路ブロックと同一の入力データを受信するため、それぞれの回路ブロックの動作周波数に対応する補償動作を遂行する。
【0023】
上述の実施形態では、図1に示した構成が半導体装置に該当し、回路ブロック110がデータ駆動回路に該当するとして説明したが、本発明で開示する各種構成は、多様に定義される。一例として、図1に示した構成がデータ駆動回路に該当し、回路ブロック110がデータドライバに該当し、リップル補償器120がデータ駆動回路に含まれると定義してもよい。或いは、回路ブロック110がデータ駆動回路又はデータドライバに該当し、リップル補償器120がデータ駆動回路又はデータドライバの外部に配置される構成であると定義してもよい。
【0024】
図2は、本発明の一実施形態による半導体システムを示すブロック図である。図2において、半導体システムはメモリシステム200に該当し、メモリシステム200はメモリコントローラ210とメモリ装置220とを具備する。
【0025】
メモリ装置220は、多種のメモリを含む。一例として、メモリ装置220は揮発性メモリを含み、揮発性メモリは、DDR SDRAM(double data rate synchronous dynamic random access memory)、LPDDR(low power double data rate) SDRAM、GDDR(graphics double data rate) SDRAM、RDRAM(rambus dynamic random access memory)のような、動的DRAM(dynamic random access memory)である。
【0026】
或いは、メモリ装置220は、電源が遮断されても保存されたデータを維持する不揮発性メモリを含む。一例として、不揮発性メモリは、NANDフラッシュメモリ若しくはNORフラッシュメモリを含むか、又はMRAM(magnetic random access memory)、ReRAM(resistive random access memory)、FeRAM(ferroelectric random access memory)、PCM(phase change memory)などの多種の揮発性メモリを含む。
【0027】
メモリコントローラ210は制御ロジック211及び第1インターフェース回路212を含み、メモリコントローラ210は、第1インターフェース回路212を介して各種信号をメモリ装置220に提供し、書き込み及び読み取りなどのメモリ動作を制御する。例えば、メモリコントローラ210は、メモリ動作を制御するためのコマンドCMDを、第1インターフェース回路212を介してメモリ装置220に提供する。また、メモリコントローラ210は、第1インターフェース回路212を介してクロック信号CLKをメモリ装置220に提供し、書き込みデータDATA_Wをメモリ装置220に提供するか又は読み取りデータDATA_Rをメモリ装置220から受信する。
【0028】
メモリ装置220は、メモリセルアレイ221及び第2インターフェース回路222を含む。メモリ装置220は、第2インターフェース回路222を介してメモリコントローラ210からコマンドCMD及びクロック信号CLKを受信する。また、メモリ装置220は、第2インターフェース回路222を介して書き込みデータDATA_Wを受信するか又は読み取りデータDATA_Rをメモリコントローラ210に提供する。
【0029】
本実施形態によると、第1インターフェース回路212及び第2インターフェース回路222のそれぞれは、伝送されるか又は伝送されたデータを処理するためのデータ駆動回路(図示せず)を含む。また、データ駆動回路で生じる電源電圧のリップルを低減させるために、第1インターフェース回路212は第1リップル補償器212_1を含み、第2インターフェース回路222は第2リップル補償器222_1を含む。
【0030】
一実施形態によると、第1インターフェース回路212は多数個のデータ駆動回路を含み、第1リップル補償器212_1はデータ駆動回路のそれぞれに対応して配置される。それと同一であるか又は類似して、第2インターフェース回路222は多数個のデータ駆動回路を含み、第2リップル補償器222_1はデータ駆動回路のそれぞれに対応して配置される。それ以外にも、第1インターフェース回路212及び第2インターフェース回路222のそれぞれはコマンドCMD及びクロック信号CLKを処理するための回路ブロックを含み、第1リップル補償器212_1及び第2リップル補償器222_1はコマンドCMD及びクロック信号CLKを処理するための回路ブロックに対応して配置される。
【0031】
一実施形態によると、第1インターフェース回路212はデータ駆動回路としてデータ送信器を含み、第1リップル補償器212_1はデータ送信器に対応して配置される。データ書き込み動作時、メモリコントローラ210内において、書き込みデータDATA_Wはデータ送信器と第1リップル補償器212_1とに並列に提供され、第1リップル補償器212_1は、書き込みデータDATA_Wのエッジを検出し、それにより補償電流をデータ送信器の電源電圧ノードに供給する。即ち、第1リップル補償器212_1は、書き込みデータDATA_Wのパターンによって遷移が生じると、選択的に補償電流をデータ送信器の電源電圧ノードに供給する。
【0032】
メモリ装置220の第2インターフェース回路222はデータ駆動回路としてデータ受信器を含み、メモリコントローラ210から提供された書き込みデータDATA_Wはデータ受信器と第2リップル補償器222_1とに並列に提供される。第2リップル補償器222_1は、書き込みデータDATA_Wのエッジを検出し、それにより補償電流を第2インターフェース回路222のデータ受信器の電源電圧ノードに供給する。
【0033】
それと類似して、データ読み取り動作の場合を例として挙げると、メモリ装置220の第2インターフェース回路222はデータ駆動回路としてデータ送信器を含み、メモリ装置220のメモリセルアレイ221から読み取られた読み取りデータDATA_Rはデータ送信器と第2リップル補償器222_1とに並列に提供される。第2リップル補償器222_1は、読み取りデータDATA_Rのエッジを検出し、それにより補償電流をデータ送信器の電源電圧ノードに供給する。また、上述の実施形態と同一であるか又は類似して、メモリコントローラ210の第1インターフェース回路212は読み取りデータDATA_Rを受信するデータ受信器及びそれに対応する第1リップル補償器212_1を含み、読み取りデータDATA_Rはデータ受信器と第1リップル補償器212_1とに並列に提供され、上述の実施形態による補償電流生成動作が遂行される。
【0034】
図3は、本発明の一実施形態を適用したアプリケーションプロセッサの一具現例を示すブロック図である。
【0035】
データを駆動する半導体装置の一例として、アプリケーションプロセッサ(AP:application processor)310は、1以上の周辺装置と通信する。アプリケーションプロセッサ310は、システムオンチップ(SoC:system on chip)によって具現される。データ処理システム300は、アプリケーションプロセッサ310と共に、1以上の周辺装置としてメモリ装置320及びRF(radio frequency)チップ330を含む。図3に示していないが、他種の周辺装置がデータ処理システム300に更に具備される。図3のデータ処理システム300は多種の電子装置であり、一例として、データ処理システム300は、PC(personal computer)、データサーバ、ネットワーク-結合ストレージ(NAS:network-attached storage)、IoT(internet of things)装置、又は携帯用電子機器に該当する。また、携帯用電子機器は、ラップトップコンピュータ、移動電話機、スマートフォン、タブレットPC、PDA(personal digital assistant)、EDA(enterprise digital assistant)、デジタルスチールカメラ、デジタルビデオカメラ、オーディオ装置、PMP(portable multimedia player)、PND(personal navigation device)、MP3プレーヤ、携帯用ゲームコンソール(handheld game console)、電子書籍(e-book)、ウェアラブル機器などである。
【0036】
システムオンチップ(SoC)は、所定の標準バス規格を有するプロトコルが適用されたシステムバス(図示せず)を含み、システムバスに連結された各種IP(intellectual property:ここでは、再利用可能なシステムLSIの機能ブロックを指す)を含む。システムバスの標準規格として、ARM(Advanced RISC Machine)社のAMBA(Advanced Microcontroller Bus Architecture)プロトコルが適用される。AMBAプロトコルのバスタイプには、AHB(Advanced High-Performance Bus)、APB(Advanced Peripheral Bus)、AXI(Advanced eXtensible Interface)、AXI4、ACE(AXI Coherency Extensions)などが含まれる。それら以外にも、ソニック社(SONICs Inc.)のuNetworkやIBMのCoreConnect、OCP-IPのオープンコアプロトコル(Open Core Protocol)などの他タイプのプロトコルが適用される。
【0037】
アプリケーションプロセッサ310は、メモリコントロールユニット311を含む。また、アプリケーションプロセッサ310は、モデムモジュール312を更に含み、アプリケーションプロセッサ310がモデム機能を遂行することにより、ModAPとも称される。それ以外にも、アプリケーションプロセッサ310は、1以上のIP313を更に含む。
【0038】
メモリコントロールユニット311はメモリ装置320とインターフェースし、モデムモジュール312は外部のチップとしてRFチップ330とインターフェースする。メモリコントロールユニット311は第1インターフェース回路311_1を含み、第1インターフェース回路311_1は上述の実施形態による第1リップル補償器311_11を含む。それと類似して、モデムモジュール312は第2インターフェース回路312_1を含み、第2インターフェース回路312_1は上述の実施形態による第2リップル補償器312_11を含む。図示していないが、IP313も外部装置とインターフェースし、本実施形態によるリップル補償器は、IP313内にも具備される。
【0039】
また、メモリ装置320はアプリケーションプロセッサ310とインターフェースする第3インターフェース回路321を含み、第3インターフェース回路321は上述の実施形態による第3リップル補償器321_1を含む。また、RFチップ330はアプリケーションプロセッサ310とインターフェースする第4インターフェース回路331を含み、第4インターフェース回路331は上述の実施形態による第4リップル補償器331_1を含む。
【0040】
メモリコントロールユニット311の第1リップル補償器311_1及びメモリ装置320の第3リップル補償器321_1は、メモリ動作に関する各種信号のうちの少なくとも1つの信号処理に関連して上述の実施形態によるリップル補償動作を遂行する。例えば、メモリコントロールユニット311の第1インターフェース回路311_1はデータDATAを駆動するための1以上のデータ駆動回路を含み、第1リップル補償器311_1はそれぞれのデータ駆動回路に対応して配置される。それと類似して、メモリ装置320の第3インターフェース回路321は1以上のデータ駆動回路を含み、第3リップル補償器321_1はそれぞれのデータ駆動回路に対応して配置される。
【0041】
モデムモジュール312の第2インターフェース回路312_1は、基底帯域の(ベースバンド)信号をRFチップ330との間で送受信する。一例として、モデムモジュール312の第2インターフェース回路312_1は、RFチップ330との間で、基底帯域のデータDATA及びクロック信号CLKを送受信する。本実施形態によると、第2インターフェース回路312_1はデータDATAを処理するための1以上のデータ駆動回路を含み、第2リップル補償器312_11は第2インターフェース回路312_1のデータ駆動回路のそれぞれに対応して配置される。それと類似して、第4インターフェース回路331はモデムモジュール312との間で送受信されるデータDATAを処理するための1以上のデータ駆動回路を含み、第4リップル補償器331_1はそれぞれのデータ駆動回路に対応しても配置される。
【0042】
以下、本発明の一実施形態によるリップル補償器の具現例について説明する。
【0043】
図4及び図5は、リップル補償器の一具現例を示すブロック図及び回路図である。
【0044】
図4を参照すると、半導体装置400は、上述の消費電流Iintが生じる回路ブロックとしてデータ駆動回路410を含み、データ駆動回路410に対応して配置されたリップル補償器420を含む。データ駆動回路410は、入力データDATA_INに対する信号処理動作を遂行し、電源電圧ノードaに印加された第1電源電圧VDDintと接地電圧との間のレベル変化を有する出力データDATA_OUTを生成する。また、電源電流Ipmicが電源電圧ノードaを介してデータ駆動回路410に提供され、データ駆動回路410内で入力データDATA_INのパターンによって消費電流Iintが生じる。入力データDATA_INが不規則なパターンを有することにより、電源電流Ipmicのレベルが不規則に変動し、それにより第1電源電圧VDDintのレベルが揺れるリップルが発生する。
【0045】
リップル補償器420は、入力データDATA_INを受信し、第2電源電圧VDDの供給を受ける。第2電源電圧VDDは、上述の実施形態のようにデータ駆動回路410に提供される電源電圧VDDintとは別個に生成された電圧である。リップル補償器420は、その内部に位置する補償ノードbを含み、補償ノードbに印加される補償電圧Vcpのレベルを増幅するための増幅器421を含む。また、リップル補償器420は、補償電流Iaprcの電流方向を制御するための1以上の回路素子を更に含み、一例として図4には、第2電源電圧VDDと補償ノードbとの間に連結されたダイオードと、補償ノードbと電源電圧ノードaとの間に連結されたダイオードと、を含む。それにより、補償電流Iaprcは、リップル補償器420から電源電圧ノードaへの一方向に供給される。
【0046】
入力データDATA_INはデータパターンによってロジックロー状態及びロジックハイ状態を有し、補償電圧Vcpは第2電源電圧VDDに対応するレベルを有する。増幅器421は、入力データDATA_INのパターンに応じた増幅動作を遂行し、一例として入力データDATA_INがロジックロー状態からロジックハイ状態に変わるタイミングに応答して補償電圧Vcpのレベルを増幅する。それにより、増幅された補償電圧Vcpと第1電源電圧VDDintとの間にレベル差が生じ、レベル差による補償電流Iaprcが電源電圧ノードaに供給される。即ち、入力データDATA_INのパターンによってデータ駆動回路410で消費電流Iintが生じても、補償電流Iaprcにより電源電流Ipmicのレベル変動が最小化され、それにより第1電源電圧VDDintのリップルが低減されるか又は除去される。
【0047】
望ましくは、データ駆動回路410によって消費される交流電流のレベル、及びリップル補償器420によって生成される補償電流Iaprcのレベルは、実質的に同一である。その場合、消費電流Iintは、リップル補償器420によって生成された補償電流Iaprcから少なくとも一部分が供給される。
【0048】
図4のリップル補償器の更に具体的な構成及び動作について、図5及び図6を参照して説明すると、次の通りである。図6は、図5に示したリップル補償器による各種信号の波形を示す波形図である。
【0049】
図5を参照すると、データ駆動回路410は入力データDATA_INを受信する1以上のデータドライバ411を含み、データドライバ411は第1電源電圧VDDintと接地電圧との間に連結される。また、図5では、データ駆動回路410内に形成された寄生抵抗成分Rpar及び寄生キャパシタ成分Cparを更に図示する。
【0050】
半導体装置400は、半導体パッケージによって具現され、パッケージ(PKG)モデル430によるLRC成分が存在する。図5では、パッケージ(PKG)モデルによる抵抗成分Rpkg、インダクタンス成分Lpkg、及びキャパシタンス成分Cpkgを図示する。外部の電力ソースからの電圧VDDpmicによる電源電流Ipmicが電源電圧ノードaを介してデータ駆動回路410に供給される。上述の通り、データ駆動回路410で消費電流Iintが生じるとき、パッケージ(PKG)モデルのインダクタンス成分Lpkgによって電源電圧ノードaに印加される第1電源電圧VDDintにリップルが発生する。
【0051】
一実施形態によると、リップル補償器420は、電源電圧ノードaに電気的に連結される。リップル補償器420から電源電圧ノードaへの電気的経路は、補償経路とも称される。リップル補償器420は1以上のトランジスタとして第1トランジスタMN1及び第2トランジスタMN2を含み、上述の増幅器421は1以上のバッファ421_1及び補償キャパシタCcpを含む。第2電源電圧VDDは、ダイオード連結された第1トランジスタMN1を介して補償ノードbに供給される。また、補償ノードbは、第2トランジスタMN2を介して電源電圧ノードaに連結される。リップル補償器420に供給される第2電源電圧VDDは、バッファ421_1を駆動する駆動電圧に利用される。
【0052】
リップル補償器420は、データ駆動回路410の駆動電源として第1電源電圧VDDintとは異種の第2電源電圧VDDを利用して補償電流(又は、補償電荷Iaprc)を生成し、それを電源電圧ノードaに供給する方式で第1電源電圧VDDintのリップルを補償する。また、リップル補償器420は、バッファ421_1及び補償キャパシタCcpを利用してチャージポンプ方式で補償電流を生成する。
【0053】
一動作例として、第1トランジスタMN1の閾値電圧がVth1に該当する場合、補償ノードbに印加される補償電圧Vcpは、VDD-Vth1に該当するレベルを有する。そして、入力データDATA_INの立ち上がりエッジにおいて、その電圧レベルがロジックローからロジックハイに遷移されることによりバッファ421_1の出力端のノード(又は、キャパシタCcpの一電極c)の電圧レベルが上昇し、一例としてバッファ421_1が第2電源電圧VDDによって駆動される場合、出力端のノードcは、第2電源電圧VDDのレベルに上昇する。また、補償キャパシタCcpにより補償ノードbの電圧レベルが上昇し、一例として補償電圧VcpはVDD-Vth1+VDDに該当するレベルに上昇する。それにより、電源電圧ノードaと補償ノードbとの間の電圧レベル差によって補償電流Iaprcが第2トランジスタMN2及び電源電圧ノードaを介してデータ駆動回路410に供給される。
【0054】
その後、入力データDATA_INの立ち下りエッジで電圧レベルがロジックハイからロジックローに遷移されることにより、補償電圧VcpのレベルはVDD-Vth1に戻り、それにより電源電圧ノードaへの補償電流Iaprcの供給が中断する。
【0055】
図6は、図5に示したリップル補償器による各種信号の波形を示す波形図であり、図5の実施形態で説明した動作に対応する各種信号の波形を示す。図6に示すように、入力データDATA_INの立ち上がりエッジでデータ駆動回路410による消費電流Iintが増加し、それにより第1電源電圧VDDintのリップルが引き起こされるが、本実施形態により、入力データDATA_INのパターンに基づいて補償電圧Vcpのレベルが変動し、それにより補償電流Iaprcが生成される。本実施形態によると、データ駆動回路410が消費する瞬間的なAC電流が、電源電流Ipmicから供給されるのではなく、リップル補償器420で生成された補償電流Iaprcから供給されるため、電源電流Ipmicのレベル変動が最小化され、第1電源電圧VDDintのリップルが最小化される。
【0056】
図5の実施形態では、第1トランジスタMN1の一電極に供給される第2電源電圧VDDがバッファ421_1の駆動電源に利用される例を図示したが、本実施形態は、それに限られるものではない。一例として、第1トランジスタMN1の一電極に供給される電源電圧とバッファ421_1の駆動電源に利用される電源電圧とは互いに異なる種類の電源電圧であり、その電圧レベルは異なってもよい。
【0057】
図7は、本発明の一実施形態によるリップル補償器を適用した場合の電源電圧のリップルを低減した例を示す波形図である。
【0058】
図5及び図7を参照すると、補償キャパシタCcpの容量は、電源電圧ノードaに供給される補償電流Iaprcの量を決定する。図7では、補償キャパシタCcpの容量(又は、キャパシタンス)により、電源電圧に生じるリップルの程度を示す波形を例示し、例えば、キャパシタンスが0、C1、C1+α、C1+2αに該当する場合のリップル特性を示す。
【0059】
図7に示すグラフで、横軸は時間を示し、縦軸は電源電圧VDDintのレベルを示す。先ず、キャパシタンスが0pFに該当するということは、本実施形態によるリップル補償器が適用されない場合に該当し、図示するように、第1電源電圧VDDintに生じるリップルの幅が相対的に大きくなる。一方、リップル補償器が適用された場合には、第1電源電圧VDDintに生じるリップルの量が低減する。例えば、相対的に小さいキャパシタンスC1を有する補償キャパシタCcpが適用された場合、補償電流Iaprcによるリップル補償量が相対的に少なく、それにより第1電源電圧VDDintに生じるリップルの低減程度は相対的に小さい。一方、相対的に大きいキャパシタンスC1+2αを有する補償キャパシタCcpが適用された場合、補償電流Iaprcによる補償量が相対的に多くなり、それにより第1電源電圧VDDintに生じるリップルの低減程度は相対的に大きくなる。半導体装置のパッケージモデルなどによって第1電源電圧VDDintに生じるリップルの大きさが異なり、半導体装置の出荷前テスト過程を介して第1電源電圧VDDintに生じるリップルの大きさが測定され、測定結果に基づいて補償キャパシタCcpのキャパシタンスが決定される。
【0060】
図8及び図9は、本発明の実施形態によるデータ駆動回路の動作方法を示すフローチャートである。図8及び図9の実施形態について説明するにあたり、データ駆動回路は、データドライバ及び上述の実施形態によるリップル補償器を含むと仮定する。
【0061】
図8を参照すると、データ駆動回路に入力データが提供され(ステップS11)、入力データはデータ駆動回路内のデータドライバに提供され、データドライバは入力データのパターンによって消費電流を発生させる。また、データ駆動回路に含まれるリップル補償器に入力データが並列に提供される(ステップS12)。同一データがデータドライバ及びリップル補償器に並列に提供されるため、リップル補償器は受信された入力データのパターンによるエッジを検出し(ステップS13)、それによりデータドライバで消費電流が生じるタイミングが検出される。
【0062】
リップル補償器は、後述する図10に示すように、入力データのパターンに応じてスイッチングを遂行する回路を含み、また補償電流(又は、補償電荷)を生成してデータドライバの電源電圧ノードに供給する電流ソースを含む。一実施形態によると、リップル補償器は、入力データのエッジに応答してターンオンされるか又はターンオフされるスィッチを含む。より具体的に、データドライバ内において、入力データの立ち上がりエッジで消費電流が大きく生じるとき、リップル補償器のスイッチは、入力データの立ち上がりエッジに応答して補償電流をスイッチングする。即ち、リップル補償器は、補償電流をスイッチングしてデータドライバの電源電圧ノードに補償電流を供給する(ステップS14)。
【0063】
図9を参照すると、上述のように、データ駆動回路に入力データが提供され(ステップS21)、入力データはデータ駆動回路内のデータドライバに提供される。また、データ駆動回路に含まれるリップル補償器に入力データが並列に提供される(ステップS22)。リップル補償器は1以上のバッファを含み、リップル補償器にはデータドライバの電源電圧とは異なる電源電圧(例えば、外部電源電圧)が供給される。外部電源電圧は、リップル補償器内の補償ノードに印加される(ステップS23)。
【0064】
リップル補償器は、チャージポンプ動作に基づいて補償電流を生成する。一例として、リップル補償器は補償ノードに連結された補償キャパシタを含み、リップル補償器に提供される入力データのパターンにより、補償ノードの電圧レベルがチャージポンプ動作に基づいて上昇する(ステップS24)。また、チャージポンプ動作により、補償ノードの電圧は、データドライバの電源電圧ノードに印加される電圧よってそのレベルが上昇する。それにより、補償ノードとデータドライバの電源電圧ノードとの間に電圧レベル差が生じ、レベル差に応じた補償電流が電源電圧ノードに供給される。
【0065】
上述のように、本発明の実施形態によると、電流消費回路で生じる消費電流が異種の電源に起因して生成される補償電流を介して供給される。また、上述の実施形態により電源電圧のリップルが低減されるため、シリアライザ、駆動ドライバ、CDR(clock and data recovery)回路のようなデータ処理を行う多種のロジック回路に対して、本実施形態によるリップル補償器が採用される。
【0066】
以下、本発明の実施形態によるリップル補償器及びそれを含む半導体装置の多様な回路具現例について説明する。
【0067】
図10は、本発明の他の実施形態によるリップル補償器を示す回路図である。
【0068】
図10を参照すると、リップル補償器500は、半導体装置に具備される多種の回路ブロックに電気的に連結され、一例として回路ブロックに電源電圧を供給する電源ラインの1ノードに連結される。リップル補償器500は電流ソース510及びスイッチ520を含み、電流ソース510からの補償電流Iaprcがスイッチ520を介して対応する(又は、リップルが補償される)回路ブロックに供給される。リップル補償器500は電源電圧VDDによって駆動され、電源電圧VDDは対応する回路ブロックで利用される電源電圧(図示せず)と異なる種類の電源電圧に該当する。
【0069】
上述の実施形態と類似して、リップル補償器500は、対応する回路ブロックと同一の入力データDATA_INを受信する。スイッチ520は、入力データDATA_INのデータパターンに対応するスイッチ動作を遂行し、一例として入力データDATA_INの立ち上がりエッジに応答してターンオフ状態からターンオン状態に変動する。スイッチ520がターンオンされることにより、電流ソース510からの補償電流Iaprcが対応する回路ブロックに提供され、スイッチ520がターンオンされるタイミングと同一であるか又は類似したタイミングで生じる回路ブロックの消費電流は、補償電流Iaprcから供給される。
【0070】
図10に示した実施形態では、スイッチ520が入力データDATA_INの立ち上がりエッジに応答してターンオンされるように説明したが、本発明の実施形態は、それに限られるものではない。一例として、入力データDATA_INの立ち下りエッジに応答してスイッチ520がターンオンされるように回路が具現される。或いは、追加のスイッチ(図示せず)が更に具備され、それを介して入力データDATA_INの立ち上がりエッジ及び立ち下りエッジにおいていずれもスイッチ520がターンオンされるように回路が具現される。回路ブロックが入力データDATA_INの立ち上がり遷移又は立ち下り遷移に対していずれも消費電流を有する場合、入力データDATA_INの立ち上がり遷移時又は立ち下り遷移時のいずれもリップルが補償される。
【0071】
図11は、本発明の更に他の実施形態によるリップル補償器の具現例を示す回路図である。
【0072】
図11を参照すると、リップル補償器600は、上述の実施形態による補償電流生成のための多種の回路素子を含み、一例として、リップル補償器600は、1以上のバッファ(又は、インバータ)、補償キャパシタ(Ccp1、Ccp2)、1以上のNMOSトランジスタ(MN1、MN2、MN3)、高電圧印加ノードcに連結されたキャパシタCcap、及び電流を駆動するための1以上のPMOSトランジスタ(MP1、MP2)を含む。リップル補償器600は、低周波数クロック信号を受信するバッファ611及びバッファの出力端に連結されたインバータ612を含む。1以上のNMOSトランジスタ(MN1、MN2、MN3)は、それぞれダイオード連結構造を有し、電源電圧VDDと高電圧印加ノードcとの間に直列に連結される。第1補償キャパシタCcp1の1ノードはNMOSトランジスタMN1とMN2との間のノードに連結され、第2補償キャパシタCcp2の1ノードはNMOSトランジスタMN2とMN3との間のノードに連結される。
【0073】
上述の実施形態のように、バッファ611及びインバータ612の駆動動作により、補償キャパシタ(Ccp1、Ccp2)によるブースティング動作が遂行され、それにより高電圧印加ノードcに印加される電圧VDDhighのレベルが上昇する。そして、電流ソースとして動作する第1PMOSトランジスタMP1を介して補償電流Iaprcが生成され、補償電流Iaprcは、入力データDATA_INに応答する第2PMOSトランジスタMP2のスイッチング動作によって対応する回路ブロックに提供され、回路ブロックの電源電圧に生じるリップルを低減させる。
【0074】
図12は、リップル補償器に具備されるトランジスタをPMOSによって適用した例を示す回路図である。
【0075】
図12を参照すると、リップル補償器700は、1以上のトランジスタとして第1PMOSトランジスタMP1及び第2PMOSトランジスタMP2を含む。また、リップル補償器700は、1以上のバッファ711及び補償キャパシタCcpを含む。第1PMOSトランジスタMP1及び第2PMOSトランジスタMP2のそれぞれはダイオード連結構造を有し、電源電圧VDDは、ダイオード連結された第1PMOSトランジスタMP1を介して補償ノードbに提供される。また、補償ノードbは、第2PMOSトランジスタMP2を介して対応する回路ブロックの電源電圧ノードに連結される。
【0076】
図12に示した実施形態によると、第1PMOSトランジスタMP1及び第2PMOSトランジスタMP2の閾値電圧のレベルがNMOSトランジスタに比べて低いため、補償ノードbに印加される補償電圧のレベル低下が最小化される。また、補償キャパシタCcpによって補償電圧のレベルが上昇し、第2PMOSトランジスタMP2を介して供給される補償電流Iaprcの電流レベル低下が最小化される。
【0077】
図13は、入力データが並列データに該当する場合のリップル補償例を示す半導体装置のブロック図である。
【0078】
図13では、入力データDATA_INが20ビットの並列データに該当する例を図示する。しかし、本発明の実施形態は、他のビット数の並列データについても同一に適用される。
【0079】
図13を参照すると、半導体装置800は多種の回路ブロックを含み、一例として、半導体装置800は、ロジック回路810、シリアライザ820、及びドライバ830を含む。半導体装置800は、上述の実施形態によるリップル補償器を1以上含み、図13では、それぞれのデータビットに対応してリップル補償器が配置された例を図示する。それにより、半導体装置800は、第1リップル補償器841_1~第20リップル補償器841_20を更に含む。
【0080】
ドライバ830は、上述の実施形態におけるデータドライバ又はデータ駆動回路に該当する。ロジック回路810は、20ビットの並列データIN[0]~IN[19]に該当する入力データDATA_INを受信し、相対的に低い動作周波数で駆動される。例えば、ロジック回路810は20本のデータラインを介して入力データDATA_INを受信し、それぞれのデータラインは対応する入力データDATA_INによるデータパターンを有する。即ち、20本のデータラインを介して提供される入力データDATA_INは、それぞれのデータライン毎に異なるデータパターンを有する。
【0081】
一実施形態によると、第1リップル補償器841_1~第20リップル補償器841_20が20ビットの並列データIN[0]~IN[19]に対応して配置され、それぞれのリップル補償器は、対応するデータラインの入力データDATA_INを処理する回路ブロックに補償電流Iaprcを供給する。例えば、ロジック回路810は、20ビットの並列データIN[0]~IN[19]をそれぞれ処理するために20個の回路ブロックを含み、第1リップル補償器841_1~第20リップル補償器841_20のそれぞれは、対応する回路ブロックで生じた電源電圧のリップルを補償する。即ち、第1リップル補償器841_1~第20リップル補償器841_20は、それぞれ異なるタイミングで補償電流Iaprc[0~19]を対応する回路ブロックに提供する。
【0082】
シリアライザ820は、20ビットの並列データIN[0]~IN[19]を受信し、それを処理して直列データを生成する。即ち、シリアライザ820は、データを1ビットずつ順次にドライバ830に提供する。ドライバ830は、上述の実施形態による処理動作を介して出力データDATA_OUTを生成する。
【0083】
図13に示した例では、20ビットの並列データIN[0]~IN[19]を説明したが、本発明の実施形態によると、Mビットの並列データを処理するロジック回路に対応してM個のリップル補償器が配置される。そして変更可能な例により、Mビットの並列データのうちの一部のデータに対応してM個未満のリップル発生器のみが配置される。
【0084】
図14は、異なる周波数で動作する回路ブロックに対してリップル補償器を適用した例を示すブロック図である。
【0085】
図14を参照すると、半導体装置900は、ロジック回路910、シリアライザ920、及びドライバ930を含み、上述の実施形態のように、ロジック回路910は、20ビットの並列データIN[0]~IN[19]に該当する入力データDATA_INを受信すると仮定する。そして、シリアライザ920は、20ビットの並列データIN[0]~IN[19]を受信し、それを処理して直列データを生成し、一例として、シリアライザ920は、差動データ(INP、INN)に該当する直列データを生成する。それにより、シリアライザ920は、差動データ(INP、INN)を伝達する2本のデータラインを介してドライバ930に直列データを提供する。
【0086】
上述の実施形態と同様に、半導体装置900は、20ビットの並列データIN[0]~IN[19]を処理するロジック回路910に対応して第1リップル補償器941_1~第20リップル補償器941_20を更に含む。20ビットの並列データIN[0]~IN[19]は第1リップル補償器941_1~第20リップル補償器941_20に提供され、第1リップル補償器941_1~第20リップル補償器941_20のそれぞれは対応するデータのパターンに応じて補償電流をロジック回路910に提供する。
【0087】
半導体装置900は、差動データ(INP、INN)を処理するドライバ930に対応して第1リップル補償器951_1及び第2リップル補償器951_2を更に含む。第1リップル補償器951_1は、第1差動データINNを受信し、第1差動データINNのパターンに応じて上述の実施形態による補償電流を生成する。第2リップル補償器951_2は、第2差動データINPを受信し、第2差動データINPのパターンに応じて上述の実施形態による補償電流を生成する。ドライバ930は、差動データ(INP、INN)に対する処理動作を介して出力データDATA_OUT(OUTP/OUTN))を生成する。
【0088】
差動データ(INP、INN)は、互いに相補的なロジックレベルを有し、それにより第1リップル補償器951_1及び第2リップル補償器951_2は、交互に補償電流を対応する回路ブロックに供給する。一例として、ドライバ930は、第1差動データINNを処理する第1回路ブロック及び第2差動データINPを処理する第2回路ブロックを含み、第1回路ブロック及び第2回路ブロックは、交互に補償電流の供給を受ける。ロジック回路910は相対的に低い周波数で動作し、一方ドライバ930は相対的に高い周波数で動作する。
【0089】
上述のような実施形態によると、リップル補償器がモジュール形式に具現されてそれぞれの回路ブロックに対応して配置され、それにより異なる周波数で動作する回路ブロックに対して、共にリップル補償が行われる。
【0090】
図15は、可変キャパシタを利用した適応的リップル補償動作を遂行する一例を示すブロック図である。
【0091】
上述の実施形態のように、補償ノードの電圧レベルの立ち上がりに利用される補償キャパシタのキャパシタンスによって補償電流の大きさが調節される。図15を参照すると、半導体装置1000は、データ駆動回路1010及びリップル補償器1020を含み、電源電圧ノードaに印加される第1電源電圧VDDintの電圧レベルを検出するレベル検出器1030と、補償キャパシタのキャパシタンスを調節するための制御信号Ctrl[1:L]を生成するキャパシタンス制御器1040と、を更に含む。
【0092】
リップル補償器1020は、1以上の補償キャパシタ及び対応するスイッチ(SW1~SWL)を含む。図15には図示していないが、リップル補償器1020は、入力データDATA_INを受信する1以上のバッファ(図示せず)を含み、入力データDATA_INのパターンに応じて補償ノードbに印加される補償電圧Vcpのレベルが上昇する。また、補償キャパシタのキャパシタンスによって補償電圧Vcpのレベルの立ち上がり程度が調節され、それにより補償電流Iaprcのレベルが調節される。
【0093】
一実施形態によると、レベル検出器1030は、周期的又は非周期的に第1電源電圧VDDintのレベルを検出し、検出結果によって第1電源電圧VDDintに生じるリップル程度が判断される。一実施形態によると、半導体装置1000は初期動作時にテスト過程を介して第1電源電圧VDDintのレベルを検出し、キャパシタンス制御器1040は検出結果に基づいて制御信号Ctrl[1:L]を生成する。リップル補償器1020に具備されたスイッチ(SW1~SWL)が制御信号Ctrl[1:L]に基づいてターンオン又はターンオフが制御され、その後の半導体装置1000の正常動作時に、制御信号Ctrl[1:L]によって調節されたキャパシタンスによって上述の実施形態によるリップル補償動作が行われる。
【0094】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、、本発明の技術範囲から逸脱しない範囲で多様に変更実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明のリップル補償器とそれを含むデータ駆動回路及び半導体装置は、例えば電子装置関連の技術分野に効果的に適用可能である。
【符号の説明】
【0096】
100、400、800、900、1000 半導体装置
110 回路ブロック
120、420、500、600、700、1020 リップル補償器
200 メモリシステム
210 メモリコントローラ
211 制御ロジック
212、311_1 第1インターフェース回路
212_1、311_11、841_1、941_1、951_1 第1リップル補償器
220、320 メモリ装置
221 メモリセルアレイ
222、312_1 第2インターフェース回路
222_1、312_11、841_20、941_20、951_2 第2リップル補償器
300 データ処理システム
310 アプリケーションプロセッサ(AP)
311 メモリコントロールユニット
312 モデムモジュール
313 IP(intellectual property)
321 第3インターフェース回路
321_1 第3リップル補償器
330 RFチップ
331 第4インターフェース回路
331_1 第4リップル補償器
410、1010 データ駆動回路
411 データドライバ
421 増幅器
421_1、611、711 バッファ
430 パッケージ(PKG)モデル
510 電流ソース
520 スイッチ
612 インバータ
810、910 ロジック回路
820、920 シリアライザ
830、930 ドライバ
1030 レベル検出器
1040 キャパシタンス制御器

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15