(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】放送信号受信装置、放送信号受信方法、制御プログラムおよび記録媒体
(51)【国際特許分類】
H04B 1/16 20060101AFI20231017BHJP
H04N 21/438 20110101ALI20231017BHJP
H04N 21/4425 20110101ALI20231017BHJP
【FI】
H04B1/16 R
H04N21/438
H04N21/4425
H04B1/16 C
(21)【出願番号】P 2019223765
(22)【出願日】2019-12-11
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】阪辻 修
【審査官】鴨川 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-149637(JP,A)
【文献】特開2017-152806(JP,A)
【文献】特開2019-121957(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0130989(US,A1)
【文献】特表2009-526492(JP,A)
【文献】特開2015-162738(JP,A)
【文献】特開2012-142858(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/16
H04N 21/438
H04N 21/4425
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象とする干渉波と周波数帯域の少なくとも一部が重複する第1周波数帯域における第1放送信号と、前記干渉波と周波数帯域が重複しない第2周波数帯域における第2放送信号とを受信するチューナと、
前記第1放送信号に関する第1指標の値と、前記第2放送信号に関する第2指標の値とに基づいて、前記第1放送信号に対する前記干渉波の干渉に関する判定結果を出力する制御部と、
を備え
、
前記制御部は、
前記第1指標および前記第2指標として、各放送信号の受信信号の強度を示す値に基づいて、前記第1放送信号に対する前記干渉波の干渉に関する判定結果を出力する処理、および、
前記第1指標および前記第2指標として、各放送信号を受信した場合における値であって、前記各放送信号の受信品質を示す値に基づいて、前記第1放送信号に対する前記干渉波の干渉に関する判定結果を出力する処理、
の一方または両方を行い、
前記制御部は、
所定時間内における前記第1指標の変動値と、前記所定時間内における前記第2指標の変動値とに基づいて、前記第1放送信号に対する前記干渉波の干渉に関する判定結果を出力する、
ことを特徴とする放送信号受信装置。
【請求項2】
対象とする干渉波と周波数帯域の少なくとも一部が重複する第1周波数帯域における第1放送信号と、前記干渉波と周波数帯域が重複しない第2周波数帯域における第2放送信号とを受信するチューナと、
前記第1放送信号に関する第1指標の値と、前記第2放送信号に関する第2指標の値とに基づいて、前記第1放送信号に対する前記干渉波の干渉に関する判定結果を出力する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記第1指標および前記第2指標として、各放送信号の受信信号の強度を示す値に基づいて、前記第1放送信号に対する前記干渉波の干渉に関する判定結果を出力する処理、および、
前記第1指標および前記第2指標として、各放送信号を受信した場合における値であって、前記各放送信号の受信品質を示す値に基づいて、前記第1放送信号に対する前記干渉波の干渉に関する判定結果を出力する処理、
の一方または両方を行い、
前記制御部は、
前記第1放送信号のビットエラーレートの値に基づいて、前記第1放送信号の受信品質に関する判定を行う、
ことを特徴とする放送信号受信装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1放送信号に対する前記干渉波の干渉に関する判定結果が所定条件を満たすと判定した場合に、前記所定条件が満たされていることを示す情報を、ユーザに対して提示する
ことを特徴とする請求項1
または2に記載の放送信号受信装置。
【請求項4】
対象とする干渉波と周波数帯域の少なくとも一部が重複する第1周波数帯域における第1放送信号と、前記干渉波と周波数帯域が重複しない第2周波数帯域における第2放送信号とを受信する受信ステップと、
前記第1放送信号に関する第1指標の値と、前記第2放送信号に関する第2指標の値とに基づいて、前記第1放送信号に対する前記干渉波の干渉に関する判定結果を出力する判定ステップと、
を含
み、
前記判定ステップにおいて、
前記第1指標および前記第2指標として、各放送信号の受信信号の強度を示す値に基づいて、前記第1放送信号に対する前記干渉波の干渉に関する判定結果を出力する処理、および、
前記第1指標および前記第2指標として、各放送信号を受信した場合における値であって、前記各放送信号の受信品質を示す値に基づいて、前記第1放送信号に対する前記干渉波の干渉に関する判定結果を出力する処理、
の一方または両方を行い、
前記判定ステップにおいて、
所定時間内における前記第1指標の変動値と、前記所定時間内における前記第2指標の変動値とに基づいて、前記第1放送信号に対する前記干渉波の干渉に関する判定結果を出力する、
ことを特徴とする放送信号受信方法。
【請求項5】
対象とする干渉波と周波数帯域の少なくとも一部が重複する第1周波数帯域における第1放送信号と、前記干渉波と周波数帯域が重複しない第2周波数帯域における第2放送信号とを受信する受信ステップと、
前記第1放送信号に関する第1指標の値と、前記第2放送信号に関する第2指標の値とに基づいて、前記第1放送信号に対する前記干渉波の干渉に関する判定結果を出力する判定ステップと、
を含み、
前記判定ステップにおいて、
前記第1指標および前記第2指標として、各放送信号の受信信号の強度を示す値に基づいて、前記第1放送信号に対する前記干渉波の干渉に関する判定結果を出力する処理、および、
前記第1指標および前記第2指標として、各放送信号を受信した場合における値であって、前記各放送信号の受信品質を示す値に基づいて、前記第1放送信号に対する前記干渉波の干渉に関する判定結果を出力する処理、
の一方または両方を行い、
前記判定ステップにおいて、
前記第1放送信号のビットエラーレートの値に基づいて、前記第1放送信号の受信品質に関する判定を行う、
ことを特徴とする放送信号受信方法。
【請求項6】
請求項1に記載の放送信号受信装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、前記制御部としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
【請求項7】
請求項2に記載の放送信号受信装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、前記制御部としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
【請求項8】
請求項
6に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項9】
請求項7に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、放送信号受信装置、放送信号受信方法、制御プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
2018年から開始されている8K/4K高度衛星放送は左旋円偏波を新しく使用する。該衛星放送には、宅内配線として1軸伝送が採用されており、アンテナのLNB出力は2224~3224MHzを使用する。この出力帯域においては、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の既存の無線システム、及び電子レンジの周波数(2.4GHz)と重なる部分のチャンネルが存在する。
【0003】
既存の無線システム、電子レンジ等の電波が、干渉波として高度衛星放送の受信を妨げ、ブロックノイズ、音途切れ等が発生する場合がある。また、高度衛星放送の受信が不可能となる場合もある。
【0004】
高度衛星放送のIF信号は、基本的に屋外設置のパラボラアンテナで受信し、コンバータにより周波数ダウンコンバートされて同軸ケーブルなどで宅内に配線、受信機に接続される。そのため、理想的にはシールドされており、上記の干渉波が混入しないよう設置される。しかしながら、アンテナ信号の配線部や機器の接続部等、シールド施行が不十分であったり、受信機そのもののシールド性能不足により、上記チャンネルの受信時に干渉波が混入し、信号状態が悪化することで、元の放送データを再生できない復調処理エラーが生じる可能性がある。
【0005】
特許文献1では、無線LANの信号の送信出力及び変調パラメータを制御可能な放送信号受信装置およびその制御方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2019-121957号公報(2019年7月22日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述のような従来技術においては、放送信号(放送波)の受信品質あるいは受信強度が低下している場合に、原因が干渉波によるものなのか否かが受信装置の構成だけでは判別できないという問題がある。
【0008】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、放送信号の受信品質あるいは受信強度が干渉波によって低下しているのか否かを判定可能な放送信号受信装置(方法)を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る放送信号受信装置は、対象とする干渉波と周波数帯域の少なくとも一部が重複する第1周波数帯域における第1放送信号と、前記干渉波と周波数帯域が重複しない第2周波数帯域における第2放送信号とを受信するチューナと、前記第1放送信号に関する第1指標の値と、前記第2放送信号に関する第2指標の値とに基づいて、前記第1放送信号に対する前記干渉波の干渉に関する判定結果を出力する制御部とを備えることを特徴とする。
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る放送信号受信方法は、対象とする干渉波と周波数帯域の少なくとも一部が重複する第1周波数帯域における第1放送信号と、前記干渉波と周波数帯域が重複しない第2周波数帯域における第2放送信号とを受信する受信ステップと、前記第1放送信号に関する第1指標の値と、前記第2放送信号に関する第2指標の値とに基づいて、前記第1放送信号に対する前記干渉波の干渉に関する判定結果を出力する判定ステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、放送信号の受信品質あるいは受信強度が干渉波によって低下しているのか否かを判定可能な放送信号受信装置(方法)を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態1及び2に係る放送信号受信装置の機能ブロック図である。
【
図2】第1放送信号、第2放送信号、及び干渉波の周波数帯域の一例を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態1及び2に係るチューナ部及び復調部の機能ブロック図である。
【
図4】本発明の実施形態1に係る放送信号受信装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】表示処理部が表示部に表示させる画面の一例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態2に係る放送信号受信装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。以下の特定の項目(実施形態)における構成について、それが他の項目で説明されている構成と同じである場合は、説明を省略する場合がある。また、説明の便宜上、各項目に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
【0014】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態においては、目的とする放送信号を受信する場合に、ノイズとなる干渉波と周波数帯域が重複しない別の放送信号が示す指標を参照して、干渉波による影響の有無を判定する放送信号受信装置の一例について説明する。
【0015】
〔1.放送信号受信装置100の構成〕
図1は、本実施形態に係る放送信号受信装置100の機能ブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係る放送信号受信装置100は、メインシステム部10、スピーカ60、表示部70を備えている。放送信号受信装置100は、例えばテレビジョン受像機等として実現される装置である。また、本実施形態に係る放送信号受信装置100は、外部のアンテナ部80と接続されている。なお、記載の簡潔性を担保する観点から、本実施形態に直接関係のない部分は構成の説明及びブロック図から省略した。ただし、実施の実情に則して、放送信号受信装置100は省略した構成を含んでもよい。
【0016】
メインシステム部10は、アンテナ部80から入力された放送信号を処理し、当該放送信号の示す音声をスピーカ60から出力し、当該放送信号の示す映像を表示部70から出力する。メインシステム部10は、制御部12、チューナ部(チューナ)14、復調部16、デスクランブルおよびデマックス処理部18、音声処理部20、表示処理部24、記憶部26、及びフラッシュメモリ28を備えている。
【0017】
チューナ部14は、外部のアンテナ部80から受信した放送信号の伝送チャンネルを選局する。また、チューナ部14は、対象とする干渉波と周波数帯域の少なくとも一部が重複する第1周波数帯域における第1放送信号と、干渉波と周波数帯が重複しない第2周波数帯域における第2放送信号とを受信する。
【0018】
本実施形態において、第1放送信号とは、放送信号受信装置100が、干渉波による影響の有無を判定する対象とする放送信号である。以下、一例として、第1放送信号は、左旋円偏波を使用する8K/4K高度衛星放送のBS10CH、BS12CH、及びBS14CHにおいて用いられる放送信号であるものとして説明する。これら当該放送信号の周波数は、本開示における第1周波数帯域に属する。また、第2放送信号は、BS8CH、及びBS16CHにおいて用いられる放送信号であるものとする。これら当該放送信号の周波数は、本開示における第2周波数帯域に属する。また、干渉波は、上述した第1放送信号と周波数帯域の少なくとも一部が重複する周波数の電波であって、
図2に示す周波数帯域用のWiFi(登録商標)、或いはBluetooth(登録商標)において用いられる電波であるものとする。
【0019】
図2は、第1放送信号、第2放送信号、及び干渉波の周波数帯域の一例を示す図である。
図2において、横軸は、電波の周波数を示しており、単位はMHz(メガヘルツ)である。
【0020】
また、
図2において、オブジェクト91は、第1放送信号および第2放送信号の周波数帯域を示している。また、オブジェクト92は、WiFi用の電波の周波数帯域を示している。ここで、上記WiFiにおける各チャンネルの周波数帯域幅は、およそ22MHzである。また、オブジェクト93は、Bluetooth用の電波の周波数帯域を示している。上記Bluetoothは、2400MHz~2480MHzの帯域内において電波をホッピングさせて用いられる。
【0021】
図2に例示するように、第1放送信号であるBS10CH、BS12CH、及びBS14CHにおいて用いられる放送信号、WiFi用の電波、及びBluetooth用の電波は、共に2.4GHz(ギガヘルツ)帯の電波を使用しており、周波数帯域の一部が重複している。一方で、第2放送信号であるBS8CH、及びBS16CHにおいて用いられる放送信号は、WiFi用の電波、及びBluetooth用の電波とは周波数帯域が重複していない。なお、他に2.4GHz帯の電波を用いる機器としては、例えば電子レンジ等が挙げられる。
【0022】
また、チューナ部14は、復調部16からのフィードバックを参照して、復調部16における入力信号レベルが最適となるように制御されたIF(Intermediate Frequency)信号を、復調部16に出力する。
【0023】
また、チューナ部14は、放送信号の受信信号強度を示すRSSI(Received Signal Strength Indicator)をモニターする機能を有する。ここで、RSSI、並びに後述するCN(Carrier to Noise ratio)、及びBER(Bit Error Rate)は、本開示におけるモニター情報の一例である。以下、RSSI、CN及びBERの各値を、それぞれRSSI値、CN値、BER値と呼称することもある。また、第1放送信号のモニター情報は、本開示における第1指標の一例であり、第2放送信号のモニター情報は、本開示における第2指標の一例である。
【0024】
また、チューナ部14が備える詳細な部材については後述する。
【0025】
復調部16は、チューナ部14から得られた放送信号を復調してデジタル信号を生成する。また、復調部16は、放送信号のCN、及び上記デジタル信号のBERをモニターする機能を有する。ここでCNとは、放送信号の受信品質として、正常な放送信号とノイズとの比を示す指標であり、値が大きい方がより好ましい。また、BERとは、総ビット数に対する誤りを含むビット数の割合を示す指標であり、値が小さい方がより好ましい。
【0026】
また、復調部16が備える詳細な部材については後述する。
【0027】
制御部12は、放送信号受信装置100の各部を統括的に制御するものである。制御部12の各機能、及び放送信号受信装置100に含まれる全機能は、例えば記憶部26、フラッシュメモリ28等の記憶素子に記憶されたプログラムを、CPUが実行することによって実現されてもよい。また、制御部12は、第1放送信号が示す第1指標の値と、第2放送信号が示す第2指標の値とが入力され、第1指標の値と第2指標の値とを参照して第1放送信号に対する干渉波の干渉の度合いを判定し、上記干渉に関する判定結果を出力する。換言すれば、制御部12は、第1放送信号に関する第1指標の値と、第2放送信号に関する第2指標の値とを取得し、これらの値に基づいて、上述した判定結果を出力する。
【0028】
デスクランブルおよびデマックス処理部18は、復調部16から入力された放送信号のスクランブルの解除処理を行い、解除処理した信号を映像信号と、音声信号と、その他の信号(字幕用データ等)とに分割する。分割された映像信号は表示処理部24に出力され、分割された音声信号は音声処理部20に出力される。
【0029】
表示処理部24は、制御部12、及びデスクランブルおよびデマックス処理部18の少なくとも1つから入力された信号を表示部70に表示できるように処理を行うことによって表示用データを生成し、生成した表示用データを表示部70へ出力する。上述した干渉波の干渉に関する判定結果は、表示用データとして表示部70へ出力されるものであってもよい。
【0030】
表示部70は、表示処理部24から入力される表示用のデータを、表示面に表示する。表示部70としては、表示機能を有する装置であればよく、ハードウェアの種類は限定されない。例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ等の表示素子と、表示処理部24から入力された表示用のデータに基づいて、当該表示素子を駆動するドライバ回路とを備える装置等で、表示部70を構成できる。
【0031】
音声処理部20は、制御部12、及びデスクランブルおよびデマックス処理部18の少なくとも1つから入力された信号の処理を行うことによって音声データを生成し、生成した音声データをスピーカ60へ出力する。音声処理部20は、例えば、アンプ等の音声出力処理回路で構成できる。
【0032】
スピーカ60は、音声処理部20から入力される音声データを外部へ出力する。
【0033】
記憶部26は、制御部12が制御プログラムを展開する主記憶部として使用される。記憶部26としては、例えば、半導体RAM(randam access memory)を挙げることができる。
【0034】
フラッシュメモリ28は、各種の情報を格納可能な不揮発性の記憶機器であり、主記憶部である記憶部26に対し、補助記憶部として使用される。本実施形態においてフラッシュメモリを想定しているが、不揮発性のメモリであればよく、フラッシュメモリ以外では、例えば、ハードディスクドライブ、ROM等が挙げられる。本実施形態において、フラッシュメモリ28は、制御部12が判定した干渉に関する情報を適宜記憶してもよい。
【0035】
図3では、チューナ部14、及び復調部16の構成要素を示す。
図3に示すように、チューナ部14はアンテナ82の電源部1、低雑音増幅器4、フィルタ6及び可変利得増幅器7、を備える。
【0036】
電源部1は、アンテナ82に電力を供給する。特に本実施形態において、電源部1は、制御部12によって電源の入切が制御される。
【0037】
アンテナ部80が受信した放送信号は、まず低雑音増幅器4へ送信される。低雑音増幅器4は、アンテナ部80から供給された所定の周波数帯域の周波数の放送信号を増幅させる。低雑音増幅器4は、増幅させた信号を、フィルタ6を経由し、可変利得増幅器7へ送信する。
【0038】
フィルタ6は、選局チャンネルを中心とする周波数帯域のみを通過させ、不要な周波数領域のノイズ等を除去する。可変利得増幅器7は、後述する自動利得制御部55から供給された利得調整信号に基づいて、フィルタ6からの信号を、復調部16に入力可能な電圧まで増幅させる。可変利得増幅器7は、増幅した信号を、復調部16に送信する。
【0039】
また、復調部16はA/D変換器51、信号復調部52、誤り訂正処理部53、出力I/F54、及び自動利得制御部55を備える。
【0040】
A/D変換器51は、チューナ部14から受信した放送信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器51は、変換したデジタル信号を信号復調部52に送信する。
【0041】
信号復調部52は、A/D変換器51から受信したデジタル信号を復調し、復調信号を出力する。信号復調部52は、復調信号を誤り訂正処理部53に送信する。
【0042】
誤り訂正処理部53は、復調された信号の誤り訂正を行い、出力I/F54を介して復調部16の外部へ出力する。
【0043】
また、自動利得制御部55は、A/D変換器51から出力されたデジタル信号の電圧を参照して、信号復調部52によって復調された復調信号の最適な強度を算出し、当該算出結果を自動利得調整信号として、チューナ部14の可変利得増幅器7にフィードバックする。
【0044】
〔2.処理の流れ〕
本実施形態に係る放送信号受信装置100における処理の流れについて
図4及び
図5を参照して説明する。
図4は、当該処理の流れを示すフローチャートである。また、
図4及び後述する
図6に示す処理は、放送信号受信装置100が、第1放送信号であるBS10CH、BS12CH、又はBS14CHの放送信号を、放送信号受信装置100を用いるユーザの選択に基づいて受信する場合に開始される。
【0045】
ステップS101において、制御部12は、現時点から直近の所定時間以内にBS8CHの放送信号におけるモニター情報を自身が取得していたか否かを判定する。所定時間の長さは特に限定されず、例えば数十秒であってもよいし、数時間であってもよい。なお、以下の説明においてはBS8CHの放送信号におけるモニター情報を、単にBS8CHのモニター情報と呼称することもある。また、他のBSのチャンネルについても同様である。制御部12が、所定時間以内に当該モニター情報を取得していたと判定した場合、続いてステップS104の処理を実行し、取得していないと判定した場合、続いてステップS102の処理を実行する。
【0046】
なお、
図4のフローチャートにおいては、後に第1放送信号と比較される第2放送信号としてBS8CHの放送信号を用いているが、代わりにBS16CHの放送信号を用いてもよい。換言すれば、
図4のフローチャートを参照する本説明において、BS8CHとの記載をBS16CHに置き換えてもよい。また、後述する
図6を参照する説明においても同様である。
【0047】
ステップS102において、制御部12は、チューナ部14が受信する放送信号を、BS8CHのものに切り替える。
【0048】
ステップS103において、制御部12は、BS8CHにおけるモニター情報として、BS8CHにおけるRSSI値およびCN値を取得する。制御部12は、取得した各値を記憶部26に格納する。通常、ステップS102及びS103の処理は、数秒以内に行われることが望ましい。以降のステップにおいてモニター情報が用いられる場合、制御部12は、記憶部26を参照する。また、後述するステップS105において制御部12が取得するモニター情報であって、BS12CHにおけるモニター情報についても同様である。
【0049】
ステップS104において、制御部12は、チューナ部14が受信する放送信号を、ユーザによって選択されたBS10CH、BS12CH、又はBS14の放送信号に切り替える。以降の記載の簡略化のため、一例としてユーザはBS12CHの放送信号の受信を所望し、選択したものとして説明する。また、後述する実施形態2においても同様である。
【0050】
ステップS105において、制御部12は、BS12CHにおけるモニター情報として、BS12CHにおけるRSSI値、CN値およびBER値を取得する。制御部12は、取得した各値を記憶部26に格納する。
【0051】
ステップS106において、制御部12は、BS12CHにおけるBER値が0であるか否かを判定する。広義には、制御部12は、第1放送信号のBER値を参照し、その値に基づいて第1放送信号の受信劣化に関する判定を行う。制御部12が、当該BER値が0であると判定した場合、続いてステップS111の処理を実行し、0ではないと判定した場合、続いてステップS107の処理を実行する。
【0052】
ステップS107において、制御部12は、BS12CHにおけるRSSI値が所定の基準値以上であるか否かを判定する。制御部12が、当該RSSI値が所定の基準値以上であると判定した場合、続いてステップS108の処理を実行し、所定の基準値未満であると判定した場合、続いてステップS111の処理を実行する。なお、本ステップS107の判定に関して、当該RSSI値が所定の基準値未満であることは、BS12CHの放送信号の受信強度が、干渉波による干渉によらず元々低く、受信劣化の要因が干渉波によるものではないことを意味している。
【0053】
ステップS108において、制御部12は、BS12CHにおけるCN値の値が所定の基準値以上であるか否かを判定する。制御部12が、当該CN値の値が所定の基準値以上であると判定した場合、続いてステップS109の処理を実行し、所定の基準値未満であると判定した場合、続いてステップS111の処理を実行する。なお、本ステップS108の判定に関して、当該CN値が所定の基準値未満であることは、BS12CHの放送信号の受信品質が、干渉波による干渉によらず元々低く、受信劣化の要因が干渉波によるものではないことを意味している。
【0054】
ステップS109において、制御部12は、BS12CHにおけるRSSI値と、BS8CHにおけるRSSI値とを比較し、各値の差分が所定の基準値以上であるか否かを判定する。制御部12が、当該差分が所定の基準値以上であると判定した場合、続いてステップS110の処理を実行し、所定の基準値未満であると判定した場合、続いてステップS111の処理を実行する。
【0055】
ステップS110において、制御部12は、BS12CHにおけるCN値と、BS8CHにおけるCN値とを比較し、各値の差分が所定の基準値以上であるか否かを判定する。制御部12が、当該差分が所定の基準値以上であると判定した場合、続いてステップS112の処理を実行し、所定の基準値未満であると判定した場合、続いてステップS111の処理を実行する。
【0056】
ステップS112において、制御部12は、第1放送信号であるBS12CHの放送信号に対する干渉波の干渉の度合いが、ステップS109におけるRSSI値の比較、及びステップS110におけるCN値の比較による条件を満たすものとして、当該条件が満されていることを示す情報をユーザに対して提示する処理を行う。
【0057】
図5は、当該処理として制御部12(表示処理部24)が表示部70に表示させる画面
であって、干渉波の干渉に関する判定結果を含む画面の一例を示している。本ステップS112への遷移が行われた場合、干渉波がBS12CHの放送信号に干渉することによって、BS12CHにおけるRSSI値およびCN値と、BS8CHにおけるRSSI値およびCN値とで乖離が生じているものと考えられる。即ち、
図5に示す画面において促されているように、干渉波の発生元である無線機器を放送信号受信装置100から遠ざけることによって放送信号の受信品質および受信強度が改善することが期待できる。
【0058】
ステップS111において、制御部12は、通常の選局処理として、チューナ部14が受信するBS12CHの放送信号が示す放送を継続して表示部70に表示させる。本ステップS111への遷移が行われた場合であって、且つ表示部70に表示される放送に乱れがある場合には、干渉波の影響以外による原因であって、例えば受信信号の信号品質低下、信号強度不足、放送信号受信装置100の一部における故障等の原因が考えられる。
【0059】
以上、対象とする干渉波と周波数帯域の少なくとも一部が重複する第1周波数帯域における第1放送信号と、上記干渉波と周波数帯域が重複しない第2周波数帯域における第2放送信号とを受信する受信ステップと、第1放送信号に関する第1指標の値と、第2放送信号に関する第2指標の値とに基づいて、第1指標の値と第2指標の値とを参照して第1放送信号に対する干渉波の干渉の度合いを判定し、上記干渉に関する判定結果を出力する判定ステップとを含む放送信号受信方法の一例について説明した。
【0060】
上述した例によれば、放送信号の受信品質あるいは受信強度が干渉波によって低下しているのか否かを、受信装置の構成だけで判別することが可能となり、ユーザの利便性の向上に寄与する。
【0061】
〔実施形態1の変形例〕
実施形態1の変形例について説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、重複する説明を繰り返さない。また、以降の実施形態および変形例においても同様である。
【0062】
実施形態1においては、制御部12がステップS109においてRSSI値を比較し、ステップS110においてCN値を比較する例について説明したが、制御部12が比較する値は何れか一方であってもよい。換言すれば、ステップS109及びS110の処理のうち、何れか一方の処理が行われない構成であってもよい。
【0063】
ステップS109の処理が行われない構成の場合、ステップS108において制御部12がBS12CHにおけるCN値の値が所定の基準値以上であると判定したときには、続いてステップS110の処理が実行される。また、当該構成の場合、ステップS103において制御部12には、BS8CHにおけるRSSI値が入力されずともよい。
【0064】
ステップS110の処理が行われない構成の場合、ステップS109において制御部12がBS12CHにおけるRSSI値とBS8CHにおけるRSSI値との差分が所定の基準値以上であると判定したときには、続いてステップS112の処理が実行される。また、当該構成の場合、ステップS103において制御部12には、BS8CHにおけるCN値が入力されずともよい。
【0065】
本変形例の構成によれば、第1放送信号と第2放送信号とが示すRSSI値およびCN値のうち、何れか一方を比較することによって第1放送信号に対する干渉波の干渉に関する判定結果を出力可能な放送信号受信装置100を実現できる。
【0066】
〔実施形態2〕
本発明の第2の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、重複する説明を繰り返さない。
【0067】
本実施形態においては、第1放送信号と第2放送信号とのモニター情報の変動値を比較することによって第1放送信号に対する干渉波の干渉に関する判定結果を出力する放送信号受信装置100の一例について説明する。
【0068】
本実施形態においても
図1の機能ブロック図に示す構成を用いる。ただし、本実施形態に係る制御部12には、所定時間内における第1指標の変動値と、所定時間内における第2指標の変動値とに基づいて、第1放送信号に対する干渉波の干渉に関する判定結果を出力する構成である。以下、本実施形態に係る放送信号受信システムにおける処理の流れについて
図6を参照して説明する。
図6は、当該処理の流れを示すフローチャートである。以下、実施形態1の構成との相違点について説明する。以下の各ステップにおける処理が実行されるタイミングは、
図6のフローチャートに図示する通りである。
【0069】
(ステップS203)
ステップS203において、制御部12は、BS8CHにおけるモニター情報として、BS8CHにおけるRSSI及びCNの所定時間内における最大値及び最小値をそれぞれ取得する。制御部12は、取得した各値を記憶部26に格納する。ここで、所定時間とは、例えば数秒である。以降のステップにおいてモニター情報が用いられる場合、制御部12は、記憶部26を参照する。また、後述するステップS205において制御部12が取得するモニター情報であって、BS12CHにおけるモニター情報についても同様である。
【0070】
(ステップS205)
ステップS205において、制御部12は、BS12CHにおけるモニター情報として、BS12CHにおけるRSSI及びCNの所定時間内における最大値及び最小値のそれぞれとBER値とを取得する。制御部12は、取得した各値を記憶部26に格納する。ここで、所定時間とは例えば数秒である。
【0071】
(ステップS209)
ステップS209において、制御部12は、BS12CHにおけるRSSIの変動値と、BS8CHにおけるRSSIの変動値とを比較し、各変動値の差分が所定の基準値以上であるか否かを判定する。ここで、RSSIの変動値とは、RSSIの最大値から最小値を減算することによって求められる値である。制御部12が、当該差分が所定の基準値以上であると判定した場合、続いてステップS210の処理を実行し、所定の基準値未満であると判定した場合、続いてステップS111の処理を実行する。
【0072】
(ステップS210)
ステップS210において、制御部12は、BS12CHにおけるCNの変動値と、BS8CHにおけるCNの変動値とを比較し、各変動値の差分が所定の基準値以上であるか否かを判定する。ここで、CNの変動値とは、CNの最大値から最小値を減算することによって求められる値である。制御部12が、当該差分が所定の基準値以上であると判定した場合、続いてステップS112の処理を実行し、所定の基準値未満であると判定した場合、続いてステップS111の処理を実行する。
【0073】
以上、本実施形態に係る放送信号受信システムにおける処理の流れについて説明した。なお、ステップS203において記憶部26に格納される値は、BS8CHにおけるRSSI及びCNそれぞれの変動値であってもよいし、ステップS205において記憶部26に格納される値は、BS12CHにおけるRSSI及びCNそれぞれの変動値とBER値とであってもよい。
【0074】
本実施形態において上述した構成によれば、放送信号の受信品質あるいは受信強度が干渉波によって低下しているのか否かを、第1指標及び第2指標の変動量に基づいて判定することができる。
【0075】
〔実施形態2の変形例〕
実施形態2の変形例について説明する。実施形態2においては、制御部12がステップS209においてRSSIの変動値を比較し、ステップS210においてCNの変動値を比較する例について説明したが、制御部12が比較する変動値は何れか一方であってもよい。換言すれば、ステップS209及びS210の処理のうち、何れか一方の処理が行われない構成であってもよい。
【0076】
ステップS209の処理が行われない構成の場合、ステップS108において制御部12がBS12CHにおけるCN値の値が所定の基準値以上であると判定したときには、続いてステップS210の処理が実行される。また、当該構成の場合、ステップS203において制御部12には、BS8CHにおけるRSSIの最大値および最小値が入力されずともよい。
【0077】
ステップS210の処理が行われない構成の場合、ステップS209において制御部12がBS12CHにおけるRSSIの変動値とBS8CHにおけるRSSIの変動値との差分が所定の基準値以上であると判定したときには、続いてステップS112の処理が実行される。また、当該構成の場合、ステップS203において制御部12には、BS8CHにおけるCNの最大値および最小値が入力されずともよい。
【0078】
本変形例の構成によれば、第1放送信号と第2放送信号とが示すRSSIの変動値およびCNの変動値のうち、何れか一方を比較することによって第1放送信号に対する干渉波の干渉に関する判定結果を出力可能な放送信号受信装置100を実現できる。
【0079】
〔ソフトウェアによる実現例〕
放送信号受信装置100の制御ブロック(特に制御部12)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0080】
後者の場合、放送信号受信装置100は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば少なくとも1つのプロセッサ(制御装置)を備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つの記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0081】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る放送信号受信装置(100)は、対象とする干渉波と周波数帯域の少なくとも一部が重複する第1周波数帯域における第1放送信号と、前記干渉波と周波数帯域が重複しない第2周波数帯域における第2放送信号とを受信するチューナ(14)と、前記第1放送信号に関する第1指標の値と、前記第2放送信号に関する第2指標の値とに基づいて、前記第1放送信号に対する前記干渉波の干渉に関する判定結果を出力する制御部(12)と、を備える構成である。上記の構成によれば、放送信号の受信品質あるいは受信強度が干渉波によって低下しているのか否かを判定可能な放送信号受信装置を実現できる。
【0082】
本発明の態様2に係る放送信号受信装置は、上記の態様1において、前記制御部は、所定時間内における前記第1指標の変動値と、前記所定時間内における前記第2指標の変動値とに基づいて、前記第1放送信号に対する前記干渉波の干渉に関する判定結果を出力する構成としてもよい。上記の構成によれば、放送信号の受信品質あるいは受信強度が干渉波によって低下しているのか否かを、第1指標及び第2指標の変動量に基づいて判定できる。
【0083】
本発明の態様3に係る放送信号受信装置は、上記の態様1又は2において、前記制御部は、前記第1指標および前記第2指標として、各放送信号の受信信号強度(RSSI)の値に基づいて、前記第1放送信号に対する前記干渉波の干渉に関する判定結果を出力する構成としてもよい。上記の構成によれば、第1指標および前記第2指標として、受信信号強度の値を比較に用いることができる。
【0084】
本発明の態様4に係る放送信号受信装置は、上記の態様1から3までの何れかにおいて、前記制御部は、前記第1指標および前記第2指標として、各放送信号を受信した場合におけるCN値であって、正常な放送信号とノイズとの比を示す値であるCN値に基づいて、前記第1放送信号に対する前記干渉波の干渉に関する判定結果を出力する構成としてもよい。上記の構成によれば、第1指標および第2指標としてCN値を比較に用いることができる。
【0085】
本発明の態様5に係る放送信号受信装置は、上記の態様1から4までの何れかにおいて、前記制御部は、前記第1放送信号に対する前記干渉波の干渉に関する判定結果が所定条件を満たすと判定した場合に、前記所定条件が満たされていることを示す情報を、ユーザに対して提示する構成としてもよい。上記の構成によれば、放送信号の受信品質あるいは受信強度が干渉波によって低下しているのか否かを、ユーザは容易に把握することができる。
【0086】
本発明の態様6に係る放送信号受信装置は、上記の態様1から5までの何れかにおいて、前記制御部は、前記第1放送信号のビットエラーレート(BER)の値に基づいて、前記第1放送信号の受信品質に関する判定を行う構成としてもよい。上記の構成によれば、第1放送信号の受信品質を、ビットエラーレートの値に基づいて判定できる。
【0087】
本発明の態様7に係る放送信号受信方法は、対象とする干渉波と周波数帯域の少なくとも一部が重複する第1周波数帯域における第1放送信号と、前記干渉波と周波数帯域が重複しない第2周波数帯域における第2放送信号とを受信する受信ステップと、前記第1放送信号に関する第1指標の値と、前記第2放送信号に関する第2指標の値とに基づいて、前記第1放送信号に対する前記干渉波の干渉に関する判定結果を出力する判定ステップと、を含む方法である。上記の構成によれば、態様1と同様な効果を奏する。
【0088】
本発明の各態様に係る放送信号受信装置(100)は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記放送信号受信装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより上記放送信号受信装置をコンピュータにて実現させる放送信号受信装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0089】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0090】
1 電源部
4 低雑音増幅器
10 メインシステム部
12 制御部
14 チューナ部(チューナ)
16 復調部
24 表示処理部
26 記憶部
70 表示部
100 放送信号受信装置