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  • 特許-貨物飛行機のドア 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】貨物飛行機のドア
(51)【国際特許分類】
   B64C 1/14 20060101AFI20231017BHJP
【FI】
B64C1/14
【請求項の数】 3
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019236858
(22)【出願日】2019-12-26
(65)【公開番号】P2020109000
(43)【公開日】2020-07-16
【審査請求日】2022-11-09
(31)【優先権主張番号】18425110.6
(32)【優先日】2018-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518160436
【氏名又は名称】レオナルド・エッセ・ピ・ア
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アントネッロ・ディ・トタ
(72)【発明者】
【氏名】ガエターノ・ピッコロ
【審査官】志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06454210(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0001136(US,A1)
【文献】米国特許第05031863(US,A)
【文献】特開平06-199291(JP,A)
【文献】特開2002-321694(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 1/14
B64C 1/22
E05B 13/00
E05B 65/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨物飛行機(2)のドア(1)であって、貨物室(3)は、前記ドア(1)が設けられた物品(6)を積み込むための開口部を通り胴体(5)の外側からアクセス可能であり、
前記ドア(1)の外側からアクセス可能であり、かつ第1ロック位置および第2ロック解除位置の間で角度移動可能な第1操作ハンドル(11)が設けられた第1ロック/ロック解除装置(10)であって、使用時に前記ドア(1)を前記胴体(5)に接続するために使用されるピン(16)のロック/ロック解除機構(15)を制御し、かつ使用時に前記貨物室(3)と前記胴体(5)の外側を接続する換気ドア(27)の開閉を制御するために、前記第1ハンドル(11)の回転を、軸(A)周りに角度移動可能な第1シャフト(14)に伝達するよう構成された第1伝動装置(13)を備える、第1ロック/ロック解除装置(10)と、
前記ドア(1)の外側からアクセス可能であり、第1ラッチ位置および第2ラッチ解除位置の間で角度移動可能な第2操作ハンドル(21)が設けられた第1ラッチ/ラッチ解除装置(20)であって、それぞれの台座へ/からの前記ピン(16)の前進/後退を制御する機構を作動させるために、前記第2ハンドル(21)の回転を、軸(B)周りに角度移動可能な第2シャフト(24)に伝達するよう構成された第2伝動装置(23)を備える、第1ラッチ/ラッチ解除装置(20)と、
が設けられたドア(1)において、
前記ドア(1)の内側からアクセス可能であり、第1ロック位置および第2ロック解除位置の間で角度移動可能な第3操作ハンドル(31)が設けられた第2ロック/ロック解除装置(30)であって、前記第3ハンドル(31)の回転を前記第1シャフト(14)に伝達するよう構成された第3伝動装置(33)を備え、前記第1ハンドル(11)および前記第3ハンドル(31)が機械的に相互接続され、同じ第1シャフト(14)を制御することにより、前記ピン(16)のロック/ロック解除および前記換気ドア(27)の開閉が可能になる、第2ロック/ロック解除装置(30)と、
前記ドア(1)の内側からアクセス可能であり、第1ラッチ位置および第2ラッチ解除位置の間で角度移動可能な第4操作ハンドル(41)が設けられた第2ラッチ/ラッチ解除装置(40)であって、前記第4ハンドル(41)の回転を前記第2シャフト(24)に伝達するよう構成された第4伝動装置(43)を備え、前記第2ハンドル(21)および前記第4ハンドル(41)が機械的に相互接続され、前記ピン(16)をそれぞれの台座へ/から前進/後退させるために前記第2シャフト(24)を制御する、第2ラッチ/ラッチ解除装置(40)と、
を備えることを特徴とするドア。
【請求項2】
安全装置(50)には、前記ドア(1)の内側(1c)からアクセス可能であり、第1ロック位置および第2ロック解除位置の間で角度移動可能な第5機械的安全ハンドル(51)が設けられ、前記第1ハンドル(11)の内側部分と結合/結合解除し、記第1ハンドル(11)の角度回転が防止される第1状態と、記第1ハンドル(11)の角度回転が可能な第2状態とに前記第1ハンドル(11)を交互に配置する保持要素(54)を作動するよう構成された第5伝動装置(53)を備える、請求項1に記載のドア。
【請求項3】
前記安全装置(50)が、第3シャフト(60)周りに角度移動可能な前記第5機械安全ハンドル(51)と、前記第3シャフト(60)から半径方向に延在し自由端部(60-a)を有する延長部(61)と、前記第3シャフト(60)に平行な軸にヒンジで連結され、ケーブル(62)を介して前記自由端部(60-a)に相互接続された第1端部(54-a)が設けられた前記保持要素(54)とを備え、前記保持要素(54)には、前記第1ハンドル(11)の内側部分と係合するような形の第2端部(54-b)が設けられて、前記第1状態の場合に、前記第1ハンドル(11)の角度回転を防止する、請求項2に記載のドア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年12月31日に提出された欧州特許出願第18425110.6号の優先権を主張し、その開示全体は、参照により本書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本発明は、貨物飛行機のドアに関する。
【背景技術】
【0003】
商品の輸送に使用されるすべての飛行機には、貨物室へのアクセスを確保し、貨物室に含まれる商品を積み降ろしするために、外側および上方に開く少なくとも1つのドアが装備されている。
【0004】
貨物ドアには、貨物室の外側からのみ電気的または機械的に(通常はハンドルによって)制御されるラッチ/ラッチ解除およびロック/ロック解除システムが装備されている。実際、貨物室は、一般にコックピットからアクセスできないため、貨物室の内側から操作できる制御付きのドアは必要ない。
【0005】
このように、貨物室が代わりにコックピットからアクセス可能とする場合、既知のタイプの貨物ドアは航空機の内側から操作できず、航空機に乗っているオペレータは、貨物ドアを操作する(ロック/ロック解除、ラッチ/ラッチ解除、上下動)ことができない。したがって、地上スタッフの存在、または外部から貨物ドアを操作するために飛行機を離れる乗組員の助けが必要である。これにはすべて、長く複雑な積み降ろし手順が含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】欧州特許出願第743240号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、貨物室の外側と内側の両方から操作できる貨物飛行機用のドアを製造する必要性がある。
【0008】
飛行機の貨物ドア用のラッチロック機構は、特許文献1に開示されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的は、貨物室がドアによって提供される商品を積み込むための開口部を介して胴体の外側からアクセス可能である貨物飛行機用のドアに関する本発明により達成される。ドアは、ドア(1)の外側からアクセス可能であり、第1ロック位置と第2ロック解除位置の間で角度移動可能な第1操作ハンドルが設けられた第1ロック/ロック解除装置であって、第1ハンドルの回転を、ドアを胴体に接続するために使用されるピンのロック/ロック解除機構を操作するために軸(A)周りに角度移動可能な第1シャフトに伝達するように構成された第1伝動装置を備える、第1ロック/ロック解除装置と、ドアの外側からアクセス可能であり、第1ラッチ位置と第2ラッチ解除位置の間で角度移動可能な第2操作ハンドルが設けられた第1ラッチ/ラッチ解除装置であって、各シートへ/からのピンの前進/後退を制御し、貨物室を胴体の外側に接続する換気ドアの開閉を制御する機構を操作するために第2ハンドルの回転を軸(B)周りに角度移動可能な第2シャフトに伝達する第2伝動装置を備える、第1ラッチ/ラッチ解除装置と、を備え、さらに、ドアの内側からアクセス可能であり、第1ロック位置と第2ロック解除位置との間で角度移動可能な第3操作ハンドルが設けられた第2ロック/ロック解除装置であって、第3ハンドルの回転を第1シャフトに伝達するよう構成された第3伝動装置を備え、第1ハンドルと第3ハンドルが機械的に相互接続され、同じ第1のシャフトを制御してピンのロック/ロック解除を可能にする、第2ロック/ロック解除装置と、ドアの内側からアクセス可能で、第1ラッチ位置と第2ラッチ解除位置の間で角度移動可能な第4操作ハンドルが設けられた第2ラッチ/ラッチ解除装置であって、第4ハンドルの回転を第2シャフトに伝達するよう構成された第4伝動装置を備え、第2ハンドルおよび第4ハンドルは機械的に相互接続され、同じ第2シャフトを制御して、それぞれのシートへ/からピンを前進/後退し、換気ドアの開閉を行う第2ラッチ/ラッチ解除装置と、を備えることを特徴とする。
【0010】
ここで、本発明を、その好ましい実施形態を示す添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の指示に従って作られた貨物飛行機のドアの正面図である。
図2】本発明の指示に従って作られた飛行機のドアの詳細を拡大して示す。
図3図2の一部である。
図4】本発明の指示に従って作られたドアを備えた貨物飛行機の前部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、全体として貨物飛行機2(図4に示す)のドア1を示し、貨物室3は、貨物ドア1によって提供される物品6を積むための開口部を介して胴体5の外側からアクセス可能である。
【0013】
ドア1は、
ドア1の外側1e(図3参照)から(したがって胴体5の外側から)アクセス可能であり、第1ロック位置と第2ロック解除位置の間で角度移動可能な第1操作ハンドル11が設けられた第1ロック/ロック解除装置10であって、ドア1を胴体5に接続するために用いられるピン16の(既知のタイプの)ロック/ロック解除機構15を動作させるために、および貨物室3を胴体の外部と接続する換気ドア27(既知のタイプであり、さらに図示されていない)の開閉を制御するために、第1ハンドル11の回転を、ドア1の下部に配置され軸A周りに角度移動可能である第1シャフト14に伝達するように構成される第1伝動装置13を備える、第1ロック/ロック解除装置10と、
ドア1の外側1eからアクセス可能であり、第1ラッチ位置と第2ラッチ解除位置との間で角度移動可能な第2操作ハンドル21が設けられた第1ラッチ/ラッチ解除装置20であって、第2ハンドル21の回転を軸Bの周りに角度移動可能な第2シャフト24に伝達して、胴体5(図示せず)に形成された各シートへのピン16の前進/後退を制御する(既知のタイプの)機構25を動作させるように構成された第2伝動装置23を備える、第1ラッチ/ラッチ解除装置20と、
を備える。
【0014】
第1ハンドル11は、第1ロック/ロック解除装置の「不随意の」動作を防止する機械的安全システムを有する。安全システムは、2つのピンが設けられたさらなるハンドル(簡略化のために図示せず)から構成され、ドアを閉じたときに2つの取付具と係合し、安全ハンドル(図示せず)が故意に操作されるまでハンドル11全体の動きをロックする。
【0015】
本発明によれば、ドア1は、
ドア1の内側1c(図3を参照)からアクセス可能で、第1ロック位置と第2ロック解除位置の間で角度移動可能な第3操作ハンドル31が設けられた第2ロック/ロック解除装置30であって、第3ハンドル31の回転を第1シャフト14に伝達するよう構成された第3伝動装置33を備え、第1ハンドル11と第3ハンドル31が機械的に相互接続され、同じ第1シャフト14を制御してピン16のロック/ロック解除と換気ドア27の開閉を可能にする、第2ロック/ロック解除装置30と、
ドア1の内側からアクセス可能であり、第1ラッチ位置と第2ラッチ解除位置の間で角度移動可能な第4操作ハンドル41が設けられた第2ラッチ/ラッチ解除装置40であって、第4ハンドルの回転を第2シャフト24に伝達するように構成された第4伝動装置43を備え、第2ハンドル21と第4ハンドル41とが機械的に相互接続され、各シートへ/からピン16を前進/後退させるよう第2シャフト24を制御する、第2ラッチ/ラッチ解除装置40と、
をさらに備える。
【0016】
内部ハンドル31/41は、乗組員が快適に操作できるように配置されている。さらに、ハンドル31/41に適用できる動作範囲と労力は、たとえばロッドとロッカーへの戻り機構を備えた第3/4伝動装置33/43による利用可能なスペースと有効な規制に対して十分なものである。
【0017】
さらに、安全装置50(図2および図3も参照)が設けられており、これは、第2ロック/ロック解除装置30の「不随意の」動作を防止する。安全装置50には、ドア1の内側1cからアクセス可能で、第1ロック位置と第2ロック解除位置の間で角度移動可能な第5機械的安全ハンドル51が設けられ、保持要素54を作動させるように構成された第5伝動装置53を含み、保持要素は、第1ハンドル11の角度回転が防止される第1状態と、第1ハンドルの角度回転が可能な第2状態とに第1ハンドル11を交互に配置することにより、第1ハンドル11の一部と結合/分離する。
【0018】
安全装置50は、第3シャフト60の周りで角度移動可能な第5ハンドル51と、第3シャフト60から半径方向に延び、自由端60-aを有する延長部61と、第3シャフト60と平行な軸の周りにヒンジで留められ、テレフレックス(Teleflex)ケーブル62によって自由端60-aと相互接続された第1端部54-aが設けられた保持要素54と、を備える。保持要素54には、角度回転を防止するために第1ハンドル11の内側部分と係合する形状の第2端部54-bが設けられている。
【0019】
使用時には、貨物室3の内側からドア1のロックを解除して開くために、次の操作が実行される。
【0020】
オペレータは、第5機械的安全ハンドル51を上方に回転させることにより、すなわち、それを第2ロック解除位置に配置することにより作動させる。第5機械的安全ハンドル51の回転は、テレフレックスケーブル62を介して保持要素54に伝達され、第2端部54-bが第1ハンドル11から外され、解放される。
【0021】
閉鎖ステップ中に機械的安全ハンドル51を逆に操作することにより、第2端部54-bはハンドル11と係合し、ハンドル11はその後ロックされることは明らかだろう。
【0022】
その後、オペレータは、第3ハンドル31に作用して、手動で第1ロック位置からロック解除位置に移動し、ピン16のロック解除と換気ドア27の開放を可能にする。
【0023】
第3ハンドル31がストロークの終わりに達すると、第4ハンドル41を操作することが可能になり、第4ハンドル41は、第1ラッチ位置からラッチ解除位置にもたらされ、各シートからピン16の後退が達成される。
【0024】
この時点で、航空機の内側と外側の両方にある既知の油圧制御によってドア1を持ち上げることができる。
【0025】
したがって、外部のスタッフの助けを借りずに、ドアのロックを解除して開く操作が実行される。
【0026】
上記と逆の順序で実行される上記のすべての操作により、外部スタッフを必要とせずに航空機の内側からドア1を閉じ、ラッチし、ロックすることができることは明らかだろう。示された解決策を適用することにより、貨物機構成での飛行機の積み降ろし作業を簡素化することができる。内部ハンドル31、41、51の存在により、乗組員は、地上スタッフの支援なしで独立して操作できるため、時間とコストが削減され、安全性が向上する。
【0027】
内部ハンドル31および41は、既存の制御シャフト14および24に作用するため、大きな重量増加を伴う新しい機構を導入しない。
【符号の説明】
【0028】
1 貨物ドア
2 貨物飛行機
3 貨物室
5 胴体
6 物品
10 第1ロック/ロック解除装置
11 第1操作ハンドル
13 第1伝動装置
14 第1シャフト
15 ロック/ロック解除機構
16 ピン
20 第1ラッチ/ラッチ解除装置
21 第2操作ハンドル
23 第2伝動装置
24 第2シャフト
27 換気ドア
30 第2ロック/ロック解除装置
31 第3操作ハンドル
33 第3伝動装置
40 第2ラッチ/ラッチ解除装置
41 第4操作ハンドル
43 第4伝動装置
50 安全装置
51 第5機械的安全ハンドル
53 第5伝動装置
54 保持要素
60 第3シャフト
61 延長部
62 テレフレックスケーブル
図1
図2
図3
図4