(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】ルールエンジンを使用した患者管理の方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/40 20180101AFI20231017BHJP
【FI】
G16H20/40
(21)【出願番号】P 2019540622
(86)(22)【出願日】2018-01-26
(86)【国際出願番号】 IB2018050472
(87)【国際公開番号】W WO2018138675
(87)【国際公開日】2018-08-02
【審査請求日】2021-01-20
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-19
(32)【優先日】2017-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513259285
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100196221
【氏名又は名称】上潟口 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】カッセ ベンジャミン ウィルソン
(72)【発明者】
【氏名】キャンベル クリストファー ハーディング
(72)【発明者】
【氏名】ソボレフスカ カタルジーナ
【合議体】
【審判長】中野 裕二
【審判官】山内 裕史
【審判官】野崎 大進
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/019292(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0292544(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0032231(US,A1)
【文献】特開2014-111123(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者管理システムであって、
複数の患者に療法を提供するように構成された複数の耐久医療機器(DME)デバイスと通信するデータ管理サーバであって、
ネットワークを介して、前記複数のDMEデバイスのそれぞれからデータを受信することであって、前記データが、DME療法データ又は患者識別データの少なくとも一方を含むことと、
前記受信データが複数のルールを満たすという決定に少なくとも部分的に基づいて、前記受信データを査定することと、
を行うように構成されたデータ管理サーバを含み、
前記複数のルールの各ルールが、前記複数の患者の内のある特定のルールを満たす患者のセットを定義し、前記特定のルールを満たす患者のセットが、療法が前記複数のDMEデバイスによって提供される前記複数の患者のサブセットであり、
前記データ管理サーバが、前記複数のルールの1つ又は複数を示す情報をディスプレイに表示させ、示す情報が表示された前記複数のルールを満たす前記複数の患者の1人又は複数を示す情報をディスプレイに表示させるようにさらに構成される、患者管理システム。
【請求項2】
前記複数のDMEデバイスが、複数の呼吸圧力療法デバイスを含む、請求項1に記載の患者管理システム。
【請求項3】
前記複数の呼吸圧力療法デバイスのそれぞれが、療法セッション中に患者の気道への加圧空気の形態で、前記患者に呼吸圧力療法を与えるように構成される、請求項2に記載の患者管理システム。
【請求項4】
前記データが、前記複数のDMEデバイスの少なくとも1つによって前記患者に与えられた療法の1つ又は複数の変数を含む、請求項1~3の何れか一項に記載の患者管理システム。
【請求項5】
前記データ管理サーバが、前記受信データが前記複数のルールの少なくとも1つのルールを満たすという決定に少なくとも部分的に基づいて、アラート状態のインディケーションを生じさせるようにさらに構成される、請求項1~4の何れか一項に記載の患者管理システム。
【請求項6】
前記データ管理サーバが、
複数のアクションの内のあるアクションを識別することと、
前記識別されたアクションを行うことと、
前記アラート状態の1つ又は複数の設定を調整することであって、前記調整が、少なくとも、前記アラート状態を消音にすることを含むことと、
前記受信データを再査定することと、
をさらに行うように構成される、請求項5に記載の患者管理システム。
【請求項7】
前記識別されたアクションが、患者注釈の追加、処方データの更新、患者への連絡、新しい機器の注文、又は患者レポートの生成の少なくとも1つを含む、請求項6に記載の患者管理システム。
【請求項8】
前記処方データを更新するために、前記データ管理サーバは、処方の変更、中止、又は一新の少なくとも1つを行うように構成されている、請求項7に記載の患者管理システム。
【請求項9】
前記アラート状態の前記消音は、予め定義された期間の間、前記アラート状態を消音にすることを含む、請求項6~8の何れか一項に記載の患者管理システム。
【請求項10】
前記受信データを査定するために、前記患者管理システムが、1人又は複数の患者の監視された療法治療及び前記1人又は複数の患者の処方された療法治療に少なくとも部分的に基づいて、患者コンプライアンスを決定するように構成される、請求項1~9の何れか一項に記載の患者管理システム。
【請求項11】
前記複数のルールの少なくとも1つのルールが、患者の使用データ、療法の継続期間、タイムスタンプ情報、又は機器情報の少なくとも1つに関連付けられた条件を含む、請求項1~10の何れか一項に記載の患者管理システム。
【請求項12】
ルールを満たすことが、患者が、処方された療法治療を順守していないことを示す、請求項1~11の何れか一項に記載の患者管理システム。
【請求項13】
前記データ管理サーバが、1人又は複数の患者が、1つ又は複数の有効性閾値を満たさないというインディケーションを生じさせるようにさらに構成される、請求項1~12の何れか一項に記載の患者管理システム。
【請求項14】
患者管理方法であって、
データ管理サーバが、ネットワークを介して、複数の患者に療法を提供するように構成された複数の耐久医療機器(DME)デバイスのそれぞれからデータを受信することであって、前記データが、DME療法データ又は患者識別データの少なくとも一方を含むことと、
前記データ管理サーバが、前記受信データが複数のルールを満たすという決定に少なくとも部分的に基づいて、前記受信データを査定することであって、前記複数のルールの各ルールが、前記複数の患者の内のある特定のルールを満たす患者のセットを定義し、前記特定のルールを満たす患者のセットが、療法が前記複数のDMEデバイスによって提供される前記複数の患者のサブセットであることと、
前記データ管理サーバが、前記複数のルールの1つ又は複数を示す情報と、示す情報が表示された前記複数のルールを満たす前記複数の患者の1人又は複数を示す情報と、を
ディスプレイに表示
させること、
を含む、患者管理方法。
【請求項15】
前記複数のDMEデバイスが、複数の呼吸圧力療法デバイスを含み、前記複数の呼吸圧力療法デバイスのそれぞれが、療法セッション中に患者の気道への加圧空気の形態で、前記患者に呼吸圧力療法を与えるように構成される、請求項14に記載の患者管理方法。
【請求項16】
前記データ管理サーバが、前記受信データが前記複数のルールの少なくとも1つのルールを満たすという決定に少なくとも部分的に基づいて、アラート状態のインディケーションを
生じさせる、請求項14又は15に記載の患者管理方法。
【請求項17】
前記データ管理サーバが、
複数のアクションの内のあるアクションを識別し、前記識別されたアクションが、患者注釈の追加、処方データの更新、患者への連絡、新しい機器の注文、又は患者レポートの生成の少なくとも1つを含み、
前記識別されたアクションを行い、
前記アラート状態の1つ又は複数の設定を調整し、前記調整が、少なくとも、前記アラート状態を消音にすることを含み、
前記受信データを再査定する、
ように構成されている、請求項16に記載の患者管理方法。
【請求項18】
ルールを満たすことが、患者が、処方された療法治療を順守していないことを示す、請求項14~17の何れか一項に記載の患者管理方法。
【請求項19】
前記データ管理サーバが、1人又は複数の患者が、1つ又は複数の有効性閾値を満たさないというインディケーションを
生じさせる、請求項14~18の何れか一項に記載の患者管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、呼吸器疾患の改善、治療、又は予防のための療法の管理に向けられる。より詳細には、それは、患者のコンプライアンスを監視するためのルールエンジンを有する患者管理システムに向けられる。
【背景技術】
【0002】
保険会社又は他の返金団体(支払人)は、呼吸圧力療法を処方された患者が、順守していたという証拠、すなわち、あるコンプライアンス基準に従って、呼吸圧力療法(「RPT:respiratory pressure therapy」)デバイスを使用していたという証拠を、RPTデバイスに関して患者に返金を行う前に、必要とすることが多い。コンプライアンス基準は、一般に、コンプライアンス期間として知られる幾つかの連続したセッションの内のある一部の間、1セッション当たり最小の使用量を必要とする。多くの支払人に共通する持続的気道陽圧(CPAP:Continuous positive Airway Pressure)療法のコンプライアンス基準(CMSコンプライアンス基準として知られる)の一例は、連続30日間の内の少なくとも21日間に、一晩に少なくとも4時間の間、RPTデバイスを使用することが患者に要求される。患者のコンプライアンスを決定するために、RPTデバイスの供給者(在宅医療機器供給者又はHMEエージェントと呼ばれることもある、耐久医療機器供給者又はDMEエージェントなど)は、手作業で、RPTデバイスを使用する患者の療法を記述したデータを取得し、療法データからデバイスの使用を計算し、及びその使用をコンプライアンス基準と比較し得る。患者がコンプライアンス基準を順守しているとDMEエージェントが決定すると、DMEエージェントは、患者が順守していることを返金団体に通知し得る。このプロセスは、コストがかかり、時間がかかり、及び手作業で行われる場合に間違いが起こりやすい可能性がある。従って、RPTデバイスは、一般的に、患者がRPTデバイスをコンプライアンス基準に従って使用していたか否かを自動的に決定するために、RPTデバイスが、療法データを保存し、リモートサーバに送信することを可能にするデータ管理能力を含んでいる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
第1の態様では、
複数の患者に療法を提供するように構成された複数の耐久医療機器(DME)デバイスと通信するデータ管理サーバであって、
ネットワークを介して、複数のDMEデバイスのそれぞれからデータを受信することであって、データが、DME療法データ又は患者識別データの少なくとも一方を含むことと、
受信データを査定することと、
受信データが少なくとも1つのルールを満たすという決定に少なくとも部分的に基づいて、アラート状態のインディケーションを生じさせることと、
を行うように構成されたデータ管理サーバを含む、患者管理システムが提供される。
【0004】
複数のDMEデバイスは、複数の呼吸圧力療法デバイスを含み得る。
【0005】
複数の呼吸圧力療法デバイスのそれぞれは、療法セッション中に患者の気道への加圧空気の形態で、患者に呼吸圧力療法を与えるように構成され得る。
【0006】
データは、複数のDMEデバイスの少なくとも1つによって患者に与えられた療法の1つ又は複数の変数を含み得る。
【0007】
データ管理サーバは、
複数のアクションの内のあるアクションを識別することと、
識別されたアクションを行うことと、
アラート状態の1つ又は複数の設定を調整することであって、前記調整が、少なくとも、アラート状態を消音にすることを含むことと、
受信データを再査定することと、
をさらに行うように構成され得る。
【0008】
識別されたアクションは、患者注釈の追加、処方データの更新、患者への連絡、新しい機器の注文、又は患者レポートの生成の少なくとも1つを含み得る。
【0009】
前記処方データの更新は、処方の変更、中止、又は一新の少なくとも1つを含み得る。
【0010】
受信データを査定するために、患者管理システムは、1人又は複数の患者の監視された療法治療及び1人又は複数の患者の処方された療法治療に少なくとも部分的に基づいて、患者コンプライアンスを決定するように構成され得る。
【0011】
アラート状態の前記消音は、予め定義された期間の間、アラート状態を消音にすることを含み得る。
【0012】
ルールは、患者の使用データ、療法の継続期間、タイムスタンプ情報、又は機器情報の少なくとも1つに関連付けられた条件を含み得る。
【0013】
複数のルールの各ルールは、ある特定のルールを満たす患者のセットを定義してもよく、特定のルールを満たす患者のセットは、療法が複数のDMEデバイスによって提供される複数の患者のサブセットである。
【0014】
データ管理サーバは、複数のルールの1つ又は複数を示す情報、及び1人又は複数の患者を示す情報をディスプレイに表示させるようにさらに構成され得る。
【0015】
ルールを満たすことは、患者が、処方された療法治療を順守していないことを示し得る。
【0016】
データ管理サーバは、1人又は複数の患者が、1つ又は複数の有効性閾値を満たさないというインディケーションを生じさせるようにさらに構成され得る。
【0017】
別の態様では、
患者グループの1人又は複数の患者の活動を査定することと、
少なくとも部分的に査定された活動に基づいて、アラート状態が存在することを示すことであって、アラート状態が、1人又は複数の患者が1つ又は複数のルールを満たしていることを示すことと、
複数のアクションの内の第1のアクションを受信することと、
第1の受信したアクションを行うことと、
アラート状態の1つ又は複数の設定を調整することであって、前記調整が、少なくとも、アラート状態を消音にすることを含むことと、
患者の活動を再査定することと、
を含む、患者管理方法が提供される。
【0018】
複数のアクションの各アクションは、患者注釈の追加、処方データの更新、1人又は複数の患者への連絡、新しい機器の注文、及び患者レポートの生成の少なくとも1つに関連付けられ得る。
【0019】
処方データの更新は、処方の変更、中止、又は一新の少なくとも1つを含み得る。
【0020】
前記活動の査定は、1人又は複数の患者の監視された療法治療及び1人又は複数の患者の処方された療法治療に少なくとも部分的に基づいて、患者コンプライアンスを決定することを含み得る。
【0021】
アラート状態の消音は、予め定義された期間の間、アラート状態を消音にすることを含み得る。
【0022】
1つ又は複数のルールは、患者の使用データ、療法の継続期間、タイムスタンプ情報、又は機器情報の少なくとも1つに関連付けられた条件を含み得る。
【0023】
1つ又は複数のルールの各ルールは、関連付けられたルールを満たす患者のセットを定義してもよく、関連付けられたルールを満たす患者のセットは、活動が査定される患者グループのサブセットである。
【0024】
本方法は、複数のルールの1つ又は複数を示す情報、及び1人又は複数の患者を示す情報を表示することをさらに含み得る。
【0025】
第1の患者による1つ又は複数のルールの達成は、第1の患者が、処方された療法治療を順守していないことを示し得る。
【0026】
本方法は、1人又は複数の患者が、1つ又は複数の有効性閾値を満たさないというインディケーションを提供することをさらに含み得る。
【0027】
別の態様では、
複数のDMEデバイスと通信し、及び複数のDMEデバイスから使用データを受信するように構成されたデータ管理サーバであって、使用データが、複数の患者の第1のセットと関連付けられる、データ管理サーバと、
データ管理サーバと通信する患者コンプライアンス監視システムであって、患者コンプライアンス監視システムが、複数のDMEに関する使用データの表示インディケーションを提供するように構成され、使用データの表示インディケーションが、
患者コンプライアンスの概要であって、患者コンプライアンスの概要が、少なくとも、第1の患者のセット内の患者の数、現在のコンプライアンスデータ、コンプライアンス履歴データ、及び経過観察データを含む、患者コンプライアンスの概要と、
複数のカスタマイズ可能タイルであって、複数のカスタマイズ可能タイルが、少なくとも1つのタイトル及び複数の選択可能サブタイトルを含み、複数の選択サブタイトルのそれぞれが、1つ又は複数のルールと関連付けられる、複数のカスタマイズ可能タイルと、
を含み、
患者コンプライアンス監視システムが、
第1の選択可能サブタイトルの第1の選択を受信することと、
第1の選択可能サブタイトルの選択に応答して、第2の患者のセット内の1人又は複数の患者のインディケーションを含むように表示インディケーションを更新することであって、第2の患者のセットが、第1の患者のセットのサブセットであることと、
第2の患者のセットの第1の患者に対応した第2の選択を受信することと、
第2の選択に応答して、第1の患者によってトリガされた1つ又は複数のルールのインディケーションを含むように表示インディケーションを更新することと、
をさらに行うように構成された、患者コンプライアンス監視システムと、
を含む、患者管理システムが提供される。
【0028】
1つ又は複数のルールは、患者の使用データ、療法の継続期間、タイムスタンプ情報、又は機器情報の少なくとも1つに関連付けられ得る。
【0029】
ディスプレイデバイスは、1人又は複数の患者が1つ又は複数の有効性閾値を満たさないというインディケーションを提供するように構成され得る。
【0030】
1つ又は複数の有効性閾値は、可変有効性閾値でもよい。
【0031】
1つ又は複数の可変有効性閾値は、1つ又は複数の移動平均を含み得る。
【0032】
第1の患者によってトリガされた1つ又は複数のルールは、第1の患者が、処方された療法治療にノンコンプライアンスのリスクがあることを示し得る。
【0033】
表示インディケーションは、レポートをさらに含んでもよく、レポートは、監視された患者パフォーマンス、患者注釈、処方された患者治療、及び患者識別情報の少なくとも1つと関連付けられた情報を含む。
【0034】
別の態様では、
複数の耐久医療デバイス及び第1の患者のセットに関連付けられた療法データを受信することと、
患者コンプライアンスの概要及び複数のカスタマイズ可能タイルをディスプレイに表示させることであって、患者コンプライアンスの概要が、少なくとも、第1の患者のセット内の患者の数、現在のコンプライアンスデータ、コンプライアンス履歴データ、及び経過観察データを含み、複数のカスタマイズ可能タイルが、少なくとも1つのタイトル及び複数の選択可能サブタイトルを含み、複数の選択サブタイトルのそれぞれが、1つ又は複数のルールと関連付けられることと、
第1の選択可能サブタイトルの選択に応答して、少なくとも、第2の患者のセット内の1人又は複数の患者のインディケーションをディスプレイに表示させることであって、第2の患者のセットが、第1の患者のセットのサブセットであることと、
第1の患者の選択に応答して、少なくとも、第1の患者によってトリガされた1つ又は複数のルールをディスプレイに表示させることと、
を含む、患者管理方法が提供される。
【0035】
1つ又は複数のルールは、患者の使用データ、療法の継続期間、タイムスタンプ情報、又は機器情報の少なくとも1つに関連付けられ得る。
【0036】
本方法は、1人又は複数の患者が、1つ又は複数の有効性閾値を満たさないというインディケーションを提供することをさらに含み得る。
【0037】
1つ又は複数の有効性閾値は、可変有効性閾値でもよい。
【0038】
1つ又は複数の可変有効性閾値は、1つ又は複数の移動平均を含み得る。
【0039】
トリガされたルールが、患者が、処方された療法治療にノンコンプライアンスのリスクがあることを示唆し得る。
【0040】
本方法は、レポートを生成することをさらに含んでもよく、レポートは、監視された患者パフォーマンス、患者注釈、処方された患者治療、及び患者識別情報の少なくとも1つと関連付けられた情報を含む。
【0041】
別の態様では、複数の耐久医療デバイス(DME)の患者の使用を改善するために、複数のDMEを使用する処方の複数の患者に関する患者コンプライアンスを監視するシステムであって、
複数のDMEと通信するデータ管理サーバであって、複数のDMEの使用情報を受信するように構成されたデータ管理サーバと、
複数のDMEの使用情報の表示インディケーションを提供するように構成された患者コンプライアンス監視システムであって、患者コンプライアンス監視システムが、ユーザによって予めプログラムされた、又は選択された1つ又は複数のコンプライアンスルールに基づいて、自動的に使用情報を整理し、ユーザが処方のコンプライアンスを改善又は確認することを可能にするために、ユーザが、DMEの類似のコンプライアンスを有する複数の患者の1つ又は複数のグループ分けを決定することができるように、1つ又は複数のコンプライアンスルールが、DMEのコンプライアンスに関する情報をユーザに示す形式に情報を整理するように構成される、患者コンプライアンス監視システムと、
を含むシステムが提供される。
【0042】
使用情報の表示インディケーションは、DMEの類似のコンプライアンスを有する複数の患者の1つ又は複数のグループ分けを表す複数のタイルを含み得る。
【0043】
複数のタイルの少なくとも1つのタイルは、複数の患者の内のノンコンプライアンスのリスクがある患者を表し得る。
【0044】
少なくとも1つのタイルは、7日、14日、又は1カ月以内にノンコンプライアンスのリスクがある患者を表し得る。
【0045】
複数のタイルの各タイルは、特定のタイルによって表される患者の数を表示し得る。
【0046】
複数のタイルの各タイルは、個々の患者情報をリストするために展開するように構成され得る。
【0047】
個々の患者情報は、少なくとも、患者の名前及び/又は連絡先情報を含み得る。
【0048】
患者の名前、連絡先情報、又は個々の患者情報の他の情報をクリック又は選択することにより、自動的に、テキストメッセージが送信されてもよく、又は電話の呼び出しが開始される。
【0049】
テキストメッセージ又は電話の呼び出しは、個々の患者情報によって識別された患者への自動メッセージを開始し得る。
【0050】
患者の名前、連絡先情報、又は個々の患者情報の他の情報をクリック又は選択することにより、ユーザが、患者の処方を変更することを可能にし得る。
【0051】
自動メッセージは、個々の患者情報によって識別された患者を、その患者の使用及び/又はコンプライアンスを改善する方法に関して指導するチュートリアルへの1つ又は複数のリンクのインディケーションを含み得る。
【0052】
個々の患者情報は、以前の連絡の試み及び/又は結果のインディケーションを含み得る。
【0053】
個々の患者情報は、コンプライアンス履歴を含み得る。
【0054】
個々の患者情報は、患者コンプライアンスを改善するための推奨アクションのインディケーションを含み得る。
【0055】
複数のタイルの少なくとも1つのタイルは、患者コンプライアンスを改善するための推奨アクションのインディケーションを含み得る。
【0056】
複数のタイルの少なくとも1つのタイルは、複数の患者の内の特定のグループの患者に関するメトリックを含み得る。
【0057】
個々の患者情報は、無呼吸-低呼吸指数(AHI:Apnea-Hypopnea Index)情報を含み得る。
【0058】
個々の患者情報は、特定の患者が、複数のDMEの内のあるDMEを使用する時間のインディケーションを含み得る。
【0059】
複数のタイルの少なくとも1つのタイルは、複数の患者の内の順守していない患者を表し得る。
【0060】
少なくとも1つのタイルは、少なくとも30日間、又は少なくとも90日間、順守していなかった患者を表し得る。
【0061】
複数のタイルの少なくとも1つのタイルは、複数の患者の内の経過観察される患者を表し得る。
【0062】
少なくとも1つのタイルは、2日後、1週間後、又は2週間後に経過観察される患者を表し得る。
【0063】
別の態様では、複数の耐久医療デバイス(DME)の患者の使用を改善するために、複数のDMEを使用する処方の複数の患者に関する患者コンプライアンスを監視する方法であって、
複数のDMEと通信するデータ管理サーバにおいて、複数のDMEの使用情報を受信することと、
患者コンプライアンス監視システムを用いて、複数のDMEの使用情報の表示インディケーションを提供することと、
ユーザによって予めプログラムされた、又は選択された1つ又は複数のコンプライアンスルールに基づいて、自動的に使用情報を整理することであって、ユーザが処方のコンプライアンスを改善又は確認することを可能にするために、ユーザが、DMEの類似のコンプライアンスを有する複数の患者の1つ又は複数のグループ分けを決定することができるように、1つ又は複数のコンプライアンスルールが、DMEのコンプライアンスに関する情報をユーザに示す形式に情報を整理するように構成されることと、
を含む方法が提供される。
【0064】
使用情報の表示インディケーションは、DMEの類似のコンプライアンスを有する複数の患者の1つ又は複数のグループ分けを表す複数のタイルを含み得る。
【0065】
複数のタイルの少なくとも1つのタイルは、複数の患者の内のノンコンプライアンスのリスクがある患者を表し得る。
【0066】
少なくとも1つのタイルは、7日、14日、又は1カ月以内にノンコンプライアンスのリスクがある患者を表し得る。
【0067】
複数のタイルの各タイルは、特定のタイルによって表される患者の数を表示し得る。
【0068】
本方法は、複数のタイルの第1のタイルの選択に応答して、使用情報の表示インディケーションが、個々の患者情報の展開リストを表示させることをさらに含み得る。
【0069】
個々の患者情報は、少なくとも、患者の名前及び/又は連絡先情報を含み得る。
【0070】
本方法は、ユーザが、患者の名前、連絡先情報、又は個々の患者情報の他の情報をクリック又は選択したことに応答して、自動的に、テキストメッセージを送信すること、又は電話の呼び出しを開始することをさらに含み得る。
【0071】
テキストメッセージ又は電話の呼び出しは、個々の患者情報によって識別された患者への自動メッセージを開始し得る。
【0072】
自動メッセージは、個々の患者情報によって識別された患者を、その患者の使用及び/又はコンプライアンスを改善する方法に関して指導するチュートリアルへの1つ又は複数のリンクのインディケーションを含み得る。
【0073】
本方法は、ユーザが、患者の名前、連絡先情報、又は個々の患者情報の他の情報をクリック又は選択したことに応答して、患者の処方を変更することをさらに含み得る。
【0074】
個々の患者情報は、以前の連絡の試み及び/又は結果のインディケーションを含み得る。
【0075】
個々の患者情報は、コンプライアンス履歴を含み得る。
【0076】
個々の患者情報は、患者コンプライアンスを改善するための推奨アクションのインディケーションを含み得る。
【0077】
複数のタイルの少なくとも1つのタイルは、患者コンプライアンスを改善するための推奨アクションのインディケーションを含み得る。
【0078】
複数のタイルの少なくとも1つのタイルは、複数の患者の内の特定のグループの患者に関するメトリックを含み得る。
【0079】
個々の患者情報は、無呼吸-低呼吸指数(AHI)情報を含み得る。
【0080】
個々の患者情報は、特定の患者が、複数のDMEの内のあるDMEを使用する時間のインディケーションを含み得る。
【0081】
複数のタイルの少なくとも1つのタイルは、複数の患者の内の順守していない患者を表し得る。
【0082】
少なくとも1つのタイルは、少なくとも30日間、又は少なくとも90日間、順守していなかった患者を表し得る。
【0083】
複数のタイルの少なくとも1つのタイルは、複数の患者の内の経過観察される患者を表し得る。
【0084】
少なくとも1つのタイルは、2日後、1週間後、又は2週間後に経過観察される患者を表し得る。
【0085】
本開示を要約する目的で、幾つかの実施形態の特定の態様、利点、及び新規の特徴を本明細書に記載した。必ずしも全ての上記利点が、本明細書に開示する実施形態の全ての個別の実施形態に一致して達成され得るわけではないことが理解されるものとする。従って、本明細書に開示する実施形態は、本明細書で教示されるある利点又は一群の利点を、本明細書で教示又は示唆され得る他の利点を必ずしも達成することなく、達成又は最適化するように、具現化又は実行され得る。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【
図1】幾つかの実施形態による、患者管理システムのブロック図である。
【
図2】幾つかの実施形態による、
図1の患者管理システムにおける療法管理サーバ104によって実行されるプロセスを示すフローチャートである。
【
図3】幾つかの実施形態による、
図1の患者管理システムにおける療法管理サーバ104によって実行されるプロセスを示すフローチャートである。
【
図4】幾つかの実施形態による、ディスプレイ上に提示されるグラフィカルユーザインタフェース(「GUI」)を示す。
【
図5A】サブタイトルの選択に応答した表示例を示す。
【
図5B】患者の名前の選択に応答した表示例を示す。
【
図6A】サブタイトルの選択に応答した表示例を示す。
【
図6B】幾つかの実施形態による、DMEエージェントが利用できるアクション示す。
【
図7】幾つかの実施形態による、患者管理システム内の記録された患者注釈を示す。
【発明を実施するための形態】
【0087】
CPAP療法、非侵襲的換気療法、ネーザルハイフロー療法などを処方された患者の多くは、コンプライアンス基準を満たす少なくとも幾つかの問題を有することを研究が示している。DMEエージェントにアラートを提供するために、厳しいアンダーパフォーマンス閾値が広く使用されるが、これらの厳しい閾値は、絶え間ないアンダーパフォーマンスアラートにより、役に立たないことが証明されている。従って、患者を管理し、コンプライアンスをトラッキングし、及び個々の患者に対して措置が講じられる必要がある場合に通知を提供するための単純なユーザインタフェースをDMEエージェントに提供する必要性が存在する。加えて、絶対閾値ではなく、1つ又は複数のローリング平均を監視する必要性が存在する。例えば、可変有効性閾値を組み込むことにより、絶え間ないアンダーパフォーマンスアラートを提供することなく、時間と共に、ユーザのパフォーマンスの漸進的改善が可能となる。
【0088】
加えて、患者のアウトカムをさらに向上させ、患者のコンプライアンス率を上げ、及びノンコンプライアンス関連の保険補償問題の率を下げる強い必要性が存在する。加えて、コンプライアンスの難しさを経験している患者が顕著に特徴付けられるように、患者の療法の進展に関する情報をDMEエージェントに提供する必要性が存在する。例えば、患者管理システムは、患者の使用及びDMEエージェントのアクションの履歴を提供することができる。加えて、患者管理システムは、患者が現在の実際の使用で療法を継続した場合に、その患者がノンコンプライアンスのリスクがあることを示す警告を提供することができる。
【0089】
開示される患者管理システムは、患者のコンプライアンスを監視し、及びルールによって定義される特性に従ってユーザがグループ化されることを可能にするために、1つ又は複数の医療デバイスから取得されたデータに幾つかのルールを適用する。各ルールは、患者の使用データ、療法の継続期間、タイムスタンプ情報、機器情報、及び他の外部データの何れかの組み合わせの1つ又は複数の特徴に関係した条件を含み得る。ルールは、ルールに対する入力データの特性が、ルールの指定特性を満たす場合に満たされる。ルールは、時間ベースの条件からコンプライアンスリスク条件に及ぶ各種の条件を含み得る。
【0090】
患者管理システムは、患者に関連付けられた医療デバイスから取得されたデータに対して、1つ又は複数のルール、又はルールセットを適用し得る。各ルールは、そのルールを満たす患者のグループを定義する。適切なルールセットに従って患者がグループ化された後、各グループのルール及びメンバーが、DMEエージェント、ヘルスケアの専門家、又はサービス提供者のために、患者管理システムのグラフィカルユーザインタフェース(GUI)上に表示される。ルールを使用して、どの患者が処方された療法治療を順守していない(又は最適なコンプライアンスを下回る)かを決定することができる。従って、ルールを「満たす」又は「トリガする」ことは、患者が、処方された療法治療を順守していないというインディケーション、準最適療法が認識されたというインディケーション、又はDMEエージェントの療法管理(又は行政プロセス)にとって関心のあるその他の事象が識別されたというインディケーションの可能性がある。
【0091】
本開示の目的上、及び非限定例として、DMEエージェントは、耐久医療機器の販売業者、保険会社(又は支払人)と患者との間の仲介人、又は請負業者などの保険会社(又は支払人)と別の方法で組んだ人でもよい。
【0092】
患者のコンプライアンス監視を容易にするために、患者管理システム内に、標準ルールセットが設けられる。加えて、DMEエージェントが標準ルールセット外のルールを望む場合には、彼又は彼女が、新しいルールを作ることができ、又は新しいルールが書かれることをリクエストすることができる。例えば、ルールは、スクリプトエディタで書かれてもよく、又は所定のブロックを有するグラフィカル「ドラッグアンドドロップ」インタフェースを用いて作られてもよい。新しいルールを作成することは、DMEエージェントが2つ以上の臨床パラメータに関心がある場合に、特に有利となり得る。例えば、DMEエージェントは、高無呼吸-低呼吸指数(AHI)及び対応する高マスクリークのアラートを提供するルールを望む場合がある。
【0093】
標準ルールセット及び/又は患者管理システムのGUI上に表示されるルールは、国ごとに異なり得る。例えば、米国は、保険業者からの返金を得る供給者の能力に関係する特定のコンプライアンス基準を持つ。この市場では、不払いのリスクのある患者を具体的に識別するルールセットが含まれるだろう。オーストラリアでは、患者がすぐに医療デバイス(例えば、CPAP)に慣れ、恩恵を得ること、及び明確に示すことができることが重要である。従って、この市場では、技術的問題(高マスクリークなど)なしにデバイスを使用しながら、患者が一晩の睡眠(例えば、6時間以上)を得ることを確実にすることに焦点を合わせたルールが、含まれるだろう。
【0094】
様々な支払人及び/又は保険会社も、標準ルールセット及び/又は患者管理システムのGUI上に表示されるルールに影響を与え得る。その理由は、異なる支払人及び/又は保険会社が、順守に関する顧客の要件に関して異なるルールを有し得るからである。例えば、第1の保険会社は、30日の期間にわたり、一晩当たり最低でも4時間の70%コンプライアンスを必要とし得るが、第2の保険会社は、特定のAHI閾値も必要とし得る。この例では、第1の保険会社及び第2の保険会社に対して、異なるルールセットが使用され得る。従って、データが患者管理システム内にある全ての患者に対して、同じルールが、必ずしも適用されず、又は一様に表示されない。
【0095】
幾つかの例では、患者の保険会社及び/又は支払人に関連するパラメータを、手作業で、DMEエージェントによって入力することができる。患者管理システムは、同じ保険会社によってカバーされる、後に入力される患者に同じ条件を適用することができるように、新しく入力された保険会社のコンプライアンスの条件を保存することができる。他の例では、患者管理システムは、幾つかの共通保険会社コンプライアンスパラメータを含むようにパッケージにされ、及びDMEエージェントは、リストから関連の保険会社を選択することができる。
【0096】
調整可能有効性閾値
有効性閾値などの多くのパラメータは、本明細書に開示されるルールを適用することによって監視することができる。OSA治療に関連した有効性閾値(例えば、無呼吸-低呼吸指数(AHI)、マスクリーク、中枢性無呼吸の発生、睡眠時間の変化、睡眠パターン(例えば、何時に患者が眠り、及び起きているか)の変化、環境条件の変化、及び主観的データ(支援アプリから収集された気分など)の変化)は、所望の結果、又は意図された結果を生じさせる療法の能力を測定する閾値である。これらの有効性閾値は、OSAを患う患者の治療における呼吸療法の効果を知る上での手掛かりとなるのに有用となり得る。
【0097】
本明細書に開示されるルールを異なる呼吸療法治療に適用することによって、異なる閾値、又は補足閾値を監視することができる。例えば、ネーザルハイフロー治療の場合、デバイスの使用継続期間、患者の呼吸数、及び患者の血中酸素濃度、又は血中酸素飽和度が、治療効果のインディケーションを提供することができ、及び所望の結果、又は意図された結果を生じさせる療法の能力の尺度を提供することができる閾値である。
【0098】
閾値の決定に使用されるデータは、治療中に、耐久医療機器によって測定及び記録することができる。治療セッションは、1日当たりの回数、例えば、1日に1回でもよい。この治療頻度は、患者が、1日当たり1つの主要睡眠ブロック又はセッションを持つ場合のOSA呼吸療法、又は1日当たり単一の治療セッションを有するネーザルハイフロー治療処方に対して通常期待されるものである。治療セッションは、1日当たり2つ以上の睡眠ブロックを有するOSA治療、又は1日当たり複数の治療セッションを有するネーザルハイフロー治療処方の場合のように、1日当たり複数回生じてもよい。例えば、ネーザルハイフロー治療処方は、24時間期間中に、それぞれが1時間続く5つの治療セッションを含み得る。
【0099】
標準ルールセット及び/又は患者管理システムのGUI上に表示されるルールは、疾患ごと、又は疾患状態ごとにも異なり得る。例えば、OSAを患う患者は、慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)を患う患者とは異なるコンプライアンス基準、及び異なる関連のコンプライアンスメトリックを有する。従って、OSA患者の場合、AHI、マスクリーク、又は他のパラメータに関係するルールが標準ルールセット内に含まれ得るが、COPD患者の場合、デバイスの使用継続期間、呼吸数、及び血中酸素濃度に関係するルールが含まれ得る。
【0100】
有効性閾値の一例として、AHIは、睡眠時無呼吸の重症度を示すために使用される指数である。それは、睡眠1時間当たりの無呼吸及び呼吸低下事象の回数によって示される。AHI及び酸素飽和度の低下を組み合わせることにより、睡眠障害の回数及び酸素飽和度の低下の度合いの両方を評価する総合睡眠時無呼吸重症度スコアが与えられる。AHIは、無呼吸事象の数を睡眠の時間数で割ることによって計算される。成人のAHI値は、標準(0~4)、軽度睡眠時無呼吸(5~14)、中度睡眠時無呼吸(15~29)、及び重度睡眠時無呼吸(30以上)と分類される。
【0101】
一般的に、患者管理システムは、満たされなければ、アンダーパフォーマンスを示すアラートを提供する固定AHI閾値を有する。例えば、患者のAHIが5を超える場合、療法が十分なレベルで効いていないことを示すために、アラートがDMEエージェントに提供され得る。
【0102】
有利に、固定有効性閾値に加えて、開示される患者管理システムのルールは、調整可能な有効性閾値(例えば、浮動又は時間依存閾値に関する)も利用する。従って、全ての患者に対して等しく適用するルール(例えば、患者が5の固定閾値を超えるAHIを有する場合に、DMEエージェントに通知するルール)とは対照的に、記載の患者管理システムは、患者の改善及び/又は移動平均の比較に基づいて、DMEエージェントに警告するルールを含み得る。
【0103】
例えば、10のAHIを有する患者は、一般に、AHI>5のルールをトリガするだろう。しかし、その患者が、呼吸圧力療法を受ける前に30のAHIを有していた場合、患者は、睡眠の質の大幅な改善を経験している可能性が最も高いので、DMEエージェントに対するアラートをトリガしないことが有益となり得る。従って、患者は、一般に、DMEエージェントに警告するAHI>5のルールをトリガするが、場合によっては、このルールは、患者の改善により、トリガされない。
【0104】
加えて、DMEエージェントが警告されるべきか否かを決定するために、1つ又は複数の移動平均又はローリング平均が利用され得る。AHIの文脈においては、ユーザのAHIの移動平均は、30日の期間などの比較的長い時間フレーム(AHIlong)及び5日の期間などの比較的短い時間フレーム(AHIshort)にわたり計算され得る。幾つかの実施形態では、AHIlongは、14、21、30、又は60日(+/-数日)でもよい。幾つかの実施形態では、AHIshortは、1、2、3、4、5、8、10、又は14日(+/-数日)でもよい。
【0105】
従って、システムは、AHIlongからのAHIshortの逸脱を監視することができる。AHIshort(例えば、10のAHI)が、AHIlong(例えば、30のAHI)未満である場合、患者の睡眠は改善しており、患者は、AHI>5のルールをトリガするであろうが、システムは、DMEエージェントに警報を送ることを有利に拒否し得る。また、AHIshort(例えば、15のAHI)が、AHIlong(例えば、10のAHI)を超える場合、患者が悪化しているので、システムは、AHI>5のルールの警報に加えて、警報をトリガし得る。幾つかの例では、AHIshortが、AHIlongを超える場合、ユーザに対する治療の効果に害を及ぼす状態(例えば、高マスクリークの可能性)が存在することを示す通知がDMEエージェントに提供され得る。
【0106】
幾つかの実施形態では、警報を阻止するためには、AHIshortとAHIlongとの間の差が、指定の割合又は固定値を満たさなければならない。例えば、AHIshortが、AHIlongよりも10指数ポイント少ない場合に、警報が阻止され得る。同様に、幾つかの実施形態では、AHIshortが、AHIlongよりも固定の割合又は固定値分大きい場合に、警報(又は通知)がDMEエージェントに提供され得る。例えば、AHIshortは、AHI>5のルールの警報をトリガしない程度に十分に低くなり得る。しかし、そのAHIshortが、AHIlongよりも5指数ポイント大きい場合には、警報は、依然としてトリガされ得る。幾つかの例では、固定値は、2、4、6、8、10、12、14、又は16指数ポイント(+/-数指数ポイント)である。幾つかの例では、指定の割合は、5、10、15、20、25、30、40、又は50パーセント(+/-数パーセント)である。
【0107】
従って、全ての患者に対して等しく適用するルール(例えば、患者が5の固定閾値を超えるAHIを有する場合に、DMEエージェントに通知するルール)とは対照的に、記載の患者管理システムは、AHIshortが、AHIlongから逸脱する場合に、DMEエージェントに対して警告する(又はアラートを阻止する)ルールを含み得る。例えば、AHIlongが10であり、且つAHIshortが15を超える場合に、AHIshort>AHIlongのルールの警報がトリガされ得る。
【0108】
患者管理システムルールは、特定の状況において、アラートの生成を防止し、又は自動的にアラートを消音又は非表示にする例外を含み得る。これらの例外は、例えば、低公称閾値又は有効性メトリックの大きな変化率に対して実施され得る。その理由は、低公称閾値の大きな増加率が、名目上、元来より大きな公称閾値の同じ増加率よりも小さいからである。両方の増加率は同じであるが、患者に対する末端効果は、公称増加が大きいほど、より大きく、又はより顕著となり、公称増加がより低い患者に対しては、気付かれない、又は重要性が低くなり得る。
【0109】
例えば、OSA患者に関係して検出された無呼吸の内の30%を超える無呼吸が中枢性無呼吸であると決定された場合にDMEにアラートを提供する中枢性無呼吸ルールが、患者管理システム内に含まれ得る。このルールは、呼吸療法の効果への有用なインディケーション、及び今後のパフォーマンスを向上させるために、どのように治療が調整又は補足され得るかの有用なインディケーションを提供することができる。しかし、患者が、閉塞性無呼吸及び中枢性無呼吸の低公称回数を有する場合には、このルールは、必要ではないときに、又は前記アラートが患者の治療に関して意味のある情報をDMEに提供しないときに、アラートを提供し得る。例えば、呼吸療法を受け、且つ同じ期間内に2回の閉塞性無呼吸を経験している患者の1時間当たり0~2への中枢性無呼吸の増加は、現在、無呼吸の50%が中枢性であるので、割合で言えば、大きな増加である。しかしながら、実際には、中枢性無呼吸のこのような小さな公称変化が、治療又は有効性に大きく影響を与える可能性は低く、そのため、この変化の結果としてのアラートは、役に立たない場合がある。従って、中枢性無呼吸ルールの例外は、中枢性無呼吸の公称回数が、公称閾値(例えば、5)を下回る場合に、このルールのアラートを消音にし、非表示にし、又はその生成を防止することができる。例外が発効を停止する限度又は公称閾値は、一般的ルールに予め含まれてもよく、又はDMEエージェント、ヘルスケアの専門家、又はサービス提供者によって、手作業で設定又は調整されてもよい。
【0110】
従って、中枢性無呼吸ルールは、公称増加が低い場合に、中枢性無呼吸の回数、又は閉塞性無呼吸に対する中枢性無呼吸の比率の大きな増加率に対して生成されるアラートの消音、非表示、又は防止を行う例外基準を含み得る。
【0111】
より一般的に、例外は、措置が必要とされない状況、又は措置が実質的に患者の利益にならない状況において、アラートの生成を回避する、又は自動的にアラートを消音又は非表示にするために、患者管理システムのルールにおいて実施され得る。これらの例外は、患者ごとに、又はルールごとにオーダーメイドされてもよく、又は一般的なものであってもよい。
【0112】
上述の通り、同様の患者ベースの調整可能有効性メトリックが、マスクリーク、中枢性無呼吸の発生、睡眠時間の変化、睡眠パターン(例えば、患者が何時に眠り、及び起きているか)の変化、環境条件の変化、及び主観的データ(支援アプリから収集された気分など)の変化に適用され得る。
【0113】
図1は、幾つかの実施形態による患者管理システム100のブロック図である。患者管理システム100は、耐久医療機器102、データ/療法管理サーバ104、1つ又は複数のコンピュータ110、及びネットワーク106を含む。幾つかの例では、患者管理システム100は、これらの要素の1つ又は複数を省略し得る。同様に、患者管理システム100は、追加の要素を含み得る。例えば、幾つかの例では、データ/療法管理サーバ104は、データ/療法管理サーバ及び療法管理サーバを含み得る。
【0114】
耐久医療機器102は、患者に療法を提供し、患者に提供された療法に関するデータをデータ/療法管理サーバ104にネットワーク106を介して送信し、及び/又は患者を監視するように構成される。幾つかの例では、耐久医療機器102は、単一のデバイス、又は2つ以上のデバイスを含み得る。本開示の目的上、DMEは、特定の病状及び/又は病気のために困っている患者に対して治療的恩恵を提供する任意の機器である。
【0115】
幾つかの実施形態では、耐久医療機器102は、療法セッション中に患者の気道への加圧空気の形態で、患者に呼吸圧力療法を与えるように構成された呼吸圧力療法(「RPT」)デバイスを含み得る。幾つかの例では、医療デバイスは、持続的気道陽圧(CPAP)デバイスである。幾つかの例では、耐久医療機器102によって収集及び/又は送信された療法データは、デバイス設定及び/又は患者に与えられた療法の1つ又は複数の変数を表す療法データを含み得る。例えば、療法データは、AHI、マシンランタイム、マシン使用時間、平均圧力、90パーセンタイル圧力、到達最大圧力、平均リーク、90パーセンタイルリーク、過剰なリークを有した時間、無呼吸指数、呼吸低下指数、中枢性指数、流量制限指数、湿度、覚醒状態検出、覚醒状態の継続期間、周囲温度、周囲湿度、圧力設定、快適設定(例えば、覚醒状態及び/又は呼気軽減設定)、無呼吸事象、呼吸低下事象、AHI、流量制限事象、ランプ、中枢性事象、流量、治療圧、リーク流量などを含み得る。幾つかの例では、1つ又は複数の療法データが、予め定義された間隔で、監視及び/又は記録され得る。例えば、30秒、1分、2分、5分、10分、15分、又は30分の間隔(+/-数分)で、データの監視及び/又は記録が行われ得る。幾つかの例では、予め定義された頻度で、1つ又は複数の療法データの監視及び/又は記録が行われ得る。例えば、流量、療法圧、及び/又はリーク率は、1~50HZで、監視及び/又は記録が行われ得る。幾つかの例では、耐久医療機器102は、1つ又は複数の療法データを算出することができるデータ/療法管理サーバ104にデータを送信する。
【0116】
同じくネットワーク106に接続されるのは、患者の療法に責任を負う耐久医療機器102のエージェントに関連付けられたコンピューティングデバイス110である。上述の通り、DMEエージェントは、耐久医療機器の販売業者、保険会社(又は支払人)と患者との間の仲介人、又は請負業者などの保険会社(又は支払人)と別の方法で組んだ人でもよい。エージェントは、ネットワーク106上で、コンピューティングデバイス110上で起動するクライアントプログラムを用いて、データ/療法管理サーバ104とインタラクトし得る。コンピューティングデバイス110は、任意のデスクトップコンピュータ又はポータブル(ラップトップ又はノート型)コンピュータ、タブレットコンピュータ、PDA、ネットブック又はスマートフォンなどでもよい。
【0117】
患者管理システム100は、患者に関連付けられ、ネットワーク106に接続された、患者コンピューティングデバイス(不図示)も含み得る。患者コンピューティングデバイスは、パーソナルコンピュータ、携帯電話、タブレットコンピュータ、又は他のデバイスでもよく、及びネットワーク106上で、患者と患者管理システム100のリモートに位置するエンティティ(例えば、療法管理サーバ104)との間を仲介するように構成され得る。幾つかの実施態様では、この仲介は、患者コンピューティングデバイス上で起動する患者プログラムによって達成される。患者プログラムは、「患者アプリ」と呼ばれる場合がある。
【0118】
幾つかの例では、耐久医療機器102は、ネットワーク106に接続されないが、Bluetooth(登録商標)又はWi-Fiなどのプロトコルに基づいて、ローカル有線又は無線ネットワーク(不図示)を介して患者コンピューティングデバイスと通信するように構成される。この代替実施態様では、患者コンピューティングデバイス(例えば、患者アプリを用いて)は、ネットワーク106上で、耐久医療機器と患者管理システムのリモートに位置するエンティティとの間を仲介する。
【0119】
患者管理システム100は、各患者が、関連付けられた耐久医療機器及び1つ又は複数のDMEエージェントを有する、2人以上の患者に関する情報を含み得る。各DMEエージェントは、1人又は複数の患者の療法に責任を負い得る。
【0120】
図2は、幾つかの実施形態による、
図1の患者管理システム100におけるサーバ104によって実行されるプロセス200を示すフローチャートである。方法200は、サーバ104が耐久医療機器102からデータを受信する度に、又は定期的に(8、12、24、36、48、又は72時間ごとなど)実行され得る。
【0121】
ブロック220では、サーバ104は、複数の耐久医療機器と関連付けられたデータを受信する。上述の通り、このデータは、AHI、マシンランタイム、マシン使用時間、平均圧力、90パーセンタイル圧力、到達最大圧力、平均リーク、90パーセンタイルリーク、過剰なリークを有した時間、無呼吸指数、呼吸低下指数、中枢性指数、流量制限指数、湿度、覚醒状態検出、覚醒状態の継続期間、周囲温度、周囲湿度、圧力設定、快適設定(例えば、覚醒状態及び/又は呼気軽減設定)、無呼吸事象、呼吸低下事象、無呼吸-低呼吸指数(AHI)、流量制限事象、ランプ、中枢性事象、流量、治療圧、リーク流量などを含み得る。
【0122】
ブロック222では、患者管理システムのGUIは、複数のカスタマイズ可能タイルを表示する。
図4に関して、より詳細に記載するように、各タイルは、タイトル及び1つ又は複数の選択可能サブタイトルを含む。各サブタイトルは、関連付けられたルールを満たす患者グループを表す。DMEエージェントは、例えば、患者の使用データ、時間、機器情報、及び他の外部データの何れかの組み合わせの1つ又は複数の特徴に関係する患者コンプライアンス情報を見直すために、GUIとインタフェースをとり得る。幾つかの例では、GUIは、療法管理サーバプログラムへのログインの成功後に表示される。
【0123】
ブロック224では、DMEエージェントは、GUIから選択可能サブタイトルの1つを選択する。サブタイトルは、サブタイトルテキスト上でコンピューティングデバイスのポインティングデバイスをクリックすることによって、選択され得る。
【0124】
ブロック226では、GUIは、サブタイトル選択に関連付けられたデータを表示する。
図5Aに関して、より詳細に記載するように、この表示は、ルールタイトル及び定義されたルールにデータが準拠する患者の数を示す。関連付けられたグループ内の各患者は、主要メトリック、又は患者の完全なデータセットから抽出されたコンテキスト依存データ点を含む、コンテキスト特定データと共に、リストされる。コンテキスト特定データを表示することは、DMEエージェント又は患者データを見る人が、患者が有している可能性のある問題の考えられる根本原因を迅速に確立し、及びそれらを修正するために行動することを助け得る。
【0125】
ブロック228では、DMEエージェントは、患者選択を行う。患者選択は、患者テキスト上で、コンピューティングデバイスのポインティングデバイスをクリックすることによって行われ得る。代替的に、表示は、選択されると、選択された患者によってトリガされた全てのルールをディスプレイに表示させる選択可能アイコンを含み得る。
【0126】
ブロック230では、GUIは、患者選択に関連付けられたデータを表示する。
図5Bに関して、より詳細に記載するように、この表示は、選択された患者に関連する全てのルール、並びに他の患者データ(例えば、AHI、マスクデータ、及び睡眠時間)を示す。
【0127】
図3は、幾つかの実施形態による、患者管理システムのプロセス200を示すフローチャートである。ブロック330では、患者管理システムが、患者がルールの少なくとも1つをトリガしたことをDMEエージェントに通知するアラートをDMEエージェントに発する。
【0128】
ブロック332では、アクションが、選択され、入力され、及び行われる。
図6Bは、アラート又は通知が発せられた後に、DMEエージェントが利用できる各種のオプションを示す。これらのオプションは、DMEエージェントが、患者の追加又はルールからの患者の除去を行う、及び/又は一時的にルールを棄却することを可能にする。
図6Bに示されるように、DMEエージェントは、患者に「連絡済み」、「連絡不可能」、及び「除外」と印を付けるオプションを有する。
【0129】
幾つかの例では、患者管理システムは、ある特定の条件及び/又はアラートに対する有力なDMEエージェントアクションのセットを予測し得る。DMEエージェントが、予測されたオプションの1つを進めることを望む場合、DMEエージェントは、それをリストから選択し、及び関連のパラメータ(例えば、新しい動作圧)を入力し得る。幾つかの例では、予測されたアクションのリストは、同じアクションが、類似の特性を持つ患者に対して行われた以前の発生の成功に基づいて、能動的に優先順位(例えば、有効性によるランク)を付け得る。ロジスティック回帰モデル又は類似の機械学習アプローチを使用して、類似の患者を分類し、及びアクションの有効性を査定するようにアルゴリズムを訓練し得る。
【0130】
ブロック334では、システムは、DMEエージェントによって選択されたアクションを記録する。以下に説明するように、システム内の各患者は、関連の患者情報を含む注釈セットを有する。これらの注釈は、注釈追加フィールドを使用して、DMEエージェントによって手作業で更新することができ、及び自動的に更新又は追加することもできる。有利に、特定の事象の発生時に、注釈が、自動的に記録され得る。例えば、ルール例外、期限切れデータ、処方の変更、患者の療法に対する変更、患者が自分の使用データに基づいてそれへと分離されるルール、及びシステム内で生じるその他の顕著な活動が、患者の記録に自動的に付記され得る。
【0131】
ブロック336では、DMEエージェントによるアクションに応答して、システムは、アクションが効果を生じる時間を与えるために、その関連付けられたルールに対して、一時的に患者を保留又は解放し得る。これは、患者の使用データに影響を与えるのにある程度の時間がかかるアクションが行われた場合に有益である。例えば、古い、漏れるマスクを交換するために新しいマスクが注文されると、患者が新しいマスクを受け取るまでに1~2週間かかる可能性がある。従って、配送品を受け取り、新しい機器をセットアップし、及び/又はアラートを生じさせている行動を変えるために妥当な時間を患者に与えるために、患者は、ある期間(「セトリング期間」)の間、一時的にルールから解放され得る。例えば、行動の変更は時間がかかるので、セトリング期間は、最終的には変更された行動により解決することができる誤検出アラートを生じさせることなく、慣れて行動を変える時間を患者に与え得る。
【0132】
ブロック338において、セトリング期間の満了後に、患者は、患者の問題を解消するのにアクションが効果的であったか否かに関して再査定され得る。患者の問題が解決されていれば、患者は、もはやそのルールをトリガしない。患者の問題がアクションによって解決されていなければ、患者のステータスは、新規から経過観察に変更され得る。
【0133】
図4は、幾つかの実施形態による、複数のカスタマイズ可能タイル458a~458f(まとめて458)を有する、ディスプレイ上に提示されるグラフィカルユーザインタフェース(「GUI」)400を示す。上述の通り、DMEエージェント(又は適切な個人)が、例えば、患者の使用データ、時間、機器情報、及び他の外部データの何れかの組み合わせの1つ又は複数の特徴に関係する患者コンプライアンス情報を見直すために、GUI400とインタフェースをとり得る。幾つかの例では、GUI400は、療法管理サーバプログラムへのログインの成功後に表示される。
【0134】
図4に示されるように、GUI400は、患者コンプライアンスの概要452の下に位置する複数のカスタマイズ可能タイル458を含む。代替の実施形態では、タイル458及び患者コンプライアンスデータの概要452は、変更された位置にあってもよい。例えば、タイル458は、GUI400の最上部に、及び/又は患者コンプライアンスデータの概要452の周囲に位置してもよい。
【0135】
各タイル458は、タイトル(例えば、「ノンコンプライアンスのリスクあり」454)及び1つ又は複数のサブタイトル(例えば、「7日以内にノンコンプライアンスのリスクあり」456a、「8~30日以内にノンコンプライアンスのリスクあり」456b、及び「31~90日以内にノンコンプライアンスのリスクあり」456c)を含む。幾つかの例では、タイトルは、特定のタイル内のサブタイトルの集合セットを表す。例えば、「ノンコンプライアンスのリスクあり」454は、サブタイトル456a、456b、及び456c(まとめて456)をまとめて言い表す。
【0136】
各サブタイトル(例えば、サブタイトル456a)は、関連付けられたルールを満たす1人又は複数の患者のグループを表す。幾つかの例では、選択されたサブタイトルに関連付けられた患者のグループに対応したデータをディスプレイに表示させるように、サブタイトルが選択され得る(例えば、サブタイトルテキスト上でコンピューティングデバイス270のポインティングデバイスをクリックすることにより)。
図5に関して、より詳細に記載するように、サブタイトルの選択に応答して、ディスプレイは、患者のインディケーション(患者の名前など)及び/又は関連付けられたグループ内の患者の療法データを表示することができる。幾つかの場合では、患者の名前は、利用可能ではなく、及び/又は表示が適切ではない場合がある。例えば、医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(HIPPA:Health Insurance Portability and Accountability Act)は、患者の名前の使用を制限し得る。このような例では、患者に関連付けられた識別番号などの患者の他のインディケーションが表示され得る。
【0137】
サブタイトルのテキストは、そのサブタイトルに関連付けられたルール及び/又はグループを要約し得る。例えば、タイル458bのサブタイトル「30~90日順守」は、30~90日間順守した全ての患者を含むグループを表し得る。
【0138】
タイル458内のある特定の選択可能ルールは、関連付けられたタイル内の1つ又は複数の他の選択可能ルールに対して、依存し、独立し、又は相互依存してもよい。一例として、2つのルールが重複し、同じ患者の少なくとも一方をもたらし得る。幾つかの例では、2つ以上のルールを満たす個々の患者は、ルールの1つ(例えば、「より緊急の」ルール)のみに示され得る。例えば、ある患者が、「7日以内にノンコンプライアンスのリスクあり」及び「14日以内にノンコンプライアンスのリスクあり」の両方をトリガする場合、この患者は、必然的に14日ルールをトリガするので、この患者は、7日ルールにおいてのみ表示され得る。その結果、これらのルールは、ある特定の患者が、7日ルールに示される場合には、その特定の患者が、14日ルールには示されないように、相互依存的にリンクされ得る。例えば、ある患者が、「7日以内にノンコンプライアンスのリスクあり」及び「14日以内にノンコンプライアンスのリスクあり」の両方をトリガする場合、この患者は、7日ルールにおいてのみ表示され得る。しかし、幾つかの実施形態では、個々の患者が、彼又は彼女が満たす各ルールに表示され得ることが理解されるだろう。
【0139】
幾つかの例では、各タイル458(例えば、450a、450b、及び450c)内に、グループ内の患者の数(例えば、関連付けられたルールを満たす患者の数)も表示される。
【0140】
GUIは、ディスプレイ上に、患者コンプライアンスの概要452も提示し得る。
図4に示されるような幾つかの例では、患者コンプライアンスの概要452は、監視される患者の数452a、現在のコンプライアンスデータ452b、コンプライアンス履歴452b、及び経過観察を必要とする患者に関するデータ452dを含み得る。代替例においては、GUI400は、どこに潜在的問題が存在し、及びその結果、どこに注意が最も必要であるかを強調するように、患者コンプライアンスの概要452をDMEエージェントに提示する。調整可能有効性閾値に関して上記したように、潜在的問題は、可変閾値に基づいて決定され得る。
【0141】
図5Aは、幾つかの実施形態による、
図4の「7日以内にノンコンプライアンスのリスクあり」のサブタイトルの選択に応答した表示500Aを示す。上述の通り、
図4の複数のサブタイトルはそれぞれ、ルール及びそのルールに従う患者のグループに関連付けられる。この例では、表示500Aは、ルールタイトル(選択されたサブタイトルなど)及び定義されたルールにデータが準拠した患者の数を示す。関連付けられたグループ内の各患者は、主要メトリック、又は患者の完全なデータセットから抽出されたコンテキスト依存データ点を含む、コンテキスト特定データと共に、リストされる。コンテキスト特定データを表示することは、DMEエージェント又は患者データを見る人が、患者が有している可能性のある問題の考えられる根本原因を迅速に確立し、及びそれらを修正するために行動することを助け得る。
【0142】
表示は、患者グループの各患者に関して、患者の名前、患者のステータス(例えば、新規患者又は経過観察患者)、コンプライアンスステータス(例えば、順守又は非順守)、コンプライアンス率(例えば、治療の開始以来、又は過去30日間にわたり)、平均使用(例えば、患者が過去7日間に療法を使用した平均時間)、及び患者の電話番号を含み得る。追加的に、
図6A及び6Bに関して、より詳細に記載するように、表示は、各患者に関連付けられた複数の選択可能アクションを含み得る。
【0143】
この例では、患者が7日以内にノンコンプライアンスのリスクがあると特定するルールの要件に一致した患者のセットが表示される。表示500Aから、ユーザ(例えば、DMEエージェント)は、患者の名前を選択することができる。患者の名前は、選択可能であってもよく(
図4のサブタイトルに関して上記に記載した通り)、又は代替的に、表示は、選択可能アイコン561a、561b、及び561c(まとめて561)を含んでもよい。どちらの例においても、選択可能な患者の名前又は選択可能アイコン561の選択時に、表示は、選択された患者によってトリガされる全てのルールを示す(
図5Bに示すように)。
【0144】
選択可能アイコン561は、特定の患者に関連するルールの数を示し得る。例えば、選択可能アイコン561aは、3つのルールが、関連付けられた患者に関連することを示す。幾つかの例では、
図5Aに示すように、単一のルールのみに関連付けられた患者は、全ての関連ルールが既に表示されているので、彼らの名前に関連付けられた選択可能アイコンを有していなくてもよい。
【0145】
図5Bは、幾つかの実施形態による、選択された患者566に適用可能な全てのルールを表示する。この例では、選択された患者566は、7日後にノンコンプライアンスのルールに加えて、他の2つのルールをトリガする。選択された患者に関連付けられた全てのルールを表示することにより、DMEエージェントは、患者のパフォーマンスをより簡単に追跡することができる。
【0146】
図示した例では、選択された患者566に関連する全てのルール568が、他の患者データ569a、569b、及び569c(まとめて569)と共に示される。
図5Bは、表示された患者データをAHI569a、マスクデータ569b、及び睡眠時間569cとして示すが、上記の療法データの何れも表示され得る。
【0147】
図6Aは、幾つかの実施形態による、
図4の「7日間を超えて40lpmを上回るマスクリーク」というサブタイトルの選択に応答した表示600Aを示す。上述の通り、
図4の複数のサブタイトルのそれぞれは、ルール及びそのルールに従う患者のグループに関連付けられる。この例では、表示600Aは、ルールタイトル及び定義されたマスクリークルールにデータが準拠した患者の数を示す。関連付けられたグループ内の各患者は、主要メトリック又はコンテキスト特定データと共に、リストされる。
【0148】
このルールに関して示されたコンテキスト特定データ662は、過去7晩中の一晩当たりの平均マスクリーク(リットル/分)、睡眠時間、及び各患者の無呼吸-低呼吸指数(AHI)を含む。各ルールに関して示されるパラメータは、例えば、DMEエージェントによって設定可能である。結果として、DMEエージェントが、患者の治療に有益な特定のパラメータセットへの簡単なアクセスを見つけ、且つそのセットが標準パラメータとは異なる場合には、DMEエージェントは、好ましいパラメータに変更することができる。
【0149】
図6Aは、DMEエージェントが利用可能な各種のアクション664、668、670、672も示す。ある患者をリストから選択した後に、DMEエージェントは、問題のさらなる診断又は対処を行うことを支援し得る幾つかの行動を行い得る。これらは、患者のパフォーマンスのレポートを参照すること668、患者の処方を変更すること664、注釈を追加すること670、又は患者に電子メールを送信すること672を含む。
【0150】
処方変更アクション664は、DMEエージェントが、例えば、表示されたデータに基づいて、患者の処方を変更、中止、又は一新することを可能にする。幾つかの例では、患者に与えられる圧力又は湿度が高過ぎる、又は低過ぎると決定された場合に、DMEエージェントは、処方を修正することができる。幾つかの例では、処方が、変更、中止、又は一新されると、ユーザのデバイスは、新しい処方情報により更新(例えば、自動的に更新)され得る。処方の変更に応答して、ユーザは、その変更及び/又はユーザがどのように自分の治療を進めるべきかに関する指示を示す通知を得ることができる。
【0151】
図7に関してさらに記載するように、患者注釈アクション670は、DMEエージェントが、履歴を生成するために保存及び利用され得る患者に関する注釈を手作業で追加することを可能にする。加えて、注釈は、特定の事象の発生時に、自動的に記録され得る。例えば、ルール例外、期限切れデータ、処方の変更、患者の療法に対する変更、使用データに基づいて患者がトリガしたルール、及びシステム内で生じるその他の顕著な活動が、患者の記録に自動的に付記され得る。従って、これらの注釈は、患者の療法タイムラインをトラッキングするための効果的な手段を提供する。
【0152】
レポート参照アクション668は、患者の療法の使用及び有効性に関するレポートを表示するために生成する。このレポートを参照することによって、DMEエージェントは、注釈、ルールなどのタイムラインを見直すことができる。DMEエージェントは、このレポートを使用して、履歴ルールトリガを決定し、処方の変更などの過去に行われた活動を見直し、及び以前の患者注釈を見ることができる。
【0153】
患者に電子メールを送信するアクション672は、DMEエージェントが、例えば、患者に自分の治療について知らせるために、患者に電子メールを送信することを可能にする。一例として、DMEエージェントは、過去7日間にわたる、高リークについて患者に電子メールを送信し、ヘッドギアをしっかり締めること、又は新しいマスクを入手することなどの解決策を提案することを望み得る。幾つかの例では、患者管理システムは、代替的又は追加的に、DMEエージェントが、患者の電話にテキストメッセージを送信する、又は自動的に電話する(例えば、自動メッセージを使用)ことを可能にし得る。代替的に、患者が、自分のスマートフォンにインストールされたアプリを有する場合には、システムは、患者に届けるためにアプリに通知を送信し得る。DMEエージェントに対して通知又は警告が行われた後の一連のアクションに関するさらなる詳細を以下に記載する。
【0154】
幾つかの実施形態では、潜在的な、医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(HIPAA)問題を回避するために、患者に電子メールを送信するアクション672は、利用できない。これらのような例において、DMEエージェントは、依然として、患者に対してガイダンス及び/又は指示を提供することができる。例えば、患者監視システムは、DMEエージェントが、患者に送る可能なサポート資材のスマートフィルタリストから選択することを可能にするオプションを含み得る。例えば、トリガされたルールが、マスクリークに関係する場合には、これらのスマートフィルタオプションは、患者に対してマスクのフィッティング、締め付け、及び/又はクリーニングに関するビデオ又はPDFガイドを示すリンクでもよい。
【0155】
図6Bは、アラート又は通知が発せられた後にDMEエージェントが利用できる様々なオプションを示す。これらのオプションは、DMEエージェントが、患者の追加又はルールからの患者の除去、及び/又は一時的にルールを棄却することを可能にする。
図6Bに示されるように、DMEエージェントは、患者に「連絡済み」、「連絡不可能」、及び「除外」と印を付けるオプションを有する。
【0156】
通知に続いて、DMEエージェントは、アラートに関連するアクションを行い得る。患者管理システムは、患者の注釈にアクションを記録し、アクションに関係するデータを保存し、及び患者のアラート閾値又は今後のために必要とされるアクションを調整し得る。幾つかの例では、患者管理システムは、ある特定の条件及び/又はアラートに対する有力なDMEエージェントアクションのセットを予測し得る。DMEエージェントが、予測されたオプションの1つを進めることを望む場合、DMEエージェントは、それをリストから選択し、及び関連のパラメータ(例えば、新しい動作圧)を入力し得る。幾つかの例では、予測されたアクションのリストは、同じアクションが、類似の特性を持つ患者に対して行われた以前の発生の成功に基づいて、能動的に優先順位(例えば、有効性によるランク)を付け得る。ロジスティック回帰モデル又は類似の機械学習アプローチを使用して、類似の患者を分類し、及びアクションの有効性を査定するようにアルゴリズムを訓練し得る。
【0157】
アラートに関連した問題を解消し、及び最終的にルールから患者を除去し得るアクションが行われた(例えば、DMEエージェントにより)場合、患者は、「連絡済み」と印が付けられる。例えば、患者が、漏れがある機器又は破損した機器を交換するために新しい機器を注文した場合、新しい機器が患者の問題を解消し得るので、DMEエージェントは、患者に連絡済みと印を付け得る。
【0158】
ある特定のルールに関して患者が「連絡済み」と識別されたことに応答して、システムは、アクションが効果を生じる時間を与えるために、その関連付けられたルールに対して、一時的に、患者を保留又は解放する。これは、患者の使用データに影響を与えるのにある程度の時間がかかるアクションが行われた場合に有益である。例えば、古い、漏れるマスクを交換するために新しいマスクが注文されると、患者が新しいマスクを受け取るまでに1~2週間かかる可能性がある。従って、配送品を受け取り、及び新しい機器をセットアップするために妥当な時間を患者に与えるために、患者は、ある期間(「セトリング期間」)の間、一時的にルールから解放され得る。例えば、セトリング期間は、3日、1週間、2週間、3週間などでもよい。幾つかの例では、セトリング期間は、システムによって予め定義される。他の例では、セトリング期間は、例えば、DMEエージェントによって選択されてもよい。このアプローチは、供給者が対処しなければならない「誤検出」(例えば、間もなく解消される問題に基づいたアラート)の量を劇的に減少させることができる。
【0159】
セトリング期間の満了後に、患者は、患者の問題を解消し、それによって患者をルールから除去するのにアクションが効果的であったか否かに関して再査定され得る。患者の問題がアクションによって解決されていなければ、患者のステータス676は、新規から経過観察に変更され得る。
【0160】
別の例として、患者が治療を受けても高AHIを有することが検出された場合に、DMEエージェント又は医師は、患者の処方を調整することを決定し得る。処方の調整アクションに続いて、患者管理システムは、その間にユーザが新しい療法パラメータに適応することができるセトリング期間(例えば、7日)の間、高AHIアラートを自動的に消音にし得る。次いで、セトリング期間の終わりに、患者のパフォーマンスが再査定され、彼らの行動が、依然としてルールに当てはまる場合には、DMEが、再度警告される。
【0161】
セトリング期間は、上記したように、移動平均を利用するルールセットにおいても実施され得る。例えば、高マスクリークを有する患者がマスクを交換した後には、より低いマスクリークを有する可能性が高い。時間と共に、マスクリークの短期移動平均及びマスクリークの長期移動平均が、これを反映するように減少するはずである。その結果、セトリング期間の間、マスクリーク警報を消音にすることにより、患者のマスクリークを測定するためのベースラインメトリックとして使用される移動平均の再調整が可能となる。
【0162】
DMEエージェントが、療法の変更を実施するため、又は必要に応じて情報を提供するために、患者に連絡を試みたが、患者が連絡不可能であった場合に、患者は、「連絡不可能」と印が付けられる。幾つかの例では、患者管理システムは、DMEエージェントが患者に連絡を試みたが、連絡が取れなかったことを患者の注釈に自動的に記録し得る。患者管理システムは、患者が連絡を試みられた時間及び/又は試みられた方法も記録し得る。他の例では、DMEエージェントは、手作業で注釈を更新し得る。
【0163】
幾つかの例では、「連絡不可能」と識別されると、システムは、その関連付けられたルールに対して、一時的に(例えば、1日又は2日間)、患者を保留又は解放し得る。これは、有利に、DMEエージェントが患者に連絡を取る別の方法を見つけるための時間、及び/又は患者が自身の状況を是正する時間を提供する。追加的に、一時的に患者をルールから除去することにより、それは、まだその日の間注意が必要な患者に対する査定をDMEエージェントに提供する。短い一時的期間(例えば、12時間、1日、2日など)の満了後に、患者は、患者の問題を是正する別の機会をDMEエージェントに提供するために、自動的にルールに再び追加される。患者が新規のステータスなしにリストに戻されることにより、患者に連絡を取り、及び問題を解消する後続の試みが行われることを可能にする。
【0164】
患者が、全患者に適用されるルールに厳密に忠実ではないが、DMEエージェントが、ルールから患者を除去することを決定した場合に、患者は、「除外」と印が付けられる。この特徴を利用して、DMEエージェントが、複数回状況を修正することを試みたが無駄だった場合に、又は患者が連絡可能ではない場合に、アラートが有利に消音にされ得る。このオプションは、患者が特定の所望の閾値を満たしていないとしてアラートが示されている可能性がある場合でも、患者が容認できる程度に実行していると決定された場合に、アラートを消音にするために利用することもできる。例えば、患者が、全患者に適用されるルールに厳密に忠実ではないが、顕著に療法から恩恵を受けている場合に、DMEエージェントは、ルールから患者を除外することを望む場合がある。例えば、患者のAHIが10であるが、睡眠の質の向上を経験している場合、この患者は、一般的な閾値を厳密に満たしていないが、一般的に全患者に対して適用され得るAHI>5のルールから除去され得る。
【0165】
図7は、幾つかの実施形態による、患者管理システム内の記録された患者注釈を示す。上記の通り、システム内の各患者は、関連の患者情報を含む注釈セットを有する。注釈は、注釈追加フィールド784を使用して、DMEエージェントによって手作業で更新することができ、及び自動的に更新又は追加することもできる。
【0166】
有利に、特定の事象の発生時に、注釈が、自動的に記録され得る。例えば、ルール例外、期限切れデータ、処方の変更、患者の療法に対する変更、患者が自分の使用データ782に基づいてそれへと分離されるルール、及びシステム内で生じるその他の顕著な活動が、患者の記録に自動的に付記され得る。従って、これらの注釈は、患者の療法タイムライン780をトラッキングし、履歴を生成し、過去の状態及び過去に試みられた改善措置の履歴を見直し、及び再発状態を決定するための効果的な手段を提供する。
【0167】
幾つかの例では、患者管理システムは、DMEエージェントが患者に連絡を試みたが、連絡が取れなかったことを患者の注釈に自動的に記録し得る。患者管理システムは、患者が連絡を試みられた時間及び/又は試みられた方法も記録し得る。他の例では、DMEエージェントは、手作業で注釈を更新し得る。
【0168】
添付の図面に関連して、実施形態を説明した。しかし、これらの図面は、一定の縮尺で描かれていないことが理解されるものとする。距離、角度などは、単なる例示であり、必ずしも、図示したデバイスの実際の寸法及びレイアウトと正確な関係を持たない。加えて、上述の実施形態は、当業者が本明細書に記載のデバイス、システム、方法などを製造及び使用することを可能にする詳細レベルで記載されている。多種多様なバリエーションが可能である。コンポーネント、要素、及び/又はステップの変更、追加、除去、又は再配置が行われ得る。特定の実施形態を明確に記載したが、本開示に基づいて、他の実施形態が、当業者に明白となるだろう。
【0169】
特に、「~することができる(can)」、「~する可能性がある(could)」、「~かもしれない(might)」、「~してもよい(may)」、「例えば、(e.g.,)」などの本明細書に使用される条件付き言語は、具体的に別段の記載のない限り、又は使用される文脈内で別段の理解のない限り、一般に、特定の実施形態が、特定の特徴、要素、及び/又は状態を含む一方で、他の実施形態がそれらを含まないことを伝えることを意図する。従って、このような条件付き言語は、一般に、特徴、要素、及び/又は状態が、1つ又は複数の実施形態にとって、何らかの形で必要とされること、又は1つ又は複数の実施形態が、筆者の入力又はプロンプトを用いて、又は無しで、これらの特徴、要素、及び/又は状態が含まれるか、又はある特定の実施形態で行われるかを決定する論理を必ず含むことを暗示することは意図していない。
【0170】
上記の詳細な説明は、様々な実施形態に適用される新規の特徴を示し、説明し、及び指摘しているが、本開示の精神から逸脱することなく、例示したデバイス又はアルゴリズムの形態及び詳細の様々な省略、代替、及び変更を行うことができることが理解されるだろう。認識されるように、本明細書に記載する発明の特定の実施形態は、幾つかの特徴が他の特徴とは切り離して使用又は実施され得るので、本明細書に記載の特徴及び利点の全てを提供しない形態で具現化され得る。本明細書に開示する特定の発明の範囲は、上記の説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の均等物の意味及び範囲内に入る全ての変更が、それらの範囲内に包含されるものとする。