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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】液体センサ
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/59 20060101AFI20231017BHJP
   G01N 27/22 20060101ALI20231017BHJP
   G01F 23/26 20220101ALI20231017BHJP
【FI】
G01N21/59 C
G01N27/22 B
G01F23/26 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020025742
(22)【出願日】2020-02-19
(65)【公開番号】P2021131274
(43)【公開日】2021-09-09
【審査請求日】2022-09-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000229737
【氏名又は名称】日本ピラー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100179213
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 未知子
(74)【代理人】
【識別番号】100170542
【弁理士】
【氏名又は名称】桝田 剛
(72)【発明者】
【氏名】小山 達也
(72)【発明者】
【氏名】中津 彰
【審査官】横尾 雅一
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-281575(JP,A)
【文献】特開2015-230300(JP,A)
【文献】国際公開第2006/098435(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3197515(JP,U)
【文献】特開平05-264324(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0068015(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0180663(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00 - G01N 21/74
G01N 27/22
G01F 23/00
G01F 23/14 - G01F 23/2965
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部分が液体中に浸漬された状態で、液質を検出するように構成された液体センサであって、
基板と、
発光素子と、
受光素子とを備え、
前記基板には、孔が形成されているとともに、第1及び第2光導波路が埋め込まれており、
前記第1光導波路の一端は、前記孔を介して、前記第2光導波路の一端と向き合っており、
前記第1光導波路の他端には前記発光素子が取り付けられており、
前記第2光導波路の他端には前記受光素子が取り付けられており、
前記孔の周囲には、前記基板の内周面が形成されており、
前記内周面上には、第1電極と、前記第1電極と向き合う第2電極とが形成されており、
前記受光素子の出力、および、前記第1及び第2電極間の静電容量を検出するように構成された検出回路をさらに備える、液体センサ。
【請求項2】
前記第1及び第2光導波路の各々は、光ファイバーで構成されている、請求項1に記載の液体センサ。
【請求項3】
前記基板は、フッ素樹脂基板である、請求項1又は請求項2に記載の液体センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体センサに関する。
【背景技術】
【0002】
特開平5-273121号公報(特許文献1)は、液体センサを開示する。この液体センサは、発光素子と、発光素子によって発せられた光を反射する反射面と、反射面によって反射した光を受光する受光素子とを備えている。この液体センサにおいては、発光素子によって発せられた光が測定対象の液体内を通過する。そして、受光素子の出力に従って液体の汚れ度合いが測定される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平5-273121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されている液体センサにおいては、たとえば、振動等によって反射面の平滑度合いが低下すると、液質の検出精度が低下する。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、振動等が生じたとしても液体の液質を比較的正確に検出可能な液体センサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に従う液体センサは、少なくとも一部分が液体中に浸漬された状態で、液質を検出するように構成されている。この液体センサは、基板と、発光素子と、受光素子とを備えている。基板には、孔が形成されているとともに、第1及び第2光導波路が埋め込まれている。第1光導波路の一端は、上記孔を介して、第2光導波路の一端と向き合っている。第1光導波路の他端には発光素子が取り付けられている。第2光導波路の他端には受光素子が取り付けられている。この液体センサは、検出回路をさらに備える。検出回路は、受光素子の出力を検出するように構成されている。
【0007】
この液体センサにおいては、光の反射を用いることなく、液体中を通過した光が受光素子によって受光される。また、第1及び第2光導波路の双方は、基板に埋め込まれている。したがって、この液体センサによれば、第1及び第2光導波路間の位置関係がずれにくく、反射面の平滑度合いによる影響も受けないため、振動等が生じたとしても液体の液質を比較的正確に検出することができる。
【0008】
上記液体センサにおいて、第1及び第2光導波路の各々は、光ファイバーで構成されていてもよい。
【0009】
上記液体センサにおいて、基板は、フッ素樹脂基板であってもよい。
【0010】
この液体センサによれば、フッ素樹脂基板が耐候性及び耐薬性に優れるため、過酷環境で液体の液質を検出することができる。
【0011】
この液体センサにおいて、孔の周囲には、基板の内周面が形成されており、内周面上には、第1電極と、第1電極と向き合う第2電極とが形成されており、検出回路は、第1及び第2電極間の静電容量を検出するように構成されていてもよい。
【0012】
この液体センサにおいては、第1及び第2電極間の静電容量を検出することによって、液体の液位が検出される。すなわち、この液体センサによれば、共通の基板を用いることによって、液体の液質及び液位の双方を検出することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、振動等が生じたとしても液体の液質を比較的正確に検出可能な液体センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】液体センサの構成を模式的に示す図である。
図2図1のII-II断面を模式的に示す図である。
図3図3は、基板を模式的に示す平面図である。
図4図3のIV-IV断面を模式的に示す図である。
図5】基板の製造手順を示すフローチャートである。
図6】光ファイバーを内蔵しており銅箔で挟まれた基板の製造方法を説明するための図である。
図7】実施の形態2における基板を模式的に示す平面図である。
図8】基板の製造手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0016】
[1.実施の形態1]
<1-1.液体センサの構成>
図1は、本実施の形態1に従う液体センサ10の構成を模式的に示す図である。図2は、図1のII-II断面を模式的に示す図である。液体センサ10は、車両等のオイルタンク内に取り付けられ、燃料(オイル)の液質を光学的に検出するように構成されている。すなわち、液体センサ10は、少なくとも一部分が燃料中に浸漬された状態で、燃料の液質を検出する。
【0017】
図1及び図2を参照して、液体センサ10は、液体センサ本体100と、検出回路200と、ケーブル300とを含んでいる。液体センサ本体100においては、筒状のプラグ102内に基板104が収容されている。詳細については後述するが、基板104においては、孔を介して対向する2つの光導波路が埋め込まれている。一方の光度導波路の端部には発光素子が取り付けられており、他方の光導波路の端部には受光素子が取り付けられている。この液体センサ10においては、受光素子による受光量に基づいて、燃料の液質が検出される。以下、基板104について詳細に説明する。
【0018】
<1-2.基板の構成>
図3は、基板104を模式的に示す平面図である。図4は、図3のIV-IV断面を模式的に示す図である。基板104は、いわゆるフッ素樹脂基板である。
【0019】
図3及び図4を参照して、基板104の形状は、長辺及び短辺を有する略矩形状である。基板104には、略円形状の孔H1が形成されている。
【0020】
基板104において、孔H1が形成される前は、基板104内に光導波路202が形成されていた。基板104に孔H1が形成されることによって、光導波路202は光導波路202X,202Yに分断されている。すなわち、基板104には、光導波路202X,202Yが埋め込まれている。光導波路202は、たとえば、光ファイバーで構成されている。
【0021】
光導波路202Xの一端は、孔H1を介して、光導波路202Yの一端と向き合っている。光導波路202Xの他端には、発光素子201が取り付けられている。発光素子201は、たとえば、LED(Light Emitting Diode)又は半導体レーザで構成されている。発光素子201は、検出回路200からの指示に従って発光するように構成されている。
【0022】
光導波路202Yの他端には、受光素子204が取り付けられている。受光素子204は、たとえば、フォトトランジスタ、フォトダイオード又は光導電セルで構成されている。受光素子204は、発光素子201が発した光を光導波路202X,202Yを介して受光し、受光量に応じた電圧を出力するように構成されている。
【0023】
本実施の形態1に従う液体センサ10の使用時に、基板104は、燃料中に浸漬される。基板104が燃料中に浸漬された状態では、孔H1が燃料で満たされる。すなわち、発光素子201が発した光は、光導波路202Xを通過し、孔H1に存在する燃料中を通過し、光導波路202Yを通過することによって、受光素子204に受光される。孔H1に存在する燃料の液質が良い場合には、受光素子204によって受光される光の強度が強い。一方、孔H1に存在する燃料の液質が悪い場合には、受光素子204によって受光される光の強度が弱い。検出回路200は、受光素子204による受光量と燃料の液質との関係を予め記憶しており、受光素子204による受光量に基づいて燃料の液質を検出する。
【0024】
本実施の形態1に従う液体センサ10においては、光の反射を用いることなく、燃料中を通過した光が受光素子204によって受光される。また、光導波路202X,202Yの双方は、基板104に埋め込まれている。したがって、この液体センサ10によれば、光導波路202X,202Y間の位置関係がずれにくく、反射面の平滑度合いによる影響も受けないため、振動等が生じたとしても燃料の液質を比較的正確に検出することができる。
【0025】
また、本実施の形態1に従う液体センサ10においては、基板104がフッ素樹脂基板である。液体センサ10によれば、フッ素樹脂基板が耐候性及び耐薬性に優れるため、過酷環境で燃料の液位を検出することができる。
【0026】
<1-3.基板の製造方法>
図5は、基板104の製造手順を示すフローチャートである。図5に示される処理は、たとえば、基板104の製造装置によって実行される。
【0027】
図5を参照して、製造装置は、たとえば、光ファイバー(光導波路202)を内蔵しており銅箔で挟まれた基板を製造する(ステップS100)。
【0028】
図6は、光ファイバーを内蔵しており銅箔で挟まれた基板の製造方法を説明するための図である。図6に示されるように、光導波路202が所望の位置に埋め込まれたフッ素樹脂220が銅箔210,212で挟まれる。銅箔210,212で挟まれたフッ素樹脂220が加熱融着を通じて成形される。これにより、光ファイバーを内蔵しており銅箔で挟まれた基板が完成する。
【0029】
再び図5を参照して、製造装置は、酸処理を通じて、ステップS100で製造された基板から銅箔210,212を剥離する(ステップS110)。その後、製造装置は、基板上に孔H1を形成し、光導波路202を光導波路202Xと光導波路202Yとに分断する(ステップS120)。これにより、基板104が完成する。
【0030】
<1-4.液体センサの動作>
本実施の形態1に従う液体センサ10において、検出回路200は、発光素子201を発光させる。発光素子201が発した光は、光導波路202X、孔H1に存在する燃料、光導波路202Yを通過して、受光素子204に受光される。検出回路200は、受光素子204の出力電圧を検出する。検出回路200は、出力電圧に基づいて、燃料の液質を検出する。
【0031】
たとえば、検出回路200は、受光素子204の出力電圧が所定値以下である場合に、燃料の汚れが所定レベル以上であると判定する。判定結果は、たとえば、外部のモニタ等に出力される。これにより、ユーザは、燃料の液質を視覚的に認識することができる。
【0032】
<1-5.特徴>
以上のように、本実施の形態1に従う液体センサ10においては、光の反射を用いることなく、燃料中を通過した光が受光素子204によって受光される。また、光導波路202X,202Yの双方は、基板104に埋め込まれている。したがって、この液体センサ10によれば、光導波路202X,202Y間の位置関係がずれにくく、反射面の平滑度合いによる影響も受けないため、振動等が生じたとしても燃料の液質を比較的正確に検出することができる。
【0033】
[2.実施の形態2]
上記実施の形態1に従う液体センサ10においては、燃料の液質のみが検出された。本実施の形態2に従う液体センサにおいては、燃料の液質に加えて、燃料の液位(残量)が検出される。以下、上記実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
【0034】
<2-1.基板の構成>
図7は、本実施の形態2に従う液体センサが含む基板104Aを模式的に示す平面図である。図7に示されるように、基板104Aの形状は、長辺及び短辺を有する略矩形状から、孔H1A部分をくり抜いた形状である。孔H1Aの形状は、長辺及び短辺を有する略矩形状である。孔H1Aは、基板104Aの長手方向における下方に貫通している。孔H1Aの長辺は基板104Aの長辺に沿って延びており、孔H1Aの短辺は基板104Aの短辺に沿って延びている。
【0035】
孔H1Aの周囲には、基板104Aの内周面114が形成されている。内周面114のうち孔H1Aの一方の長辺に沿って延びる面の一部には電極106が形成されており、内周面114のうち孔H1Aの他方の長辺に沿って延びる面の一部には電極110が形成されている。
【0036】
電極106及び電極110は、互いに向き合っている。内周面114のうち孔H1Aの短辺に沿って延びる面には、電極106及び電極110が形成されていない。なお、電極106と電極110とが分断されている限り、内周面114のうち孔H1Aの短辺に沿って延びる面の一部に電極106,110が形成されてもよい。
【0037】
基板104Aの主面上には、L字状の配線108及び配線112が形成されている。配線108は、電極106と電気的に接続されるとともに、検出回路200Aと電気的に接続されている。配線112は、電極110と電気的に接続されるとともに、検出回路200Aと電気的に接続されている。
【0038】
なお、電極106,110及び配線108,112の各々は、たとえば、金、銀、銅、アルミニウム等の導電材料で構成される。また、電極106,110及び配線108,112の各々は、たとえば、フッ素樹脂でコーティングされてもよい。
【0039】
基板104Aにおいて、孔H1Aが形成される前は、基板104A内に光導波路202Aが形成されていた。基板104Aに孔H1Aが形成されることによって、光導波路202Aは光導波路202XA,202YAに分断されている。すなわち、基板104Aには、光導波路202XA,202YAが埋め込まれている。光導波路202Aは、たとえば、光ファイバーで構成されている。
【0040】
光導波路202XAの一端は、孔H1Aを介して、光導波路202YAの一端と向き合っている。光導波路202XAの他端には、発光素子201Aが取り付けられている。発光素子201Aは、たとえば、LED又は半導体レーザで構成されている。発光素子201Aは、検出回路200Aからの指示に従って発光するように構成されている。
【0041】
光導波路202YAの他端には、受光素子204Aが取り付けられている。受光素子204Aは、たとえば、フォトトランジスタ、フォトダイオード又は光導電セルで構成されている。受光素子204Aは、発光素子201Aが発した光を光導波路202XA,202YAを介して受光し、受光量に応じた電圧を出力するように構成されている。
【0042】
本実施の形態2に従う液体センサの使用時に、基板104Aは、基板104Aの長辺が燃料の液面に垂直な方向に延びるように配置される。燃料の液面の高さが変化することによって、電極106と電極110との間に位置する燃料の量が変化する。その結果、電極106と電極110との間に存在する物質の比誘電率が変化し、電極106と電極110との間の静電容量が変化する。検出回路200Aは、電極106,110間の静電容量と燃料の残量との関係を予め記憶しており、電極106と電極110との間の静電容量に基づいて燃料の残量を検出する。
【0043】
なお、本実施の形態2に従う液体センサによる燃料の液質の検出原理は、上記実施の形態1に従う液体センサ10と同様である。
【0044】
このように、本実施の形態2に従う液体センサにおいては、電極106,110間の静電容量を検出することによって、燃料の液位が検出される。すなわち、この液体センサによれば、共通の基板104Aを用いることによって、燃料の液質及び液位の双方を検出することができる。
【0045】
<2-2.基板の製造方法>
図8は、基板104Aの製造手順を示すフローチャートである。図8に示される処理は、たとえば、基板104Aの製造装置によって実行される。図8を参照して、製造装置は、たとえば、光ファイバー(光導波路202)を内蔵した基板を製造する(ステップS200)。この処理は、図5のステップS100,S110で行なわれる処理と同様である。
【0046】
製造装置は、光ファイバーを内蔵した基板の主面上に配線(配線108,112)をプリントする(ステップS210)。製造装置は、基板上に孔H1Aを形成する(ステップS220)。製造装置は、内周面114のうち孔H1Aの各長辺に沿って延びる各面の一部にめっき処理を施し、電極106,110を形成する(ステップS230)。この際、製造装置は、孔H1A側に露出している光導波路202XA,202YAにはめっき処理を施さない。これにより、基板104Aが完成する。
【0047】
<2-3.液体センサの動作>
上記実施の形態1に従う液体センサ10と同様、本実施の形態2に従う液体センサは、オイルタンク内に設置された状態で使用される。検出回路200Aが電極106,110間に所定電圧を印加した状態で、検出回路200Aは、電極106,110間の静電容量を検出する。この検出は、公知の種々の方法を用いて行なわれる。検出回路200Aは、検出された静電容量に基づいて、燃料の液位(残量)を検出する。検出結果は、たとえば、外部のモニタ等に出力される。これにより、ユーザは、燃料の残量を視覚的に認識することができる。
【0048】
また、本実施の形態2に従う液体センサにおいて、検出回路200Aは、発光素子201Aを発光させる。発光素子201Aが発した光は、光導波路202XA、孔H1Aに存在する燃料、光導波路202YAを通過して、受光素子204Aに受光される。検出回路200Aは、受光素子204Aの出力電圧を検出する。検出回路200Aは、出力電圧に基づいて、燃料の液質を検出する。
【0049】
たとえば、検出回路200Aは、受光素子204Aの出力電圧が所定値以下である場合に、燃料の汚れが所定レベル以上であると判定する。判定結果は、たとえば、外部のモニタ等に出力される。これにより、ユーザは、燃料の液質を視覚的に認識することができる。
【0050】
<2-4.特徴>
以上のように、本実施の形態2に従う液体センサにおいては、電極106,110間の静電容量を検出することによって、燃料の液位が検出される。すなわち、この液体センサによれば、共通の基板104Aを用いることによって、燃料の液質及び液位の双方を検出することができる。
【0051】
[3.変形例]
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。以下、変形例について説明する。
【0052】
上記実施の形態2においては、液体センサの使用時に、基板104Aが、基板104Aの長辺が燃料の液面に垂直な方向に延びるように配置された。しかしながら、基板104Aは、必ずしも基板104Aの長辺が燃料の液面に垂直な方向に延びるように配置される必要はない。燃料の液位の変化に伴なって電極106,110間の静電容量が変化する限り、基板104Aは燃料の液面に対してどのような角度で配置されてもよい。
【0053】
また、上記実施の形態1,2においては、液体センサ10等がオイルタンク内に取り付けられ、燃料の液質が検出された。しかしながら、液体センサ10等が検出する液質は、燃料の液質に限られない。液体センサ10等は、たとえば、動作時に振動を伴なうタンク内に取り付けられ、水、各種水溶液(たとえば、酸性水溶液、アルカリ性水溶液)、アルコール類、溶剤類、オイル(たとえば、振動が発生する機器の差動オイル又は潤滑オイル)等の液質を検出してもよい。すなわち、液体センサ10等は、少なくとも一部分が液体中に浸漬された状態で、液体の液質を検出すればよい。
【符号の説明】
【0054】
10 液体センサ、100 液体センサ本体、102 プラグ、104,104A 基板、106,110 電極、108,112 配線、200,200A 検出回路、201,201A 発光素子、202,202A,202X,202XA,202Y,202YA 光導波路、204 受光素子、210,212 銅箔、220 フッ素樹脂、300 ケーブル、H1,H1A 孔。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8