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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】ハンドルの芯金
(51)【国際特許分類】
   B62D 1/04 20060101AFI20231017BHJP
【FI】
B62D1/04
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020093892
(22)【出願日】2020-05-29
(65)【公開番号】P2021187274
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000229955
【氏名又は名称】日本プラスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】村松 克弥
(72)【発明者】
【氏名】漆畑 明人
【審査官】飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-213329(JP,A)
【文献】特開平10-203376(JP,A)
【文献】特開平09-057420(JP,A)
【文献】米国特許第05544545(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 1/00-1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形型を用いて鋳造されるハンドルの芯金であって、
前記成形型のゲートが設定され、操向用シャフトと接続されるボス芯金部と、
このボス芯金部の周辺に位置するリム芯金部と、
前記ボス芯金部と前記リム芯金部とを連結する複数のスポーク芯金部と、
モジュールが固定される固定部を有し、前記ハンドルの中立状態で上側と下側とに位置する前記スポーク芯金部を互いに連結する連結部と、
前記ハンドルの中立状態での前記連結部の上端部に向かい下方へと徐々に拡幅する拡張部と、を備え
前記拡張部は、前記連結部を基準としてこの拡張部とは反対側に連なる位置での前記スポーク芯金部よりも拡幅されている
ことを特徴とするハンドルの芯金
【請求項2】
連結部は、ハンドルの中立状態での下端部に絞り部を有する
ことを特徴とする請求項記載のハンドルの芯金。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形型を用いて鋳造されるハンドルの芯金に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車などの車両において、円環状をなし乗員に把持操作されるリム部と、このリム部の内方に位置しステアリングシャフトと接続されるボス部と、これらリム部とボス部とを連結する複数のスポーク部とを備えたハンドルであるステアリングホイールが用いられている。ステアリングホイールは、金属製の芯金を備えている。この芯金には、リム部、ボス部及び各スポーク部のそれぞれに対応するリム芯金部、ボス芯金部及び複数のスポーク芯金部が設定されている。
【0003】
例えば、上下にスポーク芯金部を有する芯金において、上下のスポーク芯金部が連結部により連結されるとともに、この連結部に形成された固定部に対し、エアバッグモジュールをボルトによって固定するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
この芯金を鋳造する場合、スポーク芯金部の上下から連結部へと流入する芯金材料の溶融金属つまり溶湯の合流部(ウェルド)を一定の箇所に安定して形成することが難しい。一般に、溶湯の合流部は相対的弱部となるため、合流部が連結部内の固定部付近に形成された場合、ステアリングホイールのリム部の下部側に正面側である乗員側から荷重が加わったときに、溶湯の合流部を基点とした連結部も含めて、リム部の下側が背面側である反乗員側へと曲がる。つまり、この場合、連結部が固定部直近から変形することにより、エアバッグモジュールの取り付け状態が影響を受けることが考えられる。
【0005】
そこで、エアバッグモジュールの固定部を含めて芯金の強度を向上させたり、変形の影響を受けにくい構造を採用したりすると、製造コストを高騰させることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2001-213329号公報 (第4-7頁、図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、製造コストを抑制しつつ、モジュールを安定的に固定可能な芯金が望まれている。
【0008】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、製造コストを抑制しつつ、モジュールを安定的に固定可能なハンドルの芯金を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載のハンドルの芯金は、成形型を用いて鋳造されるハンドルの芯金であって、前記成形型のゲートが設定され、操向用シャフトと接続されるボス芯金部と、このボス芯金部の周辺に位置するリム芯金部と、前記ボス芯金部と前記リム芯金部とを連結する複数のスポーク芯金部と、モジュールが固定される固定部を有し、前記ハンドルの中立状態で上側と下側とに位置する前記スポーク芯金部を互いに連結する連結部と、前記ハンドルの中立状態での前記連結部の上端部に向かい下方へと徐々に拡幅する拡張部と、を備え、前記拡張部は、前記連結部を基準としてこの拡張部とは反対側に連なる位置での前記スポーク芯金部よりも拡幅されているものである。
【0010】
求項記載のハンドルの芯金は、請求項記載のハンドルの芯金において、連結部は、ハンドルの中立状態での下端部に絞り部を有するものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載のハンドルの芯金によれば、拡張部を介して溶湯を連結部の上端部へと積極的に流入させて鋳造流動を促し、連結部の下端部近傍に溶湯の合流部を設定して、連結部の下端部近傍に相対的弱部を安定的に形成できる。また、連結部の拡張部とは反対側の位置で成形型が溶湯を連結部の上端部へと分岐させる流動分岐壁として作用するため、連結部への鋳造流動をより促進できる。そのため、過度の応力に対し、連結部は下端部側が変形や破断をするのみで、連結部に形成される固定部はスポーク芯金部と連結した状態を保つことができる。また、モジュールの固定部を含めて芯金の強度を向上させたり、変形の影響を受けにくい構造を採用したりする必要がない。したがって、製造コストを抑制しつつ、モジュールを安定的に固定できる。
【0012】
求項記載のハンドルの芯金によれば、請求項記載のハンドルの芯金の効果に加えて、絞り部の位置で溶湯の流動を絞り、連結部の下端部側を鋳造における溶湯の合流部として、連結部の下端部近傍に相対的弱部をより安定的に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施の形態のハンドルの芯金の一部を拡大して示す正面図である。
図2】同上芯金の正面図である。
図3】同上芯金に取り付けられるモジュールの一部を示す背面図であり、(a)はその一例を示し、(b)は他の例を示す。
図4】同上モジュールの一部を芯金に取り付けた状態を示す正面図である。
図5】同上芯金にモジュールの一部を取り付けた状態の一部を示す断面図である。
図6】同上芯金を備えるハンドルを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
図6において、10は自動車部品としてのハンドル(ステアリングハンドル)であるステアリングホイールである。ステアリングホイール10は、自動車の運転席の乗員の前方に配置され、ハンドル本体であるステアリングホイール本体11と、このステアリングホイール本体11の乗員側に取り付けられる設置体であるモジュール12と、ステアリングホイール本体11の反乗員側、すなわちモジュール12と反対側に取り付けられる図示しない被覆部材としてのカバー体であるバックカバーとなどから構成されている。また、ステアリングホイール10には、必要に応じて、ステアリングホイール本体11の乗員側に図示しない装飾部材としてのフィニッシャ(ガーニッシュ)などが取り付けられる。
【0016】
なお、ステアリングホイール10は、通常、水平方向(垂直方向)に対して傾斜した状態で備えられる図示しない操縦装置としての操向用シャフトであるステアリングシャフトに装着されるものであるが、以下、モジュール12側を乗員側、正面側あるいは後側、ステアリングシャフト側を車体側、背面側あるいは前側とし、ステアリングシャフトに沿った前後方向を軸方向とし、その他、このステアリングホイール10が備えられる車体の直進方向を基準として、左右方向(矢印L,R方向)上下方向(矢印U,D方向)などの方向を説明する。また、ステアリングホイール10は、特記しない限り操舵基準状態、すなわち中立(ニュートラル)状態として説明する。
【0017】
そして、ステアリングホイール本体11は、リム部(リング部)21と、リム部21の内側に位置する中心部としてのハブ部であるボス部(マウント部)22と、これらリム部21とボス部22とを連結する複数、例えば3本以上のスポーク部23とから構成されている。
【0018】
リム部21は、ボス部22の周辺に位置している。リム部21は、円弧状に形成されている。本実施の形態において、リム部21は、円環状に連なって形成され、ボス部22の外方を囲んで位置している。
【0019】
ボス部22は、主としてモジュール12によって構成されている。
【0020】
スポーク部23は、3本以上設定されている。本実施の形態において、スポーク部23は、上下に対をなして左右両側に設定されている。すなわち、スポーク部23は、上側に位置する第一スポーク部である側部スポーク部25と下側に位置する第二スポーク部である下部スポーク部26とが対をなし、これら側部スポーク部25及び下部スポーク部26が左右にそれぞれ設定されている。つまり、本実施の形態のスポーク部23は、4本設定されている。
【0021】
一方の側部スポーク部25は、ボス部22の左側部とリム部21のアナログ時計9時位置とを連結するように左右方向に延び、他方の側部スポーク部25は、ボス部22の右側部とリム部21のアナログ時計3時位置とを連結するように左右方向に延びている。
【0022】
一方の下部スポーク部26は、ボス部22の下部とリム部21のアナログ時計7時または8時位置とを連結するように上下方向に延び、他方の下部スポーク部26は、ボス部22の下部とリム部21のアナログ時計5時または4時位置とを連結するように上下方向に延びている。
【0023】
側部スポーク部25と下部スポーク部26とは、上下方向に離れて配置されている。
【0024】
スポーク部23は、ステアリングホイール本体11の中心に対し、左右対称または略左右対称に配置されている。
【0025】
そして、ステアリングホイール本体11は、図2に示す芯金28を備えている。芯金28は、例えばアルミニウムや鉄などの金属により一体に成形された、金属製のものである。芯金28は、図示しない成形型を用いて鋳造される。芯金28は、リム部21、ボス部22及び複数のスポーク部23(図6)に対応し、円弧状のリム芯金部35、ボス芯金部36及び複数、例えば3本以上のスポーク芯金部37を備えている。したがって、本実施の形態において、スポーク芯金部37は、上下に対をなして左右両側に設定されている。すなわち、スポーク芯金部37は、上側に位置する側部スポーク部25(図6)に対応する第一スポーク芯金部である側部スポーク芯金部38と、下側に位置する下部スポーク部26(図6)に対応する第二スポーク芯金部である下部スポーク芯金部39とが対をなし、これら側部スポーク芯金部38及び下部スポーク芯金部39が左右に設定されている。芯金28は、概略として、略左右対称に形成されている。
【0026】
リム芯金部35は、リム部21(図6)の芯を構成するものである。リム芯金部35は、円弧状に形成されている。本実施の形態において、リム芯金部35は、円環状に連なって形成され、ボス芯金部36を囲んでいる。リム芯金部35は、スポーク芯金部37と連結されるスポーク連結部41を備えている。また、リム芯金部35は、弱部(脆弱部)である変形容易部42を備えている。
【0027】
スポーク連結部41は、リム芯金部35において複数箇所に設定される。本実施の形態において、スポーク連結部41は、リム芯金部35において、左右両側部と下部とに設定されている。両側部のスポーク連結部41,41が一方及び他方の側部スポーク芯金部38,38と連結され、下部のスポーク連結部41が一方及び他方の下部スポーク芯金部39,39と連結されている。これらスポーク連結部41は、周方向に互いに離れて配置されており、変形容易部42によって互いに連結されている。つまり、スポーク連結部41間に変形容易部42が配置されている。
【0028】
変形容易部42は、乗員のリム部21(図6)への当接により前方に向かってリム芯金部35(リム部21(図6))を屈曲変形させることでステアリングホイール10(図6)から乗員への反力を抑制する部分である。すなわち、変形容易部42は、リム芯金部35(リム部21(図6))を変形させることで乗員の当接による衝撃を逃がすようになっている。変形容易部42は、スポーク連結部41よりも細く形成されている。つまり、変形容易部42は、スポーク連結部41よりも断面積が小さく設定されている。
【0029】
ボス芯金部36は、ボス部22(図6)の芯を構成し、モジュール12(図6)を支持する部分である。ボス芯金部36は、モジュール12(図6)の背面側に位置し、モジュール12(図6)とバックカバーとの間に配置される。ボス芯金部36は、スポーク芯金部37の側部スポーク芯金部38と連結されるボス芯金本体部44と、スポーク芯金部37の下部スポーク芯金部39と連結される延出部45とを一体的に備えている。
【0030】
ボス芯金本体部44は、左右両側に一方及び他方の側部スポーク芯金部38,38の端部が連結されている。ボス芯金本体部44は、延出部45側である下方に向かって徐々に幅狭となるように左右両側が傾斜して形成されている。
【0031】
延出部45は、ボス芯金本体部44から下方に延出している。延出部45の左右両側に一方及び他方の下部スポーク芯金部39,39の端部が連結されている。
【0032】
また、ボス芯金部36は、ステアリングシャフトと連結される部分である。ボス芯金部36には、円形状のボス開口部47が形成されている。ボス開口部47は、ステアリングシャフトとスプライン結合され、ステアリングホイール10(図6)の回転中心となる。ボス開口部47は、ボス芯金本体部44の中央部に配置されている。そのため、ボス芯金本体部44にてボス開口部47の上方には、左右方向に延びる第一本体部48が形成され、ボス芯金本体部44にてボス開口部47の両側方には、上下方向に延びる幅狭の第二本体部49,49が形成されている。第一本体部48の左右両側に一方及び他方の側部スポーク芯金部38,38が連なり、第一本体部48の左右の下部に第二本体部49,49が連なり、第二本体部49,49の下端部に延出部45が連なっている。第二本体部49,49は、延出部45に向かい、左右方向に互いに接近するように傾斜している。
【0033】
さらに、ボス芯金部36には、開口部51が形成されている。開口部51は、延出部45を貫通して形成されている。開口部51は、ボス開口部47の下方に離れて位置している。延出部45にて開口部51の上部の左右両側方には、幅狭の第三本体部52,52が形成され、開口部51の左右両側方から下部に亘り、連結補強部53が形成されている。第三本体部52,52は、上端部が第二本体部49,49の下端部と連なって形成されている。第三本体部52,52は、上側から下側に向かい、左右方向に拡開するように傾斜している。つまり、第三本体部52,52は、第二本体部49,49と交差する方向に傾斜している。第三本体部52,52の下端部に、下部スポーク芯金部39,39が連なっている。また、連結補強部53は、第三本体部52,52を左右に連結するループ状に形成されている。
【0034】
そして、本実施の形態において、ボス芯金部36は、芯金28を成形する成形型の内部の空間部(キャビティ部)に対して溶湯を注入するゲートが設定される部分である。図示される例では、成形型のゲートは、ボス芯金部36の左右の中央部かつ上端部の位置Gに配置される。つまり、位置Gは、ボス芯金本体部44にてボス開口部47の上方に離れている。また、位置Gは、第一本体部48の左右方向の中央部にある。すなわち、位置Gは、左右の側部スポーク芯金部38の中間に位置している。
【0035】
ボス芯金部36とリム芯金部35とを連結するスポーク芯金部37は、スポーク部23(図6)の芯を構成する。スポーク芯金部37は、リム芯金部35からボス芯金部36に向かい、乗員側から反乗員側へと傾斜している。
【0036】
スポーク芯金部37において、各側部スポーク芯金部38は、概略として、左右方向に延び、リム芯金部35からボス芯金部36に向かって徐々に上方へと傾斜している。また、各側部スポーク芯金部38には、リム芯金部35(スポーク連結部41)と連結される一端部の近傍に埋設部56が形成されている。
【0037】
また、本実施の形態において、各側部スポーク芯金部38の他端部は、ボス芯金部36に対し、乗員側すなわち正面側に突出する凸部61として形成されている。この凸部61は、ボス芯金部36のボス芯金本体部44及び第二本体部49に亘り形成されている。また、この凸部61には、凹部62が形成されている。凹部62は、モジュール12(図6)を芯金28に対して位置決めするものである。凹部62は、正面から見て円形状に形成されている。
【0038】
また、スポーク芯金部37において、各下部スポーク芯金部39は、概略として、上下方向に延びている。各下部スポーク芯金部39は、各側部スポーク芯金部38よりも幅狭の細長い線状に形成されている。本実施の形態において、各下部スポーク芯金部39は、リム芯金部35と連なって上下方向に延びる第二スポーク芯金部本体部であるリム側連結部39aと、ボス芯金部36と連なるボス側連結部39bとを一体的に有する。リム側連結部39aは、ボス側連結部39bよりも長尺に形成されている。ボス側連結部39bは、リム側連結部39aに対し、ステアリングホイール10(図6)の回転中心側に向かって傾斜して形成されている。したがって、各下部スポーク芯金部39は、リム側連結部39aとボス側連結部39bとが連なる位置で屈曲されている。ボス側連結部39bは、第三本体部52とそれぞれ連結されている。ボス側連結部39bは、第三本体部52の延長上に位置し、第二本体部49に対して交差する方向に延びている。
【0039】
さらに、対をなすスポーク芯金部37、つまり各側部スポーク芯金部38と各下部スポーク芯金部39とは、それぞれ連結部66によって互いに連結されている。連結部66は、側部スポーク芯金部38及び下部スポーク芯金部39と交差する方向である上下方向に延び、上端部が側部スポーク芯金部38と連なり、下端部が下部スポーク芯金部39と連なっている。本実施の形態において、連結部66は、下側から上側に向かってボス芯金部36から徐々に離れる方向へと傾斜している。図示される例では、連結部66は、ボス芯金部36の第二本体部49と平行、または略平行に位置する。連結部66と、ボス芯金部36(第二本体部49)と、側部スポーク芯金部38と、下部スポーク芯金部39とにより、開口空間部67が囲まれている。
【0040】
図1に示すように、連結部66は、側部スポーク芯金部38と連なる端部(第一端部)である上端部66aが、最も断面積が大きく形成された拡大端部となっている。本実施の形態において、連結部66の上端部66aは、連結部66において最も幅広に形成されている。連結部66の上端部66aは、連結部66において、芯金28の鋳造用の成形型のゲートの位置G(図2)に最も近い位置にあるゲート近傍側端部であり、かつ、ボス芯金部36に対して連なっている。そのため、連結部66の上端部66aは、ゲートからの溶湯の流入側の端部となっている。この連結部66の上端部66aには、拡張部71が連なって形成されている。拡張部71は、連結部66の上端部66aに向かいゲートから離れるほど下方へと徐々に拡幅するように形成されている。拡張部71は、ボス芯金部36と各側部スポーク芯金部38とが連なる位置に形成されている。本実施の形態において、拡張部71は、各側部スポーク芯金部38の他端部または凸部61の位置にある。また、拡張部71は、連結部66を基準としてこの拡張部71とは反対側に連なる位置でのスポーク芯金部37(側部スポーク芯金部38)よりも拡幅されている。すなわち、拡張部71は、連結部66を基準としてこの拡張部71とは反対側の位置における側部スポーク芯金部38の幅を延長した仮想線LI1に対し下方に拡幅されているとともに、連結部66の上端部66aに接近するほどその拡幅量が大きくなっている。拡張部71と連結部66の上端部66aとは、拡張部71から連結部66の上端部66aの側縁部へと徐々に湾曲するように滑らかに連なっている。さらに、連結部66の上端部66aは、拡張部71と連なる側縁部とは反対側、つまり側部スポーク芯金部38と連なる側縁部が、連結部66の長手方向に直線状に延びる延伸部66bとなっている。延伸部66bは、連結部66の上端部66aにおいて、拡張部71と連なる側縁部と比較して急峻に屈曲して側部スポーク芯金部38と連なっている。
【0041】
一方、連結部66は、下部スポーク芯金部39と連なる端部(第二端部)である下端部66cが、芯金28の鋳造用の成形型のゲートの位置G(図2)に最も遠い位置にあるゲート遠隔側端部である。そのため、連結部66の下端部66cは、ゲートからの溶湯のスポーク芯金部37(下部スポーク芯金部39)への流出側の端部である。連結部66の下端部66cは、上端部66aよりも強度が小さい形状に形成された形状弱部である。本実施の形態において、連結部66の下端部66cは、上端部66aに対して前後方向に薄肉状に形成されて弱部となっている。また、連結部66の下端部66cには、上端部66aよりも断面積が絞られた絞り部66dが形成されている。絞り部66dは、連結部66の下端部66cと下部スポーク芯金部39とが連なる連結部66の側縁部に配置されている。絞り部66dは、下部スポーク芯金部39に向かって徐々に幅狭となるように絞られて形成されている。本実施の形態において、絞り部66dは、連結部66の下端部66cに向かうほど絞られるように形成されている。図示される例では、絞り部66dは、連結部66を形成する溶湯の流動方向、つまり連結部66の長手方向に対して鋭角状に形成されている。
【0042】
さらに、連結部66には、ボルトなどの固定部材(締結部材)72(図4)によりモジュール12(図6)を固定するための固定部66eが形成されている。固定部66eは、連結部66の上端部66aと下端部66cとを連結して形成されている。つまり、固定部66eは、連結部66の上端部66aと下端部66cとの間に位置している。固定部66eは、連結部66から正面側に立ち上がる板状に形成されている。固定部66eには、固定部材72(図4)が挿入される固定穴である締結穴部66fが形成されている。締結穴部66fは、固定部66eを貫通して形成されている。
【0043】
また、本実施の形態において、連結部66の上端部66aと下端部66cとの間の位置には、切欠部66gが形成されている。切欠部66gは、固定部66eに対して内方、すなわち、開口空間部67側に位置し、この開口空間部67と連通している。
【0044】
さらに、芯金28には、乗員によるモジュール12(図6)の押し込み操作により吹鳴されるホーン装置の作動用の固定接点73が設定されている。固定接点73は、好ましくは左右に配置され、さらに好ましくは上下に配置される。本実施の形態において、固定接点73は、左右の側部スポーク芯金部38とボス芯金部36との連結部、及び、ボス芯金部36の連結補強部53の左右両側にそれぞれ配置されている。
【0045】
そして、芯金28の一部は、図6に示す被覆部75によって覆われている。被覆部75は、リム部21の意匠面を構成するものである。被覆部75は、例えばポリウレタンなどの、軟質の合成樹脂(例えば連結体よりも軟質の合成樹脂)により成形された、合成樹脂製のものである。なお、被覆部75には、必要に応じて、例えば皮革や合成樹脂などの表皮体を巻くこともできる。図2に示す芯金28のうち、リム芯金部35全体から、側部スポーク芯金部38のリム芯金部35と連結される端部から埋設部56まで、及び、各下部スポーク芯金部39のリム芯金部35と連結される端部、つまりリム側連結部39aにおけるボス側連結部39bとは反対側である下端部が、図6に示す被覆部75に埋設される。
【0046】
そして、モジュール12は、例えばエアバッグを収納したエアバッグ装置などが好適に用いられるが、例えばエアバッグ装置に代えて、例えば衝撃吸収体を収納したパッド体や、内部に収納物がないものなど、その他の任意のものを用いることもできる。本実施の形態において、モジュール12は、図3(a)、または、図3(b)などに示す被固定部材であるホーンプレート76と、このホーンプレート76に支持されるモジュール本体部77(図6)とを備え、乗員の操作により吹鳴されるホーン装置の一部を構成する。
【0047】
ホーンプレート76は、導電性を有する金属板及び合成樹脂などをインサート成形により一体化して構成されている。ホーンプレート76は、外観に露出する金属部78と樹脂部79とを有する。
【0048】
ホーンプレート76は、概略として四角形状に形成されている。図4に示すように、ホーンプレート76は、芯金28のボス芯金部36に固定される。ホーンプレート76は、各連結部66の固定部66eに対して固定部材72により固定される被固定部81を備えている。被固定部81は、ホーンプレート76の左右両側に配置されている。被固定部81は、ホーンプレート76の左右両側から背面側に向かって板状に突出されている。被固定部81は、ホーンプレート76の両側縁に沿って形成されている。被固定部81は、連結部66の固定部66eに対して重ねられる。本実施の形態において、被固定部81は、連結部66の固定部66eの内方に重ねられる。すなわち、ホーンプレート76の左右両側は、左右の連結部66の固定部66eによって規制される。図3(a)、または、図3(b)に示すように、被固定部81には、締結穴部66f(図1)と位置合わせされて固定部材72(図4)が挿入される締結穴部81aが形成されている。つまり、図4に示すように、被固定部81と固定部66eとが重ねられる面が、固定部材72(図4)により合わせられる固定面(締結面)となっている。したがって、固定面は、連結部66または固定部66eに対し平行または略平行に設定される。また、図3(a)、または、図3(b)に示すように、本実施の形態において、被固定部81には、位置決め部81bが形成されている。位置決め部81bは、被固定部81の先端に突出されている。位置決め部81bは、図2に示す芯金28の切欠部66gに挿入されてホーンプレート76を芯金28に対して左右方向に位置決め可能となっている。
【0049】
また、図5に示すように、本実施の形態において、ホーンプレート76は、芯金28と接地する接地部83を備えている。接地部83は、樹脂部79に形成されている。接地部83は、樹脂部79から背面側に突出する点状の突起部である。接地部83は、芯金28と点接触し、ホーンプレート76と芯金28とを固定部材72(図4)により固定する際に芯金28に対して強干渉または潰れてホーンプレート76のがたつきを抑止し、芯金28との良好な合わせを得るものである。図3(a)、または、図3(b)に例を示すように、接地部83は、好ましくはホーンプレート76の上下左右にそれぞれ設定されている。本実施の形態において、接地部83は、ホーンプレート76の四隅近傍に配置されている。接地部83は、被固定部81を基準として、被固定部81の上方及び下方にそれぞれ配置されている。図3(a)に示す一例では、被固定部81の上方に位置する接地部83が、ホーンプレート76に形成された挿入穴部85よりも外側に位置している。また、図3(b)に示す他の例では、被固定部81の上方に位置する接地部83が、挿入穴部85の内側に位置している。被固定部81の上方に位置する接地部83と、この接地部83に対して左右同側にて被固定部81の下方に位置する接地部83とを結ぶ仮想線LI2は、ホーンプレート76の被固定部81と芯金28の連結部66の固定部66e(図1)とにより設定される固定面、または、固定部材72(図4)の締結トルクの軸線と直交する方向と略平行となっている。
【0050】
図5に示すように、挿入穴部85は、芯金28の上側の固定接点73が挿入される部分である。挿入穴部85は、ホーンプレート76の金属部78及び樹脂部79を貫通して形成されている。
【0051】
また、図3(a)、または、図3(b)に示すように、ホーンプレート76には、モジュール本体部77を支持するための支持穴部88が形成されている。支持穴部88は、複数形成されている。本実施の形態において、支持穴部88は、ホーンプレート76の上側の左右にそれぞれ形成されているとともに、下側の左右方向の中心部に形成されている。上側に位置する左右両側の支持穴部88は、図5に示すように、ホーンプレート76が芯金28に取り付けられた状態で芯金28の凹部62と対向する位置にある。また、下側に位置する支持穴部88は、ホーンプレート76が芯金28に取り付けられた状態で芯金28の開口部51と対向する位置にある。
【0052】
さらに、図3(a)、または、図3(b)に示すように、ホーンプレート76の中央部には、プレート開口部89が形成されている。プレート開口部89は、略円形状に形成されている。プレート開口部89は、金属部78及び樹脂部79を貫通して形成されている。このプレート開口部89の周囲に支持穴部88が配置されている。
【0053】
さらに、図6に示すモジュール本体部77は、乗員の操作によって固定接点73(図2)に対して接離される可動接点を有するホーンパッドである。モジュール本体部77は、背面側に配置された被支持部において、ホーンプレート76(図3(a)または図3(b))または芯金28(図2)に対して前後方向に可動的に支持されるとともに、ばねなどの図示しない付勢手段により弾性的に付勢される。モジュール本体部77は、エアバッグ装置を構成していてもよい。この場合、モジュール本体部77には、折り畳まれた袋状のエアバッグが内部に収納されているとともに、エアバッグの内部に膨張展開用のガスを噴出するインフレータが配置されている。インフレータは、図3(a)または図3(b)に示すホーンプレート76に対し、プレート開口部89に位置して、ホーンプレート76と干渉しないようになっている。
【0054】
そして、図2に示す芯金28を鋳造する際には、成形型を用いる。成形型は、竪型のものが好適に用いられるが、横型のものでもよい。そして、この成形型を閉じ、ゲートから溶湯を成形型内部の空間部(キャビティ部)に対して注入する。ゲートから注入された溶湯は、ボス芯金部36からスポーク芯金部37を経由してリム芯金部35を成形するように空間部に充填される。より詳細には、ゲートから注入された溶湯は、図1の矢印Aに示すように、ボス芯金部36相当位置からスポーク芯金部37の側部スポーク芯金部38相当位置側と下部スポーク芯金部39相当位置側とに分岐される。
【0055】
側部スポーク芯金部38相当位置側に分岐される溶湯は、ボス芯金部36の第一本体部48相当位置から連結部66の上端部66a相当位置に向かって流動する。このとき、連結部66の上端部66a相当位置に向かって拡幅する拡張部71が形成されているため、連結部66の延伸部66b相当位置の成形型の壁が溶湯の流動を分岐させる流動分岐壁として作用することで、溶湯が、連結部66の上端部66a相当位置への流動が促進されながら側部スポーク芯金部38相当位置を流動していく。特に、成形型が竪型である場合、拡張部71が、溶湯が落下する落差部として作用することで、連結部66の上端部66a相当位置への流動が促進される。
【0056】
また、下部スポーク芯金部39相当位置側に分岐された溶湯は、第一本体部48相当位置から、第二本体部49相当位置、第三本体部52相当位置を経由し下部スポーク芯金部39相当位置へと流動していく。
【0057】
そして、連結部66相当位置に流動した溶湯は、固定部66e相当位置から下端部66c相当位置へと流動し、絞り部66d相当位置で絞られつつ、下部スポーク芯金部39相当位置側を流動する溶湯と合流することで、形状弱部である下端部66c相当位置において、絞り部66d相当位置が鋳造における合流部(ウェルド)となる。
【0058】
鋳造されて成形型から脱型された芯金28に対して、例えばRIM成形などを用いて被覆部75を形成することで、ステアリングホイール本体11を形成する。さらに、この形成したステアリングホイール本体11は、ステアリングシャフトと連結して車体側に取り付ける。
【0059】
次いで、このステアリングホイール本体11に、モジュール12を取り付ける。モジュール12の取り付けの際、本実施の形態においては、まず、ホーンプレート76を芯金28に対して取り付ける。
【0060】
ホーンプレート76は、両側の位置決め部81bを芯金28の両側の固定部66eの切欠部66gに挿入しつつ、被固定部81を固定部66eに重ねるとともに、芯金28の固定接点73を挿入穴部85に挿入する。この状態で、接地部83が芯金28の側部スポーク芯金部38に正面側から接地する。この状態で、締結穴部66f,81aに亘り固定部材72(図4)を挿入して例えば締め付けることにより、固定部66eと被固定部81とが重ねられた状態で一体的に固定される。この固定部材72(図4)の締め付けトルクによって、この締め付けトルクの軸方向と直交する方向にあるホーンプレート76の接地部83が芯金28に押し付けられ(図5)、締め付けトルクの大きさに応じて接地部83が芯金28に対し強干渉または潰れることで、ホーンプレート76に締め付けトルクによる捻れが生じにくく、ホーンプレート76が芯金28に対してがたつきなく良好な合わせ状態で固定される。
【0061】
そして、芯金28に取り付けたホーンプレート76に対し、モジュール本体部77を被支持部によって支持するとともに、必要に応じてフィニッシャなどを取り付けることで、ステアリングホイール10が車体に取り付けられた状態で完成する。
【0062】
ステアリングホイール10は、乗員がモジュール12のモジュール本体部77を付勢手段の付勢に抗して押し込むと、可動接点が固定接点73に接近し、可動接点と固定接点73とが接触すると、回路が閉成されることで、ホーン装置が吹鳴される。
【0063】
上述したように、本実施の形態によれば、モジュール12が固定される固定部66eを有する連結部66の上端部66aに向かい、拡張部71を下方へと徐々に拡幅したことで、拡張部71を介して溶湯を連結部66の上端部66aへと積極的に流入させて鋳造流動を促し、連結部66の下端部66c近傍に溶湯の合流部を設定して、連結部66の下端部66c近傍に相対的弱部を安定的に形成できる。
【0064】
そのため、例えば車両衝突における乗員保護時にステアリングホイール10のリム部21の下部側に正面側である乗員側から過度の応力が加わった場合でも、芯金28の脆弱位置が安定していることで、連結部66は下端部66c側が変形や破断をするのみで、連結部66に形成される固定部66eは連結部66の上端部66aを介して側部スポーク芯金部38と連結した状態を保つことができる。
【0065】
また、芯金28において、補強用のリブなどの細部形状や薄板形状を多用すると、鋳造流動を低下させるとともに、屈曲形状や強度を確保するための肉厚変化、補強リブの多用は、成形型の焼き付きを促すこととなる。本実施の形態では、連結部66の上端部66aに連なる拡張部71によって鋳造流動を促しているため、成形型の焼き付きを生じにくい形状であり、成形型の焼き付きに起因する芯金28の耐久性や材料劣化の早期化を生じにくいので、品質維持に要する成形型のメンテナンス費用や成形型の短命化による単価の増加を抑制できる。また、芯金28のモジュール12保持性能の低下を防止するための解析を用いた設計や製品評価数量の増加、量産定期試験頻度の増加などの余剰費用の増加が不要で、製品コストの上昇を抑制できる。つまり、本実施の形態の芯金28は、モジュール12の固定部66eを含めて強度を向上させたり、変形の影響を受けにくい構造を採用したりする必要がない。
【0066】
この結果、芯金28は、製造コストを抑制しつつ、モジュール12を安定的に固定できる。したがって、モジュール12にエアバッグ装置が備えられる構成において、芯金28(ステアリングホイール本体11)が仮に変形した場合でも、エアバッグを安定的に展開可能となり、エアバッグ性能を安定化できる。
【0067】
拡張部71を、連結部66を基準としてこの拡張部71とは反対側に連なる位置での側部スポーク芯金部38よりも拡幅したことで、連結部66の拡張部71とは反対側の延伸部66b相当位置で成形型が溶湯を連結部66の上端部66aへと分岐させる流動分岐壁として作用するため、連結部66への上端部66aからの鋳造流動をより促進できる。
【0068】
連結部66に、ゲートからの溶湯の下部スポーク芯金部39への流出側の端部である下端部66cに絞り部66dを形成したことで、絞り部66dの位置で溶湯の流動を絞り、連結部66の下端部66cを鋳造における溶湯の合流部として、連結部66の下端部66c近傍に相対的弱部をより安定的に形成できる。
【0069】
特に、連結部66の下端部66cを形状弱部としているため、形状弱部と鋳造における溶湯の合流部とが一致し、相対的弱部を安定的に形成できる。
【0070】
さらに、連結部66によって側部スポーク芯金部38及び下部スポーク芯金部39を連結することによってボス芯金部36の周囲をボックス状の剛体部として強固化できるので、共振性能を向上でき、運転中にステアリングシャフトを介して伝わるエンジンの振動や路面からの反力によって生じる振動を抑制できるとともに、乗員側から過度の応力が加わった場合の下部スポーク芯金部39(下部スポーク部26)の下部のリム芯金部35(リム部21)での反力を低減でき、共振と曲げ反力との両立が可能となる。
【0071】
また、ホーンプレート76に形成した接地部83を芯金28に接触させることで、芯金28に対するモジュール12のがたつきを抑制できる。そのため、がたつき防止用の不織布、あるいは、ホーンプレート76と芯金28とを位置決めするための高精度の別部品などを用いる必要がなく、部品点数の増加に起因する部品費用の増加や組み立ての多工程化、組み立て設備の増加などが不要で、芯金28に対するモジュール12のがたつきの抑制を低コストで実現できる。
【0072】
特に、接地部83は、芯金28にホーンプレート76を固定するための固定部材72の固定面となる固定部66eと被固定部81との合わせ位置に平行または略平行に配置されているため、固定部材72をボルトとした場合、その締結トルクによって生じる応力で接地部83を芯金28に押し付け、強干渉または変形させることができるので、芯金28とホーンプレート76(モジュール12)との合わせを向上できるとともに、固定部材を締結する際のトルクを受けてもホーンプレート76にねじれが生じにくくなる。
【0073】
しかも、接地部83は、固定部材の締め付けトルクによる応力に応じて高さや形状が追従して変形するので、芯金28とホーンプレート76(モジュール12)との合わせをより向上できる。
【0074】
なお、上記の一実施の形態において、スポーク芯金部37は、例えば左右両側の側部スポーク芯金部38,38と一つの下部スポーク芯金部39とを有する3本でも同様の作用効果を奏することができる。この場合、連結部66は、各側部スポーク芯金部38と下部スポーク芯金部39とをそれぞれ連結するものとして形成される。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、例えば自動車などの車両用のステアリングホイールの芯金として好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0076】
10 ハンドルであるステアリングホイール
12 モジュール
28 芯金
35 リム芯金部
36 ボス芯金部
37 スポーク芯金部
66 連結部
66a 上端部
66c 下端部
66d 絞り部
66e 固定部
71 拡張部
図1
図2
図3
図4
図5
図6