(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】蒸気生成装置および蓋
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20231017BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20231017BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/20
(21)【出願番号】P 2020560451
(86)(22)【出願日】2019-05-17
(86)【国際出願番号】 EP2019062846
(87)【国際公開番号】W WO2019224120
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2022-02-01
(32)【優先日】2018-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2018-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2018/097074
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100188857
【氏名又は名称】木下 智文
(74)【代理人】
【識別番号】100169100
【氏名又は名称】辰川 肇
(72)【発明者】
【氏名】ドシ, ジョヴァンニ
(72)【発明者】
【氏名】ブーフィギル, ライス
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107752130(CN,A)
【文献】特開2013-099497(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0121878(US,A1)
【文献】中国実用新案第201512227(CN,U)
【文献】国際公開第2017/194751(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3190358(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
A61M 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気生成ロッドを受け
入れるための蒸気生成空間と、
前記蒸気生成空間への閉鎖可能開口部を規定するカバーと、
前記蒸気生成空間に受け入れられた前記蒸気生成ロッドを加熱するヒータと、を有し、
前記カバーは、閉位置に向かって付勢されており、前記蒸気生成ロッドを受け
入れるときに前記閉位置から開位置に開口可能であ
り、
前記カバーは可撓性膜であり、前記可撓性膜は、前記蒸気生成ロッドが前記蒸気生成空間に受け入れられるときに前記蒸気生成ロッドが通る、少なくとも1つの変形可能なスリットを有し、
前記少なくとも1つの変形可能なスリットは、前記蒸気生成ロッドが前記少なくとも1つの変形可能なスリットを通過するときの前記蒸気生成ロッドの周囲のシールを提供する、蒸気生成装置。
【請求項2】
前記カバーは、前記開位置にあるときに前記蒸気生成空間に
受け入れられた蒸気生成ロッドに対して押し付けられるように構成されている、請求項1に記載の蒸気生成装置。
【請求項3】
前記蒸気生成空間に接続可能な蓋を更に備え、前記閉鎖可能開口部が、前記蓋において構成される、請求項1または2に記載の蒸気生成装置。
【請求項4】
前記蓋
が、前記可撓性膜を含
む、請求項3に記載の蒸気生成装置。
【請求項5】
前記可撓性膜は周辺部によって取り囲まれる、請求項4に記載の蒸気生成装置。
【請求項6】
前記周辺部は堅牢な材料でできている、請求項5に記載の蒸気生成装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの
変形可能なスリットは、前記
可撓性膜上の点から放射状に延びる、請求項
1に記載の蒸気生成装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの
変形可能なスリットは、湾曲している、請求項7
に記載の蒸気生成装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの変形可能なスリットは、2つ以上の
変形可能なスリットを有し、前記2つ以上の
変形可能なスリットは、
同じ長さであり、
同じ形状であり、および/または、
間が等しい角度で構成されている、請求項
1から
8のうちいずれか1項に記載の蒸気生成装置。
【請求項10】
前記蓋は、前記蒸気生成装置から着脱可能である、請求項3
または4に記載の蒸気生成装置。
【請求項11】
請求項1から1
0のうちいずれか1項に記載の蒸気生成装置を含むシステムであって、前記閉鎖可能開口部を通して挿入される蒸気生成ロッドを含む、システム。
【請求項12】
前記蒸気生成ロッドが前記閉鎖可能開口部から除去されるとき、前記カバーが閉位置に向かって付勢される、請求項1
1に記載のシステム。
【請求項13】
前記蒸気生成ロッドが前記閉鎖可能開口部を通して前記蒸気生成空間内に挿入されるときに、前記蒸気生成ロッドのマウスピース端が、前記蒸気生成空間から前記閉鎖可能開口部を通して外側へ延びるように、前記蒸気生成空間は、前記蒸気生成ロッドの長さより短い長さである、請求項1
1または1
2に記載のシステム。
【請求項14】
前記蒸気生成ロッドは、喫煙器具である、請求項1から1
0のうちいずれか1項に記載の
蒸気生成装置。
【請求項15】
前記蒸気生成ロッドは、喫煙器具である、請求項11から13のうちいずれか1項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気生成装置および蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の紙巻きたばこでは、たばこが燃やされ、煙が吸入される。従来の紙巻きたばこに代わる物が、加熱式装置 (heat-not-burn device) である。加熱式装置は、たばこを燃やすのではなく、気化またはエアロゾル化するために低温でたばこを加熱する。
【0003】
たばこ製品の気化またはエアロゾル化のための加熱装置は、当技術分野において公知である。このような装置は、典型的には、加熱チャンバおよびヒータを含む。動作時に、操作者は、たばこ製品を加熱チャンバ内に挿入する。たばこ製品はその後、電子ヒータで加熱されて、操作者が吸入するためのたばこ製品の成分が気化またはエアロゾル化される。いくつかの例において、たばこ製品は、棒形状でありうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような加熱装置が直面する課題は、ユーザエクスペリエンスに対する有害な影響を防止するために、装置を清潔に維持することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様によれば、本発明は、蒸気生成装置を提供する。蒸気生成装置は、蒸気生成ロッドを受けるための蒸気生成空間と、蒸気生成空間への閉鎖可能開口部を規定するカバーと、を有し、カバーは、閉位置に向かって付勢されており、蒸気生成ロッドを受けるときに閉位置から開位置に開口可能である。このようにして、蒸気生成ロッドが挿入されていないときは蒸気生成空間は閉じられ、これにより、埃および粒子状物質が蒸気生成空間に入ることが防止される。カバーが閉位置に向かって付勢されているため、蒸気生成ロッドが開口部を通して挿入されるときに、カバーは、蒸気生成ロッドに対して押し付けられ、それによって蒸気生成ロッドが定位置に保持される。蒸気生成ロッドを挿入する前および後にユーザがカバーを手動で開閉する必要がない点においても、閉鎖可能開口部は有利である。
【0006】
本発明の別の態様は、蒸気生成ロッドを受けるための蒸気生成空間と、蒸気生成空間に接続可能な蓋であって、蓋が蒸気生成空間への閉鎖可能開口部を含み、閉鎖可能開口部が、閉位置に向かって付勢されており、蒸気生成ロッドを受けるときに閉位置から開位置に開口可能である、蓋と、を含む蒸気生成装置を提供する。このようにして、蒸気生成ロッドが挿入されていないときに蒸気生成空間が蓋によって閉じられ、これにより、埃および粒子状物質が蒸気生成空間に入ることが防止される。蓋の開口部が閉位置に向かって付勢されているため、蒸気生成ロッドが開口部を通して挿入されるときに、開口部は蒸気生成ロッドに対して押し付けられ、それにより蒸気生成ロッドが定位置に保持される。蒸気生成ロッドを挿入する前および後にユーザが蓋を手動で取り外しおよび再取り付けする必要がない点においても、閉鎖可能開口部は有利である。
【0007】
好適には、閉鎖可能開口部またはカバーは、開位置にあるときに蒸気生成空間において受けた蒸気生成ロッドに対して押し付けられるように構成される。このようにして、蒸気生成空間において受けた蒸気生成ロッドは、閉鎖可能開口部によって定位置に確実に保持されうる。
【0008】
好適には、閉鎖可能開口部またはカバーは、閉鎖可能開口部またはカバーの弾性または反発特性によって、蒸気生成空間において受けた蒸気生成ロッドに対して押し付けられるように構成される。
【0009】
好適には、蒸気生成装置が、1つまたは複数のスリットの形態で可撓性膜を通って構成される閉鎖可能開口部を有する、反発性のある可撓性材料でできた膜を含むことによって、カバーは、蒸気生成ロッドに対して押し付けられるように構成されうる。この例では、カバーは、膜の反発性のある可撓性特性が閉鎖可能開口部を閉位置に押し付けることによって、蒸気生成空間において受けた蒸気生成ロッドに対して押し付けられるように構成されうる。蒸気生成ロッドが蒸気生成空間にあるとき、1つまたは複数のスリットは閉位置に達することができず、膜が蒸気生成ロッドに対して押し付けられる。
【0010】
代替として、カバーがばね式ヒンジ付きカバーとして提供されることによって、カバーが蒸気生成ロッドに対して押し付けられるように構成されてもよい。ばね式ヒンジ付きカバーは、閉位置に向かってカバーを付勢するように構成され、カバーが蒸気生成空間に対して内向きにヒンジの周りを旋回するように蒸気生成ロッドがカバーを押すことによって、蒸気生成ロッドを受けるときに開口可能でありうる。この例では、カバーは、ヒンジのばね式が閉位置にカバーを押し付けることによって蒸気生成空間において受けた蒸気生成ロッドに対して押し付けられるように構成されうる。蒸気生成ロッドが蒸気生成空間にあるとき、カバーは閉位置に達することができず、カバーは、蒸気生成ロッドに対して押し付けられる。すなわち、カバーが閉位置に向かって付勢されることに起因して、カバーが自動的に閉じ、蒸気生成空間内の蒸気生成ロッドの存在に起因して閉じることが止められうる。
【0011】
別の代替手段において、カバーには弾性のあるゴム材料を利用することによって、カバーが蒸気生成ロッドに対して押し付けられるように構成されうる。例えば、弾性のあるゴム材料は、膜の代わりにゴムカバーを用いて、前述の膜の例に類似の方式で機能するように、それを通って構成される1つまたは複数の変形可能なスリットを有するカバーとして構成されうる。別の例では、弾性のあるゴム材料が、前述のばね式ヒンジ付きカバーの例においてばねの代わりに構成されうる。
【0012】
好適には、蒸気生成装置は、蒸気生成空間に接続可能な蓋をさらに含み、閉鎖可能開口部が、蓋において構成される。
【0013】
好適には、蓋は可撓性膜を含み、または、カバーが可撓性膜でありかつ蓋が可撓性膜を含み、閉鎖可能開口部が可撓性膜を通る。このようにして、可撓性膜は、蒸気生成ロッドによって圧力が加えられるときに、閉位置から開位置に変形しうる。蒸気生成ロッドが開口部から除去されるときに、可撓性膜の反発性によって、開口部が閉位置の方に戻って付勢され、それにより、粒子状物質が蒸気生成空間に入ることが防止される。可撓性膜および閉鎖可能開口部の構成は、それが単純な構造であり、余分な構成要素、または蒸気生成ロッドの挿入前および除去後の蓋の手動開閉が必要ない点において、有利である。
【0014】
好適には、可撓性膜は周辺部によって取り囲まれ、より好適には、周辺部は堅牢な材料でできている。このようにして、堅牢な周辺部が、蒸気生成装置の本体に蓋を確実に留めるために使用されうる。可撓性膜は周辺部の中央にあってもよい。
【0015】
好適には、可撓性膜は、周辺部から外側へ突出されている。
【0016】
好適には、閉鎖可能開口部は、可撓性膜内の少なくとも1つのスリットを含む。このようにして、少なくとも1つのスリットは、蒸気生成ロッドから加えられる圧力に起因して変形しうる。これにより、蒸気生成ロッドが可撓性膜を通して容易に受けられることが可能となる。可撓性膜の反発性に起因して、スリットに隣接する膜の変形部分が蒸気生成ロッドに対して押し付けられ、それにより、蒸気生成ロッドが定位置に確実に保持されうる。
【0017】
好適には、少なくとも1つのスリットが、膜上の点から放射状に延びる。このようにして、円形断面を有する蒸気生成ロッドは、膜によって確実に収容されうる。
【0018】
好適には、少なくとも1つのスリットは、湾曲している。これは、可撓性膜を通して受けられる蒸気生成ロッドを定位置に確実に保持することに寄与することが分かっている。
【0019】
好適には、2つ以上のスリットが存在し、2つ以上のスリットは、同じ長さであり、同じ形状であり、および/または間が等しい角度で構成される。これらのオプションは、それぞれ、可撓性膜を通して受けられる蒸気生成ロッドを定位置に確実に保持することに寄与することが分かっている。
【0020】
好適には、蓋は、蒸気生成装置から着脱可能である。このようにして、蒸気生成空間は、洗浄のために容易にアクセスされうる。必要に応じて、装置全体を交換することなく蓋が交換されうるという点において、さらなる利点がもたらされる。
【0021】
別の態様によれば、本発明は、閉鎖可能開口部を通して挿入される蒸気生成ロッドを含む蒸気生成装置を含むシステムを提供する。このようにして、蒸気生成ロッドは、それが加熱されうるように蒸気生成空間によって受けられ、埃および粒子状物質を蒸気生成空間に蓄積することを防止するために、蒸気生成ロッドが挿入されていないときに蓋またはカバーが蒸気生成空間を閉鎖しうる。ユーザは、蒸気生成ロッドを挿入する前および後で、蓋を手動で取り外しかつ再取り付けする必要がないため、これはさらに有利である。
【0022】
好適には、蒸気生成装置は、蒸気生成空間に接続可能な蓋をさらに含み、閉鎖可能開口部が、蓋において構成される。
【0023】
好適には、蒸気生成ロッドが閉鎖可能開口部から除去されるときに、カバーは、閉位置に向かって付勢される。このようにして、蒸気生成ロッドが閉鎖可能開口部から除去されるとき、ユーザが蓋を手動で閉じる必要なしに、かつ開口部を閉鎖するためのいかなる追加的な構成要素も必要とすることなしに、カバーは、閉位置に付勢される。
【0024】
好適には、カバーが可撓性膜である例において、蒸気生成ロッドがスリットから除去されるときに、可撓性膜は、少なくとも1つのスリットを閉位置に向かって付勢する。このようにして、蒸気生成ロッドが少なくとも1つのスリットから除去されるときに、ユーザが蓋を手動で閉じる必要なしに、かつ開口部または蓋を閉鎖するためのいかなる追加的な構成要素も必要とすることなしに、可撓性膜の反発性によってスリットを閉位置に向けて付勢しうる。
【0025】
好適には、蒸気生成ロッドが閉鎖可能開口部を通して蒸気生成空間内に挿入されるときに、蒸気生成ロッドのマウスピース端が蒸気生成空間または加熱キャビティから閉鎖可能開口部を通して外側に延びるように、蒸気生成空間は、蒸気生成ロッドの長さより短い長さである。このようにして、蒸気生成ロッドは、蓋または開口部が1つのアクションで閉じて、蒸気生成装置から容易に除去されうる。これによって、また、蒸気生成ロッドが蒸気生成空間内にある間に、ユーザが蒸気生成ロッドのマウスピースにアクセスすることが可能となる。
【0026】
好適には、蒸気生成ロッドは、喫煙器具、すなわち、たばこロッドもしくは紙巻きたばこなどの喫煙器、または、消費者による吸入のための気化もしくはエアロゾル化に適した任意の他の種類の材料である。
【0027】
蒸気生成ロッドは、ロッド形状の、紙などの包装に包まれた気化可能な物質(たばこなど)を有するロッドを含みうる。蒸気生成ロッドは、その端にアセテートフィルタなどのフィルタを有しうる。
【0028】
気化可能な物質は、蒸気を形成可能な任意の適当な物質でありうる。物質は、固体または半固体物質であってもよい。物質は、植物由来の材料を含んでもよく、特に、物質は、たばこを含みうる。典型的には、気化可能な物質は、固体または半固体のたばこ物質である。蒸気生成固体または半固体の例としての種類には、粉末、顆粒、ペレット、破片、撚糸、多孔性材料、発泡体、またはシートが含まれる。物質は、たばこ発泡体であってもよく、たばこ発泡体は、典型的には、複数の微細なたばこ粒子を含み、典型的には、ある量の水、および/または保湿剤などの水分添加物も含みうる。たばこ発泡体は、多孔性であってもよく、発泡体を通る空気または蒸気の流れを可能にしうる。好適には、気化可能な物質は、エアロゾルフォーマを含みうる。エアロゾルフォーマの例は、多価アルコールおよびその混合物、例えばグリセリンまたはプロピレングリコールを含む。典型的には、気化可能な物質は、乾燥重量ベースで約5%~約50%のエアロゾルフォーマ含量を含みうる。好適には、気化可能な物質は、乾燥重量ベースで約10~20%のエアロゾルフォーマ含量を含みうる。
【0029】
好適には、蒸気生成空間は、蒸気生成ロッドを受けるように構成され、キャビティ内に構成されうるヒータから、蒸気生成ロッド材料の気化またはエアロゾル化のために受けられた蒸気生成ロッドに熱を提供するように構成されるキャビティを含みうる。すなわち、蒸気生成空間は加熱キャビティでありうる。
【0030】
蓋には、蒸気生成装置の本体の雄ねじと接続するように構成された雌ねじが形成されてもよく、または、蓋は、バヨネット接続またはプッシュ接続によって蒸気生成装置の本体に接続するように構成されてもよい。このようにして、蓋は、蒸気生成装置の本体に着脱可能に接続されうる。
【0031】
蓋は、硬質プラスチックまたは金属などの堅牢な材料から作られた周辺部を有しうる。
【0032】
ヒータは、誘導コイルおよびサセプタの組み合わせなどの誘導型ヒータ、エレメント型ヒータ、赤外線ヒータ、レーザヒータ、またはたばこ製品を加熱するための任意の他の適当な手段でありうる。ヒータの代わりに、あるいはヒータに加えて、キャビティ内に超音波気化器が構成されてもよい。
【0033】
閉鎖可能開口部、または閉鎖可能開口部を規定するカバーは、閉位置に向かって付勢され、蓋またはカバーを閉位置に向かって付勢するように構成されたばね式ヒンジによって本体に接続される蓋またはカバーとして、蒸気生成ロッドを受けるときに閉位置から開位置に開口可能でありうる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1A】本発明の第1の実施形態による蒸気生成装置の図。
【
図1B】本発明の第1の実施形態による蒸気生成装置の図。
【
図2】本発明の第1の実施形態による蒸気生成装置のための蓋の斜視図。
【
図3A】蒸気生成ロッドが挿入される、本発明の第1の実施形態による蒸気生成装置のための蓋の斜視図。
【
図3B】蒸気生成ロッドが挿入される、本発明の第1の実施形態による蒸気生成装置のための蓋の斜視図。
【
図3C】蒸気生成ロッドが挿入される、本発明の第1の実施形態による蒸気生成装置のための蓋の斜視図。
【
図4A】代替実施形態についての代替スリット構成の図。
【
図4B】代替実施形態についての代替スリット構成の図。
【
図4C】代替実施形態についての代替スリット構成の図。
【
図5A】本発明の代替実施形態による蒸気生成装置の図。
【
図5B】本発明の代替実施形態による蒸気生成装置の図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1Aおよび1Bは、本発明の第1の実施形態による蒸気生成装置1を示す。
図1Aは、蒸気生成ロッド2とは分離した蒸気生成装置1を示す。
図1Bは、蒸気生成装置1内に受けられた蒸気生成ロッド2を示す。蒸気生成装置1は、蒸気生成空間またはキャビティ3および蓋4を含む。蓋4は、蒸気生成装置1の本体5に着脱可能に接続される。他の実施形態において、蓋4は、本体5に実質的に永久的な方式で固定されてもよい。本体5に着脱可能に接続される蓋4の場合、蓋4は、本体5上の雄ねじと接続するように構成される雌ねじを有する。蓋4は、そのとき、螺合運動で本体5に着脱可能に取り付けられうる。他の実施形態において、蓋4は、バヨネット接続、プッシュ接続、または蓋4と本体5との間の着脱可能な接続に適当な任意の他の手段によって、本体5に着脱可能に接続されうる。蓋4が実質的に永久的な方式で本体5に固定される実施形態において、蓋4は、接着剤、スタッド、または任意の他の適当な手段によって固定されうる。他の実施形態において、蓋4および本体5は、分離可能な部品ではなく材料の1つの連続的な部品であってもよい。
【0036】
キャビティ3は、蓋4における閉鎖可能開口部を通して蒸気生成ロッド2を受けるように構成される。蓋4の構成は、
図2および
図3A~Cを参照して具体的に説明される。
【0037】
蒸気生成装置1は、キャビティ3に熱を与えるように構成されるヒータ6を含む。蒸気生成ロッド2がキャビティ3に位置するとき、ヒータ6は、蒸気生成ロッド2を加熱するように動作されうる。ヒータ6は、エレメント型ヒータ、赤外線ヒータ、レーザヒータ、またはたばこ製品を加熱するための任意の他の適当な手段でありうる。他の実施形態において、ヒータの代わりに、またはヒータに加えて、キャビティ内に超音波気化器が配置される。
【0038】
図1Bに示されるように、蒸気生成ロッド2が蓋4内の閉鎖可能開口部を通して挿入されたときに、蒸気生成ロッドのマウスピース端がキャビティ3から閉鎖可能開口部を通して外側に延びるように、キャビティ3は、蒸気生成ロッド2より短い長さであるように寸法決めされる。すなわち、蒸気生成ロッド2は、開口部に完全には押し通されない。この構成により、蒸気生成ロッド2がキャビティ3に位置するときにユーザは蒸気生成ロッド2を吸うためにマウスピースにアクセスすることができ、かつ、使用後に蒸気生成ロッド2を容易に除去することも可能である。
【0039】
動作時に、蒸気生成ロッド2が、蓋4の開口部を通して挿入され、キャビティ3に受け入れられる。蒸気生成ロッド2は、ヒータ6によって加熱され、ユーザは、蒸気を生成するよう、加熱された蒸気生成ロッド2を吸うことができる。ユーザは、その後、使用が完了したときに蓋4の開口部を通して使用済みの蒸気生成ロッド2を除去することができる。キャビティ3は、閉鎖可能開口部に加えて、ユーザが蒸気生成ロッド2を吸うときにキャビティ3内の気圧を均等にするように構成された少なくとも1つの給気口10を有しうる。
【0040】
内部電源7は、充電式電池などであり、本体5内に配置され、ヒータ6に電力を提供する。内部電源7が必要に応じて充電および再充電されうるように、外部電源入力8が内部電源7に接続されて構成される。内部電源7は、コントローラ9を経由してヒータ6に接続される。コントローラ9は、例えば、本体5上の操作ボタンによってユーザ入力により命令されたときにヒータ6に電力を提供するように構成されうる。コントローラ9は、また、キャビティ3内の蒸気生成ロッド2を検出すると、ヒータ6に電力を自動的に提供するように構成されうる。
【0041】
図2は、
図1と共に説明される蒸気生成装置1で使用するための蓋4を示す。蓋4は、膜部分11および周辺部13を含む。周辺部13は、断面形状が略円形であるが、他の実施形態においては、周辺部13は、正方形もしくは長方形の断面形状、または任意の他の適当な断面形状を有しうる。周辺部13は、硬質プラスチックまたは金属などの堅牢な材料でできており、蒸気生成装置の本体への取り付けのための雌ねじを含む。膜部分11は、周辺部13が膜部分11を取り囲むように、より小さな断面を単に有する、周辺部13と実質的に同一の断面形状を有する。膜部分11は、周辺部13の中央にある。他の実施形態において、膜部分11は、周辺部13の断面形状とは異なる断面形状であってもよく、膜部分11は、周辺部13の中央以外に位置してもよい。膜11は、周辺部13の上面から外側へ突出されている。他の実施形態において、膜11は、周辺部13の上面に対して略平面であってもよく、または内側に突出していてもよい。膜部分11は、膜11を通して受けられる蒸気生成ロッドの断面形状と実質的に同一の断面形状を有する。他の実施形態において、膜部分11は、蒸気生成ロッドの断面形状とは異なる断面形状を有してもよい。
【0042】
示された例において、膜11は、膜11の中央から放射状に延びる6つのスリット12を有する。膜11は、実質的に同一の方式で動作するように、他の数のスリット12を有してもよい。スリット12は、閉鎖可能開口部を提供する。膜11は、本質的に可撓性があり、スリット12は、可撓性膜11の反発性によって閉位置に向かって付勢されている。膜11は、ゴム、ポリマー、または任意の他の適当な反発性のある可撓性材料からできていてもよい。
【0043】
図3A、
図3B、および
図3Cは、蒸気生成ロッド2が膜11のスリット12によって提供される閉鎖可能開口部を通して受けられる、複数視点の角度の蓋4を示す。膜11は、環14によって蓋4の周辺部13に固定されている。他の実施形態において、膜11は、接着され、スタッドで定位置に保持され、または任意の他の適当な方式で固定されうる。
【0044】
蒸気生成ロッド2がスリット12に対して押されると、スリット12は変形して、蒸気生成ロッド2が通過しうる閉鎖可能開口部を生成する。スリット12を通過するとき、膜11の変形部分15の反発性のある可撓性が、蒸気生成ロッド2を定位置に保持するように蒸気生成ロッド2に付勢する。これは、動作時に蒸気生成ロッド2が定位置に確実に保持されるように、蒸気生成ロッド2の周囲を密閉する。
【0045】
蒸気生成ロッド2は、挿入時に蒸気生成ロッド2が押されたのと反対方向にスリット12を通して蒸気生成ロッド2を引き戻すことによって、スリット12の閉鎖可能開口部から除去される。可撓性のある膜11の反発性は、その結果、(
図2に示されるような)閉位置に戻るようにスリット12の変形部分15に付勢をもたらし、それによって閉鎖可能開口部を閉鎖する。蒸気生成ロッド2は、スリット12を通して押され、または引かれるだけでよく、蒸気生成ロッド2を挿入および除去するときに、ユーザは蓋4を手動で開閉する必要がない点において有利である。閉鎖可能開口部のこの自動閉鎖は、蒸気生成ロッド2が除去されるときに、ユーザが蓋を手動で閉めなくとも埃および粒子状物質がキャビティに入ることを防止するため、有益である。
【0046】
膜におけるスリット12の数、形状、および構成は、第1の実施形態を参照して説明されるものに限定されない。1つのスリットを含む任意の数のスリット12は、また、第1の実施形態を参照して説明されるように、閉鎖可能開口部の動作から逸脱することなく使用されうる。例として、
図4A、4B、および4Cは、膜において使用するためのスリット12の他の考えられる構成を示す。
図4Aは、4つの一直線のスリット12が膜の中央から放射状に延びるように構成されうる方法の図を示す。
図4Bは、3つの一直線のスリット12が膜の中央から放射状に延びるように構成されうる方法を示す。
図4Cは、4つの半円曲線スリットが膜において構成されうる方法を示す。いくつかの実施形態において、スリットのそれぞれが、実質的に同じサイズ、同じ形状であり、間が実質的に等しい角度で構成される。他の実施形態においては、スリットは、異なるサイズ、異なる形状であってもよく、間が異なる角度を有してもよい。
【0047】
図5Aおよび
図5Bは、蒸気生成装置の代替実施形態を示しており、それにおいて、閉鎖可能開口部が、可撓性膜におけるスリットではなくヒンジ蓋またはカバーによって提供される。蒸気生成装置は、蒸気生成空間3が構成される本体5を有する。
図5の実施形態は、
図1の特徴を含むが、視覚的に平易にするためにそれらは図示されないと理解されたい。
図5に示される実施形態において、蓋またはカバー16が、ヒンジ18によって本体5に接続されて、蒸気生成空間への閉鎖可能開口部を提供する。ヒンジ18は、
図5Aに示されるように、閉位置に向かって蓋またはカバー16を付勢するように構成される、ばね式ヒンジである。
図5Bにおいて、蒸気生成ロッド2が蒸気生成空間3内に受け入れられている。蒸気生成ロッド2が蓋またはカバー16に対して押されると、蓋またはカバー16は、ヒンジ18周りに変位される。ばね式ヒンジ18は、蒸気生成ロッド2に蓋またはカバー16を押し付けて、蓋またはカバー16を定位置に保持する。蒸気生成ロッド2は、閉鎖可能開口部を通してそれを引き戻すことによって蒸気生成空間から除去される。ばね式ヒンジ18は、次いで、
図5Aに示されるように閉位置に蓋またはカバー16を戻す。すなわち、カバーは、カバーが閉位置に付勢されることに起因して自動的に閉じ、蒸気生成空間内の蒸気生成ロッドの存在に起因して閉じることが止められうる。
【0048】
代替例において、蓋は、本体上の雄ねじと接続するように構成された雌ねじによって、装置の本体に接続可能でありうる。このような代替例において、蓋は、ばね式ヒンジによって周辺部に接続されるヒンジ部またはカバーを有し、蓋のヒンジ部は、ばね式ヒンジによって閉位置に向かって付勢され、
図5Aおよび
図5Bを参照して説明されるものと実質的に同一の方式で動作する。
【0049】
すなわち、蓋は、蓋を通して開口部のためのカバーを規定するヒンジ部を有し、カバーは、ばね式ヒンジによって蓋の周辺部(蓋を通して開口部を規定する周辺部)に接続されうる。カバーは、ばね式ヒンジによって閉位置に向かって付勢されうる。閉鎖可能開口部は、蓋のヒンジ付きカバーおよび開口部によって蓋において提供されうる。
【0050】
蒸気生成ロッドがカバーに対して押されると、カバーは、ヒンジ周りに蒸気生成空間の内側に変位される。ばね式ヒンジは、蒸気生成ロッドが蒸気生成空間にあるときに、蒸気生成ロッドを定位置に保持するように蒸気生成ロッドに対してカバーを押し付ける。蒸気生成ロッドは、閉鎖可能開口部を通してそれを引き戻すことによって蒸気生成空間から除去され、ばね式ヒンジは、そのときカバーを閉位置に戻す。すなわち、カバーは、カバーが閉位置に付勢されることに起因して開口部を自動的に閉じ、蒸気生成空間内の蒸気生成ロッドの存在に起因して閉じることが止められうる。
【0051】
さらなる実施形態において、閉鎖可能開口部は、閉鎖可能な穴などの他の手段によって提供されてもよい。
【0052】
説明した特徴および実施形態は、本発明の範囲から逸脱することなく、任意の適当な構成に組み合わせることが可能である。