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特許7368503共通の分配ネットワーク上の消費者間のフロー均等化の管理方法
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  • 特許-共通の分配ネットワーク上の消費者間のフロー均等化の管理方法 図1
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  • 特許-共通の分配ネットワーク上の消費者間のフロー均等化の管理方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】共通の分配ネットワーク上の消費者間のフロー均等化の管理方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/28 20060101AFI20231017BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20231017BHJP
   H04L 47/10 20220101ALI20231017BHJP
【FI】
H04L12/28 200Z
H02J13/00 301A
H02J13/00 311T
H04L12/28 400
H04L47/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021568490
(86)(22)【出願日】2020-05-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-02
(86)【国際出願番号】 US2020033307
(87)【国際公開番号】W WO2020232422
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2022-01-29
(31)【優先権主張番号】62/848,642
(32)【優先日】2019-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517077810
【氏名又は名称】アストロニクス アドバンスド エレクトロニック システムズ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】フィフィールド、ジョン、エム.
【審査官】鈴木 香苗
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-099174(JP,A)
【文献】米国特許第06233611(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0306353(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0140347(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0123464(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0198325(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0278199(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0157938(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/28
H02J 13/00
H04L 47/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通の分配ネットワークによって相互接続されてなる複数の消費ノードによるリソース消費を管理する方法であって、
前記消費ノードを、各消費ノードにそれぞれのリソース量を提供するように構成された共通分配ネットワークによって相互接続されるように、配置する工程であって、前記消費ノードの少なくとも1つは、消費ノードのそれぞれおいて利用可能なリソース量を示す入力フロー検出器と、自消費ノードのそれぞれによって消費されたリソース量を示す出力検出器と、消費ノードのそれぞれによって消費されるために利用可能な許容リソース量を設定するためのレギュレータと、を有するものである、前記配置する工程と、
前記共通分配ネットワークのために複数の管理境界レベルを選択する工程であって、各管理境界レベルは、消費ノードの対応するレギュレータが設定可能な異なる許容リソース量に対応するものである、前記選択する工程と、
レギュレータを有する各消費ノードについて
費フロー値を、前記出力検出器表示と前記入力フロー検出器表示の比率として演算し、
前記レギュレータに許容リソース量設定する工程であって、前記消費フロー値よりも大きくかつ最小の管理境界レベルを特定することによって選択されてなる許容リソース量を設定する工程と、
を有する方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、前記複数の消費ノードは、前記共通の分配ネットワーク上でそれぞれの入力フロー検出器に対して直列に整列されているものである、方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法において、各消費ノードが同じ最大消費量限度を有するものである、方法。
【請求項4】
請求項3記載の方法において、前記リソースは、流体、電力、データ、またこれらの任意の組み合わせの群から選択された1つを含むものである、方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法において、
各消費ノードは、同じ消費レベルを有するが、当該消費レベルは、各消費ノードの異なる消費フロー値に対応するものである、方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法において、
前記異なる許容リソースは、特定の消費ノードの消費限度と前記特定の消費ノードで利用可能な前記リソースの利用可能なフロー量との比率を使用して決定されるものである、方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法において、
小の管理境界レベルは、
1/(1+(n-1)*最小フロー係数)の比率を使用して決定され、
前記共通分配ネットワークにn個の消費ノードがあり、最小フロー係数は、最小の許容リソースに対応し、フロー係数はフロー設定を総消費値によって割った割合である、方法。
【請求項8】
請求項7記載の方法において、
前記最小管理境界レベルよりも大きい各管理境界レベルは、
((n * 対応する次に大きいフロー係数)-1) /(n-1)の比率を使用して決定されるものである、方法。
【請求項9】
請求項1記載の方法において、
管理境界レベルの最小数は、前記共通分配ネットワーク内の消費ノードの数に応じて決定されるものである、方法。
【請求項10】
請求項1記載の方法において、
前記消費フロー値は、前記リソースの流量に依存するデューティサイクルによる頻度で計算されるものである、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、フィフィールドによる「共通分配ネットワーク上の消費者間のフロー均等化の管理方法」と題された米国特許仮出願第62/848,642号の2019年5月16日の出願日に優先権を主張する。仮出願第62/848,642号の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示の主題は、一般に、分配ネットワーク上に直列に接続された同じ最大消費量限度を有する2以上の消費者メンバー(本明細書では「同一の消費者メンバー」と呼ばれる)の間で所定量のフロー量を管理するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
一実施形態では、この方法は、航空用途における機内エンターテインメント(IFE)の配電負荷に適用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気システムや流体フローシステムなどの分配ネットワーク内のフロー均等化管理の方法と手法が、業界内で一般的に適用されている。フロー均等化または最適化の現在の方法は、消費者デバイス間の通信ネットワークに依存して、分配ネットワーク内のフロー量質の管理を行っている。通信ネットワークの追加は、システム全体の重量、ハードウェア、およびソフトウェアの複雑さの増加を意味する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、ネットワーク内の既存のフローの測定値を使用して所定量の流量を管理する方法を提示し、それにより、消費者メンバー間の追加の通信を除去して、ネットワーク内の2以上の同一の消費者メンバー間でフロー均等化を達成するものである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、スケーリングされたフロー管理方法のデータフロー図を示す。
図2図2は、いくつかの消費者メンバー間のフロー分配ネットワークを示す。
図3図3は、スケーリングされたフロー管理方法の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示の主題は、一般に、分配ネットワークへの定義された最大入力流量を超えないように、各消費者メンバーの流量を調整するスケーリングされた流量管理方法を使用して流量を管理する方法に関する。
【0008】
この方法の目的は、所定の流量設定に基づいて、任意の数の消費者メンバーが全消費レベルで動作し、他の消費者が完全な消費レベル未満で動作するように、最大入力流量を最小化することである。これにより分配ネットワーク全体にわたるすべての消費者間のフローの最適化が可能になる。
【0009】
スケーリングされたフロー管理方法は、分配ネットワーク内の同一の消費者メンバー間でフロー最適化を効果的かつ効率的に管理するための方程式のセットを含む。
【0010】
フロー最適化方程式またはフロー方程式は、共通の分配ネットワーク内のすべての消費者の消費の合計がネットワークへの入力容量の総量に等しいという関係を示す管理方程式である。
【0011】
フロー方程式
フロー方程式の一般的な形式は、各消費者のフロー容量(Bx)の合計が、分配ネットワークへの総容量(A1)に等しいことに関係する。
【数1】
ここで、Cは、1セットの最後の消費者を示す。
【0012】
前記フロー方程式に加えて、他のいくつかの方程式が、スケーリングされたフロー管理方法の定式化を確立するが、これは、システムの管理境界の数、管理境界限度値、消費者フロー値、およびフローレベル係数である。
管理境界数(MB)の確立
管理境界は、特定の消費者メンバー用に流量レベルを定義して、分配ネットワーク内での総流量の均等化を維持するための目的で、事前に決定された数の容量限度値として定義される。
【0013】
所定の消費者メンバーの集合に対して、境界の1つであるフル電力限度に加えて、分配ネットワーク内の実際的な最小数の境界を確立する必要がある。
【0014】
以下の式は、境界の最小数を確立するものであるが、次の整数に切り上げられる。
【数2】
例えば;n=3が特殊なケースとした場合、式2は1の値になる。したがって、MB(管理境界数)で計算された値にフル消費値を加算すると、境界の総数は2になる。
【0015】
別の例では、n=6の場合、式2は3の値になる。つまり、完全な消費値に加えて2つの境界レベルになる。
【0016】
フローレベル係数(FlowFact)の確立
フローレベル係数は、所望のまたは義務付けられた各消費者メンバーによる消費フロー量を維持するために、消費レベル値(CLV)と通常100%に設定される総消費値との比率である。
【0017】
消費レベル値は、消費出力量の名目の可制御性レベルに基づく。フロー係数値の数は、管理境界の数に基づく。
【0018】
フローレベル係数値は、以下の式に基づく。
【数3】
たとえば、MB=3の場合、システムが必要とする3つのフロー設定は、FF1=100%、FF2=75%、FF3=25%であり、以下となるためである。
【数4】
フローレベル係数は、任意の消費者メンバーの最大フロー容量を調節するが、ここで、各消費者メンバーの望ましい消費量は、フロー係数の設定限度よりも少なくてもよい。
管理境界限度(MBL)の確立
式2からの管理境界(MB)の数が与えられると、管理境界限界(MBL)は、各メンバーについて、フロー量設定間で遷移が起こる消費レベルを確立する値である。
【0019】
MBLを確立するための制約は次のとおりである。
a)n番目の消費者は、フル消費量を下回るアクティブなフロー管理を必要としない。
理論的根拠:n番目の消費者はネットワークの最後のメンバーであり、フロー量を最大容量未満に制限しない。
b)(n-1)を超えないの消費者は、フロー量を所定の最小量未満に制限するものとする。
理論的根拠:各消費者の消費を管理するために(n-1)を超える消費者量が必要な場合、入力システムの容量が小さすぎる。
A)管理境界の下限の決定
式4は、式3から導き出され、すべての消費者メンバーに必要な最小流量を分母に代入し、したがって、下限を決定する。この限度値は、最小のフロー係数値の使用に基づくフロー(n-1)消費者メンバーの最小量である(例:FlowFact3 式3c)。
【0020】
管理境界の下限は、以下の条件を推測する式2に基づく。
1)C(n-1)は、n番目の消費者の全負荷に等しくなる。
2)他のすべての消費者は最小流量設定に設定される。
【数5】
これは、以下に単純化される。
【数6】
式5は、ネットワーク内の任意のデバイスの最大フロー容量が、コメントネットワーク上で直列に接続されたすべての消費者の最大入力フロー容量の管理とは独立していることを推測している。
B)次の限度係数の決定
次の限度は、この関係に従ってn~1の消費者に分散されるフロー係数(例式3b)の負荷値の次に大きい値に基づく。
【数7】
これは、以下に単純化される。
【数8】
最後の限度係数MB=1は、数値が1.0になる。管理境界限度データは、外部で生成され、データ・セットとして消費者メンバーのデバイス内の制御プロセッサー装置内でホストされる。
【0021】
消費者フロー値(CFV)
消費者フロー量値は、出力流量検出器からの測定品質として提供される出力流量測定値と、入力流量検出器からの測定品質として提供される入力流量値との比に基づく。
【0022】
例えば、メンバーへの入力フローが150%であり、消費者メンバーが50%を消費している場合、CFVは以下となる。
【数9】
消費者フローの計算値は、管理境界限度値から提供された値と比較するために使用される。
【0023】
フロー係数(Flow Fact)値の設定
消費者フロー値が管理境界限界の1つを超えると、新しいフロー係数値がフローレギュレータに伝達される。
【0024】
図1を参照すると、スケーリングされたフロー管理方法300は、共通の分配ネットワークに直列に接続された、同じ最大消費量限度を有する2つ以上の消費者メンバー(本明細書では「同一の消費者メンバー」と呼ばれる)の間で、所定量のフロー量を管理するものである。スケーリングされたフロー量管理方法300は、2つの入力測定値である入力フロー量測定値110および出力フロー量測定値250を受け取り、1つのフロー量係数値320を出力する。
【0025】
図2を参照すると、入力フロー量測定値110は、毎分ガロン単位の流体流量またはアンペア単位の電流流量などのフロー量の定性的測定値である。消費者200は、直列の分配ネットワーク105に沿って整列している。分配ネットワークは、流体、電流、データ、またはその他の移送可能な媒体を移送します。各消費者200~203に関連付けられたフロー検出器110~113がある。各フロー検出器は、スケーリングされたフロー管理システムと通信して(120~123)、消費者フロー値を生成する(図1の310)。
【0026】
図3は、個々の消費者200のスケーリングされたフロー管理を示している。入力フローが測定され110、フロー量測定値310は、制御プロセッサユニット210内に含まれるスケーリングされたフロー管理システム300に伝達される。フロー量測定値は、設定されたフロー量係数値320と比較され、出力フロー量係数値330が設定される。フロー量係数設定値250は、毎分ガロン単位の流体流量またはアンペア単位の電流流量などの流量の定性的測定として出力フロー量140で測定される。
【0027】
消費者フロー値計算310は、出力フロー量測定値250と入力フロー量測定値110との間の数学的比率である。消費者フロー値計算310の出力サンプリングデューティサイクルは、システムの全体的なフロー変化率に依存するであろう。たとえば、流体フローの変化率は数時間で測定できるため、サンプリング時間は1時間に1回測定できる。
【0028】
管理境界305は、フローレベル係数306の値を確立するための一連の消費者の総数に基づく数式である。フローレベル係数306は、通常は100%である合計消費値に対する消費レベル値の比率に基づくn個の数式である。nの値は、管理境界305の値に基づく。消費レベル値は、消費出力量の可制御性に基づく決定論的値である。例示的には、消費出力は、3つのレベルの規定された可制御性出力を有し得、レベルの数は、100%、75%、および25%などの管理境界305の値に基づく。
【0029】
管理境界限界307は、n個の数学方程式であり、各方程式は、フローレベル係数306の値に基づいている。nの値は、管理境界305の値に基づいている。最小の数値管理境界限度値は、式8の最小の数値フローレベル係数306の値に基づく。
【数10】
したがって、それぞれの固有の管理境界限度307は、固有のフローレベル係数306の値に対応することになる。
【0030】
次に大きい管理境界限界307は、式9に挿入される次に大きい数値フローレベル係数(306)値に基づくn-1方程式を超えない数式に対応する。
【数11】
最後の管理境界限度307は1.0になる。これは、任意の消費者の完全なフロー消費量を表す。
【0031】
設定フロー係数値320の出力は、各管理境界限界307と計算消費者フロー値310との間の比較である。設定フロー係数値320の出力は、計算消費者フロー値310の次に大きい数値である境界限界307に対応する固有のフローレベル係数306になる。
【0032】
送信フロー係数330は、フローレギュレータ400がそれに応じて応答する同等のフローレベル係数306の値である。通信媒体は、アナログ、デジタル、またはワイヤレスにすることができる。
図1
図2
図3