(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】積層集積回路ダイ素子と電池を集積するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G11C 5/14 20060101AFI20231017BHJP
G11C 5/04 20060101ALI20231017BHJP
【FI】
G11C5/14 100
G11C5/04 220
(21)【出願番号】P 2021569081
(86)(22)【出願日】2020-04-21
(86)【国際出願番号】 US2020029163
(87)【国際公開番号】W WO2020236379
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2021-12-22
【審判番号】
【審判請求日】2023-02-17
(32)【優先日】2019-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521464570
【氏名又は名称】アーバー・カンパニー・エルエルエルピイ
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100153006
【氏名又は名称】小池 勇三
(72)【発明者】
【氏名】グジー,ダレル・ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ウェイ-ティ
【合議体】
【審判長】中野 裕二
【審判官】篠塚 隆
【審判官】野崎 大進
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-110443(JP,A)
【文献】特開2003-223937(JP,A)
【文献】特表2005-512229(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0001137(US,A1)
【文献】特開2009-118441(JP,A)
【文献】特開2012-50258(JP,A)
【文献】特開2015-88834(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/20
G06F1/26-1/3296
G06F15/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
集積回路ダイ基板と、
前記集積回路ダイ基板に電気的に連結された揮発性メモリと、
前記集積回路ダイ基板に電気的に連結された、第1のフィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA:field programmable gate array)を備える第1の集積回路ダイ素子と、
オン状態およびオフ状態を有する主電源から電力を受け取るように動作可能な充電器であって、前記主電源は、前記オン状態にあるとき、電力を供給して前記揮発性メモリを維持するように構成され、前記オフ状態にあるとき、電力を供給して前記揮発性メモリを維持することのないように構成される充電器と、
前記充電器から電力を受け取るように動作可能であり、少なくとも、前記主電源が前記オフ状態にあるとき、前記揮発性メモリに電力を供給するように動作可能な電池モジュールと、
前記システムの少なくとも一部分の温度を監視するように動作可能な温度センサと、
前記温度に基づき
、前記揮発性メモリを前記主電源に接続する、または前記揮発性メモリを前記バッテリーモジュールに接続する、1つまたは複数の接続回路を無効にし、それにより、過大な温度から前記揮発性メモリを保護する、前記温度センサに連結された制御論理およびマイクロコントローラユニットと
を備えるシステム。
【請求項2】
前記揮発性メモリと積層され、前記揮発性メモリに電気的に連結された第2の集積回路ダイ素子をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第2の集積回路ダイ素子はマイクロプロセッサを備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2の集積回路ダイ素子は第2のFPGAを備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記第2の集積回路ダイ素子は、マイクロプロセッサ、追加の揮発性メモリ、第2のFPGA、または再構成可能二重機能メモリアレイのうちいずれかを備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
システムであって、
集積回路ダイ基板と、
前記集積回路ダイ基板に電気的に連結された揮発性メモリと、
第1のFPGAを備え、かつ前記揮発性メモリに近接して配置された、前記集積回路ダイ基板に電気的に連結された第1の集積回路ダイ素子と、
オン状態およびオフ状態を有する主電源から電力を受け取るように動作可能な充電器であって、前記主電源は、前記オン状態で電力を供給しており、前記オフ状態で電力を供給していない充電器と、
第1の集積回路ダイ素子の最上部部分の上に配置され、前記充電器から電力を受け取るように動作可能であり、少なくとも、前記主電源が前記オフ状態にあるとき、前記揮発性メモリに電力を供給するように動作可能な電池モジュールと、
前記システムの少なくとも一部分の温度を監視および検知するように動作可能な温度センサと、
前記温度センサに連結された制御論理およびマイクロコントローラユニットと、を備え、
前記制御論理およびマイクロコントローラユニットは、検知された前記温度に基づき障害状態の間に1つまたは複数の接続回路のうちの1つの接続回路を無効にするように動作可能であり、
前記1つまたは複数の接続回路は、非障害状態の間に前記主電源が前記オフ状態にあるとき、前記揮発性メモリが前記電池モジュールから電力を受け取り続けることができるようにしている間に前記揮発性メモリからの電力漏出を防止するように動作可能である、
システム。
【請求項7】
システムであって、
揮発性メモリと、
オン状態およびオフ状態を有する主電源から電力を受け取るように動作可能な充電器であって、前記主電源は、前記オン状態にあるとき、電力を供給して前記揮発性メモリを維持するように構成され、前記オフ状態にあるとき、電力を供給して前記揮発性メモリを維持することのないように構成される充電器と、
前記充電器から電力を受け取るように動作可能であり、少なくとも、前記主電源が前記オフ状態にあるとき、前記揮発性メモリに電力を供給するように動作可能な電池モジュールと、
前記システムの少なくとも一部分の温度を監視するように動作可能な温度センサと、
前記温度に基づき
、前記揮発性メモリを前記主電源に接続する、または前記揮発性メモリを前記電池モジュールに接続する1つまたは複数の接続回路を無効にするように動作可能であり、それにより、過大な温度から前記揮発性メモリを保護する、前記温度センサに連結した制御論理およびマイクロコントローラユニットと
を備えるシステム。
【請求項8】
前記揮発性メモリと積層され、前記揮発性メモリに電気的に連結された集積回路ダイ素子をさらに備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記集積回路ダイ素子はマイクロプロセッサを備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記集積回路ダイ素子はFPGAを備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記集積回路ダイ素子は、マイクロプロセッサ、追加の揮発性メモリ、FPGA、または再構成可能二重機能メモリアレイのうちいずれかを備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
システムであって、
集積回路ダイ基板と、
前記集積回路ダイ基板に電気的に連結された揮発性メモリと、
集積回路ダイ基板に電気的に連結され、前記揮発性メモリに近接して配置された第1の集積回路ダイ素子と、
オン状態およびオフ状態を有する主電源から電力を受け取るように動作可能な充電器であって、前記主電源は、前記オン状態で電力を供給しており、前記オフ状態で電力を供給していない充電器と、
前記集積回路ダイ基板上に配置され、前記充電器から電力を受け取るように動作可能であり、少なくとも、前記主電源が前記オフ状態にあるとき、前記揮発性メモリに電力を供給するように動作可能な電池モジュールと、
前記システムの少なくとも一部分の温度を監視および検知するように動作可能な温度センサと、
前記温度センサに連結された制御論理およびマイクロコントローラユニットと、を備え、
前記制御論理およびマイクロコントローラユニットは、検知された前記温度に基づき障害状態の間に
、前記揮発性メモリを前記主電源に接続する、または前記揮発性メモリを前記電池モジュールに接続する1つまたは複数の接続回路のうちの1つの接続回路を無効にするように動作可能であり、
前記1つまたは複数の接続回路は、非障害状態の間に前記主電源が前記オフ状態にあるとき、前記揮発性メモリが前記電池モジュールから電力を受け取り続けることができるようにしている間に前記揮発性メモリからの電力漏出を防止するように動作可能である、
システム。
【請求項13】
揮発性メモリ、充電器、および電池モジュールを含むシステムが遂行する方法であって、
前記揮発性メモリにより、オン状態およびオフ状態を有する主電源から電力を受け取るステップであって、前記主電源は、前記オン状態にあるとき、電力を供給して前記揮発性メモリを維持するように構成され、前記オフ状態にあるとき、電力を供給して前記揮発性メモリを維持することのないように構成され、前記揮発性メモリは、集積回路ダイ基板に連結される、前記ステップと、
前記充電器により、前記主電源から電力を受け取るステップと、
前記電池モジュールにより、前記充電器から電力を受け取るステップと、
前記揮発性メモリにより、少なくとも、前記主電源が前記オフ状態にあるとき、前記電池モジュールから電力を受け取るステップと、
温度センサにより、前記システムの少なくとも一部分の温度を検出するステップと、
制御論理およびマイクロコントローラユニットにより、前記温度に応答して、
前記揮発性メモリを前記主電源に接続する、または前記揮発性メモリを前記電池モジュールに接続する第1の接続回路を無効にし、それにより、過大な温度から前記揮発性メモリを保護するステップと
を備える方法。
【請求項14】
前記揮発性メモリは、集積回路ダイ素子と積層される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記集積回路ダイ素子はマイクロプロセッサを備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記集積回路ダイ素子はFPGAを備える、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記集積回路ダイ素子は、マイクロプロセッサ、追加の揮発性メモリ、FPGA、または再構成可能二重機能メモリアレイのうちいずれかを備える、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンピューティングシステム用電池に関係する。
【背景技術】
【0002】
揮発性メモリは、記憶されたデータを維持する電力を必要とする。電力が中断された場合、たとえばシステム電力がオフになった場合、データは失われる。電力供給を再開すると、システムはデータをすべて再ロードして揮発性メモリの中に戻す必要がある。データを再ロードするには時間および処理電力を必要とし、それによりシステム待ち時間が増大する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第6,627,985号明細書
【文献】米国特許出願公開第16/777,554号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示のさまざまな実施形態は、集積回路ダイ基板を含むシステムおよび方法を提供する。揮発性メモリは、集積回路ダイ基板に電気的に連結される。第1の集積回路ダイ素子は、集積回路ダイ基板に電気的に連結され、第1のフィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA:field programmable gate array)を備え、揮発性メモリに近接して配置される。充電器は、オン状態およびオフ状態を有する主電源から電力を受け取るように動作可能であり、主電源は、オン状態で電力を供給しており、オフ状態で電力を供給していない。電池モジュールは、第1の集積回路ダイ素子の最上部部分の上に配置され、充電器から電力を受け取るように動作可能であり、少なくとも、主電源がオフ状態にあるとき、揮発性メモリに電力を供給するように動作可能である。
【0005】
いくつかの実施形態では、システムおよび方法は、揮発性メモリと積層され、かつ揮発性メモリに電気的に連結された第2の集積回路ダイ素子をさらに含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、揮発性メモリは、第1の集積回路ダイ素子の一部分を備える。
【0007】
いくつかの実施形態では、第2の集積回路ダイ素子はマイクロプロセッサを備える。
【0008】
いくつかの実施形態では、第2の集積回路ダイ素子は、第2のFPGAおよび対応する再構成可能二重機能メモリアレイを備える。
【0009】
いくつかの実施形態では、システムおよび方法は、第2の集積回路ダイ素子と積層され、かつ第2の集積回路ダイ素子に電気的に連結された第3の集積回路ダイ素子を含み、第3の集積回路ダイ素子は、マイクロプロセッサ、追加の揮発性メモリ、第2のFPGA、または再構成可能二重機能メモリアレイのうちいずれかを備える。
【0010】
いくつかの実施形態では、システムおよび方法は、システムの少なくとも一部分の温度を監視および検知するように動作可能な温度センサを含み、制御論理およびマイクロコントローラユニットは温度センサに連結され、検知された温度に基づき1つまたは複数の接続回路を無効にするように動作可能であり、それにより、主電源がオフ状態にあるとき、揮発性メモリが電池モジュールから電力を受け取り続けることができるようにしている間に揮発性メモリからの電力漏出を防止する。
【0011】
本開示のさまざまな実施形態は、集積回路ダイ基板を含むシステムおよび方法を提供する。揮発性メモリは、集積回路ダイ基板に電気的に連結される。第1の集積回路ダイ素子は、集積回路ダイ基板に電気的に連結され、揮発性メモリに近接して配置される。充電器は、オン状態およびオフ状態を有する主電源から電力を受け取るように動作可能であり、主電源は、オン状態で電力を供給しており、オフ状態で電力を供給していない。電池モジュールは、集積回路ダイ基板上に配置され、充電器から電力を受け取るように動作可能であり、少なくとも、主電源がオフ状態にあるとき、揮発性メモリに電力を供給するように動作可能である。
【0012】
いくつかの実施形態では、システムおよび方法は、揮発性メモリと積層され、かつ揮発性メモリに電気的に連結された第2の集積回路ダイ素子を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、揮発性メモリは、第1の集積回路ダイ素子の一部分を備える。
【0014】
いくつかの実施形態では、第2の集積回路ダイ素子はマイクロプロセッサを備える。
【0015】
いくつかの実施形態では、第2の集積回路ダイ素子は、第2のFPGAおよび対応する再構成可能二重機能メモリアレイを備える。
【0016】
いくつかの実施形態では、システムおよび方法は、第2の集積回路ダイ素子と積層され、かつ第2の集積回路ダイ素子に電気的に連結された第3の集積回路ダイ素子を含み、第3の集積回路ダイ素子は、マイクロプロセッサ、追加の揮発性メモリ、第2のFPGA、または再構成可能二重機能メモリアレイのうちいずれかを備える。
【0017】
いくつかの実施形態では、システムおよび方法は、システムの少なくとも一部分の温度を監視および検知するように動作可能な温度センサを含み、制御論理およびマイクロコントローラユニットは温度センサに連結され、検知された温度に基づき1つまたは複数の接続回路を無効にするように動作可能であり、それにより、主電源がオフ状態にあるとき、揮発性メモリが電池モジュールから電力を受け取り続けることができるようにしている間に揮発性メモリからの電力漏出を防止する。
【0018】
本開示のさまざまな実施形態は、オン状態およびオフ状態を有する主電源から揮発性メモリが電力を受け取るように構成されたシステムおよび方法を提供し、主電源はオン状態で電力を供給しており、オフ状態で電力を供給しておらず、揮発性メモリは、集積回路ダイ基板に電気的に連結される。充電器により主電源から電力を受け取り、かつ集積回路ダイ素子に電気的に連結された、第1のFPGAを備える第1の集積回路ダイ素子の最上部部分の上に配置され、第1の集積回路ダイ素子は、揮発性メモリに近接して配置される。電池は充電器から電力を受け取る。揮発性メモリは、充電器から電力を受け取る。制御論理およびマイクロコントローラユニットは、主電源がオフ状態にあることを主電源の電力出力が示すことを検出する。主電源がオフ状態にあることを電力出力が示すことを検出したことに応答して、主電源と揮発性メモリの間にある第1の接続回路を無効にし、それにより、揮発性メモリが電池から電力を受け取り続けることができるようにしている間に揮発性メモリからの電力漏出を防止する。
【0019】
いくつかの実施形態では、揮発性メモリは、第2の集積回路ダイ素子に電気的に接続され、第2の集積回路ダイ素子と積層される。
【0020】
いくつかの実施形態では、揮発性メモリは、第1の集積回路ダイ素子の一部分を備える。
【0021】
いくつかの実施形態では、第2の集積回路ダイ素子はマイクロプロセッサを備える。
【0022】
いくつかの実施形態では、第2の集積回路ダイ素子は、第2のFPGAおよび対応する再構成可能二重機能メモリアレイを備える。
【0023】
いくつかの実施形態では、第2の集積回路ダイ素子は、第3の集積回路ダイ素子に電気的に連結され、第3の集積回路ダイ素子と積層され、第3の集積回路ダイ素子は、マイクロプロセッサ、追加の揮発性メモリ、第2のFPGA、または再構成可能二重機能メモリアレイのうちいずれかを備える。
【0024】
本明細書で開示するシステム、方法、および非一時的コンピュータ可読媒体のこれらおよび他の特徴だけではなく、構造の中の関連する素子の動作方法および機能、部分の組合せ、ならびに製造の経済性のこれらおよび他の特徴も、すべてが本明細書の一部を構成する添付図面を参照して以下の記述および添付の特許請求の範囲を考慮するとより明らかになり、類似の参照番号は、さまざまな図で対応する部分を指定する。しかしながら、図面は例示および説明のためだけのものであり、本発明の制限を規定することを意図するものではないことを明確に理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】いくつかの実施形態による、ダイ積層パッケージの揮発性メモリに電力を供給するための集積電池を含む処理システムの構成図である。
【
図2】いくつかの実施形態による、ダイ積層パッケージと集積された電池を含む処理システムの構成図である。
【
図3】いくつかの実施形態による、ダイ積層パッケージと集積された電池を含む処理システムの構成図である。
【
図4A】いくつかの実施形態による、再構成可能二重機能セルアレイを含む処理システムの構成図である。
【
図4B】いくつかの実施形態による、再構成可能二重機能セルアレイのマトリックスの構成図である。
【
図5】いくつかの実施形態による、温度センサと、ダイ積層パッケージと集積された電池とを含む処理システムの動作方法の流れ図である。
【
図6】いくつかの実施形態による、集積電池を使用してダイ積層パッケージの揮発性メモリに電力を提供する方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
さまざまな実施形態では、揮発性メモリを含むダイ積層パッケージと電池を集積したコンピューティングシステムは、コンピューティングシステムの性能を改善することがある。たとえば、コンピューティングシステムの主電源が(たとえば、計画された保守のために、または予期せぬ停電中に)停止した場合、集積電池は、揮発性メモリがデータを失わないようにすることがある。主電源が回復したとき、コンピューティングシステムは、メモリの再ロードおよび/またはFPGA構成情報の再ロードを回避することができる。したがって、コンピューティングシステムにとっての回復時間は、より短時間(たとえば、100倍短時間)になることがあり、揮発性メモリデータの損失を伴う回復よりも少ないエネルギーを使用することがある。集積電池はまた、ダイ積層パッケージへの電力レベルを調整し、雑音のある電力素子を隔離し、改善された信号品質を提供することがある。
【0027】
いくつかの実施形態では、コンピューティングシステムはまた温度センサを含む。温度センサは、コンピューティングシステムおよび/またはコンピューティングシステムの一部分(たとえば、集積電池、ダイ積層パッケージ、揮発性メモリなど)の温度を検知してよい。温度がしきい温度を超える場合、コンピューティングシステムは、1つまたは複数の活動を遂行して、システム構成要素に及ぼす損傷から保護してよい。たとえば、コンピューティングシステムは、電池を無効化し、ダイ積層パッケージをシャットダウンするなどしてよい。温度が正常動作レベルに戻ると、コンピューティングシステムを回復させてよい。
【0028】
図1は、いくつかの実施形態による、ダイ積層パッケージ102の揮発性メモリ104に電力を提供するように構成された集積電池106を含む処理システム100の構成図である。
図1の例では、処理システム100は、揮発性メモリ104を伴うダイ積層パッケージ102、主電源105、集積電池(または単に「電池」)106、充電器108、温度センサ回路112、制御論理およびマイクロコントローラユニット114、ならびに接続回路116および118を含む。
【0029】
ダイ積層パッケージ102は、集積回路ダイ素子と揮発性メモリ104からなる積層を含む。ダイ積層パッケージ102は、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、FPGA、および/または揮発性メモリ104からなる積層を含んでよい。ダイ積層パッケージ102は、マイクロプロセッサとFPGAの間のデータ共有を著しく加速させることがある。ダイ積層パッケージ102の例を
図2および
図3に示す。集積電池のためのサポートがないとはいえ、ダイ積層パッケージの例について米国特許第6,627,985号明細書に記述されている。いくつかの実施形態では、ダイ積層パッケージ102は(たとえば、
図5に示すような)再構成可能二重機能セルアレイを含んでよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、ダイ積層パッケージ102は、3つの一次素子を、すなわち、DRAM、ダイ積層パッケージ102が再構成可能プロセッサを作成することができるようにするFPGA(論理ユニット)、およびマイクロプロセッサ(またはマスタプロセッサ)を有する。各一次素子をダイ積層パッケージ102のダイ上に実装してよい。3つの一次素子はすべて揮発性である。したがって、処理システム100の電源をオフすると、メモリ104に記憶されたダイ積層パッケージ102のデータ、およびFPGA構成情報は失われる。集積電池106なしのシステムでは、再度電源を入れると、処理システム100は、データをすべて再ロードしてメモリ104に戻し、FPGA構成情報を再ロードする必要がある。メモリおよび/またはFPGA構成を(たとえば、オンボードの直列フラッシュメモリから)再ロードするには長時間かかる可能性があり、それにより、システム待ち時間が増大する。
【0031】
揮発性メモリ104は、記憶されたデータを維持する電力を必要とするメモリを備える。揮発性メモリ104は、自身に電力が供給されている間、記憶されたデータを保持するが、電力が中断する場合、記憶されたデータは失われる。たとえば、揮発性メモリ104はDRAM、SRAM、および/または他の揮発性メモリを含んでよい。
【0032】
主電源105は、処理システム100に電力を供給するように機能してよい。主電源105は、供給源からの電流を正しい電圧、電流、および周波数に変換して、負荷に電力を供給してよい。主電源105は、交流電力を処理システム100の構成要素のための低圧安定化直流電力に変換してよい。たとえば、主電源105は、コンピュータ(たとえば、デスクトップコンピュータ、サーバ)の電源ユニットであってよい。いくつかの実施形態では、主電源105は移動体機器の電源であってよい。たとえば、主電源105は移動体機器(たとえば、iPhone)の一次電池であってよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、主電源105はオン状態、オフ状態、および低電力状態(たとえば、スリープ状態)を有してよい。オン状態の間、主電源105は電力を供給しており、オフ状態の間、主電源105は電力を供給していない(または少なくとも、揮発性メモリ104がメモリの損失を防止するのに十分な電力を揮発性メモリ104に供給していない)。オフ状態は、たとえば予期せぬ事象(たとえば停電)または計画された事象(たとえば、計画された保守)に応答してトリガされてよい。スリープ状態の間、主電源105は、オン状態の間よりも低減された電力を提供していてよく、その電力を、揮発性メモリ104を含まないある種の構成要素に向けていてよい。したがって、特定の動作を中断してよい。
【0034】
電池106は、ダイ積層パッケージ102に電力を供給するように機能してよい。たとえば、電池106は少なくとも、揮発性メモリ104が自身に記憶されたデータを保持する、および/またはFPGAが構成情報を保持するに足りる十分な電圧を供給してよい。いくつかの実施形態では、電池106はリチウムセル電池を備えてよい。電池106は(たとえば、
図2および
図3に示すように)異種集積のためにダイ積層パッケージ102と集積されてよい。電池106は、充電器108が供給する電力から充電されてよい。充電器108は、主電源105が供給する電力を受け取ることにより充電されてよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、電池106は、バックアップ電源(たとえば、主電源105用バックアップ)として機能してよい。たとえば、主電源105がオフ状態にある場合、電池106は、揮発性メモリ104が中に記憶されたデータを保持するのに十分な電力をダイ積層パッケージ102に依然として提供してよい。電池106はまた、主電源105がオフであるときにダイ積層パッケージ102のCMOS FPGAシリコンの構成データを維持してよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、ダイ積層パッケージ102が正常動作モードにあるとき、電池106は、ダイ積層パッケージ102に電力を提供して電力分配を維持してよい、および/または主電源105からのグリッチを含む、外部構成要素から発生した電力グリッチを隔離してよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、主電源105がスリープ状態(または低電力モード)にあるとき、接続された機器(たとえば、IoT(Internet-of-Things)機器)は低電力モード(スリープモード)にあってよい。接続された機器は、スリープが解除されたときにタスクを実行するタイミング要件を有することがある。電池106は、接続された機器がスリープを解除されて、所与の用途の所与のタスクを完了させるのに十分な電力を提供してよく、それにより、タスクを実行するタイミング要件を満たす。
【0038】
いくつかの実施形態では、ダイ積層パッケージ102の電源のすぐそばの範囲内に電池106を配置してよい。リチウムセル電池の設計は、高速充電を提供してよく、任意の形状のセル(物理的寸法設計)から生成されてよく、電池安全保護を与えてよい。現在のリチウムイオン電池製造業者は、ダイ積層パッケージ用に小さな寸法の任意形状セルを製造することができる。たとえば任意形状セルは(たとえば、
図3に示すように)ダイ積層パッケージの最上部の上に、および/または(たとえば、
図2に示すように)ダイ積層パッケージの側面の上に電池を積層できるようにする。
【0039】
温度センサ回路112は、処理システム100および/または処理システム100の一部分の温度を監視および/または検知(または検出)するように機能してよい。たとえば、温度センサは主電源105、電池106、充電器108、ダイ積層パッケージ102、揮発性メモリ104などの温度を検出してよい。
【0040】
制御論理およびマイクロコントローラユニット114は、さまざまな活動を遂行および/またはトリガするように(たとえば、電流/電力を制御するように、およびダイ積層パッケージ102の温度を動作レベルまで低減するように)機能してよい。たとえば、制御論理およびマイクロコントローラユニット114は、温度センサ回路112が検出した温度に基づき活動を遂行してよい。いくつかの実施形態では、制御論理およびマイクロコントローラユニット114は、処理システム100の構成要素を有効および/または無効にしてよい。
【0041】
図示するように、制御論理およびマイクロコントローラユニット114は、温度検出回路130および電力検出回路132を含む。温度検出回路130は(たとえば、温度センサから)検出された温度値を受信するように、および/または検出された温度値がしきい温度値を超えるかどうか判断するように機能してよい。たとえば、温度しきい値は、正常なシステム動作のための最大安全温度に対応してよい。電力検出回路132は、主電源105の状態(たとえば、オフ状態、オン状態、スリープ状態)を検出してよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、制御論理およびマイクロコントローラユニット114は、接続回路116および118を無効および/または有効にするように機能してよい。接続回路116を有効にすることにより、ダイ積層パッケージ102は主電源105から電力を受け取ることができるようになってよい。接続回路116を無効にすることにより、ダイ積層パッケージ102が主電源105から電力を受け取ることを防止してよい、および/またはダイ積層パッケージ102からの電力漏出を防止してよい。接続回路118を有効にすることにより、ダイ積層パッケージ102は、電池106から電力を受け取ることができるようになってよい。接続回路118を無効にすることにより、ダイ積層パッケージ102が電池106から電力を受け取ることを防止してよい、および/またはダイ積層パッケージ102からの電力漏出を防止してよい。
【0043】
正常動作モード
正常動作モードでは、いくつかの実施形態によれば、制御論理およびマイクロコントローラユニット114は、接続回路116および118、ならびに充電器168を有効にする。ダイ積層パッケージ102は、電気経路P6を介して主電源105から電力を受け取る。ダイ積層パッケージ102はまた、電気経路P5を介して電池106から電力を受け取る。
【0044】
電力オフモードおよび低電力モード
電力オフ状態および低電力状態(モード)で、電力検出回路132は、主電源105がオフであることを検出する。制御論理およびマイクロコントローラユニット114は、接続回路118を有効にして、ダイ積層パッケージ102および温度センサ回路112への電力/電流を調整する。温度センサ回路112が高温を検出する場合、いくつかの実施形態では、制御論理およびマイクロコントローラユニット114は、充電器108を無効にし、接続回路118を通りダイ積層パッケージ102に至る電流を低減させる。低電力モード中、ダイ積層パッケージ102は、データを変更する(たとえば、突然変更する)ことなく揮発性メモリデータおよびFPGAの構成情報だけを維持することを必要とする低電圧レベルを必要とする。FPGA構成素子はSRAMセルであってよい。いくつかの実施形態では、制御論理およびマイクロコントローラユニット114は、ダイ積層パッケージ102のFPGA I/Oピンをトライステートに設定する。ダイ積層パッケージ102のFPGAは、電池の電力/電流を消費するどんな直流経路も作成しなくてよい。FPGAの電力分配により、電池106のレギュレータ(接続回路118)は、処理システム100が低電力モードの下で動作する、または主電源105がオフであるとき、ダイ積層パッケージ102に電力を供給できるようになる。いくつかの実施形態では、処理システム100の他の構成要素は電池電力を消費しない。
【0045】
安全保護モード
温度検出回路130が高温を検知し、かつ主電源105が正常モード(たとえば、オン状態)にあるとき、システムは安全保護モードに移行してよい。いくつかの実施形態では、安全保護モードに入るために、制御論理およびマイクロコントローラユニット114は充電器108を無効にし、接続回路116および118を無効にする。これにより、処理システム100および/またはその構成要素(たとえば、ダイ積層パッケージ102)は、どのタスクも実行することなく冷却できるようになる。ダイ積層パッケージ102をシャットダウンすることにより、処理システム100および全体としてのコンピューティングシステムは損傷から保護されてよい。
【0046】
図2は、いくつかの実施形態による、ダイ積層パッケージ202と集積された電池106を含む処理システム200の構成図である。
図2の例では、電池106は、ダイ積層パッケージ202のパッケージ基板204の上に直接配置される。ダイ積層パッケージ202は、集積回路ダイ素子207からなるダイ積層206を含んでよい。ここでは4つの集積回路ダイ素子207を示すが、ダイ積層206は1つまたは複数の集積回路ダイ素子207を含んでよいことを認識されよう。集積回路ダイ素子207は、マイクロプロセッサ、FPGA、揮発性メモリ、再構成可能二重機能セルアレイなどを含んでよく、任意の構成で積層されてよい。たとえば、集積回路ダイ素子207を(たとえば、
図3に示すように)互いにすぐ隣に互いの最上部の上などに積層してよい。積層構成の例は、米国特許第6,627,985号明細書に示されている。二重機能セルアレイの例は、米国特許出願公開第16/777,554号明細書に示されている。
【0047】
図2の例では、電池106は、少なくとも、主電源105が切られた、または低電力状態にあるとき、ダイ積層206および/またはダイ積層206の1つまたは複数の集積回路ダイ素子207に電力を供給する。
図2の例では、充電器108は、プリント回路基板201上に配置される。
【0048】
図3は、いくつかの実施形態による、ダイ積層パッケージ302と集積された電池106を含む処理システム300の構成図である。
図3の例では、ダイ積層パッケージ302は、パッケージ基板304、ダイ積層306、および電池106を含む。電池106は、ダイ積層306のFPGAチップパッケージ307eの最上部の上に配置される。FPGAチップパッケージ307eは、集積回路ダイ素子306eの側面に配置される。本明細書に記述する他のダイ積層パッケージのように、ダイ積層306は、1つまたは複数の集積回路ダイ素子307を含んでよい。集積回路ダイ素子307は、マイクロプロセッサ、FPGA、揮発性メモリ、再構成可能二重機能セルアレイなどを含んでよく、任意の構成で積層されてよい。いくつかの実施形態では、電池106はFPGAだけに電力を供給する。
【0049】
図示しないが、システムは、複数の揮発性メモリ104に電力を供給するように協働する多数の電池106を有することができる。システムは、1つまたは複数の異なる揮発性メモリ104をそれぞれサポートする多数の電池106を有することができる。電池は、サポートされる揮発性メモリ104に近接して、またはその最上部に位置することができる。
【0050】
図4Aは、いくつかの実施形態による、再構成可能二重機能セルアレイ402を含む処理システム400の構成図である。処理システム400は、FPGA素子404および記憶メモリ素子406をさらに含む。いくつかの実施形態では、処理システム400は(たとえば、ダイ積層206の)単一集積回路ダイ上に実装される。他の実施形態では、処理システム400は、多数の集積回路ダイ上に実装される。たとえば、多数の集積回路ダイにわたり再構成可能二重機能セルアレイ402、FPGA回路404、および/または記憶メモリ回路406を実装してよい。処理システム400は、再構成
可能二重機能セルアレイ402のさまざまなセルをメモリアレイまたは論理アレイとして構成するように機能する制御論理408をさらに含む。
【0051】
再構成可能二重機能セルアレイ402は、FPGA素子404用制御メモリセルとして、またはメモリ素子406用記憶メモリセルとして機能するように再構成することができるプログラム可能セルからなる1つまたは複数のアレイ(たとえば、単一アレイまたはアレイのマトリックス)を含む。上記で示すように、プログラム可能セルは、不揮発性メモリセルまたは揮発性メモリセルであってよい。記憶メモリセルは、高速アクセスメモリセル(たとえば、キャッシュ)として機能してよく、制御メモリセルは、FPGAを構成するための構成データとして機能してよい。たとえば、制御メモリセルに記憶された構成データを使用してFPGAを構成して、複雑な組合せ機能および/または比較的簡単な論理ゲート(たとえば、AND、XOR)を実現させるようにFPGA素子404を構成することができる。いくつかの実施形態では、論理セルもメモリセルも、同じ再構成可能二重機能セルアレイ402上に作成することができる。
【0052】
処理システム400内に任意の数のそのような再構成可能二重機能セルアレイ402を含んでよい。いくつかの実施形態では、処理システム400は、一方の再構成可能二重機能セルアレイ402のプログラム可能セルをメモリアレイとして機能するように構成し、別の再構成可能二重機能セルアレイ402のプログラム可能セルを論理アレイとして機能するように構成することができる。たとえば、特定の用途のためにさらに多くのメモリを必要とする場合、処理システムは、論理アレイを再構成して、メモリアレイとして機能させてよい。たとえば、特定の用途のためにさらに多くの論理を必要とする場合、処理システムは、メモリアレイを再構成して、論理アレイとして機能させてよい。メモリおよび論理の機能は、必要に応じて増大または低減させてよいので、外部メモリの使用が避けられることがある。これにより、システム性能を改善することができる、および/または従来のシステムよりも少ないエネルギーを消費することができる。
【0053】
FPGA素子404は、FPGAおよび/またはプログラム可能論理デバイス(programmable logic device、PLD)の機能を提供するように構成される回路を備える。FPGA素子404は、I/Oマクロ回路410-0~410-7を含む。I/Oマクロ回路410は、複雑な組合せ機能および/または比較的簡単な論理ゲート(たとえば、AND、XOR)を提供するように機能する。ここでは8つのI/Oマクロ回路410を示すが(たとえば、再構成可能二重機能セルアレイ402の行/列の数に基づき)そのような回路は任意の数だけ存在してよい。
【0054】
制御論理408は、記憶メモリセルまたは制御メモリセルとして再構成可能二重機能セルアレイ402のメモリセルを構成(たとえば、プログラム)するように機能する。製造後に(たとえば、現場で)構成を行ってよい。たとえば、さまざまな用途は、異なる記憶メモリおよび/または論理要件を有してよい。制御論理回路408は、要件に基づき自動的に、またはユーザ入力に応答して、再構成可能二重機能セルアレイ402のセルを構成してよい。要件が変化したとき、セルをもう一度再構成してよい。いくつかの実施形態では、再構成可能二重機能セルアレイ402の個々のセルは、記憶メモリセルまたは制御メモリセルとしてのデフォルト構成を有してよい。いくつかの実施形態では、デフォルト構成はヌル構成であってよく、記憶メモリセルまたは制御メモリセルに再構成されてよい。
【0055】
記憶メモリ素子406は、メモリ動作用の、たとえば読出しおよび/または書込み用の回路を備える。記憶メモリ素子406は、Yパス回路420および検知増幅器430-0~430-7を含む。ここでは8つの検知増幅器430(再構成可能二重機能セルアレイ402のセルの列ごとに1つの検知増幅器)を示すが、任意の適切な数の検知増幅器430を(たとえば、再構成可能二重機能セルアレイ402の列の数に基づき)使用してよいことを認識されよう。一般に、検知増幅器430は、再構成可能二重機能セルアレイ402から(たとえば、記憶メモリセルとしてプログラムされたセルから)データを読み出すための回路を備える。検知増幅器430は、記憶メモリセルに記憶されたデータビット(たとえば、1または0)を表す、再構成可能二重機能セルアレイ402のビット線から低電力信号を検知して、小さな電圧振幅を、認識可能な論理レベルまで増幅するように機能するので、再構成可能二重機能セルアレイ402の外側にある論理によりデータを適切に解釈することができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、再構成可能二重機能セルアレイのマトリックスを含む処理システム400を単一集積回路ダイ上に実装してよい。単一集積回路ダイは、他の集積回路ダイと無関係に使用されてよい、および/または性能をさらに改善するさまざまな構成で他の集積回路ダイ(たとえば、マイクロプロセッサダイ、メモリダイ、FPGAダイ)と積層されてよい。たとえば、積層は任意の組合せの層を含んでよい。層はそれぞれ単一ダイであってよい。一方の層は処理システム400を含んでよく、別の層はマイクロプロセッサダイを含んでよい。
【0057】
記憶メモリモード
記憶メモリ動作モードでは、制御論理回路408は、メモリモード(たとえば、「ロー」)に構成値を設定して、再構成可能二重機能セルアレイ402の少なくともあるブロック(たとえば、副アレイ)を記憶メモリとして構成する。いくつかの実施形態では、記憶メモリモードは、FPGA機能(たとえば、FPGA素子404の出力機能)を無効にする。ビット線デコーダ/アドレスバッファ440、ワード線デコーダ/アドレスバッファ450、および/またはYパス420アドレスセルもしくはセルの行。データは、メモリセルの中に、またはメモリセルから外に移送される。検知増幅器430は、内部または外部の配線チャネルに接続する。
【0058】
FPGAモード
FPGA動作モードでは、制御論理回路408は、論理モード(たとえば、「ハイ」)に構成値を設定して、論理機能を実現させるために再構成可能二重機能セルアレイ402の少なくとも一部分を構成する。いくつかの実施形態では、FPGAモードは、メモリ回路406を無効にし、FPGA素子404を有効にする。アドレスバッファは、再構成可能二重機能セルアレイ402にアドレスを供給して、論理機能を実現させてよい。再構成可能二重機能セルアレイ402(たとえば、AND-ORアレイ)の出力はI/Oマクロ回路410に接続する。I/Oマクロ回路410は、論理アレイから構成データを受信する。構成データは、I/Oマクロ回路410を構成して、構成データに基づき結果を生成させる。
【0059】
図4Bは、いくつかの実施形態による、再構成可能二重機能セルアレイ402のマトリックス450の構成図である。マトリックス450は、記憶メモリアレイおよび論理アレイを含む。図示するように、いくつかのアレイは記憶メモリアレイとしてプログラムされてよく、いくつかのアレイは論理アレイとしてプログラムされてよい。設計または用途が記憶メモリセルをさらに多く必要とするとき、論理メモリアレイを再構成(たとえば、プログラム)して論理メモリアレイから記憶メモリアレイにすることができる。設計または用途が論理セルをさらに多く必要とするとき、記憶メモリアレイを再構成(たとえば、リプログラム)して記憶メモリアレイから論理アレイにすることができる。この取り組み方法は、メモリアレイ使用法の有効性を高めることができ、エネルギー消費を低減することができる。
【0060】
図4Bの例では、マトリックス450は、マトリックス450の領域n,mに記憶メモリアレイ452を、領域n,1に論理アレイを含む。処理システム400はアレイの中のいずれも再構成することができる。たとえば、処理システム400は、領域n,mにある記憶メモリアレイ452を再構成して論理アレイにすることができる。
【0061】
図5は、いくつかの実施形態による、集積電池(たとえば、電池106)から揮発性メモリ(たとえば、揮発性メモリ104)に電力を提供する方法500の流れ図を描く。この流れ図および他の流れ図ならびに/またはシーケンス図では、流れ図はステップのシーケンスを例によって示す。適用可能であるとき、並列に実行するためにステップを再編成してよい、またはステップを並べ替えてよいことを理解されたい。さらに、本発明を不明瞭にするのを防止するために、かつ明確にするために、含まれていた可能性があるいくつかのステップを取り除いたこともあり、含まれていたいくつかのステップは、取り除くことができるが、例示を明確にするために含めたこともある。
【0062】
ステップ502で、主電源(たとえば、主電源105)は、ダイ積層パッケージ(たとえば、ダイ積層パッケージ102、202、または302)の揮発性メモリ(たとえば、揮発性メモリ104)に電力を供給する。たとえば、揮発性メモリは、ダイ積層(たとえば、ダイ積層206または306)のメモリダイであってよい。
【0063】
ステップ504で、主電源は充電器(たとえば、充電器108)に電力を供給する。ステップ506で、充電器は集積電池(たとえば、電池106)に電力を供給する。ステップ508で、集積電池は揮発性メモリに電力を供給する。
【0064】
ステップ510で、温度センサ(たとえば、温度センサ回路112)は、処理システム(処理システム100、処理システム200、または処理システム300)の少なくとも一部分の1つまたは複数の温度を検出する。たとえば、温度センサは、処理システム100の全体の温度、または電池、充電器、ダイ積層パッケージ、主電源などに関する1つまたは複数の温度を検出してよい。
【0065】
ステップ512で、検出された温度がしきい温度値を超える場合、制御論理およびマイクロコントローラユニット(たとえば、制御論理およびマイクロコントローラユニット114)は、主電源がオンであるかどうかを検出する(ステップ514)。たとえば、温度検出回路(たとえば、温度検出回路130)は、検知された温度がしきい値を超えるかどうか判断してよく、電力検出回路(たとえば、電力検出回路132)は、主電源がオフであるかどうかを検出してよい。主電源がオフである場合、制御論理およびマイクロコントローラユニットは、電力オフおよび安全低電力モードをトリガする(ステップ516)。電力がオンである場合、制御論理およびマイクロコントローラユニットは、安全保護モードをトリガする(ステップ518)。いくつかの実施形態では、ステップ512は行われず、単一安全保護モードだけが存在する。
【0066】
電力オフおよび安全低電力モードでは、制御論理およびマイクロコントローラユニットは、システムの損傷を防止するために、1つまたは複数の動作を遂行して温度を低減してよい。たとえば、制御論理およびマイクロコントローラユニットは、充電器を無効にしてよい。制御論理およびマイクロコントローラユニットは、接続回路R2(たとえば、接続回路118)を通る電流を、揮発性メモリがメモリ内容を保持するのにかろうじて足りる電力まで低減してよい。制御論理およびマイクロコントローラユニットは、接続回路R2(たとえば、接続回路118)を通る電流をすべて遮断してよい。処理システムが正常動作モードを再開するのに十分冷却された後、方法は充電器を再度有効にしてよく、完全に動作する状態に接続を戻してよい。いくつかの実施形態では、システムは、階層的安全応答を遂行してよく、たとえば、充電器を最初に停止させてよい。冷却が十分ではない場合、システムは電池を切断してよい。たとえば、制御論理およびマイクロコントローラユニットは、第2の接続回路R1(接続回路116)を無効にすることによりダイ積層をシャットダウンし、隔離してよい。
【0067】
安全保護モードでは、制御論理およびマイクロコントローラユニットは電池、充電器、ならびに接続回路R1とR2の両方を無効にしてよい。いくつかの実施形態では、システムは、階層的安全応答を遂行してよく、たとえば、最初に電源を停止させ、不十分である場合には充電器を停止させ、不十分である場合には電池を停止させてよい。代わりに、階層的安全応答は、最初に電源および充電器を停止させ、不十分である場合には電池を停止させてよい。揮発性メモリの内容は失われるが、これにより処理システムの構成要素に及ぼす損傷を防止するのに役立つことがある。
【0068】
方法500はステップ510に戻ってよい。温度がしきい値を依然として超える場合、制御論理およびマイクロコントローラユニットは、追加の救済手段を遂行してよい。システムが十分冷却された(たとえば、温度がもやはしきい温度値を超えない)場合、制御論理およびマイクロコントローラユニットは、処理システムを正常動作モード(たとえば、ステップ502)に戻してよい。
【0069】
図6は、いくつかの実施形態による、集積電池を使用して揮発性メモリ(たとえば、ダイ積層パッケージの揮発性メモリ)に電力を提供する方法600の流れ図である。
【0070】
ステップ602で、揮発性メモリ(たとえば、揮発性メモリ104)は主電源から電力を受け取る。主電源はオン状態およびオフ状態を有してよい。主電源は、オン状態で電力を供給し、オフ状態で電力を供給しない。揮発性メモリは、集積回路ダイ基板(たとえば、基板204または304)に電気的に連結されてよい。
【0071】
ステップ604で、充電器(たとえば、充電器108)は、主電源から電力を受け取り、集積回路ダイ基板に電気的に連結された、第1のFPGAを備える第1の集積回路ダイ素子の最上部部分に配置され、第1の集積回路ダイ素子は、揮発性メモリに近接して配置される。
【0072】
ステップ606で、集積電池(たとえば、電池106)は充電器から電力を受け取る。ステップ608で、揮発性メモリは充電器から電力を受け取る。ステップ610で、制御論理およびマイクロコントローラユニット(たとえば、制御論理およびマイクロコントローラユニット114)は、主電源がオフ状態にあることを主電源の電力出力が示すことを検出する。
【0073】
ステップ612で、制御論理およびマイクロコントローラユニットは、主電源がオフ状態にあることを電力出力が示すことを検出したことに応答して、主電源と揮発性メモリの間の第1の接続回路を無効にし、それにより、揮発性メモリが電池から電力を受け取り(そして揮発性メモリの内容を保持し)続けることができるようになる間に揮発性メモリからの電力漏出を防止する。
【0074】
本明細書全体を通して、複数の実例は、構成要素、動作、または構造を単一の実例として実装してよい。1つまたは複数の方法の個々の動作について別個の動作として例示し、記述するが、個々の動作の1つまたは複数は同時に遂行されてよく、例示する順序で動作を遂行することを要求するものではない。構成の例で別個の構成要素として提示された構造および機能は、組み合わせた構造または構成要素として実装されてよい。同様に、単一構成要素として提示された構造および機能は、別個の構成要素として実装されてよい。これらおよび他の変形形態、修正形態、追加形態、および改善形態は本明細書の主題の範囲に入る。本明細書で使用するとき、用語「or(または)」は、包括的意味または排他的意味で解釈されてよいことをさらに認識されよう。
【0075】
1つまたは複数の本発明について、実施形態の例を参照して上記に記述した。1つまたは複数の本発明のより広い範囲を逸脱することなくさまざまな修正を行ってよく、かつ他の実施形態を使用してもよいことは当業者に明らかであろう。したがって、実施形態の例に対するこれらおよび他の変形形態は、1つまたは複数の本発明に包含されることが意図される。