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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】撮像モジュール及び端末機器
(51)【国際特許分類】
   G03B 19/07 20210101AFI20231017BHJP
   H04N 23/57 20230101ALI20231017BHJP
   H04N 23/55 20230101ALI20231017BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20231017BHJP
   G03B 17/17 20210101ALI20231017BHJP
   G03B 9/08 20210101ALI20231017BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20231017BHJP
【FI】
G03B19/07
H04N23/57
H04N23/55
G03B30/00
G03B17/17
G03B9/08 G
G03B15/00 W
G03B15/00 H
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021573369
(86)(22)【出願日】2020-04-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-10
(86)【国際出願番号】 CN2020084931
(87)【国際公開番号】W WO2020259014
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2021-12-10
(31)【優先権主張番号】201910559132.0
(32)【優先日】2019-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 濤
(72)【発明者】
【氏名】謝 從軍
【審査官】瀬戸 息吹
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-087613(JP,A)
【文献】中国実用新案第206212125(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第109302555(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0241764(US,A1)
【文献】特開2001-223924(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0287333(US,A1)
【文献】国際公開第2019/015651(WO,A1)
【文献】特開2001-249260(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 19/00 - 19/16
G03B 17/04 - 17/17
G03B 17/02 - 17/22
G02B 7/02 - 7/16
G03B 15/00 - 15/035
G03B 15/06 - 15/16
G03B 9/08 - 9/54
G03B 29/00 - 30/00
H04N 5/222 - 5/257
H04N 23/00
H04N 23/40 - 23/76
H04N 23/90 - 23/959
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像モジュールであって、モジュールケーシング及び前記モジュールケーシングのキャビティに設けられた感光チップと採光装置を含み、前記モジュールケーシングの対向して分布されている両側に、第一の採光孔と第二の採光孔とがそれぞれ開設されており、前記採光装置は、前記第一の採光孔と前記第二の採光孔とにそれぞれ対向して設けられ、第一の撮影状態において、前記第二の採光孔を通過した周囲光線が前記採光装置を経由して前記感光チップに投射され、第二の撮影状態において、前記第一の採光孔を通過した周囲光線が前記採光装置を経由して前記感光チップに投射され、
前記撮像モジュールは、第一の電気変色素子、第二の電気変色素子及びコントローラをさらに含み、前記第一の電気変色素子は、前記第一の採光孔に覆われており、前記第二の電気変色素子は、前記第二の採光孔に覆われており、前記コントローラは、前記第一の電気変色素子と前記第二の電気変色素子とに接続されており、前記コントローラは、前記第一の電気変色素子と前記第二の電気変色素子の電流を制御することによって、両方の光透過又は遮光を制御し、
前記撮像モジュールは、昇降式構造であり、
前記モジュールケーシングは、対向して分布されている第一の表面と第二の表面を含み、前記第一の採光孔は、前記第一の表面に開設されており、前記第二の採光孔は、前記第二の表面に開設されており、前記第一の電気変色素子は、前記第一の表面に覆われており、前記第二の電気変色素子は、前記第二の表面に覆われており、
前記第一の表面には、前記モジュールケーシングのキャビティを連通する第一の接続孔が開設されており、前記第二の表面には、前記モジュールケーシングのキャビティを連通する第二の接続孔が開設されており、前記第一の接続孔には、前記第一の電気変色素子と電気的に接続される第一の電気的接続部が設けられ、前記第二の接続孔には、前記第二の電気変色素子と電気的に接続される第二の電気的接続部が設けられ、前記第一の電気的接続部と前記第二の電気的接続部は、前記モジュールケーシングを貫通するフレキシブル電気的接続コンポーネントを介して端末機器の機器ケーシング内の回路基板と電気的に接続されており、
前記第一の電気的接続部と前記第二の電気的接続部は、いずれも銀ペースト部であり、前記第一の電気的接続部は、銀ペーストを介して前記第一の電気変色素子に凝固して形成されたものであり、前記第二の電気的接続部は、銀ペーストを介して前記第二の電気変色素子に凝固して形成されたものである、撮像モジュール。
【請求項2】
前記採光装置は、第一の採光素子と、第二の採光素子とを含み、前記第一の採光孔と前記第二の採光孔は、前記第一の採光素子と前記第二の採光素子とにそれぞれ対向して設けられており、前記第一の撮影状態において、前記第二の採光孔を通過した周囲光線が前記第二の採光素子を経由して前記感光チップに投射され、前記第二の撮影状態において、前記第一の採光孔を通過した周囲光線が前記第一の採光素子を経由して前記感光チップに投射される、請求項1に記載の撮像モジュール。
【請求項3】
前記第一の採光素子と前記第二の採光素子は、いずれも反射プリズムである、請求項2に記載の撮像モジュール。
【請求項4】
レンズコンポーネントをさらに含み、前記レンズコンポーネントは、前記キャビティに配置されており、前記採光装置を経由した前記周囲光線は、前記レンズコンポーネントを通過して前記感光チップに投射される、請求項1に記載の撮像モジュール。
【請求項5】
前記第一の電気変色素子と前記第二の電気変色素子は、いずれも電気変色ガラス板である、請求項1に記載の撮像モジュール。
【請求項6】
前記フレキシブル電気的接続コンポーネントは、第一のフレキシブル回路基板と、第二のフレキシブル回路基板とを含み、
前記第一のフレキシブル回路基板の一端は、前記第一の電気的接続部と電気的に接続されており、前記第一のフレキシブル回路基板の他端は、前記モジュールケーシングを貫通して前記回路基板と電気的に接続されており、
前記第二のフレキシブル回路基板の一端は、前記第二の電気的接続部と電気的に接続されており、前記第二のフレキシブル回路基板の他端は、前記モジュールケーシングを貫通して前記回路基板と電気的に接続されている、請求項に記載の撮像モジュール。
【請求項7】
前記第一のフレキシブル回路基板は、前記モジュールケーシングの第一の内壁に貼り付けられ、且つ前記第一の電気的接続部に覆われており、前記第二のフレキシブル回路基板は、前記モジュールケーシングの第二の内壁に貼り付けられ、且つ前記第二の電気的接続部に覆われており、前記第一の内壁は、前記第二の内壁に対向して設けられている、請求項に記載の撮像モジュール。
【請求項8】
前記モジュールケーシングは、その内壁に設けられたオーバーラップエッジを含み、前記撮像モジュールは、回路基板をさらに含み、前記感光チップは、前記回路基板に固定されており、前記回路基板の縁部は、前記オーバーラップエッジにオーバーラップして固定されている、請求項1に記載の撮像モジュール。
【請求項9】
前記感光チップの感光面には、光フィルタが覆われている、請求項1に記載の撮像モジュール。
【請求項10】
端末機器であって、機器ケーシングと、駆動機構と、請求項1~のいずれか一つに記載の撮像モジュールとを含み、前記駆動機構は、前記撮像モジュールに接続されており、前記機器ケーシングには、貫通孔が開設されており、前記駆動機構は、前記貫通孔を貫通して前記機器ケーシング外に延出するか、又は前記機器ケーシング内に収縮するように前記撮像モジュールを駆動する、端末機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年6月26日に中国で提出された中国特許出願番号No.201910559132.0の優先権を主張しており、同出願の内容の全ては、ここに参照として取り込まれる。
本開示は、通信機器技術分野に関し、特に撮像モジュール及び端末機器に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザ需要の高まりに伴い、端末機器の機能がますます多様化する。そのうち、撮像機能は端末機器の基本機能の一つであり、ユーザの異なる撮影需要を満たすために、ますます多くの端末機器にフロントカメラとバックカメラが配置されている。
【0003】
端末機器の画面占有率を増大させるために、一般的に、関連技術におけるフロントカメラは昇降可能なカメラである。フロントカメラの動作が必要である時、フロントカメラは端末機器のハウジングキャビティから延出してユーザによる自撮りに供することができ、自撮り完了後、フロントカメラはハウジング外部からキャビティに収縮することができ、それによって、ハウジング内での隠れを実現する。
【0004】
上記昇降可能なフロントカメラは、ハウジングにスクリーンを設けるためのパネル空間を占有することはないが、ハウジング内の空間を依然として占める。
【0005】
端末機器の機能はますます多くなり、それに伴い、端末機器のハウジングに集積された電子素子の数が多くなっている。フロントカメラとバックカメラは、いずれも一定のハウジング内の空間を占める必要があり、明らかに、これは、ハウジング内により多くの電子素子を集積することがより困難になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、関連技術における端末機器のフロントカメラとバックカメラが比較的大きなハウジング内の空間を占めるという問題を解決するための端末機器を提供する。
【0007】
上記問題を解決するために、本開示は、以下の技術案を採用する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
撮像モジュールであって、モジュールケーシング及び前記モジュールケーシングのキャビティに設けられた感光チップと採光装置を含み、前記モジュールケーシングの対向して分布されている両側に、第一の採光孔と第二の採光孔とがそれぞれ開設されており、前記採光装置は、前記第一の採光孔と前記第二の採光孔とにそれぞれ対向して設けられ、第一の撮影状態において、前記第二の採光孔を通過した周囲光線が前記採光装置を経由して前記感光チップに投射され、第二の撮影状態において、前記第一の採光孔を通過した周囲光線が前記採光装置を経由して前記感光チップに投射される。
【0009】
端末機器であって、機器ケーシングと、駆動機構と、上記撮像モジュールとを含み、前記駆動機構は、前記撮像モジュールに接続されており、前記機器ケーシングには、貫通孔が開設されており、前記駆動機構は、前記貫通孔を貫通して前記機器ケーシング外に延出するか、又は前記機器ケーシング内に収縮するように前記撮像モジュールを駆動する。
【0010】
本開示で用いられる技術案は、以下の有益な効果を達成することができる。
【発明の効果】
【0011】
本開示に開示される撮像モジュールにおいて、感光チップが第一の撮影状態と第二の撮影状態で感知する周囲光線源が異なり、このような場合、撮像モジュールの感光チップは、互いに乖離する二つの方向のファインダ撮影が可能であり、つまり、この撮像モジュールは、フロントカメラとしてもバックカメラとしてもよい。そのため、この撮像モジュールが配置されている端末機器にはフロントカメラやバックカメラを専用に配置する必要がなく、それによって、カメラの数を減らすことができ、さらに端末機器内部空間への占有を小さくすることができる。
ここで説明される添付図面は、本開示のさらなる理解に供するために使用され、本開示の一部を構成し、本開示の例示的な実施例及びその説明は、本開示を解釈するために使用され、本開示に対する不適切な限定を構成しない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の実施例に開示される端末機器の部分構造概略図である。
図2】本開示の実施例に開示される撮像モジュールの断面図である。
図3】本開示の実施例に開示される撮像モジュールの作動概略図である。
図4】本開示の実施例に開示される撮像モジュールの作動概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の目的、技術案と利点をより明瞭にするために、以下、本開示の具体的な実施例及び相応な添付図面を結び付けながら、本開示の技術案を明瞭且つ完全に記述する。明らかに、記述された実施例は、ただ本開示の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本開示における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を払わない前提で得られた全ての他の実施例は、いずれも本開示の保護範囲に属する。
【0014】
以下、添付図面を結び付けながら、本開示の各実施例に開示される技術案を詳細に説明する。
【0015】
図1図4を参照すると、本開示の実施例は、端末機器に適用可能な撮像モジュール100を開示する。本開示の実施例に開示される撮像モジュール100は、モジュールケーシング110と、感光チップ120と、採光装置とを含む。
【0016】
そのうち、モジュールケーシング110は、撮像モジュール100の基礎部材であり、モジュールケーシング110は、撮像モジュール100の他の構成部材のために取付基礎を提供することができる。本開示の実施例では、感光チップ120と採光装置は、いずれもモジュールケーシング110のキャビティに設けられている。モジュールケーシング110の対向して分布されている両側に、第一の採光孔111と第二の採光孔112とがそれぞれ開設されており、第一の採光孔111と第二の採光孔112は、それぞれ、撮像モジュール100から互いに乖離する両側に向けて採光可能である。
【0017】
感光チップ120は、撮像モジュール100の感光センサであり、周囲光線は、最終的に感光チップ120に投射された後に感知されることが可能であり、最終的に画像情報を形成することができ、感光チップ120の感光プロセス及び原理はよく知られている技術であり、ここでは説明の繰り返しを省略する。
【0018】
一般的には、感光チップ120の感光面には、光フィルタ180が覆われてもよい。それによって、フィルタリング作用を実現し、さらに、感光チップ120の感光効果の向上に有利である。具体的に、光フィルタ180は、光学接着層を介して感光チップ120に貼り付けられてもよい。
【0019】
本開示の実施例に開示される撮像モジュール100は、第一の撮影状態と第二の撮影状態とを有する。第一の撮影状態において、第二の採光孔112を通過した周囲光線が採光装置を経由して感光チップ120に投射されることによって、感光チップ120の感光撮影を実現し、図4に示すように、第一の撮影状態において、撮像モジュール100は、後側に向かって撮影し、このような場合、撮像モジュール100は、端末機器のバックカメラに相当し、さらにユーザによる遠景撮影に供することができる。第一の撮影状態において、第一の採光孔111を経由した周囲光線は、最終的に感光チップ120に感知されることができず、一般的には、第一の採光孔111は封止される。
【0020】
第二の撮影状態において、第一の採光孔111を通過した周囲光線が採光装置を経由して感光チップ120に投射されることによって、感光チップ120の感光撮影を実現し、図3に示すように、記述の便宜上、第二の撮影状態において、撮像モジュール100は、端末機器の前側、つまり、端末機器の機器ケーシング200のスクリーン300が設けられている側に向かって撮影し、このような場合、撮像モジュール100は、端末機器のフロントカメラに相当し、さらに、ユーザによる自撮りに供することができる。第二の撮影状態において、第二の採光孔112を経由した周囲光線は、最終的に感光チップ120に感知されることができず、一般的には、第二の採光孔112は封止される。
【0021】
上記プロセスから分かるように、本開示の実施例に開示される撮像モジュール100において、感光チップ120が第一の撮影状態と第二の撮影状態で感知する周囲光線源が異なり、このような場合、撮像モジュール100の感光チップ120は、互いに乖離する二つの方向のファインダ撮影が可能であり、つまり、この撮像モジュール100は、フロントカメラとしてもバックカメラとしてもよい。そのため、この撮像モジュール100が配置されている端末機器には、フロントカメラやバックカメラを専用に配置する必要がなく、それによって、カメラの数を減らすことができ、さらに端末機器内部空間への占有を小さくすることができる。
【0022】
採光装置は、第一の採光孔111と第二の採光孔112の周囲光線の方向を調整することができ、それによって、周囲光線を最終的に感光チップ120に投射させることができればよい。採光装置の構造は、例えば、採光装置が二つの異なる反射面を含むような様々な構造があってもよい。
【0023】
選択的な方案では、採光装置は、第一の採光素子130と、第二の採光素子140とを含んでもよく、第一の採光孔111と第二の採光孔112は、第一の採光素子130と第二の採光素子140とにそれぞれ対向して設けられており、第一の採光素子130は、第一の採光孔111を通過した周囲光線に対して配光を行うことによって、周囲光線を第一の採光素子130の配光によって感光チップ120に投射させることができる。同様に、第二の採光素子140は、第二の採光孔112を通過した周囲光線に対して配光を行うことによって、周囲光線を第二の採光素子140の配光によって感光チップ120に投射させることができる。
【0024】
第一の撮影状態において、第二の採光孔112を通過した周囲光線が第二の採光素子140を経由して感光チップ120に投射され、第二の撮影状態において、第一の採光孔111を通過した周囲光線が第一の採光素子130を経由して感光チップ120に投射される。
【0025】
上述されたように、第一の採光素子130と第二の採光素子140は、周囲光線に対して配光を行うことによって、周囲光線の方向を調整することができる。図2に示すように、一つの具体的な実施の形態では、第一の採光素子130と第二の採光素子140は、いずれも反射プリズムであってもよく、無論、第一の採光素子130と第二の採光素子140は、平面ミラーであってもよい。本開示の実施例は、第一の採光素子130と第二の採光素子140の具体的なタイプを限定しない。
【0026】
配光をより良く実現するために、本開示の実施例に開示される撮像モジュール100は、レンズコンポーネント150をさらに含んでもよく、レンズコンポーネント150は、モジュールケーシング110のキャビティに配置されてもよく、採光装置を経由した周囲光線は、レンズコンポーネント150を通過して感光チップ120に投射される。つまり、レンズコンポーネント150は、採光装置を経由した周囲光線に対して再配光を行うこともでき、それによって、光路をより柔軟に調整することができ、感光チップ120がより良く感光することに有利である。具体的に、レンズコンポーネント150は、一般的に、少なくとも一つのレンズを含み、図2に示すように、レンズコンポーネント150は、三つの積層分布されたレンズを含み、本開示の実施例は、レンズコンポーネント150に含まれるレンズの数を限定しない。
【0027】
具体的に、第一の採光孔111と第二の採光孔112が光透過であるかどうかの制御によって、撮像モジュール100の第一の撮影状態と第二の撮影状態との間の切り替えを実現することができる。第一の採光孔111と第二の採光孔112が光透過であるかどうかの制御を実現する方法は様々である。例えば、一つの比較的簡単な実施の形態では、撮像モジュールは、一つの遮光シートを含んでもよく、この遮光シートは、第一の採光孔111又は第二の採光孔112に取り外し可能に取り付けられてもよい。第一の採光孔111の採光が必要な場合、遮光シートが取り外された後に第二の採光孔112に取り付けられ、第二の採光孔112の採光が必要な場合、遮光シートが取り外された後に第一の採光孔111に取り付けられている。
【0028】
無論、モジュールケーシング110に二つの遮光シートを設置してもよく、二つの遮光シートは、いずれも回動可能であり、且つ二つの遮光シートは、第一の採光孔111と第二の採光孔112とにそれぞれ対応しており、二つの遮光シートは、いずれも回動により遮蔽位置と退避位置との切り替えを実現することによって、第一の採光孔111と第二の採光孔112の採光に対する制御を実現することができる。
【0029】
上記方式は、一般的に、ユーザによる手動操作が必要であり、ユーザによる操作が不便である。これに基づいて、再び図2に戻り、選択的な方案では、本開示の実施例に開示される撮像モジュール100は、第一の電気変色素子160、第二の電気変色素子170及びコントローラをさらに含んでもよく、このコントローラは、端末機器のメインボードに集積された制御チップであってもよい。
【0030】
第一の電気変色素子160と第二の電気変色素子170は、いずれもモジュールケーシング110に取り付けられており、第一の電気変色素子160と第二の電気変色素子170は、いずれも電気変色材料から作成されたものであり、異なる電流を通電する時、第一の電気変色素子160と第二の電気変色素子170は変色可能であり、さらに光の通過に影響を与え、それによって、光透過状態と遮光状態との間の切り替えを実現する。
【0031】
そのうち、第一の電気変色素子160は、第一の採光孔111に覆われており、第二の電気変色素子170は、第二の採光孔112に覆われており、コントローラは、第一の電気変色素子160と第二の電気変色素子170とに接続されており、コントローラにより第一の電気変色素子160と第二の電気変色素子170の電流を制御することによって、両方の光透過又は遮光を制御する。このような場合、ユーザは、端末機器を操作することで、第一の電気変色素子160と第二の電気変色素子170の各々の電流を制御することによって、第一の撮影状態と第二の撮影状態との間の切り替え制御を実現する。
【0032】
電気変色材料の種類は比較的多く、選択的な方案では、第一の電気変色素子160と第二の電気変色素子170は、いずれも電気変色ガラス板であってもよい。電気変色ガラス板は、撮像モジュールのカバーとしても機能し、良好な装飾作用を奏することができる。
【0033】
選択的な方案では、モジュールケーシング110は、対向して分布されている第一の表面と第二の表面を含み、第一の採光孔111は、第一の表面に開設されてもよく、第一の電気変色素子160は、第一の表面に覆われてもよく、それによって、撮像モジュール100が、この側から見ると、より美観性があるようにすることができる。同様に、第二の採光孔112は、第二の表面に開設されてもよく、第二の電気変色素子170は、第二の表面に覆われてもよく、同様に、このような設置方法は、撮像モジュールの美観性を向上させることができる。具体的に、第一の電気変色素子160は、モジュールケーシング110と接着固定してもよく、同様に、第二の電気変色素子170は、モジュールケーシング110と接着固定してもよい。
【0034】
第一の電気変色素子160と第二の電気変色素子170は、作動中に、いずれも通電する必要があり、一般的には、撮像モジュール100は、機器ケーシング200内の回路基板(例えば端末機器のメインボード)と電気的に接続されることによって、第一の電気変色素子160及び第二の電気変色素子170への電力供給を実現する。
【0035】
第一の電気変色素子160及び第二の電気変色素子170の電気的接続を実現する構造は様々であり、第一の表面には、モジュールケーシング110内部を連通する第一の接続孔113が開設されてもよく、第二の表面には、モジュールケーシング110内部を連通する第二の接続孔114が開設されてもよく、第一の接続孔113には、第一の電気的接続部115が設けられ、第二の接続孔114には、第二の電気的接続部116が設けられ、第一の電気的接続部115は、第一の電気変色素子160と電気的に接続されており、第二の電気的接続部116は、第二の電気変色素子170と電気的に接続されている。一般的には、撮像モジュール100は昇降式構造であり、端末機器の機器ケーシング200に対して移動する必要がある。撮像モジュール100の位置により良く適応するために、第一の電気的接続部115と第二の電気的接続部116は、モジュールケーシング110を貫通するフレキシブル電気的接続コンポーネントを介して端末機器の機器ケーシング200内の回路基板(例えば端末機器のメインボード)と電気的に接続されてもよい。
【0036】
組み立てを容易にするために、選択的な方案では、第一の電気的接続部115と第二の電気的接続部116は、いずれも銀ペースト部であってもよく、製造中において、銀ペーストを介して第一の電気変色素子160と第二の電気変色素子170に凝固することができ、それによって、第一の電気的接続部115と第二の電気的接続部116とがそれぞれ形成される。組み立て中において、第一の電気的接続部115を第一の接続孔113に合わせて、第一の電気変色素子160をモジュールケーシング110に取り付けるようにすればよく、同様に、第二の電気的接続部116を第二の接続孔114に合わせて、第二の電気変色素子170をモジュールケーシング110に取り付ける。上記接続方式は、電気的接続操作をより容易にすることは言うまでもない。
【0037】
選択的な方案では、フレキシブル電気的接続コンポーネントは、第一のフレキシブル回路基板117と、第二のフレキシブル回路基板118とを含んでもよい。第一のフレキシブル回路基板117の一端は、第一の電気的接続部115と電気的に接続されてもよく、第一のフレキシブル回路基板117の他端は、モジュールケーシング110を貫通して機器ケーシング200内の回路基板と電気的に接続されてもよい。同様に、第二のフレキシブル回路基板118の一端は、第二の電気的接続部116と電気的に接続されてもよく、第二のフレキシブル回路基板118の他端は、前記モジュールケーシング110を貫通して機器ケーシング200内の回路基板と電気的に接続されてもよい。このような各々の電気的接続部材を介して第一の電気変色素子160と第二の電気変色素子170の電気的接続を実現する方式は、互いの電気的接続影響を回避し、点検及び電気的接続操作を容易にすることができる。
【0038】
具体的に、第一のフレキシブル回路基板117は、モジュールケーシング110の第一の内壁に貼り付けられ、且つ第一の電気的接続部115に覆われてもよい。第二のフレキシブル回路基板118は、モジュールケーシング110の第二の内壁に貼り付けられ、且つ第二の電気的接続部116に覆われてもよい。第一の内壁は、第二の内壁に対向して設けられている。このような設置方式により、第一の接続孔113と第二の接続孔114の封止に有利であるだけでなく、第一のフレキシブル回路基板117と第二のフレキシブル回路基板118との間の相互巻き付けを回避することができる。
【0039】
本開示の実施例では、感光チップ120の感光方向は、第一の採光孔111及び第二の採光孔112の貫通方向と複数の夾角を持ってもよい。図3及び図4に示すように、第一の採光孔111と第二の採光孔112の貫通方向は、感光チップ120の感光方向と垂直であってもよい。
【0040】
本開示の実施例では、感光チップ120は、様々な方式でモジュールケーシング110のキャビティに設けられてもよく、選択的な方案では、モジュールケーシング110は、その内壁に設けられたオーバーラップエッジ1110を含んでもよく、撮像モジュール100は、回路基板119をさらに含んでもよく、感光チップ120は、回路基板119に固定されてもよく、回路基板119の縁部は、オーバーラップエッジ1110にオーバーラップして固定されてもよい。具体的に、回路基板119は、接着方式でオーバーラップエッジ1110との間の固定を実現してもよい。
【0041】
本開示の実施例に開示される撮像モジュール100に基づき、本開示の実施例は、端末機器を開示する。開示される端末機器は、機器ケーシング200と、駆動機構と、上記実施例に記載の撮像モジュール100とを含み、駆動機構は、撮像モジュール100に接続されており、機器ケーシング200には、貫通孔211が開設されており、駆動機構は、撮像モジュール100に接続されており、駆動機構は、貫通孔211を貫通して機器ケーシング200外に伸出するか、又は機器ケーシング200内に収縮するように撮像モジュール100を駆動する。
【0042】
一般的には、機器ケーシング200は、ミドルフレーム210を含み、貫通孔211は、ミドルフレーム210に開設されてもよく、無論、貫通孔211は、機器ケーシング200の他の位置に開設されてもよく、本開示の実施例は、貫通孔211の具体的な開設位置を限定しない。
【0043】
本開示の実施例に開示される端末機器は、スマートフォン、タブレットパソコン、電子ブックリーダ、ウェアラブルデバイス(例えばスマートウォッチ)などであってもよく、本開示の実施例は、端末機器の具体的なタイプを限定しない。
【0044】
本開示の上記の実施例では、主に各実施例間の相違点を記述しており、各実施例間の異なる最適化特徴は、矛盾しない限り、いずれも組み合わせてより優れている実施例を形成することができ、文章の簡潔さのため、ここでは説明の繰り返しを省略する。
【0045】
以上に記述されているのは、本開示の実施例に過ぎず、本開示を制限するものではない。当業者にとって、本開示は、様々な変更及び変化があってもよい。本開示の精神と原理内で行われた任意の修正、同等の置き換え、改良などは、いずれも本開示の請求項範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0046】
100-撮像モジュール、110-モジュールケーシング、111-第一の採光孔、112-第二の採光孔、113-第一の接続孔、114-第二の接続孔、115-第一の電気的接続部、116-第二の電気的接続部、117-第一のフレキシブル回路基板、118-第二のフレキシブル回路基板、119-回路基板、1110-オーバーラップエッジ、120-感光チップ、130-第一の採光素子、140-第二の採光素子、150-レンズコンポーネント、160-第一の電気変色素子、170-第二の電気変色素子、180-光フィルタ、
200-機器ケーシング、210-ミドルフレーム、211-貫通孔、
300-スクリーン。
図1
図2
図3
図4