(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】基板処理装置および方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20231017BHJP
B01D 61/14 20060101ALI20231017BHJP
B01D 61/18 20060101ALI20231017BHJP
H01L 21/306 20060101ALI20231017BHJP
【FI】
H01L21/304 648F
B01D61/14 500
B01D61/18
H01L21/306 J
H01L21/304 648K
H01L21/304 648G
(21)【出願番号】P 2022148775
(22)【出願日】2022-09-20
【審査請求日】2022-09-20
(31)【優先権主張番号】10-2021-0192106
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】598123150
【氏名又は名称】セメス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】77,4sandan 5-gil,Jiksan-eup,Seobuk-gu,Cheonan-si,Chungcheongnam-do,331-814 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム,ソン ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,ギ ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,スン テ
(72)【発明者】
【氏名】パク,ソ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ミン,キュン ハン
【審査官】小池 英敏
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-266211(JP,A)
【文献】特開2015-220374(JP,A)
【文献】特開2021-052038(JP,A)
【文献】特開2015-204302(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
B01D 61/14
B01D 61/18
H01L 21/306
H01L 21/027
B08B 1/04
B08B 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬液供給ユニットと連結され、薬液を循環するための循環ラインと、
前記循環ラインに設けられ、薬液内のパーティクルをフィルタリングするためのフィルタと、
前記循環ラインの第1ノードに連結され、チャンバに薬液を供給するための供給ラインと、
前記循環ラインで、前記フィルタと前記第1ノードの間に位置する第2ノードに連結され、薬液をドレインするためのドレインラインを含
み、
前記薬液供給ユニットのポンプが中断した後に再稼働した時点から第1区間の間、前記フィルタを通過する薬液をドレインし、前記第1区間後の第2区間の間、前記フィルタを通過する薬液の一部はドレインしながら、他の一部は前記供給ラインを介してチャンバに供給する、基板処理装置。
【請求項2】
前記第2区間の間前記チャンバに供給された薬液はノズルフラッシングに使用される、請求項
1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記第2区間後の第3区間の間、前記フィルタを通過する薬液をドレインせず、前記供給ラインを介してチャンバに供給する、請求項
1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記薬液供給ユニットの最初のセットアップ後に稼働される時点から第1区間の間、前記フィルタを通過する薬液をドレインすることをさらに含む、請求項
1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記薬液供給ユニットのポンプが中断した後に再稼働した時点から第4区間の間、前記フィルタのメンブレン上にはパーティクルによるケーキが完成されていない、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項6】
薬液供給ユニットと連結され、薬液を循環するための循環ラインと、
前記循環ラインに設けられ、薬液内のパーティクルをフィルタリングするためのフィルタと、
前記循環ラインの第1ノードに連結され、チャンバに薬液を供給するための供給ラインと、
前記循環ラインで、前記フィルタと前記第1ノードの間に位置する第2ノードに連結され、薬液をドレインするためのドレインラインを含み、
前記薬液供給ユニットから供給される薬液の第1流量は、前記ドレインラインを介してドレインされる薬液の第2流量と前記供給ラインを介して前記チャンバに供給される薬液の第3流量の合計より大きいか同じである
、基板処理装置。
【請求項7】
前記第1ノードと前記第2ノードの間に、前記供給ラインに薬液を供給するかどうかを決定する第1オンオフ弁をさらに含む、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記ドレインラインに設けられ、前記薬液をドレインするかどうかを決定する第2オンオフ弁をさらに含む、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項9】
薬液供給ユニットと連結され、薬液を循環するための循環ラインと、
前記循環ラインに設けられ、薬液内のパーティクルをフィルタリングするためのフィルタと、
前記循環ラインの第1ノードに連結され、チャンバに薬液を供給するための供給ラインと、
前記循環ラインで、前記フィルタと前記第1ノードの間に位置する第2ノードに連結され、薬液をドレインするためのドレインラインと、
前記ドレインラインに設けられ、前記薬液をドレインするかどうかを決定する第2オンオフ弁と、
前記ドレインラインに設けられ、ドレインされる薬液の流量を調節するための流量調節弁
と、を含む、基板処理装置。
【請求項10】
薬液供給ユニットと連結され、薬液を循環するための循環ラインと、
前記循環ラインに設けられ、薬液内のパーティクルをフィルタリングするためのフィルタと、
前記循環ラインの第1ノードに連結され、チャンバに薬液を供給するための供給ラインと、
前記循環ラインで、前記フィルタと前記第1ノードの間に位置する第2ノードに連結され、薬液をドレインするためのドレインラインと、
前記循環ラインで、前記第1ノードの下流には、前端の圧力を一定に維持する背圧弁
と、を含む、基板処理装置。
【請求項11】
前記供給ラインで、後端の圧力を一定に維持して前記チャンバに吐出される薬液の流量を一定に維持するための定圧弁をさらに含む、請求項
10に記載の基板処理装置。
【請求項12】
薬液供給ユニットと連結され、薬液を循環するための循環ラインと、
前記循環ラインに設けられ、前記薬液内のパーティクルをフィルタリングするためのフィルタと、
前記循環ラインの第1ノードに連結され、チャンバに薬液を供給するための供給ラインと、
前記循環ラインで、前記フィルタと前記第1ノードの間に位置する第2ノードに連結され、薬液をドレインするためのドレインラインと、
前記循環ラインで、前記第1ノードと前記第2ノードの間に配置された第1オンオフ弁と、
前記ドレインラインに設けられた第2オンオフ弁を含み、
第1区間の間、前記第1オンオフ弁はターンオフし、前記第2オンオフ弁はターンオンし、
前記第1区間後の第2区間の間、前記第1オンオフ弁はターンオンし、前記第2オンオフ弁はオン状態を維持し、
前記第2区間後の第3区間の間、前記第2オンオフ弁はターンオフし、前記第1オンオフ弁はオン状態を維持することを含む、基板処理装置。
【請求項13】
前記薬液供給ユニットのポンプが中断した後に再稼働した時点から第4区間の間、前記フィルタのメンブレン上にはパーティクルによるケーキが完成されていない、請求項
12に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記薬液供給ユニットのポンプが中断した後に再稼働される時点から第1区間の間または前記薬液供給ユニットの最初のセットアップ後に稼働される時点から第1区間の間、前記フィルタを通過する薬液をドレインすることをさらに含む、請求項
12に記載の基板処理装置。
【請求項15】
薬液供給ユニットと連結された循環ラインと、前記循環ラインに設けられたフィルタと、前記循環ラインの第1ノードと連結された供給ラインと、前記循環ラインで前記フィルタと前記第1ノードの間の第2ノードに連結されるドレインラインを含む、基板処理装置が提供され、
第1区間の間、前記ドレインラインを介して前記フィルタを通過する薬液をドレインし、
前記第1区間後の第2区間の間、前記ドレインラインを介して前記フィルタを通過する薬液の一部はドレインし、他の一部は前記供給ラインを介してチャンバに供給し、
前記第2区間後の第3区間の間、前記フィルタを通過する薬液をドレインせず、前記供給ラインを介してチャンバに薬液を供給することを含む、基板処理方法。
【請求項16】
前記フィルタに加えられるフィルタ圧が維持されると、前記フィルタのメンブレン上にパーティクルによるケーキが形成され、
前記フィルタに加えられるフィルタ圧が解除されると、前記ケーキをなしていたパーティクルが解散し、
前記フィルタに加えられるフィルタ圧が再生成される時点から第4区間の間、前記フィルタのメンブレン上にまだケーキが完成されず、微細パーティクルが前記メンブレンを通過し、
前記第4区間以後に、前記フィルタのメンブレン上にケーキが再形成されることを含む、請求項
15に記載の基板処理方法。
【請求項17】
前記フィルタ圧が再生成される時点から前記第4区間の間、前記ドレインラインを介して前記メンブレンを通過した微細パーティクルを含む薬液をドレインすることをさらに含む、請求項
16に記載の基板処理方法。
【請求項18】
前記薬液供給ユニットから供給される薬液の第1流量は、前記ドレインラインを介してドレインされる薬液の第2流量と前記供給ラインを介して前記チャンバに供給される薬液の第3流量の合計より大きいか同じである、請求項
15に記載の基板処理方法。
【請求項19】
前記薬液供給ユニットのポンプが中断した後に再稼働される時点から第1区間の間または前記薬液供給ユニットの最初のセットアップ後に稼働される時点から第1区間の間、前記フィルタを通過する薬液をドレインすることをさらに含む、請求項
15に記載の基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板処理装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置またはディスプレイ装置を製造する際には、多様な種類の薬液が使用される。このような薬液は薬液供給ユニットにより濃度、温度および流量などの工程条件に合わせて調節して基板を処理するチャンバに供給される。一方、薬液供給ユニットからチャンバに薬液の供給中に中断し、再び供給し始めるとパーティクル水準を安定化させるのに多くの時間が必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、薬液の再供給時に迅速にパーティクル水準を安定化させることができる基板処理装置を提供することにある。
【0004】
本発明が解決しようとする他の課題は、薬液の再供給時に迅速にパーティクル水準を安定化させることができる基板処理方法を提供することにある。
【0005】
本発明の課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は以下の記載から当業者に明確に理解されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を達成するための本発明の基板処理装置の一面(aspect)は、薬液供給ユニットと連結され、薬液を循環するための循環ラインと、前記循環ラインに設けられ、薬液内のパーティクルをフィルタリングするためのフィルタと、前記循環ラインの第1ノードに連結され、チャンバに薬液を供給するための供給ラインと、前記循環ラインで、前記フィルタと前記第1ノードの間に位置する第2ノードに連結され、薬液をドレインするためのドレインラインを含む。
【0007】
前記課題を達成するための本発明の基板処理装置の他の面は、薬液供給ユニットと連結され、薬液を循環するための循環ラインと、前記循環ラインに設けられ、前記薬液内のパーティクルをフィルタリングするためのフィルタと、前記循環ラインの第1ノードに連結され、チャンバに薬液を供給するための供給ラインと、前記循環ラインで、前記フィルタと前記第1ノードの間に位置する第2ノードに連結され、薬液をドレインするためのドレインラインと、前記循環ラインで、前記第1ノードと前記第2ノードの間に配置された第1オンオフ弁と、前記ドレインラインに設けられた第2オンオフ弁を含み、第1区間の間、前記第1オンオフ弁はターンオフし、前記第2オンオフ弁はターンオンし、前記第1区間後の第2区間の間、前記第1オンオフ弁はターンオンし、前記第2オンオフ弁はオン状態を維持し、前記第2区間後の第3区間の間、前記第2オンオフ弁はターンオフし、前記第1オンオフ弁はオン状態を維持することを含む。
【0008】
前記他の課題を達成するための本発明の基板処理方法の一面は、薬液供給ユニットと連結された循環ラインと、前記循環ラインに設けられたフィルタと、前記循環ラインの第1ノードと連結された供給ラインと、前記循環ラインで前記フィルタと前記第1ノードの間の第2ノードに連結されるドレインラインを含む、基板処理装置が提供され、第1区間の間、前記ドレインラインを介して前記フィルタを通過する薬液をドレインし、前記第1区間後の第2区間の間、前記ドレインラインを介して前記フィルタを通過する薬液の一部はドレインし、他の一部は前記供給ラインを介してチャンバに供給し、前記第2区間後の第3区間の間、前記フィルタを通過する薬液をドレインせず、前記供給ラインを介してチャンバに薬液を供給することを含み得る。
【0009】
その他実施形態の具体的な内容は詳細な説明および図面に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明のいくつかの実施形態による基板処理装置を説明するための図である。
【
図2】本発明のいくつかの実施形態による基板処理方法を説明するためのタイミング図である。
【
図3】
図2の基板処理方法を説明するための中間段階図である。
【
図4】
図2の基板処理方法を説明するための中間段階図である。
【
図5】
図2の基板処理方法を説明するための中間段階図である。
【
図6】フィルタにフィルタ圧が維持される状態を示す図である。
【
図7】フィルタにフィルタ圧が解除されるときの状態を示す図である。
【
図8】フィルタに圧力が再び生成されるときの状態を示す図である。
【
図9】
図1に示す薬液供給ユニットの例示的な構成である。
【
図10】本発明の他の実施形態による基板処理装置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付する図面を参照して本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。本発明の利点および特徴、並びにこれらを達成する方法は添付する図面と共に詳細に後述する実施形態を参照すると明確になる。しかし、本発明は以下に開示される実施形態に限定されるものではなく互いに異なる多様な形態で実現することができ、本実施形態は単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は請求項の範疇によってのみ定義される。明細書全体にわたって同一参照符号は同一構成要素を指すものとする。
【0012】
空間的に相対的な用語である「下(below)」、「下(beneath)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」などは図面に示されているように一つの素子または構成要素と他の素子または構成要素との相関関係を容易に記述するために使用される。空間的に相対的な用語は図面に示されている方向に加えて使用時または動作時の素子の互いに異なる方向を含む用語として理解されなければならない。例えば、図面に示されている素子をひっくり返す場合、他の素子の「下(below)」または「下(beneath)」と記述された素子は他の素子の「上(above)」に置かれ得る。したがって、例示的な用語の「下」は下と上の方向をすべて含むことができる。素子は他の方向に配向されてもよく、そのため空間的に相対的な用語は配向によって解釈されることができる。
【0013】
第1、第2などが多様な素子、構成要素および/またはセクションを叙述するために使われるが、これらの素子、構成要素および/またはセクションはこれらの用語によって制限されないのはもちろんである。これらの用語は単に一つの素子、構成要素またはセクションを他の素子、構成要素またはセクションと区別するために使用する。したがって、以下で言及される第1素子、第1構成要素または第1セクションは本発明の技術的思想内で第2素子、第2構成要素または第2セクションであり得るのはもちろんである。
【0014】
以下、添付する図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明し、添付図面を参照して説明するにあたり図面符号に関係なく同一であるかまたは対応する構成要素は同じ参照番号を付与し、これに係る重複する説明は省略する。
【0015】
図1は本発明のいくつかの実施形態による基板処理装置を説明するための図である。
【0016】
図1を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による基板処理装置は、薬液供給ユニット100、循環ラインMCL、供給ラインSL、ドレインラインDLなどを含む。
【0017】
循環ラインMCLは薬液供給ユニット100と連結され、薬液を循環するためのラインである。
【0018】
フィルタFは循環ラインMCLに設けられ、薬液内のパーティクルをフィルタリングする。フィルタは例えば、メンブレンフィルタであり得る。メンブレンフィルタはRO(Reverse Osmosis)、NF(Nano Filtration)、UF(Ultra Filtration)などであり得るが、これに限定されない。メンブレンフィルタの種類によって、フィルタリングできるパーティクルのサイズが変わる。
【0019】
供給ラインSLは循環ラインMCLの第1ノードN1に連結され、チャンバ200に薬液を供給するためのラインである。
【0020】
チャンバ200は洗浄工程を行うための洗浄チャンバであり得るが、これに限定されない。洗浄工程に使用される薬液は例えば、酸性薬液、アルカリ性薬液、オゾン水、純水、IPA(イソプロピルアルコール)などであり得るが、これに限定されない。しかし、本実施形態は洗浄工程に限定されるものではなく、本実施形態に矛盾しない限り薬液が使用される多様な工程に適用することができる。他の例として、チャンバ200は乾燥工程やエッチング工程などのためのチャンバであり得る。さらに、チャンバ200が乾燥工程やエッチング工程のためのチャンバからなる場合、薬液は処理液として乾燥液またはエッチング液であり得る。
【0021】
ドレインラインDLは循環ラインMCLの第2ノードN2に連結され、薬液をドレインするためのラインである。第2ノードN2は第1ノードN1とフィルタFの間に位置する。
【0022】
第1オンオフ弁V3は第1ノードN1と第2ノードN2の間に配置され、供給ラインSLに薬液を供給するかどうかを決定する。第1オンオフ弁V3がオン状態であるとき、第1オンオフ弁V3を通過した薬液は供給ラインSLを介してチャンバ200に供給されるか、循環ラインMCLを介して薬液供給ユニット100に復帰する。
【0023】
第2オンオフ弁V4はドレインラインDLに設けられ、薬液をドレインするかどうかを決定する。すなわち、第2オンオフ弁V4がオン状態であるとき、第2オンオフ弁V4を通過した薬液はドレインされる。
【0024】
流量調節弁V5はドレインラインDLに設けられ、ドレインされる薬液の流量を調節する。
【0025】
第3オンオフ弁V6は供給ラインSLに設けられ、対応するチャンバ200に吐出供給をするかどうかを決定する。すなわち、第3オンオフ弁V6がオン状態であるとき、第3オンオフ弁V6を通過した薬液は対応するチャンバ200に薬液が吐出される。
【0026】
定圧弁V1は供給ラインSLに設けられ、定圧弁V1の後端の圧力を一定に維持する。このようにすることで、定圧弁V1はチャンバ200内で吐出される薬液流量を一定に制御することができる。
【0027】
背圧弁V2は循環ラインMCLで第1ノードN1の下流に設けられ、背圧弁V2の前端の圧力を一定に維持する。このようにすることで、循環ラインMCL内の圧力を一定に維持することができる。
【0028】
また、リターンラインRLは供給ラインSLと循環ラインMCLを連結する。第3オンオフ弁V6がオフ状態であるとき、供給ラインSLに引込まれた薬液がリターンラインRLを介して循環ラインMCLに復帰する。または、第3オンオフ弁V6がオン状態であるときも、供給ラインSLに引込まれた薬液の流量がチャンバ200に吐出される薬液の流量より大きいと、残る薬液がリターンラインRLを介して供給ラインSLに復帰する。
【0029】
以下では、
図2ないし
図5を用いて、本発明のいくつかの実施形態による基板処理方法を説明するための図である。
【0030】
図2は本発明のいくつかの実施形態による基板処理方法を説明するためのタイミング図である。
図3ないし
図5は
図2の基板処理方法を説明するための中間段階図である。
【0031】
図2および
図3を参照すると、時間t1で第2オンオフ弁V4はターンオンされる。
時間t1~t2(すなわち、第1区間)で、第1オンオフ弁V3と第3オンオフ弁V6はオフ状態であり、第2オンオフ弁V4はオン状態であるので、フィルタFを通過した薬液はドレインラインDLを介してドレインされる(図面符号F1を参照)。
【0032】
図2および
図4を参照すると、時間t2で第1オンオフ弁V3と第3オンオフ弁V6はターンオンされる。第2オンオフ弁V4はオン状態を維持する。
【0033】
時間t2~t3(すなわち、第2区間)で、第1ないし第3オンオフ弁V3,V4,V6はオン状態であるので、フィルタFを通過した薬液の一部はドレインされ(図面符号F1を参照)、他の一部は供給ラインSLを介してチャンバ200に供給され(図面符号F2を参照)、残りの一部は循環ラインMCLを介して薬液供給ユニット100に復帰する(図面符号F3を参照)。また、図示のように、供給ラインSLに引込まれた薬液の一部は、リターンラインRLを介して循環ラインMCLに復帰する。
【0034】
図2および
図5を参照すると、時間t3で第2オンオフ弁V4はターンオフされる。第1オンオフ弁V3と第3オンオフ弁V6はオン状態を維持する。
【0035】
時間t3以後(すなわち、第3区間)で、第2オンオフ弁V4はオフ状態であるので、フィルタFを通過した薬液はこれ以上ドレインされない。フィルタFを通過した薬液は供給ラインSLを介してチャンバ200に供給されるか(図面符号F2を参照)、循環ラインMCLを介して薬液供給ユニット100に復帰する(図面符号F3を参照)。
【0036】
以下では、
図6ないし
図8を参照して前述した方式でドレインする理由を説明する。
図6はフィルタにフィルタ圧が維持される状態を示す図である。
図7はフィルタにフィルタ圧が解除されるときの状態を示す図である。
図8はフィルタに圧力が再び生成されるときの状態を示す図である。
【0037】
図6を参照すると、フィルタFにフィルタ圧が一方向に加えられている(図示された矢印を参照)。薬液供給ユニット100のポンプ(
図1の21を参照)は循環ラインMCLを介して薬液を一方向に送るので、フィルタFのメンブレン310にはフィルタ圧が一方向に生成される。
【0038】
このようなフィルタ圧によって多様な大きさのパーティクル320,330はメンブレン310の表面に集まってケーキを形成する。このように形成されたケーキは、小さな大きさのパーティクル(すなわち、微細パーティクル,330)もメンブレン310を通過できないようにする。すなわち、フィルタFのメンブレン310上にケーキが形成されてこそ、フィルタリング動作を効率的に遂行することができる。
【0039】
図7を参照すると、フィルタFに加えられるフィルタ圧が解除される。例えば、設備の改造、メンテナンスなどの理由でポンプ21が中断され得る。このような場合、メンブレン310の表面でケーキをなしていたパーティクル320,330が解散する。
【0040】
図8を参照すると、フィルタFにフィルタ圧が再生成される。例えば、設備の改造、メンテナンスなどが終了してポンプ21を再稼働することができる。しかし、フィルタ圧が再生成される時点から第4区間の間には、フィルタFのメンブレン310上にまだケーキが完成されていない。すなわち、大きな大きさのパーティクル320はメンブレン310の表面に引っ掛かるが、小さな大きさのパーティクル330はメンブレン310を通過する。
【0041】
メンブレン310の表面に大きな大きさのパーティクル320が十分に堆積することにより、中間の大きさのパーティクルがパーティクル320の上に堆積するか、パーティクル320の間の空間を埋める。その後に小さな大きさのパーティクル330がパーティクル320の上に堆積するか、パーティクル320の間の空間を埋めてケーキが完成される。
【0042】
まとめると、フィルタ圧が再生成される時点から第4区間の間には、メンブレン310上にケーキが形成されず、第4区間以後にはじめてメンブレン310上にケーキが再形成される。
【0043】
再び
図2および
図3を参照すると、時間t1の前には、フィルタFにフィルタ圧が加えられない。すなわち、薬液供給ユニット100のポンプ21が稼働しない。フィルタFのメンブレン310の表面にはパーティクル320,330によるケーキが形成されていない状態である。
【0044】
時間t1から、フィルタFにフィルタ圧が加えられ始める。すなわち、時間t1は薬液供給ユニット100のポンプ21が改造、メンテナンスなどの理由で中断されてから再稼働された時点(または、その直後またはその直前)であり得る。または、薬液供給ユニット100の最初のセットアップ後に稼働される時点(または、その直後またはその直前)であり得る。
【0045】
時間t1から所定時間(すなわち、前述した第4区間)の間は、フィルタFのメンブレン310上にまだケーキが完成されない(
図8を参照)。時間t1から所定時間の間は、小さなパーティクル330はフィルタFを通過する。フィルタFを通過した薬液には、小さなパーティクル330が含まれている。したがって、時間t1~t2の間、第2オンオフ弁V4はオン状態を維持して、フィルタFを通過した薬液を工程に使用せず、ドレインラインDLを介してドレインする(図面符号F1を参照)。
【0046】
時間t2から、第1オンオフ弁V3と第3オンオフ弁V6もターンオンして、フィルタFを通過した薬液の一部はドレインラインDLを介してドレインし(図面符号F1を参照)、他の一部は供給ラインSLを介してチャンバ200に供給し(図面符号F2を参照)、残りは循環ラインMCLを介して薬液供給ユニット100に復帰する(図面符号F3を参照)。
【0047】
改造、メンテナンスなどの理由で薬液供給ユニット100のポンプ21が中断されていたので、供給ラインSLおよび/または循環ラインMCLは長時間の間空になっているか、薬液が停滞している。これはパーティクル生成に影響を及ぼす。
【0048】
したがって、一部の薬液をドレインしながら、供給ラインSLおよび/または循環ラインMCLにも薬液を提供する。このようにすることで、供給ラインSLおよび/または循環ラインMCLの配管が空になることを防止し、薬液停滞を防止することができる。すなわち、供給ラインSLおよび/または循環ラインMCLに存在し得るパーティクルの生成要素を除去することができる。
【0049】
チャンバ200に供給された薬液は工程にすぐに使用されず、オートディスペンス(auto-dispense)などによるノズルフラッシング(nozzle flushing)に使用される。このようにすることで、パーティクル生成を最小化する。
【0050】
時間t3から、第2オンオフ弁V4をターンオフして、フィルタFを通過した薬液をこれ以上ドレインしない。時間t1後に十分な時間が経過し(すなわち、前述した第4区間が経過して)、フィルタFのメンブレン310上にケーキが生成されて小さなパーティクル330もメンブレン310をよく通過できなくなり、供給ラインSLおよび/または循環ラインMCLに存在し得るパーティクルの生成要素を除去したからである。
【0051】
一方、時間t1~t3間、薬液供給ユニット100から供給される薬液の第1流量(すなわち、フィルタFを通過する薬液)は、ドレインラインDLを介してドレインされる薬液の第2流量と供給ラインSLを介してチャンバ200に供給される薬液の第3流量の合計より大きいか同じである。
【0052】
例えば、時間t1~t2間には、供給ラインSLを介してチャンバ200に供給される薬液の第3流量は実質的に0である。したがって、薬液供給ユニット100から供給される薬液の第1流量はドレインラインDLを介してドレインされる薬液の第2流量より大きいか同じである。フィルタFで失われる薬液がなければ第1流量と第2流量が同じであり、フィルタFで失われる薬液が発生すると、第1流量が第2流量より大きい。結果的に、第1流量は第2流量および第3流量の合計より大きいか同じである。
【0053】
時間t2~t3間には、薬液供給ユニット100から供給される薬液は、ドレインラインDL、供給ラインSLおよび循環ラインMCLに分散する。したがって、第1流量は第2流量および第3流量の合計より大きい。
【0054】
図9は
図1に示す薬液供給ユニットの例示的な構成である。
【0055】
図9を参照すると、薬液供給ユニット100におけるタンク11,12は一つ以上設けられることができる。例示的に
図1を参照するとタンク11,12は2個設けられる。
【0056】
タンク11,12は小循環ラインSCLと循環ライン(または大循環ライン,MCL)が連結される。
【0057】
小循環ラインSCLにはポンプ15とヒータ16が設けられる。タンク11,12内の薬液は、小循環ラインSCLを循環しながらヒータ16によってターゲット温度に合わせられる。弁の動作に応じて、タンク(例えば、11)から出た薬液はヒータ16を経てタンク11に復帰することもでき、他のタンク(例えば、12)に供給されることもできる。
【0058】
循環ラインMCLは
図1で説明したように、リターンラインRL、供給ラインSLおよびドレインラインDLと連結される。
【0059】
循環ラインMCLにはチャンバ200に供給される薬液の温度および流量を制御するための多様な構成が設けられる。例えば循環ラインMCLにはポンプ(またはメインポンプ,21)、ダンパ22、メインヒータ23、フィルタ24、バブルカッタ25、流量器26などが設けられる。
【0060】
図10は本発明の他の実施形態による基板処理装置を説明するための図である。説明の便宜上、
図1ないし
図5を用いて説明した内容と異なる点を中心に説明する。
【0061】
図10を参照すると、本発明の他の実施形態による基板処理装置で、供給ラインSLを介して薬液が供給されるチャンバ201~212が多数個設けられることができる。
【0062】
多数のチャンバ201~212は、多層に配置される。図示のように、低層にはチャンバ201,202,211,212が配置され、中層にはチャンバ203,204,209,210が配置され、上層にはチャンバ205,206,207,208が配置される。供給ラインSLは低層でチャンバ201,202に一番最初に薬液を供給し、中層でチャンバ203,204に、上層でチャンバ205,206に薬液を供給するように設置される。次に、供給ラインSLは上層でチャンバ207,208に、中層でチャンバ209,210に、低層でチャンバ211,212に薬液を供給するように設けられる(図面符号F2を参照)。
【0063】
以上と添付する図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記一実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。