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特許7368604蛍光増白剤をポリマー組成物に組み込むためのプロセス及びプレミックス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】蛍光増白剤をポリマー組成物に組み込むためのプロセス及びプレミックス
(51)【国際特許分類】
   C08L 83/07 20060101AFI20231017BHJP
   C08L 83/05 20060101ALI20231017BHJP
   C08K 5/45 20060101ALI20231017BHJP
   C09J 183/07 20060101ALI20231017BHJP
   C09J 183/05 20060101ALI20231017BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20231017BHJP
【FI】
C08L83/07
C08L83/05
C08K5/45
C09J183/07
C09J183/05
C09J11/06
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2022514851
(86)(22)【出願日】2020-09-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-04
(86)【国際出願番号】 US2020049342
(87)【国際公開番号】W WO2021046309
(87)【国際公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-03-04
(31)【優先権主張番号】62/896,982
(32)【優先日】2019-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519289224
【氏名又は名称】エルケム・シリコーンズ・ユーエスエイ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】ELKEM SILICONES USA CORP.
【住所又は居所原語表記】Two Tower Center Boulevard,Suite 1601,East Brunswick,NJ 08816 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】イェン・モン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ジョン・ワトソン
(72)【発明者】
【氏名】クリス・ヘルト
(72)【発明者】
【氏名】ダナヤ・プラチャヤナン
(72)【発明者】
【氏名】アマンダ・バートン
(72)【発明者】
【氏名】リーアン・ブラウン
【審査官】常見 優
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-098163(JP,A)
【文献】特開2016-011329(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0355176(US,A1)
【文献】特開2019-143074(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0038183(US,A1)
【文献】特表2007-502345(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00-101/16
C08K 3/00- 13/08
C08J 3/00- 3/28
C08J99/00
C09J 1/00- 5/10
C09J 9/00-201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物X:
a)分子あたりケイ素に結合した少なくとも2つのアルケニル基を有する少なくとも1つのオルガノポリシロキサンA(前記アルケニル基はそれぞれ2~14個の炭素原子を含む)、
b)分子あたりケイ素に結合した少なくとも2つの水素原子を有する少なくとも1つのケイ素化合物B、
c)少なくとも1つの付加反応触媒C、及び
d)グリシジル3-(トリメトキシシリル)プロピルエーテル(GLYMO)、ビニルトリメトキシシラン(VTMO)、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MEMO)、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの溶媒Dに溶解した少なくとも1つの蛍光増白剤E。
【請求項2】
記少なくとも1つの蛍光増白剤Eはベンゾオキサゾール誘導体である、請求項1に記載の付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物X。
【請求項3】
前記少なくとも1つの溶媒Dに溶解された前記少なくとも1つの蛍光増白剤Eは、以下を含むプレミックスブレンドである、請求項1又は2に記載の付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物X:
a)少なくとも1つのポリアルコキシシリコン化合物、及び
b)少なくとも1つの蛍光増白剤E(前記少なくとも1つの蛍光増白剤Eは、ベンゾオキサゾール誘導体である)。
【請求項4】
前記蛍光増白剤Eは、以下の式(2)を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物X:
【化1】
式中、R3は、独立して、水素原子、-C(CH33、C1~C30のアルキル基、又は-CO(O-R4)である(R4はC1~C30のアルキル基である)。
【請求項5】
前記蛍光増白剤Eは、以下の式(3)を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物X:
【化2】
【請求項6】
前記プレミックスブレンドは以下を含む、請求項3に記載の付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物X:
i)100重量部の前記少なくとも1つのポリアルコキシシリコン化合物、及び
ii)0.0001~10重量部の前記少なくとも1つの蛍光増白剤E。
【請求項7】
a)少なくとも1つの溶媒、及び
b)少なくとも1つの蛍光増白剤、
を含み、前記少なくとも1つの溶媒は、グリシジル3-(トリメトキシシリル)プロピルエーテル(GLYMO)、ビニルトリメトキシシラン(VTMO)、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MEMO)、及びそれらの混合物からなる群から選択される、プレミックスブレンド。
【請求項8】
記少なくとも1つの蛍光増白剤は、ベンゾオキサゾール誘導体である、請求項に記載のプレミックスブレンド。
【請求項9】
前記プレミックスブレンドは以下を含む、請求項又はに記載のプレミックスブレンド:
i)100重量部の前記少なくとも1つの溶媒、及び
ii)0.0001~10重量部の前記少なくとも1つの蛍光増白剤。
れらの混合物。
【請求項10】
前記少なくとも1つの蛍光増白剤は、以下の式(2)を有する、請求項7~9のいずれか1項に記載のプレミックスブレンド:
【化3】
式中、R3は、独立して、水素原子、-C(CH33、C1~C30のアルキル基、又は-CO(O-R4)である(R4はC1~C30のアルキル基である)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの蛍光増白剤は、以下の式(3)を有する、請求項7~10のいずれか1項に記載のプレミックスブレンド:
【化4】
【請求項12】
a)少なくとも1つの蛍光増白剤Eと、グリシジル3-(トリメトキシシリル)プロピルエーテル(GLYMO)、ビニルトリメトキシシラン(VTMO)、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MEMO)、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの溶媒Dを混合して、プレミックスブレンドを作成すること;及び
b)前記プレミックスブレンドをポリマー組成物に加えること
を含む、蛍光増白剤をポリマー組成物に組み込むためのプロセス。
【請求項13】
前記少なくとも1つの蛍光増白剤Eはベンゾオキサゾール誘導体である、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
前記少なくとも1つの蛍光増白剤Eは、以下の式(2)を有する、請求項12又は13に記載のプロセス:
【化5】
式中、R3は、独立して、水素原子、-C(CH33、C1~C30のアルキル基、又は-CO(O-R4)である(R4はC1~C30のアルキル基である)。
【請求項15】
前記少なくとも1つの蛍光増白剤Eは、以下の式(3)を有する、請求項12~14のいずれか1項に記載のプロセス:
【化6】
【請求項16】
前記プレミックスブレンドは以下からなる、請求項12~15のいずれか1項に記載のプロセス:
i)100重量部の前記少なくとも1つの溶媒D、及び
ii)0.0001~10重量部の前記少なくとも1つの蛍光増白剤E。
【請求項17】
前記ポリマー組成物は、付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物Xである、請求項12~16のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項18】
請求項1~のいずれか1項に記載の付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物Xを硬化させることにより得られた硬化オルガノポリシロキサン組成物。
【請求項19】
請求項12~17のいずれか1項に記載のプロセスによって得られたポリマー組成物。
【請求項20】
請求項1~のいずれか1項に記載の付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物X、請求項18に記載の硬化オルガノポリシロキサン組成物、又は請求項19に記載のポリマー組成物を含む接着剤組成物。
【請求項21】
ディスペンス中の高分子材料の漏れと誤配置の検出のための、ポッティング、接着剤、ガスケット、シーラント、コーティング、及び/又はカプセル化材料などの機能性ポリマー組成物における、請求項1~のいずれか1項に記載の付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物X、請求項18に記載の硬化オルガノポリシロキサン組成物、請求項19に記載のポリマー組成物、又は請求項20に記載の接着剤組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[相互参照]
この出願は、2019年9月6日に出願された米国仮特許出願第62/896,982号の優先権を主張する特許協力条約に基づく国際出願であり、その内容は参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、改善されたポリマー組成物及び蛍光増白剤をポリマー組成物に組み込むための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
エレクトロニクスなどの分野で品質管理を確実にするための自動光学検査の需要の高まりに伴い、機能性ポリマー組成物への紫外線(UV)トレーサーの組み込み、例えばポッティング、接着剤、ガスケット、シーラント、コーティング、カプセル化材料は、ディスペンス中のポリマー材料の漏れや位置ずれの検出を容易にするのに役立つ。テキスタイルコーティングなどの他の分野や、Novoprime(登録商標)などのプライマーを使用する場合、UVトレーサビリティは、コーティング又はプライマーが基材に均一に塗布されているかどうかを確認するための優れた方法である。
【0004】
蛍光増白剤又は蛍光染料としても知られているいくつかのUVトレーサーが当技術分野で知られている。ベンゾオキサゾール誘導体、スチルベン誘導体、クマリン、ナフタルイミド、及び1,3,5-トリアジン-2-イル誘導体は、最も広く使用されているクラスのUVトレーサーの一部である。特に、2,5-チオフェンジイルビス(5-tert-ブチル-1,3-ベンゾオキサゾール)は、Tinopal(登録商標)OB CO、Benetex(登録商標)OB、Benetex(登録商標)OB Plus、又はUvitex(登録商標)OBなどの商品名で販売されている広く使用されているベンゾオキサゾール由来のUVトレーサーである。
【0005】
BASF(US6,086,795)は、光硬化性シリコーン接着剤を含む接着性材料における、2,5-チオフェネジイルビス(5-tert-ブチル-1,3-ベンゾオキサゾール)などの発光材料の使用を開示している。
【0006】
Top-Flite(US2002/0034988)は、2,5-チオフェンジイルビス(5-tert-ブチル-1,3-ベンゾオキサゾール)などの蛍光増白剤をゴルフボールのカバー層に含めることができ、これは、少なくとも0.1重量%の高粘度シロキサンポリマーを含むことができると開示している。
【0007】
Dow Corning(WO2005/019343)は、フルオロオルガノシロキサンを含むシリコーン組成物における、2,5-チオフェンジイルビス(5-tert-ブチル-1,3-ベンゾオキサゾール)などのUV活性染料を含む顔料の使用を開示している。
【0008】
Henkel(WO2006/060189)は、光硬化性シリコーン組成物に2,5-チオフェネジイルビス(5-tert-ブチル-1,3-ベンゾオキサゾール)などの蛍光剤を含めることを開示している。
【0009】
L’OrealSA(US2011/0117174)は、2,5-チオフェンジイルビス(5-tert-ブチル-1,3-ベンゾオキサゾール)などの特殊効果添加剤を製品のポリマー層に含めることができ、これが、シリコーンポリマーからなることができると開示している。
【0010】
Dow Silicones(WO2018/151450)は、2,5-チオフェンジイルビス(5-tert-ブチル-1,3-ベンゾオキサゾール)を、室温の湿気硬化性シリコーン組成物に添加する任意選択の蛍光増白剤として開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記の特許文献は、一般に、ベンゾオキサゾール誘導体などの蛍光増白剤を様々なポリマー組成物に含めることを開示しているが、これらの文献のいずれも、蛍光増白剤をポリマー組成物に分散させる方法を開示していない。2,5-チオフェンジイルビス(5-tert-ブチル-1,3-ベンゾオキサゾール)を含むいくつかの蛍光増白剤のポリマーへの溶解度が低いため、出願人は、これらの蛍光増白剤は、ミクロンサイズの粒子としてポリマー組成物に存在し、材料の外観に影響を与えるだけでなく、特定の用途のディスペンス中にノズルを詰まらせる可能性があることを発見した。
【0012】
したがって、蛍光増白剤が組成物中に均一に分布し、粒子として存在しない、蛍光増白剤を含むシリコーン組成物などのポリマー組成物を提供する必要性が存在する。本発明は、上記の問題を解決するために、蛍光増白剤をポリマー組成物に組み込む新しいプロセスを提供する。本発明はまた、優れた接着特性を有する、及び沈降が最小限若しくは全くない蛍光増白剤を含むポリマー組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の発明者ら鋭意検討の結果、ポリマー組成物に蛍光増白剤を添加する前に、蛍光増白剤を溶媒に溶解することにより、上記の問題を解決できることを見出した。
【0014】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの蛍光増白剤と、前記少なくとも1つの蛍光増白剤を溶解することができる少なくとも1つの化合物(すなわち、溶媒)とを含むプレミックスブレンドが提供される。
【0015】
いくつかの実施形態において、プレミックスブレンドは、溶媒として少なくとも1つのポリアルコキシシリコン化合物、及び少なくとも1つの蛍光増白剤を含み、前記少なくとも1つの蛍光増白剤は、ベンゾオキサゾール誘導体である。
【0016】
いくつかの実施形態では、プレミックスブレンドは、100重量部の少なくとも1つのポリアルコキシシリコン化合物、及び0.0001~10重量部の少なくとも1つの蛍光増白剤を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つのポリアルコキシシリコン化合物は、以下の式(3)を有する。
[(X)-(R1n-x(R3ySi(OR24-(x+y) (3)
式中:
x=0、1又は2;好ましくはx=0又は1;
y=0又は1;
x+y=0、1又は2;
n=0又は1;
1は、1~20個の炭素原子を有する線状又は分岐状又は環状のアルキレン基である;任意選択で芳香族部分を有する;任意選択で1つ又は複数のヘテロ原子を有する;
2は1~5個の炭素原子を有するアルキル基である;
Xは、水素原子、又はオキシラン、OH、(メタ)アクリロイルオキシ、アミン、SH、アシルチオ、及びビニルからなる群から選択される官能基である;
3は、1~8個の炭素原子を有するアルキル基、メルカプトアルキル基、C1~C6のハロアルキル基、ウレイドアルキル基、C2~C8のアルケニル基、置換又は非置換のアリール基、及び(メタ)アクリレートを含むC1~C8のアルキル基からなる群から選択される基である。
【0018】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つのポリアルコキシシリコン化合物は、以下からなる群から選択される:グリシジル3-(トリメトキシシリル)プロピルエーテル(GLYMO)、3-グリシジルオキシ-プロピルトリエトキシシラン;ビニルトリメトキシシラン(VTMO)、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、メチルオクチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MEMO)、3-メタ-アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、メチルオクチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、及びそれらの混合物。
【0019】
いくつかの実施形態において、前記少なくとも1つのポリアルコキシシリコン化合物は、グリシジル3-(トリメトキシシリル)プロピルエーテル(GLYMO)、ビニルトリメトキシシラン(VTMO)、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MEMO)、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0020】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つの蛍光増白剤は、以下の式(2)を有する:
【化1】
式中、R3は、独立して、水素原子、-C(CH33、C1~C30のアルキル基、又はCO(O-R4)である(R4はC1~C30のアルキル基である)。
【0021】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つの蛍光増白剤は、以下の式(3)を有する:
【化2】
【0022】
蛍光増白剤をポリマー組成物に組み込むためのプロセスも提供され、a)少なくとも1つの蛍光増白剤と少なくとも1つの溶媒を混合してプレミックスブレンドを作成すること;及びb)前記プレミックスブレンドをポリマー組成物に加えることを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つの蛍光増白剤はベンゾオキサゾール誘導体であり、前記少なくとも1つの溶媒はポリアルコキシシリコン化合物である。
【0024】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つの蛍光増白剤は、ビス(ベンゾオキサゾール)誘導体である。いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つの蛍光増白剤は、以下からなる群から選択されるビス(ベンゾオキサゾール)誘導体である。2,5-チオフェニジイルビス(5-tert-ブチル-1,3-ベンゾオキサゾール)(Tinopal(登録商標)OB CO)、2,2’-(ビニレンジ-p-フェニレン)ビスベンゾオキサゾール、2,2’-(ナフタレン-1,4-ジイル)ビス(ベンゾオキサゾール)、2-[4-[2-[4-(ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ビニル]フェニル]-5-メチルベンゾオキサゾール、及び2,2’-(1,2-エテンジイル)ビス(4,1-フェニレン)ビスベンゾオキサゾールなどのスチルベン-ベンゾオキサゾリン。
【0025】
いくつかの実施形態において、前記ポリアルコキシシリコン化合物は、以下からなる群から選択される:グリシジル3-(トリメトキシシリル)プロピルエーテル(GLYMO)、3-グリシジルオキシ-プロピルトリエトキシシラン;ビニルトリメトキシシラン(VTMO)、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、メチルオクチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MEMO)、3-メタ-アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、メチルオクチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、及びそれらの混合物。いくつかの実施形態において、前記少なくとも1つのポリアルコキシシリコン化合物は、グリシジル3-(トリメトキシシリル)プロピルエーテル(GLYMO)、ビニルトリメトキシシラン(VTMO)、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MEMO)、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0026】
プレミックスブレンドを含む、及び/又は上記のプロセスによって得られるポリマー組成物も提供される。適切なポリマー組成物には、ホモポリマー、又はブロック若しくは統計的コポリマーから選択される少なくとも1つの成分としてのポリマーが含まれる。それには、シリコーン、エポキシ、エポキシコポリマー、ポリウレタン、アクリルポリマー及びコポリマー、ブチルゴム、エチレン酢酸ビニルポリマー、ポリアミド、ポリエステル、及びポリエーテルが含まれるが、これらに限定されない。
【0027】
いくつかの実施形態では、ポリマー組成物はシリコーンである。いくつかの実施形態では、ポリマー組成物は、付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物である。特に、優れた接着特性を有する、及び/又は沈降が最小限若しくは全くない、付加硬化性オルガノポリシロキサンなどのポリマー組成物が提供される。そのようなポリマー組成物は、電子機器及びコンピュータなどの分野におけるシーラント及び/又はコーティングとして特に有用であり得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、以下を含む付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物Xが提供される:
a)分子あたりケイ素に結合した少なくとも2つのアルケニル基を有する少なくとも1つのオルガノポリシロキサンA(前記アルケニル基はそれぞれ2~14個の炭素原子を含む)、
b)分子あたりケイ素に結合した少なくとも2つの水素原子を有する少なくとも1つのケイ素化合物B、
c)少なくとも1つの付加反応触媒C、及び
d)少なくとも1つの溶媒Dに溶解した少なくとも1つの蛍光増白剤E。
【0029】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つの溶媒Dはポリアルコキシシリコンであり、及び/又は前記少なくとも1つの蛍光増白剤Eはベンゾオキサゾール誘導体である。
【0030】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つの溶媒Dに溶解された前記少なくとも1つの蛍光増白剤Eは、以下を含むプレミックスブレンドである:
a)少なくとも1つのポリアルコキシシリコン化合物、及び
b)少なくとも1つの蛍光増白剤E(前記少なくとも1つの蛍光増白剤Eは、ベンゾオキサゾール誘導体である)。
【0031】
いくつかの実施形態において、前記付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物X中の前記少なくとも1つのオルガノポリシロキサンAの前記アルケニル基のそれぞれは、ビニル、アリル、ヘキセニル、デセニル及びテトラデセニルからなる群から独立して選択される。好ましくは、前記少なくとも1つのオルガノポリシロキサンAの前記アルケニル基のそれぞれはビニルである。
【0032】
いくつかの実施形態では、前記付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物X中の前記少なくとも1つのケイ素化合物Bは、分子あたりケイ素に結合した少なくとも3つの水素原子を有する。
【0033】
いくつかの実施形態において、前記少なくとも1つの付加反応触媒Cは、白金族金属含有触媒である。
【0034】
いくつかの実施形態において、前記付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物Xは、以下の成分のうちの1つ以上をさらに含む:
e)少なくとも1つの硬化速度調整剤F、
f)少なくとも1つのフィラーG、
g)少なくとも1つのシリコーン樹脂H、及び/又は
h)少なくとも1つの添加剤I。
【0035】
上記の付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物Xを硬化させることにより得られる硬化オルガノポリシロキサン組成物も提供される。
【0036】
本明細書に記載のポリマー組成物を含む、ポッティング、接着剤、ガスケット、シーラント、コーティング、及び/又はカプセル化組成物も提供される。
【0037】
ディスペンス中の高分子材料の漏れと誤配置の検出のための、ポッティング、接着剤、ガスケット、シーラント、コーティング、及び/又はカプセル化材料などの機能性ポリマー組成物における、コンピュータ又は電子デバイスにおける本明細書に記載のポリマー組成物の使用も提供される。
【0038】
本発明の性質、目的、及び利点をさらに理解するために、以下の詳細な説明を参照して、以下の図面と併せて読む必要がある。ここで、同様の参照番号は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1図1A~1Eは、ブラックライト下でさまざまなシラン及び/又はチタン酸塩と混合されたTinopal(登録商標)OB CO(2,5-チオフェネジイルビス(5-tert-ブチル-1,3-ベンゾオキサゾール))の写真画像を示す。A:Tinopal(登録商標)OB CO+グリシジルオキシプロピル基が豊富なシランの混合物(混合物A)。B:Tinopal(登録商標)OB CO+TnBT(チタン酸テトラブチル)。C:Tinopal(登録商標)OB CO+VTMO(ビニルトリメトキシシラン)。D:Tinopal(登録商標)OB CO+GLYMO(グリシジル3-(トリメトキシシリル)プロピルエーテル)。E:Tinopal(登録商標)OB CO+GLYMO+VTMO+TBTのカクテル(それぞれ2重量%+2重量%+0.7重量%)。
図2図2A~2Bは、GLYMO(グリシジル3-(トリメトキシシリル)プロピルエーテル)と混合された様々な蛍光増白剤の写真画像を示す。A:Benetex(登録商標)OB-1HP(2,2’-(1,2-エテンジイル)ビス(4,1-フェニレン)ビスベンゾオキサゾール)+GLYMO。B:Benetex(登録商標)OB-M1(ベンゼンスルホン酸、2,2’-([1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジイルジ-2,1-エテンジイル)ビス-)+GLYMO。
図3図3は、GLYMO(グリシジル3-(トリメトキシシリル)プロピルエーテル)と混合されたTinopal(登録商標)OB COの濃度の増加の写真画像を示し、各サンプルにおけるTinopal(登録商標)OB COの平均粒子サイズを提供する。
図4図4A~4Bは、拡大なしのブラックライト下でのTinopal(登録商標)OB COを含むシリコーン組成物の写真画像を示す。A:Tinopal(登録商標)OB COが組成物に直接添加されたシリコーン組成物(比較組成物1;CC1)。B:組成物に添加する前に、Tinopal(登録商標)OB COが最初にGLYMOに溶解されるシリコーン組成物(例示的組成物1;EC1)。
図5図5A~Bは、ブラックライト下でのTinopal(登録商標)OB COを含むシリコーン組成物の顕微鏡画像を示す。A:Tinopal(登録商標)OB COが組成物に直接添加されたシリコーン組成物(比較組成物1;CC1)。B:組成物に添加する前に、Tinopal(登録商標)OB COが最初にGLYMOに溶解されるシリコーン組成物(例示的組成物1;EC1)。
図6図6A~6Bは、ブラックライト下でのTinopal(登録商標)OB COを含む硬化シリコーン組成物の顕微鏡画像(1.25×)を示す。A:Tinopal(登録商標)OB COが組成物に直接添加されたシリコーン組成物(比較組成物1;CC1)。B:組成物に添加する前に、Tinopal(登録商標)OB COが最初にGLYMOに溶解されるシリコーン組成物(例示的組成物1;EC1)。
【発明を実施するための形態】
【0040】
主題の開示がさらに説明される前に、特定の実施形態の変形がなされてもなお添付の特許請求の範囲内にあるので、本開示は以下に説明される開示の特定の実施形態に限定されないことを理解されたい。また、使用される用語は、特定の実施形態を説明することを目的としており、限定することを意図するものではないことも理解されたい。代わりに、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によって確立される。
【0041】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が他に明確に指示しない限り、複数形の参照を含む。別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者に一般的に理解されているのと同じ意味を有する。
【0042】
本明細書で使用される場合、「シリコーンゴム」という用語は、任意の架橋可能なシリコーン組成物の架橋生成物を含む。「シリコーンゴム」及び「シリコーンエラストマー」という用語は、交換可能に使用され得る。
【0043】
本明細書で使用される場合、「架橋」及び「硬化」という用語は交換可能に使用され得、2パーツシステムが組み合わされて反応し、硬化シリコーンエラストマーをもたらすときに起こる反応を指す。
【0044】
本明細書で使用される場合、「アルケニル」という用語は、少なくとも1つのオレフィン二重結合、より好ましくは単一の二重結合を有する、置換又は非置換の、不飽和の、線状又は分岐状の炭化水素鎖を意味すると理解される。好ましくは、「アルケニル」基は、2~8個、さらに好ましくは2~6個の炭素原子を有する。この炭化水素鎖は、任意選択で、O、N、Sなどの少なくとも1つのヘテロ原子を含む。「アルケニル」基の好ましい例は、ビニル、アリル及びホモアリル基であり、ビニルが特に好ましい。
【0045】
本明細書で使用される場合、「アルキル」は、好ましくは1~30個の炭素原子、例えば1~10個の炭素原子を有する、置換され得る(例えば、1つ以上のアルキルで)、飽和の、線状又は分岐状の炭化水素鎖を意味する。アルキル基の例は、特にメチル、エチル、イソプロピル、n-プロピル、tert-ブチル、イソブチル、n-ブチル、n-ペンチル、イソアミル及び1,1-ジメチルプロピルである。
【0046】
本明細書で使用される場合、「誘導体」という用語は、1つ又は複数の原子を別の原子又は原子のグループで置き換えることによって親化合物から生じる、又は実際に合成されると想像できる化合物として定義される。
【0047】
本明細書で使用される場合、「均一分布」という用語は、組成物(ポリマー組成物など)内の化合物(蛍光増白剤など)の均一な分散として定義される。例えば、組成物内の化合物の均一な分布は、組成物内の化合物の凝集体又は粒子などが存在しないこととして定義することができる。組成物内の化合物(蛍光増白剤など)の均一な分布は、任意の適切な手段によって判定することができる。例えば、組成物内の蛍光増白剤の均一な分布は、組成物を適切なUV波長に曝露し、肉眼又は任意の適切な倍率で組成物を検査することによって視覚的に判定することができる。場合によっては、目に見える粒子又は凝集物などが存在しないことは、均一な分布を意味する。場合によっては、50~60μmを超える目に見える粒子や凝集体などが存在しないことは、均一に分布していることを意味する。場合によっては、最大6倍の倍率で目に見える粒子や凝集体などが存在しないことは、均一な分布を意味する。組成物内の化合物(蛍光増白剤など)の均一な分布は、組成物の押出速度を測定することによっても判定することができる。
【0048】
蛍光増白剤と溶剤のプレミックスブレンド
ポリマー組成物中に蛍光増白剤を均一に分配するという目的を達成するために、本発明の発明者は、最初に蛍光増白剤を溶媒に溶解してプレミックスブレンドをもたらすことによってこの目的を達成することが可能であることを見出した。このプレミックスブレンドをポリマーに添加して、例えば、組成物中の蛍光増白剤の均一な分布、組成物内の蛍光増白剤の目に見える粒子の不存在、及び/又はミクロンサイズの粒子がノズルを詰まらせる可能性がある特定の用途における組成物の分配の改善などの改善された特性を有するポリマー組成物をもたらすことができる。重要なことに、本発明によって記載される蛍光増白剤を溶解するために使用される溶媒は、得られるポリマー組成物に、接着特性の変化などの悪影響を与えない。
【0049】
本発明のプレミックスブレンドは、少なくとも1つの蛍光増白剤及び少なくとも1つの溶媒を含む。いくつかの実施形態では、本発明のプレミックスブレンドは、本質的に、少なくとも1つの蛍光増白剤及び少なくとも1つの溶媒からなる。いくつかの実施形態では、本発明のプレミックスブレンドは、少なくとも1つの蛍光増白剤及び少なくとも1つの溶媒からなる。
【0050】
本明細書で使用される場合、溶媒という用語は、蛍光増白剤を溶解することができる任意の化合物又は化合物の混合物を指す。いくつかの実施形態では、溶媒は、蛍光増白剤と組み合わせると、蛍光増白剤の目に見える粒子が最大6倍(6×)の倍率で人間の目で検出できない透明な溶液を形成する化合物又は化合物の混合物である。例えば、溶媒は、蛍光増白剤と組み合わせると、蛍光増白剤の目に見える粒子が人間の目で検出できない(倍率なし、1.5×の倍率、2×の倍率、2.5×の倍率、3×の倍率、4×の倍率、5×の倍率、及び/又は6×の倍率)透明な溶液を形成する任意の化合物又は化合物の混合物であり得る。
【0051】
少なくとも1つの蛍光増白剤は、任意の適切な量でプレミックスブレンドに含まれ得る。プレミックスブレンドに含まれる少なくとも1つの溶媒の量は、少なくとも1つの蛍光増白剤を溶解するのに適した任意の量であり得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、プレミックスブレンドは、100重量部の少なくとも1つの溶媒、及び0.0001~10重量部の少なくとも1つの蛍光増白剤を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスブレンドは、100重量部の少なくとも1つの溶媒、及び0.0001~10重量部の少なくとも1つの蛍光増白剤を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスブレンドは、100重量部の少なくとも1つの溶媒、及び0.0001~10重量部の少なくとも1つの蛍光増白剤を含む。
【0053】
プレミックスブレンドは、任意の適切な温度で任意の適切な手段によって調製することができる。いくつかの実施形態では、プレミックスブレンドは、室温で少なくとも1つの蛍光増白剤及び少なくとも1つの溶媒を混合することによって調製される。いくつかの実施形態では、プレミックスブレンドは、少なくとも1つの蛍光増白剤及び少なくとも1つの溶媒を約50℃で混合することによって調製される。いくつかの実施形態において、プレミックスブレンドは、窒素下で少なくとも1つの蛍光増白剤及び少なくとも1つの溶媒を混合し、撹拌しながら約50℃で加熱することによって調製される。
【0054】
プレミックスブレンドは、少なくとも1つの蛍光増白剤を少なくとも1つの溶媒に実質的又は完全に溶解するのに十分な任意の時間撹拌することができる。蛍光増白剤は、約10分以内、約5分以内、又は約3分以内に溶媒に溶解できることが有利に実証されている。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの蛍光増白剤及び少なくとも1つの溶媒は、約30秒~約10分間混合される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの蛍光増白剤及び少なくとも1つの溶媒は、約2分~約8分間混合される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの蛍光増白剤及び少なくとも1つの溶媒は、約3分~約6分間混合される。
【0055】
プレミックスブレンド内の少なくとも1つの蛍光増白剤の平均粒子サイズは、使用する蛍光増白剤によって異なる。いくつかの実施形態では、プレミックスブレンド内の少なくとも1つの蛍光増白剤の平均粒子サイズは、約60μm以下、好ましくは約50μm以下、より好ましくは約30μm以下である。いくつかの実施形態では、プレミックスブレンド内の少なくとも1つの蛍光増白剤の平均粒子サイズは、約1μm~約60μm、好ましくは約5μm~約50μm、より好ましくは約10μm~約25μmである。
【0056】
蛍光増白剤
蛍光増白剤は、UVトレーサー、光増白剤(optical brightening agent、OBA)、光ホワイトナー、蛍光性ブライトナー、蛍光性増白剤、蛍光性光学ブライトナー、蛍光性ホワイトナー(fluorescent whitening agent、FWA)、蛍光白色染料、及び有機蛍光染料とも呼ばれ、さまざまな化合物を網羅する総称でる。蛍光増白剤、OBA、及びUVトレーサーという用語は、本明細書では交換可能に使用される。
【0057】
蛍光増白剤は、300~390nmの紫外線(UV)波長範囲で吸収し、400~525nmの波長範囲で再発光する化合物として定義できる。蛍光増白剤は、その化学構造に従って分類することができる。一般的な蛍光増白剤は、スチルベンの誘導体(特にポリスチルベンとトリアジンスチルベン)、クマリン誘導体(特にヒドロキシクマリンとアミノクマリン)、オキサゾール、ベンゾオキサゾール(チオフェンジイルベンゾオキサゾール、トリアゾール、イミダゾールなど)、及びピラゾリン誘導体、ピレン誘導体及びポルフィリン誘導体ならびにそれらの混合物を含む。蛍光増白剤として使用される化合物の基本的なクラスには、表1に示すようないくつかの構造が含まれる。
【0058】
【表1】
【0059】
本発明のいくつかの実施形態では、任意の既知の蛍光増白剤をプレミックスブレンドで使用することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの蛍光増白剤は、1つ又は複数のスチルベン又はベンゾオキサゾール誘導体から選択される。
【0060】
本発明のプレミックスブレンドにおいて蛍光増白剤として使用され得るスチルベン誘導体の例は、以下を含むが、これらに限定されない:スチルベン誘導体、例えばヘキサナトリウム-2,2’-[ビニルビス[3-スルホナト-4,1-フェニレン]イミノ[6-(ジエチルアミノ)-1,3,5-トリアジン-4,2-ジイル]イミノ]]ビス(ベンゼン-1,4-ジスルホン酸)、BASFからTinopal(登録商標)SFPの商品名で市販されている;スチルベン-ベンゾオキサゾリン、例えば2,2’-(1,2-エテンジイル)ビス(4,1-フェニレン)ビスベンゾオキサゾール、MayzoからBenetex(登録商標)OB-1HPの商品名で市販されている;ビフェニル-スチルベン、例えばベンゼンスルホン酸、2,2’-([1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジイルジ-2,1-エテンジイル)ビス-、MayzoからBenetex(登録商標)OB-M1の商品名で市販されている。
【0061】
いくつかの実施形態では、本発明のプレミックスブレンドで使用される少なくとも1つの蛍光増白剤は、1つ又は複数のベンゾオキサゾール誘導体である。蛍光増白剤として使用するためのベンゾオキサゾール誘導体は、例えば、米国特許第3,674,781号に記載されている。いくつかの実施形態において、ベンゾオキサゾール誘導体は、次の一般式に対応する化合物である。
【0062】
【化3】
式中、Rは水素、1~4個の炭素原子のアルキル基、シクロヘキシル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシエチル、低級アルコキシ低級アルキル、ジ-(低級アルキル)-アミノ低級アルキル、トリ-(低級アルキル)-アンモニウム低級アルキル、フェニル及びフェニル低級アルキルを表す;R1は、水素、低級アルキル、又はハロゲンから選択できる;R2は低級アルキルから選択できる;R1とR2を合わせると、-(CH23-又は-(CH24-を表す。
【0063】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの蛍光増白剤は、1つ又は複数のビス(ベンゾオキサゾール)誘導体である。いくつかの実施形態において、式(2)の構造を有するビス(ベンゾオキサゾール)誘導体が、本発明のプレミックスブレンドにおいて使用される:
【0064】
【化4】
式中、R3は、独立して、水素原子、-C(CH33、C1~C30のアルキル基、又は-CO-(O-R4)である(R4はC1~C30のアルキル基である)。
【0065】
本発明のプレミックスブレンドにおいて蛍光増白剤として使用され得るベンゾオキサゾール誘導体の例は、以下を含むが、これらに限定されない:2,5-チオフェニジイルビス(5-tert-ブチル-1,3-ベンゾオキサゾール)(BASFからTinopal(登録商標)OB COの商品名で市販されている)、2,2’-(ビニレンジ-p-フェニレン)ビスベンゾオキサゾール、2,2’-(ナフタレン-1,4-ジイル)ビス(ベンゾオキサゾール)、2-[4-[2-[4-(ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ビニル]フェニル]-5-メチルベンゾオキサゾール、及びスチルベン-ベンゾオキサゾリン、例えば、2,2’-(1,2-エテンジイル)ビス(4,1-フェニレン)ビスベンゾオキサゾール(MayzoからBenetex(登録商標)OB-1HPの商品名で市販されている)。
【0066】
好ましくは、本発明のプレミックスブレンドで使用される少なくとも1つの蛍光増白剤は、2,5-チオフェンジイルビス(5-tert-ブチル-1,3-ベンゾオキサゾール)又はその誘導体である。いくつかの実施形態では、本発明のプレミックスブレンドで使用される少なくとも1つの蛍光増白剤は、式(3)の構造を有する:
【0067】
【化5】
【0068】
本発明のプレミックスブレンドに含まれる蛍光増白剤の量に制限はない。ポリマー組成物のUVトレーサビリティの有利な特性を付与するのに適した任意の量の蛍光増白剤をプレミックスブレンドに使用することができる。いくつかの実施形態では、プレミックスブレンドに含まれる蛍光増白剤の量は、全組成物中に存在する蛍光増白剤の量が約0.001重量%~約0.02重量%であるように決定される。
【0069】
溶剤
本発明の発明者は、驚くべきことに、蛍光増白剤をポリマー組成物に組み込む前に、上記の1つ又は複数の蛍光増白剤を溶媒と混合することにより、ポリマー組成物の所望の特性を損なうことなく、蛍光増白剤の均一な分布を達成することが可能であることを発見した。
【0070】
蛍光増白剤を溶解することができる任意の化合物又は化合物の混合物を使用することができる。いくつかの実施形態では、溶媒は、蛍光増白剤と組み合わせると、蛍光増白剤の目に見える粒子が最大6倍(6×)の倍率で人間の目で検出できない透明な溶液を形成する化合物又は化合物の混合物である。例えば、溶媒は、蛍光増白剤と組み合わせると、蛍光増白剤の目に見える粒子が人間の目で検出できない(倍率なし、1.5×の倍率、2×の倍率、2.5×の倍率、3×の倍率、4×の倍率、5×の倍率、及び/又は6×の倍率)透明な溶液を形成する任意の化合物又は化合物の混合物であり得る。
【0071】
適切な溶媒には、ポリアルコキシシランなどのアルコキシシランが含まれるが、これらに限定されない。
【0072】
いくつかの実施形態では、本発明のプレミックスブレンドで使用される少なくとも1つの溶媒は、式(4)の構造を有するポリアルコキシシリコン化合物である:
[(X)-(R1n-x(R3ySi(OR24-(x+y) (4)
式中:
x=0、1又は2;好ましくはx=0又は1;
y=0又は1;
x+y=0、1又は2;
n=0又は1;
1は、1~20個の炭素原子を有する線状又は分岐状又は環状のアルキレン基である;任意選択で芳香族部分を有する;任意選択で1つ又は複数のヘテロ原子を有する;
2は1~5個の炭素原子を有するアルキル基である;
Xは、水素原子、又はオキシラン、OH、(メタ)アクリロイルオキシ、アミン、SH、アシルチオ、及びビニルからなる群から選択される官能基である;
3は、1~8個の炭素原子を有するアルキル基、メルカプトアルキル基、C1~C6のハロアルキル基、ウレイドアルキル基、C2~C8のアルケニル基、置換又は非置換のアリール基、及び(メタ)アクリレートを含むC1~C8のアルキル基からなる群から選択される基である。
【0073】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの溶媒は、以下からなる群から選択されるポリアルコキシシリコン化合物である:グリシジル3-(トリメトキシシリル)プロピルエーテル(GLYMO)、3-グリシジルオキシ-プロピルトリエトキシシラン;ビニルトリメトキシシラン(VTMO)、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、メチルオクチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MEMO)、3-メタ-アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、メチルオクチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、及びそれらの混合物。いくつかの実施形態において、ポリアルコキシシリコン化合物は、グリシジル3-(トリメトキシシリル)プロピルエーテル(GLYMO)、ビニルトリメトキシシラン(VTMO)、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MEMO)、及びそれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの溶媒は、グリシジル3-(トリメトキシシリル)プロピルエーテル(GLYMO)又はその誘導体である。
【0074】
本発明のプレミックスブレンドに含まれる溶媒の量に制限はない。プレミックスブレンドでは、少なくとも1つの蛍光増白剤を溶解するのに適した任意の量の溶媒を使用できる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの蛍光増白剤は、プレミックスブレンドの約0.1重量%~約1.0重量%の量で存在する。
【0075】
ポリマー組成物
本発明のプレミックスブレンドを含むポリマー組成物も提供される。
【0076】
適切なポリマー組成物には、ホモポリマー、又はブロック若しくは統計的コポリマーから選択される少なくとも1つの成分としてのポリマーが含まれる。それには、シリコーン、エポキシ、エポキシコポリマー、ポリウレタン、アクリルポリマー及びコポリマー、ブチルゴム、エチレン酢酸ビニルポリマー、ポリアミド、ポリエステル、及びポリエーテルが含まれるが、これらに限定されない。
【0077】
好ましくは、本発明のポリマー組成物はシリコーンである。
【0078】
より好ましくは、本発明のポリマー組成物は、付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物Xである。
【0079】
特に、優れた接着特性を有する、及び/又は沈降が最小限若しくは全くない、付加硬化性オルガノポリシロキサンXなどのポリマー組成物が提供される。例えば、ポリマー組成物は、以下の特性のうちの1つ又は複数を有し得る:沈降防止、接着のより速い確立、貯蔵後の湿った材料の接着の維持。そのようなポリマー組成物は、電子機器及びコンピュータなどの分野におけるシーラント及び/又はコーティングとして特に有用であり得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、以下の成分を含む付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物Xが提供される:
(A)分子あたりケイ素に結合した少なくとも2つのアルケニル基を有する少なくとも1つのオルガノポリシロキサンA(前記アルケニル基はそれぞれ2~14個の炭素原子を含む)、
(B)分子あたりケイ素に結合した少なくとも2つの水素原子を有する少なくとも1つのケイ素化合物B、
(C)少なくとも1つの付加反応触媒C、
(D)少なくとも1つの溶媒Dに溶解した少なくとも1つの蛍光増白剤E、
(E)任意選択で、少なくとも1つの硬化速度調整剤F、
(F)任意選択で、少なくとも1つのフィラーG、
(G)任意選択で、少なくとも1つのシリコーン樹脂H、及び/又は
(H)任意選択で、少なくとも1つの添加剤I。
【0081】
付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物Xは、2パーツ硬化性システムとして提供され得る。いくつかの実施形態では、付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、成分(A)と(C)を含むが(B)と(D)を含まない第1の組成物、及び成分(B)と(D)を含むが(A)と(C)を含まない第2の組成物を含む。いくつかの実施形態では、第1の組成物は、約10,000~約40,000mPa・sの粘度を有し、第2の組成物は、約20,000~約60,000mPa・sの粘度を有する。いくつかの実施形態では、第1の組成物は、約10,000~約25,000mPa・sの粘度を有し、第2の組成物は、約20,000~約40,000mPa・sの粘度を有する。いくつかの実施形態では、第1の組成物は、約15,000~約20,000mPa・sの粘度を有し、第2の組成物は、約25,000~約35,000mPa・sの粘度を有する。いくつかの実施形態では、第1の組成物は、約15,000~約25,000mPa・sの粘度を有し、第2の組成物は、約25,000~約32,500mPa・sの粘度を有する。
【0082】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのオルガノポリシロキサンAの前記アルケニル基のそれぞれは、ビニル、アリル、ヘキセニル、デセニル及びテトラデセニルからなる群から独立して選択される。好ましくは、少なくとも1つのオルガノポリシロキサンAの前記アルケニル基のそれぞれはビニルである。
【0083】
少なくとも1つのオルガノポリシロキサンAの粘度は、付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物Xを硬化させることによって得られる硬化オルガノポリシロキサンの所望の特性に応じて変化し得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのオルガノポリシロキサンAの粘度は、約1,000mPa・s~約100,000mPa・sである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのオルガノポリシロキサンAの粘度は、約5,000mPa・s~約50,000mPa・sである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのオルガノポリシロキサンAの粘度は、約7,500mPa・s~約25,000mPa・sである。
【0084】
いくつかの実施形態では、付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物Xは、2つ以上のオルガノポリシロキサンAを含む。いくつかの実施形態では、付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物Xは、粘度が約1,000~約10,000mPa・sである少なくとも1つのオルガノポリシロキサンA1と、粘度が約5,000mPa・s~約50,000mPa・sである少なくとも1つのオルガノポリシロキサンA2を含む。いくつかの実施形態において、付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物Xは、粘度が約2,500~約7,500mPa・sである少なくとも1つのオルガノポリシロキサンA1と、粘度が約7,500mPa・s~約25,000mPa・sである少なくとも1つのオルガノポリシロキサンA2を含む。
【0085】
成分(B)は、分子あたりケイ素に結合した少なくとも2つの水素原子を有する任意のケイ素化合物Bであり得る。成分(B)は、付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物Xの架橋剤として機能する。成分(B)はまた、分子あたりケイ素に結合した少なくとも2つの水素原子を有する2つ以上のケイ素化合物Bの混合物であり得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのケイ素化合物Bは、分子あたりケイ素に結合した少なくとも3つの水素原子を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのケイ素化合物Bは、ジメチルヒドロシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキシ)(メチルヒドロシロキシ)コポリマーである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのケイ素化合物Bの平均水素含有量は、約0.69重量%である。
【0086】
少なくとも1つのケイ素化合物Bの分子量は、約102~約106g/モルまで変化し得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのケイ素化合物Bの分子量は、約100~30,000g/モルの間である。
【0087】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのケイ素化合物Bの粘度は、約1mPa・s~約2,000mPa・sである。
【0088】
少なくとも1つのケイ素化合物Bは、少なくとも1つのアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンAの100重量部あたり1~30重量部の量で含まれ得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのケイ素化合物Bは、少なくとも1つのアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンAの100重量部あたり5~20重量部の量で含まれ得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのケイ素化合物Bは、少なくとも1つのアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンAの100重量部あたり10~15重量部の量で含まれ得る。
【0089】
触媒
少なくとも1つの付加反応触媒Cは、組成物を硬化させることができる任意の量で、付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物Xに含まれ得る。例えば、付加反応触媒Cは、触媒C中の白金族金属の量が、アルケニル基を有するオルガノポリシロキサンAの100万重量部当たり、0.01~1000重量部である量で含まれ得る。
【0090】
触媒Cは、特に白金とロジウムの化合物から選択することができる。特に、米国特許第3,159,601号、米国特許第3,159,602号、米国特許第3,220,972号及び欧州特許EP-A-0057459、EP-A-0118978及びEP-A-0190530に記載される白金錯体及び有機生成物と、米国特許第3,419,593号、米国特許第3,715,334号、米国特許第3,377,432号及び米国特許第3,814,730号に記載される白金及びビニルオルガノシロキサンの錯体を使用することが可能である。いくつかの実施形態において、付加反応触媒Cは、白金族金属含有触媒である。
【0091】
成分(D)
硬化性オルガノポリシロキサン組成物Xを添加する前に、少なくとも1つの蛍光増白剤Eを少なくとも1つの溶媒Dと混合する。驚くべきことに、本発明者らは、少なくとも1つの蛍光増白剤Eを付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物Xに添加する前に、少なくとも1つの蛍光増白剤Eを少なくとも1つの溶媒Dと混合することによって、組成物X内の少なくとも1つの蛍光増白剤Eの均一な分布を得ることが可能であること発見した。成分(D)に使用される少なくとも1つの蛍光増白剤E及び少なくとも1つの溶媒Dは、本明細書に記載の任意の蛍光増白剤又は溶媒であり得る。
【0092】
成分(D)は、有利には、上記のプレミックスブレンドであり得る。本発明のプレミックスブレンドは、UVトレーサビリティの有利な特性を付与するのに適切な任意の量で、付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物Xに含まれ得る。したがって、付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物Xに含まれる少なくとも1つの蛍光増白剤Eの量に制限はない。しかしながら、いくつかの実施形態では、付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物Xに含まれる蛍光増白剤Eの量は、組成物Xの総重量の約0.001重量%~約0.02重量%、組成物Xの総重量の約0.0025重量%~約0.015重量%、又は組成物Xの総重量の約0.005重量%~約0.01重量%である。
【0093】
同様に、付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物Xに使用される少なくとも1つの溶媒Dの量に制限はない。いくつかの実施形態では、付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物X中に存在する少なくとも1つの溶媒Dの量は、組成物Xの総重量の約0.5%~約5.0重量%である;好ましくは、付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物X中に存在する少なくとも1つの溶媒Dの量は、組成物Xの総重量の約0.75重量%~約3.0%である;より好ましくは、付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物X中に存在する少なくとも1つの溶媒Dの量は、組成物Xの総重量の約1.0重量%~約2.5%である。いくつかの実施形態では、付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物X中に存在する少なくとも1つの溶媒Dの量は、組成物Xの総重量の約1.0重量%以下である。
【0094】
硬化速度調整剤
いくつかの実施形態では、付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物Xは、少なくとも1つの硬化速度調整剤Fをさらに含む。硬化速度調整剤Fは、例えば、架橋阻害剤及び/又は架橋遅延剤であり得る。
【0095】
架橋阻害剤はよく知られている。硬化速度調整剤Fとして使用することができる架橋阻害剤の例には、以下が含まれるが、これらに限定されない:
ポリオルガノシロキサン、有利には環状であり、少なくとも1つのアルケニル基で置換され、テトラメチルビニテトラシロキサンが特に好ましい、
ピリジン、
ホスフィン及び有機ホスファイト、
不飽和アミド、
アルキル化マレイン酸塩、
アセチレンアルコール。
【0096】
これらのアセチレンアルコール(FR-B-1528464及びFR-A-2372874を参照)は、ヒドロシリル化反応の好ましい熱ブロッカーの一部を形成し、次の式を有する:
R-(R’)C(OH)-----C=CH
式中:
Rは、線状又は分岐状アルキルラジカル、又はフェニルラジカルであり;
R’はH又は線状若しくは分岐状アルキルラジカル、又はフェニルラジカルであり;
ラジカルR、R’、及び三重結合のアルファ位置にある炭素原子は、環を形成することが可能であり;
R及びR’に含まれる炭素原子の総数は、少なくとも5、好ましくは9~20である。
【0097】
前記アルコールは、好ましくは、沸点が約250℃のものから選択される。例として、以下を挙げることができる:
1-エチニル-1-シクロヘキサノール(ECH);
メチル-3ドデシン-1オール-3;
トリメチル-3,7,11ドデシン-1オール-3;
ジフェニル-1,1プロピン-2オール-1
エチル-3エチル-6ノニンオール-3;
メチル-3ペンタデシン-1オール-3。
【0098】
これらのα-アセチレンアルコールは市販品である。
【0099】
このような調整剤は、オルガノポリシロキサンAの総重量に基づいて、最大2,000ppm、好ましくは20~50ppmの量で存在する。
【0100】
硬化速度調整剤Fとして使用することができる架橋遅延剤の例は、架橋反応を制御し、シリコーン組成物のポットライフを延長するためのいわゆる阻害剤を含む。硬化速度調整剤として使用することができる有利な架橋遅延剤の例には、例えば、ビニルシロキサン、1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン、又はテトラビニル-テトラメチル-テトラシクロシロキサンが含まれる。他の既知の阻害剤、例えば、エチニルシクロヘキサノール、3-メチルブチノール、又はマレイン酸ジメチルを使用することも可能である。
【0101】
フィラー
いくつかの実施形態では、付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物Xは、少なくとも1つのフィラーGをさらに含む。付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物Xに使用できるフィラーの例には、強化フィラー、非強化フィラー、導電性フィラー、熱伝導性フィラー、及びそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0102】
非強化フィラーと比較して、強化フィラーは、それらが含まれるシリコーン組成物の機械的特性を改善する。対照的に、非強化フィラーは増量材として機能し、シリコーン組成物を希釈する。
【0103】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのフィラーGは、シリカ、アルミナ及び/又はカーボンブラックから選択される、好ましくはシリカ及び/又はカーボンブラックから選択される強化フィラーである。
【0104】
特に、強化フィラーは、多くの場合0.1μm以下の微粒子サイズと、高い比表面積と重量の比率(一般に約50m2/g~1000m2/gの範囲内にある(DIN66131及びDIN66132のBET方法による測定))を特徴とすることが想定される。このタイプのシリカは市販の製品であり、接着性シリコーン組成物の製造の分野でよく知られている。これらのシリカは、コロイダルシリカ、熱発生的に調製されたシリカ(燃焼又はヒュームドシリカと呼ばれるシリカ)もしくは湿式法によって調製されたシリカ(沈降シリカ)、又はこれらのシリカの混合物であり得る。
【0105】
フィラーを形成することができるシリカを調製するための化学的性質及び方法は、シリカが最終ポリマーに対して強化作用を発揮することができれば、本発明の目的にとって重要ではない。もちろん、さまざまなシリカのカットも使用できる。
【0106】
これらのシリカ粉末は、平均粒子サイズが一般に0.1μm以下であり、BET比表面積が50m2/gより大きく、好ましくは50~400m2/g、特には150~350m2/gである。
【0107】
これらのシリカは任意選択で:
少なくとも2つの基準を満たす分子の群から選択される少なくとも1つの相溶化剤の助けで前処理される:
それ自体及び周囲のシリコーンオイルとの水素結合の領域でシリカとの高い相互作用を持つ:
それ自体、又はそれらの分解生成物が、ガス流中で真空下で加熱することによって最終混合物から容易に除去される;低分子量の化合物が好ましい;
及び/又は
少なくとも1つの未処理シリカの助けで特定の方法により、
及び/又は前処理で使用することができ、上記で定義したものと同様の性質の少なくとも1つの相溶化剤を使用することによる補完的な方法により、
現場で処理される。
【0108】
シリカフィラーの現場処理は、フィラー及び相溶化剤を、上記で言及された優勢なシリコーンポリマーの少なくとも一部の存在下に置くことを意味すると理解される。
【0109】
相溶化剤は、処理方法(前処理又は現場)に従って選択され、例えば、以下を含む群から選択され得る:
クロロシラン、
オクタメチルシクロシロキサン(D4)などのポリオルガノシクロシロキサン、
シラザン、好ましくはジシラザン、又はそれらの混合物(ヘキサメチルジシラザン(HMDZ)が好ましいシラザンであり、これは、ジビニルテトラメチルジシラザンと関連し得る)、
分子あたりケイ素に結合した1つ又は複数のヒドロキシル基を有するポリオルガノシロキサン、
アンモニアなどのアミン又はジエチルアミンなどの低分子量のアルキルアミン、
ギ酸や酢酸などの低分子量の有機酸、
及びそれらの混合物。
【0110】
現場処理の場合、相溶化剤は、好ましくは水の存在下で使用される。
【0111】
この点に関する詳細については、例えば特許FR-B-2764894を参照することができる。
【0112】
変形として、シラザンによる早期処理(例えば、FR-A-2320324)又は遅延処理(例えば、EP-A-462032)を提供する従来技術の相溶化方法を使用することが可能であるが、使用されるシリカによれば、それらの使用は、一般に、本発明による2回の処理によって得られる機械的特性、特に伸展性に関して最良の結果を得ることができないことを念頭に置いておく。
【0113】
フィラーとして使用することができる強化アルミナとして、高分散性アルミナが有利に使用され、公知の方法でドープされてもされなくてもよい。もちろん、さまざまなアルミナのカットを使用することも可能である。そのようなアルミナの非限定的な例として、Baikowski CompanyのアルミナA125、CR125、D65CRを参照することができる。好ましくは、使用される強化フィラーは、単独で、又はアルミナと混合された燃焼シリカである。
【0114】
重量に関しては、組成物のすべての構成要素に基づいて、0.5~30重量%、好ましくは6~25重量%、より好ましくは7~20重量%の量の強化フィラーを使用することが好ましい。
【0115】
本発明の組成物に使用できる非強化フィラーの例には、粉砕シリカ、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、及びそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0116】
本発明によれば、熱伝導性フィラー及び/又は導電性フィラーなどの補充的フィラーの使用も想定され得る。
【0117】
本発明の組成物に使用できる熱伝導性フィラーの例には、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、金属粉末、金属被覆ガラスビーズ/繊維、及びそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0118】
本発明の組成物に使用できる導電性フィラーの例には、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン、グラファイト、金属粉末、金属被覆ガラスビーズ/繊維、及びそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0119】
シリコーン樹脂
いくつかの実施形態では、付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物Xは、少なくとも1つのシリコーン樹脂Hをさらに含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのシリコーン樹脂Hは、少なくとも2つのエチレン性不飽和を含み、前記樹脂は、ヒドロシリル化を介して成分(B)と反応するか、又は反応できる。使用できるシリコーン樹脂Hの例には、少なくとも1つの-CH=CH不飽和反応性末端を含むMQ又はMDQ又はMTタイプの樹脂が含まれるが、これらに限定されない。
【0120】
本明細書で使用される場合、シリコーン樹脂の命名法は「MDTQ」によって表され、ここで、樹脂は、それが含む様々なシロキサンモノマー単位の関数として記述され、M、D、T、Qの各文字は、単位のタイプを表す。
【0121】
本明細書で使用される場合、文字Mは、式(CH32SiO1/2の単官能性単位を表し、ここで、ケイ素原子は、この単位を構成するポリマー中の1つの酸素原子のみに結合している。
【0122】
本明細書で使用される場合、文字Dは、二官能性単位(CH32SiO2/2を表し、ここで、ケイ素原子は、2つの酸素原子に結合している。
【0123】
本明細書で使用される場合、文字Tは、式(CH31SiO3/2の三官能性単位を表す。
【0124】
上で定義した単位M、D及びTにおいて、メチル基の少なくとも1つは、炭化水素系のラジカルなどのメチル基以外の基R(例えば、2~10個の炭素原子を含むアルキル、又はフェニル基、あるいはヒドロキシル基。)で置換され得る。
【0125】
本明細書で使用される場合、文字Qは、ケイ素原子が4つの酸素原子に結合し、それら自体がポリマーの残りの部分に結合している四官能性単位SiO4/2を表す。そのような樹脂の例には、ポリ(フェニルビニルシルセスキオキサン)などのMTシリコーン樹脂、例えば、Gelest社によって参照SST-3PV1の下で販売されている製品が含まれるが、これらに限定されない。
【0126】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのシリコーン樹脂Hの量は、付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物Xの総重量の約1重量%~約95重量%である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのシリコーン樹脂Hの量は、付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物Xの総重量の約5重量%~約30重量%である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのシリコーン樹脂Hの量は、付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物Xの総重量の約10重量%~約50重量%である。
【0127】
添加剤
いくつかの実施形態では、付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物Xは、少なくとも1つの添加剤Iをさらに含む。使用できる添加剤の例には、有機染料又は顔料、熱安定性、熱風、高温での微量の酸又は水の攻撃下での逆戻り、解重合に対する耐性を改善するためにシリコーンゴムに導入された安定剤;可塑剤、又は放出油、又は疎水性油、例えば反応性アルケニル又はSiH基を含まないポリジメチルシロキサン油;脂肪酸誘導体や脂肪アルコール誘導体、フルオロアルキルなどの離型剤;ヒドロキシル化シリコーンオイルなどの相溶化剤;有機シランなどの接着促進剤及び接着調整剤が含まれる。チタン酸テトラ-n-ブチル(TnBT又はTBT)などの接着触媒も、少なくとも1つの添加剤Iとして使用できる。
【0128】
アルコキシシランは、シリコーン組成物の添加剤として使用できる。したがって、いくつかの実施形態では、少なくとも1つの添加剤Iはアルコキシシランである。このような場合、アルコキシシランIは、溶媒Dとして使用される少なくとも1つのアルコキシシランとは別に組成物に添加される。任意選択のさらなるアルコキシシランIは、本明細書で定義される1つ又は複数のアルコキシシランであり得る。いくつかの実施形態では、任意選択のさらなるアルコキシシランIは、以下からなる群から選択することができる:グリシジル3-(トリメトキシシリル)プロピルエーテル(GLYMO)、3-グリシジルオキシ-プロピルトリエトキシシラン;ビニルトリメトキシシラン(VTMO)、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、メチルオクチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MEMO)、3-メタ-アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、メチルオクチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、及びそれらの混合物。いくつかの実施形態において、ポリアルコキシシリコン化合物は、グリシジル3-(トリメトキシシリル)プロピルエーテル(GLYMO)、ビニルトリメトキシシラン(VTMO)、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MEMO)、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0129】
方法
少なくとも1つの蛍光増白剤と少なくとも1つの溶媒を混合して、プレミックスブレンドを作成すること;及び前記プレミックスブレンドをポリマー組成物に加えることを含む、蛍光増白剤をポリマー組成物に組み込むためのプロセスも提供される。
【0130】
本明細書に記載の任意の蛍光増白剤は、蛍光増白剤をポリマー組成物に組み込むためのプロセスで使用することができる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの蛍光増白剤は、ベンゾオキサゾール誘導体である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの蛍光増白剤は、以下からなる群から選択されるベンゾオキサゾール誘導体である:2,5-チオフェニジイルビス(5-tert-ブチル-1,3-ベンゾオキサゾール)(BASFからTinopal(登録商標)OB COの商品名で市販されている)、2,2’-(ビニレンジ-p-フェニレン)ビスベンゾオキサゾール、2,2’-(ナフタレン-1,4-ジイル)ビス(ベンゾオキサゾール)、2-[4-[2-[4-(ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニル]ビニル]フェニル]-5-メチルベンゾオキサゾール、及びスチルベン-ベンゾオキサゾール、例えば2,2’-(1,2-エテンジイル)ビス(4,1-フェニレン)ビスベンゾオキサゾール(MayzoからBenetex(登録商標)OB-1HPの商品名で市販されている)。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの蛍光増白剤は、2,5-チオフェンジイルビス(5-tert-ブチル-1,3-ベンゾオキサゾール)又はその誘導体である。
【0131】
少なくとも1つの蛍光増白剤を溶解するのに適した任意の溶媒を、蛍光増白剤をポリマー組成物に組み込むための前述のプロセスで使用することができる。本発明者らは、ベンゾオキサゾール誘導体などの蛍光増白剤がアルコキシシランに非常に可溶であることを有利に発見した。したがって、いくつかの実施形態では、少なくとも1つの蛍光増白剤が少なくとも1つのアルコキシシランと混合され、続いて、少なくとも1つの蛍光増白剤と少なくとも1つのアルコキシシランとの混合物がポリマー組成物に添加される。ポリマー組成物に少なくとも1つの蛍光増白剤を添加する前に、少なくとも1つの蛍光増白剤と少なくとも1つのアルコキシシランを混合することにより、蛍光増白剤の均一な分布を達成することができる。さらに、アルコキシシランは、シリコーン、エポキシ、及びポリウレタン組成物などのポリマー組成物と相容性があるため、本明細書に記載の蛍光増白剤の溶媒としてのアルコキシシランの使用は、可燃性有機溶媒などの他の溶媒が導入し得る負の性質を与える可能性は低い。
【0132】
好ましくは、少なくとも1つの溶媒は、式(4)の構造を有するポリアルコキシシリコン化合物である:
[(X)-(R1n-x(R3ySi(OR24-(x+y) (4)
式中:
x=0、1又は2;好ましくはx=0又は1;
y=0又は1;
x+y=0、1又は2;
n=0又は1;
1は、1~20個の炭素原子を有する線状又は分岐状又は環状のアルキレン基である;任意選択で芳香族部分を有する;任意選択で1つ又は複数のヘテロ原子を有する;
2は1~5個の炭素原子を有するアルキル基である;
Xは、水素原子、又はオキシラン、OH、(メタ)アクリロイルオキシ、アミン、SH、アシルチオ、及びビニルからなる群から選択される官能基である;
3は、1~8個の炭素原子を有するアルキル基、メルカプトアルキル基、C1~C6のハロアルキル基、ウレイドアルキル基、C2~C8のアルケニル基、置換又は非置換のアリール基、及び(メタ)アクリレートを含むC1~C8のアルキル基からなる群から選択される基である。
【0133】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの溶媒は、以下からなる群から選択されるポリアルコキシシリコン化合物である:グリシジル3-(トリメトキシシリル)プロピルエーテル(GLYMO)、3-グリシジルオキシ-プロピルトリエトキシシラン;ビニルトリメトキシシラン(VTMO)、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、メチルオクチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MEMO)、3-メタ-アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、メチルオクチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、及びそれらの混合物。いくつかの実施形態において、ポリアルコキシシリコン化合物は、グリシジル3-(トリメトキシシリル)プロピルエーテル(GLYMO)、ビニルトリメトキシシラン(VTMO)、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MEMO)、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0134】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの溶媒は、グリシジル3-(トリメトキシシリル)プロピルエーテル(GLYMO)又はその誘導体である。
【0135】
使用される少なくとも1つの蛍光増白剤の量は、ポリマー組成物内の蛍光増白剤を検出するために必要な量に依存し、ポリマー組成物及び/又はそれが使用される特定の用途に応じて変化し得る。いくつかの実施形態では、ポリマー組成物に含まれる蛍光増白剤の量は、ポリマー組成物の総重量の約0.001重量%~約0.02重量%;ポリマー組成物の総重量の約0.0025重量%~約0.015重量%;又は、ポリマー組成物の総重量の約0.005重量%~約0.01重量%である。
【0136】
蛍光増白剤をポリマー組成物全体に均一に分散させることにより、より少ない蛍光増白剤をポリマー組成物に使用することができる。蛍光増白剤がポリマー組成物内で凝集する場合、凝集体の表面上の蛍光増白剤のみが蛍光効果に大きく寄与する一方、凝集体の内部の蛍光増白剤は凝集体の表面による紫外線の遮断のためにそれほど効果的ではないので、それはあまり効果的ではない。さらに、蛍光増白剤が組成物全体に均一に分散するのではなく凝集体を形成する場合、比較的明るい凝集体は、組成物全体の視認性を低下させる。蛍光増白剤はかなり高価であるため、ポリマー組成物内により少ない蛍光増白剤を含むことができることは、本発明の重要な利点である。
【0137】
使用する溶剤の量は、使用する蛍光増白剤の量と種類によって異なる。一般に、蛍光増白剤を実質的又は完全に溶解するのに十分な量の溶媒を使用することができる。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物中に存在する少なくとも1つの溶媒の量は、ポリマー組成物の総重量の約0.5%~約5.0重量%;ポリマー組成物の総重量の約0.75重量%~約3.0%;又はポリマー組成物の総重量の約1.0重量%~2.0%である。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物中に存在する少なくとも1つの溶媒の量は、ポリマー組成物の総重量の約1.0重量%以下である。
【0138】
少なくとも1つの蛍光増白剤及び少なくとも1つの溶媒は、任意の適切な手段を使用して混合することができる。ベンゾオキサゾール誘導体などの蛍光増白剤は、室温で撹拌しながら5分以内に、アルコキシシランなどの溶媒に容易に溶解することが有利に示されている。あるいは、少なくとも1つの蛍光増白剤及び少なくとも1つの溶媒を、場合により窒素下で組み合わせ、撹拌しながら約50℃に加熱することができる。しかしながら、任意の適切な温度及び/又は混合条件を使用して、少なくとも1つの蛍光増白剤を少なくとも1つの溶媒に溶解することができる。
【0139】
少なくとも1つの蛍光増白剤及び少なくとも1つの溶媒を混合した後、得られた混合物(有利には上記のプレミックスブレンドであり得る)が、任意の適切な手段によってポリマー組成物に添加される。
【0140】
いくつかの実施形態では、ポリマー組成物は、シリコーン、エポキシ、エポキシコポリマー、ポリウレタン、アクリルポリマー及びコポリマー、ブチルゴム、エチレン-酢酸ビニルポリマー、ポリアミド、ポリエステル、及びポリエーテルから選択される。いくつかの実施形態では、ポリマー組成物はシリコーンポリマーである。いくつかの実施形態では、ポリマー組成物は、本明細書に記載の付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物Xなどの付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物である。
【0141】
用途
本発明のポリマー組成物は、電子機器やコンピュータなどの分野におけるQC手段としての自動光学検査、ポッティング、接着剤、ガスケット、シーラント、コーティング、及びカプセル化材料などの機能性ポリマー組成物での使用を見出し、多くの場合、UVトレーサーを含むことが必要又は推奨され、これにより、ディスペンス中のポリマー材料の漏れや誤配置の検出が容易になる。例えば、本発明のポリマー組成物は、プリンタ回路基板上のコンフォーマルコーティングとして使用することができる。テキスタイルコーティングやプライマーなどの他の分野において、UVトレーサビリティは、コーティング又はプライマーが基材に均一に塗布されていることを確認するための優れた方法である。
【0142】
本明細書に記載の付加硬化性オルガノポリシロキサンXなどの本発明のポリマー組成物は、長期間に保管されても、優れた接着特性及び/又は沈降が最小限若しくは全くないことを示すことが見出された。そのようなポリマー組成物は、上記のような電子機器及びコンピュータなどの分野におけるシーラント及び/又はコーティングとして特に有用であり得る。
【0143】
本発明によって提供される他の利点は、以下の例示的な例から明らかになるであろう。
【実施例
【0144】
例1:さまざまなシランへのTinopal(登録商標)OB COの溶解度
いくつかの異なるシランとチタン酸テトラブチルを、一般的に使用される蛍光増白剤である2,5-チオフェンジイルビス(5-tert-ブチル-1,3-ベンゾオキサゾール)(Tinopal(登録商標)OB CO)を溶解する能力について試験した。以下のシランを試験した:(3-グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシラン(GLYMO)、ビニルトリメトキシシラン(VTMO)、3-(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート(MEMO)、チタン酸テトラブチル(TnBT又はTBT)、GLYMO+VTMO+TBT(それぞれ2重量%+2重量%+0.7重量%)のカクテル、及び主な中間体が次の構造を持つ混合物(混合物A)。
【0145】
【化6】
【0146】
これらのシランのうち、GLYMOにはアルコキシ基とグリシジルオキシプロピル基の両方が含まれている。VTMOとMEMOにはアルコキシ基が含まれているが、グリシジルオキシプロピル基は含まれていない。混合物Aにはグリシジルオキシプロピル基が多い。TnBTにはアルコキシ基が含まれているが、グリシジルオキシプロピル基は含まれていない。
【0147】
サンプルの混合に使用した条件は次のとおりである:0.072gのTinopal(登録商標)OB COを、20mLのFlacktek容器内の10gの異なる化合物に添加した。サンプルを3000rpmで45秒間、室温で5回混合した。サンプルは、室温で一晩、容器(しっかりと蓋をした)に保存された。
【0148】
Tinopal(登録商標)OB COを溶解する溶媒の能力を決定する重要な基準の1つは、それが透明な溶液を形成するか、懸濁液を形成するかである。考慮すべき他の要素は、容器の底にある未溶解のOBAの量、ブラックライトの下での溶液の明るさ、及びブラックライトの下で肉眼で観察されたOBA粒子の量である。各化合物にTinopal(登録商標)OB COを混合した後、混合物の1滴を2枚のガラス板の間に挟んだ。混合物の明るさ、及びブラックライトの下で肉眼で見えるOBA粒子の量を記録した。ブラックライトの下で各サンプルの写真も撮影した。データは以下の表2に要約される。
【0149】
【表2】
【0150】
表2のデータは、Tinopal(登録商標)OB COが、GLYMO、VTMO、MEMO、及びGLYMO+VTMO+TBTのカクテルに対して比較的良好な溶解性を示すことを示している。TBTへの溶解性は低く、混合物Aへの溶解性はさらに低くなる。上記のサンプルの写真が図1に示されている。図1Aに示されるように、混合物Aが溶媒として使用される場合、OBAの多くの粒子(約40個の粒子)が見られることができる。TBTを溶媒として使用すると、いくつかのOBA粒子が観察される(図1B)。ただし、VTMO、GLYMO、GLYMO+VTMO+TBTのカクテル、又はMEMOを溶媒として使用すると、容器の底に溶解していないOBA粒子がある場合でも、それらはTinopal(登録商標)OB COと透明な溶液を形成し、OBAの粒子は観察されない(それぞれ図1C~E;MEMOは図示せず)。図1Dにおいて、黒い点はトラップされた気泡であり、溶解していない粒子ではない。なお、ブラックライト下で観察された混合物の液滴の質量/体積は制御されなかったため、異なるサンプル間で観察された混合物の量にわずかな変動がある可能性がある。ただし、上記傾向に影響を与えるとは考えられない。
【0151】
上記のように、グリシジルオキシプロピル基がアルコキシ基よりもTinopal(登録商標)OB COを溶解するのに効果的であれば、混合物Aにはグリシジルオキシプロピル基が豊富にあり、他のシラン(すなわち、MEMOとVTMO)にはグリシジルオキシプロピル基がないため、混合物Aは試験した他のシランよりもTinopal(登録商標)OB COをよりよく溶解するはずである。ただし、混合物Aは、試験したすべての溶媒の中で最も効果が低く、グリシジルオキシプロピル基がTinopal(登録商標)OB COの溶解の決定要素ではないことを示している。
【0152】
GLYMOと比較すると、VTMOとMEMOにはアルコキシ基(メトキシ基)しかなく、グリシジルオキシプロピル基はない。それらは、Tinopal(登録商標)OB COについて同等又はそれ以上の溶媒和能力を示している。したがって、アルコキシ基(この場合はメトキシ基)がTinopal(登録商標)OB COの溶媒和に関与する部分であると考えられる。
【0153】
例2:GLYMOにおけるさまざまな蛍光増白剤の溶解度
上に示したように、Tinopal(登録商標)OB COの溶解に効果的であった。他の蛍光増白剤をGLYMOに溶解できるかどうかを判断するために、いくつかの異なる蛍光増白剤を(3-グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシラン(GLYMO)に溶解する能力について試験した。Tinopal(登録商標)OB COに加えて、スチルベン誘導体OBA(ヘキサソジウム-2,2’-[ビニレンビス[3-スルホン酸-4,1-フェニレン)イミノ[6-(ジエチルアミノ)-1,3,5-トリアジン-4,2-ジイル]イミノ]]ビス(ベンゼン-1,4-ジスルホン酸);Tinopal(登録商標)SFP)、スチルベン-ベンゾオキサゾリンOBA(ベンゾオキサゾール、2,2’-(1,2-エテンジイルジ-4,1-フェニレン)ビス-;Benetex(登録商標)OB-1HP)、及びビフェニル-スチルベン(ジスチリルビフェニル(DSBP)化合物の誘導体;Benetex(登録商標)OB-M1)を試験した。
【0154】
使用した混合条件及び実験手順は、上記の例1に記載したものと同じであった。結果を以下の表3に示す。
【0155】
【表3】
【0156】
データは、試験された4つの蛍光増白剤のうち、Tinopal(登録商標)OB COのみがGLYMOに許容できる程度に溶解したことを示唆している。Benetex(登録商標)OB-1HPは、Benetex(登録商標)OB-M1よりもGLYMOへの溶解度がわずかに優れている(それぞれ図2A及び2B)。しかし、両方のサンプルで多数のOBA粒子が観察された。
【0157】
例3:溶剤中で蛍光増白剤を混合するためのさまざまな方法の比較
他の蛍光増白剤がGLYMOに効果的に溶解しなかったことを示す上記の結果を考慮して、溶解性を改善できるかどうかを判断するために、さまざまな混合条件を検討した。
【0158】
混合方法1(MM1)は、上記の例1及び2で使用した方法と同じである。混合方法2(MM2)は、次の点を除いてMM1と同じであった:蛍光増白剤と溶媒を窒素下で混合する。サンプルを最初に50℃で5分間加熱し、次に3000rpmで45秒間混合し、次に再び50℃でさらに5分間加熱し、3000rpmで45秒間2回混合し、次に再び50℃で5分間加熱し、3000rpmで2分間混合した。
【0159】
両方の方法を使用して得られた結果を以下の表4に示す。
【0160】
【表4】
【0161】
加熱(MM2)により、GLYMOへのTinopal(登録商標)OB COの溶解度が向上した。その結果、未溶解の粒子はなかった。しかし、加熱しても、GLYMOへの他のOBAの溶解度は大幅に向上しなかった。
【0162】
例4:GLYMOの蛍光増白剤の飽和
GLYMOの蛍光増白剤の飽和レベルを決定するために、増加する量のTinopal(登録商標)OB COをGLYMO(0.25%、0.5%、1.0%、2.0%、3.0%Tinopal(登録商標)OB CO)と混合し、50℃で1時間加熱した後、混合しながら冷却した。
【0163】
図3に示されるように、Tinopal(登録商標)OB COは、1.0%未満の濃度でGLYMOと混合すると均一に分布した。Tinopal(登録商標)OB COの可視粒子(凝集体)(平均粒度約50μm以上)が1.0%以上の濃度で存在していた。
【0164】
例5:ポリマー組成物
本発明による例示的な付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物を以下の表5に提供する。
【0165】
【表5】
【0166】
上記の例示的な組成物(EC1)は、以下のステップを使用して調製された。
【0167】
パーツA
1)Minusil(登録商標)10、Black Thermax(登録商標)、及びシリコーン樹脂を最初に混合した。
2)次に、線状α,ω-ジビニル-ポリジメチルシロキサン(PDMS)、TnBT、10%Pt触媒を添加して混合した。
【0168】
パーツB
1)Tinopal(登録商標)OB COを、最初に重量で0.5:100(Tinopal(登録商標)OB CO:GLYMO)でGLYMOに溶解し、MBと名付けられた。MBは後で使用するために取っておいた。
2)別々に、Minusil(登録商標)10とシリコーン樹脂をまず混合した。
3)次に、SiH架橋剤(ジメチルヒドロシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキシ)(メチルヒドロシロキシ)コポリマー;平均H含有量=0.69重量%)及び1-エチニル-1-シクロヘキサノール(ECH)を添加して混合した。
4)次に、VTMOとMBを添加して混合した。
【0169】
比較例
比較組成物(CC1)は、パーツBを調製するためのプロセスが以下である点を除いて、上記のように調製された。
【0170】
パーツB
1)Minusil(登録商標)10、Tinopal(登録商標)OB CO、及びシリコーン樹脂を最初に添加して混合した。
2)次に、SiH架橋剤(ジメチルヒドロシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキシ)(メチルヒドロシロキシ)コポリマー;平均H含有量=0.69重量%)及びECHを添加し、混合した。
3)次に、VTMOとGLYMOを添加して混合した。
【0171】
結果は、蛍光増白剤の可視粒子が、比較例の組成物(CC1)において、ブラックライト下肉眼によって(図4A)又は顕微鏡下(図5A)で見られたことを示している。対照的に、組成物(EC1)に添加する前に蛍光増白剤を最初にGLYMOと組み合わせると、蛍光増白剤の均一な分布があり、ブラックライト下肉眼によって(図4B)又は顕微鏡下(図5B)で見られる蛍光増白剤の目に見える粒子はない。
【0172】
拡大せずにブラックライトの下で肉眼で見える粒子の数も数えた。上記のように、例示的な組成物(EC1)には目に見える粒子は存在しなかった。対照的に、30個の可視粒子が比較組成物(CC1)に存在した。
【0173】
硬化した比較組成物(CC1)及び硬化した例示的組成物(EC1)の顕微鏡画像をそれぞれ図6AとBに示す。硬化条件は150℃で30分間であった。これらの2つの写真に見られるように、蛍光増白剤粒子は、硬化した比較組成物(CC1)では見えるが、例示的組成物(EC1)では見えない。
【0174】
例6:本発明の方法を使用して調製されたポリマー組成物の押出速度
本発明の方法を使用して調製されたポリマー組成物の押出速度を、蛍光増白剤を組成物に直接添加することによって調製されたポリマー組成物の押出速度と比較した。押出速度は、エアホースに接続された内径0.09mmのディスペンシングノズルを使用して測定した。試験された各ポリマー組成物は、70psiの空気圧及び20psiのトリガー圧力を使用して30分間押し出した。
【0175】
結果を以下の表6に示す。
【0176】
【表6】
【0177】
例7:本発明のプロセスを使用して調製された2パーツ硬化性システムの安定性
例示的組成物1(EC1)の2パーツ硬化性システム(パーツA及びパーツB)を、上記の例5で説明したように調製し、室温で保存した。沈降は、室温で約4週間後にパーツAで、室温で約6週間後にパーツBで見られた。
【0178】
例8:本発明のプロセスを使用して調製されたポリマー組成物の物理的特性
例示的組成物1を、150℃で30分又は1時間のいずれかで硬化した。得られた硬化された例示的な組成物の剥離力を、修正ASTM D903標準を使用して、グリップの4インチ/分の移動速度で測定した。150℃で30分間硬化させたEC1組成物で接着破壊が観察された。150℃で1時間硬化させたEC1組成物で50%の凝集破壊が観察された。EC1組成物で観察された剥離力は、7lb/in(0.13kg/mm)(30分硬化)及び11lb/in(0.20kg/mm)(1時間硬化)であった。室温で19週間エージングした後、凝集破壊が失われ、剥離力がわずかに低下した(30分間硬化した組成物では約5lbf/in(0.09kg/mm)、1時間硬化した組成物では約8lb/in(0.14kg/mm))。ここで、接着の破壊は、本発明では、被着体と接着剤との間の界面結合の破壊として定義される。一方、接着破壊は、剥離によって接着剤の層が両面に残る場合に発生する。
【0179】
EC1組成物の他の物理的特性を表7に示す。密度は、標準ASTM1475を使用して測定した。粘度は、#6スピンドルを備えたブルックフィールド粘度計を使用して25℃と10rpmで測定した。ポットライフは、材料の表面のスナップバック時間である。
【0180】
【表7】
【0181】
例9:本発明のプロセスを使用して調製されたポリマー組成物に対するフィラーの効果
本発明によるさらなる例示的な添加硬化性オルガノポリシロキサン組成物(例示的組成物2;EC2)は、PDMS処理された沈降シリカ(Sipernat(登録商標)D10)がMinusil(登録商標)10の代わりにフィラーとして使用されたことを除いて、例示的組成物1について例5に記載されたのと同様に調製された。
【0182】
EC2の安定性と物理的特性は、上記の例7と8で説明したように測定した。少なくとも室温で6か月間保管した後、パーツA又はパーツBで沈降は見られなかった。さらに、3500rpmで70分間遠心分離した後、パーツA又はパーツBのいずれにも沈降の兆候は見られなかった。
【0183】
150℃で30分又は1時間硬化したEC2組成物では接着破壊は観察されなかった。150℃で30分又は1時間硬化したEC2組成物では100%の凝集破壊が観察された。EC2組成物で観察された剥離力は、9lb/in(0.16kg/mm)(30分硬化)及び10lb/in(0.18kg/mm)(1時間硬化)であった。室温で25週間エージングした後、凝集破壊は100%のままであり、剥離力も、150℃で30分又は1時間硬化したEC2組成物で約9lb/in(0.16kg/mm)に維持された。
【0184】
EC2組成物の他の物理的特性は、例8に記載されているように測定され、表8に提供される。
【0185】
【表8】
【0186】
本明細書で引用されるすべての参考文献は、各参考文献が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。参考文献の引用は、出願日の前のその開示のためのものであり、本開示が先行発明のためにそのような参考文献に先行する権利がないことを認めるものと解釈されるべきではない。
【0187】
上記要素のそれぞれ、又は2つ以上の集まりが、上記のタイプとは異なる他のタイプの方法においても有用な用途が見出される可能性があることが理解される。さらなる分析なしに、前述のことは、本開示の要旨を完全に明らかにするので、他の者は、現在の知識を適用することにより、先行技術の観点から、添付の特許請求の範囲に記載される本開示の一般的又は特定の態様の本質的な特徴を公正に構成する特徴を省略せずに、それを様々な用途に容易に適合させることができる。前述の実施形態は、例としてのみ提示されている;本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。
図1A-1E】
図2A-2B】
図3
図4A-4B】
図5A-5B】
図6A-6B】