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特許7368615外圧型中空糸膜エレメント、ろ過膜エレメント及び膜ろ過モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】外圧型中空糸膜エレメント、ろ過膜エレメント及び膜ろ過モジュール
(51)【国際特許分類】
   B01D 63/02 20060101AFI20231017BHJP
   B01D 65/02 20060101ALI20231017BHJP
   C02F 1/44 20230101ALI20231017BHJP
【FI】
B01D63/02
B01D65/02 520
C02F1/44 A
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022522661
(86)(22)【出願日】2020-09-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-19
(86)【国際出願番号】 CN2020115881
(87)【国際公開番号】W WO2021073349
(87)【国際公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-05-02
(31)【優先権主張番号】201910979092.5
(32)【優先日】2019-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910978302.9
(32)【優先日】2019-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522149809
【氏名又は名称】海南立昇浄水科技▲実▼▲業▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAINAN LITREE PURIFYING TECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】弁理士法人エスエス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼清
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼忱
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼良▲剛▼
【審査官】相田 元
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-533894(JP,A)
【文献】特開平11-290660(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106669425(CN,A)
【文献】中国実用新案第201482424(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/22
B01D 61/00-71/82
C02F 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内腔を有するケースと、
前記ケースの内腔の両端にそれぞれ設けられた2つの端末部材と、
前記ケースの内腔に設けられた複数の中空糸膜束と、を含み、
前記端末部材には、
前記ケースの軸方向に沿って前記端末部材を貫通する少なくとも2つの隙間通路と、
互いに連通する少なくとも2つの集水通路と、が設けられており、
前記隙間通路と前記集水通路は、交互に間隔をあけて配置されており、
前記中空糸膜束の幅は60mm以下であることを特徴とする外圧型中空糸膜エレメント。
【請求項2】
前記ケースの軸方向に垂直な方向において、前記隙間通路の延長方向は直線であり、かつ、少なくとも2つの前記隙間通路は互いに平行であることを特徴とする請求項1に記載の外圧型中空糸膜エレメント。
【請求項3】
前記集水通路の幅と前記隙間通路の幅との比が6未満であることを特徴とする請求項2に記載の外圧型中空糸膜エレメント。
【請求項4】
記ケースの軸方向に垂直な方向において、前記中空糸膜束は、断面が円形であり、かつ、外径が60mm未満であることを特徴とする請求項1に記載の外圧型中空糸膜エレメント。
【請求項5】
前記ケースの軸方向に垂直な方向において、前記隙間通路は、断面が扇形又は環状扇形であることを特徴とする請求項1に記載の外圧型中空糸膜エレメント。
【請求項6】
前記ケースの軸方向に垂直な前記隙間通路の断面積は、前記ケースの軸方向に沿って、外側から内側に向かって徐々に減少することを特徴とする請求項1に記載の外圧型中空糸膜エレメント。
【請求項7】
前記ケースの一端に密封接続された第1の端部カバーをさらに含み、パルス式曝気装置が、前記ケースの内腔に近い位置の前記第1の端部カバーの近傍に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の外圧型中空糸膜エレメント。
【請求項8】
前記パルス式曝気装置は、前記端末部材の近くに気流放出孔を有し、前記気流放出孔と前記パルス式曝気装置とは同軸になっていることを特徴とする請求項に記載の外圧型中空糸膜エレメント。
【請求項9】
内腔と、
対向する第1の端部及び第2の端部を有するケースと、
前記ケースの前記第1の端部に密封接続される第1の端部カバーと、
中空糸膜と、
前記ケースの前記第2の端部に密封接続された第2の端部カバーと、を含み、
前記第1の端部カバーは、前記ケースの内腔と連通するとともに、両側に開口を有する気体輸送通路を有し、
前記第2の端部カバーは、第2の水流通路と浄水水流通路とを備えており、
前記第2の水流通路は、前記中空糸膜の外側と連通しており、
前記中空糸膜は、請求項1~8のいずれか1項に記載の外圧型中空糸膜エレメントであることを特徴とするろ過膜エレメント。
【請求項10】
前記第1の端部カバーは、前記ケースの内腔と連通するとともに、両側に開口を有する第1の水流通路をさらに有し、前記第1の水流通路は、別のろ過膜エレメントの水流通路に突合わせて接続することができ、
前記気体輸送通路の開口及び前記第1の水流通路の開口に、取り外し可能に接続される接続エレメントをさらに含むことを特徴とする請求項に記載のろ過膜エレメント。
【請求項11】
前記接続エレメントは、取り外し・突合わせ接続可能な2つのダブルポートクランプハーフを含み、2つの前記ダブルポートクランプハーフを突合わせて接続した後、それぞれ、前記気体輸送通路の開口及び前記第1の水流通路の開口に接続するための2つのポート形成されることを特徴とする請求項10に記載のろ過膜エレメント。
【請求項12】
前記気体輸送通路の一方の前記開口に近い外側壁は第1の突合わせセクションを構成し、前記気体輸送通路の他方の前記開口に近い外側壁は第2の突合わせセクションを構成することを特徴とする請求項10に記載のろ過膜エレメント。
【請求項13】
記第1の端部カバーと前記ケースとは密封接続エレメントによって密封接続されており、及び/又は、前記第2の端部カバーと前記ケースとは密封接続エレメントによって密封接続されており、
前記第1の端部カバーと前記第2の端部カバーの両方は、前記ケースに外装される接続セクションを有し、前記接続セクションの外表面に雄ネジが設けられており、
前記密封接続エレメントは、ネジ付きスリーブ及び脱落防止部材を含み、
前記ネジ付きスリーブは、前記ケースに外装されるとともに、内表面に前記第1の端部カバーの雄ネジと整合する雌ネジ及び当接面を有し、
前記脱落防止部材は、前記ケースに外装されるとともに、外側面が前記ネジ付きスリーブの当接面に当接するために用いられることを特徴とする請求項に記載のろ過膜エレメント。
【請求項14】
前記ネジ付きスリーブの当接面はテーパー面であり、
前記脱落防止部材は、破断環状の形状を有するとともに、内側面が歯面であり、硬度が前記ケースの硬度よりも大きいことを特徴とする請求項13に記載のろ過膜エレメント。
【請求項15】
前記密封接続エレメントは、前記ケースと、前記第1の端部カバーの接続セクション又は前記第2の端部カバーの接続セクションとの間に設けられた第2の密封リングをさらに含むことを特徴とする請求項13に記載のろ過膜エレメント。
【請求項16】
前記密封接続エレメントは、前記ケースに外装されたストッパーをさらに含み、
前記第1の端部カバーの接続セクションの内表面は、第1の制限面を有し、
前記ストッパーは、前記第1の制限面に対向して配置された第2の制限面を有し、
前記第2の制限面は、前記ケースの軸方向に平行ではなく、
前記第2の密封リングの両端は、それぞれ前記第1の制限面及び第2の制限面に当接しており、
前記第2の密封リングから離間する前記ストッパーの一端は、前記脱落防止部材に当接していることを特徴とする請求項15に記載のろ過膜エレメント。
【請求項17】
記ろ過膜エレメントは、前記第2の水流通路と連通する加圧配管をさらに含み、
前記加圧配管と前記ケースの第2の端部との間の距離は、前記浄水水流通路と前記ケースの第2の端部との間の距離よりも大きいことを特徴とする請求項に記載のろ過膜エレメント。
【請求項18】
請求項17のいずれか1項に記載のろ過膜エレメントを含むことを特徴とする膜ろ過モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、膜ろ過分離の分野に関し、特に外圧型中空糸膜エレメント、ろ過膜エレメント及び膜ろ過モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
膜分離技術は、浄水処理や液体ろ過分離などの分野で広く利用されている。一般的に、中空糸膜エレメントは、ろ過方向の違いによって、内圧型と外圧型の2種類に分類される。外圧型中空糸膜エレメントが作動すると、原水は圧力ケース内の中空糸膜の外側に入り、中空糸膜を通過して中空糸膜の内腔まで達し、ろ液を形成する。このとき、汚染物質は中空糸膜の外側に閉じ込められている。よって、外圧型中空糸膜エレメントは、高濃度の汚染物質を含む原水に使用することができる。
【0003】
しかしながら、外圧型中空糸膜エレメントを使用して高濃度の汚染物質を含む原水をろ過すると、中空糸膜の外側に閉じ込められた汚染物質が中空糸膜の根元に蓄積する可能性がある。このため、外圧型中空糸膜エレメントに影響を与える水生成を維持するために、外圧型中空糸膜エレメントのろ過エネルギー消費量を増加させる必要がある。深刻な場合には、外圧型中空糸膜エレメントのろ過効率は低下してしまう。
【0004】
さらに、従来技術では、気体輸送通路は、通常、ろ過膜エレメントの下端に設けられ、ろ過された汚れや大きな粒子状物質を空気圧によって動かして、ろ過膜からの分離を回避する。しかしながら、複数のろ過膜エレメントを含む膜ろ過モジュールを組み立てて形成する場合、気体輸送通路の配置のために、気体輸送通路に接続された複数の気体輸送管を設ける必要があり、膜ろ過モジュールの構造が複雑となり、膜ろ過モジュールが多くのスペースを占有することになってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに基づき、中空糸膜フィラメントの根元への汚染物質の蓄積を効果的に改善できる外圧型中空糸膜エレメント及び組み立てられた膜ろ過モジュールの構造が簡単で、占有スペースが小さいろ過膜エレメントを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様では、外圧型中空糸膜エレメントを提供し、当該外圧型中空糸膜エレメントは、
内腔を有するケースと、
前記ケースの内腔の両端にそれぞれ設けられた2つの端末部材と、
前記ケースの内腔に設けられた複数の中空糸膜束と、を含み、
前記端末部材には、
前記ケースの軸方向に沿って前記端末部材を貫通する少なくとも2つの隙間通路と、
互いに連通する少なくとも2つの集水通路と、が設けられており、
前記隙間通路と前記集水通路は、交互に間隔をあけて配置おり、
前記中空糸膜束の幅は60mm以下である
【0007】
上記の外圧型中空糸膜エレメントでは、2つの端末部材の両方に隙間通路が設けられているため、原水や曝気ガスをケースの内腔からスムーズに排出することができ、中空糸膜フィラメントの外側の汚染物質を隙間通路から容易に流出させ、中空糸膜フィラメントの根元に汚染物質が過剰に蓄積することを防止できる。そのため、外圧型中空糸膜エレメントのろ過効率を確保しつつ、外圧型中空糸膜エレメントのろ過エネルギー消費量を低減させることができる。
【0008】
一実施形態では、前記ケースの軸方向に垂直な方向において、前記隙間通路の延長方向は直線であり、かつ、少なくとも2つの前記隙間通路は互いに平行である。
【0010】
一実施形態では、前記集水通路の幅と前記隙間通路の幅との比が6未満である。
【0011】
一実施形態では、前記ケースの内腔に設けられた複数の中空糸膜束をさらに含み、前記ケースの軸方向に垂直な方向において、前記中空糸膜束は、断面が円形であり、かつ、外径が60mm未満である。
【0012】
一実施形態では、前記ケースの軸方向に垂直な方向において、前記隙間通路は、断面が扇形又は環状扇形である。
【0013】
一実施形態では、前記ケースの軸方向に垂直な前記隙間通路の断面積は、前記ケースの軸方向に沿って、外側から内側に向かって徐々に減少する。
【0014】
一実施形態では、前記ケースの一端に密封接続された第1の端部カバーをさらに含み、パルス式曝気装置が、前記ケースの内腔に近い位置の前記第1の端部カバーの近傍に設けられている。
【0015】
一実施形態では、前記パルス式曝気装置は、前記端末部材の近くに気流放出孔を有し、前記気流放出孔と前記パルス式曝気装置とは同軸になっている。
【0016】
本開示の別の態様では、本開示で提供する外圧型中空糸膜エレメントを含むろ過装置を提供する。
【0017】
上記のろ過装置では、2つの端末部材の両方に隙間通路が設けられているため、原水や曝気ガスをケースの内腔からスムーズに排出することができ、中空糸膜フィラメントの外側の汚染物質を隙間通路から容易に流出させ、中空糸膜フィラメントの根元に汚染物質が過剰に蓄積することを防止できる。そのため、外圧型中空糸膜エレメントのろ過効率を確保しつつ、外圧型中空糸膜エレメントのろ過エネルギー消費量を低減させることができる。
【0018】
本開示のまた別の態様では、ろ過膜エレメントをさらに提供し、当該ろ過膜エレメントは、
内腔と、
対向する第1の端部及び第2の端部を有するケースと、
前記ケースの前記第1の端部に密封接続される第1の端部カバーと、
中空糸膜と、
前記ケースの第2の端部に密封接続された第2の端部カバーと、を含み、
前記第1の端部カバーは、前記ケースの内腔と連通するとともに、両側に開口を有する気体輸送通路を有し、
前記第2の端部カバーは、第2の水流通路と浄水水流通路とを備えており、
前記第2の水流通路は、前記中空糸膜の外側と連通しており、
前記中空糸膜は、上述するいずれかの外圧型中空糸膜エレメントである。
【0019】
上記のろ過膜エレメントを膜ろ過モジュールに組み立てる場合、隣接するろ過膜エレメントの気体輸送通路を突合わせて接続し、ろ過膜エレメントごとに個別の気体輸送管を設ける必要がない。そのため、組み立てられた膜ろ過モジュールの構造を簡素化し、占有スペースを小さくする。
【0020】
一実施形態では、前記第1の端部カバーは、前記ケースの内腔と連通するとともに、両側に開口を有する第1の水流通路をさらに有し、前記第1の水流通路は、別のろ過膜エレメントの水流通路に突合わせて接続することができ、
前記気体輸送通路の開口及び前記第1の水流通路の開口に、取り外し可能に接続される接続エレメントをさらに含む。
【0021】
一実施形態では、前記接続エレメントは、取り外し・突合わせ接続可能な2つのダブルポートクランプハーフを含み、2つの前記ダブルポートクランプハーフを突合わせて接続した後、それぞれ、前記気体輸送通路の開口及び前記第1の水流通路の開口に接続するための2つのポートを形成される。
【0022】
一実施形態では、前記気体輸送通路の一方の前記開口に近い外側壁は第1の突合わせセクションを構成し、前記気体輸送通路の他方の前記開口に近い外側壁は第2の突合わせセクションを構成する。
【0023】
一実施形態では、前記ケースの第2の端部に密封接続される第2の端部カバーをさらに含み、
前記第1の端部カバーと前記ケースとは密封接続エレメントによって密封接続されており、及び/又は、前記第2の端部カバーと前記ケースとは密封接続エレメントによって密封接続されており、
前記第1の端部カバーと前記第2の端部カバーの両方は、前記ケースに外装される接続セクションを有し、前記接続セクションの外表面に雄ネジが設けられており、
前記密封接続エレメントは、ネジ付きスリーブ及び脱落防止部材を含み、
前記ネジ付きスリーブは、前記ケースに外装されるとともに、内表面に前記第1の端部カバーの雄ネジと整合する雌ネジ及び当接面を有し、
前記脱落防止部材は、前記ケースに外装されるとともに、外側面が前記ネジ付きスリーブの当接面に当接するために用いられる。
【0024】
一実施形態では、前記ネジ付きスリーブの当接面はテーパー面であり、
前記脱落防止部材は、破断環状の形状を有するとともに、内側面が歯面であり、硬度が前記ケースの硬度よりも大きい。
【0025】
一実施形態では、前記密封接続エレメントは、前記ケースと、前記第1の端部カバーの接続セクション又は前記第2の端部カバーの接続セクションとの間に設けられた第2の密封リングをさらに含む。
【0026】
一実施形態では、前記密封接続エレメントは、前記ケースに外装されたストッパーをさらに含み、
前記第1の端部カバーの接続セクションの内表面は、第1の制限面を有し、
前記ストッパーは、前記第1の制限面に対向して配置された第2の制限面を有し、
前記第2の制限面は、前記ケースの軸方向に平行ではなく、
前記第2の密封リングの両端は、それぞれ前記第1の制限面及び第2の制限面に当接しており、
前記第2の密封リングから離間する前記ストッパーの一端は、前記脱落防止部材に当接している。
【0027】
一実施形態では
記ろ過膜エレメントは、前記第2の水流通路と連通する加圧配管をさらに含み、
前記加圧配管と前記ケースの第2の端部との間の距離は、前記浄水水流通路と前記ケースの第2の端部との間の距離よりも大きい。
【0029】
本開示のまた別の態様では、膜ろ過モジュールを提供し、当該膜ろ過モジュールは、本開示で提供するろ過膜エレメントと、
隣接するろ過膜エレメントの気体輸送通路の開口と突合わせ接続を実現するための接続エレメントを含む。
【0030】
上記の膜ろ過モジュールは、隣接するろ過膜エレメントの気体輸送通路の突合わせ接続を容易にし、ろ過膜エレメントごとに個別の気体輸送通路を設ける必要がない。換言すれば、組み立てられた膜ろ過モジュールの構造を簡素化し、占有スペースを小さくする。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、本発明の一実施形態による外圧型中空糸膜エレメントの構造を示す模式図である。
図2図2は、図1の外圧型中空糸膜エレメントの構造の一部を示す模式図である。
図3図3は、図1における端末部材の断面図である。
図4図4は、図1におけるパルス式曝気装置の構造を示す模式図である。
図5図5は、本発明の別の実施形態による外圧型中空糸膜エレメントの端末部材の断面図である。
図6図6は、本発明の別の実施形態による外圧型中空糸膜エレメントの構造を示す模式図である。
図7図7は、本発明の一実施形態によるろ過膜エレメントの構造を示す模式図である。
図8図8は、図7のろ過膜エレメントの断面図である。
図9図9は、図7における接続エレメントの分解構造を示す模式図である。
図10図10は、図8のAの部分拡大図である。
図11図11は、本発明の一実施形態によるろ過膜エレメントの2つの気体輸送通路の突合わせ接続部分の構造を示す模式図である。
図12図12は、本発明の一実施形態による膜ろ過モジュールの構造を示す模式図である。
図13図13は、図12に示す膜ろ過モジュールの1つの動作モードを示す模式図である。
図14図14は、図12に示す膜ろ過モジュールの別の動作モードを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の目的、特徴及び利点をより明白かつ容易に理解できるようにするために、本発明の具体的な実施形態を、添付の図面を参照して詳細に説明する。以下の説明では、本発明を完全に理解するために、多くの詳しい内容が示されている。しかしながら、本発明は、本明細書に記載されている形態と異なる他の多くの形態でも実施することができ、当業者は、本発明の主旨から逸脱することなく同様の改善を行うことができる。したがって、本発明は、以下に開示される具体的な実施形態に限定されない。
【0033】
本明細書において、ある構成要素が別の構成要素に「固定されている」と記載されている場合、それは、別の構成要素の上に直接存在する場合もあれば、介在する構成要素が存在する場合もある。また、ある構成要素が別の構成要素に「接続されている」と記載されている場合、それは、別の構成要素に直接接続されている場合もあれば、介在する構成要素が存在する場合もある。
【0034】
特に定義しない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本発明の技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本発明の明細書で使用される用語は、具体的な実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される「及び/又は」という用語は、そのために挙げられた1つ又は複数の関連項目の任意の組み合わせやあらゆる組み合わせを含む。
【0035】
図1から図4に示すように、本発明の一実施形態による外圧型中空糸膜エレメント100-1は、内腔111-1を有するケース110-1と、端末部材130-1を含む。
【0036】
具体的には、端末部材130-1は、ケース110-1の内腔111-1の一端に設けられている。端末部材130-1は、ケース110-1の軸方向に沿って端末部材130-1を貫通する複数の隙間通路131-1と、互いに連通する複数の集水通路133-1とを備えている。隙間通路131-1と集水通路133-1は、交互に間隔を開けて配置されている。図1において、ケース110-1の軸方向は、点線で示されている。
【0037】
隙間通路131-1は、中空糸膜フィラメントの外側で汚染物質を排出するために使用されるため、隙間通路131-1の幅は、中空糸膜フィラメントの外側で汚染物質を排出可能な幅とする必要があることが理解されうる。
【0038】
なお、隙間通路131-1の数が複数であることは、隙間通路131-1の数が少なくとも2つであることを意味する。また、集水通路133-1の数が複数であることは、集水通路133-1の数が少なくとも2つであることを意味する。
【0039】
外圧型中空糸膜エレメント100-1では、2つの端末部材130-1の両方に隙間通路131-1が設けられており、原水又は曝気ガスはケース110-1の内腔に入るため、ケース110-1の内腔111-1から排出される過程において、内腔111-1の両端から吸入又は排出される。このように、原水又は曝気ガスがケース110-1の内腔111-1に入る過程又はケース110-1の内腔111-1から排出される過程において、原水又は曝気ガスの流動方向が強制的に変更される現象を回避することができ、原水又は曝気ガスをケースの内腔からスムーズに排出することができる。隙間通路131-1は、中空糸膜フィラメントの外側で汚染物質を容易に流出させ、中空糸膜フィラメントの根元に汚染物質が過剰に蓄積するのを回避するため、外圧型中空糸膜エレメント100-1のろ過効率を確保しながら、外圧型中空糸膜エレメント100-1のろ過エネルギー消費量を低減させる。
【0040】
本実施形態では、2つの端末部材130-1の隙間通路131-1は、対向して配置されている。すなわち、ケース110-1の軸方向に垂直な平面において、2つの端末部材130-1の隙間通路131-1の投影は一致している。これによって、原水又は曝気ガスの吸入と排出はよりスムーズになる。もちろん、別の実行可能な実施形態では、2つの端末部材130-1の隙間通路131-1は、完全に対向して配置されていなくともよい。
【0041】
中空糸膜フィラメントの内腔は、集水通路133-1と連通していることが理解できる。隙間通路131-1と集水通路133-1は交互に間隔をあけて配置されており、すなわち、複数の集水通路133-1は、2つおきに間隔をあけて配置されている。また、各集水通路133-1は、異なる中空糸膜束に対応している。そのため、各集水通路133-1に対応する中空糸膜束は、独立して配置されている。
【0042】
本実施形態では、端末部材130-1には、少なくとも2つの隙間通路131-1が設けられており、かつ、隙間通路131-1と集水通路133-1は間隔をあけて配置されている。そのため、中空糸膜束の露出面積を増大させ、原水がケース110-1の内腔111-1に入るとき、あるいは、曝気ガスがケース110-1の内腔111-1に入るときに、より広い面積で中空糸膜フィラメントと接触することができるため、中空糸膜フィラメント上のより多くの汚染物質を洗い流すことができる。
【0043】
また、本実施形態では、中空糸膜束の露出面積を増加させて、中空糸膜束の外面に付着した汚染物質の厚さを減少させ、その結果、汚染物質の付着が中空糸膜束のろ過効率に与える影響を少なくしている。これにより、中空糸膜束の表面の汚染物質の洗浄が容易になり、外圧型中空糸膜エレメント100-1の洗浄時間が節約され、さらに外圧型中空糸膜エレメント100-1のろ過効率が向上する。
【0044】
端末部材130-1の材料は、プラスチック、ゴム、ステンレス鋼又は樹脂から任意に選択することができる。端末部材が樹脂材料で形成されている場合、端末部材130-1は注型成形により形成されるとともに、ケース110-1の内壁及び中空糸膜フィラメントと一緒に注型され、中空糸膜フィラメントの端面開口が遮られないようにしている。
【0045】
本実施形態では、外圧型中空糸膜エレメント100-1は、集水通路133-1と連通する集水管150-1をさらに含む。中空糸膜の内腔内のろ液は、少なくとも部分的に集水通路133-1に流入し、次に集水通路133-1と連通する中央集水管150-1に排出され、その後、ろ液を排出する。
【0046】
端末部材130-1は、集水管150-1に接続される構造を有し、集水管150-1と集水通路133-1とを連通させる必要があることが理解できる。具体的には、本実施形態では、端末部材130-1は、集水通路133-1と連通し、かつ、集水管150-1と整合する集水管接続口135-1を備えている。ケース110-1の軸方向に沿って、集水管接続口135-1の軸線は、端末部材130-1の軸線と同一直線上にある。もちろん、別の実行可能な実施形態では、ケースの軸方向に沿って、集水管接続口の軸線は、端末部材の軸線から外れていてもよい。
【0047】
本実施形態では、端末部材130-1とケース110-1は、クランプによって取り外し可能に組み立てられる。もちろん、別の実行可能な実施形態では、端末部材130-1とケース110-1は、粘着などの方法によって組み立て、接続されてもよい。
【0048】
本実施形態では、2つの端末部材130-1は、いずれも集水通路133-1を備えているため、中空糸膜フィラメントの内腔内のろ液をスムーズに集水通路133-1に流動させることができ、ろ液の排出を容易にしている。具体的には、使用中、2つの端末部材130-1は、一般に、水平面に垂直な方向に高低差があるため、重力の作用下で、中空糸膜の内腔内のろ液がスムーズに下側の端末部材130-1の集水通路133-1に流動することができる。もちろん、原水の水圧が、上側の端末部材130-1の集水通路133-1の浄水の水圧よりも高い場合は、中空糸膜の内腔内のろ液がスムーズに上側の端末部材130-1の集水通路133-1に流動することを促進できる。すなわち、中空糸膜の内腔内のろ液を両端から同時に排出することができるため、中空糸膜の内腔内のろ液の排出速度が速くなり、ひいては、外圧型中空糸膜エレメント100-1のろ過効率を向上させる。
【0049】
本実施形態では、ケース110-1の軸方向に垂直な方向において、隙間通路131-1の延長方向は直線であり、かつ、複数個の隙間通路131-1は互いに平行である。本実施形態では、隙間通路131-1の延長方向は、図2の方法m-mに示すように、隙間通路131-1と集水通路133-1とが繋がる面の方向である。
【0050】
同様に、集水通路133-1の延長方向は、隙間通路の延長方向と同じである。中空糸膜束の構造も、集水通路133-1の構造に対応して構成されている。すなわち、中空糸膜束の構造も直線に沿って延びている。
【0051】
集水通路133-1の両側に隙間通路131-1が設けられているため、中空糸膜束が局所的に汚染物質を蓄積するのを防ぐことができ、中空糸膜束を均一に洗浄することができる。これにより、中空糸膜に局所的に付着した汚染物質を洗浄できないという現象を回避することができる。
【0052】
本実施形態では、外圧型中空糸膜エレメント100-1は、ケース110-1の内腔111-1に設けられた複数の中空糸膜束170-1をさらに含み、中空糸膜束170-1の幅dは60mm以下である。中空糸膜束170-1の幅が広い場合には、多くの汚染物質が中空糸膜束170-1の表面に付着してしまう。
【0053】
集水通路133-1の幅D1と、隙間通路131-1の幅D2との比は、6未満とすることもできる。この場合、集水通路133-1の幅D1は、中空糸膜束170-1の幅d以上であるため、中空糸膜束170-1の幅dと隙間通路131-1の幅D2との比も6未満である。したがって、大きな汚染物質は、隙間通路131-1をスムーズに通過して排出される。このため、排出できない大きな汚染物質によって、隙間通路131-1が閉塞されてしまい、外圧型中空糸膜エレメント100-1が正常に動作しないということを回避することができる。さらに、外圧型中空糸膜エレメントを曝気洗浄する過程において、より大きな気泡も隙間通路131-1をスムーズに通過することができるため、中空糸膜束170-1の表面の汚れをより良く洗浄することができる。
【0054】
具体的には、本実施形態では、集水通路133-1の幅と隙間通路131-1の幅との比は、6,5.5,5,4.5,4,3,2,1または0.5などであってもよい。
【0055】
以下、表1に記載された、集水通路133-1の幅D1と隙間通路131-1の幅D2との比が異なる外圧型中空糸膜エレメント100-1の運転中の膜間差圧について詳細に説明する。
【0056】
【表1】
【0057】
ここで、D1は集水通路の幅、D2は隙間通路の幅であり、詳細については図3に示す。表1におけるデータは、原水汚泥濃度が14000mg/L、生成水の出力が30L/m2・h、水温が25℃であり、かつ、端末部材1301-のサイズは変化せず、集水通路133-1の数と隙間通路131-1の数も変化しないという前提で測定されたものである。
【0058】
さらに、生成水の出力が一定に保たれている場合、中空糸膜束170-1の表面に汚染物質が蓄積すると、膜間差圧が大きくなる。このため、機器は動作するためにより多くのエネルギー消費を必要とする。
【0059】
表1におけるデータから、外圧型中空糸膜エレメント100-1の運転時間が同じである場合、集水通路133-1の幅D1と隙間通路の幅D2との比が小さいほど、膜間差圧が小さくなることがわかる。すなわち、集水通路133-1の幅D1と隙間通路131-1の幅D2との比が小さいほど、中空糸膜束170-1の外面に付着する汚染物質は少なくなる。さらに、集水通路133-1の幅D1と隙間通路131-1の幅D2との比が小さいほど、集水通路133-1の幅が小さくなり、隙間通路131-1の幅が大きくなる。したがって、中空糸膜束170-1の幅が小さいほど、隙間通路133-1の幅が大きくなり、膜間差圧が小さくなり、中空糸膜束170-1の表面に付着する汚染物質は少なくなる。
【0060】
本実施形態では、端末部材130-1における隙間通路131-1の構造及び幅は同じである。他の実行可能な実施形態では、隙間通路の幅が異なっていてもよいことが理解される。同様に、隙間通路の構造は異なっていてもよく、例えば、長方形の隙間通路と扇形の隙間通路が同じ端末部材に存在することもできる。
【0061】
本実施形態では、外圧型中空糸膜エレメント100-1は、ケース110-1の一端に密封接続された第1の端部カバー190-1をさらに含み、第1の端部カバー190-1は、ケース110-1の内腔111-1に近い側にパルス式曝気装置180-1が設けられている。気流が気体輸送管を介してケースの内腔に直接供給される従来の連続式曝気と比較して、パルス式曝気装置180-1によって放出された気泡は、隙間通路131-1を通ってケース110-1の内腔111-1に直接入ることができるため、中空糸膜束170-1の表面の汚染物質をより良く洗浄することができる。
【0062】
さらに、パルス式曝気装置180-1は、パルス式で気流を排出する。具体的には、パルス式曝気装置180-1は、運転中に連続的に気流を吸入する。パルス式曝気装置180-1は、一定時間の連続気流でエネルギーを貯蔵し、その後、瞬時に曝気して大きな気泡を形成することができるため、排出される気流の衝撃力が大きくなり、中空糸膜束170-1の表面の汚染物質をより良く洗浄することができる。
【0063】
本実施形態では、パルス式曝気装置180-1は、端末部材130-1の近くに気流放出孔181-1を有し、かつ、気流放出孔181-1とパルス式曝気装置180-1とは同軸になっている。したがって、パルス式曝気装置180-1は、気流放出孔181-1を1つだけ有し、気流放出孔181-1から放出される衝撃気泡はより大きく、ひいては、中空糸膜束170-1の表面により大きな衝撃を与え、中空糸膜束170-1の表面の汚染物質をより良く洗浄することができる。
【0064】
本実施形態では、第1の端部カバー190-1は、パルス式曝気装置180-1の気体供給ポート183-1を外部と連通するための開口191-1を備えている。もちろん、別の実行可能な実施形態では、パルス式曝気装置の構造が変更された場合、開口は、パルス式曝気装置の気体供給ポートと連通するための気体供給通路としても使用することができる。
【0065】
本実施形態では、第1の端部カバー190-1は、ケース110-1の内腔111-1へ原水を輸送し、または、高濃度水を排出するための水流通路193-1を備えていることが理解される。パルス式曝気装置180-1は、水流通路193-1とケース110-1の内腔111-1との連通を妨げることなく、かつ、原水をスムーズにケース110-1の内腔に輸送でき、または、高濃度水をスムーズに水流通路193-1から排出できるように設けられている。
【0066】
他の実行可能な実施形態では、隙間通路及び集水通路の構造は上記のものに限定されないことが理解される。したがって、中空糸膜束の構造も上記のものに限定されない。例えば、1つの実行可能な実施形態では、ケースの軸方向に垂直な方向において、中空糸膜束は、より多くの汚染物質が中空糸の表面に付着することを防ぐために、断面が円形であり、かつ、外径が60mm未満である。任意に、ケースの軸方向に垂直な方向において、集水通路は円形であり、中空糸膜束は集水通路と同じ構造を有していてもよい。もちろん、他の実行可能な実施形態では、中空糸膜束の構造は、集水通路の構造に類似していることに限定されないことが理解される。
【0067】
以下、表2に記載された、外圧型中空糸膜エレメントの運転中の膜間厚差に基づいて詳細に説明する。
【0068】
【表2】
【0069】
なお、従来の外圧型中空糸膜エレメントでは、1つの端末部材のみに隙間通路が設けられ、かつ、連続曝気方式が採用されている。外圧型中空糸膜エレメント100-1のパルス式曝気を連続式曝気に変更、すなわち、外圧型中空糸膜エレメント100-1内のパルス式曝気装置を取り外し、気体輸送管を用いて内腔へ衝撃気流を投入し、中空糸膜束170-1の洗浄を実現している。
【0070】
表2におけるデータは、原水汚泥濃度が14000mg/L、生成水の出力が30L/m2・h、連続投入空気流が2m2/h、水温が25℃であり、かつ、外圧型中空糸膜エレメントのサイズが同じであるという前提で測定されたものである。
【0071】
表2のデータから、各列のデータ、例えば、第1列C1のデータを個別に比較すると、外圧型中空糸膜エレメントの運転時間が長くなるについて、膜間圧差も大きくなっていく、すなわち、中空糸膜束の表面に蓄積する汚染物質が多くなっていくことがわかる。
【0072】
第1列C1のデータと、第2列C2のデータを比較すると、外圧型中空糸膜エレメントの運転時間が同じである場合、C2の膜間圧差の方が小さくなる。したがって、同じ時間運転した後、C2の中空糸膜束の表面に蓄積する汚染物質はより少なくなる。このことから、2つの端末部材130-1の両方に隙間通路131-1を設けることにより、原水の排出過程において、汚染物質の一部をスムーズに排出し、中空糸膜束の表面に蓄積する汚染物質を低減することができることがわかる。
【0073】
第2列C2のデータと、第3列C3のデータを比較すると、外圧型中空糸膜エレメントの運転時間が同じである場合、C3の膜間圧差の方が小さくなる。したがって、同じ時間運転した後、C3の中空糸膜束の表面に蓄積する汚染物質はより少なくなる。このことから、外圧型中空糸膜エレメントの洗浄工程において、パルス式曝気装置を用いることによって、中空糸膜束の表面へ大きな衝撃を与えることができるため、中空糸膜束の表面の汚れをより良く洗浄できることがわかる。
【0074】
なお、別の実行可能な実施形態では、ケースの軸方向に垂直な方向において、隙間通路の断面は、扇形や環状扇形などの規則的又は不規則な形状を有してもよく、汚染物質が隙間通路を通過できる状態であれば構わない。
【0075】
さらには、端末部材は、環状アレイに分布した少なくとも4つの隙間通路が設けられており、2つの隙間通路の間に位置する集水通路の幅又は対応する中心角が大きすぎない、すなわち、集水通路に対応する中空糸膜束の幅又は対応する中心角が大きすぎないことにより、中空糸膜束の外面に多くの汚染物質が蓄積することを回避することもできる。
【0076】
具体的には、図5に示すように、本発明の別の実施形態は、ケースの軸方向に垂直な方向において、隙間通路231-1の断面が扇形である外圧型中空糸膜エレメントを提供する。端末部材230-1には、環状アレイに分布した6つの隙間通路231-1が設けられており、集水通路233-1の幅D1は、60mm未満である。
【0077】
具体的には、本実施形態では、ケースの外径は9寸、隙間通路の中心角aは60°である。ケースの軸方向に垂直な方向において、集水通路233-1は長方形である。
【0078】
【表3】
【0079】
表3におけるデータから、外圧型中空糸膜エレメントの運転時間が同じである場合、集水通路233-1の幅D1が小さいほど、膜間圧差が小さくなることがわかる。言い換えれば、集水通路の幅が小さいほど、隙間通路の断面積が大きくなり、中空糸膜束の表面に付着した汚染物質をより低減することができ、すなわち、ケースの内腔内の汚染物質をより良く排出することができる。
【0080】
もちろん、別の実行可能な実施形態では、隙間通路の構造はこれに限定されず、他の任意の規則的又は不規則な形状を有することもできる。
【0081】
同様に、隙間通路の分布は上記のものに限定されず、長方形アレイ分布などの規則的又は不規則な分布であってもよい。
【0082】
図6に示すように、本発明の別の実施形態において提供される外圧型中空糸膜エレメント300-1では、隙間通路331-1と集水通路333-1は同様に交互に間隔をあけて配置されているが、外圧型中空糸膜エレメント100-1と異なる点は、ケース110-1の軸方向に沿って、ケース110-1の軸方向に垂直な隙間通路331-1の断面積が外側から内側に向かって徐々に減少することである。原水又は曝気は、隙間通路331-1を通ってケース110-1の内腔111-1に流れる。原水又は曝気が隙間通路331-1を通って流れる過程において、ケース110-1の軸方向に垂直な隙間通路331-1の断面積が外側から内側に向かって徐々に減少するため、原水又は曝気の流速が増加する。すなわち、隙間通路から流出するときの原水又は曝気の流速が増加し、それにより、中空糸膜束の根元への原水又は曝気の衝撃力が増加する。
【0083】
一般的に、汚染物質は、中空糸膜束の根元から中央に向かって徐々に付着し、中空糸膜束の根元にはより多くの汚染物質が付着する。中空糸膜束の根元への原水の衝撃力を大きくすることで、中空糸膜束の根元に付着する汚染物質を効率的に減らすことができる。中空糸膜束の根元への曝気ガスの衝撃力を大きくすることで、中空糸膜束の根元の汚れをより迅速に取り除くことができる。
【0084】
本発明の一実施形態では、本発明で提供する外圧型中空糸膜エレメントを含むろ過装置をさらに提供する。
【0085】
上記ろ過装置では、2つの端末部材の両方に隙間通路が設けられているため、ケースの内腔から原水や曝気をスムーズに排出することができる。その結果、中空糸膜フィラメントの外側の汚染物質を隙間通路から容易に流出させ、中空糸膜フィラメントの根元に汚染物質が過剰に蓄積することを回避できる。したがって、外圧型中空糸膜エレメントのろ過効率を確保しつつ、外圧型中空糸膜エレメントのろ過エネルギー消費量を低減することができる。
【0086】
図7図10に示すように、本発明の一実施形態は、ケース110及び第1の端部カバー130を含むろ過膜エレメント100を含む。具体的には、ケース110は、内腔111と、対向する第1の端部113及び第2の端部115とを有する。第1の端部カバー130は、ケース110の第1の端部113に密着して接続されている。第1の端部カバー130は、ケース110の内腔と連通し、かつ、両側に開口を有する気体輸送通路131を有する。気体輸送通路131は、側面に開口を有するため、気体輸送通路131と別のろ過膜エレメント100の気体輸送通路131との接続を容易にする。
【0087】
ろ過膜エレメント100を膜ろ過モジュールに組み立てる場合、隣接するろ過膜エレメント100の気体輸送通路131を突合わせて接続する。組み立てられた膜ろ過モジュールは、気体輸送管を1つだけ設けていればよく、ろ過膜エレメント100ごとに別々の気体輸送管が必要となることを回避する。このように、組み立てられた膜ろ過モジュールの構造は簡素化し、占有スペースは小さくなる。
【0088】
ろ過膜エレメント100を膜ろ過モジュールに組み立てることにより、ろ過膜エレメント100は個別に取り扱い又は輸送することができるため、使用環境に輸送された後に組み立てることができる。また、ろ過膜エレメント100を膜ろ過モジュールに組み立てることにより、ろ過膜エレメント100ごとに個別の気体輸送管を設ける必要がないため、膜ろ過モジュールの構造を簡素化し、輸送に便利となる。
【0089】
気体輸送通路の開口が下側にある従来のろ過膜エレメントと比較して、本実施形態では、気体輸送通路131は、開口が側面に配置されているため、2つのろ過膜エレメント100の気体輸送通路を突合わせて接続する場合、操作者は、気体輸送通路131の開口の位置を観察するのに都合がよい。2つの気体輸送通路131を突合わせて接続する場合、操作位置もろ過膜エレメント100の側面にあるため、ろ過膜エレメントを持ち上げたり、ろ過膜エレメントを回転させたりすることなく、2つの気体輸送通路を接合するにも都合がよいことが理解される。
【0090】
ろ過膜エレメント100は、ケースの内腔に設けられた中空糸膜150をさらに含むことが理解される。ろ過膜エレメント100は、外圧型ろ過を採用し、気体輸送通路131と中空糸膜150の外側とか連通している。もちろん、他の実施形態では、ろ過膜エレメントが内圧型ろ過を採用する場合、気体輸送通路と中空糸膜の内腔とが連通している。
【0091】
気体輸送通路131は、中空糸膜150の表面に付着した汚れを洗浄するための曝気ガスを投入するための通路を形成するために使用されることが理解される。
【0092】
本実施形態では、気体輸送通路131の2つの開口は対向して配置されており、気体輸送通路131の開口に垂直な2本の直線は同一直線上または平行である。別の実行可能な実施形態では、気体輸送通路131の2つの開口が対向して配置されることに限定されない、すなわち、気体輸送通路131の2つの開口に垂直な直線は平行でなくてもよいことが理解される。具体的には、ろ過膜エレメント100は、特定の用途に応じて配置され、ひいては、気体輸送通路131の開口の位置はそれに応じて配置される。
【0093】
本実施形態では、第1の端部カバー130は、ケース110の内腔111と連通し、かつ、両側に開口を有する第1の水流通路133をさらに有する。第1の水流通路133は、別のろ過膜エレメント100の第1の水流通路133と突合わせて接続することができる。同様に、膜ろ過モジュールに組み立てる場合、隣接するろ過膜エレメント100の第1の水流通路133を突合わせて接続して、ろ過膜エレメントごとに個別の給水管を設ける必要がない。その結果、組み立てられた膜ろ過モジュールの構造を簡素化し、占有スペースを小さくする。
【0094】
同様に、本実施形態では、ろ過膜エレメント100は外圧型ろ過を採用し、第1の水流通路133と中空糸膜150の外側とが連通している。もちろん、他の実施形態では、ろ過膜エレメントが内圧型ろ過を採用する場合、第1の水流通路133と中空糸膜の内側とが連通している。
【0095】
本実施形態では、気体輸送通路131は第1の水流通路133と平行に配置されている。別の実行可能な実施形態では、気体輸送通路と水流通路とは平行ではなく、気体輸送通路と水流通路の延長方向も非線形であってもよいことが理解される。
【0096】
本実施形態では、ろ過膜エレメント100は、気体輸送通路131の開口及び第1の水流通路133の開口に、取り外し可能に接続する接続エレメント180をさらに含む。換言すれば、接続エレメント180は、気体輸送通路131と別のろ過膜エレメント100の気体輸送通路131との接続、及び、第1の水流通路133と別のろ過膜エレメント100の第1の水流通路133との接続を実現するために使用される。接続エレメント180によって、2つのろ過膜エレメントの気体輸送通路及び水流通路のそれぞれの接続を同時に実現し、2つのろ過膜エレメント100の組み立てをより簡単にすることができる。
【0097】
具体的には、本実施形態では、図9に示すように、接続エレメント180は取り外し・突合わせ接続可能な2つのダブルポートクランプハーフ181を含む。具体的には、本実施形態では、2つのダブルポートクランプハーフ181は、ボルト185によって突合わせ接続される。2つのダブルポートクランプハーフ181は、突合わせ接続して、それぞれ気体輸送通路131の開口及び第1の水流通路133の開口に接続するための2つのポート182を形成できるため、2つの気体輸送通路131の突合わせ接続、及び、2つの第1の水流通路133の突合わせ接続を実現する。
【0098】
本実施形態では、接続エレメント180は2つの第1の密封リング183をさらに含む。2つの第1の密封リング183は、それぞれ、2つのダブルポートクランプハーフ181をロックすることで形成された2つのポート182内に配置することができ、かつ、2つの気体輸送通路131の突合わせ接続箇所の外側壁、及び、2つの第1の水流通路133の突合わせ接続箇所の外側壁に外装され、それぞれ気流及び液体の漏れを防ぐために使用される。もちろん、別の実行可能な実施形態では、2つの気体輸送通路131の密封接続、及び、2つの第1の水流通路133の密封接続を実現する方法は、これに限定されず、例えば、密封剤による密封又は気密などであってもよい。
【0099】
本実施形態では、第1の端部カバー130とケース110とは、密封接続エレメント120によって密封接続されている。具体的には、図10に示すように、第1の端部カバー130は、ケース110に外装される接続セクション135を有し、接続セクション135の外表面に雄ネジが設けられている。具体的には、密封接続エレメント120は、ケース110に外装されるネジ付きスリーブ121、及び、ケース110に外装される脱落防止部材127を含む。ネジ付きスリーブ121は、内表面に第1の端部カバー130の雄ネジと整合する雌ネジ、及び、当接面1211を有する。脱落防止部材127の外側面はネジ付きスリーブ121の当接面1211に当接するために用いられる。脱落防止部材127の外側面1271は、ケース110から離れた位置にある脱落防止部材127の表面であることが理解される。ネジ付きスリーブ121の内表面とケース110の外表面の間に第1の隙間10があるため、接続セクション135がネジ付きスリーブ121の内表面とケース110の外表面との間に設置されるようになる、すなわち、ネジ付きスリーブ121と接続セクション135とのネジ接続を実現することができるということが理解される。したがって、第1の端部カバー130とケース110を接続する場合、第1の端部カバー130とケース110の相対位置を調整し、ネジ付きスリーブ121を回転すればよく、第1の端部カバー130とケース110が、ケース110の軸方向に垂直な位置に沿うことを効果的に確保し、その結果、2つのろ過膜エレメント100の第1の端部カバー130の気体輸送通路131をスムーズに接続することができる。ケース110の軸方向は図8の点線で示されていることが理解される。
【0100】
密封接続エレメント120によって第1の端部カバー130とケース110とが組み立てられる場合、第1の端部カバー130を適切な位置に配置し、ネジ付きスリーブ121を回転すればよく、構造が簡単で操作もしやすい。
【0101】
本実施形態では、ネジ付きスリーブ121の当接面1211はテーパー面であるため、ネジ付きスリーブ121の当接面1211に対応する部分が、脱落防止部材127に外装されることを簡単にする。
【0102】
本実施形態では、脱落防止部材127は、破断環状の形状を有し、その結果、ネジ付きスリーブ121が脱落防止部材127に徐々に外装されると、脱落防止部材127が弾性変形してケース110に当接することができる。すなわち、ケース110の軸方向に垂直な方向の圧力をケース110に加えると、ケース110と脱落防止部材127との間の摩擦力を増加させ、ひいては、脱落防止部材127がケース110に対して軸方向に沿って滑ることを効果的に防止する。同時に、脱落防止部材127は、ケース110の軸方向に垂直な力をネジ付きスリーブ121に加え、それにより、ネジ付きスリーブ121と脱落防止部材127の外側面との間の摩擦力を増加させ、ひいては、ネジ付きスリーブ121が脱落防止部材127に対してケース110の軸方向に沿って滑ることを効果的に防止する。したがって、ネジ付きスリーブ121がケース110に対してケース110の軸方向に沿って滑ることを効果的に防止し、それにより、ネジ付きスリーブ121の脱落を効果的に防止する。
【0103】
本実施形態では、脱落防止部材127は、内側面が歯面であり、脱落防止部材127の硬度がケース110の硬度よりも大きい。したがって、脱落防止部材127とケース110との間の圧力が比較的大きい場合、ケース110の外表面を内側に凹ませて変形させることができる。脱落防止部材127の内側面の歯は、ケース110の外表面の凹みに嵌まり、脱落防止部材127が、ケース110に対して、ケース110の軸方向に沿って滑ることをさらに防止する。
【0104】
本実施形態では、密封接続エレメント120は、ケース110と、第1の端部カバー130の接続セクション135との間に設けられた第2の密封リング125をさらに含み、ケース110と第1の端部カバー130との間の密封し、気流や液体の漏れを防止する。
【0105】
本実施形態では、密封接続エレメント120は、ケース110に固定的に外装されたストッパー123をさらに含む。具体的には、本実施形態では、第1の端部カバー130の接続セクション135の内表面は、第1の制限面1351を有し、ストッパー123は、第1の制限面1351に対向して配置された第2の制限面1231を有する。第2の制限面1231は、ケース110の軸方向に平行ではなく、そのため、第1の制限面1351と第2の制限面1231とが直接又は間接的に当接する場合、第1の端部カバー130は、ケース110の軸方向に沿ってストッパー123に対して固定され、ひいては、第1の端部カバー130はケース110の軸方向に沿って、ケース110に対して固定される。
【0106】
本実施形態では、第2の密封リング125の両端は、それぞれ、第1の制限面1351及び第2の制限面1231に当接しており、そのため、第2の密封リング125がケース110の軸方向に沿ってストッパー123から離れる方向に滑ることを防止する。さらに、第2の密封リング125から離れたストッパー123の一端は、脱落防止部材127に当接している。すなわち、ストッパー123は、脱落防止部材127と密封リング125との間にあるため、第2の密封リング125がケース110の軸方向に沿って脱落防止部材127の一端に滑ることを防止し、これにより、ケース110の軸方向に沿った第2の密封リング125の位置をより適切に制限し、ひいては、ケース110と第1の端部カバー130との間の密封をより良く確保する。
【0107】
本実施形態では、第1の制限面1351及び第2の制限面1231は、両方とも平面であり、かつ、ケース110の軸方向に垂直である。別の実行可能な実施形態では、第1の制限面及び第2の制限面は、ケースの軸方向に垂直であることに限定されず、第1の制限面及び第2の制限面がケースの軸方向に平行でなければよいことが理解される。また、第1の制限面及び第2の制限面は、平面に限定されず、曲面又は折り畳み面などの規則的又は不規則な形状を有していてもよい。第1の制限面及び第2の制限面が非平面である場合、第2の密封リングが第1の制限面及び第2の制限面に取り付けられる面も曲面であり、これにより、第2の密封リングと、第1の制限面及び第2の制限面との間の密封効果を向上できる、すなわち、ケースと第1の端部カバーとの間の密封効果を向上できることが理解される。
【0108】
本実施形態では、第1の制限面と第2の制限面は、形状が同じである。別の実行可能な実施形態では、第1の制限面及び第2の制限面は、それぞれ、第2の密封リングに当接することができる限り、構造が異なっていてもよいことが理解される。
【0109】
本実施形態では、ストッパー123はストップリングである。ストッパー123は、ストップリングに限定されず、ケース110の軸方向に沿った第2の密封リング125の位置を制限することができればよいことが理解される。
【0110】
本実施形態では、ケース110の第1の端部113から離間したストッパー123の端部に、ネジ付きスリーブ制限面1232が設けられ、ネジ付きスリーブ121の内側には、ネジ付きスリーブ制限面1232と整合するストッパー当接面が設けられている。本実施形態では、ネジ付きスリーブ制限面1232は平面であり、かつ、ケース110の軸方向に垂直である。それにより、ケース110の軸方向に沿ったストッパーの位置をさらに制限することもでき、その結果、ストッパー123は第2の密封リング125に当接することができ、ひいては、ケース110の軸方向に沿った第2の密封リング125の位置をより良く制限することができる。別の実行可能な実施形態では、ネジ付きスリーブ制限面1232は平面に限定されず、ケース110の軸方向に垂直でなければよいことが理解される。
【0111】
また、ストッパー123の配置は、ケース110の軸方向に沿った脱落防止部材127の位置をさらに制限し、脱落防止部材127が当接面1211に当接することを確保し、その結果、ネジ付きスリーブ121がケースに対してより適切に固定される。
【0112】
本実施形態では、ストッパー123はまた、ケース110の軸方向に沿った第1の端部カバー130の位置を制限するために使用され、これにより、第1の端部カバー130はケース110に組み立てられた後に、ケース110に対して固定される。また、ケース110の軸方向に沿った第1の端部カバー130の位置をストッパーにより制限する場合、第1の端部カバー130は、ストッパー123に当接するため、ストッパー123は、第1の端部カバー130によるケースへの圧力の少なくとも一部を支え、第1の端部カバー130によるケース110の端部への圧力を効果的に低減または排除する。したがって、ケース110の端部が大きな力によって容易に損傷してしまうことを防止する。
【0113】
さらに、本実施形態では、ストッパー123は、第1の端部カバー130の接続セクション135の端面1353と整合する第3の制限面1233をさらに有し、第1の端部カバー130によるストッパー123の第2の制限面1231への圧力を緩和する。
【0114】
もちろん、別の実行可能な実施形態では、第1の端部カバーがケースの軸方向に沿ってケースに対して固定する方法は、これに限定されず、例えば、ケースの軸方向に沿った第1の端部カバーの位置は、ケースの端面によって直接制限されてもよいことが理解される。
【0115】
なお、ストッパー123はケース110と密封接続されているとともに、第2の密封リング125もケース110の表面と当接しており、これにより、ケース110と第1の端部カバー130との間の密封効果をさらに向上することもできる。
【0116】
もちろん、別の実行可能な実施形態では、ケース110と第1の端部カバー130との間の密封方式は、これに限定されず、密封剤による密封などであってもよい。
【0117】
本実施形態では、第1の端部カバー130の接続セクション135とケース110との間に第2の隙間20があり、ストッパー123は、ケース110と第1の端部カバー130の接続セクション135との間の第2の隙間20内に配置される。もちろん、別の実行可能な実施形態では、ストッパーは、第1の端部カバーの接続セクションとケースとの間の第2の隙間内に配置することに限定されない。したがって、ケースと第1の端部カバーの接続セクションとの間の第2の隙間は、接続セクションがケースに外装できる限り、小さく設定することができる。
【0118】
本実施形態では、ろ過膜エレメント100は、ケース110の第2の端部115に密封接続された第2の端部カバー170をさらに含む。第2の端部カバー170には、ケース110の内腔111と連通する2つの水流通路171が設けられている。具体的には、2つの水流通路171は、それぞれ第2の水流通路171b及び浄水水流通路171aである。第2の水流通路171bは、原水の流入、高濃度水の排出又は曝気ガスの排出に使用され、もう一つの水流通路171aは、ろ過された水の排出に使用される。ろ過膜エレメント100は、外圧型ろ過膜エレメントであるため、第2の水流通路171bは中空糸膜150の外側と連通し、浄水水流通路171aは中空糸膜150の内腔と連通している。
【0119】
本実施形態では、第2の端部カバー170とケース110との密封接続方法は、第1の端部カバー130とケース110との密封接続方法と同じであり、同じ説明は繰り返さない。
【0120】
別の実行可能な実施形態では、2つのろ過膜エレメントの気体輸送通路の突合わせ接続は、接続エレメントによることに限定されず、2つのろ過膜エレメントの気体輸送通路の突合わせ接続のみを実現するための接続構造を取ることもできると理解される。
【0121】
もちろん、別の実行可能な実施形態では、気体輸送通路の開口における外側壁の機構を設けることにより、2つのろ過膜エレメントの気体輸送通路の開口の突合わせ接続を実現することもできる。例えば、2つの気体輸送通路の開口における外側壁を係合させることにより、2つのろ過膜エレメントの気体輸送通路の開口の突合わせ接続を実現できる。
【0122】
図11は、本発明の別の実施形態による2つのろ過膜エレメントの気体輸送通路231の突合わせ接続方法を示している。具体的には、一方の開口に近い気体輸送通路231の外側壁は、第1の突合わせセクション232を構成し、他方の開口に近い気体輸送通路231の外側壁は、第2の突合わせセクション234を構成する。第1の突合わせセクション232は、別のろ過膜エレメントの第2の突合わせセクション234に固定的かつ密封的に外装される。
【0123】
具体的には、本実施形態では、第1の突合わせセクション232と第2の突合わせセクション234は、第3の密封リング236を介して密封接続されている。もちろん、別の実行可能な実施形態では、第1の突合わせセクションと第2の突合わせセクションの密封接続は、例えば、密封剤による密封又は気密などの他の方法でも実現することができる。
【0124】
本実施形態では、第1の突合わせセクション232と第2の突合わせセクション234は、締まりばめによって固定的に接続されている。別の実行可能な実施形態では、第1の突合わせセクションと第2の突合わせセクションとの固定接続方法は、これに限定されず、締め付け接続などであってもよい。
【0125】
図12図14に示すように、本発明の一実施形態による膜ろ過モジュール300は、本発明によって提供されるろ過膜エレメント100を含む。
【0126】
膜ろ過モジュール300は、隣接するろ過膜エレメントの気体輸送通路が突合わせ接続されており、ろ過膜エレメントごとに気体輸送通路を個別に設ける必要がない。それにより、組み立てられた膜ろ過モジュールの構造を簡素化し、占有スペースを小さくする。
【0127】
本実施形態では、膜ろ過モジュール300は、第2の水流通路171bと連通する加圧配管310をさらに含む。加圧配管310とケース110の第2の端部115との間の間隔は、浄水水流通路171aとケース110の第2の端部115との間の距離よりも大きい。一般的に、使用中、第2の端部カバー170の高さは、第1の端部カバー130の高さよりも高い。したがって、加圧配管310の配置は、ケース110の内腔内の水面の高さを増加させることができ、これにより、中空糸膜150を介した浄水の透過を促進し、それにより、膜ろ過モジュールのろ過効率をより良く向上することができる。
【0128】
なお、加圧配管310と水流通路171aとの間の高さの差は、200mmから3000mmとすることができる。
【0129】
また、図13に示すように、膜ろ過モジュール300の使用方法の1つは、第1の水流通路133が原水の流入通路及び高濃度水の排出通路として使用され、水流通路171aがろ過水の排出通路として使用される。気体輸送通路131は、圧縮空気の投入に使用され、中空糸膜の洗浄を実現する。洗浄が完了した後、ケース110の内腔111内の高濃度水は、第1の水流通路133を介して排出することができる。
【0130】
もちろん、ケース110内の液面が、加圧配管が配置されている位置まで上昇すると、高濃度水も加圧配管310を介して排出することもできる。
【0131】
なお、図14に示すように、ろ過膜エレメント100の別の使用方法は、水流通路171bが原水の流入通路として使用され、水流通路171aがろ過水の排出通路として使用される。すなわち、原水は、加圧配管310から離間した水流通路171bの一端から流入される。気体輸送通路131は、圧縮空気の投入に使用され、中空糸膜の洗浄を実現する。洗浄が完了した後、ケース110の内腔111内の高濃度水は、第1の水流通路133を介して排出することができる。もちろん、ケース110内の液面が、加圧配管が配置されている位置まで上昇すると、高濃度水も加圧配管310を介して排出することができる。
【0132】
上記の実施形態の各技術的特徴は、任意に組み合わせることができる。説明を簡潔にするために、上記の実施形態における各技術的特徴の全ての可能な組み合わせは記載されていない。しかしながら、これらの技術的特徴の組み合わせは、本発明の趣旨と矛盾しない限り、本明細書の記載範囲に含まれるとみなされるべきである。
【0133】
上記の実施形態は、本発明のいくつかの実施形態を例示するだけのものであり、その説明は、具体的かつ詳細であるが、それらは、本発明の請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。当業者にとって、本発明の趣旨を逸脱することなく、いくつかの変更及び改善を行うことができ、これらはすべて本発明の保護範囲に含まれることに留意すべきである。したがって、本発明に係る本特許出願の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義されるべきである。
図1
図2
図3
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図10
図11
図12
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図14