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特許7368637線維芽細胞活性化タンパク質を阻害するための化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】線維芽細胞活性化タンパク質を阻害するための化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/12 20060101AFI20231017BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20231017BHJP
   A61K 31/4709 20060101ALI20231017BHJP
   A61K 49/00 20060101ALI20231017BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20231017BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20231017BHJP
   C07K 5/062 20060101ALI20231017BHJP
   C07K 5/083 20060101ALI20231017BHJP
   C07K 5/087 20060101ALI20231017BHJP
【FI】
C07D401/12 CSP
C07D401/14
A61K31/4709
A61K49/00
A61P17/00
A61P35/00
C07K5/062
C07K5/083
C07K5/087
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022560141
(86)(22)【出願日】2021-03-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-12
(86)【国際出願番号】 CZ2021050036
(87)【国際公開番号】W WO2021197519
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-09-30
(31)【優先権主張番号】PV2020-177
(32)【優先日】2020-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CZ
(73)【特許権者】
【識別番号】516213013
【氏名又は名称】ウスタフ オルガニッケ ヘミエ アー ビオヘミエ アカデミエ ヴェド ツェーエル,ヴェー.ヴェー.イー
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】シムコヴァ,アデラ
(72)【発明者】
【氏名】サシャ,パヴェル
(72)【発明者】
【氏名】シディ,ナタン
(72)【発明者】
【氏名】オームスビー,テレザ
(72)【発明者】
【氏名】コンヴァリンカ,ヤン
【審査官】鳥居 福代
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/107820(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/154859(WO,A1)
【文献】特表2014-527070(JP,A)
【文献】J. Med. Chem.,2014年,Vol.57,pp.3053-3074
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
C07K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式Iのキノリンカルボキサミド化合物:
【化1】
式中、RおよびRは、H、D、およびFからなる群から独立して選択され、
は、H、D、およびC1~C5アルキルからなる群から選択され、
およびRは、H、D、-OH、C1~C3アルコキシおよび構造-X-Y-Zからなる群から独立して選択され、ここで、Xは酸素または-NH-であり、Yは、
【化2】
であり、ここで、kは5~15の整数であり、mは1~3の整数であり、Zは、
【化3】
であり、
は、H、D、C1~C10アルキル、C3~C10シクロアルキル、アダマンチル、および置換もしくは非置換のアリールまたはC7~C20アルキルアリールからなる群から選択され、ここで、前記アリールは、
【化4】
であり、
式中、RおよびR11は、H、D、ハロゲン、C1~C3アルキル、C1~C3アルコキシ、-CF、および-C(=O)-OR12からなる群から独立して選択され、
ここで、R12は、H、D、ハロゲン、およびC1~C4アルキルまたはC1~C2アルキルからなる群から選択され、
、RおよびR10は、H、D、ハロゲン、-OMe、C1~C3アルキル、C1~C3アルコキシまたはC1~C2アルコキシ、-CF、および-C(=O)-OR12からなる群から独立して選択され、
あるいは、Rは、
【化5】
であり、
式中、R13は、-OR12、-NHR12、-N(-CH)R12、ピロリジン、およびモルフォリンからなる群から選択され、
14およびR15は、H、D、C1~C5アルキル、フェニル、3,4-ジメトキシフェニル、ベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、および非置換C3~C8ヘテロアルキルアリールからなる群から独立して選択され、
16およびR17は、H、D、C1~C6アルキル、フェニル、ベンジル、4-ヒドロキシベンジル、非置換C3~C8ヘテロアルキルアリール、-(CH-C(=O)-OR18、-(CH-C(=O)-NR1920、および-(CH-NR2122からなる群から独立して選択され、ここで、nは1~4の整数であり、
18は、H、D、C1~C3アルキル、およびベンジルからなる群から選択され、
19およびR20は、H、D、C1~C3アルキル、ベンジル、および3,4-ジメトキシベンジルからなる群から独立して選択され、且つ
21およびR22は、H、D、および(ベンジルオキシ)カルボニルからなる群から独立して選択される。
【請求項2】
(S)-N-(2-(2-(2-(ベンジルアミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)キノリン-4-カルボキサミド、
(S)-N-(2-(2-(2-((3,4-ジメトキシベンジル)アミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)-キノリン-4-カルボキサミド、
(S)-N-(2-(2-(2-((4-フルオロベンジル)アミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)キノリン-4-カルボキサミド、
(S)-N-(2-オキソ-2-(2-(2-オキソ-2-(フェネチルアミノ)アセチル)ピロリジン-1-イル)エチル)キノリン-4-カルボキサミド、
(S)-N-(2-(2-(2-((3,4-ジメトキシフェネチル)アミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)キノリン-4-カルボキサミド、
(S)-N-(2-(2-(2-((4-メトキシフェニル)アミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)キノリン-4-カルボキサミド、
メチル(S)-4-(2-オキソ-2-(1-((キノリン-4-カルボニル)グリシル)ピロリジン-2-イル)アセトアミド)ベンゾアート、
(S)-N-(2-(2-(2-(シクロプロピルアミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)キノリン-4-カルボキサミド、
(S)-N-(2-(2-(2-(イソプロピルアミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)キノリン-4-カルボキサミド、
(S)-N-(2-オキソ-2-(2-(2-オキソ-2-(ペンチルアミノ)アセチル)ピロリジン-1-イル)エチル)キノリン-4-カルボキサミド、
メチル(S)-(2-オキソ-2-(1-((キノリン-4-カルボニル)グリシル)ピロリジン-2-イル)アセチル)グリシナート、
tert-ブチル(S)-(2-オキソ-2-(1-((キノリン-4-カルボニル)グリシル)ピロリジン-2-イル)アセチル)グリシナート、
メチル(2-オキソ-2-((S)-1-((キノリン-4-カルボニル)グリシル)ピロリジン-2-イル)アセチル)アラニナート、
(S)-N-(2-(2-(2-((2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)キノリン-4-カルボキサミド、
(S)-N-(2-(2-(2-((2-(エチル(プロピル)アミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)キノリン-4-カルボキサミド、
(S)-N-(2-(2-(2-((2-(イソプロピルアミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)キノリン-4-カルボキサミド、
(S)-N-(2-(2-(2-((2-(ベンジルアミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)キノリン-4-カルボキサミド、
メチル(2-オキソ-2-((S)-1-((キノリン-4-カルボニル)グリシル)ピロリジン-2-イル)アセチル)グリシル-L-ロイシナート、
メチル(2-オキソ-2-((S)-1-((キノリン-4-カルボニル)グリシル)ピロリジン-2-イル)アセチル)グリシル-L-フェニルアラニナート、
メチル(2-オキソ-2-((S)-1-((キノリン-4-カルボニル)グリシル)ピロリジン-2-イル)アセチル)グリシル-L-グルタミナート、
5-ベンジル1-メチル(2-オキソ-2-((S)-1-((キノリン-4-カルボニル)グリシル)ピロリジン-2-イル)アセチル)-グリシル-L-グルタマート、
ベンジルN-((ベンジルオキシ)カルボニル)-N-((2-オキソ-2-((S)-1-((キノリン-4-カルボニル)グリシル)-ピロリジン-2-イル)アセチル)グリシル)-L-リシナート、
(S)-S-(62-((4-((2-(2-(2-((3,4-ジメトキシベンジル)アミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)カルバモイル)キノリン-7-イル)オキシ)-2,5,8,11,61-ペンタオキソ-15,18,21,24,27,30,33,36,39,42,45,48,51,54,57-ペンタデカオキサ-3,6,9,12,60-ペンタアザ-ドヘキサコンチル)-エタンチオナート、
および(S)-N-(2-(2-(2-((3,4-ジメトキシベンジル)アミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)-7-(2-(6-ヒドラジニルニコチンアミド)エトキシ)キノリン-4-カルボキサミド
からなる群から選択される、請求項1に記載の一般式Iのキノリンカルボキサミド化合物。
【請求項3】
医薬としての使用のための、請求項1または2に記載の一般式Iのキノリンカルボキサミド化合物を含む組成物
【請求項4】
がんの治療における医薬としての使用のための、請求項1または2に記載の一般式Iのキノリンカルボキサミド化合物を含む組成物
【請求項5】
上皮腫瘍の治療における使用のための、請求項1または2に記載の一般式Iのキノリンカルボキサミド化合物を含む組成物
【請求項6】
腫瘍組織の標的診断における使用のための、請求項1または2に記載の一般式Iのキノリンカルボキサミド化合物を含む組成物
【請求項7】
上皮腫瘍の標的診断における使用のための、請求項1または2に記載の一般式Iのキノリンカルボキサミド化合物を含む組成物
【請求項8】
治療学的に有効量の請求項1または2に記載の一般式Iの化合物と、随意に少なくとも1つの薬学的に許容可能なキャリア、賦形剤および/または希釈剤と、を含む医薬組成物。
【請求項9】
がん、特に上皮腫瘍の治療における使用のための、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
治療学的に有効量の請求項1または2に記載の一般式Iの化合物と、随意に少なくとも1つの薬学的に許容可能なキャリア、賦形剤および/または希釈剤と、を含む診断用組成物。
【請求項11】
腫瘍組織の標的診断における使用のための、請求項10に記載の診断用組成物。
【請求項12】
上皮腫瘍の標的診断における使用のための、請求項10に記載の診断用組成物。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明の目的は、がんの治療および診断を標的とするために適した新規化合物を提供することである。
【0002】
〔背景技術〕
線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)は、多くの急速に増殖する組織、特に上皮腫瘍の線維芽細胞において発現されるセリンプロテアーゼである。健康な成人の組織において低発現または検出不可能な発現のために、FAPは、がんの治療および診断を標的とするための有望なプラットフォームである。多くの研究において、FAPは腫瘍増殖に関与しているが、FAPの阻害が腫瘍増殖を遅らせることは示されていない(Busek et al. 2018, Front. Biosci., 1933に要約されている)。
【0003】
病理組織におけるその特異的な発生および活性化線維芽細胞の原形質膜の外側へのその固定のために、FAPは、正確に腫瘍組織を標的化することが可能であるため、理想的な分子アドレスであると思われる。初期の研究は、このアプローチがPET/CTを用いる腫瘍の診断に関連することを示している。選択的FAP阻害剤と68Ga放射性同位体を保有するDOTAキレート剤とのコンジュゲートは、現在使用されている(18F)-フルオロデオキシグルコース(FDG)に匹敵する腫瘍組織画像化感度を可能にした。現行の方法に対するこのアプローチの主な利点は、高グルコース消費を伴う組織によって生成された偽陽性シグナルの除去である(Lindner et al. 2018, J. Nucl. Med., 1415)。
【0004】
腫瘍標的化のためのプラットフォームとしてのFAP分子認識の使用は関連があることが示されているが、標的組織におけるこの酵素の天然の発現は依然として非常に低く、したがって、極めて高い親和性を有する高度に選択的な阻害剤または基質の使用が必要である。内因的に発現されたFAPの濃度が低いために、この酵素はまた、実験室条件下で研究することが困難であり、したがって、FAPの過剰発現を有するモデルがほとんど独占的に使用される。
【0005】
式Aおよび式Bの化合物(下記参照)は、現在まで最良の親和性特性および選択性特性を有し(Jansen et al. 2014, J. Med. Chem., 3053)、FAPを標的とするために現在使用されている。式Bの化合物は、その構造の各部分が高度に最適化された、FAP阻害剤の構造と活性との相関性に関する広範な研究の成果である(例えば、Jansen et al. 2013, ACS Med. Chem. Lett., 491;Poplawski et al. 2013, J. Med. Chem., 3467;Ryabtsova et al. 2012, Bioorg. Med. Chem. Lett., 3412)。前記分子は、FAPペプチド基質X-Gly-Pro-Y(式中、XおよびYは任意のペプチド配列である)に由来する。Gly-Proモチーフは、FAP活性部位に対する物質の親和性に必須である(Edosada et al. 2006, FEBS Lett., 1581)。N端末4カルボニルキノリンは、広範な最適化の結果であり、前記ジペプチドGly-Proの最も適切な置換基を表す。阻害の目的のために、FAP酵素基質におけるプロリンの後ろのペプチド結合は、活性ヘッド、すなわち、求電子性中心を有し且つ酵素の触媒部位で求核攻撃を受けることができる基、で置き換えることができる。
【0006】
【化1】
【0007】
これまで、以下の官能基のみがこの目的のために使用されてきた:ボロン酸、クロロメチルケトンおよびニトリル。これまで最も機能したのはニトリル基であり、ニトリルFAP阻害剤は、インビボで腫瘍を標的とするために使用されている(Lindner et al. 2018, J. Nucl. Med., 1415)。
【0008】
上述のように、阻害剤の極端な親和性は、インビボおよびインビトロでのFAPの最適な標的化に必要である。阻害剤分子のN末端部分は高度に最適化されているが、C末端部分はまだ探索されていない。したがって、分子のこの部分を最適化することはまた、阻害剤の所望の親和性をさらに増加させる可能性を開く。
【0009】
本発明において、本発明者らは、置換可能な活性ヘッド、具体的にはα-ケトアミドを使用することによって、阻害剤と酵素の活性部位との相互作用の数を予想外に拡大することが可能であり、したがって、この阻害剤のFAPに対する親和性を有意に改善することを示す。
【0010】
構造と活性との間の関係性の広範な研究から、本発明者らは、それらの親和性および阻害能力の観点で、全ての既知のFAP阻害剤をはるかに超える多くの物質を得た。これらの物質は、既に言及されている類似の用途、すなわち、診断および治療の目的のための腫瘍の特異的標的化のために、または内因性FAP発現の研究における実験室目的のために、使用することができる。
【0011】
〔発明の開示〕
本発明は、線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)を阻害するための新規で予想外に高度に効果的な化合物を形成するための、新規活性ヘッド、具体的にはα-ケトアミドの使用に基づく。α-ケトアミド基のために本明細書中で提案した窒素置換は、FAPに対する物質の親和性を劇的に増加させる。開示される化合物は、診断または治療の目的のために腫瘍組織を標的とするために使用することができる。
【0012】
本発明は、線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)に対して高い阻害活性を示すキノリンカルボキサミド化合物を提供し、前記化合物は一般式Iを有している:
【0013】
【化2】
【0014】
式中、RおよびRは、H、D、およびFからなる群から独立して選択され、
は、H、D、およびC1~C5アルキルからなる群から選択され、
およびRは、H、D、-OH、C1~C3アルコキシおよび構造-X-Y-Zからなる群から独立して選択され、ここで、Xは、酸素または-NH-であり、Yは、
【0015】
【化3】
【0016】
であり、ここで、kは5~15の整数であり、mは1~3の整数であり、Zは、
【0017】
【化4】
【0018】
であり、
は、H、D、C1~C10アルキル、C3~C10シクロアルキル、アダマンチル、および置換もしくは非置換のアリールまたはC7~C20アルキルアリールからなる群から選択され、ここで、前記アリールは、
【0019】
【化5】
【0020】
であり、
式中、RおよびR11は、H、D、ハロゲン、C1~C3アルキル、C1~C3アルコキシ、-CF、および-C(=O)-OR12からなる群から独立して選択され、ここで、R12は、H、D、ハロゲン、C1~C4アルキル、およびC1~C2アルキルからなる群から選択され、
、RおよびR10は、H、D、ハロゲン、-OMe、C1~C3アルキル、C1~C3アルコキシまたはC1~C2アルコキシ、-CF、および-C(=O)-OR12からなる群から独立して選択され、
あるいは、Rは、
【0021】
【化6】
【0022】
であり、
式中、R13は、-OR12、-NHR12、-N(-CH)R12、ピロリジン、およびモルフォリンからなる群から選択され、
14およびR15は、H、D、C1~C5アルキル、フェニル、3,4-ジメトキシフェニル、ベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、および非置換C3~C8ヘテロアルキルアリールからなる群から独立して選択され、
16およびR17は、H、D、C1~C6アルキル、フェニル、ベンジル、4-ヒドロキシベンジル、非置換C3~C8ヘテロアルキルアリール、-(CH-C(=O)-OR18、-(CH-C(=O)-NR1920、および-(CH-NR2122からなる群から独立して選択され、ここで、nは1~4の整数であり、
18は、H、D、C1~C3アルキル、およびベンジルからなる群から選択され、
19およびR20は、H、D、C1~C3アルキル、ベンジル、および3,4-ジメトキシベンジルからなる群から独立して選択され、且つ
21およびR22は、H、D、および(ベンジルオキシ)カルボニルからなる群から独立して選択される。
【0023】
本明細書に記載されるように、別段の指示がない限り、個々の置換基は、以下の意味を有する:
- アルキルは、この用語の各出現時に示される炭素数を含む、直鎖または分枝鎖の炭化水素鎖であり、具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、3-メチルペンチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチルなどを含む;
- シクロアルキルは、この用語の各出現時に示される炭素数を含む、環状炭化水素鎖であり、具体的には、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを含む;
- ヘテロシクロアルキルは、この用語の各出現時に示される炭素数を含み、且つ少なくとも1個の窒素原子または酸素原子を含む、環状炭化水素鎖であり、具体的には、ピロリジン、ピペリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ピペラジン、モルホリンを含む;
- アリールは、1個以上の芳香族核を含む炭化水素基であり、この用語の各出現時に示される炭素数を含み、置換されていないか、またはD、-OH、アルコキシ、NH、-NO、-CN、-C(=O)-O-アルキルおよびハロゲンからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい;
- ヘテロアルキルアリールは、少なくとも1つの芳香族核を有するアルキル基であり、この用語の各出現時に示される炭素数と、酸素、窒素および硫黄からなる群からの少なくとも1つのヘテロ原子とを含み、好ましくは、アリールは、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、インドールおよびピリジンから選択され、置換されていないか、または-OH、-O(アリール)、-O(アリールアルキル)、-C(O)-、-CNおよびハロゲンからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい;
- アルキルアリールは、置換されていないか、またはD、-OH、アルキル、アルコキシ、-O(アリール)、-O(アリールアルキル)、-C(=O)-、-C(=O)-O-アルキル、-CN、およびハロゲンからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい、1つ以上のアリール基で置換されるアルキル基を表す;
- アルコキシは、酸素原子を介して直接的に結合した、飽和の、直鎖または分枝鎖の、C~C10炭化水素鎖を意味し、具体的には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t-ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、イソヘキシルオキシなどを含む。
【0024】
本発明は、
(S)-N-(2-(2-(2-(ベンジルアミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)キノリン-4-カルボキサミド、
(S)-N-(2-(2-(2-((3,4-ジメトキシベンジル)アミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)-キノリン-4-カルボキサミド、
(S)-N-(2-(2-(2-((4-フルオロベンジル)アミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)キノリン-4-カルボキサミド、
(S)-N-(2-オキソ-2-(2-(2-オキソ-2-(フェネチルアミノ)アセチル)ピロリジン-1-イル)エチル)キノリン-4-カルボキサミド、
(S)-N-(2-(2-(2-((3,4-ジメトキシフェネチル)アミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)キノリン-4-カルボキサミド、
(S)-N-(2-(2-(2-((4-メトキシフェニル)アミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)キノリン-4-カルボキサミド、
メチル(S)-4-(2-オキソ-2-(1-((キノリン-4-カルボニル)グリシル)ピロリジン-2-イル)アセトアミド)ベンゾアート、
(S)-N-(2-(2-(2-(シクロプロピルアミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)キノリン-4-カルボキサミド、
(S)-N-(2-(2-(2-(イソプロピルアミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)キノリン-4-カルボキサミド、
(S)-N-(2-オキソ-2-(2-(2-オキソ-2-(ペンチルアミノ)アセチル)ピロリジン-1-イル)エチル)キノリン-4-カルボキサミド、
メチル(S)-(2-オキソ-2-(1-((キノリン-4-カルボニル)グリシル)ピロリジン-2-イル)アセチル)グリシナート、
tert-ブチル(S)-(2-オキソ-2-(1-((キノリン-4-カルボニル)グリシル)ピロリジン-2-イル)アセチル)グリシナート、
メチル(2-オキソ-2-((S)-1-((キノリン-4-カルボニル)グリシル)ピロリジン-2-イル)アセチル)アラニナート、
(S)-N-(2-(2-(2-((2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)キノリン-4-カルボキサミド、
(S)-N-(2-(2-(2-((2-(エチル(プロピル)アミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)キノリン-4-カルボキサミド、
(S)-N-(2-(2-(2-((2-(イソプロピルアミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)キノリン-4-カルボキサミド、
(S)-N-(2-(2-(2-((2-(ベンジルアミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)キノリン-4-カルボキサミド、
メチル(2-オキソ-2-((S)-1-((キノリン-4-カルボニル)グリシル)ピロリジン-2-イル)アセチル)グリシル-L-ロイシナート、
メチル(2-オキソ-2-((S)-1-((キノリン-4-カルボニル)グリシル)ピロリジン-2-イル)アセチル)グリシル-L-フェニルアラニナート、
メチル(2-オキソ-2-((S)-1-((キノリン-4-カルボニル)グリシル)ピロリジン-2-イル)アセチル)グリシル-L-グルタミナート、
5-ベンジル1-メチル(2-オキソ-2-((S)-1-((キノリン-4-カルボニル)グリシル)ピロリジン-2-イル)アセチル)-グリシル-L-グルタマート、
ベンジルN-((ベンジルオキシ)カルボニル)-N-((2-オキソ-2-((S)-1-((キノリン-4-カルボニル)グリシル)-ピロリジン-2-イル)アセチル)グリシル)-L-リシナート、
(S)-S-(62-((4-((2-(2-(2-((3,4-ジメトキシベンジル)アミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)カルバモイル)キノリン-7-イル)オキシ)-2,5,8,11,61-ペンタオキソ-15,18,21,24,27,30,33,36,39,42,45,48,51,54,57-ペンタデカオキサ-3,6,9,12,60-ペンタアザ-ドヘキサコンチル)-エタンチオナート、
および(S)-N-(2-(2-(2-((3,4-ジメトキシベンジル)アミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)-7-(2-(6-ヒドラジニルニコチンアミド)エトキシ)キノリン-4-カルボキサミド
からなる群から選択される、一般式Iの化合物をさらに提供する。
【0025】
本発明はさらに、医薬として使用するための一般式Iの化合物に関する。
【0026】
本発明はさらに、がんの治療における医薬としての使用のための一般式Iの化合物に関する。
【0027】
本発明はさらに、上皮腫瘍の治療における医薬としての使用のための一般式Iの化合物に関する。
【0028】
本発明はまた、腫瘍組織、特に上皮腫瘍の標的診断における使用のための一般式Iの化合物に関する。
【0029】
本発明はさらに、治療学的に有効量の一般式Iの化合物と、随意に少なくとも1つの薬学的に許容可能なキャリア、賦形剤および/または希釈剤と、を含む医薬組成物を提供する。
【0030】
本発明はまた、がん、特に上皮腫瘍の治療において使用するための、治療学的に有効量の一般式Iの化合物と、随意に少なくとも1つの薬学的に許容可能なキャリア、賦形剤および/または希釈剤と、を含む医薬組成物に関する。
【0031】
本発明はまた、一般式Iの化合物と、随意に少なくとも1つの薬学的に許容可能なキャリア、賦形剤および/または希釈剤と、を含む診断用組成物に関する。
【0032】
本発明はまた、腫瘍組織、特に上皮腫瘍の標的診断において使用するための、一般式Iの化合物と、随意に少なくとも1つの薬学的に許容可能なキャリア、賦形剤および/または希釈剤と、を含む診断用組成物に関する。
【0033】
インビボ用途における前記化合物の適用可能性を検証するために、すなわち、FAP酵素の医薬阻害ならびに診断および治療の目的のための前記化合物のコンジュゲートの使用の両方のために、関連タンパク質に対する選択性、マウスおよびヒトの血漿中の安定性、マウスミクロソームにおける安定性、ならびにヒト腫瘍株に対する細胞毒性が、選択された化合物について測定された。選択された化合物のIC50(平均阻害濃度)を、酵素ジペプチジルペプチダーゼIVおよびプロリルエンドペプチダーゼ(DPPIVおよびPREP)を用いて測定し、前記化合物とこれらの酵素との干渉の可能性を決定した。高いIC50値のために、DPPIVを干渉する危険性はないことが確認され、したがって、前記物質は、FAPに比べて酵素への結合が有意に少ないことが確認された。これらの化合物はPREPおよびFAPに結合するが、PREPは主に細胞質ゾル中に存在し、そのため、干渉はわずかである-前記化合物はインビボでこの酵素と接触しない。
【0034】
最良の試験化合物は、前述の物質「B」(すなわち、UAMC-1110)よりも20倍超強力である。物質「B」は、一般に、当該技術水準において知られている最良の化合物であると考えられる。しかし、物質「A」(2個のフッ素原子を含まない)との比較はさらに関連性が高く、その組成物は、本発明の化合物と最も類似している。それらの中で最も強力な物質は、FAPに対する感度が2桁よりも高い(150倍)。
【0035】
最も強力な化合物3bは、血漿およびミクロソームの両方において優れた安定性を示す。したがって、それは、FAP酵素を標的とするインビボ用途に適している。重要なことに、マウス血漿およびミクロソームにおけるその高い安定性のために、これらの用途の開発中にマウスモデルを使用することが可能である。
【0036】
概して、4つのヒト腫瘍細胞株において2つの濃度(1桁異なる)で測定された本発明の化合物(最も強力な化合物3bを含む)の低い細胞毒性は、インビボ適用のためのこのタイプの化合物の将来の使用の可能性にとって重要である。
【0037】
前記化合物は、Passerini反応によって、Boc-L-プロリナール、Cbz-グリシンおよび対応するイソニトリルからスキーム1~4に従って合成することができる。得られたα-アシルオキシアミドをさらに酸脱保護し、塩基性トランスアシル化して、対応するα-ヒドロキシアミドを得る。この化合物は、ペプチド形成縮合を介して、ならびに保護基の穏やかな導入および除去を介して、修飾を受けることができる。次いで、得られたα-ヒドロキシアミドを、最終のα-ケトアミドに酸化する。誘導体12および誘導体15については、これらの構造の酸化工程との不適合性のために、ヒドラジノニコチン酸(HYNIC)またはメルカプトアセチルトリグリシン(MAG3)の導入前に、酸化を実施する必要があった。
【0038】
合成アプローチを以下のスキームにおいて例示する:
【0039】
【化7】
【0040】
【化8】
【0041】
【化9】
【0042】
【化10】
【0043】
スキーム1~4に有効な反応条件:
a:1)DCM、rt、2)DCM、TFA、rt、3)DCM、EtN、rt、b:H、Pd(OH)/C、MeOH、rt、c:キノリン-4-カルボン酸、TSTU、DIPEA、DMF、rt、d:IBX、DMSO、rt、e:1%KOH、90%MeOH、f:1)TSTU、DIPEA、DMF、2)R‘-NH-R‘‘、DMF;X=-CH(COOMe)(CHNH-
〔実施例〕
【0044】
【表1】
【0045】
以下の実施例で調製した化合物の合成に使用した装置
NMRスペクトルを、Bruker Avance III 500 MHz分析計(500MHzでのH、125.7MHzでの13C)において測定した。高分解能質量スペクトル(HR MS)を、エレクトロスプレーイオン化を用いて、LTQ Orbitrap XLハイブリッド質量分析計(Thermo Fisher Scientific, Waltham, MA, USA)において測定した。
【0046】
合成中、トリフルオロ酢酸→アセトニトリルの0.1%(vol./vol.)水溶液の勾配を用いて、デュアルUV検出器(210および254nm)を有するTeledyne ISCO CombiFLASH Rf+において、逆相FLASHクロマトグラフィー(シリカゲルC18 230~400メッシュ)によって物質を精製した。
【0047】
Bischoff ProntoSIL HPLCカラム(100×2.0mm、Prontopearl TPP 120-2.2-C18 SH、2.2μm)および0.1%(vol./vol.)ギ酸を添加した水→アセトニトリルの勾配を用いて、0.5ml/分の流速で、PDA(ダイオードアレイ、190~800nm)およびQDA(100~1250m/z)検出器を有するWaters Acquity H-class UPLCにおいて、UHPLC-MSによって、反応中の純度および変換をモニターした。
【0048】
【表2】
【0049】
一般的手順1:Passerini反応、酸脱保護および塩基性トランスアシル化の配列
Boc-L-プロリナール(1当量)、N-Cbz-グリシン(1当量)および対応するイソニトリル(1当量)を無水DCMに溶解し、得られた混合物を室温で4時間撹拌した。完全変換(LC-MS)で、トリフルオロ酢酸を加え、混合物をさらに1時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、次いでDCMに再溶解した。撹拌および0℃に冷却しながら、トリエチルアミンを混合物に滴下した。混合物を、完全変換まで室温でさらに撹拌した(LC-MS、最大3時間)。混合物の液体部分を減圧下で蒸発させ、残渣をDCMに再溶解した。混合物の極性部分を水中に抽出し(3x)、有機相をブラインおよび硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を蒸発させた後、α-ヒドロキシアミド4を得た。α-ヒドロキシアミド4は、精製せずに次の反応に使用した。反応収率は、Boc-L-プロリナールの使用量に基づいて算出される。一般的手順1において、ジアステレオマーの混合物が常時得られ、その保持時間はRt,1およびRt,2として与えられる。
【0050】
一般的手順2:脱ベンジル化
CbzまたはBn保護された物質をメタノールに溶解し、水酸化パラジウム石炭を混合物に添加した。混合物を水素雰囲気中に置き、3時間撹拌した。触媒を濾過によって混合物から分離し、液体部分を減圧下で濃縮した。残留溶媒および水を高真空下で混合物から除去した。このようにして得られた物質を、さらに精製することなく次の反応に使用した。
【0051】
一般的手順3:TSTUを用いたペプチド形成縮合
カルボン酸(1当量)、TSTU(1当量)およびDIPEAを無水DMFに溶解した。室温で1時間撹拌した後、アミン(1.1当量)の無水DMF溶液を混合物に加え、得られた混合物を一晩撹拌した。生成物を逆相FLASHクロマトグラフィーによって粗混合物から単離した。そのトリフルオロ酢酸塩を、所望の生成物を含有する画分の凍結乾燥によって得た。反応収率は、前駆体4の使用量に関して算出される。一般的手順3において、ジアステレオマーの混合物が常時得られ、その保持時間はRt,1およびRt,2として報告される。
【0052】
一般的手順4:酸化
DMSO中のα-ヒドロキシアミド(1当量)およびIBX(1.5当量)の混合物を一晩撹拌した。完全変換(LC-MSによる)で、生成物を逆相FLASHクロマトグラフィーによって粗混合物から単離した。そのトリフルオロ酢酸塩を、所望の生成物を含有する画分の凍結乾燥によって得た。反応収率は、α-ヒドロキシアミド5の使用量に関して算出される。NMRおよびLC-MS分析によれば、一般的手順4の生成物は、回転異性体の混合物として存在する。主要な回転異性体に属するシグナルのセットのみをNMRレポートに列挙する。両回転異性体の保持時間は、Rt,1およびRt,2として与えられる。
【0053】
前駆体7の調製
メチルエステル2k(500mg、926μmol)を、9mlのメタノールおよび1mlの10%(wt./wt.)KOH水溶液に溶解した。室温で5時間撹拌した後、10%(wt./wt.)HClをpH7~8まで滴下して混合物を中和し、減圧下で濃縮した。生成物をFLASHクロマトグラフィーによって混合物から直接単離した。所望の生成物を含む画分(LC-MS)を凍結乾燥して、生成物トリフルオロアセタートを白色の固形物として得た(350mg、収率72%;LC-MS Rt,1 2,64分、Rt,2 2,71分、m/z 415,30[M+H])。
【0054】
実施例1
(S)-N-(2-(2-(2-(ベンジルアミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)キノリン-4-カルボキサミド
前駆体1a(1163mg、収率79%;LC-MS Rt,1 3.98分、Rt,2 4.03分、m/z 426.36[M+H])を、一般的手順1から得た。続いて、前駆体1aを一般的手順2によって脱ベンジル化し、得られたアミンを一般的手順3によってキノリン-4-カルボン酸と縮合させて、前駆体2aを得た(825mg、収率71%;LC-MS Rt,1 3.36分、Rt,2 3.45分、m/z 447.26[M+H])。一般的手順4によって、前駆体2aを最終α-ケトアミド3a(107mg、収率47%)に酸化した。
H NMR(500MHz,DMSO-d):9.31(bt,1H,JNH,CH2=6.4Hz,COCONH);9.04(m,1H,NH-2´);9.04(d,1H,J2,3=4.5Hz,H-2);8.35(bdd,1H,J5,6=8.5Hz,J5,7=1.5Hz,H-5);8.11(bd,1H,J8,7=8.5Hz,H-8);7.87(ddd,1H,J7,8=8.5Hz,J8,7=6.9Hz,J7,5=1.5Hz,H-7);7.70(ddd,1H,J6,5=8.5Hz,J6,7=6.9Hz,J6,8=1.3Hz,H-6);7.63(d,1H,J3,2=4.5Hz,H-3);7.35-7.18(m,5H,H-o,m,p-Bn);5.23(dd,1H,J1´´,2´´=9.1および4.7Hz,H-1´´);4.36および4.32(2×dd,2×1H,Jgem=14.8Hz,JCH2,NH=6.4Hz,CH-Bn);4.28および4.17(2×dd,2×1H,Jgem=16.8Hz,J2´,NH=6.0Hz,H-2´);3.74-3.62(m,2H,H-4´´);2.25(m,1H,H-2´´b);2.03(m,1H,H-3´´b);1.97-1.80(m,2H,H-3´´a,2´´a);
13C NMR(125.7MHz,DMSO-d):195.57(COCONH);166.92(CO-1´);166.56(CO-3´);160.60(COCONH);149.80(CH-2);146.60(C-8a);143.79(C-4);138.75(C-i-Bn);130.85(CH-7);128.56(CH-m-Bn);128.32(CH-8);127.97(CH-6);127.57(CH-o-Bn);127.20(CH-p-Bn);126.24(CH-5);124.58(C-4a);119.41(CH-3);60.47(CH-1´´);46.12(CH-4´´);42.31(CH-Bn);41.56(CH-2´);27.94(CH-2´´);24.81(CH-3´´);
LC-MS Rt,1 3.49分、Rt,2 3.60分、m/z 445.27[M+H]
2525のHR MS[M+H] 計算値445.18703;実測値445.18668。
【0055】
実施例2
(S)-N-(2-(2-(2-((3,4-ジメトキシベンジル)アミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)キノリン-4-カルボキサミド
前駆体4d(1176mg、収率88%;LC-MS Rt,1 3.79分、Rt,2 3,85分、m/z 486.16[M+H])を、一般的手順1から得た。続いて、前駆体4dを一般的手順2によって脱ベンジル化し、得られたアミンを一般的手順3によってキノリン-4-カルボン酸と縮合させて、前駆体2b(130mg、収率92%;LC-MS Rt,1 3.00分、Rt,2 3.07分、m/z 507.25[M+H])を得た。一般的手順4によって、前駆体2bを最終α-ケトアミド3bに酸化した(20mg、収率53%)。
H NMR(500MHz,DMSO-d):9.22(bt,1H,JNH,CH2=6,3Hz,COCONH);9.03-8.97(m,2H,NH-2´,H-2);8.32(dd,1H,J5,6=8.4Hz,J5,7=1.4Hz,H-5);8.09(bd,1H,J8,7=8.5Hz,H-8);7.83(ddd,1H,J7,8=8.5Hz,J8,7=6.9Hz,J7,5=1.4Hz,H-7);7.66(ddd,1H,J6,5=8.5Hz,J6,7=6.9Hz,J6,8=1.2Hz,H-6);7,57(d,1H,J3,2=4.4Hz,H-3);6.91(d,1H,J2,6=2.0Hz,H-2-Ph);6.86(d,1H,J5,6=8.3Hz,H-5-Ph);6.79(dd,1H,J6,5=8.2Hz,J6,2=2.0Hz,H-6-Ph);5.23(dd,1H,J1´´,2´´=9.2および4.7Hz,H-1´´);4.33-4.21(m,3H,CH-Ph,H-2´b);4.15(dd,1H,Jgem=16.7Hz,J2´a,NH=5.9Hz,H-2´a);3.70(s,3H,CHO-3-Ph);3.69(s,3H,CHO-4-Ph);3.70-3.62(m,2H,H-4´´);2.24(m,1H,H-2´´b);2.01(m,1H,H-3´´b);1.90(m,1H,H-3´´a);1.84(m,1H,H-2´´a);
13C NMR(125.7MHz,DMSO-d):195.66(COCONH);167.08(CO-1´);166.56(CO-3´);160.48(COCONH);150.15(CH-2);148.75(C-3-Ph);148.05(C-4-Ph);147.42(C-8a);142.98(C-4);131.10(C-1-Ph);130.40(CH-7);128.89(CH-8);127.69(CH-6);126.14(CH-5);124.49(C-4a);119.75(CH-6-Ph);119.33(CH-3);111.84(CH-5-Ph);111.69(CH-2-Ph);60.40(CH-1´´);55.70および55.58(CHO);46.12(CH-4´´);42.08(CH-Ph);41.54(CH-2´);27.95(CH-2´´);24.81(CH-3´´);
LC-MS Rt,1 3.32分、Rt,2 3.44分、m/z 505.22[M+H]
2729のHR MS[M+H] 計算値505.20816;実測値505.20740。
【0056】
実施例3
(S)-N-(2-(2-(2-((4-フルオロベンジル)アミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)キノリン-4-カルボキサミド
前駆体1c(113mg、収率51%;LC-MS Rt,1 4.08分、Rt,2 4.14分、m/z 444.06[M+H])を、一般的手順1から得た。続いて、前駆体1cを一般的手順2によって脱ベンジル化し、得られたアミンを一般的手順3によってキノリン-4-カルボン酸と縮合させて、前駆体2c(70mg、収率74%;LC-MS Rt,1 3.52分、Rt,2 3.61分、m/z 465.01[M+H])を得た。一般的手順4によって、前駆体2cを最終α-ケトアミド3c(37mg、収率65%)に酸化した。
H NMR(500MHz,DMSO-d):9.32(bt,1H,JNH,CH2=6.4Hz,COCONH);9.05(t,1H,JNH,2´=6.0Hz,NH-2´);9.04(d,1H,J2,3=4.5Hz,H-2);8.34(dd,1H,J5,6=8.5Hz,J5,7=1.5Hz,H-5);8.11(dm,1H,J8,7=8.5Hz,H-8);7.87(ddd,1H,J7,8=8.5Hz,J8,7=6.9Hz,J7,5=1.5Hz,H-7);7.70(ddd,1H,J6,5=8.5Hz,J6,7=6.9Hz,J6,8=1.3Hz,H-6);7.62(d,1H,J3,2=4.5Hz,H-3);7.31(m,2H,H-o-Ph);7.13(m,2H,H-m-Ph);5.22(dd,1H,J1´´,2´´=9.2および4.7Hz,H-1´´);4.32(bd,2H,JCH2,NH=6.5Hz,CH-Ph);4.27および4.17(2×dd,2×1H,Jgem=16.9Hz,J2´,NH=6.0Hz,H-2´);3.71-3.62(m,2H,H-4´´);2.24(m,1H,H-2´´b);2.01(m,1H,H-3´´b);1.89(m,1H,H-3´´a);1.86(m,1H,H-2´´a);
13C NMR(125.7MHz,DMSO-d):195.56(COCONH);166.98(CO-1´);166.61(CO-3´);161.50(d,JC,F=242.6Hz,C-p-Ph);160.54(COCONH);149.87(CH-2);146.71(C-8a);143.72(C-4);134.99(d,JC,F=3,0Hz,C-i-Ph);130.84(CH-7);129.69(d,JC,F=8.2Hz,CH-o-Ph);128.33(CH-8);127.98(CH-6);126.25(CH-5);124.60(C-4a);119.43(CH-3);115.34(d,JC,F=21.3Hz,CH-m-Ph);60.51(CH-1´´);46.16(CH-4´´);41.66(CH-Ph);41.59(CH-2´);27.97(CH-2´´);24.85(CH-3´´);
LC-MS Rt,1 3.65分、Rt,2 3.78分、m/z 462.99[M+H]
2524FNのHR MS[M+H] 計算値 463.17761;実測値463.17741。
【0057】
実施例4
(S)-N-(2-オキソ-2-(2-(2-オキソ-2-(フェネチルアミノ)アセチル)ピロリジン-1-イル)エチル)キノリン-4-カルボキサミド
前駆体1d(380mg、収率85%;LC-MS Rt,1 4.08分、Rt,2 4.14分、m/z 440.32[M+H])を、一般的手順1から得た。続いて、前駆体1dを一般的手順2によって脱ベンジル化し、得られたアミンを一般的手順3によってキノリン-4-カルボン酸と縮合させて、前駆体2d(286mg、収率68%;LC-MS Rt,1 3.49分、Rt,2 3.59分、m/z 461,30[M+H])を得た。一般的手順4によって、前駆体2dを最終α-ケトアミド3d(74mg、収率67%)に酸化した。
H NMR(500MHz,DMSO-d):9.02(t,1H,JNH,2´=6.0Hz,NH-2´);9.01(d,1H,J2,3=4.4Hz,H-2);8.83(t,1H,JNH,CH2=6.0Hz,COCONH);8.34(dm,1H,J5,6=8.5Hz,H-5);8.09(dm,1H,J8,7=8.5Hz,H-8);7.84(ddd,1H,J7,8=8.5Hz,J8,7=6.9Hz,J7,5=1.5Hz,H-7);7.68(ddd,1H,J6,5=8.5Hz,J6,7=6.9Hz,J6,8=1.3Hz,H-6);7.58(d,1H,J3,2=4.4Hz,H-3);7.28(m,2H,H-m-Ph);7.23-7.16(m,3H,H-o,p-Ph);5.20(dd,1H,J1´´,2´´=9.1および4.6Hz,H-1´´);4.26および4.16(2×dd,2×1H,Jgem=16.8Hz,J2´,NH=6.0Hz,H-2´);3.70-3.62(m,2H,H-4´´);3.42-3.31(m,2H,CHCH-Ph);2.78(t,2H,JCH2,CH2=7.7Hz,CHCH-Ph);2.21(m,1H,H-2´´b);2.00(m,1H,H-3´´b);1.87(m,1H,H-3´´a);1.77(m,1H,H-2´´a);
13C NMR(125.7MHz,DMSO-d):195.54(COCONH);167.10(CO-1´);166.58(CO-3´);160.39(COCONH);150.12(CH-2);147.29(C-8a);143.21(C-4);139.27(C-i-Ph);130.53(CH-7);128.88(CH-o-Ph);128.78(CH-8);128.61(CH-m-Ph);127.76(CH-6);126.44(CH-p-Ph);126.19(CH-5);124.53(C-4a);119.35(CH-3);60.51(CH-1´´);46.11(CH-4´´);41.58(CH-2´);40.44(CHCH-Ph);34.83(CHCH-Ph);27.83(CH-2´´);24.72(CH-3´´);
LC-MS Rt,1 3.63分、Rt,2 3.73分、m/z 459.25[M+H]
2625のHR MS[M+H] 計算値459.20268;実測値459.20258。
【0058】
実施例5
(S)-N-(2-(2-(2-((3,4-ジメトキシフェネチル)アミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)キノリン-4-カルボキサミド
前駆体1e(LC-MS Rt,1 3.85分、Rt,2 3.91分、m/z 500.28[M+H])を、一般的手順1から得た。続いて、前駆体1eを、一般的手順2によって脱ベンジル化し、得られたアミンを一般的手順3によってキノリン-4-カルボン酸と縮合させて、前駆体2e(260mg、収率59%;LC-MS Rt,1 3.28分、Rt,2 3.38分、m/z 521.27[M+H])を得た。一般的手順4によって、前駆体2eを最終α-ケトアミド3e(88mg、収率88%)に酸化した。
H NMR(500MHz,DMSO-d):9.04(d,1H,J2,3=4.5Hz,H-2);9.04(m,1H,NH-2´);8.78(bt,1H,JNH,CH2=6.0Hz,COCONH);8.36(bdd,1H,J5,6=8.5Hz,J5,7=1.5Hz,H-5);8.11(bd,1H,J8,7=8.4Hz,H-8);7.87(ddd,1H,J7,8=8.5Hz,J8,7=6.9Hz,J7,5=1.5Hz,H-7);7.71(ddd,1H,J6,5=8.5Hz,J6,7=6.9Hz,J6,8=1.3Hz,H-6);7.62(d,1H,J3,2=4.5Hz,H-3);6.84(d,1H,J5,6=8.2Hz,H-5-Ph);6.78(d,1H,J2,6=2.0Hz,H-2-Ph);6.70(dd,1H,J6,5=8.2Hz,J6,2=2.0Hz,H-6-Ph);5.21(dd,1H,J1´´,2´´=9.3および4.7Hz,H-1´´);4.25および4.17(2×dd,2×1H,Jgem=16.8Hz,J2´,NH=6.1Hz,H-2´);3.71(s,3H,CHO-3-Ph);3.69(s,3H,CHO-4-Ph);3.70-3.60(m,2H,H-4´´);3.35(m,2H,CHCH-Ph);2.72(t,2H,JCH2,CH2=7.4Hz,CHCH-Ph);2.21(m,1H,H-2´´b);2.00(m,1H,H-3´´b);1.85(m,1H,H-3´´a);1.77(m,1H,H-2´´a);
13C NMR(125.7MHz,DMSO-d):195.57(COCONH);166.92(CO-1´);166.54(CO-3´);160.37(COCONH);149.80(CH-2);148.78(C-3-Ph);147.45(C-4-Ph);146.60(C-8a);143.82(C-4);131.67(C-1-Ph);130.86(CH-7);128.22(CH-8);127.97(CH-6);126.26(CH-5);124.59(C-4a);120.65(CH-6-Ph);119.40(CH-3);112.60(CH-2-Ph);112.03(CH-5-Ph);60.52(CH-1´´);55.68(CHO-4-Ph);55.54(CHO-3-Ph);46.10(CH-4´´);41.58(CH-2´);40.57(CHCH-Ph);34.33(CHCH-Ph);27.82(CH-2´´);24.70 (CH-3´´);
LC-MS Rt,1 3.41分、Rt,2 3.52分、m/z 519.23[M+H]
2831のHR MS[M+H] 計算値519.22381;実測値519.22360。
【0059】
実施例6
(S)-N-(2-(2-(2-((4-メトキシフェニル)アミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)キノリン-4-カルボキサミド
前駆体1f(325mg、収率79%;LC-MS Rt,1 3.97分、Rt,2 4.04分、m/z 464.26[M+Na])を、一般的手順1から得た。続いて、前駆体1fを一般的手順2によって脱ベンジル化し、得られたアミンを一般的手順3によってキノリン-4-カルボン酸と縮合させて、前駆体2f(171mg、収率40%;LC-MS Rt,1 3.32分、Rt,2 3.45分、m/z 463.25[M+H])を得た。一般的手順4によって、前駆体2fを最終α-ケトアミド3f(77mg、収率63%)に酸化した。
H NMR(500MHz,DMSO-d):10.56(s,1H,NH-Ph);9.04(bt,1H,J7NH,2´=6.0Hz,NH-2´),9.01(d,1H,J2,3=4.4Hz,H-2);8.33(bdd,1H,J5,6=8.5Hz,J5,7=1,5Hz,H-5);8.09(dm,1H,J8,7=8.5Hz,H-8);7.83(ddd,1H,J7,8=8.5Hz,J8,7=6.9Hz,J7,5=1.5Hz,H-7);7.74(m,2H,H-o-Ph);7.68(ddd,1H,J6,5=8.5Hz,J6,7=6.9Hz,J6,8=1.3Hz,H-6);7.58(d,1H,J3,2=4.4Hz,H-3);6.93(m,2H,H-m-Ph);5.30(dd,1H,J1´´,2´´=9.0および4.6Hz,H-1´´);4.27および4.20(2×dd,2×1H,Jgem=16.9Hz,J2´,NH=6.0Hz,H-2´);3.73(s,3H,CHO-Ph);3.76-3.65(m,2H,H-4´´);2.29(m,1H,H-2´´b);2.04(m,1H,H-3´´b);2.00-1.89(m,2H,H-3´´a,H-2´´a);
13C NMR(125.7MHz,DMSO-d):195.68(COCONH);167.07(CO-1´);166.68(CO-3´);158.54(COCONH);156.35(C-p-Ph);150.06(CH-2);147.16(C-8a);143.28(C-4);130.75(C-i-Ph);130.57(CH-7);128.68(CH-8);127.79(CH-6);126.18(CH-5);124.52(C-4a);122.19(CH-o-Ph);119.36(CH-3);114.11(CH-m-Ph);60.38(CH-1´´);55.42(CHO-Ph);46.19(CH-4´´);41.56(CH-2´);28.12(CH-2´´);24.94(CH-3´´);
LC-MS Rt,1 3.48分、Rt,2 3.62分、m/z 461.24[M+H]
2525のHR MS[M+H] 計算値461.18195;実測値461.18205。
【0060】
実施例7
メチル(S)-4-(2-オキソ-2-(1-((キノリン-4-カルボニル)グリシル)ピロリジン-2-イル)アセトアミド)ベンゾア-ト
前駆体1g(LC-MS Rt,1 4.03分、Rt,2 4.11分、m/z 492.20[M+Na])を、一般的手順1から得た。続いて、前駆体1gを一般的手順2によって脱ベンジル化し、得られたアミンを一般的手順3によってキノリン-4-カルボン酸と縮合させて、前駆体2g(137mg、収率32%;LC-MS Rt,13.42分、Rt,2 3.57分、m/z 491.21[M+H])を得た。一般的手順4によって、前駆体2gを最終α-ケトアミド3g(76mg、収率72%)に酸化した。
H NMR(500MHz,DMSO-d):10.98(s,1H,COCONH);9.04(t,1H,JNH,CH2=6.0Hz,NH-2´);9.00(d,1H,J2,3=4.4Hz,H-2);8.30(dm,1H,J5,6=8.5Hz,H-5);8.08(dm,1H,J8,7=8.5Hz,H-8);8.00-7.93(m,4H,H-o,m-Ph);7.82(ddd,1H,J7,8=8.5Hz,J8,7=6.9Hz,J7,5=1.4Hz,H-7);7.65(ddd,1H,J6,5=8.5Hz,J6,7=6.9Hz,J6,8=1.3Hz,H-6);7.57(d,1H,J3,2=4.4Hz,H-3);5.26(dd,1H,J1´´,2´´=8.9および4.7Hz,H-1´´);4.27(dd,1H,Jgem=16.9Hz,J2´b,NH=5.9Hz,H-2´b);4.20(dd,1H,Jgem=16.7Hz,J2´a,NH=6.1Hz,H-2´a);3.83(s,3H,CHCOO);3.78-3.67(m,2H,H-4´´);2.29(m,1H,H-2´´b);2.09-1.94(m,3H,H-3´´,H-2´´a);
13C NMR(125.7MHz,DMSO-d):195.08(COCONH);167.09(CO-1´);166.81(CO-3´);165.98(CHCOO);159.46(COCONH);150.08(CH-2);147.23(C-8a);143.14(C-4);142.16(C-i-Ph);130.51(CH-7);130.41(CH-m-Ph);128.74(CH-8);127.74(CH-6);126.15(CH-5);125.49(C-p-Ph);124.50(C-4a);120.32(CH-o-Ph);119.35(CH-3);60.36(CH-1´´);52.28(CHCOO);46.21(CH-4´´);41.53(CH-2´);28.16(CH-2´´);25.07(CH-3´´);
LC-MS Rt,1 3.60分、Rt,2 3.70分、m/z 489.18[M+H]
2625のHR MS[M+H] 計算値489.17686;実測値489.17664。
【0061】
実施例8
(S)-N-(2-(2-(2-(シクロプロピルアミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)キノリン-4-カルボキサミド
前駆体1h(1608mg、収率75%;LC-MS Rt,1 3.51分、Rt,2 3.58分、m/z 376.34[M+H])を、一般的手順1から得た。続いて、前駆体1hを一般的手順2によって脱ベンジル化し、得られたアミンを一般的手順3によってキノリン-4-カルボン酸と縮合させて、前駆体2hを得た(176mg、収率78%;LC-MS Rt,1 2.85分、Rt,2 2.94分、m/z 397.36[M+H])。一般的手順4によって、前駆体2hを最終α-ケトアミド3h(67mg、収率77%)に酸化した。
H NMR(500MHz,CDCl):8.91(d,1H,J2,3=4.3Hz,H-2);8.26(bd,1H,J5,6=8.5Hz,H-5);8.12(dm,1H,J8,7=8.5Hz,H-8);7.74(ddd,1H,J7,8=8.5Hz,J8,7=6.9Hz,J7,5=1.4Hz,H-7);7.60(ddd,1H,J6,5=8.5Hz,J6,7=6.9Hz,J6,8=1.3Hz,H-6);7.48(d,1H,J3,2=4.3Hz,H-3);7.14(bt,1H,JNH,2´=4.3Hz,NH-2´);7.00(bd,1H,JNH,CH=3.9Hz,NH-cp);5.33(dd,1H,J1´´,2´´=9.0および5.5Hz,H-1´´);4,39(dd,1H,Jgem=17.7Hz,J2´b,NH=4.6Hz,H-2´b);4.29(dd,1H,Jgem=17.7Hz,J2´a,NH=4.0Hz,H-2´a);3.72-3.57(m,2H,H-4´´);2.76(m,1H,CH-cp);2.39(m,1H,H-2´´b);2.16-1.92(m,3H,H-2´´a,H-3´´);0.86-0.76および0.64-0.51(2×m,2×2H,CH-cp);
13C NMR(125.7MHz,CDCl):194.42(CO-1´´);167.15(CO-1´);166.11(CO-3´);160.47(CONH-cp);149.73(CH-2);148.58(C-8a);141.07(C-4);129.99(CH-7);129.77(CH-8);127.73(CH-6);125.26(CH-5);124.36(C-4a);118.78(CH-3);60.85(CH-1´´);46.35(CH-4´´);42.30(CH-2´);28.33(CH-2´´);24.93(CH-3´´);22.38(CH-cp);6.37および6.34(CH-cp);
LC-MS Rt,1 2.91分、Rt,2 3.04分、m/z 395.34[M+H]
2123のHR MS[M+H] 計算値395.17138;実測値395.17106。
【0062】
実施例9
(S)-N-(2-(2-(2-(イソプロピルアミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)キノリン-4-カルボキサミド
前駆体1i(225mg、収率60%;LC-MS Rt,1 3.66分、Rt,2 3.73分、m/z 378.38[M+H])を、一般的手順1から得た。続いて、前駆体1iを一般的手順2によって脱ベンジル化し、得られたアミンを一般的手順3によってキノリン-4-カルボン酸と縮合させて、前駆体2i(80mg、収率48%;LC-MS Rt,1 3.00分、Rt,2 3.10分、m/z 399.36[M+H])を得た。一般的手順4によって、前駆体2iを最終α-ケトアミド3i(27mg、収率39%)に酸化した。
H NMR(500MHz,DMSO-d):9.06(m,1H,NH-2´);9.05(d,1H,J2,3=4,5Hz,H-2);8.58(bd,1H,JNH,CH=8.2Hz,COCONH);8.35(dm,1H,J5,6=8.5Hz,H-5);8.12(dm,1H,J8,7=8.5Hz,H-8);7.89(ddd,1H,J7,8=8.5Hz,J7,6=6.9Hz,J7,5=1.5Hz,H-7);7.73(ddd,1H,J6,5=8.5Hz,J6,7=6.9Hz,J6,8=1.3Hz,H-6);7.64(d,1H,J3,2=4.5Hz,H-3);5.21(dd,1H,J1´´,2´´=9.2および4,3Hz,H-1´´);4.25(dd,1H,Jgem=16.9Hz,J2´b,NH=5.9Hz,H-2´b);4.17(dd,1H,Jgem=16.9Hz,J2´a,NH=6.0Hz,H-2´a);3.98-3.87(m,1H,(CHCH);3.72-3.61(m,2H,H-4´´);2.23(m,1H,H-2´´b);2.00(m,1H,H-3´´b);1.91-1.77(m,2H,H-2´´a,H-3´´a);1.11および1.10(2×d,2×3H,(CHCH);
13C NMR(125.7MHz,DMSO-d):195.80(COCONH);166.94(CO-1´);166.54(CO-3´);159.66(COCONH);149.82(CH-2);146.58(C-8a);143.89(C-4);130.92(CH-7);128.21(CH-8);128.00(CH-6);126.28(CH-5);124.61(C-4a);119.42(CH-3);60.56(CH-1´´);46.13(CH-4´´);41.60(CH-2´);41.02((CHCH);27.95(CH-2´´);24.74(CH-3´´);22.07((CHCH);
LC-MS Rt,1 3.11分、Rt,2 3.22分、m/z 397.35[M+H]
2125のHR MS[M+H] 計算値397.18703;実測値397.18665。
【0063】
実施例10
(S)-N-(2-オキソ-2-(2-(2-オキソ-2-(ペンチルアミノ)アセチル)ピロリジン-1-イル)エチル)キノリン-4-カルボキサミド
前駆体1jを、一般的手順1から得た(370mg、収率90%;LC-MS Rt,1 4.11分、Rt,2 4.17分、m/z 406.39[M+H])。続いて、前駆体1jを一般的手順2によって脱ベンジル化し、得られたアミンを一般的手順3によってキノリン-4-カルボン酸と縮合させて、前駆体2j(291mg、収率64%;LC-MS Rt,1 3.50分、Rt,2 3.61分、m/z 427.39[M+H])を得た。一般的手順4によって、前駆体2jを最終α-ケトアミド3j(98mg、収率70%)に酸化した。
H NMR(500MHz,DMSO-d):9.03(d,1H,J2,3=4.5Hz,H-2);9.03(m,1H,NH-2´);8.74(bt,1H,JNH,CH2=6.0Hz,COCONH);8.35(bdd,1H,J5,6=8.5Hz,J5,7=1.5Hz,H-5);8.11(bd,1H,J8,7=8.5Hz,H-8);7.86(ddd,1H,J7,8=8.5Hz,J8,7=6.9Hz,J7,5=1.5Hz,H-7);7.71(ddd,1H,J6,5=8.5Hz,J6,7=6.9Hz,J6,8=1.3Hz,H-6);7.61(d,1H,J3,2=4.5Hz,H-3);5.23(bdd,1H,J1´´,2´´=9.3および4.5Hz,H-1´´);4.26および4.22(2×dd,2×1H,Jgem=16.8Hz,J2´,NH=6.0Hz,H-2´);3.70-3.62(m,2H,H-4´´);3.19-3.06(m,2H,CH(CHCH);2.24(m,1H,H-2´´b);2.00(m,1H,H-3´´b);1.92-1.74(m,2H,H-3´´a,2´´a);1.46(m,2H,CHCH(CHCH);1.32-1.17(m,4H,(CHCHCHCH);0.84(t,3H,JCH3,CH2=7.1Hz,(CHCH);
13C NMR(125.7MHz,DMSO-d):195.66(COCONH);166.96(CO-1´);166.52(CO-3´);160.42(COCONH);149.89(CH-2);146.81(C-8a);143.61(C-4);130.74(CH-7);128.39(CH-8);127.88(CH-6);126.23(CH-5);124.57(C-4a);119.38(CH-3);60.46(CH-1´´);46.11(CH-4´´);41.57(CH-2´);38.79(CH(CHCH);28.75((CHCHCHCH);28.58(CHCH(CHCH);27.91(CH-2´´);24.73(CH-3´´);22.00((CHCHCH);14.12((CHCH);
LC-MS Rt,1 3.63分、Rt,2 3.76分、m/z 425.34[M+H]
2329のHR MS[M+H] 計算値425.21833;実測値425.21812。
【0064】
実施例11
メチル(S)-(2-オキソ-2-(1-((キノリン-4-カルボニル)グリシル)ピロリジン-2-イル)アセチル)グリシナ-ト
前駆体1k(800mg、収率95%;LC-MS Rt,1 3.46分、Rt,2 3.51分、m/z 408.32[M+H])を、一般的手順1から得た。続いて、前駆体1kを一般的手順2によって脱ベンジル化し、得られたアミンを一般的手順3によってキノリン-4-カルボン酸と縮合させて、前駆体2k(500mg、収率75%;LC-MS Rt,1 2.84分、Rt,2 2.91分、m/z 429.30[M+H])を得た。一般的手順4によって、前駆体2kを最終α-ケトアミド3k(15mg、収率46%)に酸化した。
H NMR(500MHz,DMSO-d):9.10(bt,1H,JNH,CH2=6.1Hz,COCONH);9.03(t,1H,JNH,2´=6.1Hz,NH-2´);9.02(d,1H,J2,3=4.4Hz,H-2);8.34(dm,1H,J5,6=8.5Hz,H-5);8.10(dm,1H,J8,7=8.5Hz,H-8);7.85(ddd,1H,J7,8=8.5Hz,J8,7=6.9Hz,J7,5=1.4Hz,H-7);7.71(ddd,1H,J6,5=8.5Hz,J6,7=6.9Hz,J6,8=1.3Hz,H-6);7.60(d,1H,J3,2=4.4Hz,H-3);5.22(dd,1H,J1´´,2´´=9.2および4.5Hz,H-1´´);4.28(dd,1H,Jgem=16.9Hz,J2´b,NH=6.1Hz,H-2´b);4.17(dd,1H,Jgem=16.9Hz,J2´a,NH=6.0Hz,H-2´a);3.99-3.87(m,2H,CHCOOCH);3.72-3.60(m,2H,H-4´´);3.65(s,3H,CHCOOCH);2.25(m,1H,H-2´´b);2.02(m,1H,H-3´´b);1.88(m,1H,H-3´´a);1.84(m,1H,H-2´´a);
13C NMR(125.7MHz,DMSO-d):194.92(COCONH).169.62(CHCOO);167.05(CO-1´);166.63(CO-3´);160.80(COCONH);150.02(CH-2);147.12(C-8a);143.31(C-4);130.58(CH-7);128.63(CH-8);127.82(CH-6);126.19(CH-5);124.53(C-4a);119.37(CH-3);60.52(CH-1´´);52.18(CHCOO);46.10(CH-4´´);41.57(CH-2´);40.78(CHCOOCH);27.79(CH-2´´);24.72(CH-3´´);
LC-MS Rt,1 2.90分、Rt,2 3.00分、m/z 427.29[M+H]
2123のHR MS[M+H] 計算値427.16121;実測値427.16096。
【0065】
実施例12
terc-ブチル(S)-(2-オキソ-2-(1-((キノリン-4-カルボニル)グリシル)ピロリジン-2-イル)アセチル)グリシナ-ト
前駆体1l(212mg、収率46%;LC-MS Rt,1 3.51分、Rt,2 3.57分、m/z 472.28[M+Na])を、一般的手順1から得た。続いて、前駆体1lを一般的手順2によって脱ベンジル化し、得られたアミンを一般的手順3によってキノリン-4-カルボン酸と縮合させて、前駆体2l(140mg、収率62%;LC-MS Rt,1 3.40分、Rt,2 3.48分、m/z 471.30[M+H])を得た。一般的手順4によって、前駆体2lを最終α-ケトアミド3l(55mg、収率50%)に酸化した。
H NMR(500MHz,DMSO-d):9.07(m,1H,NH-2´);9.06(d,1H,J2,3=4.5Hz,H-2);9.00(bt,1H,JNH,CH2=6.2Hz,COCONH);8.37(bdd,1H,J5,6=8.5Hz,J5,7=1.5Hz,H-5);8.12(dm,1H,J8,7=8.5Hz,H-8);7.88(ddd,1H,J7,8=8.5Hz,J8,7=6.9Hz,J7,5=1.5Hz,H-7);7.74(ddd,1H,J6,5=8.5Hz,J6,7=6.9Hz,J6,8=1.3Hz,H-6);7.65(d,1H,J3,2=4.5Hz,H-3);5.23(dd,1H,J1´´,2´´=9.2および4,3Hz,H-1´´);4.29(dd,1H,Jgem=16.8Hz,J2´b,NH=6.1Hz,H-2´b);4.17(dd,1H,Jgem=16.8Hz,J2´a,NH=5.9Hz,H-2´a);3.86-3.74(m,2H,CHCOO);3.72-3.62(m,2H,H-4´´);2.26(m,1H,H-2´´b);2.02(m,1H,H-3´´b);1.92-1.78(m,2H,H-3´´a,2´´a);1.41(s,9H,(CHC);
13C NMR(125.7MHz,DMSO-d):195.02(COCONH).168.18(CHCOO);166.90(CO-1´);166.59(CO-3´);160.76(COCONH);149.67(CH-2);146.27(C-8a);144.14(C-4);131.05(CH-7);128.13(CH-6);127.95(CH-8);126.32(CH-5);124.65(C-4a);119.46(CH-3);81.31((CHC);60.52(CH-1´´);46.12(CH-4´´);41.61(CH-2´);41.52(CHCOO);27.92((CHC);27.83(CH-2´´);24.71(CH-3´´);
LC-MS Rt,1 3.53分、Rt,2 3.62分、m/z 469.29[M+H]
2429のHR MS[M+H] 計算値469.20816;実測値469.20798。
【0066】
実施例13
メチル(2-オキソ-2-((S)-1-((キノリン-4-カルボニル)グリシル)ピロリジン-2-イル)アセチル)アラニナ-ト
一般的手順1によって前駆体1ma((2-((S)-1-(((ベンジルオキシ)カルボニル)グリシル)ピロリジン-2-イル)-2-ヒドロキシアセチル)アラニン;237mg、収率82%;LC-MS Rt,1 3.24分、Rt,2 3.34分、m/z 408.27[M+H])を得た。前駆体1maを、アミンの代わりに余剰のメタノールを使用する一般的手順3に対応するエステル化によって、メチルエステルに変換した(前駆体1m;100mg、収率44%;LC-MS Rt,1 3.60分、Rt,2 3.66分、m/z 422.36[M+H])。続いて、前駆体1mを一般的手順2によって脱ベンジル化し、得られたアミンを一般的手順3によってキノリン-4-カルボン酸と縮合させて、前駆体2m(76mg、収率58%;LC-MS Rt,1 2.95分、Rt,2 3.03分、Rt,2 3.05分、m/z 443.28[M+H])を得た。一般的手順4によって、前駆体2mを最終α-ケトアミド3m(49mg、収率87%)に酸化した。
H NMR(500MHz,DMSO-d):9.13および9.12(2×bd,2×1H,JNH,CH=7.5Hz,COCONH);9.06(m,2H,NH-2´);9.06(2×d,2×1H,J2,3=4.5Hz,H-2);8.38および8.36(2×dm,2×1H,J5,6=8.6Hz,H-5);8.12(2×dm,2×1H,J8,7=8.5Hz,H-8);7.89および7.88(2×ddd,2×1H,J7,8=8.5Hz,J8,7=6.9Hz,J7,5=1.5Hz,H-7);7.75および7.73(2×ddd,2×1H,J6,5=8.5Hz,J6,7=6.9Hz,J6,8=1.3Hz,H-6);7.65および7.64(2×bd,2×1H,J3,2=4.5Hz,H-3);5.24(dd,1H,J1´´,2´´=9.2および4.5Hz,H-1´´);5.20(dd,1H,J1´´,2´´=9.3および4.2Hz,H-1´´);4.40および4.39(2×pent,2×1H,JCH,NH=JCH,CH3=7.4Hz,CHCH);4.28および4.27(2×dd,2×1H,Jgem=16.8Hz,J2´b,NH=6.0Hz,H-2´b);4.19(2×dd,2×1H,Jgem=16.8Hz,J2´a,NH=5.9Hz,H-2´a);3.75-3.60(2×m,2×2H,H-4´´);3.64(2×s,2×3H,CHCOO);2.30-2.20(m,2×1H,H-2´´b);2.06-1.96(m,2×1H,H-3´´b);1.93-1.77(m,4×1H,H-3´´a,H-2´´a);1.36および1.34(2×d,2×3H,JCH3,CH=7.3Hz,CHCH);
13C NMR(125.7MHz,DMSO-d):195.25および195.17(COCONH);172.49(CHCOO);167.10(CO-1´);166.86および166.79(CO-3´);160.85および160.48(COCONH);149.90および149.88(CH-2);146.54および146.50(C-8a);144.39および144.29(C-4);131.27および131.24(CH-7);128.32および128.29(CH-6);128.22および128.16(CH-8);126.55および126.50(CH-5);124.86および124.85(C-4a);119.66(CH-3);61.10および60.62(CH-1´´);52.59および52.56(CHCOO);48.10および48.04(CHCH);46.32(CH-4´´);41.84および41.80(CH-2´);28.03および27.96(CH-2´´);24.94および24.88(CH-3´´);16.95および16.84(CHCH);
LC-MS Rt,1 3.07分、Rt,2 3.15分、m/z 441.25[M+H]
【0067】
実施例14
(S)-N-(2-(2-(2-((2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)キノリン-4-カルボキサミド
連続した一般的手順3および4において、α-ケトアミド5a(29mg、収率69%)を、前駆体7およびジメチルアミンのエタノール溶液(5.6mol・l-1)から調製した。
H NMR(500MHz,DMSO-d):9.04(m,1H,NH-2´);9.02(d,1H,J2,3=4.5Hz,H-2);8.50(bt,1H,JNH,CH2=5.5Hz,COCONH);8.34(dm,1H,J5,6=8.5Hz,H-5);8.10(dm,1H,J8,7=8.5Hz,H-8);7.85(ddd,1H,J7,8=8.5Hz,J8,7=6.9Hz,J7,5=1.5Hz,H-7);7.71(ddd,1H,J6,5=8.5Hz,J6,7=6.9Hz,J6,8=1.3Hz,H-6);7.61(d,1H,J3,2=4.5Hz,H-3);5.24(dd,1H,J1´´,2´´=9.2および4.2Hz,H-1´´);4.29(dd,1H,Jgem=16.8Hz,J2´b,NH=6.2Hz,H-2´b);4.16(dd,1H,Jgem=16.8Hz,J2´a,NH=5.8Hz,H-2´a);4.03および3.98(2×dd,2×1H,Jgem=17.0Hz,JCH2,NH=5.7Hz;CHCON);3.72-3.61(m,2H,H-4´´);2.96および2.83(2×s,2×3H,(CHN);2.25(m,1H,H-2´´b);2.02(m,1H,H-3´´b);1.93-1.81(m,2H,H-3´´a,2´´a);
13C NMR(125.7MHz,DMSO-d):195.18(COCONH).167.25(CHCON);167.05(CO-1´);166.64(CO-3´);160.26(COCONH);149.98(CH-2);146.99(C-8a);143.45(C-4);130.68(CH-7);128.53(CH-8);127.90(CH-6);126.22(CH-5);124.56(C-4a);119.41(CH-3);60.46(CH-1´´);46.13(CH-4´´);41.59(CH-2´);40.68(CHCON);35.86および35.34((CHN);27.77(CH-2´´);24.72(CH-3´´);
LC-MS Rt,1 2.79分、Rt,2 2.88分、m/z 440.26[M+H]
2226のHR MS[M+H] 計算値440.19285;実測値440.19275。
【0068】
実施例15
(S)-N-(2-(2-(2-((2-(エチル(プロピル)アミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)キノリン-4-カルボキサミド
連続する一般的手順3および4において、α-ケトアミド5b(18mg、収率50%)を前駆体7およびピロリジンから調製した。
H NMR(500MHz,DMSO-d):9.02(m,1H,NH-2´);9.00(d,1H,J2,3=4.4Hz,H-2);8.56(bt,1H,JNH,CH2=5.7Hz,COCONH);8.33(bdd,1H,J5,6=8.5Hz,J5,7=1.5Hz,H-5);8.09(dm,1H,J8,7=8.5Hz,H-8);7.84(ddd,1H,J7,8=8.5Hz,J8,7=6.9Hz,J7,5=1.5Hz,H-7);7.70(ddd,1H,J6,5=8.5Hz,J6,7=6.9Hz,J6,8=1.3Hz,H-6);7.58(d,1H,J3,2=4.4Hz,H-3);5.23(dd,1H,J1´´,2´´=9.2および4.3Hz,H-1´´);4.28(dd,1H,Jgem=16.8Hz,J2´b,NH=6.1Hz,H-2´b);4.15(dd,1H,Jgem=16.8Hz,J2´a,NH=5.8Hz,H-2´a);3.98-3.87(m,2H,CHCONH);3.72-3.62(m,2H,H-4´´);3.41および3.29(2×t,2×2H,JCH2,CH2=6.9Hz;CH-2,5-CN);2.24(m,1H,H-2´´b);2.01(m,1H,H-3´´b);1.92-1.71(m,6H,H-3´´a,2´´a,H-3,4-CN);
13C NMR(125.7MHz,DMSO-d):195.21(COCONH),167.14(CO-1´);166.66(CO-3´);165.62(CHCONH);160.35(COCONH);150.17(CH-2);147.39(C-8a);143.06(C-4);130.47(CH-7);128.86(CH-8);127.77(CH-6);126.17(CH-5);124.51(C-4a);119.38(CH-3);60.52(CH-1´´);46.14(CH-4´´);45.89および45.15(CH-2,5-CN);41.59(CH-2´);41.41(CHCON);27.78(CH-2´´);25.81(CH-3-CNまたはCH-4-CN);24.73(CH-3´´);23.9481(CH-3-CNまたはCH-4-CN);
LC-MS Rt,1 2.98分、Rt,2 3.03分、m/z 466.26[M+H]
【0069】
実施例16
(S)-N-(2-(2-(2-((2-(イソプロピルアミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)キノリン-4-カルボキサミド
連続する一般的手順3および4において、α-ケトアミド5c(21mg、収率66%)を前駆体7およびイソプロピルアミンから調製した。
H NMR(500MHz,DMSO-d):9.02(t,1H,JNH,2´=6.0Hz,NH-2´);9.00(d,1H,J2,3=4.4Hz,H-2);8.67(t,1H,JNH,CH2=6.0Hz,COCONH);8.33(ddd,1H,J5,6=8.5Hz,J5,7=1.5Hz,J5,8=0.6Hz,H-5);8.09(dm,1H,J8,7=8.5Hz,H-8);7.84(ddd,1H,J7,8=8.5Hz,J8,7=6.9Hz,J7,5=1.5Hz,H-7);7.83(m,1H,(CHCHNH);7.69(ddd,1H,J6,5=8.5Hz,J6,7=6.9Hz,J6,8=1.3Hz,H-6);7.58(d,1H,J3,2=4.4Hz,H-3);5.23(dd,1H,J1´´,2´´=9.2および4.2Hz,H-1´´);4.28(dd,1H,Jgem=16.8Hz,J2´b,NH=6.1Hz,H-2´b);4.17(dd,1H,Jgem=16.8Hz,J2´a,NH=5.9Hz,H-2´a);3.81(m,1H,(CHCHNH);3.76-3.62(m,4H,CHCONH,H-4´´);2.23(m,1H,H-2´´b);2.01(m,1H,H-3´´b);1.90-1.83(m,2H,H-3´´a,2´´a);1.04および1.03(2×d,2×3H,JCH3,CH=6.6Hz,(CHCHNH);
13C NMR(125.7MHz,DMSO-d):195.05(COCONH),167.13(CO-1´);166.72および166.62(CO-3´,CHCONH);160.47(COCONH);150.16(CH-2);147.44(C-8a);143.01(C-4);130.42(CH-7);128.89(CH-8);127.73(CH-6);126.17(CH-5);124.50(C-4a);119.35(CH-3);60.40(CH-1´´);46.12(CH-4´´);41.94(CHCONH);41.57(CH-2´);40.81((CHCH);27.75(CH-2´´);24.72(CH-3´´);22.58((CHCH);
LC-MS Rt,1 3.05分、Rt,2 3.11分、m/z 454.24[M+H]
2327のHR MS[M+H] 計算値454.20850;実測値454.20844。
【0070】
実施例17
(S)-N-(2-(2-(2-((2-(ベンジルアミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)キノリン-4-カルボキサミド
連続する一般的手順3および4において、α-ケトアミド5d(10mg、収率19%)を前駆体7およびベンジルアミンから調製した。
H NMR(500MHz,DMSO-d):9.01(m,1H,NH-2´);8.99(d,1H,J2,3=4,4Hz,H-2);8.85(bt,1H,JNH,CH2=6.0Hz,COCONH);8.48(bt,1H,JNH,CH2=6.0Hz,NH-CHBn);8.33(bdd,1H,J5,6=8.5Hz,J5,7=1.5Hz,H-5);8.09(dm,1H,J8,7=8.5Hz,H-8);7.83(ddd,1H,J7,8=8.5Hz,J8,7=6.9Hz,J7,5=1.5Hz,H-7);7.69(ddd,1H,J6,5=8.5Hz,J6,7=6.9Hz,J6,8=1.3Hz,H-6);7.57(d,1H,J3,2=4.4Hz,H-3);7.31(m,2H,H-m-Bn);7.27-7.20(m,3H,H-o,p-Bn);5.25(dd,1H,J1´´,2´´=9.2および4.2Hz,H-1´´);4.28(m,2H,CH-Bn);4.27(dd,1H,Jgem=16.8Hz,J2´b,NH=6.0Hz,H-2´b);4.16(dd,1H,Jgem=16.8Hz,J2´a,NH=5.9Hz,H-2´a);3.86(dd,1H,Jgem=16.4Hz,JCH2,NH=6.3Hz,CHCONH-b);3.78(dd,1H,Jgem=16.4Hz,JCH2,NH=6.0Hz,CHCONH-a);3.71-3.62(m,2H,H-4´´);2.24(m,1H,H-2´´b);2.01(m,1H,H-3´´b);1.94-1.84(m,2H,H-3´´a,2´´a);
13C NMR(125.7MHz,DMSO-d):194.85(COCONH);168.01(CHCONH);167.13(CO-1´);166.62(CO-3´);160.56(COCONH);150.19(CH-2);147.49(C-8a);142.97(C-4);139.44(C-i-Bn);130.39(CH-7);128.94(CH-8);128.49(CH-m-Bn);127.70(CH-6);127.40(CH-o-Bn);127.02(CH-p-Bn);126.14(CH-5);124.49(C-4a);119.33(CH-3);60.44(CH-1´´);46.11(CH-4´´);42.28(CH-Bn);41.19(CHCONH);41.57(CH-2´);27.70(CH-2´´);24.70(CH-3´´);
LC-MS Rt,1 3.26分、Rt,2 3.35分、m/z 502.21[M+H]
2728のHR MS[M+H] 計算値502.20850;実測値502.20825。
【0071】
実施例18
メチル(2-オキソ-2-((S)-1-((キノリン-4-カルボニル)グリシル)ピロリジン-2-イル)アセチル)グリシル-L-ロイシナ-ト
連続する一般的手順3および4において、α-ケトアミド5e(33mg、収率77%)を前駆体7およびメチル-L-ロイシナートから調製した。
H NMR(500MHz,DMSO-d):9.05(m,1H,NH-2´);9.05(d,1H,J2,3=4.5Hz,H-2);8.77(bt,1H,JNH,CH2=6.2Hz,COCONH);8.40(bd,1H,JNH,CH=7.9Hz,CHCOOCHNH);8.36(dm,1H,J5,6=8.5Hz,H-5);8.12(dm,1H,J8,7=8.5Hz,H-8);7.87(ddd,1H,J7,8=8.5Hz,J8,7=6.9Hz,J7,5=1.5Hz,H-7);7,74(ddd,1H,J6,5=8.4Hz,J6,7=6.9Hz,J6,8=1.3Hz,H-6);7.64(d,1H,J3,2=4.5Hz,H-3);5.25(dd,1H,J1´´,2´´=9.3および4.0Hz,H-1´´);4.31(m,1H,CHCOOCHNH);4.28(dd,1H,Jgem=16.8Hz,J2´b,NH=6.1Hz,H-2´b);4.17(dd,1H,Jgem=16.8Hz,J2´a,NH=5,8Hz,H-2´a);3.86-3.75(m,2H,CHCONH);3.72-3.62(m,2H,H-4´´);3.62(s,3H,CHCOOCH);2.23(m,1H,H-2´´b);2.01(m,1H,H-3´´b);1.92-1.83(m,2H,H-3´´a,2´´a);1.60(m,1H,CHCH(CH);1.55および1.48(2×m,2×1H,CHCH(CH);0.87および0.83(2×d,2×3H,JCH3,CH=6.5Hz,CHCH(CH);
13C NMR(125.7MHz,DMSO-d):194.80(COCONH);173.16(CHCOOCH);168.13(CHCONH);166.92(CO-1´);166.57(CO-3´);160.48(COCONH);149.74(CH-2);146.46(C-8a);143.96(C-4);130.93(CH-7);128.06(CH-6);128.00(CH-8);126.28(CH-5);124.62(C-4a);119.43(CH-3);60.47(CH-1´´);52.14(CHCOOCH);50.45(CHCOOCH);46.12(CH-4´´);41.75(CHCONH);41.60(CH-2´);40.12(CHCH(CH);27.64(CH-2´´);24.65(CH-3´´),24.35(CHCH(CH);22.98および21.49(CHCH(CH);
LC-MS Rt,1 3.46分、Rt,2 3.52分、m/z 540.26[M+H]
2734のHR MS[M+H] 計算値540.24527;実測値540.24499.
実施例19
メチル(2-オキソ-2-((S)-1-((キノリン-4-カルボニル)グリシル)ピロリジン-2-イル)アセチル)グリシル-L-フェニルアラニナ-ト
連続する一般的手順3および4において、α-ケトアミド5f(45mg、収率79%)を前駆体7およびメチル-L-フェニルアラニナ-トから調製した。
H NMR(500MHz,DMSO-d):9.04(m,1H,NH-2´);9.04(d,1H,J2,3=4,5Hz,H-2);8.74(bt,1H,JNH,CH2=6.2Hz,COCONH);8.50(bd,1H,JNH,CH=7.7Hz,CHCOOCHNH);8.35(dm,1H,J5,6=8.5Hz,H-5);8.11(dm,1H,J8,7=8.5Hz,H-8);7.87(ddd,1H,J7,8=8.5Hz,J8,7=6.9Hz,J7,5=1.5Hz,H-7);7.73(ddd,1H,J6,5=8.5Hz,J6,7=6.9Hz,J6,8=1.3Hz,H-6);7.63(d,1H,J3,2=4.5Hz,H-3);7.27(m,2H,H-m-Bn);7.23-7.18(m,3H,H-o,p-Bn);5.24(dd,1H,J1´´,2´´=9.2および4.1Hz,H-1´´);4.47(m,1H,CHCOOCH);4.28(dd,1H,Jgem=16.8Hz,J2´b,NH=6.1Hz,H-2´b);4.17(dd,1H,Jgem=16.8Hz,J2´a,NH=5.9Hz,H-2´a);3.82(dd,1H,Jgem=16.6Hz,JCH2,NH=6.3Hz,CHCONH-b);3.72(dd,1H,Jgem=16.6Hz,JCH2,NH=6.1Hz,CHCONH-a);3.71-3.61(m,2H,H-4´´);3.60(s,3H,CHCOO);3.02(dd,1H,Jgem=13.7Hz,JCH2,CH=5.7Hz,CH-Bn-b);2.91(dd,1H,Jgem=13.7Hz,JCH2,CH=9.0Hz,CH-Bn-a);2.24(m,1H,H-2´´b);2.01(m,1H,H-3´´b);1.90-1.82(m,2H,H-3´´a,2´´a);
13C NMR(125.7MHz,DMSO-d):194.88(COCONH);172.09(CHCOO);168.08(CHCONH);166.92(CO-1´);166.56(CO-3´);160.41(COCONH);149.75(CH-2);146.50(C-8a);143.89(C-4);137.21(C-i-Bn);130.90(CH-7);129.34(CH-o-Bn);128.53(CH-m-Bn);128.13(CH-8);128.03(CH-6);126.86(CH-p-Bn);126.27(CH-5);124.60(C-4a);119.42(CH-3);60.44(CH-1´´);53.94(CHCOOCH);52.16(CHCOO);46.10(CH-4´´);41.67(CHCONH);41.59(CH-2´);36.85(CH-Bn);27.70(CH-2´´);24.68(CH-3´´);
LC-MS Rt,1 3.52分、Rt,2 3.59分、m/z 574.28[M+H]
3032のHR MS[M+H] 計算値574.22962;実測値574.22949。
【0072】
実施例20
メチル(2-オキソ-2-((S)-1-((キノリン-4-カルボニル)グリシル)ピロリジン-2-イル)アセチル)グリシル-L-グルタミナ-ト
連続した方法3および4において、α-ケトアミド5g(13mg、収率47%;LC-MS Rt,1 2.69分、Rt,2 2.78分、m/z 555.25[M+H])を、前駆体7およびメチル-L-グルタミナ-トから調製した。
【0073】
実施例21
5-ベンジル1-メチル(2-オキソ-2-((S)-1-((キノリン-4-カルボニル)グリシル)ピロリジン-2-イル)アセチル)グリシル-L-グルタマ-ト
連続した一般的手順3および4において、α-ケトアミド5h(5mg、収率43%;LC-MS Rt,1 3.68分、Rt,2 3.78分、m/z 646.28[M+H])を、前駆体7および5-ベンジル-1-メチル-L-グルタマ-トから調製した。
【0074】
実施例22
ベンジルN-((ベンジルオキシ)カルボニル)-N-((2-オキソ-2-((S)-1-((キノリン-4-カルボニル)グリシル)ピロリジン-2-イル)アセチル)グリシル)-L-リシナ-ト
連続する一般的手順3および4において、α-ケトアミド5i(15mg、収率60%)を、前駆体7およびメチルN6-Cbz-L-リシナ-トから調製した。
H NMR(500MHz,DMSO-d):9.02(m,1H,NH-2´);9.01(d,1H,J2,3=4.5Hz,H-2);8.76(bt,1H,JNH,CH2=6.2Hz,COCONH);8.39(bd,1H,JNH,CH=7.5Hz,CHCOOCHNH);8.33(dm,1H,J5,6=8.5Hz,H-5);8.09(dm,1H,J8,7=8.5Hz,H-8);7.84(ddd,1H,J7,8=8.5Hz,J8,7=6.9Hz,J7,5=1,5Hz,H-7);7.70(m,1H,H-6);7.59(d,1H,J3,2=4.5Hz,H-3);7.39-7.27(m,5H,H-o,m,p-Ph);7.26(m,1H,NH-5´´´);5.24(dd,1H,J1´´,2´´=9.2および4.0Hz,H-1´´);5.00(s,2H,COOCHPh);4.28(dd,1H,Jgem=16.9Hz,J2´b,NH=6.1Hz,H-2´b);4.22(m,1H,CH-1´´´);4.16(dd,1H,Jgem=16.9Hz,J2´a,NH=6.0Hz,H-2´a);3.86-3.76(m,2H,CHCONH);3.70-3.61(m,2H,H-4´´);3.62(s,3H,CHCOO);2.97(m,2H,H-5´´´);2.22(m,1H,H-2´´b);2.00(m,1H,H-3´´b);1.92-1.83(m,2H,H-3´´a,2´´a);1.59(m,2H,CH-2´´´);1.38(m,2H,CH-4´´´);1.26(m,2H,CH-3´´´);
13C NMR(125.7MHz,DMSO-d):194.84(COCONH);172.74(CHCOO);168.12(CHCONH);167.05(CO-1´);166.57(CO-3´);160.46(COCONH);156.30(COOCHPh);150.07(CH-2);147.17(C-8a);143.25(C-4);137.48(C-i-Ph);130.53(CH-7);128.67(CH-8);128.57(CH-m-Ph);127.97(CH-o,p-Ph);127.79(CH-6);126.18(CH-5);124.51(C-4a);119.34(CH-3);65.33(COOCHPh);60.43(CH-1´´);52.12および52.09(CHCOO,CH-1´´´);46.09(CH-4´´);41.71(CHCONH);41.57(CH-2´);40.25(CH-5´´´);30.82(CH-2´´´);29.14(CH-4´´´);27.65(CH-2´´);24.65(CH-3´´),22.75(CH-3´´´);
LC-MS Rt,1 3.72分、Rt,2 3.79分、m/z 689.29[M+H]
3541のHR MS[M+H] 計算値689.29295;実測値689.29276。
【0075】
実施例23
(S)-S-(62-((4-((2-(2-(2-((3,4-ジメトキシベンジル)アミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)カルバモイル)キノリン-7-イル)オキシ)-2,5,8,11,61-ペンタオキソ-15,18,21,24,27,30,33,36,39,42,45,48,51,54,57-ペンタデカオキサ-3,6,9,12,60-ペンタアザドヘキサコンチル)エタンチオア-ト
前駆体1bを一般的手順2によって脱ベンジル化し、得られたアミンを一般的手順3によってキノリン-4-カルボン酸誘導体10と縮合させて、前駆体11(417mg、収率65%;LC-MS Rt,1 3.76分、Rt,2 3.82分、m/z 642.59[1/2(M-COOtBu)+H])を得た。一般的手順4によって、前駆体11をα-ケトアミド(229mg、収率55%;LC-MS Rt,1 3.81分、Rt,2 3.87分、m/z 641.57[1/2(M-COOtBu)+H])に酸化した。次いで、生成物をDCM中の30%TFA 10ml中で脱保護した。液体成分を減圧下で蒸発させ、得られたアミンをFLASHクロマトグラフィーによって単離した。生成物含有画分の凍結乾燥後、このアミンを、一般的手法3によって、Boc-Gly-Gly-Glyと縮合させた(41mg、収率22%;LC-MS Rt,1 3.51分、Rt,2 3.57分、m/z 727.06[1/2(M-COOtBu)+H])。上述したTFA/DCM条件下での脱保護工程を繰り返し、得られたアミンを、一般的手法3によって、S-アセチル-2-チオ酢酸と縮合させて、最終生成物12を得た(2,2mg、収率28%;LC-MS Rt,1 3.42分、Rt,2 3.47分、m/z 785.10[1/2M+H])。
【0076】
実施例24
(S)-N-(2-(2-(2-((3,4-ジメトキシベンジル)アミノ)-2-オキソアセチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)-7-(2-(6-ヒドラジニルニコチンアミド)エトキシ)キノリン-4-カルボキサミド
一般的手順2によって前駆体1bを脱ベンジル化し、得られたアミンを一般的手順3によってキノリン-4-カルボン酸誘導体13と縮合させて、前駆体14(170mg、収率46%;LC-MS Rt,1 3.61分、Rt,2 3.68分、m/z 666.30[M+H])を得た。一般的手順4によって、前駆体14をα-ケトアミド(121mg、収率72%;LC-MS Rt,1 3.71分、Rt,2 3.78分、m/z 664.26[M+H])に酸化した。次いで、生成物をDCM中の30%TFA 7ml中で脱保護した。液体成分を減圧下で蒸発させ、得られたアミンをFLASHクロマトグラフィーによって単離した。生成物含有画分の凍結乾燥後、このアミンを、一般的手法3によって、N-Boc-ヒドラジノニコチン酸と縮合させた(24mg、収率59%;LC-MS Rt,1 3.41分、Rt,2 3.48分、m/z 799.31[M+H])。上述したTFA/DCM条件下での脱保護工程を繰り返して、最終生成物15を得た(1mg、収率8%;LC-MS Rt,1 2.88分、Rt,2 2.96分、m/z 699.20[M+H])。
【0077】
実施例25
α-ケトアミド阻害剤の阻害活性の測定
ヒト組換えFAP酵素を、以前に公開された手順に従って調製した(Dvorakova et al. 2017, J. Med. Chem., 8365)。ヒト組換え酵素DPPIVおよびPREPを、R&Dシステムから購入した(カタログ番号9168-SE-010および4308-SE-010)。IC50値を、以前に公開された手順(Dvorakova et al. 2017, J. Med. Chem., 8365)に従って、2回繰り返して測定した。GraphPrism(バージョン8.3.1)を用いた非線形回帰によってデータを解析した。測定結果は、平均阻止濃度IC50およびpIC50の負の10進対数によるその線形の値として与えられる。最も活性が高い物質は、最も低いIC50値およびpIC50値を示す。
【0078】
【表3】
【0079】
【表4】
【0080】
【表5】
【0081】
実施例26
α-ケトアミド阻害剤の安定性の測定
血漿中安定性
それぞれの試験物質からDMSO中の10mmol・l-1溶液を調製し、その溶液0.7μlを、37℃に維持したヒト(Biowest)血漿またはマウス(Biosera)血漿1400μlに加え、0分後、20分後、60分後および120分後に、40μlのアリコートを採取し、LC-MSによって分析した:
血漿のアリコートを、内部標準としてカフェインを含有する120μlのメタノールで抽出した。溶液をボルテックス(5分)し、遠心分離(20500g;10分)し、上清をバイアルに移し、1μlの混合物をLC-MS分析に使用した。
【0082】
ミクロソームにおける安定性
マウスミクロソーム(Thermofisher)0.5mg/mlを、試験物質の5μmol・l-1溶液、新たに調製したNADPHの2mmol・l-1溶液および90mmol・l-1トリス緩衝液(pH7.4)中の2mmol・l-1 MgClと共にインキュベートした。37.5μlの混合物のインキュベーションを、内部標準としてカフェインを含有する150μlのアセトニトリルの添加によって停止し、0℃に冷却した。混合物をボルテックスし(5分)、遠心分離した(20500g;10分)。上清をバイアルに移し、1μlの混合物をLC-MS分析に使用した。
【0083】
試料のLC-MS分析
試料をSciex Qtrap 6550機器において分析し、Phenomexカラムを分離に使用し(50×2.1、13nm、1.7μm)、流速0.3ml/分、移動相A(水中の0.1%(vol./vol.)ギ酸)中で5%から100%(vol./vol.)まで6分間かけて連続的に増加させた移動相画分B(アセトニトリル中の0.1%(vol./vol.)ギ酸)の勾配を使用した。結果は、対照(時間0で採取したアリコート)に対する試験物質の割合として示す。
【0084】
測定結果:
選択された阻害剤3a、3b、3e、5fおよび5hについて安定性を試験した。
【0085】
これらの物質はヒト血漿中で安定である。最高分解速度は物質5fで観察され、そこでは物質の25%が120分以内に分解した。マウス血漿中では、物質3a、3bおよび3eのみが安定であるが、物質5fおよび5hはすぐに分解する(物質の100%が20分以内に分解する)。マウスのミクロソームでは、物質3aおよび3bは安定であり(物質の最大20%が120分以内に分解する)、物質3eおよび5fは部分的に安定であり(物質の40~50%が120分以内に分解する)、物質5hは不安定である(物質の100%が20分以内に分解する)。
【0086】
実施例27
腫瘍細胞株に対するα-ケトアミド阻害剤の細胞毒性の測定
物質の細胞毒性を、4つの腫瘍細胞株:CCRF-CEM、HepG2、Hela、HL-60において測定した。全ての細胞株はATCC(Manassas, VA, USA)から購入した。細胞を、10%(wt/wt)FBSおよび1%(wt/wt)GlutaMaxを含有するRPMI-1640またはDMEM培地中で培養した。細胞を384ウェルプレート(Thermo Fisher Scientific, Waltham, USA)のウェルあたり2,000~10,000個で分配し、一晩インキュベートした。24時間後、試験物質溶液(10または100μmol・l-1)をウェルに添加し、細胞を試験物質と共に37℃および5%(vol./vol.)COでさらに72時間インキュベートした。XTT色素(XTT細胞増殖キットII、Roche Diagnostics GmbH, Mannheim, Germany)を、製造業者のプロトコールに従ってウェルに添加した。色素との1時間のインキュベーション後、495nmでの吸光度を測定し、シグナルを対照(100%生存率=試験物質を含まない細胞)と比較した。
【0087】
【表6】
【0088】
〔産業上の利用可能性〕
本出願において開示された物質は、腫瘍増殖の標的治療のための医薬または標的診断のための診断薬として有用である。