(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】水冷ユニット、電池パック及び装置
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6568 20140101AFI20231017BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20231017BHJP
H01M 10/651 20140101ALI20231017BHJP
H01M 10/6554 20140101ALI20231017BHJP
【FI】
H01M10/6568
H01M10/613
H01M10/651
H01M10/6554
(21)【出願番号】P 2022560360
(86)(22)【出願日】2021-03-22
(86)【国際出願番号】 CN2021082201
(87)【国際公開番号】W WO2021258792
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2022-10-03
(31)【優先権主張番号】202021195337.X
(32)【優先日】2020-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】叶偉達
(72)【発明者】
【氏名】李翔
(72)【発明者】
【氏名】谷燕竜
(72)【発明者】
【氏名】黄小騰
(72)【発明者】
【氏名】厳鵬
(72)【発明者】
【氏名】汪文礼
【審査官】右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-203535(JP,A)
【文献】国際公開第2012/029270(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/033412(WO,A1)
【文献】特開2020-088109(JP,A)
【文献】特開2012-156057(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/6568
H01M 10/613
H01M 10/651
H01M 10/6554
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池を冷却するための水冷ユニットであって、
冷却液を収容するための冷却通路を有する本体部と、
前記本体部に接続され、前記冷却液を導入し又は排出するための連通キャビティを有する第1の接続部と、
前記本体部と前記第1の接続部との間に設置され、前記冷却通路と前記連通キャビティとを連通させるための内部キャビティを有する第2の接続部と、
を含み、
前記内部キャビティは、前記冷却通路に近接する端面全体を介して前記冷却通路に連通し、
前記内部キャビティの前記冷却通路寄りの端面の横断面積は前記連通キャビティの前記内部キャビティ寄りの端面の横断面積より大きい、水冷ユニット。
【請求項2】
前記内部キャビティは、前記冷却液の流れ方向において、対向して設置される第1の端と第2の端を有し、前記内部キャビティの第1の端は、前記冷却通路との連通に用いられ、前記内部キャビティの横断面積は、前記内部キャビティの第1の端から前記内部キャビティの第2の端まで徐々に減少する、請求項1に記載の水冷ユニット。
【請求項3】
前記内部キャビティの任意の位置での横断面積は、いずれも等しい、請求項1に記載の水冷ユニット。
【請求項4】
前記第2の接続部は、
前記本体部に接続される第1のセグメントと、
前記第1のセグメントと前記第1の接続部との間に接続される第2のセグメントと、
を含む請求項1~3のいずれか一項に記載の水冷ユニット。
【請求項5】
前記第2の接続部は、前記本体部と一体成形される請求項1~3のいずれか一項に記載の水冷ユニット。
【請求項6】
前記内部キャビティの前記連通キャビティ寄りの端面の横断面積は、前記本体部の前記内部キャビティ寄りの端面の横断面積以下である請求項1~5のいずれか一項に記載の水冷ユニット。
【請求項7】
前記本体部は、対向して設置される第1のプレートと第2のプレートを有し、前記第1のプレートの前記第2のプレートに面する側面及び/又は前記第2のプレートの前記第1のプレートに面する側面に、前記冷却通路を構成するための溝が設けられる請求項1~6のいずれか一項に記載の水冷ユニット。
【請求項8】
前記第2の接続部は、前記第1のプレートの前記第2のプレートから離間する側面及び/又は前記第2のプレートの前記第1のプレートから離間する側面に設けられる請求項7に記載の水冷ユニット。
【請求項9】
複数の電池と、複数の前記電池を冷却するための請求項1~8のいずれか一項に記載の水冷ユニットと、を含む電池パック。
【請求項10】
電池を使用する装置であって、前記装置に電気エネルギーを供給する請求項9に記載の電池パックを含む、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願における実施形態は、電池技術の分野に関し、特に、水冷ユニット、電池パック及び装置に関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年06月24日に提出された「水冷ユニット、電池パック及び装置」である中国特許出願202021195337.Xの優先権を主張し、当該出願の全ての内容が引用により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
自動車、電動自転車、船舶、蓄電キャビネットなどの装置は、装置に電気エネルギーを供給する電池パックを含む。
【0004】
関連技術において、自動車を例とすれば、自動車は、車体と、自動車を駆動するための電気エネルギーを車体に供給する電池パックとを含む。ここでは、電池パックは、電池と、電池を冷却するための冷却ユニットと、を有してよい。
【0005】
しかしながら、冷却ユニットの冷却効率が低く、電池パックの充放電効率が低下して、自動車などの装置のエネルギー効率が悪くなることもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記に鑑み、本出願における実施例は、冷却ユニットの冷却効率を向上させ、電池パックの充放電効率及び電池パックを使用する自動車などの装置のエネルギー効率を向上させる水冷ユニット、電池パック及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を実現するために、本出願の実施例は、以下の技術的解決手段を提供する。
【0008】
本出願の実施例の第1の態様は、電池を冷却するための水冷ユニットであって、冷却液を収容するための冷却通路を有する本体部と、本体部に接続され、冷却液を導入し又は排出するための連通キャビティを有する第1の接続部と、本体部と第1の接続部との間に設置され、冷却通路と連通キャビティとを連通させるための内部キャビティを有する第2の接続部と、を含み、内部キャビティの冷却通路寄りの端面の横断面積が連通キャビティの内部キャビティ寄りの端面の横断面積より大きい、水冷ユニットを提供する。
【0009】
内部キャビティの冷却通路寄りの端面の横断面積を連通キャビティの内部キャビティ寄りの端面の横断面積より大きくすることにより、冷却通路に入る冷却液の流速を小さくしたり、冷却液を小さな流速で冷却通路から流出させたりすることができ、第2の接続部における冷却液の圧力損失を低減して、水冷ユニットの冷却効率を向上させることができる。
【0010】
上記した水冷ユニットにおいて、内部キャビティは、冷却液の流れ方向において、対向して設置される第1の端と第2の端を有し、内部キャビティの第1の端は、冷却通路との連通に用いられ、内部キャビティの横断面積は、内部キャビティの第1の端から内部キャビティの第2の端まで徐々に減少する。
【0011】
内部キャビティは、横断面積が徐変するテーパ状のキャビティであり、その大きいほうの端は冷却通路に接続される第1の端であり、内部キャビティの小さいほうの端は連通キャビティに接続される第2の端であり、従って、内部キャビティは連通キャビティ及び冷却通路と連通する。
【0012】
上記した水冷ユニットにおいて、内部キャビティの任意の位置での横断面積は、いずれも等しい。
【0013】
内部キャビティの任意の位置での横断面積は、いずれも等しいので、加工製造が容易である。
【0014】
上記した水冷ユニットにおいて、第2の接続部は、本体部に接続される第1のセグメントと、第1のセグメントと第1の接続部との間に接続される第2のセグメントとを含む。
【0015】
第1のセグメント内のキャビティの横断面積は等しく第2のセグメント内のキャビティの横断面積も等しく、且つ第1のセグメント内のキャビティの横断面積は第2のセグメント内のキャビティの横断面積より大きく、第2のセグメント内のキャビティの横断面積は連通キャビティの横断面積より大きく、拡管プロセスによる成形が可能であり、加工製造が容易である。
【0016】
上記した水冷ユニットにおいて、第2の接続部は、本体部と一体成形される。
【0017】
第2の接続部と本体部の一体成形には、第2の接続部が、第1のプレートに形成される突出部であってよく、突出部が、給水端に位置してもよく、吐水端に位置してもよく、又は給水端及び吐水端の両方に同時に設けられてよい。
【0018】
上記した水冷ユニットにおいて、内部キャビティの連通キャビティ寄りの端面の横断面積は本体部の内部キャビティ寄りの端面の横断面積以下である。
【0019】
内部キャビティの連通キャビティ寄りの端面の横断面積を、本体部の内部キャビティ寄りの端面の横断面積以下にすることにより、第2の接続部と冷却通路との連通箇所に急拡と急縮が同時に発生することを避けることができ、冷却液の圧力損失が小さい。
【0020】
上記した水冷ユニットにおいて、本体部は、対向して設置される第1のプレートと第2のプレートを有し、第1のプレートの第2のプレートに面する側面及び/又は第2のプレートの第1のプレートに面する側面に、冷却通路を構成する溝が設けられる。
【0021】
第1のプレートと第2のプレートの両方に、対向して連通する2つの溝が設けられ、当該2つの溝により形成される冷却通路の横断面積が大きく、冷却液の流速が小さく、冷却液の圧力損失が小さく、冷却ユニットの熱交換率が高い。
【0022】
上記した水冷ユニットにおいて、第2の接続部は、第1のプレートの第2のプレートから離間する側面及び/又は第2のプレートの第1のプレートから離間する側面に設けられる。
【0023】
第2の接続部は、第1のプレートの第2のプレートから離間する側面に位置し、第1のプレートと確実に接続され、且つ優れた密封性を有する。
【0024】
従来技術と比べると、本出願の実施例に提供される水冷ユニットは、水冷ユニットが本体部と第1の接続部を含み、本体部に冷却通路が設置され、第1の接続部が冷却通路と連通する連通キャビティを有し、冷却液が連通キャビティから冷却通路に導入され又は連通キャビティから排出され、冷却液が冷却通路を流れる過程で電池と熱交換して電池を冷却する利点を有する。ここでは、第1の接続部と本体部との間に第2の接続部がさらに設けられ、第2の接続部に前記連通キャビティと冷却通路を連通させるための内部キャビティが設けられ、内部キャビティの冷却通路寄りの端面の横断面積が連通キャビティの内部キャビティ寄りの端面の横断面積より大きいことにより、冷却通路に入る冷却液の流速を低減し又は冷却液を小さな流速で冷却通路から流出させることができ、従って、第2の接続部での冷却液の圧力損失を低減し、水冷ユニットの冷却効率を向上させることができる。
【0025】
本出願の実施例の第2の態様は、複数の電池と、複数の電池を冷却するための前記第1の態様に記載の前記水冷ユニットと、を含む電池パックを提供する。
【0026】
本出願の実施例の第3の態様は、装置に電気エネルギーを供給する前記第2の態様に記載の前記電池パックを含む、電池を使用する装置を提供する。
【0027】
上記で説明した本出願の実施例が解决しようとする技術問題、技術的解決手段を構成する技術的特徴及びこれらの技術的解決手段の技術的特徴による有利な効果のほかに、本出願の実施例が提供する水冷ユニット、電池パック及び装置が解决できる他の技術問題、技術的解決手段に含まれる他の技術的特徴、並びにこれらの技術的特徴による有利な効果については、具体的な実施形態においてさらに詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本出願の実施例又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の記載に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下の記載における図面は、本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【
図1】本出願の実施例により提供される自動車の構成模式図である。
【
図12】
図11の第1の接続部の対称面に沿った断面構成模式図である。
【
図14】
図13の第1の接続部の対称面に沿った断面構成模式図である。
【
図15】第1の接続部及び第2の接続部の他の構成模式図である。
【
図18】
図16のケース、本体部及び電池モジュールの構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本出願の実施例の上記目的、特徴及び利点をより明らかで分かりやすくするために、以下、本出願の実施例における図面を参照して、本出願の実施例における技術的解決手段を明瞭で完全に説明する。説明する実施例は、本出願の全ての実施例でなく、その一部の実施例のみであることは明らかである。本出願の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をしない前提で得られる他の全ての実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属するものである。
【0030】
自動車などの装置では、エネルギーロスが多い場合、そのエネルギー効率が低下する。自動車での伝動輪システム、電池パック等の部品はすべてエネルギーを消費する。例えば、電池パックは、1つ又は複数の電池を含む電池モジュール、及び電池モジュールの動作を補助する水冷ユニット等を備え、当該電池が、電池パックのコア部品として電流を発生する。水冷ユニットは、電池モジュールに接触する2つのプレートを含み、その中の1つ又は2つのプレートに溝が設けられ、2つのプレートは、冷却液がその中に流れて電池モジュールと熱交換する冷却通路を囲むように密着される。水冷ユニットは、さらに給水管と吐水管を含み、給水管のキャビティが、冷却通路内に冷却液を導入するために冷却通路と連通し、吐水管のキャビティが、冷却液を排出するために冷却通路と連通し、即ち、給水管のキャビティ、冷却通路及び吐水管のキャビティにより、冷却液が流れる流路が形成される。出願人は、冷却液が流路を流れる際、流路の横断面積の急激な増減(急拡又は急縮)により圧力損失が発生し、この圧力損失が、車両全体側のエネルギー効率の低下を直接引き起こすことが発見される。ここでは、流路の横断面とは、冷却液の流れ方向に垂直に流路を切った時に観察される流路断面である。
【0031】
これらに鑑み、本出願の実施例は、装置D、電池パック1及び水冷ユニットを提供する。ここでは、装置Dは、車両、船舶、小型飛行機等の移動体であってもよく、蓄電キャビネット等の電気エネルギーを供給可能な非移動体であってもよい。車両は、新エネルギー型自動車であってよく、この新エネルギー型自動車は、純粋な電気自動車であってもよいし、ハイブリッド自動車やレンジエクステンダーを搭載した自動車等であってもよい。
【0032】
車両を例とすれば、
図1は、本出願の実施例により提供される自動車の構成模式図である。
図2は、
図1の電池パックの分解構成模式図である。
図3は
図2のA部分の構成模式図である。
図4は
図3のB部分の構成模式図である。
図1から
図4を参照して、車両は、車両本体と、車両本体における電力消費ユニットへ給電する電池パック1とを備えてよい。装置Dにより、電力消費ユニットは異なってもよい。例えば、装置Dが自動車の場合、車両本体における電力消費ユニットは、モータ、音響機器等であって良い。
【0033】
ここでは、電池パック1は、車両本体の底部に水平に設置されてよい。電池パック1は、複数の電池モジュール10、及び複数の電池モジュール10を収容する保護ケース20を含んでよい。
【0034】
保護ケース20は、蓋21と、一端が開口される中空構造であるケース22とを有してよく、ケース22内に電池モジュール10が収納され、蓋21により開口がカバーされて、電池モジュール10が保護ケース20内に封入されるようになる。
【0035】
図2に示すように、各電池モジュール10は、それぞれ1つ又は複数の電池(図示せず)を含むことができ、各電池モジュール10は、パッケージングされてから保護ケース20内に並設される。
【0036】
各電池は、いずれも、セパレータにより隔離して電池のハウジング内に収められる正極板と負極板を含む。正極板、セパレータ及び負極板は、積層され又は巻き付けられて鋼製やアルミニウム製のハウジングでパッケージングされて四角形又は円柱状の電池を形成してもよく、アルミ・プラスチック複合フィルム等の可撓性のハウジングでパッケージングされてソフトパック電池を形成してもよい。電池パック1を適用する装置Dは、必要に応じて、四角形の電池、円柱状の電池又はソフトパック電池を選択的に使用してよい。ここでは、電池の正極板及び負極板にいずれも、ハウジング内の電解液と化学反応する活性物質が設けられ、化学反応過程で生成される電子が、正極板と負極板との間に流れて、電流を形成することができる。
【0037】
活性物質が電解液と化学反応する過程で熱が生成され、それと同時に、環境温度も電池パック1の使用温度に影響を与えるので、電池パック1が過熱でその性能に影響することを回避するために、電池パック1に水冷ユニット30及び給水ユニットが配置される。水冷ユニット30は、各電池モジュール10における電池を冷却するように電池モジュール10に接触する。給水ユニットは、水冷ユニット30に冷却液を供給し且つ冷却液を回収して再利用するために用いられる。
【0038】
給水ユニットは、給水管41、還水管42及び貯水部材(図示せず)を含む。給水管41、還水管42はいずれも貯水部材と連通する。給水管41の貯水部材から離間する端が、水冷ユニット30に接続され、還水管42の貯水部材から離間する端も水冷ユニット30に接続されて循環水路を構成して、冷却液の再利用を可能にする。
【0039】
貯水部材は、保護ケース20の外部に設けられ、且つ車両本体に接続される。電池パック1の構成によって、給水管41、還水管42を、保護ケース20の内部又は保護ケース20の外部に設けることができる。
【0040】
図5は、
図2の本体部の構成模式図である。
図6は
図5のC-C線に沿った構成断面図である。
図7は
図5の本体部の分解構成模式図である。
図8は
図7のD部分の部分構成模式図である。
図9は
図7の第2のプレートの構成模式図である。
図2、
図3、
図5から
図9を参照して、本出願の実施例は、水冷ユニット30を提供する。水冷ユニット30は、冷却液を収容するための冷却通路314を形成するための中空構成である本体部31を有してよい。電池パック1が並列に設置される複数の電池モジュール10を含むことを考慮して、本体部31は、隣接する2つの電池モジュール10の間にそれぞれ設置される複数のものであってもよい。
【0041】
いくつかの実施例において、本実施例における本体部31は、ケース22の開口から離間する底部に設けられかつ同時に複数の電池モジュール10に接触し、これにより、本体部31の数を減らし、製造コストを削減する。
【0042】
いくつかの実施例において、本体部31は、対向して設置されかつ密着固定される第1のプレート311と第2のプレート312を含んでよい。複数の電池モジュール10は、共に第1のプレート311又は第2のプレート312に密着されることができ、又は水冷ユニット30が隣接する2つの電池モジュール10の間に設置される場合、第1のプレート311と第2のプレート312はいずれも電池モジュール10に接触することができる。
【0043】
第1のプレート311及び第2のプレート312の形状は、矩形、円形等の規則的な幾何形状であってもよいし、「L」状等の不規則な形状であってもよいが、
図7に示すように、第1のプレート311と第2のプレート312は、多角形である。第1のプレート311及び第2のプレート312の材質は、同じであってもよく、例えば、いずれも熱伝導しやすいアルミニウム板であってもよい。
【0044】
図2、
図7、
図8及び
図9を合わせて参照して、第1のプレート311と第2のプレート312により形成される本体部31は、プレート状であり、冷却通路314は本体部31の内部に形成される。
【0045】
冷却通路314を形成するには、第1のプレート311の第2のプレート312に面する側面に溝313を設置し、又は第2のプレート312の第1のプレート311に面する側面に溝313を設置してよいが、いくつかの実施例において、第1のプレート311の第2のプレート312に面する側面及び第2のプレート312の第1のプレート311に面する側面にも共に溝313を設置し、この場合、2つの溝313が対向して連通しかつ冷却通路314を形成し、溝313の深さが第1のプレート311又は第2のプレート312の厚さより小さい(図示せず)。
【0046】
いくつかの実施例において、溝313は、第1のプレート311及び/又は第2のプレート312からプレス成形されてもよい。具体的には、
図6から
図8を参照して、第2のプレート312に、第1のプレート311から離間する側へ凹む溝313を設置してよく、この場合、第1のプレート311は、平板であってもよく、第1のプレート311と第2のプレート312とが接続し、溝313が第1のプレート311によりカバーされ、これにより、溝313で囲まれる空間が冷却通路314を形成する。
【0047】
いくつかの実施例において、第1のプレート311に溝313を設置し、又は第1のプレート311と第2のプレート312の両方に溝313を設置してもよい。
【0048】
冷却液が冷却通路314を流れる時の圧力損失を低減するために、溝313のプレス深さを大きくしてよいが、プレートのプレス深さの増大が、プレート強度の低下に繋がるので、プレートが薄くなりすぎて強度不足になることを避けるために、溝313の深さが過度に深くないことが好ましい。例として、プレートがアルミニウム板である場合、溝313の最大プレス深さがプレート厚さの3倍より小さく、つまり、アルミニウム板の材質厚さが1.5mmの場合、溝313の最大プレス深さが4.5mmであるようになり、水冷ユニット30の使用上の安全性を向上させるために、溝313の深さが3.5mmであってもよい。
【0049】
いくつかの実施例において、第1のプレート311及び第2のプレート312の両方に溝313をプレスする場合、2つの溝313が対向して設置され且つ連通し、2つの溝313により形成される冷却通路314の横断面積が大きく、冷却液の流速が小さく、冷却液の圧力損失が小さく、冷却ユニットの熱交換率が高い。ここでは、冷却通路314の横断面とは、冷却液の流れ方向に垂直に冷却通路314を切った時に観察される冷却通路314の断面である。
【0050】
溝313のプレス方法に応じて、冷却通路314の構成が異なってもよい。例として、溝313は、複数並列に設置され(図示せず)、各溝313の一端が本体部31の一側に位置し、給水管41と連通して冷却液を導入するが、各溝313の他端が本体部31の対向する他側に位置し、還水管42と連通して冷却液を排出し、冷却液の流れ距離が小さく、冷却液の圧力損失が小さいように構成されてよい。
【0051】
冷却液が冷却通路314を流れる時の圧力損失を低減するために、溝313のプレス幅を減少してよい。溝313がプレートにプレス成形される場合、溝313の幅がプレートの面積及び冷却通路314の長さに関連し、溝313のプレス幅が大きすぎると、冷却通路314の長さを低下させ、使用者が必要に応じて設定することができる。
【0052】
いくつかの実施例において、電池モジュール10に接触するプレートに溝313を設置しなくてもよく、これによって、電池モジュール10とプレートとの接触面積を増加させ、冷却効率を向上させ、さらに、第1のプレート311と第2のプレート312との接続面積を大きくすることもでき、本体部31の接続強度が高くなる。例として、溝313が第2のプレート312に設置され、第1のプレート311と溝313により囲まれる空間が冷却通路314を形成するように構成されてもよい。
【0053】
この場合、電池モジュール10は、熱伝導性構造用接着剤を介して第1のプレート311に接着して固定することができる。電池パック1の体積を減少するために、給水ユニットを第1のプレート311の一側に設置してよく、つまり、給水管315と吐水管316を共に第1のプレート311に設置してよいので、コンパクトな構成及び小さな体積が実現されることができる。
【0054】
図3、
図7及び
図8を参照して、冷却通路314は給水端3141及び吐水端3142を有し、これに対して、水冷ユニット30は、さらに、連通キャビティ321を有する第1の接続部32を含む。第1の接続部32は、本体部31に接続される給水管315及び吐水管316をさらに含み、給水管315と給水端3141とが連通し、吐水管316と吐水端3142とが連通する。ここでは、給水管315と吐水管316は、いずれも、本体部31の外壁面から突出し、かつ給水管41及び還水管42に着脱可能に接続されてもよい。
【0055】
給水管315は、冷却通路314内に冷却液を導入するために給水管41と連通し、吐水管316は、冷却通路314から冷却液を排出するために還水管42と連通する。冷却液は、水やエチレングリコール等であってよい。冷却液は、流れる過程において各電池モジュール10と熱交換を行って、電池モジュール10を冷却するものである。
【0056】
電池パック1の異なる配置形態に応じて、給水管315及び吐水管316は、共に第1のプレート311又は第2のプレート312に設置されてもよく、それぞれ第1のプレート311と第2のプレート312に設置されてもよいが、例えば、給水管315が第1のプレート311に設置されてもよく、吐水管316が第2のプレート312に設置されてもよい。
【0057】
給水管315と吐水管316が共に第1のプレート311に設置される場合、装置Dの配置形態に応じて、給水管315と吐水管316を第1のプレート311における任意の箇所に位置させてもよい。例えば、給水管315と吐水管316は、隣接して設置されてもよく、又は、それぞれ第1のプレート311の対向する両側に設置されてもよい。第1のプレート311と第2のプレート312が共に矩形である場合を例にして、給水管315と吐水管316は、それぞれ第1のプレート311の異なる角度の位置に設置されてもよく、それぞれ第1のプレート311の縁部に設置されてもよく、又は、第1のプレート311の中部に設置されてもよいが、本実施例において制限されない。
【0058】
更に、装置Dのエネルギー効率を向上させるために、本出願の実施例において、水冷ユニット30に第2の接続部33を設置し、第2の接続部33を水冷ユニット30における流路の横断面積の急拡位置、急縮位置に設置して、第2の接続部33を流れる冷却液の圧力降下、即ち、冷却液の急拡、急縮位置での圧力損失を低減し、冷却液駆動部材の電力の余分な消費を回避し、水冷ユニット30の冷却効率、電池パック1の充放電効率及び自動車のエネルギー効率を向上させることを考慮する。
【0059】
本体部31と第1の接続部32との連通箇所の横断面に急拡又は急縮があるため、冷却通路314と連通キャビティ321を連通させる内部キャビティ331を有する第2の接続部33は、本体部31と第1の接続部32との間に設置されてよい。ここでは、第2の接続部33は、本体部31の一部として本体部31に形成されてもよく、第1の接続部32の一部として第1の接続部32に形成されてもよく、又は独立部品として本体部31と第1の接続部32との間に設置されてもよいが、本実施例において制限されない。
【0060】
吐水端3142と給水端3141の設置位置に応じて、第2の接続部33は、第1のプレート311及び/又は第2のプレート312に設置されてよい。即ち、給水管315と吐水管316が共に第1のプレート311に設置される場合、第2の接続部33が第1のプレート311に設置されてよい。給水管315と吐水管316が共に第2のプレート312に設置される場合、第2の接続部33が第2のプレート312に設置されてよい。給水管315と吐水管316がそれぞれ第1のプレート311と第2のプレート312に設置される場合、第2の接続部33は、第1のプレート311又は第2のプレート312に設置されてもよく、第1のプレート311及び第2のプレート312にともに設置されてもよい。
【0061】
ここでは、給水管315と本体部31との間に急拡が形成されてよく、吐水管316と本体部31との間に急縮が形成されてよく、これに対応して、第2の接続部33が個別に給水端3141又は吐水端3142に設置されてもよく、給水端3141及び吐水端3142に共に設置されてもよいが、本実施例において制限されない。
【0062】
更に、第2の接続部33は、バッファー構成として、流路横断面の急拡や急縮を徐拡や徐縮に変更することができる。具体的には、内部キャビティ331の冷却通路314寄りの端面の横断面積が連通キャビティ321の内部キャビティ331寄りの端面の横断面積より大きいことにより、冷却液の第2の接続部33のある位置での圧力降下を低減させる。また、内部キャビティ331の横断面とは、冷却液の流れ方向に垂直に内部キャビティ331を切った時に観察される内部キャビティ331の断面である。連通キャビティ321の横断面とは、冷却液の流れ方向に垂直に連通キャビティ321を切った時に観察される連通キャビティ321の断面である。
【0063】
急拡を徐拡に変更することを例にして、第1の接続部32が給水管315である場合、冷却液の流れ方向において、給水管315における連通キャビティ321の冷却通路314寄りの一端の横断面積が冷却通路314の横断面積より小さく、冷却液が給水管315を介して冷却通路314内に導入されると、横断面積が急に拡大し、冷却液の圧力損失が大きくなる。本実施例において、給水管315と本体部31との間に第2の接続部33が設置され、第2の接続部33における内部キャビティ331の冷却通路314寄りの一端の横断面積が給水管315における連通キャビティ321の内部キャビティ331寄りの一端の横断面積より大きく、即ち、一部の内部キャビティ331の横断面積又は内部キャビティ331全体の横断面積が連通キャビティ321の横断面積より大きく、給水管315と本体部31との間に急拡から徐拡に変更して、冷却液の圧力損失を減少させるようになる。
【0064】
第2の接続部33が本体部31と第1の接続部32との間に設置され、内部キャビティ331内の冷却液の流速が連通キャビティ321内の冷却液の流速より小さい。冷却液の流れ方向において、第2の接続部33の長さと同じの第1の接続部32が設置されると仮定すると、第2の接続部33内の冷却液の圧力降下がその第1の接続部32内の冷却液の圧力降下より小さく、即ち、本体部31と第1の接続部32との間に第2の接続部33が設置されると、冷却液の圧力損失が小さくなる。
【0065】
再び
図6、
図7及び
図8を参照して、冷却液は、第1の接続部32を介して第2のプレート312に衝突してから冷却通路314内へ転向して入る。転向過程において、冷却液は、第2のプレート312に垂直な方向における速度が0になる。
【0066】
第2の接続部33が設置されると、第2の接続部33を流れる冷却液の流速が小さくなるため、冷却液がより小さい速度で第2のプレート312に衝突し、衝突エネルギー損失が小さく、第2のプレート312の耐用年数が長くなる。
【0067】
いくつかの実施例において、冷却液は、第2の接続部33を介して冷却通路314に導入され又は冷却通路314から排出されると、内部キャビティ331の連通キャビティ321寄りの端面の横断面積が本体部31の内部キャビティ331寄りの端面の横断面積以下になることができる。具体的には、本体部31に第2の接続部33と連通する開口を有するように設置されることにより、この開口の開口面積が内部キャビティ331の冷却通路314寄りの端面の横断面積より小さいことを回避することができ、即ち、第2の接続部33と冷却通路314との連通箇所で急拡及び急縮が同時に形成されることを回避することができ、冷却液の圧力損失が小さい。
【0068】
更に、上記した実施例によると、第2の接続部33が第1のプレート311及び/又は第2のプレート312に設置されてよいことが分かる。
【0069】
第2の接続部33が第1のプレート311に設置されることを例にして、電池パック1での給水管41及び還水管42の設置位置に応じて、第2の接続部33は、第1のプレート311の任意の位置にしてもよく、例えば、第2の接続部33が第1のプレート311の円周方向におけるエッジ位置に位置してもよく、且つ内部キャビティ331の延伸方向が第1のプレート311のある平面に対して平行し、又は鋭角や鈍角で設置されてもよい。いくつかの実施例において、第2の接続部33は、第1のプレート311の第2のプレート312から離間する側面に位置してもよく、第1のプレート311に確実に接続されて、優れた密封性を有するように構成されてよい。ここでは、内部キャビティ331の延伸方向は、第1のプレート311のある平面に対して垂直又は傾斜して設置されてよい。
【0070】
第2の接続部33が第2のプレート312に設置される場合、第2の接続部も第2のプレート312の第1のプレート311から離間する側面に設置されてもよいことが理解される。
【0071】
本体部31の円周方向における空間が小さいことを考慮して、本実施例は、第2の接続部33が第1のプレート311に設置され、且つ内部キャビティ331の延伸方向が第1のプレート311のある平面と垂直する場合を例にして説明する。また、第1のプレート311のある平面に垂直な側方空間が大きく、第2の接続部33が必要に応じて第1のプレート311での任意の位置に設置されてもよく、ここでは、第1のプレート311のある平面に垂直な側方空間が大きいため、第2の接続部33の寸法が十分に大きく、即ち、内部キャビティ331の横断面積が十分に大きくなることができ、圧力降下をより減少させる効果を果たす。
【0072】
当業者であれば、同じ横断面積を有する横断面形状は異なってもよく、例えば、横断面形状は、円形、楕円又は多角形であってもよいことがよく分かる。いくつかの実施例において、冷却液の圧力損失を低減するために、内部キャビティ331の任意の位置での横断面形状を同じようにしてもよく、従って、第2の接続部33の内壁面を滑らかに移行させることができる。例として、内部キャビティ331の任意の位置での横断面形状は、円形又は矩形であってもよい。
【0073】
いくつかの実施例において、冷却液の流れ方向において、内部キャビティ331は、対向して設置される第1の端及び第2の端を有し、内部キャビティ331の第1の端から内部キャビティ331の第2の端まで、内部キャビティ331の横断面積が徐々に減少してもよい。即ち、第2の接続部33が給水端3141のある端に設置される場合、冷却液の流れ方向において、内部キャビティ331の横断面積が徐々に増大するが、第2の接続部33が吐水端3142のある端に設置される場合、冷却液の流れ方向において、内部キャビティ331の横断面積が徐々に減少する。
【0074】
ここでは、第2の接続部33は、横断面積が徐変するように構成されてもよく、これに対して、内部キャビティ331は、横断面積が徐変するテーパ状のキャビティであり、内部キャビティ331の大きいほうの端が冷却通路314に接続される第1の端であり、内部キャビティ331の小さいほうの端が連通キャビティ321に接続される第2の端であり、従って、内部キャビティ331が連通キャビティ321及び冷却通路314と連通し、また、内部キャビティ331の小さいほうの端の横断面積が連通キャビティ321の横断面積以下であってもよい。
【0075】
いくつかの実施例において、第2の接続部33は、さらにマルチセグメント式構造であってもよく、これに対して、内部キャビティ331もマルチセグメント式キャビティである。任意の1セグメントのキャビティは、等断面のキャビティでも可変断面のキャビティでもよく、冷却通路314よりの端のキャビティの横断面積が、冷却通路314から離間する端のキャビティの横断面積より大きければよい。
【0076】
具体的には、第2の接続部33は、第1のプレート311と一体成形されてよい。この場合、第2の接続部33は、第1のプレート311に形成される突出部332であってもよく、突出部332が、給水端3141に位置してもよく、吐水端3142に位置してもよく、又は給水端3141や吐水端3142の両方に設置されてよい。
【0077】
図6から
図8を参照して、突出部332は、第1のプレート311からプレス成形されてよく、突出部332のプレス深さも第1のプレート311の厚さにより制限される。プレスプロセスを考慮して、突出部332は、冷却液の流れ方向に垂直な方向において、突出部332内の内部キャビティ331の横断面積が徐変するような加工丸みを有してもよい。
【0078】
図10は、第2の接続部の構成模式図である。
図10を参照して、突出部332がマルチセグメント式構造である場合、突出部332は、段階状にプレス成形されてもよい。例として、突出部332は、第1の突出部3321と第2の突出部3322を含んでよく、第1の突出部3321が第1のプレート311からプレス成形され、第2の突出部3322が第1の突出部3321からプレス成形され、第1の突出部3321のプレス面積が第2の突出部3322のプレス面積より大きい。この場合、第1の突出部3321と第2の突出部3322とは、上記のマルチセグメント式構造である第2の接続部33を形成することができる。プレス成形プロセスを考慮に入れると、第1の突出部3321及び第2の突出部3322内に形成されるキャビティは、いずれも可変断面のキャビティである。
【0079】
図11は、第1の接続部の構成模式図の1である。
図12は、
図11の第1の接続部の対称面に沿った断面構成模式図である。
図3、
図7、
図11及び
図12を参照して、第2の接続部33は、テーパ状のセグメント(図示せず)であり得る中空セグメント333であってもよい。中空セグメント333は、冷却液を導入するために給水端3141に設置されてもよく、冷却液を排出するために吐水端3142に設置されてもよく、又は給水端3141と吐水端3142の両方に設置されてもよい。中空セグメント333が給水端3141の一側に設置される場合を例にして、中空セグメント333は、給水管315に溶接されて固定されてよく、即ち、独立して給水管315と第1のプレート311との間に設けられる独立部品であってもよく、拡管プロセスにより給水管315の一部として成形されてもよい。
【0080】
中空セグメント333は、さらに、第1のセグメント3331と第2のセグメント3332を含むマルチセグメント式構造であってもよく、第1のセグメント3331が本体部31に接続されてよく、第2のセグメント3332が第1のセグメント3331の本体部31から離間する端に設置され、かつ第1の接続部32に接続され、第1のセグメント3331と第2のセグメント3332内のキャビティが連通して内部キャビティ331を形成する。第1のセグメント3331に対応するキャビティは、等断面のキャビティでも可変断面のテーパ状キャビティでもよく、第2のセグメント3332に対応するキャビティは、等断面のキャビティでも可変断面のテーパ状キャビティでもよい。
【0081】
いくつかの実施例において、
図11及び
図12を参照して、本実施例中における第1のセグメント3331内のキャビティの横断面積は等しく第2のセグメント3332内のキャビティの横断面積も等しく、且つ第1のセグメント3331内のキャビティの横断面積が第2のセグメント3332内のキャビティの横断面積より大きく、第2のセグメント3332内のキャビティの横断面積が連通キャビティ321の横断面積より大きく、拡管プロセスによる成形が可能であり、加工製造が容易である。
【0082】
いくつかの実施例において、内部キャビティ331の任意位置での横断面積は、いずれも等しい。具体的には、
図13は第1の接続部の構成模式図の2である。
図14は
図13の第1の接続部の対称面に沿った断面構成模式図である。
図13及び
図14を参照して、中空セグメント333は、等断面の筒状構成であってよく、中空セグメント333における内部キャビティ331の任意の位置での横断面積が等しくてもよく、且つ内部キャビティ331の横断面積が連通キャビティ321の横断面積より大きい。本実施例において、内部キャビティ331又は第2の接続部33の構成を制限しない。
【0083】
もちろん、第2の接続部33は、上記の突出部332と中空セグメント333の両方を含んでもよく、且つ第2の接続部33が給水端3141又は吐水端3142に位置してもよく、又は給水端3141及び吐水端3142の両方に位置してもよく、この場合、中空セグメント333と突出部332が溶接されて固定される。
【0084】
第2の接続部33が複数の設置形態として組み合わせられてもよいことは理解される。例えば、突出部332が給水端3141に設置され、中空セグメント333が吐水端3142に設置されるように、また、突出部332と中空セグメント333が共に給水端3141に設置されるが、吐水端3142に第2の接続部33が設置されないように、又は、中空セグメント333が給水端3141と吐水端3142の両方に設置されるように構成されてもよい。
【0085】
図6、
図12及び
図14を参照して、中空セグメント333が第1のプレート311又は突出部332に接続される場合、中空セグメント333の外壁面に、第1のプレート311に係着する環形ボス322又は環形溝323が設けられることができ、中空セグメント333が第1のプレート311に係着してろう付け溶接により固定されて、確実な接続が達成され、優れた密封性を有する。
【0086】
いくつかの実施例において、
図15は、第1の接続部と第2の接続部の他の構成模式図であり、
図15を参照して、本実施例は、給水端3141及び/又は吐水端3142に突出部332と中空セグメント333が共に設置される実現形態を提供する。ここでは、突出部332が第1のプレート311に設置される。中空セグメント333は、着脱可能に接続される第1の接続管3333と第2の接続管3334を含み、第1の接続管3333と突出部332とが接続され、第2の接続管3334が第1の接続管3333の突出部332から離間する端に設置される。且つ、第2の接続管3334は、連通する接続セグメントaと、嵌設セグメントbとを含み、接続セグメントaは、給水管41又は還水管42に接続されるためのものであり、嵌設セグメントbの接続セグメントaから離間する端が第1の接続管3333の外に嵌設される。
【0087】
この場合、嵌設セグメントb内のキャビティの横断面積が第1の接続管3333内のキャビティの横断面積より大きく、第1の接続管3333内のキャビティの横断面積が接続セグメントa内のキャビティの横断面積より大きい。即ち、突出部332が内部キャビティ331の一部を構成し、第1の接続管3333も内部キャビティ331の一部を構成し、且つ、嵌設セグメントbが第1の接続管3333の外に嵌設されるため、嵌設セグメントbも第2の接続部33の一部を構成するが、接続セグメントaが第1の接続部32を構成する。
【0088】
本実施例では、第2の接続部33の設置形態を一々列挙しない。
【0089】
更に、突出部332が、本体部31と各電池モジュール10の接触領域に設置される場合、電池モジュール10と本体部31との接触面積を低減させ、熱交換効率に影響する。ここでは、本体部31が、隣接する2つの電池モジュール10の間に設置されることができ、又は共に複数の電池モジュール10に密着されることができることを考慮して、本体部31に接続される給水管315及び吐水管316が、対応的に隣接する2つの電池モジュール10の間に位置し、又は電池パック1の円周方向の外側に位置することができ、即ち、電池パック1の構成に応じて、突出部332の突出面積が、隣接する電池モジュール10、ケース22等の部品に制限される。
【0090】
図16は、電池パックの他の構成模式図である。
図17は、
図16のF部分の構成模式図である。
図18は、
図16のケース、本体部及び電池モジュールの構成模式図である。
図19は、
図18のG部分の構成模式図である。
図20は電池パックの他の構成模式図である。
図21は
図20のH部分の構成模式図である。
図8、
図16~
図21を参照して、突出部332が電池モジュール10の円周方向の外側に設置される場合を例にして、電池パック1の構成に応じて、給水管41と還水管42がケース22の内側又はケース22の外側に設置されてよく、これに対して、給水管315と吐水管316がケース22の内側又はケース22の外側に設置されてよく、これに対して、突出部332もケース22内又はケース22外に設置されてよい。
【0091】
突出部332がケース22の内側に設置される場合、突出部332の突出面積がケース22と電池モジュール10との間の隙間のサイズにより制限され、突出部332の突出面積を増大するために、突出部332の一部又は全部のエッジを隣接する部品に沿って延伸させてもよい。
【0092】
突出部332のエッジの形状は、矩形、円形等の規則的な幾何形状であって良い。
図8を参照して、正方形の突出部332を例として、突出部332の辺長が溝313の幅と同じであってもよく、これにより、突出部332の突出面積が大きくなりすぎて、冷却液からの衝突で突出部332が変形することを回避でき、一方、突出部332の幅が溝313の幅より大きくなって、突出部332と溝313との間の冷却液に圧力損失が発生することを回避できる。
【0093】
ケース22と電池モジュール10との間に形成される隙間の形状が不規則的なものである場合、突出部332のエッジ形状が、対応的に不規則的な形状であってもよく、即ち、突出部332の一部の輪郭が、退避領域3323を形成するように自身の内部へ凹んでもよい。突出部332が電池パック1の他の部品と干渉しないことを前提として、突出部332の突出面積を増大し、冷却液が第2の接続部33を流れる時の圧力降下を低減するようにする。
図18及び
図19を参照して、突出部332は、「L」状であってもよく、「L」状の突出部332による退避領域3323が電池モジュール10等の部品の退避に用いられる。
【0094】
給水端3141と吐水端3142が共に突出部332に設置される場合、給水端3141と吐水端3142の突出部332の形状は、同一であってもよく、異なっていてもよく、隣接する部品と干渉せず、且つ所定の溶接強度を有するものであればよいことが理解される。例として、給水端3141に位置する突出部332が矩形であってもよく、吐水端3142に位置する突出部332が「L」状であってもよい(図示せず)。
【0095】
突出部332がケース22の外側に設置される場合、そのエッジの形状は、規則的な幾何形状であってもよいし、不規則的な幾何形状であってもよい。
【0096】
更に、突出部332がケース22の内側に設置される場合、突出部332に接続される給水管41又は還水管42もケース22の内側に設置される。突出部332がケース22の外側に設置される場合、突出部332に接続される給水管41又は還水管42もケース22の外側に設置される。
【0097】
ここでは、給水管41及び還水管42がホースであってもよく、この場合、給水管41が給水管315に直接嵌設され、還水管42が吐水管316に直接嵌設されてよい。給水管41及び還水管42は、金属管材であってもよく、この場合、給水管41が第1の継手を介して給水管315に接続され、還水管42が第2の継手を介して吐水管316に接続され、給水管315及び吐水管316に、それぞれ第1の継手及び第2の継手に接続される接続ボス324が設置されてもよい。
【0098】
本明細書における各実施例や実施形態は、いずれもプログレッシブな方式で説明され、各実施例で重点的に説明されるのは、いずれも他の実施例との相違点であり、各実施例間の同一又は類似の部分については互いに参照すればよい。
【0099】
本明細書の説明において、参照用の用語「一実施形態」、「いくつかの実施形態」、「例示的な実施形態」、「例示」、「具体的な例示」、又は「いくつかの例示」などの説明は、実施形態又は例示に関連して説明された具体的な特徴、構造、材料又は特徴が本出願の少なくとも1つの実施形態又は例示に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の模式的表現は、必ずしも同一の実施形態または例示を指すものではない。且つ、説明した具体的な特徴、構造、材料又は特徴は、いずれかの一つ又は複数の実施形態又は例示において適切な方法で組み合わせることができる。
【0100】
最後に、注意すべきなのは、下記のことである。以上の各実施例は、本出願の技術的解決手段を説明するために用いられ、それを制限するものではない。上記した各実施例を参照して本出願について詳細に説明したが、当業者であれば、依然として上記の各実施例に記載の技術的解決手段を修正し、又はその一部又は全部の技術的特徴を均等置換することができ、これらの修正又は置換は、対応する技術的解決手段の要旨を本出願の各実施例の技術的解決手段の範囲から外さないことを理解すべきである。