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特許7368663ドラム洗濯機の排水密封装置及びドラム洗濯機
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-17
(45)【発行日】2023-10-25
(54)【発明の名称】ドラム洗濯機の排水密封装置及びドラム洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 23/02 20060101AFI20231018BHJP
   D06F 37/04 20060101ALI20231018BHJP
【FI】
D06F23/02
D06F37/04
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021554779
(86)(22)【出願日】2020-03-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-10
(86)【国際出願番号】 CN2020077544
(87)【国際公開番号】W WO2020182015
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2021-12-07
(31)【優先権主張番号】201910189910.1
(32)【優先日】2019-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910190593.5
(32)【優先日】2019-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523331692
【氏名又は名称】青島海爾洗滌電器有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(73)【特許権者】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】呂佩師
(72)【発明者】
【氏名】許升
(72)【発明者】
【氏名】趙志強
【審査官】村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107523969(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109281117(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109423815(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108796964(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108866922(CN,A)
【文献】米国特許第02764884(US,A)
【文献】英国特許出願公開第02364716(GB,A)
【文献】独国特許出願公開第04229074(DE,A1)
【文献】実開昭52-84023(JP,U)
【文献】特開2016-8683(JP,A)
【文献】特開平11-30353(JP,A)
【文献】実開昭56-60852(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 23/02
D06F 37/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドラム洗濯機の密封排水装置であって、前記ドラム洗濯機が、
衣類洗浄時に独立して洗浄水が蓄えられるものであって、排水口が開設された内槽と、
前記内槽の排水口を閉塞するための閉塞部品を含み、
前記閉塞部品には密封部材が設けられており、前記密封部材は、内槽壁と密封状に接触して排水口を閉止するか、離脱して排水口を開放し、
前記排水口の外周における内槽の壁には少なくとも2周の密封凸部が設けられており、前記排水口の周囲の平坦部から前記内槽の中心に向かって突出するように形成され、前記密封凸部の端面には円弧移行曲面が設けられて、前記密封凸部の両側の少なくとも1箇所が円弧面取り面を有しているか、前記密封凸部の端面が1本の円弧曲面から直接構成され、前記排水口を然るべく閉止するよう、前記密封部材は前記密封凸部と押圧し合って、密封状に接触し、
前記排水口部分の内槽壁には、前記内槽の外側に向かって屈曲する折り返しが設けられており、前記折り返しは、筒状又は錐状をなしており、
前記密封部材は、更に、前記密封部材に設けられて前記排水口側に突出する突出部を含み、前記突出部は、前記閉塞部品から離れる側に向かって直径が縮小し、且つ前記排水口と同軸に設けられる錐状をなしており、錐状の前記突出部における最小端の直径は前記排水口よりも小さく、最大端の直径は前記排水口よりも大きく、
前記突出部は、前記排水口部分の前記折り返し内に然るべく伸入し、前記突出部と前記折り返しとが直接押圧変形を生じることで、接触箇所の密封処理が行われる密封排水装置。
【請求項2】
前記密封部材は、前記内槽壁と互いに押圧し合うことで弾性変形を生じ、弾性変形を利用してこれらの接触箇所を密封することを特徴とする請求項1に記載のドラム洗濯機の密封排水装置。
【請求項3】
前記排水口を然るべく閉止するよう、前記密封部材は、前記排水口の外周の内槽壁と密封状に接触し、及び/又は、前記密封部材は、前記排水口の内壁と密封状に接触することを特徴とする請求項2に記載のドラム洗濯機の密封排水装置。
【請求項4】
前記密封部材は排水口と互いに密封し合う密封面を有しており、密封面の内槽壁上の投影は少なくとも排水口を覆っており、前記密封面は、排水口の外周における内槽壁と対向して密着し、密封状に接触することを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のドラム洗濯機の密封排水装置。
【請求項5】
前記排水口の外周の内槽壁は密封面と平行な平面部であり、平面部又は密封面には、対向して突出及び延伸する少なくとも1本の密封凸部が設けられており、
及び/又は、前記密封部材の密封面は、内槽壁と対向する同一形状の円弧面であることを特徴とする請求項に記載のドラム洗濯機の密封排水装置。
【請求項6】
前記内槽の回転時の遠心力の働きで運動する遠心部材と、
前記閉塞部品に設置されて排水口を閉塞するために用いられる密封部材、を含み、
前記遠心部材は前記閉塞部品に接続されており、遠心部材の遠心運動に伴って、前記密封部材が排水口を開放することを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のドラム洗濯機の密封排水装置。
【請求項7】
前記突出部と前記排水口は、対向して密封状に密着することで排水口を閉止することを特徴とする請求項に記載のドラム洗濯機の密封排水装置。
【請求項8】
ドラム洗濯機の密封排水装置であって、前記ドラム洗濯機が、衣類洗浄時に独立して洗浄水が蓄えられる内槽を含み、前記内槽に排水口が開設されており、
閉塞部品の密封面が、内槽壁と密封状に直接接触して前記排水口を閉止するか、離脱して前記排水口を開放し、
前記排水口の外周における内槽の壁には少なくとも2周の密封凸部が設けられており、前記排水口の周囲の平坦部から前記内槽の中心に向かって突出するように形成され、前記密封凸部の端面には円弧移行曲面が設けられて、前記密封凸部の両側の少なくとも1箇所が円弧面取り面を有しているか、前記密封凸部の端面が1本の円弧曲面から直接構成され、前記排水口を然るべく閉止するよう、前記閉塞部品は前記密封凸部と押圧し合って、密封状に接触し、
前記閉塞部品の密封面には、前記排水口側に突出する突出部が設けられており、前記排水口部分には、前記閉塞部品から離れる側に突出する錐状面又は円錐台面状の折り返しが設けられており、前記突出部の外壁と前記折り返しの内壁は同一形状に設けられており、これにより、前記突出部と前記折り返しが対向して密封状に密着し、前記排水口を閉止する密封排水装置。
【請求項9】
前記排水口を然るべく閉止するよう、前記閉塞部品は、前記排水口の外周の内槽壁と密封状に接触し、及び/又は、前記閉塞部品は、前記排水口の内壁と密封状に接触することを特徴とする請求項に記載のドラム洗濯機の密封排水装置。
【請求項10】
閉塞部品と内槽壁が対向して接触する際に弾性変形が生じて、接触箇所が然るべく密封されるよう、閉塞部品は弾性変形を生じ得る材質で構成されることを特徴とする請求項に記載のドラム洗濯機の密封排水装置。
【請求項11】
前記閉塞部品は、前記排水口と互いに密封し合う密封面を有しており、前記密封面の槽径に沿う内槽壁上の投影は少なくとも前記排水口を覆っており、
前記密封面は、前記排水口の外周における内槽壁と対向する同一形状に設けられており、然るべく密着して密封状に接触することを特徴とする請求項10のいずれか1項に記載のドラム洗濯機の密封排水装置。
【請求項12】
前記排水口の外周の内槽壁は密封面と平行な平面部であり、前記平面部又は前記密封面には、対向して突出及び延伸する少なくとも1本の密封凸部が設けられており、
及び/又は、前記閉塞部品の密封面は、内槽壁と対向する同一形状の円弧面であることを特徴とする請求項11に記載のドラム洗濯機の密封排水装置。
【請求項13】
前記閉塞部品は、装着構造によって排水口の軸方向に移動可能に内槽壁に装着されており、前記閉塞部品と装着構造の間には、密封部材を押動して排水口を閉止させるバネ部材が挟持されており、閉塞部品は、直接的又は伝動構造を介して錘に接続されており、内槽の回転速度が所定の回転速度V0を上回ると、錘の遠心力によって閉塞部品が槽の中心に向かって移動し、排水口を開放することを特徴とする請求項12のいずれか1項に記載のドラム洗濯機の密封排水装置。
【請求項14】
突出部と排水口は、対向して密封状に密着し、対向して密封状に密着することで排水口を閉止することを特徴とする請求項13に記載のドラム洗濯機の密封排水装置。
【請求項15】
ドラム洗濯機であって、洗濯機の内槽は、洗浄プログラムの実行時に水が蓄えられる容器であり、内槽には少なくとも1つの排水口が設けられており、各排水口部分には、上記請求項1~14のいずれか1項に記載の密封排水装置がそれぞれ装着されており、密封排水装置の閉塞部品は、内槽の回転時の遠心力の働きにより密封部材を内槽壁から離脱させて、排水口を開放するドラム洗濯機。
【請求項16】
前記内槽の側壁には少なくとも1つのリフティングリブが設けられており、リフティングリブは、内部が中空であって前記内槽の内部と連通しており、前記内槽の側壁には、リフティングリブの中空部と連通する少なくとも1つの排水口が設けられており、排水口部分にリフティングリブの内部に位置する閉塞部品が設けられていることを特徴とする請求項15に記載のドラム洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機器の技術分野に関し、具体的には、ドラム洗濯機の排水密封装置、ドラム洗濯機及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機は、日常生活において最も広く使用されている家庭用電気製品であり、洗濯の煩わしさから人々を解放し、多大な利便性をもたらしている。しかし、所要時間の長さや使用水量の多さなど、洗濯機にも一定の欠点は存在する。一方、社会の発展に伴って、水資源は大切な自然資源としてますます重要視されている。これに伴い、人々の節水意識も高まっており、如何にして洗濯機の節水機能を実現するかがとりわけ重要となっている。
【0003】
洗濯機における節水の問題を解決するために、現在までに、例えば特許文献1のような特許が出願されている。特許文献1は、名称をドラム洗濯機とする中国の発明特許である。当該発明は、筐体を含むドラム洗濯機に関し、筐体内に内槽と外槽が設けられている。外槽と筐体の間にはドアシールが設けられており、内槽は駆動装置に接続されている。前記内槽は孔無し内槽である。且つ、前記内槽は、槽底部分の直径が小さく、槽口部分の直径が大きな錐状槽をなしている。内槽の槽口部分は内側に向かって円弧状に収縮している。また、前記ドアシールには給水導管が設けられている。給水導管の一端は洗浄水急速加熱装置に接続されており、給水導管の他端はドアシールを貫通して内槽に伸入している。前記外槽には排水口と水圧検出装置が設けられている。上記の技術方案から明らかなように、当該発明における内槽は孔無し内槽であり、ドアシールに設置された給水導管によって内槽への給水を実現するとともに、内槽自体の形状を利用して脱水過程で排水を実現している。こうすることで、内槽と外槽の間の溜水を回避可能なため、洗浄用水量が大幅に節約される。
【0004】
上記の発明は、孔無し内槽を有するドラム洗濯機を提供しているが、従来のドラム洗濯機の内槽を孔無し構造に設計したものにすぎず、現実的な意味は小さい。なぜなら、衣類を洗浄するには一定量の洗浄水で浸漬する必要があり、浸漬の効果を実現するためには孔無し内槽に一定の水量を保たねばならないからである。また、この場合には、モータの負担が増大するとともに、消費電力等の問題も招来される。このほか、特許文献1が開示するドラム洗濯機の給水方式ではドアシールを通過させている。しかし、ドアシールの主な役割は、洗濯機における外槽の槽口について密封を実現することである。そのため、ドアシールに給水導管を設置するとドアシールの密封効果に支障をきたしやすく、密封を実現しにくくなる。且つ、特許文献1では内槽内の給水水位の検出を実現することができない。
【0005】
そのほか、孔無し内槽を有するドラム洗濯機の場合には、内槽の排水口の密封を維持することが、内槽と外槽の間に水を存在させないための要点となる。従来技術では、排水口に密封部材を設置し、可動部材が密封部材と密封状に接触することで排水口を閉塞するとの方案が存在している。しかし、一般的に、内槽の槽壁は円弧状であることが多く、円弧状の内槽壁に対する密封部材の装着はやや複雑である。且つ、安定性を維持しにくく、容易に脱落することで、可動部材が排水口を閉塞不能となる結果、水垂れや漏水が発生する。
【0006】
上記に鑑みて、本発明を提案する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】中国特許第201410215346.3号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の第1の目的は、ドラム洗濯機の密封排水装置を提供することである。具体的には、以下の技術方案を採用する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ドラム洗濯機の密封排水装置において、ドラム洗濯機は、衣類洗浄時に独立して洗浄水が蓄えられるものであって、排水口が開設された内槽と、内槽の排水口を閉塞するための閉塞部品を含む。閉塞部品には密封部材が設けられている。密封部材は、内槽壁と密封状に接触して排水口を閉止するか、離脱して排水口を開放する。
【0010】
更に、密封部材は、内槽壁と互いに押圧し合うことで弾性変形を生じ、弾性変形を利用してこれらの接触箇所を密封する。
【0011】
更に、排水口を然るべく閉止するよう、密封部材は、排水口の外周の内槽壁と密封状に接触し、及び/又は、密封部材は、排水口の内壁と密封状に接触する。
【0012】
更に、密封部材には少なくとも1周の密封凸部が設けられており、密封凸部が排水口の外周における内槽の壁面と密封状に接触することで排水口を然るべく閉止する。及び/又は、排水口の外周における内槽壁が少なくとも1周の密封凸部を有し、密封凸部が密封部材と密封状に接触することで排水口を然るべく閉止する。及び/又は、排水口の内壁が少なくとも1周の密封凸部を有し、密封凸部が密封部材と密封状に接触することで排水口を然るべく閉止する。好ましくは、密封部材と、排水口の外周における内槽の壁面に設けられた密封凸部は互い違いに配置される。
【0013】
更に、密封部材は排水口と互いに密封し合う密封面を有しており、密封面の内槽壁上の投影は少なくとも排水口を覆っている。密封面は、排水口の外周における内槽壁と対向する同一形状に設けられており、然るべく密着して密封状に接触する。
【0014】
更に、排水口の外周の内槽壁は密封面と平行な平面部である。平面部は、密封面における内槽壁上の投影領域を少なくとも覆っている。及び/又は、密封部材の密封面は、内槽壁と対向する同一形状の円弧面である。
【0015】
更に、閉塞部品は、装着構造によって排水口の軸方向に移動可能に内槽壁に装着されている。閉塞部品と装着構造の間には、密封部材を押動して排水口を閉止させるバネ部材が挟持されている。閉塞部品は、直接的又は伝動構造を介して錘に接続されており、内槽の回転速度が所定の回転速度V0を上回ると、錘の遠心力によって閉塞部品が槽の中心に向かって移動し、密封部材を内槽壁から離脱させて排水口を開放する。
【0016】
更に、密封部材の密封面には、排水口側に突出する突出部が設けられている。排水口部分には、閉塞部品から離れる側に突出する折り返しが設けられている。突出部と折り返しは対向して設けられ、突出部を排水口部分の折り返しに然るべく密封状に密着させる。
【0017】
更に、突出部の外壁と折り返しの内壁は対向する同一形状に設けられている。これにより、突出部と折り返しが対向して密封状に密着し、排水口を閉止する。
【0018】
閉塞部品に密封部材を設置して、閉塞部品と一緒に移動させるとともに、独立して設置した密封部材を内槽壁と接触させ、接触過程における押圧力を利用して接触箇所を密封処理する。これにより、密封性能が向上するだけでなく、装置の装着が合理化されて、組み付け及びメンテナンスの速度が上昇する。且つ、密封部材を相対的に伸縮移動可能な閉塞部品に設置することで、密封部材が受ける挟持による密封力が増大して、密封効果が著しく向上する。
【0019】
また、上記の課題を解決して本発明における上記第1の目的を実現するために、更に、以下のもう1つの具体的な技術方案を採用する。
【0020】
ドラム洗濯機の密封排水装置において、ドラム洗濯機は、衣類洗浄時に独立して洗浄水が蓄えられる内槽を含み、内槽に排水口が開設されている。閉塞部品の密封面は、内槽壁と密封状に直接接触して排水口を閉止するか、離脱して排水口を開放する。
【0021】
更に、閉塞部品、及び/又は、閉塞部品との接触箇所の内槽壁は、弾性変形を生じ得る材質で構成される。これにより、閉塞部品と内槽壁が対向して接触する際に弾性変形が生じて、接触箇所が然るべく密封される。
【0022】
更に、排水口を然るべく閉止するよう、閉塞部品は、排水口の外周の内槽壁と密封状に接触し、及び/又は、閉塞部品は、排水口の内壁と密封状に接触する。
【0023】
更に、閉塞部品には少なくとも1周の密封凸部が設けられており、密封凸部が排水口の外周の内壁面と密封状に接触することで排水口を然るべく閉止する。及び/又は、前記排水口の外周における内槽壁が少なくとも1周の密封凸部を有し、密封凸部が閉塞部品と密封状に接触することで排水口を然るべく閉止する。及び/又は、前記排水口の内壁が少なくとも1周の密封凸部を有し、密封凸部が閉塞部品と密封状に接触することで排水口を然るべく閉止する。好ましくは、閉塞部品と、排水口の外周における内槽の壁面に設けられた密封凸部は互い違いに配置される。
【0024】
更に、閉塞部品は、排水口と互いに密封し合う密封面を有している。密封面の槽径に沿う内槽壁上の投影は少なくとも排水口を覆っている。密封面は、排水口の外周における内槽壁と対向する同一形状に設けられており、然るべく密着して密封状に接触する。
【0025】
更に、排水口の外周の内槽壁は、密封面と平行な平面部である。平面部は、密封面における内槽壁上の投影領域を少なくとも覆っている。及び/又は、閉塞部品の密封面は、内槽壁と対向する同一形状の円弧面である。
【0026】
更に、閉塞部品は、装着構造によって排水口の軸方向に移動可能に内槽壁に装着されている。閉塞部品と装着構造の間には、密封部材を押動して排水口を閉止させるバネ部材が挟持されている。閉塞部品は、直接的又は伝動構造を介して錘に接続されており、内槽の回転速度が所定の回転速度V0を上回ると、錘の遠心力によって閉塞部品が槽の中心に向かって移動し、排水口を開放する。
【0027】
更に、閉塞部品の密封面には、排水口側に突出する突出部が設けられている。排水口部分には、閉塞部品から離れる側に突出する折り返しが設けられている。突出部と折り返しは対向して設けられ、突出部を排水口部分の折り返しに然るべく密封状に密着させる。
【0028】
更に、突出部の外壁と折り返しの内壁は対向する同一形状に設けられている。これにより、突出部と折り返しが対向して密封状に密着し、排水口を閉止する。
【0029】
本発明は、更にドラム洗濯機を開示する。ドラム洗濯機において、洗濯機の内槽は、洗浄プログラムの実行時に水が蓄えられる容器である。内槽には少なくとも1つの排水口が設けられており、各排水口部分には、上記いずれかの密封排水装置がそれぞれ装着されている。密封排水装置の閉塞部品は、内槽の回転時の遠心力の働きによって内槽の中心方向へ移動し、密封部材を内槽壁から離脱させて排水口を開放する。
【0030】
更に、内槽の側壁には少なくとも1つのリフティングリブが設けられている。リフティングリブの内部は中空であり、内槽の内部と連通している。内槽の側壁には、リフティングリブの中空部と連通する少なくとも1つの排水口が設けられており、排水口部分にリフティングリブの内部に位置する閉塞部品が設けられている。
【0031】
閉塞部品を内槽壁と密封状に直接接触させることで、両者の接触による押圧力を利用して接触箇所を密封処理する。これにより、密封性能が向上するだけでなく、装置の装着が合理化されて、組み付け及びメンテナンスの速度が上昇する。且つ、相対的に伸縮移動可能な閉塞部品で密封部材を直接構成し、使用することで、部材の速度が減少するだけでなく、装置のコンパクト性が合理化される。
【発明の効果】
【0032】
本発明で記載する洗濯機は、従来技術の洗濯機と比較して以下の有益な効果を有する。
【0033】
上記のように設けることで、内槽のリフティングリブの内部に排水口を隠匿的に設け、隠匿した排水口から内槽内の水流を外部に排出するとの目的が達せられる。且つ、排水口部分に密封排水装置を設けることで、内槽の高速回転時の遠心力を利用して閉塞部品を然るべく制御し、排水口を然るべく開閉することが可能となる。これにより、洗濯機が脱水プログラムを実行する際に、内槽の高速回転時の遠心力が閉塞部品に作用することで、排水口が自動的に内槽を開放し、然るべく排水するとの目的が達せられる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1は、本発明の実施例におけるドラム洗濯機の原理を示す図である。
図2図2は、本発明の実施例1及び2における密封排水装置をドラム洗濯機に装着した場合の動作原理を示す図である。
図3図3は、本発明の実施例における密封排水装置の図2の部分拡大図である。
図4図4は、本発明の実施例における排水装置の図2の更なる実施形態の部分拡大図である。
図5図5は、本発明の実施例1及び2における密封排水装置の分解図である。
図6図6は、本発明の実施例3における密封排水装置をドラム洗濯機に装着した場合の動作原理を示す図である。
図7図7は、本発明の実施例における密封排水装置の図6の部分拡大図である。
図8図8は、本発明の実施例における密封排水装置の図6の更なる実施形態の部分拡大図である。
図9図9は、本発明の実施例4における密封排水装置とドラム洗濯機のリフティングリブとの組付図である。
図10図10は、本発明の実施例4における密封排水装置、洗濯機のリフティングリブが組み付けられるドラム洗濯機の内槽構造の概略図である。
図11図11は、本発明の実施例5における密封排水装置をドラム洗濯機に装着した場合の動作原理を示す図である。
図12図12は、本発明の実施例5における密封排水装置をドラム洗濯機に装着した場合の更なる実施形態の動作原理を示す図である。
図13図13は、本発明の実施例5における密封排水装置の図11の部分拡大図である。
図14図14は、本発明の実施例6における密封排水装置をドラム洗濯機に装着した場合の動作原理を示す図である。
図15図15は、本発明の実施例における密封排水装置の図14の部分拡大図である。
図16図16は、本発明の実施例7における密封排水装置の構造の概略図である。
図17図17は、本発明の実施例7における密封排水装置が装着される内槽の部分構造の概略図である。
図18図18は、本発明の実施例7における密封排水装置をドラム洗濯機に装着した場合の動作原理を示す図である。
図19図19は、本発明の実施例における密封排水装置の図18の部分拡大図である。
図20図20は、本発明の実施例における密封排水装置の図18の更なる実施形態の部分拡大図である。
図21図21は、本発明の実施例8における密封排水装置をドラム洗濯機に装着した場合の動作原理を示す図である。
図22図22は、本発明の実施例における密封排水装置の図21の部分拡大図である。
図23図23は、本発明の実施例における密封排水装置の図21の更なる実施形態の部分拡大図である。
図24図24は、本発明の実施例9における密封排水装置をドラム洗濯機に装着した場合の動作原理を示す図である。
図25図25は、本発明の実施例における密封排水装置の図24の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下に、図面を組み合わせて、本発明におけるドラム洗濯機及びその制御方法について詳述する。
【0036】
図1図25に示すように、本実施例は、孔無し内槽を有する前開き構造のドラム洗濯機を提供する。本構造はシンプルであり、内槽と外槽の間に洗浄水/すすぎ水を満たす必要がないため、洗濯機の洗浄用水量を極めて大きく減少させられる。また、内槽と外槽の間に汚れが付着する恐れも回避される。よって、ユーザの健康及びユーザエクスペリエンスが極めて大きく向上するとともに、膨大な水資源の節約となる。
【0037】
本実施例のドラム洗濯機はハウジング19を有している。ハウジング19は、上部パネル2、前方パネル、後方パネル及びボトムプレートを含む。ボトムプレートには、洗濯機全体を支持するための底脚9が装着固定されている。ハウジング19の内部には外槽18が備わっており、外槽18内に内槽17が同軸に設置されている。外槽18の主な目的は、内槽17からの排水及び内槽17の高速遠心脱水に伴う排水を収集することである。内槽17が回転すると(好ましくは、リフティングリブ43を設置する)、衣類が継続的に昇降して叩き付けられることで洗濯が行われる。内槽17は孔無し構造となっている。また、外槽18は、軸受12が装着固定される中心装着孔を有している。且つ、内槽17にしっかりと接続された内槽軸13が、前記軸受12に挿通されるとともに、駆動モータ16に接続されている。内槽17の前部の槽口には開放/閉止可能な内槽ドア6が装着されており、これにより内槽17の密封室構造が実現される。
【0038】
本実施例のハウジング19には、開放/閉止可能な本体ドア5が装着されている。
【実施例1】
【0039】
図1図25に示すように、本実施例のドラム洗濯機は、衣類洗浄時に独立して洗浄水が蓄えられる内槽17を含む。内槽17には孔無し内槽設計を採用しているため、洗浄時には内部が通気孔を有する閉鎖空間となる。よって、洗濯機の洗浄及びすすぎ時には独立して洗浄水を蓄えることが可能であり、内槽と外槽の間に水が存在しないため、節水との目的が実現される。且つ、内槽と外槽の間に汚れが生成されるとの事態が回避され、槽壁が清潔に維持されるため、ユーザエクスペリエンスが向上する。洗濯機の内槽17には排水口39が開設されており、排水及び/又は脱水過程ではここから排水される。本実施例は、上記のドラム洗濯機に適用される密封排水装置を開示する。当該密封排水装置は、内槽17の回転時の遠心力の働きで運動する遠心部材と、前記排水口を閉塞するための閉塞部品を含む。前記遠心部材は閉塞部品に接続されており、遠心部材の遠心運動に伴って、閉塞部品が前記排水口を開放する。
【0040】
本実施例で提供する密封排水装置は、内槽17の回転時の遠心力を利用して遠心部材を遠心運動させ、遠心部材が、閉塞部品を運動させて排水口を開放することで排水を実現する。原理としては、ドラム洗濯機の動作特性を利用して、内槽の回転速度を設定することで排水を実現可能なため、実現が容易である。また、構造としては、遠心部材の遠心運動を利用して閉塞部品を開放し、排水を実現するため、構造がシンプルである。よって、本願の密封排水装置は、孔無し内槽を有するドラム洗濯機について、洗浄・すすぎ時には排水口の閉塞を維持することで孔無し内槽による独立した貯水を実現し、排水及び/又は脱水時には、内槽の回転速度を制御することで遠心力による排水を実現して、孔無し内槽を有するドラム洗濯機の密封及び排水を実現する。
【0041】
本実施例の一実施形態として、本実施例で記載する遠心部材、閉塞部品は、いずれも内槽17の径方向に往復運動可能である。前記閉塞部品は、遠心部材に伴われて、遠心部材の遠心運動と同一又は反対方向に運動する。
【0042】
閉塞部品と遠心部材が同一方向に運動するためにはより多くの制御部材の装着が必要なことを考慮して、好ましくは、前記遠心部材は、内槽の回転時の遠心力の働きによって、内槽の径方向に沿って内槽の中心軸線から離れるように運動し、前記閉塞部品は、遠心部材に伴われて、内槽の径方向に沿って内槽の中心軸線に近付くように運動する。これにより、閉塞部品と遠心部材は、内槽の径方向に沿う運動が互いに重なり合うため、内槽の径方向に沿う両者の合計運動ストロークが減少し、装着スペースが小さくなる。
【0043】
更に、本実施例における前記閉塞部品は閉塞部材と弾性部材43を含む。前記弾性部材43は閉塞部材に作用して、閉塞部材による排水口39の密封状の閉塞を維持する。前記遠心部材は閉塞部材に接続されており、遠心部材の遠心運動に伴って、閉塞部材が運動して排水口を開放する。
【0044】
本実施例の弾性部材43は、閉塞部材に対して弾性予圧力を生じることで、閉塞部材による排水口の閉塞を維持する。これにより、内槽の閉鎖が維持されて洗浄水が蓄えられる。
【0045】
閉塞部品と排水口との密封を実現するために、本実施例では以下の方式を採用する。
【0046】
方式1:前記閉塞部品と排水口39を密封状に直接接触させて、前記排水口39を閉塞する。例えば、閉塞部品と排水口39を直接的な電磁密封、剛性密封等とする。
【0047】
方式2:密封部材40を介して前記閉塞部品と排水口39を密封状に接触させることで、前記排水口39を閉塞する。密封部材40を介して密封することで、コストが抑えられ、簡単且つ効果的となる。
【0048】
更に、前記閉塞部品は、周方向に接触して密封するための密封凸部を有している。密封凸部は、排水口の外周の内槽壁又は内壁と密封状の接触を維持することで排水口を閉塞する。本実施例における密封凸部は、閉塞部品に直接設置されて閉塞部品による排水口39の直接的な密封を実現してもよい。
【0049】
及び/又は、前記排水口39の内壁及び/又は外周の内槽壁が、周方向に接触して密封するための密封凸部を有し、密封リブが閉塞部品と密封状の接触を維持することで排水口を閉塞する。
【0050】
及び/又は、前記密封部材40が、周方向に接触して密封するための密封凸部41を有し、密封凸部41が閉塞部品及び/又は排水口39と密封状に接触することで排水口を閉塞する。
【0051】
本実施例の密封凸部は、閉塞部品、及び/又は排水口39の内壁、及び/又は排水口39の外周の内槽壁、及び/又は密封部材40から部分的に突出することで形成される密封突出リブとしてもよい。或いは、本実施例の密封凸部は、閉塞部品、及び/又は排水口39の内壁、及び/又は排水口39の外周の内槽壁、及び/又は密封部材40が部分的に凹陥することで形成される突起部分としてもよい。
【0052】
更に、本実施例の密封排水装置は、内部に案内経路を有するケーシング44を含む。前記閉塞部材は、往復運動可能に案内経路内に設置される案内部35と、案内部35の一端に設置されて排水口を閉塞するための閉塞部36と、案内部の他端に設置されて遠心部材に接続される接続部34を含む。前記弾性部材43は、ケーシング44内に装着されて、一端がケーシング44に当止するとともに、他端が閉塞部材に当止している。
【0053】
本実施例の弾性部材は圧縮バネであり、圧縮バネは案内部35に覆設されている。好ましくは、ケーシング44内には、圧縮バネを収容する収容溝が更に備わっている。収容溝は案内経路の外周に配設されており、圧縮バネの一端が収容溝内に当止するとともに、他端が閉塞部に当止している。
【0054】
具体的に、本実施例の案内部35は案内柱体である。閉塞部36は、案内柱体の一端の周方向に延伸するよう形成される閉塞プラグである。また、接続部34は、案内柱体の他端に設置される接続回転軸である。
【0055】
本実施例で記載する遠心部材は、錘部材38と接続部材37を含む。接続部材37の一端は錘部材38に接続され、他端は閉塞部品に接続されている。接続部材37の中央部には、回動可能に回転軸に装着される回転軸孔42が備わっている。
【0056】
好ましくは、前記錘部材36と接続部材37は一体的に成型される。
【0057】
本実施例における接続部材37の他端には、閉塞部材の接続回転軸が組み付けられる接続回転軸孔46が備わっており、前記接続回転軸が回動可能に接続回転軸孔46内に装着される。
【0058】
本実施例は、更に、前記密封排水装置を備えるドラム洗濯機を提供する。当該ドラム洗濯機は、衣類洗浄時に独立して洗浄水が蓄えられる内槽17と、内槽17に開設されて洗浄水の排出に用いられる排水口39と、内槽の内壁に装着されており、遠心部材が内槽の回転時の遠心力の働きで遠心運動することで、閉塞部品に前記排水口を開放させる密封排水装置、を含む。
【0059】
本実施例で記載するドラム洗濯機は、遠心力による排水を可能とするために、構造設計時において、前記遠心部材の全体重量M、内槽の回転速度V、弾性部材の弾性予圧力F0及び閉塞部材の全体質量mが以下を満たすようにする。
【0060】
即ち、内槽の回転速度Vが所定値V0に達したときに、前記遠心部材は内槽の遠心力の働きで遠心運動を開始する。遠心部材に発生した遠心力は、弾性予圧力F0及び閉塞部材の遠心力に抗して、内槽の径方向に沿って内槽の中心軸線に近付くように閉塞部材を運動させることで排水口を開放する。
【0061】
更に、前記内槽の内壁には衣類リフティング装置が装着されている。前記衣類リフティング装置は、内部空間、及び内部空間と内槽の内部を連通する連通孔を有している。前記排水口は、内部空間内に位置する内槽の槽壁に開設されており、前記密封排水装置は内部空間内に設置されている。
【0062】
本実施例では、密封排水装置を内部空間内に設置することで、密封排水装置の隠匿的な装着を実現する。これにより、密封排水装置が内槽内の衣類に干渉するとの事態が回避される。また、独立した保護カバーを省略できるため、製造コストが低下し、組付工程が簡略化される。
【0063】
本実施例における衣類リフティング装置はリフティングリブ32である。前記リフティングリブ32は、締結ネジ45によって内槽17の内壁に装着される。前記リフティングリブには、締結ネジ45を組み付けるためのスタッドボルト55が備わっている。また、内槽の槽壁には、締結ネジ45を挿通するための貫通孔56が開設されている。
【0064】
更に、本実施例は、前記ドラム洗濯機の制御方法を提供する。当該制御方法は、以下を含む。
【0065】
即ち、洗濯機は、排水及び/又は脱水過程において、内槽の回転速度VがV≧V0となるよう制御する。遠心部材は、内槽の回転時の遠心力の働きで運動することで、閉塞部品に前記排水口を開放させる。
【0066】
なお、前記V0は所定値である。
【0067】
このように、本実施例のドラム洗濯機は、内槽の回転速度を制御することで排水及び脱水を実現可能である。排水段階では、内槽が少なくともV0の回転速度で回転するよう制御して排水を実現し、脱水段階では、内槽の回転速度がV0以上まで上昇するよう制御して脱水時の排水を行う。
【実施例2】
【0068】
図1図5に示すように、本実施例に係るドラム洗濯機の密封排水装置において、ドラム洗濯機は、衣類洗浄時に独立して洗浄水が蓄えられる内槽17を含む。内槽17には排水口39が開設されている。また、密封排水装置は、排水口39と密封状に接触して前記排水口39を閉塞するための閉塞部品を含む。
【0069】
本願の密封排水装置は、閉塞部品により排水口39を閉塞することで、孔無し内槽を有するドラム洗濯機が、洗浄・すすぎ時に排水口39の閉塞を維持できるようにし、孔無し内槽による独立した貯水を実現する。
【0070】
更に、前記閉塞部品と排水口39を密封状に直接接触させて、前記排水口39を閉塞する。
【0071】
或いは、前記閉塞部品は、閉塞部36、及び閉塞部36に設置される密封部材40を含み、閉塞部品の密封部材40と排水口39を密封状に接触させることで、前記排水口39を閉塞する。
【0072】
更に、前記閉塞部品は、周方向に接触して密封するための密封凸部41を有している。密封凸部41は、排水口39の外周の内槽壁又は内壁と密封状の接触を維持することで排水口を閉塞する。
【0073】
及び/又は、前記密封部材40は、周方向に接触して密封するための密封凸部41を有している。密封凸部41は、排水口39の外周の内槽壁又は内壁と密封状に接触することで排水口39を閉塞する。
【0074】
密封凸部41と排水口39の外周の内槽壁について良好な周方向の密封を実現するために、本実施例で記載する内槽17は、内壁表面における平坦な平坦部57を有しており、前記排水口39が平坦部57に開設されている。前記密封凸部41は、排水口39の外周の平坦部57と周方向における密封状の接触を維持することで排水口を閉塞する。
【0075】
本実施例の他の実施形態として、本実施例で記載する排水口39は内槽の円弧状壁に開設されている。前記密封凸部41は、排水口39の外周の円弧状壁の内表面と周方向における密封状の接触を維持することで排水口を閉塞する。
【0076】
更に、本実施例で記載する密封凸部41は、閉塞部品/密封部材に設置される少なくとも1周の密封リブを含む。各密封リブは、いずれも円弧状壁の内表面と周方向における密封状の接触を維持する。
【0077】
好ましくは、前記密封凸部は、閉塞部品/密封部材に設置される少なくとも2周の密封リブを含む。
【0078】
各密封リブの高さは等しく、いずれも、最も内周の密封リブと、最も内周の密封リブに対向する円弧状壁の内表面との距離以上である。
【0079】
或いは、各密封リブの高さは、各密封リブに対向する円弧状壁の内表面と周方向において密封状の接触を維持するよう、外周から内周へと向かう配置方向において徐々に高くなっている。
【0080】
本実施例の一実施形態として、前記密封リブは、密封リブ主部と、排水口の外周の周壁と密封状の接触を維持するための密封リブ端部と、密封リブ主部と密封リブ端部を連ねるように接続する密封リブ移行部を有している。
【0081】
好ましくは、前記密封リブ移行部は、密封リブ端部と密封リブ主部の間のアール構造Rである。
【0082】
本実施例で記載する密封部材40は、弾性材料からなるシールプランジャである。シールプランジャは、閉塞部品を配設するための開口した装着空間を有している。また、シールプランジャは、排水口の外周における内槽の平坦部と係合して密封する密封端面を有している。
【0083】
好ましくは、前記密封端面に少なくとも1周の密封リブを設置する。
【0084】
更に、本実施例で記載する密封排水装置は、内槽の回転時の遠心力の働きで運動する遠心部材を含む。前記遠心部材は閉塞部品に接続されており、遠心部材の遠心運動に伴って、閉塞部品が前記排水口を開放する。
【0085】
前記閉塞部品は、往復運動可能に案内経路内に設置される案内部35と、案内部35の一端に設置されて排水口39を閉塞するための閉塞部36と、案内部35の他端に設置されて遠心部材に接続される接続部34を含む。前記密封部材40は閉塞部に設置されている。
【0086】
本実施例は、更に、前記密封排水装置を備えるドラム洗濯機を提供する。当該ドラム洗濯機は、衣類洗浄時に独立して洗浄水が蓄えられる内槽17と、内槽17に開設されて洗浄水の排出に用いられる排水口39と、内槽の内壁に装着されており、内槽の回転速度が所定値V0に達したときに閉塞部品が前記排水口を開放する密封排水装置、を含む。
【0087】
更に、排水口を内槽の槽壁に対して内側に突出させるか外側に突出させるよう、前記排水口39と内槽17の内壁の間には延伸壁が備わっている。前記閉塞部品は、延伸壁内に伸入して内壁と周方向における密封状の接触を維持することで排水口を閉塞する。これにより、閉塞部品と排水口39との密封効果が更に強化される。
【0088】
或いは、前記排水口39と内槽17の内壁は面一に設置され、前記閉塞部品が、排水口の外周の内槽壁と周方向において密封状に接触するか、排水口の内周壁と密封状に接触することで排水口を閉塞する。
【実施例3】
【0089】
図1図6図10に示すように、本実施例に係るドラム洗濯機の密封排水装置において、ドラム洗濯機は、衣類洗浄時に独立して洗浄水が蓄えられる内槽17を含む。内槽17には排水口39が開設されている。また、密封排水装置は、排水口と密封状に接触して前記排水口を閉塞するための閉塞部品を含む。
【0090】
前記閉塞部品には、中心軸線に沿う各横断面の断面積が等しくない第1密封部品47が設置されており、少なくとも1つの横断面の外周壁が、排水口と周方向において密封状に接触することで排水口を閉塞する。
【0091】
本実施例における密封排水装置の閉塞部品は、断面が変化する第1密封部品を有している。こうすることで、第1密封部品は、より良好に排水口を周方向において密封可能となり、排水口の密封効果が保証される。
【0092】
本実施例の一実施形態として、前記第1密封部品は、排水口に近接して設置される近端部と、排水口から離れて設置される遠端部を含む。前記第1密封部品47は、中心軸線に沿って、近端部から遠端部までの各横断面の断面積が徐々に増大している。
【0093】
好ましくは、前記第1密封部品47は、近端部から遠端部までの各横断面の断面積が徐々に増大する錐状又は円錐台状の密封プラグである。
【0094】
本実施例の一実施形態として、前記内槽17は、内壁表面における平坦な平坦部を有しており、前記排水口39が平坦部に開設されている。前記第1密封部品47の少なくとも1つの横断面の外周壁は、排水口39と周方向に密封状に接触することで排水口を閉塞する。
【0095】
或いは、前記排水口は内槽の円弧状壁に開設されている。前記第1密封部品47の少なくとも1つの横断面における外周の内槽壁は、排水口と周方向に密封状に接触することで排水口を閉塞する。
【0096】
更に、本実施例で記載する閉塞部品には、第1密封部品47の外周に位置する第2密封部品が設置されており、前記第2密封部品と排水口39の外周の内槽壁が周方向において密封状に接触する。本実施例は、第1密封部品と第2密封部品によって閉塞部品と排水口39との多重密封を実現する。これにより、排水口39の密封効果が保証され、漏水が防止される。
【0097】
具体的に、本実施例の第2密封部品は、排水口の外周における第1の密封を実現する。また、第1密封部品と排水口との密封状の接触によって第2の密封が保証される。
【0098】
本実施例の一実施形態として、前記第2密封部品は、第1密封部品47の外周に設置されて接触及び密封に用いられる密封凸部41を含む。密封凸部41は、排水口39の外周の内槽壁と密封状の接触を維持することで排水口を閉塞する。
【0099】
更に、前記第1密封部品47と第2密封部品はそれぞれ弾性材料からなり、閉塞部品にそれぞれ配設されている。
【0100】
或いは、前記第1密封部品と第2密封部品はそれぞれ弾性材料からなり、第1密封部品と第2密封部品が一体的に接続されたあと閉塞部品に配設される。
【0101】
或いは、前記第1密封部品と第2密封部品は、弾性材料により一体的に構成されるシールプランジャであり、シールプランジャが閉塞部品に配設される。
【0102】
本実施例の密封排水装置は、更に、内槽の回転時の遠心力の働きで運動する遠心部材を含む。前記遠心部材は閉塞部品に接続されており、遠心部材の遠心運動に伴って、閉塞部品が前記排水口を開放する。
【0103】
前記閉塞部品は、往復運動可能に案内経路内に設置される案内部と、案内部の一端に設置されて排水口を閉塞するための閉塞部と、案内部の他端に設置されて遠心部材に接続される接続部を含む。前記第1密封部品/第2密封部品は閉塞部に設置される。
【0104】
本実施例は、更に、前記密封排水装置を備えるドラム洗濯機を開示する。当該ドラム洗濯機は、衣類洗浄時に独立して洗浄水が蓄えられる内槽と、内槽に開設されて洗浄水の排出に用いられる排水口と、内槽の内壁に装着されており、内槽の回転速度が所定値V0に達したときに閉塞部品が前記排水口を開放する密封排水装置、を含む。
【0105】
更に、排水口を内槽の槽壁に対して内側に突出させるか外側に突出させるよう、前記排水口39は、内槽17の内壁との間に延伸する延伸壁48を有している。前記第1密封部品47は延伸壁48内に伸入して、少なくとも1つの横断面の外周壁が延伸壁48の内周壁と周方向における密封状の接触を維持することで排水口を閉塞する。
【0106】
第1密封部品47の密封効果を更に向上させるために、前記第1密封部品47と排水口の延伸壁48の内周壁は、面接触又は線接触して排水口を密封する。
【0107】
好ましくは、前記延伸壁の内周壁は、第1密封部品の外周壁の形状と一致している。
【0108】
更に好ましくは、前記第1密封部品は、排水口に対して、近端部から遠端部までの各横断面の断面積が徐々に増大する錐状又は円錐台状の密封プラグである。また、前記排水口の延伸壁は、内槽壁から内槽の中心軸線とは離れる方向に向かって、内部の断面積が徐々に縮小する円錐台状の周壁である。
【実施例4】
【0109】
図1図11図13に示すように、本実施例のドラム洗濯機は、衣類洗浄時に独立して洗浄水が蓄えられる内槽17と、内槽17に開設されて洗浄水の排出に用いられる内槽排水口39と、内槽17の内壁上の排水口39部分に装着される装着部材50と、装着部材に開設されて内槽排水口39と連通する装着部材排水口51と、前記装着部材排水口51を閉塞するための閉塞部品を有する密封排水装置、を含む。
【0110】
本実施例における前記装着部材50は内槽壁と密封状に接続される。
【0111】
好ましくは、前記内槽排水口は内槽の内壁に開設されている。前記装着部材は接続部を含み、前記接続部と内槽排水口の外周の内槽壁が密封状に接続される。
【0112】
本実施例で記載する装着部材50は更にエンドカバー部を含む。前記平坦部における対向する2つの側壁は内槽の内壁と密封状の接続を維持している。また、前記平坦部における対向する別の2つの側壁にはエンドカバー部がそれぞれ接続されており、エンドカバー部が内槽の内壁と密封状の接続を維持している。
【0113】
好ましくは、前記平坦部とエンドカバー部は一体的に成型される。
【0114】
本実施例では、内槽の内壁に装着部材50を装着しており、装着部材50が、内槽排水口39と連通する装着部材排水口51を有している。これにより、密封排水装置で装着部材排水口51を閉塞することで、内槽排水口39の密封を実現可能である。よって、従来の内槽における円弧状壁構造を変更することなく、装着部材50によって密封排水装置の密封状の配設が実現されるため、装着構造がシンプルである。且つ、装着部材は、閉塞部品と密封状に係合する平坦部を有しているため、密封効果がいっそう良好となる。
【0115】
更に、前記内槽排水口は内槽の円弧状壁に開設されている。前記装着部材は接続部を含み、前記接続部と内槽排水口の外周の内槽壁が密封状に接続される。
【0116】
具体的に、前記平坦部は平直プレートであり、前記エンドカバー部はエンドカバープレートを更に含む。前記平直プレートにおける対向する2つの側壁は内槽の円弧状の内壁と密封状の接続を維持している。また、前記平直プレートにおける対向する別の2つの側壁にはエンドカバープレートがそれぞれ接続されており、エンドカバープレートが内槽の円弧状の内壁と密封状の接続を維持している。
【0117】
好ましくは、前記平直プレートとエンドカバープレートは一体的に成型される。
【0118】
図23及び図24に示すように、本実施例の一実施形態として、前記装着部材50と内槽の内壁の間にシールリング52を設置することで密封状の接続を実現するか、或いは、前記装着部材50と内槽の内壁を溶接する。
【0119】
本実施例における前記内槽排水口39の開口の断面積は、装着部材排水口51の断面積以上である。こうすることで、排水時に、装着部材排水口51から排出された水を速やかに内槽排水口39から排出可能となり、排水の円滑性が保証される。
【0120】
好ましくは、前記内槽排水口と装着部材排水口はいずれも円形孔である。内槽排水口の孔径は、装着部材排水口の孔径以上である。
【0121】
更に好ましくは、前記内槽排水口の中心軸線と装着部材排水口の中心軸線は共線的に設置される。こうすることで、装着部材排水口51から排出された水をまっすぐに内槽排水口39に流して排出可能となり、装着部材排水口51から内槽排水口39までの流出経路が屈曲して排水効果に支障をたすとの事態が回避される。
【0122】
密封排水装置と装着部材排水口51との密封効果を強化するために、前記平坦部における装着部材排水口51の外周には、閉塞部品と密封状に係合する密封係合部54が設置されている。
【0123】
好ましくは、前記密封係合部54は、排水口の外周に設置される少なくとも1周の密封リブであり、前記密封リブが閉塞部品の密封部と密封状に接触する。
【0124】
更に、装着部材排水口51を平坦部に対して内側に突出させるか外側に突出させるよう、前記装着部材排水口51と平坦部の間には装着部材延伸壁53が備わっている。また、前記閉塞部品には第1密封部品47が設置されている。第1密封部品47は装着部材延伸壁53内に伸入して、少なくとも1つの横断面の外周壁が装着部材延伸壁53の内周壁と密封状の接触を維持する。
【0125】
また、更に、前記第1密封部品47と装着部材延伸壁53の内周壁は、面接触又は線接触して装着部材排水口を密封する。
【0126】
好ましくは、前記装着部材延伸壁53の内周壁は、第1密封部品47の外周壁の形状と一致している。
【0127】
更に好ましくは、前記第1密封部品47は、装着部材排水口に対して、近端部から遠端部までの各横断面の断面積が徐々に増大する錐状又は円錐台状の密封プラグである。また、前記装着部材延伸壁53は、平坦部から内槽の中心軸線とは離れる方向に向かって、内部の断面積が徐々に縮小する円錐台状の周壁である。
【0128】
更に、前記内槽の内壁には衣類リフティング装置が設置されている。前記衣類リフティング装置は、内部空間、及び内部空間と内槽の内部を連通する連通孔33を有している。前記排水口は内部空間内に位置する内槽の槽壁に開設されており、前記装着部材50、密封排水装置はいずれも内部空間内に設置されている。
【0129】
具体的に、本実施例で記載するリフティング装置はリフティングリブ32である。リフティングリブ32は、内槽の内壁に装着されるリフティングリブ基部58と、内槽の内部に向かって突出するリフティングリブ凸部49を有している。前記連通孔33はリフティングリブ凸部49に設置されている。また、前記装着部材50がリフティングリブ基部58に周方向において密封状に接続される。
【0130】
本実施例の密封排水装置は、更に、内槽の回転時の遠心力の働きで運動する遠心部材を含む。前記遠心部材は閉塞部品に接続されており、遠心部材の遠心運動に伴って、閉塞部品が前記装着部材排水口を開放する。
【実施例5】
【0131】
図1図14図15に示すように、本実施例のドラム洗濯機は、衣類洗浄時に独立して洗浄水が蓄えられる内槽17と、内槽17に開設された配設貫通口と、配設貫通口内に密封状に装着される装着部材50と、装着部材に開設される装着部材排水口51と、前記装着部材排水口を閉塞するための閉塞部品を有する密封排水装置、を含む。
【0132】
本実施例では、内槽の配設貫通口に装着部材50を装着しており、装着部材50が装着部材排水口51を有している。これにより、密封排水装置で装着部材排水口51を閉塞することで、内槽排水口の密封を実現可能である。よって、従来の内槽における円弧状壁構造を変更することなく、装着部材50によって密封排水装置の密封状の配設が実現されるため、装着構造がシンプルである。且つ、装着部材は、閉塞部品と密封状に係合する平坦部を有しているため、密封効果がいっそう良好となる。
【0133】
更に、前記配設貫通口は内槽の槽壁に開設されている。前記装着部材50は接続部を含み、前記接続部と配設貫通口の内周壁が密封状に接続される。
【0134】
本実施例で記載する装着部材は平坦部を含み、前記装着部材排水口が平坦部に開設されている。
【0135】
閉塞部品による装着部材排水口51の密封を実現するために、本実施例の一実施形態として、前記平坦部における装着部材排水口51の外周に位置する外壁には、閉塞部品と密封状に係合する密封係合部54が設置されている。
【0136】
好ましくは、前記密封係合部54は、装着部材排水口の外周に設置される少なくとも1周の密封リブであり、前記密封リブが閉塞部品と密封状に接触する。
【0137】
本実施例の更なる実施形態として、前記閉塞部品は少なくとも1周の密封リブを有しており、密封リブが装着部材排水口51の外周の平坦部と密封状の接触を維持する。
【0138】
及び/又は、前記閉塞部品には密封部材が設置されている。密封部材は少なくとも1周の密封リブを有しており、密封リブが装着部材排水口の外周における平坦部の外壁面と密封状の接触を維持する。
【0139】
本実施例の更なる実施形態として、前記平坦部における装着部材排水口の外周に位置する外壁には、少なくとも1周の第1密封リブが設置されている。また、前記閉塞部品には密封部材が設置されており、密封部材が少なくとも1周の第2密封リブを有している。前記第1密封リブと第2密封リブは互い違いに設置される。第1密封リブは密封部材の平直な端面と密封状の接触を維持し、第2密封リブは装着部材排水口の外周の平直な平坦部と密封状の接触を維持する。
【0140】
閉塞部品による装着部材排水口の密封効果を更に強化するために、装着部材排水口51を平坦部に対して内側に突出させるか外側に突出させるよう、前記装着部材排水口51と平坦部の間には装着部材延伸壁53が備わっている。また、前記閉塞部品には第1密封部品47が設置されている。第1密封部品47は装着部材延伸壁53内に伸入して、少なくとも1つの横断面の外周壁が装着部材延伸壁の内周壁と周方向における密封状の接触を維持する。
【0141】
更に、前記第1密封部品47と装着部材延伸壁53の内周壁は、面接触又は線接触して装着部材排水口を密封する。
【0142】
好ましくは、前記装着部材延伸壁53の内周壁は、第1密封部品47の外周壁の形状と一致している。
【0143】
更に好ましくは、前記第1密封部品47は、装着部材排水口に対して、近端部から遠端部までの各横断面の断面積が徐々に増大する錐状の密封プラグである。また、前記装着部材延伸壁53は、平坦部から内槽の中心軸線とは離れる方向に向かって、内部の断面積が徐々に縮小する円錐台状の周壁である。
【0144】
本実施例における前記内槽17の内壁には衣類リフティング装置が設置されている。前記衣類リフティング装置は、内部空間、及び内部空間と内槽の内部を連通する連通孔を有している。前記配設貫通口は、内部空間内に位置する内槽の槽壁に開設されており、前記密封排水装置は内部空間内に設置されている。
【0145】
本実施例の排水密封装置は、更に、内槽の回転時の遠心力の働きで運動する遠心部材を含む。前記遠心部材は閉塞部品に接続されており、遠心部材の遠心運動に伴って、閉塞部品が前記装着部材排水口を開放する。
【0146】
更に、前記遠心部材は錘部材と接続部材を含む。接続部材の一端は錘部材に接続され、他端は閉塞部品に接続されている。接続部材の中央部には、回動可能に回転軸に装着される回転軸孔が備わっている。
【0147】
好ましくは、前記錘部材と接続部材は一体的に成型される。
【実施例6】
【0148】
本実施例は、上記実施例2と以下の点において異なっている。図16図20に示すように、密封排水装置の閉塞部品と排水口39の外周における内槽壁との密封状の接触を実現するために、排水口39の外周における内槽17の壁には少なくとも1周の密封凸部53が設けられている。密封凸部53は、閉塞部品、又は閉塞部品に装着される密封部材と密封状に接触することで排水口を閉塞する。
【0149】
本実施例では、更に、ドラム洗濯機の内槽17について説明する。内槽17は、独立して洗浄水が蓄えられるよう、実体壁で囲繞された収容空間と、少なくとも1つの排水口39を有している。前記排水口39は前記内槽の実体壁に設置されており、内槽から水を排出するために用いられる。また、排水口の外周領域における実体壁には密封部が設置されている。
【0150】
本実施例において、前記密封部は、排水口39を閉塞する閉塞部品と係合する密封装置である。密封部と閉塞部品は、いずれも本実施例における密封排水装置の構成要素である。本実施例の密封部は下記の構造を含む(ただし、これに限らない)。即ち、実体壁には、内槽の径方向に沿って高さが変化する密封凸部53が備わっている。前記密封部は、実体壁における排水口39の周囲の平坦部57から内槽17の中心に向かって突出する密封凸部53である。閉塞装置は、密封凸部53と対向する密封面を有している。密封面は平面又は平滑な曲面である。
【0151】
本実施例の密封凸部53は、実体壁から内槽の中心方向に向かって突出する密封リブの突出端により構成してもよいし、実体壁から内槽の外側方向に向かって凹陥する凹溝の上端開口の外周により構成してもよい。
【0152】
本実施例において、前記密封凸部53は、排水口の外周に沿って断続的或いは連続的に少なくとも1周延伸している。好ましくは、排水口の各方向における密封性を保証するために、排水口39の径方向における各方向には、密封凸部53が少なくとも1箇所設置されている。
【0153】
本実施例において、各密封凸部53の中心接続線と排水口39の中心は同心に設けられる。これにより、各密封凸部53がいずれも排水口39の中心に対して対称に設けられるため、排水口の全周における圧力の均衡が保証され、密封性能が更に向上する。
【0154】
本実施例において、密封凸部53の端面には円弧移行曲面が設けられている。密封凸部53と密封部材との密封性能を保証するために、密封凸部53の端面部分の円弧移行曲面は、次のように設置すればよい。即ち、密封凸部53の両側の少なくとも1箇所が円弧面取り面を有しているか、密封凸部53の端面が1本の円弧曲面から直接構成される。
【0155】
好ましくは、閉塞部品と接触する密封凸部53の端面の両端にそれぞれ円弧状の面取り部Rが備わり、密封凸部53の端部の中心が平面部となるよう、密封凸部53の端面における内周側及び外周側の箇所にそれぞれ円弧移行曲面が設けられている。これにより、閉塞部品と密封凸部53との密着面の幅が保証されるため、押圧による密封性能が向上する。
【0156】
密封凸部53と密封部材40との良好な周方向の密封を実現するために、本実施例で記載する内槽17は、内壁表面における平坦な平坦部57を有しており、前記排水口39が平坦部57に開設されている。前記密封凸部53は平坦部57に位置している。また、平坦部57は、密封部材40における内槽径に沿った内槽壁上の投影領域を少なくとも覆っている。これにより、密封部材40と排水口39の外周の平坦部57とが周方向における密封状の接触を維持することで、排水口を閉塞する際の密封性が向上する。
【0157】
本実施例で記載する排水口39は内槽の円弧状壁に開設されている。前記密封凸部41は、排水口39の外周の円弧状壁の内表面と周方向における密封状の接触を維持することで排水口を閉塞する。
【0158】
本実施例において、前記密封凸部41は、閉塞部品/密封部材40の径方向に分布する少なくとも2周の密封リブを含む。2周の密封リブは、いずれも円弧状壁の内表面と周方向における密封状の接触を維持する。各密封リブの高さは等しく、いずれも、最も内周の密封リブと、最も内周の密封リブに対向する円弧状壁の内表面との距離以上である。或いは、各密封リブの高さは、各密封リブに対向する円弧状壁の内表面と周方向において密封状の接触を維持するよう、外周から内周へと向かう配置方向において徐々に高くなっている。
【0159】
本実施例において、閉塞部品は、内槽17の実体壁と密封状に接触して排水口を封止する密封部材40を含む。
【0160】
本実施例において、密封部材40は、内槽17の実体壁に設けられた密封部と互いに押圧し合うことで弾性変形を生じ、弾性変形を利用してこれらの接触箇所を密封する。好ましくは、密封部材40は弾性の材質で構成される。これにより、互いに押圧し合うことで密封部材40自体に弾性変形が生じ、接触箇所を密封する。
【0161】
本実施例において、内槽17の壁には、排水口39に然るべく掛合するリフティングリブ32が装着されている。リフティングリブ32の内部は中空であり、開孔を通じて内槽17の内部と連通している。また、内槽17の壁に設置されている排水口39は、リフティングリブ32の中空部と連通している。且つ、排水口39部分に設置される閉塞部品はリフティングリブ32の内部に位置している。
【実施例7】
【0162】
本実施例は、上記実施例6をベースとして、更に以下の技術的特徴を有している。即ち、密封排水装置の閉塞部品と排水口39部分の内槽壁との密封状の接触を実現するために、排水口39部分の内槽壁には、内槽17の外側に向かって屈曲する折り返し48、及び/又は、排水口39の内壁が内槽17の外側に向かって延伸する遮断リブが設けられている。前記折り返し及び/又は遮断リブは、筒状又は錐状をなしている。これにより、閉塞部品自体及び/又は閉塞部品に装着されている密封部材40が、折り返し48及び/又は遮断リブと密封状に接触して、排水口の閉塞処理を実現する。
【0163】
図21図23に示すように、本実施例では、ドラム洗濯機の密封排水装置について説明する。ドラム洗濯機は、衣類洗浄時に独立して洗浄水が蓄えられる内槽17を含む。内槽17には排水口39が開設されている。また、密封排水装置は、排水口39と密封状に接触して前記排水口39を閉塞する閉塞部品を含む。閉塞部品は、それ自体、又は装着されている密封部材40によって排水口39を然るべく閉塞処理可能である。排水口39部分の内槽壁には、内槽17の外側に向かって屈曲する折り返し48が設けられている。閉塞部品又は密封部材40が折り返し48と密封状に接触することで、排水口が閉塞される。
【0164】
本願の密封排水装置は、閉塞部品により排水口39を閉塞することで、孔無し内槽を有するドラム洗濯機が、洗浄・すすぎ時に排水口39の閉塞を維持できるようにし、孔無し内槽による独立した貯水を実現する。
【0165】
本実施例において、閉塞部品は、内槽壁と密封状に接触して排水口39を封止する密封部材40を含む。好ましくは、密封部材40は、内槽壁及び/又は折り返し39と互いに押圧し合うことで弾性変形を生じ、弾性変形を利用してこれらの接触箇所を密封する。
【0166】
本実施例において、密封部材40は、更に、密封部材に設けられて排水口側に突出する突出部47を含む。突出部47の少なくとも一部は、径方向において排水口39から突出する。これにより、突出部47は排水口39部分の折り返し48に対向して密封状に密着する。好ましくは、突出部47は、閉塞部品から離れる側に向かって直径が縮小し、且つ排水口39と同軸に設けられる錐状をなしている。且つ、錐状の突出部47における最小端の直径は排水口39よりも小さく、最大端の直径は排水口39よりも大きい。これにより、突出部47は、排水口39部分の折り返し48内に然るべく伸入可能となり、突出部47と折り返し48とが直接押圧変形を生じることで、接触箇所の密封処理が行われる。且つ、両者の密封状の接触を保証するために、突出部47の大径端の直径は、錐状の折り返し48の大径端の直径よりも大きくする必要がある。
【0167】
本実施例では、更に、ドラム洗濯機の内槽構造について説明する。内槽17は、独立して洗浄水が蓄えられるよう、実体壁で囲繞された収容空間と、少なくとも1つの排水口39を有している。前記排水口は前記内槽の実体壁に設置されており、内槽から水を排出するために用いられる。排水口39の外周領域における実体壁には第1密封部が設けられており、排水口39部分には第2密封部が設けられている。
【0168】
本実施例における第1密封部は、上記実施例3で記載した内槽17の実体壁に設置される密封凸部53である。また、第2密封部は、本実施例で記載した内槽17の排水口39部分に設置されて槽外方向に延伸する筒状又は錐状面の折り返し48及び/又は遮断リブである。
【0169】
言うまでもなく、本実施例では、内槽の密封を保証することを前提に、第1密封部と第2密封部の一方を選択的に設置してもよい。
【実施例8】
【0170】
本実施例は、上記実施例をベースとして、更に以下の技術的特徴を有している。即ち、図1図23に示すように、ドラム洗濯機の密封排水装置において、ドラム洗濯機は、衣類洗浄時に独立して洗浄水が蓄えられるものであって、排水口39が開設された内槽17と、内槽の排水口39を閉塞するための閉塞部品を含む。閉塞部品には密封部材40が設けられている。密封部材40は、内槽17の壁と密封状に接触して排水口39を閉止するか、離脱して排水口39を開放する。
【0171】
閉塞部品に密封部材を設置して、閉塞部品と一緒に移動させるとともに、独立して設置した密封部材を内槽壁と接触させ、接触過程における押圧力を利用して接触箇所を密封処理する。これにより、密封性能が向上するだけでなく、装置の装着が合理化されて、組み付け及びメンテナンスの速度が上昇する。且つ、密封部材を相対的に伸縮移動可能な閉塞部品に設置することで、密封部材が受ける挟持による密封力が増大して、密封効果が著しく向上する。
【0172】
本実施例において、密封部材40は、内槽17の壁と互いに押圧し合うことで弾性変形を生じ、弾性変形を利用してこれらの接触箇所を密封する。弾性変形を利用して密封部材と内槽を密封するとの効果を実現するために、密封部材40自体を弾性の材質で構成してもよい。また、言うまでもなく、密封部材40と然るべく接触する内槽17の壁部分を弾性の材質で構成し、密封部材40及び/又は内槽17の壁の弾性変形を利用して密封状の接触を実現してもよい。
【実施例9】
【0173】
本実施例は、上記実施例をベースとして、更に以下の異なる技術的特徴を有している。即ち、図24図25に示すように、ドラム洗濯機の密封排水装置において、ドラム洗濯機は、衣類洗浄時に独立して洗浄水が蓄えられる内槽17を含む。内槽17には排水口39が開設されている。閉塞部品の密封面は、内槽17の壁と密封状に直接接触して排水口39を閉止するか、離脱して排水口39を開放する。
【0174】
閉塞部品を内槽壁と密封状に直接接触させることで、両者の接触による押圧力を利用して接触箇所を密封処理する。これにより、密封性能が向上するだけでなく、装置の装着が合理化されて、組み付け及びメンテナンスの速度が上昇する。且つ、相対的に伸縮移動可能な閉塞部品で密封部材を直接構成し、使用することで、部材の速度が減少するだけでなく、装置のコンパクト性が合理化される。
【0175】
本実施例において、閉塞部品、及び/又は、閉塞部品との接触箇所における内槽17の壁は、弾性変形を生じ得る材質で構成される。これにより、閉塞部品と内槽17の壁とが接触する際に弾性変形が生じて、接触箇所が然るべく密封される。
【0176】
本実施例では、更に、閉塞部品と内槽17の壁をいずれも非弾性の材質とし、金属等のその他の材質を使用してもよい。この場合には、両者の押圧時の作用力をそのまま利用して、閉塞部品と排水口39の外周における内槽17の壁とを密封状に接触させる。及び/又は、閉塞部品と排水口の内壁が密封状に接触することで、排水口を然るべく閉止する。
【0177】
本実施例では、密封性能を向上させるために、閉塞部品に少なくとも1周の密封凸部を設けてもよい。この場合、密封凸部が排水口の外周の内壁面と密封状に接触することで、排水口を然るべく閉止する。
【0178】
及び/又は、前記排水口39の外周における内槽17の壁が少なくとも1周の密封凸部43を有し、密封凸部が閉塞部品と密封状に接触することで排水口を然るべく閉止する。
【0179】
及び/又は、前記排水口39の内壁が少なくとも1周の密封凸部を有し、密封凸部が閉塞部品と密封状に接触することで排水口を然るべく閉止する。
【0180】
好ましくは、本実施例において、閉塞部品と、排水口39の外周における内槽17の壁面のいずれか一方に、向かい合うように突設される密封凸部を設けるとともに、もう一方の部材の対応面を平面又は平滑な曲面とする。これにより、閉塞部品と内槽壁が密封状に接触する際に、密封凸部と対応面とが互いに位置規制及び押圧し合うことで、両者の線接触による押圧が実現されて、密封性能が向上する。
【0181】
本実施例において、閉塞部品は、排水口39と互いに密封し合う密封面を有している。密封面の槽径に沿う内槽17の壁上の投影は少なくとも排水口39を覆っている。密封面は、排水口39の外周における内槽17の壁と対向する同一形状に設けられているため、然るべく密着して密封状に接触する。本実施例において、排水口39の外周における内槽17の壁は、密封面と平行な平面部57である。平面部57は、密封面における内槽17の壁上の投影領域を少なくとも覆っている。及び/又は、閉塞部品の密封面は、内槽17の壁と対向する同一形状の円弧面である。
【0182】
本実施例において、閉塞部品は、装着構造によって移動可能に内槽17の壁に装着されている。閉塞部品は、バネ部材の弾性力に押されて排水口39を然るべく閉塞及び閉止する。閉塞部品36は遠心部材に接続されており、遠心部材38の遠心運動に伴って、閉塞部品が前記排水口を開放する。
【0183】
本実施例において、閉塞部品の密封面には、排水口39側に突出する突出部48が設けられている。また、排水口39部分には、閉塞部品から離れる側に突出する錐状面又は円錐台面状の折り返し47が設けられている。突出部48と折り返し47は対向して設けられ、突出部48を排水口39部分の折り返しに然るべく密封状に密着させる。本実施例において、突出部48の外壁と折り返し47の内壁は対向する同一形状に設けられている。これにより、突出部48と折り返し47が対向して密封状に密着し、排水口39を閉止する。
【0184】
以上は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に制限するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて実施可能なわずかな変形或いは補足は、同等に変形された等価の実施例とみなされ、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる任意の簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲に属する。
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