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  • 特許-重荷重用空気入りタイヤ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-17
(45)【発行日】2023-10-25
(54)【発明の名称】重荷重用空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 13/00 20060101AFI20231018BHJP
   B60C 1/00 20060101ALI20231018BHJP
   C08K 3/04 20060101ALI20231018BHJP
   C08L 9/00 20060101ALI20231018BHJP
   B60C 11/00 20060101ALI20231018BHJP
【FI】
B60C13/00 E
B60C1/00 B
C08K3/04
C08L9/00
B60C11/00 D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019152796
(22)【出願日】2019-08-23
(65)【公開番号】P2021030872
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】高橋 建人
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 英征
(72)【発明者】
【氏名】野口 侑利
【審査官】松岡 美和
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-137855(JP,A)
【文献】特開2013-060184(JP,A)
【文献】特開2008-255161(JP,A)
【文献】特開2013-067707(JP,A)
【文献】特開2017-071275(JP,A)
【文献】特開2007-204734(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 1/00
B60C 11/00
B60C 13/00
C08L 9/00
C08K 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイドウォールゴムが、ブタジエンゴムを含むジエン系ゴムおよび窒素吸着比表面積(NSA)が60~100m/gのカーボンブラックを含有し、
前記ジエン系ゴム100質量部中、前記ブタジエンゴムの配合割合が40質量部以上であり、
前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記カーボンブラックの配合割合が30質量部以上であり、
タイヤ接地面を構成するキャップトレッドゴムの硬度が55以上であり、かつ
前記キャップトレッドゴムの硬度(CAP硬度)と前記サイドウォールゴムの100%モジュラス(SIDE M100)の積が下記式を満たし、かつ
前記サイドウォールゴムの厚みが、3mm~20mmである
ことを特徴とする重荷重用空気入りタイヤ。
80≦(CAP硬度)×(SIDE M100)≦190
【請求項2】
前記カーボンブラックの配合量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、35~60質量部であることを特徴とする請求項1に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
【請求項3】
前記ジエン系ゴム100質量部中、前記ブタジエンゴムの割合が50~70質量部であることを特徴とする請求項1または2に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
【請求項4】
前記サイドウォールゴムが、カーカス層よりもタイヤ幅方向外側に配置されることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の重荷重用空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重荷重用空気入りタイヤに関するものであり、詳しくは、操縦安定性を維持しつつ、十分なウェットトラクション性を有する重荷重用空気入りタイヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気入りタイヤは左右一対のビード部およびサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるとともにキャップトレッドとアンダートレッドとからなるトレッド部から主に構成されている。タイヤの内側にはカーカス層が設けられ、カーカス層の両端部はビードコアをタイヤ内側から外側へ包みこむように折り返されている。
【0003】
一方、トラックまたはバス用タイヤのような重荷重用空気入りタイヤとしては、安全性かつ経済性が重視されている。そのため重荷重用空気入りタイヤは、雨天時等のウェット路面での坂道発進性(ウェットトラクション性)や操縦安定性が重視される。ウェットトラクション性を高めるには、キャップトレッドゴムの硬度を下げる手法があるが、ブロックが動き易くなり操縦安定性が悪化するという問題点がある。
このように重荷重用空気入りタイヤのウェットトラクション性と操縦安定性は二律背反の関係にある。
【0004】
なお、重荷重用空気入りタイヤのウェットトラクション性の向上を図る技術としては、例えば特許文献1~2に開示がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平6-48122号公報
【文献】特開平1-306304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって本発明の目的は、操縦安定性を維持しつつ、十分なウェットトラクション性を有する重荷重用空気入りタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は鋭意研究を重ねた結果、サイドウォールゴムの組成、キャップトレッドゴムの硬度、前記キャップトレッドゴムの硬度とサイドウォールゴムの100%モジュラスの関係、およびサイドウォールゴムの厚みの範囲を特定化することにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下の通りである。
【0008】
1.サイドウォールゴムが、ブタジエンゴムを含むジエン系ゴムおよび窒素吸着比表面積(NSA)が60~100m/gのカーボンブラックを含有し、
前記ジエン系ゴム100質量部中、前記ブタジエンゴムの配合割合が40質量部以上であり、
前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記カーボンブラックの配合割合が30質量部以上であり、
タイヤ接地面を構成するキャップトレッドゴムの硬度が55以上であり、かつ
前記キャップトレッドゴムの硬度(CAP硬度)と前記サイドウォールゴムの100%モジュラス(SIDE M100)の積が下記式を満たし、かつ
前記サイドウォールゴムの厚みが、3mm~20mmである
ことを特徴とする重荷重用空気入りタイヤ。
80≦(CAP硬度)×(SIDE M100)≦190
2.前記カーボンブラックの配合量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、35~60質量部であることを特徴とする前記1に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
3.前記ジエン系ゴム100質量部中、前記ブタジエンゴムの割合が50~70質量部であることを特徴とする前記1または2に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
4.前記ブタジンゴム中、シンジオタクチック-1,2-ポリブタジエンの割合が、10質量%以上であることを特徴とする前記1~3のいずれかに記載の重荷重用空気入りタイヤ。
5.前記サイドウォールゴムが、カーカス層よりもタイヤ幅方向外側に配置されることを特徴とする前記1~4のいずれかに記載の重荷重用空気入りタイヤ。
【発明の効果】
【0009】
本発明の重荷重用空気入りタイヤは、サイドウォールゴムが、ブタジエンゴムを含むジエン系ゴムおよび窒素吸着比表面積(NSA)が60~100m/gのカーボンブラックを含有し、前記ジエン系ゴム100質量部中、前記ブタジエンゴムの配合割合が40質量部以上であり、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記カーボンブラックの配合割合が30質量部以上であり、タイヤ接地面を構成するキャップトレッドゴムの硬度が55以上であり、かつ前記キャップトレッドゴムの硬度(CAP硬度)と前記サイドウォールゴムの100%モジュラス(SIDE M100)の積が80≦(CAP硬度)×(SIDE M100)≦190を満たし、かつ前記サイドウォールゴムの厚みが、3mm~20mmであることを特徴としているので、操縦安定性を維持しつつ、十分なウェットトラクション性を有する。
【0010】
上述のように、ウェットトラクション性を高めるには、キャップトレッドゴムの硬度を下げる手法があるが、ブロックが動き易くなり操縦安定性が悪化するという問題点があった。
本発明では、サイドウォールゴムの組成、キャップトレッドゴムの硬度、前記キャップトレッドゴムの硬度とサイドウォールゴムの100%モジュラスの関係、およびサイドウォールゴムの厚みの範囲を特定化したので、キャップトレッドゴムがウェットトラクション性を高める役割を担い、操縦安定性をサイドウォールゴムが補完し、結果として操縦安定性を維持しつつ、十分なウェットトラクション性を有する重荷重用空気入りタイヤを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】空気入りタイヤの子午線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(サイドウォールゴム)
本発明の重荷重用空気入りタイヤ(以下、単に空気入りタイヤと言うことがある)に用いられるサイドウォールゴムは、カーカス層よりもタイヤ幅方向外側に配置される。なおタイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸に対し平行な方向であり、タイヤ幅方向外側とはタイヤ回転軸から離れる方法を指す。
本発明では、サイドウォールゴムの組成が特定される。すなわち、前記サイドウォールゴムは、ブタジエンゴムを含むジエン系ゴムおよび窒素吸着比表面積(NSA)が60~100m/gのカーボンブラックを含有し、前記ジエン系ゴム100質量部中、前記ブタジエンゴムの配合割合が40質量部以上であり、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記カーボンブラックの配合割合が30質量部以上である。
【0013】
前記ブタジエンゴムの配合割合が40質量部未満の場合、前記カーボンブラックの配合量が30質量部未満の場合、および/または、前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)が60~100m/gの範囲外である場合、十分なウェットトラクション性および操縦安定性を両立できない。
【0014】
ここで、本発明の効果向上の観点から、下記の形態が好ましい。
(1)前記ジエン系ゴム100質量部中、前記ブタジエンゴム(BR)の配合割合は50~70質量部が好ましい。
(2)前記ジエン系ゴムは、天然ゴム(NR)を含むのが好ましく、前記ジエン系ゴム100質量部中、NRの配合割合は30~60質量部が好ましい。
(3)前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記カーボンブラックの配合割合は35~60質量部が好ましい。
(4)前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は65~95m/gが好ましく、70~90m/gがさらに好ましい。なおカーボンブラックは2種類以上をブレンドして用いてもよい。
なお本発明でいうNRは、合成ポリイソプレンゴム(IR)を含むものとする。また、窒素吸着比表面積(NSA)は、JIS K 6217-2:2001「第2部:比表面積の求め方-窒素吸着法-単点法」にしたがって測定した値である。
【0015】
本発明で使用されるサイドウォールゴムを構成するゴムは、天然ゴム(NR)およびブタジエンゴム(BR)以外にも、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体ゴム(NBR)等を併用することもできる。本発明で使用されるゴムは、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
【0016】
なお本発明では、前記BR中、シンジオタクチック-1,2-ポリブタジエン(VCR)の割合が、10質量%以上、好ましくは30~60質量%であることができる。なおVCRは公知であり、その製造方法は例えば特開2000-44633号公報に開示されている。また商業的に入手可能であり、例えば宇部興産(株)から商品名UBEPOL VCR412として市販されている。
【0017】
また、前記サイドウォールゴムには、前記した成分に加えて、各種充填剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤、酸化亜鉛などのサイドウォールゴムに一般的に配合されている各種添加剤を配合することができる。また加硫の際は、公知の加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤を制限なく使用できる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
【0018】
本発明において、キャップトレッドゴムの組成は、下記で説明する(CAP硬度)×(SIDE M100)の関係を満たすことができれば、とくに制限されず、適宜選択することができる。
例えば、ジエン系ゴム、シリカやカーボンブラック等の各種充填剤、カップリング剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤、酸化亜鉛などのキャップトレッドゴムに一般的に配合されている各種成分を配合することができる。また加硫の際は、公知の加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤を制限なく使用できる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
【0019】
ただし、キャップトレッドゴムは、硬度が55以上であることが必要である。硬度が55未満であると、柔らかすぎて発熱性が悪化し、実用上十分な操縦安定性を得ることができない。
キャップトレッドゴムの硬度は、55~80が好ましい。
なお本発明で言う硬度は、JIS K6253に準拠して20℃にて測定される。
【0020】
また、本発明の空気入りタイヤにおけるその他の部材を構成する部材についても、各成分の配合割合はとくに制限されず、適宜選択することができる。
例えばその他の部材のゴム組成物として、ジエン系ゴム、各種充填剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤、酸化亜鉛等の一般的に配合されている各種成分を配合することができる。また加硫の際は、公知の加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤を制限なく使用できる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
【0021】
本発明の空気入りタイヤは前記キャップトレッドゴムの硬度(CAP硬度)と前記サイドウォールゴムの100%モジュラス(SIDE M100)の積が下記式を満たすことが必要である。
【0022】
80≦(CAP硬度)×(SIDE M100)≦190
【0023】
(CAP硬度)×(SIDE M100)がこの範囲外である場合は、前記本発明の効果を奏することができない。
前記(SIDE M100)は、JIS K6251に準拠し、23℃、500mm/分にて引張り試験を行い100%伸長時の応力を測定した値(MPa)とする。
【0024】
本発明において、(SIDE M100)は、1.4~2.8が好ましく、1.5~2.5がさらに好ましい。
また本発明の効果がさらに向上するという観点から、(CAP硬度)×(SIDE M100)は、80~170が好ましい。
【0025】
なお前記(CAP硬度)および前記(SIDE M100)の調整は、例えばジエン系ゴムの処方の変更、加硫剤、架橋剤の増減、カーボンブラックの配合量や種類の変更により可能である。
【0026】
図1は、空気入りタイヤの子午線断面図である。
図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、サイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とを備えている。
【0027】
一対のビード部3,3間にはタイヤ径方向に延びる複数本のカーカスコードを含むカーカス層4が装架されている。カーカス層4はビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側へ巻き上げられている。またビードコア5のタイヤ径方向内側およびタイヤ幅方向外側には、リムに対する接触面を構成するゴム層であるリムクッションゴム8が配置されている。
【0028】
一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には、複数層のベルト層7がタイヤ全周にわたって埋設されている。これらベルト層7は、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。
【0029】
本発明では、サイドウォール部2を構成するサイドウォールゴムの厚みが、3mm~20mmであることが必要である。なお、サイドウォールゴムの厚みとは、カーカス層4に対し、垂直方向でタイヤ幅方向外側に向かうサイドウォールゴムの最大厚みである。
【0030】
本発明の効果向上の観点から、サイドウォールゴムの厚みは、5mm~17mmであることがさらに好ましい。
【0031】
また本発明の重荷重用空気入りタイヤは、従来の重荷重用空気入りタイヤの製造方法に従って製造が可能である。
【実施例
【0032】
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
【0033】
標準例、実施例1~5および比較例1~5
表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を16リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練し、ゴムをミキサー外に放出して室温冷却した。次いで、該ゴムを同ミキサーに再度入れ、加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、各種サイドウォールゴムを得た。
【0034】
一方、キャップトレッドゴムを常法にしたがい調製し、加硫剤、架橋剤、充填剤量を増減することにより、表1に示す各種(CAP硬度)を有するキャップトレッドゴムを得た。
【0035】
(CAP硬度)および(SIDE M100)は、上述のように測定した。結果を表1に示す。
【0036】
(ウェットトラクション性の評価)
前記サイドウォールゴムと、前記キャップトレッドゴムとを組み込み、タイヤサイズ275/80R22.5 151/148Jの各種試験タイヤを製造した。またサイドウォールゴムおよびキャップトレッドゴム以外の各部材の条件は、各種試験タイヤ間で同一とした。
【0037】
得られた各種試験タイヤについて、下記の評価を行った。結果を表1に示す。
【0038】
ウェットトラクション性:試験タイヤを12770ccの排気量の試験車両(トラクタヘッド)に装着し、空気圧をフロント900kPa、リヤ900kPaに調整し、水深1mmの舗装路面上を走行させ、時速6~21km/hの加速時における後輪のスリップ率を計測した。結果は、標準例の値を100として指数表示した。指数が大きいほど、ウェットトラクション性に優れることを意味する。
【0039】
操縦安定性:前記試験車両を用い、舗装路からなるテストコースにおいてテストドライバーによる官能評価を実施した。評価は5段階評価とし、「3」点を基準とし、相対評価した。
5:「3」点に対し、操縦安定性に顕著な向上が見られる。
4:「3」点に対し、操縦安定性に向上が見られる。
3:基準
2:「3」点に対し、操縦安定性に劣っていた。
1:「3」点に対し、操縦安定性に顕著に劣っていた。
【0040】
【表1】
【0041】
*1:NR(RSS#3)
*2:BR(日本ゼオン(株)製Nipol BR1220)
*3:VCR(宇部興産(株)製UBEPOL VCR412。なお表1では、シンジオタクチック-1,2-ポリブタジエン量を示した)
*4:カーボンブラック(東海カーボン社製商品名シースト3、NSA=80m/g)
*5:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*6:ステアリン酸(千葉脂肪酸(株)製工業用ステアリン酸N)
*7:老化防止剤(精工化学(株)製オゾノン6C)
*8:アロマオイル(出光興産(株)製ダイアナプロセスNH-60
*9:加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製ノクセラーNS-P)
*10:硫黄(鶴見化学工業(株)製金華印油入微粉硫黄)
【0042】
上記の表1から明らかなように、各実施例で調製された重荷重用空気入りタイヤは、サイドウォールゴムの組成、キャップトレッドゴムの硬度、前記キャップトレッドゴムの硬度とサイドウォールゴムの100%モジュラスの関係、およびサイドウォールゴムの厚みの範囲を特定化したので、標準例に比べ、操縦安定性を維持しつつ、十分なウェットトラクション性を有する。
比較例1は、キャップトレッドゴムの硬度が本発明で規定する下限未満であるので、ウェットトラクション性および操縦安定性が悪化した。
比較例2は、(CAP硬度)×(SIDE M100)が本発明で規定する上限を超えているので、ウェットトラクション性が悪化した。
比較例3は、サイドウォールゴムの厚みが本発明で規定する上限を超えているので、ウェットトラクション性が悪化した。
比較例4は、サイドウォールゴムの厚みが、本発明で規定する下限未満であるので、操縦安定性が悪化した。
比較例5は、カーボンブラックの配合量が本発明で規定する下限未満であるので、操縦安定性が悪化した。
【符号の説明】
【0043】
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 リムクッションゴム
図1