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特許7368713サービス提供システム、サーバ、サービス提供方法、及びサービス提供プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-17
(45)【発行日】2023-10-25
(54)【発明の名称】サービス提供システム、サーバ、サービス提供方法、及びサービス提供プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20231018BHJP
   G06F 11/30 20060101ALI20231018BHJP
【FI】
G06Q10/20
G06F11/30 140M
G06F11/30 165
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2019194586
(22)【出願日】2019-10-25
(65)【公開番号】P2021068300
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2022-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】390040187
【氏名又は名称】株式会社バッファロー
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】大野 崇仁
(72)【発明者】
【氏名】石井 俊
(72)【発明者】
【氏名】川瀬 博之
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/171119(WO,A1)
【文献】特開2014-068086(JP,A)
【文献】国際公開第2015/029300(WO,A1)
【文献】特開2011-072419(JP,A)
【文献】特開2007-316763(JP,A)
【文献】特開2009-230700(JP,A)
【文献】特開2003-242274(JP,A)
【文献】国際公開第2015/037603(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末に接続されたユーザ装置の状態を示す第1状態情報を前記ユーザ端末から受信し、受信した前記第1状態情報に基づく分析の結果を示す分析情報を前記ユーザ端末へ送信し、受信した前記第1状態情報に基づく第2状態情報を算出する第1サーバと
記ユーザ端末からの要求があると、前記第2状態情報を前記第1サーバから受信し、受信した前記第2状態情報に基づく提案内容を示す提案情報を前記ユーザ端末へ送信する第2サーバと、
を含むサービス提供システム。
【請求項2】
請求項1記載のサービス提供システムであって、
前記ユーザ端末のユーザの個人情報を、前記第1サーバ及び前記第2サーバのうち前記第2サーバのみが保存し、
前記第2サーバは、受信した前記第2状態情報と、保存している前記個人情報と、に基づく前記提案情報を送信するサービス提供システム。
【請求項3】
請求項1又は2記載のサービス提供システムであって、
前記第1サーバは、受信した前記第1状態情報に基づいて前記ユーザ装置の故障の判定を行い、前記判定の結果を前記分析情報として送信し、
前記第2サーバは、受信した前記第2状態情報に基づいて、前記ユーザ装置の故障に対する処置を示す前記提案情報を導出し、導出した前記提案情報を送信するサービス提供システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項記載のサービス提供システムであって、
前記第2サーバは、前記提案情報に応じて前記ユーザ端末のユーザが処置を行ったことを示す情報を受信すると、前記第1サーバに対して前記第2状態情報を更新させる制御を行うサービス提供システム。
【請求項5】
ユーザ端末に接続されたユーザ装置の状態を示す第1状態情報を前記ユーザ端末から受信する受信部と、
前記受信部によって受信された前記第1状態情報に基づく分析を行う分析部と、
前記分析部による前記分析の結果を示す分析情報を前記ユーザ端末へ送信する第1送信部と、
前記受信部によって受信された前記第1状態情報に基づく第2状態情報を算出する算出部と
記ユーザ端末からの要求があると前記第2状態情報に基づく提案内容を示す提案情報を前記ユーザ端末へ送信する他のサーバへ、前記算出部によって算出された前記第2状態情報を送信する第2送信部と、
を備えるサーバ。
【請求項6】
請求項5記載のサーバであって、
前記分析部は、前記受信部によって受信された前記第1状態情報に基づいて前記ユーザ装置の故障の判定を行い、
前記第2送信部は、前記他のサーバへ前記第2状態情報を送信することにより、前記他のサーバに対して、前記第2状態情報に基づいて導出した前記ユーザ装置の故障に対する処置を示す前記提案情報を送信させるサーバ。
【請求項7】
請求項5又は6記載のサーバであって、
前記受信部は、予め定められたタイミングで前記ユーザ端末から繰り返し送信される前記第1状態情報を受信し、
前記分析部は、前記受信部によって前記第1状態情報が受信される毎に前記分析を行い、
前記第1送信部は、前記分析部による前記分析の結果が予め定められた結果であると前記分析情報を送信するサーバ。
【請求項8】
請求項5から7のいずれか1項記載のサーバであって、
前記第1状態情報及び前記第2状態情報は前記ユーザ装置の識別情報を含み、
前記第1送信部は、前記識別情報を含む前記分析情報を前記ユーザ端末へ送信することにより、前記ユーザ端末に対して、前記要求において前記識別情報を前記他のサーバへ送信させ、
前記第2送信部は、前記他のサーバが、前記ユーザ端末から受信した前記識別情報を自サーバへ送信することにより自サーバに前記第2状態情報を要求すると、前記他のサーバから送信された前記識別情報に基づいて前記第2状態情報を前記他のサーバへ送信するサーバ。
【請求項9】
請求項5から8のいずれか1項記載のサーバであって、
前記ユーザ装置はストレージであるサーバ。
【請求項10】
ユーザ端末に接続されたユーザ装置の状態を示す第1状態情報を前記ユーザ端末から受信し、受信した前記第1状態情報に基づく分析の結果を示す分析情報を前記ユーザ端末へ送信し、受信した前記第1状態情報に基づく第2状態情報を算出する他のサーバと連携可能なサーバであって
記ユーザ端末からの要求があると、前記第2状態情報を前記他のサーバから受信する受信部と、
前記受信部によって受信された前記第2状態情報に基づく提案内容を示す提案情報を導出する導出部と、
前記導出部によって導出された前記提案情報を前記ユーザ端末へ送信する送信部と、
を備えるサーバ。
【請求項11】
請求項10記載のサーバであって、
前記他のサーバ及び自サーバのうち自サーバのみが保存する前記ユーザ端末のユーザの個人情報を保存する保存部を備え、
前記送信部は、前記受信部によって受信された前記第2状態情報と、前記保存部によって保存された前記個人情報と、に基づく前記提案情報を送信するサーバ。
【請求項12】
請求項10又は11記載のサーバであって、
受信した前記第1状態情報に基づいて前記ユーザ装置の故障の判定を行い、前記判定の結果を前記分析情報として送信する前記他のサーバと連携可能であり、
前記導出部は、前記受信部によって受信された前記第2状態情報に基づいて、前記ユーザ装置の故障に対する処置を示す前記提案情報を導出するサーバ。
【請求項13】
請求項10から12のいずれか1項記載のサーバであって、
前記提案情報に応じて前記ユーザ端末のユーザが処置を行ったことを示す情報を自サーバが受信すると、前記他のサーバに対して、前記第2状態情報を更新させる制御を行う制御部を備えるサーバ。
【請求項14】
請求項10から13のいずれか1項記載のサーバであって、
前記第1状態情報及び前記第2状態情報は前記ユーザ装置の識別情報を含み、
前記識別情報を含む前記分析情報を前記ユーザ端末へ送信する前記他のサーバと連携可能であり、
前記受信部は、前記要求において前記ユーザ端末から送信された前記識別情報を前記他のサーバへ送信して前記他のサーバに前記第2状態情報を要求することにより、前記第2状態情報を前記他のサーバから受信するサーバ。
【請求項15】
請求項10から14のいずれか1項記載のサーバであって、
前記ユーザ装置はストレージであるサーバ。
【請求項16】
サーバのコンピュータによるサービス提供方法であって、
ユーザ端末に接続されたユーザ装置の状態を示す第1状態情報を前記ユーザ端末から受信する受信ステップと、
前記受信ステップによって受信された前記第1状態情報に基づく分析を行う分析ステップと、
前記分析ステップによる前記分析の結果を示す分析情報を前記ユーザ端末へ送信する第1送信ステップと、
前記受信ステップによって受信された前記第1状態情報に基づく第2状態情報を算出する算出ステップと
記ユーザ端末からの要求があると前記第2状態情報に基づく提案内容を示す提案情報を前記ユーザ端末へ送信する他のサーバへ、前記算出ステップによって算出された前記第2状態情報を送信する第2送信ステップと、
を含むサービス提供方法。
【請求項17】
ユーザ端末に接続されたユーザ装置の状態を示す第1状態情報を前記ユーザ端末から受信し、受信した前記第1状態情報に基づく分析の結果を示す分析情報を前記ユーザ端末へ送信し、受信した前記第1状態情報に基づく第2状態情報を算出する他のサーバと連携可能なサーバのコンピュータによるサービス提供方法であって
記ユーザ端末からの要求があると、前記第2状態情報を前記他のサーバから受信する受信ステップと、
前記受信ステップによって受信された前記第2状態情報に基づく提案内容を示す提案情報を導出する導出ステップと、
前記導出ステップによって導出された前記提案情報を前記ユーザ端末へ送信する送信ステップと、
を含むサービス提供方法。
【請求項18】
ユーザ端末に接続されたユーザ装置の状態を示す第1状態情報を前記ユーザ端末から受信する受信ステップと、
前記受信ステップによって受信された前記第1状態情報に基づく分析を行う分析ステップと、
前記分析ステップによる前記分析の結果を示す分析情報を前記ユーザ端末へ送信する第1送信ステップと、
前記受信ステップによって受信された前記第1状態情報に基づく第2状態情報を算出する算出ステップと
記ユーザ端末からの要求があると前記第2状態情報に基づく提案内容を示す提案情報を前記ユーザ端末へ送信する他のサーバへ、前記算出ステップによって算出された前記第2状態情報を送信する第2送信ステップと、
をコンピュータに実行させるためのサービス提供プログラム。
【請求項19】
ユーザ端末に接続されたユーザ装置の状態を示す第1状態情報を前記ユーザ端末から受信し、受信した前記第1状態情報に基づく分析の結果を示す分析情報を前記ユーザ端末へ送信し、受信した前記第1状態情報に基づく第2状態情報を算出する他のサーバと連携可能なサーバによるサービス提供方法であって
記ユーザ端末からの要求があると、前記第2状態情報を前記他のサーバから受信する受信ステップと、
前記受信ステップによって受信された前記第2状態情報に基づく提案内容を示す提案情報を導出する導出ステップと、
前記導出ステップによって導出された前記提案情報を前記ユーザ端末へ送信する送信ステップと、
をコンピュータに実行させるためのサービス提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サービス提供システム、サーバ、サービス提供方法、及びサービス提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザのパーソナルコンピュータに接続された外付けハードディスク等に搭載されたS.M.A.R.T.(Self-Monitoring,Analysis and Reporting Technology)により得られた情報がネットワーク上のサーバに蓄積される。この情報により、故障等の判定が行われ、その結果がユーザ端末に通知されるサービスが知られている。
【0003】
また、特許文献1には、利用者コンピュータがS.M.A.R.T.情報を監視サーバへ送信し、監視サーバが故障に対する必要な処置指示を運用管理者端末へ送信し、運用管理者端末が処置結果を格納することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-253035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、ユーザから受信したストレージのS.M.A.R.T.情報に基づいて故障判定等の分析を行い、分析のこの結果をユーザに通知する分析サービスと、その通知に応じてユーザからの要求があった場合に、修理等の処置をユーザに提案する提案サービスと、を提供するシステムが考えられる。
【0006】
このようなシステムにおいて、分析サービス及び提案サービスのそれぞれは、より適切な分析や提案を行うために、ソフトウェアのバージョンアップやハードウェアの増強等の更新を容易に行えることが望ましい。
【0007】
しかしながら、例えばシステム管理者が分析サービスを更新するためには、分析サービス及び提案サービスを提供するサーバを停止させる必要があり、その間は提案サービスも提供できなくなる。同様に、例えばシステム管理者が提案サービスを更新するためには、分析サービス及び提案サービスを提供するサーバを停止させる必要があり、その間は分析サービスも提供できなくなる。
【0008】
このように、分析サービス及び提案サービスの個別の更新を、他方のサービスに影響を与えずに行うことができないため、このシステムは分析サービス及び提案サービスのそれぞれの更新を容易に行うことができない。
【0009】
本発明は、分析サービス及び提案サービスのそれぞれの更新が困難であるという事情に鑑みてなされたものであり、分析サービス及び提案サービスのそれぞれの更新を容易に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のサービス提供システムは、ユーザ端末に接続されたユーザ装置の状態を示す第1状態情報を前記ユーザ端末から受信し、受信した前記第1状態情報に基づく分析の結果を示す分析情報を前記ユーザ端末へ送信し、受信した前記第1状態情報に基づく第2状態情報を算出する第1サーバと、前記分析情報に応じた前記ユーザ端末からの要求があると、前記第2状態情報を前記第1サーバから受信し、受信した前記第2状態情報に基づく提案内容を示す提案情報を前記ユーザ端末へ送信する第2サーバと、を含むものである。
【0011】
本発明のサーバは、ユーザ端末に接続されたユーザ装置の状態を示す第1状態情報を前記ユーザ端末から受信する受信部と、前記受信部によって受信された前記第1状態情報に基づく分析を行う分析部と、前記分析部による前記分析の結果を示す分析情報を前記ユーザ端末へ送信する第1送信部と、前記受信部によって受信された前記第1状態情報に基づく第2状態情報を算出する算出部と、前記分析情報に応じた前記ユーザ端末からの要求があると前記第2状態情報に基づく提案内容を示す提案情報を前記ユーザ端末へ送信する他のサーバへ、前記算出部によって算出された前記第2状態情報を送信する第2送信部と、を備えるものである。
【0012】
本発明の別のサーバは、ユーザ端末に接続されたユーザ装置の状態を示す第1状態情報を前記ユーザ端末から受信し、受信した前記第1状態情報に基づく分析の結果を示す分析情報を前記ユーザ端末へ送信し、受信した前記第1状態情報に基づく第2状態情報を算出する他のサーバと連携可能なサーバであって、前記分析情報に応じた前記ユーザ端末からの要求があると、前記第2状態情報を前記他のサーバから受信する受信部と、前記受信部によって受信された前記第2状態情報に基づく提案内容を示す提案情報を導出する導出部と、前記導出部によって導出された前記提案情報を前記ユーザ端末へ送信する送信部と、を備えるものである。
【0013】
本発明のサービス提供方法は、ユーザ端末に接続されたユーザ装置の状態を示す第1状態情報を前記ユーザ端末から受信する受信ステップと、前記受信ステップによって受信された前記第1状態情報に基づく分析を行う分析ステップと、前記分析ステップによる前記分析の結果を示す分析情報を前記ユーザ端末へ送信する第1送信ステップと、前記受信ステップによって受信された前記第1状態情報に基づく第2状態情報を算出する算出ステップと、前記分析情報に応じた前記ユーザ端末からの要求があると前記第2状態情報に基づく提案内容を示す提案情報を前記ユーザ端末へ送信する他のサーバへ、前記算出ステップによって算出された前記第2状態情報を送信する第2送信ステップと、を含むものである。
【0014】
本発明の別のサービス提供方法は、ユーザ端末に接続されたユーザ装置の状態を示す第1状態情報を前記ユーザ端末から受信し、受信した前記第1状態情報に基づく分析の結果を示す分析情報を前記ユーザ端末へ送信し、受信した前記第1状態情報に基づく第2状態情報を算出する他のサーバと連携可能なサーバによるサービス提供方法であって、前記分析情報に応じた前記ユーザ端末からの要求があると、前記第2状態情報を前記他のサーバから受信する受信ステップと、前記受信ステップによって受信された前記第2状態情報に基づく提案内容を示す提案情報を導出する導出ステップと、前記導出ステップによって導出された前記提案情報を前記ユーザ端末へ送信する送信ステップと、を含むものである。
【0015】
本発明のサービス提供プログラムは、ユーザ端末に接続されたユーザ装置の状態を示す第1状態情報を前記ユーザ端末から受信する受信ステップと、前記受信ステップによって受信された前記第1状態情報に基づく分析を行う分析ステップと、前記分析ステップによる前記分析の結果を示す分析情報を前記ユーザ端末へ送信する第1送信ステップと、前記受信ステップによって受信された前記第1状態情報に基づく第2状態情報を算出する算出ステップと、前記分析情報に応じた前記ユーザ端末からの要求があると前記第2状態情報に基づく提案内容を示す提案情報を前記ユーザ端末へ送信する他のサーバへ、前記算出ステップによって算出された前記第2状態情報を送信する第2送信ステップと、をコンピュータに実行させるためのものである。
【0016】
本発明の別のサービス提供プログラムは、ユーザ端末に接続されたユーザ装置の状態を示す第1状態情報を前記ユーザ端末から受信し、受信した前記第1状態情報に基づく分析の結果を示す分析情報を前記ユーザ端末へ送信し、受信した前記第1状態情報に基づく第2状態情報を算出する他のサーバと連携可能なサーバによるサービス提供方法であって、前記分析情報に応じた前記ユーザ端末からの要求があると、前記第2状態情報を前記他のサーバから受信する受信ステップと、前記受信ステップによって受信された前記第2状態情報に基づく提案内容を示す提案情報を導出する導出ステップと、前記導出ステップによって導出された前記提案情報を前記ユーザ端末へ送信する送信ステップと、をコンピュータに実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、分析サービス及び提案サービスのそれぞれの更新を容易に行うことのできるサービス提供システム、サーバ、サービス提供方法、及びサービス提供プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態であるサービス提供システム10の概略構成を示す図である。
図2】サービス提供システム10の動作の一例を示すシーケンス図である。
図3】ユーザ端末13及び修理担当者端末15の構成例を示す図である。
図4】故障判定サーバ11及び修理提案サーバ12の構成例を示す図である。
図5】故障判定サーバ11の機能的構成の一例を示す図である。
図6】修理提案サーバ12の機能的構成の一例を示す図である。
図7】故障判定サーバ11が実行する品質情報の受信時の処理の一例を示すフローチャートである。
図8】故障判定サーバ11が実行する情報共有の要求の受信時の処理の一例を示すフローチャートである。
図9】故障判定サーバ11が実行する顧客情報の更新指示の受信時の処理の一例を示すフローチャートである。
図10】修理提案サーバ12が実行する修理提案の要求の受信時の処理の一例を示すフローチャートである。
図11】修理提案サーバ12が実行する顧客情報更新指示の受信時の処理の一例を示すフローチャートである。
図12】ユーザ端末13が警告情報の受信時に表示する画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0020】
(本発明の一実施形態であるサービス提供システム10の概略構成)
図1は、本発明の一実施形態であるサービス提供システム10の概略構成を示す図である。サービス提供システム10は、故障判定サーバ11と、修理提案サーバ12と、を含む。故障判定サーバ11は、分析サービスを行う第1サーバを構成する。修理提案サーバ12は、提案サービスを行う第2サーバを構成する。故障判定サーバ11及び修理提案サーバ12は、ネットワーク19を介して互いに接続されており、互いに連携する。
【0021】
故障判定サーバ11は、分析サービスの一つとして、例えばストレージ14の故障判定を行い、その結果をユーザ端末13へ通知する故障判定サービスを行う。修理提案サーバ12は、提案サービスの一つとして、故障判定サーバ11からの通知に応じてユーザからの要求を受信した場合に、修理等をユーザに提案する修理提案サービスを行う。
【0022】
ネットワーク19は、例えばインターネット等のWAN(Wide Area Network:広域通信網)である。ネットワーク19には、故障判定サーバ11及び修理提案サーバ12と、ユーザ端末13及び修理担当者端末15が接続されている。
【0023】
ユーザ端末13は、ネットワーク19を介して通信するためのネットワーク通信機能と、表示部と、キーボード、マウス、又はタッチパネル等の操作インタフェース(I/F)と、を有する電子機器である。ユーザ端末13には、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末、又はスマートフォン等が用いられる。
【0024】
ストレージ14は、ユーザ端末13に接続され、ユーザ端末13と通信可能である。また、ストレージ14は、ユーザ端末13のユーザが使用するユーザ装置である。例えば、ストレージ14は、USB(Universal Serial Bus)等の有線通信によりユーザ端末13に接続されてもよいし、無線LANやWi-Fiダイレクト等により直接、ユーザ端末13と無線通信により接続されてもよい。なおWi-Fiは登録商標である。
【0025】
また、ストレージ14は、有線LAN(Local Area Network:構内通信網)や無線LANを介してユーザ端末13に接続されていてもよいし、ネットワーク19等のWANを介してユーザ端末13に接続されていてもよい。
【0026】
例えば、ストレージ14は、USB等によりユーザ端末13に接続され、ユーザ端末13の外部記憶領域として利用される、外付けHDD(Hard Disk Drive:ハードディスクドライブ)や外付けSSD(Solid State Drive:ソリッドステートドライブ)等のストレージである。
【0027】
修理担当者端末15は、修理提案サーバ12によって提案される修理の担当者が所持する端末である。修理担当者端末15には、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末、又はスマートフォン等が用いられる。修理担当者端末15は、ネットワーク19を介してユーザ端末13及び修理提案サーバ12と通信可能である。
【0028】
(サービス提供システム10の動作)
図2は、サービス提供システム10の動作の一例を示すシーケンス図である。まず、ユーザ端末13は、修理提案サーバ12に対して、ストレージ14についての情報を登録するために、ユーザ登録を行う(ステップS21)。
【0029】
例えば、ユーザ端末13のユーザは、ストレージ14の使用開始時に、ユーザ端末13に対してユーザ情報及びストレージ情報を入力する。ユーザ情報は、例えば、ユーザの名前、住所、電話番号、メールアドレス等の個人情報である。ストレージ情報は、例えば、ストレージ14のシリアル番号や製品型番等のストレージ14の個体の識別情報である。
【0030】
ユーザ端末13は、ステップS21において、ユーザから入力されたユーザ情報及びストレージ情報を修理提案サーバ12へ送信することにより、ストレージ14についての情報(ストレージ情報)や利用者についての情報(ユーザ情報)を登録する。修理提案サーバ12は、ユーザ端末13から受信したユーザ情報及びストレージ情報を対応付けて保存する。
【0031】
ステップS21において、個人情報を保護する目的や、の情報分離や個人情報を一元管理する等の目的のために、ユーザ情報は、修理提案サーバ12に保存されるが、故障判定サーバ11には保存されない。すなわち、ユーザ端末13のユーザの個人情報であるユーザ情報を、故障判定サーバ11及び修理提案サーバ12のうち修理提案サーバ12のみが保存する。そして、修理提案サーバ12は、このユーザ情報を用いた修理提案サービスを提供する。
【0032】
ストレージ14は、ユーザ端末13と通信可能な状態になると、ストレージ14の状態を示す品質情報をユーザ端末13へ送信する(ステップS22)。ステップS22による品質情報の送信は、例えば周期的に行われてもよいし、ストレージ14の状態を示す品質情報が特定の条件を満たしたときに行われてもよい。品質情報は、ストレージ14の状態を示す第1状態情報を構成する。
【0033】
ステップS22において、ストレージ14が送信する品質情報は、例えばストレージ14に搭載されたS.M.A.R.T.の機能によって生成されたS.M.A.R.T.情報である。S.M.A.R.T.情報には、例えばデータ読み込みのエラーの発生回数や読み書きの速度などの計測結果など、ストレージ14の故障判定に利用可能な各種の情報が含まれる。
【0034】
また、この品質情報は、ある時点でストレージ14において得られた情報に限らず、複数の時点でストレージ14において時系列に得られた情報でも良い。また、この品質情報は、複数の時点でストレージ14において得られた品質情報が集約された情報であってもよい。集約の一例は、平均化である。
【0035】
次に、ユーザ端末13が、ステップS22において、ユーザ端末13が受信した品質情報を故障判定サーバ11へ送信する(ステップS23)。ステップS23において、ユーザ端末13が送信する品質情報には、ストレージ14のストレージ情報(例えばシリアル番号や製品型番)が含まれる。このストレージ情報は、ストレージ14がユーザ端末13へ送信する品質情報に既に含まれているものであってもよいし、ストレージ14から受信した品質情報に対してユーザ端末13が追加で格納したものでもよい。
【0036】
また、この品質情報は、ある時点でユーザ端末13が受信した情報に限らず、複数の時点でユーザ端末13が時系列に受信した情報でも良い。また、この品質情報は、複数の時点でユーザ端末13が受信した品質情報が集約された情報であってもよい。集約の一例は、平均化である。
【0037】
次に、故障判定サーバ11が、ステップS23において、故障判定サーバ11が受信した品質情報に基づいてストレージ14の故障判定を行う。ストレージ14の故障判定は、ストレージ14における故障の有無を判定する処理である。故障は、ストレージ14において既に発生している故障であってもよいし、ストレージ14において近い将来に発生する可能性が高い故障であってもよい。
【0038】
例えば、故障判定サーバ11は、ストレージ14を含む各ストレージの製品型番毎に、品質情報からストレージの故障を判定するための故障判定情報を記憶している。そして、故障判定サーバ11は、ストレージ14のストレージ情報に含まれる製品型番に対応する故障判定情報と、ステップS23によって受信した品質情報と、に基づいてストレージ14の故障判定を行う。この故障判定情報は、例えば、品質情報が入力されると故障の判定結果を出力する学習済みモデルでもよい。
【0039】
図2に示す例では、この故障判定においてストレージ14に警告対象の故障が発生したと判定された場合に、故障判定サーバ11は、ストレージ14の故障を警告する警告情報をユーザ端末13へ送信する(ステップS24)。警告対象の故障は、予め定められた、ストレージ14の故障のうち、ユーザへ通知するべき故障である。このように、故障判定サーバ11が、故障判定の結果、警告対象の故障が発生したと判定したときのみ警告情報を送信することにより、無駄な警告情報の送信が回避され、通信の効率化も図られる。
【0040】
また、ステップS24において、故障判定サーバ11は、例えば、受信した品質情報の送信元のIP(Internet Protocol)アドレス等を宛先として警告情報を送信することで、ユーザ端末13のメールアドレス等のユーザ情報がなくても、警告情報を送信することができる
【0041】
ステップS24において、故障判定サーバ11が送信する警告情報は、例えば、ユーザ端末13のユーザに対して、「ストレージの故障を検知しました 必要であれば修理提案を受けてください」等のメッセージを通知するための情報である。また、警告情報には、ステップS23において、故障判定サーバ11が受信する品質情報に含まれるストレージ14のストレージ情報が含まれる。警告情報は、第1状態情報に基づく分析の結果を示す、ユーザ端末13へ送信される分析情報を構成する。
【0042】
また、故障判定サーバ11は、故障判定の結果を示す故障情報を、ストレージ14のストレージ情報と対応付けて保存する。この故障情報は、故障判定サーバ11によって第1状態情報に基づいて算出され、故障判定サーバ11から修理提案サーバ12へ送信される第2状態情報を構成する。
【0043】
次に、ユーザ端末13が、修理提案サーバ12に対して修理提案を要求する(ステップS25)。例えば、ユーザ端末13は、ステップS24において受信した警告情報の内容をユーザへ通知し、ユーザから修理提案の要求を指示する操作を受け付けた場合に修理提案の要求を行う。この警告情報の通知及び修理提案の要求の指示については後述する(例えば図12参照)。
【0044】
また、ステップS25の修理提案の要求において、ユーザ端末13は、ステップS24において故障判断サーバ11から受信した警告情報に含まれるストレージ14のストレージ情報を修理提案の要求に含めて自動的に修理提案サーバ12へ送信する。したがって、ユーザは、ステップS25の修理提案の要求において、ストレージ14のストレージ情報を入力しなくてもよい。このため、修理提案サービス(提案サービス)が、故障判定サービス(分析サービス)を提供する故障判定サーバ11とは別の修理提案サーバ12によって提供されても、ユーザにおける入力作業の低減を図ることができる。
【0045】
次に、修理提案サーバ12が、故障判定サーバ11に対して、ストレージ14に関する情報共有を要求する(ステップS26)。ステップS26において、修理提案サーバ12は、ステップS25において、ユーザ端末13から受信したストレージ14のストレージ情報を故障判定サーバ11へ送信する。
【0046】
次に、故障判定サーバ11が、自身が保存している故障情報のうち、ステップS26において修理提案サーバ12から受信したストレージ情報に対応する故障情報を修理提案サーバ12へ送信する(ステップS27)。
【0047】
また、故障判定サーバ11は、自身が保存している故障情報のうち、ステップS26において、修理提案サーバ12から受信したストレージ情報に対応する故障情報が複数ある場合、この複数の故障情報を修理提案サーバ12へ送信してもよいし、この複数の故障情報を集約して修理提案サーバ12へ送信してもよい。集約の一例は、平均化である。
【0048】
このように、ステップS26,S27において、修理提案サーバ12は、ユーザ端末13から受信したストレージ14のストレージ情報を用いて、故障判定サーバ11からストレージ14の故障情報を自動的に取得する。したがって、ユーザ端末13のユーザは、ステップS25において、ストレージ14の故障状況等を修理提案サーバ12へ登録する操作を行わなくても、修理提案サーバ12は故障判定サーバ11から受信した故障情報によりストレージ14の故障状況等を特定し、修理提案サービスを提供することができる。このサービスを利用すれば、ユーザにおけるユーザ情報の入力作業の低減を図ることができる。
【0049】
次に、修理提案サーバ12が、ステップS27において、故障判定サーバ11から受信した故障情報に基づいて導出した修理提案情報をユーザ端末13へ送信する(ステップS28)。ステップS28において、ユーザ端末13へ送信される修理提案情報は、ストレージ14のユーザに対して提案する修理内容を示す。
【0050】
また、修理提案情報には、例えば、修理担当者端末15のメールアドレスや電話番号(修理担当者端末15が携帯電話等の場合)等、修理担当者への連絡先が含まれる。修理提案情報は、ストレージ14の故障に対する処置を示す提案情報を構成する。
【0051】
例えば、修理提案サーバ12は、故障情報から修理提案情報を導出するための修理案導出情報を記憶している。そして、修理提案サーバ12は、この修理案導出情報と、ステップS27において、故障判定サーバ11から受信した故障情報と、に基づいて修理提案情報を導出する。この修理案導出情報は、例えば、故障情報が入力されると修理提案情報を出力する学習済みモデルであってもよい。
【0052】
また、修理提案サーバ12は、ステップS28において、故障判定サーバ11から受信した故障情報と、自身が保存しているユーザ情報と、に基づく修理提案情報を送信してもよい。例えば、修理提案サーバ12は、ユーザ情報に基づいてユーザ端末13のユーザの契約内容を特定し、導出した修理提案情報のうち、特定した契約内容によってユーザ端末13のユーザが受けられる修理を提案する修理提案情報を送信してもよい。
【0053】
次に、ユーザ端末13が、修理担当者端末15を介して修理担当者に修理依頼を行う(ステップS29)。例えば、ユーザ端末13は、ステップS28において、修理提案サーバ12から受信した修理提案情報の内容をユーザへ通知する。これに対して、ユーザは、通知された内容に基づいて、修理を希望する場合は、修理担当者端末15に電子メールを送信したり、修理担当者端末15に電話をかけたりして、修理担当者端末15を所持する修理担当者に修理依頼を行う。また、ユーザと修理担当者との間の連絡はチャット等が用いられてもよい。
【0054】
次に、ユーザ端末13のユーザと、修理担当者端末15を所持する修理担当者により、ストレージ14の修理が行われる(ステップS30)。例えば、修理担当者は、ストレージ14の交換や、ストレージ14のドライバのアップデート等を指示し、ユーザ端末13がこの指示に従って対応を行う。又は、ユーザがストレージ14を修理担当者へ発送し、修理担当者が、修理したストレージ14をユーザに返送してもよい。
【0055】
ステップS30において、修理が完了すると、ユーザ端末13は、ストレージ14の修理が完了したことを示す修理完了通知を修理担当者端末15へ送信する(ステップS31)。ステップS31において、修理完了通知の送信は、例えばユーザがユーザ端末13を操作することによって実行される。
【0056】
この修理完了通知は、例えば、ユーザ端末13から修理提案サーバ12を介して修理担当者端末15へ送信される。又は、この修理完了通知は、ユーザ端末13から修理提案サーバ12を介さずに修理担当者端末15へ送信されてもよい。
【0057】
次に、修理担当者端末15が、ステップS31において修理完了通知を受信したことに応じて、故障判定サーバ11が保存するストレージ14に関する情報(例えば故障情報)の更新を指示するため、顧客情報更新指示を修理提案サーバ12へ送信する(ステップS32)。
【0058】
例えば、修理担当者端末15は、ステップS31において、ユーザ端末13から受信した修理完了通知の内容を修理担当者に通知し、これに対して修理担当者が顧客情報更新指示の送信を指示する操作を修理担当者端末15に対して行うと、ステップS32が実行される。ステップS32において、修理提案サーバ12へ送信される顧客情報更新指示には、ストレージ14のストレージ情報が含まれる。
【0059】
顧客情報更新指示の指示内容は、修理担当者が指定してもよいし、修理の内容や修理完了通知の内容等に基づいて自動的に指定されてもよい。例えば、ストレージ14に対する修理依頼が、ストレージ14の交換であった場合、顧客情報更新指示は、ストレージ14の故障情報を、故障が発生していないことを示す情報に更新したり、ストレージ14の故障情報に含まれるストレージ情報のシリアル番号を、新たなストレージ14のシリアル番号等に変更したりする等の更新を指示するものである。
【0060】
次に、修理提案サーバ12が、ステップS32において、修理担当者端末15から受信した顧客情報更新指示を故障判定サーバ11へ送信する(ステップS33)。また、このとき、例えば顧客情報更新指示がシリアル番号の変更の指示を含む場合に、修理提案サーバ12は、顧客情報更新指示に基づいて、修理提案サーバ12が保存しているストレージ14のシリアル番号の変更を行ってもよい。
【0061】
故障判定サーバ11は、ステップS33において、修理提案サーバ12から受信した顧客情報更新指示に基づいて、故障判定サーバ11が保存するストレージ14の故障情報を更新する。例えば、故障判定サーバ11は、故障判定サーバ11が保存する故障情報のうち、修理提案サーバ12から受信した顧客情報更新指示に含まれるストレージ情報に対応する故障情報を、修理提案サーバ12から受信した顧客情報更新指示に基づいて更新する。そして、故障判定サーバ11は、ステップS34において、情報の更新が完了したことを示す更新完了通知を修理提案サーバ12へ送信する(ステップS34)。
【0062】
これにより、ユーザが故障判定サーバ11に対して修理結果の登録を行わなくても、修理提案サービスの結果を故障判定サービスに反映させることができる。このため、ユーザによる入力作業を低減できる。また、修理提案サービスと故障判定サービスとの間の情報の不整合を回避することができる。
【0063】
なお、ステップS30において、ストレージ14の修理が完了しなかった場合、ユーザは、ユーザ端末13を用いて、修理が完了しなかったことやその理由等を示す修理未完通知を修理担当者端末15へ送信する。この修理未完通知は、ユーザ端末13から修理提案サーバ12を介して修理担当者端末15へ送信されるか、又はユーザ端末13から修理提案サーバ12を介さずに修理担当者端末15へ送信される。
【0064】
修理担当者端末15は、ユーザ端末13から受信した修理未完通知の内容を修理担当者に通知する。これに対して、修理担当者は、電子メール、電話、チャット等によりユーザと連絡をとり、対応方法を検討する。その後、修理が完了すれば、ユーザ端末13に対するユーザの操作によってステップS31が実行される。
【0065】
(サービス提供システム10による効果)
図2に示したように、サービス提供システム10においては、故障判定サービス及び修理提案サービスを、それぞれ別の故障判定サーバ11及び修理提案サーバ12によって提供することができる。
【0066】
これにより、例えば、故障判定サーバ11が停止すれば、修理提案サーバ12は停止しなくても、故障判定サーバ11のソフトウェアのバージョンアップ(例えば故障判定情報の更新)やハードウェアの増強等の更新を行うことができる。また、修理提案サーバ12が停止すれば、故障判定サーバ11は停止しなくても、修理提案サーバ12のソフトウェアのバージョンアップ(例えば修理案導出情報の更新)やハードウェアの増強等の更新を行うことができる。
【0067】
このため、分析サービス及び提案サービスの個別の更新を、他方のサービスに影響を与えずに行うことができるので、分析サービス及び提案サービスのそれぞれの更新を容易に行うことができる。
【0068】
また、ステップS27において、故障判定サーバ11が保存した故障情報を修理提案サーバ12が故障判定サーバ11から直接受信することにより、例えば、ユーザ端末13が、ステップS24において故障判定サーバ11から故障情報を受信し、ステップS25においてその故障情報を修理提案サーバ12へ送信するという処理が不要になる。
【0069】
このため、例えば故障情報のデータ量が多くても、ユーザ端末13と故障判定サーバ11との間の通信や、ユーザ端末13と修理提案サーバ12との間の通信等への影響を抑制することができる。また、故障情報の内容をユーザ端末13のユーザに対して秘匿することが可能になる。
【0070】
(ユーザ端末13及び修理担当者端末15の構成例)
図3は、ユーザ端末13及び修理担当者端末15の構成例を示す図である。
【0071】
端末装置30は、CPU(Central Processing Unit)31と、ROM(Read Only Memory)32と、RAM(Random Access Memory)33と、液晶ドライバ34aと、液晶パネル34bと、通信モジュール35と、操作インタフェース(I/F)36と、内部ストレージ部37と、USBコントローラ38aと、USBコネクタ38bと、を備える。
【0072】
CPU31、ROM32、RAM33、液晶ドライバ34a、通信モジュール35、操作インタフェース36、内部ストレージ部37、及びUSBコントローラ38aは、それぞれ共通のバスにより接続されている。
【0073】
CPU31は、ROM32からRAM33に読み出されたファームウェア等のプログラムを実行することで、端末装置30の全体の動作制御を行う。
【0074】
ROM32には、ファームウェア等のプログラムと各種設定データが記憶されている。RAM33は、端末装置30のワークメモリとして動作し、各種プログラム及びデータを一時的に記憶する。
【0075】
液晶パネル34bは、画像を表示するための表示部である。液晶ドライバ34aは、表示画面を構成するデータを受け取ると、液晶パネル34bの表示領域にその表示画面を表示するように、この液晶パネル34bを駆動する。液晶パネル34bは、端末装置30の本体に設けられた内蔵ディスプレイであってもよいし、端末装置30の本体に外付けされた外部ディスプレイであってもよい。
【0076】
通信モジュール35は、ネットワーク19に接続された他の通信装置との間で無線通信又は有線通信を行うためのモジュールである。例えば、通信モジュール35は、ネットワーク19に接続されたLAN(Local Area Network)にアクセスするLANモジュールである。
【0077】
このLANモジュールは、例えばIEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11規格に準拠して無線通信を行ってもよいし、IEEE802.3規格に準拠して有線通信を行ってもよい。
【0078】
また、通信モジュール35は、3G、LTE(Long Term Evolution)、4G、5Gなどのセルラ方式の無線通信により移動体通信網を経由してネットワーク19に接続可能なセルラモジュールなどであってもよい。また、通信モジュール35は、LANモジュールと、セルラモジュールと、の両方を備えていてもよい。
【0079】
操作インタフェース36は、キーボードやマウスなどの、ユーザが操作を行うためのユーザインタフェースである。また、操作インタフェース36は、液晶パネル34bと一体化されたタッチパネル等であってもよい。
【0080】
内部ストレージ部37は、内部ストレージ37aと内部ストレージインタフェース(I/F)37bとを備える。内部ストレージ37aは、例えばフラッシュメモリのような不揮発性半導体メモリ又はハードディスクドライブである。内部ストレージ37aには、端末装置30において用いられるアプリケーションプログラム、文書ファイル、音ファイル、画像ファイル、又は動画ファイル等の各種ファイルが記憶される。
【0081】
内部ストレージインタフェース37bは、内部ストレージ37aに対するデータの読み出し又は書き込みの指令を受けた場合に、データの読み出し又は書き込みの制御を行う。
【0082】
なお、内部ストレージ37aは挿脱可能な不揮発性メモリカードであってもよい。この場合、内部ストレージインタフェース37bは、このメモリカードが装着されるメモリカードスロットをさらに備える。
【0083】
USBコントローラ38aは、例えばUSB2.X又はUSB3.X、USB4.X、USB-PD、又はThunderboltなどの規格に沿って、USBコネクタ38bを介して接続されたUSBデバイスとの間でデータを送受信する。USBコネクタ38bは、いわゆるメス型USBコネクタ(USBレセプタクル)であって、不図示のUSBケーブルのオス型USBコネクタ(USBプラグ)が挿入される。
【0084】
図1に示したストレージ14は、例えば、端末装置30のUSBコネクタ38bにUSBケーブルを介してユーザ端末13と通信可能な、外付けHDDや外付けSSDなどのストレージである。
【0085】
(故障判定サーバ11及び修理提案サーバ12の構成例)
図4は、故障判定サーバ11及び修理提案サーバ12の構成例を示す図である。図1に示した故障判定サーバ11及び修理提案サーバ12のそれぞれは、例えば図4に示すサーバ装置40により構成される。
【0086】
サーバ装置40は、CPU41と、ROM42と、RAM43と、通信モジュール45と、内部ストレージ部47と、を備える。CPU41、ROM42、RAM43、通信モジュール45及び内部ストレージ部47は、それぞれ共通バス46により接続されている。
【0087】
CPU41は、ROM42からRAM43に読みだされたファームウェア等のプログラムを実行することで、ユーザ端末13の全体の動作制御を行う。
【0088】
ROM42には、ファームウェア等のプログラムと各種設定データが記憶されている。RAM43は、ユーザ端末13のワークメモリとして動作し、各種プログラム及び各種データを一時的に記憶する。
【0089】
通信モジュール45は、ネットワーク19に接続された他の通信装置と無線通信又は有線通信を行うためのモジュールである。例えば、通信モジュール45は、ネットワーク19に接続されたLANにアクセスするLANモジュールである。例えば、通信モジュール45は、IEEE802.3規格に準拠して有線通信を行うLANモジュールである。
【0090】
内部ストレージ部47は、内部ストレージ47aと内部ストレージインタフェース(I/F)47bとを備える。内部ストレージ47aは、例えばフラッシュメモリのような不揮発性半導体メモリ又はハードディスクドライブである。内部ストレージ47aには、サーバ装置40において用いられるアプリケーションプログラムや各種データファイルが記憶される。
【0091】
内部ストレージインタフェース47bは、内部ストレージ47aに対するデータの読み出し又は記憶の指令を受けた場合に、データの読み出し又は書き込みの制御を行う。
【0092】
(故障判定サーバ11の機能的構成)
図5は、故障判定サーバ11の機能的構成の一例を示す図である。図5に示すように、故障判定サーバ11は、受信部51と、分析部52と、第1送信部53と、保存部54と、第2送信部55と、を備える。
【0093】
受信部51は、ユーザ端末13に接続されたストレージ14(ユーザ装置)の状態を示す品質情報(第1状態情報)をユーザ端末13から受信する。例えば、受信部51は、ユーザ端末13から予め定められたタイミングで繰り返し送信される、ストレージ14の品質情報をユーザ端末13から受信する。受信部51は、例えば図4に示したCPU41及び通信モジュール45により構成される。
【0094】
分析部52は、受信部51によって受信された品質情報に基づいて、ストレージ14の故障判定(分析)を行う。また、分析部52は、受信部51によって品質情報が受信される毎に故障判定を行ってもよい。分析部52は、例えば図4に示したCPU41により構成される。
【0095】
第1送信部53は、分析部52による故障判定の結果を示す警告情報(分析情報)をユーザ端末13へ送信する。例えば、第1送信部53は、故障判定によって検出された故障を示す警告情報をユーザ端末13へ送信する。また、第1送信部53は、分析部52による故障判定が予め定められた結果(例えば警告対象の故障があること)である場合に警告情報をユーザ端末13へ送信してもよい。第1送信部53は、例えば図4に示したCPU41及び通信モジュール45により構成される。
【0096】
また、第1送信部53が、ストレージ14のストレージ情報(識別情報)を含む警告情報をユーザ端末13へ送信すると、ユーザ端末13は、そのストレージ情報を含む修理提案の要求を修理提案サーバ12へ送信する。
【0097】
保存部54は、受信部51によって受信された品質情報に基づく故障情報(第2状態情報)を保存する。故障情報は、ストレージ14のストレージ情報(識別情報)を含む。保存部54は、例えば図4に示した内部ストレージ部47により構成される。
【0098】
第2送信部55は、故障判定サーバ11が修理提案サーバ12からの情報共有の要求を受け付けると、保存部54が保存している故障情報を修理提案サーバ12へ送信する。例えば、第2送信部55は、保存部54が保存している故障情報のうち、修理提案サーバ12からの情報共有の要求において修理提案サーバ12から受信したストレージ情報に対応する故障情報を故障判定サーバ11へ送信する。第2送信部55は、例えば図4に示したCPU41及び通信モジュール45により構成される。
【0099】
(修理提案サーバ12の機能的構成)
図6は、修理提案サーバ12の機能的構成の一例を示す図である。図6に示すように、修理提案サーバ12は、受信部61と、導出部62と、送信部63と、を備える。
【0100】
受信部61は、警告情報に応じたユーザ端末13からの修理提案の要求を受信すると、故障判定サーバ11に対して情報共有を要求し、故障判定サーバ11が保存している故障情報を故障判定サーバ11から受信する。
【0101】
例えば、受信部61は、修理提案の要求に含まれたストレージ情報を情報共有の要求に含めて故障判定サーバ11へ送信すると、そのストレージ情報に対応する故障情報を故障判定サーバ11から受信する。受信部61は、例えば図4に示したCPU41及び通信モジュール45により構成される。
【0102】
導出部62は、受信部61によって受信された故障情報に基づいて、ストレージ14の故障に対する処置を提案するため修理提案情報(提案情報)を導出する。導出部62は、例えば図4に示したCPU41により構成される。
【0103】
送信部63は、導出部62によって導出された修理提案情報をユーザ端末13へ送信する。また、送信部63は、この修理提案情報に、受信部61がユーザ端末13から受信した修理提案の要求に含まれたストレージ情報を含める。送信部63は、例えば図4に示したCPU41及び通信モジュール45により構成される。
【0104】
また、修理提案サーバ12は、保存部64を備えてもよい。保存部64は、ユーザ端末13のユーザ情報(個人情報)を保存する。このユーザ情報は、故障判定サーバ11及び修理提案サーバ12のうち修理提案サーバ12(自サーバ)にのみ保存される。
【0105】
修理提案サーバ12が保存部64を備える場合に、送信部63は、受信部61によって受信された故障情報と、保存部64によって保存された個人情報と、に基づく修理提案情報を送信してもよい。保存部64は、例えば図4に示した内部ストレージ部47により構成される。
【0106】
また、修理提案サーバ12は、制御部65を備えてもよい。制御部65は、送信部63によって送信された修理提案情報に応じてユーザ端末13のユーザが処置を行ったことを示す修理完了通知を自サーバが受信すると、受信した修理完了通知を修理担当者端末15へ送信する。これに対して、修理担当者端末15は、顧客情報更新指示を修理提案サーバ12へ送信する。制御部65は、修理担当者端末15から顧客情報更新指示を受信すると、故障判定サーバ11に対して、故障判定サーバ11が保存している故障情報を更新させる制御を行う。この制御は、例えば、顧客情報更新指示を故障判定サーバ11へ送信することによって行われる。制御部65は、例えば図4に示したCPU41及び通信モジュール45により構成される。
【0107】
(故障判定サーバ11による、品質情報の受信時の処理)
図7は、故障判定サーバ11が実行する品質情報の受信時の処理の一例を示すフローチャートである。
【0108】
まず、故障判定サーバ11は、ステップS71において、ユーザ端末(例えばユーザ端末13)からユーザ装置の品質情報を受信したか否かを判断し、品質情報を受信するまでステップS71で待機する(ステップS71:No)。ここで、故障判定サーバ11が受信した品質情報が得られたユーザ装置(例えばストレージ14)を対象ユーザ装置と称する。
【0109】
ステップS71において、故障判定サーバ11は、品質情報を受信すると(ステップS71:Yes)、ステップS72へ自らの処理を移行させる。
【0110】
故障判定サーバ11が受信する品質情報には、対象ユーザ装置のストレージ情報(例えばストレージ14のシリアル番号)が含まれる。故障判定サーバ11は、受信した品質情報に基づいて、対象ユーザ装置の故障判定を行う(ステップS72)。
【0111】
次に、故障判定サーバ11は、ステップS72において、故障判定の結果を故障情報として自装置のメモリ(例えば内部ストレージ47a)に保存する(ステップS73)。
【0112】
次に、故障判定サーバ11は、ステップS72において、故障判定の結果に基づいて、警告対象の故障が対象ユーザ装置にあるか否かを判断する(ステップS74)。警告対象の故障がない場合(ステップS74:No)は、故障判定サーバ11は、ステップS71へ自らの処理を戻す。
【0113】
ステップS74において、警告対象の故障が発生した場合(ステップS74:Yes)は、故障判定サーバ11は、その警告対象の故障の内容を示す警告情報を、品質情報の送信元のユーザ端末(例えばユーザ端末13)へ送信し(ステップS75)、ステップS71へ自らの処理を戻す。
【0114】
ステップS75において、故障判定サーバ11は、受信した品質情報に含まれていた対象ユーザ装置のストレージ情報を、送信する警告情報に含める。
【0115】
(故障判定サーバ11による、情報共有の要求の受信時の処理)
図8は、故障判定サーバ11が実行する情報共有の要求の受信時の処理の一例を示すフローチャートである。故障判定サーバ11は、例えば、図7に示した処理と並行して、図8に示す処理を実行する。
【0116】
まず、故障判定サーバ11は、ステップS81において、修理提案サーバ12からの情報共有の要求を受信したか否かを判断し、修理提案サーバ12からの情報共有の要求を受信するまでステップS81で待機する(ステップS81:No)。
【0117】
ステップS81において、修理提案サーバ12からの情報共有の要求を受信すると(ステップS81:Yes)、故障判定サーバ11は、修理提案サーバ12からの情報共有の要求に対応する故障情報を取得する(ステップS82)。具体的には、故障判定サーバ11は、故障判定サーバ11が保存している故障情報のうち、修理提案サーバ12から受信した情報共有の要求に含まれるストレージ情報を含む故障情報を取得する。
【0118】
次に、故障判定サーバ11は、ステップS82により取得した故障情報を修理提案サーバ12へ送信し(ステップS83)、ステップS81へ自らの処理を戻す。
【0119】
(故障判定サーバ11による、顧客情報の更新指示の受信時の処理)
図9は、故障判定サーバ11が実行する顧客情報の更新指示の受信時の処理の一例を示すフローチャートである。故障判定サーバ11は、例えば、図7図8に示した処理と並行して、図9に示す処理を実行する。
【0120】
まず、故障判定サーバ11は、ステップS91において、修理提案サーバ12から顧客情報の更新指示を受信したか否かを判断し、修理提案サーバ12からの顧客情報の更新指示を受信するまでステップS91で待機する(ステップS91:No)。
【0121】
ステップS91において、故障判定サーバ11は、修理提案サーバ12から顧客情報の更新指示を受信すると(ステップS91:Yes)、修理提案サーバ12からの顧客情報更新指示に対応する故障情報を更新する(ステップS92)。具体的には、故障判定サーバ11は、故障判定サーバ11が保存している故障情報のうち、修理提案サーバ12から受信した顧客情報の更新指示に含まれるストレージ情報を含む故障情報を更新する。
【0122】
次に、故障判定サーバ11は、ステップS92において、故障情報の更新が完了したことを示す更新完了通知を修理提案サーバ12へ送信し(ステップS93)、ステップS91へ自らの処理を戻す。
【0123】
(修理提案サーバ12による、修理提案の要求の受信時の処理)
図10は、修理提案サーバ12が実行する修理提案の要求の受信時の処理の一例を示すフローチャートである。
【0124】
まず、修理提案サーバ12は、ステップS101において、ユーザ端末(例えばユーザ端末13)から修理提案の要求を受信したか否かを判断し、ユーザ端末からの修理提案の要求を受信するまで待機する(ステップS101:No)。
【0125】
ステップS101において、ユーザ端末から修理提案の要求を受信すると(ステップS101:Yes)、修理提案サーバ12は、故障判定サーバ11へ情報共有を要求する(ステップS102)。ステップS102において、修理提案サーバ12は、ユーザ端末からの修理提案の要求に含まれるストレージ情報を故障判定サーバ11へ送信する。
【0126】
次に、修理提案サーバ12は、ステップS103において、情報共有の要求に対して故障判定サーバ11から故障情報を受信したか否かを判断し、故障情報を受信するまでステップS103で待機する(ステップS103:No)。
【0127】
ステップS103において、修理提案サーバ12は、故障情報を受信すると(ステップS103:Yes)、故障情報に基づいて修理提案情報を導出する(ステップS104)。
【0128】
次に、修理提案サーバ12は、ステップS104において、導出した修理提案情報を、修理提案を要求したユーザ端末(例えばユーザ端末13)へ送信し(ステップS105)、ステップS101へ自らの処理を戻す。修理提案サーバ12は、ユーザ端末からの修理提案の要求に含まれるストレージ情報を、ステップS105において送信する修理提案情報に含める。
【0129】
(修理提案サーバ12による、顧客情報更新指示の受信時の処理)
図11は、修理提案サーバ12が実行する顧客情報更新指示の受信時の処理の一例を示すフローチャートである。
【0130】
まず、修理提案サーバ12は、ステップS111において、修理担当者端末(例えば修理担当者端末15)から顧客情報の更新指示を受信したか否かを判断し、顧客情報の更新指示があるまで待つ(ステップS111:No)。
【0131】
ステップS111において、顧客情報の更新指示を受信すると(ステップS111:Yes)、修理提案サーバ12は、故障判定サーバ11へ顧客情報更新指示を行う(ステップS112)。この指示により、故障判定サーバ11の故障情報が更新される。
【0132】
次に、修理提案サーバ12は、ステップS113において、顧客情報の更新指示に対して故障判定サーバ11から顧客情報の更新が完了したことを示す更新完了通知を受信したか否かを判断し、更新完了通知を受信するまでステップS113で待機する(ステップS113:No)。修理提案サーバ12は、更新完了通知を受信すると(ステップS113:Yes)、ステップS111へ自らの処理を戻す。
【0133】
(ユーザ端末13が警告情報の受信時に表示する画面)
図12は、ユーザ端末13が警告情報の受信時に表示する画面の一例を示す図である。ユーザ端末13は、例えば図2に示したステップS24において、警告情報を受信すると、液晶パネル34bに警告ウィンドウ120を表示する。図12は、ストレージ14が外付けHDDであり、警告情報はストレージ14が故障していることを示す。
【0134】
警告ウィンドウ120は、「外付けHDDが故障しています 必要であれば修理提案を受けてください」の文字列121と、「修理提案を受ける」と表記されたボタン122と、を含んでいる。文字列121により、ユーザ端末13のユーザは、ストレージ14(外付けHDD)が故障しており、必要に応じて修理提案のサービスを受けることができることを知ることができる。
【0135】
ユーザがボタン122を指示する操作を行うと、ユーザ端末13は、例えば図2に示したステップS25において、修理提案を要求する。これにより、ユーザは、例えばストレージ14のストレージ情報や、ストレージ14の故障の状況をユーザ端末13に入力しなくても、修理提案を要求する操作(例えばボタン122の指示操作)のみで、ストレージ14についての修理提案のサービスを受けることができる。
【0136】
以上説明したように、サービス提供システム10においては、故障判定サーバ11が、ユーザ端末13から受信したストレージ14の品質情報に基づく分析の結果を示す警告情報をユーザ端末13へ送信するとともに、受信したストレージ14の品質情報に基づく故障情報を保存しておく。警告情報は、ユーザ端末13が修理提案サーバ12に修理提案を要求するための情報(ストレージ14のストレージ情報)が付加された情報である。
【0137】
また、修理提案サーバ12が、故障判定サーバ11からの警告情報に応じたユーザ端末13からの修理提案の要求を受信すると、故障判定サーバ11が保存している故障情報を故障判定サーバ11から受信し、故障情報に基づく提案内容を示す修理提案情報をユーザ端末13へ送信する。
【0138】
このような構成により、分析サービス及び提案サービスのそれぞれの更新を容易に行うことができ、また、ユーザにおけるユーザ情報の入力作業の低減を図ることができる。
【0139】
(サービス提供システム10の変形例)
<ユーザ装置の他の例>
ユーザ端末13のユーザが使用するユーザ装置が、外付けHDDや外付けSSD等であるストレージ14について説明したが、ユーザ装置は、外付けHDDや外付けSSDに限らず、ユーザ端末13に接続される各種の記憶装置でも良い。例えば、ユーザ装置は、ユーザ端末13に内蔵されるHDDやSSD等(例えば図3に示した内部ストレージ37a)であってもよい。
【0140】
又は、ユーザ装置は、ユーザ端末13がLANやWAN等のネットワークを介してアクセス可能なNAS(Network Attached Storage)等であってもよい。又は、ユーザ装置は、USB等を用いてユーザ端末13に接続されるUSBメモリや、SD(Secure Digital)カード、CF(Compact Flash)カード等であってもよい。
【0141】
これらの各ストレージのS.M.A.R.T.情報を品質情報として用いることができる。ただし、品質情報は、S.M.A.R.T.情報に限らず、ユーザ装置を構成するストレージの状態を示す各種の情報であっても良い。
【0142】
又は、ユーザ装置は、ストレージ以外の、無線LANルータ、有線LANルータ、無線アクセスポイント等の通信機器であってもよい。又は、ユーザ装置は、外付け又は内蔵の、DVD(Digital Versatile Disc)ドライブ等の光学ドライブであってもよい。又は、ユーザ装置は、有線通信又は無線通信によりユーザ端末13に接続される、キーボード、マウス、Webカメラ、ヘッドセット、プリンター等の各種の周辺機器であってもよい。
【0143】
これらのストレージ以外のユーザ装置についても、ユーザ装置の状態を示す各種の情報が上記の品質情報として用いられる。
【0144】
<第2状態情報の他の例>
受信された品質情報(第1状態情報)に基づく第2状態情報として、受信された品質情報に基づく故障判定の結果を示す故障情報を用いる構成について説明したが、第1状態情報に基づく第2状態情報は、これに限らず、例えば、受信されて通信モジュール45のバッファやRAM43に一時記憶された品質情報を、内部ストレージ部47に複製して得られた、受信された品質情報と同一の品質情報であってもよい。この場合に、修理提案サーバ12は、この同一の品質情報に基づいて上記の修理提案情報を導出する。
【0145】
<第2状態情報の保存先の他の例>
故障判定サーバ11が第2状態情報を自装置の保存部54に保存する構成について説明したが、故障判定サーバ11は、算出した第2状態情報を外部の保存装置に保存させてもよい。外部の保存装置は、外付けストレージ、クラウドストレージ、NAS等の各種の保存装置により実現される。
【0146】
<2つのサーバの構成の他の例>
また、故障判定サーバ11及び修理提案サーバ12のそれぞれをサーバ装置40によって構成する場合について説明したが、故障判定サーバ11及び修理提案サーバ12は、1つの物理サーバによって構成される2つの仮想的なサーバであってもよい。
【0147】
<分析サービス及び提案サービスの他の例>
本発明の実施形態では、分析サービスを行う第1サーバとして故障判定サーバ11が用いられ、提案サービスを行う第2サーバとして修理提案サーバ12が用いられるが、第1サーバ及び第2サーバはこれらに限らない。
【0148】
例えば、分析サービスを行う第1サーバは、ユーザ装置の使用状況の分析を行うサーバであり、提案サービスを行う第2サーバは、ユーザ装置の使用状況の分析に基づく改善の提案を行うサーバであってもよい。
【0149】
ユーザ装置の使用状況は、例えば、ストレージ14の空き容量や、ストレージ14に記憶されているデータの種別や、ストレージ14のネットワーク環境等とすることができる。この場合に、上記の品質情報(第1状態情報)は、これらの使用状況を特定可能な情報とする。
【0150】
ユーザ装置の使用状況の分析に基づく改善提案は、例えば、ユーザ装置の使用状況に適したストレージ製品又はストレージサービスの提案や、ストレージ14とともに使用されている他の機器とストレージ14との相性問題の解消等の、各種の提案である。
【0151】
このように、分析サービス及び提案サービスは、故障判定サービス及び修理提案サービスに限らず、各種の分析サービス、及びその分析サービスによる分析結果に応じた各種の提案サービスである。
【0152】
<修理提案の要求の実行方法の他の例>
また、本発明の実施形態のユーザ端末13が、故障判定サーバ11から受信した警告情報の内容をユーザへ通知した後に、ユーザから修理提案を要求する操作を受け付けた場合に、修理提案サーバ12に修理提案を要求するが、このような構成に限らない。例えば、ユーザ端末13は、故障判定サーバ11から警告情報を受信した後に、ユーザからの操作の有無にかかわらず自動的に修理提案サーバ12に修理提案を要求しても良い。
【0153】
これにより、ユーザは、例えば図12に示したボタン122の指示操作を行わなくても修理提案サービスを受けることができるため、ユーザにおける入力作業は、さらに低減される。なお、この場合に、ユーザ端末13は、故障判定サーバ11から受信した警告情報の内容を、ユーザへ通知してもよいし、ユーザへ通知しなくてもよい。
【0154】
(サービス提供プログラムについて)
サーバ装置40のROM42に記憶されるサービス提供プログラムは、プログラムをコンピュータが読取可能な一時的でない(non-transitory)記憶媒体に記憶される。このような「コンピュータ読取可能な記憶媒体」は、例えば、CD-ROM(Compact Disc-ROM)等の光学媒体や、USBメモリ又はメモリカード等の磁気記憶媒体等である。また、このようなプログラムを、ネットワーク19を介したダウンロードによって提供することもできる。
【0155】
以上のように本明細書には以下の事項が開示されている。
【0156】
開示されたサービス提供システムは、ユーザ端末に接続されたユーザ装置の状態を示す第1状態情報を前記ユーザ端末から受信し、受信した前記第1状態情報に基づく分析の結果を示す分析情報を前記ユーザ端末へ送信し、受信した前記第1状態情報に基づく第2状態情報を保存する第1サーバと、前記分析情報に応じた前記ユーザ端末からの要求があると、前記第1サーバが保存している前記第2状態情報を前記第1サーバから受信し、受信した前記第2状態情報に基づく提案内容を示す提案情報を前記ユーザ端末へ送信する第2サーバと、を含むものである。
【0157】
開示されたサービス提供システムは、前記ユーザ端末のユーザの個人情報を、前記第1サーバ及び前記第2サーバのうち前記第2サーバのみが保存し、前記第2サーバが、受信した前記第2状態情報と、保存している前記個人情報と、に基づく前記提案情報を送信するものである。
【0158】
開示されたサービス提供システムは、前記第1サーバが、受信した前記第1状態情報に基づいて前記ユーザ装置の故障の判定を行い、前記判定の結果を前記分析情報として送信し、前記第2サーバが、受信した前記第2状態情報に基づいて、前記ユーザ装置の故障に対する処置を示す前記提案情報を導出し、導出した前記提案情報を送信するものである。
【0159】
開示されたサービス提供システムは、前記第2サーバが、前記提案情報に応じて前記ユーザ端末のユーザが処置を行ったことを示す情報を受信すると、前記第1サーバに対して前記第2状態情報を更新させる制御を行うものである。
【0160】
開示されたサーバは、ユーザ端末に接続されたユーザ装置の状態を示す第1状態情報を前記ユーザ端末から受信する受信部と、前記受信部によって受信された前記第1状態情報に基づく分析を行う分析部と、前記分析部による前記分析の結果を示す分析情報を前記ユーザ端末へ送信する第1送信部と、前記受信部によって受信された前記第1状態情報に基づく第2状態情報を保存する保存部と、前記分析情報に応じた前記ユーザ端末からの要求があると前記第2状態情報に基づく提案内容を示す提案情報を前記ユーザ端末へ送信する他のサーバへ、前記保存部によって保存している前記第2状態情報を送信する第2送信部と、を備えるものである。
【0161】
開示されたサーバは、前記分析部が、前記受信部によって受信された前記第1状態情報に基づいて前記ユーザ装置の故障の判定を行い、前記第2送信部が、前記他のサーバへ前記第2状態情報を送信することにより、前記他のサーバに対して、前記第2状態情報に基づいて導出した前記ユーザ装置の故障に対する処置を示す前記提案情報を送信させるものである。
【0162】
開示されたサーバは、前記受信部が、予め定められたタイミングで前記ユーザ端末から繰り返し送信される前記第1状態情報を受信し、前記分析部が、前記受信部によって前記第1状態情報が受信される毎に前記分析を行い、前記第1送信部が、前記分析部による前記分析の結果が予め定められた結果であると前記分析情報を送信するものである。
【0163】
開示されたサーバは、前記第1状態情報及び前記第2状態情報は前記ユーザ装置の識別情報を含み、前記第1送信部が、前記識別情報を含む前記分析情報を前記ユーザ端末へ送信することにより、前記ユーザ端末に対して、前記要求において前記識別情報を前記他のサーバへ送信させ、前記第2送信部が、前記他のサーバが、前記ユーザ端末から受信した前記識別情報を自サーバへ送信することにより自サーバに前記第2状態情報を要求すると、前記他のサーバから送信された前記識別情報に基づいて前記第2状態情報を前記他のサーバへ送信するものである。
【0164】
開示されたサーバは、前記ユーザ装置はストレージであるものである。
【0165】
開示されたサーバは、ユーザ端末に接続されたユーザ装置の状態を示す第1状態情報を前記ユーザ端末から受信し、受信した前記第1状態情報に基づく分析の結果を示す分析情報を前記ユーザ端末へ送信し、受信した前記第1状態情報に基づく第2状態情報を保存する他のサーバと連携可能なサーバであって、前記分析情報に応じた前記ユーザ端末からの要求があると、前記他のサーバが保存している前記第2状態情報を前記他のサーバから受信する受信部と、前記受信部によって受信された前記第2状態情報に基づく提案内容を示す提案情報を導出する導出部と、前記導出部によって導出された前記提案情報を前記ユーザ端末へ送信する送信部と、を備えるものである。
【0166】
開示されたサーバは、前記他のサーバ及び自サーバのうち自サーバのみが保存する前記ユーザ端末のユーザの個人情報を保存する保存部を備え、前記送信部が、前記受信部によって受信された前記第2状態情報と、前記保存部によって保存された前記個人情報と、に基づく前記提案情報を送信するものである。
【0167】
開示されたサーバは、受信した前記第1状態情報に基づいて前記ユーザ装置の故障の判定を行い、前記判定の結果を前記分析情報として送信する前記他のサーバと連携可能であり、前記導出部が、前記受信部によって受信された前記第2状態情報に基づいて、前記ユーザ装置の故障に対する処置を示す前記提案情報を導出するものである。
【0168】
開示されたサーバは、前記提案情報に応じて前記ユーザ端末のユーザが処置を行ったことを示す情報を自サーバが受信すると、前記他のサーバに対して、前記他のサーバが保存している前記第2状態情報を更新させる制御を行う制御部を備えるものである。
【0169】
開示されたサーバは、前記第1状態情報及び前記第2状態情報は前記ユーザ装置の識別情報を含み、前記識別情報を含む前記分析情報を前記ユーザ端末へ送信する前記他のサーバと連携可能であり、前記受信部が、前記要求において前記ユーザ端末から送信された前記識別情報を前記他のサーバへ送信して前記他のサーバに前記第2状態情報を要求することにより、前記第2状態情報を前記他のサーバから受信するものである。
【0170】
開示されたサーバは、前記ユーザ装置はストレージであるものである。
【0171】
開示されたサービス提供方法は、ユーザ端末に接続されたユーザ装置の状態を示す第1状態情報を前記ユーザ端末から受信する受信ステップと、前記受信ステップによって受信された前記第1状態情報に基づく分析を行う分析ステップと、前記分析ステップによる前記分析の結果を示す分析情報を前記ユーザ端末へ送信する第1送信ステップと、前記受信ステップによって受信された前記第1状態情報に基づく第2状態情報を保存する保存ステップと、前記分析情報に応じた前記ユーザ端末からの要求があると前記第2状態情報に基づく提案内容を示す提案情報を前記ユーザ端末へ送信する他のサーバへ、前記保存ステップによって保存している前記第2状態情報を送信する第2送信ステップと、を含むものである。
【0172】
開示されたサービス提供方法は、ユーザ端末に接続されたユーザ装置の状態を示す第1状態情報を前記ユーザ端末から受信し、受信した前記第1状態情報に基づく分析の結果を示す分析情報を前記ユーザ端末へ送信し、受信した前記第1状態情報に基づく第2状態情報を保存する他のサーバと連携可能なサーバによるサービス提供方法であって、前記分析情報に応じた前記ユーザ端末からの要求があると、前記他のサーバが保存している前記第2状態情報を前記他のサーバから受信する受信ステップと、前記受信ステップによって受信された前記第2状態情報に基づく提案内容を示す提案情報を導出する導出ステップと、前記導出ステップによって導出された前記提案情報を前記ユーザ端末へ送信する送信ステップと、を含むものである。
【0173】
開示されたサービス提供プログラムは、ユーザ端末に接続されたユーザ装置の状態を示す第1状態情報を前記ユーザ端末から受信する受信ステップと、前記受信ステップによって受信された前記第1状態情報に基づく分析を行う分析ステップと、前記分析ステップによる前記分析の結果を示す分析情報を前記ユーザ端末へ送信する第1送信ステップと、前記受信ステップによって受信された前記第1状態情報に基づく第2状態情報を保存する保存ステップと、前記分析情報に応じた前記ユーザ端末からの要求があると前記第2状態情報に基づく提案内容を示す提案情報を前記ユーザ端末へ送信する他のサーバへ、前記保存ステップによって保存している前記第2状態情報を送信する第2送信ステップと、をコンピュータに実行させるためのものである。
【0174】
開示されたサービス提供プログラムは、ユーザ端末に接続されたユーザ装置の状態を示す第1状態情報を前記ユーザ端末から受信し、受信した前記第1状態情報に基づく分析の結果を示す分析情報を前記ユーザ端末へ送信し、受信した前記第1状態情報に基づく第2状態情報を保存する他のサーバと連携可能なサーバによるサービス提供方法であって、前記分析情報に応じた前記ユーザ端末からの要求があると、前記他のサーバが保存している前記第2状態情報を前記他のサーバから受信する受信ステップと、前記受信ステップによって受信された前記第2状態情報に基づく提案内容を示す提案情報を導出する導出ステップと、前記導出ステップによって導出された前記提案情報を前記ユーザ端末へ送信する送信ステップと、をコンピュータに実行させるためのものである。
【符号の説明】
【0175】
10 サービス提供システム
11 故障判定サーバ
12 修理提案サーバ
13 ユーザ端末
14 ストレージ
15 修理担当者端末
19 ネットワーク
30 端末装置
31,41 CPU
32,42 ROM
33,43 RAM
34a 液晶ドライバ
34b 液晶パネル
35,45 通信モジュール
36 操作インタフェース
37a,47a 内部ストレージ
37b,47b 内部ストレージインタフェース
37,47 内部ストレージ部
38a USBコントローラ
38b USBコネクタ
40 サーバ装置
46 共通バス
51,61 受信部
52 分析部
53 第1送信部
54,64 保存部
55 第2送信部
62 導出部
63 送信部
65 制御部
120 警告ウィンドウ
121 文字列
122 ボタン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12