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特許7368795ハイブリッド車両における電力線の配索構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-17
(45)【発行日】2023-10-25
(54)【発明の名称】ハイブリッド車両における電力線の配索構造
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/04 20190101AFI20231018BHJP
   B60K 11/04 20060101ALI20231018BHJP
   B60K 6/40 20071001ALI20231018BHJP
   H02G 3/30 20060101ALI20231018BHJP
   H02G 3/04 20060101ALI20231018BHJP
【FI】
B60K1/04 Z
B60K11/04 G
B60K6/40 ZHV
H02G3/30
H02G3/04 062
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022501628
(86)(22)【出願日】2020-11-09
(86)【国際出願番号】 JP2020041652
(87)【国際公開番号】W WO2021166337
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2022-03-30
(31)【優先権主張番号】P 2020026519
(32)【優先日】2020-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷澤 昇治
(72)【発明者】
【氏名】岡田 雄介
(72)【発明者】
【氏名】山岸 雅治
【審査官】渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-151174(JP,A)
【文献】特開2018-70076(JP,A)
【文献】特開2007-39020(JP,A)
【文献】特開2016-52862(JP,A)
【文献】国際公開第2011/135270(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 1/00
B60K 1/04
B60K 11/04
B60K 6/40
H02G 3/04
H02G 3/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体のフロアの下側において、左右のサイドメンバ間に形成されたタンク収納部に配設された燃料タンクと、
前記左右のサイドメンバ間を連結するクロスメンバを挟んで前記タンク収納部と前後方向に並設されたバッテリ収納部に配設された走行用バッテリと、
前記タンク収納部に対して車両前後方向の前記バッテリ収納部とは反対側に配設された走行用モータと、
前記走行用バッテリから前記走行用モータへ電力を供給する電力線と、
を備えるハイブリッド車両における電力線の配索構造であって、
前記タンク収納部の一部が、前記左右のサイドメンバ及び前記クロスメンバにより構成され、
前記電力線は、前記走行用バッテリの端子台から前記燃料タンクの左右何れか一方を迂回するように、前記クロスメンバの側壁から前記左右何れか一方のサイドメンバの側壁に沿って延設されるとともに、前記クロスメンバの側壁に沿った領域に、弛みをもたせた余長領域が形成されている
ことを特徴とするハイブリッド車両における電力線の配索構造。
【請求項2】
前記電力線は、前記余長領域において、前記クロスメンバの側壁に沿って上方へ突出する山なりに延設されて弛みをもたせている
ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両における電力線の配索構造。
【請求項3】
前記走行用バッテリの端子台は、前記クロスメンバの下側に配設されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載のハイブリッド車両における電力線の配索構造。
【請求項4】
前記走行用バッテリの端子台には、前記電力線側の電力線側コネクタが接続される前記走行用バッテリ側のバッテリ側コネクタが前記燃料タンク側に形成され、
前記電力線側コネクタは、前記バッテリ側コネクタに接続された状態で前記クロスメンバから前記燃料タンク側に突出するとともに、前記燃料タンク側に突出した箇所から前記電力線が上方に延設される
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のハイブリッド車両における電力線の配索構造。
【請求項5】
前記走行用モータに冷却水を循環させて前記走行用モータを冷却する冷却配管をさらに備え、
前記冷却配管は、前記走行用モータから前記タンク収納部内に引き込まれて、前記燃料タンクの左右何れか他方を迂回して前記クロスメンバの側壁に沿うとともに、前記クロスメンバの側壁の箇所における前記電力線との交差箇所を経て延設され、
前記交差箇所において、前記冷却配管が前記クロスメンバ側に配設され、前記電力線が前記燃料タンク側に配設されている
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のハイブリッド車両における電力線の配索構造。
【請求項6】
前記交差箇所において、前記冷却配管に第1プロテクタ部材が嵌装され、前記電力線に第2プロテクタ部材が嵌装されている
ことを特徴とする請求項5に記載のハイブリッド車両における電力線の配索構造。
【請求項7】
前記第2プロテクタ部材は、前記交差箇所から前記左右何れか一方のサイドメンバに沿った領域まで延設されている
ことを特徴とする請求項6に記載のハイブリッド車両における電力線の配索構造。
【請求項8】
前記第2プロテクタ部材は、前記左右何れか一方のサイドメンバに沿った領域において、前記車体のフロアパネルに対してボルトにより固定され、
前記電力線は、前記余長領域において、前記クロスメンバの側壁に対して所定荷重により外れるクリップで固定されている
ことを特徴とする請求項7に記載のハイブリッド車両における電力線の配索構造。
【請求項9】
前記電力線は、前記余長領域において、可撓性を有した第3プロテクタ部材が嵌装されている
ことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載のハイブリッド車両における電力線の配索構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド車両における電力線の配索構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド車両として、例えば特許文献1には、車体の前部に走行用モータ及びエンジンを搭載し、車体の後部のフロア下に形成したIPU収納部内に、走行用バッテリやインバータ等からなるIPU(電動機用電気機器)を配設したものが開示されている。
走行用モータとIPUとはフロア下で三相の電力線を介して接続されているが、フロア下の中央にはタンク収納部が形成されてエンジンの燃料タンクが配設されているため、電力線は燃料タンクを避けるように配索されている。詳しくは、走行用モータからの電力線は、車幅方向の中央で後方へと延設されてタンク収納部内に引き込まれ、燃料タンクを迂回するようにタンク収納部の内側壁に沿って延設されながら適宜ブラケット等で固定されている。さらに電力線はタンク収納部から引き出され、再び車幅方向の中央で後方へと延設されてIPUに接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-40893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術は、IPUに含まれたインバータと走行用モータとを接続する電力線の配索構造であるが、これとは別に、走行用バッテリと走行用モータに一体化されたインバータとを接続する電力線の配索構造を採用したハイブリッド車両も存在する。
このようなハイブリッド車両では、例えば車体のフロア下において、左右のサイドメンバを連結するクロスメンバの前側にバッテリ収納部を形成して走行用バッテリを配設し、クロスメンバの後側にはタンク収納部を形成して燃料タンクを配設し、さらに燃料タンクの後側に、走行用バッテリからの電力を中継してインバータに供給するジャンクションボックスを配設している。結果として走行用バッテリとジャンクションボックスと間に燃料タンクが位置することから、走行用バッテリの端子台とジャンクションボックスの端子台とを接続する電力線は、特許文献1の技術と同じく燃料タンクを避けるように配索する必要が生じる。
【0005】
そこで、走行用バッテリの後面に設けた端子台からの電力線をタンク収納部内に引き込み、例えばタンク収納部内でクロスメンバの側壁に沿って左方に延設し、さらに左側のサイドメンバの側壁に沿って後方に延設しながら適宜ブラケット等で固定している。これにより電力線はタンク収納部内で燃料タンクを迂回するように配索され、さらに電力線をタンク収納部から引き出してジャンクションボックスの端子台に接続している。
【0006】
しかしながら、このような電力線の配索構造では、他車両に側面衝突(以下、側突と略称する)された場合の電力線の保護の点で改良の余地があった。
例えば、上記のように左側のサイドメンバに電力線が固定されている場合、他車両が左方から走行用バッテリと一致する前後位置で側突すると、衝撃を受けて圧壊した走行用バッテリと共に端子台も右方に位置変位する。これに対して電力線は、クロスメンバ及びサイドメンバの側壁に固定されて位置変位を規制されているため、端子台の位置変位に伴って電力線に大きな張力が生じて断線等の損傷を与えてしまう。また、仮にブラケット等が破損して電力線への拘束が解除されたとしても、衝撃から免れてほとんど位置変位しない燃料タンクにより端子台に追従した電力線の挙動が妨げられることから、やはり過大な張力による電力線の損傷は避けられない。
【0007】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、タンク収納部内で燃料タンクを迂回するように配索した電力線を介して走行用バッテリと走行用モータ側とを接続した電力線の配索構造において、他車両による側突時に電力線を確実に保護することができるハイブリッド車両における電力線の配索構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明のハイブリッド車両における電力線の配索構造は、車体のフロアの下側において、左右のサイドメンバ間に形成されたタンク収納部に配設された燃料タンクと、前記左右のサイドメンバ間を連結するクロスメンバを挟んで前記タンク収納部と前後方向に並設されたバッテリ収納部に配設された走行用バッテリと、前記タンク収納部に対して車両前後方向の前記バッテリ収納部とは反対側に配設された走行用モータと、前記走行用バッテリから前記走行用モータへ電力を供給する電力線と、を備えるハイブリッド車両における電力線の配索構造であって、前記タンク収納部の一部が、前記左右のサイドメンバ及び前記クロスメンバにより構成され、前記電力線が、前記走行用バッテリの端子台から前記燃料タンクの左右何れか一方を迂回するように、前記クロスメンバの側壁から前記左右何れか一方のサイドメンバの側壁に沿って延設されるとともに、前記クロスメンバの側壁に沿った領域に、弛みをもたせた余長領域が形成されていることを特徴とする(請求項1)。
【0009】
このように構成したハイブリッド車両における電力線の配索構造によれば、例えば、他車両が左右何れか一方(電力線が燃料タンクを迂回している側)から走行用バッテリと一致する前後位置で側突した場合、走行用バッテリは衝撃を受けて左右方向に圧壊し、それに伴って端子台が左右何れか他方に位置変位する。位置変位に伴って電力線の余長領域が引き延ばされるため、電力線に生じる張力の増加が抑制される。
【0010】
その他の態様として、前記電力線が、前記余長領域において、前記クロスメンバの側壁に沿って上方へ突出する山なりに延設されて弛みをもたせていることが好ましい(請求項2)。
このように構成したハイブリッド車両における電力線の配索構造によれば、電力線が山なりに延設されることにより弛みをもたせた余長領域が形成される。
【0011】
その他の態様として、前記走行用バッテリの端子台が、前記クロスメンバの下側に配設されていることが好ましい(請求項3)。
このように構成したハイブリッド車両における電力線の配索構造によれば、端子台がクロスメンバの下側に位置しているため、電力線は端子台から直接的にクロスメンバの側壁に導かれる。
【0012】
その他の態様として、前記走行用バッテリの端子台に、前記電力線側の電力線側コネクタが接続される前記走行用バッテリ側のバッテリ側コネクタが前記燃料タンク側に形成され、前記電力線側コネクタが、前記バッテリ側コネクタに接続された状態で前記クロスメンバから前記燃料タンク側に突出するとともに、前記燃料タンク側に突出した箇所から前記電力線が上方に延設されていることが好ましい(請求項4)。
【0013】
このように構成したハイブリッド車両における電力線の配索構造によれば、電力線は端子台から上方に引き出されて延設方向を大きく変更することなくクロスメンバの側壁上を上方へと配索される。
その他の態様として、前記走行用モータに冷却水を循環させて前記走行用モータを冷却する冷却配管をさらに備え、前記冷却配管が、前記走行用モータから前記タンク収納部内に引き込まれて、前記燃料タンクの左右何れか他方を迂回して前記クロスメンバの側壁に沿うとともに、前記クロスメンバの側壁の箇所における前記電力線との交差箇所を経て延設され、前記交差箇所において、前記冷却配管が前記クロスメンバ側に配設され、前記電力線が前記燃料タンク側に配設されていることが好ましい(請求項5)。
【0014】
このように構成したハイブリッド車両における電力線の配索構造によれば、他車両の側突時には冷却配管に妨げられることなく、走行用バッテリの端子台の位置変位に追従した電力線の挙動が可能となる。
その他の態様として、前記交差箇所において、前記冷却配管に第1プロテクタ部材が嵌装され、前記電力線に第2プロテクタ部材が嵌装されていることが好ましい(請求項6)。
【0015】
このように構成したハイブリッド車両における電力線の配索構造によれば、冷却配管の熱が第1及び第2プロテクタ部材に遮られることから、バッテリ側電力ケーブルへの熱害が防止される。
その他の態様として、前記第2プロテクタ部材が、前記交差箇所から前記左右何れか一方のサイドメンバに沿った領域まで延設されていることが好ましい(請求項7)。
【0016】
このように構成したハイブリッド車両における電力線の配索構造によれば、他車両の左右何れか一方からの側突時には、衝撃を受けて変形したサイドメンバと燃料タンクとにより電力線が挟み込まれる場合があるが、第2プロテクタ部材により電力線が保護される。
その他の態様として、前記第2プロテクタ部材が、前記左右何れか一方のサイドメンバに沿った領域において、前記車体のフロアパネルに対してボルトにより固定され、前記電力線が、前記余長領域において、前記クロスメンバの側壁に対して所定荷重により外れるクリップで固定されていることが好ましい(請求項8)。
【0017】
このように構成したハイブリッド車両における電力線の配索構造によれば、車両走行時の振動等による余長領域の周期的な揺れは、バッテリ側電力ケーブルを劣化させる要因になり得るが、このような事態がクリップの固定により防止される。
その他の態様として、前記電力線が、前記余長領域において、可撓性を有した第3プロテクタ部材が嵌装されていることが好ましい(請求項9)。
【0018】
このように構成したハイブリッド車両における電力線の配索構造によれば、電力線に嵌装された第3プロテクタ部材が可撓性を有するため、走行用バッテリの端子台の位置変位に追従した電力線の挙動が可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明のハイブリッド車両における電力線の配索構造によれば、タンク収納部内で燃料タンクを迂回するように配索した電力線を介して走行用バッテリと走行用モータ側とを接続した電力線の配索構造において、他車両による側突時に電力線を確実に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態のハイブリッド車両の後部を示す底面図である。
図2】ハイブリッド車両の後部を後方より見たフロアに対する駆動ユニット及び電源ユニットの位置関係を示す断面図である。
図3】ハイブリッド車両の車体の後部底面を斜め後方より見たタンク収納部内での電力線の配索状態を示す斜視図である。
図4】前部フロアクロスメンバの側壁を後方から見た図1の矢視Aと、左側のサイドメンバの側壁を右方から見た矢視Bとを一平面上に表した模式図である。
図5】クリップによるバッテリ側電力ケーブルの固定状態を示す図4のV-V線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を具体化したハイブリッド車両における電力線の配索構造の一実施形態を説明する。
図1は実施形態のハイブリッド車両の後部を示す底面図、図2は同じくハイブリッド車両の後部を後方より見たフロアに対する駆動ユニット及び電源ユニットの位置関係を示す断面図である。以下の説明では、車両に搭乗した運転者を主体として前後、左右及び上下方向を表現する。
【0022】
図1,2に示すように、ハイブリッド車両1の車体を構成するフロア2の下面には左右一対のサイドメンバ3l,3rが設けられ、各サイドメンバ3l,3rはそれぞれフロア2との間で閉断面を形成して前後方向に延設されている。
図1に二点鎖線で示すように、フロア2の下側にはリヤサスクロスメンバ4が配設され、その左右両側が各サイドメンバ3l,3rから吊下支持されている。詳しくは左右のサイドメンバ3l,3rの前位置及び後位置には支持マウントとして固定点5fl,5fr,5rl,5rrが設けられ、リヤサスクロスメンバ4の前部左右及び後部左右が各固定点5fl,5fr,5rl,5rrから吊下支持されている。また前位置の固定点5fl,5frからリヤサスクロスメンバ4の左右両側は前方に延設され、それぞれ一対のボルト6l,6rにより左右のサイドメンバ3l,3rに締結されている。
【0023】
リヤサスクロスメンバ4の左側部及び右側部には、それぞれ図示しないダブルウィッシュボーン式のサスペンションを介して左右の後輪7(図1では右側のみ図示)が支持されている。当該サスペンションの構成は周知であるため、詳細は説明しないが、アッパアーム、ロアアーム、トーコントロールリンク、スプリング、アブソーバ等から構成されている。フロア2の下側においてリヤサスクロスメンバ4には、駆動ユニット8として走行用モータ9、走行用モータ9に一体的に設けられたインバータ10、及び減速機として機能するトランスアクスル11が図示しない支持マウントを介して取り付けられ、トランスアクスル11には左右一対の駆動軸12を介して左右の後輪7が連結されている。
【0024】
走行用モータ9はインバータ10により駆動制御される。例えば力行制御時には、後述する走行用バッテリ34からの直流電力がインバータ10で三相交流電力に変換されて走行用モータ9に供給され、走行用モータ9の回転がトランスアクスル11内で減速されて駆動軸12を介して左右の後輪7が駆動される。また回生制御時には、左右の後輪7の回転が駆動軸12及びトランスアクスル11を介して走行用モータ9に伝達され、走行用モータ9により発電された三相交流電力がインバータ10により直流電力に変換されて走行用バッテリ34に充電される。
【0025】
図2に示すようにフロア2上には、電源ユニット20として左側よりジャンクションボックス21、充電器22及びDC-ACインバータ23が取り付けられている。周知のようにジャンクションボックス21は、走行用バッテリ34と走行用モータ9等の各種電気負荷とを接続する機器であり、充電器22は、充電ステーション等での外部電源からの電力を走行用バッテリ34に充電する機器であり、DC-ACインバータ23は、走行用バッテリ34の直流電力を100Vの交流電力に変換して家電を使用可能とする機器である。なお、電源ユニット20はカバー24により上方から覆われ、電源ユニット20の直上には図示しない3列目シートが配設されている。
【0026】
図示はしないが、ジャンクションボックス21は電力ケーブルを介して充電器22及びDC-ACインバータ23にそれぞれ接続されている。また図1,2に示すように、ジャンクションボックス21の下面には端子台21aが設けられ、フロア2に形成された貫通孔2aに嵌め込まれて下方に突出している。端子台21aの後面にはモータ側電力ケーブル25の一端が接続され、その他端はインバータ10の端子台10aの左側面に接続されている。
【0027】
詳細については後述するが、ジャンクションボックス21の端子台21aの前面は、バッテリ側電力ケーブル26(電力線)を介して走行用バッテリ34と接続されている。走行用バッテリ34と充電器22、DC-ACインバータ23及び走行用モータ9のインバータ10との間の電力の遣り取りは、ジャンクションボックス21を中継して行われる。例えば、走行用バッテリ34からの直流電力がジャンクションボックス21を介してDC-ACインバータ23に供給され、100Vの交流電力に変換されて家電の作動に利用される。また、充電ステーション等で外部電源から供給された交流電力が充電器22により直流電力に変換され、ジャンクションボックス21を介して走行用バッテリ34に充電される。また、上記した走行用モータ9の力行制御や回生制御も、ジャンクションボックス21を介して行われる。
【0028】
図3はハイブリッド車両1の車体の後部底面を斜め後方より見たタンク収納部内での電力線の配索状態を示す斜視図である。
図1,3に示すようにフロア2の下側において、左右のサイドメンバ3l,3rの間には前部、中部及び後部フロアクロスメンバ27~29がそれぞれ設けられ、各クロスメンバ27~29はフロア2の下面との間で閉断面を形成しつつ左右方向に延設されて、その両端が左右のサイドメンバ3l,3rに連結されている。そして、中部及び後部フロアクロスメンバ27~29の両端位置に、上記したリヤサスクロスメンバ4を吊下支持する各固定点5fl,5fr,5rl,5rrが設けられている。
【0029】
前部フロアクロスメンバ27は中部フロアクロスメンバ28よりも前側位置に配設され、フロア2下において、前部及び中部フロアクロスメンバ27,28の間には下方に開口するタンク収納部30が形成され、前部フロアクロスメンバ27の前側には下方に開口するバッテリ収納部31が形成されている。結果として、タンク収納部30とバッテリ収納部31とは前後方向に並設されている。タンク収納部30内には燃料タンク32が配設されて一対のブラケット33により固定され、その内部には車体の前部に搭載された図示しないエンジンに供給する燃料が貯留されている。バッテリ収納部31内には走行用バッテリ34が配設され、その周囲が図示しないボルトにより固定されている。
【0030】
図4は前部フロアクロスメンバ27の側壁を後方から見た図1の矢視Aと、左側のサイドメンバ3lの側壁を右方から見た矢視Bとを一平面上に表した模式図である。
図1,4に示すように、タンク収納部30内において前部フロアクロスメンバ27の側壁27aと左側のサイドメンバ3lの側壁3laとは、湾曲形成された角部36を介して連結されている。走行用バッテリ34の後面には端子台34aが設けられ、端子台34aは前部フロアクロスメンバ27の下側に位置し、その先端は、タンク収納部30内に面した前部フロアクロスメンバ27の側壁27aよりも若干後方(燃料タンク側)に突出している。図示はしないが、端子台34aに内蔵された端子は、走行用バッテリ34から後方に延設されて上方に屈曲したL字状をなしている。これにより、端子台34aの先端の突出箇所には上方に開口するコネクタ(走行用バッテリ側のバッテリ側コネクタ)が形成され、バッテリ側電力ケーブル26の一端に設けられた図示しないコネクタ(電力線側の電力線側コネクタ)を上方から接続可能となっている。
【0031】
このように端子台34aが前部フロアクロスメンバ27の下側に位置し、且つ端子台34aのコネクタが上方に開口している。このため、端子台34aのコネクタに接続されたバッテリ側電力ケーブル26のコネクタは燃料タンク32側に突出し、この突出箇所からバッテリ側電力ケーブル26が上方に引き出されて直接的に前部フロアクロスメンバ27の側壁27aに導かれ、さらに延設方向を大きく変更することなく側壁27a上を上方へと配索されている。詳細は後述するが、このような上方への引出し状態は、弛みをもたせたバッテリ側電力ケーブル26の配索を目的としたものである。
【0032】
なお、この引出し状態を実現できるものであれば、コネクタの構造は上記に限るものではない。例えば、L字状の端子に代えてI字状の端子を用いて、端子台34aに後方に開口するコネクタを形成し、バッテリ側電力ケーブル26の端部には、ケーブル長手方向に対して直交して開口するコネクタを設ける。バッテリ側電力ケーブル26を上方に延ばした姿勢でコネクタを後方から端子台34aのコネクタに接続する。この場合でもバッテリ側電力ケーブル26は端子台34aから上方に引き出される。
【0033】
そして、同じく弛みをもたせたバッテリ側電力ケーブル26の配索のために、端子台34aは角部36に対して図4に示す距離Lだけ右方に離間し、この距離Lに相当する前部フロアクロスメンバ27の側壁27a上の領域を利用して、以下に述べるように、バッテリ側電力ケーブル26が弛みをもたせて配索されている。以下の説明では、このバッテリ側電力ケーブル26の弛みをもたせた箇所を余長領域26aと称し、余長領域26aが配索される距離Lに相当する側壁27a上の領域を余長配索領域37と称する。
【0034】
バッテリ側電力ケーブル26の配索には、同じくタンク収納部30内に配索されている冷却配管38が係わるため、まず、冷却配管38の配索状態について説明する。冷却配管38は、走行用モータ9と車体前部に配置された図示しない放熱器との間で冷却水を循環させるために一対の管路として設けられ、この冷却水の循環により走行用モータ9の冷却作用が奏される。
【0035】
図1,3,4に示すように、各冷却配管38は一端を走行用モータ9に接続されて前方に延設され、タンク収納部30内に引き込まれて燃料タンク32の右側(左右何れか他方)を迂回して前方に延設され、さらに前部フロアクロスメンバ27の側壁27aに沿って左方に延設されている。そして、前部フロアクロスメンバ27の側壁27aと左側のサイドメンバ3lの側壁3laとの間の角部36において、各冷却配管38は下方に屈曲してタンク収納部30から引き出されており、この下方への屈曲箇所で、各冷却配管38には断熱性及び弾性を有する合成樹脂材料からなるパイプ状の断熱材39(第1プロテクタ部材)が嵌装されている。さらに各冷却配管38は前方に屈曲されて前部フロアクロスメンバ27の下面を越えて前方へと延設され、図示はしないが放熱器に接続されている。
【0036】
高温の冷却水が循環する冷却配管38からの熱害を避けるために、バッテリ側電力ケーブル26はタンク収納部30内で冷却配管38とは反対側に配索されている。即ち、バッテリ側電力ケーブル26の一端はジャンクションボックス21の端子台21aの前面に接続され、バッテリ側電力ケーブル26はタンク収納部30内に引き込まれ、燃料タンク32の左側(左右何れか一方)を迂回するように左側のサイドメンバ3lの側壁3laに沿って前方へと延設されている。
【0037】
バッテリ側電力ケーブル26のタンク収納部30内への引き込み箇所には、高い強度を有する合成樹脂材料からなるパイプ状の第1被覆材40が嵌装され、図示はしないが第1被覆材40に一体形成されたブラケットがタンク収納部30の底壁30a等にボルトで固定されている。同様に、バッテリ側電力ケーブル26のサイドメンバ3lの側壁3laに沿った箇所には、高い強度を有する合成樹脂材料からなるパイプ状の第2被覆材41(第2プロテクタ部材)が嵌装され、第2被覆材41に一体成型された一対のブラケット41a,41bがタンク収納部30の底壁30a及びサイドメンバ3lの側壁3laにそれぞれボルト42で固定されている。
【0038】
第1及び第2被覆材40,41の嵌装により、バッテリ側電力ケーブル26はタンク収納部30の底壁30aやサイドメンバ3lの側壁3laに倣った所定の形状に保たれて、車両走行時の振動等による位置変位を防止されている。また、他車両の左方からの側突時には、衝撃を受けて右方に変形したサイドメンバ3lと燃料タンク32とによりバッテリ側電力ケーブル26が挟み込まれる場合があるが、強固な第1及び第2被覆材40,41によりバッテリ側電力ケーブル26が保護されて断線等の損傷が防止される。
【0039】
なお第1及び第2被覆材40,41の特性は上記に限るものではなく、例えば、後述する第3被覆材43のようにウレタン材等で高い衝撃吸収性を付与して、バッテリ側電力ケーブル26を保護するようにしてもよい。
第2被覆材41はサイドメンバ3lの側壁3laに沿って前方に延び、角部36において右方に湾曲して前部フロアクロスメンバ27の側壁27aまで達している。第2被覆材41の湾曲箇所は角部36に比較して曲率が大であるため、湾曲箇所と角部36との間には間隙が形成され、この間隙内に各冷却配管38に嵌装された断熱材39が位置している。結果として角部36では、バッテリ側電力ケーブル26と冷却配管38とが交差し(交差箇所)、それぞれに嵌装された第2被覆材41と断熱材39とが軽く接触、或いは僅かに離間している。
【0040】
冷却配管38は高温であるものの、その熱は断熱材39及び第2被覆材41に遮られることから、バッテリ側電力ケーブル26への熱害が防止される。また、車両走行時の振動等を受けて第2被覆材41と断熱材39とが擦れ合う場合もあるが、バッテリ側電力ケーブル26と冷却配管38との直接的な接触が防止されるため、これに起因するバッテリ側電力ケーブル26の破損等のトラブルが未然に防止される。
【0041】
そして、上記したバッテリ側電力ケーブル26と冷却配管38との交差状態は、冷却配管38を前側(前部フロアクロスメンバ27の側壁27a側)とし、バッテリ側電力ケーブル26を後側(燃料タンク32側)としたものである。このため、後述する他車両の側突時には、前部フロアクロスメンバ27の側壁27aに固定された冷却配管38に妨げられることなく、走行用バッテリ34の端子台34aの位置変位に追従したバッテリ側電力ケーブル26の挙動が可能となっている。
【0042】
図4に示すようにバッテリ側電力ケーブル26は、第2被覆材41の端部(角部36の端)からさらに前部フロアクロスメンバ27の側壁27aに沿って余長配索領域37上を右方へと延設されている。この余長配索領域37において、バッテリ側電力ケーブル26は余長領域26aとして弛みをもって配索されると共に、第3被覆材43(第3プロテクタ部材)が嵌装され、余長領域26aの端部に設けられたコネクタが走行用バッテリ34の端子台34aのコネクタに接続されている。
【0043】
以下、このバッテリ側電力ケーブル26の余長領域26aの配索状態を、図4に基づき端子台34a側を始点として説明する。まずバッテリ側電力ケーブル26は端子台34aから上方に引き出されて、側壁27aの余長配索領域37において、前部フロアクロスメンバ27の側壁27aに沿って上方に延設されると共に、サイドメンバ3lに向かうにつれて下方に延設され、さらに角部36の領域を経てサイドメンバ3lの側壁3laへと連続している。このようにバッテリ側電力ケーブル26は、山なりに延設されて余長領域26aが形成されることにより弛みがもたされている。
【0044】
そして、上記したように端子台34aを前部フロアクロスメンバ27の下側に位置させ、且つ端子台34aのコネクタを上方に開口させているため、バッテリ側電力ケーブル26を無理に屈曲させることなく、側壁27aの余長配索領域37上に余長領域26aを形成することができる。
図5はクリップによるバッテリ側電力ケーブル26の固定状態を示す図4のV-V線断面図である。
【0045】
図4,5に示すように、余長領域26aの頂点に相当するバッテリ側電力ケーブル26の部位は、クリップ45により前部フロアクロスメンバ27の側壁27aに固定されている。
クリップ45は合成樹脂材料により一体成型され、リング状の保持部45a及び保持部45aの一側に設けられた掛止部45bからなる。保持部45aには第3被覆材43が外嵌され、掛止部45bは、前部フロアクロスメンバ27の側壁27aに貫設されたクリップ孔46に弾性をもって挿入・掛止されている。これによりクリップ45及び第3被覆材43を介して、バッテリ側電力ケーブル26の余長領域26aが側壁27aの余長配索領域37上に固定されている。車両走行時の振動等による余長領域26aの周期的な揺れは、バッテリ側電力ケーブル26を劣化させる要因になり得るが、クリップ45の固定により、このような事態を未然に防止することができる。
【0046】
バッテリ側電力ケーブル26に嵌装された第3被覆材43に対しクリップ45の保持部45aを外嵌させるために、例えば、図5中に示す分割線47を境界として保持部45aと共に掛止部45bが上下に分割されている。この場合のバッテリ側電力ケーブル26の固定手順は、まず掛止部45bを分離しておき、予め第3被覆材43を嵌装したバッテリ側電力ケーブル26を側方から掛止部45bの間を経て保持部45a内に挿入する。次いで、掛止部45bを結合すると保持部45a内に第3被覆材43が隙間なく保持され、この状態で掛止部45bを側壁27aのクリップ孔46内に挿入する。掛止部45bは自己の弾性で拡開してクリップ孔46に掛止され、以上で固定作業が完了する。
【0047】
合成樹脂製のクリップ45の掛止部45bによる掛止は、例えば第2被覆材41を固定する金属製のボルト42による締結等に比較して弱い。このため、例えば車両走行に伴う振動等のように通常時にクリップ45が受ける力では掛止が維持されるものの、より大きな所定荷重(具体的には、以下に述べる端子台34aの位置変位に伴ってバッテリ側電力ケーブル26に生じる張力)が作用したときには掛止が解除されて、クリップ45が側壁27aから脱落する。結果として他車両の側突時には、クリップ45による拘束に妨げられることなく、走行用バッテリ34の端子台34aの位置変位に追従したバッテリ側電力ケーブル26の挙動が可能となる。
【0048】
一方、第3被覆材43は、第1及び第2被覆材41とは異なる特性が付与されている。即ち、第3被覆材43はウレタン材等から製作され、高い衝撃吸収性と可撓性とを兼ね備えている。このため、他車両の側突時に高い強度によりバッテリ側電力ケーブル26を保護する第1及び第2被覆材41とは異なり、第3被覆材43は衝撃を吸収することで内部のバッテリ側電力ケーブル26を保護する。例えば他車両の側突時には、破損した周辺部材がバッテリ側電力ケーブル26に接触する場合もあるが、第3被覆材43に保護されてバッテリ側電力ケーブル26は損傷を未然に防止される。
【0049】
そして、同時に第3被覆材43は高い可撓性を有しているため、他車両の側突時には、第3被覆材43に妨げられることなく、走行用バッテリ34の端子台34aの位置変位に追従したバッテリ側電力ケーブル26の挙動が可能となっている。
次に、以上のように構成されたバッテリ側電力ケーブル26の配索構造により奏される他車両の側突時の保護作用について説明する。
【0050】
例えば、他車両が左方から走行用バッテリ34と一致する前後位置で側突した場合、走行用バッテリ34は衝撃を受けて左右方向に圧壊し、それに伴って、図4中に二点鎖線で示すように端子台34aが右方に位置変位する。位置変位によりバッテリ側電力ケーブル26に張力が生じ、この張力は、バッテリ側電力ケーブル26を固定しているクリップ45に対して下方への力として作用する。端子台34aの右方への位置変位に従ってバッテリ側電力ケーブル26の張力は増加するが、バッテリ側電力ケーブル26に断線等の損傷が生じる以前に、クリップ45の掛止部45bによる掛止が解除される。
【0051】
これによりバッテリ側電力ケーブル26はクリップ45に拘束されなくなり、その張力が急減する。端子台34aはさらに右方へと位置変位するが、半円状をなす余長領域26aが右方に引き延ばされることによりバッテリ側電力ケーブル26の張力の増加が抑制され、張力に起因する断線等の損傷が未然に防止される。
このような張力の抑制作用は余長領域26aによって奏されるものであり、バッテリ側電力ケーブル26の他の領域の拘束状態とは全く関係なく確実に得られる作用である。
【0052】
即ち、側突の状況によっては、サイドメンバ3lの側壁3laにバッテリ側電力ケーブル26を固定しているブラケット41a,41bが損傷しない場合があり、また、燃料タンク32が衝撃から免れて変形しない場合もある。[発明が解決しようとする課題]で述べた従来技術のように、仮に本実施形態のバッテリ側電力ケーブル26においても余長領域26aが設けられていないとすると、前者の場合には、ブラケット41a,41bによりサイドメンバ3lの側壁3laへの固定状態が保たれてバッテリ側電力ケーブル26に張力が生じ、後者の場合には、端子台34aに追従したバッテリ側電力ケーブル26の挙動が燃料タンク32により妨げられて張力が生じ、何れの場合も断線等の損傷の要因になる。
【0053】
本実施形態では余長領域26aを設けることにより、このような状況に陥ることなく、如何なる側突の状況においてもバッテリ側電力ケーブル26に生じる張力を抑制できることから、結果として他車両の側突時においてバッテリ側電力ケーブル26を確実に保護することができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、車体の前側より順に、走行用バッテリ34、燃料タンク32及び走行用モータ9を配設して後輪7を駆動したが、これらの配置を逆転させて、車体の後側より順に、走行用バッテリ34、燃料タンク32、走行用モータ9を配設して前輪を駆動するようにしてもよい。
【0054】
また上記実施形態では、走行用バッテリ34とジャンクションボックス21とをバッテリ側電力ケーブル26を介して接続したが、ジャンクションボックス21を省略し、バッテリ側電力ケーブル26を介して走行用バッテリ34を走行用モータ9のインバータ10に直接接続してもよい。
また上記実施形態では、半円状の余長領域26aを形成したが、その形状はこれに限るものではなく任意に変更可能である。例えば、上側に凸の半円と下側に凸の半円とを組み合わせた略S字状をなす余長領域を形成してもよい。
【0055】
また上記実施形態では、バッテリ側電力ケーブル26の余長領域26aに第3被覆材43を嵌装し、且つクリップ45により前部フロアクロスメンバ27の側壁27aに固定したが、これらの要件は必ずしも必要ではなく、何れか一方或いは双方を省略してもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 ハイブリッド車両
2 フロア
3l,3rサイドメンバ
3la 側壁
9 走行用モータ
26 バッテリ側電力ケーブル(電力線)
26a 余長領域
27 前部フロアクロスメンバ(クロスメンバ)
27a 側壁
30 タンク収納部
31 バッテリ収納部
32 燃料タンク
34 走行用バッテリ
34a 端子台
38 冷却配管
39 断熱材(第1プロテクタ部材)
41 第2被覆材(第2プロテクタ部材)
42 ボルト
43 第3被覆材(第3プロテクタ部材)
45 クリップ
図1
図2
図3
図4
図5