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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-17
(45)【発行日】2023-10-25
(54)【発明の名称】弁装置
(51)【国際特許分類】
   F16T 1/22 20060101AFI20231018BHJP
   F16T 1/08 20060101ALI20231018BHJP
【FI】
F16T1/22 Z
F16T1/08 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019145914
(22)【出願日】2019-08-08
(65)【公開番号】P2021025620
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000133733
【氏名又は名称】株式会社テイエルブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100170896
【弁理士】
【氏名又は名称】寺薗 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100131200
【弁理士】
【氏名又は名称】河部 大輔
(72)【発明者】
【氏名】浅田 哲夫
【審査官】藤森 一真
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-280490(JP,A)
【文献】特開平01-131397(JP,A)
【文献】特開昭62-266281(JP,A)
【文献】特開平06-011057(JP,A)
【文献】米国特許第04623091(US,A)
【文献】韓国登録特許第10-0934995(KR,B1)
【文献】特開2016-118219(JP,A)
【文献】実開昭62-066096(JP,U)
【文献】特開平09-053795(JP,A)
【文献】特開2007-218332(JP,A)
【文献】特開2007-303629(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 11/00 - 11/24
F16K 21/00 - 24/06
F16K 31/18 - 31/34
F16K 31/64 - 31/72
F16T 1/20 - 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体の流入口および流出口、該流入口に連通する液体の貯留室が設けられたケーシングと、
前記貯留室に設けられ、前記流出口に連通する液体の第1排出孔、前記貯留室に収容され、前記第1排出孔を開閉するフロートを有する第1弁機構と、
前記貯留室に設けられ、前記流出口ではなく前記ケーシング外に連通し、前記第1排出孔よりも孔径が大きい液体の第2排出孔、前記貯留室に収容され、前記第2排出孔を開閉する弁体を有する第2弁機構とを備え、
前記第2弁機構は、前記貯留室に設けられ温度変化によって変位するように構成され、温度が所定値まで低下すると、前記弁体を開弁方向に変位させるように変位し、温度が所定値まで上昇すると、前記弁体を閉弁方向に変位させて前記第2排出孔を閉鎖するように変位する温度応動部材を有している
ことを特徴とする弁装置。
【請求項2】
請求項1に記載の弁装置において、
前記貯留室は、
前記流入口に連通すると共に、前記第1弁機構が設けられる第1貯留室と、
前記第1貯留室の下方に設けられ前記第1貯留室と連通すると共に、前記第2弁機構が設けられる第2貯留室とを有している
ことを特徴とする弁装置。
【請求項3】
請求項2に記載の弁装置において、
前記弁体は、前記第2排出孔の上方に配置され、
前記温度応動部材は、前記弁体の上方および下方の少なくとも一方に設けられている
ことを特徴とする弁装置。
【請求項4】
請求項3に記載の弁装置において、
前記第2弁機構は、前記弁体の上方および下方の一方に設けられ、前記弁体を開弁方向に付勢するバネを有しており、
前記温度応動部材は、前記弁体の上方および下方のうち前記バネとは異なる方に設けられ、前記バネの付勢力に抗して前記弁体を閉弁方向に変位させるように構成されている
ことを特徴とする弁装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、弁装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
弁装置として、蒸気システムに設けられ、蒸気の排出を抑制する一方、ドレンを排出するドレントラップが知られている。蒸気システムの運転開始時には、システム内に残存している低温ドレンに蒸気が混合することによって発生しうるウォーターハンマーを防止する観点から、残存している多量のドレンをドレントラップによっていち早く排出する必要がある。
【0003】
例えば特許文献1に開示されているドレントラップは、貯留室に、大きさの異なる2つの排出孔と、各排出孔を開閉する2つのフロートとが設けられている。このドレントラップでは、運転開始時には孔径が大きい下側の排出孔からドレンが排出される。圧力が上昇し通常の運転状態になると、下側の排出孔はフロートによって閉じられる。下側の排出孔は、ドレンが溜まってきても、フロートは浮上せずに閉じられたままである。これは、排出孔の上下流の圧力差によって生じるフロートの閉弁力が、浮力によって生じるフロートの開弁力よりも大きくなるように、下側の排出孔の大きさが設定されているからである。一方、上側の排出孔は、フロートがドレンの貯留位に応じて浮上降下することにより開閉される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-218332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような弁装置では、運転が終了し圧力が低下しても、フロートが下側の排出孔に固着してしまい該排出孔が閉じられたままになる虞があった。そうすると、次回の運転開始時に下側の排出孔からドレンを排出することができない虞がある。
【0006】
本願に開示の技術は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、確実に運転開始時には開弁しその後の運転時には閉弁することが可能な弁装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に開示の技術は、ケーシングと、第1弁機構と、第2弁機構とを備えた弁装置である。前記ケーシングは、液体の流入口、該流入口に連通する液体の貯留室が設けられている。前記第1弁機構は、前記貯留室に設けられた液体の第1排出孔、前記貯留室に収容され、前記第1排出孔を開閉するフロートを有している。前記第2弁機構は、前記貯留室に設けられ、前記第1排出孔よりも孔径が大きい液体の第2排出孔、前記貯留室に収容され、前記第2排出孔を開閉する弁体を有している。そして、前記第2弁機構は、温度応動部材を有している。前記温度応動部材は、前記貯留室に設けられ温度変化によって変位するように構成され、温度が所定値まで低下すると、前記弁体を開弁方向に変位させるように変位し、温度が所定値まで上昇すると、前記弁体を閉弁方向に変位させて前記第2排出孔を閉鎖するように変位する。
【発明の効果】
【0008】
本願に開示の技術によれば、確実に運転開始時には開弁しその後の運転時には閉弁することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係るドレントラップの概略構成を示す断面図である。
図2図2は、実施形態に係る第2弁機構を拡大して示す図であり、図3のA-A線における断面図である。
図3図3は、実施形態に係る第2弁機構の要部を示す断面図である。
図4図4は、実施形態に係る第2弁機構を示す図2相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本願の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本願に開示の技術、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0011】
本実施形態のドレントラップ1は、蒸気システム等に設けられ、ドレンが流入してきた場合にはドレンを流出させる一方、蒸気が流入してきた場合には蒸気の流出を阻止する。ドレントラップ1は弁装置の一例であり、ドレンは液体の一例である。
【0012】
図1に示すように、ドレントラップ1は、液体を含む流体の流路が形成されたケーシング10と、流路中に設けられ、流路を開閉する3つの弁機構30,40,50とを備えている。ケーシング10内に流入したドレンは、第1弁機構30および第2弁機構40を介してケーシング10から流出する。第3弁機構50は、基本的に、ケーシング10内に流入した空気を排出する。ただし、第3弁機構50は、ケーシング10内に流入したドレンを排出する場合もある。
【0013】
ケーシング10は、中部11と、該中部11の上下に取り付けられる上部12および下部13とを有している。ケーシング10には、ドレンの流入口21および流出口24と、ドレンの貯留室と、2つの排出通路25,26とが設けられている。貯留室は、流入口21に連通する第1貯留室22と、第1貯留室22の下方に設けられ、第1貯留室22と連通する第2貯留室23とを有している。第1排出通路25は、第1貯留室22と流出口24とを連通させ、第2排出通路26は、第1貯留室22と第1排出通路25とを連通させている。
【0014】
ケーシング10では、流入口21、2つの貯留室22,23、流出口24および2つの排出通路25,26によって流路が形成される。具体的には、流路は、ドレンを排出するための第1流路および第2流路と、空気およびドレンを排出するための第3流路を有している。第1流路は、流入口21、第1貯留室22、第1排出通路25および流出口24によって形成される。第2流路は、流入口21、第1貯留室22および第2貯留室23によって形成される。第3流路は、流入口21、第1貯留室22、第2排出通路26、第1排出通路25および流出口24によって形成される。
【0015】
第1貯留室22は、中部11と上部12とに跨って形成され、第2貯留室23は、下部13に形成されている。第1貯留室22と第2貯留室23とは、中部11の一部である仕切壁11aによって上下に区画されており、仕切壁11aに設けられた連通孔14を通じて連通している。第2貯留室23は、第1貯留室22よりも貯留容積が小さい。第2貯留室23は、第1貯留室22とは異なり、第1排出通路25および流出口24には連通しておらず、第2弁機構40を介してケーシング10の外部(大気)に連通している。
【0016】
流入口21および流出口24は中部11に設けられ、流入口21は第1貯留室22の上部に連通している。流入口21と流出口24とは、水平に延びる同一の軸上に形成されている。第1排出通路25は、中部11に形成されており、上流端が第1貯留室22の下部に接続され、下流端が流出口24に接続されている。第2排出通路26は、中部11と上部12とに跨って形成されており、上流端が第1貯留室22の上部に接続され、下流端が第1排出通路25に接続されている。なお、流入口21および流出口24は、蒸気システムの配管と接続される。
【0017】
第1弁機構30は、第1流路を開閉するものである。具体的に、第1弁機構30は、第1貯留室22から第1排出通路25にドレンを流出させる一方、第1貯留室22から第1排出通路25への蒸気の流出を阻止する弁機構である。第1弁機構30は、第1貯留室22に設けられており、第1弁体31および第1弁座32を有している。
【0018】
第1弁体31は、中空球形のフロートであり、第1貯留室22に自由状態で収容されている。第1弁座32は、第1貯留室22における第1排出通路25の接続部に設けられている。第1弁座32には、弁孔であるドレンの第1排出孔33が形成されている。つまり、第1排出孔33は、第1貯留室22に設けられ、第1貯留室22と第1排出通路25とを連通させている。第1排出孔33の上流端は、オリフィスを構成している。
【0019】
第1弁機構30では、第1貯留室22におけるドレンの貯留位(ドレン水位)に応じて第1弁体31が浮上降下し第1排出孔33を開閉する。具体的に、第1貯留室22のドレンが増加すると、第1弁体31が浮上して第1弁座32から離座し、第1排出孔33が開放される。一方、第1貯留室22のドレンが減少すると、第1弁体31が下降して第1弁座32に着座し、第1排出孔33が閉鎖される。こうして、第1排出孔33が開閉されることにより、第1流路が開閉される。
【0020】
より詳しくは、蒸気システムの運転時には、第1排出孔33の上流側の圧力は所定値(以下、運転時の圧力Paとも言う)まで上昇する。即ち、第1排出孔33の上下流において圧力差(上流側である第1貯留室22の圧力と、下流側である第1排出通路25の圧力との差)が生じる。一方、運転開始時(運転立ち上げ時)では、第1排出孔33の上流側の圧力は直ぐには上昇しないため、第1排出孔33の上流側の圧力は運転時の圧力Paよりも低い圧力(以下、運転開始時の圧力Pbとも言う)となる。即ち、運転開始時の第1排出孔33における圧力差は運転時よりも小さくなる。
【0021】
ここに、第1排出孔33(または後述する第2排出孔43)の上流側の圧力は、流入口21、第1貯留室22および第2貯留室23の圧力とも言え、第1貯留室22および第2貯留室23内のドレンの圧力とも言える。
【0022】
第1弁体31には、運転時の圧力Paおよび運転開始時の圧力Pbによって閉弁方向の力(以下、閉弁力とも言う)が作用する。言い換えれば、第1排出孔33において圧力差が生じることによって、第1弁体31に閉弁力が作用する。第1弁機構30では、第1貯留室22のドレン水位が所定位における第1弁体31の浮上力が、運転時の圧力Paによる第1弁体31の閉弁力よりも大きくなるように設定されている。そのため、第1弁機構30では、運転時および運転開始時のいずれかに拘わらず、第1貯留室22のドレン水位が所定位に達した場合、第1弁体31が浮上し、開弁される。
【0023】
なお、当然ながら、第1弁体31は、運転開始時の圧力Pbによる閉弁力よりも運転時の圧力Paによる閉弁力が大きい。また、上述した第1弁体31の浮上力は、第1弁体31に作用する浮力から自重を差し引いたものである。
【0024】
また、第1貯留室22には、流入口21との連通部にスクリーン27が設けられている。スクリーン27によって、流入口21から第1貯留室22への異物の流入が防止される。また、第1貯留室22には、上部寄りに弁カバー28が設けられている。弁カバー28は、第1弁座32の上方に設けられ、第1貯留室22を上下に仕切っている。弁カバー28は、第1弁体31が浮上して弁カバー28に接触することにより、第1弁体31が所定の高さ以上に浮上するのを規制するものである。なお、図示しないが、弁カバー28には流入口21からのドレンが流通する貫通孔が設けられている。
【0025】
第3弁機構50は、第3流路を開閉するものである。具体的に、第3弁機構50は、第1貯留室22から第2排出通路26に低温の空気やドレンを流出させる一方、第1貯留室22から第2排出通路26への蒸気の流出を阻止する弁機構である。第3弁機構50は、第1貯留室22の上部に設けられており、第3弁体51および第3弁座52を有している。
【0026】
第3弁体51は、温度変化によって変位する温度応動部材により構成されている。第3弁座52は、第1貯留室22における第2排出通路26の接続部に設けられている。第3弁座52には、弁孔である第3排出孔53が形成されている。第3排出孔53の上流端は、オリフィスを構成している。
【0027】
第3弁機構50では、温度変化によって第3弁体51が変位し第3排出孔53を開閉する。具体的に、第3弁体51(第2貯留室23)の温度が低くなると、第3弁体51が収縮して第3弁座52から離座し、第3排出孔53が開放される。一方、第3弁体51の温度が高くなると、第3弁体51が膨張して第3弁座52に着座し、第3排出孔53が閉鎖される。こうして、第3排出孔53が開閉されることにより、第3流路が開閉される。
【0028】
第2弁機構40は、第2流路を開閉するものである。具体的に、第2弁機構40は、第2貯留室23から直接、ケーシング10外(大気)にドレンを流出させる一方、第2貯留室23からケーシング10外への蒸気の流出を阻止する弁機構である。第2弁機構40は、第2貯留室23に設けられており、第2弁体41、第2弁座42、温度応動部材44、支持部材45およびバネ47を有している。
【0029】
図2図4にも示すように、第2弁体41は、本願の請求項に係る弁体に相当し、円板状(ディスク形)に形成されている。第2弁体41は、軸心が上下方向に延びる状態で第2貯留室23に収容されている。第2弁体41は、上下動自在に設けられている。第2弁体41は、後述する第2排出孔43の上方に配置され、上下動することによって第2排出孔43を開閉する。
【0030】
下部13は、上下方向に延びる略円筒状に形成され、内部が第2貯留室23となっている。下部13の内周面には、該内周面から径方向内方へ突出し且つ上下方向に延びるガイド部13aが設けられている。ガイド部13aは、下部13の周方向において複数(本実施形態では、3つ)設けられている(図3参照)。第2弁体41は、複数のガイド部13aの内側に設けられており、ガイド部13aに沿って上下動する。
【0031】
第2弁座42は、第2貯留室23の底部に設けられている。第2弁座42には、弁孔であるドレンの第2排出孔43が形成されている。つまり、第2排出孔43は、第2貯留室23の底部に設けられ、上下方向に開口している。第2排出孔43は、第2貯留室23とケーシング10外(大気)とを連通させている。第2排出孔43の上流端は、オリフィスを構成している。また、第2排出孔43は、第1排出孔33よりも孔径が大きい。ここに、孔径とは、各排出孔33,43の上流端の孔径(即ち、オリフィスの径)を意味する。
【0032】
温度応動部材44は、温度変化によって変位するバイメタルにより構成されている。温度応動部材44は、温度変化によって変位することにより、第2弁体41を開弁方向および閉弁方向に変位させる。
【0033】
バイメタルは、熱膨張係数の異なる2種類の金属または合金を強固に接着した板状のものである。本実施形態の温度応動部材44は、短冊状のバイメタル平板を螺旋状に巻いたものを更に螺旋状に巻いて二重つる巻き形に形成されている。
【0034】
温度応動部材44は、第2貯留室23において、第2弁体41の上方に設けられている。温度応動部材44は、一端が支持部材45に固定されており、他端が第2弁体41の上面に固定されている。温度応動部材44は、温度変化によって軸方向に伸縮するように構成されている。つまり、温度応動部材44は、温度低下により短縮し、温度上昇により伸長する。
【0035】
支持部材45は、温度応動部材44を支持するものであり、第2貯留室23において温度応動部材44の上方に設けられている。支持部材45は、略円板状に形成され、軸心が上下方向に延びる状態で設けられている。支持部材45は、直径が第2弁体41よりもやや小さく、第2弁体41と同軸に設けられている。温度応動部材44の一端は、支持部材45の下面に形成された環状の凹部45aに嵌め込まれて接続されている。温度応動部材44の他端は、第2弁体41の上面に形成された環状の凹部41aに嵌め込まれて接続されている。
【0036】
また、支持部材45は、上下方向の位置が変更可能に設けられている。具体的に、支持部材45は、ねじ46によって仕切壁11aに固定されている。仕切壁11aに対するねじ46のねじ込み長さを変えることで、支持部材45の上下方向の位置が変更される。また、支持部材45は、第1貯留室22から連通孔14を通じて第2貯留室23に流下するドレンが第2弁体41の上面に当たるのを抑制する邪魔板としても機能している。
【0037】
バネ47は、第2弁体41を開弁方向に付勢して温度応動部材44を補助するものであり、コイルバネにより構成されている。つまり、バネ47は、上下方向に弾性を有する弾性部材である。バネ47は、第2貯留室23における第2弁体41の下方に設けられ、第2弁体41を上方へ付勢している。バネ47は、一端が第2弁体41の下面に接続されて温度応動部材44と共に第2弁体41を支持している。
【0038】
バネ47の一端は、第2弁体41の下面に形成された環状の凹部41bに嵌め込まれて接続されている。バネ47の他端は、第2弁座42の上流側端面における第2排出孔43の周囲に形成された環状の凹部42aに嵌め込まれて接続されている。
【0039】
第2弁機構40は、第2貯留室23の温度に応じて第2弁体41が変位(上昇下降)し第2排出孔43を開閉するように構成されている。
【0040】
具体的に、第2弁機構40では、第2貯留室23の温度が所定の値(後述する運転開始時の温度Tb)まで低下すると、温度応動部材44が短縮して第2弁体41を開弁方向(上方)に変位させる。これにより、第2弁体41が第2弁座42から離座し、第2排出孔43が開放される。また、第2弁機構40では、第2貯留室23の温度が所定の値(後述する運転時の温度Ta)まで上昇すると、温度応動部材44が伸長して第2弁体41を閉弁方向(下方)に変位させる。これにより、第2弁体41が第2弁座42に着座し、第2排出孔43が閉鎖される。こうして、第2排出孔43が開閉されることにより、第2流路が開閉される。
【0041】
より詳しくは、蒸気システムの運転時には、第2排出孔43の上流側の圧力が運転時の圧力Paまで上昇すると共に、第1貯留室22および第2貯留室23の温度が所定値(以下、運転時の温度Taとも言う)まで上昇する。即ち、第2排出孔43の上下流において圧力差(上流側である第2貯留室23の圧力と下流側であるケーシング10外の大気圧との差)が生じる。
【0042】
一方、運転開始時(運転立ち上げ時)には、第2排出孔43の上流側の圧力が運転時の圧力Paよりも低い運転開始時の圧力Pbになると共に、第1貯留室22および第2貯留室23の温度が運転時の温度Taよりも低い温度(以下、運転開始時の温度Tbとも言う)になる。即ち、運転開始時の第2排出孔43における圧力差は運転時よりも小さくなる。
【0043】
第2弁体41には、第1弁体31と同様、運転時の圧力Paおよび運転開始時の圧力Pbによって閉弁力が作用する。言い換えれば、第2排出孔43において圧力差が生じることによって、第2弁体41には閉弁力が作用する。なお、当然であるが、第2弁体41は、運転開始時の圧力Pbによる閉弁力よりも運転時の圧力Paによる閉弁力が大きい。
【0044】
温度応動部材44の短縮する力は、バネ47の付勢力と合わせた力が、運転開始時の圧力Pbによる第2弁体41の閉弁力よりも大きくなるように設定されている。また、温度応動部材44の伸長する力は、運転時の圧力Paによる第2弁体41の閉弁力と同じ方向に作用する力であるため、それ程大きくなくてもよいが、バネ47の付勢力よりは大きく設定されている。また、当然であるが、バネ47の付勢力は、運転時の圧力Paによる第2弁体41の閉弁力よりも小さく設定されている。
【0045】
そのため、第2弁機構40は、運転開始時には、第2貯留室23の温度が運転開始時の温度Tbまで低下するので開弁し、その後の運転時には、第2貯留室23の温度が運転時の温度Taまで上昇するので閉弁する。
【0046】
〈運転開始時の動作〉
蒸気システムの運転開始時(運転立ち上げ時)における上述したドレントラップ1の動作について説明する。運転開始時は、第1排出孔33および第2排出孔43の上流側の圧力および温度は低い状態となっており、蒸気システムの配管等には低温低圧のドレンが残留している。つまり、第1貯留室22および第2貯留室23の圧力および温度が運転開始時の圧力Pbおよび温度Tbまで低下している。
【0047】
第1弁機構30では、第1貯留室22のドレンが無い場合またはドレン水位が所定位よりも低い場合は、第1弁体31が第1弁座32に着座し、第1排出孔33が閉鎖されている(図1参照)。第2弁機構40では、温度応動部材44の短縮力とバネ47の付勢力とを合わせた力が、運転開始時の圧力Pbによる第2弁体41の閉弁力よりも大きいため、第2弁体41が第2弁座42から離座し、第2排出孔43が開放されている(図2参照)。第3弁機構50では、第1貯留室22の温度が低いため、第3弁体51が第3弁座52から離座し、第3排出孔53が開放されている(図1参照)。つまり、第1弁機構30は閉弁し、第2弁機構40および第3弁機構50は開弁している。
【0048】
こうして、運転開始時には、第2弁機構40および第3弁機構50が開弁しており、蒸気システムの残留ドレンがドレントラップ1に流入する。ドレントラップ1では、流入口21から流入したドレンが、第1貯留室22から連通孔14を通じて第2貯留室23に流れ、第2排出孔43からケーシング10外に流出する(排出される)。第2排出孔43は第1排出孔33よりも孔径が大きいため、多量のドレンが素早く排出される。
【0049】
なお、蒸気システムの配管等に存在している空気も、残留ドレンと共にドレントラップ1に流入する。ドレントラップ1に流入した空気は、第1貯留室22から第3弁機構50を介して第2排出通路26に流出し、第1排出通路25を通って流出口24から流出していく。
【0050】
このように、ドレントラップ1は、運転開始時には、蒸気システム内に残留している低温ドレンおよび空気をいち早く排出する。
【0051】
また、ドレンが第1貯留室22から第2貯留室23へ流下する際、ドレンが第2弁体41の上面に当たることを支持部材45によって抑制することができる。そのため、ドレンが第2弁体41の上面に当たることによって発生しうる第2弁体41の揺れが防止される。さらに、第2弁体41は、温度応動部材44およびバネ47によって上下から支持されているため、例えば温度応動部材のみで支持される場合に比べて、ドレンが当たることに起因する第2弁体41の揺れが抑制される。
【0052】
〈運転時の動作〉
蒸気システムの運転時における上述したドレントラップ1の動作について説明する。運転時は、第1排出孔33および第2排出孔43の上流側の圧力および温度は高い状態となり、高温高圧のドレンがドレントラップ1に流入してくる。つまり、第1貯留室22および第2貯留室23の圧力および温度が運転時の圧力Paおよび温度Taまで上昇する。
【0053】
第2弁機構40では、温度応動部材44の伸長力がバネ47の付勢力よりも大きいため、第2弁体41が第2弁座42に着座し、第2排出孔43が閉鎖される(図4参照)。つまり、第2弁機構40は閉弁する。そのため、ドレントラップ1に流入したドレンは、第1貯留室22から第2貯留室23に流れて貯留されていく。
【0054】
第2貯留室23のドレンが満杯になると、第1貯留室22にドレンが溜まり始める。第1弁機構30では、第1貯留室22のドレン水位が所定位まで上昇すると、第1弁体31が浮上して第1弁座32から離座し、第1排出孔33が開放される。つまり、第1弁機構30は開弁する。そうすると、第1貯留室22のドレンは、第1弁機構30を介して第1排出通路25に流れて流出口24から流出していく。
【0055】
また、ドレンと共にドレントラップ1に流入した空気は、第1貯留室22の上部に滞留する。このとき、空気の温度がかなりの高温でない限り、第3弁体51の膨張量は小さく、第3弁体51は第3弁座52から離座したままである。つまり、第3弁機構50は開弁したままである。そのため、空気は、第3弁機構50を介して第2排出通路26に流出し、第1排出通路25を通って流出口24から流出していく。
【0056】
また、第1弁機構30からのドレンの流出量に対して流入口21から第1貯留室22へのドレンの流入量が多い場合には、第1貯留室22においてドレンは上部まで溜まる。そうすると、第3弁体51の温度はドレンの温度に近づくが、この場合でも、第3弁体51の膨張量は小さく、第3弁体51は第3弁座52から離座したままである。そのため、ドレンは、第3弁機構50を介して第2排出通路26に流出し、第1排出通路25を通って流出口24から流出していく。
【0057】
一方、流入口21から第1貯留室22に高温高圧の蒸気が流入した場合、第1貯留室22のドレンは、第1弁機構30から流出して減少していき、やがて第1弁体31が第1弁座32に着座する。こうして、第1弁機構30が閉弁し、第1排出孔33からの蒸気の流出が阻止される。また、第1貯留室22に蒸気が流入した場合、第3弁体51の温度が上昇する。そうすると、第3弁体51は膨張して第3弁座52に着座する。こうして、第3弁機構50が閉弁し、第3排出孔53からの蒸気の流出が阻止される。
【0058】
このように、ドレントラップ1は、運転時には、流入してきた高温ドレンおよび空気を下流側へ流出させる一方、流入してきた蒸気の流出を阻止する。また、運転時では、第2弁機構40は閉弁状態に維持され、第2貯留室23にはドレンが満杯に溜まったままである。
【0059】
蒸気システムの運転が停止すると、第1排出孔33および第2排出孔43の上流側の圧力および温度は次第に低下していく。そして、第2貯留室23の圧力および温度が運転開始時の圧力Pbおよび温度Tbまで低下すると、第2弁体41は温度応動部材44の短縮力およびバネ47の付勢力によって上昇し第2弁座42から離座する。こうして、第2弁機構40が開弁することで、第2貯留室23に溜まっていたドレンが第2排出孔43からケーシング10外に排出される。第2弁機構40は、次回の運転開始時まで開弁状態に維持される。
【0060】
以上のように、上記実施形態のドレントラップ1(弁装置)は、ケーシング10と、第1弁機構30と、第2弁機構40とを備えている。ケーシング10は、ドレンの流入口21、流入口21に連通するドレンの貯留室22,23が設けられている。第1弁機構30は、貯留室22,23に設けられたドレンの第1排出孔33、貯留室22,23に収容され、第1排出孔33を開閉する第1弁体31(フロート)を有している。第2弁機構40は、貯留室22,23に設けられ、第1排出孔33よりも孔径が大きいドレンの第2排出孔43、貯留室22,23に収容され、第2排出孔43を開閉する第2弁体41(弁体)を有している。第2弁機構40は、貯留室22,23に設けられ温度変化によって変位するように構成され、温度が所定値(運転開始時の温度Tb)まで低下すると、第2弁体41を開弁方向に変位させるように変位し、温度が所定値(運転時の温度Ta)まで上昇すると、第2弁体41を閉弁方向に変位させて第2排出孔43を閉鎖するように変位する温度応動部材44を有している。
【0061】
上記の構成によれば、第2弁機構40において確実に運転開始時には開弁させ運転時には閉弁させることができる。そのため、運転開始時に、蒸気システム内に残留している多量の低温ドレンおよび空気をいち早く排出することができる。したがって、低温ドレンに蒸気が混合することによって発生しうるウォーターハンマーを未然に防止することができる。
【0062】
また、上記実施形態のドレントラップ1において、貯留室は、流入口21に連通すると共に、第1弁機構30が設けられる第1貯留室22と、第1貯留室22の下方に設けられ第1貯留室22と連通すると共に、第2弁機構40が設けられる第2貯留室23とを有している。
【0063】
上記の構成によれば、2つの弁機構30,40がそれぞれの貯留室22,23に設けられるので、例えば1つの貯留室に2つの弁機構を設ける場合と比べて、フロートである第1弁体31を第2弁機構40との干渉を気にすることなく貯留室に自由状態で収容することができる。
【0064】
また、第2貯留室23が第1貯留室22の下方に設けられることにより、第2貯留室23のドレンには第1貯留室22のドレンの水頭が付加されるため、運転開始時において第2弁機構40によるドレンの排出能力が高くなる。
【0065】
また、上記実施形態のドレントラップ1において、第2弁機構40は、第2弁体41の下方に設けられ、第2弁体41を開弁方向に付勢するバネ47を有している。温度応動部材44は、第2弁体41の上方(上方および下方のうちバネ47とは異なる方)に設けられ、バネ47の付勢力に抗して第2弁体41を閉弁方向に変位させるように構成されている。
【0066】
上記の構成によれば、第2弁体41の開弁動作がバネ47の付勢力によって補助されるため、第2弁体41を開弁方向に変位させるための温度応動部材44の短縮力(変位力)を軽減することができる。一方、温度応動部材44は、バネ47の付勢力に抗して第2弁体41を閉弁方向に変位させるため、即ち第2弁体41を閉弁方向に変位させる温度応動部材44の伸長力(変位力)がバネ47の付勢力よりも大きいため、確実に温度応動部材44によって閉弁することができる。
【0067】
また、上記実施形態のドレントラップ1によれば、第2排出孔43が第2貯留室23の底部に設けられているので、第2貯留室23のドレンの水頭をできるだけ稼ぐことができ、第2弁機構40によるドレンの排出能力がより高くなる。
【0068】
また、上記実施形態のドレントラップ1によれば、第2弁体41は円板状に形成されたいわゆるディスク形の弁体であるため、例えば球形のフロートと比べて、第2弁機構40の設置スペースを削減することができる。
【0069】
また、上記実施形態のドレントラップ1によれば、第1貯留室22から流下するドレンが第2弁体41の上面に当たることを抑制する邪魔板として支持部材45を兼用しているので、邪魔板を別途設ける必要がない。
【0070】
そして、第1貯留室22から流下するドレンが第2弁体41の上面に当たることを抑制できることから、ドレンが当たることによって発生しうる第2弁体41の揺れを抑制することができる。第2弁体41が不規則に揺れると、第2排出孔43へ向かうドレンの流れが乱れてしまい、それによってドレンの排出効率が損なわれる虞があるが、本実施形態ではそれを防止することができる。
【0071】
また、上記実施形態のドレントラップ1によれば、支持部材45の上下方向の位置が変更可能であるため、温度応動部材44による第2弁体41の開弁方向または閉弁方向の変位距離を調節することができる。
【0072】
(その他の実施形態)
上記実施形態のドレントラップ1について、以下のような構成としてもよい。
【0073】
例えば、上記実施形態のドレントラップ1において、温度応動部材は第2弁体の下方にバネは第2弁体の上方に設けるようにしてもよい。その場合、バネは、第2弁体を開弁方向(上方)に付勢する引っ張りバネとして構成される。一方、温度応動部材は、第2貯留室の温度が運転開始時の温度Tbまで低下すると、伸長して第2弁体を開弁方向(上方)に変位させるように構成される。これにより、第2排出孔が開放される。また、温度応動部材は、第2貯留室の温度が運転時の温度Taまで上昇すると、短縮して第2弁体を閉弁方向(下方)に変位させるように構成される。つまり、温度応動部材は、バネの付勢力に抗して第2弁体を閉弁方向に変位させる。これにより、第2排出孔が閉鎖される。
【0074】
そして、上記の場合、温度応動部材の伸長する力は、バネの付勢力と合わせた力が、運転開始時の圧力Pbによる第2弁体の閉弁力よりも大きくなるように設定される。また、温度応動部材の短縮する力は、運転時の圧力Paによる第2弁体の閉弁力と同じ方向に作用する力であるため、それ程大きくなくてもよいが、バネの付勢力よりは大きく設定される。また、当然であるが、バネの付勢力は、運転時の圧力Paによる第2弁体の閉弁力よりも小さく設定される。
【0075】
また、上記実施形態のドレントラップ1では、温度応動部材44を第2弁体41に接続(固定)するようにしたが、温度応動部材と第2弁体とは互いに離隔可能な非接続状態としてもよい。この例の場合、運転開始時では、第2弁体はバネの付勢力によって開弁方向(上方)に変位し、運転時では、第2弁体は温度応動部材の伸長力によって閉弁方向(下方)に変位する。この例によれば、例えば運転時において温度応動部材が適切に動作(伸長)しなかった場合でも、運転時の圧力Paによる第2弁体の閉弁力によって第2弁体を閉弁方向に変位させることが可能である。つまり、第2弁体は温度応動部材と離隔して閉弁方向に変位することができる。そのため、第2弁機構の閉弁動作の信頼性が向上する。
【0076】
また、上記の例において、温度応動部材を第2弁体の下方にバネを第2弁体の上方に設けるようにしてもよい。同様に、温度応動部材と第2弁体とは互いに離隔可能な非接続状態である。この場合、運転開始時では、第2弁体は温度応動部材の伸長力によって開弁方向(上方)に変位し、運転時では、第2弁体は運転時の圧力Paによる第2弁体の閉弁力によって閉弁方向(下方)に変位する。この例によれば、例えば運転開始時において温度応動部材が適切に動作(伸長)しなかった場合でも、バネの付勢力によって第2弁体を開弁方向に変位させることが可能である。つまり、第2弁体は温度応動部材と離隔して開弁方向に変位することができる。そのため、第2弁機構の開弁動作の信頼性が向上する。
【0077】
また、上記実施形態のドレントラップ1において、バネ47を省略するようにしてもよい。また、バネ47を省略すると共に、温度応動部材を、第2弁体の上方ではなく下方に設けるようにしてもよいし、第2弁体の上方および下方の両方に設けるようにしてもよい。何れの場合も、温度応動部材は、温度が運転開始時の温度Tbまで低下すると、第2弁体を開弁方向に変位させるように変位し、温度が運転時の温度Taまで上昇すると、第2弁体を閉弁方向に変位させて第2排出孔を閉鎖するように変位する。
【0078】
また、上記実施形態のドレントラップ1において、温度応動部材は、バイメタル以外に例えば形状記憶合金ばねにより構成するようにしてよい。
【0079】
また、上記実施形態のドレントラップ1では、第2弁体41を円板状(ディスク形)に形成したが、これに限らず、第2弁体は例えば球形のフロートであってもよい。
【0080】
また、上記実施形態のドレントラップ1は、蒸気の流出を阻止するスチームトラップに限らず、空気の流出を阻止するエアトラップ、またはガスの流出を阻止するガストラップ等であってもよい。
【0081】
また、上記実施形態では、弁装置の一例としてドレントラップ1について説明したが、本願の弁装置は、例えば、蒸気の圧力を調節する減圧弁や、ドレンと空気を分離する気液分離器にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本願に開示の技術は、弁装置について有用である。
【符号の説明】
【0083】
1 ドレントラップ(弁装置)
10 ケーシング
21 流入口
22 第1貯留室(貯留室)
23 第2貯留室(貯留室)
30 第1弁機構
31 第1弁体(フロート)
33 第1排出孔
40 第2弁機構
41 第2弁体
43 第2排出孔
44 温度応動部材
47 バネ
図1
図2
図3
図4