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特許7368837ゲームシステム、それに用いるコンピュータプログラム、及び制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-17
(45)【発行日】2023-10-25
(54)【発明の名称】ゲームシステム、それに用いるコンピュータプログラム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/58 20140101AFI20231018BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20231018BHJP
【FI】
A63F13/58
A63F13/79
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019217254
(22)【出願日】2019-11-29
(62)【分割の表示】P 2019069273の分割
【原出願日】2019-03-29
(65)【公開番号】P2020163105
(43)【公開日】2020-10-08
【審査請求日】2022-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(72)【発明者】
【氏名】藤松 信也
(72)【発明者】
【氏名】清野 秀行
(72)【発明者】
【氏名】栃木 隆道
(72)【発明者】
【氏名】千秋 真梨子
(72)【発明者】
【氏名】荒川 恵莉
(72)【発明者】
【氏名】眞浦 知早
(72)【発明者】
【氏名】越前 周平
(72)【発明者】
【氏名】新出 真
(72)【発明者】
【氏名】福田 哲司
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 絵里奈
(72)【発明者】
【氏名】松山 めぐみ
(72)【発明者】
【氏名】橋本 真一朗
(72)【発明者】
【氏名】岩隈 宣江
(72)【発明者】
【氏名】杉山 由佳
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 佳那
(72)【発明者】
【氏名】前田 健二
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 哲史
【審査官】遠藤 孝徳
(56)【参考文献】
【文献】特許第5618221(JP,B2)
【文献】特許第6400807(JP,B1)
【文献】特許第5839309(JP,B1)
【文献】特許第5677481(JP,B2)
【文献】特許第5336673(JP,B1)
【文献】特許第5386016(JP,B1)
【文献】特許第5216152(JP,B1)
【文献】特開2019-13341(JP,A)
【文献】特許第6277505(JP,B1)
【文献】特許第5924603(JP,B1)
【文献】特許第6200650(JP,B2)
【文献】特許第6377289(JP,B1)
【文献】特許第5856337(JP,B1)
【文献】特許第6148434(JP,B2)
【文献】特許第6368818(JP,B1)
【文献】特許第6632011(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00 - 13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の進行を付与するために消費される進行用の価値、及び当該進行用の価値の残量を所定量回復させるために使用される回復要素を含み、当該回復要素の使用に伴い前記進行用の価値の残量を前記所定量回復させるとともに、当該回復要素の使用とは別に前記進行用の価値の残量を時間経過に従って徐々に上限値まで回復させるゲームを提供するゲームシステムであって、
前記進行用の価値の残量が前記上限値を超えた場合、前記回復要素の使用回数の管理を開始するとともに、前記進行用の価値の残量が前記上限値を下回った場合、前記管理を終了する管理手段、
を備える、ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の進行を付与するために消費される進行用の価値、及びその進行用の価値の残量を所定量回復させるために使用される回復要素を含み、その回復要素の使用に伴い進行用の価値の残量を所定量回復させるとともに、その回復要素の使用とは別に進行用の価値の残量を時間経過に従って徐々に上限値まで回復させるゲームを提供するゲームシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
所定の進行を付与するために消費される進行用の価値、及びその進行用の価値の残量を所定量回復させるために使用される回復要素を含み、その回復要素の使用に伴い進行用の価値の残量を所定量回復させるとともに、その回復要素の使用とは別に進行用の価値の残量を時間経過に従って徐々に上限値まで回復させるゲームを提供するゲームシステムが存在する。例えば、このような所定の進行、進行用の価値、回復要素、及び上限値として、ストーリのクエスト、スタミナ、クレジット、及び回復上限値をそれぞれ利用するゲームが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5729795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のゲームでは、ゲームのテンポを向上させるために、クレジットの使用に伴いスタミナは回復上限値を超えても回復される。具体的には、クレジットの使用に伴う回復が回復上限値に制限される場合、ユーザは、現在のスタミナ、クレジットの使用に伴う回復値、及び回復上限値を考慮し、回復値に損が生じないようにスタミナの回復を待ったり、不要なクエストを行ったりしてしまう。このため、特許文献1のゲームでは、スタミナをクレジットの使用に伴い回復上限値を超えて回復させることにより、このような待ち時間等の解消が図られ、ひいてはゲームのテンポの向上が図られている。そして、このような目的のためには、現在のスタミナが回復上限値を超えている場合において原則としてクレジットの使用が禁止されることが好ましいようである。
【0005】
一方で、特許文献1のゲームにおいて、現在のスタミナが回復上限値を超えている場合にクレジットの使用が許容される可能性もあるかもしれない。ただし、このようなクレジットの使用が仮に許容されるとしても、スタミナには回復上限値の他にも最大値が設けられているため、最大値以下にスタミナの回復は制限される。結果として、このようなクレジットの使用が許容される場合、回復上限値と同様に、最大値と現在のスタミナ等との間で回復値に損が生じる可能性がある。このため、回復上限値の代わりに最大値が考慮され、回復上限値にクレジットの使用に伴う回復が制限される場合と同様にやはり不要なクエスト等を招く可能性がある。少なくとも、そのような損に関する計算をユーザにさせてしまい、ユーザの不便を招く可能性がある。また、仮にスタミナに最大値が設定されていなくとも、このようなクレジットは多くの場合、所定の対価の消費と引き換えに取得されるので、無制限の使用が許容されると、不要な対価の消費を招いてしまう可能性がある。
【0006】
そこで、本発明は、ユーザの利便性を向上させることができるゲームシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の形態に係るゲームシステムは、所定の進行を付与するために消費される進行用の価値、及び当該進行用の価値の残量を所定量回復させるために使用される回復要素を含み、当該回復要素の使用に伴い前記進行用の価値の残量を前記所定量回復させるとともに、当該回復要素の使用とは別に前記進行用の価値の残量を時間経過に従って徐々に上限値まで回復させるゲームを提供するゲームシステムであって、前記進行用の価値の残量が前記上限値を超えた後における前記回復要素の使用を前記ゲームが許容する場合に、前記残量が前記上限値を超えた後において前記回復要素が使用された回数としての上限後回数が所定数に達したか否か判別するための判別情報が記述された判別情報データを記憶するデータ記憶手段と、前記判別情報データの前記判別情報に基づいて前記上限後回数が所定数に達していると判別される場合に前記回復要素の使用を制限する使用制限手段と、前記上限後回数が前記所定数に達した後に前記残量が前記上限値を下回った場合に前記上限後回数が前記所定数に達していないと判別されるように前記判別情報データの前記判別情報を更新する情報更新手段と、を備えるものである。
【0008】
本発明の第2の形態に係るゲームシステムは、所定の進行を付与するために消費される進行用の価値、及び当該進行用の価値の残量を所定量回復させるために使用される回復要素を含み、当該回復要素の使用に伴い前記進行用の価値の残量を前記所定量回復させるとともに、当該回復要素の使用とは別に前記進行用の価値の残量を時間経過に従って徐々に上限値まで回復させるゲームを提供するゲームシステムであって、前記進行用の価値の残量が前記上限値を超えた後における前記回復要素の使用を前記ゲームが許容する場合に、前記残量が前記上限値を超えた後において前記回復要素の使用に伴う前記所定量の回復の合計としての合計回復量が所定量に達したか否か判別するための判別情報が記述された判別情報データを記憶するデータ記憶手段と、前記判別情報データの前記判別情報に基づいて前記合計回復量が前記所定量に達していると判別される場合に前記回復要素の使用を制限する使用制限手段と、前記合計回復量が前記所定量に達した後に前記残量が前記上限値を下回った場合に前記合計回復量が前記所定量に達していないと判別されるように前記判別情報データの前記判別情報を更新する情報更新手段と、を備えるものである。
【0009】
一方、本発明のコンピュータプログラムは、前記データ記憶手段に接続されるコンピュータを、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0010】
また、本発明の制御方法は、所定の進行を付与するために消費される進行用の価値、及び当該進行用の価値の残量を所定量回復させるために使用される回復要素を含み、当該回復要素の使用に伴い前記進行用の価値の残量を前記所定量回復させるとともに、当該回復要素の使用とは別に前記進行用の価値の残量を時間経過に従って徐々に上限値まで回復させるゲームを提供するゲームシステムであって、前記進行用の価値の残量が前記上限値を超えた後における前記回復要素の使用を前記ゲームが許容する場合に、前記残量が前記上限値を超えた後において前記回復要素が使用された回数としての上限後回数が所定数に達したか否か判別するための判別情報が記述された判別情報データを記憶するデータ記憶手段を備えるゲームシステムに組み込まれるコンピュータに、前記判別情報データの前記判別情報に基づいて前記上限後回数が所定数に達していると判別される場合に前記回復要素の使用を制限する使用制限手順と、前記上限後回数が前記所定数に達した後に前記残量が前記上限値を下回った場合に前記上限後回数が前記所定数に達していないと判別されるように前記判別情報データの前記判別情報を更新する情報更新手順と、を実行させるものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一形態に係るゲームシステムの概略構成を示す図。
図2】ゲーム機の制御系の要部を示す機能ブロック図。
図3】ホーム画面の一例を模式的に示す図。
図4】体力値の回復に設定される制限について説明するための説明図。
図5】価値管理データの構成の一例を示す図。
図6】価値回復処理の手順の一例を示すフローチャート。
図7】回数カウント処理の手順の一例を示すフローチャート。
図8】カウントリセット処理の手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一形態に係るゲームシステムの一例を説明する。まず、図1を参照して、本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を説明する。ゲームシステム1は、センターサーバ2と、センターサーバ2に所定のネットワークNTを介して接続可能なクライアント装置としての複数のゲーム機3とを含む。センターサーバ2は、複数のコンピュータ装置としてのサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
【0013】
ネットワークNTは、センターサーバ2に対してゲーム機3をそれぞれ接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワークNTは、WANとしてのインターネットと、センターサーバ2及びゲーム機3のそれぞれをインターネットに接続するLAN、あるいはアクセスポイントAPといった各種の接続設備又は機器等を含んでよい。
【0014】
図1の例では、ゲーム機3としてゲーム機3A、3B、3Cが示されている。ゲーム機3はいずれもゲームを提供するゲーム装置の一例である。ゲーム機3Aはアミューズメント店舗等の施設に設置され、所定の対価の支払いと引き換えにそのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる業務用ゲーム機として構成されている。この種のゲーム機はアーケードゲーム機と呼ばれることもある。この種のゲーム機3A(以下、アーケードゲーム機3Aと呼ぶ場合がある)は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗等の所定の施設に設置される場合が多い。一方、ゲーム機3B、3Cは、ユーザの個人的な使用に供される家庭用の据置型ゲーム機、或いは携帯型のゲーム機である。このようなゲーム機3B、3C(以下、据え置き型ゲーム機3B、或いは携帯型ゲーム機3Cとそれぞれ呼ぶ場合があり、これらを区別しない場合にはユーザ端末装置型のゲーム機3と呼ぶ場合がある)として、スマートフォン等の携帯電話機又は携帯情報端末(タブレット端末、及びパーソナルコンピュータを含む)が機能してよい。なお、図1の例では、複数種類のゲーム機3がセンターサーバ2に接続されているが、センターサーバ2に接続されるゲーム機3は一種類であってもよい。
【0015】
ゲーム機3は、キャラクタ育成ゲームを提供する。キャラクタ育成ゲームは、ゲーム中のキャラクタを育成するタイプのゲームである。このようなキャラクタとして、モンスタ、スポーツ選手、或いは戦士等の各種のジョブを持つ人物、並びに車や動物等の各種の物が利用されてよい。また、育成対象のキャラクタは、一体でもよいし、複数体でもよい。以下では、一例として、ゲーム機3がダンスユニット(複数のキャラクタによるチーム)を育成するタイプのキャラクタ育成ゲームを提供する場合について説明する。
【0016】
このようなキャラクタ育成ゲームでは、ゲーム中の各種の要素を通じてダンスユニットを形成する各キャラクタが育成される。このような育成用の要素には、ミニゲームが含まれる。つまり、各キャラクタは、このようなミニゲームのプレイを通じて育成される。このようなミニゲームは、各種のゲームを含んでよいが、一例として音楽ゲームを含んでいる。音楽ゲームは、タイミングゲームの一種である。タイミングゲームは、適切なプレイ行為の実行時期を評価するタイプのゲームである。音楽ゲームの場合、その適切なプレイ行為を実行すべき実行時期が楽曲とともに提供される。また、音楽ゲームでは、楽曲のリズムと一致する時期が実行時期として利用される。つまり、音楽ゲームは、適切なプレイ行為を実行すべき時期を楽曲のリズムに合わせてユーザに案内し、実際にプレイ行為が実行された時期を評価するタイプのゲームである。また、例えば、音楽ゲームにはプレイ用に複数の楽曲が用意され、そこから選択された楽曲が実際のプレイに使用される。例えば、そのような音楽ゲームは、表示装置に表示されるゲーム画面を通じて提供される。具体的には、このようなゲーム画面は、各実行時期に対応する指示標識及び現在時刻の基準として機能する基準標識を含み、それらの指示標識及び基準標識を利用し、各実行時期において指示標識及び基準標識の位置が一致するように指示標識と基準標識との間に相対的変位を生じさせることにより各実行時期を案内する。
【0017】
ゲームシステム1には、ネットワークNTを介してユーザ端末装置4が接続される場合もある。ユーザ端末装置4は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。例えば、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ4A、あるいは携帯電話(スマートフォンを含む。)のようなモバイル端末装置4Bがユーザ端末装置4として利用される。その他にも、据置型の家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といった、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のコンピュータ装置がユーザ端末装置4として利用されてよい。ユーザ端末装置4は、各種のコンピュータソフトウエアを実装することにより、センターサーバ2が提供する種々のサービスをユーザに享受させることが可能である。なお、このようなユーザ端末装置4がコンピュータソフトウエアを通じてゲーム機3として機能してもよい。
【0018】
センターサーバ2は、ゲーム機3又はそのユーザに対して各種のゲーム機用サービスを提供する。ゲーム機用サービスは、ネットワーク5を介してゲーム機3のプログラム或いはデータを配信し、更新する配信サービスを含んでいる。センターサーバ2は、このような配信サービスを通じて各ゲーム機3にキャラクタ育成ゲームの提供に必要な各種のプログラム或いはデータを適宜に配信等する。また、ゲーム機用サービスは、ネットワーク5を介して複数のユーザが共通のゲームをプレイする際にユーザ同士をマッチングするマッチングサービスを含んでいる。ゲームシステム1は、このようなマッチングサービスを通じてキャラクタ育成ゲーム(音楽ゲーム等のキャラクタ育成ゲームの一部の場合を含む)を、複数のユーザ間において進行を共通させる複数プレイ型のゲームとして提供する場合がある。
【0019】
なお、ゲーム機用サービスは、その他にもゲーム機3からユーザの識別情報を受け取って、そのユーザを認証するサービスを含んでいてよい。また、認証したユーザのプレイデータをゲーム機3から受け取って保存し、或いは保存するプレイデータをゲーム機3に提供するサービスを含んでいてもよい。さらに、ユーザから料金を徴収する課金サービス等を含んでいてもよい。同様に、センターサーバ2は、ネットワーク5を介してユーザ端末装置4のユーザに各種のWebサービスを提供してよい。Webサービスは、ゲーム機3が提供するゲームに関する各種の情報を提供するゲーム用情報サービス、各ユーザ端末装置4に各種データ或いはソフトウエアを配信(データ等のアップデートを含む)する配信サービス、ユーザによる情報発信、交換、共有といった交流の場を提供するコミュニティサービス、及び各ユーザを識別するためのユーザIDを付与するサービス等のサービスを含んでよい。
【0020】
次に、図2を参照してゲームシステム1の制御系の要部を説明する。まず、センターサーバ2には、制御ユニット21、及び記憶手段としての記憶部22が設けられる。制御ユニット21は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
【0021】
記憶部22は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部22は、一の記憶ユニット内に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部22には、ユーザに各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット21に実行させるコンピュータプログラムの一例として、プログラムPG1が記録される。また、記憶部22には、各種のサービスの提供に必要なサーバ用データが記憶される。そのようなサーバ用データはキャラクタ育成ゲーム用の各種のデータを含んでいるが、図2の例ではそのような各種のデータの一種として、価値管理データVDが示されている。価値管理データVDの詳細は、後述する。
【0022】
なお、サーバ用データは、例えばその他にも各種のサービスを実現するための各種のデータを含んでよい。例えば、そのようなデータには、楽曲データ、シーケンスデータ、動画データ、プレイデータ、或いはID管理データ等が含まれてよい。楽曲データは、音楽ゲームで使用される楽曲を再生するためのデータである。シーケンスデータは、音楽ゲームにおいてユーザによってプレイ行為が実行されるべき各実行時期が記述されたデータである。シーケンスデータは、各実行時期の案内及びその評価に使用される。このため、シーケンスデータには、各実行時期、及びその実行時期に実行されるべき適切なプレイ行為の情報が互いに関連付けられるように記述される。動画データは、音楽ゲーム中に動画を表示するためのデータである。このような動画は、ダンス動画(各キャラクタによるダンスアニメーションを含む)を含む。このようなダンス動画のキャラクタのダンス(動作)は、動画データに基づいてプログラムPG1によって随時実現されてもよいが、例えばモーションセンサを付けた人が動いた軌跡を収録し、その検出結果に基づく軌跡により実現されてもよい。また、各動画は、仮想三次元空間を撮影した撮影結果として構成されてよい。プレイデータは、各ユーザの過去のプレイ実績に関する情報が記述されたデータである。プレイデータは、例えば、前回までのプレイ結果(過去の実績)を次回以降に引き継ぐため、或いは各ユーザに固有の設定内容を引き継ぐために使用される。ID管理データは、ユーザID等の各種IDを管理するためのデータである。しかし、それらの図示は省略した。
【0023】
制御ユニット21には、制御ユニット21のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG1との組合せによって実現される論理的装置として、ゲーム機サービス管理部24が設けられる。ゲーム機サービス管理部24は、ゲーム機3に対して上述のゲーム機用サービスを実現するための各種処理を実行する。なお、制御ユニット21には、キーボード等の入力装置、モニタ等の出力装置等が必要に応じて接続され得る。しかし、それらの図示は省略した。
【0024】
一方、ゲーム機3には、コンピュータとしての制御ユニット31と、記憶手段としての記憶部32とが設けられる。制御ユニット31は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の処理を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
【0025】
記憶部32は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部32には、ユーザに各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット21に実行させるコンピュータプログラムの一例として、プログラムPG2が記録される。また、記憶部32には、キャラクタ育成ゲームの提供に必要なゲームデータが記録される。そのようなゲームデータには、音楽ゲーム用のデータを含む各種のデータが含まれるが、図2の例ではその一種として価値管理データVDが示されている。価値管理データVDは、配信サービスを通じてセンターサーバ2から提供される。なお、ゲームデータには、価値管理データVDと同様に配信サービスを通じて提供される楽曲データ、シーケンスデータ、動画データ、プレイデータ、或いはID管理データが含まれ得る。また、ゲームデータには、例えば、その他にもゲーム用の各種の画像を表示するための画像データ、及び各種のBGMを再生するためのBGMデータ等が含まれ得る。しかし、これらの図示は省略した。
【0026】
制御ユニット31には、制御ユニット31のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG2との組合せによって各種の論理的装置が構成される。そして、それらの論理的装置を通じてキャラクタ育成ゲームの提供に必要な各種の処理(センターサーバ2のゲーム機サービス管理部24が提供するゲーム機用サービスを享受するために必要な処理を含む)が実行されるが、図2の例では、キャラクタ育成ゲームに関連する論理的装置として、進行制御部33、及びデータ管理部34が示されている。
【0027】
進行制御部33は、ゲームの進行を制御するための各種の処理を行う論理的装置である。そのような処理には、指示標識及び基準標識を通じた各実行時期の案内を行う処理、或いはそのような各実行時期に基づいてプレイ行為を評価するための処理等も含まれる。あるいは、ダンスユニットによるダンス等の各種動画を表示するための処理も含まれる。つまり、音楽ゲームのプレイを実現するための各種の処理が含まれる。また、進行制御部33が実行する処理には、その他にもキャラクタ育成ゲームの進行に関連する各種の処理が含まれる。具体的には、進行制御部33は、そのような処理として、例えば、価値回復処理を実行する。価値回復処理の手順は、後述する。
【0028】
一方、データ管理部34は、記憶部32に記録される各種データの管理に関する各種の処理を行う論理的装置である。このような処理には、ゲームの進行に関連して変化するデータを更新する処理が含まれる。また、このようなデータには、価値管理データVDが含まれる。つまり、データ管理部34が実行する処理には、ゲームの進行に関連して価値管理データVDを更新する処理が含まれる。具体的には、データ管理部34は、そのような価値管理データVDを更新する処理として、例えば、回数カウント処理、及びカウントリセット処理を実行する。価値回復処理、及びカウントリセット処理の手順は、価値回復処理の手順と同様に後述する。
【0029】
また、ゲーム機3にはアーケードゲーム機3A、或いはユーザ端末装置型のゲーム機3等の種類に応じて適宜に各種の出力装置、及び入力装置が設けられてよいが、図2の例ではモニタ37、及びスピーカSPがゲーム機3に設けられる出力装置として示されている。モニタ37、及びスピーカSPは、それぞれゲーム画面等を表示するための周知の表示装置、及び音声を再生するための周知の音声再生装置である。同様に、図2の例では、ゲーム機3に設けられる入力装置として、ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置36が示されている。入力装置36は、ゲーム機3の種類に応じて適宜に構成されてよい。例えば、アーケードゲーム機3Aの場合、入力装置36として音楽ゲーム用に足で踏むように押す押しボタン付きのステージが利用されてもよい。そして、このステージの上でユーザは音楽ゲームをプレイしてよい。あるいは、複数の押ボタンが設けられたコントロールパネルが用意されてもよい。このような場合、足或いは手で押しボタンを押す操作がプレイ行為として利用される。また、タッチパッドやタッチパネルディスプレイが入力装置36として利用されてもよい。この場合、これらを手や足、あるいはタッチ用のペン(いわゆるスタイラスペン)でタッチする行為がプレイ行為として利用される。
【0030】
一方、例えば、据え置き型ゲーム機3Bの場合、入力装置36として複数の押しボタンを含むキーボード、或いは専用のコントローラ(主として足で操作するために床等に敷いて用いるマットコントローラを含む)が使用されてよい。この場合、それらの押しボタンを押す操作がプレイ行為として利用される。同様に、例えば、携帯型ゲーム機3Cの場合、入力装置36として、例えば、ユーザのタッチ操作(指で触れる操作)に対応した信号を出力するタッチパネルが利用されてよい。この場合、タッチ操作及びその位置がプレイ行為として利用される。また、携帯型ゲーム機3Cに、有線または無線で専用のコントローラ(上述のマットコントローラを含む)が接続され、使用されてもよい。
【0031】
なお、その他にも、例えばアーケードゲーム機3Aには、現金、代替硬貨、メダル、電子通貨(ポイントを含む)、クレジットカード機能等を利用してユーザからゲームに必要な所定の対価を徴収するための対価徴収装置が入力装置として設けられてもよい。そして、そのような装置によって、例えば電子通貨の残量を記録するカードを介して電子通貨等の各種の対価が徴収されてよい。また、例えばユーザ端末装置型のゲーム機3の場合、ユーザ端末装置型のゲーム機3は音楽ゲームを有償(追加的範囲のプレイ等のためにゲームの一部が有償の場合を含む)で提供しても、無償(事前にソフトウエアを購入している場合を含む)で提供してもよい。音楽ゲームが有償で提供される場合、ユーザ端末装置型のゲーム機3においてその対価は各種の周知の決済処理を通じて徴収されてよい。
【0032】
次に、キャラクタ育成ゲームの進行について説明する。以下では、入力装置36としてタッチパネルを利用する携帯型ゲーム機3Cを例に、このような携帯型ゲーム機3Cのモニタ37に表示されるゲーム画面の一例を参照しつつ、キャラクタ育成ゲームの進行について説明する。図3は、ホーム画面の一例を模式的に示す図である。ホーム画面40は、キャラクタ育成ゲームのためにモニタ37に表示される各種のゲーム画面のうち、主として他のゲーム画面への起点として機能するゲーム画面である。このため、ホーム画面40には、各画面に遷移するためのタッチ位置(タッチ操作がされるべき位置)として機能するアイコン(以下、遷移用アイコンと呼ぶ場合がある)が表示される。また、ホーム画面40には、その他にも管理用の機能や情報が設けられる場合がある。具体的には、図3に示すように、ホーム画面40は、“STORY”アイコン41、“DANCER”アイコン42、“TEAM”アイコン43、“抽選”アイコン44、“おつかい”アイコン45、“DANCE BATTLE”アイコン46、“MISSION”アイコン47、情報領域48、及びキャラクタ画像CAを含んでいる。
【0033】
“STORY”アイコン41は、ストーリ画面(不図示)に遷移するための遷移用アイコンである。ストーリ画面は、ゲーム中の各キャラクタが持つ個々のヒストリ、或いは複数人の会話シーンなど、各キャラクタに設定されている物語(ストーリ)アニメーション(動画)を選択、視聴するためのゲーム画面である。このようなストーリは、ゲームで獲得した報酬や各キャラクのレベル等、プレイ状況に応じて新しく解禁される(視聴可能になる)ものを含む場合がある。
【0034】
“DANCER”アイコン42は、キャラクタ画面(不図示)に遷移するための遷移用アイコンである。キャラクタ画面は、各キャラクタの詳細を提示するためのゲーム画面である。キャラクタ育成ゲームには多くのキャラクタが用意されており、キャラクタ画面には各キャラクタの詳細が表示される。例えば、キャラク画面では、各キャラクタの詳細として、各キャラクタのパラメータの情報がキャラクタ毎に表示される。
【0035】
“TEAM”アイコン43は、チーム(ユニット)編成画面(不図示)に遷移するための遷移用アイコンである。チーム編成画面は、ダンスユニットを形成する各キャラクタを選択するためのゲーム画面である。一つのダンスユニットは、適宜の数のキャラクタによって形成されてよいが、以下では、一つのダンスユニットが3名のキャラクタによって形成される場合について説明する。
【0036】
“抽選”アイコン44は、抽選結果画面(不図示)に遷移するための遷移用アイコンである。抽選結果画面は、キャラクタ育成ゲームに関連する各種の要素を抽選で付与するための抽選ゲームを提供するためのゲーム画面である。例えば、このような抽選ゲームでは、キャラクタ育成ゲームに関連する要素として各キャラクタに対応するカードが抽選で付与される。抽選ゲームで付与されたカードは、キャラクタ育成ゲームにおいてプレイの進行に使用されてもよいし、単にコレクション或いは鑑賞用のカードとして機能してもよい。
【0037】
“おつかい”アイコン45は、おつかい画面(不図示)に遷移するための遷移用アイコンである。おつかい画面は、おつかいイベントを提供するためのゲーム画面である。おつかいイベントは、各種のアイテムを獲得するためのイベントである。おつかいイベントは、ゲームに設定された所定の価値の消費に伴い提供される。
【0038】
“DANCE BATTLE”アイコン46は、音楽ゲーム画面(不図示)に遷移するための遷移用アイコンである。音楽ゲーム画面は、上述のような指示標識等の表示を通じて実際に音楽ゲームをユーザにプレイさせるためのゲーム画面である。また、そのような音楽ゲーム画面には、ダンスユニットによるダンス動画も表示される。
【0039】
“MISSION”アイコン47は、ミッション画面(不図示)に遷移するための遷移用アイコンである。ミッション画面は、ゲーム中に用意されたミッションのリスト、達成条件、達成に伴う報酬、或いは達成履歴等のミッションに関する情報を提供するためのゲーム画面である。ミッションは、達成条件を満たす(達成する)ことにより所定の報酬をユーザに付与するためのイベントの一種である。ゲーム中には、このようなミッションとして、プレイ毎に達成の可否の判別が可能なものから、今回(1回)のプレイだけでは達成できない比較的長期のプレイを対象にするものまで用意されていてよい。
【0040】
情報領域48は、ゲームに関連する各種の情報を提示するための領域である。情報領域48は、例えば、名称領域48A、ランク領域48B、体力値領域48C、及び通貨領域48Dを含んでいる。名称領域48Aは、ユーザのゲーム中における名称(“ゴゴ”)、及びゲーム中に用意されたユーザ用の各種の称号(プレイ状況が各種の付与条件を満たした場合にその満たされた条件に応じて与えられ、後述のランクのうちの一部のランクに対応するように設けられる場合が多く、ユーザのランクを示す情報の一種として機能する場合も多いが、ランクとは独立して付与されてもよい)のうちプレイ中のユーザに与えられた称号(“紅鶴学園ゴールド生”)を表示するため領域である。
【0041】
ランク領域48Bは、ゲーム中に用意されたランク(称号と同様にプレイ状況が各種の付与条件を満たした場合にその満たされた条件に応じて与えられ、所定間隔毎等の一部のランクには称号が設けられている場合も多い)のうちプレイ中のユーザが獲得したランク(“1”)を表示するため領域である。ランクは、ユーザのゲームにおける成長度を示す値であって、この値が大きいほど多くゲームをプレイしたことを示すことが多い。
【0042】
通貨領域48Dは、ゲーム内において通貨として機能する通貨価値(以下、ゲーム内通貨と呼ぶ場合がある)に関する情報を表示する領域である。ゲーム内通貨は、アイテムの購入、或いは各種の抽選機会の付与(上述の抽選ゲームのプレイ)等の所定の機能を利用するために消費される価値である。ゲーム内通貨は、例えば、現実の通貨の消費(プレイ用の対価と同様に徴収されてよい)に伴い購入される。通貨領域48Dには、例えば、通貨残高領域48D1と、通貨購入用アイコン48D2とが設けられる。通貨残高領域48D1は、現在ユーザが所有するゲーム内通貨の残高(“0”)を提示するための領域である。通貨購入用アイコン48D2は、ゲーム内通貨を購入(残高を増やす)ためのタッチ位置として機能するアイコンである。具体的には、通貨購入用アイコン48D2は、ゲーム内通貨の購入を要求するためにタッチ操作される位置として機能する。通貨購入用アイコン48D2へのタッチ操作に伴い、例えば、購入額の選択、或いは購入実行の可否確認を行うための追加領域(いわゆるポップアップ)が更に提示されてもよい。
【0043】
体力値領域48Cは、体力値に関する情報を表示する領域である。体力値は、イベントの利用等の各種の進行をキャラクタ育成ゲームに付与するために消費される価値である。体力値は、ユーザの体力値としてユーザ毎に設定される。このような体力値は、各種の進行の付与のために使用されてよいが、例えば上述のおつかいイベントの提供(利用)、或いは音楽ゲームのプレイのために消費される。体力値は、時間経過とともに上限値(レベル等に応じて変化する場合がある)まで回復する。また、キャラクタ育成ゲームには、体力値を所定量回復させるためのアイテム(以下、回復アイテムと呼ぶ場合がある)も用意される。ただし、回復アイテムによる体力値の回復には制限が設定される。このような制限については後述する。このような体力値は、音楽ゲームのプレイ等のために消費されることにより本発明の進行用の価値として機能する。同様に、このような音楽ゲームのプレイ等が本発明の所定の進行として機能する。
【0044】
体力値領域48Cには、例えば、体力値提示領域48C1と、回復用アイコン48C2とが設けられる。体力値提示領域48C1は、各ユーザの体力値の現在値(残量)及び上限値を提示するための領域である。図3の例では、このユーザの現在の体力値(“30/30”の分子)、及び上限値(“30/30”の分母)として、いずれも“30”が提示されている。回復用アイコン48C2は、体力値を回復するためのタッチ位置として機能するアイコンである。より具体的には、回復用アイコン48C2は、体力値の回復を要求するためにタッチ操作される位置として機能する。回復用アイコン48C2へのタッチ操作に伴い、例えば、体力値を回復させるための回復アイテムの選択、或いはそのような回復アイテムの使用の可否を確認するための追加的領域(いわゆるポップアップ)がさらに提示されてもよい。そして、そのようなタッチ操作によって回復アイテムが実際に使用(消費)された場合に、体力値が所定量回復する。このような体力値を回復させる回復アイテムは、本発明の回復要素として機能する。
【0045】
キャラクタ画像CAは、各キャラクタに対応する画像である。ホーム画面40には、育成対象のダンスユニットを構成する各キャラクタに対応するキャラクタ画像CAが適宜に表示される。図3の例では、ホーム画面40には、ダンスユニットを構成する3名(全員)のキャラクタに対応する3つのキャラクタ画像CAがそれぞれ表示されている。
【0046】
なお、体力値提示領域48C1には、このようなユーザの体力値に限定されず、例えばカーソル等の所定の指定手段によって指定されたキャラクタ等、適宜の条件に該当するキャラクタに関する体力値の情報が提示されてよい。あるいは、体力値提示領域48C1には、全キャラクタの体力値が提示されてもよい。同様に、ホーム画面40における各キャラクタ画像CAの配置は適宜でよい。例えば、事前の指定、或いはプレイ状況等の条件に応じてユーザが最も推奨するキャラクタ(いわゆる推しメンバ)が決定され、そのようなキャラクタのキャラクタ画像CAがホーム画面40において最も手前に配置されてもよい。あるいは、各キャラクタ画像CAの配置は、ユーザの指定に基づいて決定されてもよい。
【0047】
次に、図4を参照して、体力値の回復に設定される制限について説明する。図4は、体力値の回復に設定される制限について説明するための説明図である。図4の例において、横軸が時間を、縦軸が体力値をそれぞれ示している。また、図4の例では、説明の便宜のため、当初(経過時間がゼロの時点)の体力値の残量がゼロとして示されているが、実際のキャラクタ育成ゲームの開始時には所定値(多くの場合、時間回復の上限値)から開始される。
【0048】
図4に示すように、体力値がゼロの場合、体力値は時間経過に伴い徐々に第1上限値まで回復する(“A”時点)。第1上限値は、時間経過に伴い回復する上限値である。一方、第1上限値まで回復した後には時間経過に伴う体力値の回復は停止される。つまり、第1上限値まで体力値が回復した後は、時間が経過しても体力値は第1上限値のまま横ばいに推移する。そして、その後において、おつかいイベント、或いは音楽ゲームのプレイ等のために体力値が消費されると、体力値の残量は第1上限値から減少する(“B”時点)。体力値は、おつかいイベント等が終了した時点等の適宜の時期に消費されてよいが、ここでは一例としておつかいイベント等をユーザが実行した時期に消費されている。また、体力値が第1上限値未満になると、時間経過に伴う体力値の回復が再度再開される。つまり、体力値の残量が第1上限値未満になると、時間測定が開始され、経過時間に伴い所定量ずつ徐々に体力値を回復させる処理が再開される。なお、時間経過に伴う体力値の回復は適宜でよい。例えば、一定量ずつ徐々に回復する形態に限定されず、体力値の回復量は時間経過に伴い比例的、或いは指数関数的に増減してもよい。つまり、時間経過に伴う体力値の回復は、一定量に限定されず、適宜の規則に従って実現されてよい。そして、このような比例的に回復する場合等を含む規則に従ったいずれの回復も本発明の徐々に回復する構成の範疇に含まれる。
【0049】
また、キャラクタ育成ゲームは、体力値を回復させるための回復アイテムを含み、このような回復アイテムの使用を第1上限値に達しているか否かにかかわらず許容する。つまり、キャラクタ育成ゲームは、基本的にユーザの任意の時期における回復アイテムの使用を許容している。このため、例えば、“B”時点から時間経過に伴い徐々に体力値が回復している場合においても、回復アイテムの使用が許容され、このような使用に伴い体力値は所定量回復する(“C”時点)。回復アイテムの使用に伴う体力値の回復量(所定量)は適宜でよいが、以下では、一例として回復量が第1上限値と同量である場合について説明する。この場合、回復アイテムの使用に伴い、体力値は第1上限値と同量回復し、結果的に回復アイテムの使用前の残量だけ第1上限値を超えるまで回復する。つまり、アイテムの使用に伴い、体力値の残量が第1上限値を超える場合がある。具体的には、例えば、体力値の残量が50であり、第1上限値が60である場合、回復アイテムの使用に伴い、これらの合算である110(50+60)まで体力値は回復する。この場合、体力値提示領域48C1には、例えば110/60といった具合に表示される。
【0050】
体力値が第1上限値を超えている場合、時間経過に伴う体力回復は生じない。一方で、このような場合でも回復アイテムの使用は許容される。このため、“C”時点以降において時間経過に伴い体力値の回復はないものの、仮に回復アイテムが使用された場合には、体力値はやはり第1上限値と同量だけ回復する(“D”時点)。具体的には、例えば、体力値の残量が110であり、第1上限値が60である場合、回復アイテムの使用に伴い、これらの合算である170(110+60)まで体力値は回復する。
【0051】
このように体力値が第1上限値を超えている場合にも回復アイテムの使用は許容されるが、第1上限値を超えた後に所定数の回復アイテムが使用された場合には、回復アイテム使用に伴う体力値の回復に制限が設定される。つまり、第1上限値を超えた後の回復アイテムの使用回数に基づいて体力値の回復に制限が設定される。このような所定数は適宜の数でよいが、以下では所定数の一例として一回、つまり第1上限値を超えた後に回復アイテムが一度使用された場合に制限が設定される場合について説明する。この場合、“C”時点では、回復アイテムの使用後に体力値が第1上限値を超えてしまうものの、使用前には超えていないことから、“D”時点における回復アイテム使用に伴い制限が設定される。具体的には、“D”時点において第1上限値を超えた後の回復アイテムの使用回数が一回とカウントされ、“D”時点以降に回復アイテム使用ができないアイテム使用不可期間(回復アイテムの使用が不可となる期間)が設定される。つまり、体力値が第1上限値を超えた場合には、体力値の管理に残量だけでなく、回復アイテムの使用回数という要素が追加される。結果として、“D”時点以降は時間経過の回復も、回復アイテムによる回復も、見込めない期間となる。この例において、“D”時点における回復アイテムの使用回数(一回)が本発明の上限後回数として機能する。
【0052】
一方で、D”時点以降においても、例えばおつかいイベント等のために体力値が消費された場合には、体力値は当然減少する(“E”時点)。ただし、このような消費後も、時間経過の回復も、回復アイテムによる回復も生じない。
【0053】
キャラクタ育成ゲームには、時間経過に伴う回復、及び回復アイテム使用に伴う回復以外にも体力値を回復させる要素が適宜に用意されていてよい。以下では、このような要素の一例として、ユーザのランクアップが利用される場合について説明する。この場合、“D”時点以降において回復アイテムの使用に伴う回復が制限されていても、例えば“E”時点における体力値の消費がユーザのランクアップにつながった場合には、そのようなユーザのランクアップに伴い体力値は回復する(“F”時点)。ランクアップに伴う体力値の回復量は、適宜に設定されてよいが、例えば当該ランクにおける第1上限値と同量が設定される。一方で、体力値には、第2上限値として絶対的な上限値が設定されていてもよい。第2上限値は、体力値をそれ以上回復できない絶対的な値として機能する上限値である。以下では、体力値に第2上限値が設定される場合について説明する。この場合、ランクアップに伴う体力値の回復は、体力値に第1上限値と同量が加算されても、第2上限値までにとどまり、これを超える部分はカットされる。なお、第2上限値は設定されていなくてもよい。つまり、体力値は、時間回復以外の要素により上限なく回復されてもよい。また、ランクアップは、体力値の回復だけでなく、例えば第1上限値の上昇、或いは第2上限値の上昇を伴ってもよい。つまり、ランクアップに伴い、第1上限値の値、及び第2上限値の少なくともいずれか一方が上昇してよい。ただし、図4の例では、説明の便宜のため、このような上昇が生じない場合を示している。
【0054】
第2上限値に達した後に体力値が適宜の回数消費される(“G”~“J”時点)と、体力値は第1上限値を再度下回る(第1上限値未満でも、以下でもよい)場合がある(“J”時点)。この場合、アイテム使用不可期間が解除される。つまり、アイテム使用不可期間が終了し、以降は第1上限値を超えた後においても回復アイテムの使用が再度一回まで許容される。より具体的には、第1上限値を超えた後の回復アイテムの使用回数がゼロにリセットされ、この使用回数が再度一回となるまでユーザは回復アイテムを使用できる。このため、“J”時点以降では、時間経過に伴い第1上限値まで体力値が回復する(“K”時点)とともに、回復アイテムが使用された場合には回復アイテム使用に伴う回復も生じる(“L”時点)。また、“L”時点の直前では、体力値は第1上限値を超えていない。このため、“L”時点における回復アイテムの使用以降も、第1上限値を超えた後の回復アイテムの使用回数はカウントアップされず、ゼロのままとなり、依然として回復アイテムの使用が許与される。一例として、回復アイテムの使用に伴う体力値の回復には、このような制限が設定される。また、この例において第1上限値が本発明の上限値として機能する。
【0055】
なお、図4の例では、第1上限値を超えた後に回復アイテムの使用回数がカウントアップされ、その値が一回を超えた場合に制限が設定されている。しかし、使用回数は、このような体力値が第1上限値を超えた場合に限定されない。例えば、体力値が第1上限値以上の場合に使用回数のカウントアップが実行され、その値に応じて制限が設定されてもよい。また、このような制限、或いは回復の手法は、体力値に限定されず、適宜の価値に適用されてよい。さらに、使用回数のカウント方法は適宜でよい。例えば、一度に複数個の回復アイテムの使用が許容される場合、それらはまとめて一回とカウントされてもよいし、それらの複数個のそれぞれの使用が一回とカウントされてもよい。また、複数種類の回復アイテムが存在する場合、種類毎に使用回数がカウントされてもよいし、種類を跨いで使用回数がカウントされてもよい。同様に、所定数は固定的であっても、可変的であってもよい。つまり、所定数は適宜に変化してもよい。例えば、所定数は所定の条件に応じてプレイ状況等に応じて適宜に変化してもよい。例えば、そのような所定の条件として、回復量が利用されてもよい。具体的には、例えば回復量の相違する複数種類のアイテムが存在する場合、回復量の少ないアイテムでは3回、回復量の多いアイテムでは1回といった具合に回復量に応じて所定数が変化してもよい。あるいは、これらのアイテムが組み合わされて使用される場合には、回復量に制限が設定され、そのような回復量に到る回数が所定数として利用されてもよい。この場合、回数の制限ではなく、回復量の制限と解釈されてもよい。つまり、使用回数の代わりに、回復アイテムの使用に伴う回復量(所定量)の合計としての合計回復量が所定量に達したか否か判別され、そのような所定量に達している場合に回復アイテムの使用が制限されてもよい。この場合、価値管理データVDでは、“回数”の情報の代わりに、“回復量”の情報(合計回復量を示す情報)が記述され、第1上限値を下回った場合におけるリセット等の対象として管理されてもよい。
【0056】
次に、価値管理データVDの詳細について説明する。図5は、価値管理データVDの構成の一例を示す図である。価値管理データVDは、キャラクタ育成ゲームに使用される価値の残量をユーザ毎に管理するためのデータである。図5の例は、そのような価値として価値管理データVDが体力値を管理する場合を示している。この場合、図5に示すように、価値管理データVDは、体力値の残量をユーザ毎に管理付けて管理する価値レコードVDRを含んでいる。また、価値レコードVDRは、“ユーザID”、“残量”、“第1上限”、“第2上限”、及び“回数”の情報を含んでいる。
【0057】
“ユーザID”は、各ユーザを識別するためにユーザ毎にユニークなユーザID(各ユーザのアカウントを識別できる限り、一人のユーザが複数のユーザIDを使用してもよく、必ずしもユーザと1対1で対応していなくてもよい)を示す情報である。“残量”は、体力値の残量を示す情報である。また、“第1上限”、及び“第2上限”は、各ユーザに設定される体力値の第1上限値、及び第2上限値をそれぞれ示す情報である。一方、“回数”は、第1上限値を超えた後における回復アイテム(体力値を回復させるためのもの)の使用回数を示す情報である。つまり、“回数”は、アイテム使用不可期間の設定の判別に使用される、回復アイテムの使用回数を示す情報である。“回数”の情報には、例えば所定数として一回が利用される場合、使用の有無を示すフラグが記述されてもよい。あるいは、例えば所定数として二回以上の数が使用される場合等において、“回数”には、ゼロ回の場合に“0”、一回の場合に“1”といった使用回数を示す適宜の情報(各数字に対応するアルファベット等の間接的な情報を含む)が記述されてもよい。情報価値レコードVDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。この例において“回数”の情報が本発明の判別情報として機能する。また、このような情報を含むことにより価値管理データVDが本発明の判別情報データとして機能する。なお、価値管理データVDは、これらの情報に限定されず、管理対象の価値の用途等に応じて適宜の情報を管理してよい。例えば、第2上限値が設定されない場合、或いは第2上限値が全ユーザに共通に設定される場合、価値管理データVDは“第2上限”の情報を含んでいなくてもよい。
【0058】
次に、図6図8を参照して、価値回復処理、回数カウント処理、及びカウントリセット処理について説明する。価値回復処理は、回復アイテムの使用に伴い体力値を回復させるための処理である。図6の例は、第2上限値が設定されている場合の価値回復処理の一例を示している。この場合、進行制御部33は、キャラクタ育成ゲームのプレイ中において体力値を回復させるための回復アイテムの使用がユーザによって指示された場合に図6の価値回復処理を開始し、まずそのような指示が許可条件を満たすか否か判別する(ステップS101)。許可条件は、例えば、第1上限値を超えた後における回復アイテムの使用回数が所定数(一回)に達していない場合、つまり価値管理データVDの“回数”の情報が使用なし(0回の使用)を示す場合に満たされる。このため、進行制御部33は、価値管理データVDを参照しつつ、許可条件が満たされるか否か判別する。
【0059】
許可条件が満たされない場合、つまり価値管理データVDの“回数”の情報が使用あり(1回の使用)を示す場合、進行制御部33は、回復アイテムの使用を制限する(ステップS102)。つまり、進行制御部33は、回復アイテムの使用の指示を不許可する。そして、進行制御部33は、このような制限(不許可)の後に以降の処理をスキップして、今回の価値回復処理を終了する。
【0060】
一方、許可条件が満たされる場合、つまり価値管理データVDの“回数”の情報が使用なし(0回の使用)を示す場合、進行制御部33は、回復アイテムの使用の指示を許可し、回復アイテムの使用に伴う回復後の体力値の残量を算出する(ステップS103)。進行制御部33は、例えば、体力値提示領域48C1に表示される体力値の現在値(残量)及び上限値(第1上限値)を参照しつつ、この算出を実行する。具体的には、進行制御部33は、体力値の現在値に上限値を合算することにより回復後の体力値の残量を算出する。なお、価値管理データVDの“残量”及び“第1上限”等の更新時期はゲーム終了時、或いはゲーム中における変化時に随時等の適宜の時期に実行されてよいが、ゲーム中に随時更新され、価値管理データVDの“残量”及び“第1上限”に基づいて体力値提示領域48C1に体力値の現在値及び上限値が表示される場合、進行制御部33は価値管理データVDの“残量”及び“第1上限”を参照し、回復後の体力値の残量を算出してもよい。
【0061】
続いて進行制御部33は、回復後の体力値の残量が第2上限値以下か否か判別する(ステップS104)。回復後の体力値の残量が第2上限値を超えている場合、進行制御部33は、回復後の体力値の残量を第2上限値に補正する(ステップS105)。一方、回復後の体力値の残量が第2上限値を超えていない場合、若しくは回復後の体力値の残量を第2上限値に補正した後に、進行制御部33は、ステップS103で算出された残量、或いはステップS105における補正後の残量となるように、体力値提示領域48C1の体力値の現在値(残量)を更新する(ステップS106)。体力値提示領域48C1が価値管理データVDの“残量”等の情報に基づいて表示される場合、進行制御部33は、このような更新として価値管理データVDの“残量”の情報を回復後の残量、或いは補正後の残量を示す情報に更新してもよい。そして、進行制御部33は、このような更新の後に今回の価値回復処理を終了する。
【0062】
図6の手順により、第1上限値を超えた後における回復アイテムの使用回数が一回に達しているか否かに応じて回復アイテムの使用の可否が判別される。そして、第1上限値を超えた後における回復アイテムの使用回数が一回に達していない場合、回復アイテムの使用が許可され、実際に体力値が回復する。一方で、第1上限値を超えた後における回復アイテムの使用回数が一回に達している場合には回復アイテムの使用が不許可され、その使用が制限される。より具体的には、価値管理データVDの“回数”の情報が使用あり(1回の使用)を示す場合には、回復アイテムの使用が許可されず、その使用が制限される。一方で、価値管理データVDの“回数”の情報が使用なし(0回の使用)を示す場合、回復アイテムの使用が許可され、実際に体力値が回復する。また、そのような回復には第2上限値が設定され、体力値の回復はそのような第2上限値以下に抑えられる。
【0063】
なお、図6の例では、回復アイテムの使用の指示(例えば所定のアイコンに対するタッチ操作)に伴い、その使用の許可、或いは不許可が判別されているが、そのような判別の時期は適宜でよい。例えば、第1上限値を超える回復アイテムの使用の直後に許可条件が判別され、不許可の場合には、回復アイテムの使用を指示するための所定のアイコンの表示がタッチ操作不可の状態(例えばタッチ操作不可を示すグレー表示、或いはアイコンの非表示等)に変更されてもよい。つまり、許可条件が満たされない場合には、回復アイテムの使用の指示自体が不許可(選択不可能)とされてもよい。
【0064】
一方、回数カウント処理は、第1上限値を超えた後における回復アイテムの使用回数をカウントする(数える)ための処理である。データ管理部34は、進行制御部33が図6の手順により体力値の残量を回復させる(回復アイテムの使用を許可する)毎に図7の回数カウント処理を開始し、まず今回の体力値の回復(回復アイテムの使用)がカウント条件を満たすか否か判別する(ステップS201)。カウント条件は、第1上限値を超えた後における回復アイテムの使用の場合に満たされる。このため、データ管理部34は、カウント条件の判別として、今回の回復アイテムの使用が第1上限値を超えた後に該当するか否か判別する。そして、今回の回復アイテムの使用が第1上限値を超えた後に該当しない場合(カウント条件が満たされない場合)、データ管理部34は以降の処理をスキップして今回の回数カウント処理を終了する。
【0065】
一方、今回の回復アイテムの使用が第1上限値を超えた後に該当する場合(カウント条件が満たされる場合)、データ管理部34は価値管理データVDを取得する(ステップS202)。続いてデータ管理部34は、今回の回復アイテムの使用に伴い、第1上限値を超えた後の使用回数をカウントアップする(ステップS203)。データ管理部34は、このようなカウントアップを価値管理データVDの“回数”の情報を使用回数が一回増える情報に更新することにより実現する。具体的には、例えば、所定数として一回が利用される場合、データ管理部34は、価値管理データVDの“回数”の情報を使用なし(0回の使用)を示す情報から使用あり(1回の使用)を示す情報に更新する。そして、データ管理部34は、このようなカウントアップ(更新)の後に今回の回数カウント処理を終了する。これにより、価値管理データVDを介して第1上限値を超えた後における回復アイテムの使用回数が管理される。
【0066】
また、カウントリセット処理は、第1上限値を超えた後における回復アイテムの使用回数を初期値(例えばゼロ)にリセットするための処理である。データ管理部34は、体力値が消費される毎(あるいは、価値管理データVDの“回数”の情報が所定数を超える情報に達した後において体力値が消費される毎)に図8のカウントリセット処理を開始し、まず今回の体力値の消費に伴い体力値の残量がリセット条件を満たすか否か判別する(ステップS301)。リセット条件は、例えば体力値の残量が第1上限値を下回った場合(あるいは、価値管理データVDの“回数”の情報が所定数を超える情報に達した後において体力値の残量が第1上限値を下回った場合)に満たされる。このため、データ管理部34は、リセット条件の判別として、今回の消費に伴い体力値の残量が第1上限値を下回ったか否か判別する。そして、今回の消費後においても体力値の残量が第1上限値を下回っていない(第1上限値を上回っている)場合、つまりリセット条件が満たされない場合、データ管理部34は以降の処理をスキップして今回のカウントリセット処理を終了する。
【0067】
一方、今回の消費後に体力値の残量が第1上限値を下回っている場合、つまりリセット条件が満たされる場合、データ管理部34は価値管理データVDを取得する(ステップS302)。続いてデータ管理部34は、今回の体力値の消費に伴い、第1上限値を超えた後における回復アイテムの使用回数を初期値(例えばゼロ)にリセットする(ステップS303)。データ管理部34は、このようなリセットを価値管理データVDの“回数”の情報を使用回数が一回減る情報に更新することにより実現する。具体的には、例えば、所定数として一回が利用される場合、データ管理部34は、価値管理データVDの“回数”の情報を使用あり(1回の使用)を示す情報から使用なし(0回の使用)を示す情報に更新する。そして、データ管理部34は、このようなリセット(更新)の後に今回のカウントリセット処理を終了する。なお、リセット後の値は初期値に限定されない。リセット後の値として適宜の値が利用されてよい。
【0068】
図8の手順により、第1上限値を超えた後における回復アイテムの使用回数が所定数に達した後においても体力値の残量が第1上限値を下回った場合にはその使用回数が初期値にリセットされる。つまり、アイテム使用不可期間が設定された後においても体力値の残量が第1上限値を下回った場合には、アイテム使用不可期間が解除され、以降では回復アイテムの使用が許可される。このため、例えば、仮に第1上限値を超えた後であっても回復アイテムの使用が許可され、回復アイテムの使用に伴う体力値の回復が再開される。
【0069】
以上に説明したように、この形態によれば、体力値の残量が第1上限値(時間経過に伴う回復の上限値)を超えた後においても回復アイテムの使用が許容される一方で、そのような第1上限値を超えた後の回復アイテムの使用回数が所定数(例えば、一回)に達したか否か判別される。そして、そのような使用回数が所定数に達している場合には回復アイテムの使用(消費)が制限される。このため、第1上限値を超えた後の回復アイテムの使用回数を所定数に制限することができる。これにより、回復アイテムが無制限に使用されてしまうことを抑制することができる。また、体力値の残量に回復の絶対値として第2上限値が設定されている場合には、所定数を利用し、ユーザの手間暇を削減することができる。具体的には、例えば、そのような第2上限値によって回復アイテムの使用に伴う回復量が無駄になってしまわないか等の第2上限値に基づく計算、或いはそのような無駄が生じないように体力値を消費させるための不要な時間(若しくは消費)といったユーザの手間暇を削減することができる。これらにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0070】
一方で、そのような使用回数が所定数に達した後であっても、体力値の残量が第1上限値を下回れば再度所定数に達していないと判別される。より具体的には、そのような使用回数のカウントが初期値にリセットされるため、所定数に達していないと判別される。つまり、回復アイテムの使用が制限された後であっても、そのような制限は体力値の残量が第1上限値を下回れば解消(解除)される。このため、回復アイテムの使用の制限を体力値の残量が第1上限値(時間経過に伴う回復の上限値)を超えている間に限定することができる。これにより、ゲームの興趣性に与える制限の影響を一部期間(ユーザの利便性上、より適切な期間)に限定することができる。結果として、ユーザの利便性の向上と、ゲームの興趣性の確保とを両立することができる。
【0071】
以上の形態において、ゲーム機3の進行制御部33が、図6のステップS102の処理を実行することにより本発明の使用制限手段として機能する。また、ゲーム機3のデータ管理部34が、図8のステップS303の処理を実行することにより本発明の情報更新手段として機能する。一方、ゲーム機3の記憶部32が価値管理データVDを記憶することにより本発明のデータ記憶手段として機能する。
【0072】
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上述の形態では、体力値には、時間回復(所定の規則に従っった回復)とは別に回復アイテムの使用による回復(ユーザの指示に基づく回復)が生じている。しかし、時間回復以外に体力値を回復させる要素は、このような回復アイテムに限定されない。例えば、このような要素として、回復アイテムの代わりに、或いはそれに加えて通貨価値(ゲーム内通貨、及び現金等の法定通貨のいずれでもよい)が利用されてもよい。そして、このような通貨価値に上述の制限等が設定されてもよい。あるいは、上述のランクアップに伴う回復(プレイ状況に応じた回復)に上述の制限等が設定されてもよい。この場合、ランクアップに伴う回復は保留とされ、適切な時期に改めて実行されてもよい。
【0073】
上述の形態では、ゲーム機3はキャラクタ育成ゲームを提供している。しかし、ゲーム機3が提供するゲームは、このようなゲームに限定されない。ゲーム機3は、適宜のゲームを提供してよい。そして、そのようなゲームに含まれる各種の価値に上述の制限等が設定されてよい。
【0074】
また、上述の形態のゲーム機3の役割(各種処理等)の全部或いは一部をセンターサーバ2が実行してもよい。つまり、本発明のゲームシステムは、センターサーバ2及びゲーム機3が適宜に協働して本実施形態のゲーム機3及びセンターサーバ2が有する各機能を実現するように構成されてもよい。一方で、センターサーバ2は省略されてもよい。この場合、一台のゲーム機3が本発明のゲームシステムとして機能してもよい。
【0075】
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0076】
本発明の第1の形態に係るゲームシステムは、所定の進行を付与するために消費される進行用の価値(例えば、体力値)、及び当該進行用の価値の残量を所定量回復させるために使用される回復要素(例えば、回復アイテム)を含み、当該回復要素の使用に伴い前記進行用の価値の残量を前記所定量回復させるとともに、当該回復要素の使用とは別に前記進行用の価値の残量を時間経過に従って徐々に上限値(例えば、第1上限値)まで回復させるゲームを提供するゲームシステム(1)であって、前記進行用の価値の残量が前記上限値を超えた後における前記回復要素の使用を前記ゲームが許容する場合に、前記残量が前記上限値を超えた後において前記回復要素が使用された回数としての上限後回数が所定数に達したか否か判別するための判別情報(例えば、“回数”の情報)が記述された判別情報データ(VD)を記憶するデータ記憶手段(32)と、前記判別情報データの前記判別情報に基づいて前記上限後回数が所定数に達していると判別される場合に前記回復要素の使用を制限する使用制限手段(33)と、前記上限後回数が前記所定数に達した後に前記残量が前記上限値を下回った場合に前記上限後回数が前記所定数に達していないと判別されるように前記判別情報データの前記判別情報を更新する情報更新手段(34)と、を備えるものである。
【0077】
本発明の第2の形態に係るゲームシステムは、所定の進行を付与するために消費される進行用の価値(例えば、体力値)、及び当該進行用の価値の残量を所定量回復させるために使用される回復要素(例えば、回復アイテム)を含み、当該回復要素の使用に伴い前記進行用の価値の残量を前記所定量回復させるとともに、当該回復要素の使用とは別に前記進行用の価値の残量を時間経過に従って徐々に上限値(例えば、第1上限値)まで回復させるゲームを提供するゲームシステム(1)であって、前記進行用の価値の残量が前記上限値を超えた後における前記回復要素の使用を前記ゲームが許容する場合に、前記残量が前記上限値を超えた後において前記回復要素の使用に伴う前記所定量の回復の合計としての合計回復量が所定量に達したか否か判別するための判別情報が記述された判別情報データ(VD)を記憶するデータ記憶手段(32)と、前記判別情報データの前記判別情報に基づいて前記合計回復量が前記所定量に達していると判別される場合に前記回復要素の使用を制限する使用制限手段(33)と、前記合計回復量が前記所定量に達した後に前記残量が前記上限値を下回った場合に前記合計回復量が前記所定量に達していないと判別されるように前記判別情報データの前記判別情報を更新する情報更新手段(34)と、を備えるものである。
【0078】
本発明によれば、進行用の価値の残量が上限値を超えた後における回復要素の使用が許容される場合に、そのような上限値を超えた後の回復要素の使用回数(あるいは回復量)が所定数(あるいは所定量)に達したか否か判別される。そして、そのような使用回数が所定数に達している場合には回復要素の使用が制限される。このため、上限値を超えた後の回復要素の使用回数を所定数に制限することができる。これにより、回復要素が無制限に使用されてしまうことを抑制することができる。また、進行用の価値の残量に回復の最大値が設定されている場合には、所定数を利用し、そのような最大値に基づく計算等のユーザの手間暇を削減することができる。これらにより、ユーザの利便性を向上させることができる。一方で、そのような使用回数が所定数に達した後であっても、進行用の価値の残量が上限値を下回れば再度所定数に達していないと判別される。つまり、回復要素の使用が制限された後であっても、そのような制限は進行用の価値の残量が上限値を下回れば解消される。このため、回復要素の使用の制限を進行用の価値の残量が上限値を超えている間に限定することができる。これにより、ゲームの興趣性に与える影響を一部に限定することができる。結果として、ユーザの利便性の向上と、ゲームの興趣性の確保とを両立することができる。なお、上限値を超える概念には、上限値に該当する場合が含まれていてもよい。つまり、上限値を超える場合は、上限値以上の場合と解釈されてもよい。あるいは、上限値を超える概念に上限値が含まれないと解釈される場合には、所定数から一つ減算された数が上限値以上の場合の制限用の数(所定数に相当する数)として機能してもよい。
【0079】
判別情報として、各種の情報が利用されてよい。例えば、判別情報として、回数の情報が利用されてもよいし、そのような回数を示す間接的な情報(例えば各数字に対応するアルファベット等)が利用されてもよい。例えば、所定数が一回の場合、このような判別情報として、回復要素の使用の有無を示すフラグが利用されてもよい。また、このようなフラグは、回数の情報として機能してもよいし、間接的な情報として機能してもよい。具体的には、例えば、本発明の第1の形態に係るゲームシステムの一態様において、前記使用制限手段は、前記判別情報データに前記判別情報として前記上限後回数が記述されている場合に当該上限後回数を前記判別情報として利用し、当該上限後回数が前記所定数に達している場合に前記回復要素の使用を制限し、前記情報更新手段は、前記上限後回数が前記所定数に達した後に前記残量が前記上限値を下回った場合に前記判別情報の更新として前記判別情報データの前記上限後回数をリセットしてもよい。
【0080】
所定数として、適宜の数が採用されてよい。例えば、本発明の第1の形態に係るゲームシステムにおいて、前記使用制限手段、及び前記情報更新手段は、前記所定数としていずれも一回を利用してもよい。同様に、回復要素として各種の要素が利用されてよい。例えば、回復要素は、所定の対価の消費と引き換えに購入されるゲーム中の価値であってもよいし、ゲーム中のアイテムであってもよい。具体的には、例えば、本発明の第1の形態或いは第2の形態に係るゲームシステムの一態様において、前記回復要素として、前記ゲームに用意されたアイテムが利用されてもよい。
【0081】
一方、本発明のコンピュータプログラム(PG2)は、前記データ記憶手段に接続されるコンピュータ(31)を、上述の各形態に係るゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0082】
また、本発明の制御方法は、所定の進行を付与するために消費される進行用の価値(例えば、体力値)、及び当該進行用の価値の残量を所定量回復させるために使用される回復要素(例えば、回復アイテム)を含み、当該回復要素の使用に伴い前記進行用の価値の残量を前記所定量回復させるとともに、当該回復要素の使用とは別に前記進行用の価値の残量を時間経過に従って徐々に上限値(例えば、第1上限値)まで回復させるゲームを提供するゲームシステム(1)であって、前記進行用の価値の残量が前記上限値を超えた後における前記回復要素の使用を前記ゲームが許容する場合に、前記残量が前記上限値を超えた後において前記回復要素が使用された回数としての上限後回数が所定数に達したか否か判別するための判別情報(例えば、“回数”の情報)が記述された判別情報データ(VD)を記憶するデータ記憶手段(32)を備えるゲームシステム(1)に組み込まれるコンピュータ(31)に、前記判別情報データの前記判別情報に基づいて前記上限後回数が所定数に達していると判別される場合に前記回復要素の使用を制限する使用制限手順(ステップS102)と、前記上限後回数が前記所定数に達した後に前記残量が前記上限値を下回った場合に前記上限後回数が前記所定数に達していないと判別されるように前記判別情報データの前記判別情報を更新する情報更新手順(ステップS303)と、を実行させるものである。本発明のコンピュータプログラム、或いは制御方法が実行されることにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。
【符号の説明】
【0083】
1 ゲームシステム
3 ゲーム機
31 制御ユニット(コンピュータ)
32 記憶部(データ記憶手段)
33 進行制御部(使用制限手段)
34 データ管理部(情報更新手段)
VD 価値管理データ(判別情報データ)
PG2 プログラム(コンピュータプログラム)

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