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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-17
(45)【発行日】2023-10-25
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20231018BHJP
【FI】
A63F7/02 326Z
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020112631
(22)【出願日】2020-06-30
(65)【公開番号】P2022011472
(43)【公開日】2022-01-17
【審査請求日】2022-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000161806
【氏名又は名称】京楽産業.株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085660
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 均
(74)【代理人】
【識別番号】100185672
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 雅人
(72)【発明者】
【氏名】中村 裕介
(72)【発明者】
【氏名】芳根 大輔
(72)【発明者】
【氏名】石海 利幸
【審査官】辻野 安人
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-170328(JP,A)
【文献】特開2002-143504(JP,A)
【文献】特開2000-070525(JP,A)
【文献】特開平10-234978(JP,A)
【文献】特開2016-096994(JP,A)
【文献】特開2003-117185(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付部材と、前記取付部材を取り付け可能な基板ケースと、を備え、
前記基板ケースは、第1部材と第2部材とを備え、
前記基板ケースは、前記第1部材と前記第2部材とを閉止した閉状態と、前記第1部材と前記第2部材との閉止を解除した開状態と、を有し、
前記閉状態における前記基板ケースの内部に基板を収容し、
前記基板ケースは、部品の着脱領域を備え、
前記着脱領域を介して前記基板ケースに備えた着脱可能部品を着脱可能であり、
前記基板ケースが前記閉状態にあるとき、
前記取付部材が前記基板ケースに取り付けられているときは、前記取付部材によって隠蔽される前記着脱領域を介して前記着脱可能部品を着脱不可能であり、
前記取付部材が前記基板ケースに取り付けられていないときは、前記着脱領域を介して前記着脱可能部品を着脱可能である、
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御基板を収納する基板ケースを有する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機などの遊技機では、液晶画面を備える画像表示装置や、音声出力装置(スピーカー)、電動役物などを用いた各種の演出が行われ、遊技者の興趣を高める工夫がなされている。
例えば、始動口への遊技球の入球を契機として行われた図柄の抽選結果に基づいて演出パターンが決定され、この演出パターンに応じて画像表示装置に演出画像が表示される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-062748公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遊技機は、演出基板に記憶媒体としてのROMを備え、このROMに格納されたプログラムやデータを用いて各種の演出を実行するが、昨今では、ROM上のプログラムやデータを書き換えて再利用することで、環境負荷を低減しつつ遊技機の製造開発を効率化しようとする機運が高まっている。
しかし、演出基板に実装されるROMを再利用するため必要とされる工程は必ずしも容易ではない。
作業にあたって、作業者は、演出基板を収容する基板ケースの封印を解いて開封し、演出基板上からROMを取り出し、専用の機材等を使ってROM上のデータを書き換えたうえで、ROMを基板上に再装着する。このような作業中は、ROMが備えるコネクタピンを破損するといったトラブルが発生しやすいという問題がある。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、演出基板に接続されるROMの着脱を容易とし、データを効率的に書き換え可能とすることで、環境負荷を低減しつつ遊技機の製造開発を効率化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、取付部材と、前記取付部材を取り付け可能な基板ケースと、を備え、前記基板ケースは、第1部材と第2部材とを備え、前記基板ケースは、前記第1部材と前記第2部材とを閉止した閉状態と、前記第1部材と前記第2部材との閉止を解除した開状態と、を有し、前記閉状態における前記基板ケースの内部に基板を収容し、前記基板ケースは、部品の着脱領域を備え、前記着脱領域を介して前記基板ケースに備えた着脱可能部品を着脱可能であり、前記基板ケースが前記閉状態にあるとき、前記取付部材が前記基板ケースに取り付けられているときは、前記取付部材によって隠蔽される前記着脱領域を介して前記着脱可能部品を着脱不可能であり、前記取付部材が前記基板ケースに取り付けられていないときは、前記着脱領域を介して前記着脱可能部品を着脱可能である、遊技機を特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
上記のように構成したので、本発明によれば、環境負荷を低減しつつ遊技機の製造開発を効率化可能することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係る遊技機の一例を示した正面図である。
図2】本実施形態に係る遊技機の裏面側の一例を示した斜視図である。
図3】本実施形態に係る遊技機に備えられている遊技制御装置の構成を示したブロック図である。
図4】ベース枠体に各ユニットを組み付けた状態を示す背面図である。
図5図4の一部分解斜視図である。
図6】演出基板ケースに格納される演出制御基板を説明する図である。
図7】演出基板ケースに格納される画像制御基板を説明する図である。
図8】演出基板ケースを説明する概略正面図である。
図9】演出基板ケースを説明する概略斜視図である。
図10】演出基板ケースの分解斜視図である。
図11】演出基板ケースの分解斜視図である。
図12】演出基板ケースに対して装着される部品を説明する図である。
図13】統合データROMを搭載したROM基板を示す図である。
図14】ROMカセットの概略構成図である。
図15】ROMカセットの分解斜視図である。
図16】ROMカセットの分解斜視図である。
図17】ROMカセットの第1状態を説明する図である。
図18】ROMカセットの第2状態を説明する図である。
図19】ROMカセットを演出基板ケースに取り付ける手順を説明する図である。
図20】ROMカセットを演出基板ケースに取り付ける手順を説明する図である。
図21】基板カバーと基板ベースを組み合わせた演出基板ケースを封止する締結封止部を説明する図である。
図22】基板カバーと基板ベースを組み合わせた演出基板ケースにROMカセットを係止する締結係止部を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
<遊技機の基本構成>
図1は、本実施形態に係る遊技機の一例を示した正面図、図2は、本実施形態に係る遊技機の裏面側の一例を示した斜視図、図3は、本実施形態に係る遊技機に備えられている遊技制御装置の構成を示したブロック図である。
【0009】
図1に示す遊技機1には、遊技ホールの島構造体に取付けられる外枠2に内枠(開閉枠)3が開閉可能に装着され、この内枠3にガラス枠4が開閉可能に装着されている。
ガラス枠4には窓4aが形成され、その窓4aに透明板(ガラス板)4bが装着されている。内枠3には遊技球が打出される盤面を有する遊技盤10が装着され、この遊技盤10の盤面とその前側の透明板との間に遊技球が転動、流下可能な遊技領域10aが形成されている。透明板4bは、例えばガラス板であり、ガラス枠4に対して着脱可能に固定されている。
【0010】
ガラス枠4は、左右方向の一端側(例えば遊技機に正対して左側)においてヒンジ機構部5を介して外枠2に連結されており、ヒンジ機構部5を支点として左右方向の他端側(例えば遊技機に正対して右側)を外枠2から開放させる方向に回動可能とされている。ガラス枠4は、透明板とともに遊技盤10を覆い、ヒンジ機構部5を支点として扉のように回動することによって、遊技盤10を含む外枠2の内側部分を開放することができる。ガラス枠4の他端側には、ガラス枠4の他端側を外枠2に固定するロック機構が設けられている。ロック機構による固定は、専用の鍵によって解除することが可能とされている。また、ガラス枠4には、ガラス枠4が外枠2から開放されているか否かを検出する開放検出スイッチ252が設けられている。
【0011】
ガラス枠4の下部(窓4aの下側部分)には、遊技球を貯留する貯留皿6(上皿6aと下皿6b)を有する皿ユニット7が設けられ、その皿ユニット7に、遊技者が押下操作可能な演出ボタン8(図1)と、遊技者が種々の選択操作を実行可能な十字キー600と、下皿6bに貯留された遊技球を遊技機外部へ排出する排出ボタン9とが装備されている。
演出ボタン8は、例えば、後述する画像表示装置31に当該演出ボタン8を操作するようなメッセージが表示されたときのみ有効となる。演出ボタン8には、演出ボタン検出スイッチ8a(図3参照)が設けられており、この演出ボタン検出スイッチ8aが遊技者の操作を検出すると、この操作に応じてさらなる演出が実行される。
また、十字キー600には、十字キー検出スイッチ(上キー検出スイッチ、下キー検出スイッチ、左キー検出スイッチ、右キー検出スイッチ)が設けられている。
【0012】
ガラス枠4の右下側には、操作ハンドル11が設けられている。遊技者が操作ハンドル11に触れると、操作ハンドル11内にあるタッチセンサ11a(図3参照)が、操作ハンドル11に遊技者が触れたことを検知し、発射制御基板75にタッチ信号を送信する。発射制御基板75は、タッチセンサ11aからタッチ信号を受信すると、発射用ソレノイド12aの通電を許可する。そして、操作ハンドル11の回転角度を変更することで発射ボリューム11bのつまみが回転する。この発射ボリューム11bの検出角度に応じた電圧が遊技球発射機構に設けられた発射用ソレノイド12aに印加される。そして、発射用ソレノイド12aに電圧が印加されると、発射用ソレノイド12aが印加電圧に応じて作動するとともに、操作ハンドル11の回動角度に応じた強さで遊技球が遊技盤10の遊技領域10aへ発射される。
【0013】
遊技盤10における遊技領域10aの周囲には、外レールR1及び内レールR2が設けられている。これら外レールR1及び内レールR2は、操作ハンドル11を操作したときに遊技球発射機構から発射された遊技球を遊技領域10aの上部に案内する。遊技領域10aの上部に案内された遊技球は、遊技領域10a内を落下する。このとき、遊技領域10aに設けられた複数の釘や風車によって、遊技球は予測不能に落下することとなる。
遊技盤10の略中央には、センター部材12が配置されている。センター部材12には、液晶表示装置等からなる画像表示装置31と、「刀」を模した演出用役物装置32が設けられている。
【0014】
また、センター部材12の中央下側の遊技領域10aには、遊技球が入球可能な第1始動口13が設けられている。そして、この第1始動口13の下方に第2始動口14が設けられている。第2始動口14は、開閉扉14bを有しており、開閉扉14bが閉状態に維持される第1の態様と、開閉扉14bが開状態となる第2の態様とに可動制御される。従って、第2始動口14は、第1の態様にあるときには遊技球の入賞機会がなく、第2の態様にあるときには遊技球の入賞機会が増すこととなる。
なお、本実施形態では、第2始動口14が第1の態様に制御されているときは、第2始動口14に遊技球が入球することがないようにしている。しかしながら、第2の態様に制御されているときよりも第1の態様に制御されているときの方が遊技球の入球機会が少なければ、第1の態様に制御されているときに第2始動口14に遊技球が入球しても構わない。つまり、第1の態様には、第2始動口14への遊技球の入球が不可能または困難な状態が含まれる。
【0015】
第1始動口13、及び第2始動口14には、遊技球の入球を検出する第1始動口検出スイッチ13a(図3参照)及び第2始動口検出スイッチ14aがそれぞれ設けられており、これら検出スイッチが遊技球の入球を検出すると、後述する大当たり遊技を実行する権利獲得の抽選(以下、「大当たりの抽選」という)が行われる。また、第1始動口検出スイッチ13a及び第2始動口検出スイッチ14aが遊技球の入球を検出した場合にも、所定の賞球(例えば3個の遊技球)が払い出される。
なお、本実施形態の遊技機1では、第1始動口13及び第2始動口14に遊技球が入球した場合、例えば3個の遊技球の払い出しを行うようにしているが、遊技球の入球に伴う払い出しは必ずしも行う必要は無い。また、例えば第1始動口13の払い出し個数を3個、第2始動口14の払い出し個数を1個といったように始動口ごとに払い出し個数を異なるように構成しても良い。
【0016】
センター部材12の両側の遊技領域10aには、遊技球が通過可能なゲート15が設けられている。ゲート15には、遊技球の通過を検出するゲート検出スイッチ15a(図3参照)が設けられており、このゲート検出スイッチ15aが遊技球の通過を検出すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。
さらにセンター部材12の右側の遊技領域10aには、遊技球が入球可能な第1大入賞口16及び第2大入賞口17が設けられている。このため、操作ハンドル11を大きく回動させ、強い力で打ち出された遊技球でないと、第1大入賞口16及び第2大入賞口17には遊技球が入賞しないように構成されている。
【0017】
第1大入賞口16は、通常は開閉扉16bによって閉状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対して、後述する大当たり遊技が開始されると、開閉扉16bが開放されるとともに、この開閉扉16bが遊技球を第1大入賞口16内に導く受け皿として機能し、遊技球が第1大入賞口16に入球可能となる。第1大入賞口16には第1大入賞口検出スイッチ16aが設けられており、この第1大入賞口検出スイッチ16aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
【0018】
第2大入賞口17は、通常は可動片17bによって閉状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対して、後述する大当たり遊技が開始されると、可動片17bが作動して開放されるとともに、この可動片17bが遊技球を第2大入賞口17内に導く誘導路として機能し、遊技球が第2大入賞口17に入球可能となる。第2大入賞口17には第2大入賞口検出スイッチ17aが設けられており、この第2大入賞口検出スイッチ17aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
さらに、遊技領域10aには複数の一般入賞口18が設けられている。これら各一般入賞口18に遊技球が入賞すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。
【0019】
遊技領域10aの最下部には、一般入賞口18、第1始動口13、第2始動口14、第1大入賞口16及び第2大入賞口17のいずれにも入球しなかった遊技球を排出するためのアウト口19が設けられている。
画像表示装置31は、遊技が行われていない待機中に画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示したりする。なかでも、第1始動口13または第2始動口14に遊技球が入球したときには、抽選結果を遊技者に報知する演出図柄35が変動表示される。
演出図柄35というのは、例えば第1図柄(左図柄)、第2図柄(右図柄)、第3図柄(中央図柄)という3つの図柄(数字)をそれぞれスクロール表示するとともに、所定時間経過後に当該スクロールを停止させて、特定の図柄(数字)を配列表示するものである。
【0020】
これにより、図柄のスクロール中には、あたかも現在抽選が行われているような印象を遊技者に与えるとともに、スクロールの停止時に表示される図柄によって、抽選結果が遊技者に報知される。この演出図柄35の変動表示中に、さまざまな画像やキャラクター等を表示することによって、大当たりに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えるようにしている。
また、図示しないが、画像表示装置31には、上記演出図柄35とは別に第4図柄が表示されている。第4図柄は、大当たり抽選処理による抽選結果の報知に用いる演出図柄35の変動状態を示している図柄である。
なお、第4図柄は、必ずしも画像表示装置31に表示する必要は無く、別途、第4図柄表示ランプを設けて表示するようにしても良い。
【0021】
ガラス枠4の上部には、左右1対の演出用照明装置33が装備されている。演出用照明装置33は、それぞれ複数のライトを備えており、各ライトの光の照射方向や発光色を変更しながら、さまざまな演出を行うようにしている。
また、演出用照明装置33は、それぞれ複数のライトを備えており、各ライトの光の照射方向や発光色を変更しながら、さまざまな演出を行うようにしている。
さらに、図1には示していないが、遊技機1にはスピーカからなる音声出力装置34(図3参照)が設けられており、上記の各演出装置に加えて、BGM(バックグランドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)等を出力し、サウンドによる演出も行うようにしている。
【0022】
遊技領域10aの左側下方には、後述する第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21、普通図柄表示装置22、第1特別図柄保留表示器23、第2特別図柄保留表示器24、普通図柄保留表示器25、ラウンド回数表示器26等の表示領域が設けられている。
第1特別図柄表示装置20は、第1始動口13に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するものであり、複数のLEDで構成されている。つまり、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が複数設けられており、この第1特別図柄表示装置20に大当たりの抽選結果に対応する特別図柄(点灯態様)を表示することによって、抽選結果を遊技者に報知するようにしている。このようにして表示される特別図柄はすぐに表示されるわけではなく、所定時間変動表示(点滅)された後に停止表示されるようにしている。
より詳細には、第1始動口13に遊技球が入球すると、大当たりの抽選が行われることとなるが、この大当たりの抽選結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、所定時間を経過したところで遊技者に報知される。そして、所定時間が経過したところで、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が停止表示して遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。
【0023】
第2特別図柄表示装置21は、第2始動口14に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するためのもので、その表示態様は、上記第1特別図柄表示装置20における特別図柄の表示態様と同一である。
普通図柄表示装置22は、ゲート15を遊技球が通過したことを契機として行われる普通図柄の抽選結果を報知するためのものである。詳しくは後述するが、この普通図柄の抽選によって所定の当たりに当選すると普通図柄表示装置22が点灯し、その後、第2始動口14が所定時間、第2の態様に制御される。なお、この普通図柄についても、ゲート15を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、所定時間が経過するまで普通図柄表示装置22を点滅させる等、普通図柄が変動表示するようにしている。
さらに、特別図柄の変動表示中や後述する特別遊技中等、第1始動口13または第2始動口14に遊技球が入球して即座に大当たりの抽選が行えない場合には、一定の条件のもとで大当たりの抽選の権利が留保される。より詳細には、第1始動口13に遊技球が入球して留保される大当たりの抽選の権利は第1保留として留保され、第2始動口14に遊技球が入球して留保される大当たりの抽選の権利は第2保留として留保される。
【0024】
これら両保留は、それぞれ上限留保個数を4個に設定し、その留保個数は、それぞれ第1特別図柄保留表示器23と第2特別図柄保留表示器24とに表示される。
そして、普通図柄の上限留保個数も4個に設定されており、その留保個数が、上記第1特別図柄保留表示器23及び第2特別図柄保留表示器24と同様の態様によって、普通図柄保留表示器25において表示される。
ラウンド回数表示器26は、後述する特別遊技中に行われるラウンド遊技のラウンド回数を報知するためのものである。
【0025】
図3に示すように、遊技機1の裏面には、主制御基板50、演出制御基板55、払出制御基板60、ランプ制御基板65、画像制御基板70、発射制御基板75、電源基板76、遊技情報出力端子板27などが設けられている。また、電源基板76に遊技機に電力を給電するための電源プラグ77や、図示しない電源スイッチが設けられている。
画像制御基板70には、音声出力装置34から出力される音声の音量を切り替えるための音量切替スイッチ36が設けられている。
【0026】
図3を用いて、本実施形態の遊技機1において遊技の進行を制御する遊技制御装置について説明する。
この図3において、主制御基板50は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板50は、メインCPU50a、メインROM50b、メインRAM50cから構成されるワンチップマイコンと、主制御用の入力ポートと出力ポート(図示せず)とを少なくとも備えている。
メインCPU50aは、各検出スイッチからの入力信号に基づいて、メインROM50bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM50cは、メインCPU50aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0027】
上記主制御基板50の入力側には、第1始動口検出スイッチ13a、第2始動口検出スイッチ14a、ゲート検出スイッチ15a、第1大入賞口検出スイッチ16a、第2大入賞口検出スイッチ17a、一般入賞口検出スイッチ18aが接続されており、遊技球の検出信号を主制御基板50に入力するようにしている。
また、主制御基板50の出力側には、第2始動口14の開閉扉14bを開閉動作させる始動口開閉ソレノイド14c、第1大入賞口16の開閉扉16bを開閉動作させる第1大入賞口開閉ソレノイド16c、第2大入賞口17の可動片17bを開閉動作させる第2大入賞口開閉ソレノイド17cが接続されている。
さらに、主制御基板50の出力側には、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21、普通図柄表示装置22、第1特別図柄保留表示器23、第2特別図柄保留表示器24、普通図柄保留表示器25、およびラウンド回数表示器26が接続されており、出力ポートを介して各種信号を出力するようにしている。
また、主制御基板50は、遊技店のホールコンピュータ等において遊技機の管理をするために必要となる外部情報信号を遊技情報出力端子板27に出力する。
【0028】
主制御基板50のメインROM50bには、後述する遊技制御用のプログラムや各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
また、主制御基板50のメインRAM50cは、複数の記憶領域を有している。
例えば、メインRAM50cには、普通図柄保留数(G)記憶領域、普通図柄保留記憶領域、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域、判定記憶領域、第1特別図柄記憶領域、第2特別図柄記憶領域、高確率遊技回数(X)記憶領域、時短遊技回数(J)記憶領域、ラウンド遊技回数(R)記憶領域、開放回数(K)記憶領域、第1大入賞口入れ球数(C1)記憶領域、第2大入賞口入球数(C2)記憶領域、遊技状態記憶領域、遊技状態バッファ、停止図柄データ記憶領域、演出用伝送データ格納領域等が設けられている。そして、遊技状態記憶領域は、時短遊技フラグ記憶領域、高確率遊技フラグ記憶領域、特図特電処理データ記憶領域、普図普電処理データ記憶領域を備えている。なお、上述した記憶領域は一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
【0029】
遊技情報出力端子板27は、主制御基板50において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ等に出力するための基板である。遊技情報出力端子板27は、主制御基板50と配線接続されるとともに、遊技店のホールコンピュータ等に接続をするためのコネクタが設けられている。
電源基板76は、電源プラグ77から供給される電源電圧を所定電圧に変換して各制御基板に供給する。また、電源基板76はコンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板50に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU50aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU50aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
【0030】
演出制御基板55は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板55は、サブCPU55a、サブROM55b、サブRAM55cを備えており、主制御基板50に対して、当該主制御基板50から演出制御基板55への一方向に通信可能に接続されている。
サブCPU55aは、主制御基板50から送信されたコマンド、または、ランプ制御基板65を介して入力される演出ボタン検出スイッチ8aからの入力信号に基づいて、サブROM55bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータをランプ制御基板65または画像制御基板70に送信する。サブRAM55cは、サブCPU55aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0031】
演出制御基板55のサブROM55bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、主制御基板50から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて演出パターンを決定するための変動演出パターン決定テーブル(図示省略)、停止表示する演出図柄35の組み合わせを決定するための演出図柄パターン決定テーブル(図示省略)等がサブROM55bに記憶されている。なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
【0032】
演出制御基板55のサブRAM55cは、複数の記憶領域を有している。
サブRAM55cには、コマンド受信バッファ、遊技状態記憶領域、演出モード記憶領域、演出パターン記憶領域、演出図柄記憶領域、判定記憶領域(第0記憶領域)、第1保留記憶領域、第2保留記憶領域等が設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
また、演出制御基板55には、現在時刻を出力するRTC(リアルタイムクロック)55dが搭載されている。サブCPU55aは、RTC55dから現在の日付を示す日付信号や現在の時刻を示す時刻信号を入力し、現在の日時に基づいて各種処理を実行する。
RTC55dは、通常、遊技機に電源が供給されているときには遊技機からの電源によって動作し、遊技機の電源が切られているときには、電源基板76に搭載されたバックアップ電源から供給される電源によって動作する。したがって、RTC55dは、遊技機の電源が切られている場合であっても現在の日時を計時することができる。なお、RTC55dは、演出制御基板55上に電池を設けて、かかる電池によって動作するようにしてもよい。
【0033】
払出制御基板60は、遊技球の発射制御と賞球の払い出し制御を行う。この払出制御基板60は、払出CPU60a、払出ROM60b、払出RAM60cを備えており、主制御基板50に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出CPU60aは、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数スイッチ251、開放検出スイッチ252からの入力信号に基づいて、払出ROM60bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板50に送信する。
【0034】
また、払出制御基板60の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の賞球を遊技者に払い出すための賞球払出装置の払出モータ250が接続されている。払出CPU60aは、主制御基板50から送信された払出個数指定コマンドに基づいて、払出ROM60bから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、賞球払出装置の払出モータ250を制御して所定の賞球を遊技者に払い出す。このとき、払出RAM60cは、払出CPU60aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
また、図示しない遊技球貸出装置(カードユニット)が払出制御基板60に接続されているか確認し、遊技球貸出装置(カードユニット)が接続されていれば、発射制御基板75に遊技球を発射させることを許可する発射制御データを送信する。
また、払出制御基板60には、皿満タン検知スイッチ51や、球詰まり検知スイッチ52が接続されている。
【0035】
発射制御基板75は、払出制御基板60から発射制御データを受信すると発射の許可を行う。そして、タッチセンサ11aからのタッチ信号および発射ボリューム11bからの入力信号を読み出し、発射用ソレノイド12aおよび球送りソレノイド12bを通電制御し、遊技球を発射させる。
発射用ソレノイド12aは、ロータリーソレノイドにより構成されている。発射用ソレノイド12aには、図示しない打出部材が直結されており、発射用ソレノイド12aが回転することで打出部材を回転させる。
ここで、発射用ソレノイド12aの回転速度は、発射制御基板75に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間における発射遊技球数は、発射ソレノイドが1回転する毎に1個発射されるため、約99.9(個/分)となる。すなわち、遊技球は約0.6秒毎に発射されることになる。
球送りソレノイド12bは、直進ソレノイドにより構成され、上皿6a(図1参照)にある遊技球を発射用ソレノイド12aに直結された打出部材に向けて1個ずつ送り出す。
【0036】
ランプ制御基板65は、上記演出制御基板55に双方向通信可能に接続されており、その入力側には演出ボタン8に設けられている演出ボタン検出スイッチ8aが接続されており、演出ボタン検出スイッチ8aから検出信号が入力された場合は、演出制御基板55に出力するようにしている。
また、ランプ制御基板65には、遊技盤10に設けられた演出用役物装置32や演出用照明装置33が接続されており、ランプ制御基板65は、演出制御基板55から送信されたデータに基づいて、演出用照明装置33を点灯制御したり、光の照射方向を変更するためのモータに対する駆動制御をしたりする。また、演出用役物装置32を動作させるソレノイドやモータ等の駆動源を通電制御する。なお、本実施形態では、演出ボタン8が突出するように構成されているので演出用役物装置32は演出ボタン8を含む。
画像制御基板70は、上記演出制御基板55に双方向通信可能に接続されており、その出力側に上記画像表示装置31および音声出力装置34を接続している。
【0037】
次に、演出ボタン8は、皿ユニット7の中央部分に組込まれている。
演出ボタン8は、図示しない通常操作位置と、通常操作位置よりも下方へ退入した押下位置と、通常操作位置よりも上方へ突出した突出操作位置とに亙って進退可能に構成されている。また、演出ボタン8は通常操作位置及び突出操作位置を含む任意の位置から押下位置へ押下操作可能に構成されている。
なお、本明細書では演出ボタン8の詳細な構造については、例えば特開2013-116168公報等に開示されているので説明を省略する。
【0038】
<遊技盤背面の構成>
次に、遊技盤の背面側の構成について説明する。
図4はベース枠体に各ユニットを組み付けた状態を示す背面図であり、図5図4の一部分解斜視図である。
図2図4図5等に示すように、遊技盤10の背面(後面)には、前後側向に貫通する開口部を有したベース枠体(液晶ベース枠)130が組み付けられて、ベース枠体の背面側(後側)にはその開口部を塞ぐように画像表示ユニット(画像表示装置31、及び画像表示カバー165)160が組み付けられる。画像表示カバー(液晶カバー)165の背面(後面)には、ランプ中継基板166が組み付けられ、ランプ中継基板166よりも下側の画像表示カバー165の背面下部には主制御基板を収容した基板保護ケース(基板ケース)200が取り付けられる。
【0039】
ベース枠体(液晶ベース)130は前後側向へ貫通する開口部を有した略四角形の環状体であり、その環状の前面131は遊技盤10の背面に添設されて固定される。ベース枠体の背面には各種回路基板、部品類を配置するためのスペースがある。
ベース枠体130の背面に固定された画像表示ユニット(液晶ユニット)160の背面側には、演出基板ケース100に格納された演出制御用基板を構成する演出制御基板55と画像制御基板70が配置されている。画像表示ユニット160は、演出制御基板の前側に設けた画像表示ユニット収納用のギャップ(収納空間)内に対して、ベース枠体の側方(左右方向)、上下方向、或いは斜め方向からスライド自在に装着できるように構成されている。
ベース枠体の背面に配置された各種回路基板は、蓋部材170によって覆われる(図4図5)。
【0040】
本実施形態の遊技機は、演出制御用基板を構成する演出制御基板55と画像制御基板70を収容する演出基板ケースに特徴を有する。
演出制御基板55と画像制御基板70は、コネクタを介して接続されることによって一体化した状態で演出基板ケース100に収容されている。
下記に説明する本実施形態では、遊技機1が遊技者と相対する方向を前側とし、遊技者と相対しない背面側を後側として説明する。
【0041】
図6は、本実施形態の演出基板ケースに格納される演出制御基板を説明する図であり、(a)は演出制御基板を後側から見た図であり、(b)は演出制御基板を前側から見た図である。
図6に示すように、演出制御基板55は、後側の表面に、例えばRTC55dを動作させるためのボタン電池が取り付けられる電池ホルダ80と、後述するROMカセット40が備えるコネクタと接続されるコネクタ81と、画像制御基板70の2つのコネクタ72(図7)と接続される同数のコネクタ82(第2コネクタ)と、主制御基板50に対するハーネスが接続されるコネクタ83(第3コネクタ)と、ワンチップマイコン(ICチップ)84と、エラー表示を行うセグ液晶85と、コンデンサやIC等その他電子部品と、を備えている。
ワンチップマイコン(ICチップ)84は、図3で説明した、サブCPU55a、サブROM55b、サブRAM55cを一体化(統合)したものである。
【0042】
セグ液晶85は、1つの7セグ液晶又は7セグLEDによって構成され得る。7セグ液晶は、数字の1字を表現するために、個別に点灯/消灯できる7個のセグメントから構成される液晶表示装置である。
7セグLEDは、数字の1字を表現するために、個別に点灯/消灯できる7個のセグメントから構成されるLED表示装置である。
なお、セグ液晶85は、数字を表示する7個のセグに加えてドットを表示するセグメントをさらに備えてもよい。
【0043】
図7は、本実施形態の演出基板ケースに格納される画像制御基板を説明する図であり、(a)は画像制御基板を前側から見た図であり、(b)は画像制御基板を後側から見た図である。
図7に示すように、画像制御基板70は、前側の表面にホストCPU71を備え、裏側の表面に演出制御基板55の2つのコネクタ82と接続される同数のコネクタ72と、VDP73と、を備えている。
なお本実施形態において、演出制御基板55による演出制御に使用されるプログラムと、画像制御基板70によって表示される画像データと、を着脱可能なROMカセット40に内包される統合データROM92に格納している。統合データROM92内の画像データは、演出制御基板55を経由して画像制御基板70に供給され得る。
【0044】
図6のワンチップマイコン84は、必ずしもサブROM55bを備える必要はないが、サブROM55bを備えて統合データROM92を拡張領域として利用することは出来る。図7の画像制御基板70にも独立したデータROMを設ける必要はないが、独立したデータROMを設けるともに統合データROM92を拡張領域として利用することが出来る。
【0045】
図8は、本実施形態の演出基板ケースを説明する概略正面図である。図9は、本実施形態の演出基板ケースを説明する概略斜視図である。図10図11は、演出基板ケースの分解斜視図である。図12は、演出基板ケースに対して装着される部品を説明する図である。
図8乃至図11を用いて、本実施形態の演出基板ケースの概要を説明する。
図8乃至図11に示すように、演出基板ケース100は、基板ベース100B(前側ケース片)と、基板カバー100A(後側ケース片)と、を備える。
基板カバー100Aと基板ベース100Bとを組み合わせることによって演出基板を内包する箱体としての演出基板ケース100(基部材)が構成される。
演出基板ケース100を構成する基板カバー100Aは、さらにその後側に、ROMカセット40(取付部材)、ヒートシンク500、ヒートシンクカバー400等を備えている。
【0046】
図10図11に示すように、基板ベース100B、基板カバー100Aは、演出制御基板55及び画像制御基板70を収容するベース側基板収容部101、カバー側基板収容部102をそれぞれ備えている。
演出基板ケース100は、基板ベース100Bが備えるベース側基板収容部101(図10)と、基板カバー100Aが備えるカバー側基板収容部102(図11)と、によって内包部(基板収容部)を構成し、演出制御基板55及び画像制御基板70を内包部に収容する。演出制御基板55及び画像制御基板70は、コネクタを介して接続され、一体化した状態で演出基板ケース100に収容される。
基板カバー100Aにおいて、演出制御基板55上のコネクタ83、セグ液晶85の位置に対応する箇所には開口部115、116(図10)が設けられ、基板カバー100Aの後側にコネクタ83、セグ液晶85が露出している(図8図9)。
コネクタ83が露出していることで主制御基板50とのハーネスによる接続が容易となり、セグ液晶85の表示も基板カバー100A越しに確認可能であるため非常に便利である。
【0047】
また、ベース側基板収容部101、カバー側基板収容部102は、それぞれ、略長方形状に形成された板部と、これら板部の周囲縁部から突設されて各板部の一方側の面を囲うフランジ部と、を有する(図10図11)。
基板ベース100Bのベース側基板収容部101を構成するフランジ部のうち、基板ベース100Bの長尺な2辺に沿って突設されている部分には、L字状に形成された引掛片101aがそれぞれ5つずつ形成されている(図10)。
一方、基板カバー100Aのカバー側基板収容部102を構成するフランジ部のうち、基板カバー100Aの長尺な2辺に沿って突設されている部分は、二重壁状に形成されており、二重壁を形成する壁と壁との間に、基板ベース100Bの引掛片101aを挿入可能な挿入溝部102aが設けられている。また、各挿入溝部102aには、引掛片が形成されている(図11)。
【0048】
基板カバー100Aと基板ベース100Bとが組み合わせられるとき、基板ベース100Bの引掛片101aが、基板カバー100Aの挿入溝部102aに挿入される。
そして、基板カバー100Aに対して左右方向に沿った図10図11中の矢印αの方向に、基板ベース100Bをスライドさせる。すると、基板カバー100Aの引掛片と基板ベース100Bの引掛片が係合するので、基板ベース100Bと基板カバー100Aとは、矢印αとは逆方向に互いに移動しない限り、外れないように組み合わされる。このように組み合わされると、基板カバー100A及び基板ベース100Bは、ベース側基板収容部101及びカバー側基板収容部102によって外部から遮蔽された箱形の内包部(基板収容部)を形成し、内包部に演出制御基板55及び画像制御基板70が収納される。このため、演出制御基板55、画像制御基板70等が不正に交換等される可能性を抑制できる。
【0049】
本実施形態では、基板ベース100Bと基板カバー100Aとは、間に演出制御基板55、画像制御基板70を挟んだ状態で、締結封止部450Aにより封止される。
図8図9に示すように演出基板ケース100の端縁に沿った適所には、基板ベース100Bと基板カバー100Aを閉止(封止)するための締結封止部450Aを備えている。
【0050】
図10に示すように、基板ベース100Bと、基板カバー100Aは、夫々、締結封止部450Aを構成する被係止部120、121を備えている。
締結封止部450Aは、後述するように被係止部120、121が備える締結穴に対して係止部材(カシメピン)を打ち込んで被係止部120、121を係止することにより、基板ベース100B、基板カバー100Aを閉止(封止)状態でロックする。被係止部120、121の締結穴に打ち込まれた係止部材(カシメピン)を除去することによって、基板ベース100B、基板カバー100Aよりなる演出基板ケース100は開封可能な状態となる。
演出基板ケース100の封止あるいは閉止とは、被封止部に打ち込まれた封止部材を除去し、あるいは締結(封止)を破壊しない限りは、演出基板ケース100を開封不能な状態とすることである。
【0051】
一方で、図8図9に示すように演出基板ケース100のROMカセット40の取り付け箇所には、演出基板ケース100に対してROMカセット40を締結(係止)するための締結係止部450Bを備えている。
締結係止部450Bは、締結封止部450Aによって基板ベース100Bと基板カバー100Aを閉止(封止)した状態で、さらに、演出基板ケース100に対して、ROMカセット40を固定(係止)するための締結係止部である。
締結係止部450Bは、後述するように被係止部42、109が備える締結穴に対して係止部材(カシメピン)を打ち込んで被係止部42、109を係止することにより、演出基板ケース100(基板カバー100A)に対して、ROMカセット40を係止(固定)する。被係止部42、109の締結穴に打ち込まれた係止部材(カシメピン)を除去することによって基板カバー100AからROMカセット40を取り外し可能な状態となる。ROMカセット40の取り外しに際して、締結係止部450Bによる係止の解除が必要であるが締結封止部450Aによる封止の解除は必要ない。
また、演出基板ケース100の開封に際して、締結封止部450Aによる封止の解除が必要であるが、締結係止部450Bによる係止の解除は必要ない。
締結封止部450Aと締結係止部450Bにおける異なる締結態様については後に詳述する。
【0052】
図12に示すように、基板カバー100Aは、後側における画像制御基板70の対応位置に開口部103を有し、さらに後側には、開口部103を塞ぐようにヒートシンク500を備えている。
さらに、基板カバー100Aは、基板カバー100Aの後側に、ヒートシンク500を覆うヒートシンクカバー400を備えている。
また、基板カバー100Aは、その後側にROMカセット40を取り付けるためのカセット取付部104を備えている。
カセット取付部104には、基板カバー100Aの表面から突設される位置決めピン105を備える。
位置決めピン105は、作業者がROMカセット40を演出基板ケース100(基板カバー100A)に取り付ける際の位置決めに供されるとともに、ROMカセット40が備える挿入孔45(後述)と嵌合して、演出基板ケース100(基板カバー100A)にROMカセット40を固定する。
【0053】
また、カセット取付部104は、演出基板ケース100に内包される演出制御基板55から突設されるコネクタ81(第1コネクタ)に対応する位置に開口部106を備え、開口部106からコネクタ81が露出している。
演出制御基板55のコネクタ81は、ROMカセット40を演出基板ケース100(基板カバー100A)のカセット取付部104に取り付けた際に、ROMカセット40が内包する統合ROM基板90が備えるコネクタ91(第4コネクタ)と接続される。
またカセット取付部104は、図中位置決めピン105の近傍位置に、多目的に使用される爪部110を備える。爪部110の特徴については後に詳しく説明する。
さらにカセット取付部104は、演出基板ケース100に内包される演出制御基板55に対して着脱可能に設けられたボタン電池の対応位置に設けられた開口部107と、開口部107を塞ぐ着脱可能な着脱カバー108と、を備える。
演出制御基板55が備える電池ホルダ80にボタン電池を新たに取り付けたり、交換したりする必要がある場合、着脱カバー108を取り外すだけで演出基板ケース100の内部にアクセス出来る。演出基板ケース100を開封する必要はない。
【0054】
カセット取付部104には、ROMカセット40が正常に取り付けられたときに、カセットケース40Aの被係止部42とともに締結係止部450Bを形成して係止部材(カシメピン)を打ち込まれる被係止部109を備えている。
ROMカセット40が基板カバー100A(演出基板ケース100)に対して締結されているときには、カセット取付部104に設けられた着脱カバー108を取り外すことが出来ず、ROMカセット40を基板カバー100A(演出基板ケース100)から取り外して初めて着脱カバー108を取り外すことが出来るため、演出基板ケース100内部への不正なアクセスを防止することが出来る。
ROMカセット40の基板カバー100A(演出基板ケース100)への締結は、ROMカセット40の固定(持ち去り防止)のみならず、演出基板ケース100内部へのアクセス可否を容易に制御可能とする意味合いもある。
【0055】
さらに、図12に示すように、カセット取付部104の側壁部104aには、ROMカセット40が基板カバー100Aに取り付けられたときにROMカセット40の第1被固定部43(後述)を固定する第1固定部111と、カセット取付部104の表面との間に空間110aを空けて下方向に突出し、カセット取付部104の表面との間で第2被固定部44を固定する爪部110と、を備えている。
【0056】
<ROMカセット>
図13は、統合データROMを搭載したROM基板を示す図であり、(a)は、ROM基板を後面から見た図であり、(b)はROM基板を前面から見た図である。
図13に示すように、統合ROM基板90は、前側の表面には、演出制御基板55のコネクタと接続するためのコネクタ91を備え、後側の表面には、演出制御基板55と画像制御基板70の統合データROM92を備えている。
図14は、ROMカセットの概略構成図であり、(a)は、ROMカセットを後面から見た概略斜視図であり、(b)は、ROMカセットを前側から見た図である。図15図16は、ROMカセットの分解斜視図である。
【0057】
図14乃至図16を参照して、本実施形態のROMカセットの構成を説明する。
上記したように、ROMカセット40は、演出基板ケース100における基板カバー100Aのカセット取付部104に対して着脱可能に取り付けられる。
ROMカセット40は、統合ROM基板90を内部に格納したカセット本体40Bと、カセット本体40Bを内部に収容するカセットケース40Aと、を備える。
カセットケース40Aは、演出基板ケース100(基板カバー100A)に設けられた被係止部109とともに締結係止部450Bを構成する被係止部42と、演出基板ケース100(基板カバー100A)に固定される第1被固定部43と、第2被固定部44と、を備える。
カセット本体40Bは、基板カバー100A表面のカセット取付部104から突出する位置決めピン105が挿入される挿入孔45と、演出基板ケース100に内包される演出制御基板55のコネクタ81と接続されるコネクタ91と、を備える。
【0058】
コネクタ91は、カセット本体40Bに収容されている統合ROM基板90に設けられるコネクタ91が、カセット本体40Bの開口部41から突出している。
図15図16に示すように、カセット本体40Bはカセットケース40Aのカセット本体収容部46に収容され、カセット本体40BはROM基板収容部47に統合ROM基板90を収容する。
カセット本体40Bはカセットケース40A内で、カセットケース40Aの長片方向に相対移動可能である。ROMカセット40は、カセットケース40Aに対するカセット本体40Bの位置に応じて、下記に説明する第1状態、第2状態を取り得る。
【0059】
図17は、ROMカセットの第1状態を説明する図であり、(a)はROMカセットを上から見た図、(b)はROMカセットを下から見た図である。
図18は、ROMカセットの第2状態を説明する図であり、(a)はROMカセットを上から見た図、(b)はROMカセットを下から見た図である。
図17に示すように、第1状態では、カセットケース40A内において、カセット本体40Bが、第2被固定部44側に寄った状態にある。
図18に示すように、第2状態では、カセットケース40A内において、カセット本体40Bが、被係止部42、第1被固定部43側に寄った状態にある。
カセットケース40Aは、第1被固定部43を備えた側の長辺の側壁における第1被固定部43の近傍に、切り欠き部48を備える。この切り欠き部48の作用については下記に詳述する。
【0060】
図19図20は、ROMカセットを演出基板ケースに取り付ける手順を説明する図である。
図19は、ROMカセットを演出基板ケースに正しく取り付け可能な場合を説明している。
図19(a)は、ROMカセット40を取り付ける前の基板カバー100Aのカセット取付部104の状態を示している。
カセット取付部104において、演出基板ケース100に内包される演出制御基板55のコネクタ81と、カセット本体40Bを位置決めする位置決めピン105と、爪部110と、第1固定部111と、が露出した状態にある。
この状態は、ROMカセット40を演出基板ケース100に取り付けられていない未取り付け状態であり、演出基板ケース100の着脱可能部品(上記したボタン電池など)にアクセスして着脱することが出来る。
なお、上記したように、爪部110は、カセット取付部104の表面との間に空間110aを空けて下方向に突出し、カセット取付部104の表面との間で第2被固定部44を固定する部材である。
【0061】
このような状態から、図19(b)において、第1状態(図17)にあるROMカセット40をカセット取付部104に取り付けようとする。
図19(b)に示すように、第1状態にあるROMカセット40においては、カセット本体40Bの挿入孔45にカセット取付部104の位置決めピン105を挿入したときに、基板カバー100Aの爪部110がカセットケース40Aに切り欠き部48内に収容される。
爪部110がカセットケース40Aに干渉することがなく、作業者が、ROMカセット40全体を演出基板ケース100に向けて押し下げ、カセット本体40Bのコネクタ91と演出制御基板55のコネクタ81とを完全に接続することが出来る。カセットケース40Aの第1被固定部43、第2被固定部44と、カセット本体40Bは、いずれも基板カバー100Aのカセット取付部104の面上に当接することが出来る。
このとき、カセットケース40Aの第1被固定部43は、爪部110を挟んで切り欠き部48の反対側に位置する。
【0062】
本実施形態によれば、カセット本体40Bの挿入孔45に演出基板ケース100(カセット取付部104)の位置決めピン105を挿入させた状態で、ROMカセット40をまっすぐ押し下げるだけで、演出基板ケース100のコネクタ81とROMカセット40のコネクタ91を接続できるので、双方のコネクタに無用な応力がかかって破損する心配がない。
しかし、ROMカセット40が未だ第1状態にあるこの段階では、カセットケース40Aの被係止部42の位置は基板カバー100Aの被係止部109の位置と一致していない。従って、被係止部42と被係止部109とを係止してROMカセット40を、演出基板ケース100に対して締結(係止)することが出来ない。
挿入孔45と位置決めピン105によってカセット本体40Bは、基板カバー100A上に位置決めされているが、上記したように、カセットケース40Aは、カセット本体40Bに対して相対移動可能である。
すなわち、カセット本体40Bを基板カバー100Aに取り付けた状態で、ROMカセット40は第1状態から第2状態(図18)に変移可能である。
【0063】
図19(c)に示すように、カセットケース40Aを図中矢印方向にスライド移動させる。このとき、第1被固定部43がカセット取付部104の側壁部104aに設けられた第1固定部111に向かって移動し、第1被固定部43の先端が爪部110とカセット取付部104の表面との間の空間110aに入り込むよう方向に移動する。
この間、爪部110はカセットケース40Aのスライド移動をガイドするガイド手段として機能する。
【0064】
カセットケース40Aをスライド移動させていき、最終的には、図19(d)に示すように、ROMカセット40が完全に第2状態となる。このとき、第1被固定部43が第1固定部111内に完全に挿嵌して固定され、第2被固定部43の先端43aが爪部110の下側の空間110aに完全に入りこんで固定される。
さらに、被係止部42の位置が基板カバー100Aに設けられた被係止部109の位置と一致するので、被係止部42と被係止部109を係止ピン(封止部材)によって係止して、カセットケース40Aを演出基板ケース100に対して締結(係止)することが出来る。爪部110は、ROMカセット40を基板カバー100Aに対してロック(固定)するためのロック(固定)部材として機能する。
【0065】
図19(d)に示す状態は、カセットケース40Aを演出基板ケース100に対して係止した否かによらずROMカセット40を演出基板ケース100に取り付けた取付状態である。この状態では、演出基板ケース100の着脱可能部品(ボタン電池など)を着脱することが出来ない。
なお、ROMカセット40を演出基板ケース100から取り外すには、図19で説明した逆の手順を行えばよい。すなわち、被係止部42と被係止部109の締結を解除したうえで、カセットケース40Aを、図19(c)の矢印とは反対の方向をスライドさせる。それによって、ROMカセット40が第2状態から第1状態に戻ると、第1固定部111による第1被固定部43の固定、爪部110による第2被固定部43の固定が解除され、図19(b)のような状態となる。
そこでROMカセット40を引き抜くことによって、ROMカセット40を演出基板ケース100から取り外すことが出来る。
【0066】
ROMカセット40は、第1状態(図17)にあるときに演出基板ケース100に取り付け、第1状態(図18)とすることで演出基板ケース100に取り付けてロックすることが出来る。その一方で、第2状態にあるROMカセット40は、演出基板ケース100に取り付けることが出来ない。
【0067】
図20は、ROMカセットを演出基板ケースに正しく取り付け不能な場合を説明している。
図20(a)は図19(a)と同じ状態のカセット取付部104を示している。この状態にあるカセット取付部104に対して第2状態にあるROMカセット40を取り付けようとすると、図20(b)に示すような状態となる。
すなわち、図19(b)に示すように、第1状態にあるROMカセット40においては、カセット本体40Bの挿入孔45にカセット取付部104の位置決めピン105を挿入しようとしたときに、基板カバー100Aの爪部110の上にカセットケース40Aの第1被固定部43が乗りあげるかたちで爪部110がカセットケース40Aに干渉する。第2被固定部44も、カセット取付部104の側壁部104aに乗り上げるかたちとなる。
【0068】
この状態では、作業者は、ROMカセット40全体を演出基板ケース100に向けて押し下げて、カセット本体40Bのコネクタ91と演出制御基板55のコネクタ81とを接続することが出来ない。ROMカセット40は、基板カバー100Aのカセット取付部104の面上から浮いた状態となる。
カセットケース40Aの被係止部42の位置と、基板カバー100Aの被係止部109の位置とは略一致するが、ROMカセット40がカセット取付部104の表面から浮いているため、被係止部42と被係止部109を係止することが出来ない。
作業者がそのまま、ROMカセット40を無理に押し下げた場合、カセットケース40Aが破壊される可能性がある。しかしながら、カセット取付部104に備える位置決めピン105の長さは、図20のような場合では演出基板ケース100側のコネクタ81とROMカセット40側のコネクタ91とが接触しない長さとされているため、ROMカセット40を無理に押し下げたとしても、双方のコネクタに応力がかかり破損する心配がない。
爪部110は、第1状態にあるROMカセット40の演出基板ケース100への取り付けを規制せず、第2状態にあるROMカセット40の演出基板ケース100への取り付けを規制する、規制部材として機能する。
【0069】
従来、演出制御基板50に実装されるプログラムROMや、画像制御基板70に実装されるデータROMに格納されるプログラムやデータを書き換えて再利用するためには煩雑な作業が必要であった。
演出制御基板50や画像制御基板70を収容する基板ケースの封印を解いて開封し、基板上から演出用ROMを取り出し、専用の機材を使って演出用ROM上のデータを書き換えたうえで、それぞれの基板上に再装着する。
このような作業にあっては、演出用ROMが備えるコネクタピンを破損するといったトラブルが発生するという問題があった。
そのような問題に対して、本実施形態の遊技機では、演出用ROMを演出基板ケースに対する外部部品であって演出基板ケースに対して着脱可能なカセットに収容したことにより、演出用ROMの書き換えに際して基板ケースの開閉をする必要がなく、基板に対して演出用ROMを直接着脱する作業が必要なくなる。また、上記に説明した構成によって、演出用ROMや演出基板から延びたコネクタに応力が加わる恐れも低いため、作業の過程でROMや演出基板自体を破損するトラブルがない。
本実施形態の遊技機では、演出用ROMの書き換えに伴う作業の効率性や安全性を飛躍的に高めることが出来る。また、演出用ROMの再利用が促進され、環境負荷を低減しつつ遊技機の製造開発を著しく効率化することができる。
【0070】
しかも、本実施形態では、演出制御基板50や画像制御基板70で用いるプログラムやデータを一つの統合ROMに一本化しているので、カセット化したROMを脱着する作業を1回のみ行うことで、演出制御基板50や画像制御基板70に関するROMの書き換えを一度に済ませることが出来るのである。
ROMカセット40の取り外しに際して、ROMカセット40を演出基板ケース100に固定(係止)する役割のみを有する締結係止部450Bにおける係止を解除することが必要となるのみであり、締結係止部450Bにおける係止を解除して演出基板ケース100を開封する必要がない。
このような本実施形態にあっては、演出制御用のプログラムやデータを書き込んだROMの交換を、従来に比べて顕著に高い効率で行うことが出来る。
【0071】
また従来は、演出基板ケース内の着脱可能部品(ボタン電池など)を交換するためだけに、基板ケースの締結を解除して開封する必要があった。
しかしながら、本実施形態では、ボタン電池にアクセスするための開口部を、カセット取付部に設けたことで、ROMカセットが基板ケースに取り付けられて締結がされているときには、ボタン電池にアクセスするための開口部を通じた基板ケース内への不正なアクセスを防ぐことが出来るが、その一方で、ROMカセットをカセット取付部にから取りはずすだけで、ボタン電池にアクセスするための開口部を露出し、基板ケースを開封することなくボタン電池の交換などの作業ができるようになる。
【0072】
図21は、基板カバーと基板ベースを組み合わせた演出基板ケースを封止する締結封止部を説明する図である。
図21(a)は、基板カバー100Aが備える被係止部121を拡大して示している。被係止部121は、締結穴121aを備えている。
図21(b)は、基板ベース100Bが備える被係止部120を拡大して示している。被係止部120は、締結穴120aを備えている。
図21(c)は、基板カバー100Aと基板ベース100Bを組み合わせた状態を拡大して示しており、締結穴121aと締結穴120aとが連通して連通締結穴122が形成されている。
図21(d)において、被係止部120の内部にナット123bを入れた状態で、被係止部121側からカシメピン123aを打ち込んで、連通締結穴122を締結する。
図21(e)において、ナット123bを保護するナットカバー123cを被係止部120に取り付ける。
図21(f)において、被係止部121と被係止部120に跨がって締結カバー123dを取り付け、締結封止部450Aが完成する。
【0073】
図22は、基板カバーと基板ベースを組み合わせた演出基板ケースにROMカセットを係止する締結係止部を説明する図である。
図22(a)は、カセットケース40Aが備える被係止部42を拡大して示している。被係止部42は、締結穴109bを備えている。
図22(b)は、基板カバー100Aが備える被係止部109を拡大して示している。被係止部109は、締結穴109aを備えている。
図22(c)は、基板ベース100Bが備える被係止部124を拡大して示している。被係止部119は、締結穴を備えていない。
図22(d)は、基板カバー100Aと基板ベース100Bを組み合わせた演出基板ケース100にROMカセット40に取り付けた状態を拡大して示しており、締結穴112aと締結穴109aとが連通して連通締結穴126が形成されている。
図22(e)において、被係止部42の内部にナット125bを入れた状態で、被係止部42側からカシメピン125aを打ち込んで、連通締結穴126を締結する。
図22(e)において、ナット125bを保護するナットカバー125cを被係止部42に取り付ける。
図22(g)において、被係止部42と被係止部42に跨がって締結カバー125dを取り付け、締結係止部450Bが完成する。
【0074】
締結係止部450Bにおけるカシメピン125aの係止を解除するだけで、締結封止部450Aにおけるカシメピン123aの係止を解除することなく、ROMカセット40を演出基板ケース100から取り外すことが出来る。
また、基板ベース100Bには、連結穴を備えていないので、基板ベース100Bはカシメピン125aによって係止されていない。従って、締結封止部450Aにおけるカシメピン123aの係止を解除し、締結係止部450Bの締結カバー125dを取り外しさえすれば、カシメピン125aの係止を解除することなく、ROMカセット40を演出基板ケース100に取り付けたまま、演出基板ケース100を開封することが出来る。
【符号の説明】
【0075】
1 遊技機、2 外枠、3 内枠、4 、4a 窓、4b 透明板、5 ヒンジ機構部、6 貯留皿、6a 上皿、6b 下皿、7 皿ユニット、8 演出ボタン、8a 演出ボタン検出スイッチ、9 排出ボタン、10 遊技盤、10a 遊技領域、11 操作ハンドル、11a タッチセンサ、11b 発射ボリューム、12 センター部材、12a 発射用ソレノイド、12b ソレノイド、13 始動口、13a 始動口検出スイッチ、14 始動口、14a 始動口検出スイッチ、14b 開閉扉、14c 始動口開閉ソレノイド、15 ゲート、15a ゲート検出スイッチ、16 大入賞口、16a 大入賞口検出スイッチ、16b 開閉扉、16c 大入賞口開閉ソレノイド、17 大入賞口、17a 大入賞口検出スイッチ、17b 可動片、17c 大入賞口開閉ソレノイド、18 一般入賞口、18a 一般入賞口検出スイッチ、19 アウト口、20 特別図柄表示装置、21 特別図柄表示装置、22 普通図柄表示装置、23 特別図柄保留表示器、24 特別図柄保留表示器、25 普通図柄保留表示器、26 ラウンド回数表示器、27 遊技情報出力端子板、31 画像表示装置、32 演出用役物装置、33 演出用照明装置、34 音声出力装置、35 演出図柄、36 音量切替スイッチ、40 ROMカセット、40A カセットケース、40B カセット本体、41 開口部、42 被係止部、43 被固定部、44 被固定部、45 挿入孔、46 切り欠き部、47 ROM基板収容部、50 主制御基板、50a メインCPU、50b メインROM、50c メインRAM、51 皿満タン検知スイッチ、52 検知スイッチ、55 演出制御基板、55a サブCPU、55b サブROM、55c サブRAM、55d RTC、60 払出制御基板、60a 払出CPU、60b 払出ROM、60c 払出RAM、65 ランプ制御基板、70 画像制御基板、75 発射制御基板、76 電源基板、71 ホストCPU、72 コネクタ、80 電池ホルダ、81 第1コネクタ、82 第2コネクタ、83 第3コネクタ、85 セグ液晶、90 統合ROM基板、91 第4コネクタ、92 統合データROM、100 演出基板ケース、100A 基板カバー、100B 基板ベース、101 カバー側基板収容部、102 カバー側基板収容部、103 開口部、104 カセット取付部、105 位置決めピン、106 開口部、107 開口部、108 着脱カバー、109 被係止部、110 爪部、111 第1固定部、130 ベース枠体、160 画像表示ユニット、165 画像表示カバー、166 ランプ中継基板、170 蓋部材、200 主基板ケース、400 ヒートシンクカバー、500 ヒートシンク、600 十字キー
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