(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-17
(45)【発行日】2023-10-25
(54)【発明の名称】給水装置及び給水ユニット
(51)【国際特許分類】
F04B 53/22 20060101AFI20231018BHJP
F04B 53/00 20060101ALI20231018BHJP
F04B 23/02 20060101ALI20231018BHJP
【FI】
F04B53/22
F04B53/00 H
F04B23/02 Z
(21)【出願番号】P 2021148121
(22)【出願日】2021-09-10
【審査請求日】2022-10-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000133939
【氏名又は名称】テラル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100097238
【氏名又は名称】鈴木 治
(72)【発明者】
【氏名】上石 哲也
(72)【発明者】
【氏名】千葉 恭祐
【審査官】大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-227216(JP,A)
【文献】実開昭48-028841(JP,U)
【文献】特開2009-013600(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 53/22
F04B 53/00
F04B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビネットと、前記キャビネット内に収容され、吸込口、吐出口、及びポンプを有する配管装置と、前記キャビネットにおける下部に連結され、前記配管装置を下から支持するように構成されている配管架台と、を備えた、給水ユニットと、
前記給水ユニットを下から支持するように構成されている、ユニット架台と、
を有する給水装置であって、
前記給水ユニットと前記ユニット架台とは、互いに脱着可能なように構成されており、
前記給水ユニットの前記配管架台は、前記ユニット架台に取り付けられるユニット架台取付部を一体に有しているとともに、前記キャビネットの左右両壁に連結され前記左右両壁間に延在しており、
前記ユニット架台は、前記ユニット架台における上部の前面に前記ユニット架台の左右両壁間に延在する部材を有して
おらず、
前記配管架台は、前記配管架台の前端に前記キャビネットの前記左右両壁間に延在する前面フレームを、さらに有しており、
前記前面フレームは、前記配管装置の前記吸込口及び前記吐出口の設けられた水平方向位置において、前記吸込口及び前記吐出口より上方に配置されている、給水装置。
【請求項2】
前記配管架台の前記前面フレームは、前記ユニット架台取付部より上方に配置されている、請求項
1に記載の給水装置。
【請求項3】
前記ユニット架台は、前記給水ユニットを取り付けて下から支持する給水ユニット支持部を、有しており、
前記給水ユニットと前記ユニット架台とは、前記配管架台の前記ユニット架台取付部と前記ユニット架台の前記給水ユニット支持部との結合により、互いに固定されており、
前記ユニット架台取付部と前記給水ユニット支持部との少なくとも一方には、上記結合時の左右方向の位置ずれを防止するための位置ずれ防止ネジが設けられている、請求項1
又は2に記載の給水装置。
【請求項4】
前記位置ずれ防止ネジは、頭部がローレット加工されたローレットネジである、請求項
3に記載の給水装置。
【請求項5】
前記給水ユニットの前記キャビネット及び前記ユニット架台はそれぞれ、それぞれ脱着可能なように構成された前面カバーを、さらに有しており、
前記給水ユニットの前記キャビネットの前記前面カバーは、鍵部材により、前記給水ユニットにおける前記前面カバー以外の部分に固定されており、
前記ユニット架台の前記前面カバーは、角根丸頭ボルトと蝶ナットとにより、前記ユニット架台における前記前面カバー以外の部分に固定されている、請求項1~
4のいずれか一項に記載の給水装置。
【請求項6】
前記給水ユニットの前記キャビネットの前記前面カバーは、前記ユニット架台の前記前面カバーの上端を覆うように構成されている、請求項
5に記載の給水装置。
【請求項7】
請求項1~
6のいずれか一項に記載の給水装置に用いることができるように構成された、前記給水ユニットであって、
前記配管架台は、前記ユニット架台に取り付けられるユニット架台取付部を一体に有しているとともに、前記キャビネットの左右両壁に連結され前記左右両壁間に延在しており、
前記配管架台は、前記配管架台の前端に前記キャビネットの前記左右両壁間に延在する前面フレームを、さらに有しており、
前記前面フレームは、前記配管装置の前記吸込口及び前記吐出口の設けられた水平方向位置において、前記吸込口及び前記吐出口より上方に配置されている、給水ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、給水装置及び給水ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、キャビネット型の給水装置がある(例えば、特許文献1)。このような給水装置は、キャビネットと、キャビネット内に収容された配管装置と、を備え、この配管装置は、吸込配管に接続される吸込口、吐出配管に接続される吐出口、及びポンプ等を、有している。また、当該配管装置は、配管装置用の架台上に支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような従来の給水装置において、給水装置の設置時等に、配管装置の吸込口及び吐出口とこれらにそれぞれ接続される配管との接続作業が、配管装置の吸込口及び吐出口より下方の配管スペース内で行われることになるが、上述のような従来の給水装置においては、配管装置用の架台の脚部が、配管スペース内で、給水装置の底部から配管スペースの上部の配管装置の支持位置まで立ち上がって延びているので、配管スペースが制限され、配管作業がしづらいおそれがあった。そのため、吸込口及び吐出口とこれらにそれぞれ接続される配管との接続作業の作業性、即ち、配管時の作業性につき、向上の余地があった。
【0005】
この発明は、上述した課題を解決するためのものであり、配管時の作業性を向上できる、給水装置及び給水ユニットを、提供することを、目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の給水装置は、
キャビネットと、前記キャビネット内に収容され、吸込口、吐出口、及びポンプを有する配管装置と、前記キャビネットにおける下部に連結され、前記配管装置を下から支持するように構成されている配管架台と、を備えた、給水ユニットと、
前記給水ユニットを下から支持するように構成されている、ユニット架台と、
を有する給水装置であって、
前記給水ユニットと前記ユニット架台とは、互いに脱着可能なように構成されており、
前記給水ユニットの前記配管架台は、前記ユニット架台に取り付けられるユニット架台取付部を一体に有しているとともに、前記キャビネットの左右両壁に連結され前記左右両壁間に延在しており、
前記ユニット架台は、前記ユニット架台における上部の前面に前記ユニット架台の左右両壁間に延在する部材を有していない。
【0007】
本発明の給水装置において、
前記配管架台は、前記配管架台の前端に前記キャビネットの前記左右両壁間に延在する前面フレームを、さらに有しており、
前記前面フレームは、前記配管装置の前記吸込口及び前記吐出口の設けられた水平方向位置において、前記吸込口及び前記吐出口より上方に配置されていると、好適である。
【0008】
本発明の給水装置において、
前記配管架台の前記前面フレームは、前記ユニット架台取付部より上方に配置されていると、好適である。
【0009】
本発明の給水装置において、
前記ユニット架台は、前記給水ユニットを取り付けて下から支持する給水ユニット支持部を、有しており、
前記給水ユニットと前記ユニット架台とは、前記配管架台の前記ユニット架台取付部と前記ユニット架台の前記給水ユニット支持部との結合により、互いに固定されており、
前記ユニット架台取付部と前記給水ユニット支持部との少なくとも一方には、上記結合時の左右方向の位置ずれを防止するための位置ずれ防止ネジが設けられていると、好適である。
【0010】
本発明の給水装置において、
前記位置ずれ防止ネジは、頭部がローレット加工されたローレットネジであると、好適である。
【0011】
本発明の給水装置において、
前記給水ユニットの前記キャビネット及び前記ユニット架台はそれぞれ、それぞれ脱着可能なように構成された前面カバーをさらに有しており、
前記給水ユニットの前記キャビネットの前記前面カバーは、鍵部材により、前記給水ユニットにおける前記前面カバー以外の部分に固定されており、
前記ユニット架台の前記前面カバーは、角根丸頭ボルトと蝶ナットとにより、前記ユニット架台における前記前面カバー以外の部分に固定されていると、好適である。
【0012】
本発明の給水装置において、
前記給水ユニットの前記キャビネットの前記前面カバーは、前記ユニット架台の前記前面カバーの上端を覆うように構成されていると、好適である。
【0013】
本発明の給水ユニットは、上記の給水装置に用いることができるように構成された、前記給水ユニットであって、
前記配管架台は、前記ユニット架台に取り付けられるユニット架台取付部を一体に有しているとともに、前記キャビネットの左右両壁に連結され前記左右両壁間に延在しており、
前記配管架台は、前記配管架台の前端に前記キャビネットの前記左右両壁間に延在する前面フレームを、さらに有しており、
前記前面フレームは、前記配管装置の前記吸込口及び前記吐出口の設けられた水平方向位置において、前記吸込口及び前記吐出口より上方に配置されている。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、配管時の作業性を向上できる、給水装置及び給水ユニットを、提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る給水装置を、給水ユニット及びユニット架台それぞれの前面カバーを取り付けていない状態で示す、正面図である。
【
図3A】本発明の一実施形態に係る給水ユニットである、
図1の給水装置における給水ユニットを示す、斜視図である。
【
図3B】
図1の給水装置におけるユニット架台を示す、斜視図である。
【
図4A】
図1の給水装置における配管架台を示す、斜視図である。
【
図4B】
図1の給水装置における配管架台を示す、斜視図である。
【
図5】
図1の給水装置の一部を、配管装置を除いた状態で拡大して示す、一部拡大斜視図である。
【
図6】
図1の給水装置を、給水ユニット及びユニット架台それぞれの前面カバーを取り付けた状態で示す、正面図である。
【
図7】
図6の給水装置の一部を、
図6のA-A線に沿った断面により示す、A-A一部断面図である。
【
図8B】角根丸頭ボルト及び蝶ナットを示す、斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る給水装置は、例えば商業建造物や集合住宅等の需要先に給水するために、好適に利用することができる。
以下に、図面を参照しつつ、この発明に係る給水装置及び給水ユニットの実施形態を例示説明する。
【0017】
図1~
図8Bは、本発明の一実施形態に係る給水装置1を説明するための図面である。
図1及び
図2は、本発明の一実施形態に係る給水装置1の、後述する給水ユニット2のキャビネット21(ひいては、給水ユニット21)及びユニット架台3それぞれの前面カバー21f及び3fを取り付けていない状態での、外観を示している。
図3A及び
図3B(以下、まとめて「
図3」ともいう)は、給水装置1を構成する給水ユニット2及びユニット架台3それぞれの、
図2と同様の状態での外観を示している。
給水装置1は、例えば商業建造物や集合住宅等の需要先に給水するために好適に利用できるものである。給水装置1は、全体として、一部を除き筐体で覆われたキャビネット型の給水装置として構成されている。キャビネット型の給水装置は、コンパクト性への要求が高いものである。
図1~
図2に示すように、本実施形態において、給水装置1は、給水ユニット2と、ユニット架台3と、を備えている。また、本実施形態において、給水ユニット2は、キャビネット21と、配管装置22と、配管架台23と、制御盤24と、を備えている。本実施形態において、例えば
図5にも示すように、給水ユニット2は、ユニット架台3の上に載せられた状態で、ユニット架台3に対して締結等により固定されている。すなわち、ユニット架台3は、給水ユニット2を下から支持するように構成されており、また、給水ユニット2とユニット架台3とは、互いに脱着可能なように構成されている。
【0018】
以下、まず、本実施形態における給水ユニット2について、説明する。
給水ユニット2は、キャビネット21を備えている。
本実施形態において、キャビネット21は、下側が開放された直方体形状の箱型に構成されており、配管装置22等を内部に収容するように構成されている。
本実施形態において、キャビネット21は、右壁21aと、右壁21aに対向する左壁21bと、上壁21dと、前面カバー21f(
図6参照)と、前面カバ―21fに対向する後壁21eと、を有している。
本実施形態において、
図2及び
図3Aに示すように、キャビネット21の右壁21aには、貫通穴21phが設けられている。貫通穴21phは、後述する配管架台23の貫通穴23phと同位置にあって、両者にて、キャビネット21の内部を視認できる点検窓とされている。
なお、
図1~
図3では、キャビネット21の内部を示すため、前カバー21fの記載を省略している。
【0019】
本明細書では、特に断りのない限り、
図1及び
図2等において矢印で示すように、鉛直方向の上及び下をそれぞれ「上」及び「下」といい、給水装置1の正面に近い方を「前」といい、給水装置1の正面から遠い方を「後」といい、
図1のように給水装置1を正面から見たときの左及び右をそれぞれ「左」及び「右」といい、給水装置1の内部(内側)の方を「内」といい、給水装置1より外部(外側)の方を「外」という。
【0020】
図2及び
図3Aに示すように、本実施形態において、キャビネット21(ひいては、給水ユニット2)は、前後方向に薄い薄型に構成されている。すなわち、キャビネット21(ひいては、給水ユニット2)の前後方向の寸法は、キャビネット2(ひいては、給水ユニット2)の左右方向の寸法や上下方向の寸法よりも小さくされている。
【0021】
本実施形態において、キャビネット21の、右壁21a、左壁21b及び後壁21eは、例えばステンレス鋼板の曲げ加工により形成された、一体の薄板で構成されている。また、キャビネット21の上壁21d及び前面カバー21fも、ステンレス鋼板で形成されている。
ただし、キャビネット21の材質及び/又は構成は、配管装置22が支持された配管架台23を連結して支障のない剛性を確保できる限り、特に限定されない。例えば、キャビネット21の、右壁21a、左壁21b及び後壁21e、並びにその他の部分の、一部又は全部は、ステンレス鋼板以外の材質の部材で形成されていてもよい。また、キャビネット21の、右壁21a、左壁21b及び後壁21eは、別体の部材が締結等により互いに連結されて構成されていてもよい。さらに、キャビネット21の右壁21a、左壁21b及び後壁21eは、荷重を主に負担する1つ又は複数の枠体と、必要に応じて設けられる、これらを覆う荷重を殆ど負担しないカバーと、から構成されていてもよい。
【0022】
本実施形態において、キャビネット21の前面カバー21f(
図6)は、給水ユニット2におけるその他の部分に対して、脱着可能なように構成されている。
また、本実施形態において、キャビネット21の前面カバー21f(
図6)は、制御盤24の一部等を除き、キャビネット21内の全体を前方から覆うように構成されている。
【0023】
給水ユニット2は、配管装置22を備えている。
配管装置22は、キャビネット21内に収容されている。
配管装置22は、吸込口22aと、吐出口22bと、吸込口22a及び吐出口22bどうしの間に接続された1つ又は複数(本実施形態では、2つ)のポンプPと、を有している。配管装置22は、吸込口22aから吸い込んだ水を、ポンプPにより昇圧して、吐出口22bから吐き出すように構成されている。吸込口22aは、上水道配水管や高置水槽等に繋がる吸込配管(図示せず)に接続されるように構成されている。吐出口22bは、例えば商業建造物や集合住宅等の需要先の配管に繋がる吐出配管(図示せず)に接続されるように構成されている。ポンプPは、縦型に構成されている。
本実施形態において、配管装置22は、さらに、逆流防止器BP、圧力タンクDPT、防振部材VP等を有している。
配管装置22は、吸込口22aと、吐出口22bと、ポンプPと、を有する限り、その構成は、任意でよい。
【0024】
なお、本明細書において、各種の管や口等の管状部材又は部分に関し、「接続」とは、複数の管状部材又は部分どうしが直接接続される場合に限られず、複数の管状部材又は部分どうしが延長管等の他の管状部材又は部分を介して接続される場合も含む。
【0025】
図1に示すように、給水装置1のコンパクト化等の観点から、配管装置22の吸込口22a及び吐出口22bは、それぞれ、下側を向いていると、好適である。
【0026】
図1に示すように、本実施形態において、配管装置22の吸込口22a及び吐出口22bは、配管装置22が有する1つ又は複数のポンプPよりも左側に位置している。また、配管装置22の吸込口22a及び吐出口22bは、キャビネット21における左右方向の中心よりも左側に位置している。また、吐出口22bは、吸込口22aよりも右側に位置している。また、各図からは確認できないが、吐出口22bは、吸込口22aよりも後側に位置している。
ただし、配管装置22の吸込口22a及び吐出口22bは、キャビネット21内の任意の位置に位置してよい。
なお、吸込口22a及び吐出口22bは、
図1、
図2及び
図3Aに示すように、給水ユニット2のキャビネット21とユニット架台3との固定部(境界部。キャビネット21とユニット架台3とが、互いに固定される部分)よりも上側に位置していると、好適である。
また、吸込口22a及び吐出口22bの高さは、
図1の例のように互いに同じでもよいし、互いに異なっていてもよい。
また、吸込口22a及び吐出口22bは、
図1の例のように、配管架台23の最下端部分(最も下側に位置する部分)、すなわち、後述する配管架台23のユニット架台取付部23tよりも上側に位置していると、好適である。
また、吸込口22a及び吐出口22bは、左右方向において互いに同じ位置に位置していてもよい。
【0027】
給水ユニット2は、配管架台23を備えている。
本実施形態において、配管架台23は、キャビネット21内に配置されている。
本実施形態において、配管架台23は、キャビネット21内において、キャビネット21における下部に連結されており、配管装置22を下から支持するように構成されている。
配管架台23のより具体的な構成については、追って詳述する。
【0028】
本実施形態において、上述の通り、給水ユニット2は、制御盤24を備えている。
本実施形態において、制御盤24は、キャビネット21内に収容されている。
制御盤24は、配管装置22におけるポンプPを制御するように構成されている。
給水装置1の設置面積のコンパクト化の観点等から、制御盤24は、キャビネット21内において、配管装置22の上側に配置されていると、好適である。ただし、制御盤24は、キャビネット21内において任意の位置に配置されてよい。
【0029】
図4A及び
図4B(以下、まとめて「
図4」ともいう)は、
図1の給水装置1における配管架台23を示す、斜視図である。より具体的に、
図4Aは、本実施形態における給水装置1の給水ユニット2における配管架台23のみを取り出して示した、前方右上側から観た斜視図であり、
図4Bは、当該配管架台23を前方左上側から観た斜視図である。理解容易のために、
図4では、給水装置1における配管架台23以外の部材が省略されて示されている。
【0030】
本実施形態において、
図4に示すように、配管架台23は、右端に位置する右壁23aと、左端に位置する左壁23bと、左右方向の中間に位置する中壁23mと、後端に位置する後壁23eと、前端に位置する前面フレーム23fと、配管装置支持部23sと、ユニット架台取付部23tと、を有している。本実施形態において、配管架台23の上側及び下側を閉鎖する壁はなく、すなわち、中壁23mの部分を除き、配管架台23の上側及び下側は開放されている。
図1~
図3に示すように、配管架台23は、キャビネット21における下部に連結されている。換言すれば、配管架台23は、給水ユニット2における下部に配置されている。
【0031】
本実施形態において、配管架台23の、右壁23a、左壁23b、中壁23m、後壁23e、前面フレーム23f、配管装置支持部23s及びユニット架台取付部23tは、例えばステンレス鋼板により形成された、一体の薄板で構成されている。すなわち、配管架台23は、例えば、ユニット架台取付部23tを、配管架台23における他の部材に対して、一体に有している。
ただし、配管架台23の材質は、配管装置22を支持するために支障のない剛性を確保できる限り、特に限定されない。例えば、配管架台23の各部分の一部又は全部は、ステンレス鋼板以外の材質の部材で形成されていてもよい。
【0032】
本実施形態において、配管架台23の右壁23aは、キャビネット21の右壁21aに対してボルト・ナット締結等により固定され連結されている。また、配管架台23の左壁23bは、キャビネット21の左壁21bに対してボルト・ナット締結等により固定され連結されている。さらに、配管架台23の後壁23eは、キャビネット21の後壁21eに対してボルト・ナット締結等により固定され連結されている。すなわち、配管架台21は、キャビネット21の左右両壁21a及び21bに連結されている。
また、本実施形態において、
図1~
図3に示すように、配管架台23は、キャビネット21の左右両壁21a及び21b間に延在している。ここで、本明細書において、「左右両壁間に延在している」とは、より具体的に、左右両壁の間の全体にわたって延在していることを指す。
なお、
図4に示すように、右壁23a、左壁23b及び後壁23eには、それぞれ、軽量化等をも考慮した1つ又は複数(本例では、それぞれ2つ)の貫通穴23phが設けられている。これらのうち、右壁23aの上部に設けられた貫通穴23phは、キャビネット21の右壁21aに設けられた貫通穴21ph(
図2及び
図3A参照)と同位置にあって、両者にて、キャビネット21の内部を視認できる点検窓とされている。
【0033】
本実施形態において、配管架台23の前面フレーム23fは、配管架台23の前端において、左右両壁23a及び23b間に延在している。また、上述のとおり、配管架台23の左右両壁23a及び23bは、キャビネット21の左右両壁21a及び21bに連結されている。すなわち、配管架台23の前面フレーム23fは、配管架台23の前端において、キャビネット21の左右両壁21a及び21bに実質上連結され、当該左右両壁21a及び21b間に延在している。
図1~
図4に示すように、本実施形態において、前面フレーム23f(より具体的に、前面フレーム23fにおけるすべての部分)は、ユニット架台取付部23tより上方に配置されている。
また、
図1~
図4に示すように、本実施形態において、前面フレーム23fは、右側部分23frと、右側部分23frより左側かつ上方に位置する左側部分23flと、右側部分23frと左側部分23flとを連結する中間部分23fmと、を有し、正面視クランク状に形成されている。右側部分23frの上側及び左側部分23flの下側は、開放されている。
図1~
図3に示すように、下側が開放され右側部分23frより上方に位置する左側部分23flの下方に、配管装置22の吸込口22a及び吐出口21bが位置している。ただし、当該左右の位置関係は逆であってもよい。すなわち、右側部分23frが左側部分flより上方に位置して下側が開放されており、当該右側部分23frの下方に、配管装置22の吸込口22a及び吐出口21bが位置するように、給水ユニット2ひいては給水装置1が構成されていてもよい。換言すれば、配管架台23の前面フレーム23f(より具体的に、
図1~
図4の例では、前面フレーム23fの左側部分23fl)は、配管装置22の吸込口22a及び吐出口22bの設けられた水平方向位置において、当該吸込口22a及び吐出口22bより上方に配置されている。
【0034】
配管架台23の配管装置支持部23sは、配管架台23のうち、配管装置22を下から支持する部分である。
本実施形態において、
図4に示すように、配管装置支持部23sは、前面フレーム23f及び後壁23eそれぞれの上端から前後方向内側に比較的短い長さで突出する、板状のフランジ部として構成されている。配管架台23は、配管装置支持部23sの好ましくは複数の箇所で、配管装置支持部23sの上に配管装置22を取り付けて固定し、配管架台23が配管装置22を下から支持するように構成されている。より具体的に、本実施形態では、配管架台23の右側部分(前面フレーム23fの右側部分23frに対応する部分)における、配管装置支持部23sに設けられた4つのボルト穴を介して、配管装置22の2つのポンプPの下部近傍がボルト・ナット締結により固定されている。ただし、配管架台23が配管装置支持部23sにおいて配管装置22を下から支持するように構成されている限り、配管装置22を支持する構成は特に限定されない。
なお、
図1~
図3に示すように、例えば配管装置22と配管装置支持部23sとの間に、ポンプP等による振動の伝達を抑制するための防振部材VPを介在させてもよい。
【0035】
配管架台23のユニット架台取付部23tは、配管架台23のうち、ユニット架台3に取り付けられる部分である。
本実施形態において、ユニット架台取付部23tは、ユニット架台3(より具体的に、後述のユニット架台3の給水ユニット支持部3s)の上に取り付けられて固定され、ユニット架台3が給水ユニット2を下から支持するように構成されている。
より具体的に、本実施形態において、
図4に示すように、ユニット架台取付部23tは、左右両壁23a及び23bそれぞれの下端から左右方向内側に比較的短い長さで突出する、板状のフランジ部として構成されている。ユニット架台取付部23tの左右方向の長さ(幅)は、配管装置22より下方の配管スペースをできるだけ大きく確保するため、給水ユニット2とユニット架台3とを上下方向に互いに支障なく結合固定できるだけの、必要最小限の左右方向の長さ(幅)であることが好ましい。具体的に、ユニット架台取付部23tの左右方向の長さ(幅)は、例えば、25~60mmであることが好ましく、30~40mmであることがより好ましい。
【0036】
配管架台23のより十分な剛性を確保する観点から、配管架台23の、ユニット架台取付部23tと配管装置支持部23sとの間の高さ(ユニット架台取付部23tの下面と配管装置支持部23sの上面との間の、上下方向の距離)は、例えば、配管架台23の前後方向の寸法未満であることが好ましい。具体的に、配管架台23の、ユニット架台取付部23tと配管装置支持部23sとの間の高さは、120~180mmであることが好ましく、140~160mmであることがさらに好ましい。
【0037】
次に、本実施形態におけるユニット架台3について、説明する。
本実施形態において、
図1~
図3に示すように、ユニット架台3は、上側及び下側が開放された直方体形状の箱型に構成されている。
本実施形態において、ユニット架台3は、右壁3aと、右壁3aに対向する左壁3bと、前面カバー3f(
図6参照)と、前面カバー3fに対向する後壁3eと、を有している。また、本実施形態において、ユニット架台3は、ユニット架台3の下端部の前面で左右両壁3a及び3b間に延在する底部フレーム3gと、ユニット架台3の左右両端部それぞれの前部に立設された立設フレーム3hと、ユニット架台3の左右両端部それぞれの上部に設けられた給水ユニット支持部3sと、を有している。
本実施形態において、ユニット架台3は、下側が開放されており、すなわち、下壁を有していないが、ユニット架台3は、下側が閉鎖されていてもよく、すなわち、下壁を有していてもよい。
なお、
図1~
図3では、ユニット架台3の内部を示すため、前カバー3fの記載を省略している。
【0038】
図2及び
図3Bに示すように、本実施形態において、ユニット架台3は、前後方向に薄い薄型に構成されている。すなわち、ユニット架台3の前後方向の寸法は、ユニット架台3の左右方向の寸法や上下方向の寸法よりも小さくされている。
【0039】
本実施形態において、ユニット架台3の、右壁3a、左壁3b、後壁3e、立設フレーム3h及び給水ユニット支持部3sは、例えばステンレス鋼板の曲げ加工により形成された、一体の薄板で構成されている。ユニット架台3の前面カバー3f及び底部フレーム3gも、ステンレス鋼板で形成されている。
ただし、ユニット架台3の材質及び/又は構成は、給水ユニット2を下から支持して支障のない剛性を確保できる限り、特に限定されない。例えば、ユニット架台3の、右壁3a、左壁3b、後壁3e、立設フレーム3h及び給水ユニット支持部3s、並びにその他の部分の、一部又は全部は、ステンレス鋼板以外の材質の部材で形成されていてもよい。また、ユニット架台3の、右壁3a、左壁3b、後壁3e、立設フレーム3h及び給水ユニット支持部3sは、別体の部材が締結等により互いに連結されて構成されていてもよい。
【0040】
本実施形態において、ユニット架台3の内部のスペースは、配管装置22の吸込口22a及び吐出口22bに接続される図示しない種々の配管や、配管装置22の逆流防止器BPに接続される図示しない配管を配置するための、主な配管及び配管作業スペースとなっている。
【0041】
ユニット架台3の給水ユニット支持部3sは、ユニット架台3のうち、給水ユニット2を取り付けて下から支持する部分である。
本実施形態において、給水ユニット支持部3sは、給水ユニット支持部3sの上に給水ユニット2(より具体的に、配管架台23のユニット架台取付部23t)を取り付けて固定し、ユニット架台3が給水ユニット2を下から支持するように構成されている。
より具体的に、本実施形態において、
図3B及び
図5に示すとおり、給水ユニット支持部3sは、ユニット架台3の左右両壁3a及び3bそれぞれの上端から左右方向内側に比較的短い長さで突出する、板状のフランジ部として構成されている。給水ユニット支持部3sの左右方向の長さ(幅)は、ユニット架台3内の配管スペースをできるだけ大きく確保するため、給水ユニット2とユニット架台3とを上下方向に互いに支障なく結合固定できるだけの、必要最小限の左右方向の長さ(幅)であることが好ましい。具体的に、給水ユニット支持部3sの左右方向の長さ(幅)は、配管架台23のユニット架台支持部23tと同様、例えば、25~60mmであることが好ましく、30~40mmであることがより好ましい。
【0042】
本実施形態において、立設フレーム3hは、
図6及び
図7を参照しつつ後述するように、立設フレーム3hの前側にユニット架台3の前面フレーム3fが取り付けられるように構成されている。
【0043】
本実施形態において、右壁3a及び左壁3bは、それぞれ1つ又は複数の配管用穴31を有している。配管用穴31には、配管装置22の吸込口22a及び吐出口22bに接続される図示しない種々の配管や、配管装置22の逆流防止器BPに接続される図示しない配管を通すことができる。
ただし、配管用穴31の数・配置・構成等は、特に限定されない。配管用穴31は、必要に応じ、ユニット架台3の任意の位置に設けられてよい。例えば、配管用穴31は、右壁3a及び/又は左壁3bに代えて、又は、これらに加えて、後壁3eに設けられてもよい。また、配管用穴31の少なくとも一部又は全部は、各壁3a、3b及び3eに設けられなくてもよい。その場合、配管装置22の吸込口22a、吐出口22b及び逆流防止器BPに接続される各種の配管は、ユニット架台3の開放した下面を通るように延在させるとよい。さらに、配管用穴の少なくとも一部は、給水ユニット2に設けられてもよい。
【0044】
図1、
図2及び
図3Bに示すように、本実施形態において、ユニット架台3は、ユニット架台3における上部の前面に左右両壁3a及び3b間に延在する部材を有していない。換言すれば、本実施形態において、前面カバー3fを取り外した状態でのユニット架台3の内部空間は、上側及び前側が当該上側及び前側の境界部分を含めて外部に向かって実質上完全に開放されている。
また、本実施形態では、ユニット架台は、その内部(直方体の仮想6面の内部)に上下方向、前後方向及び/又は左右方向に延在する棒状体等の部材が存在しない。
【0045】
本実施形態の給水装置1は、上述のように構成されているので、例えば次のような方法で設置現場に設置されることができる。まずユニット架台3を、設置現場に設置する。その後、給水ユニット2をユニット架台3の上に設置する。その後、主としてユニット架台3の内部の配管スペースにおいて、必要な配管作業を行い、最後にユニット架台3の前面カバー3f及び給水ユニット2のキャビネット21の前面カバー21fを取り付けることにより、給水装置1の設置現場への設置が完了する。
上述した実施形態において、給水装置1は給水ユニット2とユニット架台3とに2分割された分割型に構成されており、それにより、給水装置1の設置作業において、給水ユニット2とユニット架台3とを別々に設置現場に運ぶことができる。なお、給水ユニット2を現場に運ぶ際、例えば、配管装置22の吸込口22a及び/又は吐出口22bに予め当該吸込口22a及び吐出口22bへの配管の接続作業に必要な補助部材等を接続した状態で、給水ユニット2を現場に運んでもよい。
【0046】
次に、上述した本実施形態の効果について、説明する。
まず、本実施形態では、給水ユニット2とユニット架台3とが脱着可能なように構成されているので、上述の通り給水ユニット2とユニット架台3とを別々に現場に運んで、給水装置1を設置することができる。従って、本実施形態によれば、給水装置1の設置作業を効率よく行うことができる。
また、給水ユニット2の配管架台23は、ユニット架台2に取り付けられるユニット架台取付部23tを一体に有しているとともに、キャビネット21の左右両壁21a及び21bに連結され左右両壁21a及び21b間に延在している。従って、本実施形態によれば、配管架台23の構成をコンパクトにまとめることができるとともに、例えば、キャビネットの左右両壁間に延在しない、給水装置の底部から立設した脚部を有する配管架台により配管装置を支持する場合と比較して、当該脚部等により配管スペースが制限されることがなく、配管時の作業性が向上する一方、配管架台23は、キャビネット21の左右両壁21a及び21bに連結され左右両壁21a及び21b間に延在しているので、配管架台23ひいては給水ユニット2の十分な剛性が確保できる。
さらに、本実施形態では、ユニット架台3は、ユニット架台3における上部の前面にユニット架台3の左右両壁3a及び3b間に延在する部材を有していない。換言すれば、本実施形態において、前面カバー3fを取り外した状態でのユニット架台3の内部空間は、上側及び前側が当該上側及び前側の境界部分を含めて外部に向かって実質上完全に開放されている。従って、本実施形態によれば、配管スペースを広く確保できるとともに、ユニット架台3の前面の上部にユニット架台3内における配管作業時に邪魔となる部材がないので、配管時の作業性を向上させることができる。
【0047】
また、上述の実施形態のように、配管架台23は、配管架台23の前端にキャビネット21の左右両壁21a及び21b間に延在する前面フレーム23fを、さらに有しており、当該前面フレーム23fは、配管装置22の吸込口22a及び吐出口22bの設けられた水平方向位置において、当該吸込口22a及び吐出口22bより上方に配置されていると、好適である。この構成によれば、配管架台23が前面フレーム21を有するため、配管架台23の剛性をより確実に確保することができるとともに、配管装置22の吸込口22a及び吐出口22bより下方の配管スペースを狭めることがなく、配管時の作業性をより効果的に向上させることができる。
【0048】
さらに、上述の実施形態のように、配管架台23の前面フレーム23fは、ユニット架台取付部23tより上方に配置されていると、好適である。この構成によれば、配管スペースをより確実に広く確保できるので、配管時の作業性をさらに効果的に向上させることができる。
【0049】
配管架台23の前面フレーム23fは、本実施形態について上述したとおり、正面視クランク状を呈していると、好適である。この場合、前面フレーム23fひいては配管架台23の強度を高めることができる。
また、ユニット架台3は、本実施形態について上述したとおり、その内部(直方体の仮想6面の内部)に上下方向、前後方向及び/又は左右方向に延在する棒状体等の部材が存在しないと、好適である。この場合、配管時の作業性をさらに効果的に向上させることができる。
さらに、
図1及び
図2を参照すれば明らかなとおり、本実施形態では、配管装置22を除いて、給水装置1の左右方向のいかなる位置においても、給水装置1の上部(キャビネット21の上壁21)と下部(ユニット架台3の底部フレーム3g)との間には、1つの配管架台23以外の部材は存在しない。この場合、配管時の作業性をさらに効果的に向上させることができる
【0050】
図5は、
図1の給水装置の一部を、配管装置を除いた状態で拡大して示す、一部拡大斜視図である。より具体的に、
図5は、本実施形態の給水装置1における、給水ユニット2とユニット架台3との左側の結合部近傍を、理解容易のために配管装置22、給水ユニット2のキャビネット21の前面カバー21f及びユニット架台3の前面カバー3fを除いた状態で、前方右上側から観た、一部拡大斜視図である。
なお、位置ずれ防止ネジ32も含め、給水ユニット2とユニット架台3との結合部分の構造は、給水装置1の右側においても、
図5と同じである。
本実施形態において、
図5に示すように、前述のとおり、配管架台23は、ユニット架台3に取り付けられるユニット架台取付部23tを一体に有しており、また、ユニット架台3は、給水ユニット2を取り付けて下から支持する給水ユニット支持部3sを有している。給水ユニット2とユニット架台3とは、上記配管架台23のユニット架台取付部23tと上記ユニット架台3の給水ユニット支持部3sとの結合により、互いに固定されている。(ただし、
図5では、具体的な固定手段であるボルト及びナット等が省略されて示されている。)ここで、本実施形態において、ユニット架台取付部23tと給水ユニット支持部3sとの少なくとも一方(本例では、給水ユニット支持部3s)には、上記結合時の左右方向の位置ずれを防止するための位置ずれ防止ネジ32が設けられている。
【0051】
より具体的に、本実施形態において、
図5に示すように、前述のとおり、配管架台23のユニット架台取付部23tは、配管架台23の左右両壁23a及び23bそれぞれの下端から左右方向内側に比較的短い長さで突出する、板状のフランジ部として構成されている。また、ユニット架台3の給水ユニット支持部3sは、ユニット架台3の左右両壁3a及び3bそれぞれの上端から左右方向内側に比較的短い長さで突出する、板状のフランジ部として構成されている。本実施形態において、配管架台23の上記ユニット架台取付部23tとユニット架台3の上記給水ユニット支持部3sとが上下方向に互いに重ね合わされた状態で、双方に設けられたボルト穴bhを介してボルト及びナット(図示せず)により双方を締結結合させることにより、給水ユニット2とユニット架台3とが互いに固定されている。
【0052】
また、本実施形態において、
図5に示すように、位置ずれ防止ネジ32は、ユニット架台3の給水ユニット支持部3sに設けられた左右方向内側に突出するフランジ部3sfに、嵌めこまれている。位置ずれ防止ネジ32は、配管架台23のユニット架台取付部23tより左右方向内側に位置している。このような位置ずれ防止ネジ32は、給水装置1の左右両側において、頭部等の少なくとも一部が、給水ユニット支持部3sから上方に突出し、ユニット架台取付部23tの上下方向高さ位置と水平方向(左右方向)に重なるようにされていることで、ユニット架台取付部23tの給水ユニット支持部3sに対する水平方向(左右方向)の位置ずれが防止できるように構成されている。
【0053】
本実施形態においては、上述のとおり、ユニット架台取付部23tと給水ユニット支持部3sとの少なくとも一方(本例では、給水ユニット支持部3s)に、給水ユニット2とユニット架台3との結合時の左右方向の位置ずれを防止するための位置ずれ防止ネジ32が設けられているので、給水ユニット2とユニット架台3との結合時、すなわち、ユニット架台3上に給水ユニット2を設置し結合する際の、例えば左右方向への横ずれ等による給水ユニット2の転倒等を防止することができる。上述のとおり、本実施形態において、ユニット架台取付部23t及び給水ユニット支持部3sは、左右方向の長さが比較的短くされているので、位置ずれ防止ネジ32を設けることは、特に有効である。
【0054】
本実施形態において、
図5に示すように、上記位置ずれ防止ネジ32は、頭部がローレット加工されたローレットネジとされている。
この構成によれば、位置ずれ防止ネジ32の装着が容易となる。
ただし、位置ずれ防止ネジ32は、ローレットネジでなくてもよい。
【0055】
位置ずれ防止ネジの構成は、ユニット架台取付部23tと給水ユニット支持部3sとの結合時における左右方向の位置ずれを防止できる限り、特に限定されない。
例えば、上述の例では、位置ずれ防止ネジ32をユニット架台3の給水ユニット支持部3s側に設けたが、位置ずれ防止ネジを配管架台23のユニット架台取付部23t側に下方に突出するように設けてもよい。しかし、給水装置1の設置時における給水ユニット2の取扱い作業性等を考慮すると、位置ずれ防止ネジは、ユニット架台3の給水ユニット支持部3s側に設けることが好ましい。
また、位置ずれ防止ネジ32は、給水装置1の左右両側のそれぞれで、複数設けてもよい。
【0056】
なお、
図3B、
図4、及び
図5に示されるように、配管架台23の後壁23e及びユニット架台3の後壁3eにはそれぞれ、配管架台23の後壁23eの下端及びユニット架台3の後壁3eの上端から前後方向内側(すなわち、前方)にわずかな長さ(幅)で突出する、左右方向に延在するフランジ部が設けられており、給水ユニット2をユニット架台3上に載置する際に補助的に荷重が負担されるようにされている。
【0057】
図6は、本実施形態の給水装置1を、給水ユニット2(より具体的に、キャビネット21)及びユニット架台3それぞれの前面カバー21f及び3fを取り付けた状態で示す、正面図である。
図7は、
図6の給水装置1の一部を、
図6のA-A線に沿った断面により示す、A-A一部断面図である。
【0058】
本実施形態において、
図6に示すように、給水ユニット2のキャビネット21の前面カバー21f(以下、「キャビネット前面カバー21f」ともいう)は、鍵部材40により、給水ユニット2における当該前面カバー21f以外の部分に固定されている。
より具体的に、本実施形態において、キャビネット前面カバー21fは、キャビネット21の上壁21d(
図1~
図3参照)に設けられた左右方向に延在する上向きに開口する溝に、前面カバー21fの上端に設けられた左右方向に延在する下向きに突出する凸条(図示せず)が引っ掛けられるとともに、キャビネット前面カバー21fに設けられた鍵部材40(
図6)が、配管装置22側(より具体的に、配管装置22に設けられた梁部材)に設けられた鍵部材40(
図1~
図3参照)に、鍵によって固定されることにより、給水ユニット2における当該前面カバー21f以外の部分に固定されている。
なお、本実施形態におけるキャビネット21及び配管装置22側の鍵部材40の構成は、特に限定されるものではなく、キャビネット前面カバー21fが、給水ユニット2における前面カバー21f以外の部分に、鍵で固定される限り(換言すれば、鍵を保有する使用者しか、キャビネット前面カバー21fを外せないように構成されている限り)、任意の構成であってよい。
【0059】
本実施形態において、
図6及び
図7に示すように、ユニット架台3の前面カバー3f(以下、「ユニット架台前面カバー3f」ともいう)は、角根丸頭ボルト51と蝶ナット52とにより、ユニット架台3における当該前面カバー3f以外の部分に固定されている。
ここで、角根丸頭ボルト51は、例えば、
図8A及び
図8B(以下、まとめて「
図8」ともいう)に示すように、外表面が曲面状でネジ溝等を有さない丸頭部511と、丸頭部511の下方に設けられた角ばった直方体状(図の例では、立方体状)の角根部512と、角根部512の下方に設けられたネジ部513(図の例では、雄ネジ)と、有し、丸頭部511を容易に回転させることのできないものである。
また、蝶ナット52は、例えば、
図8Bに示すように、把持部が蝶の羽根状に大きく外方に突出して形成されており、使用者の手でネジ部(図の例では、雌ネジ)を相手方ボルトのネジ部に嵌め込んで容易に回転させ締め込んでいくことのできるものである。
【0060】
本実施形態において、より具体的に、ユニット架台前面カバー3fは、当該前面カバー3fの左右両上端近傍に設けられた四角形状のボルト穴(図示せず)、及び、当該ボルト穴に合う位置であって、ユニット架台3の左右両端に設けられた立設フレーム3hの上端近傍の位置に設けられた四角形状のボルト穴bh(
図1~
図3等参照)に、角根丸頭ボルト51の角根部512が嵌め込まれるように、当該両ボルト穴に角根丸頭ボルト51を挿入し、反対側(すなわち、ユニット架台3の内部側)から、蝶ナット52を締め込んでいくことにより、ユニット架台3における当該前面カバー3f以外の部分に固定されている。このように、本実施形態において、ユニット架台前面カバー3fを取り付ける際に、角根丸頭ボルト51の角根部512が、四角形状のボルト穴により当該角根丸頭ボルト51が回転しないように固定されるので、工具を使用しなくても、蝶ナット52と角根丸頭ボルト51が共回りしないため、蝶ナット52を角根丸頭ボルト51に締め込んでいくことができる。
【0061】
本実施形態においては、上述のとおり、キャビネット前面カバー21fは、鍵部材40により固定されており、また、ユニット架台前面カバー3fは、角根丸頭ボルト51と蝶ナット52とにより固定されている。ここで、キャビネット前面カバー21fは、鍵部材40により固定されているので、対応する鍵を保有する特定の使用者しかキャビネット前面カバー21fを取り外すことができない。また、ユニット架台前面カバー3fは、角根丸頭ボルト51と蝶ナット52とにより固定されているので、工具を用いたとしても外部からユニット架台前面カバー3fを取り外すことは困難である。従って、上述の構成によれば、キャビネット前面カバー21f及びユニット架台前面カバー3fを、特定の使用者しか取り外すことができず、外部からのいたずら等の防止が可能となる。
また、本実施形態においては、キャビネット前面カバー21fを鍵部材40の鍵を開け取り外した後、ユニット架台3の内部側から蝶ナット52を使用者の手で回転させ蝶ナット52を角根丸頭ボルト51から外すことにより、工具を必要とせずにユニット架台前面カバー3fを容易に取り外すことができる。従って、例えば、ユニット架台前面カバー3fを、取り外すのに別途鍵や工具が必要ないたずら防止用のボルト等を使用してユニット架台3における前面カバー3f以外の部分に固定する場合と比較して、容易かつ安価に外部からのいたずら等の防止が可能となる。
さらに、本実施形態において、ユニット架台前面カバー3fは、角根丸頭ボルト51と蝶ナット52とにより、ユニット架台3における前面カバー3f以外の部分に固定されているので、例えば、ユニット架台3における前面カバー3f以外の部分にタップ加工により雌ネジ部を形成し、頭部が六角柱状の六角ボルト等により前面カバー3fを固定する場合と比較して、外部から工具で前面カバー3fを開けられるいたずら等の防止が可能となることは勿論、ネジ部どうしの噛み込みのおそれを抑制することができる。
【0062】
本実施形態において、
図6及び
図7に示すように、給水ユニット2のキャビネット21の前面カバー21fは、ユニット架台3の前面カバー3fの上端3feを覆うように構成されている。
より具体的に、本実施形態では、
図6及び
図7に示すように、キャビネット前面カバー21fの下端(本例では、より正確には、給水装置1の正面視における下端縁)21feが、ユニット架台前面カバー3fの上端(本例では、より正確には、給水装置1の正面視における上端縁)3feより下方に位置しているとともに、キャビネット前面カバー21fの少なくとも上記下端21feを含む部分が、ユニット架台前面カバー3fの少なくとも上記上端3feを含む部分より外側(前方側)に位置していることにより、キャビネット前面カバー21fが、ユニット架台前面カバー3fの上端3feを覆うように構成されている。
【0063】
本実施形態においては、上述の通り、キャビネット前面カバー21fが、ユニット架台前面カバー3fの上端3feを覆うように構成されているので、鍵部材40により固定されたキャビネット前面カバー21fを鍵で取り外さない限り、ユニット架台前面カバー3fを取り外すことができない。従って、本実施形態によれば、いたずら等をより確実に防止することができる。
ここで、例えば、キャビネット前面カバー21fの下端21feとユニット架台前面カバー3fの上端3feとを突き合わせるように(すなわち、下端21feと上端3feとの上下方向の位置が略同じであるように)、又は、キャビネット前面カバー21fの下端21feがユニット架台前面カバー3fの上端3feより上方に位置するように、キャビネット前面カバー21f及びユニット架台前面カバー3fが固定されている場合には、キャビネット前面カバー21fの下端21feとユニット架台前面カバー3fの上端3feとの間から、工具等が差し入れられてユニット架台前面カバー3fがこじ開けられる等のおそれもあり得るが、本実施形態の上記の構成によれば、そのようなおそれも生じない。従って、本実施形態によれば、いたずら等をより確実に防止することができる。
【0064】
上述したところは、本発明の例示的な実施形態を説明したものであり、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で様々な変更を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明に係る給水装置は、例えば商業建造物や集合住宅等の需要先に給水するために、好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0066】
1:給水装置、
2:給水ユニット、
21:キャビネット、 21a:右壁、 21b:左壁、 21d:上壁、 21e:後壁、
21f:前面カバー(キャビネット前面カバー)、 21fe:下端、 21ph:貫通穴、
22:配管装置、 22a:吸込口、 22b:吐出口、
23:配管架台、 23a:右壁、 23b:左壁、 23e:後壁、
23f:前面フレーム、 23fl:左側部分、 23fm:中間部分、
23fr:右側部分、 23m:中壁、 23s:配管装置支持部、
23t:ユニット架台取付部、 23ph:貫通穴、
24:制御盤、
3:ユニット架台、
3a:右壁、 3b:左壁、 3e:後壁、
3f:前面カバー(ユニット架台前面カバー)、 3fe:上端、 3g:底部フレーム、 3h:立設フレーム、 3s:給水ユニット支持部、 3sf:フランジ部、
31:配管用穴、
32:位置ずれ防止ネジ、
40:鍵部材、
51:角根丸頭ボルト、 511:丸頭部、 512:角根部、 513:ネジ部、
52:蝶ナット、
BP:逆流防止器、 DPT:圧力タンク、 P:ポンプ、 VP:防振部材、
bh:ボルト穴