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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-17
(45)【発行日】2023-10-25
(54)【発明の名称】マウスピース型治療器
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/06 20060101AFI20231018BHJP
   A61C 19/06 20060101ALN20231018BHJP
【FI】
A61N5/06 A
A61C19/06 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022522369
(86)(22)【出願日】2019-11-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-19
(86)【国際出願番号】 KR2019015206
(87)【国際公開番号】W WO2021075626
(87)【国際公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-05-16
(31)【優先権主張番号】10-2019-0129164
(32)【優先日】2019-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520147625
【氏名又は名称】ウェルスメディテック カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ファン,キョン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】ムン,ピョン ス
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1743251(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0013158(KR,A)
【文献】国際公開第2018/026892(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 5/06 - A61N 5/067
A61C 19/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔内に挿入されるマウスピース及び連結部を有する本体と、
前記マウスピース内に設けられる細胞再生ランプと、
前記細胞再生ランプの作動を制御する制御部と、
前記マウスピースの両端にそれぞれ結合される複数の結合モジュールとを含み、
前記細胞再生ランプは、近赤外線を出力することを特徴とするマウスピース型治療器。
【請求項2】
前記マウスピースの両端には、結合溝が形成され、
前記結合モジュールは、一端に埋め込み突出した光移送体を有し、
前記光移送体は、前記結合溝に結合されることを特徴とする請求項1に記載のマスピース型治療器。
【請求項3】
前記結合溝には、移送用ランプが埋め込まれ、
前記光移送体は、前記移送用ランプから照射された光を移送し、
前記制御部は、前記細胞再生ランプ及び前記移送用ランプの光出力強度、出力時間を制御することを特徴とする請求項2に記載のマスピース型治療器。
【請求項4】
前記マウスピースは、上歯と上歯茎が挿入される第1上部と、下歯と下歯茎が挿入される第1下部とを備え、
前記結合モジュールは、上歯と上歯茎が挿入される第2上部と、下歯と下歯茎が挿入される第2下部とを備え、
前記第1上部は、上歯と咬合する第1の平面部と、上歯及び上歯茎の側面に対向する第1の側面部とを備え、
前記第1下部は、下歯と咬合する第2の平面部と、下歯及び下歯茎の側面に対向する第2の側面部とを備え
前記第2上部は、上歯と咬合する第3の平面部と、上歯及び上歯茎の側面に対向する第3の側面部とを備え、
前記第2下部は、下歯と咬合する第4の平面部と、下歯及び下歯茎の側面に対向する第4の側面部とを備えることを特徴とする請求項1に記載のマスピース型治療器。
【請求項5】
前記細胞再生ランプは、前記第1の側面部と第2の側面部から、歯茎の内外側面に光を照射し、
前記マウスピースの外側には、複数の光誘導溝が形成されることを特徴とする請求項4に記載のマスピース型治療器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マウスピース型治療器に関し、より詳しくは、マウスピース内に光照射手段を設けることで、歯茎など口腔内の炎症治療が可能であるだけでなく、口腔サイズによらず、子供と大人が全部使用できるように、マウスピースに結合モジュールが着脱されるマウスピース型治療器に関する。
【背景技術】
【0002】
口内炎は、舌、歯茎口蓋、頬の粘膜など生じる炎症の総称である。一般に、軽症の口内炎が発生する場合、口腔内に直接薬物を塗り、重症の口内炎の場合は、口腔内に直接薬物を塗ることと、内服薬の投与を並行している。
【0003】
口腔内に直接薬物を塗る場合、唾液で直ぐ洗わせられるため、治療期間が長くなり、また、内服薬は、子供や一部の患者、妊婦などには処方し難いという問題点があった。
【0004】
このような問題点を解決するため、口内に挿入して、歯牙及び歯茎の一部を覆うように嵌合溝を有するマウスピース部材と、歯牙及び歯茎に光を照射するように、マウスピース部材内に多数の光源が配列された光源アレイと、光源の駆動を制御するコントローラとを備えた歯周疾患光治療器が開発されているが、このようなマウスピース型歯周疾患光治療器は、韓国登録特許第10-0777438号公報(2007.11.12登録)に詳しく開示されている。
【0005】
しかし、上述したような従来技術の場合、光源が内側に挿入されたマウスピースのサイズが固定しているため、子供や大人など、口腔サイズが様々な患者が全部使用し難いという問題点がある。
【0006】
また、上述したような従来技術の場合、歯牙と歯茎の他に、口蓋、頬の粘膜などに生じた口内炎の場合、光照射が難しいという問題点もある。
【0007】
更に、上述したような従来技術の場合、コントローラと光源アレイが設置されたマウスピースが、駆動線で連結された電子機器にもかかわらず、口腔液が機器内に流入することで発生する故障を防止し難いという問題点もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】韓国登録特許第10-0777438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記のような従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、細胞再生ランプを備えるマウスピースに、結合モジュールが着脱することで、様々な口腔サイズの患者において全部使用可能であり、且つ、歯茎の他に、口蓋、頬の粘膜などに生じた炎症も治療可能であり、口腔液による電子機器の故障を防止するマウスピース型治療器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記のような目的を達成するために、本発明によるマウスピース型治療器は、口腔内に挿入されるマウスピース及び連結部を有する本体と、前記マウスピース内に設けられる細胞再生ランプと、前記細胞再生ランプの作動を制御する制御部と、前記マウスピースの両端にそれぞれ結合される複の結合モジュールとを含み、前記細胞再生ランプは、近赤外線を出力することを特徴とする。
【0011】
前記マウスピースの両端には、結合溝が形成され、前記結合モジュールは、一端に埋め込み突出した光移送体を有し、前記光移送体は、前記結合溝に結合される。
【0012】
前記結合溝には、移送用ランプが埋め込まれ、前記光移送体は、前記移送用ランプから照射された光を移送し、前記制御部は、前記細胞再生ランプ及び前記移送用ランプの光出力強度、出力時間を制御する。
【0013】
前記マウスピース及び前記結合モジュールはそれぞれ、上歯と上歯茎が挿入される上部と、下歯と下歯茎が挿入される下部とを備え、前記上部は、上歯と咬合する第1の平面部と、上歯及び上歯茎の側面に対向する第1の側面部とを備え、前記下部は、下歯と咬合する第2の平面部と、下歯及び下歯茎の側面に対向する第2の側面部とを備える。
【0014】
前記細胞再生ランプは、前記第1の側面部と第2の側面部から、歯茎の内外側面に光を照射し、前記マウスピースの外側には、複数の光誘導溝が形成される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、内側に細胞再生ランプが設けられたマウスピースに、内側に光移送体が設けられた複数の結合モジュールが着脱することで、子供や大人など、口腔サイズが様々な患者が全部使用することができる。
【0016】
また、本発明によると、マウスピースと結合モジュールの外側に、複数の光誘導溝が形成されることで、内側に設けられた細胞再生ランプ及び光移送体から出力される光の効果的な発散が可能であって、歯茎だけでなく、口蓋、頬の粘膜などに生じた口内炎の治療が可能である。
【0017】
更に、本発明によると、端子の一側に口腔液防止部が形成されることで、マウスピースを着用した患者の口腔液が、本体の内側や制御部の内側に流入することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の実施例によるマウスピース型治療器の分解斜視図である。
図2図2は、本発明の実施例による側断面図である。
図3図3は、本発明の実施例による側断面図の拡大図である。
図4図4は、本発明の実施例によるマウスピースの使用例示図である。
図5図5は、本発明の実施例による結合モジュールの使用例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、本発明の好適な実施例を、添付の図面を用いて、具体的に説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施例によるマウスピース型治療器の分解斜視図であり、図2は、本発明の実施例による側断面図であり、図3は、本発明の実施例による側断面図の拡大図であり、図4は、本発明の実施例によるマウスピースの使用例示図であり、図5は、本発明の実施例による結合モジュールの使用例示図である。
【0021】
本発明によるマウスピース型治療器1は、本体10と、前記本体10の両端に結合される複数の結合モジュール20と、前記本体10の一側に結合される制御部30とを含む。
【0022】
前記本体10は、口腔内に挿入されるマウスピース110と、前記マウスピース110の内側に、光照射のために設けられる基板部120と、前記基板部120を電気的に外部と接続させる連結部130とを含み、透光性を有するシリコンでモールド処理されて、本体10の外形が形成される。前記本体10の製造方法は、これに限定されるものではなく、前記本体10の内側に、基板部120が挿入及び設置されるいずれの製造過程でも適用可能である。
【0023】
前記マウスピース110は、図4及び図5に示しているように、患者の歯牙(t)及び歯茎(g)の配列に対応するU字状であり、上歯と上歯茎が咬合するように、上側に歯牙溝が形成された第1の上部111と、下歯と下歯茎が咬合するように、下側に歯牙溝が形成された第1の下部112とを含む。
【0024】
前記第1の上部111には、上歯と咬合する第1の平面部111aと、上歯及び上歯茎の側面に対向する第1の側面部111bとが形成されている。
【0025】
また、前記第1の下部112には、下歯と咬合する第2の平面部112aと、下歯及び下歯茎の側面に対向する第2の側面部112bとが形成されている。
【0026】
前記基板部120は、図2及び図3に示しているように、基板121と、細胞再生ランプ122とを含む。
【0027】
前記基板121は、前記マウスピース110のようなフレキシブルな材質のU字状に形成され、また、前記第1の平面部111aと第2の平面部112aの中間平面に埋め込まれている。
【0028】
前記基板121に連結された細胞再生ランプ122は、歯牙と歯茎の位置に対応して、前記第1の側面部111bと第2の側面部112bに内蔵される。前記細胞再生ランプ122は、675nm又は808nmを有する近赤外線波長を出力するLED又はレーザで形成され、前記マウスピース110を形成するシリコンを通して、外部への照射が可能である。前記細胞再生ランプ122は、近赤外線出力ができることによって、炎症部位細胞のアデノシン三リン酸反応を活性化させて、細胞エネルギーを増加させる。増加された細胞エネルギーにより、細胞再生が活発となって、口内炎を効率よく治療することができる。前記では、細胞再生ランプ122として、近赤外線ランプを使用しているが、これに限定されるものではなく、紫外線光照射で炎症内有害菌の殺菌による細胞再生活性化が可能な紫外線ランプなど、細胞再生に効果的ないずれの光源も適用可能である。
【0029】
マウスピース110のU字状の両端には、結合溝114と支持溝115が形成されており、結合モジュール20と結合される。
【0030】
前記結合溝114は、前記第1の平面部111aと第2の平面部112aの間に形成された溝である。
【0031】
前記結合溝114内には、図3に示しているように、細胞再生ランプと同様な移送用ランプ123が埋め込まれている。
【0032】
前記支持溝115は、前記結合溝114の上下部に形成された複数の溝である。
【0033】
上脣小帶逃がし溝116は、前記マウスピース110の着用に際して、上脣小帶が安着するように形成された溝である。
【0034】
結合モジュール20の中央部に、光移送体24が埋め込み突出している。前記光移送体24の突出部位は、前記結合溝114内に挿入され、また、前記光移送体24は、PMMA樹脂のような導光部材からなるか、又は光ファイバーケーブルが埋め込まれ、前記結合溝114に設けられた移送用ランプ123より出力された光の移送が可能である。
【0035】
前記結合モジュール20は、前記マウスピース110のように透光性を有するシリコン材質からなることで、前記光移送体24から照射された光が、前記結合モジュール20の外側に発散される。
【0036】
前記結合モジュール20は、図1に示しているように、上歯と上歯茎が咬合するように、上側に歯牙溝が形成された第2の上部21と、下歯と下歯茎が咬合するように、下側に歯牙溝が形成された第2の下部22とを含む。
【0037】
前記第2の上部21には、上歯と咬合する第3の平面部21aと、上歯及び上歯茎の側面に対向する第3の側面部21bとが形成されている。
【0038】
前記第2の下部22には、下歯と咬合する第4の平面部22aと、下歯及び下歯茎の側面に対向する第4の側面部22bとが形成されている。
【0039】
前記光移送体24は、第3の側面部21bと第4の側面部22bに照射されるように、図5に示しているように、H字状に形成されている。
【0040】
前記結合モジュール20の一端に、複数の支持突起25が設けられ、前記支持突起25が前記支持溝115内に挿入されるので、前記マウスピース110に結合される結合モジュール20は、傾くことなく、結合される。前記のような構成により、患者の歯牙が、マウスピース110と結合モジュール20に安定して咬合することになる。
【0041】
前記複数の支持突起25は、突出したシリコン材質であるが、患者の治療に多量の光照射が必要である場合、前記光移送体24のような導光部材で構成できることは、言うまでもない。
【0042】
前記のような構成により、本発明は、マウスピース110に、複数の結合モジュール20を着脱することができ、且つ、前記結合モジュール20にも、光照射ができることによって、口腔サイズが様々な患者が使用することができる。
【0043】
また、マウスピース110の外側に、複数の光誘導溝113が形成されることで、歯茎だけでなく、口蓋、頬の粘膜にも光照射が可能である。
【0044】
結合モジュール20の外側にも、複数の光誘導溝23が形成されることで、前記マウスピース110との結合に際して、歯茎だけでなく、口蓋、頬の粘膜にも光照射が可能となる。
【0045】
前記のような構成により、本発明は、歯茎の炎症だけでなく、口蓋、頬の粘膜などに生じた口内炎の治療が可能である。
【0046】
前記連結部130は、図1に示しているように、端子131と、離脱防止部132と、口腔液防止部133とを含む。
【0047】
前記端子131は、基板121と電気的に連結される。前記端子131は、制御部30の端子口31内に接続され、制御パネル32の操作により、前記細胞再生ランプ122の光出力強度、出力時間、波長調節などが可能である。
【0048】
前記端子131の外側には、端子口31との接触力を増加するため、二重に突出した離脱防止部132が設けられる。前記離脱防止部132により、光治療を受ける患者の微動にも、締結力を維持することができる。
【0049】
前記マウスピース110を着用した患者は、円滑に口腔液を飲みにくいため、該当口腔液がマウスピースの外側に流れて、前記端子131の内側や端子口31の内側に流入すると、ショートにより、マウスピース型治療器1が故障することがある。これを防止するため、前記端子131の一側には、長方状に突出した口腔液防止部133が設けられる。
図1
図2
図3
図4
図5