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  • 特許-頭蓋骨矯正用枕 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-17
(45)【発行日】2023-10-25
(54)【発明の名称】頭蓋骨矯正用枕
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/01 20060101AFI20231018BHJP
【FI】
A61F5/01 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023109537
(22)【出願日】2023-07-03
【審査請求日】2023-07-03
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523049823
【氏名又は名称】河村 大地
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河村 大地
【審査官】西堀 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-541384(JP,A)
【文献】特表2013-521974(JP,A)
【文献】特開2006-068520(JP,A)
【文献】特開2019-187472(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/00- 6/24
A47G 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仰臥位の被施術者の頭部における左右の乳様突起周辺に対応する部分を支持する一対の支持部と、
前記頭部における左右の側頭骨と頭頂骨との境界付近に対応する部分を左右両側から挟むように作用する一対の作用部と、
前記一対の支持部及び前記一対の作用部を、それぞれの相対位置及び姿勢を可変に支持する支持機構と、
を備え、
前記支持機構は、
前記一対の支持部のうち左側の支持部が取り付けられる第1左側腕部と、前記第1左側腕部と交差する方向に延び、前記一対の作用部のうち左側の作用部が取り付けられる第2左側腕部と、を有する左側連結部と、
前記左側連結部を少なくとも互いに交差する二軸周りで回動可能に支持する左側回転支持部と、
前記一対の支持部のうち右側の支持部が取り付けられる第1右側腕部と、前記第1右側腕部と交差する方向に延び、前記一対の作用部のうち右側の作用部が取り付けられる第2右側腕部と、を有する右側連結部と、
前記右側連結部を少なくとも互いに交差する二軸周りで回動可能に支持する右側回転支持部と、
を備えることを特徴とする頭蓋骨矯正用枕。
【請求項2】
前記左側回転支持部と前記右側回転支持部は、左右方向の相対位置が可変に構成されていることを特徴とする請求項に記載の頭蓋骨矯正用枕。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭蓋骨の矯正に用いられる枕に関する。
【背景技術】
【0002】
いびき、睡眠時無呼吸症候群、副鼻腔炎、偏頭痛、眩暈等の症状改善を図るための施術として、頭蓋骨の矯正(調整)が従来より知られている。頭蓋骨は二十数個の骨から構成されており、それらの歪みが上述の各症状の原因とされる。頭蓋骨矯正の施術手法としては、施術者の手技によって頭部の所定の部位に所定の外力を付加し、上述の歪みを低減する方法が一般的に知られている。
【0003】
また、上述した各症状をもたらす頭蓋骨の歪みは、例えば、枕が合わないことによる不適切な寝姿勢により、頭蓋骨に不適切な負荷が長期間付与されることで発生するとされる。頭蓋骨の歪みの原因としては、その他、スマートフォンやパーソナルコンピュータ等の長時間の使用等も挙げられる。そのような頭蓋骨への負荷発生を抑制するための枕として、頭部を所定の姿勢で保持することが可能な枕が種々開発されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-068520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、頭蓋骨の矯正に効果的な姿勢で頭部を保持することが可能な枕を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の頭蓋骨矯正用枕は、
仰臥位の被施術者の頭部における左右の乳様突起周辺に対応する部分を支持する一対の支持部と、
前記頭部における左右の側頭骨と頭頂骨との境界付近に対応する部分を左右両側から挟むように作用する一対の作用部と、
前記一対の支持部及び前記一対の作用部を、それぞれの相対位置及び姿勢を可変に支持する支持機構と、
を備え
前記支持機構は、
前記一対の支持部のうち左側の支持部が取り付けられる第1左側腕部と、前記第1左側腕部と交差する方向に延び、前記一対の作用部のうち左側の作用部が取り付けられる第2左側腕部と、を有する左側連結部と、
前記左側連結部を少なくとも互いに交差する二軸周りで回動可能に支持する左側回転支持部と、
前記一対の支持部のうち右側の支持部が取り付けられる第1右側腕部と、前記第1右側腕部と交差する方向に延び、前記一対の作用部のうち右側の作用部が取り付けられる第2右側腕部と、を有する右側連結部と、
前記右側連結部を少なくとも互いに交差する二軸周りで回動可能に支持する右側回転支持部と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、頭蓋骨の矯正に効果的な姿勢で頭部を保持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施例に係る頭蓋骨矯正用枕1の全体構成を示す模式的斜視図
図2】本発明の実施例に係る頭蓋骨矯正用枕1の使用状態を説明する模式的斜視図
図3】本発明の実施例に係る頭蓋骨矯正用枕1の構成を説明する模式図
図4】本発明の実施例に係る頭蓋骨矯正用枕1の模式的側面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ本発明の好適な実施例を説明する。ただし、以下で説明する実
施例は本発明の好ましい構成を例示的に示すものにすぎず、本発明の範囲をそれらの構成に限定するものではない。また、以下の説明における、装置の構成部品の機能、材質、形状、それらの相対配置などは、特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0010】
(実施例)
図1図4を参照して、本発明の実施例に係る頭蓋骨矯正用枕1について説明する。図1は、本発明の実施例に係る頭蓋骨矯正用枕1の全体構成を示す模式的斜視図である。図2は、本発明の実施例に係る頭蓋骨矯正用枕1の使用状態を説明する模式的斜視図である。図3は、本発明の実施例に係る頭蓋骨矯正用枕1の構成を説明する模式図である。図4は、図4は、本発明の実施例に係る頭蓋骨矯正用枕1の模式的側面図である。
【0011】
本発明の実施例に係る頭蓋骨矯正用枕1(以下、単に「枕1」と称する。)は、例えば、頭蓋骨の矯正施術において、仰臥位の被施術者の頭部を支持するために用いることができる。
【0012】
図1に示すように、本発明の実施例に係る枕1は、概略、被施術者の頭部右側を支持する右側支持構造体2と、被施術者の頭部左側を支持する左側支持構造体3と、右側支持構造体2と左側支持構造体3を支持するベース部4と、を備える。
【0013】
ベース部4は、右側支持構造体2を支持する右側可動台42と、左側支持構造体3を支持する左側可動台43と、を備える。右側可動台42と左側可動台43は、ベース板40上に左右方向に並ぶように配置されている。左右方向は、仰臥位の被施術者の頭部の幅方向に対応する。右側可動台42と左側可動台43は、ベース板40上における左右方向の相対位置を可変に構成されており、被施術者の頭部の大きさや形状に合わせて、頭部幅方向における間隔や位置を変更することができる。
【0014】
具体的には、右側可動台42と左側可動台43は、それぞれ、ベース板40における幅方向(頭部幅方向)の延びる長孔を備えた被固定部44を有し、長孔に挿通されるビス45の締付によりベース板40に固定される。右側可動台42と左側可動台43は、被固定部44の長孔に対するビス45の締付位置を変更することでベース板40における幅方向の固定位置を調整することができる。
【0015】
図2図3を参照して、右側支持構造体2の構成について説明する。なお、図3では、第1右側指部21、第2右側指部22、右側連結部23、第1左側指部31、第2左側指部32、左側連結部33について、それぞれの断面構成を示している。
【0016】
右側支持構造体2は、第1右側指部21と、第2右側指部22と、右側連結部23と、右側回転支持部24と、を備える。右側支持構造体2は、右側回転支持部24が右側可動台42に回転可能に支持されている。
【0017】
第1右側指部21は、被施術者の後頭部と首との境目の右側、より具体的には、右側の側頭骨53の乳様突起54と頸椎との間の部分に当接する。第2右側指部22は、被施術者の頭部右側面、より具体的には、頭部右側の側頭骨53から頭頂骨52に渡る部分に当接する。右側連結部23は、略L字形状を有し、互いに直交(交差)する方向に延びる第1右側腕部231と第2右側腕部232を備える。第1右側腕部231には、第1右側指部21が取り付けられ、第2右側腕部232には、第2右側指部22が取り付けられる(図3参照)。
【0018】
第1右側指部21、第2右側指部22は、被施術者の頭部に接触する部分であるため、
例えばゴム等の柔軟性を有する材料で構成されるのが好ましい。右側連結部23は、例えば、L字板金を用いることができるが、被施術者の頭部に対して後述する所定の圧迫力(あるいは、後述する所定のモーメント)を発生させることが可能な強度を有するプラスチック等の樹脂製のL字形状部材を用いてもよい。
【0019】
第1右側指部21と第2右側指部22は、垂直軸周りと水平軸周りの二軸で、位置や姿勢を変えることができるように、右側連結部23、右側回転支持部24を介して、右側可動台42に支持される。
【0020】
具体的には、右側連結部23は、第1右側回転軸部25を介して右側回転支持部24に回転可能に連結され、右側回転支持部24は、第2右側回転軸部26を介して右側可動台42に回転可能に連結されている。第1右側回転軸部25の回転軸線と第2右側回転軸部26の回転軸線とは互いに直交する。具体的には、第1右側回転軸部25の回転軸線は、略水平方向に延び、第2右側回転軸部26の回転軸線は、略垂直方向に延びる。また、第1右側回転軸部25の回転軸線は、第1右側指部21が延びる方向(右側連結部23の第1右側腕部231が延びる方向)と略平行である。
【0021】
右側支持構造体2と同様に、左側支持構造体3は、第1左側指部31と、第2左側指部32と、左側連結部33と、左側回転支持部34と、を備える。左側支持構造体3は、左側回転支持部34が左側可動台43に回転可能に支持されている。左側連結部33は、第1左側腕部331と第2左側腕部332を有する(図3参照)。左側支持構造体3の各部の具体的な構成は、右側支持構造体2の各部の構成と左右対称の構成であり、詳細な説明は省略する。
【0022】
図3図4を参照して、本実施例に係る枕1による頭蓋骨矯正効果について説明する。
【0023】
本実施例に係る枕1は、頭蓋骨矯正において被施術者の頭部に対して施術者が手技によって付加する場合と同様の、あるいは類似した圧迫力を、被施術者の頭部に付加することが可能に構成されている。より具体的には、頭部自重に起因する圧迫力を、頭部の左右それぞれの所定の2箇所に集中的に発生させ、施術者が当該部位を指などで圧迫する場合と同様の施術効果を得ることができる。
【0024】
図3図4に示すように、右側支持構造体2の第1右側指部21と、左側支持構造体3の第1左側指部31は、一対の支持部として、それぞれ被施術者の後頭部と首との境目に接触し、頭部を支持する。より具体的には、被験者の頭部及び首の後ろ側における、側頭骨53の乳様突起54と頸椎との間の部分(乳様突起54周辺)に対応する部分に接触する。第1右側指部21と第1左側指部31が接触する2箇所において頭部の重量を集中的に受けることで、頭部重量に対する反力が当該部位に集中的に作用することになる。すなわち、側頭骨53の乳様突起54に圧迫力が作用することになる。したがって、左右一対の支持部としての第1右側指部21と第1左側指部31は、後述する左右一対の作用部としての第2右側指部22と第2左側指部32とともに、左右一対の第二の作用部としても機能する。
【0025】
図3図4に示すように、右側支持構造体2の第2右側指部22と、左側支持構造体3の第2左側指部32とが、左右一対の作用部として、被施術者の側頭部(頭部側面こめかみ後方周辺)を左右両側から挟み込むように圧迫する。頭蓋骨5における圧迫力の作用部位としては、側頭骨53と頭頂骨52の境界付近、より詳細には、頭頂骨52における前頭骨51、蝶形骨56、側頭骨53に囲まれた領域周辺となる。
【0026】
第2右側指部22と第2左側指部32による圧迫力は、右側可動台42、左側可動台4
3の間隔調整と、右側支持構造体2と左側支持構造体3のそれぞれの姿勢の調整と、によって調整可能に形成することができる。被施術者の側頭部に対し、痛みは与えず頭蓋骨5に十分な矯正効果のある大きさの力が加わるように、側頭部に対する第2右側指部22と第2左側指部32の当接具合(当たる強さや方向、姿勢など)が調整される。
【0027】
ここで、右側支持構造体2における右側連結部23、右側回転支持部24と、左側支持構造体3における左側連結部33、左側回転支持部34と、ベース部4における右側可動台42、左側可動台43は、第1右側指部21、第1左側指部31、第2右側指部22、第2左側指部32の相対位置及び姿勢を可変に支持する支持機構を構成する。
【0028】
また、第1右側指部21、第1左側指部31で受ける頭部重量(図中の白抜き矢印)により発生するモーメント(図中の円弧矢印)も、第2右側指部22と第2左側指部32による被施術者の頭部に対する圧迫力の形成に寄与し得る。第1右側指部21で受ける頭部重量により、右側連結部23と右側回転支持部24との連結部を基点としたモーメントが発生し得る。同様に、第1左側指部31で受ける頭部重量より、左側連結部33と左側回転支持部34との連結部を基点としたモーメントが発生し得る。
【0029】
第2右側指部22と第2左側指部32による左右一対で挟み込む圧迫力により、頭蓋骨5を構成する各骨の境界を広げる力が発生する。より具体的には、前頭骨51と側頭骨53、頬骨55、蝶形骨56、上顎骨57、鼻骨58との境界付近や、頭頂骨52と側頭骨53との境界付近(ラインL1の沿った領域)を広げるような力が発生する。また、頬骨55と上顎骨57との境界付近(ラインL2に沿った領域)や、頬骨55と蝶形骨56との境界付近(ラインL3に沿った領域)を広げるような力も発生する。
【0030】
また、第2右側指部22と第2左側指部32による圧迫により、第一頸椎と、頭蓋骨底(前頭骨51,後頭骨50、側頭骨53、蝶形骨56、篩骨59など)と、の間を広げる力も発生する。
【0031】
以上のような圧迫力の発生により、睡眠時無呼吸症候群、副鼻腔炎、偏頭痛等の各症状の原因とされる頭蓋骨5の歪みの低減、解消を図ることができる。
【0032】
枕1による被施術者の頭部の支持姿勢は、被施術者の頭部の形状等に合せて、右側支持構造体2と左側支持構造体3のそれぞれの姿勢(位置や向きなど)や幅方向の間隔を調整することで形成することができる。第1右側回転軸部25、第1左側回転軸部35は、調整後は固定してもよいし、回転自在なままでもよい。一方、第2右側回転軸部26、第2左側回転軸部36は、調整中も調整後も回転自在のままとするのが好ましい。各回転軸部が回転自在な状態で、被施術者の頭部の支持のバランスが取れる右側支持構造体2と左側支持構造体3の位置を探し、被施術者の頭部の支持姿勢を決めることができる。
【0033】
本実施例に係る枕1の利用方法としては、種々の方法が挙げられる。
【0034】
例えば、施術者による頭蓋骨矯正施術において、枕1により上述した圧迫力を付加しながら、施術者の手技による施術を加えることで、より効果的な施術効果が見込める。すなわち、枕1は、補助器具として、施術者による頭蓋骨矯正施術に利用することができる。
【0035】
また、頭部を枕1に上述した所定の支持姿勢で載置する(本実施例の枕1によって被施術者の頭部を支持する)だけでも一定の頭蓋骨矯正効果が見込める。したがって、枕1は、施術者による頭蓋骨矯正施術の場面に限られず、使用者自らが頭部を枕1に一定時間載置する自己施術(自己マッサージ)に利用することができる。
【0036】
なお、上述した枕1の利用方法は、あくまで一例であり、特定の方法に限定されるものではない。例えば、座位の被施術者に対して使用することもできる。すなわち、本実施例に係る枕1は、椅子のヘッドレスト(頭部支持部)として用いることができる。右側支持構造体2と左側支持構造体3の姿勢、角度などを調整し、座位の被施術者の頭部を枕1で支えるようバランスさせるとよい。仰臥位の場合と比べて、第1右側指部21、第1左側指部31で受ける頭部重量に対する反力の作用方向が、より側頭骨53の乳様突起54側に向かう方向となる。これにより、例えば、側頭骨53と後頭骨50の境界周辺への圧迫力の作用をより高めた頭部支持姿勢を作ることができる。
【0037】
本実施例では、第1右側指部21と第2右側指部22とが互いに分離した構成としているが、第1右側指部21と第2右側指部22とを一体化したような構成、すなわち、L字形状の剛性部材全体を柔軟性を有する材料で覆ったような構成としてもよい。第1左側指部31と第2左側指部32についても同様である。
【0038】
また、本実施例では、右側支持構造体2の構成として、L字板金で構成される右側連結部23の一端に第1右側指部21が取り付けられ、他端に第2右側指部22が取り付けられた構成を採用しているが、かかる構成はあくまで一例である。すなわち、第1右側指部21と第2右側指部22をそれぞれ頭部における所定部位に当接させるように支持可能であれば、本実施例の構成に限定されない。左側支持構造体3についても同様である。
【0039】
また、本実施例では、右側回転支持部24として、L字板金を用いているが、回転軸線が互いに交差する第1右側回転軸部25と第2右側回転軸部26とを形成することが可能な他の形態の部材を用いてもよい。すなわち、第1右側指部21と第2右側指部22を少なくとも上述した互いに交差する二軸周りで回動(旋回)可能にする構成としては、本実施例の構成に限定されるものではない。左側回転支持部34についても同様である。
【0040】
本実施例では、第1右側指部21と第2右側指部22を回動(旋回)可能にする二軸を互いに直交する構成とした場合を例示したが、二軸の交差角度は直交(直角)でなくてもよい。例えば、第1右側指部21と第2右側指部22が、直角よりもより開いた角度でそれぞれ延びるように構成してもよい。
【0041】
また、本実施例では、右側支持構造体2において、支持部としての第1右側指部21と、作用部としての第2右側指部22とを一体的に支持する構成としているが、被施術者の頭部に対して上述した圧迫力を付与可能であれば、かかる構成に限定されない。すなわち、支持部を支持する構造と作用部を支持する構造とを別々に構成してもよい。左側支持構造体3についても同様である。
【0042】
さらに、本実施例では、被施術者の頭部の重量を最も受ける支持部を左右一対の構成(第1右側指部21と第1左側指部31)としたが、一体的な単一の支持部として構成してもよい。
【0043】
また、ベース部4の構成も、本実施例で示した構成はあくまで一例であり、かかる構成に限定されない。例えば、右側可動台42、左側可動台43をそれぞれベース板40に左右方向に任意の位置で調整可能に固定する構成に関して、本実施例で示した長孔とビスによる固定構成はあくまで一例であり、既知の他の位置調整構成を適宜採用してよい。
【0044】
また、本実施例では、右側支持構造体2と左側支持構造体3を、ベース板40に対してそれぞれ独立して位置調整可能に構成したが、かかる構成に限定されない。例えば、右側可動台42と左側可動台43のうちのいずれか一方の位置を変えると、これに連動して他方の位置も変わるような連動機構を採用してもよい。
【0045】
また、右側支持構造体2と左側支持構造体3のいずれか一方をベース板40に対して固定とし、他方のみをベース板40に対して左右方向に位置調整可能に構成してもよい。
【符号の説明】
【0046】
1…枕、2…右側支持部、21…第1右側指部、22…第2右側指部、23…右側連結部、24…右側回転支持部、25…第1右側回転軸部、26…第2右側回転軸部、3…左側支持部、31…第1左側指部、32…第2左側指部、33…左側連結部、34…左側回転支持部、35…第1左側回転軸部、36…第2左側回転軸部、4…ベース部、40…ベース板、42…右側可動台、43…左側可動台
【要約】
【課題】頭蓋骨の矯正に効果的な姿勢で頭部を保持することが可能な枕を提供する。
【解決手段】頭蓋骨矯正用枕1であって、仰臥位の被施術者の頭部における左右の乳様突起周辺に対応する部分を支持する一対の支持部21、31と、頭部における左右の側頭骨と頭頂骨との境界付近に対応する部分を左右両側から挟むように作用する一対の作用部22、32と、一対の支持部21、31及び一対の作用部22、32を、それぞれの相対位置及び姿勢を可変に支持する支持機構23、24、42、33、34、43と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4