(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-17
(45)【発行日】2023-10-25
(54)【発明の名称】駐車管理装置およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20231018BHJP
G08G 1/017 20060101ALI20231018BHJP
G08G 1/04 20060101ALI20231018BHJP
G08G 1/14 20060101ALI20231018BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20231018BHJP
【FI】
G07B15/00 L
G08G1/017
G08G1/04 C
G08G1/14 A
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2019078710
(22)【出願日】2019-04-17
【審査請求日】2022-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】591069086
【氏名又は名称】パーク二四株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113804
【氏名又は名称】岩田 敏
(74)【代理人】
【識別番号】100101384
【氏名又は名称】的場 成夫
(72)【発明者】
【氏名】山本 英俊
(72)【発明者】
【氏名】中戸 英貴
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-007700(JP,A)
【文献】特開平02-285487(JP,A)
【文献】特開2016-184199(JP,A)
【文献】特開2010-286929(JP,A)
【文献】特開平09-259400(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 11/00-17/04
G08G 1/017
G08G 1/04
G08G 1/14
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場の入口または出口に設置される駐車管理装置であって、
入庫または出庫しようとする先頭車両の進行を制限およびその制限解除をするゲート手段と、
前記のゲート手段の作動に対する指示を出力する駐車指示装置と、
前記の先頭車両の運転者に対する出力表示をする電子看板と、
前記の電子看板に出力させる出力データを送信する出力データ送信手段と、
前記の出力データを作成する出力データ作成手段と、
前記のゲート手段が前記の先頭車両の
確認作業又は精算作業のために入庫または出庫の制限を解除するまでの処理時間を推定する処理時間推定手段と、
を備え、
前記の出力データ作成手段は、前記の処理時間推定手段によって推定された処理時間データを用いることとした駐車管理装置。
【請求項2】
駐車場の入口または出口に設置される駐車管理装置であって、
入庫または出庫しようとする先頭車両の進行を制限およびその制限解除をするゲート手段と、
前記のゲート手段の作動に対する指示を出力する駐車指示装置と、
前記の先頭車両の運転者に対する出力表示をする電子看板と、
前記の電子看板に出力させる出力データを送信する出力データ送信手段と、
前記の出力データを作成する出力データ作成手段と、
前記のゲート手段が前記の先頭車両の
確認作業又は精算作業のために入庫または出庫の制限を解除するまでの複数の段階のうち、どの段階が現状であるかを推定する処理段階推定手段と、
を備え、
前記の出力データ作成手段は、前記の処理段階推定手段によって推定された処理段階データを用いることとした駐車管理装置。
【請求項3】
前記の先頭車両の後続車両の運転者に対する出力表示をする第二看板を備え、
前記の出力データ作成手段は、前記の第二看板に出力させる出力データをも作成することとし、
前記の出力データ送信手段は、第二看板に出力させる出力データをも送信することとした
請求項1または請求項2のいずれかに記載の駐車管理装置。
【請求項4】
駐車場の入口または出口に設置される駐車管理装置であって、
入庫または出庫しようとする先頭車両の進行を制限およびその制限解除をするゲート手段と、
前記のゲート手段の作動に対する指示を出力する駐車指示装置と、
入庫または出庫しようとする先頭車両の車両ナンバーを撮影するナンバー用カメラと、
そのナンバー用カメラが撮影したナンバー画像をデジタル化してナンバーデータとするOCR処理手段と、
そのOCR処理手段によってデジタル化されたナンバーデータが予め登録された車両ナンバーと一致するか否かを認証する認証手段とを備え、
前記の先頭車両の運転者に対する出力表示をする電子看板と、
前記の電子看板に出力させる出力データを送信する出力データ送信手段と、
前記の出力データを作成する出力データ作成手段と、
前記のナンバー用カメラにおける撮影時、前記のOCR処理手段によるデジタル化の処理時、前記の認証手段による認証時を把握するとともに、平均の撮影時間、平均のデジタル化の処理時間、平均の認証時間を用いることで、
前記のゲート手段が前記の先頭車両の入庫または出庫の制限を解除するまでの複数の段階のうち、どの段階が現状であるか処理段階を推定する処理段階推定手段と、を備え、
前記の出力データ作成手段は、前記の処理段階推定手段によって推定された処理段階データを用いることとした駐車管理装置。
【請求項5】
前記の先頭車両の後続車両の運転者に対する出力表示をする第二看板を備え、
前記の出力データ作成手段は、前記の第二看板に出力させる出力データをも作成することとし、
前記の出力データ送信手段は、第二看板に出力させる出力データをも送信することとした
請求項4に記載の駐車管理装置。
【請求項6】
駐車場の入口または出口に設置される駐車管理装置であって、
入庫または出庫しようとする先頭車両の進行を制限およびその制限解除をするゲート手段と、
前記のゲート手段の作動に対する指示を出力する駐車指示装置と、
入庫または出庫しようとする先頭車両の車両ナンバーを撮影するナンバー用カメラと、
そのナンバー用カメラが撮影したナンバー画像をデジタル化してナンバーデータとするOCR処理手段と、
そのナンバーデータが予め登録された車両ナンバーと一致するか否かを認証する認証手段とを備え、
前記の先頭車両の運転者に対する出力表示をする電子看板と、
前記の電子看板に出力させる出力データを送信する出力データ送信手段と、
前記の出力データを作成する出力データ作成手段と、
前記のナンバー用カメラにおける撮影時、前記のOCR処理手段によるデジタル化の処理時、前記の認証手段による認証時を把握することで、
前記のゲート手段が前記の先頭車両の入庫または出庫の制限を解除するまでの複数の段階のうち、どの段階が現状であるか処理段階を推定する処理段階推定手段と、を備え、
前記の出力データ作成手段は、前記の処理段階推定手段によって推定された処理段階データを用いることとした駐車管理装置。
【請求項7】
前記の先頭車両の後続車両の運転者に対する出力表示をする第二看板を備え、
前記の出力データ作成手段は、前記の第二看板に出力させる出力データをも作成することとし、
前記の出力データ送信手段は、第二看板に出力させる出力データをも送信することとした
請求項6に記載の駐車管理装置。
【請求項8】
前記の駐車場における複数の車室に関する満空データを蓄積している駐車場管理データベースと、
入庫しようとする車両の車種を推定するための画像データを取得する車種用カメラと、
前記の車種用カメラが取得した画像データに基づいて車種を推定する車種推定手段と、
その車種推定手段が推定した車種および前記の駐車場管理データベースにおける満空データに基づいて入庫しようとしている先頭車両がいずれの車室へ駐車すべきかの入庫案内データを作成する入庫案内作成手段と、を備え、
前記の出力データ作成手段は、前記の入庫案内データをも用いて出力データを作成することとした
請求項4または請求項6のいずれかに記載の駐車管理装置。
【請求項9】
前記の出力データ作成手段は、前記の駐車場から徒歩圏の商業施設から受信する販売促進用データをも用いて出力データを作成することとした
請求項4または請求項6のいずれかに記載の駐車管理装置。
【請求項10】
駐車場へ入庫または出庫しようとする先頭車両の進行を制限およびその制限解除をするゲート手段と、
前記のゲート手段の作動に対する指示を出力する駐車指示装置と、
前記の先頭車両の運転者に対する出力表示をする電子看板と、
前記の電子看板に出力させる出力データを送信する出力データ送信手段と、
を備えた駐車管理装置に対して、前記の出力データを作成するコンピュータプログラムであって、
前記のゲート手段が前記の先頭車両の
確認作業又は精算作業のために入庫または出庫の制限を解除するまでの処理時間を推定する処理時間推定手順と、
その処理時間推定手順が推定した処理時間を前記の出力データに含める出力データ作成手順と、
を前記の駐車管理装置に実行させることとしたコンピュータプログラム。
【請求項11】
駐車場へ入庫または出庫しようとする先頭車両の進行を制限およびその制限解除をするゲート手段と、
前記のゲート手段の作動に対する指示を出力する駐車指示装置と、
前記の先頭車両の運転者に対する出力表示をする電子看板と、
前記の電子看板に出力させる出力データを送信する出力データ送信手段と、
を備えた駐車管理装置に対して、前記の出力データを作成するコンピュータプログラムであって、
前記のゲート手段が前記の先頭車両の
確認作業又は精算作業のために入庫または出庫の制限を解除するまでの複数の段階のうち、どの段階が現状であるかを推定する処理段階推定手順と、
その処理段階推定手順が推定した段階を前記の出力データに含める出力データ作成手順と、
を前記の駐車管理装置に実行させることとしたコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場の入庫または出庫の際に、手続中の車両やその後続車両へ、手続の進行具合を知らせる情報通信技術に関する。
【背景技術】
【0002】
時間貸しの駐車場は、最も典型的なものとして、駐車場の入口で駐車券を受け取り、その駐車券を出庫の際に提示し、入庫した時刻と出庫の時刻との差分を駐車時間として駐車料金を精算する、というものである(図示を省略)。無人化を図るため、精算機と阻止手段(例えば、ロック板や遮断機)を備え、駐車場の車室へ車両が入庫すると阻止手段が働き、精算機にて精算を済ませると阻止手段が解除されて出庫可能となる。
【0003】
近年の画像処理技術の進歩、および通信インフラなどの充実や低コスト化に伴い、駐車場の入口などに設置したカメラにてナンバープレートを撮影し、その撮影映像と撮影時刻を用いて、駐車料金の算出や精算手続きの管理などを実行する駐車場も運用されるようになってきた。
【0004】
たとえば、特許文献1では、ロック板を備えずに、駐車車室の入出庫の管理が可能な技術が開示されている。このような駐車場においては、駐車券を廃止できるので、発券機が不要となり、発券機に用いる紙の補充などのメンテナンスが不要となるというメリットもある。
【0005】
図1を用いて、より具体的に説明する。まず、駐車場ユーザ(車両の運転者)は、駐車場の利用前に、通信端末を用いて、会員登録を済ませる。会員登録のためのデータとしては、氏名等の属性データおよび車両ナンバーである。「通信端末」とは、駐車場のユーザに係る。いわゆるスマートフォンやパーソナルコンピュータ、タブレット型端末などである。
【0006】
続いて、会員登録をしていれば利用可能な駐車場へ向かう。入庫前のゲートにおいて、駐車場の入口や車室の前後付近に設置された専用カメラが、車両番号を撮影する。その撮影画像は、OCR処理手段にて電子化するとともに、データセンターの会員データベースから車両ナンバーのデータを照合する。認証手段によって会員登録された車両ナンバーであると判断できれば、ゲート制御手段に対して、ゲートを開放するように信号を発信する。
なお、「車両ナンバー」とは、ナンバープレートにおける4桁の数字である。運輸支局名、車種分類番号、「あ~わ」の用途記号までを含めても良い。
【0007】
照合ができないなどの場合には、駐車券の発券機に対して駐車券を発行させるための信号(駐車券の発券命令)を出す。そして、発券機から駐車場ユーザが駐車券を引き抜いたらゲートが開放される。
なお、前記の認証手段による照合をデータセンターにて実行し、照合結果をゲート制御手段へ返信する、といった構成を採用する場合もある(図示を省略)。
【0008】
また、特許文献2では、会員登録をした駐車場ユーザに対して発行されたサービス用カードを駐車料金の精算に用いる場合、精算のための操作を簡略化した料金精算機に関する技術が開示されている。会員登録をした駐車場ユーザが駐車場を利用する場合に、円滑な出庫に寄与する技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2018-163536号公報
【文献】特開2012-8981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
駐車場の入口などに設置したカメラにてナンバープレートを撮影し、その撮影映像と撮影時刻を用いて駐車料金の算出や精算手続きの管理などを実行する駐車場の場合、
図2に示すような問題があった。
すなわち、駐車場ユーザに係る車両の車両ナンバーを撮影しようというカメラによる撮影の失敗、OCR処理手段によるテキストデータへの変換の失敗、頻度は低いがデータセンターとの通信障害、といった原因に基づき、ゲートが開けるまでの手順に時間が掛かる事態が発生することがある。
【0011】
上記のような事態においては、ゲートの直前で待たされている車両(先頭車両)に乗車している駐車場ユーザは、なぜ待たされているのかが分からず、自分に何らかの落ち度があるのか、などと思いを巡らせ、不安に駆られたり、苛立ったりすることとなる。
【0012】
また、ゲートの直前ではなく、順番待ちをしている車両(後続車両)に乗車している駐車場ユーザにとっても、ゲート直前の車両がなぜ待たされているのか分からず、苛立つこととなる。
【0013】
前述した問題点については、ナンバープレートを撮影することで駐車券の発行を省略する駐車場に限られずに発生する問題でもある。すなわち、入庫時における登録車両であるか否かの確認作業や、出庫の際の精算手続きなどにおいても、当の駐車場ユーザおよび後続車両の駐車場ユーザにおいても心穏やかではなくなるという事態は発生している。
【0014】
本発明が解決しようとする課題は、駐車場への入出庫の際に、駐車場ユーザが不穏になるという感情を抑制することに貢献する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前述した課題を解決するため、駐車場に設置される駐車管理装置に係る第一の発明、第一の発明に係る駐車管理装置を制御するコンピュータプログラムに係る第二の発明、および駐車場管理システムに係る第三の発明を提供する。
【0016】
(第一の発明)
第一の発明は、駐車場の入口または出口に設置される駐車管理装置であって、
入庫または出庫しようとする先頭車両の進行を制限およびその制限解除をするゲート手段と、
前記のゲート手段の作動に対する指示を出力する駐車指示装置(たとえば、ゲート制御装置)と、
前記の先頭車両の運転者に対する出力表示をする電子看板と、
前記の電子看板に出力させる出力データを送信する出力データ送信手段と、
前記の出力データを作成する出力データ作成手段と、
を備える。
前記の出力データ作成手段は、前記のゲート手段が前記の先頭車両の入庫または出庫の制限を解除するまでの処理時間を推定する処理時間推定手段によって推定された処理時間データを用いる(
図3参照)。
【0017】
(用語説明)
「ゲート手段」とは、物理的(構造的)に車両の進行を制限するゲートの他、車両の電子制御系へ機能するなどの手法で車両の進行を制限する電子ゲート手段なども含む。
「電子看板」とは、液晶、CRT、有機ELなどによって文字や画像動画などを出力できるディスプレイである。音声を出力できるスピーカが備えられていると、より好ましい。
「処理時間データ」は、刻々と変化するので、電子看板において、いわゆるカウントダウン表示をするようにするか、定期的に表示を変更する。
【0018】
(作用)
先頭車両は、ゲート手段によって入庫または出庫しようとしても、その進行を制限される。
先頭車両の入庫または出庫の制限を解除するまでの処理時間を処理時間推定手段が推定する。推定された処理時間データを用いて、出力データ作成手段が出力データを作成する。作成された出力データは、出力データ送信手段にて電子看板へ送信され、電子看板にて表示される。
先頭車両の運転者は、電子看板を見て処理時間データを見ることができるので、待たされている間隔が軽減される。
【0019】
(第二の発明)
第二の発明もまた、駐車場の入口または出口に設置される駐車管理装置に係る。
入庫または出庫しようとする先頭車両の進行を制限およびその制限解除をするゲート手段と、
前記のゲート手段の作動に対する指示を出力する駐車指示装置と、
前記の先頭車両の運転者に対する出力表示をする電子看板と、
前記の電子看板に出力させる出力データを送信する出力データ送信手段と、
前記の出力データを作成する出力データ作成手段と、
を備える点は、第一の発明と同じである。
第二の発明は、出力データ作成手段の機能が第一の発明と異なる。
すなわち、出力データ作成手段は、前記のゲート手段が前記の先頭車両の入庫または出庫の制限を解除するまでの複数の段階のうち、どの段階が現状であるかを推定する処理段階推定手段によって推定された処理段階データを用いることとしている(
図7、
図8参照)。
【0020】
先頭車両は、ゲート手段によって入庫または出庫しようとしても、その進行を制限される。
前記のゲートが前記の先頭車両の入庫または出庫の制限を解除するまでの複数の段階のうち、どの段階が現状であるかを処理段階推定手段が推定する。推定された処理段階データを用いて、出力データ作成手段が出力データを作成する。作成された出力データは、出力データ送信手段にて電子看板へ送信され、電子看板にて表示される。
先頭車両の運転者は、電子看板を見て処理段階データを見ることができるので、待たされている感覚が軽減される。
【0021】
(第一の発明および第二の発明のバリエーション1)
第一の発明および第二の発明においては、前記の先頭車両の後続車両の運転者に対する出力表示をする第二看板を備えることとすると、より好ましい(
図3、
図7、
図8参照)。
前記の出力データ作成手段は、前記の第二看板に出力させる出力データをも作成することとし、前記の出力データ送信手段は、第二看板に出力させる出力データをも送信することとなる。
【0022】
(作用)
第二看板は、先頭車両の後続車両の運転者に対する出力表示を実行する。そのため、後続車両の運転者も待たされている感覚が軽減される。
【0023】
(第一の発明のバリエーション)
第一の発明は、以下のように形成してもよい。
すなわち、 入庫または出庫しようとする先頭車両の車両ナンバーを撮影するナンバー用カメラと、
そのナンバー用カメラが撮影したナンバー画像をデジタル化してナンバーデータとするOCR処理手段と、
そのOCR処理手段によってデジタル化されたナンバーデータが予め登録された車両ナンバーと一致するか否かを認証する認証手段と、
を備える。
そして、前記の処理時間推定手段においては、前記のナンバー用カメラにおける撮影時、前記のOCR処理手段によるデジタル化の処理時、前記の認証手段による認証時を把握するとともに、平均の撮影時間、平均のデジタル化の処理時間、平均の認証時間を用いることで、処理段階を推定することとするのである。
【0024】
(第二の発明のバリエーション)
第二の発明は、以下のように形成してもよい。
すなわち、入庫または出庫しようとする先頭車両の車両ナンバーを撮影するナンバー用カメラと、
そのナンバー用カメラが撮影したナンバー画像をデジタル化してナンバーデータとするOCR処理手段と、
そのナンバーデータが予め登録された車両ナンバーと一致するか否かを認証する認証手段と、
を備える。
そして、前記の処理段階推定手段においては、前記のナンバー用カメラにおける撮影時、前記のOCR処理手段によるデジタル化の処理時、前記の認証手段による認証時を把握することで、処理段階を推定することとするのである。
【0025】
(用語説明)
「撮影時」、「処理時」、「認証時」は、その一瞬という意味ではなく、所定の時間の中という意味である。たとえば、OCR処理の開始から終了までの時間を「処理時」とする。
なお、「撮影時」、「処理時」、「認証時」について、それぞれどのくらいの時間が掛かったかを、データベースに蓄積しておき、平均の時間を把握しておいて、その平均の時間を処理段階推定手段が用いることは有効である(処理時間推定手段においても有効である)。
【0026】
(第一および第二の発明のバリエーション2)
第一の発明および第二の発明においては、以下のように形成することも可能である。
すなわち、前記の駐車場における複数の車室に関する満空データを蓄積している駐車場管理データベースと、
入庫しようとする車両の車種を推定するための画像データを取得する車種用カメラと、
前記の車種用カメラが取得した画像データに基づいて車種を推定する車種推定手段と、
その車種推定手段が推定した車種および前記の駐車場管理データベースにおける満空データに基づいて入庫しようとしている先頭車両がいずれの車室へ駐車すべきかの入庫案内データを作成する入庫案内作成手段と、を備え、
前記の出力データ作成手段は、前記の入庫案内データをも用いて出力データを作成する(
図5、
図6参照)。
【0027】
(用語説明)
「車種」とは、駐車用の車室の大きさに対応した車種である。
【0028】
(作用)
入庫しようとする車両の車種を推定するための画像データを車種用カメラが取得する。車種用カメラが取得した画像データに基づいて車種を車種推定手段が推定する。その車種推定手段が推定した車種および前記の駐車場管理データベースにおける満空データに基づいて、入庫しようとしている先頭車両がいずれの車室へ駐車すべきかの入庫案内データを入庫案内作成手段が作成する。出力データ作成手段は、入庫案内データをも用いて出力データを作成する。
【0029】
電子看板には、入庫案内も出力されるので、駐車場へ入庫しようとする運転者の迷いを軽減でき、円滑な移動を補助することに寄与する。
駐車場の管理体制としては、小型の車両が数の少ない車室へ駐車をしてしまう、といった事態を未然に防ぐことに寄与するので、全体として合理的な管理に寄与する。
【0030】
(第一および第二の発明のバリエーション2)
第一の発明および第二の発明においては、以下のように形成することも可能である。
すなわち、前記の出力データ作成手段は、前記の駐車場から徒歩圏の商業施設から受信する販売促進用データをも用いて出力データを作成することとするのである(
図7参照)。
【0031】
(用語説明)
「販売促進用データ」は、商業施設から本願に係る駐車管理装置が直接受信する場合、データセンターに店舗管理データベースを備えておいて、そのデータセンターから駐車管理装置が受信する場合(
図7参照)、前記の店舗管理データベースを本願に係る駐車管理装置に備えておく場合、などがあり得る。
【0032】
(作用)
駐車場から徒歩圏の商業施設から販売促進用データを受信し、それを用いて出力データ作成手段が出力データを作成する。したがって、電子看板または第二看板には販売促進用データが反映されるので、商業施設の売上増大に寄与する可能性を高められる。
【0033】
(第三の発明)
第三の発明は、 駐車場へ入庫または出庫しようとする先頭車両の進行を制限およびその制限解除をするゲート手段と、
前記のゲート手段の作動に対する指示を出力する駐車指示装置と、
前記の先頭車両の運転者に対する出力表示をする電子看板と、
前記の電子看板に出力させる出力データを送信する出力データ送信手段と、
を備えた駐車管理装置に対して、前記の出力データを作成するコンピュータプログラムに係る。
そのコンピュータプログラムは、
前記のゲート手段が前記の先頭車両の入庫または出庫の制限を解除するまでの処理時間を推定する処理時間推定手順と、
その処理時間推定手順が推定した処理時間を前記の出力データに含める出力データ作成手順と、
を前記の駐車管理装置に実行させることとする。
【0034】
(第四の発明)
第四の発明は、 駐車場へ入庫または出庫しようとする先頭車両の進行を制限およびその制限解除をするゲート手段と、
前記のゲート手段の作動に対する指示を出力する駐車指示装置と、
前記の先頭車両の運転者に対する出力表示をする電子看板と、
前記の電子看板に出力させる出力データを送信する出力データ送信手段と、
を備えた駐車管理装置に対して、前記の出力データを作成するコンピュータプログラムに係る。
そのコンピュータプログラムは、
前記のゲートが前記の先頭車両の入庫または出庫の制限を解除するまでの複数の段階のうち、どの段階が現状であるかを推定する処理段階推定手順と、
その処理段階推定手順が推定した段階を前記の出力データに含める出力データ作成手順と、
を前記の駐車管理装置に実行させることとする。
【0035】
(第三の発明または第四の発明のバリエーション1)
第三の発明または第四の発明における駐車場管理装置には、先頭車両の後続車両の運転者に対する出力表示をする第二看板を備えると、より好ましい。
その場合、前記の出力データ作成手順にて作成した出力データは、第二看板へも出力させることとなる。
【0036】
(第三の発明または第四の発明のバリエーション2)
第三の発明または第四の発明における駐車場管理装置には、 前記の駐車場における複数の車室に関する満空データを蓄積している駐車場管理データベースと、
入庫しようとする車両の車種を推定するための画像データを取得する車種用カメラと、
前記の車種用カメラが取得した画像データに基づいて車種を推定する車種推定手段と、
を備えることとしてもよい。
その場合、前記の車種推定手段が推定した車種および前記の駐車場管理データベースにおける満空データに基づいて入庫しようとしている先頭車両がいずれの車室へ駐車すべきかの入庫案内データを作成する入庫案内作成手順を含み、
前記の前記の出力データ作成手順においては、前記の入庫案内データを含ませることとなる。
【0037】
(第三の発明または第四の発明のバリエーション3)
前記の出力データ作成手順においては、前記の駐車場から徒歩圏の商業施設から受信する販売促進用データをも用いて出力データを作成することとしてもよい。
【0038】
第三または第四の発明に係るコンピュータプログラムを格納したコンピュータから、通信回線を通じて他の端末手段へ伝送することも可能である。
また、第三または第四の発明に係るコンピュータプログラムを記録媒体へ記憶させて提供することもできる。 ここで、「記録媒体」とは、それ自身では空間を占有し得ないプログラムを担持することができる媒体である。例えば、ハードディスク、CD-R、DVD-R、フラッシュメモリなどである。
【発明の効果】
【0039】
第一の発明および第二の発明によれば、駐車場への入出庫の際に、駐車場ユーザが不穏になるという感情を抑制することに貢献する駐車管理装置を提供することができた。
第三の発明および第四の発明によれば、駐車場への入出庫の際に、駐車場ユーザが不穏になるという感情を抑制することに貢献する駐車管理装置の制御用コンピュータプログラムを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】駐車券を発行しない駐車場への入庫手順を示す概念図である。
【
図3】本発明に係る第一の実施形態を示すブロック図である。
【
図4】第一の実施形態を示すフローチャートである。
【
図5】本発明に係る第二の実施形態を示すブロック図である。
【
図6】第二の実施形態に用いる満空データの概念図である。
【
図9】第四の実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明を図面および実施形態に基づいて、説明する。ここで使用する図面は、
図3から
図9である
【0042】
(
図3)
駐車場を利用するユーザのうち、入出庫を円滑にしたり、駐車場を予約したりする特典を得られる会員登録を実施した登録者を、駐車場ユーザとして説明する。
会員登録は、会員になりたいという個人が、自らの情報端末を用いて、氏名、住所、サービス料金の生産手段(例えば、銀行引き落としにおける口座番号)などの属性情報のほか、駐車に係る車両の車両ナンバーを登録することで完了する。登録後のデータは、会員データとして会員データベース(データベースは、図中では「DB」と略記)へ蓄積される。
【0043】
会員となった駐車場ユーザが、会員が便利に利用できる駐車場へ車両を運転していき、駐車場へ入ることとなる。すると、駐車場の入口における先頭車両になった場合、駐車場設備としてのカメラが車両ナンバーを撮影する。そして、撮影した車両ナンバーの画像データは、OCR処理手段にてデジタル化され、認証手段へ送られる。
【0044】
認証手段においては、データセンターにある会員データベースにアクセスし、該当する車両ナンバーが存在するか否かを認証する(データセンターとの送受信が実行されるので、図中では二点破線の両矢印で示している)。そして、登録された会員に係る車両ナンバーが先頭車両である場合には、ゲート制御手段に対してゲートを開放するように信号(ゲート開放命令)を発信する。
【0045】
OCR手段にてデジタル化された車両ナンバーが会員登録データベースに存在しない、と認証手段が判断した場合には、発券機に対して駐車券の発券信号(駐車券の発券命令)が出力される。先頭車両に係る運転者が発券機の駐車券を引き抜くと、ゲート制御手段がゲートを開放するように信号を発信し、ゲートが開く。
【0046】
認証手段は、ゲート制御手段へのゲート開放命令または駐車券の発券命令を発信できるまでの処理時間を推定する処理時間推定手段と、その処理時間推定手段が推定した処理時間を先頭車両の運転者に表示するための電子看板へ送信する出力データ送信手段と、を備える。
【0047】
前記の処理時間推定手段は、カメラによる撮影段階なのか、OCR処理手段の処理段階なのか、データセンターからのデータ受信を待っている照合段階なのか、というその時点での段階把握に加えて、経験データを加味して推定を実行する。
「経験データを加味」するとは、たとえば以下のような手段による。すなわち、段階把握のみで推定した時間と、出力データ送信手段を介して推定結果としての時間を出力した瞬間からトリガーとしてゲートが開放される瞬間までの時間との差分を経験値とし、その経験値に基づいた補整をすることである。
【0048】
図示例では、電子看板には、「現在処理中です。24秒後に終了予定です。」という趣旨の文字表示を実行している旨を示している。なお、「24秒」という数字は、カウントダウン表示になっており、0秒となったらゲートが開放される、というのが理想的な処理である。
【0049】
処理時間推定手段は、最初に処理時間の推定結果を出した後、再び推定演算を実行することが望ましい。再び推定時間を演算したら、その推定時間を電子看板へ出力させる。そのため、カウントダウンの表示が不連続になることもある。たとえば、15から14へ推移するのが1秒以上掛かったり、15から14へ推移せずに12となったりすることがある。
【0050】
前述した電子看板とハードウェアとしては同じであるが、機能が異なる第二看板も、この駐車場設備には用意されている。第二看板とは、先頭車両ではなく、先頭車両以降に並ぶ後続車両(この実施形態では、先頭車両の直後の車両)の運転者から見える位置に取り付けられている。
【0051】
第二看板へ出力される表示も、処理時間をカウントダウン表示することには変わりないが、「前のお客様の処理中です」という図示をしているように、先頭車両の運転者に向けたメッセージとは異ならせ、後続車両の運転者に対するメッセージとなるように整えられている。
【0052】
前述した第二看板は、先頭車両から数えて三台目以降に並んだ車両の運転者に対するメッセージとしてもよい。すなわち、「前のお客様」とせず、「先頭のお客様」とするなどである。
【0053】
(
図4)
図4は、入庫時に駐車場設備が実行する手順を示すフローチャートである。
このフローチャートは、ゲート前に車両が到着して入庫の手順が始まり、ゲートが開放され、その車両がゲートを通過するまでの手順を示す。
【0054】
ゲート前に先頭車両が到着すると、その車両の車両ナンバーをカメラが撮影する(S1)。カメラが撮影した撮影データは、OCR手段によって、移っている画像の中の文字をテキストデータに変換する(S2)。ナンバープレートにおける4桁の数字のほか、運輸支局名、車種分類番号、「あ~わ」の用途記号までを含めて変換する。
【0055】
テキスト変換された車両ナンバーが、予め登録された会員データに一致するものがあるかどうか、データセンターへ変換データを送信し、データセンターにて照合した結果データを受信する(S3)。受信した結果データとして、OCR処理された車両ナンバーが登録されたデータに存在するか否かで次のステップが異なる(S4).
【0056】
OCR処理された車両ナンバーがデータセンターに登録されたデータに存在しない場合、発券機へに対して発券命令が出力される(S5)。その発券命令を受信した発券機が駐車券を発券し、発券された駐車券を先頭車両の運転者が引き抜く(S6)。
【0057】
発券機は、駐車券が引き抜かれたことを検知すると、ゲートに対して開放命令を出力する。その開放命令を受信したゲートは開放され、先頭車両がゲート付近を通過したことを確認したら、ゲートを閉じる(S7)。そして、次の車両がゲート前に移動し、前述した動作の繰り返しとなる。
(
図5)
図5では、
図3で示した処理時刻の推定をカウントダウンで表示するのみならず、入庫の際に、駐車すべき車室を案内するシステムとしている。
ナンバープレートを読み取るためのカメラとは別に、大凡の車種を特定するための車種用カメラを備えている。そして、その車種用カメラで撮影した画像データを用いて、大型車なのか、普通車なのか、軽自動車なのか、など、この駐車場の車室の大きさに応じた車種を推定するのが車種推定手段である。
【0058】
車種推定手段が推定した車種と、駐車場管理データベースにおいて蓄積および随時更新している駐車場内の車室の満空データとを用いて、入庫した車両がどの車室へ向かえばよいかという入庫案内データを作成するのが、入庫案内作成手段である。前記の「車室の満空データ」については、
図6を用いて説明する。
【0059】
入庫案内作成手段が作成した入庫案内データは、
図3でも説明した出力データ作成手段へ送信され、電子看板や第二看板へ出力表示される内容として加工される。たとえば、先頭車両は、車種用カメラで撮影された画像データに基づいて「小型車または軽自動車」と推定されたとする。その場合、小型車または軽自動車を駐車するための車室として用意されている「A区画」において空室となっている「A-3」という車室へと案内するような表示が、電子看板へ出力される。
【0060】
図示は省略しているが、電子看板のある現在位置からどのように移動すれば「A-3」という車室へ辿り着けるか、という地図を表示することとしている。
【0061】
一方、二番目の車両は、車種用カメラで撮影された画像データに基づいて「普通車」と推定されたとする。その場合、普通車を駐車するための車室として用意されている「A区画」において空室となっている「B-4」という車室へと案内するような表示が、第二看板へ出力される。
【0062】
第二看板においても、その第二看板のある現在位置からどのように移動すれば「B-4」という車室へ辿り着けるか、という地図を表示することとしている。そして、二番目の車両が先頭車両となった場合には、電子看板において、電子看板のある現在位置からどのように移動すれば「B-4」という車室へ辿り着けるか、という地図を表示する。
運転者に対して、駐車場所が二度表示されることとなるので、車室への移動が円滑に行える可能性が高まる。
【0063】
なお、車種推定手段に対しては、ナンバー用カメラにて撮影して、OCR処理手段にてテキストデータへ変換されたことによって取得した車種分類番号を用いることが、タイミング的に間に合う場合には、用いてもよい(その旨を示すため、OCR処理手段から車種推定手段への矢印は破線としている)。
【0064】
たとえば、先頭車両の次の車両に対して、車種推定手段では「5」ナンバーの車種であると推定していたとする。そのため、「普通車」を駐車するための車室として用意されている「A区画」への案内表示を第二看板にてしていたところ、車種分類番号で「3」ナンバーの大型車両であると特定された。そこで、第二看板で案内していた入庫案内を、先頭車両用の電子看板では変更する、といった処理を実行することも可能である。
【0065】
(
図6)
図6では、
図5で示した駐車場管理データベースに格納され、随時更新されている車両の満空データを概念的に示している。
A区画は、小型車/軽自動車用の区画となっており、図中では、A3,A4,A6が空室となっており、他の車室は駐車中である。
B区画は、普通自動車用の区画となっており、図中では、B2,B3,B4,B6が空室となっており、他の車室は駐車中である。
C区画は大型車用、D区画は障がい者用の区画となっており、図中では、C2,D2が空室となっており、他の車室は駐車中である。
【0066】
図5を用いて説明したような出力表示が電子看板や第二看板になされることで、たとえば障がい者用の区画へ健常者が駐車するなどの事態を未然に防止することに寄与する。
【0067】
(
図7)
図7に示す実施形態は、以下のような点が異なる。すなわち、処理時間推定手段に加え、処理段階推定手段を含むこととした点、および駐車場に隣接するショッピングセンターから提供される販売促進用データ(図中では「販促用データ」と略記)などを電子看板や第二看板へ出力できるようにした点、が前述してきた実施形態との相違点である。
【0068】
処理段階推定手段とは、ナンバー用カメラの作動、OCR処理手段の作動、データセンターとの通信状況などをタイムリーに把握し、現在の処理段階がどの段階にあるのかを推定し、推定結果を出力するものである。
図では、「1.ナンバーの撮影」、「2.ナンバーの照合中」、「3.照合の終了」、「4.ゲートオープン」の四段階のいずれにあるか、を推定することとした。出力データ作成手段においては、該当する段階を強調表示することとした(図中では、該当段階に、「○」を表示する例を示した)。
【0069】
なお、この実施形態においては、処理段階推定手段とは別に処理時間推定手段も併用している。先頭車両の運転者が見る電子看板には、処理断崖推定手段が出力した推定結果を出力させている。しかし、第二看板には、処理時間推定手段が推定した終了までの時間をカウントダウン表示させている。
【0070】
データセンターにおいて、駐車場に隣接するショッピングセンターから、販売促進用データを随時受信し、店舗管理用データベースへ蓄積している。その店舗管理用データベースから販売促進用データを出力データ作成手段が受信し、電子看板および第二看板のいずれへも出力できるように加工する。
【0071】
たとえば、「13:10より、ショッピングセンターの5階で、30分間のタイムセールを実施します」といった表示である。こうした情報表示があることで、ゲートが開くのを待っている駐車場ユーザの「待たされ感」を緩和する効果が期待できる。
ショッピングセンターとしては、集客する媒体として活用できる。
【0072】
(
図8)
図8に示す実施形態では、出庫時にも電子看板、第二看板への出力表示を実行する旨を示している。
この実施形態においては、電子看板および第二看板において、いずれも処理段階推定手段が推定した処理段階を表示することとしている。
【0073】
ナンバー用カメラにて車両ナンバーの画像データを取得し、OCR処理手段にて車両ナンバーをテキストデータへ変換する、変換結果をデータセンターで照合する、といった手続きは同じである。そして、その照合結果にて、精算機による精算が必要か否かを判断し、必要であれば、精算機での精算を駐車場ユーザに促す。
【0074】
認証の結果、会員データベースに登録済みの車両ナンバーが存在する登録済み駐車場ユーザであれば、精算機での駐車料金精算を、登録済みデータに基づいて省略できる場合がある。この場合、精算機での精算を省略し、ゲート制御手段へゲートの開放を命ずる信号を出力すればよい。登録済みの会員であっても、駐車場の利用ごとの精算を希望する会員であれば、精算機による精算となる。
【0075】
処理段階推定手段は、ナンバー用カメラの作動、OCR処理手段の作動、データセンターとの通信状況、精算機の作動状況などをタイムリーに把握し、現在の処理段階がどの段階にあるのかを推定し、推定結果を出力する。
この図示例では、「1.照合中」、「2.精算中」、「3.ゲートオープン」の三段階とした。
【0076】
図7までに説明してきた実施形態において採用していた「処理時間推定手段」は、この実施形態においては必須構成としていない。その旨を図中で表すため、「処理時間推定手段」および処理段階推定手段への矢印は破線で示している。
【0077】
(
図9)
図9では、出庫時に駐車場設備が実行する手順を示すフローチャートである。
このフローチャートは、ゲート前に車両が到着して入庫の手順が始まり、ゲートが開放され、その車両がゲートを通過するまでの手順を示す。
【0078】
図4に示した入庫時と異なるのは、精算機への出力命令(S15)、精算機による生産終了(S16)のみであり、S11~14およびS17は同じである。ただし、前述のS15,S16へ向かうのは、S14で示した「OCR処理された車両ナンバーが登録されたデータに存在するか?」の判断に加え、「登録データに基づくキャッシュレス精算」をその会員が選択しているか、の判断が、実際には加わっている。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、駐車場の運営業、駐車場の運営に必要な機器の製造業やメンテナンス業、駐車場に関わるデータを扱うデータサービス業、などにおいて、利用可能性を有する。