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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-17
(45)【発行日】2023-10-25
(54)【発明の名称】天板付什器
(51)【国際特許分類】
   A47B 13/00 20060101AFI20231018BHJP
   A47B 13/08 20060101ALI20231018BHJP
【FI】
A47B13/00 B
A47B13/00 Z
A47B13/08 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019128704
(22)【出願日】2019-07-10
(65)【公開番号】P2021013476
(43)【公開日】2021-02-12
【審査請求日】2022-06-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】ハーフォード アレキザンダー
(72)【発明者】
【氏名】関川 秀峰
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-075111(JP,A)
【文献】特開2004-057436(JP,A)
【文献】特開2002-253351(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 13/00
A47B 13/08
A47B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に作業面を有し、少なくとも上方に向かって開口する開口部を有した天板と、
前記開口部を開閉可能とする開閉蓋と、を備え、
前記開閉蓋は、
前記開口部を閉塞可能で、少なくとも、前記開口部を閉塞した状態で上方を向く第一面が、前記天板と材料、色及び質感の少なくとも一つが同じである板状のカバー部材と、
前記カバー部材の裏面において、前記作業面に沿った方向で互いに間隔をあけて配置されるとともに、前記カバー部材を前記天板に開閉可能に接続する一対の接続部材と、
前記カバー部材の前記裏面に設けられ、一対の前記接続部材同士を連結する連結部材と、
を備え、
前記開口部は、
上方に向かって開口する上方開口部と、
前記天板の外周縁から側方に向かって開口する側方開口部と、有し、
前記カバー部材は、
前記上方開口部を閉塞する上方閉塞部と、
前記上方閉塞部の一端から下方に向かって延び、前記側方開口部を閉塞する側方閉塞部と、を有し、
前記開閉は、一対の前記接続部材及び前記連結部材を介して前記天板に支持されている天板付什器。
【請求項2】
前記接続部材、及び前記連結部材の少なくとも一方と、前記カバー部材とが、接着により接合されている
請求項1に記載の天板付什器。
【請求項3】
一対の前記接続部材は、前記開口部の周縁部のうち一対の前記接続部材に対向する部分に設けられたカバー支持部に対し、回動可能に接続されている請求項1又は請求項2に記載の天板付什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板付什器に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスや公共施設等の執務空間では、執務者に作業面を提供するために天板付什器が配設されている。このような天板付什器においては、天板面(作業面)にて使用する電子機器に接続される配線を、天板下方に案内するために開口部が形成されている場合が多い。この場合、開口部は、配線カバーによって開閉可能に構成されることがある。
【0003】
下記の特許文献1,2には、左右方向を向く回転軸を中心として配線カバーを什器に回動可能に支持させることによって、配線挿通部を開閉可能に閉塞する構成について開示されている。このような配線カバーは、開口部を閉塞した状態で天板面の一部を形成するカバープレートと、カバープレートを什器側の受け部材に回転可能に連結する一対のブラケットと、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5997429号公報
【文献】特許第4639779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、カバープレートは、加工容易性、コスト等の観点から、金属や樹脂等の材料から形成され、天板面を形成する材料とは異なっている。このため、配線カバーが目立つ等して、外観を損なってしまう場合がある。
本発明は、良好な外観を呈するととともに、機能を損なうことなく、所要の強度を確保することができる開閉蓋を備えた天板付什器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る天板付什器は、上面に作業面を有し、少なくとも上方に向かって開口する開口部を有した天板と、前記開口部を開閉可能とする開閉蓋と、を備え、前記開閉蓋は、前記開口部を閉塞可能で、少なくとも、前記開口部を閉塞した状態で上方を向く第一面が、前記天板と材料、色及び質感の少なくとも一つが同じである板状のカバー部材と、前記カバー部材の裏面において、前記作業面に沿った方向で互いに間隔をあけて配置されるとともに、前記カバー部材を前記天板に開閉可能に接続する一対の接続部材と、前記カバー部材の前記裏面に設けられ、一対の前記接続部材同士を連結する連結部材と、を備え、前記開口部は、上方に向かって開口する上方開口部と、前記天板の外周縁から側方に向かって開口する側方開口部と、有し、前記カバー部材は、前記上方開口部を閉塞する上方閉塞部と、前記上方閉塞部の一端から下方に向かって延び、前記側方開口部を閉塞する側方閉塞部と、を有し、前記開閉は、一対の前記接続部材及び前記連結部材を介して前記天板に支持されている。
【0007】
このように、天板の開口部を閉塞可能な開閉蓋のカバー部材において、開口部を閉塞した状態で上方を向く第一面が、天板と材料、色、質感の少なくとも一つが同じであるので、天板の作業面とカバー部材とが、違和感なく一体感のある良好な外観を呈することができる。
また、カバー部材の裏面には、一対の接続部材と連結部材とが設けられているので、一対の接続部材と連結部材とをカバー部材の補強や開閉蓋の接続機構として利用できる。したがって、カバー部材を形成する素材の選択自由度を高め、天板付什器としての外観を向上させた上で、開閉蓋の強度及び操作性を確保できる。よって、良好な外観を呈するととともに、機能を損なうことなく、所要の強度を確保することができる天板付什器を提供できる。
【0008】
の構成によれば、開口部が天板の外周縁に設けられて上方だけでなく側方に開口している場合であっても、上方開口部と側方開口部とを開閉蓋のカバー部材によって閉塞することができる。これにより、天板の上面(作業面及び上方閉塞部の上面)並びに後端縁(外周縁及び側方閉塞部の側面)のそれぞれにおいて、違和感なく一体感のある良好な外観を呈することができる。
【0009】
本発明の一態様に係る天板付什器において、前記接続部材、及び前記連結部材の少なくとも一方と、前記カバー部材とが、接着により接合されているようにしてもよい。
この構成によれば、カバー部材を接続部材、及び連結部材の少なくとも一方と接着による接合することで、ボルト、ビス、釘等を用いる必要がない。これにより、カバー部材の素材や厚さ等の選択自由度を高めることが可能となる。また、カバー部材の板厚を薄くすることで、開閉蓋の軽量化を図ることもできる。
【0010】
本発明の一態様に係る天板付什器において、一対の前記接続部材は、前記開口部の周縁部のうち一対の前記接続部材に対向する部分に設けられたカバー支持部に対し、回動可能に接続されているようにしてもよい。
この構成によれば、開閉蓋を回動させることで、開口部を開閉することができる。これにより、開閉蓋の回動機構は、接続部材に形成すればよい。したがって、カバー部材には、開閉蓋を回動させるための複雑な加工を施す必要が無く、素材選択時の自由度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、機能を損なうことなく、所要の強度を確保することができる開閉蓋を備えた天板付什器を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係る天板付什器の全体構成を示す斜視図である。
図2】上記天板付什器に設けられた開閉蓋を斜め下方から見た斜視図である。
図3】上記開閉蓋を、天板付什器の幅方向から見た側断面図である。
図4】上記開閉蓋の一部を示す斜視図である。
図5】上記開閉蓋に設けられた接続部材の一部を示す側面図である。
図6】上記接続部材とカバー支持部とを示す斜視展開図である。
図7】上記カバー支持部を示す斜視図である。
図8】本発明の実施形態の変形例における天板付什器の全体構成を示す斜視図である。
図9】上記天板付什器に設けられた開閉蓋を斜め下方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明による天板付什器を実施するための形態を説明する。しかし、本発明は以下の実施形態のみに限定されるものではない。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る天板付什器1の全体構成を示す斜視図である。
図1に示すように、天板付什器1は、天板11と、一対の天板支持脚12,12と、開閉蓋10と、を備えている。
天板11は、その上面に、上方を向く作業面11aを有する。一対の天板支持脚12,12は、床面F上に互いに間隔をあけて配置され、天板11を下方から支持している。
【0015】
ここで、本実施の形態では、床面Fに対して直交する方向を上下方向Dvといい、床面Fに対して平行な一方向に配置される一対の天板支持脚12,12の離間方向を幅方向Dhといい、上方から見た平面視で幅方向Dhに直交する方向を前後方向Dfという。また、天板付什器1の前後方向Dfにおいて、椅子に座って天板付什器1に向かう側を前方や前側といい、その反対側を後方や後側という。
【0016】
天板支持脚12の下端部には、下部支持体13が設けられている。下部支持体13は、床面F上に配置されている。下部支持体13は、天板支持脚12の下端部から前方及び後方のそれぞれに延びている。下部支持体13の下面には、下部支持体13の高さ及びレベルの調整を行うアジャスター13aが設けられている。
【0017】
天板支持脚12の上端部には、天板11を下方から支持する上部支持体14が設けられている。上部支持体14は、前後方向Dfに延びている。天板11は、上部支持体14の下方からボルト等により固定されている。
【0018】
天板11には、開口部15が形成されている。本実施形態において、開口部15は、天板11における幅方向Dhの中央部の後端に形成されている。開口部15は、上方に向かって開口する上方開口部15aと、天板11の後端の外周縁11eから側方(後方)に向かって開口する側方開口部15bと、有している。
天板11の下面には、開口部15の下方に位置するトレー4が設けられている。天板11の下方において、トレー4上の空間は、配線等を収容する配線収容空間として用いられる。
【0019】
図2は、上記天板付什器1に設けられた開閉蓋10を斜め下方から見た斜視図である。図3は、上記開閉蓋10を、天板付什器1の幅方向Dhから見た側断面図である。図4は、上記開閉蓋10の一部を示す斜視図である。
図2図4に示すように、開閉蓋10は、開口部15を開閉可能に天板11に設けられている。開閉蓋10は、カバー部材20と、一対の接続部材50と、連結部材70と、を備えている。開閉蓋10は、開口部15の周縁部に設けられたカバー支持部3に、各接続部材50を介して幅方向Dhに沿う軸線O回りに回動可能に接続されている。
【0020】
カバー部材20は、開閉蓋10の外装材として機能する。カバー部材20は、上方閉塞部21と、側方閉塞部22と、を有している。上方閉塞部21は、平板状で、開閉蓋10で開口部15を閉塞した状態(閉状態)で、上方開口部15aを閉塞する。上方閉塞部21は、開閉蓋10の閉状態で、上方を向く第一面21a(上面)が、天板11の作業面11aと同一平面内に位置する。但し、第一面21aと作業面11aとは、上下方向Dvにずれていてもよい。
側方閉塞部22は、上方開口部15aの一端(後端)から下方に向かって、上方閉塞部21に直交して延びている。つまりカバー部材20は、上方閉塞部21と側方閉塞部22とにより、側断面視L字状をなしている。側方閉塞部22は、開閉蓋10の閉状態で、側方開口部15bを閉塞する。側方閉塞部22は、開閉蓋10の閉状態で、側方(後方)を向く第一面22aが、天板11の外周縁11e(後端縁)と同一平面内に位置する。但し、第一面22aと外周縁11eは、前後方向Dfにずれていてもよい。
【0021】
このようなカバー部材20は、天板11(作業面11a)と、少なくとも、材料、色及び質感の少なくとも一つが同じである素材により形成されている。材料が同じであるとは、例えば、天板11が木材やガラス等からなる場合、カバー部材20についても天板11と同じ木材やガラスで形成されていることである。この場合、カバー部材20は、例えば天板11の作業面11aと同色であっても異色であってもよく、質感が同じであっても異なっていてもよい。
また、質感とは、例えば光沢度や模様、手触り等、視覚的又は触覚的な感覚である。この場合、カバー部材20と天板11の作業面11aとの質感が同じであれば、異種材料や異色であってもよい。
【0022】
ここで、カバー部材20は、少なくとも上方閉塞部21の第一面21aと、側方閉塞部22の第一面22aとが、天板11(の作業面11a)と、少なくとも材料、色及び質感の少なくとも一つが同じであればよい。すなわち、カバー部材20全体を、天板11と同材料、同色、同質感とする必要は無く、例えば、第一面21a,22aに、天板11と同材料、同色、同質感の素材からなる薄い材料を貼り付ける等してもよい。
【0023】
一対の接続部材50は、カバー部材20と天板11との間を接続し、開閉蓋10の開閉機構として機能する。一対の接続部材50は、カバー部材20の上方閉塞部21の第二面(裏面)21bに設けられている。一対の接続部材50は、作業面11aに沿った幅方向Dhで間隔をあけて配置される。一対の接続部材50は、カバー部材20において、幅方向Dhの両端部に設けられている。各接続部材50は、例えば樹脂製や金属製等、カバー部材20に比べ加工性や剛性等に優れた材料により形成されている。各接続部材50は、カバー部材20の第二面21bに、例えば接着により接合されている。但し、各接続部材50は、締結等、種々の方法によってカバー部材20に接続されていてもよい。また、各接続部材50は、カバー部材20の第二面21bに中間部材を介して設けられていてもよい。
【0024】
連結部材70は、主に開閉蓋10の強度部材として機能する。連結部材70は、カバー部材20の上方閉塞部21の第二面21bに設けられている。連結部材70は、上方閉塞部21の第二面21b全体を下方から支持している。連結部材70は、一対の接続部材50の間に設けられている。連結部材70は、一対の接続部材50同士を結ぶ方向(幅方向Dh)に延びている。連結部材70は、幅方向Dhに連続し、かつ下方に突出するするリブ71を備えている。連結部材70は、強度及び剛性を確保するため、例えば金属製とするのが好ましい。連結部材70は、その両端部が、一対の接続部材50に、ビス等の連結部材(図示無し)によって連結されている。
これにより、連結部材70は、一対の接続部材50同士を連結する。カバー部材20の第二面21bには、一体化された一対の接続部材50と連結部材70とが、幅方向Dhに延びて設けられている。なお、連結部材70は、カバー部材20に連結されていてもよい。この場合、接続部材50及び連結部材70は、少なくとも一方がカバー部材20に接続されていればよい。また、連結部材70は、少なくとも一対の接続部材50同士の間を連結していれば、第二面21bにおける前後方向Dfの一部に配置する構成であってもよい。
【0025】
図5は、上記開閉蓋10に設けられた接続部材50の一部を示す側面図である。図6は、上記接続部材50と、カバー支持部3とを示す斜視展開図である。
図5図6に示すように、接続部材50は、開閉蓋10において幅方向Dh外側を向く側壁部53を有している。側壁部53には、幅方向Dhに沿う軸線Oを中心とした第一凹陥部55Aと、第一凹陥部55Aよりも小さい形状であり第一凹陥部55Aと連続して同軸で形成された第二凹陥部55Bと、が形成されている。
【0026】
第一凹陥部55A及び第二凹陥部55Bは、側壁部53の下方に向かう挿通開口部55Cに連通している。図5に示すように、第一凹陥部55Aは、円弧状に形成された第一曲面部551及び第二曲面部552と、第一曲面部551の両端部に形成され第一凹陥部55Aの内側に延びる係止壁部553,554と、第二曲面部552の第一曲面部551側の端部に形成され第一凹陥部55Aの内側に延びる係止壁部555と、を有している。
【0027】
第一凹陥部55Aの底部557には、幅方向Dhに凹む係合凹部558が、軸線O回りの周方向に沿って複数形成されている。
【0028】
第二凹陥部55Bは、軸線Oを中心とする円弧状に形成されるとともに、下部では挿通開口部55Cに連通している。第二凹陥部55Bの下部には、挿通開口部55Cの開口幅を狭めるように係合片561,561が設けられている。係合片561は、第二凹陥部55Bの底部と幅方向Dhに離間して配置されている。
【0029】
図6に示すように、幅方向Dhにおいて、第一凹陥部55Aの底部557と係合片561との間には、第二凹陥部55Bと連通し、第二凹陥部55Bに対して外側に窪む第三凹陥部55Dが設けられている。
【0030】
図7は、上記カバー支持部3を示す斜視図である。
図2に示すように、カバー支持部3は、開口部15の周縁部において、各接続部材50の側壁部53に幅方向Dhで対向する位置に設けられている。図2図4図7に示すように、カバー支持部3は、開口部15の周縁部に沿う側枠32と、側枠32の下端から天板11の下面11bに沿って延びる下枠31と、を一体に有している。下枠31は、ビス、ボルト等によって天板11の下面11bに固定されている。カバー支持部3は、例えば樹脂製である。
【0031】
図7に示すように、カバー支持部3の側枠32には、開閉蓋受け34と、支持軸35と、が形成されている。
開閉蓋受け34は、側枠32から幅方向Dhに沿って開口部15の内方に突出している。図2に示すように、開閉蓋受け34は、開閉蓋10が閉状態となったときに、接続部材50の先端部50sを下方から受ける。
【0032】
図6に示すように、支持軸35は、側枠32から幅方向Dhに沿って開口部15の内方に突出している。支持軸35は、接続部材50の第二凹陥部55Bの内周と略同一の大きさを有し、第二凹陥部55Bに回動可能に保持される。
【0033】
支持軸35における幅方向Dhの中央部には、上方に突出する突出片36が設けられている。突出片36は、接続部材50の第三凹陥部55D内に配置される。支持軸35の基端部には、下方に延びる抜け止め片37が設けられている。抜け止め片37の下端部37aは曲線状に形成されている。なお、抜け止め片37は、側枠32に連なっている。
【0034】
支持軸35の基端部には、支持軸35から上方に延びる係合片38が設けられている。係合片38は、側枠32と幅方向Dhに隙間を有して配置されている。係合片38の上端部38aは曲線状に形成されている。
【0035】
係合片38において、接続部材50と対向する面には、幅方向Dhに突出する係合凸部39が設けられている。係合片38の係合凸部39の下方には、幅方向Dhに貫通する貫通孔40が設けられている。係合凸部39は、接続部材50に設けられた係合凹部558と係合可能である。
抜け止め片37及び係合片38は、接続部材50の第一凹陥部55A内に配置される。
【0036】
カバー支持部3に開閉蓋10を装着するには、開閉蓋10を閉位置の方向(開口部15を閉塞する方向)に沿わせた状態で、カバー支持部3に対して、開閉蓋10を上方から下方に移動させる。接続部材50の挿通開口部55Cに、カバー支持部3の支持軸35を挿通させる。この際に、一対の係合片561は互いに離間する方向に弾性変形して、支持軸35が第二凹陥部55B内に配置されたら(挿通開口部55Cを通過したら)、係合片561は元の位置に戻る。
【0037】
閉位置で、カバー支持部3の抜け止め片37及び係合片38が、接続部材50の挿通開口部55Cに挿通される。この状態で、カバー支持部3の係合片38の上端部38aは、接続部材50の第一凹陥部55Aの係止壁部554に当接している。これにより、接続部材50が前端部を下方に向ける方向の回動が規制され、接続部材50が水平状態を保ちやすい。
【0038】
開閉蓋10は、支持軸35(軸線O)を中心に回動させることで、開閉蓋10を開位置にすることができる。開閉蓋10が回動するに伴い、カバー支持部3に設けられた係合凸部39が接続部材50に設けられた複数の係合凹部558に順次係合して、クリック感が得られる。
【0039】
さらに、支持軸35を中心に開閉蓋10をさらに回動させて、カバー部材20を最大開いた最大開位置に配置することができる。この位置では、カバー支持部3の抜け止め片37の下端部37aが接続部材50の第一凹陥部55Aの係止壁部555に当接するとともに、カバー支持部3の係合片38の上端部38aが接続部材50の第一凹陥部55Aの係止壁部553に当接する。
【0040】
このように、本実施形態では、天板付什器1の開閉蓋10は、少なくとも閉位置で上方を向く第一面21aが、天板11と材料、色及び質感の少なくとも一つが同じである板状のカバー部材20と、カバー部材20の第二面21bにおいて、幅方向Dhに間隔をあけて配置されるとともに、カバー部材20を天板11に開閉可能に接続する一対の接続部材50と、カバー部材20の第二面21b側に設けられ、一対の接続部材50同士を連結する連結部材70と、を備える。
【0041】
このように、天板11の開口部15を閉塞可能な開閉蓋10のカバー部材20において、少なくとも第一面21aが、天板11と材料、色、質感の少なくとも一つが同じであるので、天板11の作業面11aとカバー部材20とが、違和感なく一体感のある良好な外観を呈することができる。
また、カバー部材20の第二面21bには、一対の接続部材50と連結部材70とが設けられているので、一対の接続部材50と連結部材70とをカバー部材20の補強や開閉蓋10の開閉機構(接続機構)として利用できる。したがって、カバー部材20を形成する素材の選択自由度を高め、天板付什器1としての外観を向上させた上で、開閉蓋10の強度及び操作性を確保できる。よって、良好な外観を呈するととともに、機能を損なうことなく、所要の強度を確保することができる天板付什器1を提供できる。
【0042】
本実施形態では、接続部材50及び連結部材70の少なくとも一方と、カバー部材20とが、接着により接合されている構成とした。
このような構成によれば、カバー部材20を接続部材50、及び連結部材70の少なくとも一方と接着による接合することで、ボルト、ビス、釘等を用いる必要がない。これにより、カバー部材20の素材や厚さ等の選択自由度を高めることが可能となる。例えば、カバー部材20として、木材以外に、ガラス等を用いることも可能となる。また、カバー部材20の板厚を薄くすることで、開閉蓋10の軽量化を図ることもできる。
【0043】
本実施形態では、一対の接続部材50は、一対の接続部材50に対向する開口部15の周縁部に設けられたカバー支持部3に対し、回動可能に接続されている構成とした。
このような構成によれば、開閉蓋10を回動させることで、開口部15を開閉することができる。これにより、開閉蓋10の回動機構は、接続部材50に形成すればよい。したがって、カバー部材20には、開閉蓋10を回動させるための複雑な加工を施す必要が無く、素材選択時の自由度を向上させることができる。
【0044】
本実施形態では、開口部15は、上方に向かって開口する上方開口部15aと、天板11の外周縁11eから後方に向かって開口する側方開口部15bと、有し、カバー部材20は、上方開口部15aを閉塞する上方閉塞部21と、上方閉塞部21の後端から下方に向かって延び、側方開口部15bを閉塞する側方閉塞部22と、を有する構成とした。
このような構成によれば、開口部15が天板11の外周縁に設けられて側方に開口している場合であっても、上方開口部15aと側方開口部15bとを開閉蓋10のカバー部材20によって閉塞することができる。これにより、天板11の上面(作業面11a及び第一面21a)並びに後端縁(外周縁11e及び第一面22a)のそれぞれにおいて、違和感なく一体感のある良好な外観を呈することができる。
【0045】
(実施形態の変形例)
上述した実施形態では、開閉蓋10を、開口部15は、天板11の後端に形成するようにしたが、これに限らない。
図8は、実施形態の変形例における天板付什器1Bの全体構成を示す斜視図である。図9は、上記天板付什器1Bに設けられた開閉蓋10Bを斜め下方から見た斜視図である。
図8に示すように、天板付什器1Bは、天板11Bと、天板11Bを支持する複数の天板支持脚12Bと、開閉蓋10Bと、を備えている。
【0046】
ここで、天板付什器1Bは、水平面内の第一方向を長手方向Daとし、水平面内で第一方向に直交する第二方向を短手方向Dbとした、平面視長方形状である。天板付什器1Bにおいて、天板11Bは、短手方向Dbにおいて互いに向かい合うように二枚一対で設けられている。一方の天板11Bと、他方の天板11Bとは、短手方向Dbにおいて隙間Sをあけて互いに対向して設けられている。
【0047】
天板11B同士の間の隙間Sに臨む位置に、開口部15Bが形成されている。開口部15Bは、天板11Bの作業面11c上において上方に向かって開口している。また、開口部15Bは、短手方向Dbにおいて隙間をあけて対向する他の天板11Bに向かって短手方向Dbで開口している。
【0048】
開閉蓋10Bは、開口部15Bを開閉可能に各天板11Bに設けられている。図9に示すように、開閉蓋10Bは、カバー部材20Bと、一対の接続部材50と、連結部材70と、を備えている。
【0049】
カバー部材20Bは、平板状に形成されている。カバー部材20は、開閉蓋10Bの閉位置において、開口部15Bを閉塞する。つまり、変形例におけるカバー部材20Bは、上記実施形態で示したカバー部材20のような側方閉塞部22を有していない。
【0050】
このようなカバー部材20Bを備える天板付什器1Bにおいても、上記実施形態と同様、天板11の作業面11aとカバー部材20Bとが、違和感なく一体感のある良好な外観を呈することができる。
また、一対の接続部材50と連結部材70とをカバー部材20Bの補強や開閉蓋10Bの開閉機構として利用できる。したがって、カバー部材20Bを形成する素材の選択自由度を高め、天板付什器1Bとしての外観を向上させた上で、開閉蓋10Bの強度及び操作性を確保できる。
【0051】
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0052】
例えば、上述した実施形態および変形例では、開閉蓋10,10Bは、天板11,11Bに対し、片側の端部のみを起点にして回動可能(片開きタイプ)に接続されている構成としたが、これに限らない。例えば、開閉蓋10,10Bは、両側の端部がそれぞれ回動可能に天板11,11Bに支持され、使用者のアクセス方向に応じて選択した端部を起点に回動させる構成(両開きタイプ)構成であってもよい。また、開閉蓋10,10Bは、スライド移動や着脱等によって開口部15,15Bを開閉するようにしてもよい。
上述した実施形態では、第一面21aの裏面である第二面21bに接続部材50等を設けた場合について説明したが、この構成に限らず、第一面22aの裏面に接続部材50等を設けてもよい。すなわち、接続部材50等は、カバー部材20の裏面において、外部から視認できない位置に設けられていればよい。本明細書において、裏面とは、カバー部材20の外表面に対し、外表面の法線方向で反対側を向く面である。
【0053】
また、上述した実施形態および変形例では、天板付什器1,1Bの構成を示したが、天板付什器の構成、用途は、他のいかなるものであってもよい。また、天板付什器としては、机の他に棚等であってもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1,1B 天板付什器
3 カバー支持部
10,10B 開閉蓋
11,11B 天板
11a,11c 作業面
11e 外周縁
15、15B 開口部
15a 上方開口部
15b 側方開口部
20,20B カバー部材
21 上方閉塞部
21a,22a 第一面
21b 第二面(裏面)
22 側方閉塞部
50 接続部材
70 連結部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9