(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-17
(45)【発行日】2023-10-25
(54)【発明の名称】LEDモジュール及びLEDモジュールを含む表示装置
(51)【国際特許分類】
H01L 33/62 20100101AFI20231018BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20231018BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20231018BHJP
【FI】
H01L33/62
G09F9/30 360
G09F9/33
(21)【出願番号】P 2019128742
(22)【出願日】2019-07-10
【審査請求日】2022-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】山田 一幸
(72)【発明者】
【氏名】浅田 圭介
(72)【発明者】
【氏名】磯野 大樹
【審査官】大西 孝宣
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-046142(JP,A)
【文献】特表2018-508972(JP,A)
【文献】特表2016-522585(JP,A)
【文献】国際公開第2015/083365(WO,A1)
【文献】特表2019-514217(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0162755(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0088837(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 - 33/64
G09F 9/00 - 9/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の絶縁層上に設けられた第1の電極と、前記第1の電極に隣接する第2の電極と、
前記第1の絶縁層上に設けられ、前記第1の電極と重なる第1の構造体と、前記第2の電極と重なり前記第1の構造体と離隔され
た第2の構造体と、
前記第1の電極と前記第1の構造体の間及び前記第2の電極と前記第2の構造体の間に設けられ、前記第1の構造体及び前記第2の構造体を覆う第2の絶縁層と、
前記第1の電極及び前記第1の構造体と前記第2の電極及び前記第2の構造体との間に形成された溝部と、
前記第1の電極及び前記第2の電極上に配置された一つのLEDチップと、
を有し、
前記LEDチップは前記第1の電極及び前記第2の電極と導電性部材を介して接続されている
ことを特徴とするLEDモジュール。
【請求項2】
前記溝部は前記第1の絶縁層が前記溝部と重なる領域で除去されている、請求項1に記載のLEDモジュール。
【請求項3】
前記LEDチップは、第1のチップ電極と、前記第1のチップ電極に隣接する第2のチップ電極と、を有し、
前記第1のチップ電極が前記第1の電極と、前記第2のチップ電極が前記第2
の電極と、前記導電性部材を介してそれぞれ接続されている、請求項1又は2に記載のLEDモジュール。
【請求項4】
第1の絶縁層上に設けられ、画素を形成する第1の電極及び前記第1の電極に隣接する第2の電極と、
前記第1の絶縁層上に設けられ、前記第1の電極と重なる第1の構造体と、前記第2の電極と重なり前記第1の構造体と離隔され
た第2の構造体と、
前記第1の電極と前記第1の構造体の間及び前記第2の電極と前記第2の構造体の間に設けられ、前記第1の構造体及び前記第2の構造体を覆う第2の絶縁層と、
前記第1の電極及び前記第1の構造体と前記第2の電極及び前記第2の構造体との間に形成された溝部と、
前記第1の電極及び前記第2の電極に接続された一つのLEDチップと、
を有し、
前記LEDチップは前記第1の電極及び前記第2の電極と導電性部材を介して接続され、
前記溝部は、前記LEDチップに重なる
ことを特徴とする表示装置。
【請求項5】
前記第1の絶縁層が前記溝部と重なる領域で除去されている、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記LEDチップは、第1のチップ電極と、前記第1のチップ電極に隣接する第2のチップ電極と、を有し、
前記第1のチップ電極が前記第1の電極と、前記第2のチップ電極が前記第2
の電極と、前記導電性部材を介してそれぞれ接続されている、請求項4又は5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1の電極と前記第1の構造体との間の第3の構造体と、前記第2の電極と前記第2の構造体との間の第4の構造体と、をさらに含む、請求項1に記載のLEDモジュール。
【請求項8】
前記第1の電極と前記第3の構造体の間及び前記第2の電極と前記第4の構造体の間に設けられ、前記第3の構造体及び前記第4の構造体を覆う第3の絶縁層を有する、請求項7に記載のLEDモジュール。
【請求項9】
前記第1の電極と前記第1の構造体との間の第3の構造体と、前記第2の電極と前記第2の構造体との間の第4の構造体と、をさらに含む、請求項4に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1の電極と前記第3の構造体の間及び前記第2の電極と前記第4の構造体の間に設けられ、前記第3の構造体及び前記第4の構造体を覆う第3の絶縁層を有する、請求項9に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)がベアチップの状態で実装されたLEDモジュールの構造に関する。本発明の一実施形態は、発光ダイオードにより画素が構成された表示装置の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
マトリクス状に配列される画素にマイクロLEDと呼ばれる微小な発光ダイオードが実装されたマイクロLEDディスプレイが知られている。マイクロLEDディスプレイは、画素が自発光型であるという点で有機エレクトロルミネセンス素子を用いた有機ELディスプレイと共通する。しかし、有機ELディスプレイが、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)が作製されたバックプレーンと呼ばれる基板に有機エレクトロルミネセンス素子を直接形成するのに対し、マイクロLEDディスプレイはサファイア基板等に作製されたLEDチップを取り出して、バックプレーンと呼ばれる基板に実装する点で相違する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マイクロLEDディスプレイでは、マイクロLEDが所謂フリップチップ接続によって基板上に実装される。マイクロLEDの実装には、塗布時に流動性のある導電性ペーストや半田ペーストが用いられる。このとき、導電性ペーストや半田ペーストの供給位置及び供給量を精密に制御する必要がある。しかし、マイクロLEDはチップサイズが微小であるためその制御が難しく、導電性ペーストや半田ペーストの供給量が少なすぎると導通不良となり、多すぎると短絡欠陥の原因となることが問題となる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態に係るLEDモジュールは、絶縁表面に設けられた第1の電極と、第1の電極に隣接する第2の電極と、絶縁表面において、第1の電極と第2の電極との間に設けられた溝部と、第1の電極及び第2の電極上に配置された一つのLEDチップとを有し、LEDチップは第1の電極及び第2の電極と導電性部材を介して接続されている。
【0006】
本発明の一実施形態に係る表示装置は、画素を形成する絶縁表面に設けられた第1の電極と、第1の電極に隣接する第2の電極と、絶縁表面において、第1の電極と第2の電極との間に設けられた溝部と、第1の電極及び第2の電極に接続されたLEDチップとを有し、LEDチップは第1の電極及び第2の電極と導電性部材を介して接続され、溝部はLEDチップに重なっている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態に係るLEDモジュールの構造を示し、(A)は平面図を示し、(B)は断面図を示す。
【
図2】LEDチップの構造を例示する斜視図を示す。
【
図3】本発明の一実施形態に係るLEDモジュールの構造を示し、(A)は突起部の上に設けられた電極に導電性部材を滴下した段階を示し、(B)はLEDチップをその上に載せた段階を示す。
【
図4】本発明の一実施形態に係るLEDモジュールの構造を示し、(A)は平面図を示し、(B)は断面図を示す。
【
図5】本発明の一実施形態に係るLEDモジュールの構造を示し、(A)及び(B)は平面図を示す。
【
図6】本発明の一実施形態に係るLEDモジュールの構造を示し、(A)及び(B)は断面図を示す。
【
図7】本発明の一実施形態に係るLEDモジュールの一態様を示す。
【
図8】本発明の一実施形態に係る表示装置の構成を示す。
【
図9】本発明の一実施形態に係る表示装置における画素の断面図を示す。
【
図10】本発明の一実施形態に係る表示装置における画素の断面図を示す。
【
図11】本発明の一実施形態に係る表示装置における画素の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を、図面等を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号(又は数字の後にa、bなどを付した符号)を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。さらに各要素に対する「第1」、「第2」と付記された文字は、各要素を区別するために用いられる便宜的な標識であり、特段の説明がない限りそれ以上の意味を有さない。
【0009】
本明細書において、ある部材又は領域が他の部材又は領域の「上に(又は下に)」あるとする場合、特段の限定がない限りこれは他の部材又は領域の直上(又は直下)にある場合のみでなく他の部材又は領域の上方(又は下方)にある場合を含み、すなわち、他の部材又は領域の上方(又は下方)において間に別の構成要素が含まれている場合も含む。なお、以下の説明では、特に断りのない限り、断面視において、ベース部材に対してタッチセンサが設けられる側を「上」又は「上方」といい、「上」又は「上方」から見た面を「上面」又は「上面側」というものとし、その逆を「下」、「下方」、「下面」又は「下面側」というものとする。
【0010】
本発明において、マイクロLEDとは、チップサイズが数μm以上100μm以下、ミニLEDとは、チップサイズが100μm以上のものをいうが、本発明の一実施形態ではいずれのサイズのLEDも用いることが出来、LEDモジュール及び表示装置の画素サイズに応じて使い分けることができる。
【0011】
[第1の実施形態]
本発明の一実施形態に係るLEDモジュール100aの構造を
図1(A)及び(B)に示す。
図1(A)はLEDモジュール100aの模式的な平面図を示し、(B)はA1-B1線に対応する模式的な断面図を示す。
【0012】
LEDモジュール100aは、絶縁表面105に設けられた第1の電極108a及び第2の電極108bの上にLEDチップ110が実装された構造を有する。
図1(A)及び(B)には示されないが、基板102上にはLEDチップ110と接続される配線が形成されていてもよいし、LEDチップ110の発光を制御する回路が薄膜トランジスタによって形成されていていてもよい。
【0013】
絶縁表面105は、絶縁性を有する基板102によって形成される。または、基板102上に設けられた第1の絶縁層104によって形成されてもよい。絶縁性を有する基板102としてはガラス基板又は可撓性のある樹脂基板が例示され、第1の絶縁層104としてはポリイミド、アクリル等の樹脂材料、酸化シリコンなどで形成される無機絶縁膜が例示される。
【0014】
絶縁表面105は略平坦な面を有し、その面内に溝部106が設けられた領域を含む。溝部106は、絶縁表面105における第1の電極108a及び第2の電極108bと接する面より高さが低い領域として画定される。別言すれば、溝部106は、絶縁表面105に対して凹状の溝が形成された領域であり、溝の底面が絶縁表面105よりも低い位置にある。溝部106は、絶縁表面105の表面から所定の深さだけ除去されることにより形成される。例えば、絶縁表面105が絶縁性の基板102によって形成される場合、溝部106は、基板102の表面を所定の幅、所定の深さに亘って除去されることにより形成される。また、絶縁表面105が第1の絶縁層104によって形成される場合、溝部106は、第1の絶縁層104の表面を所定の幅及び所定の深さに亘って除去されることにより形成される。
【0015】
図1(B)は、溝部106の一態様を示し、第1の絶縁層104が所定の幅で及び所定の深さで除去されて、基板102の上面が露出した形態を示す。溝部106は、図示されるように、第1の絶縁層104の一部の領域が全部除去されることによって形成されてもよいし、図示されないが、第1の絶縁層104の一部が除去されることによって形成されてもよい。また、溝部106は、第1の絶縁層104の該当する領域が全部除去され、基板102の該当する領域の一部が除去されることによっても形成されてもよい。
【0016】
溝部106の断面形状は、矩形、錐台状、錐形、半円形、半楕円形を有する。また、溝部106は、一つの連続する一つの溝としての形状を有していてもよいし、点線状に不連続する溝としての形状を有していてもよい。溝部106の大きさ(幅と深さによって規定される空間の体積)は、第1の電極108a及び第2の電極108bの上に導電性部材を付着させLEDチップ110を実装したとき、流動して流れ出た導電性部材114cが溝部106に流れ込むことで、第1の電極108aと第2の電極108bとが流れ出た導電性部材114cによって導通しない程度の大きさを有していることが好ましい。すなわち、溝部106の深さは、第1の電極108a及び第2の電極108bの上の導電性部材が流動して流れ出たとき、溝部106に流れ込んだ導電性部材114cが、第1の電極108a及び第2の電極108bの上の導電性部材と分離する大きさを有していることが好ましい。このような状態を発現するために、溝部106は、少なくとも深さが、例えば、1μmから20μm、好ましくは5μmから10μmの深さを有していることが好ましい。
【0017】
第1の電極108aと第2の電極108bとは、絶縁表面105において離隔して配置される。例えば、第1の電極108aと第2の電極108bとは、LEDチップ110が備える一対の電極間隔と同じかそれより狭い間隔を有するように配置される。溝部106は、第1の電極108a及び第2の電極108bに隣接して配置される。例えば、溝部106は、第1の電極108aと第2の電極108bの間に配置されることが好ましい。
【0018】
第1の電極108a及び第2の電極108bは、絶縁表面105に設けられることで略同一の高さを有する。一方、溝部106の底部を基準とした場合、第1の電極108a及び第2の電極108bは溝部106の底部より高い位置に配置されている。第1の電極108aと第2の電極108bとの間には、溝部106によって形成される段差部が介在しているとみなすこともできる。
【0019】
第1の電極108a及び第2の電極108bを形成する材料に限定はないが、塗布又は滴下時に流動性を有する導電性材料とぬれ性の良い材料が選択される。第1の電極108a及び第2の電極108bは、例えば、金(Au)、銅(Cu)、銀(Ag)、錫(Sn)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)などの金属材料又はそれらの合金で形成される。また、酸化インジウム錫(ITO)などの導電性酸化物材料で形成されるものであってもよい。
【0020】
LEDチップ110は2端子型の素子であり、所謂フリップチップ実装が可能なように第1のチップ電極112a及び第2のチップ電極112bを有する。例えば、LEDチップ110は、第1の電極108a及び第2の電極108bに対向する面側に、第1のチップ電極112a及び第2のチップ電極112bを有する。第1のチップ電極112a及び第2のチップ電極112bは、LEDチップ110を発光させるための電極であり、一方がn側電極、他方がp側電極とも呼ばれる。第1のチップ電極112a及び第2のチップ電極112bは、金属材料を用いて形成され、金(Au)、銀(Ag)等の金属表面を有していることが好ましい。
【0021】
LEDチップ110は、第1の導電性部材114a及び第2の導電性部材114bによって、第1の電極108a及び第2の電極108bに固定される。第1のチップ電極112aと第1の電極108aとの間には第1の導電性部材114aが設けられ、第2のチップ電極112bと第2の電極108bとの間には第2の導電性部材114bが設けられる。このとき、第1の電極108aと第2の電極108bとの間が短絡しないように(別言すれば、第1のチップ電極112aと第2のチップ電極112bとが短絡しないように)、第1の導電性部材114aと第2の導電性部材114bとは分離した状態で設けられることが求められる。
【0022】
第1の導電性部材114a及び第2の導電性部材114bは、導電性ペーストが用いられる。導電ペーストとしては、銀ペースト、カーボンペースト、銀とカーボンが混合されたペースト等が用いられる。また、第1の導電性部材114a及び第2の導電性部材114bとして、半田ペーストが用いられてもよい。導電ペーストは流動性を有し、対象物に滴下した後、焼成又は単に乾燥させることにより硬化する。導電ペーストは、第1の電極108a及び第2の電極108bのそれぞれの上に精密に滴下する必要がある。導電性ペーストの滴下量が多すぎると広がってしまい電極間のショートの原因となる。一方、導電性ペーストの滴下量が少なすぎると導通不良を生じさせ、LEDチップ110を固定する力(付着力)が低下して剥落することが問題となる。
【0023】
また、第1の電極108a及び第2の電極108bに導電性ペースト又は半田ペーストを付着させた後、その上にLEDチップ110を載せると導電性ペーストが押圧されて横方向に広がる。このとき、導電性ペースト又は半田ペーストの付着量が多すぎると導電性ペースト又は半田ペーストの広がりが大きくなり、第1のチップ電極112aと第2のチップ電極112bとが短絡する原因となり得る。このため、導電性ペーストの供給量に精密な制御が求められる。しかし、LEDチップ110は微小なサイズであることから、導電性ペースト又は半田ペーストの供給量の制御は非常に困難であり、精密な制御はLEDモジュール100aの生産性を低下させる要因ともなる。
【0024】
図2にLEDチップ110の構造の一例を示す。LED110チップはGaAs等の半導体ウエハーを用いた基板、又はサファイア等の絶縁材料で形成された基板202の上に窒化ガリウム等で形成されるバッファ層204、窒化ガリウム系の化合物半導体で形成されるn型層206、窒化ガリウム系の化合物半導体で量子井戸構造が形成される活性層208、窒化ガリウム系の化合物半導体で形成されるp型層210、パッシベーション層214、第1のチップ電極112a、第2のチップ電極112bが設けられた構造を有する。LEDチップ110のサイズは、所謂マイクロLEDと呼ばれるものであって、縦幅Lが10μmから20μm、横幅Wが20μmから40μm、高さHが150μm程度のサイズを有する。したがって、第1のチップ電極112aと第2のチップ電極112bとの間隔は10μm以下となる。なお、LEDチップ110のサイズは、上記のようなマイクロLEDに限定されず、所謂ミニLEDと呼ばれるサイズであってもよい。
【0025】
このような微小な構造に対し、LEDモジュール100aは、LEDチップ110とコンタクトを形成する第1の電極108a及び第2の電極108bに隣接して溝部106が設けられていることにより電極間の短絡を防止する構造を有している。すなわち、第1の電極108aと第2の電極108bとは、平坦な絶縁表面105に設けられているのではなく、溝部106が両者の間に介在するように設けられている。
【0026】
図3(A)は、第1の電極108a及び第2の電極108bの上に第1の導電性部材114a及び第2の導電性部材114bを付着させた状態を示す。第1の導電性部材114a及び第2の導電性部材114bは流動性を有すると共に、所定の厚みをもって第1の電極108a及び第2の電極108bの上に付着される。
【0027】
この状態でLEDチップ110を第1の電極108a及び第2の電極108bの上に載せると、
図3(B)に示すように、第1の導電性部材114a及び第2の導電性部材114bは、LEDチップ110により押圧されて厚みが減少した分、横方向に広がり第1の電極108a及び第2の電極108bの外側に流出してしまう。このとき、流出した導電性部材114cは、第1の電極108a及び第2の電極108bに隣接する溝部106に流れ込む。溝部106に流れ込んだ導電性部材114cは、第1の電極108a上の第1の導電性部材114a及び第2の電極108b上の第2の導電性部材114bと分離される。別言すれば、溝部106に流れ込んだ導電性部材114cは、溝部106によって形成される段差により、第1の電極108a上の第1の導電性部材114a及び第2の電極108b上の第2の導電性部材114bと段切れをして孤立した状態で残存することとなる。その結果、第1の導電性部材114aと第2の導電性部材114bとは、流出した導電性部材114cを介して導通することが防止され、LEDチップ110の電極間の短絡が防止されることとなる。
【0028】
なお、溝部は複数設けられていてもよい。例えば、
図4(A)の平面図、及び(B)の断面図に示すように、第1の電極108aと第2の電極108bの間に第1の溝部106aと第2の溝部106bとが介在していてもよい。第1の溝部106a及び第2の溝部106bは、第1の電極108aと第2の電極108bとを分断するように設けられていることが好ましい。溝部が複数設けられることにより、第1の電極108a及び第2の電極108bから流出した導電性部材114cを確実に捕集することができる。それにより、LEDチップ110の電極間の短絡を防止することができる。なお、第1の溝部106aと第2の溝部106bとは、同じ幅と深さを有している必要がなく、相互に異なる形状及び大きさを有していてもよい。
【0029】
また、溝部106は、第1の電極108aと第2の電極108bの間のみでなく、他の領域に設けられていてもよい。例えば、
図5(A)の平面図に示すように、第1の電極108aと第2の電極108bとの間の第1の溝部106a及び第2の溝部106bに加え、第3の溝部106c、第4の溝部106dが配置されてもよい。第3の溝部106cは、第1の溝部106aと共に第1の電極108aを挟むように設けられ、第4の溝部106dは、第2の溝部106bと共に第2の電極108bを挟むように設けられる。
【0030】
また、
図5(B)の平面図に示すように、第1の溝部106a及び第2の溝部106bは、平面視でU字型又はC字型の形状を有していてもよく、第1の電極108a及び第2の電極108bの周りを囲むように設けられていてもよい。このように、第1の電極108a及び第2の電極108bを挟むように、又は囲むように溝部106を設けることで、第1の電極108a及び第2の電極108bから流出した導電性部材を確実に捕集することができる。特に、本構成によれば、第1の電極108aと第2の電極108bとの間の領域以外に流出した導電性部材を捕集することができ、隣接するLEDチップとの短絡を防止することができる。このような構成により、LEDチップ110の短絡を防止することができる。
【0031】
このように、本実施形態によれば、LEDチップ110を実装する面に、第1の電極108aと第2の電極108bとの間に介在するように、又は隣接するように溝部106を設けることで、導電性部材114が流出することによる電極間の短絡を防止することができる。それにより、LEDモジュール100aの短絡欠陥の発生を防止することができ、製造時の歩留まりを向上させることができる。また、LEDモジュール100aの製造後に、導電性部材114(第1の導電性部材114a、第2の導電性部材114b)がマイグレーションした場合でも、溝部106により段差が形成されていることで、LEDチップ110における短絡欠陥の生成を防止することができる。
【0032】
[第2の実施形態]
本実施形態は、第1の実施形態で示すLEDモジュールに対し、絶縁表面の状態が異なる態様を示す。以下の説明では、第1の実施形態と相違する部分について述べる。
【0033】
図6(A)は、本実施形態に係るLEDモジュール100bを示す。本実施形態において、LEDモジュール100bは撥液性を有する絶縁表面107を備える。撥液性を有する絶縁表面107は、例えば、第1の絶縁層104の表面を撥液性に改質することで形成される。例えば、ポリイミド、アクリル、エポキシ等の樹脂材料、又は酸化シリコンなどの無機絶縁材料で形成された第1の絶縁層104の表面を、フッ素系ガスを用いてプラズマ処理することで撥液性の表面を形成することができる。
【0034】
溝部106(第1の溝部106a、第2の溝部106b)は、第1の絶縁層104を撥液性に改質した後、レーザ加工等により形成することができる。これにより、第1の絶縁層104の表面は撥液性となり、溝部106(第1の溝部106a、第2の溝部106b)の部分は相対的に親液性にすることができる。例えば、第1の絶縁層104が酸化シリコンで形成されている場合、酸化シリコン膜は親液性であるので、溝部106(第1の溝部106a、第2の溝部106b)の部分を親液性とし、改質された表面を撥液性とすることができる。
【0035】
図6(B)は、第1の絶縁層104の表面に撥液性層109が設けられたLEDモジュール100cを示す。撥液性層109はフッ素樹脂材料により形成される。フッ素樹脂としては、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(パーフルオロアルコキシアルカン)、FEP(パーフルオロエチレンプロペンコポリマー)等の四フッ化エチレン系の樹脂材料を用いることができる。
【0036】
撥液性層109は、第1の絶縁層104の表面に形成される。溝部106(第1の溝部106a、第2の溝部106b)は、第1の絶縁層104に撥液性層109が形成された後、レーザ加工等により形成することができる。これにより、第1の絶縁層104の表面に撥液性層109を残存させつつ、溝部106(第1の溝部106a、第2の溝部106b)を形成することができる。これにより、撥液性層109の表面に対して、溝部106(第1の溝部106a、第2の溝部106b)の部分は相対的に親液性にすることができる。例えば、第1の絶縁層104が酸化シリコンで形成されている場合、酸化シリコン膜は親液性であるので、溝部106(第1の溝部106a、第2の溝部106b)の部分を親液性とし、撥液性層109の表面を撥液性にすることができる。
【0037】
本実施形態によれば、溝部が形成される以外の絶縁表面を撥液性とすることで、第1の電極108a及び第2の電極108bの表面から流出した導電性部材114cは、絶縁表面に残存せず溝部106に流れ込むようにすることができる。これにより、LEDモジュール100aの短絡欠陥の発生を防止することができ、製造時の歩留まりを向上させることができる。また、LEDモジュール100aの製造後に、導電性部材114(第1の導電性部材114a、第2の導電性部材114b)がマイグレーションした場合でも、溝部106により段差が形成されていることで、LEDチップ110における短絡欠陥の生成を防止することができる。
【0038】
[第3の実施形態]
本実施形態は、LEDチップが基板上に複数個配列され、配線で接続されたLEDモジュールの一態様を示す。
【0039】
図7は、本実施形態に係るLEDモジュール100dを示す。LEDモジュール100dは、基板102上に複数のLEDチップ110が実装された構成を有する。基板102は絶縁表面を有し、LEDチップ110が実装される位置に合わせて第1の電極108aと第2の電極108bが設けられている。また、第1の電極108aと第2の電極108bとの間に溝部106(第1の溝部106a、第2の溝部106b)が形成されている。LEDチップ110は、第1のチップ電極112a及び第2のチップ電極112bを有し、図示されない導電性部材を介して第1の電極108a及び第2の電極108bと接続されている。また、第1の配線130は複数の第1の電極108aと接続され、第2の配線132は複数の第2の電極108bと接続されている。第1の配線130は第1の端子134と接続され、第2の配線132は第2の端子136と接続される。
【0040】
LEDモジュール100dは、第1の電極108aがn型電極、第2の電極108bがp型電極である場合、第1の端子134に対して第2の端子136の電位が高くなるように順方向のバイアス電圧を印加することでLEDチップ110は順方向にバイアスされ発光する。このようなLEDモジュール100dは、面光源として用いることができる。なお、LEDチップ110は図示される数に限定されず、さらに高密度に基板102上に実装されてもよい。
【0041】
本実施形態において、基板102に設けられる第1の電極108a及び第2の電極108bと、溝部106の構成は、第1の実施形態及び第2の実施形態に示されるいずれかの構成を適用することができる。
図7に示すLEDモジュール100dは、複数のLEDチップ110を並列に接続した回路である。この回路では、各LEDチップを均一に発酵させることができる一方で、一つのLEDチップが短絡すると短絡部分に電流が集中し、他のLEDチップに電流が流れなくなり点灯不良が発生する。しかしながら、本実施形態に係るLEDチップ110の実装部分には溝部106が設けられていることで、短絡欠陥の生成を効果的に防止することができる。それにより、LEDモジュール110dの信頼性を高めることができる。
【0042】
[第4の実施形態]
本実施形態は、第1の実施形態及び第2の実施形態に示すLEDモジュールの構成を有する表示装置を示す。
【0043】
図8は、本実施形態に係る表示装置300の構成を示す。表示装置300は、基板102上に、画素302がマトリクス状に複数個配列された表示部304を有する。画素302にはLEDチップ110が実装される。表示部304には、各画素に応じて出射光の異なるLEDチップ110が実装されてもよい。例えば、赤色光を出射するLEDチップ、緑色を出射するLEDチップ、青色を出射するLEDチップが適宜実装されてもよい。また、カラーフィルタ方式の表示装置として白色光を出射するLEDチップが各画素に実装されていてもよく、あるいは量子ドット表示装置として青色又は紫外線を出射するLEDチップが各画素に実装されていてもよい。表示部304の外側には画素302に走査信号を入力する走査信号線306と、映像信号を入力するデータ信号線308が配設される。走査信号線306とデータ信号線308は交差するように配設される。基板102の周縁部には、走査信号線306の入力端子部310aとデータ信号線308の入力端子部310bが設けられている。なお、
図8では図示されないが、基板102上には、画素302を駆動するドライバICが実装されていてもよい。
【0044】
図9は、
図8に示す画素302aの断面構造の一例を示す。画素302aは、基板102側から第1の絶縁層104、第2の絶縁層1116、第3の絶縁層118が積層され、第3の絶縁層118で形成される絶縁表面の上に第1の電極108aと第2の電極108bが設けられた構造を有する。走査信号線306は、第1の絶縁層104と第2の絶縁層116の間に設けられ、データ信号線308は第2の絶縁層116と第3の絶縁層118の間に設けられる。表示部304は、走査信号線306とデータ信号線308との間に第2の絶縁層116が設けられることで、2つの信号線を交差するように配設することが可能とされている。
【0045】
第1の電極108aは、第3の絶縁層118及び第2の絶縁層116を貫通するコンタクトホール120aを介して走査信号線306と接続される。第2の電極108bは、第3の絶縁層118を貫通するコンタクトホール120bに重なるように設けられ、データ信号線308と接続される。第1の電極108a及び第2の電極108bの上層側には、さらにパッシベーション層122が設けられていてもよい。パッシベーション層122には、第1の電極108a及び第2の電極108bがLEDチップ110と接続される部位に開口部が設けられている。
【0046】
LEDチップ110は、第1の電極108a及び第2の電極108bの上に配置される。第1のチップ電極112aは、第1の導電性部材114aを介して第1の電極108aと接続され、第2のチップ電極112bは、第2の導電性部材114bを介して第2の電極108bと接続される。画素302aは、第1の電極108aと第2の電極108bとの間に溝部106が設けられる。このように、溝部106は基板102上に形成される絶縁層を部分的に除去することにより形成される。基板102上に絶縁層が何層か積層される場合、溝部106は積層される複数の絶縁層のうち全ての層が除去されてもよいし、幾つかの層が除去されることによって形成されてもよい。溝部106は、第3の絶縁層118、第2の絶縁層116、及び第1の絶縁層104が除去されることによって形成される。溝部106にはパッシベーション層122が設けられていてもよい。
【0047】
画素302aは、第1の電極108aと第2の電極108bとの間に溝部106が形成されることにより、第1の導電性部材114aと第2の導電性部材114bが横方向に流動しても、LEDチップ110の電極間の短絡が防止される構造を有している。別言すれば、画素302aの中に第1の電極108aと第2の電極108bとの間の平坦面を分断する溝部106を有することで、流れ出た導電性部材114cの平面上の流動を阻害し、LEDチップ110の短絡を防止することができる。これにより、LEDチップの実装工程において、第1の電極108a及び第2の電極108b上への導電性部材の供給量が過剰となっても、LEDチップ110間の短絡を防止することができ、表示装置300の生産性の向上と歩留まりの向上を図ることができる。
【0048】
なお、
図8はパッシブマトリクス型の表示装置の一例を示すが、本実施形態はこれに限定されず、個々の画素の発光がトランジスタによる画素回路で制御されるアクティブマトリクス型の表示装置にも適用することもできる。
【0049】
[第5の実施形態]
本実施形態は、第4の実施形態で示す画素の構造に対し、溝部の形態が異なる態様を示す。以下の説明では、第4の実施形態と相違する部分について説明する。
【0050】
図10は、画素の他の一形態を示す断面図である。本実施形態において、溝部106は、絶縁層が所定のパターンで形成された構造体の表面に沿って設けられることで生成される段差によって形成される。具体的には、
図10に示すように、画素302bは、第1の絶縁層104と第2の絶縁層116との間に第1の構造体124a及び第2の構造体124bを有する。第1の構造体124aと第2の構造体124bとは、断面視において2つの区別される構造物としての形態を有する。第1の構造体124aは第1の電極108aと重なる領域に設けられ、第2の構造体124bは第2の電極108bと重なる領域に設けられる。第2の絶縁層116は、第1の構造体124a及び第2の構造体124bの側面及び上面に沿って設けられる。第2の絶縁層116の上面は、第1の構造体124a及び第2の構造体124bと接する領域と、第1の絶縁層104と接する領域とで高低差が生じる。第2の絶縁層116は、第1の構造体124a及び第2の構造体124bの上面の領域を基準とすれば、第1の構造体124aと第2の構造体124bとの間の領域は窪んだ領域となり、実質的に溝部106が形成された領域となる。
【0051】
このように形成された溝部106は、第1の構造体124a及び第2の構造体124bの膜厚を大きくすることで溝の深さを大きくすることができる。また、
図10に示すように、第2の絶縁層116の上に、第1の構造体124aと重なる第3の構造体124cを設け、第2の構造体124bに重なる第4の構造体124dを設けることで、溝部106の深さを大きくすることができる。
【0052】
構造体124(第1の構造体124a、第2の構造体124b、第3の構造体124c、第4の構造体124d)は、絶縁層に覆われるため、これを形成する材質に限定はない。構造体124は、金属材料、半導体材料、絶縁材料を用いて形成することができる。例えば、第1の構造体124a及び第2の構造体124bは、走査信号線306と同じ層上に設けられるため、配線を形成する金属膜によって形成することができる。例えば、第1の構造体124a及び第2の構造体124bは、アルミニウム(Al)膜、又はアルミニウム(Al)膜の下層側及び上層側にチタン(Ti)膜が積層された積層体により形成することができる。また、第3の構造体124c及び第4の構造体124dは、データ信号線308と同じ層上に設けられるため、同様に金属膜(又は金属膜の積層体)によって形成することができる。
【0053】
このように、溝部106は、絶縁層を部分的に除去することによって形成されるのみでなく、絶縁層の中に一対の構造体を埋設されるように設けることで形成することができる。本実施形態における溝部106によっても、第4の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。すなわち、画素302bは、第1の電極108aと第2の電極108bとの間に溝部106が、構造体124(第1の構造体124a、第2の構造体124b、第3の構造体124c、第4の構造体124d)と絶縁層(第2の絶縁層116、第3の絶縁層118)によって形成されることにより、第1の導電性部材114aと第2の導電性部材114bが横方向に流動しても、流れ出た導電性部材114cによってLEDチップ110の電極間の短絡が防止することができる。これにより、導電性部材の平面上の流動を阻害し、LEDチップ110の短絡を防止することが可能となるので、第1の電極108a及び第2の電極108b上への導電性部材の供給量が過剰となっても、LEDチップ110間の短絡を防止することができ、表示装置300の生産性の向上と歩留まりの向上を図ることができる。
【0054】
なお、本実施形態で示す構造体により形成される溝部に、第1の実施形態で示す絶縁層の一部を除去することで形成される溝部の構成を組み合わせることもできる。また、絶縁層の表面を、第2の実施形態で示すように撥液性表面とする構成を適宜組み合わせることもできる。
【0055】
[第6の実施形態]
本実施形態は、第4の実施形態で示す画素の構造において、封止層とカバーガラスがさらに設けられた態様を示す。以下の説明では、第4の実施形態と相違する部分について説明する。
【0056】
図11は、画素302aの他の一実施形態を示す断面図を示す。
図11に示す画素302a構造は、LEDチップ110を覆う封止層138と、封止層138上に配置されたカバーガラス140が追加された構造を有する。封止層138はLEDチップ110の保護膜であると同時にカバーガラス140の平坦性を確保する平坦化膜としての機能を有する。
図11に示す画素302aの構造において、凹状の溝106が第1の電極108aと第2の電極108bとの短絡を防止することの外、LEDチップ110とパッシベーション膜122を含む絶縁表面105とのギャップを大きくできることで、封止層138がLEDチップ110直下に流れ込みやすくすることが可能となる。
【0057】
図11に示すように、封止層138はLEDチップ110と絶縁表面105との間にも充填されており、特に凹状の溝106において、流出した導電性部材114cと接触している。凹状の溝106が形成されていない場合、LEDチップ110と絶縁表面105とのギャップは比較的小さく、封止層138を塗布した際にこの小さなギャップに封止層138が流れ込まず、カバーガラス140を貼り合せ後にLEDチップ110直下と絶縁表面105との間に気泡が残ったままとなる可能性がある。気泡が残ったままであると、LEDチップ110から基板102に向かう光が気泡により乱反射され発光特性を阻害してしまう可能性、また気泡そのものが封止層138内を移動して表示特性を悪化させてしまう可能性がある。短絡防止用として形成された凹状の溝106はLEDチップ110直下と絶縁表面105とのギャップを拡大することができ、ギャップ拡大により封止層138は塗布時にLEDチップ110直下に流れ込みやすくなり、LEDチップ110直下における気泡の発生を抑制することもできる。
【0058】
このように、本実施形態によれば、凹状の溝106を設けることにより、LEDチップ110の短絡を防止するだけでなく、封止層138を均一に充満させ、カバーガラス140を平坦に設けることが可能となる。また、表示装置における表示特性の低下を防止することができる。なお、本実施形態で示す封止層138及びカバーガラス140の構成は、第1乃至第3の実施形態、及び第5の実施形態で示す画素の構造に対しても同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0059】
100・・・LEDモジュール、102・・・基板、104・・・第1の絶縁層、105・・・絶縁表面、106・・・凹状の溝、107・・・撥液性を有する絶縁表面、108・・・電極、109・・・撥液性層、110・・・LEDチップ、112・・・パッド電極、114・・・導電性部材、116・・・第2の絶縁層、118・・・第3の絶縁層、120・・・コンタクトホール、122・・・パッシベーション層、124・・・構造体、130・・・第1配線、132・・・第2配線、134・・・第1端子、136・・・第2端子、138・・・封止層、140・・・カバーガラス、202・・・基板、204・・・バッファ層、206・・・n型層、208・・・活性層、210・・・p型層、212・・・透明導電層、214・・・パッシベーション層、300・・・表示装置、302・・・画素、304・・・表示領域、306・・・走査信号線、308・・・データ信号線、310・・・端子部