(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-17
(45)【発行日】2023-10-25
(54)【発明の名称】遠位凝塊アンカーを有する制御可能な回収装置
(51)【国際特許分類】
A61B 17/22 20060101AFI20231018BHJP
【FI】
A61B17/22 528
(21)【出願番号】P 2019531886
(86)(22)【出願日】2017-12-18
(86)【国際出願番号】 IB2017001773
(87)【国際公開番号】W WO2018109566
(87)【国際公開日】2018-06-21
【審査請求日】2020-11-13
(32)【優先日】2016-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514102803
【氏名又は名称】ラピッド メディカル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フリードマン、アハロン
(72)【発明者】
【氏名】ゲデュルター、マタン
(72)【発明者】
【氏名】ミラー、モシェ
【審査官】和田 将彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/125018(WO,A2)
【文献】国際公開第2011/106426(WO,A1)
【文献】特表2015-504735(JP,A)
【文献】国際公開第2016/071524(WO,A1)
【文献】特開昭54-150888(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/22 - 17/221
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のワイヤから形成された細長い構造体を含む管腔内装置であって、前記複数のワイヤは、前記細長い構造体の近位端部から前記細長い構造体の遠位端部まで延び、前記管腔内装置は、
前記細長い構造体の第1の領域であって、前記複数のワイヤは、シャフトを形成するように前記第1の領域内で捩られている、第1の領域と、
前記細長い構造体の第1の領域に隣接する細長い構造体の第2の領域であって、前記複数のワイヤは、足場を形成するように前記第2の領域内で織られている、第2の領域と、
前記細長い構造体の前記第2の領域から遠位に位置する前記細長い構造体の第3の領域であって、前記第3の領域は、体腔内の障害物に係合するように構成された少なくとも1つの拡張可能なメッシュセグメントを形成するために、互いに接触する、複数の環状のワイヤのセットを含み、各環状のワイヤのセットは、前記第3の領域内で互いに接触する、前記複数のワイヤのうちの2本以上のワイヤを含み、
各環状のワイヤのセットは、
複数の接合構造を画定するために、前記第3の領域内
で別の環状のワイヤのセット
に織り込まれ、前記細長い構造体の前記第2の領域の前記足場は、前記少なくとも1つの拡張可能なメッシュセグメントの前記複数の環状のワイヤのセットの間の開口を支持するように構成されている、第3の領域と、
前記細長い構造体の第4の領域であって、前記第4の領域は、前記細長い構造体の前記第4の領域に少なくとも1つの凝塊アンカーセグメントを形成するように配置された複数のワイヤを含み、前記少なくとも1つの凝塊アンカーセグメントは、前記管腔内装置が血管から回収されるときに、前記第3の領域の前記少なくとも1つの拡張可能なメッシュセグメントによって捕捉されていない
前記障害物又は
前記障害物の一部に係合し、前記
障害物を近位方向に押圧するように構成されたプラットフォームを形成するように拡張可能である、第4の領域と
を備える、管腔内装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの凝塊アンカーセグメントは、前記複数のワイヤから形成されたプラットフォームを形成するために半径方向に拡張するように構成され、前記プラットフォームは、前記プラットフォームに隣接する前記細長い構造体の少なくとも一部より大きい外径を有するように構成され、
前記少なくとも1つの凝塊アンカーセグメント及び前記少なくとも1つの拡張可能なメッシュセグメントは、単一の制御ワイヤによって半径方向に拡張されるように構成されている、請求項1に記載の管腔内装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの凝塊アンカーセグメントは、自己拡張可能なように構成され、前記少なくとも1つの拡張可能なメッシュセグメントは、前記少なくとも1つの拡張可能なメッシュセグメントの遠位端部に接続されている制御ワイヤによって半径方向に拡張されるように構成されている、請求項1に記載の管腔内装置。
【請求項4】
前記管腔内装置は、第1の制御ワイヤ及び第2の制御ワイヤを更に備え、前記第1の制御ワイヤは、前記少なくとも1つの拡張可能なメッシュセグメントの拡張を制御するように構成され、前記第2の制御ワイヤは、前記少なくとも1つの凝塊アンカーセグメントの拡張を制御するように構成されている、請求項1に記載の管腔内装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの拡張可能なメッシュセグメント
の前記複数の環状のワイヤのセットの間
の前記開口は、前記細長い構造体の前記第1の領域、前記第2の領域、及び前記第4の領域の前記複数のワイヤの間に形成された開口より大きく、
前記少なくとも1つの拡張可能なメッシュセグメントは、前記障害物を貫通するために前記障害物を通過し、前記障害物内で拡張するように構成されている、請求項1に記載の管腔内装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの凝塊アンカーセグメントは、前記障害物の下流に位置する前記プラットフォームに半径方向に拡張されるように構成され、前記障害物を捕らえ、前記障害物を上流方向に押圧するように構成されている、請求項2に記載の管腔内装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの凝塊アンカーセグメントは、2つの調節可能な凝塊アンカーセグメントを含む、請求項1に記載の管腔内装置。
【請求項8】
前記2つの調節可能な凝塊アンカーセグメントは、前記2つの調節可能な凝塊アンカーセグメントのうちの最も遠位の凝塊アンカーセグメントの遠位端部に接続されている単一の制御ワイヤによって半径方向に拡張されるように構成されている、請求項7に記載の管腔内装置。
【請求項9】
前記2つの調節可能な凝塊アンカーセグメントは、別々の制御ワイヤによって半径方向に拡張されるように構成されている、請求項7に記載の管腔内装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの拡張可能なメッシュセグメントは、2つの調節可能なメッシュセグメントを含み、前記2つの調節可能なメッシュセグメントは、前記2つの調節可能なメッシュセグメントより小さい外径を有するように構成されている前記細長い構造体の前記第3の領域の一部によって分離されている、請求項1に記載の管腔内装置。
【請求項11】
前記2つの調節可能なメッシュセグメントは、前記体腔内の少なくとも1つの障害物を通過し、前記少なくとも1つの障害物内で拡張するように構成され、
前記複数のワイヤは、前記2つの調
節可能なメッシュセグメントが、前記2つの調
節可能なメッシュセグメントが前記少なくとも1つの障害物内で拡張する場合に、異なる大きさの半径方向の外方の力を及ぼすように構成されるように、前記2つの調
節可能なメッシュセグメント内で異なるワイヤ編組パターンを有する、請求項10に記載の管腔内装置。
【請求項12】
前記プラットフォームは、前記少なくとも1つの凝塊アンカーセグメントが半径方向に拡張される場合に、前記体腔の血管壁に接触するように構成されている、請求項2に記載の管腔内装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2016年12月18日に出願された米国仮出願第62/435,796号の優先権の利益を主張するものであって、その開示内容全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、人間の血管から障害物を回収するように構成された血管内及び/又は管腔内医療装置に関する。回収されるべき障害物には、凝塊及び凝塊物質が含まれることができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
開示された実施形態は、複数のワイヤから形成された細長い構造体を含む管腔内装置を含んでもよい。管腔内装置は、細長い構造体の中間領域において長手方向に位置する複数の環状をしたワイヤのセットを含んでもよい。複数のセットは、構造体の周りに円周方向に離間され、互いに協働して複数の凝塊入口開口を形成するように構成されてもよい。少なくとも1つの織られたワイヤの群は、中間領域に隣接して長手方向に位置してもよく、開放力が細長い構造体に及ぼされたときに、少なくとも1つの群が複数の環状をしたワイヤのセットの間に開いた第1の隙間を保持するために構造的支持を提供してもよいように構成されてもよい。開放力に応答して、少なくとも1つの織られたワイヤの群におけるワイヤの間に第2の隙間が形成されてもよく、環状をしたワイヤのセットにおける第1の隙間は、少なくとも1つの群の各々におけるワイヤの間の第2の隙間より大きくてもよい。
【0004】
別の実施形態においては、管腔内装置の少なくとも1つの群は、少なくとも2つの織られたワイヤの群を含んでもよく、各群は、複数の環状をしたワイヤのセットを包含する中間領域の対向する側において互いから長手方向に離間されていてもよい。少なくとも2つの織られたワイヤの群は、開放力がワイヤ構造体に及ぼされたときに、少なくとも2つの群が複数の環状をしたワイヤのセットの間に開いた第1の隙間を保持するために構造的支持を提供するように互いに協働してもよい。開放力に応答して、少なくとも2つの群の各々におけるワイヤの間に第2の隙間が形成されてもよく、環状をしたワイヤのセットにおける第1の隙間は、少なくとも2つの群の各々におけるワイヤの間の第2の隙間より大きくてもよい。
【0005】
別の実施形態においては、管腔内装置の細長い構造体は、少なくとも8本のワイヤから形成されてもよく、複数の環状をしたワイヤのセットの各々は、少なくとも1つの織られたワイヤの群と同じ少なくとも8本のワイヤから形成されてもよい。
【0006】
別の実施形態においては、管腔内装置の細長い構造体は、中間領域において環状をしたワイヤの6つのセットを画定してもよい12本のワイヤから形成されてもよい。隣接する領域において、12本のワイヤは、少なくとも1つの織られたワイヤの群を集合的に形成してもよい。別の例示的な実施形態においては、12本のワイヤの各々は、約80ミクロンの直径を有してもよい。別の例示的な実施形態においては、管腔内装置の各ワイヤは、約75ミクロンの直径を有してもよい。別の例として、管腔内装置の各ワイヤは、60~85ミクロンの間の直径を有してもよい。更に他の実施形態においては、ワイヤは60ミクロンより小さくてもよく、85ミクロンより大きくてもよい。更なる例においては、単一の管腔内装置は、様々な直径のワイヤを有してもよい。
【0007】
別の実施形態においては、管腔内装置は、複数のワイヤから形成された細長い構造体を含んでもよい。管腔内装置は、複数のワイヤがシャフトを形成するように捩られてもよい第1の領域と、複数のワイヤが足場を形成するように織られてもよい、第1の領域に隣接する第2の領域とを含んでもよい。管腔内装置はまた、複数のワイヤが凝塊捕捉構造体を形成するように環状をした対のセットに分離されてもよい、第2の領域に隣接する第3の領域を含んでもよい。管腔内装置はまた、複数のワイヤが凝塊を捕まえるように構成された高密度フィルタを形成するように編組されてもよい第4の領域を含んでもよい。
【0008】
別の実施形態においては、管腔内装置の細長い構造体は、治療部位への送達のための折畳位置と、細長い構造体に及ぼされる開放力に応答する拡張位置との間を移行するように構成されてもよい。
【0009】
別の実施形態においては、管腔内装置の細長い構造体は、例えば、開放力が与えられたときに、第1の隙間が第2の領域におけるワイヤの間に形成されてもよく、第2の隙間が第3の領域におけるワイヤの間に形成されて、第2の隙間が第1の隙間より大きくてもよいように構成されてもよい。
【0010】
別の実施形態においては、管腔内装置の細長い構造体は、例えば、開放力が与えられたときに、第3の隙間が第4の領域におけるワイヤの間に形成されて、例えば、第3の隙間が第1の隙間と第2の隙間との両方より小さいように構成されてもよい。
【0011】
別の実施形態においては、管腔内装置は、第4の領域に隣接する第5の領域を含んでもよく、第5の領域における複数のワイヤは、追加のシャフトを形成するように捩られてもよい。別の実施形態においては、管腔内装置は、12本のワイヤを含んでもよく、各ワイヤは約80ミクロンの直径を有してもよい。一実施形態においては、例えば、管腔内装置の各ワイヤは、約75ミクロンの直径を有してもよい。別の例として、管腔内装置の各ワイヤは、60~85ミクロンの間の直径を有してもよい。
【0012】
別の実施形態においては、管腔内装置の細長い構造体は、第1の領域の軸線方向の移動を介して開放力が与えられてもよいように構成されてもよい。更に別の実施形態においては、管腔内装置は、第3の領域と第4の領域との間に足場の追加の第2の領域を含んでもよい。
【0013】
別の実施形態においては、管腔内装置は、複数のワイヤから形成された細長い構造体を含んでもよく、装置はまた、各々が複数のワイヤのサブセットから形成された複数のケーブルを含んでもよい。ケーブルの対は、複数の交差位置において互いに交差してもよく、複数の交差位置において、交差ケーブルの各対からのワイヤは、解かれ、対の交差ケーブルからのワイヤと共に織られてもよい。更に、交差ケーブルのワイヤは、開放力が細長い構造体に与えられたときに、共に織られたワイヤが互いに対して移動することを可能にするように、交差位置において共に織られてもよい。また、細長い構造体に及ぼされる開放力に応答して、交差位置において、交差ケーブルの対は、細長い構造体が治療部位への送達のための折畳位置と、拡張された凝塊捕捉位置との間を移行する際に、互いに対して旋回するように構成されてもよい。
【0014】
別の実施形態においては、管腔内装置の細長い構造体は、複数のワイヤから形成された細長い構造体を含み、管腔内装置は、複数のワイヤがシャフトを形成するように捩られている、第1の領域を含んでもよい。管腔内装置はまた、複数のワイヤが足場を形成するように織られている、第1の領域に隣接する第2の領域を含んでもよい。管腔内装置はまた、複数のワイヤが少なくとも1つの拡張可能な凝塊係合メッシュセグメントを形成するように環状をした対のセットに分離されている、第3の領域を含んでもよい。管腔内装置はまた、少なくとも1つの凝塊アンカーセグメントを含む第4の領域を含んでもよい。
【0015】
少なくとも幾つかの実施形態においては、管腔内装置の少なくとも1つの凝塊アンカーセグメントは、プラットフォームを形成するように調整可能であってもよく、少なくとも1つの凝塊アンカーセグメントの拡張は、少なくとも1つの拡張可能な凝塊係合メッシュセグメントと共に、単一の制御ワイヤによって制御される。
【0016】
少なくとも幾つかの実施形態においては、少なくとも1つの凝塊アンカーセグメントは、自己拡張してもよく、制御ワイヤが、少なくとも1つの拡張可能な凝塊係合メッシュセグメントの遠位端部に接続されてもよい。
【0017】
少なくとも幾つかの実施形態においては、装置は、第1の制御ワイヤ及び第2の制御ワイヤを有してもよく、第1の制御ワイヤは、少なくとも1つの拡張可能な凝塊係合メッシュセグメントの拡張を制御してもよく、且つ、第2の制御ワイヤは、少なくとも1つの凝塊アンカーセグメントの拡張を制御してもよい。
【0018】
少なくとも幾つかの実施形態においては、少なくとも1つの拡張可能な凝塊係合メッシュセグメントは、大きい孔を含んでもよく、凝塊を貫通し、含有するために半径方向の力を加えながら自己拡張され、又は制御可能に開くように調整されてもよい。
【0019】
少なくとも幾つかの実施形態においては、少なくとも1つの凝塊アンカーセグメントは、凝塊に係合し、それを上流に押圧するように構成されたプラットフォームを形成するように拡張されてもよい。
【0020】
少なくとも幾つかの実施形態においては、少なくとも1つの凝塊アンカーセグメントは、2つの調節可能な凝塊アンカーセグメントを含んでもよい。2つの調節可能な凝塊アンカーセグメントは、2つの調節可能な凝塊アンカーセグメントの遠位端部に接続されている単一の制御ワイヤによって拡張されてもよい。2つの調節可能な凝塊アンカーセグメントはまた、別々の制御ワイヤによって拡張されてもよい。
【0021】
少なくとも幾つかの実施形態においては、少なくとも1つの拡張可能な凝塊係合メッシュセグメントは、2つの拡張可能な凝塊係合メッシュセグメントを含む。
【0022】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する、添付の図面は、開示された実施形態を示し、本明細書と共に、開示された実施形態を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】開示された実施形態の少なくとも1つと一致する第1の例示的な管腔内装置の図である。
【
図2】開示された実施形態の少なくとも1つによる第2の例示的な管腔内装置の図である。
【
図3】開示された実施形態の少なくとも1つによる第3の例示的な管腔内装置の図である。
【
図4】開示された実施形態の少なくとも1つによる第4の例示的な管腔内装置の図である。
【
図5】開示された実施形態の少なくとも1つによる第5の例示的な管腔内装置の図である。
【
図6】開示された実施形態の少なくとも1つによる第6の例示的な管腔内装置の図である。
【
図7】開示された実施形態の少なくとも1つによる第7の例示的な管腔内装置の図である。
【
図8】
図7に関連して開示されるような例示的なケーブルの織り交ぜの図である。
【
図9A】開示された実施形態の少なくとも1つによる別の例示的な管腔内装置の図である。
【
図9B】
図9Aに示される例示的な管腔内装置の一部分の拡大図である。
【
図10A】開示された実施形態の少なくとも1つによる別の例示的な管腔内装置の図である。
【
図10B】
図10Aに示される例示的な管腔内装置の一部分の断面図である。 例示的な管腔内装置の編組構造体の図である。
【
図11】例示的な管腔内装置の編組構造体の図である。
【
図12】開示された実施形態の少なくとも1つによる例示的な管腔内装置の編組構造体の図である。
【
図13】捩れのない例示的な編組構造体の断面図、及び関連する負荷ビームの図である。
【
図14】捩れのある例示的な編組構造体の断面図、及び関連する負荷ビームの図である。
【
図15】開示された実施形態の少なくとも1つと一致する例示的な管腔内装置の図である。
【
図16】
図15に示される例示的な管腔内装置の一部分の拡大図である。
【
図17】拡張位置にある
図15に示される例示的な管腔内装置の一部分の拡大図である。
【
図18】開示された実施形態の少なくとも1つによる拡張位置にある例示的な管腔内装置の図である。
【
図19A】開示された実施形態の少なくとも1つと一致する幾つかの編組構造体を示す。
【
図19B】開示された実施形態の少なくとも1つと一致する幾つかの編組構造体を示す。
【
図19C】開示された実施形態の少なくとも1つと一致する幾つかの編組構造体を示す。
【
図20】開示された実施形態の少なくとも1つによる別の例示的な管腔内装置の図である。
【
図21A】開示された実施形態の少なくとも1つによる別の例示的な管腔内装置の図である。
【
図22A】開示された実施形態の少なくとも1つによる第1の例示的な位置にある別の例示的な管腔内装置の図である。
【
図22B】第2の例示的な位置にある
図22Aに示される例示的な管腔内装置の図である。
【
図22C】第3の例示的な位置にある
図22Aに示される例示的な管腔内装置の図である。
【
図23A】開示された実施形態の少なくとも1つによる別の例示的な管腔内装置の図である。
【
図24】開示された実施形態の少なくとも1つによる別の例示的な管腔内装置の図である。
【
図25】開示された実施形態の少なくとも1つによる別の例示的な管腔内装置の図である。
【
図26A】開示された実施形態の少なくとも1つによる別の例示的な管腔内装置の図である。
【
図27】開示された実施形態の少なくとも1つによる別の例示的な管腔内装置の図である。
【
図28】開示された実施形態の少なくとも1つによる別の例示的な管腔内装置の図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図面に示されている注釈は、例示的なものに過ぎず、主張される本発明を限定するものではない。
【0025】
ここで、本開示の実施形態(例示的な実施形態)を詳細に参照し、その例が添付の図面に示される。可能な限り、同じ参照番号が図面全体に亘って使用されて、同じ又は同様の部分を参照する。
【0026】
図1は、5つの交互のワイヤ区域1001、1002、1003、1004、及び1005を含む例示的な管腔内装置1000を示す。区域1001、1003、及び1005は、織られたワイヤ1010の群を含み、区域1002及び1004のための構造的支持を提供してもよい。更に、区域1及び5のワイヤ1010の間の開口は、非常に小さくてもよいので、遠位及び近位フィルタを提供してもよい。(可変サイズの開口の例は、
図10A及び
図10Bに図示されており、以下で説明される)。結果として、回収中に現れてもよい凝塊粒子は、例えば、これらの区域において捕捉されてもよい。
図1に更に示されるように、区域1002及び1004は、環状をしたワイヤ1020から構成されて、大きい凝塊捕捉領域を可能にしてもよい。また、
図1に示されるように、区域1001、1003、及び1005は、織られたワイヤ1010によって構成されてもよい。示された区域の数は例示的なものである。より多くの区域又はより少ない区域が提供されてもよい。
【0027】
図2は、
図1より開いた位置にある管腔内装置2000を示し、環状をしたワイヤ1020から作られてもよい凝塊入口セル2020を強調する。
図2に更に示されるように、区域1002及び1004は、大きい凝塊捕捉領域を可能にする環状をしたワイヤ1020から構成されてもよい。
【0028】
図3は、更に別の例示的な管腔内装置3000を示す。この例においては、
図3に示されるように、装置3000は、2つの異なる区域のみを含むように構成されてもよい。区域3001は、装置3000のための構造的支持を提供する、例えば高密度に編組されるような、織られたワイヤ3010の群から構成されてもよい。更に、区域3001はまた、遠位脈管系からの塞栓を防止する遠位フィルタとしての役割を果たしてもよい。また
図3に示されるように、区域3002は、長手方向に位置し、凝塊入口区域3020を提供する環状をしたワイヤから構成されてもよい。更に、区域3001は、例えば、構造的支持を与えてもよく、また遠位フィルタとしての役割を果たしてもよい。更に
図3に示されるように、区域3002は、凝塊入口区域であってもよい。
【0029】
図4は、4つの領域を有する更に別の例示的な管腔内装置4000を示す。第1の領域4001においては、ワイヤは、シャフト4015を形成するように捩られてもよいし、巻かれてもよい。第2の領域4002においては、ワイヤは、第3の領域4003の開口を支持する足場4017を形成するように織られてもよい。第3の領域4003においては、ワイヤは、環状をした対に設定されるように織られて、凝塊捕捉構造体4020を形成してもよい。例えば、第3の領域4003のワイヤは、緩やかに環状をしていてもよく、緩やかに結合していてもよい。更に、第4の領域4004は、織られて遠位塞栓又は凝塊粒子を捕捉する遠位フィルタ4030を形成してもよい。第4の領域4004はまた、第3の領域4003のための足場としての役割を果たしてもよい。
【0030】
図5は、更に別の例示的な管腔内装置5000を示す。例えば、
図5に示されるように、凝塊開口領域5001は、共に環状をした3本のワイヤから織られてもよい。更に、共に環状をしたワイヤの数は、2本より大きくてもよい。
【0031】
図6は、更に別の例示的な管腔内装置6000を示す。例えば、
図6に示されるように、凝塊開口領域6001は、共に緩やかに環状をした3本のワイヤから織られてもよい。更に、共に環状をしたワイヤの数は、2本より大きくてもよい。
【0032】
図7は、更に別の例示的な管腔内装置7000を示す。例えば、
図7に示されるように、装置7000は、6本のケーブル7025を含んでもよく、各ケーブル7025は、対のワイヤを含んでもよい。これは、強くて可撓性の交差を作り出してもよい。そして、これは更に、例えば、装置7000が高い半径方向の力を有する可撓性の構造体を達成することを可能にしてもよい。
【0033】
図8は、以上で説明されたように、ケーブルの織り交ぜ8000の例を示す。各ケーブル7025は、例えば、交差ケーブルからの一対のワイヤ8027で織られた環状をした一対のワイヤ8027から作られてもよい。結果として、例えば、半可撓性で強い交差点が達成されてもよい。
【0034】
図9A及び
図9Bは、更に別の例示的な管腔内装置を示す。
図9Aに示されるように、ケーブルは、例えば、解かれ、次に交差ケーブルからのワイヤと共に織られた3本のワイヤから作られてもよい。
図9Bはまた、(ワイヤ9024及び9025を含む)ケーブルが解かれ、共に織り戻されるケーブル交差点9006を示す。
図12及び
図19に関連して以下で説明されるように、
図9Aの編組構造体は、各接合フレームの前後に捩れを有する12ワイヤ編組構造体を含んでもよい。
【0035】
図1に関連して以上で説明されたように、
図10Aは、可変サイズの開口を有する装置10000を示す。領域10001は、中間位置10002に隣接する織られたワイヤ10010の群を含み、中間位置10002のための構造的支持を提供してもよい。具体的には、領域10001における織られたワイヤ10010の群は、第1の隙間10028の開口を保持する支持を提供することができる。第1の隙間10028は、領域10001に存在する第2の隙間10018より大きい。
図10Bに示される断面は、中間位置10002においてケーブル10025が円周方向にどのように変位しているかを示す。ケーブル10025は、概して中央領域の周りに円周方向に変位している。加えて、第1の隙間10028は、中間位置10002における凝塊入口のための比較的大きい開口を提供してもよい。
【0036】
本開示と一致する実施形態によれば、例示的な管腔内装置は、例えば、その装置の性能の向上に標準的な編組構造体を組み込んだ装置と比較して役立ってもよい2つの編組機構、構成、又は構造体を含んでもよい。
【0037】
例えば、
図12に示されるように、本開示と一致する管腔内装置の少なくとも幾つかの実施形態によれば、編組構造体12000は、各接合フレーム12050の前後にワイヤの捩れを含んでもよい。編組構造体12000は、2ワイヤ対(2本のワイヤ12030及び12040)の3本のストランドで編組された2ワイヤ対(2本のワイヤ12015及び12025)の3本のストランドを含む。
図12は、合計9つの接合フレームを示す。メッシュ構造体内の接合位置は、さもければ管腔内装置のメッシュ構造体の周囲において均一に分離されるように働いてもよい捩れを横切るワイヤの滑りを防止することに役立ってもよい。
図11に示されるように、編組構造体11000は、ワイヤ11040が(例えば)平行なワイヤ11030に達するまで滑り(矢印11005によって示される)を可能にしてもよいが、
図12に示される編組構造体12000に示されるような捩れが、管腔内装置が拡張された場合に、捩れを横切る実質的な滑りを防止し、強固な構造体を可能にすることに役立つように作用してもよい。
【0038】
本開示と一致する管腔内装置の少なくとも幾つかの実施形態によれば、
図13及び
図14に示されるように、捩れ構造体を含む編組構造体は、ワイヤを把持し、メッシュに加えられた外力を追加の要素に分配する拘束システムとして動作することによってメッシュ構造体に強度を追加してもよい。
図13は、
図11の編組構造体11000の断面11010を示し、
図14は、
図12の編組構造体12000の断面12010を示す。
図14の断面12010の点線は、ワイヤ12015及び12025における捩れを示し、またワイヤ12030及び12040における捩れを示す。編組構造体における力分配機構は、例えば、様々な数の支持体を有する負荷ビームの力分配に類似している。これはまた、負荷ビームの
図13000(編組構造体11000に関連する)及び負荷ビームの
図14000(編組構造体12000に関連する)と共に
図13及び
図14に示される。
図13及び
図14に示されるように、3つの支持体14010を有する負荷ビーム13020は、例えば、3つの支持体14010間の距離がより小さいので、2つの支持体13010を有する負荷ビーム13020より効果的に反応して力を分配する。
【0039】
本開示と一致する少なくとも幾つかの実施形態によれば、例示的な管腔内装置は、0.033cm(0.013インチ)と0.069cm(0.027インチ)との間の内径を有するマイクロカテーテルを通して送達されてもよい。幾つかの実施形態においては、マイクロカテーテルは、0.043cm(0.017インチ)の内径を有してもよい。結果として、例示的な管腔内装置は、マイクロカテーテルの内径より小さい(収縮又は圧縮状態において)薄型であってもよい。本開示と一致する管腔内装置の少なくとも幾つかの実施形態によれば、装置は、例えば、以下の5つの部分を有してもよい。
a)制御ハンドル
b)堅い近位シャフト(例えば、ステンレス鋼ハイポチューブ)
c)可撓性シャフト(例えば、ワイヤのケーブルから作られる)
d)ケーブルの同じワイヤから作られる拡張可能メッシュ
e)メッシュの遠位先端に接続されてもよく、シャフトを通ってハンドルに延びるコアワイヤ/制御ワイヤ
【0040】
例えば、
図19Aにおける8ワイヤ列に示されるように、管腔内装置は、8本のワイヤ(各ワイヤは直径70μmを有する)を有する可撓性シャフトと、8本のワイヤ(各ワイヤは直径70μmを有する)を含むメッシュとを含んでもよい。8本のワイヤは、例えば、各々が2本のワイヤを含む、共に編組されたワイヤの4本のストランドを作り出すことによって、例えば形成されてもよい。
図19Aに示され、以上で説明されたように、管腔内装置の編組構造体は、滑りを防止することに役立つために各接合フレームの前後にワイヤの捩れを含んでもよい。(
図8に関連して説明された)ケーブルの織り交ぜ8000の詳細図がまた
図19Aに示される。ケーブルの織り交ぜ8000は、管腔内装置の編組構造体における接合部を詳細に示す。ワイヤは、例えば、ニチノールから作られてもよい。
図19Aはまた、接合フレームの前後に捩れのない管腔内装置の編組構造体を示す。
【0041】
別の例示的な実施形態においては、
図19Aにおける12ワイヤ列に示されるように、管腔内装置は、12本のワイヤを有する可撓性シャフトと、12本のワイヤを含むメッシュとを含んでもよい。
図19Cは、
図19Aにおける12ワイヤ列の詳細図を示す。12本のワイヤは、例えば、各々が2本のワイヤを含む3本のストランドで(一方、他の3本のストランドは2本のワイヤをそれぞれ含んでもよい)、共に編組されたワイヤの6本のストランドを作り出すことによって、例えば形成されてもよい。
図19Cに示され、以上で説明されたように(例えば、ケーブルの織り交ぜ8000を示す
図8、編組構造体12000を示す
図12に関連して)、この実施形態のための編組構造体12000は、滑りを防止することに役立つために各接合フレームの前後にワイヤの捩れを含んでもよい。
図19Cはまた、接合フレームの前後に捩れのない編組構造体11000を示す。12本のワイヤを有する例示的な管腔内装置は、
図9の装置9000を含む。
【0042】
本開示と一致する別の実施形態によれば、
図19における10ワイヤ列に示されるように、例示的な管腔内装置の可撓性シャフトは、10本のワイヤを有する可撓性シャフトと、10本のワイヤを含むメッシュとを含んでもよい。
図19Bは、
図19Aにおける10ワイヤ列の詳細図を示す。10本のワイヤは、例えば、各々が3本のワイヤを含む2本のストランドで(一方、他の2本のストランドは2本のワイヤをそれぞれ含んでもよい)、共に編組されたワイヤの4本のストランドを作り出すことによって、例えば形成されてもよい。10本のワイヤを有する例示的な編組構造が
図19Bに示される。編組構造体19500は、各接合フレームの前後にワイヤの捩れを含んでもよい。編組構造体19500は、2ワイヤストランド(ワイヤ12030及び12040)並びに3ワイヤストランド(12030、12040、19040)で編組された2ワイヤストランド(ワイヤ12015及び12025)並びに3ワイヤストランド(ワイヤ12015、12025、及び19025)を含む。滑り矢印19505がまた示される。捩れのない編組構造体19400がまた示される。編組構造体19400は、2ワイヤストランド(ワイヤ11030及び11040)並びに3ワイヤストランド(11030、11040、及び19030で編組された2ワイヤストランド(ワイヤ11015及び11025)並びに3ワイヤストランド(ワイヤ11015、11025、及び19015)を含む。滑り矢印19005がまた示される。ワイヤの各ストランドにおいて、ワイヤは、例えば、安定したストランドを作り出すために織り込まれてもよい。ワイヤは、例えば、ニチノールから作られてもよく、この構成は、例えば、(これは別の製造ステップを伴ってもよいが)ケーブルとメッシュとの間の移行部において2本のワイヤを切断することによって達成されてもよい。本開示による例示的な管腔内デバイス15000の概観図を表す
図15に示されるように、ストランドは、大きな開口(セル)を作り出すために互いに交差してもよい。交点において、例えば、ストランドは、緩い結合接合部を作り出すように互いに織り込まれてもよい。接合部の前後において、例えば、ストランドのワイヤは織り込まれてもよい。
【0043】
図16に示されるように、2本のワイヤ(すなわちワイヤ16020)のストランドは、3本のワイヤ(すなわちワイヤ16010)のストランドと交差してもよい。接合部の前後の織り込まれたワイヤ及び接合部内でのワイヤの織り込みが、滑りを防止し、大きいセルを作り出すことに役立ち、最終的には、チューブ内で高い半径方向の力で拡張された場合に装置の折畳に抵抗することに役立つ、緩やかに結合されるが安定した接合部及び断面を作り出してもよい。そして、
図17及び
図18に示されるように(
図17は拡張構成における
図16の領域16015の詳細であって、
図18は拡張構成における
図15の詳細である)、メッシュが拡張される場合には、接合構造体は、メッシュが拡張された場合であってもワイヤを全体として保持する。結果として、メッシュサイズは変わらない。
【0044】
図19A~
図19Cは、8ワイヤ、10ワイヤ、及び12ワイヤの接合部及び構成を示す。更に、以上で説明されたように、装置15000及び18000、並びに
図16及び
図17の詳細図は、
図19A及び
図19Cの12ワイヤ接合部を使用してもよい。勿論、これらは単なる例であって、より多く、又はより少ないワイヤを有するワイヤ接合部及び構成が使用されてもよく、ワイヤの数に関わらず、異なる編組配置が使用されてもよい。
【0045】
図20に示されるように、本開示による管腔内装置20000の少なくとも幾つかの代替の実施形態によれば、装置20000は、例えば、以下の5つの部分を有してもよい。
a)制御ハンドル20100
b)ステンレス鋼ハイポチューブのような、堅い近位シャフト20200
c)可撓性シャフト20300(例えば、ワイヤのケーブルから作られる)
d)可撓性シャフト20300のケーブルの同じワイヤから作られる拡張可能な凝塊係合メッシュ及び/又は凝塊アンカープラットフォームのような、凝塊係合構成要素20400
e)凝塊係合構成要素20400のメッシュの遠位先端に接続されてもよく、シャフト20200、20300を通ってハンドル20100に延びるコアワイヤ又は制御ワイヤ(
図20には示されない)
【0046】
図21A及び
図21B並びに
図22A~
図22Cに示されるように、本開示による管腔内装置20000の少なくとも幾つかの実施形態によれば、管腔内装置20000の凝塊係合構成要素20400は、硬質の凝塊21800に係合するように構成される、凝塊係合メッシュ21400の遠位側の凝塊アンカーセグメント21600を含んでもよい。凝塊アンカーセグメント21600は、手動で調整可能及び/又は自己拡張可能であってもよい。幾つかの実施形態においては、凝塊アンカーセグメント21600は、カテーテル21700から解放された場合に半径方向に外方に拡張するように構成されるために熱処理されてもよい。凝塊アンカーセグメント21600が手動で調節可能である様々な実施形態によれば、その拡張は少なくとも部分的に制御ワイヤによって制御されてもよい。幾つかの実施形態においては、制御ワイヤ21550の遠位端部は、その遠位部分のような凝塊アンカーセグメント21600の一部分に接続されてもよい。幾つかの実施形態においては、近位凝塊係合メッシュ21400及び凝塊アンカーセグメント21600は、一体構造であってもよく、又は制御ワイヤ21550によって凝塊アンカーセグメント21600に及ぼされる力(例えば、牽引力)が凝塊係合メッシュ21400に伝達されて、凝塊アンカーセグメント21600及び近位凝塊係合メッシュ21400を同時に調整してもよいように、共に接続されてもよい。凝塊アンカーセグメント21600が自己拡張する様々な実施形態によれば、制御ワイヤ21500は、その遠位端部のような近位凝塊係合メッシュ21400の一部分に接続されてもよい。
【0047】
代替の実施形態によれば、管腔内装置は、シャフト20200、20300を通って延び、ハンドル20100に接続されてもよい2本以上の制御ワイヤを有してもよい。第1の制御ワイヤ21500は、その遠位端部のような近位凝塊係合メッシュ21400に接続されてもよく、近位凝塊係合メッシュ21400の拡張を制御するように作動されてもよい。第2の制御ワイヤ21550は、その遠位端部のような凝塊アンカーセグメント21600の一部分に接続されてもよく、凝塊アンカーセグメント21600の拡張を制御するように作動させてもよい。
【0048】
本開示の少なくとも幾つかの実施形態によれば、近位凝塊係合メッシュ21400の外径は、それらがそれぞれの収縮状態にある場合に、凝塊アンカーセグメント21600の外径に等しくてもよく、又はそれより大きくてもよい。例えば、
図22Aは、近位凝塊係合メッシュ21400と凝塊アンカーセグメント21600との両方が収縮される実施形態を示す。更に又は或いは、近位凝塊係合メッシュ21400の外径は、それらがそれぞれの完全な拡張状態にある場合に、凝塊アンカーセグメント21600の外径に等しくてもよく、又はそれより大きくてもよい。例えば、
図22Cは、近位凝塊係合メッシュ21400と凝塊アンカーセグメント21600との両方が完全に拡張された実施形態を示す。以上で説明されたように、近位凝塊係合メッシュ21400は、凝塊アンカーセグメント21600に依存することなく拡張するように構成されてもよく、その逆に構成されてもよい。例えば、
図22Bは、凝塊アンカーセグメント21600が収縮状態にある一方、近位凝塊係合メッシュ21400が拡張された実施形態を示す。近位凝塊係合メッシュ21400は、凝塊アンカーセグメント21600の孔を含む管腔内装置における他の開口より大きい少なくとも1つの孔21405を含んでもよい。少なくとも1つの孔21405は、近位凝塊係合メッシュ21400内の凝塊の捕捉を可能にする、凝塊捕捉領域を形成してもよい。様々な実施形態においては、近位凝塊係合メッシュ21400は、自己拡張機構を介して、又は少なくとも1本の制御ケーブルの作動によって、凝塊を少なくとも部分的に貫通し、凝塊内で拡張するように構成されてもよい。近位凝塊係合メッシュ21400は、凝塊に半径方向の外方の力を及ぼして、凝塊の破砕及び/又は捕捉を達成してもよい。
【0049】
様々の実施形態によれば、管腔内装置20000の遠位端部は、凝塊を貫通するように構成されてもよい。
図21A及び
図21Bに示されるように、凝塊アンカーセグメント21600が凝塊21800の遠位端部を通過し、凝塊21800の遠位側の血管の一部分内に位置決めされるまで、近位凝塊係合メッシュ21400及び凝塊アンカーセグメント21600は、凝塊21800を通して押圧されてもよい。近位凝塊係合メッシュ21400及び凝塊アンカーセグメント21600は、それらがハンドル20100の操作等によって凝塊21800を貫通及び通過してもよいように、それらが収縮状態にある場合に小さいそれぞれの外径を達成するように構成されてもよい。近位凝塊係合メッシュ21400は、凝塊21800を捕捉するために拡張されてもよい。しかし、凝塊21800が近位凝塊係合メッシュ21400の拡張のためには剛性が高すぎる実施形態によれば、凝塊アンカーセグメント21600は、凝塊の遠位側に位置決めされるので拡張され得る。幾つかの実施形態によれば、凝塊アンカーセグメント21600が血管壁に接触しないように、拡張された凝塊アンカーセグメント21600の外径は血管の内径より小さくてもよい。或いは、凝塊アンカーセグメント21600は、それが血管壁に接触しその形状に適合するまで拡張するように構成されてもよい。凝塊アンカーセグメント21600の拡張は、凝塊21800を捕らえ、それが凝塊アンカーセグメント21600の遠位側に進むことを防止してもよいプラットフォームを形成してもよい。管腔内装置20000が近位方向に牽引されると、凝塊アンカーセグメント21600は、凝塊21800に係合してそれを上流に押圧してもよい。凝塊21800と血管との間の如何なる接着も、結果として生じる剪断力によって断ち切られ得る。幾つの実施形態においては、凝塊21800内の近位凝塊係合メッシュ21400の部分的な拡張は、凝塊21800を近位凝塊係合メッシュ21400に少なくとも部分的に固定してもよい。凝塊が凝塊アンカーセグメント21600によって近位方向に押圧され、血管壁から外れると、凝塊21800は、案内カテーテル21700の中に回収されてもよい。幾つかの実施形態においては、凝塊21800がカテーテル21700内に捕捉されるまで、近位凝塊係合メッシュ21400及び凝塊アンカーセグメント21600のうちの少なくとも1つは拡張状態にあってもよい。
【0050】
図23A、
図23B、
図24、及び
図25に示されるように、本開示による管腔内装置20000の少なくとも幾つかの代替の実施形態によれば、管腔内装置20000は、少なくとも1つの凝塊アンカーセグメントと、その遠位端部における拡張可能な凝塊係合メッシュセグメント23400とを含んでもよい。
図23A、
図23B、
図24、及び
図25に示される実施形態は、3つの凝塊アンカーセグメント23600、23602、23604を含む。しかし、管腔内装置20000は、様々な実施形態に従って、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又はそれ以上のアンカーセグメントを含んでもよい。凝塊係合メッシュセグメント23400は、以上で説明された機構に従って、例えば制御ワイヤ23550の作動によって、手動で拡張可能であってもよく、及び/又は自己拡張してもよく、硬質の凝塊に係合するように構成されてもよい。幾つかの実施形態によれば、凝塊アンカーセグメント23600~23604は、最も遠位のセグメント23604のような、これらのセグメントの最も遠位端部に接続された単一の制御ワイヤ23500によって拡張されてもよい。或いは、各凝塊アンカーセグメント23600、23602、23604は、そのそれぞれの凝塊アンカーセグメントの遠位端部に接続されてもよいそれぞれの制御ワイヤによって制御されてもよい。凝塊アンカーセグメント23600~23604のそれぞれの外径は、収縮状態に場合には実質的に等しくてもよい。収縮状態にある場合に、凝塊係合メッシュセグメント23400の外径は、収縮状態にある場合の凝塊アンカーセグメント23600~23604のうちの少なくとも1つの外径と等しくてもよく、又はそれより大きくてもよい。
【0051】
図23Bに示されるように、凝塊アンカーセグメント23600~23604は、高い半径方向の力で拡張され、それによって、各々は、凝塊の通過を実質的に防止するように構成されたプラットフォームを形成してもよい。幾つかの実施形態によれば、拡張された凝塊アンカーセグメント23600~23604の外径は、凝塊アンカーセグメント23600~23604が血管壁に接触しないように、実質的に血管の内径以下であってもよい。代替の実施形態によれば、凝塊アンカーセグメント23600~23604は、各々が血管壁に接触し、その形状に適合するまで拡張するように構成されてもよい。その上更なる実施形態においては、凝塊アンカーセグメント23600~23604は、完全に拡張された場合に外径を変えるように構成されてもよい。幾つかの実施形態においては、最も近位のセグメント23600が、最大の拡張外径を有してもよく、最も遠位のセグメント23604が、最小の拡張外径を有してもよい。他の実施形態においては、最も近位のセグメント23600が、最小の拡張外径を有してもよく、最も遠位のセグメント23604が、最大の拡張外径を有してもよい。その上更なる実施形態においては、セグメント23600~23604のうちの1つ又は2つが、血管壁に接触しない拡張外径を有してもよく、一方、残りのセグメントは、それらが血管壁に接触しそれと適合するまで拡張するように構成される。凝塊係合メッシュセグメント23400は、凝塊アンカーセグメント23600~23604の拡張外径に等しく又はそれより大きい拡張外径を有するように構成されてもよい。凝塊係合メッシュセグメント23400は、凝塊アンカーセグメント23600~23604に依存することなく自己拡張するように構成されてもよい。例えば、
図24は、凝塊アンカーセグメント23600~23604が収縮され、凝塊係合メッシュセグメント23400が拡張される実施形態を示す。一方、
図25は、凝塊アンカーセグメント23600~23604及び凝塊係合メッシュセグメント23400が全て拡張される実施形態を示す。
【0052】
拡張された場合に、凝塊アンカーセグメント23600~23604はそれぞれ、凝塊アンカーセグメント間の任意の隣接セクションより大きい外径を有するプラットフォームを形成してもよい。例えば、凝塊アンカーセグメントと隣接セクションとの間の移行部は、凝塊の一部分に対して着座させることが可能な棚部又は座部を形成するように急勾配であってもよい。凝塊は、隣接するプラットフォーム間に捕らえられ、そして装置が近位方向に回収されると押圧(又は牽引)されてもよい。
図23A及び
図23Bに示されるように、凝塊係合メッシュセグメント23400(遠位自己拡張フィルタとして機能することができる)は、完全なパスを確保するために引き離された任意の凝塊断片を捕まえるように構成されてもよい。
【0053】
幾つかの実施形態によれば、管腔内装置は、血栓の近くで血管の中に送達されてもよい。凝塊アンカーセグメント23600~23604及び凝塊係合メッシュセグメント23400は、送達中にそれらの収縮状態にあってもよい。管腔内装置は、凝塊係合メッシュセグメント23400が凝塊位置の遠位側に位置決めされ、凝塊が凝塊アンカーセグメント23600~23604のうちの少なくとも1つの遠位側に位置決めされるように位置決めされてもよい。幾つかの実施形態においては、凝塊は、最も近位の凝塊アンカーセグメント23600の近位側に位置決めされてもよい。更に又は或いは、凝塊は、2つの連続する凝塊アンカーセグメントの間に位置決めされてもよい。凝塊係合メッシュセグメント23400は、凝塊アンカーセグメントの遠位側の任意の凝塊断片を捕まえるために、自己拡張されてもよく、又は手動で拡張されてもよい。凝塊係合メッシュセグメント23400の拡張前、拡張中、又は拡張後に、凝塊アンカーセグメント23600~23604は、同時に又は個別に拡張されてもよい。幾つかの実施形態においては、遠位凝塊アンカーセグメント23604が最初に拡張されてもよく、近位凝塊アンカーセグメント23600が最後に拡張されてもよい。或いは、幾つかの実施形態においては、近位凝塊アンカーセグメント23600が最初に拡張されてもよく、遠位凝塊アンカーセグメント23604が最後に拡張されてもよい。凝塊アンカーセグメント23600~23604の拡張は、凝塊を捕らえ得るプラットフォームを形成してもよい。管腔内装置は、凝塊アンカーセグメントに凝塊を近位方向に押圧させ、案内カテーテル21700の中に押圧させるように、近位方向に牽引されてもよい。幾つかの実施形態においては、凝塊アンカーセグメント23600~23604及び凝塊係合メッシュセグメント23400のうちの少なくとも1つは、凝塊が捕捉され血管から除去されるまで拡張状態にあってもよい。
【0054】
図26A及び
図26Bに示されるように、別の実施形態によれば、管腔内装置20000は、長い凝塊係合セグメント26400を含んでもよい。長い凝塊係合セグメント26400は、凝塊が混合された硬質の領域及び軟質の領域を有する場合に改善された凝塊係合を可能にするために、数個の順次調整可能な凝塊係合メッシュセグメント26402及び26404を含んでもよい。幾つかの実施形態においては、長い凝塊係合セグメント26400は、2つ、3つ、4つ、5つ、又はそれ以上の調節可能な凝塊係合メッシュセグメントを含んでもよい。凝塊係合メッシュセグメント26402、26404は、半径方向の力、ワイヤ配置、直径、孔サイズ、スパース、及び設計において異なってもよい。結果として、凝塊係合メッシュセグメント26402、26404は、拡張された場合に異なるサイズ及び/又は形状を取ってもよく、拡張された場合に様々な半径方向の外方の力を及ぼすように構成されてもよい。力の変動は、少なくとも部分的に、ワイヤ配列(例えば、編組パターン)、孔のサイズ、及びセグメント長に起因してもよい。一実施形態においては、凝塊係合メッシュセグメント26402、26404の第1のセグメントが、凝塊位置内で拡張されてもよい。セグメントが凝塊に係合するための充分な力を及ぼさない場合には、第1のセグメントは収縮され、装置は再度位置決めされてもよく、第2のより剛性の凝塊係合メッシュセグメントが、凝塊を貫通し捕捉するために拡張されてもよい。別の実施形態においては、第1の凝塊係合メッシュセグメントが、拡張し、凝塊に係合すための充分な外方の力を及ぼさない場合には、少なくとも1つの他の凝塊係合メッシュセグメントが、より軟質の領域において凝塊に係合するために拡張されてもよい。
【0055】
また
図26A及び
図26Bに示されるように、本開示による管腔内装置20000の少なくとも幾つかの実施形態によれば、少なくとも1つの遠位の調整可能な凝塊アンカー26600が、管腔内装置の遠位端部において配置されてもよい。凝塊アンカー26600は、装置の遠位端部においてプラットフォームを形成する、高い半径方向の力で拡張するように構成されてもよい。例えば、凝塊アンカー26600は、それが血管壁に接触しそれに適合するまで拡張するように構成されてもよい。管腔内装置が近位方向に牽引されると、凝塊係合メッシュセグメント26402、26404が凝塊又はその一部分を捕捉しなかった場合には、拡張された凝塊アンカー26600が、凝塊に係合し、それを近位方向に押圧してもよい。幾つかの実施形態においては、凝塊係合メッシュセグメント26402、26404及び調整可能な凝塊アンカー26600のうちの少なくとも1つは、凝塊が捕捉され血管から除去されるまで拡張状態にあってもよい。更に、制御ワイヤ26550が、最も遠位のアンカーセグメント26600に取り付けてもよく、及び/又は1本以上の制御ワイヤ(例えば、制御ワイヤ26500)が、1つ以上の凝塊係合メッシュセグメント26402及び26404の遠位部分に取り付けられてもよい。このような制御ワイヤは、全体を通して説明されるように、それらのそれぞれのセグメントを拡張及び収縮するように作動されてもよい。
【0056】
図27及び
図28に示されるように、別の実施形態によれば、管腔内装置20000は、幾つかの調節可能な凝塊アンカーセグメント27600~27608を含んでもよく、それらの各々は、プラットフォーム間における凝塊の閉じ込めを可能にするために、拡張された場合にそのそれぞれの構成を結果として生じるプラットフォームに変化するように構成されてもよい。管腔内装置は、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10つ、又はそれ以上の凝塊アンカーセグメントを含んでもよい。凝塊アンカーセグメント27600~27608は、例えば、半径方向の力、ワイヤ配置、直径、孔サイズ、スパース、及び設計において異なってもよい。幾つかの実施形態においては、各凝塊アンカーセグメント27600~27608は、セグメントが個別に拡張されてもよいようにそれぞれの制御ワイヤを含んでもよい。他の実施形態においては、単一又は複数の制御ワイヤが、最も遠位の凝塊アンカーセグメントに取り付けられてもよく、全ての凝塊アンカーセグメント27600~27608を同時に拡張するように作動されてもよい。一実施形態においては、凝塊を捕捉するために、凝塊アンカーセグメント27600~27608のうちの第1のセグメントが、凝塊位置の遠位側に拡張されてもよい。凝塊アンカーセグメントが凝塊又は少なくともその断片を捕捉しない場合には、第2の凝塊アンカーセグメントは、凝塊の残りの断片を捕捉するために、例えば第1の凝塊アンカーセグメントの遠位側に拡張されてもよい。幾つかの実施形態においては、第2の凝塊アンカーセグメントは、第1の凝塊アンカーセグメントより大きい拡張外径を有してもよく、及び/又は拡張された場合に第1の凝塊アンカーセグメントより大きい外方の力を及ぼしてもよい。例えば、第2の凝塊アンカーセグメントは、それが血管壁に接触し、その形状に適合するまで拡張するように構成されてもよい。有利には、これは、第1の凝塊アンカーセグメントによって捕捉されなかった任意の凝塊断片が第2の凝塊アンカーセグメントによって捕捉されることを可能にし得る。他の実施形態によれば、2つ以上の凝塊アンカーセグメント27600~27608が、同時に拡張され、この結果、凝塊及びその任意の断片を捕捉してもよい。装置が近位方向に牽引されると、凝塊アンカーセグメント27600~27608によって形成されたプラットフォームは、凝塊及びその任意の断片に係合し、それを近位方向に押圧してもよい。プラットフォームはまた、切り離された凝塊断片を捕まえるフィルタとして機能してもよい。幾つかの実施形態においては、凝塊アンカーセグメント27600~27608のうちの少なくとも1つは、凝塊が捕捉され、血管から除去されるまで拡張状態にあってもよい。
【0057】
加えて、例示的な実施形態が本明細書において説明されたが、その範囲は、本開示に基づく同等の要素、変更、省略、組合せ(例えば、様々な実施形態に亘る態様の組合せ)、適合、又は改変を有する任意の全ての実施形態を含む。特許請求の範囲における要素は、特許請求の範囲において使用される言語に基づいて広く解釈されるべきであって、本明細書において、又は実施例が非排他的であるとして解釈されるべきである本出願の手続の間に、説明される実施例に限定されるものではない。更に、開示された方法のステップは、ステップの並び替え又はステップの挿入若しくは削除によって含む、任意の方法で変更されることができる。従って、明細書及び実施例は、単なる例としてみなされ、真の範囲及び精神は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の全範囲によって示されることが意図される。