IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カワサキモータース株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-鞍乗車両 図1
  • 特許-鞍乗車両 図2
  • 特許-鞍乗車両 図3
  • 特許-鞍乗車両 図4
  • 特許-鞍乗車両 図5
  • 特許-鞍乗車両 図6
  • 特許-鞍乗車両 図7
  • 特許-鞍乗車両 図8
  • 特許-鞍乗車両 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-17
(45)【発行日】2023-10-25
(54)【発明の名称】鞍乗車両
(51)【国際特許分類】
   B62K 25/20 20060101AFI20231018BHJP
   B62J 43/16 20200101ALI20231018BHJP
【FI】
B62K25/20
B62J43/16
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020119146
(22)【出願日】2020-07-10
(65)【公開番号】P2022015946
(43)【公開日】2022-01-21
【審査請求日】2022-11-09
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521431099
【氏名又は名称】カワサキモータース株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹内 博
【審査官】三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-158616(JP,A)
【文献】国際公開第2019/049462(WO,A1)
【文献】特開2014-125182(JP,A)
【文献】特開2020-019476(JP,A)
【文献】特開平01-156118(JP,A)
【文献】特開2013-018366(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 25/20
B62J 43/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前輪と、
後輪と、
車体フレームと、
前記後輪を回転可能に支持するスイングアームと、前記後輪を介して前記スイングアームに作用する衝撃を吸収可能なショックアブソーバーと、を有し、前記ショックアブソーバーを介して前記スイングアームを前記車体フレームに弾性的に懸架する懸架装置と、
前記車体フレームに支持された被支持装置と、
ブリッジ部材と、を備え、
前記被支持装置は、第1機能を発揮する第1部及び前記第1部の上側に設けられ第2機能を発揮する第2部を有し、
前記第1部及び前記第2部の少なくとも一方が、前記後輪に伝達される回転駆動力を発生する駆動部であり、
前記ブリッジ部材は、前記第1部と前記第2部との両方に対し、前記第1部と前記第2部との上下間を架け渡すように上下方向に延びて取り付けられ、
前記ショックアブソーバーは、上側取付部及び下側取付部を備え、
前記ショックアブソーバーの前記下側取付部は、前記スイングアームに接続され、
前記ショックアブソーバーの前記上側取付部は、前記第1部のうちの前記ブリッジ部材に面した部分よりも高い位置で、前記ブリッジ部材に取り付けられ
前記第1部は、駆動軸を有するモーターを含み、
前記第2部は、電池と、前記電池を収納する電池ケースと、を含む、鞍乗車両。
【請求項2】
前記ブリッジ部材は、板状である、請求項1に記載の鞍乗車両。
【請求項3】
前記上側取付部は、前記ブリッジ部材と前記車体フレームとの接続が行われた接続部よりも高い位置に配置される、請求項1または2に記載の鞍乗車両。
【請求項4】
前記下側取付部は、前記ブリッジ部材に取り付けられると共に、リンク機構を介して前記スイングアームに接続される、請求項1からのいずれか1項に記載の鞍乗車両。
【請求項5】
前記第1部と前記第2部とが、前記ブリッジ部材とは別の位置で互いに接続されている、請求項1からのいずれか1項に記載の鞍乗車両。
【請求項6】
前記上側取付部は、前記ブリッジ部材の上下方向の上端付近の位置で前記ブリッジ部材に取り付けられている、請求項1からのいずれか1項に記載の鞍乗車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に作用する衝撃を吸収するショックアブソーバーを有する鞍乗車両に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、鞍乗車両は、走行中に後輪から作用する衝撃を吸収するショックアブソーバーを備えている(例えば特許文献1)。特許文献1に開示された鞍乗車両では、ショックアブソーバーは、上側取付部でスイングアームを揺動可能に支持するピボットブラケットを介して車体フレームに取り付けられ、下側取付部でスイングアームに直接またはリンク機構を介して取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-131001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された鞍乗車両を用いて不整地走行を行う場合には、ショックアブソーバーの上側取付部の高さが十分ではない可能性がある。
【0005】
鞍乗車両が不整地走行を行う際には、後輪に大きな力が入力される場合があり、そのような場合にはショックアブソーバーが大きな力を吸収することが求められる。そのため、鞍乗車両が、不整地走行が行われることが想定される車両である場合には、長尺のショックアブソーバーを採用することが求められる。また、地面の上にある障害物との接触を回避するために、ショックアブソーバーの下端の位置において、最低地上高を十分に確保することが求められる。
【0006】
そこで、本発明は上記の事情に鑑み、鞍乗車両において、設計自由度を保ちながら、上下方向の大きな衝撃を吸収すると共に地面の上の障害物との接触を回避できる構成を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の鞍乗車両は、前輪と、後輪と、車体フレームと、前記後輪を回転可能に支持するスイングアームと、前記後輪を介して前記スイングアームに作用する衝撃を吸収可能なショックアブソーバーと、を有し、前記ショックアブソーバーを介して前記スイングアームを前記車体フレームに弾性的に懸架する懸架装置と、前記車体フレームに支持された被支持装置と、を備え、前記被支持装置は、第1機能を発揮する第1部及び前記第1部の後部の上側に設けられ第2機能を発揮する第2部を有し、前記第1部及び前記第2部の少なくとも一方が、前記後輪に伝達される回転駆動力を発生する駆動部であり、前記ショックアブソーバーは、上側取付部及び下側取付部を備え、前記ショックアブソーバーの前記下側取付部は、前記スイングアームに接続され、前記ショックアブソーバーの前記上側取付部は、前記第2部に接続されている。
【0008】
前記構成によれば、第2部が第1部の後部よりも上方に配置された状態で、ショックアブソーバーの上側取付部が、第2部に接続されているので、ショックアブソーバーの上側取付部が高い位置となる。従って、ショックアブソーバーを鞍乗車両に取り付ける場合に、上側取付部と下側取付部との高低差を十分に確保することができる。これにより、長尺のショックアブソーバーを用いることができ、走行中に作用する大きな衝撃をショックアブソーバーによって吸収することができる。また、ショックアブソーバーの下端の位置において、地面からの高さを十分に確保することができる。従って、走行中にショックアブソーバーが地面の上の障害物に接触することを回避することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ショックアブソーバーがより大きな衝撃を吸収できるので、ライダーは、凹凸の大きな不整地を運転することができ、ライダーの遊び心を満たすことができる。また、ショックアブソーバーが障害物に接触することを回避することができるので、より安全な鞍乗車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係る自動二輪車についての側面図である。
図2図1の自動二輪車におけるパワーユニットの左斜め後側から見た斜視図である。
図3図2のパワーユニットの駆動モーター取外し状態での斜視図である。
図4図2のパワーユニットの駆動モーターの近傍を拡大した左側面図である。
図5図1の自動二輪車におけるパワーユニット及びリアショックアブソーバーの近傍の斜視図である。
図6図1の自動二輪車におけるパワーユニット、リアショックアブソーバー及びリアサスペンションの近傍の左側面図である。
図7】(a)、(b)は他の実施形態における自動二輪車のパワーユニット、リアショックアブソーバー及びリアサスペンションの近傍の左側面図であり、(a)は三角形リンクプレートが長方形リンクプレートを介してスイングアームとブリッジ部材に接続されている形態であり、(b)は三角形リンクプレートがスイングアームよりも上側に位置している形態である。
図8】第2実施形態に係る自動二輪車のパワーユニット、リアショックアブソーバー及びリアサスペンションの近傍の左側面図である。
図9】第3実施形態に係る自動二輪車のパワーユニット、リアショックアブソーバー及びリアサスペンションの近傍の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態に係る自動二輪車について、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いる方向の概念は、自動二輪車に乗車したライダーから見た方向を基準とする。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る自動二輪車1の側面図である。図1に示すように、自動二輪車1は、ライダーが跨って乗る鞍乗車両の一例であり、ハイブリッド車両である。自動二輪車1は、前輪2と、後輪3(駆動輪)と、車体フレーム4と、フロントショックアブソーバー6及びリアショックアブソーバー7(ショックアブソーバー)とを備える。本実施形態では、車体への入力を吸収しながら収縮することにより車体の上下方向の変位を抑える装置をフロントショックアブソーバー6及びリアショックアブソーバー7というものとする。
【0013】
フロントショックアブソーバー6は、前輪2と車体フレーム4の前部との間に設けられている。リアショックアブソーバー7は、後輪3と車体フレーム4の後部との間に設けられている。
【0014】
フロントショックアブソーバー6は、操舵軸の下部に設けられ、上下方向に間隔をあけて配置されるブラケット8に連結されている。ブラケット8に接続される操舵軸が車体フレーム4の一部であるヘッドパイプ4aに角変位可能に支持されている。
【0015】
操舵軸には、運転者が手で握るハンドル9が設けられる。ハンドル9の後側には、燃料タンク10が設けられ、燃料タンク10の後側に運転者が着座するシート11が設けられる。車体フレーム4には、前輪2と後輪3と間において走行駆動源となるパワーユニット12が搭載されている。
【0016】
本実施形態では、フロントショックアブソーバー6を含み、フロントショックアブソーバー6の周辺で、車体フレーム4の前側の部分によって懸架された部分のことをフロントサスペンション13というものとする。本実施形態では、フロントサスペンション13は、2股の形状を有し、前輪2を車幅方向の外側から挟み込んだフロントフォークである。また、リアショックアブソーバー7を含み、リアショックアブソーバー7の周辺で、車体フレーム4の後側の部分によって懸架された部分のことをリアサスペンション(懸架装置)14というものとする。
【0017】
パワーユニット12は、原動機としての内燃機関であるエンジンE(第1部)と、駆動軸を有し原動機としての電動モーターである駆動モーターM(第2部)とを備える。本実施形態では、エンジンEの機能(第1機能)及び駆動モーターMの機能(第2機能)は、共に、後輪3に伝達される回転駆動力を発生させる駆動部としての機能である。本実施形態では、自動二輪車1の前後方向の略中央の位置で車体フレーム4に支持された装置を被支持装置というものとし、被支持装置のうち、下側に配置されたものを第1部といい、第1部の上側に配置されたものを第2部というものとする。本実施形態では、パワーユニット12が被支持装置として自動二輪車1に設けられている。
【0018】
図2は、パワーユニット12を左後方から見た斜視図である。エンジンEは、クランクケース15の前部から上方に延びた気筒Eaを有する。クランクケース15は、気筒Eaの下部から後方に突出する本体部16を有する。駆動モーターMは、気筒Eaの後方において本体部16の上面に搭載されている。即ち、駆動モーターMは、本体部16に対して上下に並んで配置されている。
【0019】
図3は、図2のパワーユニット12の駆動モーターMを取外した状態での斜視図である。図4は、図2のパワーユニット12の駆動モーターMの近傍を拡大した左側面図である。図3及び4に示すように、クランクケース15の本体部16の上壁部16fは、前マウント部19、後マウント部20及びケース上面21を有する。前マウント部19及び後マウント部20は、例えば、ボルト穴が形成された台座であり、本体部16の上壁部16fから上方に突出している。前マウント部19には、モーターハウジングMaの前部が締結具Bにより上方から固定されている。後マウント部20には、モーターハウジングMaの後部が締結具Bにより上方から固定される。即ち、駆動モーターMは、クランクケース15の前マウント部19及び後マウント部20により支持される。
【0020】
ケース上面21は、前マウント部19と後マウント部20との間に形成され、モーターハウジングMaの外周面に沿った円弧形状を有する。モーターハウジングMaは、ケース上面21に対して離間した状態で近接配置されている。駆動モーターMは、前マウント部19と後マウント部20との間にモーターハウジングMaの下部が挟まれるように配置されている。これにより、クランクケース15に駆動モーターMを安定的に支持させることができる。
【0021】
モーターハウジングMaは、金属によって形成され、例えばアルミ合金によって形成されている。モーターハウジングMaは、車幅方向の一端が着脱可能な蓋で覆われると共に、それ以外の部分は一体に形成されている。すなわち、モーターハウジングMaにおける径方向外側の外周面は全体が一体に形成され、周方向に継ぎ目無く形成されている。そのため、モーターハウジングMaは、車幅方向に対しての強度よりも周方向に対しての強度が高い。モーターハウジングMaが周方向に一体に形成されているので、モーターハウジングMaが車幅方向よりも周方向に対し高い剛性を有するように構成されている。
【0022】
図1に示されるように、エンジンEの後側には、変速機17が配置されている。変速機17は、入力軸17aと、出力軸17bと、減速比の異なる複数組のギヤ列(不図示)とを有する。変速機17は、ギヤ列を介して入力軸17aから出力軸17bに動力伝達可能に構成され、ギヤ列のうち任意の一組を選択して変速する。例えば、変速機17は、ドッグクラッチ式の変速機である。
【0023】
不図示のECU(電子制御ユニット)は、エンジンEを制御することができる。具体的には、不図示のスロットル装置、燃料噴射装置及び点火装置を制御することによってエンジンEを制御する。
【0024】
エンジンEと変速機17との間には、メインクラッチ18が設けられている。メインクラッチ18は、エンジンEの出力軸(不図示)と、変速機17の入力軸17aとの接続・切断を切り替える。メインクラッチ18の接続・切断は、ECUの制御によって切り替えることができる。
【0025】
駆動モーターMの出力軸は、ギヤを介して変速機17の入力軸17aに接続されている。従って、駆動モーターMによって発生された駆動力は、入力軸17aに伝達されることが可能に構成されている。ECUは、駆動モーターMの駆動を制御することができる。従って、ECUは、エンジンEの駆動力と駆動モーターMの駆動力とをそれぞれ別々に制御することができる。
【0026】
車体フレーム4には、後輪3を支持して前後方向に延びるスイングアーム22が角変位可能に支持されている。変速機17の出力軸17bの回転動力は、出力伝達部材23(例えば、チェーン、ベルト等)を介して後輪3に伝達される。
【0027】
図5は、リアショックアブソーバー7の周辺について示した斜視図である。図5では、車体フレーム4及びスイングアーム22が二点鎖線によって示されている。また、図6は、リアショックアブソーバー7の周辺についての側面図である。リアショックアブソーバー7は、弾性体を有している。本実施形態では、リアショックアブソーバー7は、弾性体としてコイルスプリング7aを有している。本実施形態では、コイルスプリング7aは、リアショックアブソーバー7の径方向外側に設けられている。また、リアショックアブソーバー7は、入力があったときに減衰力を作用させ、後輪3を介してスイングアーム22に入力された衝撃を吸収可能に構成されている。リアサスペンション14は、リアショックアブソーバー7を介してスイングアーム22を車体フレーム4に懸架している。
【0028】
自動二輪車1は、エンジンE及び駆動モーターMよりも後方の位置に配置され、エンジンEと駆動モーターMとの両方に対し、エンジンEと駆動モーターMとの間を架け渡すように取り付けられるブリッジ部材24を備えている。本実施形態では、ブリッジ部材24は、板状の形状を有する。ブリッジ部材24は、エンジンEと駆動モーターMとの間を架け渡すように取り付けられたブリッジ部材としての機能を有している。ブリッジ部材24がエンジンEと駆動モーターMとの間を架け渡すように取り付けられることにより、エンジンEと駆動モーターMとが互いに離間しないように強固に接続される。
【0029】
本実施形態では、ブリッジ部材24は、硬質のプラスチックによって一体に形成されている。ブリッジ部材24は、ブリッジ部材24の前方の位置に設けられたプレート部24aと、プレート部24aから後方に突出したリブ24bと、車体フレーム4に接続された接続部24cとを有している。リブ24bは、車幅方向に延びた部分と高さ方向に延びた部分とが互いに交差している。プレート部24aの後方にリブ24bが設けられているので、ブリッジ部材24の圧縮方向への強度を向上させることができると共に、ブリッジ部材24を軽量化することができる。
【0030】
接続部24cは車幅方向外側に突出し、プレート部24aよりも車幅方向の外側の位置で車体フレーム4に接続されている。例えば、接続部24cには、車幅方向の外端から内側に向かって穴が設けられる。接続部24cの穴を囲む部分の径方向内側の側面には、ネジ溝が切られる。車体フレーム4における接続部24cに接続される部分には、車体フレーム4を車幅方向に貫通する穴が設けられる。接続部24cの穴と車体フレーム4の穴との両方を通してボルト25が挿入される。ボルト25のネジ山と、接続部24cのネジ溝とが噛み合うことにより、接続部24cと車体フレーム4とが接続される。結果的に、ブリッジ部材24と車体フレーム4とが接続される。
【0031】
本実施形態では、ブリッジ部材24は、車体フレーム4に接続された接続部24cよりも高い位置まで上下方向に延びている。また、本実施形態では、上側取付部26は、ブリッジ部材24の上下方向の上端付近の位置でブリッジ部材24に接続されている。そのため、リアショックアブソーバー7の上側取付部26が、ブリッジ部材24と車体フレーム4との接続が行われた接続部24cよりも高い位置に配置される。ブリッジ部材24が車体フレーム4に接続された接続部24cは、ブリッジ部材24の車幅方向の外側のそれぞれに1つずつ設けられると共に、上下方向において互いに同じ高さの位置に配置されている。そのため、上下方向において、上側取付部26は、全ての接続部24cよりも高い位置に配置されている。また、本実施形態では、リアショックアブソーバー7の上側取付部26は、クランクケース15において駆動モーターMを支持するケース上面21よりも上下方向の高い位置に配置される。本実施形態では特に、リアショックアブソーバー7の上側取付部26は、図6に示される駆動モーターMの駆動軸O1よりも上下方向の高い位置に配置される。また、リアショックアブソーバー7の上側取付部26は、上下方向において、エンジンEの気筒Eaと重なる位置に配置されている。
【0032】
リアショックアブソーバー7は、ブリッジ部材24に対して接続される上側取付部26及び下側取付部27を有している。上側取付部26は、上側でリアショックアブソーバー7をブリッジ部材24に対して接続する。下側取付部27は、下側でリアショックアブソーバー7をブリッジ部材24に対して接続する。本実施形態では、上側取付部26はリアショックアブソーバー7の上端に設けられ、下側取付部27はリアショックアブソーバー7の下端に設けられている。
【0033】
リアショックアブソーバー7の上側取付部26は、ブリッジ部材24を介して駆動モーターMに接続されている。リアショックアブソーバー7の下側取付部27は、リンク機構28を介してスイングアーム22に接続されている。
【0034】
次に、リンク機構28について説明する。本実施形態では、リンク機構28は、三角形状の三角形リンクプレート29と、一方向に長い長方形状の長方形リンクプレート30とを有している。三角形リンクプレート29は、ブリッジ部材24と、リアショックアブソーバー7の下側取付部27との間に設けられている。三角形リンクプレート29は、板状に形成され、三角形の頂点のそれぞれに節点31a、31b、31cを有する。
【0035】
また、本実施形態では、長方形リンクプレート30は、三角形リンクプレート29とスイングアーム22との間に設けられている。長方形リンクプレートは、節点31bの設けられた側とは逆側の端部に節点31dを有している。
【0036】
三角形リンクプレート29は、3つの節点31a、31b、31cのうちの1つの節点31aによってブリッジ部材24に対し回動可能に接続されている。また、三角形リンクプレート29は、3つの節点31a、31b、31cのうちの別の節点31cによってリアショックアブソーバー7の下側取付部27に対し回動可能に接続されている。また、三角形リンクプレート29は、3つの節点31a、31b、31cのうちの更に別の節点31bによって長方形リンクプレート30に対し回動可能に接続されている。また、長方形リンクプレートは、2つの節点31b、31dのうちの1つの節点31dによってスイングアーム22に対し回動可能に接続されている。
【0037】
本実施形態では、スイングアーム22において、後輪3を支持している側の端部22aとは逆側の端部22bが、ブリッジ部材24に接続されている。スイングアーム22は、ブリッジ部材24に対し回動可能に接続されている。従って、後輪3を支持して前後方向に延びるスイングアーム22が、車体フレーム4に角変位可能に支持されている。
【0038】
自動二輪車1が上記のように構成されているので、後輪3に対し上下方向の入力があったときに、後輪3の上下方向の変位がスイングアーム22を介して長方形リンクプレート30に伝達される。長方形リンクプレート30と三角形リンクプレート29とは節点31bを介して回転可能に接続されているので、長方形リンクプレート30が変位すると、それに伴って三角形リンクプレート29が変位する。
【0039】
三角形リンクプレート29は節点31cを介してリアショックアブソーバー7の下側取付部27に接続されているので、三角形リンクプレート29が変位すると、それに伴って下側取付部27が変位する。リアショックアブソーバー7の下側取付部27に伝達された変位は、リアショックアブソーバー7が減衰力を発揮させることにより吸収することができる。これにより、後輪3への入力がリアショックアブソーバー7によって吸収される。
【0040】
ブリッジ部材24がエンジンEと駆動モーターMとの間を架け渡すように取り付けられ上側取付部26がブリッジ部材24を介して駆動モーターMに接続されると、ブリッジ部材24を介して上下方向に作用する荷重は駆動モーターMの周方向に作用する。駆動モーターMは車幅方向よりも周方向に対し剛性が高いので、リアショックアブソーバー7から上下方向の荷重が入力されたときには、駆動モーターMは、剛性の高い方向で荷重を受け止める。従って、駆動モーターMは、リアショックアブソーバー7を介して入力された荷重に対し剛性が高い。
【0041】
本実施形態では、リンク機構28は、リアショックアブソーバー7に荷重が作用していない状態において、エンジンEよりも下方の位置で、リアショックアブソーバー7を支持している。
【0042】
本実施形態によれば、駆動モーターMがエンジンEの後部よりも上方に配置された状態で、リアショックアブソーバーの上側取付部26が、ブリッジ部材24を介して駆動モーターMに接続されているので、リアショックアブソーバー7の上側取付部26が高い位置となる。従って、リアショックアブソーバー7を自動二輪車1に取り付ける場合に、上側取付部26と下側取付部27との高低差を十分に確保することができる。これにより、長尺のリアショックアブソーバー7を用いることができ、走行中に作用する大きな衝撃をリアショックアブソーバー7によって吸収することができる。また、リアショックアブソーバー7の下端の位置において、地面からの高さを十分に確保することができる。従って、走行中にリアショックアブソーバー7が地面の上の障害物に接触することを回避することができる。
【0043】
特に、本実施形態では、ブリッジ部材24が、ブリッジ部材24と車体フレーム4との接続が行われた接続部24cよりも高い位置まで上下方向に延びると共に、リアショックアブソーバー7の上側取付部26が接続部24cよりも高い位置に配置されているので、上側取付部26の位置をより高い位置に配置することができる。従って、上側取付部26と下側取付部27との高低差をより大きく確保することができるので、より長尺のリアショックアブソーバー7を用いることができ、走行中に作用するより大きな衝撃をリアショックアブソーバー7によって吸収することができる。また、リアショックアブソーバー7の下端の位置において、地面からの高さをより大きく確保することができる。従って、走行中にリアショックアブソーバー7が地面の上の障害物に接触することをより確実に回避することができる。
【0044】
また、本実施形態では、駆動モーターMが、エンジンEの後部の上側に配置された状態でエンジンEに固定されている。従って、エンジンEと駆動モーターMとが互いに固定された状態で、エンジンEと駆動モーターMとを車体フレーム4に対し固定することができ、車体フレーム4にエンジンEと駆動モーターMとが支持された構造を容易に製造することができる。
【0045】
また、本実施形態では、リアショックアブソーバー7の上側取付部26が、エンジンEの後部の上側に配置された駆動モーターMにブリッジ部材24を介して接続されているので、リアショックアブソーバー7の上側取付部26が車幅方向よりも上下方向に対し剛性の高い駆動モーターMに取り付けられる。リアショックアブソーバー7の上側取付部26が上下方向に対し剛性の高い部分に取り付けられるので、リアショックアブソーバー7の上側取付部26自身の剛性を高くする必要がなくなる。従って、その分駆動モーターMへのリアショックアブソーバー7の上側取付部26を軽量化することができる。リアショックアブソーバー7の上側取付部26が軽量化されることにより、自動二輪車1を軽量化することができ、自動二輪車1の燃費を向上させることができる。これにより、自動二輪車1の運転コストを減少させることができる。また、自動二輪車1が軽量化され、操舵が軽くなって操縦が容易になったりブレーキの効きが良くなったりすることにより、自動二輪車1の走行性能を向上させることができる。
【0046】
また、本実施形態では、駆動モーターMが、エンジンEよりも後方で且つクランクケース15よりも上方のスペースに配置されるので、上下方向に長く延びたエンジンEと、前後方向に長く延びたクランクケース15とによって前方と下方とを囲まれたスペースに駆動モーターMが配置され、スペースを効率的に使うことができる。従って、エンジンE及び駆動モーターMを小さなスペースの内部に配置させることができ、自動二輪車1を小型化させることができる。
【0047】
また、本実施形態では、ブリッジ部材24が、エンジンE及び駆動モーターMよりも後方の位置に配置され、エンジンEと駆動モーターMとの両方に対し、エンジンEと駆動モーターMとの間を架け渡すように取り付けられ、リアショックアブソーバー7の上側取付部26が、ブリッジ部材24を介して駆動モーターMに接続されているので、リアショックアブソーバー7の上側取付部26が、ブリッジ部材24を挟んで間接的に駆動モーターMに取り付けられる。従って、リアショックアブソーバー7の上側取付部26は、ブリッジ部材24を介して駆動モーターMに接続されているので、リアショックアブソーバー7からの衝撃が駆動モーターMに直接作用することを抑えることができ、駆動モーターMの耐久性を向上させることができる。
【0048】
また、本実施形態では、ブリッジ部材24が、板状であるので、リアショックアブソーバー7が伸縮する方向の力がブリッジ部材24に伝達されたときに、ブリッジ部材24の面に沿って引っ張り・圧縮が行われる方向に力が作用する。従って、ブリッジ部材24の面方向についての引っ張り・圧縮の強度を発揮させることができ、より大きな力をブリッジ部材24によって受け止めることができる。
【0049】
また、本実施形態では、ブリッジ部材24がスイングアーム22を揺動可能に支持するので、スイングアーム22に作用する荷重をブリッジ部材24が受けることができる。従って、エンジンE及び駆動モーターMに作用する荷重を小さくすることができ、エンジンE及び駆動モーターMの耐久性を向上させることができる。
【0050】
また、本実施形態では、リアショックアブソーバー7の下側取付部27がリンク機構28を介してスイングアーム22に接続されているので、節点31d及び節点31bが力点となり、節点31aが支点となり、節点31cが作用点となる。そのため、リアショックアブソーバー7とスイングアーム22との間に支点、力点及び作用点が存在するので、リアショックアブソーバー7の下側取付部27の設計の自由度を向上させることができる。
【0051】
また、本実施形態では、リンク機構28がエンジンEよりも下方の位置でリアショックアブソーバー7を支持しているので、リアショックアブソーバー7の上下の長さを十分に確保することができる。従って、リアショックアブソーバー7が、より大きな衝撃を吸収することができる。
【0052】
なお、リアショックアブソーバー7、スイングアーム22及びリンク機構28の位置関係は、上記の実施形態に限定されない。リアショックアブソーバー7、スイングアーム22及びリンク機構28の位置関係は、他の位置関係であってもよい。例えば、図7(a)に示されるように、リアショックアブソーバー7の下側取付部27が三角形リンクプレート29に回動可能に接続され、三角リンクプレート29が長方形リンクプレート30aを介してブリッジ部材24に回動可能に接続され、三角リンクプレート29が別の長方形リンクプレート30bを介してスイングアーム22に回動可能に接続された位置関係であってもよい。
【0053】
また、例えば図7(b)に示されるように、三角リンクプレート29がスイングアーム22よりも上側の位置に設けられてもよい。図7(b)のように、リアショックアブソーバー7の下側取付部27がスイングアーム22よりも上側の三角形リンクプレート29に回動可能に接続され、三角形リンクプレート29が長方形リンクプレート30cを介してスイングアーム22に回動可能に接続され、三角形リンクプレート29が長方形リンクプレート30dを介してブリッジ部材24に回動可能に接続された位置関係であってもよい。リアショックアブソーバー7の下側取付部27がリンク機構28を介してスイングアーム22に接続され、リアショックアブソーバー7の上側取付部26がエンジンEの後部の上側に配置された駆動モーターMにブリッジ部材24を介して接続されているのであれば、リアショックアブソーバー7、スイングアーム22及びリンク機構28の位置関係は他の位置関係であってもよい。
【0054】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る自動二輪車について説明する。なお、上記第1実施形態と同様に構成される部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。第1実施形態では、エンジンEと、エンジンEよりも後方で且つクランクケース15よりも上方のスペースに配置された駆動モーターMとによって構成されたパワーユニット12が車体フレーム4に支持された被支持装置として搭載され、リアショックアブソーバー7の上側取付部26が駆動モーターMに間接的に接続された自動二輪車について説明した。第2実施形態の自動二輪車は、電池を収容する電池ケースと、電池ケースの上側に設けられた駆動モーターMとが、車体フレーム4に支持された被支持装置として搭載され、リアショックアブソーバー7の上側取付部26が駆動モーターMに間接的に接続される点で第1実施形態とは異なる。
【0055】
図8に、第2実施形態に係る自動二輪車1aの、パワーユニット12a及びリアショックアブソーバー7の周辺についての側面図を示す。図8に示されるように、第2実施形態においては、パワーユニット12aがエンジンEを有してなく、駆動モーターMのみを有して構成されている。すなわち、第2実施形態の自動二輪車1aは、駆動モーターMの駆動によってのみ後輪3に伝達される回転駆動力が発生される、電動の自動二輪車である。従って、第2実施形態においては、駆動モーターMが後輪3に伝達される回転駆動力を発生させる駆動部として機能する。
【0056】
駆動モーターMの下方には、駆動モーターMを駆動させるための電力を蓄え、駆動モーターMに電流を供給する電池32及び電池32を内部に収容した電池ケース33が設けられている。駆動モーターM及び電池ケース33は、それぞれ上下に並んで配置されている。第2実施形態では、第1実施形態と同様に、駆動モーターMは、比較的高い剛性を有するように構成されている。第2実施形態では、電池ケース33及び駆動モーターMが、車体フレーム4に支持される被支持装置として自動二輪車1aに設けられている。
【0057】
自動二輪車1aが上記のように構成されているので、第1部は、電池32と、電池32を収納する電池ケース33と、を含むように構成されている。また、第2部は、駆動軸を有する駆動モーターMを含むように構成されている。第1部としての電池32及び電池ケース33は、駆動モーターMに電流を供給する機能(第1機能)を有する。第2部としての駆動モーターMは、駆動によって後輪3に伝達される回転駆動力を発生させる機能(第2機能)を有する。
【0058】
第2実施形態においては、リアショックアブソーバー7の上側取付部26が、電池ケース33の上側に配置された駆動モーターMにブリッジ部材24を介して接続されているので、リアショックアブソーバー7の上側取付部26が上下方向に対し剛性の高い駆動モーターMに取り付けられる。リアショックアブソーバー7の上側取付部26が上下方向に対し剛性の高い部分に取り付けられるので、リアショックアブソーバー7の上側取付部26自身の剛性を高くする必要がなくなる。従って、その分駆動モーターMへのリアショックアブソーバー7の上側取付部26を軽量化することができる。リアショックアブソーバー7の上側取付部26が軽量化されることにより、自動二輪車1aを軽量化することができ、自動二輪車1aの燃費を向上させることができる。また、自動二輪車1aを軽量化することにより、自動二輪車1aの走行性能を向上させることができる。
【0059】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る自動二輪車について説明する。なお、上記第1実施形態及び第2実施形態と同様に構成される部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。第1実施形態では、エンジンEと、エンジンEよりも後方で且つクランクケース15よりも上方のスペースに配置された駆動モーターMとによって構成されたパワーユニット12が車体フレーム4に支持された被支持装置として搭載され、リアショックアブソーバー7の上側取付部26が駆動モーターMに間接的に接続された構成について説明した。第2実施形態では、電池を収容する電池ケースと、電池ケースの上側に設けられた駆動モーターMとが、車体フレーム4に支持された被支持装置として搭載され、リアショックアブソーバー7の上側取付部26が駆動モーターMに間接的に接続された構成について説明した。第3実施形態では、駆動モーターMと、駆動モーターMの上側に設けられた電池を収容する電池ケースとが、車体フレーム4に支持された被支持装置として搭載され、リアショックアブソーバー7の上側取付部26が電池ケースに間接的に接続される点で第1実施形態及び第2実施形態とは異なる。
【0060】
図9に、第3実施形態に係る自動二輪車1bの、パワーユニット12b及びリアショックアブソーバー7の周辺についての側面図を示す。図9に示されるように、第3実施形態にておいても第2実施形態と同様に、パワーユニット12bがエンジンEを有してなく駆動モーターMのみを有して構成されている。すなわち、第3実施形態の自動二輪車1bは、駆動モーターMの駆動によってのみ後輪3に伝達される回転駆動力が発生される、電動の自動二輪車である。従って、第3実施形態においても、駆動モーターMが後輪3に伝達される回転駆動力を発生させる駆動部として機能する。
【0061】
駆動モーターMの上方には、駆動モーターMを駆動させるための電力を蓄え、駆動モーターMに電流を供給する電池32及び電池を内部に収容した電池ケース33が設けられている。駆動モーターM及び電池ケース32は、それぞれ上下に並んで配置され、第3実施形態では第2実施形態とは逆に、電池ケース33が上側に配置され、駆動モーターMが下側に配置されている。第3実施形態では、電池ケース33が内部に骨組みを有するように構成され、骨組みが金属によって形成されると共に、車幅方向よりも上下方向に対し高い強度を有するように構成されている。そのため、電池ケース33は、上下方向に対し高い剛性を有するように構成されている。
【0062】
自動二輪車1bが上記のように構成されているので、第1部は、駆動軸を有する駆動モーターMを含むように構成されている。また、第2部は、電池32と、電池を収納する電池ケース33と、を含むように構成されている。第1部としての駆動モーターMは、駆動によって後輪3に伝達される回転駆動力を発生させる機能(第1機能)を有する。第2部としての電池32及び電池ケース33は、駆動モーターMに電流を供給する機能(第2機能)を有する。
【0063】
第3実施形態においては、リアショックアブソーバー7の上側取付部26が、駆動モーターMの上側に配置された電池ケース33にブリッジ部材24を介して接続されているので、リアショックアブソーバー7の上側取付部26が上下方向に対し剛性の高い電池ケース33に取り付けられる。リアショックアブソーバー7の上側取付部26が上下方向に対し剛性の高い部分に取り付けられるので、リアショックアブソーバー7の上側取付部26自身の剛性を高くする必要がなくなる。従って、その分駆動モーターMへのリアショックアブソーバー7の上側取付部26を軽量化することができる。リアショックアブソーバー7の上側取付部26が軽量化されることにより、自動二輪車1bを軽量化することができ、自動二輪車1bの燃費を向上させることができる。また、自動二輪車1bを軽量化することにより、自動二輪車1bの走行性能を向上させることができる。
【0064】
なお、第1実施形態では、第1部がエンジンEであり、第2部が駆動モーターMである構成について説明した。また、第2実施形態では、第1部が電池ケースであり、第2部が駆動モーターMである構成について説明した。また、第3実施形態では、第1部が駆動モーターMであり、第2部が電池ケースである構成について説明した。しかしながら、本発明は上記実施形態に限定されない。被支持装置として車体フレーム4に支持される第1部及び第2部の構成は、他の構成であってもよい。第1部及び第2部の少なくとも一方が、後輪3に伝達される回転駆動力を発生させる駆動部であれば、第1部及び第2部の組み合わせは、他の組み合わせであってもよい。例えば、潤滑油を貯留するオイルタンクが第1部であり、駆動モーターMが第2部であってもよい。また、車体フレーム4に支持される被支持装置は、第1部及び第2部の2つだけでなくてもよい。3つ以上の要素が車体フレーム4に支持され、それらが被支持装置として構成されてもよい。その場合、3つ以上の要素のうちの2つの要素が第1部及び第2部として上下に配置されて構成されていればよい。
【0065】
また、上記実施形態では、自動二輪車がショックアブソーバーとしてフロントショックアブソーバー及びリアショックアブソーバーを有している構成について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。自動二輪車が、フロントショックアブソーバーを有してなく、1つのショックアブソーバーのみを有している形態であってもよい。その場合、1つのショックアブソーバーの上側取付部が上下に配置された第1部及び第2部のうちの上側の第2部に接続されていればよい。また、自動二輪車に設けられるショックアブソーバーは、3つ以上であってもよい。そのうちいずれかのショックアブソーバーの上側取付部が上下に配置された第1部及び第2部のうちの上側の第2部に接続されていればよい。
【0066】
また、上記実施形態では、鞍乗車両として自動二輪車が適用された形態について説明したが、上記実施形態に限定されない。鞍乗車両であれば、自動三輪車が適用されてもよいし、その他の車両が適用されてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1、1a、1b 自動二輪車
2 前輪
3 後輪
4 車体フレーム
7 リアショックアブソーバー(ショックアブソーバー)
14 リアサスペンション(懸架装置)
12 パワーユニット(被支持装置)
15 クランクケース
17 変速機
22 スイングアーム
24 ブリッジ部材
26 上側取付部
27 下側取付部
28 リンク機構
E エンジン(第1部)
M 駆動モーター(第2部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9