(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-17
(45)【発行日】2023-10-25
(54)【発明の名称】肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートを含む組成物およびその使用方法
(51)【国際特許分類】
A61K 39/116 20060101AFI20231018BHJP
A61K 39/05 20060101ALI20231018BHJP
A61K 39/09 20060101ALI20231018BHJP
A61K 39/385 20060101ALI20231018BHJP
A61K 39/39 20060101ALI20231018BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20231018BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20231018BHJP
A61P 37/04 20060101ALI20231018BHJP
【FI】
A61K39/116 ZNA
A61K39/05
A61K39/09
A61K39/385
A61K39/39
A61P11/00
A61P31/04
A61P37/04
(21)【出願番号】P 2020530649
(86)(22)【出願日】2018-12-04
(86)【国際出願番号】 US2018063709
(87)【国際公開番号】W WO2019139692
(87)【国際公開日】2019-07-18
【審査請求日】2020-08-03
【審判番号】
【審判請求日】2022-06-27
(32)【優先日】2017-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審理対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522242018
【氏名又は名称】メルク・シャープ・アンド・ドーム・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】スミス,ウィリアム・ジェー
(72)【発明者】
【氏名】マクヒュー,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ウィンターズ,マイケル・アルバート
(72)【発明者】
【氏名】スキナー,ジュリー・エム
(72)【発明者】
【氏名】ヘ,ジアン
(72)【発明者】
【氏名】ミュージー,ルイ
(72)【発明者】
【氏名】アビーグナーワードナ,チトラナンダ
(72)【発明者】
【氏名】クイ,ヤドン・アダム
(72)【発明者】
【氏名】コジンスキー,マイケル・ジェー
【合議体】
【審判長】松波 由美子
【審判官】森井 隆信
【審判官】星 功介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/173415(WO,A2)
【文献】特表2017-504661(JP,A)
【文献】特表2013-518891(JP,A)
【文献】特表2017-509656(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K39/00
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類担体タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、前記コンジュゲートの各々は担体タンパク質にコンジュゲートされた特定の肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の多糖類を含み、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型は、3、7F、19A、22F、33F、6A、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、脱O-アセチル化15B、17Fおよび20からなり、そして、前記担体タンパク質はCRM197である、組成物。
【請求項2】
脱O-アセチル化15B多糖類が、5%未満の反復単位当たりのO-アセチル含有量を有する、請求項
1に記載の多価免疫原性組成物。
【請求項3】
肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類担体タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、前記コンジュゲートの各々は担体タンパク質にコンジュゲートされた特定の肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の多糖類を含み、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型は、3、7F、19A、22F、33F、6A、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20からなり、そして、前記担体タンパク質はCRM197である、組成物。
【請求項4】
肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類担体タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、前記コンジュゲートの各々は担体タンパク質にコンジュゲートされた特定の肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の多糖類を含み、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型は、3、7F、19A、22F、33F、6A、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15B、17Fおよび20からなり、そして、前記担体タンパク質はCRM197である、組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、別個の多糖類-タンパク質コンジュゲートを有する多価免疫原性組成物を提供する。各コンジュゲートは、担体タンパク質、好ましくはCRM197にコンジュゲートされた異なる血清型の肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)から調製された莢膜多糖類からなる。免疫原性組成物は、肺炎球菌疾患に対する広範な適用範囲を提供する。
【背景技術】
【0002】
肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)はグラム陽性菌であり、乳幼児の侵襲性細菌性疾患(肺炎、菌血症、髄膜炎および中耳炎など)の最も一般的な原因である。肺炎球菌は、血清型特異性を付与する化学的に結合した多糖類でカプセル化されている。肺炎球菌には90を超える血清型が知られており、莢膜は細菌の内面を補体から保護するだけでなく、それ自体免疫原性が低いため、肺炎球菌の主要な病原性決定基である。多糖類はT細胞非依存性抗原であり、ほとんどの場合、T細胞と相互作用するためにMHC分子で処理または提示することはできない。しかしながら、これらはB細胞上の表面受容体の架橋を含む代替機構を通して免疫系を刺激することができる。
【0003】
長年にわたって認可されている多価肺炎球菌多糖類ワクチンは、成人、特に高齢者および高リスクの人々の肺炎球菌疾患を予防する際に有益であると証明されている。しかしながら、乳幼児は、非コンジュゲート肺炎球菌多糖類に十分に反応しない。当時乳幼児で侵襲性肺炎球菌疾患を引き起こす7つの最も頻繁に分離された血清型(4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23F)を含有する肺炎球菌コンジュゲートワクチンであるPrevnar(登録商標)が、2000年2月に米国で最初に認可された。米国でのPrevnar(登録商標)の普遍的な使用後、Prevnar(登録商標)に存在する血清型により、子供の侵襲性肺炎球菌疾患が大幅に減少した。Centers for Disease Control and Prevention,MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2005,54(36):893-7を参照されたい。しかしながら、世界の一定の地域でのPrevnar(登録商標)による血清型の適用範囲には制限があり、米国で一定の血清型が出現していることを示すいくつかの証拠がある(例えば、19Aなど)。O’Brien et al.,2004,Am J Epidemiol 159:634-44;Whitney et al.,2003,N Engl J Med 348:1737-46;Kyaw et al.,2006,N Engl J Med 354:1455-63;Hicks et al.,2007,J Infect Dis 196:1346-54;Traore et al.,2009,Clin Infect Dis 48:S181-S189を参照されたい。
【0004】
米国特許出願公開第2006/0228380号明細書は、血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fを含む13価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチンを記載している。中国特許出願公開第101590224号明細書は、血清型1、2、4、5、6A、6B、7F、9N、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fを含む14価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチンを記載している。
【0005】
他のPCVは、PCV-15に含まれる血清型7、10、11または13をカバーしている(米国特許出願公開第2011/0195086号明細書)が、一部の血清型での免疫干渉(例えば、GSKのPCV-11の血清型3に対する防御が低い)およびPfizerのPCV-13(PREVNAR(登録商標)13)で血清型6Bに対する反応率が低いことが観察されている。Prymula et al.,2006,Lancet 367:740-48およびKieninger et al.,Safety and Immunologic Non-inferiority of 13-valent Pneumococcal Conjugate Vaccine Compared to 7-valent Pneumococcal Conjugate Vaccine Given as a 4-Dose Series in Healthy Infants and Toddlers,presented at the 48th Annual ICAAC/ISDA 46th Annual Meeting,Washington DC,October 25-28,2008を参照されたい。
【0006】
現在の多価肺炎球菌ワクチンは、ワクチンに存在する血清型に関連する肺炎球菌疾患の発生率を低下させるのに有効であった。しかしながら、現在利用可能なワクチンに存在しない血清型を発現する肺炎球菌の有病率が増加してきている。したがって、肺炎球菌血清型の異なるセットに対する防御を提供し、現在利用可能なワクチンには存在しない肺炎球菌血清型に対する補完的防御を提供することができる追加の肺炎球菌ワクチン組成物が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許出願公開第2006/0228380号明細書
【文献】中国特許出願公開第101590224号明細書
【文献】米国特許出願公開第2011/0195086号明細書
【非特許文献】
【0008】
【文献】Centers for Disease Control and Prevention,MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2005,54(36):893-7
【文献】O’Brien et al.,2004,Am J Epidemiol 159:634-44
【文献】Whitney et al.,2003,N Engl J Med 348:1737-46
【文献】Kyaw et al.,2006,N Engl J Med 354:1455-63
【文献】Hicks et al.,2007,J Infect Dis 196:1346-54
【文献】Traore et al.,2009,Clin Infect Dis 48:S181-S189
【文献】Prymula et al.,2006,Lancet 367:740-48
【文献】Kieninger et al.,Safety and Immunologic Non-inferiority of 13-valent Pneumococcal Conjugate Vaccine Compared to 7-valent Pneumococcal Conjugate Vaccine Given as a 4-Dose Series in Healthy Infants and Toddlers,presented at the 48th Annual ICAAC/ISDA 46th Annual Meeting,Washington DC,October 25-28,2008
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、コンジュゲートの各々は担体タンパク質にコンジュゲートされた肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の多糖類を含み、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型は本明細書で定義される通りである組成物を提供する。
【0010】
本発明の特定の実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型は、
a)15A、16F、23A、23B、24F、31および35B;
b)15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20;および
c)3、7F、19A、22F、33F、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20
からなる群から選択される血清型のセットを含む。
【0011】
本発明のさらなる特定の実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型は、
a)15A、16F、23A、23B、24F、31および35B;
b)15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20A;および
c)3、7F、19A、22F、33F、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20A
からなる群から選択される血清型のセットを含む。
【0012】
本発明のさらなる特定の実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型は、
a)15A、16F、23A、23B、24F、31および35B;
b)15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20B;および
c)3、7F、19A、22F、33F、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20B
からなる群から選択される血清型のセットを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、a)、b)またはc)に列挙される肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型のセットは、血清型6C、血清型6A、または血清型6Aおよび6Bをさらに含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、多糖類タンパク質コンジュゲートの少なくとも1つが、非プロトン性溶媒、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)を含むコンジュゲーション反応によって形成される。具体的な実施形態では、多糖類タンパク質コンジュゲートの各々が、非プロトン性溶媒を含むコンジュゲーション反応によって形成される。本明細書に示されるように、多糖類-タンパク質コンジュゲートの還元的アミノ化中の溶媒としてDMSOを使用すると、水性条件下で調製された同じコンジュゲートと比較して、これらの血清型の予想外に優れた安定性および免疫原性増強が得られる。
【0015】
ヒト患者で防御免疫応答を誘導する方法であって、本発明の多価免疫原性組成物を患者に投与するステップを含む方法も提供される。本発明の方法のいくつかの実施形態では、患者が以前に多価肺炎球菌ワクチンで処置された。
【0016】
本発明の多価免疫原性組成物は、異なる補完的肺炎球菌ワクチンを用いた処置レジメンの一部として使用され得る。したがって、本発明は、ヒト患者で防御免疫応答を誘導する方法であって、任意の順序で、本発明の多価免疫原性組成物を患者に投与するステップを含み、多価肺炎球菌ワクチンを患者に投与するステップをさらに含む方法を提供する。特定の実施形態では、多価肺炎球菌ワクチンが、複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートよりなり、ここで、コンジュゲートの各々は、担体タンパク質にコンジュゲートされた肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の多糖類を含む。他の実施形態では、多価肺炎球菌ワクチンが、非コンジュゲート莢膜多糖類よりなる。
【0017】
非プロトン性溶媒中でのコンジュゲーション反応を利用する血清型8肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)多糖類-タンパク質コンジュゲートを調製する方法であって、ここで、コンジュゲーション反応はシアノ水素化ホウ素を使用しない方法も提供される。
【0018】
本発明はまた、肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物を提供し、ここで、コンジュゲートの各々は担体タンパク質にコンジュゲートされた肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の多糖類を含み、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の選択血清型は他の選択血清型との交差反応性を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】50℃での重水(D
2O)中の肺炎球菌(S.pneumonia)血清型6Cの莢膜多糖類の600MHz一次元
1H NMRスペクトルを示す図である。内部標準(DMSOおよびDSS-d
6)および残留水(HOD)から発生するシグナルが示されている。*で示されたマイナーシグナルは、C-多糖類および/またはペプチドグリカンのような肺炎球菌(S.pneumonia)細胞壁残留物によるものである。
【
図2】50℃での重水(D
2O)中の肺炎球菌(S.pneumonia)血清型15Aの莢膜多糖類の600MHz一次元
1H NMRスペクトルを示す図である。内部標準(DMSOおよびDSS-d
6)および残留水(HOD)から発生するシグナルが示されている。*で示されたマイナーシグナルは、C-多糖類および/またはペプチドグリカンのような肺炎球菌(S.pneumonia)細胞壁残留物によるものである。
【
図3】50℃での重水(D
2O)中の肺炎球菌(S.pneumonia)血清型脱O-アセチル化15Bの莢膜多糖類の600MHz一次元
1H NMRスペクトルを示す図である。内部標準(DMSOおよびDSS-d
6)および残留水(HOD)から発生するシグナルが示されている。*で示されたマイナーシグナルは、C-多糖類および/またはペプチドグリカンのような肺炎球菌(S.pneumonia)細胞壁残留物によるものである。
【
図4】50℃でのD
2O中の肺炎球菌(S.pneumonia)血清型35Bの莢膜多糖類の600MHz一次元
1H NMRスペクトルを示す図である。内部標準(DMSOおよびDSS-d
6)および残留水(HOD)から発生するシグナルが示されている。*で示されたマイナーシグナルは、C-多糖類および/またはペプチドグリカンのような肺炎球菌(S.pneumonia)細胞壁残留物によるものである。
【
図5】肺炎球菌(S.pneumonia)血清型6Cの血清型同定に有用な
1H NMR同定領域を示す図である。各単糖残基からの反復単位の各アノマープロトンのシグナル位置が示されている。
【
図6】肺炎球菌(S.pneumonia)血清型15Aの血清型同定に有用な
1H NMR同定領域を示す図である。各単糖残基からの反復単位の各アノマープロトンのシグナル位置が示されている。
【
図7】肺炎球菌(S.pneumonia)血清型脱O-アセチル化15Bの血清型同定に有用な
1H NMR同定領域を示す図である。各単糖残基からの各アノマープロトンのシグナル位置が示されている。
【
図8】肺炎球菌(S.pneumonia)血清型35Bの血清型同定に有用な
1H NMR同定領域を示す図である。各単糖残基からの反復単位の各アノマープロトンのシグナル位置が示されている。
【
図9A】肺炎球菌(S.pneumonia)血清型15Bの天然莢膜多糖類の600MHz一次元
1H NMRスペクトルを示す図である。
【
図9B】肺炎球菌(S.pneumonia)血清型15Bの脱O-アセチル化莢膜多糖類の600MHz一次元
1H NMRスペクトルを示す図である。
【
図9C】肺炎球菌(S.pneumonia)血清型15Cの莢膜多糖類の600MHz一次元
1H NMRスペクトルを示す図である。スペクトルは50℃で、重水(D
2O)中で取得した。内部標準(DMSOおよびDSS-d
6)および残留水(HOD)から発生するシグナルが示されている。*で示されたシグナルは、C-多糖類および/またはペプチドグリカンのような肺炎球菌(S.pneumonia)細胞壁残留物によるものである。
【
図10A】肺炎球菌(S.pneumonia)血清型15Bの天然莢膜多糖類の600MHz一次元
1H NMRスペクトルのアノマー領域を示す図である。
【
図10B】肺炎球菌(S.pneumonia)血清型15Bの脱O-アセチル化莢膜多糖類の600MHz一次元
1H NMRスペクトルのアノマー領域を示す図である。
【
図10C】肺炎球菌(S.pneumonia)血清型15Cの莢膜多糖類の600MHz一次元
1H NMRスペクトルのアノマー領域を示す図である。
【
図10D】肺炎球菌(S.pneumonia)血清型15Bの天然莢膜多糖類のO-アセチルおよびN-アセチルメチルシグナルのスペクトルの領域を示す図である。
【
図10E】肺炎球菌(S.pneumonia)血清型15Bの脱O-アセチル化莢膜多糖類のO-アセチルおよびN-アセチルメチルシグナルのスペクトルの領域を示す図である。
【
図10F】肺炎球菌(S.pneumonia)血清型15Cの莢膜多糖類のO-アセチルおよびN-アセチルメチルシグナルのスペクトルの領域を示す図である。
【
図11】HPSEC-UV/MALS/RIを使用した、PCV16(0.128mg/mL)またはPCV21(0.084mg/mLもしくは0.169mg/mL)製剤の多糖類濃度に対する時間および温度(4℃で最大12週間-ひし形、25℃で最大4週間-正方形、37℃で最大4週間-三角形)の影響を示す図である(実施例39参照)。
【
図12】プレフィルドシリンジに分注されたPCV16(0.128mg/mL)またはPCV21(0.084mg/mLもしくは0.169mg/mL)製剤の多糖類濃度に対する水平回転攪拌および温度(4℃、25℃または37℃のいずれかで1週間)の影響を示す図である(実施例39参照)。
【
図13】HPSEC-UV/MALS/RIを使用した、PCV16(0.128mg/mL)またはPCV21(0.084mg/mLもしくは0.169mg/mL)製剤の平均分子量(MwおよびMn)に対する、時間および温度(4℃、25℃または37℃のいずれかで最大4週間)にわたるPS濃度の影響を示す図である。
【
図14A】280nmの励起波長で固有のタンパク質蛍光分光法を使用した、プロトン性溶媒中でコンジュゲートされた製剤原料を用いて調製した肺炎球菌コンジュゲートワクチン(全て水性コンジュゲーションを使用して製剤化したPCV15)の安定性に対する時間および温度(4℃または37℃で最大1週間)の影響を示す図である(実施例40参照)。
【
図14B】280nmの励起波長で固有のタンパク質蛍光分光法を使用した、非プロトン性溶媒中でコンジュゲートされた製剤原料を用いて調製した肺炎球菌コンジュゲートワクチン(0.064mg/mL PnPsで全てDMSOコンジュゲーションを使用して製剤化したPCV16)の安定性に対する時間および温度(4℃または37℃で最大1週間)の影響を示す図である(実施例40参照)。
【
図15】CRM197にコンジュゲートされ、リン酸アルミニウムアジュバント(APA)で製剤化された肺炎球菌(S.pneumoniae)一価血清型で免疫されたウサギのELISA IgG抗体希釈抗体価(投与2後)を示す図である。記号は個々の抗体価を示し、エラーバーは幾何平均抗体価(GMT)の95%信頼区間(CI)を表す。
【
図16】CRM197にコンジュゲートされ、リン酸アルミニウムアジュバント(APA)で製剤化された肺炎球菌(S.pneumoniae)一価血清型で免疫されたウサギの血清型特異的OPA希釈抗体価(投与2後)を示す図である。記号は個々の抗体価を示し、エラーバーは幾何平均抗体価(GMT)の95%信頼区間(CI)を表す。
【
図17】肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型15一価コンジュゲートで免疫されたウサギのELISA IgG抗体希釈抗体価(投与2後)を示す図である。X軸は、ウサギを免疫するために使用されるワクチンを示す。破線は、コーティング抗原として別個の肺炎球菌多糖類を使用した3つの別個のELISAアッセイを分けている。記号は個々の抗体価を示し、エラーバーは幾何平均抗体価(GMT)の95%信頼区間(CI)を表す。
【
図18】肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型15一価コンジュゲートで免疫されたウサギの血清型特異的OPA希釈抗体価(免疫前、投与1後(PD1、プール)および投与2後(PD2))を示す図である。X軸は、ウサギを免疫するために使用されるワクチンを示す。破線は、別個の肺炎球菌(S.pneumoniae)菌株を使用した3つのOPAアッセイを分けている。記号は個々の抗体価を示し、エラーバーは幾何平均抗体価(GMT)の95%信頼区間(CI)を表す。
【
図19A】4、2、1、0.4、0.08または0.016μg/用量のPCV21でのワクチン接種後のNZWR(1群当たり5匹)におけるPD1抗体応答の比較を示す図である。記号は、PD1幾何平均抗体価(GMT)比(2μg/用量群対他の用量群)を示し、エラーバーは95%信頼区間(CI)を表す。
【
図19B】その下限95%信頼限界が1.0を超えるGMT比は薄い灰色であり、その上限95%信頼限界が1.0未満であるGMT比は濃い灰色である
図19AのGMT比に対応するPCV21用量比較PD1 GMT比(95%CI)を示す図である。交差防御を評価するために、血清型15Bデータが含まれる。
【
図20A】4、2、1、0.4、0.08または0.016μg/用量のPCV21でのワクチン接種後のNZWR(1群当たり5匹)におけるPD2抗体応答の比較を示す図である。記号はPD2 GMT比(2μg/用量群対他の用量群)を示し、エラーバーは95%CIを表す。
【
図20B】その下限95%信頼限界が1.0を超えるGMT比は薄い灰色である
図20AのGMT比に対応するPCV21用量比較PD2 GMT比(95%信頼区間)を示す図である。交差防御を評価するために、血清型15Bデータが含まれる。
【
図21A】PCV21(2μg/PnPs)で免疫されたウサギの血清型特異的PD1 OPA希釈抗体価を示す図である。記号は個々の抗体価を示し、エラーバーは幾何平均抗体価(GMT)の95%信頼区間(CI)を表す。*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001。
【
図21B】PCV21(2μg/PnPs)で免疫されたウサギについての血清型特異的PD2 OPA希釈抗体価を示す図である。記号は個々の抗体価を示し、エラーバーは幾何平均抗体価(GMT)の95%信頼区間(CI)を表す。****p<0.0001。交差防御を評価するために、血清型15Bデータが含まれる。
【
図22A】280nmの励起波長で固有のタンパク質蛍光分光法を使用した、水性溶媒またはDMSO溶媒中でコンジュゲートされた全ての製剤原料を用いて調製した肺炎球菌コンジュゲートワクチン(PCV1)の安定性に対する時間および温度(すなわち、4℃で7日間、37℃で1日間または37℃で7日間)の影響を示す図である。
【
図22B】280nmの励起波長で固有のタンパク質蛍光分光法を使用した、水性溶媒またはDMSO溶媒中でコンジュゲートされた全ての製剤原料を用いて調製した肺炎球菌コンジュゲートワクチン(PCV7)の安定性に対する時間および温度(すなわち、4℃で7日間、37℃で1日間または37℃で7日間)の影響を示す図である。
【
図22C】280nmの励起波長で固有のタンパク質蛍光分光法を使用した、水性溶媒またはDMSO溶媒中でコンジュゲートされた全ての製剤原料を用いて調製した肺炎球菌コンジュゲートワクチン(PCV14)の安定性に対する時間および温度(すなわち、4℃で7日間、37℃で1日間または37℃で7日間)の影響を示す図である。
【
図22D】280nmの励起波長で固有のタンパク質蛍光分光法を使用した、DMSO溶媒中でコンジュゲートされた全ての製剤原料を用いて調製した21価肺炎球菌コンジュゲートワクチン(0.084mg/mL PnPsのPCV21)の安定性に対する時間および温度(すなわち、4℃または37℃で7日間)の影響を示す図である。
【
図23】0.084mg/mL PnPsで、PS-20(0%、0.025%、0.05%、0.1%、0.15%または0.2%;全てw/v PS-20)を用いて製剤化された6つのPCV21肺炎球菌コンジュゲートワクチン製剤のナノ粒子追跡分析(NTA)によって分析される粒径分布に対する温度(4℃または37℃で7日間)および4℃での攪拌の影響を示す図である。
【
図24】HPSEC/UV/MALS/RIアッセイによって分析される3つのPCV21製剤の平均分子量に対する温度(4℃および37℃)および攪拌の影響を示す図である。3つのPCV21肺炎球菌コンジュゲートワクチン製剤は、0.084mg/mL PnPsで異なる濃度のPS-20(0.05%、0.1%および0.15%w/v)を用いて製剤化した。
【
図25】PCV21免疫マウスが肺炎球菌(S.pneumoniae)24F気管内曝露から防御されることを示す図である。
【
図26A】非アジュバント化PCV21で免疫されたウサギについてのECLによって決定されるプレ(プール)、PD1(プール)およびPD2 IgG抗体希釈抗体価を示す図である。
【
図26B】APAを用いて製剤化されたPCV21で免疫されたウサギについてのECLによって決定されるプレ(プール)、PD1(プール)およびPD2 IgG抗体希釈抗体価を示す図である。エラーバーは、幾何平均抗体価(GMT)の95%信頼区間(CI)を表す。交差防御を評価するために、血清型15Bデータが含まれる。
【
図27A】非アジュバント化PCV8で免疫されたウサギについてのECLによって決定されるプレ(プール)、PD1(プール)およびPD2 IgG抗体希釈抗体価を示す図である。
【
図27B】非アジュバント化PCV16で免疫されたウサギについてのECLによって決定されるプレ(プール)、PD1(プール)およびPD2 IgG抗体希釈抗体価を示す図である。
【
図27C】APAを用いたPCV31で免疫されたウサギについてのECLによって決定されるプレ(プール)、PD1(プール)およびPD2 IgG抗体希釈抗体価を示す図である。エラーバーは、幾何平均抗体価(GMT)の95%信頼区間(CI)を表す。交差防御を評価するために、血清型15Bデータが含まれる。
【
図28】APAを用いたまたは用いないPCV21によるワクチン接種後のNZWR(1群当たり5匹)におけるPD2 ECL抗体応答の比較を示す図である。記号はPD2 GMT比率を示し、エラーバーは95%CIを表す。交差防御を評価するために、血清型15Bデータが含まれる。
【
図29】PCV21、PCV8またはPCV16によるワクチン接種後の一般的な血清型および交差防御血清型15BについてのNZWR(1群当たり5)におけるPD2 ECL抗体応答の比較を示す図である。記号はPD2 ECL GMT比を示し、エラーバーは95%CIを表す。
【
図30】PCV21/APAまたはPCV31/APAによるワクチン接種後の一般的な血清型および交差防御血清型15BについてのNZWR(1群当たり5匹)におけるPD2 ECL抗体応答の比較を示す図である。記号はPD2 ECL GMT比を示し、エラーバーは95%CIを表す。
【
図31A】PCVで免疫されたウサギについての血清型特異的プレ(プール)OPA希釈抗体価を示す図である。
【
図31B】PCVで免疫されたウサギについての血清型特異的プレ(プール)OPA希釈抗体価を示す図である。
【
図31C】PCVで免疫されたウサギについての血清型特異的PD2 OPA希釈抗体価を示す図である。
【
図31D】PCVで免疫されたウサギについての血清型特異的PD2 OPA希釈抗体価を示す図である。エラーバーは、GMTの95%CIを表す。PCV21を統計学的比較のベンチマークとして使用した。*p<0.05。
図Aおよび
図Cは、評価した全てのPCVの8つの一般的な血清型(6C、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B)ならびにPCV16、PCV21およびPCV31の追加の8つの一般的な血清型(8、9N、10A、11A、12F、15C、17F、20B)についてのデータを示す。
図Bおよび
図Dは、
図Aおよび
図Cに含まれていない追加の16の血清型についてのデータを示す。そのうちの5つはPCV21およびPCV31の一般的な血清型でもあり(3、7F、19A、22F、33F)、10の血清型はPCV31にのみ含まれる(1、4、5、6A、6B、9V、14、18C、19F、23F)。交差防御を評価するために、血清型15Bデータが含まれる。
【
図32】PCV21で免疫された成体アカゲザル(n=8)についてのECLによって決定されるプレ、PD1、PD2およびPD3 IgG抗体希釈抗体価を示す図である。エラーバーは、GMTの95%CIを表す。交差防御を評価するために、血清型15Bデータが含まれる。
【
図33】PCV21で免疫された成体アカゲザル(n=8)のプレ、PD1(プール)およびPD3 OPA希釈抗体価を示す図である。エラーバーは、GMTの95%CIを表す。交差防御を評価するために、血清型15Bデータが含まれる。
【
図34】PCV21で免疫された成体アカゲザルについてのPCV21ワクチンに含まれていない4つの血清型に対するプレおよびPD3(70日目)OPA抗体価を示す図である。
【
図35】APAを用いたまたは用いないPCV21によるワクチン接種後の成体アカゲザル(1群当たり5匹)におけるPD1 ECL抗体応答の比較を示す図である。記号はPD1 ECL GMT比(PCV21対PCV21/APA)を示し、エラーバーは95%CIを表す。交差防御を評価するために、血清型15Bデータが含まれる。
【
図36】PCV15またはPrevnar13と比較した、PCV21によるワクチン接種後の成体アカゲザル(1群当たり2~5匹)における血清型3、7F、19A、22Fおよび33Fに対するPD1 IgG抗体応答を示す図である。記号はPD1 ECL GMT比を示し、エラーバーは95%CIを表す。
【
図37A】6A-CRM197一価製剤で免疫されたウサギについての6A、6Bおよび6C((免疫前およびPD1、プール)およびPD2)に対するELISA IgG抗体希釈抗体価を示す図である。
【
図37B】6B-CRM197一価製剤で免疫されたウサギについての6A、6Bおよび6C((免疫前およびPD1、プール)およびPD2)に対するELISA IgG抗体希釈抗体価を示す図である。バーは幾何平均抗体価(GMT)を示し、エラーバーはGMTの95%信頼区間(CI)を示す。
【
図38A】6A-CRM197一価製剤で免疫されたウサギについての6A、6Bおよび6C((免疫前およびPD1、プール)およびPD2)に対する血清型特異的OPA希釈抗体価を示す図である。
【
図38B】6B-CRM197一価製剤で免疫されたウサギについての6A、6Bおよび6C((免疫前およびPD1、プール)およびPD2)に対する血清型特異的OPA希釈抗体価を示す図である。バーは幾何平均抗体価(GMT)を示し、エラーバーはGMTの95%信頼区間(CI)を示す。
【
図39A】20A-CRM197/APAで免疫されたウサギについての20Aおよび20B(免疫前(プール)、PD1およびPD2)に対する血清型特異的OPA希釈抗体価を示す図である。
【
図39B】PCV21で免疫されたウサギについての20Aおよび20B(免疫前(プール)、PD1およびPD2)に対する血清型特異的OPA希釈抗体価を示す図である。バーは幾何平均抗体価(GMT)を示し、エラーバーはGMTの95%信頼区間(CI)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、コンジュゲートの各々は担体タンパク質にコンジュゲートされた肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の多糖類を含み、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型は本明細書で定義される通りである組成物を提供する。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物は、(a)15A、16F、23A、23B、24F、31および35B;(b)15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20;および(c)3、7F、19A、22F、33F、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20からなる群から選択される肺炎球菌血清型のセットを含む。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物は、(a)15A、16F、23A、23B、24F、31および35B;(b)15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20B;および(c)3、7F、19A、22F、33F、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20Bからなる群から選択される肺炎球菌血清型のセットを含む。他の実施形態では、免疫原性組成物は、(a)15A、16F、23A、23B、24F、31および35B;(b)15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20A;および(c)3、7F、19A、22F、33F、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20Aからなる群から選択される肺炎球菌血清型のセットを含む。さらなる実施形態では、免疫原性組成物は、(i)血清型6A;(ii)血清型6Aおよび6B;または(iii)血清型6Cを含む。特定の実施形態では、本発明は、複数の肺炎球菌の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含み、ここで、コンジュゲートの各々は担体タンパク質にコンジュゲートされた肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の多糖類を含み、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型は血清型3、6C、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bを含む。前記組成物は、ウサギにおいて免疫原性であり、試験した全ての用量でワクチン型細菌株を殺傷する機能的抗体を産生することが分かった(実施例43)。別の特定の実施形態では、本発明は、複数の肺炎球菌の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含み、ここで、コンジュゲートの各々は担体タンパク質にコンジュゲートされた肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の多糖類を含み、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型は、血清型3、7F、19A、22F、33F、8、9N、10A、11A、12F、15C、17F、20、6A、15A、15C、16F、23A、23B、24F、31および35Bを含む。別の特定の実施形態では、本発明は、複数の肺炎球菌の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含み、ここで、コンジュゲートの各々は、担体タンパク質にコンジュゲートされた肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の多糖類を含み、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型は、血清型3、7F、19A、22F、33F、8、9N、10A、11A、12F、15C、17F、20B、6A、15A、15C、16F、23A、23B、24F、31および35Bを含む。別の特定の実施形態では、本発明は、複数の肺炎球菌の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含み、ここで、コンジュゲートの各々は、担体タンパク質にコンジュゲートされた肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の多糖類を含み、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型は、血清型3、7F、19A、22F、33F、8、9N、10A、11A、12F、15C、17F、20A、6A、15A、15C、16F、23A、23B、24F、31および35Bを含む。
【0021】
本発明の多価免疫原性組成物は、ワクチン型肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型に対して患者を免疫するのに、および異なる補完的肺炎球菌ワクチン(類)を用いた処置レジメンの一部として有用である。したがって、本発明は、ヒト患者で防御免疫応答を誘導する方法であって、任意の順序で、本発明の多価免疫原性組成物を患者に投与するステップを含み、更に、多価肺炎球菌ワクチンを患者に投与するステップをさらに含む方法を提供する。他の実施形態では、本発明の多価免疫原性組成物は、以前に異なる多価肺炎球菌ワクチンで免疫された患者に投与される。
【0022】
本発明の実施形態では、少なくとも1つの肺炎球菌血清型からのコンジュゲートは、DMSOのような非プロトン性溶媒中での還元的アミノ化を使用して調製される。さらなる実施形態では、多価免疫原性組成物は、各々が非プロトン性溶媒中での還元的アミノ化を使用して調製された肺炎球菌コンジュゲートを含む。各々が非プロトン性溶媒中での還元的アミノ化を使用して調製された製剤原料を含むPCV1、PCV7、PCV14、PCV16およびPCV21(以下で定義される)製剤は、炭水化物の解重合または化学分解に対して安定であり、製剤中のタンパク質の凝集に対して安定であることが本明細書で示されている(実施例40および実施例45参照)。DMSO溶媒を使用すると、担体タンパク質の表面上のリジン残基の直接消費を通して、多糖類とタンパク質の共有結合性会合が増強される。共有結合性会合の増加は、DMSO中でコンジュゲートされた多糖類抗原を含む多価免疫原性組成物の多糖類タンパク質コンジュゲートの安定性を増加させることに直接的な利益をもたらす。
【0023】
I.定義および略語
本明細書および添付の特許請求の範囲を通して使用される場合、以下の略語が適用される:
APA リン酸アルミニウムアジュバント
APC 抗原提示細胞
CI 信頼区間
DMSO ジメチルスルホキシド
DS 多糖類-タンパク質製剤原料
GMC 幾何平均濃度
GMT 幾何平均抗体価
HPSEC 高速サイズ排除クロマトグラフィー
IM 筋肉内のまたは筋肉内に
LOS リポオリゴ糖
LPS リポ多糖
MALS 多角度光散乱
MBC 一価バルクコンジュゲート
MOPA 多重オプソニン食細胞アッセイ
MW 分子量
NMWCO 公称分子量カットオフ
NZWR ニュージーランドホワイト種ウサギ
OPA オプソニン食作用アッセイ
PCV 肺炎球菌コンジュゲートワクチン
PD1 投与1後
PD2 投与2後
PnPs 肺炎球菌多糖類
Ps 多糖類
PS-20 ポリソルベート-20
RI 屈折率
UV 紫外線
w/v 体積当たり重量。
【0024】
本発明がより容易に理解されるように、一定の技術用語および科学用語を以下に具体的に定義する。この文書の他で具体的に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解される意味を有する。
【0025】
本明細書を通しておよび添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上別段の意味を有することが明らかな場合を除き、複数指示対象を含む。
【0026】
「または」への言及は、文脈が示される可能性の1つを明確に指示しない限り、いずれかまたは両方の可能性を示す。場合によっては、いずれかまたは両方の可能性を強調するために「および/または」を使用した。
【0027】
「水性溶媒」または「水性条件」という用語は、還元的アミノ化のようなコンジュゲーションで使用される場合、コンジュゲート反応のための溶媒としての水の使用を指す。水は、有機溶媒が存在しないことを除いて緩衝剤および他の成分を含有してもよい。
【0028】
「非プロトン性溶媒」、「DMSO溶媒」または「DMSO条件」という用語は、還元的アミノ化のようなコンジュゲーションで使用される場合、コンジュゲーション反応のための溶媒としての、非プロトン性溶媒、または非プロトン性溶媒の組み合わせ(または該当する場合DMSO)の使用を指す。非プロトン性溶媒は、例えば最大1%、2%、5%、10%または20%存在するいくらかの水を含んでもよい。
【0029】
「含む」という用語は、本発明の免疫原性組成物で使用される場合、アジュバントおよび賦形剤のような他の任意の成分の包含、または具体的に列挙されていない1以上の多糖類-タンパク質コンジュゲートの添加を指す。「~からなる」という用語は、多価多糖類-タンパク質コンジュゲート混合物で使用される場合、特定の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを有し、異なる血清型の他の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを有さない混合物を指す。「~から本質的になる(consists essentially of)」および「~から本質的になる(consist essentially of)」または「~から本質的になっている(consisting essentially of)」のような変形は、列挙される要素または要素群の包含、および指定される投与レジメン、方法または組成物の基本的なまたは新規な特性を実質的に変化させない、列挙される要素と類似のまたは異なる性質の他の要素の任意の包含を示す。
【0030】
本発明の組成物の「有効量」は、その後の曝露中に、微生物例えば肺炎球菌(S.pneumonia)の感染性(infectivitiy)の可能性または重症度を有意に低下させる抗体を誘発するのに必要な用量を指す。
【0031】
本明細書で使用される場合、「肺炎球菌疾患を予防するために必要とされる」という語句は、ワクチンまたは免疫原性組成物が、米国食品医薬品局などの1以上の規制当局によって、限定されるものではないが、肺炎球菌疾患一般、肺炎球菌性肺炎、肺炎球菌性髄膜炎、肺炎球菌性菌血症、肺炎球菌(S.pneumoniae)によって引き起こされる侵襲性疾患、および肺炎球菌(S.pneumoniae)によって引き起こされる中耳炎を含む、肺炎球菌(S.pneumoniae)のいずれかの血清型によって引き起こされる1以上の疾患を予防するために承認されていることを意味する。
【0032】
「多価肺炎球菌ワクチン」は、肺炎球菌(S.pneumoniae)の2つ以上の血清型によって引き起こされる疾患または病的症状に対する能動免疫を提供する、2つ以上の活性薬剤(例えば、肺炎球菌莢膜多糖類または肺炎球菌多糖類タンパク質コンジュゲート)を含む医薬品である。
【0033】
「多糖類」という用語は、免疫および細菌ワクチン技術で一般的に用いられる任意の抗原糖要素(または抗原単位)を含むことを意味し、限定されるものではないが、「糖」、「オリゴ糖」、「多糖」または「リポ多糖」、「リポオリゴ糖(LOS)」、「リポ多糖(LPS)」、「グリコシレート」、「グリココンジュゲート(glycoconjugate)」などを含む。
【0034】
「PCV1」は、本明細書で使用される場合、担体タンパク質にコンジュゲートされた肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の莢膜多糖類を含む、1つの肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む1価肺炎球菌コンジュゲートワクチンであって、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型は3である(実施例38および45に例示される)ワクチンを指す。特定の実施形態では、担体タンパク質はCRM197である。
【0035】
「PCV7」は、本明細書で使用される場合、各々が担体タンパク質にコンジュゲートされた肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の莢膜多糖類を含む、7つの肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む7価肺炎球菌コンジュゲートワクチンであって、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型は3、8、9N、11A、19A、15Aおよび10Aである。具体的な実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートの1以上の担体タンパク質がCRM197である。さらなる実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートの各々の担体タンパク質がCRM197である。
【0036】
「PCV8」は、本明細書で使用される場合、各々が担体タンパク質にコンジュゲートされた肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の莢膜多糖類を含む、8つの肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む8価肺炎球菌コンジュゲートワクチンであって、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型は6C、15A、16F、23A、23B、24F、31および35Bである。具体的な実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートの1以上の担体タンパク質がCRM197である。さらなる実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートの各々の担体タンパク質がCRM197である。
【0037】
「PCV14」は、本明細書で使用される場合、各々が担体タンパク質にコンジュゲートされた肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の莢膜多糖類を含む、14の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む14価肺炎球菌コンジュゲートワクチンであって、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型は3、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、16F、17F、19A、20、22Fおよび33Fである。具体的な実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートの1以上の担体タンパク質がCRM197である。さらなる実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートの各々の担体タンパク質がCRM197である。
【0038】
「PCV15」は、本明細書で使用される場合、各々が担体タンパク質にコンジュゲートされた肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の莢膜多糖類を含む、15の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む15価肺炎球菌コンジュゲートワクチンであって、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型は1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fである。具体的な実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートの1以上の担体タンパク質がCRM197である。さらなる実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートの各々の担体タンパク質がCRM197である。
【0039】
「PCV16」は、本明細書で使用される場合、各々が担体タンパク質にコンジュゲートされた肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の莢膜多糖類を含む、16の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む16価肺炎球菌コンジュゲートワクチンであって、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型は6C、8、9N、10A、11A、12F、15A、16F、17F、20A、23A、23B、24F、31および35Bならびに以下の血清群15の血清型:15B、15Cまたは脱O-アセチル化15Bの少なくとも1つである。特定の実施形態では、血清群15の血清型が、血清型15Cまたは脱O-アセチル化15Bである。本明細書に示されるように(以下の実施例3参照)、脱O-アセチル化血清型15B肺炎球菌多糖類は、血清型15C肺炎球菌多糖類と同等であり、同一のNMRスペクトルを有する。具体的な実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートの1以上の担体タンパク質がCRM197である。さらなる実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートの各々の担体タンパク質がCRM197である。
【0040】
「PCV21」は、本明細書で使用される場合、各々が担体タンパク質にコンジュゲートされた肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の莢膜多糖類を含む、21の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む21価肺炎球菌コンジュゲートワクチンであって、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型は3、6C、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bならびに以下の血清群15の血清型:15B、15Cまたは脱O-アセチル化15Bの少なくとも1つである。特定の実施形態では、血清群15の血清型が、血清型15Cまたは脱O-アセチル化15Bである。具体的な実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートの1以上の担体タンパク質がCRM197である。さらなる実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートの各々の担体タンパク質がCRM197である。
【0041】
肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型20Aおよび20Bが、遺伝子解析により2012年に血清群20内で同定された(Calix,J.J.et al.,J.Biol.Chem.(2012)287(33):27885-27894)。Calix J.J.らによって議論されるように、従来の血清型分類法および市販の抗体は、これら2つの血清型を以前は識別することができず、血清型20Aおよび20Bの血清型分類の取り組みに関する情報は現在限られている。さらに、血清群20によって引き起こされる特定された疾患内の20Aまたは20Bの疾患有病率は、十分には理解されていない。したがって、当業者は、肺炎球菌(S.pneumoniae)ワクチン組成物にこれらの2つの血清型(20Aおよび/または20B)のいずれかまたは両方を含めることを選択するかもしれない。一方の血清型20多糖類抗原を含む肺炎球菌(S.pneumoniae)ワクチンが別の血清型に対して交差防御する可能性があることも考えられる(例えば、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型20Aの多糖類タンパク質コンジュゲートを含み、血清型20Bの多糖類タンパク質コンジュゲートを含まないワクチンが、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型20Bによる感染に対して交差防御する可能性がある)。したがって、本明細書で使用される「血清型20」は、血清型20Aおよび/または血清型20Bの多糖類タンパク質コンジュゲートを含む組成物を指し得る。
【0042】
「CpG含有ヌクレオチド」、「CpG含有オリゴヌクレオチド」、「CpGオリゴヌクレオチド」および類似の用語は、非メチル化CpG部分を含む6~50ヌクレオチド長のヌクレオチド分子を指す。例えば、Wang et al.,2003,Vaccine 21:4297を参照されたい。CpG含有オリゴヌクレオチドは、合成ヌクレオシド間結合、修飾塩基および/または修飾糖を使用した修飾オリゴヌクレオチドを含む。
【0043】
本明細書で定義される「アジュバント」は、本発明の免疫原性組成物の免疫原性を増強するのに役立つ物質である。免疫アジュバントは、単独で投与した場合に免疫原性が弱い、例えば誘導する抗体価もしくは細胞媒介免疫応答がないもしくは弱い抗原に対する免疫応答を増強する、抗原に対する抗体価を増加させる、および/または個体の免疫応答を達成するのに有効な抗原の用量を低下させることができる。したがって、アジュバントは、通常、免疫応答を増強するために与えられ、当業者に周知である。
【0044】
「患者」(あるいは本明細書では「対象」と呼ばれる)は、肺炎球菌(S.pneumoniae)に感染することができる哺乳動物を指す。好ましい実施形態では、患者がヒトである。患者を予防的または治療的に処置することができる。予防的処置は、肺炎球菌感染症またはその効果、例えば肺炎球菌性肺炎の可能性または重症度を減少させるのに十分な防御免疫を提供する。治療的処置は、肺炎球菌(S.pneumoniae)感染症またはその臨床的効果の重症度を減少させるまたは再発を防止するために実施され得る。本明細書に記載されるように、本発明の多価免疫原性組成物を使用して予防的処置を実施することができる。本発明の組成物を、一般集団または肺炎球菌感染症のリスクが高い人々、例えば高齢者、または高齢者と一緒に暮らしているもしくは高齢者を介護している人々に投与することができる。
【0045】
「処置を必要とする」人には、以前に肺炎球菌(S.pneumoniae)に曝露または感染した人、以前に肺炎球菌(S.pneumoniae)に対してワクチン接種された人、ならびに感染する傾向がある人、または感染の可能性の減少が望ましい人、例えば免疫不全、高齢者、子供、成人または健康な個体が含まれる。
【0046】
「安定な」多価免疫原性組成物は、冷蔵温度(例えば、2~8℃または4℃)で少なくとも1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月および/または24ヶ月間、有意な変化が観察されない組成物である。さらに、「安定な」組成物は、25℃および37℃を含む温度で、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月および/または24ヶ月を含む期間にわたって所望の特徴を示すものを含む。安定性の典型的な許容基準は次の通りである:以下の1以上の変動が約5%、約10%、約15%または約20%以下である:(a)組成物中の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートの数平均分子量(Mn)、(b)組成物中の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートの重量平均分子量(Mw)、(c)組成物中の総多糖類濃度、(d)特定の励起波長、例えば280nmで固有のタンパク質蛍光分光法を使用して測定される組成物の発光極大、および(e)特定の励起波長で固有のタンパク質蛍光分光法を使用して測定される組成物の蛍光強度。「安定な」という用語はまた、多価免疫原性組成物内の特定の肺炎球菌コンジュゲートを指すためにも使用され得る。このような使用において、この用語は、特定の温度で経時的に所望の特性を示すコンジュゲートを指し、このような特性は、言及される時間および温度にわたって約5%、約10%、約15%または約20%以下しか変動しない。
【0047】
II.多価免疫原性組成物
本発明は、複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、コンジュゲートの各々は担体タンパク質にコンジュゲートされた肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の多糖類を含む組成物を提供する。本発明の多価免疫原性組成物の異なる態様および実施形態を以下に記載する。
【0048】
一実施形態(実施形態E1)では、本発明は、各々が担体タンパク質にコンジュゲートされた肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の莢膜多糖類を含む、複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型は、
(1)15A、
(2)16F、
(3)(a)23Aおよび23B、(b)23Aおよび23F、(c)23Bおよび23F、(d)23A、(e)23B、および(f)23Fから選択される1以上の血清群23の血清型、
(4)24F、
(5)31、および
(6)35B
を含む、からなる、またはから本質的になる組成物を提供する。
【0049】
実施形態E1の下位実施形態では、1以上の血清群23の血清型が23Aおよびおよび23Bである(すなわち、他の血清群23の血清型が存在しない)。実施形態E1のさらなる下位実施形態では、1以上の血清群23の血清型が23Aおよび23Fである。実施形態E1の別の下位実施形態では、1以上の血清群23の血清型が23Bおよび23Fである。実施形態E1のさらに別の下位実施形態では、23Aが唯一の血清群23の血清型である。実施形態E1のさらなる下位実施形態では、23Bが唯一の血清群23の血清型である。実施形態E1のなおさらなる下位実施形態では、23Fが唯一の血清群23の血清型である。
【0050】
第2の実施形態(実施形態E2)では、本発明は、担体タンパク質にコンジュゲートされた肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の莢膜多糖類を含む、複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型が、実施形態E1または実施形態E1のいずれかの下位実施形態に示される血清型を含み、血清型:(1)6C、(2)6A、または(3)6Aおよび6Bをさらに含む組成物を提供する。
【0051】
実施形態E2の下位実施形態では、組成物が血清型6Cを含む。実施形態E2のさらなる下位実施形態では、組成物が血清型6Aおよび6Bを含み、そして、血清型6Cを含まない。実施形態E2の別の下位実施形態では、組成物が血清型6Aを含む。
【0052】
第3の実施形態(実施形態E3)では、本発明は、担体タンパク質にコンジュゲートされた肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の莢膜多糖類を含む、複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型が、実施形態E1、または実施形態E1のいずれかの下位実施形態、または実施形態E2、または実施形態E2のいずれかの下位実施形態に示される血清型を含み、そして、血清型:
(1)8、
(2)9N、
(3)11A
(4)12F、
(5)15Bまたは15C、
(6)17F、および
(7)20Aおよび/または20B
をさらに含む組成物を提供する。
【0053】
第4の実施形態(実施形態E4)では、本発明は、担体タンパク質にコンジュゲートされた肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の莢膜多糖類を含む、複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型が、実施形態E1~E3のまたはそのいずれかの下位実施形態のいずれかに示される血清型を含み、そして、血清型:10Aまたは39をさらに含む組成物を提供する。
【0054】
第5の実施形態(実施形態E5)では、本発明は、上記の複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型が、8、9N、10A、11A、12F、15C、17F、20A、6C、15A、16F、23A、23B、24F、31および35Bを含む、からなる、またはから本質的になる組成物を提供する。
【0055】
第6の実施形態(実施形態E6)では、本発明は、上記の複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型が、8、9N、39、11A、12F、15C、17F、20A、6C、15A、16F、23A、23B、24F、31および35Bを含む、からなる、またはから本質的になる組成物を提供する。
【0056】
第7の実施形態(実施形態E7)では、本発明は、上記の複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型が、8、9N、10A、11A、12F、15B、17F、20A、6C、15A、16F、23A、23B、24F、31および35Bを含む、からなる、またはから本質的になる組成物を提供する。
【0057】
第8の実施形態(実施形態E8)では、本発明は、上記の複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型が、8、9N、39、11A、12F、15B、17F、20A、6C、15A、16F、23A、23B、24F、31および35Bを含む、からなる、またはから本質的になる組成物を提供する。
【0058】
第9の実施形態(実施形態E9)では、本発明は、上記の複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型が、実施形態E1~E8(またはそのいずれかの下位実施形態)のいずれかに示される血清型を含み、そして、血清型:3、7Fおよび19Aをさらに含む組成物を提供する。
【0059】
第10の実施形態(実施形態E10)では、本発明は、上記の複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型が、実施形態E1~E9(またはそのいずれかの下位実施形態)のいずれかに示される血清型を含み、そして、血清型22Fをさらに含む組成物を提供する。
【0060】
第11の実施形態(実施形態E11)では、本発明は、上記の複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型が、実施形態E1~E10(またはそのいずれかの下位実施形態)のいずれかに示される血清型を含み、そして、血清型33Fをさらに含む組成物を提供する。
【0061】
第12の実施形態(実施形態E12)では、本発明は、上記の複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型は、
(1)15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(2)15A、16F、23F、23B、24F、31および35B、
(3)15A、16F、23A、23F、24F、31および35B、
(4)15A、16F、23A、24F、31および35B、
(5)15A、16F、23B、24F、31および35B、
(6)15A、16F、23F、24F、31および35B、
(7)6C、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(8)6C、15A、16F、23F、23B、24F、31および35B、
(9)6C、15A、16F、23A、23F、24F、31および35B、
(10)6C、15A、16F、23A、24F、31および35B、
(11)6C、15A、16F、23B、24F、31および35B、
(12)6C、15A、16F、23F、24F、31および35B、
(13)6A、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(14)6A、15A、16F、23F、23B、24F、31および35B、
(15)6A、15A、16F、23A、23F、24F、31および35B、
(16)6A、15A、16F、23A、24F、31および35B、
(17)6A、15A、16F、23B、24F、31および35B、
(18)6A、15A、16F、23F、24F、31および35B、
(19)6A、6B、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(20)6A、6B、15A、16F、23F、23B、24F、31および35B、
(21)6A、6B、15A、16F、23A、23F、24F、31および35B、
(22)6A、6B、15A、16F、23A、24F、31、および35B、
(23)6A、6B、15A、16F、23B、24F、31、および35B、および
(24)6A、6B、15A、16F、23F、24F、31、および35B
からなる群から選択される肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型のセットを含む、からなる、またはから本質的になる組成物を提供する。
【0062】
第13の実施形態(実施形態E13)では、本発明は、上記の複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型は、
(1)8、9N、10A、11A、12F、15C、17F、20A、6C、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(2)8、9N、39、11A、12F、15C、17F、20A、6C、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(3)8、9N、10A、11A、12F、15B、17F、20A、6C、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(4)8、9N、39、11A、12F、15B、17F、20A、6C、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(5)8、9N、10A、11A、12F、15C、17F、20A、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(6)8、9N、10A、11A、12F、15C、17F、20A、6A、6B、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(7)8、9N、10A、11A、12F、15C、17F、20A、6A、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(8)8、9N、39、11A、12F、15C、17F、20A、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(9)8、9N、39、11A、12F、15C、17F、20A、6A、6B、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(10)8、9N、39、11A、12F、15C、17F、20A、6A、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(11)8、9N、10A、11A、12F、15B、17F、20A、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(12)8、9N、10A、11A、12F、15B、17F、20A、6A、6B、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(13)8、9N、10A、11A、12F、15B、17F、20A、6A、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(14)8、9N、39、11A、12F、15B、17F、20A、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(15)8、9N、39、11A、12F、15B、17F、20A、6A、6B、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(16)8、9N、39、11A、12F、15B、17F、20A、6A、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(17)8、9N、10A、11A、12F、15C、17F、20A、6C、15A、16F、23F、24F、31および35B、
(18)8、9N、39、11A、12F、15C、17F、20A、6C、15A、16F、23F、24F、31および35B、
(19)8、9N、10A、11A、12F、15B、17F、20A、6C、15A、16F、23F、24F、31および35B、
(20)8、9N、39、11A、12F、15B、17F、20A、6C、15A、16F、23F、24F、31および35B、
(21)8、9N、10A、11A、12F、15C、17F、20A、15A、16F、23F、24F、31および35B、
(22)8、9N、10A、11A、12F、15C、17F、20A、6A、6B、15A、16F、23F、24F、31および35B、
(23)8、9N、10A、11A、12F、15C、17F、20A、6A、15A、16F、23F、24F、31および35B、
(24)8、9N、39、11A、12F、15C、17F、20A、15A、16F、23F、24F、31および35B、
(25)8、9N、39、11A、12F、15C、17F、20A、6A、6B、15A、16F、23F、24F、31および35B、
(26)8、9N、39、11A、12F、15C、17F、20A、6A、15A、16F、23F、24F、31および35B、
(27)8、9N、10A、11A、12F、15B、17F、20A、15A、16F、23F、24F、31および35B、
(28)8、9N、10A、11A、12F、15B、17F、20A、6A、6B、15A、16F、23F、24F、31および35B、
(29)8、9N、10A、11A、12F、15B、17F、20A、6A、15A、16F、23F、24F、31および35B、
(30)8、9N、39、11A、12F、15B、17F、20A、15A、16F、23F、24F、31および35B、
(31)8、9N、39、11A、12F、15B、17F、20A、6A、6B、15A、16F、23F、24F、31および35B、および
(32)8、9N、39、11A、12F、15B、17F、20A、6A、15A、16F、23F、24F、31および35B
からなる群から選択される肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型のセットを含む、からなる、またはから本質的になる組成物を提供する。
【0063】
第13の実施形態(実施形態E13)は、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の行(1)~(32)のセットをさらに含み、ここで、各セットの血清型20Aは、血清型20または血清型20Bのいずれかで置換される。
【0064】
本発明の第14の実施形態(実施形態E14)では、本発明は、上記の複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型は、実施形態E13の行(17)~(32)に示される血清型のセットのいずれかから選択される肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型のセットを含む、からなる、またはから本質的になり、血清型23Aおよび/または23Bをさらに含む組成物を提供する。
【0065】
第15の実施形態(実施形態E15)では、本発明は、上記の複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型は、
(1)3、7F、19A、22F、33F、8、9N、10A、11A、12F、15C、17F、20A、6C、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(2)3、7F、19A、22F、33F、8、9N、39、11A、12F、15C、17F、20A、6C、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(3)3、7F、19A、22F、33F、8、9N、10A、11A、12F、15B、17F、20A、6C、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(4)3、7F、19A、22F、33F、8、9N、39、11A、12F、15B、17F、20A、6C、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(5)3、7F、19A、22F、33F、8、9N、10A、11A、12F、15C、17F、20A、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(6)3、7F、19A、22F、33F、8、9N、10A、11A、12F、15C、17F、20A、6A、6B、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(7)3、7F、19A、22F、33F、8、9N、10A、11A、12F、15C、17F、20A、6A、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(8)3、7F、19A、22F、33F、8、9N、39、11A、12F、15C、17F、20A15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(9)3、7F、19A、22F、33F、8、9N、39、11A、12F、15C、17F、20A、6A、6B、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(10)3、7F、19A、22F、33F、8、9N、39、11A、12F、15C、17F、20A、6A、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(11)3、7F、19A、22F、33F、8、9N、10A、11A、12F、15B、17F、20A、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(12)3、7F、19A、22F、33F、8、9N、10A、11A、12F、15B、17F、20A、6A、6B、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(13)3、7F、19A、22F、33F、8、9N、10A、11A、12F、15B、17F、20A、6A、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(14)3、7F、19A、22F、33F、8、9N、39、11A、12F、15B、17F、20A、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(15)3、7F、19A、22F、33F、8、9N、39、11A、12F、15B、17F、20A、6A、6B、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(16)3、7F、19A、22F、33F、8、9N、39、11A、12F、15B、17F、20A、6A、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
(17)3、7F、19A、22F、33F、8、9N、10A、11A、12F、15C、17F、20A、6C、15A、16F、23F、24F、31および35B、
(18)3、7F、19A、22F、33F、8、9N、39、11A、12F、15C、17F、20A、6C、15A、16F、23F、24F、31および35B、
(19)3、7F、19A、22F、33F、8、9N、10A、11A、12F、15B、17F、20A、6C、15A、16F、23F、24F、31および35B、
(20)3、7F、19A、22F、33F、8、9N、39、11A、12F、15B、17F、20A、6C、15A、16F、23F、24F、31および35B、
(21)3、7F、19A、22F、33F、8、9N、10A、11A、12F、15C、17F、20A、15A、16F、23F、24F、31および35B、
(22)3、7F、19A、22F、33F、8、9N、10A、11A、12F、15C、17F、20A、6A、6B、15A、16F、23F、24F、31および35B、
(23)3、7F、19A、22F、33F、8、9N、10A、11A、12F、15C、17F、20A、6A、15A、16F、23F、24F、31および35B、
(24)3、7F、19A、22F、33F、8、9N、39、11A、12F、15C、17F、20A、15A、16F、23F、24F、31および35B、
(25)3、7F、19A、22F、33F、8、9N、39、11A、12F、15C、17F、20A、6A、6B、15A、16F、23F、24F、31および35B、
(26)3、7F、19A、22F、33F、8、9N、39、11A、12F、15C、17F、20A、6A、15A、16F、23F、24F、31および35B、
(27)3、7F、19A、22F、33F、8、9N、10A、11A、12F、15B、17F、20A、15A、16F、23F、24F、31および35B、
(28)3、7F、19A、22F、33F、8、9N、10A、11A、12F、15B、17F、20A、6A、6B、15A、16F、23F、24F、31および35B、
(29)3、7F、19A、22F、33F、8、9N、10A、11A、12F、15B、17F、20A、6A、15A、16F、23F、24F、31および35B、
(30)3、7F、19A、22F、33F、8、9N、39、11A、12F、15B、17F、20A、15A、16F、23F、24F、31および35B、
(31)3、7F、19A、22F、33F、8、9N、39、11A、12F、15B、17F、20A、6A、6B、15A、16F、23F、24F、31および35B、
(32)3、7F、19A、22F、33F、8、9N、39、11A、12F、15B、17F、20A、6A、15A、16F、23F、24F、31および35B、
(33)3、7F、19A、22F、33F、6C、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20B、
(34)3、7F、19A、22F、33F、6C、15A、16F、23A、23B、24B、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20A、
(35)3、7F、19A、22F、33F、6C、15A、16F、23A、23B、24B、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20B、
(36)3、7F、19A、22F、33F、6A、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20B、
(37)3、7F、19A、22F、33F、6A、15A、16F、23A、23B、24B、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20A、
(38)3、7F、19A、22F、33F、6A、15A、16F、23A、23B、24B、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20B、
(39)3、7F、19A、22F、33F、6C、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20
(40)3、7F、19A、22F、33F、6C、15A、16F、23A、23B、24B、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20
(41)3、7F、19A、22F、33F、6C、15A、16F、23A、23B、24B、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20
(42)3、7F、19A、22F、33F、6A、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20
(43)3、7F、19A、22F、33F、6A、15A、16F、23A、23B、24B、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20、および
(44)3、7F、19A、22F、33F、6A、15A、16F、23A、23B、24B、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20
からなる群から選択される肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型のセットを含む、からなる、またはから本質的になる組成物を提供する。
【0066】
本発明の第16の実施形態(実施形態E16)では、本発明は、上記の複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型は、実施形態E15の行(17)~(32)に示される血清型のセットのいずれかから選択される肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型のセットを含む、からなる、またはから本質的になり、血清型23Aおよび/または23Bをさらに含む組成物を提供する。
【0067】
第17の実施形態(実施形態E17)では、本発明は、担体タンパク質にコンジュゲートされた肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の莢膜多糖類を含む、複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型は、
i.6C、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、
ii.6C、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20A、および
iii.3、7F、19A、22F、33F、6C、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20A
からなる群から選択される血清型のセットを含む組成物を提供する。
【0068】
実施形態E17の下位実施形態では、免疫原性組成物は、さらなる肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含まない。
【0069】
第18の実施形態(実施形態E18)では、本発明は、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型6C、15A、16F、23A、23B、24F、31および35Bの莢膜多糖類を含む複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物を提供する。実施形態E18の下位実施形態では、免疫原性組成物は、さらなる肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含まない。
【0070】
第19の実施形態(実施形態E19)では、本発明は、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型6C、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20Aの莢膜多糖類を含む複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物を提供する。実施形態E19の下位実施形態では、免疫原性組成物は、さらなる肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含まない。
【0071】
第20の実施形態(実施形態E20)では、本発明は、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型3、7F、19A、22F、33F、6C、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20Aの莢膜多糖類を含む複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物を提供する。実施形態E20の下位実施形態では、免疫原性組成物は、さらなる肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含まない。
【0072】
別の実施形態では、本発明は、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型3、7F、19A、22F、33F、6A、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20Aの莢膜多糖類を含む複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物を提供する。この実施形態の下位実施形態(すなわち、3、7F、19A、22F、33F、6A、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20A)では、免疫原性組成物は、さらなる肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含まない。
【0073】
別の実施形態では、本発明は、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型3、7F、19A、22F、33F、6A、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20の莢膜多糖類を含む複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物を提供する。この実施形態の下位実施形態(すなわち、3、7F、19A、22F、33F、6A、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20)では、免疫原性組成物は、さらなる肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含まない。
【0074】
別の実施形態では、本発明は、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型3、7F、19A、22F、33F、6A、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20Bの莢膜多糖類を含む複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物を提供する。この実施形態の下位実施形態(すなわち、3、7F、19A、22F、33F、6A、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20B)では、免疫原性組成物は、さらなる肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含まない。
【0075】
本明細書に示されるように(以下の実施例3参照)、脱O-アセチル化血清型15B肺炎球菌多糖類は、血清型15C肺炎球菌多糖類と同等であり、同一のNMRスペクトルを有する。本明細書に記載および開示される脱O-アセチル化血清型15B肺炎球菌多糖類は、血清型15C肺炎球菌多糖類と同等であり、両者とも0~5%の範囲、または0~4%の範囲、または0~3%の範囲、または0~2%の範囲、または0~1%の範囲、または0~0.5%の範囲、または0~0.1%の範囲の反復単位当たりのO-アセチル含有量を有し得る、またはO-アセチル含有量がない。Spencer B.L.らの報告では、15CがわずかにO-アセチル化されていてもよい(Spencer,B.L.et al.,Clin.Vac.Immuno.(2017)24(8):1-13)。したがって、本明細書の多価免疫原性組成物の実施形態のいずれでも、血清型15Cの代わりに脱O-アセチル化血清型15Bを使用することができる。脱O-アセチル化の方法は、例えば、Rajam et al.,Clinical and Vaccine Immunology,2007,14(9):1223-1227に記載されているように当技術分野で知られている。
【0076】
実施形態E1~E20およびそのいずれかの下位実施形態を含む、本発明の多価免疫原性組成物のいずれかの一定の実施形態では、組成物は、薬学的に許容される担体をさらに含む。
【0077】
交差反応性
一実施形態では、本発明は、肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、コンジュゲートの各々は、担体タンパク質にコンジュゲートされた血清型6Cを含む肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の多糖類を含み、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型6Cは、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型6Aおよび6Bに対する交差防御を提供する組成物を提供する。
【0078】
別の実施形態では、本発明は、実施形態E1~E20から選択される肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、コンジュゲートの各々が担体タンパク質にコンジュゲートされた血清型6Cを含む肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の多糖類を含み、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型6Cは、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型6Aおよび6Bに対する交差防御を提供する組成物を提供する。
【0079】
一実施形態では、本発明は、肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、コンジュゲートの各々が担体タンパク質にコンジュゲートされた血清型19Aを含む肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の多糖類を含み、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型19Aは、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型19Fに対する交差防御を提供する組成物を提供する。
【0080】
別の実施形態では、本発明は、実施形態E1~E20から選択される肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、コンジュゲートの各々は担体タンパク質にコンジュゲートされた血清型19Aを含む肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の多糖類を含み、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型19Aは、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型19Fに対する交差防御を提供する組成物を提供する。
【0081】
一実施形態では、本発明は、肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、コンジュゲートの各々は担体タンパク質にコンジュゲートされた血清型23Aおよび/または23Bを含む肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の多糖類を含み、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型23Aおよび/または23Bは、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型23Fに対する交差防御を提供する組成物を提供する。
【0082】
別の実施形態では、本発明は、実施形態E1~E20から選択される肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、コンジュゲートの各々は担体タンパク質にコンジュゲートされた血清型23Aおよび/または23Bを含む肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の多糖類を含み、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型23Aおよび/または23Bは、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型23Fに対する交差防御を提供する組成物を提供する。
【0083】
一実施形態では、本発明は、肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、コンジュゲートの各々は担体タンパク質にコンジュゲートされた血清型6Aを含む肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の多糖類を含み、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型6Aは、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型6Bおよび/または6Cに対する交差防御を提供する組成物を提供する。
【0084】
別の実施形態では、本発明は、実施形態E1~E20から選択される肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、コンジュゲートの各々は担体タンパク質にコンジュゲートされた血清型6Aを含む肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の多糖類を含み、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型6Aは、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型6Bおよび/または6Cに対する交差防御を提供する組成物を提供する。
【0085】
一実施形態では、本発明は、肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、コンジュゲートの各々は担体タンパク質にコンジュゲートされた血清型20Aを含む肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の多糖類を含み、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型20Aは、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型20Bに対する交差防御を提供する組成物を提供する。
【0086】
別の実施形態では、本発明は、実施形態E1~E20から選択される肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、コンジュゲートの各々は担体タンパク質にコンジュゲートされた血清型20Aを含む肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の多糖類を含み、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型20Aは、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型20Bに対する交差防御を提供する組成物を提供する。
【0087】
一実施形態では、本発明は、肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、コンジュゲートの各々は担体タンパク質にコンジュゲートされた血清型20Bを含む肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の多糖類を含み、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型20Bは、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型20Aに対する交差防御を提供する組成物を提供する。
【0088】
別の実施形態では、本発明は、実施形態E1~E20から選択される肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、コンジュゲートの各々は担体タンパク質にコンジュゲートされた血清型20Bを含む肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の多糖類を含み、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型20Bは、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型20Aに対する交差防御を提供する組成物を提供する。
【0089】
一実施形態では、本発明は、肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、コンジュゲートの各々は担体タンパク質にコンジュゲートされた血清型15Cを含む肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の多糖類を含み、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型15Cは、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型15Bに対する交差防御を提供する組成物を提供する。
【0090】
別の実施形態では、本発明は、実施形態E1~E20から選択される肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、コンジュゲートの各々は担体タンパク質にコンジュゲートされた血清型15Cを含む肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の多糖類を含み、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型15Cは、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型15Bに対する交差防御を提供する組成物を提供する。
【0091】
担体タンパク質
本発明の特定の実施形態では、CRM197が担体タンパク質として使用される。CRM197は、以下のアミノ酸配列:
GADDVVDSSK SFVMENFSSY HGTKPGYVDS IQKGIQKPKS GTQGNYDDDW KEFYSTDNKY DAAGYSVDNE NPLSGKAGGV VKVTYPGLTK VLALKVDNAE TIKKELGLSL TEPLMEQVGT EEFIKRFGDG ASRVVLSLPF AEGSSSVEYI NNWEQAKALS VELEINFETR GKRGQDAMYE YMAQACAGNR VRRSVGSSLS CINLDWDVIR DKTKTKIESL KEHGPIKNKM SESPNKTVSE EKAKQYLEEF HQTALEHPEL SELKTVTGTN PVFAGANYAA WAVNVAQVID SETADNLEKT TAALSILPGI GSVMGIADGA VHHNTEEIVA QSIALSSLMV AQAIPLVGEL VDIGFAAYNF VESIINLFQV VHNSYNRPAY SPGHKTQPFL HDGYAVSWNT VEDSIIRTGF QGESGHDIKI TAENTPLPIA GVLLPTIPGK LDVNKSKTHI SVNGRKIRMR CRAIDGDVTF CRPKSPVYVG NGVHANLHVA FHRSSSEKIH SNEISSDSIG VLGYQKTVDH TKVNSKLSLF FEIKS(配列番号1)
を有するジフテリア毒素の非毒性変異体(すなわち、トキソイド)である。
【0092】
一実施形態では、CRM197は、カザミノ酸および酵母エキス系培地で増殖させたジフテリア菌(Corynebacterium diphtheria)株C7(β197)の培養物から単離される。別の実施形態では、CRM197は、米国特許第5,614,382号明細書に記載される方法に従って組換え的に調製される。典型的には、CRM197は、限外濾過、硫酸アンモニウム沈殿およびイオン交換クロマトグラフィーの組み合わせを通して精製される。いくつかの実施形態では、CRM197は、Pfenex Expression Technology(商標)(Pfenex Inc.、カリフォルニア州サンディエゴ)を使用して、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)で調製される。
【0093】
他の適切な担体タンパク質には、DT(ジフテリアトキソイド)またはDTのフラグメントB(DTFB)、TT(破傷風トキソイド)またはTTのフラグメントC、百日咳トキソイド、コレラトキソイド(例えば、国際公開第2004/083251号に記載される)、大腸菌(E.coli)LT、大腸菌(E.coli)ST、および緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)の外毒素Aなどの追加の不活化細菌毒素が含まれる。細菌外膜タンパク質、例えば外膜複合体c(OMPC)、ポーリン、トランスフェリン結合タンパク質、肺炎球菌表面タンパク質A(PspA;国際公開第02/091998号参照)、肺炎球菌アドヘシンタンパク質(PsaA)、A群もしくはB群連鎖球菌のC5aペプチダーゼ、またはインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)プロテインD、肺炎球菌ニューモリシン(Kuo et al.,1995,Infect Immun 63;2706-13)(ある様式で解毒されたply、例えばdPLY-GMBS(国際公開第04/081515号参照)またはdPLY-ホルモールを含む)、PhtX(PhtA、PhtB、PhtD、PhtEおよびPhtタンパク質の融合体、例えばPhtDE融合体、PhtBE融合体(国際公開第01/98334号および国際公開第03/54007号参照)を含む)も使用することができる。オボアルブミン、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)またはツベルクリンの精製タンパク質誘導体(PPD)、PorB(髄膜炎菌(N.meningitidis)由来)、PD(インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)タンパク質D;例えば欧州特許第0594 610号明細書参照)またはその免疫学的に機能的な等価物、合成ペプチド(欧州特許第0378881号明細書および欧州特許第0427347号明細書参照)、熱ショックタンパク質(国際公開第93/17712号および国際公開第94/03208号参照)、百日咳タンパク質(国際公開第98/58668号および欧州特許第0471177号明細書参照)、サイトカイン、リンホカイン、成長因子またはホルモン(国際公開第91/01146号参照)、種々の病原体由来抗原の複数のヒトCD4+T細胞エピトープを含む人工タンパク質(Falugi et al.,2001,Eur J Immunol 31:3816-3824参照)、例えばN19タンパク質(Baraldoi et al.,2004,Infect Immun 72:4884-7参照)、鉄取り込みタンパク質(国際公開第01/72337号参照)、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の毒素AまたはB(国際公開第00/61761号参照)、およびフラジェリン(Ben-Yedidia et al.,1998,Immunol Lett 64:9参照)などの他のタンパク質も担体タンパク質として使用することができる。
【0094】
CRM176、CRM228、CRM45(Uchida et al.,1973,J Biol Chem 218:3838-3844);CRM9、CRM45、CRM102、CRM103およびCRM107ならびにNicholls and Youle in Genetically Engineered Toxins,Ed:Frankel,Maecel Dekker Inc,1992によって記載される他の突然変異;Glu-148からAsp、GlnまたはSerおよび/またはAla 158からGlyへの欠失または突然変異ならびに米国特許第4,709,017号明細書または米国特許第4,950,740号明細書に開示される他の突然変異;少なくとも1以上の残基Lys 516、Lys 526、Phe 530および/またはLys 534の突然変異ならびに米国特許第5,917,017号明細書または米国特許第6,455,673号明細書に開示される他の突然変異;または米国特許第5,843,711号明細書に開示される断片のような他のDT突然変異体を、担体タンパク質として使用することができる。このようなDT突然変異体を使用して、エピトープ領域を含むBフラグメントを含むDTFB変異体を作製することもできる。
【0095】
一定の実施形態では、担体タンパク質は、外膜タンパク質複合体(OMPC)、破傷風トキソイド、ジフテリアトキソイド、プロテインDおよびCRM197からなる群から選択される。
【0096】
本発明のいくつかの実施形態では、第2の担体を、多価免疫原性組成物中の多糖類タンパク質コンジュゲートの1以上に使用することができる。第2の担体タンパク質は、好ましくは、非毒性で、非反応原性(non-reactogenic)で、十分な量および純度で入手可能なタンパク質である。第2の担体タンパク質も、抗原の免疫原性を増強するために肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類とコンジュゲートまたは連結される。担体タンパク質は、標準的なコンジュゲーション手順に適しているべきである。一実施形態では、第1の担体タンパク質にコンジュゲートされていない各莢膜多糖類が、同じ第2の担体タンパク質にコンジュゲートされている(例えば、各莢膜多糖類分子が単一の担体タンパク質にコンジュゲートされている)。別の実施形態では、第1の担体タンパク質にコンジュゲートされていない莢膜多糖類が、2つ以上の担体タンパク質にコンジュゲートされている(各莢膜多糖類分子が単一の担体タンパク質にコンジュゲートされている)。このような実施形態では、同じ血清型の各莢膜多糖類が、典型的には、同じ担体タンパク質にコンジュゲートされている。
【0097】
実施形態E1~E20およびそのいずれかの下位実施形態のいずれかを含む本発明の実施形態では、多糖類血清型の1以上(該当する場合、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21を含む)がCRM197にコンジュゲートされている。実施形態E1~E20およびそのいずれかの下位実施形態のいずれかを含む本発明のさらなる実施形態では、多糖類血清型の各々がCRM197にコンジュゲートされている。
【0098】
本発明の多糖類-タンパク質コンジュゲートの製剤化は、当技術分野で認識されている方法を使用して達成することができる。例えば、個々の肺炎球菌コンジュゲートは、組成物を調製するため生理学的に許容されるビヒクルを用いて製剤化することができる。このようなビヒクルの例としては、限定されるものではないが、水、緩衝生理食塩水、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール)およびデキストロース溶液を含む。
【0099】
好ましい実施形態では、ワクチン組成物は、塩化ナトリウムを含むL-ヒスチジン緩衝剤中で製剤化される。
【0100】
本発明のいくつかの実施形態では、多価免疫原性組成物は、担体タンパク質にコンジュゲートされた肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の莢膜多糖類を含む複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートと、アジュバントとを含み、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型は本明細書に記載される通りである。組成物の有効性を増強するための適切なアジュバントには、限定されるものではないが、以下が含まれる:
(1)アルミニウム塩(ミョウバン)、例えば水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウム等;
(2)水中油型エマルジョン配合物(他の特定の免疫賦活剤、例えばムラミルペプチド(以下に定義される)または細菌細胞壁成分を含むまたは含まない)、例えば(a)Model 110Yマイクロフリューダイザ(Microfluidics、Newton、MA)などのマイクロフリューダイザを使用してサブミクロン粒子に製剤化される、5%スクアレン、0.5%Tween 80、および0.5%Span 85(種々の量のMTP-PEを含んでもよい)を含むMF59(国際特許出願公開番号、国際公開第90/14837号)、(b)サブミクロンエマルジョンに微小流動化されるまたはボルテックスされてより大きな粒径のエマルジョンを生成する、10%スクアレン、0.4%Tween 80、5%プルロニックブロックポリマーL121およびthr-MDPを含むSAF、(c)2%スクアレン、0.2%Tween 80、ならびに米国特許第4,912,094号明細書に記載される3-O-脱アシル化モノリン脂質A(MPL(商標))、トレハロースジミコレート(TDM)および細胞壁骨格(CWS)、好ましくはMPL+CWS(Detox(商標)からなる群の1以上の細菌細胞壁成分を含むRibi(商標)アジュバントシステム(RAS)(Corixa、Hamilton、MT);および(d)Montanide ISA;
(3)サポニンアジュバント、例えばQuil AまたはSTIMULON(商標)QS-21(Antigenics、Framingham、MA)(米国特許第5,057,540号明細書参照)を使用してもよく、またはそこから作製された粒子、例えばISCOM(コレステロール、サポニン、リン脂質および両親媒性タンパク質の組み合わせによって形成される免疫賦活複合体)およびIscomatrix(登録商標)(ISCOMと本質的に同じ構造を有するが、タンパク質を含まない);
(4)細菌のリポ多糖、合成脂質A類似体、例えばCorixaから入手可能であり、米国特許第6,113,918号明細書に記載されているアミノアルキルグルコサミンホスフェート化合物(AGP)またはその誘導体もしくは類似体;1つのこのようなAGPは、水性形態または安定なエマルジョンとして配合される、529(以前はRC529として知られていた)としても知られている2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]エチル2-デオキシ-4-O-ホスホノ-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル]-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-b-D-グルコピラノシド、
(5)合成ポリヌクレオチド、例えば(1以上の)CpGモチーフを含むオリゴヌクレオチド(米国特許第6,207,646号明細書);および
(6)サイトカイン、例えばインターロイキン(例えば、IL-1、IL-2、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-12、IL-15、IL-18等)、インターフェロン(例えば、γインターフェロン)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、腫瘍壊死因子(TNF)、共刺激分子B7-1およびB7-2等;および
(7)補体、例えば補体成分C3dの三量体。
【0101】
別の実施形態では、アジュバントは、上記のアジュバントの2、3またはそれ以上の混合物、例えば、SBAS2(3-脱アシル化モノホスホリル脂質AおよびQS21も含む水中油型エマルジョン)である。
【0102】
ムラミルペプチドには、限定されるものではないが、N-アセチル-ムラミル-L-スレオニル-D-イソグルタミン(thr-MDP)、N-アセチル-ノルムラミル-L-アラニン-2-(1’-2’ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ヒドロキシホスホリルオキシ)-エチルアミン(MTP-PE)等が含まれる。
【0103】
一定の実施形態では、アジュバントはアルミニウム塩である。アルミニウム塩アジュバントは、ミョウバン沈殿ワクチンまたはミョウバン吸着ワクチンであり得る。アルミニウム塩アジュバントは、当技術分野で周知であり、例えば、Harlow,E.およびD.Lane(1988;Antibodies:A Laboratory Manual Cold Spring Harbor Laboratory)およびNicklas,W.(1992;Aluminum salts.Research in Immunology 143:489-493)に記載されている。アルミニウム塩には、限定されるものではないが、水和アルミナ、アルミナ水和物、アルミナ三水和物(ATH)、アルミニウム水和物、アルミニウム三水和物、alhydrogel、Superfos、Amphogel、水酸化アルミニウム(III)、ヒドロキシリン酸硫酸アルミニウム(aluminum hydroxyphosphate sulfate)、リン酸アルミニウムアジュバント(APA)、非晶質アルミナ、三水和アルミナ、またはトリヒドロキシアルミニウムが含まれる。
【0104】
APAは、ヒドロキシリン酸アルミニウムの水性懸濁液である。APAは、塩化アルミニウムとリン酸ナトリウムを1:1の体積比でブレンドして、ヒドロキシリン酸アルミニウムを沈殿させることによって製造される。混合工程後、材料を高剪断ミキサーでサイズ縮小して、単分散粒径分布を達成する。次いで、生成物を生理食塩水に対して透析濾過し、蒸気滅菌する。
【0105】
一定の実施形態では、市販のAl(OH)3(例えば、Denmark/Accurate Chemical and Scientific Co.、Westbury、NYのAlhydrogelまたはSuperfos)を使用して、50~200μgタンパク質/水酸化アルミニウムmgの比でタンパク質を吸着する。別の実施形態では、タンパク質の吸着は、タンパク質のpI(等電点pH)および培地のpHに依存する。pIが低いタンパク質は、pIが高いタンパク質よりも強く、正に帯電したアルミニウムイオンに吸着する。アルミニウム塩は、2~3週間にわたってゆっくり放出される抗原のデポーを確立し、マクロファージの非特異的活性化および補体活性化に関与し、および/または自然免疫機構を刺激し得る(おそらく尿酸の刺激による)。例えば、Lambrecht et al.,2009,Curr Opin Immunol 21:23を参照されたい。
【0106】
一価バルク水性コンジュゲートは、典型的には一緒にブレンドし、標的8μg/mLに希釈する6Bを除いて全ての血清型について標的4μg/mLに希釈する。いったん希釈したら、バッチを濾過滅菌し、等体積のリン酸アルミニウムアジュバントを、250μg/mLの最終アルミニウム濃度を目標として無菌的に添加する。アジュバント製剤化バッチを単回使用0.5mL/用量バイアルに充填する。
【0107】
一定の実施形態では、アジュバントは、CpG含有ヌクレオチド配列、例えば、CpG含有オリゴヌクレオチド、特に、CpG含有オリゴデオキシヌクレオチド(CpG ODN)である。別の実施形態では、アジュバントがODN 1826であり、これはColey Pharmaceutical Groupから入手することができる。
【0108】
CpGオリゴヌクレオチドを使用する方法は当技術分野で周知であり、例えば、Sur et al.,1999,J Immunol.162:6284-93;Verthelyi,2006,Methods Mol Med.127:139-58;and Yasuda et al.,2006,Crit Rev Ther Drug Carrier Syst.23:89-110に記載されている。
【0109】
代替実施形態では、免疫原性組成物は、本明細書に、例えば実施形態E1~E20またはそのいずれかの下位実施形態のいずれかに記載される複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含み、そして、アジュバントを含まない。
【0110】
製剤
本発明の組成物は、単回投与バイアル、複数回投与バイアル、またはプレフィルドガラスもしくはプラスチックシリンジとして製剤化され得る。
【0111】
別の実施形態では、本発明の組成物は経口投与され、したがって、経口投与に適した形態で、すなわち、固体または液体調製物として製剤化される。固体経口製剤には、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、ペレットなどが含まれる。液体経口製剤には、液剤、懸濁剤、分散剤、エマルジョン、油などが含まれる。
【0112】
液体製剤のための薬学的に許容される担体は、水性または非水性の溶液、懸濁液、エマルジョンまたは油である。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよび注射可能な有機エステル、例えばオレイン酸エチルである。水性担体には、水、アルコール/水溶液、エマルジョンまたは懸濁液が含まれ、生理食塩水および緩衝媒体が含まれる。油の例は、動物、植物または合成起源のもの、例えば、落花生油、大豆油、オリーブ油、ヒマワリ油、魚肝油、別の海産油、または乳もしくは卵の脂質である。
【0113】
医薬組成物は、等張、低張または高張であり得る。しかしながら、注入または注射用の医薬組成物は、投与される場合、本質的に等張であることが通常好ましい。よって、貯蔵のために、医薬組成物は、好ましくは等張または高張であり得る。医薬組成物が貯蔵のために高張である場合、これを投与前に希釈して等張液にすることができる。
【0114】
等張剤は、塩のようなイオン性等張剤または炭水化物のような非イオン性等張剤であり得る。イオン性等張剤の例としては、限定されるものではないが、NaCl、1l2、KClおよびMgCl2を含む。非イオン性等張剤の例としては、限定されるものではないが、マンニトール、ソルビトールおよびグリセロールを含む。
【0115】
少なくとも1つの薬学的に許容される添加剤が緩衝剤であることも好ましい。いくつかの目的のために、例えば、医薬組成物が注入または注射を目的とする場合、組成物が、溶液を4~10、例えば5~9、例えば6~8の範囲のpHに緩衝することができる緩衝剤を含むことが通常望ましい。
【0116】
緩衝剤は、例えば、TRIS、酢酸塩、グルタミン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、炭酸塩、グリシン酸塩、ヒスチジン、グリシン、コハク酸塩およびトリエタノールアミン緩衝剤からなる群から選択され得る。
【0117】
緩衝剤は、特に医薬製剤が非経口使用のためのものである場合、非経口使用のためのUSP適合性緩衝剤から選択され得る。例えば、緩衝剤は、酢酸、安息香酸、グルコン酸、グリセリン酸および乳酸のような一塩基酸;アコニット酸、アジピン酸、アスコルビン酸、炭酸、グルタミン酸、リンゴ酸、コハク酸および酒石酸などの二塩基酸、クエン酸およびリン酸のような多塩基酸;アンモニア、ジエタノールアミン、グリシン、トリエタノールアミンおよびTRISのような塩基からなる群から選択され得る。
【0118】
非経口ビヒクル(皮下、静脈内、動脈内または筋肉内注射用)には、塩化ナトリウム溶液、リンガーデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウム、乳酸加リンガー液および不揮発性油が含まれる。静脈内ビヒクルには、流体および栄養補充液、電解質補充液、例えばリンガーデキストロースに基づくものなどが含まれる。例には、界面活性剤および他の薬学的に許容されるアジュバントの添加を伴うまたは伴わない水および油のような無菌液体がある。一般に、水、生理食塩水、デキストロース水溶液および関連する糖溶液、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコールのようなグリコール、ポリソルベート80(PS-80)、ポリソルベート20(PS-20)、およびポロキサマー188(P188)が、特に注射可能な溶液にとって好ましい液体担体である。油の例は、動物、植物または合成起源のもの、例えば、落花生油、大豆油、オリーブ油、ヒマワリ油、魚肝油、別の海産油、または乳もしくは卵の脂質である。
【0119】
本発明の製剤はまた、界面活性剤を含み得る。好ましい界面活性剤には、限定されるものではないが、ポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤(一般的にTweensと呼ばれる)、特にPS-20およびPS-80;DOWFAX(商標)の商品名で販売されているエチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)および/またはブチレンオキシド(BO)のコポリマー、例えば線状EO/POブロックコポリマー;反復エトキシ(オキシ-1,2-エタンジイル)基の数が変化し得るオクトキシノール(オクトキシノール-9(Triton X-100、またはt-オクチルフェノキシポリエトキシエタノール)が特に重要である);(オクチルフェノキシ)ポリエトキシエタノール(IGEPAL CA-630/NP-40);リン脂質、例えばホスファチジルコリン(レシチン);ノニルフェノールエトキシレート、例えばTergitol(商標)NPシリーズ;ラウリル、セチル、ステアリルおよびオレイルアルコールから誘導されたポリオキシエチレン脂肪エーテル(Brij界面活性剤として知られている)、例えばトリエチレングリコールモノラウリルエーテル(Brij 30);ならびにソルビタンエステル(一般的にSPANとして知られている)、例えばソルビタントリオレエート(Span 85)およびソルビタンモノラウレートが含まれる。エマルジョンに含めるのに好ましい界面活性剤は、PS-80である。
【0120】
界面活性剤の混合物、例えばPS-80/Span 85混合物を使用することができる。ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(PS-80)のようなポリオキシエチレンソルビタンエステルとt-オクチルフェノキシポリエトキシエタノール(Triton X-100)のようなオクトキシノールの組み合わせも適している。別の有用な組み合わせは、ラウレス9とポリオキシエチレンソルビタンエステルおよび/またはオクトキシノールを含む。
【0121】
界面活性剤の好ましい量(重量%)は、ポリオキシエチレンソルビタンエステル(PS-80など)0.01~1%、特に約0.1%;オクチル-またはノニルフェノキシポリオキシエタノール(Triton X-100、またはTritonシリーズの他の界面活性剤など)0.001~0.1%、特に0.005~0.02%;ポリオキシエチレンエーテル(ラウレス9など)0.1~20%、好ましくは0.1~10%、特に0.1~1%または約0.5%である。
【0122】
一定の実施形態では、組成物は、250μg/mLのAPA(リン酸アルミニウムアジュバント)を含み、pH5.8で、ヒスチジン(20mM)、生理食塩水(150mM)、および0.2%PS-20または0.04%PS-80から本質的になる。PS-20は0.005%~0.3%(w/v)の範囲であり得、シミュレーション製造中の凝集を制御する製剤化および一次包装を使用した出荷では、PS-20またはPS-80が存在する。別の実施形態では、PS-20が0.025%~0.8%(w/v)の範囲であり得る。別の実施形態では、PS-20が0.05%~0.8%(w/v)の範囲であり得る。別の実施形態では、PS-20が0.05%~0.2%(w/v)の範囲であり得る。方法は、ヒスチジン、生理食塩水、およびPS-20またはPS-80中で最大24の血清型のブレンドを組み合わせ、次いで、このブレンドした材料を、抗微生物保存剤の有無にかかわらずAPAおよび生理食塩水と組み合わせることからなる。
【0123】
特定の実施形態では、多価免疫原性組成物は、肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含み、ここで、コンジュゲートの各々が担体タンパク質にコンジュゲートされた肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の多糖類を含み、ここで、多糖類タンパク質コンジュゲート中の肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型が本明細書に示される血清型のセットのいずれかを含み、そして、20~80mMのヒスチジンpH5.8および150mMのNaClをさらに含む。いくつかの実施形態では、多価免疫原性組成物が、0.2%~0.8%w/vのポリソルベート20をさらに含む。
【0124】
界面活性剤の選択は、異なる製剤および製剤原料に最適化する必要があり得る。15以上の血清型を有する多価ワクチンの場合、PS-20およびP188が好ましい。コンジュゲートを作製するために使用される化学の選択も、製剤の安定化で重要な役割を果たし得る。特に、異なる多糖類タンパク質コンジュゲートを多価組成物に調製するために使用されるコンジュゲーション反応が水性溶媒とDMSO溶媒の両方を含む場合、特定の界面活性剤系が安定性に有意な差をもたらす。多糖類タンパク質コンジュゲートの安定性改善は、ポリソルベート20単独またはポリオールと組み合わせたポロキサマー188で見られた。
【0125】
特定の界面活性剤がどのようにバイオ医薬品を保護するかについての正確な機構はよく理解されておらず、先験的に予測することができない。考えられる安定化機構には、優先的水和、優先的排除、バイオ医薬品と表面との間の空気/液体界面競合、表面張力、および/または凝集の種として機能する疎水性パッチをマスクする界面活性剤とバイオ医薬品の直接的会合が含まれる。
【0126】
ポロキサマーも、本発明の組成物に使用され得る。ポロキサマーは、ポリオキシエチレン(ポリ(エチレンオキシド))の2つの親水性鎖が隣接する、ポリオキシプロピレン(ポリ(プロピレンオキシド))の中央疎水性鎖で構成される非イオン性トリブロックコポリマーである。ポロキサマーは、Pluronic(登録商標)という商品名でも知られている。ポリマーブロックの長さはカスタマイズすることができるため、わずかに異なる特性を有する多くの異なるポロキサマーが存在する。総称「ポロキサマー」の場合、これらのコポリマーは一般に文字「P」(ポロキサマーについて)、引き続いて3桁の数字で命名され、最初の2桁の数字×100はポリオキシプロピレンコアのおよその分子質量を示し、最後の桁×10はポリオキシエチレン含有率を示す(例えば、P407=4,000g/molのポリオキシプロピレン分子質量および70%ポリオキシエチレン含有量のポロキサマー)。Pluronic(登録商標)の商品名では、これらのコポリマーの記号化が、室温での物理的形態を定義する文字(L=液体、P=ペースト、F=フレーク(固体))で始まり、2つまたは3つの数字が続く。数値表示の最初の数字(3桁の数字の2桁)に300を掛けたものが、疎水性物質のおおよその分子量を示し;最後の桁×10がポリオキシエチレン含有率を示す(例えば、L61=1,800g/molのポリオキシプロピレン分子質量および10%のポリオキシエチレン含有量のPluronic(登録商標))。米国特許第3740421号明細書を参照されたい。
【0127】
ポロキサマーの例は、一般式:
HO(C
2H
4O)
a(C
3H
6O)
b(C
2H
4O)
aH(式中、aおよびbブロックは以下の値を有する)
を有する:
【表1】
【0128】
好ましくは、ポロキサマーは、一般に、1100~17,400Da、7,500~15,000Da、または7,500~10,000Daの範囲の分子量を有する。ポロキサマーは、ポロキサマー188またはポロキサマー407から選択することができる。製剤中のポロキサマーの最終濃度は、0.001%~5%重量/体積、または0.025%~1%重量/体積である。一定の態様では、ポリオールがプロピレングリコールであり、最終濃度で1%~20%重量/体積である。一定の態様では、ポリオールがポリエチレングリコール400であり、最終濃度で1%~20%重量/体積である。
【0129】
本発明の製剤に適したポリオールは、ポリマーポリオール、特に、限定されるものではないが、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルを含むポリエーテルジオールである。プロピレングリコールは、モノマーの分子量が約425~約2700の範囲で利用可能である。ポリエチレングリコールおよびポリエチレングリコールモノメチルエーテルはまた、約200~約35000に及ぶ分子量の範囲で利用可能であり、限定されるものではないが、PEG200、PEG300、PEG400、PEG1000、PEG MME 550、PEG MME 600、PEG MME 2000、PEG MME 3350およびPEG MME 4000を含む。好ましいポリエチレングリコールは、ポリエチレングリコール400である。本発明の製剤中のポリオールの最終濃度は、1%~20%重量/体積または6%~20%重量/体積であり得る。
【0130】
製剤はまた、pH緩衝生理食塩水も含む。緩衝剤は、例えば、TRIS、酢酸塩、グルタミン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、炭酸塩、グリシン酸塩、ヒスチジン、グリシン、コハク酸塩、HEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)、MOPS(3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸)、MES(2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸)およびトリエタノールアミン緩衝剤からなる群から選択され得る。緩衝剤は、溶液を4~10、5.2~7.5または5.8~7.0の範囲のpHに緩衝することができる。本発明の一定の態様では、緩衝剤が、リン酸塩、コハク酸塩、ヒスチジン、MES、MOPS、HEPES、酢酸塩またはクエン酸塩からなる群から選択される。緩衝剤は、さらに、例えば、特に医薬製剤が非経口使用のためのものである場合、非経口使用のためのUSP適合性緩衝剤から選択され得る。緩衝剤の濃度は1mM~100mMの範囲である。緩衝剤の濃度は10mM~80mMの範囲である。緩衝剤の濃度は1mM~50mMまたは5mM~50mMの範囲である。一定の態様では、緩衝剤が、5mM~50mMの最終濃度のヒスチジン、または1mM~10mMの最終濃度のコハク酸塩である。一定の態様では、ヒスチジンが20mM±2mMの最終濃度である。
【0131】
生理食塩水溶液(すなわち、NaClを含む溶液)が好ましいが、製剤に適した他の塩には、限定されるものではないが、CaCl2、KClおよびMgCl2ならびにこれらの組み合わせが含まれる。限定されるものではないが、スクロース、トレハロース、マンニトール、ソルビトールおよびグリセロールを含む非イオン性等張剤が、塩の代わりに使用され得る。適切な塩の範囲には、限定されるものではないが、25mM~500mMまたは40mM~170mMが含まれる。一態様では、生理食塩水がNaClであり、20mM~170mMの濃度で存在してもよい。
【0132】
好ましい実施形態では、製剤が、塩化ナトリウムを含むL-ヒスチジン緩衝剤を含む。
【0133】
別の実施形態では、医薬組成物は制御放出システムで送達される。例えば、薬剤は、静脈内注入、経皮パッチ、リポソームまたは他の投与様式を使用して投与することができる。別の実施形態では、ポリマー材料が、例えば、ミクロスフェアまたはインプラントで使用される。
【0134】
各ワクチン用量中のコンジュゲートの量は、有意な有害効果なしに免疫防御応答を誘導する量として選択される。このような量は、肺炎球菌の血清型に応じて変化し得る。一般に、多糖類系コンジュゲートの場合、各用量は0.08~100μgの各多糖類を含む。本発明のいくつかの実施形態では、各多糖類コンジュゲートの用量は、0.08~10μgである。さらなる実施形態では、用量は、1~5μg、0.4~4μg、0.4~3μg、0.4~2μgまたは0.4~1μgである。いくつかの実施形態では、1以上の多糖類コンジュゲートの用量は、100、150、200、250、300、400、500もしくは750ngまたは0.4、0.5、0.6、0.7、0.75、0.8、0.9、1、1.5、2、3、4、5、6、7、7.5、8、9、10、11、12、13、14、15、16、18、20、22、25、30、40、50、60、70、80、90もしくは100μgである。
【0135】
本発明の組成物のいくつかの実施形態では、多糖類コンジュゲートの全てが組成物中に同じ量で存在する。さらなる実施形態では、多糖類コンジュゲートが、組成物中に異なる量で存在する(すなわち、少なくとも1つの多糖類コンジュゲートが、組成物の他の多糖類コンジュゲートの1以上とは異なる量で存在する)。
【0136】
特定のワクチンの成分の最適量は、対象における適切な免疫応答の観察を含む標準的な試験によって確認することができる。例えば、別の実施形態では、ヒトワクチン接種についての投与量が、動物試験からヒトデータへの外挿によって決定される。別の実施形態では、投与量が経験的に決定される。
【0137】
一実施形態では、アルミニウム塩の用量が、10、15、20、25、30、50、70、100、125、150、200、300、500もしくは700μg、または1、1.2、1.5、2、3、5mgまたはそれ以上である。さらに別の実施形態では、上記のミョウバン塩の用量が、組換えタンパク質1μg当たりである。
【0138】
本発明の組成物はまた、肺炎球菌(S.pneumoniae)の1以上のタンパク質を含み得る。含めるのに適した肺炎球菌(S.pneumoniae)タンパク質の例としては、国際特許出願公開番号、国際公開第02/083855号および国際公開第02/053761号で同定されたものが挙げられる。
【0139】
一定の実施形態では、本発明の組成物が、対象に、当業者に知られている1以上の方法によって、例えば、非経口、経粘膜、経皮、筋肉内、静脈内、皮内、鼻腔内、皮下、腹腔内投与され、それに応じて製剤化される。一実施形態では、本発明の組成物は、液体調製物の表皮注射、筋肉内注射、静脈内、動脈内、皮下注射、または呼吸器内粘膜注射を介して投与される。注射用の液体製剤には、溶液などが含まれる。
【0140】
III.作製方法
肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)の莢膜多糖類は、当業者に知られている標準的な技術によって調製することができる。例えば、多糖類は細菌から単離することができ、既知の方法によって(例えば、欧州特許第497524号明細書および欧州特許第497525号明細書参照)、好ましくはホモジナイザーを使用して達成される微小流動化(microfluidisation)または化学的加水分解によってある程度の大きさにすることができる。一実施形態では、各肺炎球菌多糖類血清型は、大豆系培地で増殖される。次いで、遠心分離、沈殿および限外濾過を含む標準的なステップを通して、個々の多糖類が精製される。例えば、米国特許出願公開第2008/0286838号明細書および米国特許第5,847,112号明細書を参照されたい。多糖類試料の粘度を低下させるため、および/または機械的もしくは化学的サイジングのような技術を使用してコンジュゲートされた生成物の濾過性を改善するために、多糖類をサイジングすることができる。化学的加水分解は、酢酸を使用して実施され得る。機械的サイジングは、高圧均質化剪断を使用して実施され得る。
【0141】
精製された多糖類を化学的に活性化して、糖類を担体タンパク質と反応できるようにすることができる。精製された多糖類を、リンカーに接続することができる。いったん活性化またはリンカーに接続されると、各莢膜多糖類は担体タンパク質に個別にコンジュゲートされてグリココンジュゲートを形成する。多糖類コンジュゲートは、既知のカップリング技術によって調製され得る。
【0142】
多糖類は、リンカーにカップリングして、リンカーの遊離末端がエステル基である多糖類-リンカー中間体を形成することができる。したがって、リンカーは、少なくとも1つの末端がエステル基であるリンカーとなる。他方の末端は、多糖類と反応して多糖類-リンカー中間体を形成することができるように選択される。
【0143】
多糖類を、多糖類中の一級アミン基を使用してリンカーにカップリングすることができる。この場合、リンカーは、典型的には両末端にエステル基を有する。これにより、エステル基の1つを、求核アシル置換により多糖類中の一級アミン基と反応させることによって、カップリングを行うことができる。反応は、多糖類がアミド結合を介してリンカーにカップリングしている多糖類-リンカー中間体をもたらす。
【0144】
したがって、リンカーは、多糖類の一級アミン基と反応するための第1のエステル基と担体分子の一級アミン基と反応するための第2のエステル基を提供する二官能性リンカーである。典型的なリンカーは、アジピン酸N-ヒドロキシスクシンイミドジエステル(SIDEA)である。
【0145】
カップリングはまた、間接的に、すなわちリンカーへのカップリングの前に多糖類を誘導体化するために使用される追加のリンカーを用いて行うこともできる。
【0146】
多糖類は、多糖類の還元末端でカルボニル基を使用して追加のリンカーにカップリングする。このカップリングは2つのステップ:(a1)カルボニル基を追加のリンカーと反応させるステップ;および(a2)追加リンカーの遊離末端をリンカーと反応させるステップを含む。これらの実施形態では、追加のリンカーが、典型的には両末端に一級アミン基を有し、それにより、還元的アミノ化によって一級アミン基の1つを多糖類のカルボニル基と反応させることによりステップ(a1)を行うことができる。多糖類のカルボニル基と反応性の一級アミン基が使用される。ヒドラジドまたはヒドロキシルアミノ基が適している。典型的には追加のリンカーの両末端に同じ一級アミン基が存在する。反応は、多糖類がC-N結合を介して追加のリンカーにカップリングしている多糖類-追加のリンカー中間体をもたらす。
【0147】
多糖類は、多糖類中の異なる基、特にカルボキシル基を使用して追加のリンカーにカップリングすることができる。このカップリングは2つのステップ:(a1)基を追加のリンカーと反応させるステップ;および(a2)追加リンカーの遊離末端をリンカーと反応させるステップを含む。この場合、追加のリンカーが、典型的には両末端に一級アミン基を有し、それにより、EDAC活性化によって一級アミン基の1つを多糖類のカルボキシル基と反応させることによりステップ(a1)を行うことができる。多糖類のEDAC活性化カルボキシル基と反応性の一級アミン基が使用される。ヒドラジド基が適している。典型的には追加のリンカーの両末端に同じ一級アミン基が存在する。反応は、多糖類がアミド結合を介して追加のリンカーにカップリングしている多糖類-追加のリンカー中間体をもたらす。
【0148】
一実施形態では、多糖類の化学的活性化およびその後の還元的アミノ化による担体タンパク質とのコンジュゲーションが、米国特許第4,365,170号明細書、同第4,673,574号明細書および同第4,902,506号明細書、米国特許出願公開第2006/0228380号明細書、同第2007/184072号明細書、同第2007/0231340号明細書および同第2007/0184071号明細書、ならびに国際公開第2006/110381号、国際公開第2008/079653号および国際公開第2008/143709号に記載される手段によって達成され得る。化学は、過ヨウ素酸塩(過ヨウ素酸ナトリウム、過ヨウ素酸カリウムまたは過ヨウ素酸を含む)のような、末端ヒドロキシル基をアルデヒドに酸化する任意の酸化剤との反応による肺炎球菌多糖類の活性化を含み得る。この反応により、炭水化物の隣接ヒドロキシル基がランダムに酸化的開裂し、反応性アルデヒド基が形成される。
【0149】
担体タンパク質へのカップリングは、タンパク質のリシル基への直接的アミノ化を介した還元的アミノ化による。例えば、コンジュゲーションは、活性化多糖類と担体タンパク質の混合物を、ニッケルの存在下でシアノ水素化ホウ素ナトリウムのような還元剤と反応させることによって行うことができる。コンジュゲーション反応は、水溶液下またはDMSOの存在下で行うことができる。例えば、米国特許出願公開第2015/0231270号明細書、米国特許出願公開第2011/0195086号明細書および欧州特許第0471 177号明細書を参照されたい。次いで、水素化ホウ素ナトリウムなどの強力な還元剤を添加して、未反応アルデヒドをキャッピングする。
【0150】
還元的アミノ化は、(1)多糖類の酸化による反応性アルデヒドの形成、(2)活性化多糖類と担体タンパク質との間に形成されたイミン(シッフ塩基)の還元による安定なアミンコンジュゲート結合の形成という2つのステップを含む。酸化の前に、多糖類のサイズを減少させてもよい。機械的方法(例えば、均質化)または化学的加水分解を使用することができる。化学的加水分解は、酢酸を使用して実施され得る。酸化ステップは、過ヨウ素酸塩との反応を含み得る。本発明の目的のために、「過ヨウ素酸塩」という用語は、過ヨウ素酸塩と過ヨウ素酸の両方を含む;この用語はまた、メタ過ヨウ素酸塩(IO4)とオルト過ヨウ素酸塩(IO6)の両方を含み、種々の過ヨウ素酸塩(例えば、過ヨウ素酸ナトリウムおよび過ヨウ素酸カリウム)を含む。一実施形態では、莢膜多糖類が、メタ過ヨウ素酸塩の存在下で、好ましくは過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO4)の存在下で酸化される。別の実施形態では、莢膜多糖類が、オルト過ヨウ素酸塩の存在下で、好ましくは過ヨウ素酸の存在下で酸化される。
【0151】
一実施形態では、酸化剤は、一級ヒドロキシルを選択的に酸化する酸化剤の存在下の、ピペリジン-N-オキシまたはピロリジン-N-オキシ化合物のような安定なニトロキシルまたはニトロキシドラジカル化合物である(国際公開第2014/097099号に記載される)。前記反応では、実際の酸化剤は、触媒サイクルにおけるN-オキソアンモニウム塩である。一態様では、前記安定なニトロキシルまたはニトロキシドラジカル化合物は、ピペリジン-N-オキシまたはピロリジン-N-オキシ化合物である。一態様では、前記安定なニトロキシルまたはニトロキシドラジカル化合物は、TEMPO(2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ)またはPROXYL(2,2,5,5-テトラメチル-1-ピロリジニルオキシ)部分を有する。一態様では、前記安定なニトロキシルラジカル化合物は、TEMPOまたはその誘導体である。一態様では、前記酸化剤は、N-ハロ部分を有する分子である。一態様では、前記酸化剤は、N-クロロスクシンイミド、N-ブロモスクシンイミド、N-ヨードスクシンイミド、ジクロロイソシアヌル酸、1,3,5-トリクロロ-1,3,5-トリアジナン-2,4,6-トリオン、ジブロモイソシアヌル酸、1,3,5-トリブロモ-1,3,5-トリアジナン-2,4,6-トリオン、ジヨードイソシアヌル酸および1,3,5-トリヨード-1,3,5-トリアジナン-2,4,6-トリオンからなる群から選択される。好ましくは、前記酸化剤はN-クロロスクシンイミドである。
【0152】
一定の態様では、酸化剤は、2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ(TEMPO)フリーラジカルおよび共酸化剤としてのN-クロロスクシンイミド(NCS)である(国際公開第2014/097099号に記載される)。したがって、一態様では、肺炎球菌(S.pneumoniae)のグリココンジュゲートは、a)水性溶媒中で、糖を2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ(TEMPO)およびN-クロロスクシンイミド(NCS)と反応させて、活性化糖を得るステップと;b)活性化糖を、1以上のアミン基を含む担体タンパク質と反応させるステップとを含む方法によって得られる(前記方法は、その後「TEMPO/NCS還元的アミノ化」と呼ばれる)。
【0153】
クエンチ剤を添加して、酸化反応をクエンチしてもよい。クエンチ剤は、隣接ジオール、1-、2-アミノアルコール、アミノ酸、グルタチオン、亜硫酸塩、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩または亜リン酸(グリセロール、エチレングリコール、プロパン-1,2-ジオール、ブタン-1,2-ジオールまたはブタン-2,3-ジオール、アスコルビン酸など)から選択され得る。
【0154】
一定の実施形態では、本発明は、非プロトン性溶媒中でのコンジュゲーション反応を利用する血清型8肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)多糖類-タンパク質コンジュゲートを調製する方法であって、ここで、コンジュゲーション反応がシアノ水素化ホウ素を使用しない方法を提供する。さらなる実施形態では、コンジュゲーション反応は、シッフ塩基還元または還元的アミノ化である。さらなる実施形態では、タンパク質が破傷風トキソイド、ジフテリアトキソイドまたはCRM197である。さらに別の実施形態では、タンパク質がCRM197である。さらなる実施形態では、コンジュゲーション反応は、還元的アミノ化である。さらなる実施形態では、還元的アミノ化は、ジメチルスルホキシド(DMSO)中で実施される。
【0155】
いくつかの実施形態では、コンジュゲーション前の酸化多糖類は、30kDa~1,000kDaの分子量を有する。分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)と多角度光散乱検出器(MALS)および屈折率検出器(RI)を組み合わせて計算することができる。一部の実施形態では、多糖類は、50kDa~300kDaの分子量を有する。いくつかの実施形態では、多糖類は、50kDa~1,000kDaの分子量を有する。追加の実施形態では、多糖類は、70kDa~900kDaの分子量を有する。他の実施形態では、多糖類は、100kDa~800kDaの分子量を有する。他の実施形態では、多糖類は、200kDa~600kDaの分子量を有する。さらなる実施形態では、多糖類は、100kDa~1,000kDa;100kDa~900kDa;100kDa~800kDa;100kDa~700kDa;100kDa~600kDa;100kDa~500kDa;100kDa~400kDa;100kDa~300kDa;150kDa~1,000kDa;150kDa~900kDa;150kDa~800kDa;150kDa~700kDa;150kDa~600kDa;150kDa~500kDa;150kDa~400kDa;150kDa~300kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~900kDa;200kDa~800kDa;200kDa~700kDa;200kDa~600kDa;200kDa~500kDa;200kDa~400kDa;200kDa~300;250kDa~1,000kDa;250kDa~900kDa;250kDa~800kDa;250kDa~700kDa;250kDa~600kDa;250kDa~500kDa;250kDa~400kDa;250kDa~350kDa;300kDa~1,000kDa;300kDa~900kDa;300kDa~800kDa;300kDa~700kDa;300kDa~600kDa;300kDa~500kDa;300kDa~400kDa;400kDa~1,000kDa;400kDa~900kDa;400kDa~800kDa;400kDa~700kDa;400kDa~600kDa;500kDa~600kDaの分子量を有する。
【0156】
コンジュゲーション方法の第2のステップは、還元剤を使用して、活性化多糖類と担体タンパク質との間のイミン(シッフ塩基)結合を還元して、安定なコンジュゲート結合を形成すること(いわゆる還元的アミノ化)である。適切な還元剤には、シアノ水素化ホウ素(シアノ水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素ナトリウムなど)が含まれる。一実施形態では、還元剤がシアノ水素化ホウ素ナトリウムである。
【0157】
一定の実施形態では、還元的アミノ化反応が、非プロトン性溶媒(または非プロトン性溶媒の混合物)中で行われる。一実施形態では、還元反応が、DMSOまたはDMF(ジメチルホルムアミド)溶媒中で行われる。凍結乾燥されている場合、DMSOまたはDMF溶媒を使用して、活性化多糖類および担体タンパク質を再構成してもよい。一実施形態では、非プロトン性溶媒はDMSOである。
【0158】
還元反応の最後に、未反応アルデヒド基がコンジュゲート中に残っている可能性があり、これを適切なキャッピング剤を使用してキャッピングすることができる。一実施形態では、このキャッピング剤が、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)である。適切な代替物には、ブレンステッド酸またはルイス酸の存在下でのナトリウムトリアセトキシボロヒドリドまたは水素化ホウ素ナトリウムもしくは亜鉛、アミンボラン、例えばピリジンボラン、2-ピコリンボラン、2,6-ジボラン-メタノール、ジメチルアミン-ボラン、t-BuMe’PrN-BH3、ベンジルアミン-BH3または5-エチル-2-メチルピリジンボラン(PEMB)または水素化ホウ素交換樹脂が含まれる。コンジュゲーション(還元反応および場合によりキャッピング)後、グリココンジュゲートを、当業者に知られている種々の技術によって精製(多糖類-タンパク質コンジュゲートの量に関して濃縮)してもよい。これらの技術には、透析、濃縮/ダイアフィルトレーション操作、タンジェント流濾過、沈殿/溶出、カラムクロマトグラフィー(イオン交換クロマトグラフィー、マルチモーダルイオン交換クロマトグラフィー、DEAEまたは疎水性相互作用クロマトグラフィー)、およびデプス濾過が含まれる。一実施形態では、グリココンジュゲートを、ダイアフィルトレーションまたはイオン交換クロマトグラフィーまたはサイズ排除クロマトグラフィーによって精製する。
【0159】
非プロトン性溶媒中の還元的アミノ化を使用して調製されたグリココンジュゲートが、一般的に多価肺炎球菌コンジュゲートワクチンに使用される。よって、全ての血清型が非プロトン性溶媒中で調製されるわけではない多価組成物の一定の実施形態では、残りの血清型の還元反応が、水性溶媒(例えば、PBS(リン酸緩衝生理食塩水)、MES(2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸)、HEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)、ビス-トリス、ADA(N-(2-アセトアミド)イミノ二酢酸)、PIPES(ピペラジン-N,N’-ビス(2-エタンスルホン酸))、MOPSO(3-モルホリノ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸)、BES(N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸)、MOPS(3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸)、DIPSO(3-ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ-2-ヒドロキシプロパン-1-スルホン酸)、MOBS(4-(N-モルホリノ)ブタンスルホン酸)、HEPPSO(N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-N-(2-ヒドロキシプロパンスルホン酸))、POPSO(ピペラジン-1,4-ビス(2-ヒドロキシ-3-プロパンスルホン酸))、TEA(トリエタノールアミン)、EPPS(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-プロパンスルホン酸)、pH6.0~8.5、7.0~8.0または7.0~7.5のBicineから選択される)中で行われる。
【0160】
非プロトン性溶媒中での還元的アミノ化を使用して調製することができる肺炎球菌(S.pneumonia)莢膜多糖類-タンパク質コンジュゲートには、限定されるものではないが、血清型:3、6A、6B、6C、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、15C、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、23F、24F、31、33F、35Bおよび39が含まれる。非プロトン性溶媒中での還元的アミノ化を使用して調製することができる肺炎球菌(S.pneumonia)莢膜多糖類-タンパク質コンジュゲートには、限定されるものではないが、血清型:3、6A、6B、6C、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、15C、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、23F、24F、31、33F、35Bおよび39が含まれる。非プロトン性溶媒中での還元的アミノ化を使用して調製することができる肺炎球菌(S.pneumonia)莢膜多糖類-タンパク質コンジュゲートには、限定されるものではないが、血清型:3、6A、6B、6C、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、15C、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、23F、24F、31、33F、35Bおよび39が含まれる。多糖類は、オリゴ糖の形態で使用することができる。これらは、(例えば、加水分解による)精製多糖類の断片化によって都合よく形成され、通常、引き続いて所望のサイズの断片が精製される。
【0161】
一定の実施形態では、血清型3、6A、6B、6C、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、15C、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、23F、24F、31、33F、35Bおよび39の1以上の肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートは、非プロトン性溶媒中での還元的アミノ化を使用して調製される。一定の実施形態では、血清型3、6A、6B、6C、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、15C、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、23F、24F、31、33F、35Bおよび39の1以上の肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートは、非プロトン性溶媒中での還元的アミノ化を使用して調製される。一定の実施形態では、血清型3、6A、6B、6C、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、15C、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、23F、24F、31、33F、35Bおよび39の1以上の肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートは、非プロトン性溶媒中での還元的アミノ化を使用して調製される。一定の実施形態では、多価免疫原性組成物中の血清型の各々は、非プロトン性溶媒中での還元的アミノ化を使用して調製される。一定の実施形態では、多価組成物中の1以上の血清型の多糖類は、非プロトン性溶媒中での還元的アミノ化を使用してコンジュゲートされ、そして、1以上の血清型の多糖類は、水性溶媒中での還元的アミノ化を使用してコンジュゲートされる。一定の実施形態では、多価組成物中の2つ以上の血清型の多糖類は、非プロトン性溶媒中での還元的アミノ化を使用してコンジュゲートされる。他の実施形態では、多価組成物中の3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、10以上、11以上、12以上、13以上、14以上、15以上、16以上、17以上、18以上、19以上、20以上、または21以上の血清型の多糖類は、非プロトン性溶媒中での還元的アミノ化を使用してコンジュゲートされる。一定の実施形態では、多価組成物中の1以上の血清型の多糖類は、非プロトン性溶媒中または水性溶媒中にあり得る他の化学物質を使用してコンジュゲートされる。
【0162】
よって、本発明は、各々が担体タンパク質にコンジュゲートされた肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の莢膜多糖類を含む、複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物であって、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型は本明細書(すなわち、第II節、「多価免疫原性組成物」)に記載される通りであり、ここで、多糖類タンパク質コンジュゲートの1以上の多糖類はそれによって担体タンパク質にコンジュゲートされるコンジュゲーション反応が非プロトン性溶媒中にある。一定の実施形態では、多価組成物中の血清型の少なくとも30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100%が非プロトン性溶媒中で調製される。血清型の残りは、代替化学を使用して、および/または水性溶媒中で調製される。
【0163】
多糖類-タンパク質コンジュゲートの還元的アミノ化における溶媒としてDMSOを使用すると、水性条件下で調製された同じコンジュゲートと比較して、これらの血清型の予想外に優れた安定性および免疫原性増強が得られることが決定された(米国出願番号第62/463,216号明細書および同第62/555,444号明細書参照)。本明細書に示されるように(実施例40参照)、非プロトン性溶媒(例えば、DMSO)中での還元的アミノ化を使用して調製された本発明の肺炎球菌コンジュゲートを含む製剤は、コンジュゲーション方法で還元的アミノ化中にプロトン性(すなわち、水性)溶媒を使用して調製された製剤原料を利用したワクチンと比較して、優れた物理的および化学的安定性をもたらした。よって、いくつかの実施形態では、多価組成物中の肺炎球菌多糖類コンジュゲートの全てが非プロトン性溶媒中で調製される。
【0164】
本発明の一定の実施形態では、組成物中の総多糖類濃度は、約0.02~約0.175mg/mLである。本発明の一定の実施形態では、組成物中の総多糖類濃度は、約0.03~約0.175mg/mLである。本発明の一定の実施形態では、組成物中の総多糖類濃度が、約0.04~約0.175mg/mLである。他の実施形態では、組成物中の総多糖類濃度は、約0.065~約0.085mg/mL、約0.070~約0.080mg/mL、約0.065~約0.080mg/mL、約0.070~約0.085mg/mL、約0.110~約0.128mg/mL、約0.110~約0.175mg/mL、約0.10~約0.175mg/mL、約0.110~約0.170mg/mL、約0.115~約0.15mg/mL、約0.110~約0.15mg/mL、約0.110~約0.125mg/mL、約0.150~約0.170mg/mL、約0.150~約0.165mg/mL、約0.140~約0.170mg/mL、約0.130~約0.170mg/mL、約0.150~約0.175mg/mL、約0.070~約0.170mg/mL、約0.065~約0.175mg/mLまたは約0.065~約0.180mg/mLである。
【0165】
多価免疫原性組成物中の多糖類-タンパク質コンジュゲートの1以上または全てが非プロトン性溶媒中で調製される本発明の実施形態では、組成物中の総多糖類濃度は、37℃で4週間以上、25℃で4週間以上および4℃で12週間以上安定である。
【0166】
多価免疫原性組成物中の多糖類-タンパク質コンジュゲートの1以上または全てが非プロトン性溶媒中で調製される本発明の一定の実施形態では、組成物中の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートの全ての重量平均分子量(Mw)(組成物中の全てのコンジュゲートの平均)は、約3,500~約4,700kDa、約3,500~約4,600kDa、約3,500~約4,500kDa、約3,500~約4,400kDa、約3,500~約4,300kDa、約3,500~約4,200kDa、約3,600~約4,700kDa、約3,600~約4,600kDa、約3,600~約4,500kDa、約3,600~約4,400kDa、約3,600~約4,300kDa、約3,600~約4,200kDa、約3,700~約4,700kDa、約3,700~約4,600kDa、約3,700~約4,500kDa、約3,700~約4,400kDa、約3,700~約4,300kDa、約3,700~約4,200kDa、約3,800~約4,700kDa、約3,800~約4,600kDa、約3,800~約4,500kDa、約3,800~約4,400kDa、約3,800~約4,300kDa、約3,800~約4,200kDa、約3,900~約4,700kDa、約3,900~約4,600kDa、約3,900~約4,500kDa、約3,900~約4,400kDa、約3,900~約4,300kDaまたは約3,900~約4,200kDaである。
【0167】
多価免疫原性組成物中の多糖類-タンパク質コンジュゲートが非プロトン性溶媒中で調製される本発明の一定の実施形態では、組成物中の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートの各々のMw(単一血清型について)は、約1,000~約10,000kDa、約1,500~約5,500kDa、約1,500~約5,600kDa、約1,500~約5,700kDa、約1,500~約5,800kDa、約1,500~約5,900kDa、約1,500~約6,000kDa、約1,000~約5,500kDa、約1,000~約5,000kDa、約1,000~約4,000kDa、約1,000~約4,500kDa、約1,000~約4,000kDaまたは約1,000~約3,500kDaである。他の実施形態では、組成物中の単一の血清型のコンジュゲートのMwは、約1,000kDa、約1,100kDa、約1,200kDa、約1,300kDa、約1,400kDa、約1,500kDa、約1,600kDa、約1,700kDa、約1,800kDa、約1,900kDa、約2,000kDa、約2,100kDa、約2,200kDa、約2,300kDa、約2,400kDa、約2,500kDa、約2,600kDa、約2,700kDa、約2,800kDa、約2,900kDa、約3,000kDa、約3,100kDa、約3,200kDa、約3,300kDa、約3,400kDa、約3,500kDa、約3,600kDa、約3,700kDa、約3,800kDa、約3,900kDa、約4,000kDa、約4,100kDa、約4,200kDa、約4,300kDa、約4,400kDa、約4,500kDa、約4,600kDa、約4,700kDa、約4,800kDa、約4,900kDa、約5,000kDa、約5,100kDa、約5,200kDa、約5,300kDa、約5,400kDaまたは約5,500kDaである。
【0168】
本発明の一定の実施形態では、多価免疫原性組成物中の多糖類-タンパク質コンジュゲートは、非プロトン性溶媒中で調製される。(プロトン性溶媒中で調製されるのと反対に)非プロトン性溶媒中で担体タンパク質にコンジュゲートされた肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類の割合が高い組成物が好ましい場合がある。一定の実施形態では、非プロトン性溶媒中で調製された肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型特異的コンジュゲートの割合(非プロトン性溶媒中で調製された多糖類血清型の数を多糖類血清型の総数で割ることによって計算され、総数は非プロトン性溶媒またはプロトン性溶媒中で調製されたものを含む)は、50%超、または60%超、または70%超、または80%超、または90%超であり得る、または100%である。
【0169】
本発明の一定の実施形態では、組成物中の血清型3多糖類-タンパク質コンジュゲートは、非プロトン性溶媒中で調製され、前記コンジュゲートのMwは、約1,000~約5,000kDa、または約1,000~約4,000kDa、または約1,000~約3,000kDa、または約1,000~約2,500kDa、または約1,000~約2,000kDaである。
【0170】
多価免疫原性組成物中の多糖類-タンパク質コンジュゲートの1以上または全てが非プロトン性溶媒中で調製される本発明の一定の実施形態では、組成物中の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートの数平均分子量(Mn)(組成物中の全てのコンジュゲートの平均)は、約900~約3000kDa、約1000~約3000kDa、約1000~約2500kDa、約1500~約2500kDa、約1800~約2500kDa、約1900~約2500kDaまたは約2000~約2500kDaである。
【0171】
多価免疫原性組成物中の多糖類-タンパク質コンジュゲートの1以上または全てが非プロトン性溶媒中で調製される本発明の一定の実施形態では、組成物中の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートの各々のMn(単一血清型について)は、約700~約7000kDa、約1000~約6000kDa、約1000~約5000kDa、約1000~約4000kDa、約1000~約3000kDa、約900~約5500kDa、約900~約5000kDa、約900~約4500kDa、約900~約4000kDa、約900~約3500kDaまたは約900~約3000kDaである。
【0172】
本発明の実施形態では、組成物中の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートのMwおよび/またはMnは、37℃で4週間以上、25℃で4週間以上および/または4℃で12週間以上安定である。
【0173】
本発明の実施形態では、多糖類濃度、Mwおよび/またはMnは、HPSEC UV/MALS/RIを使用して決定される。
【0174】
多価免疫原性組成物中の多糖類-タンパク質コンジュゲートの1以上または全てが非プロトン性溶媒中で調製される本発明のいくつかの実施形態では、280ナノメートル(nm)の励起波長で固有のタンパク質蛍光分光法を使用して測定される組成物の発光極大は、約335nm~約342nmである。いくつかの実施形態では、発光極大は、約335nm~約342nmを維持し、蛍光強度が37℃で少なくとも1週間安定である。いくつかの実施形態では、発光極大は約335nm~約342nmを維持し、蛍光強度が37℃で1週間安定である。
【0175】
いくつかの実施形態では、多価組成物中の肺炎球菌多糖類コンジュゲートの全ては、DMSO中での還元的アミノ化を使用して調製される。一定の下位実施形態では、全てがDMSOを使用して調製された多糖類コンジュゲートを含む多価組成物は、アジュバントを含まない。
【0176】
いかなる理論によっても拘束されないが、DMSO中で調製されたグリココンジュゲートで観察される免疫原性増強の1つの考えられる機構には、タンパク質と多糖類との間の追加の結合点をもたらして安定性を付与し、ペプチドの炭水化物結合の化学的解重合または分解に対抗する、炭水化物(莢膜多糖類)と担体タンパク質の表面上のリジン残基との間の結合の数の増加が含まれる。例えば、Hsieh,Characterization of Saccharide-CRM197 Conjugate Vaccines in Brown F,Corbel M,Griffiths E(eds):Physico-Chemical Procedures for the Characterization of Vaccines.Dev.Biol.Basel,Karger,2000,vol 103,pp.93-104を参照されたい。DMSO溶媒中でのコンジュゲーション中に作成される多糖類-タンパク質結合の増加の追加の利点は、T細胞へのペプチド-炭水化物の提示を成功させるための追加の機会であり得るだろう。炭水化物抗原にコンジュゲートされた特定のペプチド配列による負荷またはこれらとの会合の異なる能力および感受性をもたらすヒト集団の遺伝的多様性により、担体タンパク質上の追加の結合点により、抗原提示細胞(APC)の表面での抗原提示の成功の機会増加が可能となり、他のT細胞非依存性抗原に対するT細胞依存性応答が可能になることが理解され得る。DMSO溶媒中でのコンジュゲーションによって観察される免疫原性増強の別の考えられる機構は、多糖類結合のための追加のリジンを露出して、異なるペプチドエピトープに対するT細胞依存性応答のためのAPCの表面での糖ペプチド提示の機会の増加をもたらす有機溶媒中でのCRM 197の変性によるものであり得る。Avci et al.,2011,Nature Medicine 17:1602-1610を参照されたい。
【0177】
コンジュゲート中の変性CRM197を生成する有機溶媒中でのコンジュゲーションのさらに別の利点は、天然CRM 197エピトープに対する減少された抗体の免疫学的干渉であり得る。DMSO溶媒中でのコンジュゲーション中に作成される多糖類-タンパク質結合の増加のさらなる利点は、免疫原性の向上をもたらす、より大きなサイズの多糖類タンパク質コンジュゲートの形成であり得る。本発明の組成物は、ヒト応答を誘発することにおいて重要な利点を提供すると考えられている。
【0178】
一定の実施形態では、コンジュゲーション反応は、還元的アミノ化によって実施され、コンジュゲーション反応効率を高めるためにおよび遊離シアン化物の除去を助けるために、ニッケルが使用される。遷移金属はシアン化物と安定な錯体を形成することが知られており、シアノ水素化ホウ素ナトリウムによるタンパク質アミノ基とホルムアルデヒドの還元的メチル化を改善することが知られている(S Gidley et al.,Biochem J.1982,203:331-334;Jentoft et al.Anal Biochem.1980,106:186-190)。残留阻害性シアン化物を錯化することによって、ニッケルの添加は、コンジュゲーション中のタンパク質の消費を増加し、より大きく潜在的に免疫原性の高いコンジュゲートの形成を導く。
【0179】
シアノ水素化ホウ素ナトリウム試薬ロットの開始シアン化物レベルの差はまた、一貫性のないコンジュゲーション性能をもたらし、コンジュゲートサイズおよびコンジュゲートのPs対CRM197比のような製品属性が変動する。ニッケルの添加により、シアン化物を錯化することでコンジュゲーション不整合が減少し、シアノ水素化ホウ素ナトリウムロットの差が排除された。
【0180】
適切な代替化学には、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロボレート(CDAP)により糖を活性化してシアン酸エステルを形成することが含まれる。よって、活性化された糖を、直接的にまたはスペーサー(リンカー)基を介して担体タンパク質上のアミノ基にカップリングすることができる。例えば、スペーサーは、チオール化多糖類を与えるシスタミンまたはシステアミンであり得、チオール化多糖類をマレイミド活性化担体タンパク質(例えば、GMBSを使用)またはハロアセチル化担体タンパク質(例えば、ヨードアセトイミド[例えば、エチルヨードアセトイミドHCl]またはN-スクシンイミジルブロモアセテートまたはSIAB、またはSIA、またはSBAPを使用)との反応後に得られるチオエーテル結合を介して担体にカップリングすることができるだろう。好ましくは、シアン酸エステル(CDAP化学によって生成されてもよい)を、ヘキサンジアミンまたはアジピン酸ジヒドラジド(ADH)とカップリングし、アミノ誘導体化糖を、タンパク質担体上のカルボキシル基を介してカルボジイミド(例えば、EDACまたはEDC)化学を使用して担体タンパク質にコンジュゲートする。このようなコンジュゲートは、国際特許出願公開番号、国際公開第93/15760号、国際公開第95/08348号および国際公開第96/29094号;ならびにChu et al.,1983,Infect.Immunity 40:245-256に記載されている。
【0181】
他の適切な技術は、カルボジイミド、ヒドラジド、活性エステル、ノルボラン、p-ニトロ安息香酸、N-ヒドロキシスクシンイミド、S-NHS、EDC、TSTUを使用する。多くは国際特許出願公開番号、国際公開第98/42721号に記載されている。コンジュゲーションは、糖の遊離ヒドロキシル基とCDIの反応によって形成され得るカルボニルリンカー(Bethell et al.,1979,J.Biol.Chem.254:2572-4;Hearn et al.,1981,J.Chromatogr.218:509-18参照)を含み、引き続いてタンパク質との反応によってカルバメート結合を形成する。これは、アノマー末端の一級ヒドロキシル基への還元、一級ヒドロキシル基の任意の保護/脱保護、一級ヒドロキシル基とCDIとの反応によるCDIカルバメート中間体の形成、およびCDIカルバメート中間体とタンパク質上のアミノ基のカップリングを含み得る。
【0182】
莢膜多糖類の担体タンパク質へのコンジュゲーション後、多糖類-タンパク質コンジュゲートを、種々の技術の1以上によって精製する(多糖類-タンパク質コンジュゲートの量に関して濃縮する)。これらの技術の例は当業者に周知であり、濃縮/ダイアフィルトレーション操作、限外濾過、沈殿/溶出、カラムクロマトグラフィーおよびデプス濾過を含む。例えば、米国特許第6,146,902号明細書を参照されたい。
【0183】
個々のグリココンジュゲートを精製した後、これらを配合して、本発明の免疫原性組成物を製剤化する。これらの肺炎球菌コンジュゲートは、別々の方法で調製され、単一投与製剤にバルク製剤化される。
【0184】
本発明のグリココンジュゲートを特徴付けるための代替方法は、コンジュゲートリジンの範囲(コンジュゲーションの程度)として特徴付けることができる糖にコンジュゲートされた担体タンパク質(例えば、CRM197)中のリジン残基の数によるものである。多糖類との共有結合による担体タンパク質のリジン修飾の証拠は、当業者に知られている日常的な方法を使用したアミノ酸分析によって得ることができる。コンジュゲーションにより、コンジュゲート物質を生成するために使用される担体タンパク質出発材料と比較して、回収されるリジン残基の数が減少する。好ましい実施形態では、本発明のグリココンジュゲートのコンジュゲーションの程度は、2~15、2~13、2~10、2~8、2~6、2~5、2~4、3~15、3~13、3~10、3~8、3~6、3~5、3~4、5~15、5~10、8~15、8~12、10~15または10~12である。一実施形態では、本発明のグリココンジュゲートのコンジュゲーションの程度は、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14または約15である。好ましい実施形態では、本発明のグリココンジュゲートのコンジュゲーションの程度は4~7である。いくつかのこのような実施形態では、担体タンパク質がCRM197である。
【0185】
本発明の組成物のグリココンジュゲートはまた、糖と担体タンパク質の比(重量/重量)(Ps:Pr)によって特徴付けられ得る。いくつかの実施形態では、組成物中のグリココンジュゲートの多糖類と担体タンパク質の比(w/w)は、0.5~3.0(例えば、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2.0、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5、約2.6、約2.7、約2.8、約2.9または約3.0)である。他の実施形態では、糖と担体タンパク質の比(w/w)は、0.5~2.5、0.5~1.5、0.8~2.5、0.5~1.0、1.0~1.5、1.0~2.0、0.8~2.4、0.8~2.3、0.8~2.2、0.8~2.1、0.8~2.0、0.8~1.9、0.8~1.8、0.8~1.7、0.8~1.6、0.8~1.5、0.8~1.4、0.8~1.3、0.9~2.4、0.9~2.3、0.9~2.2、0.9~2.1、0.9~2.0、0.9~1.9、0.9~1.8、0.9~1.7、0.9~1.6、0.9~1.5、0.9~1.4、0.9~1.3、0.9~1.2、1.0~2.4、1.0~2.3、1.0~2.2、1.0~2.1、1.0~2.0、1.0~1.9、1.0~1.8、1.0~1.7、1.0~1.6、1.0~1.5、1.0~1.4、1.0~1.3または1.0~1.2である。さらなる実施形態では、糖と担体タンパク質の比(w/w)は0.8~1.2である。いくつかのこのような実施形態では、担体タンパク質がCRM197である。本発明のグリココンジュゲートおよび免疫原性組成物は、担体タンパク質に共有結合的にコンジュゲートされているわけではないが、それにもかかわらずグリココンジュゲート組成物中に存在する遊離糖を含んでもよい。遊離糖は、グリココンジュゲートに非共有結合的に会合していてもよい(すなわち、非共有結合、吸着、または捕捉されている)。
【0186】
具体的な実施形態では、血清型15Aコンジュゲートについての糖と担体タンパク質の比(w/w)は、約1.0~約2.0、約1.25~約1.75または約1.3~約1.7である。他の実施形態では、血清型15Aについての糖と担体タンパク質の比(w/w)は、約1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7または1.8である。
【0187】
具体的な実施形態では、血清型15Cコンジュゲートについての糖と担体タンパク質の比(w/w)は、約1.0~約2.0、約1.25~約1.75または約1.3~約1.7である。他の実施形態では、血清型15Cについての糖と担体タンパク質の比(w/w)は、約1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7または1.8である。
【0188】
具体的な実施形態では、血清型33Fコンジュゲートについての糖と担体タンパク質の比(w/w)は、約1.0~約2.0、約1.25~約1.75または約1.3~約1.7である。他の実施形態では、血清型33Fについての糖と担体タンパク質の比(w/w)は、約1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7または1.8である。
【0189】
具体的な実施形態では、血清型35Bコンジュゲートについての糖と担体タンパク質の比(w/w)は、約1.25~約2.25、約1.25~約2.0または約1.3~約1.8である。他の実施形態では、血清型33Bについての糖と担体タンパク質の比(w/w)は、約1.2、1.3、1.3、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9または2.0である。
【0190】
具体的な実施形態では、血清型24Fコンジュゲートについての糖と担体タンパク質の比(w/w)は、約0.5~約1.5、約0.75~約1.25または約0.8~約1.0である。他の実施形態では、血清型24Fについての糖と担体タンパク質の比(w/w)は、約0.5、0.6、0.7、0.8、0.9または1.0である。
【0191】
好ましい実施形態では、グリココンジュゲートは、多糖類の総量と比較して約50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%または15%未満の遊離多糖類を含む。好ましい実施形態では、グリココンジュゲートは、多糖類の総量と比較して約25%未満の遊離多糖類を含む。好ましい実施形態では、グリココンジュゲートは、多糖類の総量と比較して約20%未満の遊離多糖類を含む。好ましい実施形態では、グリココンジュゲートは、多糖類の総量と比較して約15%未満の遊離多糖類を含む。
【0192】
IV.使用方法
本発明の実施形態はまた、(a)治療(例えば、ヒトの体の);(b)医薬;(c)肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)による感染の阻害;(d)肺炎球菌(S.pneumoniae)に対する免疫応答または防御免疫応答の誘導;(e)肺炎球菌(S.pneumoniae)による感染の予防;(f)肺炎球菌(S.pneumoniae)感染の再発の予防;(g)脳損傷、難聴および発作などの関連する合併症の予防を含む肺炎球菌(S.pneumoniae)感染に関連する病理学的症状の進行、発症または重症度の減少;(h)肺炎球菌(S.pneumoniae)感染の可能性の減少;または(i)限定されるものではないが、肺炎球菌性肺炎、肺炎球菌性菌血症、肺炎球菌性髄膜炎、中耳炎および副鼻腔炎を含む、(1以上の)肺炎球菌疾患の発症、重症度または進行の処置、予防または遅延の;(i)使用するため、(ii)医薬または組成物として使用するため、または(iii)医薬品の調製に使用するため、の本明細書に記載される多価免疫原性組成物の1以上も含む。これらの使用では、本発明の多価肺炎球菌多糖類-コンジュゲート組成物は、1以上のアジュバントと組み合わせて、またはアジュバントなしで使用してもよい。
【0193】
したがって、本発明は、本発明の多価免疫原性肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物の1以上を、処置を必要とする患者に投与するステップを含む、肺炎球菌(S.pneumoniae)感染症または肺炎球菌疾患の予防的処置(すなわち、防御)のための方法を提供する。
【0194】
本発明の組成物および製剤を、全身または粘膜経路を介して使用して、本発明の組成物を投与することによって、感染症、例えば肺炎球菌感染症にかかりやすいヒトを防御または処置することができる。
【0195】
一実施形態では、本発明は、肺炎球菌(S.pneumoniae)に対する免疫応答を誘導する方法であって、免疫学的有効量の本発明の多価免疫原性組成物を患者に投与するステップを含む方法を提供する。別の実施形態では、本発明は、肺炎球菌感染症に対してヒトをワクチン接種する方法であって、免疫学的有効量の本発明の多価免疫原性組成物をヒトに投与するステップを含む方法を提供する。
【0196】
よって、一態様では、本発明は、(1)ヒト患者で免疫応答を誘導する、(2)ヒト患者で防御免疫応答を誘導する、(3)肺炎球菌(S.pneumoniae)による感染に対してヒト患者にワクチン接種する、または(4)ヒト患者の肺炎球菌(S.pneumoniae)感染の可能性を減少させる方法であって、本発明の多価免疫原性組成物(すなわち、本明細書に記載されるいずれかの多価免疫原性組成物、例えば、上記の「多価免疫原性組成物」と題された第II節に記載される多価免疫原性組成物)を、患者に投与するステップを含む方法を提供する。
【0197】
一実施形態では、本発明は、18歳以上の成人において肺炎球菌性肺炎および侵襲性疾患を予防する方法を提供する。別の実施形態では、本発明は、24種の肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)菌株(3、6A、6C、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、15C、16F、17F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B)によって引き起こされる肺炎球菌性肺炎および侵襲性疾患を予防する方法を提供する。
【0198】
上記方法の一実施形態では、組成物は、複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含み、ここで、コンジュゲートの各々は担体タンパク質にコンジュゲートされた肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の多糖類を含み、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型は、血清型:3、7F、19A、22F、33F、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20Aのセットを含む。上記方法の一実施形態では、組成物は、複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含み、ここで、コンジュゲートの各々は担体タンパク質にコンジュゲートされた肺炎球菌(S.pneumonia)血清型の多糖類を含み、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型は、血清型:3、7F、19A、22F、33F、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20のセットを含む。上記方法の一実施形態では、組成物は、複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含み、ここで、コンジュゲートの各々は担体タンパク質にコンジュゲートされた肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の多糖類を含み、ここで、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型は、血清型:3、7F、19A、22F、33F、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20Bのセットを含む。上記方法の別の実施形態では、組成物は、血清型6Aまたは6Cの肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートをさらに含む。
【0199】
血清型6Aを含む肺炎球菌コンジュゲートワクチンが血清型6Cに対するいくらかの交差防御を提供し得ることが示されている(Cooper et al.,Vaccine 29(2011)7207-7211)。したがって、上記方法のいくつかの実施形態では、本発明はまた、血清型6Cを含まず、代わりに血清型6Aまたは血清型6Aおよび6Bを含む多価免疫原性組成物の使用を提供する。他の実施形態では、免疫原性組成物は、血清型6A、6Bおよび6Cの肺炎球菌コンジュゲートを含む。上記方法の特定の実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型は、
I-a)3、7F、19A、22F、33F、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20A;
I-b)3、7F、19A、22F、33F、6A、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20A;
I-c)3、7F、19A、22F、33F、6A、6B、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20A;および
I-d)3、7F、19A、22F、33F、6C、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20A
からなる群から選択される血清型のセットを含む。
【0200】
上記血清型(I-a~I-d)のセットの特定の実施形態では、血清型20または20Bが、血清型20Aに置換し得る。
【0201】
上記方法のさらなる実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型は、
II-a)15A、16F、23A、23B、24F、31および35B;
II-b)6A、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B;
II-c)6A、6B、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B;
II-d)6C、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B;
II-e)15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20A;
II-f)6A、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17F、および20A;
II-g)6A、6B、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20A;および
II-h)6C、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15C、17Fおよび20A
からなる群から選択される血清型のセットを含む。
【0202】
上記血清型(II-e~IIh)のセットの特定の実施形態では、血清型20または20Bは、血清型20Aに置換し得る。
【0203】
上記方法のさらなる実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型は、実施形態I-a)、II-a)またはII-e)のいずれかに示される血清型のセットを含み、血清型6A、6Bおよび6Cをさらに含む。
【0204】
血清型10Aを含む肺炎球菌コンジュゲートワクチンが血清型39に対するいくらかの交差防御を提供し得ることも示されている(国際公開第2017/085586号参照)。したがって、上記方法のいくつかの実施形態では、本発明はまた、血清型10Aを含まず、代わりに血清型39を含む多価免疫原性組成物の使用を提供する。他の実施形態では、免疫原性組成物は、血清型10Aおよび39の肺炎球菌コンジュゲートを含む。上記方法の特定の実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型は、
III-a)3、7F、19A、22F、33F、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、39、11A、12F、15C、17Fおよび20A;
III-b)3、7F、19A、22F、33F、6A、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、39、11A、12F、15C、17Fおよび20A;
III-c)3、7F、19A、22F、33F、6A、6B、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、39、11A、12F、15C、17Fおよび20A;
III-d)3、7F、19A、22F、33F、6C、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、39、11A、12F、15C、17Fおよび20A;
III-e)15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、39、11A、12F、15C、17Fおよび20A;
III-f)6A、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、39、11A、12F、15C、17Fおよび20A;
III-g)6A、6B、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、39、11A、12F、15C、17Fおよび20A;および
III-h)6C、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、39、11A、12F、15C、17Fおよび20A
からなる群から選択される血清型のセットを含む。
【0205】
上記血清型(II-a~III-h)のセットの特定の実施形態では、血清型20または20Bは、血清型20Aに置換し得る。
【0206】
上記方法のさらなる実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型は、実施形態III-a)~III-h)のいずれかに示される血清型のセットを含み、そして、血清型10Aをさらに含む。
【0207】
担体タンパク質と共有結合的に結合した肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型15B莢膜多糖類を含む免疫原性コンジュゲートが、血清型15Cおよび/または血清型15Aに対するいくらかの交差防御を提供し得ることも示されている(国際公開第2015/110942号参照)。したがって、上記方法のいくつかの実施形態では、本発明はまた、血清型15C(または脱O-アセチル化15B)を含まず、代わりに血清型15B(すなわち、血清型15B多糖類は脱O-アセチル化されていない)を含む多価免疫原性組成物の使用を提供する。他の実施形態では、免疫原性組成物は、血清型15Bおよび15C(または脱O-アセチル化15B)の肺炎球菌コンジュゲートを含む。上記方法の特定の実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型は、
IV-a)3、7F、19A、22F、33F、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15B、17Fおよび20A;
IV-b)3、7F、19A、22F、33F、6A、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15B、17Fおよび20A;
IV-c)3、7F、19A、22F、33F、6A、6B、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15B、17Fおよび20A;
IV-d)3、7F、19A、22F、33F、6C、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15B、17Fおよび20A;
IV-e)15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15B、17Fおよび20A;
IV-f)6A、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15B、17Fおよび20A;
IV-g)6A、6B、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15B、17Fおよび20A;および
IV-h)6C、15A、16F、23A、23B、24F、31、35B、8、9N、10A、11A、12F、15B、17Fおよび20A
からなる群から選択される血清型のセットを含む。
【0208】
上記血清型(IVa~IVh)のセットの特定の実施形態では、血清型20または20Bは、血清型20Aに置換し得る。
【0209】
上記方法のさらなる実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型は、実施形態IV-a)~IV-h)のいずれかに示される血清型のセットを含み、そして、血清型15C(および/または脱O-アセチル化15B)をさらに含む。
【0210】
本発明の組成物は、以前に多価肺炎球菌ワクチンを受けた患者において肺炎球菌(S.pneumoniae)に対する補完的防御を提供する方法に有用である。この使用では、本発明の組成物が、患者が以前にワクチン接種されなかった特定の肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型に対する防御を提供することができ、患者が以前にワクチン接種された肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型に対する追加の防御を提供することができ、または患者が以前にワクチン接種されなかった肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型と患者が以前にワクチン接種された肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の両方に対する防御を提供することができる。
【0211】
よって、本発明は、患者で肺炎球菌(S.pneumoniae)に対する免疫応答を誘導する、ワクチン接種する、または防御免疫応答を誘導する方法であって、多価免疫原性組成物を患者に投与するステップを含み、ここで、組成物は複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含み、ここで、多糖類タンパク質コンジュゲートは担体タンパク質にコンジュゲートされた肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の莢膜多糖類を含み、ここで、患者は、以前に肺炎球菌(S.pneumoniae)に対してワクチン接種された方法を提供する。本発明のこの態様の実施形態では、多価免疫原性組成物は、本明細書に記載されるいずれかの多価免疫原性組成物であり得る。本発明の方法の特定の実施形態では、多価免疫原性組成物は、以前に多価肺炎球菌ワクチンで処置された患者に投与される。多価免疫原性ワクチンは、肺炎球菌(S.pneumoniae)の2つ以上の血清型によって引き起こされる肺炎球菌疾患を予防するために必要とされる任意のワクチンであり得る。
【0212】
上記方法の具体的な実施形態では、患者は、以前に
a)4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23F;
b)4、6B、9V、14、18C、19F、23F、1、3、5、6A、7Fおよび19A;
c)1、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19Fおよび23F;
d)4、6B、9V、14、18C、19F、23F、1、3、5、6A、7F、19A、22Fおよび33F;
e)4、6B、9V、14、18C、19F、23F、1、3、5、7F、19A、22F、33F、2、8、9N、10A、11A、12F、15B、17Fおよび20;および
f)4、6B、9V、14、18C、19F、23F、1、3、5、6A、7F、19A、22F、33F、8、10A、11A、12Fおよび15B
からなる群から選択される肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型によって引き起こされる肺炎球菌疾患を予防するために必要とされる多価肺炎球菌ワクチンで処置された。
【0213】
上記方法の具体的な実施形態では、多価肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型4、6B、9V、14、18C、19F、23F、1、3、5、7F、19A、22F、33F、2、8、9N、10A、11A、12F、15B、17Fおよび20Aの莢膜多糖類を含む。上記方法の具体的な実施形態では、多価肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型4、6B、9V、14、18C、19F、23F、1、3、5、7F、19A、22F、33F、2、8、9N、10A、11A、12F、15B、17Fおよび20の莢膜多糖類を含む。上記方法の具体的な実施形態では、多価肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型4、6B、9V、14、18C、19F、23F、1、3、5、7F、19A、22F、33F、2、8、9N、10A、11A、12F、15B、17Fおよび20Bの莢膜多糖類を含む。
【0214】
上記方法の具体的な実施形態では、多価肺炎球菌ワクチンは複数の多糖類タンパク質コンジュゲートを含み、ここで、多糖類タンパク質コンジュゲートは、担体タンパク質にコンジュゲートされた肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の多糖類を含む。他の実施形態では、多価肺炎球菌ワクチンは、担体タンパク質にコンジュゲートされていない複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)莢膜多糖類を含む。
【0215】
上記方法の追加の実施形態では、患者は、以前にPREVNAR(登録商標)13(肺炎球菌13価コンジュゲートワクチン[ジフテリアCRM197タンパク質]、Pfizer,Inc.、フィラデルフィア、PA、米国)で処置された。
【0216】
上記方法のさらなる実施形態では、患者は、以前にPNEUMOVAX(登録商標)23(肺炎球菌ワクチン多価、Merck&Co.,Inc.、ケニルワース、NJ、米国)で処置された。
【0217】
上記方法のなおさらなる実施形態では、患者は、以前にSYNFLORIX(商標)(肺炎球菌多糖類コンジュゲートワクチン(吸着)、GlaxoSmithKline Biologicals s.a.、リクサンサール、ベルギー)で処置された。
【0218】
上記方法の実施形態では、本発明の多価免疫原性組成物は、医療専門家、例えば医師によって提供される処置レジメンに従って、患者が多価肺炎球菌ワクチンを受けた後の任意の時点で患者に投与される。特定の実施形態では、本発明の多価免疫原性組成物は、患者が多価肺炎球菌ワクチンを受けた1ヶ月~5年後、あるいは患者が多価肺炎球菌ワクチンを受けた1ヶ月~1年後、1ヶ月~2年後、1ヶ月~3年後、1ヶ月~4年後、1ヶ月~6ヶ月後、2ヶ月~6ヶ月後、2ヶ月~1年後、1年~5年後、6ヶ月~5年後、6ヶ月~4年後、6ヶ月~3年後、6ヶ月~2年後、6ヶ月~1年後、1年~4年後、1年~3年後または1年~2年後に患者に投与される。さらなる実施形態では、多価免疫原性組成物は、患者が多価肺炎球菌ワクチンを受けた約1ヶ月後、約2ヶ月後、約3ヶ月後、約4ヶ月後、約5ヶ月後、約6ヶ月後、約7ヶ月後、約8ヶ月後、約9ヶ月後、約10ヶ月後、約11ヶ月後、約1年後、約1.25年後、約1.5年後、約1.75年後、約2年後、約2.25年後、約2.5年後、約2.75年後、約3年後、約3.25年後、約3.5年後、約3.75年後、約4年後、約4.25年後、約4.5年後、約4.75年後または約5年後に患者に投与される。
【0219】
さらなる実施形態では、本発明は、(1)ヒト患者で免疫応答を誘導する、(2)ヒト患者で防御免疫応答を誘導する、(3)肺炎球菌(S.pneumoniae)による感染に対してヒト患者にワクチン接種する、または(4)ヒト患者の肺炎球菌(S.pneumoniae)感染の可能性を減少させる方法であって、任意の順序で本発明の多価免疫原性組成物を患者に投与するステップと多価肺炎球菌ワクチンを患者に投与するステップと含む方法を提供する。多価肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌(S.pneumoniae)の2つ以上の血清型によって引き起こされる肺炎球菌疾患を予防するために必要とされる任意のワクチンであり得る。
【0220】
上記方法の特定の実施形態では、患者は、
a)4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23F;
b)4、6B、9V、14、18C、19F、23F、1、3、5、6A、7Fおよび19A;
c)1、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19Fおよび23F;
d)4、6B、9V、14、18C、19F、23F、1、3、5、6A、7F、19A、22Fおよび33F;
e)4、6B、9V、14、18C、19F、23F、1、3、5、7F、19A、22F、33F、2、8、9N、10A、11A、12F、15B、17Fおよび20;および
f)4、6B、9V、14、18C、19F、23F、1、3、5、6A、7F、19A、22F、33F、8、10A、11A、12Fおよび15B
からなる群から選択される肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型によって引き起こされる肺炎球菌疾患を予防するために必要とされる本発明の多価免疫原性組成物および多価肺炎球菌ワクチンで処置される。
【0221】
上記方法の具体的な実施形態では、多価肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型4、6B、9V、14、18C、19F、23F、1、3、5、7F、19A、22F、33F、2、8、9N、10A、11A、12F、15B、17Fおよび20Aの莢膜多糖類を含む。
【0222】
上記方法の具体的な実施形態では、多価肺炎球菌ワクチンは複数の多糖類タンパク質コンジュゲートを含み、ここで、多糖類タンパク質コンジュゲートは、担体タンパク質にコンジュゲートされた肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の多糖類を含む。他の実施形態では、多価肺炎球菌ワクチンは、担体タンパク質にコンジュゲートされていない複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)莢膜多糖類を含む。
【0223】
上記方法の追加の実施形態では、患者は、任意の順序で、本発明の多価免疫原性組成物で処置され、PREVNAR(登録商標)13(肺炎球菌13価コンジュゲートワクチン[ジフテリアCRM197タンパク質]、Pfizer,Inc.、フィラデルフィア、PA、米国)で処置される。一実施形態では、患者は最初にPREVNAR(登録商標)13を投与され、患者は第2に本発明の多価免疫原性組成物を投与される。代替実施形態では、患者は最初に本発明の多価免疫原性組成物を投与され、第2にPREVNAR(登録商標)13を投与される。
【0224】
上記方法のさらなる実施形態では、患者は、任意の順序で、本発明の多価免疫原性組成物で処置され、PNEUMOVAX(登録商標)23(肺炎球菌ワクチン多価、Merck&Co.,Inc.、ケニルワース、NJ、米国)で処置される。一実施形態では、患者は最初にPNEUMOVAX(登録商標)23を投与され、患者は第2に本発明の多価免疫原性組成物を投与される。代替実施形態では、患者は最初に本発明の多価免疫原性組成物を投与され、第2にPNEUMOVAX(登録商標)23を投与される。
【0225】
上記方法のなおさらなる実施形態では、患者は、任意の順序で、本発明の多価免疫原性組成物で処置され、SYNFLORIX(商標)(肺炎球菌多糖類コンジュゲートワクチン(吸着)、GlaxoSmithKline Biologicals s.a.、リクサンサール、ベルギー)で処置される。一実施形態では、患者は最初にSYNFLORIX(商標)を投与され、患者は第2に本発明の多価免疫原性組成物を投与される。代替実施形態では、患者は最初に本発明の多価免疫原性組成物を投与され、第2にSYNFLORIX(商標)を投与される。
【0226】
上記方法のいくつかの実施形態では、多価免疫原性組成物および多価肺炎球菌ワクチンが同時に投与される。本明細書で使用される場合、「同時投与」は、2つの組成物を同時に投与することに限定されず、任意の順序で次々に投与することを含む。いくつかの実施形態では、多価免疫原性組成物および多価肺炎球菌ワクチンは、筋肉内または皮下投与を介して、別々の解剖学的部位、例えば2つの異なる腕に投与される。
【0227】
上記方法のいくつかの実施形態では、本発明の多価免疫原性組成物と多価肺炎球菌ワクチンの投与の間の時間量が、約4週間~約1年である。代替実施形態では、時間量は、約1ヶ月~約5年である。
【0228】
一実施形態では、患者は最初に多価肺炎球菌ワクチンを投与され、第2に本発明の多価免疫原性組成物を投与される。代替実施形態では、患者は最初に本発明の多価免疫原性組成物を投与され、第2に多価肺炎球菌ワクチンを投与される。
【0229】
患者において肺炎球菌(S.pneumoniae)に対する免疫応答を誘導する、ワクチン接種する、または防御免疫応答を誘導する方法であって、
(1)多価免疫原性組成物を患者に投与し、該組成物は複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含み、ここで、多糖類タンパク質コンジュゲートの各々は、担体タンパク質にコンジュゲートされた肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の莢膜多糖類を含むステップと、
(2)所定の量の時間が経過するのを待つステップと、
(3)多価肺炎球菌ワクチンを患者に投与するステップと
を含む方法も提供される。
【0230】
この方法では、多価免疫原性組成物は、本明細書に示される肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートの任意の組み合わせを含むことができ、そして、多価肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌(S.pneumoniae)の2つ以上の血清型によって引き起こされる疾患を予防するために必要とされる任意のワクチンであり得る。
【0231】
患者において肺炎球菌(S.pneumoniae)に対する免疫応答を誘導する、ワクチン接種する、または防御免疫応答を誘導する方法であって、
(1)多価肺炎球菌ワクチンを患者に投与するステップと、
(2)所定の量の時間が経過するのを待つステップと、
(3)多価免疫原性組成物を患者に投与し、組成物は複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含み、多糖類タンパク質コンジュゲートの各々は担体タンパク質にコンジュゲートされた肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の莢膜多糖類を含むステップと、
を含む方法も本発明によって提供される。
【0232】
この方法では、多価免疫原性組成物は、本明細書に示される肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートの任意の組み合わせを含むことができ、そして、多価肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌(S.pneumoniae)の2つ以上の血清型によって引き起こされる疾患を予防するために必要とされる任意のワクチンであり得る。
【0233】
上記方法のいくつかの実施形態では、多価肺炎球菌ワクチンは複数の肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖類タンパク質コンジュゲートを含み、ここで、多糖類タンパク質コンジュゲートは、担体タンパク質にコンジュゲートされた肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型の莢膜多糖類を含む。代替実施形態では、多価肺炎球菌ワクチンは、担体タンパク質にコンジュゲートされていない肺炎球菌(S.pneumoniae)莢膜多糖類を含む。
【0234】
本発明の方法の任意の実施形態(すなわち、本明細書に記載される方法のいずれか)では、該方法は、本発明の多価免疫原性組成物の1以上の追加の用量を患者に投与するステップをさらに含み得る。このような方法では、患者が、上記の本発明の多価免疫原性組成物の最初の投与を受ける前に多価肺炎球菌ワクチンを既に受けていてもよい、または本発明の多価免疫原性組成物を受ける前に肺炎球菌(S.pneumoniae)に対してワクチン接種されていなくてもよい。よって、一実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)によって引き起こされる肺炎球菌疾患を予防するために必要とされる多価肺炎球菌ワクチンを受けた患者は、2回用量以上の本発明の多価免疫原性組成物を投与される。代替実施形態では、以前に肺炎球菌疾患を予防するために必要とされるいずれかのワクチンで処置されていない患者は、2回用量以上の本発明の多価免疫原性組成物を投与される。
【0235】
上記方法の実施形態では、2回以上の用量が、同じ本発明の多価免疫原性組成物である。代替実施形態では、2回以上の用量が、異なる本発明の多価免疫原性組成物である。
【0236】
これらの方法のいずれかの具体的な実施形態では、患者は、2回、3回または4回用量の本発明の多価免疫原性組成物を投与される。特定の実施形態では、患者は(例えば、幹細胞移植後の免疫抑制レジメンで)免疫不全であり、投与回数が3回である。
【0237】
いくつかの実施形態では、本発明の多価免疫原性組成物の各用量の投与間の時間量は、約4週間~約1年である。代替実施形態では、本発明の多価免疫原性組成物の各用量の投与間の時間量は、約1ヶ月~約5年である。
【0238】
本発明の方法のいずれかの実施形態では、本発明の(1以上の)組成物で処置される患者はヒトである。一定の実施形態では、ヒト患者は、幼児(およそ12ヶ月~24ヶ月)、または小児(およそ2~5歳)である。本発明の組成物はまた、より年長の子供、青年および成人(例えば、18~45歳、18~50歳、18~55歳、18~60歳または18~65歳)での使用にも適している。本発明の方法のいずれかの他の実施形態では、患者は、約2~約18歳である。本発明の方法のいずれかのさらなる実施形態では、患者は、18歳以上である。
【0239】
本発明の方法のさらなる実施形態では、ヒト患者は高齢者である。本発明の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、患者は50歳以上である。本発明の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、患者は55歳以上である。本発明の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、患者は60歳以上である。本発明の方法のいずれかのなおさらなる実施形態では、患者は65歳以上である。本発明の方法のいずれかの追加の実施形態では、患者は70歳以上である。
【0240】
本発明の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、本発明の免疫原性組成物で処置される患者は免疫不全である。
【0241】
本発明の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、多価免疫原性組成物は、インフルエンザに対するワクチンと同時に投与される。一定の実施形態では、インフルエンザワクチンは、「シニアインフルエンザワクチン」、高齢者、例えば65歳以上の人に必要とされる高用量インフルエンザワクチンである。
【0242】
本発明は、肺炎球菌感染症に対する患者の防御免疫応答を誘導する方法であって、免疫学的有効量の本明細書に記載される多価免疫原性肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物のいずれかを患者に投与するステップを含む方法を提供する。特定のワクチンの成分(すなわち、多価免疫原性組成物)の最適量は、対象における適切な免疫応答の観察を含む標準的な試験によって確認することができる。例えば、別の実施形態では、ヒトワクチン接種についての投与量は、動物試験からヒトデータへの外挿によって決定される。別の実施形態では、投与量が経験的に決定される。
【0243】
本発明の方法を、侵襲性感染症(髄膜炎、肺炎および菌血症)と非侵襲性感染症(急性中耳炎および副鼻腔炎)の両方を含む微生物、例えば肺炎球菌(S.pneumonia)によって引き起こされる一次臨床症候群の予防および/または減少に使用することができる。
【0244】
本発明の組成物の投与は、筋肉内、腹腔内、皮内もしくは皮下経路を介した注射;または、口腔/食事性、呼吸器もしくは尿生殖器管への粘膜投与の1以上を含むことができる。一実施形態では、鼻腔内投与は、肺炎または中耳炎の処置に使用される(肺炎球菌の鼻咽頭運搬をより有効に防ぎ、よってその初期段階で感染症を弱毒化することができるため)。具体的な実施形態では、本発明の組成物は、筋肉内または皮下投与を介して患者に投与される。
【0245】
本明細書で言及される全ての出版物は、本発明に関連して使用され得る方法論および材料を記載および開示する目的で参照により組み込まれる。
【0246】
添付の図面を参照して本明細書で本発明の異なる実施形態を記載してきたが、本発明はこれらの正確な実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲または精神から逸脱することなく、種々の変更および修正が当業者によってその中で行われ得ることを理解されたい。
【0247】
以下の実施例は本発明を例示するが、限定するものではない。
【0248】
[実施例1]
肺炎球菌(S.Pneumoniae)莢膜多糖類の調製
肺炎球菌を培養する方法は、当技術分野で周知である。例えば、Chase,1967,Methods of Immunology and Immunochemistry 1:52を参照されたい。肺炎球菌莢膜多糖類を調製する方法も当該分野で周知である。例えば、欧州特許第0 497 524号明細書を参照されたい。以下に記載される方法は、一般に、欧州特許第0 497 524号明細書に記載される方法に従い、一般に、全ての肺炎球菌血清型に適用可能である。
【0249】
血清型6C、23Bおよび31についての肺炎球菌株の分離株はアメリカ疾病予防管理センター(Atlanta、GA)から入手した。血清型3、8、10A、11A、12F、15B、22Fおよび33Fについての菌株は、ペンシルベニア大学(Robert Austrian博士)から入手した。血清型17Fおよび19Aについての菌株は、FDA生物医薬品局(John Robbins博士)から入手した。血清型7Fは、ニューヨーク州立大学、ダウンステート・メディカル・センター(Gerald Schiffman博士)から入手した。上に列挙されていない肺炎球菌血清型の分離株は、アメリカ培養細胞系統保存機関(マナサス、VA)から入手した。必要に応じて、サブタイプを、特定の抗血清を使用したクェルング反応に基づいて区別した。例えば、米国特許第5,847,112号明細書を参照されたい。得られた分離株を、ヘミン無しで、大豆ペプトン、酵母エキスおよびグルコースを含む動物成分を含まない培地からなる寒天プレート上に2段階で連続的に播種することによってさらにクローン分離した。血清型7Fの場合、使用した寒天プレートがヘミンも含んでいた。各血清型についてのクローン分離株を、大豆ペプトン、酵母エキス、HEPES、塩化ナトリウム、重炭酸ナトリウム、リン酸カリウム、グルコースおよびグリセロールを含む動物成分を含まない培地を使用した液体培養でさらに拡大して、プレマスター細胞バンクを調製した。
【0250】
肺炎球菌多糖類の各血清型の生産は、細胞拡大およびバッチ生産発酵、引き続いて下流精製前の化学的不活性化からなっていた。大豆ペプトンまたは大豆ペプトン限外濾過液、酵母エキスまたは酵母エキス限外濾過液、HEPES、塩化ナトリウム、重炭酸ナトリウム、リン酸カリウムおよびグルコースを含む滅菌済みの動物成分を含まない増殖培地を含む振盪フラスコまたは培養ボトルを使用して、各血清型の解凍細胞バンクバイアルを拡大した。細胞拡大培養物を密封振盪フラスコまたはボトル内で増殖させて、温度および攪拌制御によりガス交換を最小化した。血清型3、7F、8、9N、10A、11A、12F、15B、17F、19A、20、22Fおよび33Fの場合、同じ培地を含む発酵槽を使用して、解凍した細胞バンクバイアルを拡大した。これらの血清型の細胞拡大中に、温度、pH、圧力および攪拌を制御した。スパージングを使用しなかったため、通気オーバーレイも制御した。600nmでの光学濃度によって測定される特定の培養密度に達した後、細胞拡大培養物の一部を、大豆ペプトンまたは大豆ペプトン限外濾過液、酵母エキスまたは酵母エキス限外濾過液、塩化ナトリウム、リン酸カリウムおよびグルコースを含む滅菌済みの動物成分を含まない増殖培地を含む生産発酵槽に移した。温度、pH、圧力および攪拌を制御した。スパージングを使用しなかったため、通気オーバーレイも制御した。
【0251】
グルコースがほぼ枯渇したら、化学的不活性化剤であるフェノールを添加してバッチ発酵を終了した。純粋なフェノールを最終濃度0.8~1.2%まで添加して、細胞を不活性化し、細胞壁から莢膜多糖類を遊離させた。一次不活性化が発酵槽内で指定された時間起こり、そこでは温度および攪拌が制御され続ける。一次不活化後、バッチを別の容器に移し、これを制御された温度でさらなる指定時間保持し、完全に不活化するために攪拌した。これを、微生物プレーティング技術またはフェノール濃度および指定時間の検証によって確認した。次いで、不活化ブロスを精製した。
【0252】
[実施例2]
肺炎球菌多糖類の精製
肺炎球菌多糖類の精製方法は、いくつかの遠心分離、デプス濾過、濃縮/ダイアフィルトレーション操作および沈殿ステップからなっていた。特に指定のない限り、全ての手順を室温で実施した。
【0253】
肺炎球菌(S.pneumoniae)の発酵槽培養物からの不活化ブロスをカチオン性ポリマー(BPA-1000、TRETOLITE(登録商標)(Baker Hughes Inc.、ヒューストン、TX)、Spectrum 8160、ポリ(エチレンイミン)およびMillipore pDADMACなど)で凝集させた。カチオン性ポリマーは、不純物タンパク質、核酸および細胞片に結合した。凝集ステップおよび熟成期間後、凝集した固体を、遠心分離および複数回のデプス濾過ステップを介して除去した。清澄化ブロスを濃縮し、100kDa~500kDaのMWCO(分子量カットオフ)フィルタを使用してダイアフィルトレーションした。トリス、MgCl2緩衝液およびリン酸ナトリウム緩衝液を使用してダイアフィルトレーションを達成した。ダイアフィルトレーションにより、残留核酸およびタンパク質を除去した。
【0254】
変性アルコールおよび/またはイソプロパノールを用いた酢酸ナトリウムおよびフェノール中の多糖類の再沈殿によってさらなる不純物の除去を達成した。フェノール沈殿ステップ中、リン酸ナトリウム生理食塩水緩衝液中の酢酸ナトリウムとフェノール(液化フェノールまたは固体フェノール)をダイアフィルトレーション保持液に装入した。次いで、多糖類のアルコール分画を2段階で実施した。第一段階では、低濃度のアルコールを調製物に添加して、細胞片およびその他の不要な不純物を沈殿させたが、粗多糖類は溶液中に残った。遠心分離、引き続いてデプス濾過ステップを介して不純物を除去した。次いで、追加のイソプロパノールまたは変性アルコールをバッチに添加することによって、溶液から多糖類を回収した。沈殿した多糖類ペレットを遠心分離によって回収し、研和し、粉末として乾燥させ、-70℃で凍結保存した。
【0255】
[実施例3]
NMR試験による一定の肺炎球菌血清型の構造同一性分析
0.01%ジメチルスルホキシド(DMSO)および0.01%2,2-ジメチル-2-シラペンタン-5-スルホネート-d6ナトリウム塩(DSS-d6)を含む重水(D2O)に、5mg粉末/mL溶液で多糖類粉末を溶解することによって、NMR分析用の試料を調製した。DMSOは定量分析に使用した内部標準であり、DSS-d6は化学シフトスケールを0ppmに設定するために使用した。一次元プロトンNMRデータセットを50℃で取得し、次いで、アノマー共鳴を含むスペクトルの一部を、Microsoft Excelワークブックを使用して分析するために、ASCIIファイルにx、y座標として選択的に書き込んだ。次いで、Y座標(すなわち、スペクトルプロファイル)を、参照データベース内の莢膜細菌多糖類のスペクトルプロファイルと比較した。参照プロファイルは、その後、参照ロットとして指定される各血清型の選択された調製物について同様に作成した。試料スペクトルと参照スペクトルからのy値を対比較して、スペクトル間の類似性の尺度として相関係数(ρxy)を作成した。参照スペクトルのいずれかで0.95以上のρ値を、多糖類構造の正の同定と見なした。
【0256】
図1~
図4は、それぞれ、肺炎球菌(S.pneumonia)血清型6C、15A、脱O-アセチル化15Bおよび35Bの莢膜多糖類の600MHz一次元
1H NMRスペクトルを提供する。肺炎球菌(S.pneumonia)血清型6C、15A、脱O-アセチル化15Bおよび35Bの血清型同定に使用される
1H NMR同定領域は、それぞれ
図5~
図8に提供される。
【0257】
肺炎球菌(S.pneumonia)血清型脱O-アセチル化15Bおよび15Cの莢膜多糖類の構造
ニュージーランドホワイト種ウサギでPCV21を使用して免疫原性試験を行った(下記の実施例43参照)。これらの試験では、血清型15Cの代わりに脱O-アセチル化多糖類血清型15Bを多価組成物に使用した。NMR試験を行って、脱O-アセチル化15B多糖類が血清型15C多糖類と同等であることを確認した。
【0258】
莢膜多糖類血清型間の構造的差が、NMRスペクトルの化学シフトの差として現れる。アノマー領域(およそ4.4ppm~6.0ppm)は、多糖類の反復単位の全ての構造的特徴に感受性である。立体化学、単糖組成、O-アセチル化およびグリコシド結合の差が、各血清型に固有のスペクトルのこの領域を残して、アノマーシグナルの化学シフトに影響を及ぼす。脱O-アセチル化血清型15B多糖類の場合、完全な
1H NMRスペクトルは血清型15C多糖類の
1H NMRスペクトルと同一であり、両多糖類の反復単位が同じ単糖置換基およびグリコシド結合部位からなることを示している(
図9B~
図9Cおよび
図10B~
図10C参照)。脱O-アセチル化ステップによって15B多糖類に存在するO-アセテート基が除去されたこと、および観察されるO-アセテート基が本質的に残っていないことも明確に示されている(
図10A~
図10F参照)。
【0259】
[実施例4]
DMSOコンジュゲーションを使用した多価試験用の血清型3コンジュゲートの調製
多糖類を溶解し、標的分子質量にサイジングし、化学的に活性化し、限外濾過によって緩衝液交換した。活性化された多糖類および精製されたCRM 197を個別に凍結乾燥し、ジメチルスルホキシド(DMSO)に再溶解した。次いで、再溶解した多糖類溶液およびCRM197溶液を合わせ、下記のようにコンジュゲートさせた。得られたコンジュゲートを、最後の0.2ミクロン濾過の前に限外濾過によって精製した。pH、温度、濃度および時間のような各ステップ内のいくつかのプロセスパラメータを制御して、所望の属性を有するコンジュゲートを得た。
【0260】
多糖類のサイズ減少および酸化
精製された肺炎球菌莢膜Ps粉末を水に溶解し、0.45ミクロン濾過した。溶解した多糖類を均質化して、Psの分子質量を減少させた。均質化圧力およびホモジナイザーを通過する回数を、380bar/5通過に制御した。
【0261】
サイズが減少した多糖類を濃縮し、10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0262】
次いで、多糖類溶液を22℃および酢酸ナトリウム緩衝液でpH5に調整して、活性化による多糖類のサイズ減少を最小化した。多糖類活性化を、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加で開始した。添加したメタ過ヨウ素酸ナトリウムの量は、多糖類活性化の標的レベルを達成するために、多糖類反復単位1モル当たり0.25モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル)とした。酸化反応は22℃で12時間進行した。
【0263】
活性化された生成物を、10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションし、引き続いて10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。
【0264】
CRM197への多糖類コンジュゲーション
以前に記載されたように(国際公開第2012/173876号)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)での発現を通じて得られた精製CRM197を、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して2mMリン酸塩、pH7.2緩衝液に対してダイアフィルトレーションし、0.2ミクロン濾過した。
【0265】
活性化された多糖類を、10%w/vのスクロース濃度で2mg Ps/mLで凍結乾燥用に製剤化した。CRM197を、1%w/vのスクロース濃度で6mg Pr/mLで凍結乾燥用に製剤化した。
【0266】
製剤化したPsおよびCRM197溶液を個別に凍結乾燥した。凍結乾燥したPsおよびCRM197材料を、等体積のDMSOに個別に再溶解した。多糖類溶液およびCRM197溶液をブレンドして、多糖類濃度1.0g Ps/Lおよび多糖類とCRM197の質量比1.3を達成した。質量比は、得られるコンジュゲートの多糖類とCRM197の比を制御するように選択した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり1モル)を添加し、コンジュゲーションを22℃で1時間進めた。
【0267】
水素化ホウ素ナトリウムによる還元
水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり2モル)をコンジュゲーション反応後に添加し、22℃で1.6時間インキュベートした。バッチをおよそ4℃で、およそ0.025%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウムに希釈した。次いで、リン酸カリウム緩衝液を添加してpHを中和した。バッチを濃縮し、30kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、150mM塩化ナトリウム、25mMリン酸カリウムpH7に対しておよそ4℃でダイアフィルトレーションした。
【0268】
最終濾過および生成物貯蔵
次いで、バッチを濃縮し、300kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、4℃で、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中10mMヒスチジンに対してダイアフィルトレーションした。
【0269】
保持液バッチを0.2ミクロン濾過し、次いで、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中で追加の10mMヒスチジンで希釈し、アリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。
【表2】
【0270】
[実施例5]
DMSOコンジュゲーションを使用したコンジュゲート多価試験用の血清型6Cの調製
多糖類を溶解し、化学的に活性化し、限外濾過によって緩衝液交換した。活性化された多糖類および精製されたCRM197を個別に凍結乾燥し、DMSOに再溶解した。次いで、再溶解した多糖類溶液およびCRM197溶液を合わせ、下記のようにコンジュゲートさせた。得られたコンジュゲートを、最後の0.2ミクロン濾過の前に限外濾過によって精製した。pH、温度、濃度および時間のような各ステップ内のいくつかのプロセスパラメータを制御して、所望の属性を有するコンジュゲートを得た。
【0271】
多糖類の酸化
精製された肺炎球菌莢膜Ps粉末を水に溶解し、0.45ミクロン濾過した。濾過し溶解した多糖類を濃縮し、10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0272】
次いで、多糖類溶液を22℃および酢酸ナトリウム緩衝液でpH5に調整して、活性化による多糖類のサイズ減少を最小化した。多糖類活性化を、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加で開始した。添加したメタ過ヨウ素酸ナトリウムの量は、多糖類活性化の標的レベルを達成するために、多糖類反復単位1モル当たり0.10モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル)とした。酸化反応は22℃で2時間進行した。
【0273】
活性化された生成物を10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションし、引き続いて10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。
【0274】
CRM197への多糖類コンジュゲーション
以前に記載されたように(国際公開第2012/173876号)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)での発現を通じて得られた精製CRM197を、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して2mMリン酸塩、pH7.2緩衝液に対してダイアフィルトレーションし、0.2ミクロン濾過した。
【0275】
活性化された多糖類を、5%w/vのスクロース濃度で6mg Ps/mLで凍結乾燥用に製剤化した。CRM197を、1%w/vのスクロース濃度で6mg Pr/mLで凍結乾燥用に製剤化した。
【0276】
製剤化したPsおよびCRM197溶液を個別に凍結乾燥した。凍結乾燥したPsおよびCRM197材料を、等体積のDMSOに個別に再溶解した。多糖類溶液およびCRM197溶液をブレンドして、多糖類濃度2.2g Ps/Lおよび多糖類とCRM197の質量比1.4を達成した。質量比は、得られるコンジュゲートの多糖類とCRM197の比を制御するように選択した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり1モル)を添加し、コンジュゲーションを22℃で15時間進めた。
【0277】
水素化ホウ素ナトリウムによる還元
水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり2モル)をコンジュゲーション反応後に添加し、22℃で3時間インキュベートした。バッチをおよそ4℃で、およそ0.025%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウムに希釈した。次いで、リン酸カリウム緩衝液を添加してpHを中和した。バッチを濃縮し、30kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、150mM塩化ナトリウム、25mMリン酸カリウムpH7に対しておよそ4℃でダイアフィルトレーションした。
【0278】
最終濾過および生成物貯蔵
次いで、バッチを濃縮し、300kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、4℃で、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中10mMヒスチジンに対してダイアフィルトレーションした。
【0279】
保持液バッチを0.2ミクロン濾過し、次いで、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中で追加の10mMヒスチジンで希釈し、アリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。
【表3】
【0280】
[実施例6]
DMSOコンジュゲーションを使用した多価試験用の血清型6Cコンジュゲートの調製
多糖類を溶解し、化学的に活性化し、限外濾過によって緩衝液交換した。活性化された多糖類および精製されたCRM197を個別に凍結乾燥し、DMSOに再溶解した。次いで、再溶解した多糖類溶液およびCRM197溶液を合わせ、下記のようにコンジュゲートさせた。得られたコンジュゲートを、最後の0.2ミクロン濾過の前に限外濾過によって精製した。pH、温度、濃度および時間のような各ステップ内のいくつかのプロセスパラメータを制御して、所望の属性を有するコンジュゲートを得た。
【0281】
多糖類の酸化
精製された肺炎球菌莢膜Ps粉末を水に溶解し、0.45ミクロン濾過した。濾過し溶解した多糖類を濃縮し、10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0282】
次いで、多糖類溶液を22℃および酢酸ナトリウム緩衝液でpH5に調整して、活性化による多糖類のサイズ減少を最小化した。多糖類活性化を、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加で開始した。添加したメタ過ヨウ素酸ナトリウムの量は、多糖類活性化の標的レベルを達成するために、多糖類反復単位1モル当たり0.10モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル)とした。酸化反応は22℃で2時間進行した。
【0283】
活性化された生成物を10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションし、引き続いて10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。
【0284】
CRM197への多糖類コンジュゲーション
以前に記載されたように(国際公開第2012/173876号)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)での発現を通じて得られた精製CRM197を、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して2mMリン酸塩、pH7.2緩衝液に対してダイアフィルトレーションし、0.2ミクロン濾過した。
【0285】
活性化された多糖類を、5%w/vのスクロース濃度で6mg Ps/mLで凍結乾燥用に製剤化した。CRM197を、1%w/vのスクロース濃度で6mg Pr/mLで凍結乾燥用に製剤化した。
【0286】
製剤化したPsおよびCRM197溶液を個別に凍結乾燥した。凍結乾燥したPsおよびCRM197材料を、等体積のDMSOに個別に再溶解した。多糖類溶液およびCRM197溶液をブレンドして、多糖類濃度1.9g Ps/Lおよび多糖類とCRM197の質量比1.4を達成した。質量比は、得られるコンジュゲートの多糖類とCRM197の比を制御するように選択した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり1モル)を添加し、コンジュゲーションを22℃で15時間進めた。
【0287】
水素化ホウ素ナトリウムによる還元
水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり2モル)をコンジュゲーション反応後に添加し、22℃で3時間インキュベートした。バッチをおよそ4℃で、およそ0.025%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウムに希釈した。次いで、リン酸カリウム緩衝液を添加してpHを中和した。バッチを濃縮し、30kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、150mM塩化ナトリウム、25mMリン酸カリウムpH7に対しておよそ4℃でダイアフィルトレーションした。
【0288】
最終濾過および生成物貯蔵
次いで、バッチを濃縮し、300kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、4℃で、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中10mMヒスチジンに対してダイアフィルトレーションした。
【0289】
保持液バッチを0.2ミクロン濾過し、次いで、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中で追加の10mMヒスチジンで希釈し、アリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。
【表4】
【0290】
DMSOコンジュゲーションを使用した一価試験用の血清型6Aコンジュゲートの調製
多糖類を溶解し、化学的に活性化し、限外濾過によって緩衝液交換した。活性化された多糖類および精製されたCRM197を個別に凍結乾燥し、DMSOに再溶解した。次いで、再溶解した多糖類溶液およびCRM197溶液を合わせ、下記のようにコンジュゲートさせた。得られたコンジュゲートを、最後の0.2ミクロン濾過の前に限外濾過によって精製した。pH、温度、濃度および時間のような各ステップ内のいくつかのプロセスパラメータを制御して、所望の属性を有するコンジュゲートを得た。
【0291】
多糖類のサイズ減少および酸化
精製された肺炎球菌莢膜Ps粉末を水に溶解し、0.45ミクロン濾過した。溶解した多糖類を均質化して、Psの分子質量を減少させた。均質化圧力およびホモジナイザーを通過する回数を、200bar/5通過に制御した。サイズが減少した多糖類を濃縮し、10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0292】
次いで、多糖類溶液を22℃および酢酸ナトリウム緩衝液でpH5に調整して、活性化による多糖類のサイズ減少を最小化した。多糖類活性化を、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加で開始した。添加したメタ過ヨウ素酸ナトリウムの量は、多糖類活性化の標的レベルを達成するために、多糖類反復単位1モル当たり0.10モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル)とした。酸化反応は22℃で2時間進行した。
【0293】
活性化された生成物を10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションし、引き続いて10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。
【0294】
CRM197への多糖類コンジュゲーション
以前に記載されたように(国際公開第2012/173876号)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)での発現を通じて得られた精製CRM197を、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して2mMリン酸塩、pH7.2緩衝液に対してダイアフィルトレーションし、0.2ミクロン濾過した。
【0295】
活性化された多糖類を、5%w/vのスクロース濃度で6mg Ps/mLで凍結乾燥用に製剤化した。CRM197を、1%w/vのスクロース濃度で6mg Pr/mLで凍結乾燥用に製剤化した。
【0296】
製剤化したPsおよびCRM197溶液を個別に凍結乾燥した。凍結乾燥したPsおよびCRM197材料を、等体積のDMSOに個別に再溶解した。多糖類溶液およびCRM197溶液をブレンドして、多糖類濃度1.5g Ps/Lおよび多糖類とCRM197の質量比1.4を達成した。質量比は、得られるコンジュゲートの多糖類とCRM197の比を制御するように選択した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり1モル)を添加し、コンジュゲーションを22℃で15時間進めた。
【0297】
水素化ホウ素ナトリウムによる還元
水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり2モル)をコンジュゲーション反応後に添加し、22℃で3時間インキュベートした。バッチをおよそ4℃で、およそ0.025%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウムに希釈した。次いで、リン酸カリウム緩衝液を添加してpHを中和した。バッチを濃縮し、30kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、150mM塩化ナトリウム、25mMリン酸カリウムpH7に対しておよそ4℃でダイアフィルトレーションした。
【0298】
最終濾過および生成物貯蔵
次いで、バッチを濃縮し、300kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、4℃で、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中10mMヒスチジンに対してダイアフィルトレーションした。
【0299】
保持液バッチを0.2ミクロン濾過し、次いで、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中で追加の10mMヒスチジンで希釈し、アリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。
【表5】
【0300】
[実施例7]
DMSOコンジュゲーションを使用した多価試験用の血清型7Fコンジュゲートの調製
多糖類を溶解し、標的分子質量にサイジングし、化学的に活性化し、限外濾過によって緩衝液交換した。活性化された多糖類および精製されたCRM197を個別に凍結乾燥し、DMSOに再溶解した。次いで、再溶解した多糖類溶液およびCRM197溶液を合わせ、下記のようにコンジュゲートさせた。得られたコンジュゲートを、最後の0.2ミクロン濾過の前に限外濾過によって精製した。pH、温度、濃度および時間のような各ステップ内のいくつかのプロセスパラメータを制御して、所望の属性を有するコンジュゲートを得た。
【0301】
多糖類のサイズ減少および酸化
精製された肺炎球菌莢膜Ps粉末を水に溶解し、0.45ミクロン濾過した。溶解した多糖類を均質化して、Psの分子質量を減少させた。均質化圧力およびホモジナイザーを通過する回数を、150bar/7通過に制御した。
【0302】
サイズが減少した多糖類を濃縮し、10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0303】
次いで、多糖類溶液を22℃および酢酸ナトリウム緩衝液でpH5に調整して、活性化による多糖類のサイズ減少を最小化した。多糖類活性化を、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加で開始した。添加したメタ過ヨウ素酸ナトリウムの量は、多糖類活性化の標的レベルを達成するために、多糖類反復単位1モル当たり0.24モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル)とした。酸化反応は4℃で4時間進行した。
【0304】
活性化された生成物を10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションし、引き続いて10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。
【0305】
CRM197への多糖類コンジュゲーション
以前に記載されたように(国際公開第2012/173876号)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)での発現を通じて得られた精製CRM197を、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して2mMリン酸塩、pH7.2緩衝液に対してダイアフィルトレーションし、0.2ミクロン濾過した。
【0306】
活性化された多糖類を、5%w/vのスクロース濃度で6mg Ps/mLで凍結乾燥用に製剤化した。CRM197を、1%w/vのスクロース濃度で6mg Pr/mLで凍結乾燥用に製剤化した。
【0307】
製剤化したPsおよびCRM197溶液を個別に凍結乾燥した。凍結乾燥したPsおよびCRM197材料を、等体積のDMSOに個別に再溶解した。多糖類溶液およびCRM197溶液をブレンドして、多糖類濃度2.6g Ps/Lおよび多糖類とCRM197の質量比1.5を達成した。質量比は、得られるコンジュゲートの多糖類とCRM197の比を制御するように選択した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり1モル)を添加し、コンジュゲーションを22℃で4時間進めた。
【0308】
水素化ホウ素ナトリウムによる還元
水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり2モル)をコンジュゲーション反応後に添加し、22℃で3時間インキュベートした。バッチをおよそ4℃で、およそ0.025%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウムに希釈した。次いで、リン酸カリウム緩衝液を添加してpHを中和した。バッチを濃縮し、30kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、150mM塩化ナトリウム、25mMリン酸カリウムpH7に対しておよそ4℃でダイアフィルトレーションした。
【0309】
最終濾過および生成物貯蔵
次いで、バッチを濃縮し、300kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、4℃で、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中10mMヒスチジンに対してダイアフィルトレーションした。
【0310】
保持液バッチを0.2ミクロン濾過し、次いで、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中で追加の10mMヒスチジンで希釈し、アリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。
【表6】
【0311】
[実施例8]
DMSOコンジュゲーションを使用した多価試験用の血清型8コンジュゲートの調製
多糖類を溶解し、標的分子質量にサイジングし、化学的に活性化し、限外濾過によって緩衝液交換した。活性化された多糖類および精製されたCRM197を個別に凍結乾燥し、DMSOに再溶解した。次いで、再溶解した多糖類溶液およびCRM197溶液を合わせ、下記のようにコンジュゲートさせた。得られたコンジュゲートを、最後の0.2ミクロン濾過の前に限外濾過によって精製した。pH、温度、濃度および時間のような各ステップ内のいくつかのプロセスパラメータを制御して、所望の属性を有するコンジュゲートを得た。
【0312】
多糖類のサイズ減少および酸化
精製された肺炎球菌莢膜Ps粉末を水に溶解し、0.45ミクロン濾過した。溶解した多糖類を均質化して、Psの分子質量を減少させた。均質化圧力およびホモジナイザーを通過する回数を、600bar/5通過に制御した。
【0313】
サイズが減少した多糖類を濃縮し、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0314】
次いで、多糖類溶液を22℃および酢酸ナトリウム緩衝液でpH5に調整して、活性化による多糖類のサイズ減少を最小化した。多糖類活性化を、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加で開始した。添加したメタ過ヨウ素酸ナトリウムの量は、多糖類活性化の標的レベルを達成するために、多糖類反復単位1モル当たり0.18モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル)とした。酸化反応は22℃で4時間進行した。
【0315】
活性化された生成物を10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションし、引き続いて5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。
【0316】
CRM197への多糖類コンジュゲーション
以前に記載されたように(国際公開第2012/173876号)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)での発現を通じて得られた精製CRM197を、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して2mMリン酸塩、pH7.2緩衝液に対してダイアフィルトレーションし、0.2ミクロン濾過した。
【0317】
活性化された多糖類を、5%w/vのスクロース濃度で6mg Ps/mLで凍結乾燥用に製剤化した。CRM197を、1%w/vのスクロース濃度で6mg Pr/mLで凍結乾燥用に製剤化した。
【0318】
製剤化したPsおよびCRM197溶液を個別に凍結乾燥した。凍結乾燥したPsおよびCRM197材料を、等体積のDMSOに個別に再溶解した。多糖類溶液およびCRM197溶液をブレンドして、多糖類濃度4.0g Ps/Lおよび多糖類とCRM197の質量比1.5を達成した。質量比は、得られるコンジュゲートの多糖類とCRM197の比を制御するように選択した。ブレンド後、コンジュゲーション反応は22℃で2時間進行した。シアノ水素化ホウ素ナトリウムを添加すると、血清型8のコンジュゲーション反応中に不可逆的沈殿が生じる可能性があることが観察されたため、シアノ水素化ホウ素ナトリウムをコンジュゲーション反応に添加しなかった。反応からシアノ水素化ホウ素ナトリウムを省略すると、コンジュゲートの属性に有意に影響を及ぼすことなく沈殿が回避された。
【0319】
水素化ホウ素ナトリウムによる還元
水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり2モル)をコンジュゲーション反応後に添加し、22℃で1時間インキュベートした。バッチをおよそ4℃で、およそ0.025%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウムに希釈した。次いで、リン酸カリウム緩衝液を添加してpHを中和した。バッチを濃縮し、30kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、150mM塩化ナトリウム、25mMリン酸カリウムpH7に対しておよそ4℃でダイアフィルトレーションした。
【0320】
最終濾過および生成物貯蔵
次いで、バッチを濃縮し、300kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、4℃で、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中10mMヒスチジンに対してダイアフィルトレーションした。
【0321】
保持液バッチを0.2ミクロン濾過(0.5ミクロンプレフィルタを使用)し、次いで、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中で追加の10mMヒスチジンで希釈し、アリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。
【表7】
【0322】
[実施例9]
DMSOコンジュゲーションを使用した多価試験用の血清型9Nコンジュゲートの調製
多糖類を溶解し、標的分子質量にサイジングし、化学的に活性化し、限外濾過によって緩衝液交換した。活性化された多糖類および精製されたCRM197を個別に凍結乾燥し、DMSOに再溶解した。次いで、再溶解した多糖類溶液およびCRM197溶液を合わせ、下記のようにコンジュゲートさせた。得られたコンジュゲートを、最後の0.2ミクロン濾過の前に限外濾過によって精製した。pH、温度、濃度および時間のような各ステップ内のいくつかのプロセスパラメータを制御して、所望の属性を有するコンジュゲートを得た。
【0323】
多糖類のサイズ減少および酸化
精製された肺炎球菌莢膜Ps粉末を水に溶解し、0.45ミクロン濾過した。溶解した多糖類を均質化して、Psの分子質量を減少させた。均質化圧力およびホモジナイザーを通過する回数を、250bar/5通過に制御した。
【0324】
サイズが減少した多糖類を濃縮し、10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0325】
次いで、多糖類溶液を22℃および酢酸ナトリウム緩衝液でpH5に調整して、活性化による多糖類のサイズ減少を最小化した。多糖類活性化を、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加で開始した。添加したメタ過ヨウ素酸ナトリウムの量は、多糖類活性化の標的レベルを達成するために、多糖類反復単位1モル当たり0.16モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル)とした。酸化反応は22℃で4時間進行した。
【0326】
活性化された生成物を10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションし、引き続いて10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。
【0327】
CRM197への多糖類コンジュゲーション
以前に記載されたように(国際公開第2012/173876号)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)での発現を通じて得られた精製CRM197を、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して2mMリン酸塩、pH7.2緩衝液に対してダイアフィルトレーションし、0.2ミクロン濾過した。
【0328】
活性化された多糖類を、5%w/vのスクロース濃度で6mg Ps/mLで凍結乾燥用に製剤化した。CRM197を、1%w/vのスクロース濃度で6mg Pr/mLで凍結乾燥用に製剤化した。
【0329】
製剤化したPsおよびCRM197溶液を個別に凍結乾燥した。凍結乾燥したPsおよびCRM197材料を、等体積のDMSOに個別に再溶解した。多糖類溶液およびCRM197溶液をブレンドして、多糖類濃度3.25g Ps/Lおよび多糖類とCRM197の質量比1.5を達成した。質量比は、得られるコンジュゲートの多糖類とCRM197の比を制御するように選択した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり1モル)を添加し、コンジュゲーションを22℃で1時間進めた。
【0330】
水素化ホウ素ナトリウムによる還元
水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり2モル)をコンジュゲーション反応後に添加し、22℃で1時間インキュベートした。バッチをおよそ4℃で、およそ0.025%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウムに希釈した。次いで、リン酸カリウム緩衝液を添加してpHを中和した。バッチを濃縮し、30kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、150mM塩化ナトリウム、25mMリン酸カリウムpH7に対しておよそ4℃でダイアフィルトレーションした。
【0331】
最終濾過および生成物貯蔵
次いで、バッチを濃縮し、300kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、4℃で、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中10mMヒスチジンに対してダイアフィルトレーションした。
【0332】
保持液バッチを0.2ミクロン濾過し、次いで、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中で追加の10mMヒスチジンで希釈し、アリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。
【表8】
【0333】
[実施例10]
DMSOコンジュゲーションを使用した一価試験用の血清型10Aコンジュゲートの調製
多糖類を溶解し、標的分子質量にサイジングし、化学的に活性化し、限外濾過によって緩衝液交換した。活性化された多糖類および精製されたCRM197を個別に凍結乾燥し、DMSOに再溶解した。次いで、再溶解した多糖類溶液およびCRM197溶液を合わせ、下記のようにコンジュゲートさせた。得られたコンジュゲートを、最後の0.2ミクロン濾過の前に限外濾過によって精製した。pH、温度、濃度および時間のような各ステップ内のいくつかのプロセスパラメータを制御して、所望の属性を有するコンジュゲートを得た。
【0334】
多糖類のサイズ減少および酸化
精製された肺炎球菌莢膜Ps粉末を水に溶解し、0.45ミクロン濾過した。溶解した多糖類を均質化して、Psの分子質量を減少させた。均質化圧力およびホモジナイザーを通過する回数を、200bar/5通過、引き続いて600bar/5通過に制御して、標的分子質量を達成した。
【0335】
サイズが減少した多糖類を濃縮し、10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0336】
次いで、多糖類溶液を22℃および酢酸ナトリウム緩衝液でpH5に調整して、活性化による多糖類のサイズ減少を最小化した。多糖類活性化を、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加で開始した。添加したメタ過ヨウ素酸ナトリウムの量は、多糖類活性化の標的レベルを達成するために、多糖類反復単位1モル当たり0.15モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル)とした。酸化反応は22℃で2時間進行した。
【0337】
活性化された生成物を10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションし、引き続いて10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。
【0338】
CRM197への多糖類コンジュゲーション
以前に記載されたように(国際公開第2012/173876号)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)での発現を通じて得られた精製CRM197を、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して2mMリン酸塩、pH7.2緩衝液に対してダイアフィルトレーションし、0.2ミクロン濾過した。
【0339】
活性化された多糖類を、5%w/vのスクロース濃度で6mg Ps/mLで凍結乾燥用に製剤化した。CRM197を、1%w/vのスクロース濃度で6mg Pr/mLで凍結乾燥用に製剤化した。
【0340】
製剤化したPsおよびCRM197溶液を個別に凍結乾燥した。凍結乾燥したPsおよびCRM197材料を、等体積のDMSOに個別に再溶解した。多糖類溶液およびCRM197溶液をブレンドして、多糖類濃度5.0g Ps/Lおよび多糖類とCRM197の質量比2.0を達成した。質量比は、得られるコンジュゲートの多糖類とCRM197の比を制御するように選択した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり1モル)を添加し、コンジュゲーションを22℃で4時間進めた。
【0341】
水素化ホウ素ナトリウムによる還元
水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり2モル)をコンジュゲーション反応後に添加し、22℃で1時間インキュベートした。バッチをおよそ4℃で、およそ0.025%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウムに希釈した。次いで、リン酸カリウム緩衝液を添加してpHを中和した。バッチを濃縮し、30kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、150mM塩化ナトリウム、25mMリン酸カリウムpH7に対しておよそ4℃でダイアフィルトレーションした。
【0342】
最終濾過および生成物貯蔵
次いで、バッチを濃縮し、300kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、4℃で、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中10mMヒスチジンに対してダイアフィルトレーションした。
【0343】
保持液バッチを0.2ミクロン濾過(0.5ミクロンプレフィルタを使用)し、次いで、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中で追加の10mMヒスチジンで希釈し、アリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。
【表9】
【0344】
[実施例11]
DMSOコンジュゲーションを使用した多価試験用の血清型10Aコンジュゲートの調製
多糖類を溶解し、標的分子質量にサイジングし、化学的に活性化し、限外濾過によって緩衝液交換した。活性化された多糖類および精製されたCRM197を個別に凍結乾燥し、DMSOに再溶解した。次いで、再溶解した多糖類溶液およびCRM197溶液を合わせ、下記のようにコンジュゲートさせた。得られたコンジュゲートを、最後の0.2ミクロン濾過の前に限外濾過によって精製した。pH、温度、濃度および時間のような各ステップ内のいくつかのプロセスパラメータを制御して、所望の属性を有するコンジュゲートを得た。
【0345】
多糖類のサイズ減少および酸化
精製された肺炎球菌莢膜Ps粉末を水に溶解し、0.45ミクロン濾過した。溶解した多糖類を均質化して、Psの分子質量を減少させた。均質化圧力およびホモジナイザーを通過する回数を、600bar/5通過に制御した。
【0346】
サイズが減少した多糖類を濃縮し、10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0347】
次いで、多糖類溶液を22℃および酢酸ナトリウム緩衝液でpH5に調整して、活性化による多糖類のサイズ減少を最小化した。多糖類活性化を、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加で開始した。添加したメタ過ヨウ素酸ナトリウムの量は、多糖類活性化の標的レベルを達成するために、多糖類反復単位1モル当たり0.16モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル)とした。酸化反応は22℃で2時間進行した。
【0348】
活性化された生成物を10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションし、引き続いて10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。
【0349】
CRM197への多糖類コンジュゲーション
以前に記載されたように(国際公開第2012/173876号)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)での発現を通じて得られた精製CRM197を、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して2mMリン酸塩、pH7.2緩衝液に対してダイアフィルトレーションし、0.2ミクロン濾過した。
【0350】
活性化された多糖類を、5%w/vのスクロース濃度で6mg Ps/mLで凍結乾燥用に製剤化した。CRM197を、1%w/vのスクロース濃度で6mg Pr/mLで凍結乾燥用に製剤化した。
【0351】
製剤化したPsおよびCRM197溶液を個別に凍結乾燥した。凍結乾燥したPsおよびCRM197材料を、等体積のDMSOに個別に再溶解した。多糖類溶液およびCRM197溶液をブレンドして、多糖類濃度4.0g Ps/Lおよび多糖類とCRM197の質量比1.75を達成した。質量比は、得られるコンジュゲートの多糖類とCRM197の比を制御するように選択した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり1モル)を添加し、コンジュゲーションを22℃で4時間進めた。
【0352】
水素化ホウ素ナトリウムによる還元
水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり2モル)をコンジュゲーション反応後に添加し、22℃で1時間インキュベートした。バッチをおよそ4℃で、およそ0.025%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウムに希釈した。次いで、リン酸カリウム緩衝液を添加してpHを中和した。バッチを濃縮し、30kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、150mM塩化ナトリウム、25mMリン酸カリウムpH7に対しておよそ4℃でダイアフィルトレーションした。
【0353】
最終濾過および生成物貯蔵
次いで、バッチを濃縮し、300kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、4℃で、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中10mMヒスチジンに対してダイアフィルトレーションした。
【0354】
保持液バッチを0.2ミクロン濾過(0.5ミクロンプレフィルタを使用)し、次いで、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中で追加の10mMヒスチジンで希釈し、アリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。
【表10】
【0355】
[実施例12]
DMSOコンジュゲーションを使用した多価試験用の血清型11Aコンジュゲートの調製
多糖類を溶解し、標的分子質量にサイジングし、化学的に活性化し、限外濾過によって緩衝液交換した。活性化された多糖類および精製されたCRM197を個別に凍結乾燥し、DMSOに再溶解した。次いで、再溶解した多糖類溶液およびCRM197溶液を合わせ、下記のようにコンジュゲートさせた。得られたコンジュゲートを、最後の0.2ミクロン濾過の前に限外濾過によって精製した。pH、温度、濃度および時間のような各ステップ内のいくつかのプロセスパラメータを制御して、所望の属性を有するコンジュゲートを得た。
【0356】
多糖類のサイズ減少および酸化
精製された肺炎球菌莢膜Ps粉末を水に溶解し、0.45ミクロン濾過した。溶解した多糖類を、酢酸を200mMに添加して酸加水分解によってサイズを減少させ、92℃で75分間インキュベートし、次いで、冷リン酸カリウムpH7緩衝液を400mMに添加して中和した。
【0357】
サイズが減少した多糖類を濃縮し、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0358】
次いで、多糖類溶液を22℃および酢酸ナトリウム緩衝液でpH5に調整して、活性化による多糖類のサイズ減少を最小化した。多糖類活性化を、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加で開始した。添加したメタ過ヨウ素酸ナトリウムの量は、多糖類活性化の標的レベルを達成するために、多糖類反復単位1モル当たり0.13モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル)とした。酸化反応は22℃で2時間進行した。
【0359】
活性化された生成物を10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションし、引き続いて5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。
【0360】
CRM197への多糖類コンジュゲーション
以前に記載されたように(国際公開第2012/173876号)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)での発現を通じて得られた精製CRM197を、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して2mMリン酸塩、pH7.2緩衝液に対してダイアフィルトレーションし、0.2ミクロン濾過した。
【0361】
活性化された多糖類を、5%w/vのスクロース濃度で6mg Ps/mLで凍結乾燥用に製剤化した。CRM197を、1%w/vのスクロース濃度で6mg Pr/mLで凍結乾燥用に製剤化した。
【0362】
製剤化したPsおよびCRM197溶液を個別に凍結乾燥した。凍結乾燥したPsおよびCRM197材料を、25mM塩化ナトリウムを含む等体積のDMSOに個別に再溶解した。多糖類溶液およびCRM197溶液をブレンドして、多糖類濃度3.5g Ps/Lおよび多糖類とCRM197の質量比1.5を達成した。質量比は、得られるコンジュゲートの多糖類とCRM197の比を制御するように選択した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり1モル)を添加し、コンジュゲーションを22℃で4時間進めた。
【0363】
水素化ホウ素ナトリウムによる還元
水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり2モル)をコンジュゲーション反応後に添加し、22℃で1時間インキュベートした。バッチをおよそ4℃で、およそ0.025%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウムに希釈した。次いで、リン酸カリウム緩衝液を添加してpHを中和した。バッチを濃縮し、30kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、150mM塩化ナトリウム、25mMリン酸カリウムpH7に対しておよそ4℃でダイアフィルトレーションした。
【0364】
最終濾過および生成物貯蔵
次いで、バッチを濃縮し、300kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、4℃で、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中10mMヒスチジンに対してダイアフィルトレーションした。
【0365】
保持液バッチを0.2ミクロン濾過(0.5ミクロンプレフィルタを使用)し、次いで、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中で追加の10mMヒスチジンで希釈し、アリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。
【表11】
【0366】
[実施例13]
DMSOコンジュゲーションを使用した多価試験用の血清型12Fコンジュゲートの調製
多糖類を溶解し、標的分子質量にサイジングし、化学的に活性化し、限外濾過によって緩衝液交換した。活性化された多糖類および精製されたCRM197を個別に凍結乾燥し、DMSOに再溶解した。次いで、再溶解した多糖類溶液およびCRM197溶液を合わせ、下記のようにコンジュゲートさせた。得られたコンジュゲートを、最後の0.2ミクロン濾過の前に限外濾過によって精製した。pH、温度、濃度および時間のような各ステップ内のいくつかのプロセスパラメータを制御して、所望の属性を有するコンジュゲートを得た。
【0367】
多糖類のサイズ減少および酸化
精製された肺炎球菌莢膜Ps粉末を水に溶解し、0.45ミクロン濾過した。溶解した多糖類を、酢酸を200mMに添加して酸加水分解によってサイズを減少させ、90℃で45分間インキュベートし、次いで、冷リン酸カリウムpH7緩衝液を400mMに添加して中和した。
【0368】
サイズが減少した多糖類を濃縮し、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0369】
次いで、多糖類溶液を22℃および酢酸ナトリウム緩衝液でpH5に調整して、活性化による多糖類のサイズ減少を最小化した。多糖類活性化を、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加で開始した。添加したメタ過ヨウ素酸ナトリウムの量は、多糖類活性化の標的レベルを達成するために、多糖類反復単位1モル当たり0.26モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル)とした。酸化反応は22℃で2時間進行した。
【0370】
活性化された生成物を10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションし、引き続いて5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。
【0371】
CRM197への多糖類コンジュゲーション
以前に記載されたように(国際公開第2012/173876号)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)での発現を通じて得られた精製CRM197を、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して2mMリン酸塩、pH7.2緩衝液に対してダイアフィルトレーションし、0.2ミクロン濾過した。
【0372】
活性化された多糖類を、5%w/vのスクロース濃度で6mg Ps/mLで凍結乾燥用に製剤化した。CRM197を、1%w/vのスクロース濃度で6mg Pr/mLで凍結乾燥用に製剤化した。
【0373】
製剤化したPsおよびCRM197溶液を個別に凍結乾燥した。凍結乾燥したPsおよびCRM197材料を、25mM塩化ナトリウムを含む等体積のDMSOに個別に再溶解した。多糖類溶液およびCRM197溶液をブレンドして、多糖類濃度3.0g Ps/Lおよび多糖類とCRM197の質量比1.5を達成した。質量比は、得られるコンジュゲートの多糖類とCRM197の比を制御するように選択した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり1モル)を添加し、コンジュゲーションを22℃で4時間進めた。
【0374】
水素化ホウ素ナトリウムによる還元
水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり2モル)をコンジュゲーション反応後に添加し、22℃で3時間インキュベートした。バッチをおよそ4℃で、およそ0.025%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウムに希釈した。次いで、リン酸カリウム緩衝液を添加してpHを中和した。バッチを濃縮し、30kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、150mM塩化ナトリウム、25mMリン酸カリウムpH7に対しておよそ4℃でダイアフィルトレーションした。
【0375】
最終濾過および生成物貯蔵
次いで、バッチを濃縮し、300kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、4℃で、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中10mMヒスチジンに対してダイアフィルトレーションした。
【0376】
保持液バッチを0.2ミクロン濾過し、次いで、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中で追加の10mMヒスチジンで希釈し、アリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。
【表12】
【0377】
[実施例14]
DMSOコンジュゲーションを使用した一価試験用の血清型15Aコンジュゲートの調製
多糖類を溶解し、標的分子質量にサイジングし、化学的に活性化し、限外濾過によって緩衝液交換した。活性化された多糖類および精製されたCRM197を個別に凍結乾燥し、DMSOに再溶解した。次いで、再溶解した多糖類溶液およびCRM197溶液を合わせ、下記のようにコンジュゲートさせた。得られたコンジュゲートを、最後の0.2ミクロン濾過の前に限外濾過によって精製した。pH、温度、濃度および時間のような各ステップ内のいくつかのプロセスパラメータを制御して、所望の属性を有するコンジュゲートを得た。
【0378】
多糖類のサイズ減少および酸化
精製された肺炎球菌莢膜Ps粉末を水に溶解し、0.45ミクロン濾過した。溶解した多糖類を均質化して、Psの分子質量を減少させた。均質化圧力およびホモジナイザーを通過する回数を、200bar/5通過に制御した。
【0379】
サイズが減少した多糖類を濃縮し、10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0380】
次いで、多糖類溶液を22℃および酢酸ナトリウム緩衝液でpH5に調整して、活性化による多糖類のサイズ減少を最小化した。多糖類活性化を、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加で開始した。添加したメタ過ヨウ素酸ナトリウムの量は、多糖類活性化の標的レベルを達成するために、多糖類反復単位1モル当たり1.75モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル)とした。酸化反応は22℃で20時間進行した。
【0381】
活性化された生成物を10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションし、引き続いて10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。
【0382】
CRM197への多糖類コンジュゲーション
以前に記載されたように(国際公開第2012/173876号)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)での発現を通じて得られた精製CRM197を、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して2mMリン酸塩、pH7.2緩衝液に対してダイアフィルトレーションし、0.2ミクロン濾過した。
【0383】
活性化された多糖類を、5%w/vのスクロース濃度で6mg Ps/mLで凍結乾燥用に製剤化した。CRM197を、1%w/vのスクロース濃度で6mg Pr/mLで凍結乾燥用に製剤化した。
【0384】
製剤化したPsおよびCRM197溶液を個別に凍結乾燥した。凍結乾燥したPsおよびCRM197材料を、25mM塩化ナトリウムを含む等体積のDMSOに個別に再溶解した。多糖類溶液およびCRM197溶液をブレンドして、多糖類濃度6.0g Ps/Lおよび多糖類とCRM197の質量比2.0を達成した。質量比は、得られるコンジュゲートの多糖類とCRM197の比を制御するように選択した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり1モル)を添加し、コンジュゲーションを22℃で2.5時間進めた。
【0385】
水素化ホウ素ナトリウムによる還元
水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり2モル)をコンジュゲーション反応後に添加し、22℃で1時間インキュベートした。バッチをおよそ4℃で、およそ0.025%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウムに希釈した。次いで、リン酸カリウム緩衝液を添加してpHを中和した。バッチを濃縮し、30kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、150mM塩化ナトリウム、25mMリン酸カリウムpH7に対しておよそ4℃でダイアフィルトレーションした。
【0386】
最終濾過および生成物貯蔵
次いで、バッチを濃縮し、300kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、4℃で、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中10mMヒスチジンに対してダイアフィルトレーションした。
【0387】
保持液バッチを0.2ミクロン濾過(0.5ミクロンプレフィルタを使用)し、次いで、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中で追加の10mMヒスチジンで希釈し、アリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。
【表13】
【0388】
[実施例15]
水性コンジュゲーションを使用した15A/B/C交差防御試験用の血清型15Aコンジュゲートの調製
多糖類を溶解し、サイズを減少させ、化学的に活性化し、限外濾過によって緩衝液交換した。次いで、精製したCRM197を、水性反応混合物中の塩化ニッケルを利用して活性化多糖類にコンジュゲートさせ、得られたコンジュゲートを最終0.2ミクロン濾過の前に限外濾過によって精製した。pH、温度、濃度および時間のような各ステップ内のいくつかのプロセスパラメータを制御して、所望の属性を有するコンジュゲートを得た。
【0389】
多糖類のサイズ減少および酸化
精製された肺炎球菌莢膜多糖類粉末を水に溶解し、0.45ミクロン濾過した。溶解した多糖類を均質化して、分子質量を減少させた。均質化圧力およびホモジナイザーを通過する回数を、200bar/5通過に制御して、標的分子質量を達成した。次いで、サイズが減少した多糖類を濃縮し、10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0390】
次いで、多糖類溶液を22℃および酢酸ナトリウム緩衝液でpH5に調整して、活性化による多糖類のサイズ減少を最小化した。多糖類活性化を、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加で開始した。添加したメタ過ヨウ素酸ナトリウムの量は、多糖類反復単位1モル当たり0.45モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウムとした。酸化反応は22℃で20時間進行した。活性化された生成物を、10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。限外濾過生成物を22℃およびpH5に調整することによって、さらなる活性化を達成した。多糖類活性化の標的レベルを達成するために、多糖類反復単位1モル当たり2.0モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル)を装入して、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液を添加して活性化を行った。酸化反応は22℃で20時間進行した。第2の活性化された生成物を、10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。
【0391】
CRM197への多糖類コンジュゲーション
酸化多糖類溶液を水および1.5Mリン酸カリウムpH6.0と混合した。選択した緩衝液pHは、コンジュゲーション反応中の活性化多糖類の安定性を向上させるためのものであった。以前記載されたように(国際公開第2012/173876号)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)での発現を通して得られた精製CRM197を、0.2ミクロン濾過し、多糖類とCRM197の質量比0.6で、緩衝多糖類溶液と合わせた。質量比は、得られるコンジュゲートの多糖類とCRM197の比を制御するように選択した。多糖類濃度およびリン酸塩濃度は、それぞれ9.75g/Lおよび100mMであった。多糖類濃度は、得られるコンジュゲートのサイズを制御するように選択した。100mM塩化ニッケル溶液を使用して、塩化ニッケルをおよそ2mMまで添加した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり2モル)を添加した。多糖類およびタンパク質の消費を最大化するために10℃で148時間コンジュゲーションを進めた。
【0392】
水素化ホウ素ナトリウムによる還元
コンジュゲーション反応後、バッチをおよそ3.0g/Lの多糖類濃度に希釈し、2~8℃に冷却し、1.2ミクロン濾過した。バッチを、100kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、2~8℃で、100mMリン酸カリウム、pH7.0に対してダイアフィルトレーションした。次いで、保持液に回収されたバッチをおよそ2.0g多糖類/Lに希釈し、1.2M重炭酸ナトリウム、pH9.4を添加してpHを調整した。水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり1モル)を添加した。1.5Mリン酸カリウム、pH6.0を後で添加した。
【0393】
最終濾過および生成物貯蔵
次いで、バッチを濃縮し、300kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、4℃で、150mM塩化ナトリウム、pH7.0中10mM L-ヒスチジンに対してダイアフィルトレーションした。ポリソルベート20を保持液バッチに0.05%(w/v)の濃度まで添加し、次いで、バッチを0.2ミクロン濾過した(0.5ミクロンプレフィルタを使用)。
【0394】
バッチを、0.03%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0緩衝液中追加の10mM L-ヒスチジンで、1.0g/Lの多糖類濃度に調整した。バッチをアリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。
【表14】
【0395】
[実施例16]
DMSOコンジュゲーションを使用した多価試験用の血清型15Aコンジュゲートの調製
多糖類を溶解し、標的分子質量にサイジングし、化学的に活性化し、限外濾過によって緩衝液交換した。活性化された多糖類および精製されたCRM197を個別に凍結乾燥し、DMSOに再溶解した。次いで、再溶解した多糖類溶液およびCRM197溶液を合わせ、下記のようにコンジュゲートさせた。得られたコンジュゲートを、最後の0.2ミクロン濾過の前に限外濾過によって精製した。pH、温度、濃度および時間のような各ステップ内のいくつかのプロセスパラメータを制御して、所望の属性を有するコンジュゲートを得た。
【0396】
多糖類のサイズ減少および酸化
精製された肺炎球菌莢膜Ps粉末を水に溶解し、0.45ミクロン濾過した。溶解した多糖類を均質化して、Psの分子質量を減少させた。均質化圧力およびホモジナイザーを通過する回数を、200bar/5通過に制御した。
【0397】
サイズが減少した多糖類を濃縮し、10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0398】
次いで、多糖類溶液を22℃および酢酸ナトリウム緩衝液でpH5に調整して、活性化による多糖類のサイズ減少を最小化した。多糖類活性化を、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加で開始した。添加したメタ過ヨウ素酸ナトリウムの量は、多糖類活性化の標的レベルを達成するために、多糖類反復単位1モル当たり1.75モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル)とした。酸化反応は22℃で20時間進行した。
【0399】
活性化された生成物を10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションし、引き続いて10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。
【0400】
CRM197への多糖類コンジュゲーション
以前に記載されたように(国際公開第2012/173876号)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)での発現を通じて得られた精製CRM197を、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して2mMリン酸塩、pH7.2緩衝液に対してダイアフィルトレーションし、0.2ミクロン濾過した。
【0401】
活性化された多糖類を、5%w/vのスクロース濃度で6mg Ps/mLで凍結乾燥用に製剤化した。CRM197を、1%w/vのスクロース濃度で6mg Pr/mLで凍結乾燥用に製剤化した。
【0402】
製剤化したPsおよびCRM197溶液を個別に凍結乾燥した。凍結乾燥したPsおよびCRM197材料を、34℃に予熱した等体積のDMSOに個別に再溶解した。多糖類溶液に塩化ナトリウムを50mMの濃度まで添加した。多糖類溶液およびCRM197溶液をブレンドして、多糖類濃度5.0g Ps/Lおよび多糖類とCRM197の質量比2.0を達成した。質量比は、得られるコンジュゲートの多糖類とCRM197の比を制御するように選択した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり1モル)を添加し、コンジュゲーションを34℃で2時間進めた。
【0403】
水素化ホウ素ナトリウムによる還元
水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり2モル)をコンジュゲーション反応後に添加し、22℃で1時間インキュベートした。バッチをおよそ4℃で、およそ0.025%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウムに希釈した。次いで、リン酸カリウム緩衝液を添加してpHを中和した。バッチを濃縮し、30kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、150mM塩化ナトリウム、25mMリン酸カリウムpH7に対しておよそ4℃でダイアフィルトレーションした。
【0404】
最終濾過および生成物貯蔵
次いで、バッチを濃縮し、300kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、4℃で、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中10mMヒスチジンに対してダイアフィルトレーションした。
【0405】
保持液バッチを0.2ミクロン濾過し、次いで、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中で追加の10mMヒスチジンで希釈し、アリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。
【表15】
【0406】
[実施例17]
DMSOコンジュゲーションを使用した15A/B/C交差防御試験用の血清型15Bコンジュゲートの調製
多糖類を溶解し、標的分子質量にサイジングし、化学的に活性化し、限外濾過によって緩衝液交換した。活性化された多糖類および精製されたCRM197を個別に凍結乾燥し、DMSOに再溶解した。次いで、再溶解した多糖類溶液およびCRM197溶液を合わせ、下記のようにコンジュゲートさせた。得られたコンジュゲートを、最後の0.2ミクロン濾過の前に限外濾過によって精製した。pH、温度、濃度および時間のような各ステップ内のいくつかのプロセスパラメータを制御して、所望の属性を有するコンジュゲートを得た。
【0407】
多糖類のサイズ減少および酸化
精製された肺炎球菌莢膜Ps粉末を水に溶解し、0.45ミクロン濾過した。溶解した多糖類を均質化して、Psの分子質量を減少させた。均質化圧力およびホモジナイザーを通過する回数を、300bar/5通過に制御した。
【0408】
サイズが減少した多糖類を濃縮し、10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0409】
次いで、多糖類溶液を22℃および酢酸ナトリウム緩衝液でpH5に調整して、活性化による多糖類のサイズ減少を最小化した。多糖類活性化を、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加で開始した。添加したメタ過ヨウ素酸ナトリウムの量は、多糖類活性化の標的レベルを達成するために、多糖類反復単位1モル当たり0.20モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル)とした。酸化反応は22℃で4時間進行した。
【0410】
活性化された生成物を10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションし、引き続いて10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。
【0411】
CRM197への多糖類コンジュゲーション
以前に記載されたように(国際公開第2012/173876号)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)での発現を通じて得られた精製CRM197を、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して2mMリン酸塩、pH7.2緩衝液に対してダイアフィルトレーションし、0.2ミクロン濾過した。
【0412】
活性化された多糖類を、5%w/vのスクロース濃度で6mg Ps/mLで凍結乾燥用に製剤化した。CRM197を、1%w/vのスクロース濃度で6mg Pr/mLで凍結乾燥用に製剤化した。
【0413】
製剤化したPsおよびCRM197溶液を個別に凍結乾燥した。凍結乾燥したPsおよびCRM197材料を、等体積のDMSOに個別に再溶解した。多糖類溶液およびCRM197溶液をブレンドして、多糖類濃度3.0g Ps/Lおよび多糖類とCRM197の質量比2.0を達成した。質量比は、得られるコンジュゲートの多糖類とCRM197の比を制御するように選択した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり1モル)を添加し、コンジュゲーションを22℃で5時間進めた。
【0414】
水素化ホウ素ナトリウムによる還元
水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり2モル)をコンジュゲーション反応後に添加し、22℃で1時間インキュベートした。バッチをおよそ4℃で、およそ0.025%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウムに希釈した。次いで、リン酸カリウム緩衝液を添加してpHを中和した。バッチを濃縮し、30kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、150mM塩化ナトリウム、25mMリン酸カリウムpH7に対しておよそ4℃でダイアフィルトレーションした。
【0415】
最終濾過および生成物貯蔵
次いで、バッチを濃縮し、300kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、4℃で、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中10mMヒスチジンに対してダイアフィルトレーションした。
【0416】
保持液バッチを0.2ミクロン濾過(0.5ミクロンプレフィルタを使用)し、次いで、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中で追加の10mMヒスチジンで希釈し、アリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。
【表16】
【0417】
[実施例18]
DMSOコンジュゲーションを使用した一価試験および15A/B/C交差防御試験用の血清型15Cコンジュゲートの調製
肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)血清型15Bに由来する多糖類を溶解し、標的分子質量にサイジングし、温和な塩基加水分解に供してO-アセチル基を放出し、化学的に活性化し、限外濾過によって緩衝液交換した。活性化された多糖類および精製されたCRM197を個別に凍結乾燥し、DMSOに再溶解した。次いで、再溶解した多糖類溶液およびCRM197溶液を合わせ、下記のようにコンジュゲートさせた。得られたコンジュゲートを、最後の0.2ミクロン濾過の前に限外濾過によって精製した。pH、温度、濃度および時間のような各ステップ内のいくつかのプロセスパラメータを制御して、所望の属性を有するコンジュゲートを得た。
【0418】
多糖類のサイズ減少、塩基加水分解および酸化
精製された血清型15B肺炎球菌莢膜Ps粉末を水に溶解し、0.45ミクロン濾過した。溶解した多糖類を均質化して、Psの分子質量を減少させた。均質化圧力およびホモジナイザーを通過する回数を、300bar/5通過に制御した。
【0419】
サイズが減少した多糖類を濃縮し、10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0420】
多糖類溶液を60℃に加熱し、重炭酸ナトリウムpH9緩衝液を最終濃度50mMまで添加した。バッチを60℃で13時間混合しながらインキュベートして、O-アセチル基を放出した。リン酸カリウムpH6緩衝液を最終濃度136mMまで添加してpHを中和し、溶液を周囲温度に冷却した。次いで、溶液を濃縮し、10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0421】
多糖類溶液を22℃および酢酸ナトリウム緩衝液でpH5に調整して、活性化による多糖類のサイズ減少を最小化した。多糖類活性化を、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加で開始した。添加したメタ過ヨウ素酸ナトリウムの量は、多糖類活性化の標的レベルを達成するために、多糖類反復単位1モル当たり0.20モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル)とした。酸化反応は22℃で2時間進行した。
【0422】
活性化された生成物を10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションし、引き続いて10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。
【0423】
CRM197への多糖類コンジュゲーション
以前に記載されたように(国際公開第2012/173876号)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)での発現を通じて得られた精製CRM197を、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して2mMリン酸塩、pH7.2緩衝液に対してダイアフィルトレーションし、0.2ミクロン濾過した。
【0424】
活性化された多糖類を、5%w/vのスクロース濃度で6mg Ps/mLで凍結乾燥用に製剤化した。CRM197を、1%w/vのスクロース濃度で6mg Pr/mLで凍結乾燥用に製剤化した。
【0425】
製剤化したPsおよびCRM197溶液を個別に凍結乾燥した。凍結乾燥したPsおよびCRM197材料を、等体積のDMSOに個別に再溶解した。多糖類溶液およびCRM197溶液をブレンドして、多糖類濃度3.0g Ps/Lおよび多糖類とCRM197の質量比2.0を達成した。質量比は、得られるコンジュゲートの多糖類とCRM197の比を制御するように選択した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり1モル)を添加し、コンジュゲーションを22℃で4時間進めた。
【0426】
水素化ホウ素ナトリウムによる還元
水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり2モル)をコンジュゲーション反応後に添加し、22℃で1時間インキュベートした。バッチをおよそ4℃で、およそ0.025%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウムに希釈した。次いで、リン酸カリウム緩衝液を添加してpHを中和した。バッチを濃縮し、30kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、150mM塩化ナトリウム、25mMリン酸カリウムpH7に対しておよそ4℃でダイアフィルトレーションした。
【0427】
最終濾過および生成物貯蔵
次いで、バッチを濃縮し、300kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、4℃で、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中10mMヒスチジンに対してダイアフィルトレーションした。
【0428】
保持液バッチを0.2ミクロン濾過(0.5ミクロンプレフィルタを使用)し、次いで、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中で追加の10mMヒスチジンで希釈し、アリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。
【表17】
【0429】
[実施例19]
DMSOコンジュゲーションを使用した多価試験用の血清型15Cコンジュゲートの調製
肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)血清型15Bに由来する多糖類を溶解し、標的分子質量にサイジングし、温和な塩基加水分解に供してO-アセチル基を放出し、化学的に活性化し、限外濾過によって緩衝液交換した。活性化された多糖類および精製されたCRM197を個別に凍結乾燥し、DMSOに再溶解した。次いで、再溶解した多糖類溶液およびCRM197溶液を合わせ、下記のようにコンジュゲートさせた。得られたコンジュゲートを、最後の0.2ミクロン濾過の前に限外濾過によって精製した。pH、温度、濃度および時間のような各ステップ内のいくつかのプロセスパラメータを制御して、所望の属性を有するコンジュゲートを得た。
【0430】
多糖類のサイズ減少、塩基加水分解および酸化
精製された血清型15B肺炎球菌莢膜Ps粉末を水に溶解し、0.45ミクロン濾過した。溶解した多糖類を均質化して、Psの分子質量を減少させた。均質化圧力およびホモジナイザーを通過する回数を、300bar/5通過に制御した。
【0431】
サイズが減少した多糖類を濃縮し、10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0432】
多糖類溶液を60℃に加熱し、重炭酸ナトリウムpH9緩衝液を最終濃度50mMまで添加した。バッチを60℃で13時間混合しながらインキュベートして、O-アセチル基を放出した。リン酸カリウムpH6緩衝液を最終濃度136mMまで添加してpHを中和し、溶液を周囲温度に冷却した。
【0433】
次いで、溶液を濃縮し、10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0434】
多糖類溶液を22℃および酢酸ナトリウム緩衝液でpH5に調整して、活性化による多糖類のサイズ減少を最小化した。多糖類活性化を、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加で開始した。添加したメタ過ヨウ素酸ナトリウムの量は、多糖類活性化の標的レベルを達成するために、多糖類反復単位1モル当たり0.20モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル)とした。酸化反応は22℃で2時間進行した。
【0435】
活性化された生成物を10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションし、引き続いて10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。
【0436】
CRM197への多糖類コンジュゲーション
以前に記載されたように(国際公開第2012/173876号)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)での発現を通じて得られた精製CRM197を、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して2mMリン酸塩、pH7.2緩衝液に対してダイアフィルトレーションし、0.2ミクロン濾過した。
【0437】
活性化された多糖類を、5%w/vのスクロース濃度で6mg Ps/mLで凍結乾燥用に製剤化した。CRM197を、1%w/vのスクロース濃度で6mg Pr/mLで凍結乾燥用に製剤化した。
【0438】
製剤化したPsおよびCRM197溶液を個別に凍結乾燥した。凍結乾燥したPsおよびCRM197材料を、等体積のDMSOに個別に再溶解した。多糖類溶液およびCRM197溶液をブレンドして、多糖類濃度3.0g Ps/Lおよび多糖類とCRM197の質量比1.75を達成した。質量比は、得られるコンジュゲートの多糖類とCRM197の比を制御するように選択した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり1モル)を添加し、コンジュゲーションを22℃で8時間進めた。
【0439】
水素化ホウ素ナトリウムによる還元
水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり2モル)をコンジュゲーション反応後に添加し、22℃で1時間インキュベートした。バッチをおよそ4℃で、およそ0.025%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウムに希釈した。次いで、リン酸カリウム緩衝液を添加してpHを中和した。バッチを濃縮し、30kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、150mM塩化ナトリウム、25mMリン酸カリウムpH7に対しておよそ4℃でダイアフィルトレーションした。
【0440】
最終濾過および生成物貯蔵
次いで、バッチを濃縮し、300kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、4℃で、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中10mMヒスチジンに対してダイアフィルトレーションした。
【0441】
保持液バッチを0.2ミクロン濾過(0.5ミクロンプレフィルタを使用)し、次いで、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中で追加の10mMヒスチジンで希釈し、アリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。
【表18】
【0442】
[実施例20]
水性コンジュゲーションを使用した一価試験用の血清型16Fコンジュゲートの調製
多糖類を溶解し、サイズを減少させ、化学的に活性化し、限外濾過によって緩衝液交換した。次いで、精製したCRM197を、水性反応混合物中の塩化ニッケルを利用して活性化多糖類にコンジュゲートさせ、得られたコンジュゲートを最終0.2ミクロン濾過の前に限外濾過によって精製した。pH、温度、濃度および時間のような各ステップ内のいくつかのプロセスパラメータを制御して、所望の属性を有するコンジュゲートを得た。
【0443】
多糖類のサイズ減少および酸化
精製された肺炎球菌莢膜多糖類粉末を水に溶解し、0.45ミクロン濾過した。溶解した多糖類を均質化して、分子質量を減少させた。均質化圧力およびホモジナイザーを通過する回数を、200bar/5通過、引き続いて500bar/5通過に制御して、標的分子質量を達成した。次いで、サイズが減少した多糖類を濃縮し、10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0444】
次いで、多糖類溶液を22℃および酢酸ナトリウム緩衝液でpH5に調整して、活性化による多糖類のサイズ減少を最小化した。多糖類活性化を、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加で開始した。添加したメタ過ヨウ素酸ナトリウムの量は、多糖類活性化の標的レベルを達成するために、多糖類反復単位1モル当たり0.15モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル)とした。酸化反応は22℃で2時間進行した。
【0445】
活性化された生成物を、10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。
【0446】
CRM197への多糖類コンジュゲーション
酸化多糖類溶液を水および1.5Mリン酸カリウムpH7.0と混合した。選択した緩衝液pHは、コンジュゲーション反応中の活性化多糖類の安定性を向上させるためのものであった。以前記載されたように(国際公開第2012/173876号)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)での発現を通して得られた精製CRM197を、0.2ミクロン濾過し、多糖類とCRM197の質量比0.7で、緩衝多糖類溶液と合わせた。質量比は、得られるコンジュゲートの多糖類とCRM197の比を制御するように選択した。多糖類濃度およびリン酸塩濃度は、それぞれ7.5g/Lおよび100mMであった。多糖類濃度は、得られるコンジュゲートのサイズを制御するように選択した。次いで、溶液を0.2ミクロン濾過した。100mM塩化ニッケル溶液を使用して、塩化ニッケルをおよそ2mMまで添加した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり2モル)を添加した。多糖類およびタンパク質の消費を最大化するために22℃で122時間コンジュゲーションを進めた。
【0447】
水素化ホウ素ナトリウムによる還元
コンジュゲーション反応後、バッチをおよそ3.0g/Lの多糖類濃度に希釈し、2~8℃に冷却し、1.2ミクロン濾過した。バッチを、100kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、2~8℃で、100mMリン酸カリウム、pH7.0に対してダイアフィルトレーションした。次いで、保持液に回収されたバッチをおよそ2.0g多糖類/Lに希釈し、1.2M重炭酸ナトリウム、pH9.4を添加してpHを調整した。水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり1モル)を添加した。1.5Mリン酸カリウム、pH6.0を後で添加した。
【0448】
最終濾過および生成物貯蔵
次いで、バッチを濃縮し、300kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、4℃で、150mM塩化ナトリウム、pH7.0中10mM L-ヒスチジンに対してダイアフィルトレーションした。ポリソルベート20を保持液バッチに0.05%(w/v)の濃度まで添加し、次いで、バッチを0.2ミクロン濾過した(0.5ミクロンプレフィルタを使用)。
【0449】
バッチを、0.03%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0緩衝液中追加の10mM L-ヒスチジンで、1.0g/Lの多糖類濃度に調整した。バッチをアリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。
【表19】
【0450】
[実施例21]
DMSOコンジュゲーションを使用した多価試験用の血清型16Fコンジュゲートの調製
多糖類を溶解し、標的分子質量にサイジングし、化学的に活性化し、限外濾過によって緩衝液交換した。活性化された多糖類および精製されたCRM197を個別に凍結乾燥し、DMSOに再溶解した。次いで、再溶解した多糖類溶液およびCRM197溶液を合わせ、下記のようにコンジュゲートさせた。得られたコンジュゲートを、最後の0.2ミクロン濾過の前に限外濾過によって精製した。pH、温度、濃度および時間のような各ステップ内のいくつかのプロセスパラメータを制御して、所望の属性を有するコンジュゲートを得た。
【0451】
多糖類のサイズ減少および酸化
精製された肺炎球菌莢膜Ps粉末を水に溶解し、0.45ミクロン濾過した。溶解した多糖類を均質化して、Psの分子質量を減少させた。均質化圧力およびホモジナイザーを通過する回数を、1000bar/5通過に制御した。
【0452】
サイズが減少した多糖類を濃縮し、10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0453】
次いで、多糖類溶液を22℃および酢酸ナトリウム緩衝液でpH5に調整して、活性化による多糖類のサイズ減少を最小化した。多糖類活性化を、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加で開始した。添加したメタ過ヨウ素酸ナトリウムの量は、多糖類活性化の標的レベルを達成するために、多糖類反復単位1モル当たり0.15モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル)とした。酸化反応は22℃で2時間進行した。
【0454】
活性化された生成物を10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションし、引き続いて10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。
【0455】
CRM197への多糖類コンジュゲーション
以前に記載されたように(国際公開第2012/173876号)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)での発現を通じて得られた精製CRM197を、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して2mMリン酸塩、pH7.2緩衝液に対してダイアフィルトレーションし、0.2ミクロン濾過した。
【0456】
活性化された多糖類を、5%w/vのスクロース濃度で6mg Ps/mLで凍結乾燥用に製剤化した。CRM197を、1%w/vのスクロース濃度で6mg Pr/mLで凍結乾燥用に製剤化した。
【0457】
製剤化したPsおよびCRM197溶液を個別に凍結乾燥した。凍結乾燥したPsおよびCRM197材料を、等体積のDMSOに個別に再溶解した。多糖類溶液に塩化ナトリウムを50mMの濃度まで添加した。多糖類溶液およびCRM197溶液をブレンドして、多糖類濃度2.0g Ps/Lおよび多糖類とCRM197の質量比1.5を達成した。質量比は、得られるコンジュゲートの多糖類とCRM197の比を制御するように選択した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり1モル)を添加し、コンジュゲーションを22℃で2時間進めた。
【0458】
水素化ホウ素ナトリウムによる還元
水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり2モル)をコンジュゲーション反応後に添加し、22℃で1時間インキュベートした。バッチをおよそ4℃で、およそ0.025%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウムに希釈した。次いで、リン酸カリウム緩衝液を添加してpHを中和した。バッチを濃縮し、30kD NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、150mM塩化ナトリウム、25mMリン酸カリウムpH7に対しておよそ4℃でダイアフィルトレーションした。
【0459】
最終濾過および生成物貯蔵
次いで、バッチを濃縮し、300kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、4℃で、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中10mMヒスチジンに対してダイアフィルトレーションした。
【0460】
保持液バッチを0.2ミクロン濾過し、次いで、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中で追加の10mMヒスチジンで希釈し、アリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。
【表20】
【0461】
[実施例22]
DMSOコンジュゲーションを使用した一価試験用の血清型17Fコンジュゲートの調製
多糖類を溶解し、標的分子質量にサイジングし、化学的に活性化し、限外濾過によって緩衝液交換した。活性化された多糖類および精製されたCRM197を個別に凍結乾燥し、DMSOに再溶解した。次いで、再溶解した多糖類溶液およびCRM197溶液を合わせ、下記のようにコンジュゲートさせた。得られたコンジュゲートを、最後の0.2ミクロン濾過の前に限外濾過によって精製した。pH、温度、濃度および時間のような各ステップ内のいくつかのプロセスパラメータを制御して、所望の属性を有するコンジュゲートを得た。
【0462】
多糖類のサイズ減少および酸化
精製された肺炎球菌莢膜Ps粉末を水に溶解し、0.45ミクロン濾過した。溶解した多糖類を均質化して、Psの分子質量を減少させた。均質化圧力およびホモジナイザーを通過する回数を、200bar/5通過に制御した。
【0463】
サイズが減少した多糖類を濃縮し、10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0464】
次いで、多糖類溶液を22℃および酢酸ナトリウム緩衝液でpH5に調整して、活性化による多糖類のサイズ減少を最小化した。多糖類活性化を、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加で開始した。添加したメタ過ヨウ素酸ナトリウムの量は、多糖類活性化の標的レベルを達成するために、多糖類反復単位1モル当たり0.11モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル)とした。酸化反応は22℃で2時間進行した。
【0465】
活性化された生成物を10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションし、引き続いて10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。
【0466】
CRM197への多糖類コンジュゲーション
以前に記載されたように(国際公開第2012/173876号)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)での発現を通じて得られた精製CRM197を、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して2mMリン酸塩、pH7.2緩衝液に対してダイアフィルトレーションし、0.2ミクロン濾過した。
【0467】
活性化された多糖類を、5%w/vのスクロース濃度で6mg Ps/mLで凍結乾燥用に製剤化した。CRM197を、1%w/vのスクロース濃度で6mg Pr/mLで凍結乾燥用に製剤化した。
【0468】
製剤化したPsおよびCRM197溶液を個別に凍結乾燥した。凍結乾燥したPsおよびCRM197材料を、等体積のDMSOに個別に再溶解した。多糖類溶液に塩化ナトリウムを50mMの濃度まで添加した。多糖類溶液およびCRM197溶液をブレンドして、多糖類濃度2.0g Ps/Lおよび多糖類とCRM197の質量比1.5を達成した。質量比は、得られるコンジュゲートの多糖類とCRM197の比を制御するように選択した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり1モル)を添加し、コンジュゲーションを22℃で2時間進めた。
【0469】
水素化ホウ素ナトリウムによる還元
水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり2モル)をコンジュゲーション反応後に添加し、22℃で1時間インキュベートした。バッチをおよそ4℃で、およそ0.025%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウムに希釈した。次いで、リン酸カリウム緩衝液を添加してpHを中和した。バッチを濃縮し、30kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、150mM塩化ナトリウム、25mMリン酸カリウムpH7に対しておよそ4℃でダイアフィルトレーションした。
【0470】
最終濾過および生成物貯蔵
次いで、バッチを濃縮し、300kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、4℃で、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中10mMヒスチジンに対してダイアフィルトレーションした。
【0471】
保持液バッチを0.2ミクロン濾過し、次いで、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中で追加の10mMヒスチジンで希釈し、アリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。
【表21】
【0472】
[実施例23]
DMSOコンジュゲーションを使用した多価試験用の血清型17Fコンジュゲートの調製
多糖類を溶解し、標的分子質量にサイジングし、化学的に活性化し、限外濾過によって緩衝液交換した。活性化された多糖類および精製されたCRM197を個別に凍結乾燥し、DMSOに再溶解した。次いで、再溶解した多糖類溶液およびCRM197溶液を合わせ、下記のようにコンジュゲートさせた。得られたコンジュゲートを、最後の0.2ミクロン濾過の前に限外濾過によって精製した。pH、温度、濃度および時間のような各ステップ内のいくつかのプロセスパラメータを制御して、所望の属性を有するコンジュゲートを得た。
【0473】
多糖類のサイズ減少および酸化
精製された肺炎球菌莢膜Ps粉末を水に溶解し、0.45ミクロン濾過した。溶解した多糖類を均質化して、Psの分子質量を減少させた。均質化圧力およびホモジナイザーを通過する回数を、200bar/5通過に制御した。
【0474】
サイズが減少した多糖類を濃縮し、10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0475】
次いで、多糖類溶液を22℃および酢酸ナトリウム緩衝液でpH5に調整して、活性化による多糖類のサイズ減少を最小化した。多糖類活性化を、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加で開始した。添加したメタ過ヨウ素酸ナトリウムの量は、多糖類活性化の標的レベルを達成するために、多糖類反復単位1モル当たり0.11モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル)とした。酸化反応は22℃で2時間進行した。
【0476】
活性化された生成物を10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションし、引き続いて10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。
【0477】
CRM197への多糖類コンジュゲーション
以前に記載されたように(国際公開第2012/173876号)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)での発現を通じて得られた精製CRM197を、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して2mMリン酸塩、pH7.2緩衝液に対してダイアフィルトレーションし、0.2ミクロン濾過した。
【0478】
活性化された多糖類を、5%w/vのスクロース濃度で6mg Ps/mLで凍結乾燥用に製剤化した。CRM197を、1%w/vのスクロース濃度で6mg Pr/mLで凍結乾燥用に製剤化した。
【0479】
製剤化したPsおよびCRM197溶液を個別に凍結乾燥した。凍結乾燥したPsおよびCRM197材料を、等体積のDMSOに個別に再溶解した。多糖類溶液に塩化ナトリウムを20mMの濃度まで添加した。多糖類溶液およびCRM197溶液をブレンドして、多糖類濃度2.1g Ps/Lおよび多糖類とCRM197の質量比1.5を達成した。質量比は、得られるコンジュゲートの多糖類とCRM197の比を制御するように選択した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり1モル)を添加し、コンジュゲーションを22℃で2時間進めた。
【0480】
水素化ホウ素ナトリウムによる還元
水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり2モル)をコンジュゲーション反応後に添加し、22℃で1時間インキュベートした。バッチをおよそ4℃で、およそ0.025%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウムに希釈した。次いで、リン酸カリウム緩衝液を添加してpHを中和した。バッチを濃縮し、30kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、150mM塩化ナトリウム、25mMリン酸カリウムpH7に対しておよそ4℃でダイアフィルトレーションした。
【0481】
最終濾過および生成物貯蔵
次いで、バッチを濃縮し、300kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、4℃で、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中10mMヒスチジンに対してダイアフィルトレーションした。
【0482】
保持液バッチを0.2ミクロン濾過(0.5ミクロンプレフィルタを使用)し、次いで、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中で追加の10mMヒスチジンで希釈し、アリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。
【表22】
【0483】
[実施例24]
DMSOコンジュゲーションを使用した多価試験用の血清型19Aコンジュゲートの調製
多糖類を溶解し、化学的に活性化し、限外濾過によって緩衝液交換した。活性化された多糖類および精製されたCRM197を個別に凍結乾燥し、DMSOに再溶解した。次いで、再溶解した多糖類溶液およびCRM197溶液を合わせ、下記のようにコンジュゲートさせた。得られたコンジュゲートを、最後の0.2ミクロン濾過の前に限外濾過によって精製した。pH、温度、濃度および時間のような各ステップ内のいくつかのプロセスパラメータを制御して、所望の属性を有するコンジュゲートを得た。
【0484】
多糖類の酸化
精製された肺炎球菌莢膜Ps粉末を水に溶解し、0.45ミクロン濾過した。多糖類を濃縮し、10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0485】
次いで、多糖類溶液を22℃および酢酸ナトリウム緩衝液でpH5に調整して、活性化による多糖類のサイズ減少を最小化した。多糖類活性化を、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加で開始した。添加したメタ過ヨウ素酸ナトリウムの量は、多糖類活性化の標的レベルを達成するために、多糖類反復単位1モル当たり0.26モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル)とした。酸化反応は22℃で20時間進行した。
【0486】
活性化された生成物を10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションし、引き続いて10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。
【0487】
CRM197への多糖類コンジュゲーション
以前に記載されたように(国際公開第2012/173876号)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)での発現を通じて得られた精製CRM197を、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して2mMリン酸塩、pH7.2緩衝液に対してダイアフィルトレーションし、0.2ミクロン濾過した。
【0488】
活性化された多糖類を、5%w/vのスクロース濃度で6mg Ps/mLで凍結乾燥用に製剤化した。CRM197を、1%w/vのスクロース濃度で6mg Pr/mLで凍結乾燥用に製剤化した。
【0489】
製剤化したPsおよびCRM197溶液を個別に凍結乾燥した。凍結乾燥したPsおよびCRM197材料を、等体積のDMSOに個別に再溶解した。多糖類溶液およびCRM197溶液をブレンドして、多糖類濃度3.8g Ps/Lおよび多糖類とCRM197の質量比1.33を達成した。質量比は、得られるコンジュゲートの多糖類とCRM197の比を制御するように選択した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり1モル)を添加し、コンジュゲーションを22℃で1.5時間進めた。
【0490】
水素化ホウ素ナトリウムによる還元
水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり2モル)をコンジュゲーション反応後に添加し、22℃で3時間インキュベートした。バッチをおよそ4℃で、およそ0.025%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウムに希釈した。次いで、リン酸カリウム緩衝液を添加してpHを中和した。バッチを濃縮し、30kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、150mM塩化ナトリウム、25mMリン酸カリウムpH7に対しておよそ4℃でダイアフィルトレーションした。
【0491】
最終濾過および生成物貯蔵
次いで、バッチを濃縮し、300kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、4℃で、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中10mMヒスチジンに対してダイアフィルトレーションした。
【0492】
保持液バッチを0.2ミクロン濾過し、次いで、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中で追加の10mMヒスチジンで希釈し、アリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。
【表23】
【0493】
[実施例25]
DMSOコンジュゲーションを使用した一価試験用の血清型20Aコンジュゲートの調製
以前に血清型20Aであると決定された多糖類(Calix et al.,Biochemical,Genetic,and Serological Characterization of Two Capsule Subtypes among Streptococcus pneumoniae Serotype 20 Strains,J.Biol.Chem.287(33):27885-27894,(2012))を溶解し、標的分子質量にサイジングし、化学的に活性化し、限外濾過によって緩衝液交換した。活性化された多糖類および精製されたCRM197を個別に凍結乾燥し、DMSOに再溶解した。次いで、再溶解した多糖類溶液およびCRM197溶液を合わせ、下記のようにコンジュゲートさせた。得られたコンジュゲートを、最後の0.2ミクロン濾過の前に限外濾過によって精製した。pH、温度、濃度および時間のような各ステップ内のいくつかのプロセスパラメータを制御して、所望の属性を有するコンジュゲートを得た。
【0494】
多糖類のサイズ減少および酸化
精製された肺炎球菌莢膜Ps粉末を水に溶解し、0.45ミクロン濾過した。溶解した多糖類を均質化して、Psの分子質量を減少させた。均質化圧力およびホモジナイザーを通過する回数を、200bar/5通過に制御した。
【0495】
サイズが減少した多糖類を濃縮し、10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0496】
次いで、多糖類溶液を22℃および酢酸ナトリウム緩衝液でpH5に調整して、活性化による多糖類のサイズ減少を最小化した。多糖類活性化を、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加で開始した。メタ過ヨウ素酸ナトリウムを、多糖類活性化の標的レベルを達成するために、多糖類反復単位1モル当たり0.11モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル)で添加した。酸化反応は22℃で2時間進行した。
【0497】
活性化された生成物を10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションし、引き続いて10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。
【0498】
CRM197への多糖類コンジュゲーション
以前に記載されたように(国際公開第2012/173876号)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)での発現を通じて得られた精製CRM197を、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して2mMリン酸塩、pH7.2緩衝液に対してダイアフィルトレーションし、0.2ミクロン濾過した。
【0499】
活性化された多糖類を、5%w/vのスクロース濃度で6mg Ps/mLで凍結乾燥用に製剤化した。CRM197を、1%w/vのスクロース濃度で6mg Pr/mLで凍結乾燥用に製剤化した。
【0500】
製剤化したPsおよびCRM197溶液を個別に凍結乾燥した。凍結乾燥したPsおよびCRM197材料を、等体積のDMSOに個別に再溶解した。多糖類溶液およびCRM197溶液をブレンドして、多糖類濃度2.0g Ps/Lおよび多糖類とCRM197の質量比1.5を達成した。質量比は、得られるコンジュゲートの多糖類とCRM197の比を制御するように選択した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり1モル)を添加し、コンジュゲーションを22℃で6時間進めた。
【0501】
水素化ホウ素ナトリウムによる還元
水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり2モル)をコンジュゲーション反応後に添加し、22℃で1時間インキュベートした。バッチをおよそ4℃で、およそ0.025%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウムに希釈した。次いで、リン酸カリウム緩衝液を添加してpHを中和した。バッチを濃縮し、30kD NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、150mM塩化ナトリウム、25mMリン酸カリウムpH7に対しておよそ4℃でダイアフィルトレーションした。
【0502】
最終濾過および生成物貯蔵
次いで、バッチを濃縮し、300kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、4℃で、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中10mMヒスチジンに対してダイアフィルトレーションした。
【0503】
保持液バッチを0.2ミクロン濾過(0.5ミクロンプレフィルタを使用)し、次いで、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中で追加の10mMヒスチジンで希釈し、アリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。
【表24】
【0504】
[実施例26]
DMSOコンジュゲーションを使用した多価試験用の血清型20Aコンジュゲートの調製
多糖類を溶解し、標的分子質量にサイジングし、化学的に活性化し、限外濾過によって緩衝液交換した。活性化された多糖類および精製されたCRM197を個別に凍結乾燥し、DMSOに再溶解した。次いで、再溶解した多糖類溶液およびCRM197溶液を合わせ、下記のようにコンジュゲートさせた。得られたコンジュゲートを、最後の0.2ミクロン濾過の前に限外濾過によって精製した。pH、温度、濃度および時間のような各ステップ内のいくつかのプロセスパラメータを制御して、所望の属性を有するコンジュゲートを得た。
【0505】
多糖類のサイズ減少および酸化
精製された肺炎球菌莢膜Ps粉末を水に溶解し、0.45ミクロン濾過した。溶解した多糖類を均質化して、Psの分子質量を減少させた。均質化圧力およびホモジナイザーを通過する回数を、220bar/5通過に制御した。
【0506】
サイズが減少した多糖類を濃縮し、10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0507】
次いで、多糖類溶液を22℃および酢酸ナトリウム緩衝液でpH5に調整して、活性化による多糖類のサイズ減少を最小化した。多糖類活性化を、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加で開始した。メタ過ヨウ素酸ナトリウムを、多糖類活性化の標的レベルを達成するために、多糖類反復単位1モル当たり0.16モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル)で添加した。酸化反応は22℃で2時間進行した。
【0508】
活性化された生成物を10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションし、引き続いて10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。
【0509】
CRM197への多糖類コンジュゲーション
以前に記載されたように(国際公開第2012/173876号)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)での発現を通じて得られた精製CRM197を、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して2mMリン酸塩、pH7.2緩衝液に対してダイアフィルトレーションし、0.2ミクロン濾過した。
【0510】
活性化された多糖類を、5%w/vのスクロース濃度で6mg Ps/mLで凍結乾燥用に製剤化した。CRM197を、1%w/vのスクロース濃度で6mg Pr/mLで凍結乾燥用に製剤化した。
【0511】
製剤化したPsおよびCRM197溶液を個別に凍結乾燥した。凍結乾燥したPsおよびCRM197材料を、等体積のDMSOに個別に再溶解した。多糖類溶液に塩化ナトリウムを20mMの濃度まで添加した。多糖類溶液およびCRM197溶液をブレンドして、多糖類濃度1.4g Ps/Lおよび多糖類とCRM197の質量比1.5を達成した。質量比は、得られるコンジュゲートの多糖類とCRM197の比を制御するように選択した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり1モル)を添加し、コンジュゲーションを22℃で4時間進めた。
【0512】
水素化ホウ素ナトリウムによる還元
水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり2モル)をコンジュゲーション反応後に添加し、22℃で1時間インキュベートした。バッチをおよそ4℃で、およそ0.025%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウムに希釈した。次いで、リン酸カリウム緩衝液を添加してpHを中和した。バッチを濃縮し、30kD NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、150mM塩化ナトリウム、25mMリン酸カリウムpH7に対しておよそ4℃でダイアフィルトレーションした。
【0513】
最終濾過および生成物貯蔵
次いで、バッチを濃縮し、300kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、4℃で、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中10mMヒスチジンに対してダイアフィルトレーションした。
【0514】
保持液バッチを0.2ミクロン濾過(0.5ミクロンプレフィルタを使用)し、次いで、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中で追加の10mMヒスチジンで希釈し、アリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。
【表25】
【0515】
[実施例27]
DMSOコンジュゲーションを使用した多価試験用の血清型22Fコンジュゲートの調製
多糖類を溶解し、標的分子質量にサイジングし、化学的に活性化し、限外濾過によって緩衝液交換した。活性化された多糖類および精製されたCRM197を個別に凍結乾燥し、DMSOに再溶解した。次いで、再溶解した多糖類溶液およびCRM197溶液を合わせ、下記のようにコンジュゲートさせた。得られたコンジュゲートを、最後の0.2ミクロン濾過の前に限外濾過によって精製した。pH、温度、濃度および時間のような各ステップ内のいくつかのプロセスパラメータを制御して、所望の属性を有するコンジュゲートを得た。
【0516】
多糖類のサイズ減少および酸化
精製された肺炎球菌莢膜Ps粉末を水に溶解し、0.45ミクロン濾過した。溶解した多糖類を均質化して、Psの分子質量を減少させた。均質化圧力およびホモジナイザーを通過する回数を、400bar/5通過に制御した。
【0517】
サイズが減少した多糖類を濃縮し、10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0518】
次いで、多糖類溶液を22℃および酢酸ナトリウム緩衝液でpH5に調整して、活性化による多糖類のサイズ減少を最小化した。多糖類活性化を、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加で開始した。メタ過ヨウ素酸ナトリウムを、多糖類活性化の標的レベルを達成するために、多糖類反復単位1モル当たり0.12モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル)で添加した。酸化反応は22℃で2時間進行した。
【0519】
活性化された生成物を10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションし、引き続いて10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。
【0520】
CRM197への多糖類コンジュゲーション
以前に記載されたように(国際公開第2012/173876号)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)での発現を通じて得られた精製CRM197を、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して2mMリン酸塩、pH7.2緩衝液に対してダイアフィルトレーションし、0.2ミクロン濾過した。
【0521】
活性化された多糖類を、5%w/vのスクロース濃度で6mg Ps/mLで凍結乾燥用に製剤化した。CRM197を、1%w/vのスクロース濃度で6mg Pr/mLで凍結乾燥用に製剤化した。
【0522】
製剤化したPsおよびCRM197溶液を個別に凍結乾燥した。凍結乾燥したPsおよびCRM197材料を、等体積のDMSOに個別に再溶解した。多糖類溶液およびCRM197溶液をブレンドして、多糖類濃度1.8g Ps/Lおよび多糖類とCRM197の質量比1.5を達成した。質量比は、得られるコンジュゲートの多糖類とCRM197の比を制御するように選択した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり1モル)を添加し、コンジュゲーションを22℃で1時間進めた。
【0523】
水素化ホウ素ナトリウムによる還元
水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり2モル)をコンジュゲーション反応後に添加し、22℃で1時間インキュベートした。バッチをおよそ4℃で、およそ0.025%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウムに希釈した。次いで、リン酸カリウム緩衝液を添加してpHを中和した。バッチを濃縮し、30kD NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、150mM塩化ナトリウム、25mMリン酸カリウムpH7に対しておよそ4℃でダイアフィルトレーションした。
【0524】
最終濾過および生成物貯蔵
次いで、バッチを濃縮し、300kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、4℃で、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中10mMヒスチジンに対してダイアフィルトレーションした。
【0525】
保持液バッチを0.2ミクロン濾過し、次いで、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中で追加の10mMヒスチジンで希釈し、アリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。
【表26】
【0526】
[実施例28]
DMSOコンジュゲーションを使用した一価試験用の血清型23Aコンジュゲートの調製
多糖類を溶解し、標的分子質量にサイジングし、化学的に活性化し、限外濾過によって緩衝液交換した。活性化された多糖類および精製されたCRM197を個別に凍結乾燥し、DMSOに再溶解した。次いで、再溶解した多糖類溶液およびCRM197溶液を合わせ、下記のようにコンジュゲートさせた。得られたコンジュゲートを、最後の0.2ミクロン濾過の前に限外濾過によって精製した。pH、温度、濃度および時間のような各ステップ内のいくつかのプロセスパラメータを制御して、所望の属性を有するコンジュゲートを得た。
【0527】
多糖類のサイズ減少および酸化
精製された肺炎球菌莢膜Ps粉末を水に溶解し、0.45ミクロン濾過した。溶解した多糖類を、酢酸を200mMに添加して酸加水分解によってサイズを減少させ、90℃で1.5時間インキュベートし、次いで、冷リン酸カリウムpH7緩衝液を400mMに添加して中和した。
【0528】
サイズが減少した多糖類を濃縮し、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0529】
次いで、多糖類溶液を22℃および酢酸ナトリウム緩衝液でpH5に調整して、活性化による多糖類のサイズ減少を最小化した。多糖類活性化を、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加で開始した。添加したメタ過ヨウ素酸ナトリウムは、多糖類活性化の標的レベルを達成するために、多糖類反復単位1モル当たり0.20モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル)とした。酸化反応は22℃で2時間進行した。
【0530】
活性化された生成物を10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションし、引き続いて5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。
【0531】
CRM197への多糖類コンジュゲーション
以前に記載されたように(国際公開第2012/173876号)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)での発現を通じて得られた精製CRM197を、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して2mMリン酸塩、pH7.2緩衝液に対してダイアフィルトレーションし、0.2ミクロン濾過した。
【0532】
活性化された多糖類を、5%w/vのスクロース濃度で6mg Ps/mLで凍結乾燥用に製剤化した。CRM197を、1%w/vのスクロース濃度で6mg Pr/mLで凍結乾燥用に製剤化した。
【0533】
製剤化したPsおよびCRM197溶液を個別に凍結乾燥した。凍結乾燥したPsおよびCRM197材料を、等体積のDMSOに個別に再溶解した。多糖類溶液に塩化ナトリウムを50mMの濃度まで添加した。多糖類溶液およびCRM197溶液をブレンドして、多糖類濃度3.0g Ps/Lおよび多糖類とCRM197の質量比1.5を達成した。質量比は、得られるコンジュゲートの多糖類とCRM197の比を制御するように選択した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり1モル)を添加し、コンジュゲーションを22℃で2時間進めた。
【0534】
水素化ホウ素ナトリウムによる還元
水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり2モル)をコンジュゲーション反応後に添加し、22℃で3時間インキュベートした。バッチをおよそ4℃で、およそ0.025%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウムに希釈した。次いで、リン酸カリウム緩衝液を添加してpHを中和した。バッチを濃縮し、30kD NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、150mM塩化ナトリウム、25mMリン酸カリウムpH7に対しておよそ4℃でダイアフィルトレーションした。
【0535】
最終濾過および生成物貯蔵
次いで、バッチを濃縮し、300kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、4℃で、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中10mMヒスチジンに対してダイアフィルトレーションした。
【0536】
保持液バッチを0.2ミクロン濾過し、次いで、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中で追加の10mMヒスチジンで希釈し、アリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。
【表27】
【0537】
[実施例29]
DMSOコンジュゲーションを使用した多価試験用の血清型23Aコンジュゲートの調製
多糖類を溶解し、標的分子質量にサイジングし、化学的に活性化し、限外濾過によって緩衝液交換した。活性化された多糖類および精製されたCRM197を個別に凍結乾燥し、DMSOに再溶解した。次いで、再溶解した多糖類溶液およびCRM197溶液を合わせ、下記のようにコンジュゲートさせた。得られたコンジュゲートを、最後の0.2ミクロン濾過の前に限外濾過によって精製した。pH、温度、濃度および時間のような各ステップ内のいくつかのプロセスパラメータを制御して、所望の属性を有するコンジュゲートを得た。
【0538】
多糖類のサイズ減少および酸化
精製された肺炎球菌莢膜Ps粉末を水に溶解し、0.45ミクロン濾過した。溶解した多糖類を、酢酸を200mMに添加して酸加水分解によってサイズを減少させ、90℃で1.5時間インキュベートし、次いで、冷リン酸カリウムpH7緩衝液を400mMに添加して中和した。
【0539】
サイズが減少した多糖類を濃縮し、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0540】
次いで、多糖類溶液を22℃および酢酸ナトリウム緩衝液でpH5に調整して、活性化による多糖類のサイズ減少を最小化した。多糖類活性化を、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加で開始した。添加したメタ過ヨウ素酸ナトリウムは、多糖類活性化の標的レベルを達成するために、多糖類反復単位1モル当たり0.20モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル)とした。酸化反応は22℃で2時間進行した。
【0541】
活性化された生成物を10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションし、引き続いて5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。
【0542】
CRM197への多糖類コンジュゲーション
以前に記載されたように(国際公開第2012/173876号)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)での発現を通じて得られた精製CRM197を、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して2mMリン酸塩、pH7.2緩衝液に対してダイアフィルトレーションし、0.2ミクロン濾過した。
【0543】
活性化された多糖類を、5%w/vのスクロース濃度で6mg Ps/mLで凍結乾燥用に製剤化した。CRM197を、1%w/vのスクロース濃度で6mg Pr/mLで凍結乾燥用に製剤化した。
【0544】
製剤化したPsおよびCRM197溶液を個別に凍結乾燥した。凍結乾燥したPsおよびCRM197材料を、等体積のDMSOに個別に再溶解した。多糖類溶液およびCRM197溶液をブレンドして、多糖類濃度3.5g Ps/Lおよび多糖類とCRM197の質量比1.5を達成した。質量比は、得られるコンジュゲートの多糖類とCRM197の比を制御するように選択した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり1モル)を添加し、コンジュゲーションを22℃で2時間進めた。
【0545】
水素化ホウ素ナトリウムによる還元
水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり2モル)をコンジュゲーション反応後に添加し、22℃で1時間インキュベートした。バッチをおよそ4℃で、およそ0.025%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウムに希釈した。次いで、リン酸カリウム緩衝液を添加してpHを中和した。バッチを濃縮し、30kD NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、150mM塩化ナトリウム、25mMリン酸カリウムpH7に対しておよそ4℃でダイアフィルトレーションした。
【0546】
最終濾過および生成物貯蔵
次いで、バッチを濃縮し、300kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、4℃で、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中10mMヒスチジンに対してダイアフィルトレーションした。
【0547】
保持液バッチを0.2ミクロン濾過し、次いで、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中で追加の10mMヒスチジンで希釈し、アリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。
【表28】
【0548】
[実施例30]
DMSOコンジュゲーションを使用した一価試験用の血清型23Bコンジュゲートの調製
多糖類を溶解し、標的分子質量にサイジングし、化学的に活性化し、限外濾過によって緩衝液交換した。活性化された多糖類および精製されたCRM197を個別に凍結乾燥し、DMSOに再溶解した。次いで、再溶解した多糖類溶液およびCRM197溶液を合わせ、下記のようにコンジュゲートさせた。得られたコンジュゲートを、最後の0.2ミクロン濾過の前に限外濾過によって精製した。pH、温度、濃度および時間のような各ステップ内のいくつかのプロセスパラメータを制御して、所望の属性を有するコンジュゲートを得た。
【0549】
多糖類のサイズ減少および酸化
精製された肺炎球菌莢膜Ps粉末を水に溶解し、0.45ミクロン濾過した。溶解した多糖類を均質化して、Psの分子質量を減少させた。均質化圧力およびホモジナイザーを通過する回数を、400bar/5通過に制御した。
【0550】
サイズが減少した多糖類を濃縮し、10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0551】
次いで、多糖類溶液を22℃および酢酸ナトリウム緩衝液でpH5に調整して、活性化による多糖類のサイズ減少を最小化した。多糖類活性化を、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加で開始した。メタ過ヨウ素酸ナトリウムを、多糖類活性化の標的レベルを達成するために、多糖類反復単位1モル当たり0.10モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル)で添加した。酸化反応は22℃で2時間進行した。
【0552】
活性化された生成物を10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションし、引き続いて10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。
【0553】
CRM197への多糖類コンジュゲーション
以前に記載されたように(国際公開第2012/173876号)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)での発現を通じて得られた精製CRM197を、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して2mMリン酸塩、pH7.2緩衝液に対してダイアフィルトレーションし、0.2ミクロン濾過した。
【0554】
活性化された多糖類を、5%w/vのスクロース濃度で6mg Ps/mLで凍結乾燥用に製剤化した。CRM197を、1%w/vのスクロース濃度で6mg Pr/mLで凍結乾燥用に製剤化した。
【0555】
製剤化したPsおよびCRM197溶液を個別に凍結乾燥した。凍結乾燥したPsおよびCRM197材料を、等体積のDMSOに個別に再溶解した。多糖類溶液に塩化ナトリウムを50mMの最終濃度まで添加した。多糖類溶液およびCRM197溶液をブレンドして、多糖類濃度5.0g Ps/Lおよび多糖類とCRM197の質量比1.5を達成した。質量比は、得られるコンジュゲートの多糖類とCRM197の比を制御するように選択した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり1モル)を添加し、コンジュゲーションを22℃で2時間進めた。
【0556】
水素化ホウ素ナトリウムによる還元
水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり2モル)をコンジュゲーション反応後に添加し、22℃で1時間インキュベートした。バッチをおよそ4℃で、およそ0.025%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウムに希釈した。次いで、リン酸カリウム緩衝液を添加してpHを中和した。バッチを濃縮し、30kD NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、150mM塩化ナトリウム、25mMリン酸カリウムpH7に対しておよそ4℃でダイアフィルトレーションした。
【0557】
最終濾過および生成物貯蔵
次いで、バッチを濃縮し、300kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、4℃で、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中10mMヒスチジンに対してダイアフィルトレーションした。
【0558】
保持液バッチを0.2ミクロン濾過し、次いで、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中で追加の10mMヒスチジンで希釈し、アリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。
【表29】
【0559】
[実施例31]
DMSOコンジュゲーションを使用した多価試験用の血清型23Bコンジュゲートの調製
多糖類を溶解し、標的分子質量にサイジングし、化学的に活性化し、限外濾過によって緩衝液交換した。活性化された多糖類および精製されたCRM197を個別に凍結乾燥し、DMSOに再溶解した。次いで、再溶解した多糖類溶液およびCRM197溶液を合わせ、下記のようにコンジュゲートさせた。得られたコンジュゲートを、最後の0.2ミクロン濾過の前に限外濾過によって精製した。pH、温度、濃度および時間のような各ステップ内のいくつかのプロセスパラメータを制御して、所望の属性を有するコンジュゲートを得た。
【0560】
多糖類のサイズ減少および酸化
精製された肺炎球菌莢膜Ps粉末を水に溶解し、0.45ミクロン濾過した。溶解した多糖類を均質化して、Psの分子質量を減少させた。均質化圧力およびホモジナイザーを通過する回数を、400bar/5通過に制御した。
【0561】
サイズが減少した多糖類を濃縮し、10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0562】
次いで、多糖類溶液を22℃および酢酸ナトリウム緩衝液でpH5に調整して、活性化による多糖類のサイズ減少を最小化した。多糖類活性化を、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加で開始した。メタ過ヨウ素酸ナトリウムを、多糖類活性化の標的レベルを達成するために、多糖類反復単位1モル当たり0.13モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル)で添加した。酸化反応は22℃で2時間進行した。
【0563】
活性化された生成物を10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションし、引き続いて10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。
【0564】
CRM197への多糖類コンジュゲーション
以前に記載されたように(国際公開第2012/173876号)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)での発現を通じて得られた精製CRM197を、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して2mMリン酸塩、pH7.2緩衝液に対してダイアフィルトレーションし、0.2ミクロン濾過した。
【0565】
活性化された多糖類を、5%w/vのスクロース濃度で6mg Ps/mLで凍結乾燥用に製剤化した。CRM197を、1%w/vのスクロース濃度で6mg Pr/mLで凍結乾燥用に製剤化した。
【0566】
製剤化したPsおよびCRM197溶液を個別に凍結乾燥した。凍結乾燥したPsおよびCRM197材料を、等体積のDMSOに個別に再溶解した。多糖類溶液およびCRM197溶液をブレンドして、多糖類濃度5.0g Ps/Lおよび多糖類とCRM197の質量比1.5を達成した。質量比は、得られるコンジュゲートの多糖類とCRM197の比を制御するように選択した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり1モル)を添加し、コンジュゲーションを22℃で4時間進めた。
【0567】
水素化ホウ素ナトリウムによる還元
水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり2モル)をコンジュゲーション反応後に添加し、22℃で1時間インキュベートした。バッチをおよそ4℃で、およそ0.025%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウムに希釈した。次いで、リン酸カリウム緩衝液を添加してpHを中和した。バッチを濃縮し、30kD NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、150mM塩化ナトリウム、25mMリン酸カリウムpH7に対しておよそ4℃でダイアフィルトレーションした。
【0568】
最終濾過および生成物貯蔵
次いで、バッチを濃縮し、300kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、4℃で、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中10mMヒスチジンに対してダイアフィルトレーションした。
【0569】
保持液バッチを0.2ミクロン濾過し、次いで、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中で追加の10mMヒスチジンで希釈し、アリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。
【表30】
【0570】
[実施例32]
DMSOコンジュゲーションを使用した一価および多価試験用の血清型24Fコンジュゲートの調製
多糖類を溶解し、標的分子質量にサイジングし、化学的に活性化し、限外濾過によって緩衝液交換した。活性化された多糖類および精製されたCRM197を個別に凍結乾燥し、DMSOに再溶解した。次いで、再溶解した多糖類溶液およびCRM197溶液を合わせ、下記のようにコンジュゲートさせた。得られたコンジュゲートを、最後の0.2ミクロン濾過の前に限外濾過によって精製した。pH、温度、濃度および時間のような各ステップ内のいくつかのプロセスパラメータを制御して、所望の属性を有するコンジュゲートを得た。
【0571】
多糖類のサイズ減少および酸化
精製された肺炎球菌莢膜Ps粉末を水に溶解し、0.45ミクロン濾過した。溶解した多糖類を、酢酸を200mMに添加して酸加水分解によってサイズを減少させ、92℃で50分間インキュベートし、次いで、冷リン酸カリウムpH7緩衝液を400mMに添加して中和した。
【0572】
サイズが減少した多糖類を濃縮し、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0573】
次いで、多糖類溶液を22℃および酢酸ナトリウム緩衝液でpH5に調整して、活性化による多糖類のサイズ減少を最小化した。多糖類活性化を、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加で開始した。添加したメタ過ヨウ素酸ナトリウムは、多糖類活性化の標的レベルを達成するために、多糖類反復単位1モル当たり0.18モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル)とした。酸化反応は22℃で2時間進行した。
【0574】
活性化された生成物を10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションし、引き続いて5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。
【0575】
CRM197への多糖類コンジュゲーション
以前に記載されたように(国際公開第2012/173876号)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)での発現を通じて得られた精製CRM197を、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して2mMリン酸塩、pH7.2緩衝液に対してダイアフィルトレーションし、0.2ミクロン濾過した。
【0576】
活性化された多糖類を、10%w/vのスクロース濃度で2mg Ps/mLで凍結乾燥用に製剤化した。CRM197を、1%w/vのスクロース濃度で6mg Pr/mLで凍結乾燥用に製剤化した。
【0577】
製剤化したPsおよびCRM197溶液を個別に凍結乾燥した。凍結乾燥したPsおよびCRM197材料を、等体積のDMSOに個別に再溶解した。多糖類溶液に塩化ナトリウムを50mMの最終濃度まで添加した。多糖類溶液およびCRM197溶液をブレンドして、多糖類濃度1.5g Ps/Lおよび多糖類とCRM197の質量比1.5を達成した。質量比は、得られるコンジュゲートの多糖類とCRM197の比を制御するように選択した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり1モル)を添加し、コンジュゲーションを22℃で2時間進めた。
【0578】
水素化ホウ素ナトリウムによる還元
水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり2モル)をコンジュゲーション反応後に添加し、22℃で1時間インキュベートした。バッチをおよそ4℃で、およそ0.025%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウムに希釈した。次いで、リン酸カリウム緩衝液を添加してpHを中和した。バッチを濃縮し、30kD NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、150mM塩化ナトリウム、25mMリン酸カリウムpH7に対しておよそ4℃でダイアフィルトレーションした。
【0579】
最終濾過および生成物貯蔵
次いで、バッチを濃縮し、300kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、4℃で、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中10mMヒスチジンに対してダイアフィルトレーションした。
【0580】
保持液バッチを0.2ミクロン濾過し、次いで、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中で追加の10mMヒスチジンで希釈し、アリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。
【表31】
【0581】
[実施例33]
DMSOコンジュゲーションを使用した一価試験用の血清型31コンジュゲートの調製
多糖類を溶解し、標的分子質量にサイジングし、化学的に活性化し、限外濾過によって緩衝液交換した。活性化された多糖類および精製されたCRM197を個別に凍結乾燥し、DMSOに再溶解した。次いで、再溶解した多糖類溶液およびCRM197溶液を合わせ、下記のようにコンジュゲートさせた。得られたコンジュゲートを、最後の0.2ミクロン濾過の前に限外濾過によって精製した。pH、温度、濃度および時間のような各ステップ内のいくつかのプロセスパラメータを制御して、所望の属性を有するコンジュゲートを得た。
【0582】
多糖類のサイズ減少および酸化
精製された肺炎球菌莢膜Ps粉末を水に溶解し、0.45ミクロン濾過した。溶解した多糖類を、酢酸を200mMに添加して酸加水分解によってサイズを減少させ、90℃で30分間インキュベートし、次いで、冷リン酸カリウムpH7緩衝液を400mMに添加して中和した。
【0583】
サイズが減少した多糖類を濃縮し、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0584】
次いで、多糖類溶液を22℃および酢酸ナトリウム緩衝液でpH5に調整して、活性化による多糖類のサイズ減少を最小化した。多糖類活性化を、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加で開始した。添加したメタ過ヨウ素酸ナトリウムは、多糖類活性化の標的レベルを達成するために、多糖類反復単位1モル当たり0.16モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル)とした。酸化反応は22℃で2時間進行した。
【0585】
活性化された生成物を10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションし、引き続いて5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。
【0586】
CRM197への多糖類コンジュゲーション
以前に記載されたように(国際公開第2012/173876号)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)での発現を通じて得られた精製CRM197を、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して2mMリン酸塩、pH7.2緩衝液に対してダイアフィルトレーションし、0.2ミクロン濾過した。
【0587】
活性化された多糖類を、5%w/vのスクロース濃度で6mg Ps/mLで凍結乾燥用に製剤化した。CRM197を、1%w/vのスクロース濃度で6mg Pr/mLで凍結乾燥用に製剤化した。
【0588】
製剤化したPsおよびCRM197溶液を個別に凍結乾燥した。凍結乾燥したPsおよびCRM197材料を、等体積のDMSOに個別に再溶解した。多糖類溶液およびCRM197溶液をブレンドして、多糖類濃度4.0g Ps/Lおよび多糖類とCRM197の質量比1.5を達成した。質量比は、得られるコンジュゲートの多糖類とCRM197の比を制御するように選択した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり1モル)を添加し、コンジュゲーションを22℃で1時間進めた。
【0589】
水素化ホウ素ナトリウムによる還元
水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり2モル)をコンジュゲーション反応後に添加し、22℃で1時間インキュベートした。バッチをおよそ4℃で、およそ0.025%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウムに希釈した。次いで、リン酸カリウム緩衝液を添加してpHを中和した。バッチを濃縮し、30kD NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、150mM塩化ナトリウム、25mMリン酸カリウムpH7に対しておよそ4℃でダイアフィルトレーションした。
【0590】
最終濾過および生成物貯蔵
次いで、バッチを濃縮し、300kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、4℃で、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中10mMヒスチジンに対してダイアフィルトレーションした。
【0591】
保持液バッチを0.2ミクロン濾過し、次いで、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中で追加の10mMヒスチジンで希釈し、アリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。
【表32】
【0592】
[実施例34]
DMSOコンジュゲーションを使用した多価試験用の血清型31コンジュゲートの調製
多糖類を溶解し、標的分子質量にサイジングし、化学的に活性化し、限外濾過によって緩衝液交換した。活性化された多糖類および精製されたCRM197を個別に凍結乾燥し、DMSOに再溶解した。次いで、再溶解した多糖類溶液およびCRM197溶液を合わせ、下記のようにコンジュゲートさせた。得られたコンジュゲートを、最後の0.2ミクロン濾過の前に限外濾過によって精製した。pH、温度、濃度および時間のような各ステップ内のいくつかのプロセスパラメータを制御して、所望の属性を有するコンジュゲートを得た。
【0593】
多糖類のサイズ減少および酸化
精製された肺炎球菌莢膜Ps粉末を水に溶解し、0.45ミクロン濾過した。溶解した多糖類を均質化して、Psの分子質量を減少させた。均質化圧力およびホモジナイザーを通過する回数を、400bar/5通過に制御した。
【0594】
サイズが減少した多糖類を濃縮し、10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0595】
次いで、多糖類溶液を22℃および酢酸ナトリウム緩衝液でpH5に調整して、活性化による多糖類のサイズ減少を最小化した。多糖類活性化を、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加で開始した。メタ過ヨウ素酸ナトリウムを、多糖類活性化の標的レベルを達成するために、多糖類反復単位1モル当たり0.12モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル)で添加した。酸化反応は22℃で2時間進行した。
【0596】
活性化された生成物を10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションし、引き続いて10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。
【0597】
CRM197への多糖類コンジュゲーション
以前に記載されたように(国際公開第2012/173876号)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)での発現を通じて得られた精製CRM197を、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して2mMリン酸塩、pH7.2緩衝液に対してダイアフィルトレーションし、0.2ミクロン濾過した。
【0598】
活性化された多糖類を、5%w/vのスクロース濃度で6mg Ps/mLで凍結乾燥用に製剤化した。CRM197を、1%w/vのスクロース濃度で6mg Pr/mLで凍結乾燥用に製剤化した。
【0599】
製剤化したPsおよびCRM197溶液を個別に凍結乾燥した。凍結乾燥したPsおよびCRM197材料を、等体積のDMSOに個別に再溶解した。多糖類溶液に塩化ナトリウムを50mMの最終濃度まで添加した。多糖類溶液およびCRM197溶液をブレンドして、多糖類濃度3.5g Ps/Lおよび多糖類とCRM197の質量比1.5を達成した。質量比は、得られるコンジュゲートの多糖類とCRM197の比を制御するように選択した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり1モル)を添加し、コンジュゲーションを22℃で1時間進めた。
【0600】
水素化ホウ素ナトリウムによる還元
水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり2モル)をコンジュゲーション反応後に添加し、22℃で1時間インキュベートした。バッチをおよそ4℃で、およそ0.025%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウムに希釈した。次いで、リン酸カリウム緩衝液を添加してpHを中和した。バッチを濃縮し、30kD NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、150mM塩化ナトリウム、25mMリン酸カリウムpH7に対しておよそ4℃でダイアフィルトレーションした。
【0601】
最終濾過および生成物貯蔵
次いで、バッチを濃縮し、300kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、4℃で、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中10mMヒスチジンに対してダイアフィルトレーションした。
【0602】
保持液バッチを0.2ミクロン濾過し、次いで、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中で追加の10mMヒスチジンで希釈し、アリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。
【表33】
【0603】
[実施例35]
DMSOコンジュゲーションを使用した多価試験用の血清型33Fコンジュゲートの調製
多糖類を溶解し、標的分子質量にサイジングし、化学的に活性化し、限外濾過によって緩衝液交換した。活性化された多糖類および精製されたCRM197を個別に凍結乾燥し、DMSOに再溶解した。次いで、再溶解した多糖類溶液およびCRM197溶液を合わせ、下記のようにコンジュゲートさせた。得られたコンジュゲートを、最後の0.2ミクロン濾過の前に限外濾過によって精製した。pH、温度、濃度および時間のような各ステップ内のいくつかのプロセスパラメータを制御して、所望の属性を有するコンジュゲートを得た。
【0604】
多糖類のサイズ減少および酸化
精製された肺炎球菌莢膜Ps粉末を水に溶解し、0.45ミクロン濾過した。溶解した多糖類を均質化して、Psの分子質量を減少させた。均質化圧力およびホモジナイザーを通過する回数を、350bar/4通過に制御した。
【0605】
サイズが減少した多糖類を濃縮し、10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0606】
次いで、多糖類溶液を22℃および酢酸ナトリウム緩衝液でpH5に調整して、活性化による多糖類のサイズ減少を最小化した。多糖類活性化を、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加で開始した。メタ過ヨウ素酸ナトリウムを、多糖類活性化の標的レベルを達成するために、多糖類反復単位1モル当たり0.12モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル)で添加した。酸化反応は22℃で2時間進行した。
【0607】
活性化された生成物を10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションし、引き続いて10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。
【0608】
CRM197への多糖類コンジュゲーション
以前に記載されたように(国際公開第2012/173876号)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)での発現を通じて得られた精製CRM197を、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して2mMリン酸塩、pH7.2緩衝液に対してダイアフィルトレーションし、0.2ミクロン濾過した。
【0609】
活性化された多糖類を、5%w/vのスクロース濃度で6mg Ps/mLで凍結乾燥用に製剤化した。CRM197を、1%w/vのスクロース濃度で6mg Pr/mLで凍結乾燥用に製剤化した。
【0610】
製剤化したPsおよびCRM197溶液を個別に凍結乾燥した。凍結乾燥したPsおよびCRM197材料を、等体積のDMSOに個別に再溶解した。多糖類溶液およびCRM197溶液をブレンドして、多糖類濃度1.8g Ps/Lおよび多糖類とCRM197の質量比1.75を達成した。質量比は、得られるコンジュゲートの多糖類とCRM197の比を制御するように選択した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり1モル)を添加し、コンジュゲーションを22℃で4時間進めた。
【0611】
水素化ホウ素ナトリウムによる還元
水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり2モル)をコンジュゲーション反応後に添加し、22℃で1時間インキュベートした。バッチをおよそ4℃で、およそ0.025%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウムに希釈した。次いで、リン酸カリウム緩衝液を添加してpHを中和した。バッチを濃縮し、30kD NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、150mM塩化ナトリウム、25mMリン酸カリウムpH7に対しておよそ4℃でダイアフィルトレーションした。
【0612】
最終濾過および生成物貯蔵
次いで、バッチを濃縮し、300kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、4℃で、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中10mMヒスチジンに対してダイアフィルトレーションした。
【0613】
保持液バッチを0.2ミクロン濾過(0.5ミクロンプレフィルタを使用)し、次いで、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中で追加の10mMヒスチジンで希釈し、アリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。
【表34】
【0614】
[実施例36]
DMSOコンジュゲーションを使用した一価試験用の血清型35Bコンジュゲートの調製
多糖類を溶解し、化学的に活性化し、限外濾過によって緩衝液交換した。活性化された多糖類および精製されたCRM197を個別に凍結乾燥し、DMSOに再溶解した。次いで、再溶解した多糖類溶液およびCRM197溶液を合わせ、下記のようにコンジュゲートさせた。得られたコンジュゲートを、最後の0.2ミクロン濾過の前に限外濾過によって精製した。pH、温度、濃度および時間のような各ステップ内のいくつかのプロセスパラメータを制御して、所望の属性を有するコンジュゲートを得た。
【0615】
多糖類の酸化
精製された肺炎球菌莢膜Ps粉末を水に溶解し、0.45ミクロン濾過した。溶解した多糖類を濃縮し、10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0616】
次いで、多糖類溶液を22℃および酢酸ナトリウム緩衝液でpH5に調整して、活性化による多糖類のサイズ減少を最小化した。多糖類活性化を、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加で開始した。添加したメタ過ヨウ素酸ナトリウムは、多糖類活性化の標的レベルを達成するために、多糖類反復単位1モル当たり0.05モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル)とした。酸化反応は22℃で2時間進行した。
【0617】
活性化された生成物を10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションし、引き続いて10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。
【0618】
CRM197への多糖類コンジュゲーション
以前に記載されたように(国際公開第2012/173876号)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)での発現を通じて得られた精製CRM197を、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して2mMリン酸塩、pH7.2緩衝液に対してダイアフィルトレーションし、0.2ミクロン濾過した。
【0619】
活性化された多糖類を、5%w/vのスクロース濃度で6mg Ps/mLで凍結乾燥用に製剤化した。CRM197を、1%w/vのスクロース濃度で6mg Pr/mLで凍結乾燥用に製剤化した。
【0620】
製剤化したPsおよびCRM197溶液を個別に凍結乾燥した。凍結乾燥したPsおよびCRM197を、25mM塩化ナトリウムを含む等体積のDMSOに個別に再溶解した。多糖類溶液およびCRM197溶液をブレンドして、多糖類濃度10g Ps/Lおよび多糖類とCRM197の質量比4.0を達成した。質量比は、得られるコンジュゲートの多糖類とCRM197の比を制御するように選択した。コンジュゲーションは22℃で2.5時間進行した。水素化ホウ素ナトリウム(多糖反復単位1モル当たり0.025モル)を、コンジュゲーションインキュベーション中に2回の添加にわたって添加した。
【0621】
水素化ホウ素ナトリウムによる還元
水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり2モル)をコンジュゲーション反応後に添加し、22℃で1.5時間インキュベートした。バッチをおよそ4℃で、およそ0.025%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウムに希釈した。次いで、リン酸カリウム緩衝液を添加してpHを中和した。バッチを濃縮し、30kD NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、150mM塩化ナトリウム、25mMリン酸カリウムpH7に対しておよそ4℃でダイアフィルトレーションした。
【0622】
最終濾過および生成物貯蔵
次いで、バッチを濃縮し、300kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、4℃で、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中10mMヒスチジンに対してダイアフィルトレーションした。
【0623】
保持液バッチを0.2ミクロン濾過(0.5ミクロンプレフィルタを使用)し、次いで、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中で追加の10mMヒスチジンで希釈し、アリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。
【表35】
【0624】
[実施例37]
DMSOコンジュゲーションを使用した多価試験用の血清型35Bコンジュゲートの調製
多糖類を溶解し、化学的に活性化し、限外濾過によって緩衝液交換した。活性化された多糖類および精製されたCRM197を個別に凍結乾燥し、DMSOに再溶解した。次いで、再溶解した多糖類溶液およびCRM197溶液を合わせ、下記のようにコンジュゲートさせた。得られたコンジュゲートを、最後の0.2ミクロン濾過の前に限外濾過によって精製した。pH、温度、濃度および時間のような各ステップ内のいくつかのプロセスパラメータを制御して、所望の属性を有するコンジュゲートを得た。
【0625】
多糖類の酸化
精製された肺炎球菌莢膜Ps粉末を水に溶解し、0.45ミクロン濾過した。溶解した多糖類を濃縮し、10kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0626】
次いで、多糖類溶液を22℃および酢酸ナトリウム緩衝液でpH5に調整して、活性化による多糖類のサイズ減少を最小化した。多糖類活性化を、100mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加で開始した。添加したメタ過ヨウ素酸ナトリウムは、多糖類活性化の標的レベルを達成するために、多糖類反復単位1モル当たり0.05モルのメタ過ヨウ素酸ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル)とした。酸化反応は22℃で2時間進行した。
【0627】
活性化された生成物を10mMリン酸カリウム、pH6.4に対してダイアフィルトレーションし、引き続いて5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。限外濾過は2~8℃で行った。
【0628】
CRM197への多糖類コンジュゲーション
以前に記載されたように(国際公開第2012/173876号)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)での発現を通じて得られた精製CRM197を、5kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して2mMリン酸塩、pH7.2緩衝液に対してダイアフィルトレーションし、0.2ミクロン濾過した。
【0629】
活性化された多糖類を、5%w/vのスクロース濃度で6mg Ps/mLで凍結乾燥用に製剤化した。CRM197を、1%w/vのスクロース濃度で6mg Pr/mLで凍結乾燥用に製剤化した。
【0630】
製剤化したPsおよびCRM197溶液を個別に凍結乾燥した。凍結乾燥したPsを、50mM塩化ナトリウムを含むDMSOに再溶解した。凍結乾燥したCRM197を等体積のDMSOに再溶解した。多糖類溶液およびCRM197溶液をブレンドして、多糖類濃度5.25g Ps/Lおよび多糖類とCRM 197の質量比3.5を達成した。質量比は、得られるコンジュゲートの多糖類とCRM197の比を制御するように選択した。コンジュゲーションは34℃で3時間進行した。水素化ホウ素ナトリウム(多糖反復単位1モル当たり0.0375モル)を、コンジュゲーションインキュベーション中に3回の添加にわたって添加した。
【0631】
水素化ホウ素ナトリウムによる還元
水素化ホウ素ナトリウム(多糖類反復単位1モル当たり2モル)をコンジュゲーション反応後に添加し、34℃で1時間インキュベートした。バッチをおよそ4℃で、およそ0.025%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウムに希釈した。次いで、リン酸カリウム緩衝液を添加してpHを中和した。バッチを濃縮し、30kD NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、150mM塩化ナトリウム、25mMリン酸カリウムpH7に対しておよそ4℃でダイアフィルトレーションした。
【0632】
最終濾過および生成物貯蔵
次いで、バッチを濃縮し、300kDa NMWCOタンジェント流限外濾過膜を使用して、4℃で、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中10mMヒスチジンに対してダイアフィルトレーションした。
【0633】
保持液バッチを0.2ミクロン濾過(0.5ミクロンプレフィルタを使用)し、次いで、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含む150mM塩化ナトリウム、pH7.0中で追加の10mMヒスチジンで希釈し、アリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。
【表36】
【0634】
いくつかの水性コンジュゲーション方法は、実施例38~51で全ての血清型については記載しなかった。本明細書に記載されていないこれらの水性コンジュゲーション方法については、類似の方法を国際公開第2018/156491号に見出すことができる。
【0635】
[実施例38]
肺炎球菌コンジュゲートワクチンの製剤化
上記の実施例に記載される異なる化学を利用して調製された個々の肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートを、それぞれPCV1、PCV7、PCV8、PCV14、PCV15、PCV16、PCV21およびPCV31と呼ばれる1価、7価、8価、14価、15価、16価、21価および31価肺炎球菌コンジュゲートワクチンの製剤化に使用した。
【0636】
PCV1ワクチン製剤は、プロトン性(水性)溶媒または非プロトン性(DMSO)溶媒中での還元的アミノ化を使用してコンジュゲートされ、20mM L-ヒスチジンpH5.8、150mM NaClおよび0.1%(w/v)PS-20に、ワクチン中84μg/mL(w/v)の肺炎球菌多糖類(PnPs)の標的最終濃度で製剤化された血清型3を含んでいた。
【0637】
PCV7ワクチン製剤は、プロトン性(水性)溶媒または非プロトン性(例えば、DMSO)中での還元的アミノ化を使用してコンジュゲートされ、20mM L-ヒスチジンpH5.8、150mM NaClおよび0.1%(w/v)PS-20に製剤化された血清型3、8、9N、10A、11A、15Aおよび19Aを含んでいた。PCV7の各多糖類-タンパク質コンジュゲートを、ワクチン中84μg/mL PnPsの標的最終濃度で12μg/mL(w/v)肺炎球菌多糖類(PnPs)で製剤化した。
【0638】
PCV8ワクチン製剤は、非プロトン性溶媒(例えば、DMSO)中での還元的アミノ化を使用してコンジュゲートされ、20mM L-ヒスチジンpH5.8、150mM NaClおよび0.2%(w/v)PS-20に製剤化された血清型6C、15A、16F、23A、23B、24F、31および35Bを含んでいた。PCV8の各多糖類-タンパク質コンジュゲートを、ワクチン中32μg/mL PnPsの標的最終濃度で4μg/mL(w/v)肺炎球菌多糖類(PnPs)で製剤化した。
【0639】
PCV14ワクチン製剤は、プロトン性(水性)溶媒または非プロトン性(例えば、DMSO)中での還元的アミノ化を使用してコンジュゲートされ、20mM L-ヒスチジンpH5.8、150mM NaClおよび0.1%(w/v)PS-20に製剤化された血清型3、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、16F、17F、19A、20A、22Fおよび33Fを含んでいた。PCV14の各多糖類-タンパク質コンジュゲートを、ワクチン中84μg/mL PnPsの標的最終濃度で6μg/mL(w/v)肺炎球菌多糖類(PnPs)で製剤化した。
【0640】
PCV15ワクチン製剤は、プロトン性(水性)溶媒中でコンジュゲートされ、20mM L-ヒスチジンpH5.8、150mM NaClおよび0.2%(w/v)PS-20に製剤化された血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fを含んでいた。各多糖類-タンパク質コンジュゲートを、ワクチン中64μg/mL PnPsの標的最終濃度で、8μg/mLで製剤化した6Bを除いて、4μg/mL(w/v)肺炎球菌多糖類(PnPs)で製剤化した。
【0641】
PCV16ワクチン製剤は、非プロトン性溶媒(例えば、DMSO)中での還元的アミノ化を使用してコンジュゲートされ、20mM L-ヒスチジンpH5.8、150mM NaClおよび0.2%(w/v)PS-20に製剤化された血清型6C、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、20A、23A、23B、24F、31および35Bを含んでいた。各多糖類-タンパク質コンジュゲートを、ワクチン中64μg/mLまたは128μg/mL PnPsの標的最終濃度で4μg/mL(w/v)または8μg/mL(w/v)肺炎球菌多糖類(PnPs)で製剤化した。
【0642】
PCV21ワクチン製剤は、非プロトン性溶媒(例えば、DMSO)中での還元的アミノ化を使用してコンジュゲートされ、20mM L-ヒスチジンpH5.8、150mM NaClおよび各実施例で定義される種々の濃度のPS-20に製剤化された血清型3、6C、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bを含んでいた。各多糖類-タンパク質コンジュゲートを、ワクチン中84μg/mLまたは168μg/mL PnPsの標的最終濃度で4μg/mL(w/v)または8μg/mL(w/v)肺炎球菌多糖類(PnPs)で製剤化した。いくつかの実施例では、PCV21をリン酸アルミニウムの形態で250μg[Al]/mLで製剤化した。
【0643】
PCV31ワクチン製剤は、プロトン性溶媒(水性)または非プロトン性溶媒(例えば、DMSO)中での還元的アミノ化を使用してコンジュゲートされ、20mM L-ヒスチジンpH5.8、150mM NaClおよび0.2%PS-20に製剤化された血清型1、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15C、16F、17F、18C、19A、19F、20A、22F、23A、23B、23F、24F、31、33Fおよび35Bを含んでいた。各多糖類-タンパク質コンジュゲートを、ワクチン中128μg/mL PnPsの標的最終濃度で、8μg/mL PnPsで製剤化した6Bを除いて、4μg/mL(w/v)肺炎球菌多糖類(PnPs)で製剤化した。いくつかの実施例では、PCV31をリン酸アルミニウムの形態で250μg[Al]/mLで製剤化した。
【0644】
肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート血清型6A、6B、6C、10A、15A、15B、15C、16F、17F、20A、23A、23B、24F、31または35Bを利用して、追加の一価PCV製剤を調製した。追加の詳細は、これらの製剤についての具体的な実施例に記載する。
【0645】
PCV製剤を調製するために、指示される最終濃度(w/v)の肺炎球菌多糖類(PnPsとも呼ばれる)を得るために必要なバルクコンジュゲートの必要体積を、バッチ体積およびバルク多糖類濃度に基づいて計算した。
【0646】
製剤化方法は、10~80mMヒスチジン、0.0~0.8%(w/v)PS-20および150mM塩化ナトリウム、pH5.8中1倍~4倍の最終濃度のPnPsブレンドでのコンジュゲートバルクブレンド調製からなっていた。
【0647】
ヒスチジンpH5.8、PS-20(利用する場合)および150mM塩化ナトリウム溶液を調製し、製剤容器に添加した。凍結貯蔵された個々の肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートを2~8℃で解凍し、次いで、製剤容器に添加した。多糖類-タンパク質コンジュゲートを製剤緩衝液(コンジュゲートブレンド)に添加する間、容器を混合して、磁気攪拌棒または磁気インペラーを使用して均質性を確保した。全ての添加を行い、溶液を攪拌した後、コンジュゲートブレンドを滅菌フィルタに通過させ、リン酸アルミニウムアジュバントの有無にかかわらず容器に回収した。場合によっては、滅菌フィルタを150mM塩化ナトリウムで追跡して、バッチを目標濃度に調整した。
【0648】
製剤をプラスチックシリンジ、ガラスシリンジまたはバイアルに充填した。
【0649】
[実施例39]
肺炎球菌コンジュゲートワクチンの安定性評価
PCV16(128μg/mL PnP)または2つのPCV21肺炎球菌コンジュゲートワクチン製剤(84μg/mLまたは168μg/mL PnP)をシリンジまたはバイアルに充填した。多糖類タンパク質コンジュゲートを、非プロトン性溶媒(例えば、DMSO)中での還元的アミノ化によって作製し、20mM L-ヒスチジン、pH5.8、150mM NaClおよび0.2%(w/v)PS-20に製剤化した。これらの製剤を、25℃または37℃で最大4週間および4℃で最大12週間置いた。場合によっては、シリンジを水平回転プラットフォームに置き、4℃、25℃または37℃で1週間貯蔵した後、最大18時間振盪した。製剤製造および流通に伴う可能性のある輸送および取り扱いのストレスをシミュレートするためにこれを行った。PCV16またはPCV21製剤の安定性を評価するために、HPSEC UV/MALS/RIを使用した。2つのShodexカラム(803および806)を使用した高速サイズ排除クロマトグラフィー(HPSEC)を紫外線(UV)多角度光散乱(MALS)および屈折率(RI)検出と直列に組み合わせて、貯蔵中のPCV製剤の濃度およびモル質量を測定した。濃度を、ピーク全体にわたって各時間間隔で計算し、次いで、全ての間隔で積分して最終的な濃度値を達成する。光散乱は、分析物の分子質量と濃度の積に比例する。各間隔での分子質量または分子量を、検出器シグナルから計算する。加重平均(Mw)または数平均(Mn)分子質量を、ピークの全ての間隔にわたって計算し、平均分子量として報告する。
【0650】
貯蔵すると、コンジュゲートワクチンのタンパク質および/または炭水化物への損傷が生じ得る。多糖類の反復単位にホスホジエステル主鎖結合または他の不安定性を有する炭水化物抗原は、拡大された時間および温度での貯蔵で加水分解を通した解重合を受けやすくなり得る。さらに、コンジュゲートワクチンに使用される担体タンパク質または炭水化物は、貯蔵および物理的ストレスで凝集しやすくなり得る。
【0651】
図11に示されるように、PCV16およびPCV21製剤は、多糖類濃度に関係なく、25℃および37℃で4週間ならびに4℃で最大12週間安定であった。さらに、熱的ストレス後の水平攪拌で、PCV16およびPCV21製剤は安定していることが示された。これらの熱的ストレスおよび物理的ストレス下では、容器(container)または容器(vessel)の側面への非特異的吸着による抗原量の損失は観察されなかった。さらに、ワクチンの総用量を推定する際に、カラムでの性能に影響を与える可能性のある製剤の凝集(例えば、カラムへの不可逆的な結合または分離カラムへの出入りができない)は観察されなかった(
図12)。
【0652】
HPSEC UV/MALs/RIを使用して、多糖類-タンパク質コンジュゲートの分子量を測定した。製剤中の多糖類-タンパク質コンジュゲートが分解または解重合している場合、分子量の減少が自明であり、製剤の凝集が起こっている場合、分子量の増加が生じるだろう。この測定は、ワクチン製剤または中間体の品質に関する追加の特性評価を提供する。
図13に示されるように、各々が非プロトン性溶媒(例えば、DMSO)中での還元的アミノ化を使用して調製された製剤原料を含むPCV16およびPCV21製剤は、炭水化物の解重合または化学分解に対して安定であり、製剤中のタンパク質の凝集に対して安定であった。これは、DMSOなどの非プロトン性溶媒中での還元的アミノ化を使用して調製された多糖類タンパク質コンジュゲートを使用するPCV16およびPCV21製剤が、高温および物理的ストレスを通して安定であることを示している。製剤は量と質の両方に関して優れた安定性を実証する。製剤は、容器の側面または他の表面への非特異的吸着により総用量を失うことはなく、製剤は、ワクチン製剤の安定な分子量(重量平均分子量(Mw))および数平均分子量(Mn))によって示されるように、分解も凝集もしない。
【0653】
[実施例40]
肺炎球菌コンジュゲートワクチンの安定性に対するコンジュゲーション化学の影響
上記の実施例に記載されるように異なる化学を利用して調製された個々の肺炎球菌多糖類-タンパク質複合体を、64μg/mLのPCV15およびPCV16と呼ばれる15価および16価肺炎球菌コンジュゲートワクチンの製剤化に使用した。PCV15ワクチン製剤は、プロトン性溶媒(全て水性)中での還元的アミノ化を使用してコンジュゲートされ、20mM L-ヒスチジンpH5.8、150mM NaClおよび0.2%w/v PS-20に製剤化された血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fを含んでいた(実施例38参照)。PCV16製剤は、非プロトン性溶媒(例えば、全てDMSO)中での還元的アミノ化を使用してコンジュゲートされ、20mM L-ヒスチジンpH5.8、150mM NaClおよび0.2%(w/v)PS-20に製剤化された血清型6C、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、20A、23A、23B、24F、31および35Bを含んでいた(実施例38参照)。各多糖類-タンパク質コンジュゲートを、各ワクチン中64μg/mL PnPsの最終濃度で、8μg/mLで製剤化したPCV15の6Bを除いて、4μg/mL(w/v)肺炎球菌多糖類(PnPs)で製剤化した。
【0654】
ワクチンを充填した容器を4℃または37℃で最大1週間置いた。固有のタンパク質蛍光分光法(IPFS)を使用して、PCV15またはPCV16組成物中の肺炎球菌多糖類コンジュゲート担体タンパク質、CRM197の安定性を、4℃および37℃で最大1週間貯蔵して評価した。非希釈試料の蛍光発光スペクトル(Em290~400nm)を、Jasco FP-6500分光蛍光光度計を使用して、周囲室温で経路長1cmの石英キュベットで収集した。励起波長280nmを走査速度100nm/分ならびに励起および発光バンドパス3nmと共に使用した。
【0655】
図14に示されるように、非プロトン性溶媒(例えば、全てDMSO)中での還元的アミノ化を使用して調製された製剤原料を含む製剤は、コンジュゲーション方法(全て水性コンジュゲーション)で還元的アミノ化中にプロトン性溶媒を使用して調製された製剤原料を利用したワクチンと比較して、優れた物理的および化学的安定性をもたらした。37℃でわずか16時間で、コンジュゲーション方法でプロトン性溶媒(全て水性)での還元的アミノ化を使用して調製された、64μg/mL PnPsのPCV15製剤の蛍光強度が減少し、ワクチンの発光極大は332nmから338nmにシフトした。非プロトン性溶媒(例えば、全てDMSO)中での還元的アミノ化化学により調製された製剤原料を利用した、64μg/mL PnPsのPCV16ワクチン製剤は、蛍光強度も発光極大338nmも変化を示さなかった。IPFS測定から得られた結果のシグナル強度および発光極大は、多価複合製剤中の個々の製剤原料の集団的安定性によるものであることを理解すべきである。本発明者らは、非プロトン性溶媒中で調製された全ての製剤原料を利用したワクチン製剤は安定であるが、プロトン性溶媒中で調製された全ての製剤原料を利用したワクチン製剤は安定ではないことを示した。
【0656】
特定の理論に拘束されるものではないが、この安定性は、担体タンパク質のアンフォールディングおよび変性をもたらすDMSO中でのコンジュゲーションによるものであり得るだろう。変性した担体タンパク質へのコンジュゲーションは、コンジュゲーション後の変性状態でコンフォメーションを固定するだろう。もしそうなら、この試験はまた、ここで評価されたストレス試験の下で最終的なコンフォメーションが安定であることも示唆している。したがって、一貫して安定なワクチン製剤を提供するために、主に非プロトン性溶媒で調製されたコンジュゲートを含むワクチンを使用することが好ましい。
【0657】
ワクチン製剤組成物が、コンジュゲーション方法において異なる還元的アミノ化溶媒(水性またはDMSO)を利用した製剤原料、グリココンジュゲートまたは多糖類タンパク質コンジュゲートの混合物を含む場合、製剤から測定される平均発光極大または強度は、332nmでの各水性多糖類タンパク質コンジュゲート発光と338nmでの各非水性多糖類タンパク質コンジュゲート発光の寄与により重みづけされるだろう。多価製剤において、非プロトン性溶媒中での還元的アミノ化を使用して調製された全ての多糖類タンパク質コンジュゲートを使用しているわけではない混合物については、高温で強度または発光極大のいずれかで変化が生じると予想されるだろう。したがって、一貫して安定なワクチン製剤を提供するために、主に非プロトン性溶媒で調製されたコンジュゲートを含むワクチンを使用することが好ましい。
【0658】
[実施例41]
選択された血清型に関する収集された一価ウサギ免疫原性試験
成体ニュージーランドホワイト種ウサギ(NZWR、n=3/群)を、0日目と14日目(交互の側)に、0.25mlまたは0.5mL(15Cのみ)のそれぞれの一価コンジュゲートワクチンで筋肉内(IM)免疫した。20mM L-ヒスチジン、pH5.8、150mM NaClおよび0.2%(w/v)PS-20ならびに実施例38に記載される製剤化方法で製剤化された一価肺炎球菌ワクチンを、以下のように投与した:(1)1免疫当たり62.5μgのリン酸アルミニウムアジュバント(APA)を含む、1μg PnPs(6C、10A、15A、16F、17F、20A、23A、23B、24F、31または35B、各々がCRM197にコンジュゲート)、または(2)2μg PnPs(15C-CRM197、1免疫あたり125μgのAPAを含む)。血清を、試験開始前(免疫前)および14日目(投与1後、PD1)および28日目(投与2後、PD2)に回収した。病気または苦痛の徴候について、訓練を受けた動物管理スタッフが少なくとも毎日、NZWRを観察した。NZWRにおけるワクチン製剤は、ワクチン関連の有害事象が認められなかったため、安全で忍容性が高いと見なされた。全ての動物実験は、国立衛生研究所の実験動物の管理と使用に関するガイドの推奨事項に厳密に従って実施した。NZWR実験プロトコルは、Merck&Co.,Inc.(ケニルワース、NJ)とCovance(デンバー、PA)の両方の施設内動物管理および使用委員会によって承認された。
【0659】
NZWR血清をELISAアッセイで試験して、1~2mg/mLのそれぞれのPnPsコーティング濃度を使用してIgG免疫原性を評価した。Opsotiter(登録商標)3ソフトウェア(UAB Research Foundation、Caro-Aguilar et al.Immunogenicity differences of a 15-valent pneumococcal polysaccharide conjugate vaccine(PCV15)based on vaccine dose,route of immunization and mouse strain.Vaccine 35(6):865-72(2017);Burton et al.Development and validation of a fourfold multiplexed opsonization assay(MOPA4)for pneumococcal antibodies.Clin Vaccine Immunol 13(9):1004-9(2006))を使用して、アラバマ大学バーミンガム校の細菌呼吸器病原体参考検査室でオンラインで入手可能な以前に記載されたプロトコルに基づいてオプソニン食作用アッセイ(OPA)を通して機能的抗体を決定した。
【0660】
全ての一価肺炎球菌コンジュゲートワクチンが、ウサギにおいて免疫原性であり(
図15)、それぞれの細菌株を殺傷する機能的抗体を生成する(
図16)ことが分かった。
【0661】
[実施例42]
血清型15A、15B、15Cの交差防御の評価
ウサギを15A-CRM197/APA、15B-CRM197/APAまたは15C-CRM197/APAで免疫して、各血清型間の交差反応性を評価した。
【0662】
成体ニュージーランドホワイト種ウサギ(NZWR、n=3/群)を、0日目と14日目(交互の側)に、0.5mLのそれぞれの一価コンジュゲートワクチンで筋肉内(IM)免疫した。20mM L-ヒスチジン、pH5.8、150mM NaClおよび0.2%(w/v)PS-20ならびに実施例38に記載される製剤化方法で製剤化された一価肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、1免疫当たり125μgのAPAを含む、2μg PnPs(各々がCRM197にコンジュゲートされた15A、15Bまたは15C)で投与した。血清を、試験開始前(免疫前)および14日目(投与1後、PD1)および28日目(投与2後、PD2)に回収した。病気または苦痛の徴候について、訓練を受けた動物管理スタッフが少なくとも毎日、NZWRを観察した。NZWRにおけるワクチン製剤は、ワクチン関連の有害事象が認められなかったため、安全で忍容性が高いと見なされた。全ての動物実験は、国立衛生研究所の実験動物の管理と使用に関するガイドの推奨事項に厳密に従って実施した。NZWR実験プロトコルは、Merck&Co.,IncとCovance(デンバー、PA)の両方の施設内動物管理および使用委員会によって承認された。
【0663】
NZWR血清をELISAアッセイで試験して、1~2mg/mLのそれぞれのPnPsコーティング濃度を使用してIgG免疫原性を評価した。Opsotiter(登録商標)3ソフトウェア(UAB Research Foundation(Caro-Aguilar et al.,2017;Burton et al.,2006)を使用して、アラバマ大学バーミンガム校の細菌呼吸器病原体参考検査室でオンラインで入手可能な以前に記載されたプロトコルに基づいてOPAを通して機能的抗体を決定した。
【0664】
血清群15の3つ全ての一価肺炎球菌コンジュゲートワクチンが、ウサギにおいて免疫原性であり(
図17)、それぞれの細菌株を殺傷する機能的抗体を生成する(
図18)ことが分かった。さらに、血清群15の一価肺炎球菌コンジュゲートワクチンで免疫したウサギは、それぞれ同種および異種の多糖類および細菌株と同等のPD2 IgGおよびOPA価を有していた。15A-CRM197/APA、15B-CRM197/APAまたは15C-CRM197/APAで免疫したウサギは全て、各肺炎球菌多糖類(15A、15B、15C)に対する交差反応性を有していた(
図17)。Tukeyの多重比較検定(P値=0.354)を使用した一元配置ANOVAによって分析された投与2後(PD2)の対数変換IgGデータを使用すると、血清群15全体でIgG価に有意差はなかった。さらに、15A-CRM197/APA、15B-CRM197/APAまたは15C-CRM197/APAで免疫したウサギ全てが、全てのウサギ高免疫血清が評価された各菌株に対する機能的抗体を有し、細菌を殺傷したので、それぞれの肺炎球菌(S.pneumoniae)菌株(15A、15B、15C)に対して交差反応性を有した(
図18)。同様に、Tukeyの多重比較検定(P値=0.054)を使用した一元配置ANOVAによって分析された投与2後(PD2)の対数変換OPAデータを使用すると、血清群15全体でOPA価に有意差はなかった。
【0665】
[実施例43]
ニュージーランドホワイト種ウサギにおけるPCV21の免疫原性
成体ニュージーランドホワイト種ウサギ(NZWR、n=5/群)を、0日目と14日目(交互の側)に、0.1~0.5mLの肺炎球菌コンジュゲートワクチンで筋肉内(IM)免疫した。20mM L-ヒスチジン、pH5.8、150mM NaClおよび0.2%(w/v)PS-20ならびに実施例38に記載される製剤化方法で製剤化されたPCV21肺炎球菌ワクチンを、1免疫当たり4、2、1、0.4、0.08または0.016μg PnPs(各々CRM197にコンジュゲートされた3、6C、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fまたは35B)で投与した。血清を、試験開始前(免疫前)および14日目(投与1後、PD1)および28日目(投与2後、PD2)に回収した。病気または苦痛の徴候について、訓練を受けた動物管理スタッフが少なくとも毎日、NZWRを観察した。NZWRにおけるワクチン製剤は、ワクチン関連の有害事象が認められなかったため、安全で忍容性が高いと見なされた。全ての動物実験は、国立衛生研究所の実験動物の管理と使用に関するガイドの推奨事項に厳密に従って実施した。NZWR実験プロトコルは、Merck&Co.,IncとCovance(デンバー、PA)の両方の施設内動物管理および使用委員会によって承認された。
【0666】
多重電気化学発光(ECL)アッセイを使用して、NZWR血清をIgG免疫原性について評価した。このアッセイは、電気化学刺激で発光するSULFO-TAG(商標)標識を利用するMesoScale Discovery(MesoScale Diagnostics,LLC、Gaithersburg、MDの事業部)によって開発された技術を使用して、Marcheseら(Optimization and validation of a multiplex,electrochemiluminescence-based detection assay for the quantitation of immunoglobulin G serotype-specific antipneumococcal antibodies in human serum.Clin Vaccine Immunol.16(3):387-96(2009))によって記載されるヒトアッセイに基づいてウサギ血清で使用するために開発された。SULFO-TAG(商標)標識抗ウサギIgGを、NZWR血清試料を試験するための二次抗体として使用した。Opsotiter(登録商標)3ソフトウェア(UAB Research Foundation、Caro-Aguilar et al.,2017、上記、Burton et al.,2006、上記)を使用して、アラバマ大学バーミンガム校の細菌呼吸器病原体参考検査室でオンラインで入手可能な以前に記載されたプロトコルに基づいて多重オプソニン食細胞アッセイ(MOPA)を通して機能的抗体を決定した。
【0667】
【0668】
4または1μgの用量と比較して2μg用量でより高い免疫原性を有した24F、ならびに2μg用量と比較して0.4μg用量でより高い免疫原性を有した15A、15Bおよび15Cを除いて、4、2、1および0.4μg/PnPsで投与したPCV21について同等のPD1免疫原性が観察された(
図19Aおよび
図19B)。したがって、より高いPnPs用量(0.4~4μg/PnPs)で、ワクチン用量反応はあまりなかった。多くの血清型が2μgワクチン用量と比較した場合に有意に低かったため、0.08および0.016μg PnPsワクチン用量でより低い免疫原性が観察された。
【0669】
4、2、1および0.4μg/PnPsで投与されたPCV21について同等のPD2免疫原性が観察された(
図20Aおよび
図20B)。
【0670】
一般に、4、2、1および0.4μg/PnPsで投与されたPCV21について同等のPD2 MOPA価が観察され、MOPA価は0.08および0.016μg PnPsワクチン用量で低い傾向があったが、多くは統計学的有意性に達していない(データは示さず)。2μg/PnPsで投与されたPCV21を、MOPAの代表的なデータセットとして選択した。具体的には、2μg用量のPCV21で免疫したウサギが、血清型3を除いて、免疫前ウサギ血清と比較して、全ての血清型でPD1 MOPA価が有意に高かった(
図21A)。この試験のウサギ免疫前血清は、血清型16F、31および35Bに対してより高いバックグラウンド価を有していたことに留意すべきである。2μg用量のPCV21で免疫したウサギは、免疫前ウサギの血清と比較して、全ての血清型で有意に高いPD2 MOPA価を有していた(
図21B)。対数変換データを、ダネット検定を使用した一元配置ANOVAによって分析して有意性を決定した。
【0671】
[実施例44]
材料および方法
遊離多糖類試験
コンジュゲート試料中の遊離多糖類(CRM197とコンジュゲートしていない多糖類)を、最初に遊離タンパク質およびコンジュゲートをデオキシコール酸(DOC)および塩酸で沈殿させることによって測定する。次いで、沈殿を濾別し、濾液をHPSEC/UV/MALS/RIによって遊離多糖類濃度について分析する。遊離多糖類を、HPSEC/UV/MALS/RIによって測定される総多糖類の割合として計算する。
【0672】
遊離タンパク質試験
コンジュゲート試料中の遊離多糖類、多糖類-CRM197コンジュゲートおよび遊離CRM197を、ミセル動電クロマトグラフィー(micellar electrokinetic chromatography)(MEKC)モードのキャピラリー電気泳動によって分離する。手短に言えば、試料を、25mMホウ酸塩、100mM SDSを含むMEKC泳動緩衝液、pH9.3と混合し、事前調整された裸の溶融シリカキャピラリーで分離する。分離を200nmで監視し、遊離CRM197をCRM197標準曲線で定量化する。遊離タンパク質の結果を、HPSEC/UV/MALS/RI手順によって決定される総タンパク質含有量の割合として報告する。
【0673】
HPSEC/UV/MALS/RIアッセイを使用したコンジュゲートの分子量および濃度分析
コンジュゲート試料を注入し、高速サイズ排除クロマトグラフィー(HPSEC)によって分離した。直列の紫外線(UV)、多角度光散乱(MALS)および屈折率(RI)検出器で検出を達成した。タンパク質濃度を、吸光係数を使用してUV280から計算した。mL/gで報告される溶質濃度の変化を伴う溶液の屈折率の変化であるdn/dc係数を使用して、多糖類濃度をRIシグナル(タンパク質と多糖類の両方が寄与する)からデコンボリューションした。試料の平均分子量を、試料ピーク全体にわたる測定された濃度および光散乱情報を使用して、Astraソフトウェア(Wyatt Technology Corporation、サンタバーバラ、CA)によって計算した。多分散分子の分子量の平均値には複数の形式がある。例えば、数平均分子量Mn、重量平均分子量Mwおよびz平均分子量Mzがある(Molecules,2015,20,10313-10341)。特に明記しない限り、分子量は重量平均分子量である。
【0674】
多糖類と担体タンパク質との間の共有結合の数の尺度としてのコンジュゲートタンパク質中のリジン消費の決定
Waters AccQ-Tagアミノ酸分析(AAA)を使用して、コンジュゲート試料中のコンジュゲーションの程度を測定した。Eldexワークステーションで気相酸加水分解を使用して試料を加水分解して、担体タンパク質を構成アミノ酸に分解した。遊離アミノ酸を、6-アミノキノリル-N-ヒドロキシスクシンイミジルカルバメート(AQC)を使用して誘導体化した。次いで、誘導体化された試料を、C18カラムでUV検出を備えたUPLCを使用して分析した。リジン以外の代表的なアミノ酸を使用して平均タンパク質濃度を得た。コンジュゲーション中のリジン消費(すなわち、リジン損失)を、コンジュゲート中のリジンの測定された平均量と、開始タンパク質中のリジンの予想量との間の差によって決定した。
【0675】
[実施例45]
肺炎球菌コンジュゲートワクチンの安定性に対するコンジュゲーション方法の影響
上記の実施例に記載される異なる還元的アミノ化溶媒(水性またはDMSO)を利用して調製された個々の肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートを、84μg/mLで、PCV1、PCV7、PCV14およびPCV21と呼ばれる1価、7価、14価および21価肺炎球菌コンジュゲートワクチン製剤の製剤化に使用した。
【0676】
製剤ワクチンを充填した容器を4℃または37℃で最大7日間置いた。固有のタンパク質蛍光分光法(IPFS)を使用して、PCV1、PCV7、PCV14またはPCV21組成物中の肺炎球菌多糖類コンジュゲート担体タンパク質、CRM197の安定性を、最大4℃および37℃で貯蔵して評価した。非希釈試料の蛍光発光スペクトル(Em290~400nm)を、Jasco FP-6500分光蛍光光度計を使用して、周囲室温で経路長1cmの石英キュベットで収集した。励起波長280nmを走査速度100nm/分ならびに励起および発光バンドパス3nmと共に使用した。
【0677】
図22A~
図22Cに示されるように、非プロトン性溶媒(例えば、DMSO)中での還元的アミノ化を使用して調製された全ての多糖類-タンパク質コンジュゲートを含む製剤は、コンジュゲーション方法(プロトン性)で還元的アミノ化中に水性溶媒を使用して調製された全ての多糖類-タンパク質コンジュゲートを利用したワクチンと比較して、優れた物理的および化学的安定性をもたらした。37℃でわずか16時間で、84μg/mL PnPsの水性溶媒中での還元的アミノ化を使用して調製された全ての多糖類-タンパク質コンジュゲートを使用して調製されたPCV1、PCV7およびPCV14製剤の蛍光強度が減少し、ワクチンの発光極大は332nmから338nmにシフトした。非プロトン性溶媒(例えば、DMSO)中での還元的アミノ化化学により調製された製剤原料を利用した、84μg/mL PnPsのPCV1、PCV7およびPCV14ワクチン製剤は、蛍光強度も338nmの発光極大も変化を示さなかった。さらに、PCV21製剤も試験した。これを、非プロトン性溶媒(例えば、DMSO)中での還元的アミノ化を使用して調製された多糖類-タンパク質複合体を含む、実施例38に記載されるように20mM L-ヒスチジン、pH5.8、150mM NaClおよび0.1%(w/v)PS-20に製剤化した。この試験は、37℃での貯蔵後に優れた物理的および化学的安定性を示した。PCV21は、蛍光強度も発光極大338nmも変化を示さなかった(
図22D)。
【0678】
IPFS(実施例40)測定から得られた結果のシグナル強度および発光極大は、多価複合製剤中の個々の多糖類-タンパク質コンジュゲートの集団的安定性によるものであることを理解すべきである。本発明者らは、非プロトン性溶媒中で調製された全ての多糖類-タンパク質コンジュゲートを利用したワクチン製剤は安定であるが、プロトン性溶媒中で調製された全ての製剤原料を利用したワクチン製剤はストレス条件下で安定ではないことを示した。ワクチン製剤組成物が、プロトン性コンジュゲーション方法と非プロトン性コンジュゲーション方法の両方を使用した多糖類-タンパク質コンジュゲートの混合物を含む場合、製剤から測定される平均発光極大または強度は、332nmでの各プロトン性多糖類タンパク質コンジュゲート発光と338nmでの各非プロトン性多糖類タンパク質コンジュゲート発光の寄与により重みづけされるだろう。プロトン性コンジュゲーション方法を使用して調製された多糖類タンパク質コンジュゲートの存在により、このような混合物については、高温で強度または発光極大のいずれかで加重変化が生じると予想される。
【0679】
図23に示されるように、0.084mg/mL PnPsで調製されたPCV21製剤の安定性を評価するために、ナノ粒子追跡分析(NTA)を利用した。この技術は、ブラウン運動で移動するナノ粒子集団を直接追跡したビデオを収集して、粒径および濃度を外挿する。クラス1、635nmレーザーは、80ミクロンの赤色レーザービームを液体試料に集中させ、光の急速な拡散点として粒子を照射する。CCDカメラは、毎秒30フレームのビデオを記録して、経時的な個々の照射粒子の動きを追跡する。システムソフトウェアは、ビデオから個々の粒子の中心を識別し、独立に移動した距離を追跡して、平均二乗変位を決定する。この追跡を、ビデオ全体から収集された生データが分析されるまで、各フレームの試料集団内の全ての粒子に対して同時に実施する。追跡された全ての個々の粒子の平均二乗変位を同時に測定することによって、その拡散係数(Dt)および等価球面度数流体力学半径(rh)を、ストークス-アインシュタイン方程式を適用することによって決定する。次いで、ソフトウェアはこの累積データを粒径および濃度分布として表す。粒径および濃度だけでなく、個々の粒子の強度または輝度に関する生データ情報も収集する。まとめると、データを、粒径に対する粒子強度、および粒径に対する粒子濃度として個別に当てはめ、プロットし、次いで、全ての粒子集団の粒径、濃度および強度を比較する3次元等高線図にプロットする。
【0680】
担体タンパク質および多糖類抗原で構成されるコンジュゲートワクチンは、一緒にまたは別々に10~1000nmの粒径範囲内で凝集しやすく、それによってNTAが凝集現象を評価および定量化するための適切な安定性を示す技術になる。製剤を4℃および37℃に1週間曝露すると、0.025%w/v、0.05%w/v、0.1%w/v、0.15%w/vおよび0.2%w/v PS20の濃度でPS-20を含む製剤では、NTAによって製剤の有意な凝集は観察されなかった(
図23に示される)。しかしながら、製剤を4℃で6時間攪拌に供した後、ポリソルベート20を欠く製剤は、NTAによって提供されるD90粒径の増加、粒径分布の拡大および粒子強度の増加によって証明されるように、製剤の攪拌誘導凝集の軽減に有効でなかった。そのため、ポリソルベート20を0.025~0.2%またはそれ以上のレベル(w/v)に維持して、日常的な製造、貯蔵、輸送および取り扱いの間、製剤を安定させることが好ましい。
【0681】
実施例39に記載されるように、HPSEC UV/MALS/RIを使用して、20mM L-ヒスチジン、pH5.8、150mM NaClおよび0~0.2%(w/v)PS-20ならびに実施例38に記載される製剤化方法で製剤化された21価(PCV21)多糖類-タンパク質コンジュゲート製剤の分子量を測定した。製剤を4℃または37℃で最大1週間置いた。場合によっては、シリンジを水平回転プラットフォームに置き、4℃または37℃で1週間貯蔵した後、最大6時間振盪した。製剤製造および流通に伴う可能性のある輸送および取り扱いのストレスをシミュレートするためにこれを行った。製剤中の多糖類-タンパク質コンジュゲートが分解または解重合している場合、分子量の減少が自明であり、製剤の凝集が起こっている場合、分子量の増加が生じるだろう。この測定は、PS-20濃度の関数としてワクチン製剤または多糖類-タンパク質コンジュゲートの品質に関する追加の特性評価を提供する。
図24に示されるように、各々が非プロトン性溶媒(例えば、DMSO)中での還元的アミノ化を使用して調製された全ての製剤原料を含むPCV21製剤は、炭水化物の解重合または化学分解に対して安定であり、0.05%~0.15%のPS-20で熱処理による製剤中のタンパク質の凝集に対して安定であった。まとめると、これは、PCV21製剤が、0.025%および0.2%以上のレベルのPS-20を使用して製剤化した場合、高温および物理的ストレスを通して安定であることを示している。
【0682】
[実施例46]
マウスでの曝露からのPCV21防御
若い雌のSwiss Websterマウス(6~8週齢、n=10/群)を、0日目、14日目および28日目に0.1~0.5mLの21価肺炎球菌コンジュゲートワクチン(PCV21)で腹腔内(IP)免疫した。PCV21肺炎球菌ワクチンを、1免疫当たり4、2、0.4、0.08または0.016μgのPnPs(各々がCRM197にコンジュゲートされた3、6C、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B)で投与した。病気または苦痛の徴候について、訓練を受けた動物管理スタッフが少なくとも毎日、マウスを観察した。マウスにおけるワクチン製剤は、ワクチン関連の有害事象が認められなかったため、安全で忍容性が高いと見なされた。52日目に、マウスに肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)血清型24Fを気管内曝露した。肺炎球菌(S.pneumoniae)の対数期培養物を遠心分離し、洗浄し、滅菌PBSに懸濁した。曝露前にイソフルランでマウスを麻酔した。0.1mLのPBS中105cfuの肺炎球菌(S.pneumoniae)を、切歯によって直立につるされたマウスの喉に入れた。舌を外側にそっと引き、鼻孔を覆うことによって細菌の吸引を誘導した。マウスの体重を毎日測定し、体重減少が開始時体重の20%を超えたら安楽死させた。血液を24時間、48時間および72時間で採取して菌血症を評価した。病気または苦痛の徴候について、訓練を受けた動物管理スタッフが少なくとも毎日2回、マウスを観察した。全ての動物実験は、国立衛生研究所の実験動物の管理と使用に関するガイドの推奨事項に厳密に従って実施した。マウス実験プロトコルは、Merck&Co.,Inc.の施設内動物管理および使用委員会によって承認された。
【0683】
多重電気化学発光(ECL)アッセイを使用して、マウス血清をIgG免疫原性について評価した。このアッセイは、電気化学刺激で発光するSULFO-TAG(商標)標識を利用するMesoScale Discovery(MesoScale Diagnostics,LLC、Gaithersburg、MDの事業部)によって開発された技術を使用して、Marchese et al.,Clin Vaccine Immunol.(2009)16(3):387-96によって記載されるヒトアッセイに基づいてマウス血清で使用するために開発された。SULFO-TAG(商標)標識抗マウスIgGを、マウス血清試料を試験するための二次抗体として使用した。www.vaccine.uab.eduで以前に記載されたプロトコルならびにアラバマ大学(UAB)研究財団によって所有およびライセンス供与されるOpsotiter(登録商標)3ソフトウェア(Caro-Aguilar I.et al.,Vaccine(2017)35(6):865-72 and Burton R.L.and Nahm M.H.Clin.Vaccine Immunol.(2006)13(9):1004-9参照)に基づいて多重オプソニン食細胞アッセイ(MOPA)を通して機能的抗体を決定した。
【0684】
PCV21免疫は、ワクチンの全ての血清型について、Swiss Websterマウスで抗体価を生成した(データは示さず)。PCV21は、Balb/cおよびCD1マウスでも免疫原性であった(データは示さず)。PCV21免疫Swiss Websterマウスはまた、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型24Fによる曝露からも防御された(
図25)。Mantel Coxログ・ランク検定は、全てのPCV21免疫群が、ナイーブ群と比較すると、曝露から有意に防御されたことを示している(P<0.05)。同様に、PCV21免疫マウス群はほとんど~全く菌血症がなく、ナイーブ群と比較すると、有意に少なかった(データは示さず)。
【0685】
[実施例47]
ウサギにおけるPCV免疫原性および機能的抗体
成体ニュージーランドホワイト種ウサギ(NZWR、n=5/群)を、0日目と14日目(交互の側)に、0.1mLのPCVで筋肉内(IM)免疫した。PCVを、リン酸アルミニウムアジュバント(APA)の形態で25μg[Al]を含む1免疫当たり1血清型当たり0.4μg PnPsで投与した。PCV31の場合、血清型6Bの投与濃度を、1免疫当たり0.8μg PnPsに倍増した。PCV21(実施例38に記載される)は、各々がCRM197にコンジュゲートされた血清型3、6C、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bの精製多糖類を含んでいた。各多糖類-タンパク質コンジュゲートを、非アジュバント化またはリン酸アルミニウムもしくはAPAの形態で250μg[Al]/mLで製剤化して、アジュバントの効果を評価した(PCV21/APA)。低価PCVも(実施例38に記載されるように)、8つの新規ST(PCV8:各々がCRM197にコンジュゲートされた6C、15A、16F、23A、23B、24F、31および35B、非アジュバント化)を含むように製剤化し、16STをいずれのライセンス化PCV(PCV16:各々がCRM197にコンジュゲートされた6C、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、20、23A、23B、24F、31および35B、非アジュバント化)にもPCV31(各々がCRM197にコンジュゲートされた1、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15C、16F、17F、18C、19A、19F、20A、22F、23A、23B、23F、24F、33Fおよび35B、リン酸アルミニウムの形態の250μg[Al]/mLを用いて製剤化)にも含めず、ワクチン価の増加に伴う担体抑制を評価した(PCV31/APA)。各ワクチンは、PCV31またはPCV31/APAで8μg/mL(w/v)肺炎球菌多糖類(PnPs)で製剤化された6Bを除いて、4μg/mL(w/v)肺炎球菌多糖類(PnPs)で製剤化された多糖類タンパク質コンジュゲートを使用した。各ワクチン中の肺炎球菌多糖類(PnPs)の最終濃度は、PCV31で128μg/mL PnPs、PCV21で84μg/mL PnPs、PCV16で64μg/mLおよびPCV8で32μg/mLであった。
【0686】
血清を、試験開始前(免疫前)および14日目(PD1)および28日目(PD2)に回収した。病気または苦痛の徴候について、訓練を受けた動物管理スタッフが少なくとも毎日、NZWRを観察した。NZWRにおけるワクチン製剤は、ワクチン関連の有害事象が認められなかったため、安全で忍容性が高いと見なされた。全ての動物実験は、国立衛生研究所の実験動物の管理と使用に関するガイドの推奨事項に厳密に従って実施した。NZWR実験プロトコルは、Merck&Co.,IncとCovance(デンバー、PA)の両方の施設内動物管理および使用委員会によって承認された。
【0687】
多重電気化学発光(ECL)アッセイを使用して、ウサギ血清をIgG免疫原性について評価した。このアッセイは、電気化学刺激で発光するSULFO-TAG(商標)標識を利用するMesoScale Discovery(MesoScale Diagnostics,LLC、Gaithersburg、MDの事業部)によって開発された技術を使用して、Marchese et al.,Clin Vaccine Immunol.(2009)16(3):387-96によって記載されるヒトアッセイに基づいてウサギ血清で使用するために開発された。SULFO-TAG(商標)標識抗ウサギIgGを、NZWR血清試料を試験するための二次抗体として使用した。www.vaccine.uab.eduで以前に記載されたプロトコルならびにアラバマ大学(UAB)研究財団によって所有およびライセンス供与されるOpsotiter(登録商標)3ソフトウェア(Caro-Aguilar I.et al.,Vaccine(2017)35(6):865-72 and Burton R.L.and Nahm M.H.Clin.Vaccine Immunol.(2006)13(9):1004-9参照)に基づいて多重オプソニン食細胞アッセイ(MOPA)を通して機能的抗体を決定した。
【0688】
ウサギ血清を、多重電気化学発光アッセイで免疫前およびPD1についてはプールとして、PD2については個別に試験して、抗体価を決定した。PCVは、ワクチンによる免疫後、ウサギにおいて全ての血清型について抗体価を生成した(データは示さず)。PCV16、PCV21またはPCV31には血清型15B多糖類は含まれていなかったが、PCV16、PCV21およびPCV31の両方での免疫後、血清型15Bに対する抗体価が観察された。
【0689】
非アジュバント化PCV21は、APAを使用したPCV21(
図26A~
図26Bおよび
図28)と比較して、同等または有意に高い免疫原性(血清型3、7F、10A、19A、23Aおよび23B)を有し、APAをワクチンに含めたウサギで追加の免疫原性の利点がないことを示唆している。
【0690】
担体誘導エピトープ抑制は、同じ担体タンパク質(CRM197など)にカップリングされた抗原(莢膜多糖類など)に対する抗体応答の干渉を指す。干渉は、限られた数の担体特異的プライミングTヘルパー細胞の競合から生じると考えられている。結果として、莢膜多糖類への応答が低下し得る。Pfizerは、ワクチン価が7価から13価に増加するにつれて、共有血清型のワクチン免疫原性の低下を観察した[Prevnar(7価)対Prevnar13のIgG抗体GMCの比較]。(PCV13モノグラフの表9、29頁)]。したがって、本発明者らは、PCV21と比較して、より低い価のPCVの免疫原性を調査しようとした(
図27A~
図27C)。PCV8(8つの新規血清型)は、8つの共有血清型について、PCV21と比較して同等の免疫原性を有していた(
図29)。PCV16(PCV21-PCV15の5つの重複する血清型)は、16の共有血清型のうち15について、PCV21と比較して同等の免疫原性を有していた(
図29)血清型31は、PCV16でより高い免疫原性を有していた(
図29)。全体として、NZWRにおいてPCV21による担体抑制の主要な傾向はなかった。PCV31/APAは、21の共有血清型のうち12について、PCV21/APAと比較して同等の免疫原性を有していた。10の血清型(6C、7F、9N、12F、15A、15B(PCV21にはない)、15C、17F、19Aおよび23A)が、PCV31においてより高い免疫原性を有し、2.9倍から11倍の範囲であった(
図30)。全体として、NZWRにおけるPCV31による担体抑制の主要な傾向はなかった。
【0691】
PCVは、ウサギにおいて免疫原性であり、ワクチン型細菌株を殺傷する機能的抗体を生成することが分かった。ウサギ血清を、多重オプソニン食細胞アッセイ(MOPA)でテストして、機能的抗体価を決定した。PCV21は、PCV21/APA、PCV8およびPCV16と比較した場合、同等またはより高いPD2 OPA価を有していた(
図31)。対数変換データを、ダネット検定を使用した一元配置ANOVAによって分析して有意性を決定した。PCV21は、PCV8と比較して血清型16Fについて、ならびにPCV21/APAと比較して血清型12F、23Aおよび19Aについて有意に高いOPA価を有していた。PCV31は、PCV21と比較して、血清型23Aについて、有意に高いOPA価を有していた。
【0692】
[実施例48]
成体アカゲザルにおけるPCV21免疫原性
PCV21を、成体アカゲザル免疫原性モデルでも評価した。アカゲザルを、0日目、28日目および56日目にPCV21で筋肉内免疫した。PCV21を、1免疫当たり0.25mL体積中1μgのPnPs(各々がCRM197にコンジュゲートされた3、6C、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B)で投与した。血清を、試験開始前(免疫前、0日目)および14日目(PD1)、28日目、42日目(PD2)、56日目、70日目(PD3)および84日目に回収した。
【0693】
多重電気化学発光(ECL)アッセイを使用して、アカゲザル血清をIgG免疫原性について評価した。このアッセイは、電気化学刺激で発光するSULFO-TAG(商標)標識を利用するMesoScale Discovery(MesoScale Diagnostics,LLC、Gaithersburg、MDの事業部)によって開発された技術を使用して、MarcheseらおよびSkinnerら(Marchese R.D.et al.,Clin.Vaccine Immunol.(2009)16(3):387-96およびSkinner,J.M.et al.,Vaccine(2011)29(48):8870-8876)によって記載されるヒトアッセイに基づいてアカゲザル血清で使用するために開発された。SULFO-TAG(商標)標識抗ヒトIgGを、アカゲザル血清試料を試験するための二次抗体として使用した。www.vaccine.uab.eduで以前に記載されたプロトコルならびにアラバマ大学(UAB)研究財団によって所有およびライセンス供与されるOpsotiter(登録商標)3ソフトウェア(Caro-Aguilar I.et al.,Vaccine(2017)35(6):865-72 and Burton R.L.and Nahm M.H.Clin.Vaccine Immunol.(2006)13(9):1004-9参照)に基づいて多重オプソニン食細胞アッセイ(MOPA)を通して機能的抗体を決定した。
【0694】
PCV21は、試験した全ての時点で、成体サルにおいて免疫原性であり、ワクチン型細菌株を殺傷する機能的抗体を生成することが分かった(
図32および
図33)。ECLで証明されているように、多糖類コンジュゲート15A-CRM197および15C-CRM197を含むPCV21も15Bとの交差反応性を提供することも注目に値する。PCV21はサルにおいて1回用量のワクチンで免疫原性であった(
図32)。追加の免疫の恩恵を受けたST 6C、12Fおよび24Fを除いて、ほとんどの血清型がPD1で最大価に達した。成体アカゲザルは、乳児アカゲザルでの以前のPCV試験と比較して、高い既存の抗体価を有していた。MOPAで血清試料を試験した場合、既存の抗体価が最も明らかであり、オプソニン食細胞価の決定を困難にした。全ての試験時点を、プールされた試料または個別の試料としてMOPAで試験したが、PD1とPD3との間でOPA価に大きな差がなかったので、見やすくするために、免疫前、PD1およびPD3のみを示している(
図33)。
【0695】
PCV21免疫成体アカゲザル血清を、他の肺炎球菌(S.pneumoniae)に対する交差防御について評価した(
図34)。PCV21免疫アカゲザル血清は、血清型6A、6Bおよび23Fとの交差防御を有していたが、19Fはなかった。6Aおよび6Bに対する交差防御は、多価PCV21の一部としての多糖類コンジュゲート6C-CRM197による免疫によるものと思われる。同様に、多価PCVの一部としての多糖類コンジュゲート23A-CRM197および23B-CRM197による免疫は、血清型23Fに対する交差防御をもたらした。多糖類コンジュゲート19A-CRM197を含むPCV21による免疫は、19Fに対する交差防御を提供しなかった。
【0696】
[実施例49]
成体アカゲザルにおけるPCV21免疫原性-アジュバントおよび担体抑制の評価
別のサルの試験は、APAを用いたおよび用いないPCV21の評価、ならびに担体抑制を評価するための共有血清型免疫原性の比較を含んでいた。試験の0日目に、成体アカゲザル(n=5/群)を、ヒトの半分の用量のワクチンで筋肉内免疫した。PCV21を、1免疫当たり0.25mL体積中1μgのPnPs(各々がCRM197にコンジュゲートされた3、6C、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B)で投与した。ある群は、リン酸アルミニウムの形態で62.5μg[Al]をアジュバント化されたPCV21を含んでいた。別の群は、1免疫当たり0.25mL体積中1μgのPnPs(各々がCRM197にコンジュゲートされた1、3、4、5、6A、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33F、6Bを2μgで投与)で投与され、リン酸アルミニウムの形態で62.5μg[Al]でアジュバント化されたPCV15を含んでいた。別の群は、1免疫当たり0.25mL体積中1.1μgのPnPs(各々がCRM197にコンジュゲートされた1、3、4、5、6A、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23F、6Bを2.2μgで投与)で投与されるPrevnar13(登録商標)(PCV13)を含んでいた。血清を、試験開始前(免疫前、0日目)および28日目に回収した。
【0697】
PCV21は、成体サルにおいて免疫原性であり、ワクチン型細菌株を殺傷する機能的抗体を生成することが分かった。アジュバントを含まないPCV21は、APAを含むPCV21と比較した場合、同等のまたは有意に高い免疫原性(血清型15Aおよび15B)を有していた(
図35)。PCV21は血清型15Bを含まなかった。
【0698】
PCV21免疫サルを、PCV15およびPrevnar13で免疫したサルと比較した。PCV21およびPCV15は5つの共有血清型(3、7F、19A、22F、33F)を有し;PCV21またはPCV15で免疫したサル間で、これら5つの血清型の免疫原性に差はなかった(
図36)。PCV21およびPrevnar13は3つの共有血清型(3、7F、19A)を有し;血清型7Fおよび19Aについては免疫原性に差はなかった。Prevnar13免疫サルは、PCV21と比較して血清型3について低い抗体価を有していた(
図36)。この発見は、血清型3がMerckのPCV15ワクチンでより免疫原性であることを示しているPCV15ヒト臨床データと一致している。まとめると、これらの結果は、Prevnar13またはPCV15と比較した場合、PCV21で免疫した成体アカゲザルでは担体抑制が観察されなかったことを示唆している。
【0699】
[実施例50]
血清型6A、6Bおよび6Cの交差反応性-一価試験
一価製剤を、肺炎球菌多糖類6A-CRM197コンジュゲートまたは肺炎球菌多糖類6B-CRM197コンジュゲートを使用して調製し、4.0μg/mLのいずれかの血清型の標的総多糖類濃度で、20mMヒスチジンpH5.8および150mM塩化ナトリウムおよび0.1%w/vポリソルベート-20(PS-20)に製剤化した。CRM197タンパク質を肺炎球菌多糖類(PnPs)型(-6Aまたは-6Bのいずれか)に個別にコンジュゲートさせることによってコンジュゲートを調製した。個々の血清型の標的濃度を得るために必要なバルクコンジュゲートの必要体積を、個々のバルク多糖類濃度のバッチ体積および濃度に基づいて計算した。個々のコンジュゲートを、ヒスチジン、塩化ナトリウム、PS-20の溶液に添加して、2Xコンジュゲートブレンドを作成した。2Xコンジュゲートブレンドを含む製剤容器を、磁気攪拌棒を使用して混合し、別の容器に滅菌濾過した。次いで、滅菌濾過した2Xブレンドを生理食塩水で希釈して、所望の標的総多糖類および賦形剤濃度を達成した。次いで、製剤をバイアルに充填し、2~8℃で貯蔵した。
【0700】
ウサギを6A-CRM197または6B-CRM197で免疫して、血清群6内の交差反応性を評価した。成体ニュージーランドホワイト種ウサギ(NZWR、n=3/群)を、0日目と14日目(交互の側)に、0.25mLのそれぞれの一価コンジュゲートワクチンで筋肉内(IM)免疫した。実施例38に記載される製剤化方法で20mM L-ヒスチジン、pH5.8、150mM NaClおよび0.1%(w/v)PS-20に製剤化された一価肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、1μg PnPs(各々がCRM197にコンジュゲートされた6Aまたは6B)で投与した。血清を、試験開始前(免疫前)および14日目(投与1後、PD1)および28日目(投与2後、PD2)に回収した。病気または苦痛の徴候について、訓練を受けた動物管理スタッフが少なくとも毎日、NZWRを観察した。NZWRにおけるワクチン製剤は、ワクチン関連の有害事象が認められなかったため、安全で忍容性が高いと見なされた。全ての動物実験は、国立衛生研究所の実験動物の管理と使用に関するガイドの推奨事項に厳密に従って実施した。NZWR実験プロトコルは、Merck&Co.,IncとCovance(デンバー、PA)の両方の施設内動物管理および使用委員会によって承認された。
【0701】
NZWR血清をELISAアッセイで試験して、それぞれの2μg/mLのPnPsコーティング濃度を使用してIgG免疫原性を評価した。www.vaccine.uab.eduで以前に記載されたプロトコルならびにUAB研究財団によって所有およびライセンス供与されるOpsotiter(登録商標)3ソフトウェア(Caro-Aguilar I.et al.,Vaccine(2017)35(6):865-72 and Burton R.L.and Nahm M.H.Clin.Vaccine Immunol.(2006)13(9):1004-9参照)に基づいてオプソニン食細胞アッセイ(OPA)を通して機能的抗体を決定した。
【0702】
6A-CRM197と6B-CRM197の両方がウサギにおいて免疫原性であり(
図37)、それぞれの細菌株を殺傷する機能的抗体を生成することが分かった(
図38)。さらに、血清群6の一価肺炎球菌コンジュゲートワクチンで免疫したウサギは、それぞれ同種および異種の多糖類および細菌株と同等のPD2 IgGおよびOPA価を有していた。6A-CRM197または6B-CRM197で免疫したウサギは全て、各肺炎球菌多糖類(PnPs 6A、PnPs 6BおよびPnPs 6C)に対する交差反応性を有していた(
図37)。一元配置ANOVAによって分析された投与2後(PD2)の対数変換IgGデータを使用すると、血清群6全体でIgG価に有意差はなかった。さらに、6A-CRM197または6B-CRM197で免疫したウサギ全てが、全てのウサギ高免疫血清が評価された各菌株に対する機能的抗体を有し、細菌を殺傷したので、それぞれの肺炎球菌(S.pneumoniae)菌株(6A、6Bおよび6C)に対して交差反応性を有した(
図38)。
【0703】
同様に、一元配置ANOVAによって分析された投与2後(PD2)の対数変換OPAデータを使用すると、血清群6にわたってOPA価に有意差はなかった。
【0704】
[実施例51]
血清型20Aおよび20Bの交差反応性-一価試験
一価製剤を、肺炎球菌多糖類20A-CRM197コンジュゲートを使用して調製し、4.0μg/mLで、20mMヒスチジンpH5.8および150mM塩化ナトリウムおよび0.2%w/vポリソルベート-20(PS-20)に製剤化した。アジュバントとしてリン酸アルミニウムの形態で250.0μg[Al]/mLで製剤を調製した(20A-CRM197/APA)。CRM197タンパク質を肺炎球菌多糖類(PnPs)型20に個別にコンジュゲートさせることによってコンジュゲートを調製した。個々の血清型の標的濃度を得るために必要なバルクコンジュゲートの必要体積を、個々のバルク多糖類濃度のバッチ体積および濃度に基づいて計算した。単一コンジュゲートを、16.0μg/mLで、ヒスチジン、塩化ナトリウムおよびPS-20の溶液に添加して、4Xコンジュゲートブレンドを生成した。コンジュゲートブレンドを含む製剤容器を、磁気攪拌棒を使用して混合し、別の容器に滅菌濾過した。次いで、滅菌濾過した4Xブレンドを、リン酸アルミニウムアジュバントを含む別の容器に添加して、所望の標的総多糖類、賦形剤およびアジュバント濃度を達成した。次いで、製剤をガラスバイアルに充填し、2~8℃で貯蔵した。
【0705】
ウサギを20A-CRM197/APAまたはPCV21で免疫して、血清群20内の交差反応性を評価した。成体ニュージーランドホワイト種ウサギ(NZWR、n=3/群)を、0日目と14日目(交互の側)に、肺炎球菌コンジュゲートワクチンで筋肉内(IM)免疫した。上記のように製剤化された一価肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、0.25ml中1μgのPnPs(CRM197にコンジュゲートされたST20A、リン酸アルミニウムの形態の62.5μg[Al]をアジュバントとして使用した)で投与し、実施例38に記載される製剤化方法で20mM L-ヒスチジンpH5.8、150mM NaClおよび0.2%(w/v)PS-20に製剤化されたPCV21多価肺炎球菌コンジュゲートワクチン(84μg/mL PnPs)を、0.1ml中0.4μgのPnPs(各々がCRM197にコンジュゲートされた血清型3、6C、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B)で投与した。血清を、試験開始前(免疫前)および14日目(投与1後、PD1)および28日目(投与2後、PD2)に回収した。病気または苦痛の徴候について、訓練を受けた動物管理スタッフが少なくとも毎日、NZWRを観察した。NZWRにおけるワクチン製剤は、ワクチン関連の有害事象が認められなかったため、安全で忍容性が高いと見なされた。全ての動物実験は、国立衛生研究所の実験動物の管理と使用に関するガイドの推奨事項に厳密に従って実施した。NZWR実験プロトコルは、Merck&Co.,IncとCovance(デンバー、PA)の両方の施設内動物管理および使用委員会によって承認された。
【0706】
www.vaccine.uab.eduで以前に記載されたプロトコルならびにUAB研究財団によって所有およびライセンス供与されるOpsotiter(登録商標)3ソフトウェア(Caro-Aguilar I.et al.,Vaccine(2017)35(6):865-72 and Burton R.L.and Nahm M.H.Clin.Vaccine Immunol.(2006)13(9):1004-9参照)に基づいて機能的抗体を評価するためにNZWR血清をオプソニン食細胞アッセイ(OPA)で試験した。
【0707】
一価20A-CRM197/APAと多価PCV21ワクチンの両方で免疫したウサギは、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型20Aと20Bの両方を殺傷する機能的抗体を生成した(
図39)。これは、血清型20Aおよび20Bが構造的類似性を共有し、血清群内で交差反応性をもたらすことを示唆している。
【配列表】