IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コンセントゥス・プロパティーズ・アクチエボラグの特許一覧

<図1>
  • 特許-家具アセンブリ 図1
  • 特許-家具アセンブリ 図2
  • 特許-家具アセンブリ 図3
  • 特許-家具アセンブリ 図4
  • 特許-家具アセンブリ 図5
  • 特許-家具アセンブリ 図6
  • 特許-家具アセンブリ 図7
  • 特許-家具アセンブリ 図8
  • 特許-家具アセンブリ 図9
  • 特許-家具アセンブリ 図10
  • 特許-家具アセンブリ 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-17
(45)【発行日】2023-10-25
(54)【発明の名称】家具アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A47B 87/00 20060101AFI20231018BHJP
   A47B 77/04 20060101ALI20231018BHJP
   A47B 77/02 20060101ALI20231018BHJP
【FI】
A47B87/00
A47B77/04 A
A47B77/02
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020570127
(86)(22)【出願日】2019-06-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-21
(86)【国際出願番号】 SE2019050538
(87)【国際公開番号】W WO2019245429
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2022-06-03
(31)【優先権主張番号】1850749-1
(32)【優先日】2018-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】520468139
【氏名又は名称】コンセントゥス・プロパティーズ・アクチエボラグ
【氏名又は名称原語表記】Concentus Properties AB
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ハンソン
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】実開昭50-099045(JP,U)
【文献】実開昭49-116346(JP,U)
【文献】特開2004-209122(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0134287(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102005041017(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 87/00
A47B 77/04
A47B 77/02
A47B 83/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具アセンブリ(1,101)であって、
上部モジュール(3,103)と、
下部モジュール(5,105)と、
壁部(7,107)であって、前記家具アセンブリ(1,101)が取り付け位置で部屋に取り付けられたときに、前記上部モジュール(3,103)が前記下部モジュール(5,105)の上方に設置され、前記壁部(7,107)が前記上部モジュールと前記下部モジュールとの間に設置されるように適合される、前記壁部(7,107)と、
を備え、
前記壁部(7,107)は、前記上部モジュール(3,103)と前記下部モジュール(5,105)とのうちのいずれか一方に予め取り付けられ、
前記家具アセンブリ(1,101)は、キッチン、ランドリールーム、又はバスルーム用の家具アセンブリであり、
前記壁部(7,107)は、前記上部モジュールと前記下部モジュールとのうちのいずれか一方に予め取り付けられ、前記上部モジュールと前記下部モジュールとのうちの他方には予め取り付けられておらず、
前記壁部(7,107)を、前記上部モジュールと前記下部モジュールとのうち、予め取り付けられていない前記他方に対して摺動させることによって、配送位置から取り付け位置にすることができ、
前記配送位置において、前記上部モジュール(3,103)と前記下部モジュール(5,105)とは互いに近接に設置され、前記壁部(7,107)は、前記上部モジュールと前記下部モジュールとのうち、予め取り付けられていない前記他方の背面側(15,113)の一部を覆っており、
前記取り付け位置において、前記壁部(7,107)は、前記上部モジュール(3,103)の背面側(13,113)と前記下部モジュール(5,105)の背面側(15,115)とを接続
前記上部モジュール(3,103)は、取り付け位置で部屋の壁に取り付けられるように構成されている、
家具アセンブリ。
【請求項2】
前記家具アセンブリ(1,101)は、配送位置及び取り付け位置で設置することができ、前記配送位置における前記上部モジュール(3,103)と前記下部モジュール(5,105)との間の距離は、前記取り付け位置における前記上部モジュール(3,103)と前記下部モジュール(5,105)との間の距離よりも小さく、
前記配送位置における前記予め取り付けられた壁部(7,107)は突出して、前記上部モジュールと前記下部モジュールとのうち、前記壁部(7,107)が予め取り付けられていない他方の背面側(15,113)の一部と重なる、
請求項1に記載の家具アセンブリ。
【請求項3】
前記家具アセンブリ(1,101)が取り付け位置にあるとき、前記壁部(7,107)は、前記上部モジュール(3,103)の背面側(13,113)の下側(13a)と前記下部モジュール(5,105)の背面側(15,115)の上側(15a)との間に到達する、
請求項1又は2に記載の家具アセンブリ。
【請求項4】
前記壁部(7,107)は、拭き取り可能な表面を有し、前記上部モジュール又は前記下部モジュールの背面側(13,115)に取り付けられた板(19,119)の突出部分(21,121)に設けられ、
前記板(19,119)は、前記板(19,119)の突出部分(21,121)が前記上部モジュール又は前記下部モジュールの背面側(13,115)から突出するように取り付けられ、
前記板の前記突出部分は、前記壁部と同じサイズである、
請求項1から3のいずれか1項に記載の家具アセンブリ。
【請求項5】
前記壁部(7,107)は、タイル、ガラス、プラスチック、石、又は金属製のスプラッシュボードである、請求項1から4のいずれか1項に記載の家具アセンブリ。
【請求項6】
記壁部(7,107)は、前記上部モジュール(3,103)と同じ向きで、前記上部モジュール(3,103)が取り付けられるのと同じ部屋の壁に隣接して設置されるように適合されている、
請求項1から5のいずれか1項に記載の家具アセンブリ。
【請求項7】
前記下部モジュールは、前記取り付け位置で、部屋の床に立つ、及び/又は、部屋の壁に取り付けられるように構成されている、請求項1から6のいずれか1項に記載の家具アセンブリ。
【請求項8】
前記上部モジュール(3,103)は、食器棚、キャビネット、棚、オーブン、電子レンジ、ファンのうちの1つ以上を含み、
前記下部モジュール(5,105)は、調理台、食器棚、キャビネット、引き出し、ストーブ、レンジ、シンク、食器洗い機、洗濯機、回転式乾燥機のうちの1つ以上を含む、
請求項1から7のいずれか1項に記載の家具アセンブリ。
【請求項9】
前記壁部(7)は前記上部モジュールに予め取り付けられている、請求項1から8のいずれか1項に記載の家具アセンブリ。
【請求項10】
前記壁部(107)は前記下部モジュールに予め取り付けられている、請求項1から8のいずれか1項に記載の家具アセンブリ。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の家具アセンブリ(1,101)を配送し、部屋に取り付けるための方法であって、
前記家具アセンブリ(1,101)を配送位置で設置するステップS1であって、前記配送位置における前記上部モジュール(3,103)と前記下部モジュール(5,105)との間の距離は、取り付け位置における前記上部モジュール(3,103)と前記下部モジュール(5,105)との間の距離よりも小さく、前記配送位置における前記予め取り付けられた壁部(7,107)は突出して、前記上部モジュールと前記下部モジュールとのうち、前記壁部(7,107)が予め取り付けられていない他方の背面側(15,113)の一部と重なる、前記家具アセンブリ(1,101)を配送位置で設置するステップS1と、
前記家具アセンブリ(1,101)を、前記配送位置で、部屋内の取り付けるべき場所に移送するステップS2と、
前記壁部(7,107)が、前記上部モジュール(3,103)の背面側(13,113)と前記下部モジュール(5,105)の背面側(15,115)とを接続するように、前記下部モジュール(5,105)に対して前記上部モジュール(3,103)を持ち上げて前記家具アセンブリ(1,101)を取り付け位置で設置するステップS3と、 を含む、
方法。
【請求項12】
前記上部モジュール(3,103)を取り付けられるべき部屋の壁に取り付けるステップS4を更に含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家具アセンブリ、家具アセンブリの上部又は下部モジュール、並びに家具アセンブリを配送し、部屋内に取り付ける方法に関する。
【背景技術】
【0002】
家具システムを、例えば、キッチンに取り付けるとき、多くの場合は、上部モジュールをキッチンの壁に取り付け、下部モジュールを上部モジュールの下の床に立てて設置することができる。上部モジュールは通常、例えば、キャビネット、棚、ファンを含み、下部モジュールは通常、調理台、キャビネット、引き出し、ストーブ、食器洗い機等を含む。上部モジュール及び下部モジュールを取り付けた後、モジュールの間の壁には、例えば、タイル、ガラス、金属、又は他の簡単に拭き取ることができる材料が適用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、便利な方法で配送されて部屋内に取り付けることができる家具アセンブリを提供することである。
【0004】
本発明の更なる目的は、家具アセンブリを配送し、部屋内に取り付けるための改善された方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これは、家具アセンブリ、家具アセンブリの上部又は下部モジュール、及び独立請求項による家具アセンブリを配送し、部屋内に取り付けるための方法によって達成される。
【0006】
本発明の一態様によれば、
上部モジュールと、
下部モジュールと、
家具アセンブリが取り付け位置で部屋内に取り付けられ、上部モジュールが下部モジュールの上方にあるとき、上部モジュールと下部モジュールとの間に設置されるように適合された壁部と、
を備え、
前記壁部は、上部モジュールと下部モジュールとのうちのいずれか一方に予め取り付けられている、
家具アセンブリが提供される。
【0007】
本発明の別の態様によれば、家具アセンブリの上部又は下部モジュールが提供され、前記上部又は下部モジュールは、前記上部又は下部モジュールの背面側から突出するように予め取り付けられた壁部を含み、前記壁部は、家具アセンブリが取り付け位置で部屋内に取り付けられ、上部モジュールが下部モジュールの上方にあるとき、上部モジュールと下部モジュールとの間に設置されるように適合される。
【0008】
本発明の別の態様によれば、本発明に係る家具アセンブリを配送し、部屋内に取り付けるための方法が提供される。当該方法は、
配送位置における上部モジュールと下部モジュールとの間の距離は、取り付け位置における上部モジュールと下部モジュールとの間の距離よりも小さく、配送位置において、予め取り付けられた壁部は突出して、上部モジュールと下部モジュールとのうち、当該壁部が予め取り付けられていない他方の背面側の一部と重なるように、家具アセンブリを配送位置で設置するステップと、
家具アセンブリを、配送位置で、部屋内の取り付けるべき場所に移送するステップと、
壁部が上部モジュールの背面側と下部モジュールの背面側とを接続するように、下部モジュールに対して上部モジュールを持ち上げて、家具アセンブリを取り付け位置で設置するステップと、
を含む。
【0009】
これにより、コンパクトな配送位置で設置することができる家具アセンブリが提供される。壁部が予め取り付けられていない上部又は下部モジュールの背面側の一部から突出しているとき、上部モジュールは、下部モジュールにもたれるように配置することができる。これは、例えば、家具アセンブリを、それが取り付けられるべき部屋に搬送するとき、例えば、ドアの開口部を通過するとき、又はエレベーター内等スペースが限られているときに有利である。更に、壁部が上部モジュールと下部モジュールとのうちのいずれか一方に予め取り付けられると、家具アセンブリの取り付けが容易に且つ迅速化することができる。
【0010】
本発明の一実施形態において、前記家具アセンブリは、配送位置及び取り付け位置で設置することができる。配送位置における上部モジュールと下部モジュールとの間の距離は、取り付け位置における上部モジュールと下部モジュールとの間の距離よりも小さく、配送位置において、予め取り付けられた壁部は突出して、上部モジュールと下部モジュールとのうち、当該壁部が予め取り付けられていない他方の背面側の一部と重なる。
【0011】
本発明の一実施形態において、家具アセンブリが取り付け位置にあるとき、壁部は、上部モジュールの背面側の下側と下部モジュールの背面側の上側との間に到達する。
【0012】
本発明の一実施形態において、壁部は、上部モジュールと下部モジュールとのうちのいずれか一方に予め取り付けられ、他方には取り付けられない。これによって、壁部が予め取り付けられていない上部モジュール又は下部モジュールに対して、壁部をスライドして家具アセンブリを配送位置にすることができ、当該配送位置において、上部モジュールと下部モジュールとは、互いに接近して配置され、壁部は、壁部が予め取り付けられていない上部モジュール又は下部モジュールの背面側の一部を覆っている。また、壁部が予め取り付けられていない上部モジュール又は下部モジュールに対して、壁部をスライドして家具アセンブリを取り付け位置にすることができ、当該取り付け位置において、壁部が上部モジュールの背面側と下部モジュールの背面側とを接続する状態にある。
【0013】
本発明の一実施形態において、壁部は、拭き取り可能な表面を有し、当該拭き取り可能な表面は、上部モジュール又は下部モジュールの背面側に取り付けられた板の突出部分に設けられる。前記板は、板の突出部分が上部モジュール又は下部モジュールの背面側から突出するように取り付けられており、板の突出部分は、壁部と実質的に同じサイズを有する。
【0014】
本発明の一実施形態において、壁部は、タイル、ガラス、プラスチック、石、又は金属製のスプラッシュボード(splash board)である。
【0015】
本発明の一実施形態において、家具アセンブリは、キッチン、ランドリールーム、又はバスルーム用である。
【0016】
本発明の一実施形態において、上部モジュールは、取り付け位置で部屋の壁に取り付けられるように構成され、壁部は、上部モジュールと同じ向きで、上部モジュールが取り付けられるのと同じ部屋の壁に隣接して設けるように配置される。
【0017】
本発明の一実施形態において、下部モジュールは、取り付け位置で部屋の床に立つように、及び/又は部屋の壁に取り付けられるように構成される。
【0018】
本発明の一実施形態において、上部モジュールは、食器棚、キャビネット、棚、オーブン、電子レンジ、及びファンのうちの1つ又は複数を含み、下部モジュールは、調理台、食器棚、キャビネット、引き出し、ストーブ、レンジ、シンク、食器洗い機、洗濯機、タンブル乾燥機のうちの1つ又は複数を含む。
【0019】
本発明の一実施形態において、壁部は上部モジュールに予め取り付けられる。本発明の他の実施形態において、壁部は下部モジュールに予め取り付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係る、配送位置にある家具アセンブリを示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る、配送位置にある家具アセンブリを示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係る、配送位置にある家具アセンブリを示す図である。
図4図1-3と同じ家具アセンブリであって、取り付け位置にある状態を示す図である。
図5図1-3と同じ家具アセンブリであって、取り付け位置にある状態を示す図である。
図6】本発明の別の実施形態に係る、配送位置にある家具アセンブリを示す図である。
図7】本発明の別の実施形態に係る、配送位置にある家具アセンブリを示す図である。
図8】本発明の別の実施形態に係る、配送位置にある家具アセンブリを示す図である。
図9図6-8と同じ家具アセンブリであって、取り付け位置にある状態を示す図である。
図10図6-8と同じ家具アセンブリであって、取り付け位置にある状態を示す図である。
図11】本発明の一実施形態に係る方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明によれば、家具アセンブリ1,101が提供される。家具アセンブリ1,101は、上部モジュール3,103と、下部モジュール5,105と、壁部7,107とを備える。家具アセンブリ1,101が取り付け位置で部屋に取り付けられ、上部モジュール3,103が下部モジュール5,105の上方に設置されたとき、壁部7,107は、上部モジュールと下部モジュールとの間に配置される。壁部7,107は、上部モジュール3,103と下部モジュール5,105とのいずれか一方に予め取り付けられている。壁部7が上部モジュール3に予め取り付けられた本発明の一実施形態を図1乃至図5に示し、壁部107が下部モジュール105に予め取り付けられた本発明の別の実施形態を図6乃至図10に示している。実施形態について、図を参照しながら以下に更に詳細に説明する。
【0022】
家具アセンブリ1,101は、配送位置及び取り付け位置で設置することができ、配送位置における上部モジュール3,103と下部モジュール5,105との間の距離は、取り付け位置における上部モジュール3,103と下部モジュール5,105との間の距離よりも小さい。配送位置において、予め取り付けられた壁部7,107は突出して、上部モジュールと下部モジュールとのうち、当該壁部が予め取り付けられていない他方の背面側15,113の一部と重なっている。このようにして、家具アセンブリは、よりコンパクトな配送位置で設置することができる。これは、家具アセンブリを、例えば、それが取り付けられるべき住宅及び部屋に配送及び搬送する際に有利である。例えば、ドアの開口部を通過するときやエレベーターの中では、スペースが限られる可能性があり、コンパクトな配送位置が有利になる。家具アセンブリ1,101は、キッチン、ランドリールーム、又はバスルーム用家具アセンブリにすることができる。壁部7,107は、例えば、タイル、ガラス、プラスチック、石、又は金属製のスプラッシュボードであってもよく、これらは、容易に拭き取ることができるため、例えば、キッチン、ランドリールーム、又はバスルームに適している。上部モジュール3,103は、部屋、例えば、キッチン、ランドリールーム、又はバスルームの壁に取り付けられるように構成され、下部モジュール5,105は、上部モジュールの下に設置され、部屋の床に立つように、及び/又は部屋の壁に取り付けられるように構成される。
【0023】
予め取り付けられた壁部7,107は、板19,119の突出部分21,121に設けることができる。板19,119は、上部モジュール3の背面側13、又は下部モジュール105の背面側115を覆っている。前記突出部分21,121は、予め取り付けられた壁部7,107が取り付けられていない上部モジュール又は下部モジュールのいずれか一方に向かって突出している。
【0024】
上部モジュール3,103は、例えば、食器棚、キャビネット、棚、オーブン、電子レンジ、及びファンのうちの1つ又は複数を含み、下部モジュール5,105は、例えば、調理台、食器棚、キャビネット、引き出し、ストーブ、レンジ、シンク、食器洗い機、洗濯機、及びタンブル乾燥機のうちの1つ又は複数を含むことができる。
【0025】
本発明に係る2つの異なる実施形態を、図1乃至図10を参照して以下により詳細に説明する。
【0026】
図1から図3は、本発明の一実施形態に係る配送位置にある家具アセンブリ1を示している。図4から図5は、図1から図3と同じ家具アセンブリ1であって、取り付け位置にある状態を示している。家具アセンブリ1は、上部モジュール3と下部モジュール5とを含み、部屋に取り付けられたときに、上部モジュール3が、下部モジュールの上方に設置されるように配置されている。家具アセンブリ1は、ここでは、キッチン家具アセンブリとして示されており、下部モジュール5は、オーブン及び引き出しを備え、上部モジュール3は、ファン及びキャビネットを備えている。この配送位置にある家具アセンブリ1は、ワゴン6上に設置されている。これにより、家具アセンブリは、それが取り付けられるべき場所に容易に移動することができる。図2に示すように、家具アセンブリ1が取り付けられるべき場所に移動された後、ワゴン6を取り外し、脚8を下部モジュール5に取り付けて、下部モジュール5を床に立てることができる。ただし、脚8は必ずしも必要ではなく、代わりに、下部モジュール5を壁に取り付けるか、又は直接に床に立てることができる。
【0027】
本発明のこの実施形態によれば、壁部7は、上部モジュール3に予め取り付けられて提供される。壁部7は、上部モジュール3の背面側13から突出している。図面に示す方向によれば、壁部7は、上部モジュール3の背面側13から下向きに突出している。これにより、壁部7は、上部モジュール3の背面側13の下側13aから突出している。本実施形態において、上部モジュール3の背面側13は、下側13a、対向する上側13b、及び2つの短辺側13c、13dを含む長方形である。しかしながら、上部モジュール3の形状は、必ずしも長方形である必要はない。上部モジュール3は、上部モジュール3の背面側13が壁に当てて設置されるように、取り付け位置で部屋の壁に取り付けられるように構成される。上部モジュール3の背面側13の下側13aから下向きに突出している壁部7は、上部モジュール3の背面側13と同じ向きで、上部モジュール3が取り付けられているのと同じ部屋の壁に隣接して設置される。下部モジュール5は、取り付け位置で部屋の床に立つか、又は部屋の壁に取り付けられるように構成されている。取り付け位置は図4及び図5に示している。
【0028】
図1乃至図3に示される配送位置において、上部モジュール3は下部モジュール5に近接して設置され、このとき、壁部7は、下部モジュール5の背面側15の一部に突き出ている。上部モジュール3は、下部モジュール5の上面17にもたれて設置することができる。しかしながら、図1乃至図3では、配送位置において、上部モジュール3と下部モジュール5との間に小さな距離が設けられていることが示されている。このように、上部モジュール3と下部モジュール5との間に支持部を設けることができ、これによって、上部モジュール3は直接に下部モジュール5の上面17にもたれていない。
【0029】
家具アセンブリ1が、それが取り付けられるべき部屋の場所に搬送されたとき、上部モジュール3は、下部モジュール5に対して持ち上げられ、上部モジュール3は、部屋、例えば、キッチン、ランドリールーム、又はバスルームの壁に取り付けられる。上部モジュール3に予め取り付けられた壁部7が、下部モジュール5の背面側15の上側15aと上部モジュール3の背面側13の下側13aとを接続するように、上部モジュール3は、下部モジュール5の上方に、一定の距離を持ち上げられる。言い換えれば、取り付け位置における壁部7は、上部モジュール3の背面側13の下側13aと、下部モジュール5の背面側15の上側15aとの間にある。このように、壁部7は、同じ向きで、上部モジュール3が取り付けられているのと同じ壁に当てて設置される。
【0030】
図1乃至図5に示す本発明のこの実施形態において、壁部7は、上部モジュール3の背面側13に取り付けられた板19の突出部分21に設けられている。板19は、板19の突出部分21が、上部モジュール3の背面側13の下側13aから突出するように、背面側13に取り付けられている。板19の突出部分21は、壁部7と実質的に同じサイズを有する。板19は、上部モジュール3の背面自体であることも可能であり、当該背面は、上部モジュール3の背面側13を覆っており、下部モジュール5に向かって下向きに突出するために、当該背面は、上部モジュールの背面側よりも大きく作られている。
【0031】
本発明による家具アセンブリ101の別の実施形態は図6乃至図10に示され、当該実施形態において、壁部107は下部モジュール105に予め取り付けられている。図6乃至図8において、家具アセンブリ101は、配送位置で設置され、このとき、上部モジュール103は下部モジュール105に近接して設置されている。図9乃至図10において、家具アセンブリ101は、取り付け位置で設置され、このとき、上部モジュール103は下部モジュール105に対して持ち上げられている。詳細の多くは前の実施形態と同じであるため、再度の詳細な説明はしない。この実施形態の違いは、壁部107が、上部モジュール103ではなく、下部モジュール105に予め取り付けられていることである。壁部107は、下部モジュール105の背面側115の上側115aから突出している。このように、配送位置における壁部107は、上部モジュール103の背面側113の一部に突き出ており、取り付け位置における壁部分107は、上部モジュールの背面側113の下側113aと下部モジュール105の背面側115の上側115aとの間にある。また、この実施形態において、壁部107は、板119の突出部分121に設けられ、当該板119は、下部モジュール105の背面側115に設置される。板は、下部モジュール5の背面側115を覆っている背面自体であることも可能であり、当該背面は、上部モジュールに向かって上向きに突出するために、下部モジュールの背面側よりも大きく作られている。
【0032】
図11は、本発明の一実施形態による、前述した家具アセンブリ1,101を配送し、部屋に取り付けるための方法のフローチャートである。この方法は以下のステップを含む。
ステップS1:家具アセンブリ1,101を配送位置で設置する。配送位置における上部モジュール3,103と下部モジュール5,105との間の距離は、取り付け位置における上部モジュール3,103と下部モジュール5,105との間の距離よりも小さく、配送位置において、予め取り付けられた壁部7,107は突出して、上部モジュールと下部モジュールとのうち、当該壁部が予め取り付けられていない他方(下部モジュール5又は上部モジュール103)の背面側(15又は113)の一部と重なる。
ステップS2:家具アセンブリ1,101を、配送位置で、部屋内の取り付けるべき場所に移行させる。
ステップS3:壁部7,107が上部モジュール3,103の背面側と下部モジュール5,105の背面側とを接続するように、下部モジュール5,105に対して上部モジュール3,103を持ち上げて、家具アセンブリ1,101を取り付け位置で設置する。
ステップS4:上部モジュール3,103を、それが取り付けられるべき部屋の壁に取り付ける。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11