(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-17
(45)【発行日】2023-10-25
(54)【発明の名称】選択的展開のための拘束機構及び関連する方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/97 20130101AFI20231018BHJP
【FI】
A61F2/97
(21)【出願番号】P 2021566524
(86)(22)【出願日】2019-05-10
(86)【国際出願番号】 US2019031761
(87)【国際公開番号】W WO2020231387
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2021-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】マイケル アール.ブロイルズ
(72)【発明者】
【氏名】ジェリー ジェイ.スタストカ
【審査官】川島 徹
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-518086(JP,A)
【文献】国際公開第2019/075069(WO,A1)
【文献】特開2003-052833(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0255580(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/97
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディカルデバイスの
段階的展開のための拘束体を形成するために該メディカルデバイスの周囲に配置され、かつ、ワープニットを形成するように第一の位置で織り合わされた一連の複数のループを含む少なくとも1つの拘束繊維
を含んでなるメディカルデバイス展開装置であって、
該複数のループの少なくとも1つは、該メディカルデバイスの周囲に少なくとも部分的に配置され、かつ、第二の位置で一緒に結合され、該ワープニットは、該メディカルデバイスを少なくとも1つの中間拘束構成と完全展開構成とに展開するため分離するように構成されている、メディカルデバイス展開装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの拘束繊維は、前記一連の複数のループを形成するために織り合わされた複数の拘束繊維を含む、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記一連の複数のループは前記第一の位置で結び目列を形成し、そして前記複数のループのループ部分は、前記メディカルデバイスの周囲に少なくとも部分的に延在しており、かつ、前記第二の位置で一緒に結合されている、請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記複数のループのループ部分を通して配置されて前記第二の位置で前記ループ部分を一緒に結合する取り外し可能な拘束体をさらに含む、請求項3記載の装置。
【請求項5】
前記取り外し可能な拘束体は、前記メディカルデバイスを前記少なくとも1つの中間拘束構成に展開するために、前記複数のループのループ部分から引き抜くように構成されている、請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの中間拘束構成は、第一の中間拘束構成及び第二の中間拘束構成を含み、前記複数の拘束繊維は前記第二の位置で結合され、かつ、第三の位置で結合され、そして前記複数の拘束繊維は、前記メディカルデバイスを前記第二の中間拘束構成に展開するために前記第三の位置で分離し、かつ、前記メディカルデバイスを前記第一の中間拘束構成に展開するために前記第二の位置で分離するように構成されている、請求項2~5のいずれか1項記載の装置。
【請求項7】
前記第三の位置で前記複数の拘束繊維を結合するように構成された第二の取り外し可能な拘束体をさらに含み、そし
て取り外し可能な拘束体
が前記第二の位置で前記複数の拘束繊維を結合するように構成されている、請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記第二の取り外し可能な拘束体は、前記複数のループのループ部分を通して配置され、前記第二の取り外し可能な拘束体は、前記メディカルデバイスを前記第二の中間拘束構成に展開するために前記第三の位置で複数の拘束繊維を分離するように前記ループ部分から引き抜くように構成されている、請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記複数の拘束繊維は、前記第一の中間拘束構成に展開し、前記メディカルデバイスの少なくとも一部を第一の中間直径とするように構成されており、かつ、前記第二の中間拘束構成に展開し、前記メディカルデバイスの少なくとも一部を第二の中間直径とするように構成されている、請求項6~8のいずれか1項記載の装置。
【請求項10】
前記複数の拘束繊維は、前記第一の中間拘束構成に展開し、前記メディカルデバイスの端部を前記第一の中間直径とし、かつ、前記メディカルデバイスの中間部分を拘束構成に維持するように構成されている、請求項9記載の装置。
【請求項11】
前記取り外し可能な拘束体はリンチピンを含む、請求項4~10のいずれか1項記載の装置。
【請求項12】
前記取り外し可能な拘束体は繊維を含む、請求項4~10のいずれか1項記載の装置。
【請求項13】
メディカルデバイスの周囲に拘束繊維を配置して拘束体を形成し、かつ、該メディカルデバイスを拘束構成にすること、ここで該拘束体は、結び目列を形成するように第一の位置で織り合わされたメディカルデバイスの周囲に配置された拘束繊維を含み、
該結び目列を形成した後に該拘束繊維を用いて一連の複数のループを形成すること、ここで該複数のループは、該結び目列から該メディカルデバイスの周囲に少なくとも部分的に配置され、そして
該複数のループを通して配置される取り外し可能な拘束体を配置して該複数のループを保持すること、
を含んでなる、メディカルデバイス展開装置のための拘束体を形成する方法。
【請求項14】
前記メディカルデバイスの周囲に前記拘束繊維を配置することは、前記結び目列を含むワープニットを形成することを含む、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記結び目列でメディカルデバイスの周囲に拘束繊維を配置することは、前記メディカルデバイスを第一の直径とすることを含み、かつ、前記一連の複数のループを形成することは、前記メディカルデバイスを前記第一の直径よりも小さい第二の直径とすることを含む、請求項13記載の方法。
【請求項16】
インプラント可能なメディカルデバイス、
該インプラント可能なメディカルデバイスの周囲に配置され、該インプラント可能なメディカルデバイスを拘束構成において解放可能に拘束するように構成された拘束体、ここで該拘束体は、結び目列を形成するように第一の位置で織り合わされた該メディカルデバイスの周囲に配置された拘束繊維と、該結び目列から該メディカルデバイスの周囲に少なくとも部分的に配置された一連の複数のループとを含み、及び
該複数のループを通して配置される取り外し可能な拘束体であって、該複数のループから引き抜かれ、該拘束体及び該インプラント可能なメディカルデバイスを中間構成に解放するように構成された取り外し可能な拘束体、
を含んでなる、メディカルデバイス展開装置。
【請求項17】
前記結び目列は、前記メディカルデバイスの少なくとも一部を第一の直径に維持するように構成されており、前記一連の複数のループは、前記メディカルデバイスを前記第一の直径よりも小さい第二の直径とすることを含む、請求項16記載の装置。
【請求項18】
前記結び目列は、前記メディカルデバイスの端部を第一の直径に維持するように構成され、前記一連の複数のループは、前記メディカルデバイスのある長さを拘束構成に維持するように構成されている、請求項17記載の装置。
【請求項19】
前記一連の複数のループは、前記結び目列から前記メディカルデバイスの周囲に180度配置され、そして前記第一の直径は前記第二の直径よりも約50%大きい、請求項17記載の装置。
【請求項20】
前記結び目列は、前記インプラント可能なメディカルデバイスを完全展開構成に展開するために解きほどくように構成されている、請求項16記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、インプラント可能なメディカルデバイスのデリバリーに使用される拘束体を含む装置、システム及び方法に関する。より具体的には、本開示は、デバイスデリバリー中の拡張可能デバイスの段階的展開のための拘束体を含む装置、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ステント及びステントグラフトを利用して、動脈、静脈、気道、胃腸管及び胆道を含む、体内の様々な管状通路を半径方向に支持することができる。これらのデバイスを配置するための好ましい方法は、処置する部位でデバイスを正確に配置及び展開するために特殊なデリバリーシステムを使用することであった。これらのデリバリーシステムにより、施術者はデバイスの配置に関連する外傷及び技術的な困難さを最小限に抑えることができる。デリバリーシステムの属性は次のとおりである:低プロファイル、イントロデューサシースを通過する能力、蛇行した血管系をスムーズかつ非外傷的に通り抜ける能力、拘束されたデバイスの保護、及び、デバイスを正確に配置及び展開する能力。
【0003】
ステント又はステントグラフトは、膨張可能なバルーンを使用することによって、又は、崩潰された又は拘束されたデリバリー直径から拡張及び展開された直径への弾性回復などによって自己拡張することなどによって、展開及び塑性変形されうる。幾つかのステントは、弾性回復特性を有する材料から機能直径で製造され、次に、デリバリーカテーテルに取り付けられるように半径方向に圧縮されることにより、弾性回復するように設計されている。
【0004】
これらのステント及びステントグラフトデバイスは、標的位置へのデリバリーの前及びデリバリー中に、デリバリー構成において保持、圧縮又は拘束されうる。
【発明の概要】
【0005】
1つの例(「例1」)によれば、メディカルデバイス展開装置は、メディカルデバイスの周囲に配置され、かつ、ワープニットを形成するように第一の位置で織り合わされた一連の複数のループを含む少なくとも1つの拘束繊維を含んでなり、該複数のループの少なくとも1つは、該メディカルデバイスの周囲に少なくとも部分的に配置され、かつ、第二の位置で一緒に結合され、該ワープニットは、該メディカルデバイスを少なくとも1つの中間拘束構成と完全展開構成とに展開するため分離するように構成されている。
【0006】
別の例(「例2」)によれば、例1の装置に加えて、前記少なくとも1つの拘束繊維は前記一連の複数のループを形成するために織り合わされた複数の拘束繊維を含む。
【0007】
別の例(「例3」)によれば、例2の装置に加えて、前記一連の複数のループは、第一の位置で結び目列を形成し、前記複数のループのループ部分は、前記メディカルデバイスの周囲に少なくとも部分的に延在しており、前記第二の位置で一緒に結合されている。
【0008】
別の例(「例4」)によれば、例3の装置に加えて、前記装置はまた、前記複数のループのループ部分を通して配置され、前記第二の位置で前記ループ部分を一緒に結合する取り外し可能な拘束体を含む。
【0009】
別の例(「例5」)によれば、例4の装置に加えて、前記取り外し可能な拘束体は、前記メディカルデバイスを少なくとも1つの中間拘束構成に展開するために、前記複数のループのループ部分から引き抜くように構成されている。
【0010】
別の例(「例6」)によれば、例2~5のいずれか1つの装置に加えて、前記少なくとも1つの中間拘束構成は第一の中間拘束構成及び第二の中間拘束構成を含み、前記複数の拘束繊維は前記第二の位置で結合され、第三の位置で結合され、そして前記複数の拘束繊維は、前記メディカルデバイスを前記第二の中間拘束構成に展開するために前記第三の位置で分離し、前記メディカルデバイスを前記第一の中間拘束構成に展開するために前記第二の位置で分離するように構成されている。
【0011】
別の例(「例7」)によれば、例6の装置に加えて、前記装置はまた、前記第三の位置で前記複数の拘束繊維を結合するように構成された第二の取り外し可能な拘束体を含み、前記取り外し可能な拘束体は前記第二の位置で前記複数の拘束繊維を結合するように構成されている。
【0012】
別の例(「例8」)によれば、例7の装置に加えて、前記第二の取り外し可能な拘束体は、前記複数のループのループ部分を通して配置され、前記第二の取り外し可能な拘束体は、前記メディカルデバイスを前記第二の中間拘束構成に展開するために前記第三の位置で複数の拘束繊維を分離するように前記ループ部分から引き抜くように構成されている。
【0013】
別の例(「例9」)によれば、例6~8のいずれか1つの装置に加えて、前記複数の拘束繊維は前記第一の中間拘束構成に展開し、前記メディカルデバイスの少なくとも一部を第一の中間直径とするように構成されており、そして前記第二の中間拘束構成に展開し、前記メディカルデバイスの少なくとも一部を第二の中間直径とするように構成されている。
【0014】
別の例(「例10」)によれば、例9の装置に加えて、前記複数の拘束繊維は前記第一の中間拘束構成に展開し、前記メディカルデバイスの端部を前記第一の中間直径とし、前記メディカルデバイスの中間部分を拘束構成に維持するように構成されている。
【0015】
別の例(「例11」)によれば、例4~10のいずれか1つの装置に加えて、前記取り外し可能な拘束体はリンチピンを含む。
【0016】
別の例(「例12」)によれば、例4~10のいずれか1つの装置に加えて、前記取り外し可能な拘束体は繊維を含む。
【0017】
1つの例(「例13」)によれば、メディカルデバイス展開装置のための拘束体を形成する方法は、該メディカルデバイスの周囲に拘束繊維を配置して拘束体を形成し、そして該メディカルデバイスを拘束構成にすること、ここで該拘束体は、結び目列を形成するように第一の位置で織り合わされた該メディカルデバイスの周囲に配置された拘束繊維を含み、該結び目列を形成した後に該拘束繊維を用いて一連の複数のループを形成すること、ここで該複数のループは、該結び目列から該メディカルデバイスの周囲に少なくとも部分的に配置され、及び、該複数のループを通して配置される取り外し可能な拘束体を配置して該複数のループを保持することを含む。
【0018】
別の例(「例14」)によれば、例13の方法に加えて、前記メディカルデバイスの周囲に前記拘束繊維を配置することは、結び目列を含むワープニットを形成することを含む。
【0019】
別の例(「例15」)によれば、例の方法に加えて、前記結び目列でメディカルデバイスの周囲に拘束繊維を配置することは、前記メディカルデバイスを第一の直径とすることを含み、前記一連の複数のループを形成することは、前記メディカルデバイスを前記第一の直径よりも小さい第二の直径とすることを含む。
【0020】
1つの例(「例16」)によれば、メディカルデバイス展開装置は、インプラント可能なメディカルデバイス、該インプラント可能なメディカルデバイスの周囲に配置され、該インプラント可能なメディカルデバイスを拘束構成において解放可能に拘束するように構成された拘束体、ここで該拘束体は、結び目列を形成するように第一の位置で織り合わされた該メディカルデバイスの周囲に配置される拘束繊維、及び、該結び目列から該メディカルデバイスの周囲に少なくとも部分的に配置された一連の複数のループを含む、及び、該複数のループを通して配置された取り外し可能な拘束体であって、該複数のループから引き抜かれ、該拘束体及び該インプラント可能なメディカルデバイスを中間構成に解放するように構成された取り外し可能な拘束体を含む。
【0021】
別の例(「例17」)によれば、例16の装置に加えて、前記結び目列は、前記メディカルデバイスの少なくとも一部を第一の直径に維持するように構成されており、前記一連の複数のループは、前記メディカルデバイスを前記第一の直径よりも小さい第二の直径とすることを含む。
【0022】
別の例(「例18」)によれば、例17の装置に加えて、前記結び目列は、前記メディカルデバイスの端部を前記第一の直径に維持するように構成され、前記一連の複数のループは、前記メディカルデバイスのある長さを拘束構成に維持するように構成されている。
【0023】
別の例(「例19」)によれば、例17の装置に加えて、前記一連の複数のループは、前記結び目列から前記メディカルデバイスの周囲に180度配置され、そして前記第一の直径は前記第二の直径よりも約50%大きい。
【0024】
別の例(「例20」)によれば、例16の装置に加えて、前記結び目列は、前記インプラント可能なメディカルデバイスを完全展開構成に展開するために解きほどくように構成されている。
【0025】
上述の例はまさに実施例であり、本開示によって他の方法で提供される本発明の概念のいずれの範囲も制限又は他の方法で狭めるように読まれるべきではない。複数の例が開示されているが、さらに他の実施形態は、例示的な例を示して説明する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に限定的なものではなく、本質的に例示的なものと考えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
添付の図面は、本開示のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、その一部を構成し、実施形態を示し、記載とともに、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0027】
【
図1】
図1は、1つの実施形態による、拘束体を備えたカテーテルを含むデリバリーシステムの上面図である。
【0028】
【
図2】
図2は、1つの実施形態による、拘束体を含むインプラント可能なメディカルデバイスの側面図である。
【0029】
【
図3】
図3は、1つの実施形態による、例示的な拘束体の図である。
【0030】
【
図4】
図4は、1つの実施形態による、別の例示的な拘束体の図である。
【0031】
【
図5】
図5は、1つの実施形態による、別の例示的な拘束体の図である。
【0032】
【
図6】
図6は、1つの実施形態による、別の例示的な拘束体の図である。
【0033】
【
図7】
図7A~Cは、1つの実施形態による、拘束体を使用するインプラント可能なメディカルデバイスの展開の段階の図を示す。
【0034】
【
図8】
図8A~Cは、1つの実施形態による、拘束体を使用するインプラント可能なメディカルデバイスの展開の段階の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
定義及び用語
測定値の範囲に関して本明細書で使用される用語として、「約」及び「ほぼ」は、交換可能に、測定値を指すために使用され、該測定値は、記載された測定値を含み、また、記載された測定値に合理的に近い測定値を含むことができるが、測定誤差、測定及び/又は製造装置の校正の違い、測定値の読み取り及び/又は設定における人為的誤差、他の構成要素に関連する測定値の違いを考慮して性能及び/又は構造パラメータを最適化するために行われた調整、特定の実装シナリオ、人又は機械による対象物の不正確な調整及び/又は操作などに起因する可能性がある、関連技術の当業者により理解され、容易に確認されるように合理的に少量だけ異なることができる。
【0036】
本開示は、限定的な方法で読まれることが意図されない。例えば、本出願で使用される用語は、その分野の用語がそのような用語に帰する意味の関係で広く読まれるべきである。
【0037】
不正確さの用語に関して、「約」及び「ほぼ」は、測定値を指すため互換的に使用され、該測定値は、記載された測定値を含み、また、記載された測定値に合理的に近い測定値を含むことができる。記載された測定値に合理的に近い測定値は、当業者により理解され、容易に確認されるように合理的に少量だけ逸脱することができる。このような逸脱は、例えば、測定誤差、又は、性能を最適化するために行われた微小調整に起因することができる。関連技術の当業者がそのような合理的に少量の差異の値を容易に確認できないと判断された場合には、「約」及び「ほぼ」という用語は、記載された値の±10%を意味すると理解することができる。
【0038】
本明細書において、便宜上、特定の用語を使用している。例えば、「上(top)」、「下(bottom)」、「上(upper)」、「下(lower)」、「左(left)」、「右(right)」、「水平(horizontal)」、「垂直(vertical)」、「上向き(upward)」、「下向き(downward)」などの単語は、図中に示された構成を単に記載し、又は、取り付け位置での部品の向きを単に記載している。実際、参照される構成要素は任意の方向に向けることができる。同様に、プロセス又は方法が示され又は記載される本開示全体を通して、方法が特定の動作を最初に行うことに依存されることが文脈から明らかでない限り、方法は任意の順序で又は同時に実行されうる。
【0039】
座標系は、図に示され、記載において参照され、ここで、「Y」軸は垂直方向に対応し、「X」軸は水平又は横断方向に対応し、「Z」軸は内部/外部方向に対応する。
【0040】
各種実施形態の説明
当業者は、本開示の様々な態様が、意図された機能を発揮するように構成された任意の数の方法及び装置によって実現できることを容易に理解するであろう。本明細書で参照される添付の図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、本開示の様々な態様を説明するために誇張されていることがあり、その点で、図面は限定として解釈されるべきではないことにも留意されたい。
【0041】
本開示の様々な態様は、拘束体を形成又は製造することを含む装置、システム及び方法を対象とする。拘束機構は、標的位置へのデリバリー前及びデリバリー中に、デリバリー構成においてインプラント可能なメディカルデバイス(例えば、ステント、ステントグラフト、バルーン、フィルタ又は他の拡張可能なメディカルデバイス)を保持、圧縮又は拘束するように構成されている。特定の例において、拘束体は、一緒に配置された1つ以上の繊維を含むことができる。繊維は、デバイスの周囲方向に織り合わされるか、縫い合わされるか又はさもなければ互いにインターロックされることができる。拘束体を取り除くために、1つ以上の繊維は拘束体内の他の繊維から解きほどかれるか、又は破壊されることができる。
【0042】
本開示の様々な態様は、拘束体を使用してメディカルデバイスの展開を制御することを対象とする。特定の例において、メディカルデバイスの少なくとも一部を、拘束直径よりも大きい中間直径に展開することが有益である可能性がある。例えば、医師はメディカルデバイスを中間直径に展開し、患者内のメディカルデバイスの位置を視覚化することができる。医師は、メディカルデバイスの位置又は角度を中間直径で調整し、次いで、メディカルデバイスを別の非完全展開直径に展開するか、又はデバイスを完全に展開することができる。以下でさらに詳細に論じるように、拘束体は、インプラント可能なデバイスの段階的な展開を可能にする拘束体を形成するように配置されうる1つ以上の拘束繊維によって形成されうる。
【0043】
図1は、幾つかの実施形態による、拘束体102を備えたカテーテル100の上面図である。
図1に示されるように、拘束体102は、インプラント可能なメディカルデバイス104をデリバリー構成に拘束するように構成されている。拘束体102は、拘束構成に拘束体102を維持するために、インプラント可能なメディカルデバイス104の周囲に配置された1つ以上の繊維106を含むことができる。
【0044】
拘束体102は、インプラント可能なメディカルデバイス104のある長さに沿って配置されている。拘束体102はまた、インプラント可能なメディカルデバイス104の周りに周囲方向に配置され、デリバリーのためにインプラント可能なメディカルデバイス104を実質的に覆うことができる。1つ以上の繊維106は、カテーテル100の管腔(図示せず)内に配置され、インプラント可能なメディカルデバイス104のデリバリー中に患者の外部に配置されたカテーテル100の近位端に向かって延在することができる。1つ以上の繊維106は、拘束体102を解放し、インプラント可能なメディカルデバイス104を展開するために、ユーザが張力を加えることができる近位端108を含む。
【0045】
特定の例において、1つ以上の繊維106は、インターロッキング部分(例えば、オーバーラッピング繊維又は結び目)がインプラント可能なメディカルデバイス104の長さに沿って連続的に解放されるように、リップコードと同様に解放される。下記により詳細に説明されるように、拘束体102は、1つ以上の繊維106をインプラント可能なメディカルデバイス104上で直接インターロックすることによって形成される。一緒に編まれ、次いで、拘束されたデバイスの周りに配置される従来の複数繊維拘束体と比較して、拘束体102は、インプラント可能なメディカルデバイス104の上に直接形成される。拡張可能なメディカルデバイス104は、ステント、ステントグラフト、バルーン又は同様のデバイスであることができる。
【0046】
図2は、1つの実施形態による、拘束体102を含むデバイス104の側面図である。示されるように、デバイス104は、デリバリー直径D1と、該デリバリー直径D1よりも大きい展開直径D2(図示せず)とを含む。取り外し可能な拘束体102は、そのデリバリー直径D1でデバイス104に取り付けられている。示されるように、拘束体102は、ワープニットの形態で少なくとも2つのインターロッキングストランドを含む。例えば、拘束体102は、第一のインターロッキングストランド110及び第二のインターロッキングストランド112を含むことができる。第一のインターロッキングストランド及び/又は第二のインターロッキングストランド110、112は、例えば、展開ライン120(これは、以下でさらに詳細に論じられるように、1つ以上の結び目列114に結合されうる)に加えられた力に応答して、拘束体102を解放し、デバイス104をデリバリー直径D1から展開直径D2に移行させるように構成された展開ライン120として動作しうる。
【0047】
デバイス104は、例えば、約5mm~15mm又は6mm~9mm又は6mm~12mm、10mm~20mm、15mm~30mm、25mm~45mmの所望の展開直径D2、及び、展開直径D2よりも小さいデリバリー直径D1を有することができる。例えば、幾つかの例において、デバイス104のデリバリー直径D1/デバイス104の展開直径D2(図示せず)の比は、約0.3未満、約0.29未満、約0.28未満、約0.27未満又は約0.26未満である。参考までに、「直径」という用語は、円形の断面を必要とすることを意味するのではなく、代わりに、デバイス104の最大横断面寸法を指すように広く理解されるべきである。
【0048】
図3は、1つの実施形態による、例示的な拘束体102の図である。拘束体102は、メディカルデバイス(例えば、
図1~2に示されるように)展開装置であるか、又はその一部を形成することができる。
図3に示されるように、拘束体102は、メディカルデバイスの周囲に配置された少なくとも1つの拘束繊維110を含むことができる。拘束繊維110は、一連の複数のループ222を形成することができる。ループ222のうちの単一のものが、例示を容易にするために
図3に強調表示されて示されている。
【0049】
一連の複数のループ222は、第一の位置で織り合わされて、ワープニットを形成する(
図7~8を参照してさらに詳細に示されるとおり)。さらに、複数のループ222は、結び目列で一緒に織り合わされてもよい。結び目列、一連の結び目又はシームで形成された後に、1つ以上のループ222は、メディカルデバイスの周囲に少なくとも部分的に配置されることができ、
図3に示されるように第二の位置で一緒に結合されうる。ワープニットは、メディカルデバイスを少なくとも1つの中間拘束構成と完全展開構成とに展開するため分離するように構成されている。
【0050】
特定の例において、ループ222は、結び目列の反対側で又は周囲方向で反対に保持又は結合される。他の例において、ループ222は、結び目列をオーバーレイするか、又はほぼオーバーレイするように、メディカルデバイスの周りに周囲方向に巻き付けられることができる。ループ222は、結び目列からメディカルデバイスの周りにいかなる量で巻き付けられてもよい。特定の例において、拘束繊維110は折り返され、ループ222を形成し、これらを一緒に編んで結び目列を形成する。ループ222の遠位端部分は、ループ部分224である。複数のループ222のループ部分224は、第二の位置で一緒に結合されたメディカルデバイスの周囲に少なくとも部分的に延在していることができる。複数のループ222、より具体的には、複数のループ222のループ部分224を一緒に結合するために、取り外し可能な拘束体226をループ部分224を通して配置することができる。
【0051】
図3に示されるように、取り外し可能な拘束体226は、複数のループ222のループ部分224を通して配置されて、ループ部分224を第二の位置で一緒に結合する。特定の例において、複数のループ222のループ部分224は、結合するために第二の位置で一緒に織り合わされてよく、複数のループ222のループ部分224は、結合するために第二の位置で接着剤を使用して一緒に接着されてよく、又は、複数のループ222のループ部分224は、結合するために拘束繊維110の他の部分に留められてよい。
【0052】
拘束体102を形成するために、拘束繊維110をメディカルデバイスの周りに配置して、メディカルデバイスを拘束構成に配置することができる。拘束繊維110は、結び目列を形成するために第一の位置で織り合わされてよい。拘束繊維110は、結び目列を形成するために織り合わされる前又は後に、一連のループ222に形成されうる(例えば、拘束体102は、ワープニットパターンであることができる)。次に、ループ222は、結び目列とは別に、少なくとも部分的に周囲に配置されうる。ループ222を結合するために、取り外し可能な拘束体226は、複数のループ222を通して第二の位置に複数のループ222を保持する。
【0053】
取り外し可能な拘束体226とともに保持されているループ222は、メディカルデバイスの段階的展開のための拘束体102を構成する。結び目列を形成し、メディカルデバイスの周囲に巻き付けられるループ222は、拘束体102が単一の結び目列を含む場合よりも小さいさらなる第二の直径にデバイスを拘束する。取り外し可能な拘束体226は、ループ222を保持し、ループ222を解放するために引き抜かれることができる。ループ222を解放すると、拘束体102及びメディカルデバイスが中間直径に拡張される。拘束体102は、結び目列のために無傷のままであり、結び目列は、
図7~8を参照してさらに詳細に示されるように、メディカルデバイスを完全に展開するように解かれることができる。
【0054】
特定の例において、結び目列でメディカルデバイスの周囲に拘束繊維110を配置することは、メディカルデバイスを第一の直径で配置することを含み、一連の複数のループ222を形成することは、メディカルデバイスを第一の直径よりも小さい第二の直径で配置することを含む(例えば、
図7~8にさらに詳細に示されるとおり)。このように拘束体102を形成することにより、段階的展開拘束体102を形成することができる。拘束繊維110は、結び目列を形成するときにメディカルデバイスの周りに最初に巻き付けられ、ループ222で2回目(又は回転の一部)に巻き付けられることができる。したがって、ループ222は、デバイスを完全に拘束することができ、取り外し可能な拘束体226が引き抜かれると、結び目列は、完全拘束直径の2倍である中間直径にデバイスを解放することができる。直径の違いは、拘束繊維110の巻き付けの量に依存することができる。さらに、拘束繊維110は、メディカルデバイスの部分が中間直径に展開されうるように、メディカルデバイスの部分の周りに巻き付けることができる。さらに、拘束繊維110及び取り外し可能な拘束体226は、拘束体102内の特定数の拘束繊維110及び取り外し可能な拘束体226のうちの1つであることができる。
【0055】
特定の例において、ループ222は、結び目列からメディカルデバイスの周囲に180度配置され、第一の直径は、第二の直径よりも約50%大きい。さらに、取り外し可能な拘束体226は、リンチピン(例えば、金属又は金属性)であることができ、又は取り外し可能な拘束体226は繊維であることができる。
【0056】
図4は、1つの実施形態による、別の例示的な拘束体102の図である。拘束体102は、メディカルデバイスの周りにワープニットパターンで配置された拘束繊維110を含む。拘束繊維110は、結び目の第一の列330及び結び目の第二の列332を含む。結び目の第一の列330は、結び目の第二の列332と拘束体102の正反対側に配置される。
【0057】
特定の例において、拘束繊維110は、メディカルデバイスの周りで周囲方向に巻き付けられ、第一の位置及び第二の位置で一緒に織り合わされて、結び目の第一の列330及び結び目の第二の列332を形成する。結び目の第一の列330は結び目の第二の列332と拘束体102の正反対側に配置され、その結果、拘束体102は段階的展開のために構成される。
【0058】
取り外し可能な拘束体226は、結び目の第一の列330及び結び目の第二の列332のループ部分222を通して配置される。遠位端334に張力を加えて、取り外し可能な拘束体226を引き抜くことができる。取り外し可能な拘束体226の遠位端334(医師にアクセス可能であることができる)にかけられる張力に応答して、取り外し可能な拘束体226は、結び目の第一の列330及び結び目の第二の列332から解きほぐされ、又は脱結合されうる。特定の例において、取り外し可能な拘束体226は、結び目の第一の列330の前に、結び目の第二の列332を通して引き抜かれる。他の例において、取り外し可能な拘束体226は、結び目の第一の列330と同時に結び目の第二の列332を通して引き抜かれる。
【0059】
特定の例において、取り外し可能な拘束体226は、結び目の第一の列330及び結び目の第二の列332を通して引き抜かれ、メディカルデバイスが拘束直径よりも大きい直径に拡張できるようにする。拘束体102の拘束直径は、拘束体102内に配置されたとき及び取り外し可能な拘束体226が結び目の第一の列のループ部分222を通して、そして結び目の第二の列332のループ部分222を通して配置されるときに、メディカルデバイスの最小直径である。特定の例において、取り外し可能な拘束体226は、
図7~8をさらに詳細に示されるように、結び目の第一の列330を通して引き抜かれてメディカル直径を第一の中間直径に拡張し、結び目の第二の列332を通して引き抜かれてメディカル直径を第二の中間直径(第一の中間直径よりも大きい)に拡張する。
【0060】
取り外し可能な拘束体226が結び目の第一の列330及び結び目の第二の列332を通して引き抜かれた後に、拘束体102が解かれて、メディカルデバイスを完全展開直径に拡張できるようにすることができる。展開ライン336を拘束繊維110に結合することができる(又は拘束繊維110は、医師がアクセス可能な遠位端を含むことができる)。展開ライン336に加えられた張力は、拘束体102を解きほぐすことができる。特定の例において、展開ライン336に加えられた張力は、結び目の第一の列330及び結び目の第二の列332を解きほぐす又は解くことができ、メディカルデバイスが完全展開直径まで拡張することを可能にする。
【0061】
図5は、1つの実施形態による、別の例示的な拘束体102の図である。拘束体102は、メディカルデバイスの周りにワープニットパターンで配置された第一の拘束繊維110及び第二の拘束繊維112を含む。第一の拘束繊維110及び第二の拘束繊維112は、少なくとも結び目の第一の列330及び結び目の第二の列332を含む。結び目の第一の列330は、結び目の第二の列332と拘束体102の正反対側に配置される。特定の例において、第一の拘束繊維110及び第二の拘束繊維112は、拘束体102の直径方向に異なる部分に配置された結び目の追加の列を形成することができる。
【0062】
特定の例において、第一の拘束繊維110及び第二の拘束繊維112は、メディカルデバイスの周りに周囲方向に巻き付けられ、第一の位置及び第二の位置で一緒に織り合わされて、結び目の第一の列330及び結び目の第二の列332(それぞれがループ部分222を含むことができる)を形成する。
【0063】
図5に示されるように、第一の取り外し可能な拘束体226は、結び目の第一の列330の部分を通して配置され、第二の取り外し可能な拘束438は、結び目の第二の列332を通して配置される。張力は、第一の取り外し可能な拘束体226及び第二の取り外し可能な拘束体338の各々の遠位端に加えられ、第一の取り外し可能な拘束体226及び第二の取り外し可能な拘束体338を個々に引き抜くことができる。遠位端(医師がアクセスできる)に加えられた張力に応答して、第一の取り外し可能な拘束体226及び第二の取り外し可能な拘束体338は、結び目の第一の列330及び結び目の第二の列332から引き抜くことができる。
【0064】
特定の例において、第一の取り外し可能な拘束体226及び第二の取り外し可能な拘束体338は、メディカルデバイスの段階的な展開を可能にするために引き抜かれる。第一の取り外し可能な拘束体226は、結び目の第一の列330を通して引き抜かれ、メディカルデバイスが拘束直径よりも大きい第一の中間直径に拡張することを可能にする。拘束体102の拘束直径は、拘束体102内に配置され、そして第一の取り外し可能な拘束体226及び第二の取り外し可能な拘束体338が結び目の第一の列330を通してそして結び目の第二の列332を通して配置されたときの、メディカルデバイスの最小直径である。展開の第二の段階を可能にするために、第二の取り外し可能な拘束体338は、
図7~8を参照してさらに詳細に示されるように、結び目の第二の列332を通して引き抜かれ、メディカル直径が第二の中間直径(第一の中間直径よりも大きい)に拡張できるようにする。
【0065】
第一の取り外し可能な拘束体226が結び目の第一の列330を通して引き抜かれ、第二の取り外し可能な拘束体338が結び目の第二の列332を通して引き抜かれた後に、拘束体102は解かれ、メディカルデバイスが完全展開直径に拡張できるようになる。展開ライン336は、第一の拘束繊維110、第二の拘束繊維112、第一の拘束繊維110と第二の拘束繊維112の両方に結合されうるか、又は、第一の拘束繊維110及び第二の拘束繊維112は一緒に結合されて、展開ライン336を形成することができる。展開ライン336は、医師がアクセス可能な遠位端を含むことができる。展開ライン336に加えられた張力は、拘束体102を解きほぐすことができる。特定の例において、展開ライン336に加えられた張力は、結び目の第一の列330及び結び目の第二の列332を解きほぐし又は解いて、メディカルデバイスを完全展開直径に拡張できるようにする。
【0066】
図6は、1つの実施形態による、別の例示的な拘束体102の図である。拘束体102は、メディカルデバイスの周りにワープニットパターンで配置された第一の拘束繊維110、第二の拘束繊維112及び第三の拘束繊維542を含む。拘束繊維110、112、542は、少なくとも、結び目の第一の列330、結び目の第二の列332及び結び目の第三の列540を含む。結び目の列330、332、540(各々がループ部分222を含むことができる)は、拘束体102の直径方向に異なる位置に配置される。
【0067】
図6に示されるように、第一の取り外し可能な拘束体226は、結び目の第一の列330の部分を通して配置され、第二の取り外し可能な拘束体338は、結び目の第二の列332を通して配置され、第三の取り外し可能な拘束体542は、結び目の第三の列540を通して配置される。張力は、第一の取り外し可能な拘束体226、第二の取り外し可能な拘束体338及び第三の取り外し可能な拘束体542のそれぞれの遠位端に加えられて、第一の取り外し可能な拘束体226、第二の取り外し可能な拘束体338及び第三の取り外し可能な拘束体542を個別に引き抜くことができる。
【0068】
特定の例において、第一の取り外し可能な拘束体226、第二の取り外し可能な拘束体338及び第三の取り外し可能な拘束体542のそれぞれは、メディカルデバイスの段階的展開を可能にするように引き抜かれる。第一の取り外し可能な拘束体226は、結び目の第一の列330を通して引き抜かれ、メディカルデバイスが拘束直径よりも大きい第一の中間直径に拡張できるようにする。展開の第二の段階を可能にするために、第二の取り外し可能な拘束体338は、結び目の第二の列332を通して引き抜かれ、メディカル直径が第二の中間直径(第一の中間直径よりも大きい)に拡張できるようにする。展開の第三の段階を可能にするために、第三の取り外し可能な拘束体544は、
図7~8を参照してさらに詳細に示すように、結び目の第三の列540を通して引き抜かれ、メディカル直径が第三の中間直径(第一の中間直径及び第二の中間直径よりも大きい)に拡張できるようにする。
【0069】
取り外し可能な拘束体226、438、544が引き抜かれた後に、拘束体102は解かれ、メディカルデバイスが完全展開直径に拡張することを可能にすることができる。
【0070】
図7A~Cは、1つの実施形態による、拘束体102を使用するインプラント可能なメディカルデバイスの展開の段階の図を示す。拘束体102は、インプラント可能なメディカルデバイス104(
図7Cに示される)の周囲に配置され、
図7Aに示されるような拘束構成でメディカルデバイス104を解放可能に拘束するように構成されている。拘束構成は、メディカルデバイスが第一の直径D1になるようにする。拘束体102は、
図3~6に示される拘束体のいずれか1つであることができ、拘束体102は、メディカルデバイス104の周囲に配置された少なくとも1つの拘束繊維110を含む。(少なくとも1つの)拘束繊維110は、第一の位置で織り合わされて、結び目列330及び該結び目列330からメディカルデバイス104の周囲に少なくとも部分的に配置された一連の複数のループ332を形成する。特定の例において、複数のループ332は、
図3~6を参照して上記でさらに詳細に記載されたように、結び目の第二の列(例えば、各結び目列はループ222を含む)であることができる。
【0071】
取り外し可能な拘束体226は、複数のループ332(例えば、結び目の第二の列)を通して配置される。取り外し可能な拘束体226は、複数のループ332から引き抜かれ、拘束体102及びインプラント可能なメディカルデバイス104を中間構成に解放するように構成されている。
図7Bに示されるように、インプラント可能なメディカルデバイス104(及び拘束体102)は、中間構成において第二の直径D2に拡張される。第二の直径D2は第一の直径D1よりも大きい。
【0072】
特定の例において、そして上記のように、
図7Bに示されるような中間拘束構成は、第一の中間拘束構成及び第二の中間拘束構成を含む。これらの例において、拘束繊維110(又は複数の拘束繊維)は、第二の位置で結合され、第三の位置で結合されることができる。これらの例において、拘束繊維110又は複数の繊維は、メディカルデバイス104を第二の中間拘束構成に展開するために第三の位置で分離し、メディカルデバイス104を第一の中間拘束構成に展開するために第二の位置で分離するように構成されている。
【0073】
このようにメディカルデバイス104を展開するために、第二の取り外し可能な拘束体は、拘束繊維110又は複数の拘束繊維を第三の位置で結合するように構成されており、取り外し可能な拘束体は、複数の拘束繊維を第二の位置で結合するように構成されている。第二の取り外し可能な拘束体は、ループのループ部分を通して配置され、第二の取り外し可能な拘束体は、ループ部分から引き抜かれ、拘束繊維110又は複数の拘束繊維を第三の位置で分離して、メディカルデバイス104を第二の中間拘束構成に展開するように構成されている。拘束繊維110又は複数の拘束繊維は、第一の中間拘束構成に展開し、メディカルデバイスの少なくとも一部を第一の中間直径になるようにし、そして第二の中間拘束構成に展開し、メディカルデバイスの少なくとも一部を第二の中間直径になるように構成されている。
【0074】
図7Bに示されるように、結び目列130(又は
図5~6を参照して上記で論じた結び目列)は、取り外し可能な拘束体226(又は
図5~6を参照して上記で論じた拘束体)が引き抜かれた後に、拘束体102を無傷に維持する。結び目列330は、
図7Cに示されるように、インプラント可能なメディカルデバイス110を完全展開構成(及び第三の直径D3)に展開するように解きほぐされるように構成されている。
【0075】
図8A~Cは、1つの実施形態による、拘束体102を使用するインプラント可能なメディカルデバイスの展開の段階の図を示す。拘束体102は、インプラント可能なメディカルデバイス104(
図8Cに示される)の周囲に配置され、
図8Aに示されるような拘束構成でメディカルデバイス104を解放可能に拘束するように構成されている。拘束構成は、メディカルデバイスを第一の直径D1になるようにする。拘束体102は、
図3~6に示される拘束体のいずれかであることができる。拘束体102は、メディカルデバイス104の周囲に配置された少なくとも1つの拘束繊維110を含む。(少なくとも1つの)拘束繊維110は、第一の位置で織り合わされて、結び目列330及び該結び目列330からメディカルデバイス104の周囲に少なくとも部分的に配置された一連の複数のループ332を形成する。特定の例において、複数のループ332は、
図3~6を参照して上記でさらに詳細に記載されたように、第二の結び目列(例えば、各結び目列はループ222を含む)であることができる。
【0076】
取り外し可能な拘束体226は、複数のループ332(例えば、第二の結び目列)を通して配置されている。取り外し可能な拘束体226は、複数のループ332から引き抜かれ、拘束体102及びインプラント可能なメディカルデバイス104を中間構成に解放するように構成されている。
図7Bに示されるように、インプラント可能なメディカルデバイス104(及び拘束体102)の端部は、中間構成において第二の直径D2に拡張される。第二の直径D2は第一の直径D1よりも大きい。特定の例において、拘束繊維110又は複数の拘束繊維は、インプラント可能なメディカルデバイス104を第一の中間拘束構成に展開し、メディカルデバイスの端部を第一の中間直径とし、メディカルデバイスの中間部分を拘束構成(及び直径D1)に維持するように構成されている。結び目列330は、メディカルデバイスの端部を第一の直径に維持するように構成されており、一連の複数のループは、メディカルデバイスのある長さを拘束構成に維持するように構成されている。
【0077】
図8Bに示されるように、結び目列130(又は
図5~6を参照して上記で論じた結び目列)は、取り外し可能な拘束体226(又は
図5~6を参照して上記で論じた拘束体)が引き抜かれた後に、拘束体102を無傷に維持する。結び目列330は、
図8Cに示されるように、インプラント可能なメディカルデバイス110を完全展開構成(及び第三の直径D3)に展開するように解きほぐすように構成されている。
【0078】
本出願の本発明の概念は、一般的に及び特定の実施形態に関しての両方で上記に記載されてきた。本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態において様々な変更及び変形を行うことができることは当業者に明らかであろう。したがって、実施形態は、それらが添付の特許請求の範囲及びそれらの均等形態の範囲内に入るかぎり、本発明の概念の変更及び変形を網羅することが意図されている。